友「男様、どうか私に釣りを教えてください」(340)

仕事に忙殺されてて釣りにいけないストレス発散で書いていこうと思ってます

機械音痴でネットとかも詳しくないんでもしマナー違反とか読みにくかったりしたら教えてくれたら改善します

とりあえず仕事中に書き溜めたのコピペしていくんで暇潰し程度に楽しんでください

男「なに?急に」

男「お前こないだ誘った時なんて言った?」

友「……………」

男「なんて言った?」

友「夏でもないのに海にいくとか頭悪いんじゃないのかって言いました…」

男「夏に誘った時なんて言ったっけ?」

友「フナムシと友達になる趣味はないって言いました…」

男「そんなお前が急に釣りを教えてくれとかどんな心変わり?いや掌返しと言うべきなのかなこれは?」

友「えっと…実は…」カクカクシカジカ

男「あきれた。他をあたれ」

友「見捨てないで!!」

友「私には男君しかいないのぉぉぉ」ダキツキ

男「気持ち悪りぃ!離れろ!」ケリ

男「こっちが誘っても嫌味の一言添えて断ってたのお前だろーが」

男「それが合コンでドストライクの女の」

男「私アウトドアな趣味持ってる人がタイプって一言で趣味を釣りにしようとか全国の釣り人に謝れ」

友「返す言葉もありません」ドゲザ

男「しかも釣りに連れて行く約束までしてるとかこのまま約束の日迎えて大恥かきやがれ」

友「頼む男!一生のお願い!」

男「嫌だね!」プイ

友「くっ…頑固なやつとは知ってたが…こうなりゃ奥の手だ」

男「なんと言われても断るぞ?まぁ奥の手とやらを聞くだけ聞いてやろう」

友「実はお前が前々から使いたがってた親父が持ってる車庫の一室を好きに使ってもいいって言われてるんだよなー」

男 ピク

友「男が釣り教えてくれるっていうならそこを二人共用の釣具置き場に使ってもいいんだけどなー」チラ

男「なんだと?」

友「しかも今なら余ってるソファとテーブルもあるから簡単な作業場も作れるぞ」ニヤ

男「ぼさっとするな!今から釣具屋いくぞ!俺がお前にピッタリの竿を選んでやるよ」

友「さすが男!そうこなくっちゃ」

男「お前が途中で釣りに飽きても車庫は使い続けるからな?」

友「もちろん。ほら鍵一本渡しとくから好きな時に使えよ」

男「サンキュー」

男(どうせこいつはすぐ飽きる。そうなったらあの車庫は俺のもんだ!)

友「ニヤニヤしてるとこ悪いけど俺今日手持ちそんなないんだが釣具ってどれくらい値段かかるものなん?」

男「物によるな。あとなにを釣るかにもよる。お前釣りたい魚とかいる?」

友「あ!俺あれ釣りたい!真鯛!超美味いし」

男「真鯛かぁ。釣れないわけじゃないんだけど波止からは狙いにくいからなぁ」

男「投げ釣りでも釣れるけども初心者には敷居が高い」

友「残念だ。鯛とか釣れたらカッコ良いのに」

男「んー じゃあチヌとかどうだ?」

友「チヌ?」

男「クロダイとも呼ばれる釣りの対象魚だ」

友「名前でなんとなく形は想像できるな。どんな魚なんだ?」

男「雑食で色々な釣り方で釣れるから釣り人の遊び相手として昔から愛されてる。」

男「一部ではこのチヌに特化させた釣りが考案されたりしてるくらいだ。和歌山発祥の紀州釣りなんかが有名かな」

友「へー ところでそのチヌってやつは美味いの?」

男「時期と釣る場所による 今の時期なら刺身でも美味い!」

男「たださっきも言ったとおりこいつは雑食。しかも濁った環境が大好きときてる。濁った水を好んでなんでも食う魚ってイメージで食用としては嫌がる人も結構いるが俺は好きだ」

友「一回食ってみたいな けどダメだ。俺捌けねぇ」

男「合コンちゃんに捌いてもらえ」

友「頼めるわけねーだろ馬鹿野郎 釣り行く約束取り付けるのも結構苦労したのに」

男「まぁ冗談は置いといてスーパーとかなら持ち込みで結構捌いてくれるとこあるぞ」

友「まじか 金かかるんじゃねーの?」

男「取るとこもあるけど基本無料じゃないかな?自分で捌くのが一番だけどな 釣る 捌くの手間の分美味く感じる」

男「まぁお前は捌く心配より釣れない心配しとけ」

友「それはそうだけども 夢くらいみせろよ」

男「あまり釣りを舐めるなよ とりあえず釣具屋いくぞ」

友「あい」

釣具屋

男「ちなみにどんな釣り方がいいってきいてもわからんよな?」

友「わからん ルアーじゃ釣れねーのか?」

男「ここ数年でチヌのルアー釣りもメジャーにはなってきてるけどやはり初心者には敷居が高い」

友「他にはどんな釣り方があるんだ?」

男「全部説明してたら日付が変わる とりあえずフカセ釣りからはいるか」

友「お任せします しっかし竿一本でもすごい種類があるんだな どれがいいのか全くわからん」

男「まぁこだわり出したらキリがない 多少使用用途違う竿でも応用はきく」

男「本来なら1~1.5 530くらいの磯竿がベストなんだが初心者なら少し短めの450くらいの方が扱いやすい」

男「この1.5 450のやつにしとけ お手頃価格だし」

友「じゃあそれにすっか」

男「次はリールだな」

友「リールもかなり種類あるんだな」

友「うげ このリール一個で15万だと?」

男「上見たらキリがないのが釣具だ とりあえず今回は2500番のこれにしとけ」(リール番号はメーカーによって変わったりするから釣具屋さんに確認してから購入しよう)

友「2500番がなにかわからんがわかった」

男「そのうちわかる 次はラインだ」

男「さっき選んだリールに合うのはーっと 視認性もいいしこれにしとけ」

友「糸も種類がありすぎててこりゃなにがなにかわからんな」

男「正解がないのも釣具だからな 後々自分のベストを見つけりゃいい それまではベターなものを探すために積極的に店員さんに相談することだ」

男「釣具屋の店員さんはフレンドリーな人が多くて親身に相談のってくれるぞ」

友「間違った物買うの嫌だからお前としかこないよ」

男「ヘタレかよ まぁ会計しにいくぞ 仕掛けとかは俺が持ってるのから使えばいいさ」

友「はーい」

店員「お次のお客様どうぞーって男君じゃん いつもありがとうね」

男「いや今日は付き添い」

店員「おっ?男君のお友達?始めまして店員です」

友「釣具屋でこんな美人がいるなんて」

友(はじめまして 友といいます)

男「脳内ダダ漏れで挨拶できてねーぞ」

店員「ふふっ 面白い友達だね えっと 1万3千円になりまーす」

友「あっ はい」

店員「ちょうどお預かりします ありがとうございました これポイントカードだからよかったらこれからもご贔屓に」

友「はい!必ず」デレ

男「鼻の下伸ばしてないでいくぞ 店員また」

店員「うん 二人ともまた来てね 」

男宅

友「おい男、さっきの店員さんとはどんな関係なんだよ。」

男「釣り仲間だよただの」プイ

友「ただのをやたら強調しますねー。まぁお前そこそこモテるのに彼女作らない理由がわかった気がするよ」ニヤニヤ

男「変な勘ぐりやめろ とりあえず早速仕掛け作るからさっき買ったもん用意しろ」

友「へいへい」

男「とりあえず仕掛け作って向こうでハリス結べばはじめれるようにしとくぞ」

友「って言われてもなにすればいいのかわかんねーんだけどな」

男「まずは俺がやってやるから覚えていけ」

男「まず竿にリールをセットしたら道糸をガイドに通す」

男「その後にウキ止めをセット 個人的にはゴムのウキ止めをオススメする 次にシモリ玉orシモリペットを通す」

男「シモリ玉ならその下に円錐ウキ 所謂玉ウキってやつだな ドングリウキともいう」

男「シモリペットならむこうについてからウキひっかけりゃいいよ 今回は棒ウキつかうからシモリペットをセット その下に絡まん棒をつける」

男「ここで注意点 絡まん棒をセットする場所は棒ウキの長さ<絡まん棒から道糸の先端までの長さにすること そして最後に道糸の先にサルカンをセット」

男「後は現地でハリス結べば完成だ」

友「細々したものおおいなー 一回じゃ覚えられねーよこれ」

男「まぁもしあれなら釣具屋に完成した仕掛けに道糸通せば終わりのセットとかも売ってるからそれ買えばいいさ」

友「便利な商品もあるんだな よし とりあえず実践はいついくよ?」

アドバイス&米ありがとうございます
とりあえず書き溜めてるのコピペしたら書き方変えてみます
もうちょっとあったかくなれば3千円くらいのサビキセット購入して入門してみるのもいいかも

男「今からなら日が暮れるまで3時間くらい竿出せるし少しいってみるか?」

友「別に大丈夫だけど俺TシャツGパンだけど大丈夫か?」

男「まぁ波止だし俺もいるから問題ない んじゃいくか これとこれ持て」

友「クーラーボックスとこれは?」

男「バッカンって言って撒き餌こねたりする時に使うんだよ」

友「あかん… 覚えることが多すぎるなんだこれ」

男「すぐ慣れるいくぞ」

最低限の準備

竿
リール
仕掛け
ハサミ
タモ
バッカン
シャク
タオル
ゴミ袋
水汲みバケツ

魚を持って帰る場合
氷を入れたクーラーボックス
締めるためのナイフ



男「さて到着 まずは撒き餌作るぞ」

友「来る前に店員さんとこよって買ってたやつか」

男「そそ バッカンにいれて混ぜる」

男「混ぜ終わったら多めに撒いて仕掛け作り ほれ貸してみろ ハリス結んでやるよ」

友「お ありがと あとは餌つけて釣ればいいのか?」

男「まぁ本来ならタナ取りとか色々あるけどまぁこれでやってみ ここよく来るから大体これで底とれてるだろうし」

友「おっけー 餌はこのエビの小さいのつけたらいいの?」

男「オキアミっていってこいつはエビじゃなくてプランクトンの一種だ 尾から体に沿って針が通るように刺して投げてみ」

友「よし いくぞ」ヒョイ ポチャ

男「投げたら二投に一回程度ウキ周りに撒き餌撒いて行こう」

友「了解」ポチャ

男「まぁとりあえずチヌって魚を釣るために少し説明する まず言ってたとおりチヌは濁りを好む」

男「警戒心と好奇心が強いから身を隠せるのとなにかいそうな濁ってるとこに入りたがるんだろーな あと物音に敏感 というか警戒心が強すぎて物音もそうだけど人が見えたらあからさまに警戒する」

友「え?魚ってそんな頭いいの?」

男「頭がいいってよりも本能なんじゃないかな まぁ続けるぞ」

男「貝やカニ、虫はもちろんムギやコーン、スイカとかも大好きだから餌取りの多い時期は刺し餌を変えて餌取り対策とかもできる」

友「雑食すぎねぇかそれ?なんで魚がスイカ好きなの!?」

男「スイカよりコーンの方がメジャーな餌だけどな まぁとりあえずこれぐらいのことくらい頭にいれときゃいいよ よし 自分の分も完成したから俺もはじめるか」ポチャ

友「そういや潮っていいのか?それによって釣れる釣れないって変わるって言うけどどうなの?」

男「あー 俺はあくまで目安程度に捉えてるけどな 大潮 中潮 小潮 長潮 若潮の順に満ち引きの大きさが小さくなる」

友「満ち引きの大きさが変わったらなにが変わるんだ?」

男「潮に流されるプランクトンを捕食するから動きの大きい大潮がいいとされている ちなみに今日は小潮だ」

友「それなら今日は釣れにくいのか?」

男「あくまで目安だ 釣り場によったら大潮じゃさっぱりなのに小潮で馬鹿釣れなんてこともある 俺はここでは小潮が一番いい釣果出たから相性がいい気がしてる」

男「あと潮で言えば満潮干潮の方が影響あるかもな 干潮前、満潮前が期待が高いと言われてる 気になるなら今度上げ三分下げ七分で検索したら色々でてくるよ」

友「色々ありすぎてもう脳みそパンクしそうだわ」

男「まぁあれだ 基本釣り人は自分のジンクスを信じて行動するのが一番 まぁマズメって言葉だけ覚えとけ」

友「マズメ?意味は?」

男「夜明けの日が登り始める時間を朝マズメ、夕方の日が暮れる時間を夕マズメって言うんだが魚が積極的に餌を取り出す時間のことだ」

友「なるほど もうすぐ夕暮れだと思ったら俄然やる気でてくるな」

男「そうだな 取りあえずそれまでに魚よせたいからしっかり撒き餌効かせていくぞ」

友「おう って男!ウキピクピクしてる!釣れたか?」

男「あー あのアタリは違うな 小刻みにウキが沈むのは口が小さい魚が餌をつついてる可能性が高い まぁあげてみ」

友「お、おう とりゃ!」

フグ ぷくぅー ギチギチギチギチ

友「おおお フグが膨らみながら歯ぎしりしてやがる」

男「釣りの税金みたいなもんだそいつ 結構しっかりした歯があって仕掛けボロボロにする釣り人の天敵だ」

友「外道ってやつか せっかく釣れたと思ったのに」

男「まぁ餌取りは仕方ない 針噛み切られてないだけラッキーだよ おっ 俺のあたりきた」

友「超沈んでんじゃん!早くあげなくていいのか?」

男「アワてるなすぐウキ浮いてくるから」

ウキ プカァ

友「ほんとだ 魚逃げたのか?って思ったら一気に沈んだ!?」

男「ここだっ」ビシッ

友「おお!竿がすんげえしなってるすげぇ!」

男「チヌってのは餌噛んで潰して食ったり餌咥えたら一旦とまったりするから一回グッと沈んでウキが浮いてきてまたグッと沈むような変わったアタリしたりするんだよ」

友「なるほど 見えてきたな でけぇ」

男「チヌは空気吸わせたら一気に暴れるのやめるからその間にタモですくってっと」ヒョイ

男「よーし無事あがった 38くらいか」

友「そいつがチヌか!まじでタイの色違いじゃねーか」

男「似てるだろ とりあえず締めるか」チャキ グサ パチャパチャ

友「おふっ 結構血出るんだな」

男「まぁ慣れる慣れる さてもう一枚狙うか」

友「俺もがんばろっと」

………

友「おおおおお男きたきたきた」

男「慌てんな まだだぞ まだ いけ!合わせろ」

友「お、おう!」ビシッ

友「うわ!重たい」

男「慌てんな 竿を寝かさないことと糸を常に貼ることだけ気をつけてゆっくり巻け 腕伸ばされたら負けだぞ」

友「わかった おし 見えてきた!」

男「間違っても引き抜こうとするなよ 顔だけ出して空気吸わせろ タモですくってやるから」

友「これぐらいか よし 入ったな」

男「35cmか 始めての釣りにしたら上出来だ ほれ 写真撮ってやるからもってみ」

友「こうか?」

男「よし このサイズはまだいいけどもうちょいデカイのは親指口に入れんなよ よし撮るぞ」パシャ

友「サンキュー 指入れたらどーなんの?」

男「こいつら貝とかカニ噛み潰して食うから親指噛まれたら結構痛い。エラのとこに指かけりゃいいんだけど怪我防ぐためにフィッシュグリップはもっててもいいかもな」

友「なるほどな さてこいつどうすればいい?」

男「締め方教えてやるからやってみ」

友「なんかこえーな」

男「大丈夫 まずエラんとこからナイフいれて一撃で延髄破壊」

友「よし いくぞ」グサ ビクンビクン

友「うおっ!びびった」

男「それで大丈夫 次は尾のあたり切れ目いれて海水つけて血抜きで終わりだ」

友「よしできた クーラーにいれとくぞ?」

男「おう んじゃまぁ無事釣れたし今日のところは納竿するか」

友「了解!男ん家で早速食おうぜ!」

男「仕方ねーな よし帰るか」

男宅

男「ほれ まずこの刺身くってみ」

友「うめぇ なんだこれ普通の鯛とそこまで差がねぇじゃないか」

男「うめーだろ これはしゃぶしゃぶで食う分だ 湯にさっと通してくえ ビールいるか?」

友「わりーな ありがとう」

男「んじゃ初釣り記念に乾杯」

友「乾杯!」

男「今日どーだった?」

友「正直なめてたわ 今でも手に魚の引の感覚残ってるんだけどこれは楽しいな」

男「だろ?」ニヤリ

友「本当にハマるわこれは しかし自分で釣った魚が美味いってのはマジだな」

男「そういや合コンちゃんとはいついく気だ?」

友「再来週の日曜に約束してる うまくいくかなぁー」

男「安心しろ その日はちょうど俺も釣りいく約束してる日だからなんかあったらフォローしてやるよ」

友「まじか!今度飯奢るわ」

男「俺としても友達が同じ趣味を持つってのは嬉しいことだからな 協力してやるよ」

友「ありがとう 今日帰ったら色々ググって知識つけとくよ」

男「あんま変な知識仕入れてもあれだからいい記事書いてるブロク送っといてやるよ」

男「とりあえず飲もうぜ」

チヌのフカセ釣り終わり

書き溜め分投下終了

読みにくくて申し訳ない

続きからはアドバイスいただいた感じで書いてみる

次はもっと低コストで難易度も低い釣り紹介がんばるから是非チャレンジしてください

乙ありです
料理スキル0の俺が初めて釣った魚をネットでググりながら捌いて出来上がったボロボロの刺身でもやっぱり一味違ったんで機会があれば是非チャレンジしてください!

さて寝る前に書き溜めたの少し投下

友と合コンちゃんの約束前日

友「ついに明日かー。緊張するぜ」

男「今から緊張してても仕方ねーだろ。成るように成るさ」

友「そりゃそうだけども。でも、やっぱりいいところ見せたいのが男の性ってやつじゃん」

男「まぁそうだけども。じゃあ明日は釣果出しやすい釣りに変更するか」

友「できたらこないだ教えてくれたチヌ釣りがいいんだけど。俺も初めての釣りだと色々と話の辻褄が…」ゴニョゴニョ

男「くだらない見栄はるからだろ」タメイキ

男「正直チヌ釣りってのはなかなか奥が深くてぶっちゃけ初めての人間が手を出して釣れるような釣りじゃねーんだよ」

男「俺だって相性のいい釣り場に準備万端で乗り込んでボウズ連発とかもあるしな」

友「まじかよ? なんでそんな釣り教えたの? いじめ?」

男「俺が一番よく行くのがチヌ釣りだからやっとお前に楽しさ教えれるチャンスだと思ってな」

友「まんまとお前の策略にはめられた訳か。でも、ちょっと待ってくれ。そんな高難易度の釣りでいきなり結果出した俺ってもしかすると才能ありなんじゃ…」ニヤヤ

男「調子のんな。今の時期はチヌの産卵期でよく釣れるんだよ。俗に言うノッコミ期ってやつなんだけど産卵控えたお腹パンパンのチヌがヨダレ垂らしながらウヨウヨしてるしノッコミ後半には産卵を終えて腹空かせたやつもガンガン食ってくるからさ」

友「始めた時期がよかったんだな。釣り上げた時のあの感動はなかなか忘れられそうにないわ。」

男「またゆっくりチヌ釣りいこうぜ。今度は紀州釣りでも教えてやるよ。と、まぁチヌの話題は置いといて明日のターゲットを決めよう」

友「そう言われても俺は知識も経験もないから男に任せるしかないからなー」

男「んーーー。初心者でも釣れる確率高い釣りか。回遊魚回ってくる時期ならサビキが一番なんだけどな」

男「じゃあとりあえず明日は根魚でも狙うか。とりあえず二度も説明するのめんどくさいから明日詳しく教えるわ」

男「合コンちゃんには自分もやったことない初心者でも一緒に楽しめる釣りを釣り仲間が教えてくれるから楽しもうね! みたいな感じで連絡入れとけ」

友「了解。わざわざ口実まで用意してくれてありがとうな男。俺も色々勉強して早く一緒の目線で楽しめるようにがんばるよ」

友「やる気も出てきたし竿でも磨くか。こいつの無敗記録更新してやるぜ」

男「あ、その竿つかわねーから」

友「え? でも俺はこれしか持ってねーよ?金銭面的にもついこないだ買ったところだから道具揃え直しはキツイ」

男「大丈夫大丈夫。今回は合コンちゃんの分も合わせて2人分の道具を三千円以内で用意できるから」

友「それぐらいならなんとかなるな。でもそんな安物で大丈夫なのか? いきなり折れたりしない?」

男「普通の浅瀬の根魚ならなんの問題もない。とりあえず店員のバイト先いくぞ」

友「了解!」

第2話 根魚の穴釣り編

釣具屋

ウイーン

店員「いらっしゃいませ~って男君と友君!」

友「どうもっす」

男「よう。ちょうどよかった。店員、50cmくらいのテトラ竿の一番安いの二本とライン付きリール二個頂戴」

店員「はーい! 出してくるから少し待っててね!」タッタッタ

友「小走り店員さんかわいい」デヘー

店員「お待たせ! 穴釣りだよね? 男君が前に買ってくれたやつの色違いが在庫あったから持ってきたけどこれでいいかな?」

テトラ竿50cm ¥980
ちっちゃいライン付きリール ¥500

男「おーこれこれ。サンキュー店員」

友「おお! 竿もリールもちっさくてかわいいぞこれは」

店員「言われた通り2セット持ってきたけど男君が持ってたやつは壊れちゃったの?」

男「俺のはまだまだ現役で戦える。こないだ30cmオーバーのチヌが食いついてぶっこぬいた時はさすがに折れると思ったけどなんとかなるもんだな」

店員「アハハ! これでチヌ釣ってさらにタモも使わず引っこ抜いたのなんて男君くらいじゃないの?」ウフフ

店員「あれ? じゃあもう一セットは誰が使うの?」

友「話せば長くなるんですが……カクカクシカジカ………」

店員「なるほど。 じゃあ明日はいいところ見せなきゃね! そうだ。私も明日は休みだから一緒にいっちゃダメかな?」

男「別にいいよな友? 合コンちゃんも知り合って間もない男と初対面の男の中で女の子一人より楽だろうし」

友「だな。あの子には俺から伝えとくんで是非四人で楽しみましょう」

店員「やったー! あ、友君。その子には動きやすい格好で滑りにくい靴履いてくるように言っといてね。できたら長袖で」

友「了解しました!」

男「よーし、じゃあ会計済ませて解散するか。店員には時間とか場所、後からメールするな」

店員「まってるね!」

ウィーン

アリガトウゴザイマシタ‼︎

友「色々付き合ってくれてありがとうな。明日も迷惑かけると思うけど頼む!」

男「気にすんな。前も言ったけど俺も身近な釣り仲間ができて楽しめるしな。明日の釣りは寝不足だと少し危ないからウキウキせず早めに寝ろよ」

友「そう言ってくれたら助かるよ。わかった! また明日な!」

当日待ち合わせ場所

友 キョロキョロソワソワ

キーー
バタンバタン

男「おっす。なにソワソワしてんだよ友。ハタから見たら不審者だぞ」

店員「友君おはよう。ドキドキしちゃうのはしょうがないよね」ニッコリ

友「二人ともおはよう。あの子ももうすぐで来るはず」キョロキョロ

男「まぁまだ待ち合わせ10分前だしゆっくり待とうぜ……ってあっちから小走りでむかってきてるのが噂の合コンちゃんじゃねーの?」

友「あ! そうそうあの子だ」ドキドキ

タッタッタッ

???「友君お待たせ! 少し待たせちゃったねごめん」

友「だだだ大丈夫大丈夫! みんな今来たとこだから!」

店員「はじめまして! まずは自己紹介するね。店員 女です。男君は上の名前で店員って呼ぶけど気軽に女って呼んでくれたら嬉しいな! よろしく」

表記変更 店員→女

???「女さんはじめまして。ご丁寧にありがとうございます。私は友君の友達の合同 紺です。私のことはこんってよんでください!」

表記変更 店員→紺(合コンちゃん)

女「紺ちゃんよろしく。ほら、次は男君の番だよ」ツンツン

男「はじめまして。友の釣り仲間の釣人 男です。俺のことも気を使わず男って呼んでください。よろしく」

紺「男さんよろしくです。釣りは初めてなんで色々迷惑かけますが今日1日よろしくお願いします。最後は友君だね!」

友「俺はみんなと面識あるけども流れに乗るか。友人 友って言います。今日は未経験の釣りを教えていただけるということなんで初心者に帰ったつもりでがんばるんでよろしく!」

男(初心者の癖に何言ってんだこいつ)ニヤニヤ

友(そんな目で見ないで!!!)ウルウル

女「よーし、みんなの自己紹介終わったことだし早速男君の車に乗り込んで現地へレッツゴー!!」

「「「おーーー!!」」」

書き溜め投下完了
また夜にでも書いてチビチビ投下していくのでよろしければお付き合いお願いします
では一旦お休みなさい

乙ありです
おー
俺も来週ショアジグ用のリール買いにいくんでお互いいい釣果出せるよう頑張りましょう
さて今から出勤して休憩の合間で少し書き溜めてまた投下します

車内

紺「楽しみだな! 今からどんな釣りするんですか? 私にもできるかなぁ」

友「俺も気になってた。根魚ってことはガシラとかだよね」←コッソリ予習済み

男「んじゃ到着までに軽く説明するか。今回やる釣りは穴釣りって言ってテトラポットの隙間から仕掛けを落としてガシラやメバルを狙う釣りだ」

男「基本的に他の波止釣りの釣果が出にくい冬場に釣果が上がりやすい。けど経験上いつ行っても釣れてる気がする」

男「足場がテトラの上だから雨上がりの滑りやすい時や夜の視界が悪い時とか波が高い日等は怪我に繋がるから避けること。」

男「釣り方は仕掛けを見ながらの方が説明しやすいな。俺は運転あるし店員、続きお願い」

女「ややこしいから男君もいい加減女って呼んでよ。 私だけ苗字呼びとか疎外感!」プリプリ

男「わかったよ。女、頼むな」

女「任されましたよ 」ニッコリ

女「使う道具は紺ちゃん達の手元にあるような短めの竿と小さなリール、それに餌をそこに落とすための重りくらいのお手軽セット」

女「竿は基本的に50cmから1mくらいの短いのを使います。リールは竿に合うものならしょうじきなんでもいいかな」

女「そしてこれが今日使うブラクリっていう仕掛け」

友「これは重り付きのハリ?」

女「そんなところだね。テトラポットの隙間にこれを落とすとぶつかったテトラを転げ落ちたり自然とアクションを取ってくれる疑似餌みたいなものかな」

女「基本岩場に生息する魚がよく食べるエビとかカニを意識してこの赤い色になったとかなんとか」

紺「疑似餌ってことはこれを餌だと思って魚は食べに来るんですか?」

女「疑似餌であって疑似餌じゃない感じで説明しにくいんだけど基本的にブラクリにオキアミやイソメ、ゴカイ等の刺し餌つけてそれを食わせる釣り方をするの。ブラクリで誘って刺し餌で釣るってイメージしてみて。まぁブラクリ単体でも食う時は食うんだけどね」

紺「なるほど。人間もファミレスの看板に誘われていざ店内入ると違う物食べたりしますもんね」ニッコリ

女「アハハハ! 面白い例えだね。はじめは細かいこと覚えるよりそんな感じで大体のイメージ掴むくらいで十分だよ」

女「道具はこんなとこかな。次は狙う魚について少し説明するね」

女「まず今日のメインターゲットのガシラ。関東ではカサゴって呼ばれる魚だね。狙いの時期は冬から春にかけてと言われるけど年中釣れるから時期は特に気にしなくていいよ」

女「日中はほとんど動かず岩場に潜んで目の前に落ちてきた餌を捕食。小魚からゴカイやカニとか結構雑食なんだよねこの子」

女「次はこちらも今日のメインターゲットのメバル。この子も基本的に日中は岩陰でエサ待ちスタンス。夜になると比較的浅いところを泳いでるからそれを狙ったルアーゲームも人気の釣り方だね。時期は春告魚って言われることからわかるけど冬から春にかけてがメイン。まぁこの子も年中狙えるね」

女「ふー。こんな感じでいいかな?」

男「十分だね。ありがとうてんい…じゃなくて女」

友「女さん、わかりやすい説明ありがとう」

紺「女さんありがとうございます」

女「いえいえ」テレ

男「着くまであと少しかかるから他にも穴釣りで釣れる魚を紹介しとこう」

男「代表的なのはアイナメかな。時期は秋から冬にかけてがメインで釣れる結構釣り人から人気の魚だ。沖の岩場を狙ったり今回みたいなテトラの穴釣りで釣れてでかいのだと40cmを超えるやつもいて手応え満タンな相手だな」

友「でけぇ… 竿折れるんじゃねーのか?」

男「こんな竿で狙うような魚じゃねーよ。本気出せば戦えないこともないとは思うけど」

女「男君らしい意見だけどこれでアイナメは少し厳しいよね」

男「まぁな。アイナメを狙いにいくならそれ用の物を持っていったほうがいいし個人的には穴釣りより投げ釣りで狙う魚ってイメージだな」

紺「釣りにもいろいろあるんですね」

男「地域限定の釣りを含めたら数え切れないくらいいろんな遊び方ができるある意味底なしの趣味だからな」

女「あとは穴釣りだとアコウとかも釣れるよね」

男「アコウもこんな竿で釣る魚じゃねーけどな。軽く触れておくか」

男「アコウってのはキジハタっていう魚だな。ちなみに関東でアコウと言えばアコウタイっていう別の魚を指すんで少しわかりにくい」

男「大体釣り上げられるサイズは30cm前後ででかいのだと50cmは超える」

男「メインは生きアジの飲ませ釣りなのかな? 俺もこいつは狙いに行ったことないから詳しくはないが今度狙いにいきたいなーとは思ってる」

友「男でも釣ったことない魚とかいるのか」

男「当たり前じゃねーか。どんだけの魚が存在すると思ってんだよ。」

女「今度みんなでいってみようよ。アコウは高級魚だし美味しいし」

男「そうだな。ちなみに根魚はアコウもガシラ、アイナメとか高級魚とされてるだけに美味いやつが多い」

紺「そんな高級魚を私みたいな未経験の人間が釣れるんですか?」

男「そこは問題ないと思うよ。根魚に高級魚が多いのは網での乱獲ができないからだと個人的には思ってる。美味しくて人気なのにまとまった数が取れないから高級なんじゃないかなーと」

紺「なるほど。楽しみです!」

男「そうこう言ってるうちに見えてきたな。あとは実践あるのみ」

紺「わぁー! 海! 楽しみだね友君」ニコッ

友 ドキッ

………



女「とーちゃく!」

紺「風が気持ちいいですね。海ってくるだけでも満足!」

友「紺ちゃん、今からが本番だよ」

紺「そうだね。色々教えてね友君! そういえば餌はなにを使うの? 虫とかだと少し怖いな」

友「オキアミとかイソメとか言ってたから見た目エビのプランクトンだと思うから大丈夫だよ!」ドヤ

男(イソメはプランクトンじゃなくてモロ虫だっての)ハァ

女「安心して。 友君が言うように今日はエビみたいな見た目のオキアミって餌を使うから。 ほらこれね」

紺「あ、これなら大丈夫そう」

男「よーしじゃあ始めようか。まずは説明するから見ててくれ」

男「こういうテトラポットの隙間から見える海面にブラクリを投下」ポチヤン

男「ブラクリがテトラの間を転がる感触が直に伝わるはずだから落ちるとこまで糸をだす。もう落ちないなってとこまで落ちたら少しだけ糸を回収してそこから浮いてる状態にする」

イメージ

|
|
|
♢←ブラクリ

ーーーーーー ←底

男「そして竿をやゆっくり上下させてブラクリで底をノックする。手元にコンコンって感覚が伝わると思うからーって…きたな」

竿先 ピクピクピク

男「引く感覚がきたら急いでリールを巻く」クルクルクル

バシャバシャ

男「よーしキャッチ。んー15cmなさそうだからリリースだな」ポイッ ポチャン

紺「すごいすごい! いきなり釣れた!」

友「せっかく釣ったのに逃がしちまうのか?」

女「釣りのマナーの一種だよ。 釣れたら釣れた分持って帰ればいいってわけじゃないしどうせ命を取って食べるんだから食べ頃までそだったのを美味しく食べてあげるのがせめてもの礼儀ってことかな」

男「乱獲しすぎで激減した種もあるしな。今のやつが大きくなって自分の竿に帰ってきたり産卵して子が自分の竿にかかってくれるかもしれないからな」

紺「海銀行に魚預金って感じだね!」

友「なるほど。厳密にどれくらいだとリリースしなきゃならねーの?」

男「あくまでマナーだから人それぞれだ。俺はガシラとかメバルだと15cmを目安にしてるけど人によっては20cmの人もいれば13cmの人もいるからぱっと見小さいのを持って帰ってる人がマナー悪いってわけじゃないからな」

女「そういう心掛けを持つのが大切ってことだよ」

友「なるほどな。よし紺ちゃん、俺らもやってみよう」

紺「うん! 足元気をつけなきゃね」

男「コツはあたりがなかったら次の穴次の穴といろんなところを探ること。ただし足場の悪いテトラの上だからあまり離れすぎず万が一があったら誰かが気づく範囲でな」

友、紺「「はーい」」

女「よーし! 私もがんばろっと」

…………………

竿先 ピクピクピク

紺 !?

紺「きた! 」クルクル

バシャバシャ

紺「やった! 見て見て!」

男「おー。推定20cmのガシラか」

女「いい型だね!」

友「紺ちゃんやったね! って俺もきた!」クルクル

男「友はメバルか。そいつも十分お持ち帰りサイズだな」

女「すごいね二人とも! 私も負けてらんないや」

友「ほんと簡単に釣れるんだなこれ」

男「とりあえず二人とも持って帰るよう〆るから足元気をつけてこっちもっておいで」

友、紺「「はーい」」

男「こいつらの〆方はクーラーボックスに氷水を入れといてそこに突っ込むだけの氷〆でもいいんだけど今回はきっちりナイフで〆る」

友「うげっ。紺ちゃんは見ないほうがいいんじゃない?」

紺「グロい感じ?」ガクブル

男「大丈夫。こいつらは見た目的にそんなグロくないから。両目の間のちょうど中心あたりをナイフでひとつき」グサッ

男「これで終わり。あとはクーラーにぽいっと」

紺「美味しく食べるから許してね」

友「血はでないんだな」

男「ほとんど出ないなこいつらは。あと体の色が派手だから血の色が目立たないってのはあるかもな。ナイフには多少つくし」

女「おーい男君!」

男「どうした?」

女「私もきたから〆といてくれない?」

男「了解」

…………………

女「ふー。結構釣れたね」

男「だな。そろそろ納竿するか」

紺「ほんと楽しかった!」

友「終わりかーって最後の最後きた」クルクル

友「うわー最小サイズ更新だなこれは。鈎外してリリースしてやらなきゃ」

男「最小サイズ…? やべぇ! 触るな友っ!!」

友 ?ビクッ

男「やっぱりか。すまん言うの忘れてたわ」

友「え? え? どうしたんだ?」

男「こいつはハオコゼっていって毒を持ってるから素手で刺されたら激痛が走る」

友「こんなちんまいのがまじかよ!」

男「この釣りに限らずハオコゼやゴンズイ等の毒をもつ魚は意外によく釣れるから基本知らない魚はフィッシュグリップを使ったほうがいい。ほら外れたぞ」ポイ ポチャン

友「すまんなありがとう」

女「なにもなくてよかった」

紺(……………フフ)

男「ともかく全員それなりの釣果上がったし帰ってうちで調理するか」

三人「「「いえーい」」」

……………………

車内

女「zzz」
友「zzz」

紺「二人とも寝ちゃいましたね」

男「テトラの上を歩くのは想像以上に疲れるからね。紺ちゃんも気を使わず寝てくれていいよ」

紺「ありがとうございます。でも私はツーリングが趣味でよく山とかいくからまだ大丈夫です」

男「ほぅ。俺と友も昔はよくツーリングしたな。ちなみに相棒の車種は?」

紺「ホーネットです。私背がちっさいから250ccがちょうどなんですよ」

男「いいバイクだね。大阪ではスカイブルー隊っていう警察車両としても使われてるよね」

紺「男さん詳しいですね。あっ話変わっちゃうんですけど友君って釣り初心者ですよね」ニヤ

男「え? いやそんなことないよ?」アタフタ

紺「フフフ。大丈夫ですよ」

紺「私、友君とは合コンで知り合ったんですけどそれも友達があんたも彼氏とか作りなさいって結構強引に誘われたんですよ」

紺「けど、正直彼氏とかと遊んだりするより私はツーリングいってるほうが楽しいし女でライダーってだけで危ないって決めつけられたりとか色々あるし。あと合コンなんて来る人はチャラチャラしてるイメージあったんですよ」

男「確かにそういうイメージはあるね。男も女も」

紺「だから友君が趣味の話も適当に合わせて言ってるだけだろうって思ってて。釣りの話詳しく聞こうとするとあからさまに話そらすんですよ友君」ウフフ

男「バレバレじゃねーか馬鹿野郎」タメイキ

紺「だからはじめは適当に連絡したら会話の切れ目で自然と距離とって終わろうと思ったんですけど…」

男(おっ? この流れは…)

紺「友君からこないだ釣ったっていうチヌ?って魚の写メとか今日の流れとか一生懸命伝えようとしてくれる連絡来るたびにこの人は私についた小さな嘘を本当にしようと努力してくれてるんだなーって感じて…。人から思われるのって少しいいなーって」

紺「だから本当は初心者でもいいんです。もちろん知らない振りはしますけどね」ウフフ

男「根っこはまっすぐでいい奴なんで少し見栄張っただけと思うからそう思ってあげてくれるならよかった」

男(万が一この二人が付き合ったら友はうまいこと手綱を握られるんだろな)

紺「友君って嘘つけなさそうですもんね」

男「単純だからね。よしもうすぐつくから二人を起こしてもらっていいかな?」

紺「了解です!」

男宅

男「配膳完了」

友「おー! うまそう」

紺「色々教えてもらった上に調理まで任せっきりですみません男さん、女さん」

女「気にしないでいいよ」

男「好きでやってることだしな」

友「よーし、じゃあ紺ちゃんの初釣りがいい結果で終わったことに乾杯!」

「「「かんぱーい」」」

紺「この煮付け美味し!」

友「刺身もうまい!」

男「見た目は美味しくなさそうなのにどう料理してもうまい根魚万能説」

女「釣るのも簡単だしね」

紺「私も捌き方覚えたいな」

女「今度一緒にやろっか」

紺「ほんとですか? ぜひ!」

友「紺ちゃんどうだった今日は?」

紺「本当に楽しかった! 誘ってくれてありがとうね」

友「よろこんでもらえてよかった」テレ

男「じゃあまた時間あったら四人でいくか」

女「いいね。 じゃあメッセンジャーアプリで四人のグループ作ろっか。 紺ちゃんID教えて!」

紺「はーい。これです」

女「じゃああとから立てとくね」

男「なら俺と女があとからそこにレシピ書いてあげるから余った魚持って帰りな。下処理だけはしとくから」

女「そうだね!自分で調理すると一段と美味しく感じるよ」

友「俺でもできるかな?」

紺「何事も挑戦だよ!」

男「とりあえず今はこいつらを味わって食おうぜ」

「「「だね!」」」

第2話 根魚の穴釣り編終わり

オマケ

釣りグループ トーク

紺 今日はありがとうございました!

女 いえいえ!またいこうね!

友 楽しかった!ご馳走様でした

男 おろし身に塩振って30分放置

友 ん?

紺 レシピじゃないかな?

友 なるほど。期待

女 男君いきなりだね(笑)

男 30分経ったらキッチンペーパーで水気を取り片栗粉をまぶす

男 あとは熱したサラダ油にぶち込んで終わり

友 これなら俺でもできそう

紺 下処理してくれてるからお手軽だね

女 自分で捌くことがあったら背骨をあげることでパリパリせんべいみたいなものも作れるからチャレンジしてみてね

男 そのまま食ってもうめーし醤油に砂糖と酢を少量混ぜて生姜のすりおろし入れて付けダレ用意するのもオススメ

オマケ ガシラの唐揚げ編終わり

学生は確かに生活圏内に海がないときついかも
コスト的な問題なら複数人で道具シェアするだけでだいぶハードルは下がると思うけど毎回の餌代とかなんやかんやかかるからなぁ

男の見栄張りなんて大概女に見抜かれてるものですwww

さて少しだけ投下

携帯 ピコン

男(トーク通知…誰だ?)

トーク

友 男様、実は相談がありまして

男 どうした?

友 あの日から紺ちゃんが釣りにハマったみたいで今度二人で釣りに行くことになった

男 よかったじゃねーか。行ってこいよ

友 行く前にまた色々とレクチャーをお願いしたいんですが…

男 なにも新しいことしなくても経験あるチヌ釣りか穴釣り行けばいいんじゃないか。

友 それが紺ちゃんも自分で色々調べたみたいでハネって魚を釣りに行きたいらしいんだよ。頼む男! 紺ちゃんと行く前に一度連れて行ってくれ!

男(初心者ってわかってるのに新しいことさせるってことは紺ちゃんは友の自白促したいのかな?)

男 いいぞ別に。なら明日の朝でもいくか

友 ありがとう男! 恩にきるぜ。道具は揃えに行かなくていいのか?

男 チヌ釣りで揃えた一式で戦えるから大丈夫だ。本当にのめり込んだ釣りを見つけるまでは手持ちの道具流用で乗り切らなきゃいくら金あっても足んねーぞ?

友 わかった! 集合時間とかどうする?

男 今晩うちに泊まって朝からとかどうだ?

友 了解 じゃあ今から向かう

男 ほいほい

男(さりげなく自白促してみるかー。とりあえず準備しよう)

第3話 ハネのエビ撒き釣り編

ピンポーン

男「はーい。今開けるからちとお待ち」ガチャ

友「お邪魔しまーす。急に無理言ってわりぃな」

男「明日はオフだし結局釣りに行ってたと思うから気にすんな。しっかし紺ちゃんもハネ釣りに目をつけるとはなかなかワイルドだな」

友「どうワイルドか全くわからんけど危なかったり難しかったりすんの?」

男「んじゃいつも通り解説から始めるか。おまえスズキって知ってる?」

友「中学の時の国語の先生か? 卒業以来何してるかはわかんねーなぁ」

男「お決まりなやりとりしてんじゃねーよ。スズキってのは魚の名前だ。シーバスって名前くらい聞いたことあるんじゃねーの?」

友「シーバスは聞いたことあるぞ! 海に住むブラックバスだろ?」ドヤァ

男「残念ながら別物だな。淡水でのルアーゲームではブラックバス、海水でのルアーゲームではシーバスを狙う釣りがメジャーすぎてそういった認識を持ってる人もおおいけどな」

男「シーバスってのはさっき言ってたスズキって魚の愛称みたいなもんだ。厳密に言えばシーバスってのはヨーロッパスズキって魚を指すらしいが日本ではシーバス=スズキの認識で問題ない」

友「んでスズキって魚と明日狙うハネって魚の関係は?」

男「出世魚ってわかるか?」

友「あれだろ?ブリとかみたいに成長とともに名前変わるとかなんとか」

男「そんな感じ。ハネってのもセイゴ→ハネ→スズキって変わる出世魚で関東ではセイゴ→フッコ→スズキ→オオタロウって言うらしい」

友「スズキオオタロウとか探せばいそうだな」

男「どうしても人名に結びつけたいのかお前は」

友「だってさ、オオタロウ捌いて食うとか字面から漂うカニバ感がやばい。スズキオオタロウさんって美味しいの?」

男「うまい。けど食わずにリリースする人も多い魚ではある。スポーツとして楽しんでる人はキャッチ&リリースらしい。俺は基本的にキャッチ&イート派だから持って帰るけど」

友「なるほど。明日頑張って釣って食おうぜ! ところでオオタロウ釣るってことはルアー使うのか? 俺が持ってる竿でいけるの?」

男「あんな竿でルアーなんか扱えねーしオオタロウサイズきたらバキバキに粉砕されんぞ。あとこっちでは馴染みがねーからオオタロウって言うのやめろ」

友「オオタロウが一番親近感湧く名前だったんだけどな。ルアー使わないならなにで釣るんだ?」

男「明日はエビ撒きでやる」

友「お、新しい釣り方か。難しい?」

男「基本はチヌでやったのと大差ない。刺し餌と撒き餌をシラサエビに変えるだけっておもっとけ。細かいこと言い出すとキリないから」

友「シラサエビってのも名前はエビだけど実はプランクトンとかいう感じ?」

男「いや、今回はガチのエビだ。まぁ明日エサ屋寄ったらわかるよ」

友「オオタロウはエビ好きなのか」

男「オオタロウやめい。エビも食うしルアー釣りで釣れることからわかるようにフィッシュイーターだな」

友「今まで狙ってた魚とかと違ってグルメなんだな」

男「グルメというより基本生き餌で釣る魚だな。とりあえず準備して寝て明日に備えんぞ」

友「ほーい」

とりあえずこんだけ
また書き溜めときます

仕事終わったんで少し投下



男「今日はここでやるか」

友「ここは海って言うか見た目は川だな」

男「間違ってはない。ここは川と海が繋がってる場所で海よりってだけだ。上っていけば川だしな」

友「どこからが海でどこからが川なんだ?」

男「厳密な線引きはないとされている。この辺りは汽水域だから春先のハネ釣りにはもってこいなんだよ」

友「汽水域って?」

男「海水と淡水が入り混じってるところだな。ハネやチヌは汽水域が好きだからな。好きな理由は汽水域特有のプランクトンが好きでそこに来るのかなと勝手に思ってるけども詳しくは知らん。淡水エビが好きで集まるのかもな」

友「海水と淡水が混じってるなら塩分濃度低いんだよな? 生きてけるの? 某芸人のお父さんが海水の水槽にアロワナいれたら即死したとかいう話聞いたんだけど」

男「そりゃ魚によっては合う合わないはあるけどハネとかチヌは川でも釣れるぞ。鮭だって川から海出て川に戻るだろ?」

友「言われてみれば確かに」

男「とりあえず準備すんぞ。まずは撒き餌だ。エビ撒きハネは回ってきたハネをどんだけ自分の前で足止めできるかにかかってる。釣り場に着いたらまず撒き餌、仕掛け作る最中も撒き餌、一投毎に撒き餌だ」

友「このエビ撒けばいいのか?」

男「そのエビをこのシャクに5匹ちょっと入れて手でフタをして上下にシェイク」シャカシャカ

友「なんで振るの?」

男「生き餌だから勝手に動き回られると狙いの場所で撒き餌が効いてくれないからな。振って気絶させて潮の流れをみて上の方にポイッと」ポイッパチャパチャ

友「気絶させてんのか。よし俺もやるか」シャカシャカポイッパチャパチャ

男「仕掛けの作り方は大丈夫だな?タナはニヒロくらいからはかっていこう」

友「ニヒロってどれくらいだっけ?」

男「一ヒロで両手を左右に伸ばした時の指先から指先くらい」

友「了解」

男「できたら付餌の付け方だな。とりあえず一匹をホホ掛けしてみるか」

友「ホホ掛け?」

男「名前の通りホホに針をかけるんだが頭に針を通すから神経や脳を潰すとせっかくの生き餌が死んでしまうから注意」

友「生き餌を殺しちまうなら尻尾のところに針刺しちゃだめなのか?」

男「尻尾に通すのを尾掛けって言うんだがホホ掛けのほうがエビがナチュラルな動きをしてくれるんだよ。まぁ状況によって変えていくもんだからとりあえずホホ掛けでやるぞ」

友「了解!」

男「じゃあ始めるか」ヒュッ ポチャン

友「よし俺も」ヒュッ ポチャン

男「とりあえずもうすぐ朝マズメの時間だからそれまでに撒き餌効かせていこう」

友「やっぱりこいつもマズメがいいの?」

男「ハネは特に朝バネ夕バネって言葉があるくらいマズメがいいとされている」

友「なら時間限定の釣りなのか?」

男「言われてるけどもやっぱそれも自分の経験と釣り場の癖とかで自己流のジンクスみたいなもの持ってる人がいるから一般的にその時間がいいとされるって認識でおけ」

友「なにもわからない間は一般的にいいとされることをして経験積めばいいか」

男「それが無難。てかなにもわからないで思い出したけど紺ちゃんにいつまで嘘つくんだ?」

友「え? そりゃ一人でいろんなこと対処できるくらいまでかな」

男「いつになるんだそれ? それよりおまえも釣りの楽しさ覚えたんだし紺ちゃんも興味持ってくれたんだから一緒に初心者としてチャレンジしていくほうが変に気負う必要なくてよくないか?」

友「そりゃまぁそうなんだけども。今更嘘でしたーとは言いにくいからなぁ」

男「おまえがいいならいいけどさ。おまえのいいところって裏表ないから安心して付き合えるとこだろう」

友「………」

男「わりぃ。余計なこと口だしたな」

友「いやありがとう男! そうだよな。無理して見栄はった自分を好きになってもらってもいつかメッキが剥がれるもんな」

友「次、紺ちゃんに会う時に謝って本当のこと言ってくるよ」

男「そうか。それで振られたらやけ酒には付き合ってやるよ」

男(もうばれてんだけどな)

友「その時は魚でツマミつくってくれよ」

男「任せろ。話してたらそろそろマズメ時だな。ウキしっかり見とけよ」

友「おう! てかこの釣りはハネしか釣れねーのか?」

男「いやチヌも釣れるし海でやればタナゴも食うしメバルも食うしカンダイが食ってきたりもするぞ」

友「シラサエビさん大人気。じゃあチヌとハネどっちでもいいから釣りたいなーって時にはいいな」

男「やるならターゲットを決めた方がいい。まずハネは朝なら浅いところを探ったり水温が低いなら底だったりと上下の動きが大きい」

友「ふむ、チヌは?」

男「チヌは底を取れって言われるくらいタナが重要でな。基本は底に合わせる」

男「もちろん絶対釣れないわけじゃないんだけどターゲットは狙っていくべきかな」

友「なるほどなー。やはり釣りは深い」

男「おー。きたっぽいな」

友「まじか? ウキほんの少ししか沈んでないぞ?」

男「この時期は食いが渋いから少し揺さぶって…」チョン

ウキ ズボッ

男「よし! ここだ!」ビシッ

友「すげぇ竿しなってるな」

男「よく引くからな。少し竿の力に頼って引いてみるから水面見ててみ」

バシャン バチャバチャ

友「おお! 水面で跳ねたりめっちゃ暴れてやがる! 針外そうとしてんのか?」

男「エラ洗いって言って体力奪う前にあげようとしたらこうやって暴れて針外れたりエラの下のカマって部分でライン切られたりするから注意な」

友「狙ってやってるのか?」

男「多分、引っ張られる異物を吐き出そうとして暴れてるだけじゃないかな? 心境はスズキオオタロウさんに聞いてくれ。よしタモ入れ完了」

友「こいつがハネか。悪そうな見た目してやがる」

男「セイゴかフッコか微妙なサイズだけど45cmはあるから〆るか」

友「俺も早く釣りたいぜ」

男「一匹連れ出すと連発するって言われてるし集中してみろ」

友「って言ってたらアタリきたけどちょんちょんしてるだけだから小魚かな?」

男「いやくるぞ!」

ウキ ズボン

男「合わせろ!」

友「お、おう!」ビシッ

友「やべぇめっちゃ引くこいつ…」

男「ちゃんと乗ったな。糸を弛まさないように気をつけてゆっくり体力奪っていけ。体力奪えばエラ洗いもしねーからまったりな」

友「まかせろ!」

男「タモ入れはやってやるから頑張れよ」

友「おお見えてきた! てかでかくね?」

男「いい型だな。タモ入れの時も油断するとエラ洗いしやがるから気を抜くなよ」

友「よし! 頼む男」

男「任せろ…入った入った」

友「おっしゃ! やっぱデカイな」

男「スケールあるし測ってやるよ」シャー

男「56cmだな。一般的に60cmオーバーをスズキって呼ぶことを考えたらハネの中ではかなりいい型だぞ」

友「まじか! めっちゃ楽しいなこの釣り」

男「ハネ釣りは魚との戦いが白熱するからな。フィッシュグリップで掴んでっと…ほれこれ持ってるとこ写真とってやるよ」

友「こいつはエラのとこ持たない方がいいのか?」

男「よく見てみ。さっきチラッと言ったカマってのがここなんだけど鋭いだろ」

友「めちゃくちゃ尖ってる…」

男「なにも分からない時に刺さってめっちゃ痛かった思い出」

友「男にもそんな時期があったんだな」

男「まぁな。よし撮れたから〆て持って帰るか」

友「おい! 男のウキ沈んでる」

男「目を離した隙に」ビシッ

友「どうだ?」ハラハラ

男「大丈夫乗った」

友「ハネめっちゃ釣れるな」

男「いやこの穂先にコンコンくる引きは…」

友「見えてきた。なんか形が違うな」

男「やっぱりチヌか。これは嬉しい外道」

友「おー。こいつ美味いんだよな」

男「底も取ってないのに完全にラッキーだなこれは」

友「豪華な食事になりそうだ」

男「よしキャッチ。今日は下見みたいなもんだしそろそろ帰るか」

友「そうだな。エビももうなくなりそうだし」

男「少し待っててくれ」

友「おう?」

男 タッタッタッ

男「こんにちは。釣れてますか?」

釣人「いや今日はダメだなー。にいちゃん達に全部もってかれてるな」ニヤ

男「運が良かっただけですよ。それで僕らもう行くんですがよければ余ったシラサ使います? あと場所も」

男「多分さっき釣れたところだし撒き餌も効かせてるからまだ寄せれてると思うんで良かったら」

釣人「ほんとかにいちゃん! ありがとな。さっそく引越しの準備だ」ニコニコ

男「頑張ってくださいね。あと良かったら多めに〆ちゃったんでハネ一匹持って帰ってください」

釣人「いいのか?」

男「二匹だけ持って帰ろうと思って〆たんですが〆てる最中に釣れちゃったんで余ってしまいますし」

釣人「なにからなにまでほんとありがとうな。これでボウズでもカミさんに嫌味言われずすむわ」

男「持って帰ってもらえたらこっちも助かりますし。では頑張ってください」

釣人「ありがとな!」

男「おまたせ。いこうか」

友「あげちまっていいのか?」

男「〆ちゃった魚余らせるくらいなら釣り仲間に喜んでもらったほうがいいだろ」

友「まぁそうだな」

男「おまえも釣りを続けたら余った餌とか釣れた魚とかお裾分けされることも経験するさ。フランクな人多いからな」

友「共通の趣味を持つ者同士、仲良くなるポイントはあるしな」

男「だな。さて帰るか」

とりあえずここまで
おやすみなさい

ワクワクしてくれてありがとうございます

地方によってオオタロウが指す魚種が変わるみたいなんで魚界に於いてはメジャーな名前なのかもしれませんね

やっぱり釣りは地域性でますよね
大阪です
メバリングロッドもそれなりの値がするから一本購入するのも悩みますよね

少しだけ投下

男宅

男「よし友、捌いてみろ」

友「うぇ? いきなりかよ」

男「横で教えてやるから」

友「まぁ捌き方覚えたいと思ってたしちょうどいい。頼みます先生」

男「まずは鱗をとる」

友「包丁の背中でゴリゴリやるんだっけ?」

男「いやそれでもいいんだが素人には難しいのとキッチンが鱗まみれになるから今回はこれを使う」

友「ペットボトルのキャップかこれ」

男「それで尾の方から引いてみ」

友「おお! 綺麗に取れる」

男「楽だろなかなか。ペットボトルのキャップがない時はビニール袋に魚を入れてスプーンを使って袋の中で作業すればキッチンを汚さずに済む」

友「なるほどな。よしこんなもんでいいか?」

男「おっけー。次はエラの付け根を包丁でぶった切る」

友「こうか?」

男「そうそう。そして横から包丁を入れて腹を開いてみよう」

友「ちょうど魚を下から見て中心の辺りでいいのか?」

男「それでいい。開けたらエラを持って今開いた腹に沿って引っ張ってみ」

友「うげぇ。内蔵出てきたぞ」

男「すぐ慣れる。出したら古い歯ブラシとかで磨いて血合いをそぎ落として軽く水で流す」

友「こんなもんでいいか?」

男「始めての割にいい感じだな」

友「ほんとか?」

男「まぁここからが本番だ。魚の腹を上に向けてカマのところから包丁を入れて骨まで両断」

友「カマってのはこのトゲトゲだったな。よし!」

男「次に魚を横に寝かして上側からさっき骨を両断したとこまで切って頭を落とす」

友「オオタロウゥゥゥゥ」

男「頭を落としながらオオタロウ絶叫はやばい」

友「いいやつだった」

男「食いにくくなるからやめようぜ。ここまでやればあとはキッチンペーパーで水気を取る」

友「完了!次は?」

男「卸す。まず背びれのとこから骨に沿って包丁を入れる」

友「難しいなこれ」

男「慣れるまでは仕方ない。はじめっから綺麗に卸せるやつなんていねーよ。次は腹から同じように包丁をいれる。そして頭側から尾のところまで包丁を入れて包丁を逆さ向きにし尾から頭側に入れて完成」

友「ちょ、ボロボロになった気がするけどいいか?」

男「大丈夫。俺が初めて捌いた時よりまし。反対側も同じようにやっといてくれ。その間に俺はチヌ捌いとくからさ」

友「了解」

……………………

友「できたぞー」

男「おお、思ったよりうめぇな」

友「だろ?」

男「なら身に塩コショウまぶしといて」

友「男はなにしてんのそれ?」

男「ホイル焼き作ろうと思ってな。アルミホイルにバター塗ってる」

友「うおおお! 想像しただけでうめぇ」

男「だろ?よしそれをこのホイルで包んでくれ。このキノコとかも一緒にな」

友「包んだこれどうすればいい?」

男「フライパン熱してるからそこ乗っけて蓋しといて」

友「了解です先生」

男「これで終わりだ。テーブル拭いて飲み物用意しといてくれ」

友「わかった」

…………………

男「おまたせ。包みは自分で開けてみ」

友「いい匂いがする!」

男「がっつく前に手を合わせて」

男、友「「いただきます」」

男「ホイル焼きは好みの量レモンかけてくってみ」

友「うめぇ! あんな楽しい思いしてさらに美味い飯も食えるとか釣り最高だな」

男「料理スキルも少しはつくしな」

友「真剣に釣りにハマっちまったわ」

男「じゃあその楽しさを紺ちゃんと共有してこい」

友「がんばってくるぜ!」

男「報告待ってる」

……………………

続きは夜にまた
今晩中に3話終わらせるよう頑張る

車ないと辛いものがありますよね
連休使って室戸岬とか行きたいぜよ

期待ありがとうございます
他の方のよりクオリティは低いですがまったりやっていきます

友&紺 釣り中

友「あーっと紺ちゃん」

紺「ん?どうしたの?」

友「実は言わなきゃならないことがあるんだ」

紺「うん?」キョトン

友「ふぅー。よし! ごめんなさい。俺は紺ちゃんに嘘ついてました」

紺(あー。あのことかぁ)

友「紺ちゃんの気を引きたくてしたこともない釣りを趣味って言ってました。ごめんなさい」

紺「………」(どうしよう。こんなに真剣に謝られると知ってたって言いにくいなぁ)ムゥー

友「嘘付いてて本当にごめん」

紺「なんでいきなりカミングアウトしたの?」

友「男と話しててさ、お前のいいところは裏表を作らないとこじゃないのか? って言われちゃってな」

友「あときっかけは不純だったかもしれないけど、最近釣りが本当に楽しくて。どうせだったら紺ちゃんとその楽しさを共有したいなって思って」

友「けど、嘘ついたまんまじゃ本当に楽しさなんて共有できないんじゃないかなって…」

紺(本当に子どもみたいに純粋な人なんだな)クス

紺「じゃあ改めて聞くね? 友君の趣味はなんですか?」

友「今なら胸張って言える。始めたところで下手くそだし知識もないけど釣りが趣味です」

紺「じゃあ嘘じゃなくなったね。なにも気にすることないじゃん。はい! この話おしまい」ニコッ

友「え、でも…」

紺「おしまいって言ったらおしまい! あ、ほら友君のウキ沈んでるよ!」

友「え、あ、やばっ…」ビシッ

友「うっ… めっちゃ引く…」

紺「がんばって友君!」

友「糸を貼るように…竿を寝かさないように…」ブツブツ

紺「見えてきたよ!」

友「よ、よし! ギリギリまで引きつけてっと… よし! キャッチ」

紺「すごい! この魚がハネって魚?」

友「そうそう。こないだ男の家でホイル焼き作ったけど美味しかったよ」

紺「あの写真送ってくれたやつだよね? 確か友君が捌いたんだよね?」

友「男に指示してもらいながら下手くそなりにがんばったよ!」

紺「一人で魚釣り上げたり、一生懸命捌いて調理したりすっかり釣り人だね! 嘘を本当に変えたんだからもう気にしないでいいよ」

友「ありがとう紺ちゃん…」

紺「いえいえ。私もちゃんと釣りはじめてみよっと。女さんの店に道具買いに行くの付いて来てくれる?」ニコッ

友「もちろん!」

紺「よし! とりあえず今日は二人でがんばっていっぱい釣って男さんと女さん驚かそ!」

友「おう!」

第3話 ハネのエビ撒き釣り編 終わり

4話は投げ&ちょい投げでも書こうかなと思ってます

花見カレイの時期は終わっちゃったけどもうすぐキスもくるしなー

また書き溜めときます

さてと少しだけ投下

少しだけ時期がリアルとズレてますが気にしないでくれるとありがたいです

グループトーク

紺 今度、女さんのお店で道具買おうと思うんですがおすすめとかってありますか?

女 何が釣りたいかによるから一概にこれがいい! とは言いにくいかな。まだどんな釣りがあるかとかわからないよね?

紺 はじめは友君とやったハネ釣りとかができるやつを買おうかなと思ってます。穴釣り用のは友君が用意してくれたのありますし

女 あ、それなら私のお古の磯釣りのセットでよければ譲るよ? 私が始めた時に揃えたやつだから上等なやつじゃないけどね

友 おお、女さん太っ腹

紺 いや、さすがにそこまでして貰うわけには…

女 どうせホコリ被らせとくくらいなら紺ちゃんに使ってもらえたほうが嬉しいしね

男 甘えていいと思うよ。道具一式揃えるのもお金かかるしね

紺 でも、悪いですよ…

女 なにもなしじゃ気になるってなら、今度紺ちゃんの後ろに乗せてツーリング連れてってよ! バイク乗ったことないから乗ってみたかったんだ!

紺 それぐらい条件なしでいつでもやりますよ! 本当にいいんですか?

女 もちろん! 時間あるときに取りにおいで

紺 ありがとうございます。大切にしますね

男 そういや話変わっちゃうけど女、お前の店のイベントって四月の二週目だっけ?

女 そうだよ。私もオフだから参加するよ

男 まじか。なら久々に勝負するか

女 いいね! 負けないよ!

友 釣具屋さんのイベントってセールとかそんな感じだと思ってたんだけど勝負とかできるイベントあるの?

女 結構どこの店舗でも頻繁に釣り大会やってるよ。友君も参加してみる?

友 いや、さすがにまだ大会とかはちょっと怖いかなぁ

紺 一緒に出てみようよ友君! 何事もチャレンジだよ

女 あ、今度の釣りの対象魚はカレイなんだよね。二人ともまだ投げ釣りの経験ないよね

友 あー、やったことない釣りか。流石に厳しいな

紺 うぅー。残念

男 じゃあこういうのはどうだ? とりあえず四人とも個人エントリーして参加。その後、俺と友チームと女紺ちゃんチームに別れて俺は友に、女は紺ちゃんにレクチャーしながら釣り。最終、各自一匹ずつ出し合って二匹の長寸勝負

女 いいねそれ! 乗った!

友 おー! それなら気軽に参加できるな

紺 甘えて参加させてもらいます。女さん、いろいろ教えてくださいね

女 任せて! 勝とうね!

紺 はい!

男 出す竿は二人で三本までにしようか。

女 了解! エントリーは当日の午前0時からで検寸締め切りが14時までだからね

男 了解 俺らの分の餌の予約しといてくれ

女 任せて

友 なんかドキドキしてきた

紺 がんばろっと!

男 んじゃまぁまた当日に

第4話 カレイの投げ釣り編

午前三時 釣具屋

女「店長! やっほー」

男「こんばんは。四人分のエントリーお願いします」

店長「いらっしゃい。女ちゃんと男君、会員カードお願い。後の二人は初めましてかな? うちの会員カードとか持ってる?」

友「初めまして。カードはっと…あった。お願いします」

紺「初めまして! 私はカードないんですけどどうしたらいいですか?」

店長「えっと、友君ね。カードお預かりします。そっちの初めての子はこの用紙記入お願いね」

紺「わかりました」

店長「男君きいたよ、女ちゃんと勝負するんだって?」

男「そうなんですよ。負けられないっす」

女「絶対勝ってやる!」

店長「うちのお得意さんの男君と看板娘の女ちゃんの対決だし個人的に勝った方に賞品出してあげよう。僕のお古になっちゃうけどステラとかどう?」

男「まじすか!?」

女「欲しい!!」

男「嬉しいんですがそんな高価な物いいんですか?」

店長「実は嫁さんが誕生日にってこっそり用意してくれてたんだが全く同じもの貰っちゃってさ。何もわからない嫁さんが奮発してくれたやつ使っていきたいからお古のやつは誰かに譲るつもりだったんだ」

店長「でも思い入れある物だから大切にしてくれる人に譲りたいなって思ってたところに男君と女ちゃんが対決するって聞いたからちょうどいいやって。二人なら大切に使ってくれるのわかってるしね」

男「なるほど。大切に使わせてもらいます」

女「ちょっと男君、なんで自分が勝つ前提なのさ! 店長の形見は私の物だよ!」

店長「おいおい、勝手に殺さないでくれよ」ハハハ

男「まぁどっちが勝つにしろ本当にいつもよくしてくれてありがとうございます」

女「ありがとうございます!」

店長「いえいえ、がんばっておいで」

男、女「「はい!」」

紺「お話中すみません。紙かけました」

店長「はい。預かりますね。えーっと、紺ちゃんか。君もがんばってね」

紺「ありがとうございます!」

店長「じゃあこちらが参加証と予め言われてた餌ね。検寸の締め切りは14時だからそれまでに戻ってくること。張り切るのもいいけど暗いうちは特に事故には気をつけてね」

全員「「「「はい!」」」」

店外

男「女性陣はどこでやる予定なんだ?」

女「私達はよく行く海水浴場でやるつもりだよ。男君達は?」

男「俺たちは朝一の渡しで一文字かな。車の運転は気をつけていけよ」

女「うん、ありがとう。じゃあ後でね」

男「おう。友行くぞ」

友「了解。紺ちゃんお互いがんばろうね」

紺「だね! 男さんもがんばってください」

男「ありがとう。紺ちゃんもがんばってね」

紺「はい!」

男組車内

友「あのお店の店長さん初めて見たけど優しそうなおっちゃんだな」

男「めちゃくちゃいい人だぞ。俺の釣りの師匠でもあるし」

友「そうなんか。少し気になるなその辺」

男「また時間ある時にでも語ってやるってよ。駐車場到着っと。トランクの荷物出すの手伝え」

友「オーケーボス」

男「このジャケットきとけよ」ポイッ

友「おー、釣り人っぽいベスト! どう?似合う?」

男「バカなこと言ってないでちゃんとファスナー上げろ。安全第一」

友「はーい」ジーッ

男「ちと挨拶行ってくるからここで待ってて」

友「わかった」

女組車内

紺「今から海水浴場行くんですよね? 海水浴場って釣りしてもいいんですか?」

女「場所によるんだけど海開きしてるシーズン以外は釣りしていいって所は多いかな」

紺「さすがに人が泳いでる所で釣りは危ないですもんね」

女「極稀に特に取り決めのないところもあるんだけどね。あと年中通して禁止の場所も」

紺「年中通して禁止とか厳しいところあるんですね」

女「まぁ海水浴場以外でも釣り禁止区域とかも沢山あるしね」

紺「なんで禁止区域とかになるんですか?」

女「その場所自体の足場が悪くて釣りを許可したら事故が起きそうな所とか地元の人がよく通る場所とか個人の所有地とかいろんな理由があると思うよ」

女「悲しいけど釣り人のマナーが悪くて封鎖されたりもあるよ」

紺「そんなこともあるんですか?」

女「やっぱり大半の人はキッチリしてたとしてもゴミをそのままにしたり針をその辺に放置したりとかとかさ」

紺「あー。海の周りに行ったらやっぱりその辺にゴミとかチラホラありますもんね」

女「私達も仕事で釣り場回って掃除とかするんだけどね。どうしても針とか見逃しちゃったりすることもあるからさ。例えば海水浴場で針が落ちてるって考えたらどう思う?」

紺「すごく怖いです。海水浴なんて小さい子とかもいっぱい来てるのに…」

女「でしょ。だから禁止にしなきゃならないってこともあるんだと思う」

紺「なるほど。一人一人が気をつけていかなきゃならない問題ですよね」

女「自分達が気持ちよく楽しめる環境は自分達が作らなきゃね。だから紺ちゃんも釣り場に行ってゴミとか落ちてたら誰が捨てたとか自分のゴミじゃないとか考えずに楽しませてくれる海への感謝だとでも思って拾ってくれると嬉しいかな」

紺「わかりました! ところでどうして今日は海水浴場なんですか? なんか海水浴場って人がいっぱい入る場所だから魚とかいなさそうなイメージ」

女「そんなことないよ? 海水浴場も場所によるけどいろんな魚が釣れるんだよ。まぁ今日はターゲットがカレイってことで海水浴場に決めたんだけど」

紺「カレイは海水浴場に住み着くんですか?」

女「いや、海水浴場というより駆け上がりの砂地ってところが今回のポイントだよ。砂に潜り目だけを出して餌を見つけて捕食するって言われてるんだ」

紺「なるほど。砂とかに溶け込む様にあんな見た目なんですね。保護色でしたっけ?」

女「私もそこまで生体に詳しいわけじゃないけど確かにあの見た目は外敵から身を守る役割もありそうだね」

紺「砂に隠れるためにあんなに平べったいんですね。怖がりなのかな?」

女「うふふ。カレイはもしかしたら怖がりなのかもしれないね。けど隠れてるってことは餌にもバレないってことだから獲物を取るときにも便利だよね」

紺「あ、そっか! カレイって何を食べるんですか? 小魚? エビ?」

女「んー。小魚でも釣れるらしいんだけど釣り餌としてメジャーなのは虫餌なんだよね。魚の切り身、イカやエビや貝類とかも食べるんだけどね」

紺「虫!? 今からでも小魚にしましょうよ!!」ウルウル

女「残念。釣りをする上で虫餌とは縁切れないから諦めて。あと投げ釣りで使ってもきっとうまく釣果でないと思うよ」

紺「どうしてですか?」

女「えっとねー…って言ってる間に着いちゃったから続きは後からね」

紺「あ、はい。じゃあ早速、荷物運びましょうか」

女「よーし、気合い入れていくよ!」

紺「はい!」

男組一文字

友「ゔゔゔーーーさむいぃぃぃ」ガクガク

男「ウルセェはよ準備するぞ」

友「あい。この三脚たてりゃいいの? てか複数竿出すとか忙しそうだな」

男「そんなことないぞ。カレイは見た目の通り水中を泳ぎ回るんじゃなく底にへばりついてるんだよ」

友「うん。なんとなくわかる」

男「ということはいない場所に餌垂らしても泳いでくることがないってことだ」

友「あー。アクティブに餌を探しに行くタイプじゃないってことだな」

男「そういうこと。砂地に潜って目だけを出して目の前に餌が来るのを待つ」

友「海中のアサシンかよ」

男「残念ながらカレイにはアサシンにはなれない致命的な欠陥がある」

友「おん?」

男「カレイはど近眼らしくてな。かなり近くに来るまで見えてないらしい」

友「なんかドジっ子クノイチを想像した」

男「捕食の仕方は獲物を体で押さえ込んでじっくりモグモグいくらしい」

友「最近流行りの肉食系女子ってやつか」

男「女子とは限らねーけどな。まぁ話を戻してど近眼だから長めの虫餌をつけたり仕掛けにボンボンとかつけたり目立つ様にして視覚的に誘ったり虫餌の匂いで誘ったりするんだ」

友「虫餌ってのはこのグレたミミズ達か」

男「そうそう。青イソメって奴らだ」

友「ちょっとまて男、イソメってエビみたいなプランクトンじゃねーの?」

男「そういやお前そんなこと言ってたな。紺ちゃんの前だから訂正しなかったけどイソメは完全に虫だ」

友「おふ、こいつを使う釣りが初心者ってカミングアウトしたあとでよかった」

男「確かに危なかったな。まぁとにかくこいつらを多くて三匹くらい針に付けて目立たせて誘うって訳だ」

友「海の底で揺れる鯉のぼりみたいな感じか」

男「仕掛けの動きのイメージとしては間違ってはない。あとはイソメ達がウニョウニョして海底で砂埃を起こすのも狙いの一つだ」

友「砂埃?」

男「目の前に餌が来るのを待つとは言ったが目の前に餌があるからといって必ずしも食うわけじゃないんだよ」

友「そりゃ俺も腹一杯の時に美味そうな飯があっても食わねーけども、けどそれって結局運じゃねーの? 砂埃とか関係あるのか?」

男「カレイは砂埃を見ると興味を持ち動きが活発になるんだよ。だから虫餌が動いて砂埃が立つ→カレイが興味を示す→よく見たら餌やん!→捕食って感じで釣れるんだよ」

友「なるほどな。うまく本能を刺激するってことだな」

男「そういうこと。あと虫餌を使う理由として体液が集魚効果があるという点も大きい。さっき言った匂いで誘うってのがこの体液のことだな。大きめのイソメをわざと切ってかけたりすると効果的」

友「ほー、釣り人もいろんなこと考えながら釣りしてんだな」

男「まぁ基本的に釣りのセオリーってものは出来上がってるからな。あとは個人のアイデアや工夫とかを組み込んでいくのも釣りの楽しさだ。とりあえず早く竿出すぞ」

友「よーし。ちゃっちゃとやるか」

とりあえずここまで
週末は少し忙しくてペース遅くなるかも
暇見て書き溜めときます

神戸空港のあの警備員さん達はなかなかフレンドリーな方が多い
ついこないだ芦屋浜行ったんでもしかしたら144さんとはどこかですれ違ってるかもしれませんね

文字だと想像しにくいこと多いですよね
もっと伝わりやすく頑張ります!

いえいえ、是非大阪にも遊びに来てください

では残り投下

女子サイド

女「よーし! 仕掛けを作るよ!」

紺「竿は三種類とも長さが違うんですね? S.M.Lって感じ」

女「そうだね。紺ちゃんの言うM.Lの二本が遠投用の竿、Sが釣具屋とかホームセンターでよく売ってる2,000円前後のちょい投げセット。まず遠投竿の準備するからMサイズの持ってガイドに糸を通していって」

紺「了解です。糸太いですね」

女「普通にリールに巻いてるラインに継ぎ足しで力糸っての繋げてるんだ。遠投する時には天秤っていう重りを付けて投げるから一時的にラインに凄い力がかかっちゃうんだ。だから投げたはずみで切れちゃわないように」

紺「なるほど。通し終わりました!」

女「よし、じゃあこれつけてみよっか」

紺「これが天秤ってやつですか?」

女「そう! 片側にラインを結んでもう片方に仕掛けを付けるんだ。いろんな種類があって使う竿、海底の地形や潮の速さとかで重さや形を使い分けていくんだよ」

紺「なるほど。仕掛けは天秤の穴にこれを引っ掛けるだけでいいんですか? この仕掛け針の上にキラキラのボンボンついててかわいー」

女「そのボンボンの下に可愛くない虫餌付けるんだけどね」

紺「ワスレテタ」

女「何事も経験! とりあえず刺し餌の付け方教えるね。針とイソメ持ってみよう」

紺「うぅー怖いなぁ」オソルオソル

イソメ「ナンヤワレ ヤンノカ」ガブ

紺「ギャーー! 噛んだ! 噛まれた!」ブンブン

女「アハハハ! 大丈夫だよ。痛くもないでしょう?」

紺「痛い痛くないの話じゃないです! ニュルっとしてカブって!」ナミダメ

女「紺ちゃん、イソメだって生き物なんだよ? それを私たちの娯楽の為に使われるんだからそりゃ抵抗もするよ。いきなり針刺されて海に投げ込まれる気持ちわかる?」

紺「うぅ。そうですよね。命を使わせて貰うんだからせめて最高の結果を生み出してあげなきゃいけませんよね。頑張ります! イソメさん! あなたの命使わせてもらいます」ヒョイ

女「ごめん、冗談で言った。イソメの気持ちについて深く考えた事なんて今まで一度もないや」

紺「ひどい!」

女「アハハ、でも触れるようになったじゃん。じゃあまずは針先をイソメの口元に当ててみて」

紺「わわっ! にゅるにゅるしてて難しい」

女「あ、これ使ってみて」

紺「これは?」

女「石粉っていってこういう風にまぶしてあげると滑らなくなるよ」

紺「あ、ほんとだ。これならやれそう」

女「まぁ砂浜の砂でも代用できるんだけどね。じゃあ続きいくよ? 口元に当てたら黒い歯で噛もうとしてくるでしょ? そこが口、そこから針を飲ませるように入れて体に沿わせて通してっと…で腹から針が出るように刺す」

紺「わぁ…汁が…」

女「慣れるから問題ない」

紺「女子として大切な物を失っていく気がする」

女「気にしたら負けだよ。通し終わったらその針の出てる場所にあと二匹くらい顔の横から針通して引っ掛けるの」

紺「こうですか?」チョン

女「そうそう。仕掛けには針が二つあるでしょ? もう一つも同じようにつけてみて。その間に私はちょい投げの仕掛け作ってくるから」

紺「了解です」

紺(手は汁まみれ…本当に抵抗なくなってきちゃったよ…)

男子サイド

男「よし。準備できたし投げるぞ」

友「遂にか」

男「まず俺が投げるからみといてくれ。まず投げたい方向に利き足と逆の足が前に来るように足を開く。だいたい肩幅くらいかな」

男「そしてラインを利き手の人差し指に引っ掛けてリールのベールをあげてもう片方の手で竿の一番下を握り頭の上に振り被る。自分の頭を時計の中心点として3時の方向だな」

友「なんか侍みたいだな」

男「ちなみにこの時、竿先から天秤までの糸の長さをたらしって言うんだがたらしは慣れるまで1mくらいから始めよう」

友「本来はどれぐらい取るもんなんだ?」

男「こればっかりは使う道具によって変わる。まぁはじめはそんなに意識しなくていいぞ」

友「了解」

男「じゃあいくぞ。振りかぶった竿を前に振り出しピタッと止める…んで竿のしなりが生まれて力が前にかかると同時に指を離す」シャアアアア

友「おお! めっちゃ飛んでる」

男「んで着水と同時にベールを下ろす。投げながらだと説明しにくかった。投げる時は振りかぶった方の手は前に前に押し出す感じ、逆の手は体側にまっすぐ引く感じの動きを意識して時計でいう1時くらいの角度でピタッと竿を止めるんだ」

友「よし! やってみる… おらっ!」バシャン

友「………」

男「力み過ぎだ。力で投げるんじゃなくあくまで竿のしなりを活かしてやってみろ」

友「お、おう! よし… ふん!」シャアアアア

友「やった! 飛んだ!」

男「いい感じだ。その感覚忘れんなよ」

友「けど男と全然飛距離違うぞ?」

男「それでいいんだ。さっき説明忘れたけどカレイはあまり動かないって話したよな」

友「おう、だから近くに餌を用意してやらなきゃならないんだよな?」

男「そうそう。だから遠距離、中距離、近距離といろんなポイントに分けて投げて探っていくんだ」

友「なるほど。投げた竿はこのまま巻いていけばいいのか?」

男「いや、今回は置き竿で探っていく。ゆっくり巻いてリールを巻く抵抗が少し強くなったところで放置」

友「この辺かなぁ」

男「仕掛けを設置するポイントが決まったら竿先にこれつけとけ」チリン

友「これは鈴か?」

男「そうそう、竿にも触れてないしウキも使わないからアタリが来てもわかんねーだろ」

友「なるほどな」

男「あとは放置→少しポイントずらして放置を繰り返す」

友「これなら竿を複数出しても扱えるな」

男「まぁまだ来ないだろうからまったり待とうぜ」

友「了解了解」

女子サイド

紺「なかなか釣れませんね」

女「大丈夫! 多分もうすぐくるよ」

紺「なんでわかるんですか?」

女「カレイってのは基本朝マズメ、次に夕マズメに釣れるって言われてるんだ」

紺「それ以外はダメなんですか?」

女「そんなこともないよ。ただ釣れやすいタイミングってだけ。時期もそうなんだけど基本は魚がいる場所に適正な餌があれば食うからね」

紺「なるほど。もうすぐ朝マズメだから期待できるですよね! 楽しみ」

女「それもあるけどカレイは潮止まりの前と潮の動き出しすぐに連続して釣れるんだ。今日は潮の動くタイミングもいい感じだから期待できるよ!」

紺「なるほど。ちなみにカレイの時期っていつなんですか?」

女「大体産卵期前の11月から岸によってきてクリスマス前後がピークじゃないかな? そこから少し産卵の為に沖に出る時期が来て1月末くらいから4月終わりくらいまでまた寄ってくるらしい」

紺「さすが釣具屋店員! 詳しいですね」

女「でしょ! 勉強しなきゃお客さんからの質問に答えられないしね」

紺「やっぱり質問とかされるんですね」

女「基本はどこでどんなの釣れてるー? みたいな質問ばっかりだけどね。変な人とかは………」

鈴 チリン

紺「きた! アワセなきゃ」ダッ

女「紺ちゃんストップ」

紺「え? 早くしなきゃ逃げちゃうんじゃ…」

女「大丈夫、カレイはゆっくり虫餌を食べてるところだからまだ針のとこまでいってないんじゃないかな」

紺「そっか。針を咥えてないのに引っ張っても釣れないですよね」

女「そうそう。あとカレイは結構集団で行動してることが多いし一匹が掛かったらその時起こる砂埃に釣られ連発することもあるしアタリがきたM竿のところにL竿の仕掛けを投げ直そう。紺ちゃん投げれるかな?」

紺「やってみます! えいっ!」シュルルルル

女「上手! そのまま仕掛けをポイントまで移動して」

紺「確かこの辺りのはず」

女「大体でいいよ。そろそろアタリがきた竿上げてみて」

紺「はい! クルクルーっと」

鈴 チリン

女「さっそく投げ直した方にもきた!」

紺「いい感じ! こっちもうすぐ上がります」バシャン

女「これはかわいいミニカレイちゃん、えーっと…17cmだね」

紺「大体どれくらいのやつが釣れるんですか?」

女「多分みんな30~40cmくらいのを二枚持ち込んでくると思うよ」

紺「ならこの子はリリースか」ガッカリ

女「大会は二枚のトータル長寸で競うから二枚確保するまではキープしとかなきゃ。これくらいのサイズなら唐揚げにして食べたら美味しいし」

紺「了解です。あ、でも一緒に釣りしてたらどっちが釣ったとかどうしましょう?」

女「とりあえずこの子と今アタリきてる子は紺ちゃんで次からはL竿は私が使ってM竿は紺ちゃんが使って分けていこう」

紺「わかりました!ありがとうございます」

女「じゃあとりあえず投げ直してそっちの竿も上げてみよう」

紺「はい! 大きいのくるかな」

男サイド

男「結構釣れたな」

友「男が5枚の俺が4枚、大漁じゃん!」

男「充分だな。検寸用の二匹はこいつとこいつだな。そろそろ納竿すっか」

友「そうだな」

鈴 チリンチリンチリン

ガガガガガ

男「ヤバい! 友、三脚抑えてくれ!」ダッ

友「え? お、おう!」ダッ

男「オラァ!」ビシッ

友「なんだ? 何が起きてんの?」

男「たまーにあるんだよ。イソメに誘われてチヌが食ってきやがった。やばいなタモ持ってきてねーぞ」

友「あっちのおっちゃんに借りてくる!」

男「頼んだ」

男(大会の外道部門に友の名前で出すかー…)

女サイド

女「そろそろ終わろっか」

紺「はい…なんで同じやり方で女さんのは大きいのに私のは可愛いサイズばっかりなんだろ」

女「こればっかりは運だからね」

紺「ごめんなさい。男チームとの対戦で足引っ張って」

女「あっちが釣れてるかわかんないし勝負も大切だけどまずは楽しむことだよ! 投げ釣りは楽しくなかったかな?」

紺「いえ、楽しかったんですがどうしても責任感じちゃって」

女「じゃあ今度は勝負とか抜きでこよっか」

紺「はい、とりあえず竿回収しますか」

鈴 チリン‼︎チリン‼︎

紺「やったぁ! ラストチャンス!」

女「焦らず飲ませるまで待つんだよ」

紺「はい!」

女(カレイの割に大きめのアタリがきたなぁ。紺ちゃんには残念だけど放置して小さくなったイソメにキスがきたのかな)

紺「そろそろいいですか?」

女「そうだね! 上げてみよう」

紺「はい! うっ、重いってか魚って感じが全くしないなぁ。最後の最後で流されてきたゴミでも引っかかったのかな」ハァ

女(もしかしたらもしかするかも…)

釣具屋さん

店長「えー、みなさん、いつも当店をご贔屓にしていただきありがとうございます。早速ですが第◯回、花見カレイ大会の検寸が終わりましたので結果発表をさせてもらいます。沢山の方が参加してくれましたので発表は5位から二匹の合計長寸を発表していきます」

パチパチパチ

店長「ではまず第5位、当店店員女ちゃん! 長寸結果67.5cm おめでとう!」

パチパチパチ

女「やった! 入賞!」フフン

紺「流石ですね!」

友「仲間内で入賞とかテンションあがる」

男「………」

女「今回はチーム戦で助かったね男君」ニヤ

店長「女ちゃんには餌代500円チケットプレゼントです。では続いて第4位、チーム遠投のモブ男さん! 長寸結果は68.6cmです。おめでとうございます。モブ男さんには餌代1000円チケットプレゼントです」

パチパチパチ

店長「さて第3位の発表です! 2位と3位は非常に僅差でした。長寸結果69.7cm、男君! おめでとう。男君にはこちらのクーラーボックスをプレゼント」

パチパチパチ

女「えぇっ!!」

友「男やったな!」

紺「男さんも女さんもすごいな」

男「今回はチーム戦で助かったな」ドヤァ

女「くうぅぅ…」

店長「続いて第2位の発表です! 長寸結果80.1cmで遠方からお越し頂いた老人さん! おめでとうございます。老人さんにはこちらのリールをプレゼント!」

パチパチパチ

店長「いよいよ第1位の発表です! 今回の大会優勝はベテランさんです! 長寸結果82.9cm 二枚とも40cm越えで三年連続の優勝です」

パチパチパチ

店長「優勝されたベテランさんにはこちらの竿とリールをプレゼント! おめでとうございます。優勝されたベテランさんにもう一度大きな拍手をお願いします」

パチパチパチ

店長「続きまして外道特別賞の発表です。見事に40cmオーバーのチヌを釣り上げた初参加の友君! おめでとう! 友君には餌代1500円チケットをプレゼント」

パチパチパチ

友「え? なんで?」

男「あの時のチヌをお前の名前で出しといたんだよ。掛かった竿はお前が使ってたやつだしな」

紺「友君すごい! 私だけなにもなしかぁ。みんな凄すぎるよ」

女「紺ちゃん! まだ私とのチーム戦が残ってるよ!」

店長「えーっと、皆様。本日は本当にありがとうございました! 今後もこのような皆様に喜ばれるイベントを開催していきますんでドンドン参加してください…っと締めたいところなんですが…」

ザワザワ マダナンカアルノ

店長「実は今回の大会入賞者でもある女ちゃん達が二人一組で一枚ずつ出しつつ長寸結果で対決するということなんでついでにここで発表します!」

パチパチパチ

店長「では一人ずついきましょうか。まず男君! 36.2cmの良型ですね!」

パチパチパチ

店長「続いて女ちゃん! こちらもかなりの良型ですね 34.8cm!」

パチパチパチ

店長「次は投げ釣り初で外道賞も獲得した友君! 32.1cmです。初めてとは思えない釣果ですね」

パチパチパチ

店長「さて、男子チームの長寸合計は68.3cm。女子チームは女ちゃんのパートナーの紺ちゃんが33.5cm以上を釣り上げてるかどうか!?」

ザワザワ ドキドキ

店長「では、発表します! 紺ちゃんの釣り上げたカレイのサイズは…………なんと44.2cm! 今大会参加者の方が持ち込んでくれた中で最大サイズです!」

オオオオ スゲェ ヤルナァ

店長「ということでこの勝負、68.3cmVS79cmジャストで女子チームの勝ち!」

パチパチパチ

男「なん…だと……」ガクガク

女、紺「「イエーイ!!」」ピョンピョン

友「紺ちゃんすごいじゃん! 完敗だわ」

店長「では勝った女子チームの女ちゃんには約束通り、僕の私物ですがリールをプレゼントです。せっかくですので最大サイズの紺ちゃんにはこちらのちょい投げセットを贈呈します」

パチパチパチ

店長「では今度こそ本当にお開きとさせて頂きます! ありがとうございました。引き続き当店でのお買い物をお楽しみください」

……………………

男「完璧にやられたな」

友「俺が最下位かぁ。次は負けない!」

紺「ビギナーズラックってやつですね!マグレですよ」

女「マグレでもなんでも釣り上げたってことには変わりないよ! おめでとう紺ちゃん」

紺「いやいや、女さんが海に入ってまで取り込んでくれなかったらキャッチできませんでしたし」

男「なるほど。だから着替えてたのか」

女「検寸まで時間あったから着替えに寄ったんだ。問題ないとは思うけどあのサイズをキャッチミスするわけにはいかないしね」

男「まぁ負けは負けだ。次は勝つからな」

女「望むところだよ! ね! 紺ちゃん?」

紺「もちろんです! って言いたいんですが次は勝負とかなしでゆっくり釣りたいです」ニガワライ

友「俺も次はまったりやりたいな」

男「じゃあ次はみんなで楽しく釣りにいこうか。そうだ紺ちゃん、今日もらったこのクーラーボックスやるよ。好きに使いな」

紺「え? いいんですか?」

男「個人優勝みたいなもんだし記念にね。友は共有作業場に置いてるの好きに使えばいいし俺と女はすでに持ってるから必要ないしさ」

紺「じゃあ甘えさせてもらいます! ありがとうございます」

友「よかったね紺ちゃん! てかこの魚達どうする? 全員が釣ったやつ合わせたら流石に食い切れないんじゃないかこれ」

女「それなら問題ないよ! 店長の弟さんがやってる海鮮居酒で捌いてもらおう。釣りすぎた時は持ち込んであげたら喜んでくれるよ」

友「それって男とよく行くあそこか」

男「よくわかったな。元々は俺の親父が常連でよく連れて行かれてな。そこで店長と女に出会ったんだよ」

女「懐かしいね」

紺「着いたらその話詳しく聞かせてくださいね! とりあえず向かいましょう。もうお腹ペコペコ」

男「よーし、じゃあ向かうか」

友、女、紺「「「はい!」」」

第4話 カレイの投げ釣り編 おわり

書き溜め分、投下完了
書いてて去年参加した大会で掌サイズ連発して家で唐揚げ祭りしたこと思い出した…

大阪住みからすれば和歌山とか四国とかの方が渋谷原宿って感じ
ほう
太刀魚=陸からってイメージでしたがあっちではそんな珍しいんすね

お、カレイいいっすね
その調子で次はキスでも狙いましょう!

二日酔い&風邪であまり書けてなくて申し訳ないんですが少しだけ投下

海鮮居酒屋

ガラガラガラ

女「料理人さんこんにちは。無理いって開けてもらってすみません」

料「いらっしゃいませ。いやいや、女ちゃんや男ん君にはいっつも新鮮な魚持ってきてもらったりしてるしね。とりあえず座敷にでも座ってて」

男「わがまま聞いてもらってありがとうございます。魚入れたクーラーはカウンターに置いておきますね」ゴトッ

料「いっつもありがとうな。飲み物聞きに行くから少し待ってて」

男「はーい」

…………………

料「はい、ウーロン茶4つお待たせ」ゴトッ

料「料理の方なんだけどあいにくまだ仕込み中で軽いものしか用意できないんだけどいいかな?」

男「わがまま言ったのはこっちなんで気にしないでください」

女「いつも通りあるもの適当で!」

料「ありがとう。持ち込んでくれた魚も下処理からだから少し時間かかっちゃうけど美味しく仕上げるからゆっくりしていってね」

女「はーい! 友君はここ来たことあるんだよね? 紺ちゃんは初めてだからわかんだろうけど本当に美味しいんだよここ」

友「男に何回か連れてきて貰ってるけど確かに美味しいここは」

紺「そんなにですか! 楽しみです!」

料「おいおい。そんなにハードル上げないでくれよ。まぁとりあえず期待に添えるよう頑張ってくるわ!」

男「さてとりあえず飲み物きたし乾杯するか」

女「そうだね! じゃあ、せーの…」

「「「「かんぱーーい!」」」」ガチャンガチャン

紺「さてと、料理くるまで時間かかるってことですしさっきの話聞かせてくださいよ」

女「あー、男君と知り合った時の?」

友「俺も聞きたい!」

男「懐かしいな。もう5年くらい前か」

女「だね。あの日は私があの釣具屋に勤めだしてすぐだったなぁ。店長と社員さん達が他のバイトの人とかも誘って歓迎会を開いてくれてさ…」

……………………

女サイド

店「やぁ女ちゃん! 飲んでるかい?」フラフラ

女「いや、私まだ16ですし。そうだ店長さん、わざわざバイトの私のために歓迎会なんて開いてくれてありがとうございます」ペコリ

店「そっかそっかまだ飲めないんだったね! 女ちゃんもウチで働く事になったってことは僕達の家族って事だ! そんな他人行儀にならなくていいんだよ」

女「ありがとうございます! 早く仕事を覚えて役立てるよう頑張りますね」

店「そんな硬くならなくていいって。まぁみんな気さくな奴らだから楽しんでね」

女「ありがとうござい…じゃなくてありがとう店長! こんな感じ?」

店「そんな感じ! 少し騒いじゃってるから隣の席に一言だけ挨拶してくるね」ニコッ

男サイド

男父「男ー、飲んでるかー?」フラフラ

男「まだ19時なのにもう出来上がってんのか親父? あんたの息子はまだ16だっつーの」ハァ

男父「男子たるもの16なら酒の一つくらい覚えろ!」

男「無茶苦茶言ってんな。姉ちゃんの結婚決まってから飲み過ぎだぞ。めでたいことなんだからいいじゃねーか」

男父「わかってるよ! 彼氏君もいい子なのもわかってる…ただこの気持ちはお前が親にならなきゃわかんないものだ。だいたい姉がまだこんなに小さい時から俺は…」グダグダ

男(また始まった…)

店「こんばんはー!」

男父「お、料理人さん! 相変わらず美味しい料理をありがとう」

店「あ、いえ。僕は料理人の兄です。隣で飲んでて少し騒がせてしまったので迷惑かけてないかなぁっと思いまして」

男父「お兄さんでしたか。これは人違いしてしまい失礼しました。わざわざありがとうございます」

男「あー、わざわざすみません。この人も酔ってて大声出してるんで気にしないでください」

店「よく似てるって言われます。息子さんですか? しっかりされてますね。そう言ってもらえたら助かります」

男父「いやーこいつなんてまだまだ子どもですよ」セナカバン

男「痛いって!」イラッ

男父「本当に気にせんでください。話変わりますがお兄さんも料理関係のお仕事を? ここの料理は本当に美味しいからお兄さんのお店にも是非いってみたい!」

男「おい、あんま絡むな馬鹿」

男「すみません、この人酔ってるから相手しなくていいですよ」ボソッ

店「大丈夫だよ。気を使ってくれてありがとう。僕も結構ヘベレケだしね」ボソッ

店「残念ながら僕は釣具屋をやってまして。新人の歓迎会で弟の店を使わせてもらってるんです」

男父「釣具屋さんでしたか! 私も若い頃はよくやりましたよ!」

店「おお! 最近はやられてないんですか?」

男父「この歳になると体力的にもねぇ。またやりたい気持ちはあるんですがね」

店「その際は是非ウチをご利用ください」ニコ

男父「その時は安くしてくださいよー?」ニコ

店、父「「わはははは」」

男「あ、あの!」グイッ

店「ん? どうしたんだい?」

男「釣りって初心者には難しいですか?」

男父「なんだ? お前釣りに興味あるのか?」

男「いや前にテレビでルアー使ってカツオとか釣ってるの見てから楽しそうだなーって」

店「あー、ああいうのは少し敷居が高いかなぁ。道具一つ一つが高いからね」

男「あ、そうですか」シュン

店「あ、けど釣り自体は色々あって初心者でも楽しめるし始めやすいものも色々あるよ!」

男「本当ですか!」

男父「釣りって言っても色々あるからな。そうだ男、これ渡そうと思ってたんだが遅くなってすまない。高校入学おめでとう。これでこの方に色々聞いて釣りでも初めてみたらどうだ?」

男「え、ちょ、ありがとう。てかこういうのってもっと真剣な感じで渡すもんじゃねーのか?」テレ

店「新高校生でしたか。入学おめでとう。男君でいいのかな? もしよかったら近々うちの新人を釣りに連れて行こうと思ってたんだが一緒にくるかい? 道具の購入はやって見た後でも遅くないだろうし」

男父「おお! 連れてってもらってこいよ! 生意気なガキですがよろしく可愛がってやってください」

男「いいんですか?」

店「もちろんだよ。釣り好きはみんな仲間だよ。えっと、少し待ってね」

店「おーい! 女ちゃーーーん!」

トコトコトコ

女「はーい。どうしました?」

男父「おー! こりゃめんこいねーちゃんだ!」

男、女((めんこいってなんだろ))

店「女ちゃん、今度釣りに連れてってあげるって言ってたよね。この男君も釣りに興味あるみたいで一緒に連れて行ってあげようと思って。女ちゃんと同い年みたいだよ」

男「あ、はじめまして男です。未経験で色々迷惑かけるかもですがよろしくです」ペコ

女「はじめまして女です! 私もまだ自分で釣りに行ったことないんで一緒に頑張りましょ!」ニコ

男父「おーおー、べっぴんさんの前では声のトーンが変わるなぁ」ニヤリ

男「うるせーぞクソ親父」

店「こらこら男君。あ、とりあえずメールアドレスでも教えてもらってもいいかな? 行く日決まったらメールするからさ」

男「わかりました! お願いします。えーっと、アドレスの出し方は…」

女「赤外線の方が早いと思いますよ?」

男「あ、これ買ってもらったところで使い方わかんなくて…」アセアセ

女「借りてもいいですか?」

男「お願いします」

女「はい! 店長も貸してください。これをこうして…よしできた! 私のにも送信しといてもいいですか?」

男「はい! お願いします」

女「よし完了! あ、ケータイ返しますね」

男「ありがとうございます」

店「ありがとう女ちゃん。じゃあ男君、日が決まったら連絡するね」

男「待ってます!」

男父「よかったな男。よし! お兄さんここで知り合ったのも何かの縁だし少し一緒に飲みましょう!」

店「いいですね! 付き合いますよ!」

男、女((まだ飲むのか))

……………………

後日

ユーガッタメール

本文

こんにちは
こないだお話しさせてもらった店員女です
店長が今週末とかどうだ?って聞いてるんですが男さんのご都合はどうでしょう?

男(あの時の! 本当に誘ってくれたんだ)

男(店員さん、連絡ありがとうございます。週末で問題ないって店長さんにもお伝えくださいっ…と。送信)

ユーガッタメール

男(返信はやっ! さすが女の子だな)

本文

了解です♪
さん付けとかしなくていいですよー
あと店長が今回はサビキって釣りに連れて行ってくれるって言ってましたよ!
楽しみですね!

男(サビキ…? ちょっと検索してみるか)

第5話 初めてのサビキ釣りと憧れの青物

今日はとりあえずここまで
読み返しとかできなかったので誤字脱字とかあったら適当に補完しといてください

サビキもか
けどまぁアジとかが回遊してくるなら太刀魚とかも入ってきてもおかしくないしそもそもの環境が関西と違うんでしょうね

男(待ち合わせ場所到着)

男(GパンにTシャツで来ちゃったけどよかったのかな?)

プップー

男 ビクッ

店「やぁ、男君こんにちは」

男「あ、どうも。今日は誘ってくれてありがとうございます」

店「いやいや、僕も釣り仲間が増えるのは嬉しいことだからね。とりあえず乗って」

男「はい、お邪魔します」

ガチャ バタン

女「男さんこんにちは!」

男「こんちには店員さん」

女「堅苦しいんで呼び捨てでいいですよ。私も言葉崩させてもらいますから。ね? 」フフ

男「んじゃ店員って呼ばせてもらいーっ…もらうね」

女「うん!」

店「二人とも挨拶は終わったかな? 早速出発するからシートベルト締めてくれよ」

男、女「「はーい」」

……………………

店「よし、到着だ。それじゃあ荷物を持って早速いこうか」

女「潮風が気持ちいー!」

男「あ、荷物もちますよ!」

店「助かるよ」

店「この辺でいいかな。とりあえず二人には今日、サビキ釣りってのをやってもらおうと思う。聞いたことあるかな?」

女「最近店によく小さなお子さん連れた人が買いに来るやつですよね?」

店「そう、それだね。サビキ釣りは子どもから大人まで楽しめる釣りだからこの時期は大人気なんだよ。男君は全くイメージ湧かないかな?」

男「えっと、連れて行ってもらえるって聞いたんで少しだけですけど調べました。針が沢山付いた糸の下にカゴをつけて魚を釣るんですよね?」

店「いい心掛けだね。そう、その釣りもサビキの一種だね」

女「お店にはタイサビキってのもありましたよね? タイとかも釣れるんですか?」

店「おー、よく見てるね! でも残念ながら今日の釣りでは難しいかな」

店「まずサビキ釣りっていうのは男君が言ったようにカゴをつけてそこに撒き餌をつめて海に落とすんだ。そして海中でカゴの中の餌を撒くために竿をしゃくるんだけどこの動作をサビくといってそこからサビキ釣りって呼ばれるようになったと言われてるんだ」

店「その釣りで使うこの針がいっぱい付いた仕掛けをサビキ針って言うんだけどめちゃくちゃ簡単に言えば船で沖に出てこれの大きいくて長い版の仕掛けを使って真鯛を狙うのがタイサビキだよ」

店「まぁまた別の釣りと思った方がいいかな。ここまでで何か質問はあるかい?」

女「タイじゃないなら何が釣れるんですか?」

店「そこも気になるとこだよね。とりあえず狙う魚は回遊魚と言われるイワシやアジとかの群れになってグルーっと海を周りながら生きてる魚なんだよ」

男「全部の回遊魚が群れを成してるんですか?」

店「全部ではないけど群れをなす種はおおいよ。だから群れが回ってくるタイミング釣り始めると大漁に釣れるから人気なんだ」

男「なるほど、なんのために回遊するんですか?」

店「索餌のためや越冬のためとか産卵のためとか魚種によって様々な理由で回遊してるみたいだよ。中には泳いでエラを動かさなきゃ呼吸できない種もいるからそれも理由の一つだね」

女「自然を生きるのにもいろいろ大変なことがあるんだね」

店「そうだね。まぁ難しい話は置いといて竿を出そうか。二人はこれを使って」

男「これ、同じ物に見えますが一つにはウキがついててもう一つには付いてませんよ?」

店「よく気づきました。一つはそのまま足元に落として近場に回ってきた魚を狙うんだ。ウキの付いてる方は少し遠くに投げて岸から離れた魚を狙う。ウキをつけるとウキの真下に仕掛けを足らせるからね」

女「どっちがよく釣れるんですか?」

店「魚がどこを回るかによるよ。だからもしウキがついてる方に魚が掛かったらもう一つもウキをつけて近くを探ればいいさ。群れになって餌を取るから一匹釣れると連発するしこちらが餌を撒けばその分その群れをその場に釘付けにできるしね」

女「なるほど、とりあえずやってみましょう!」

店「下についてるカゴにこのアミエビをつけて海に落としたら上下にしゃくる。ただそれだけだからね」

男「わかりましたよ。竿お借りします」

店「頑張っていっぱい釣れたら帰りに弟の店で食べよう!」

女「やったー! 頑張るぞ!」

男「よし、やってみよう」

店「もうすぐ日が昇るしここはその時間帯があついから今のうちからやってたら大漁だよ」ニコッ

……………………

女「見て見て男さん! 三匹も同時に釣れた!」

男「おお、すごい。 あ、俺の方も二匹付いてた!」

ワーワー キャーキャー

店「二人とも楽しんでるね」

女「すっごく楽しいです!」

男「もう30匹くらい釣りましたよ!」

店「いい感じだね。まだまだこれからだからもっともっと釣れると思うよ」

女「そういえばなんで釣れた魚を氷水の入ったクーラーボックスに入れるんですか?」

店「氷締めといってね。魚の鮮度を保つ方法の一種だよ。小魚は基本釣れたら氷水の入ったクーラーに入れてあげると持って帰る時に鮮度が保たれて美味しく食べれるんだ」

女「なるほど」

男「店長さんは釣らないんですか?」

店「僕もそろそろ始めるよ。二人とは少し違う釣りだけどね」

女「店長は何釣るんですか?」

店「僕はここからブリを狙うんだ」

男「ブリ! 陸から釣れるんですか?」

店「元々ブリやキハダとかの大型の回遊魚は船からのルアーフィッシングで人気があったんだけどね。多分男君がカツオ釣ってるの見たって番組も船からじゃなかったかな?」

男「そうです。よくわからないんですがジグ?って奴とか使ったりとか言ってました」

店「ジグってのはメタルジグって疑似餌の呼び方で船から底に落として巻き上げる時にアクションをつけて魚を誘うんだ。そういう方法でブリとかの回遊魚を狙う釣りをジギングって言うんだけどそこから派生した、陸(ショア)からジグやルアーをキャストして回遊魚を狙うショアジギングって釣りを今からやろうと思ってるんだ」

女「なにそれかっこいい!」

男「難しそう。大型回遊魚ってそんな簡単に釣れるんですか??」

店「回遊魚だからね。いないポイント狙っても釣れないのは当たり前だけど普通のジギングと違ってショアは狙える距離が限られてくるからなかなか難しいよ」

女「ええー! 絶対釣ってくださいよ! 見たい」

店「アハハハ! そんな簡単に釣れたらいいんだけどね。僕が釣れなかった時のために二人とも多めに釣っといてくれよ」

男(ショアジギングか…)

店「とりあえず一本は頑張りたいなっと」ヒュン シュルルルル

ブンカチャカチャブンカチャカチャ

女「それは何をしてるんですか?」

店「竿をしゃくったりリールの巻き方で海中のジグにアクションつけてるんだよ」

男「目立たせて食いつかせるんですか?」

店「いや、基本は回遊してるであろう場所に投げてるから発見されるようにするってよりも疑似餌と見抜かれないようにするんだ。男君もお皿に明らかなオモチャのハンバーグが乗って出てきても食べないだろ?」

男「なるほど。いかに小魚に見せれるかってことですね」

店「そうそう。これがまた結構疲れるんだよっと!」ヒュン シュルルルル

女「頑張って店長! でっかいの見たいです」

店「釣りたいのは山々なんだけどね。そう簡単にはなかなか…」ガツン‼︎ シャアアアアア‼︎

店「おおおっと」ビシッ

女「わわわわ!! 竿が!!」

男「糸がめっちゃ引っ張られてる!」

店「乗った! ここからが本番だよ!」ヌン

男「すごい横に走ってる」

店「こいつらは他の魚とはパワーが違うからね! そんなすぐ上がるもんじゃないし上げやすいようにあっちの浜に移動するから二人は続きしといて大丈夫だよ。上がったら声掛けるし」

女「はい! 店長絶対に逃さないでくださいね!」

男(店長さんすごい楽しそう。釣りっていいな!)

15分後

店「二人とも! こっちおいで!」

女「捕まえた!?」ダッ

男「みたい!」ダッ

バタバタバタバタ

女「おっきい!!!」

男「すげぇ…そんな細い竿でこんなのが釣れるんですか」

店「いやー、疲れたよ。これは見た目は細いけどこいつらみたいな魚や120gもあるジグを扱えるだけのパワーがある竿なんだ」

男「よし! 俺もいつか店長さんみたいな大きいの釣れるようがんばります」

女「私も! どっちがうまくなるか勝負だね男”くん”」ニコツ

男 ドキッ

男「負けないよ! 店員さ…店員!」ニカッ

女「じゃあ早速今から先に10匹釣る勝負ね!」

男「おう!」

店(連れてきて本当に良かった)ニヤッ

……………………

男「よーし! 8匹目だ」

女「こっちは2匹同時で9匹目だよ!」

男「くそっ!って言ってる間に追加一匹だ!」

女「あぁ! 付いてたのに取れた!」

男「早くこい!」

女「やった! 10匹目ゲットー! 私の勝ち!」

男「くそー! 次は負けない!」

店「決着ついたみたいだね。二人ともどうだった」

女「すっごく楽しかったです!」

男「俺も! すっかりはまっちゃいました」

店「喜んでもらえたみたいで良かった。あっ、男君、投げサビキ放置は色々ややこしくなるから先に上げようか」

男「へ? おわっ!」グングン

店「言ってたらきたね。面白い経験できるからそのままほっといて竿をしっかり握りしめてて」

男「え? まぁわかりまし…ってえええ」グググググ

男「なんかめっちゃ引っ張られてる!」アセアセ

女「なに? おっきい魚釣れるの?」キラキラ

店(そろそろかな)

男「うぐぐぐぐ…」パンッ

男「うわっ! 逃げられた」ガックシ

女「えー! 見たかったのに」

店「どうだい? すごい引きだったろ?」

男「はい。なんだったんだろ」

店「多分スズキとかその辺りのフィッシュイーターが男君の仕掛けに引っかかってたイワシやアジを狙って食いついたんだろね」

男「釣り上げたかった…」ガックシ

店「いや流石にサビキじゃ上げるのは無理だよ。でもいい経験になっただろう? 早く腕を磨いてリベンジマッチしなきゃなね」

男「今の魚はブリとかよりは難易度下がりますか?」

店「海のメジャーなターゲットの一匹で簡単ではないけどこれから始める人もいるよ。手軽にファイトを楽しめるから人気の釣りだね」

男「………店長さん! 後から店長さんの店でリベンジマッチ用の道具教えて貰っていいですか?」

店「もちろん!」

女「私も初めての給料で自分の道具買いたいんでアドバイスください!」

店「よし! コスパのいい最適な道具選んであげるよ。じゃあそろそろ帰ろっか」

男、女「「はい!」」

……………………

女「みたいな感じかなぁ」

男「懐かしいな。この帰りに店長さんところでライトショアジギングのタックル選んでもらってって感じで今に至る」

女「一緒に買ったね。最近いけてないし久々に今度行こうよ!」

友「さっきの話ではショアジギングだったよな? ライトショアジギングってのは別なのか?」

男「ざっくり説明すると扱うジグも軽めで狙う魚もブリじゃなくてハマチとかワンサイズ小さめのやつを狙うんだ」

女「小さめって言っても大型のやつに比べてってことだからね。めちゃくちゃ引くよ!」

紺「やってみたいな! 今度連れてってくださいね!」

女「もちろんだよ」

料「お待たせ! 並べていってもいいかい?」

男「お願いしますね」

紺「美味しそう!」キラキラ

友「まだ見ぬ魚の話は後にしてとりあえず今はこのうまそうな魚を頂こうぜ」

女「賛成!」

第5話 初めてのサビキ釣りと憧れの青物 終わり

回を重ねるごとに描写が雑になってきてて申し訳ない
とりあえず本日はここまで

関西だと基本どこでも時期が来ると回遊してきますね
カレイは飛距離でなくても割と近場で釣れるんでチャレンジしてみましょ!

50匹を超えると捌いてる途中で心が死んでくるのがサビキ

少しだけですが投下

作業場

友「最近よくきてるけど何してんの?」

男「メタルジグ作ってるだよ」

友「え? あれって自作できるもんなの?」

男「今更何言ってんだよ。こないだお前と紺ちゃんがライトショア始めるって言ってたから俺と女から何個かあげただろ? あれ全部俺らが自作したやつだから」

友「まじかよ! こりゃロストできねぇな」

男「あー、気にすんな。ルアー釣りにロストはつきものだからな。金もかかるし海にルアー残していくのも心苦しいからないに越したことはねーけども」

友「けどあれ既製品見たいな出来だったぞ。売れるんじゃないの?」

男「店長とかは常連に自分で作ってるやつ売ったりネットで売ったりしてるけどな。たまに俺も金欠の時は店長に買い取ってもらってまとめて売ってもらったりはする」

友「俺も作りたい! 教えてくれよ」

男「どうせ紺ちゃんにも自作の話ししたら作りたがるだろうし今度四人でやろうぜ」

友「お、いいなそれ。そう言えば男様、お話が…」

男「お前のそのパターン嫌なんだけど。次はなんだよ」ハァ

友「いや、お願いじゃなくて報告が。紺ちゃんと付き合うことになりました」

男「まじ?」

友「まじ」

男「釣り合わねぇ!!」

友「うるせーよ!」

男「まぁよかったじゃねーか。おめでとう」

友「おう! ありがとう」ニカッ

友「てかまじでありがとうな。男のおかげだよ」

男「おう、もっと言え」

友「男様には感謝してます。男様が女様に告白する際は強力しますんで!」

男「まて、なんであいつの名前が出てくるんだ」

友「いやだってお前好きなんだろ?女さんのこと」

男「あいつとはそんなんじゃねーよ。てかお前の祝いに俺がお前の食いたい魚を釣って料理してやるよ。なにがいい?」

友「うまいこと話をそらしましたねー」ニヤニヤ

男「全身に切り傷つけて沖に友を投げ込んだらサメでも釣れるかな?」ギロッ

友「冗談だって! えっと、食べたい魚なー」アセッ

男「カジキとか言ったらぶっ飛ばすぞ」

友「流石に俺でもそれは無理なのはわかる。じゃあヒラメとかは? 俺、ヒラメの作りを紅葉おろしとポン酢で食うの好きなんだよ」ジュルリ

男「ヒラメか。ルアーでも釣れるけどせっかくだから新しい釣りを教えてやるよ」

友「まじか! 楽しみにしとく」

第6話 ヒラメの呑ませ(泳がせ)釣り

釣具屋

携帯 一件の通知があります

女(誰だろ?)

個人トーク

紺 女さん、友君に聞きました。以前頂いた物、わざわざ自作してくれたんですよね? ありがとうございます!

女 そのことか! いえいえ、気に入ってもらえたなら良かった!

紺 これで大物釣り上げて見せますよ!

女 また一緒にいこうね! そう言えば私も聞いたよ。友君と付き合ったんだって? おめでとう!

紺 話早いなぁ(笑)ありがとうございます! 女さんは男さんとどうなんですか?

女 私達はそんなんじゃないからなぁ…

紺 とか言って(笑)告白はしないんですか?

女 だからそんなんじゃないってば! あ、休憩時間が終わるからまたね!

紺 あー! 逃げた!

女(紺ちゃんったら人のことからかって)プンスカ

女(男君に告白かぁ)

女(今の関係が壊れるようなことしたくないもん。ないない!)ブンブン

「………ゃん」

女(でもいつかは男君に彼女ができたりして今の関係も壊れちゃうのかな)ドンヨリ

「………んなちゃん」

女(あー、やだなぁ)ナミダメ

「女ちゃん!!」

女 ビクッ

店「どうしたんだい? ぼーっとしてたみたいだけど」

女「あ、すみません。ちょっと考え事しちゃってた」

店「顔色悪いけど大丈夫? 今日は人手も足りてない訳じゃないしあれだったら無理しなくても大丈夫だよ?」

女「心配かけちゃってごめん。けど大丈夫! 本当に少し考え事してただけだし」

店「そっか。じゃあ頭のモヤモヤ解消のために次の休みにでもルアー投げに行かないかな? 男君も誘って」

女(お、男君!?)カアァ

店「女ちゃん? 顔赤いけどやっぱり体調…」

女「大丈夫です!! お、お、男君はその日、友君と釣り行くって言ってたんで私達でいきましょ!! 私達で!!」アタフタ

店(ははーん。これは誰かに男君とのこと茶化されたな。全く、早くくっつけばいいのに)ニヤニヤ

また書き溜めてきます
おやすみ

休日

友「到着! 毎回思うけど朝の海って気持ちいいよな」

男「この日常と違う独特の雰囲気がいいんだろうな。とりあえず早速はじめるか。おら、これではよ釣れ」

友「これはサビキセットじゃん。こんなんでヒラメが釣れんのか? てか俺が釣るのかよ?」

男「いいからいいから。釣れたらクーラーじゃなくてこっちのバケツにいれてけよ。んで針を外すときは丁寧にな」

友「ほいほーい。んじゃとりあえずやりますか」

15分後

友「おーい男。アジとかイワシばっかでヒラメなんて釣れる気配ねーぞ」

男「どれどれ? おー、結構釣れてるな。こんだけいりゃ充分だ」

友「ん? ヒラメ釣りに来たんじゃねーのか?」

男「おう。だからこいつらを餌にヒラメ釣るんだよ」

友「こいつら捌いて切り身で釣るってことか?」

男「いや、生き餌にする。今回の仕掛けはこちら!」

友「ん? 針二本の下に重りがついてる…二匹魚つけて投げるのか?」

男「その二本を一匹にかけた投げるんだよ取り敢えず説明するわ」

友「なんかこの感じ久々だな」

男「だな。とりあえず今日やる釣りは呑ませ釣りまたは泳がせ釣りっていう釣りをやります」

友「はいせんせー。呼び方の違いはなんですかー」

男「地域で呼び名が違うだけだ。基本的に生きた魚を泳がせて釣るから泳がせ釣り。関西では生きた魚を丸呑みさせるから呑ませ釣りって呼ばれてる。これに限ったことじゃねーけど釣りの用語ほど適当なもんはねーよ。なんとなくわかりゃいい」

友「了解ですせんせー」

男「そのアホキャラやめろ。とりあえず呑ませ釣りってのは元々は釣り人の暇つぶしから始まったらしい。それが思ったより理に適ってて一つのジャンルとして確立されてきたわけだな」

友「まぁルアーで釣れるなら小魚ならもっと釣れるわな」

男「一概にそうとも言えないぜ。ルアーってのは何回も投げ直して広範囲を探れるだろ? けど生き餌は出したり投げたりするとすぐ弱っちまうから広いポイントを探ったりできねーんだよ」

友「そっか。ならなんでルアーじゃなくて小魚をつけて投げるんだ?」

男「まず一つは疑似餌よりもリアルな動きをするからルアーと同じポイントを狙った時、当然食いつきが違う」

友「まぁそれが一番の理由なのはわかる。他は?」

男「次はアクションをつけないでも勝手に動くから放置しながら他のこともできる。くそー今日釣れねーな。なんか適当にアジでもつけて投げてたらフィッシュイーターでも掛かってんじゃね? うお! まじできたみたいな感じかな」

友「なるほどな。そこから思ったより釣れたから一つの釣りとして確立されたって訳か」

男「まぁそういうこと。ほんとかどうかは知らないけどな。最後の理由は生き餌に針を刺すことによって刺された小魚が群れの仲間のために人間には聞き取れない警戒音を発して泳ぐらしい。その警戒音を聞きつけてターゲットが食いついてくるんだと」

友「急にちゃんとした理由になったな」

男「まぁこれは生物学者の見解ではこういうことらしい程度の認識だけどな」

友「まぁでもあり得そう」

男「話を戻してっと。とりあえず呑ませ釣りってのは生きた魚を泳がせてフィッシュイーターである魚を釣り上げる釣りだ。次に今回のターゲットのヒラメについて。おまえ、ヒラメとカレイの違いはわかるか?」

友「左ヒラメの右カレイってやつだろ!」フフン

男「目を上に向けた時に左に顔が来るのがヒラメ、右に顔が来るのがカレイってやつだな。だが残念ながらアメリカ西海岸とかで取れるカレイは50パーセントくらい左に向いてるらしい」

友「取れる場所で違うのか? ならどうやって見分けるんだ?」

男「まぁ基本的には目の向きで問題はない。あとは目の形かな。カレイが砂に潜るってのは前に話したと思うがヒラメは潜らない。そういう擬態の仕方の違いでカレイは砂から目を出す必要があるから出目になりヒラメはならない。カレイは出目、ヒラメの目はハート型とか言われてるな」

友「ヒラメは恋する乙女なのかな?」

男「どちらかと言えばヤンデレかな。そっと潜んで目をハートにさせながら小魚を待ち大きな口を広げて捕食するからな」

友「ドジッコカレイにヤンデレヒラメ。海の忍里の闇は深い」

男「確かに深いな。あとヒラメは養殖の放流も盛んなんだがこれにも簡単な見分け方がある」

友「見分けつくのかな。やっぱ天然物がうまいんだよな?」

男「正直な話、あんまり変わらん。養殖でもうまい。見分け方は腹を見ればわかるんだ」

友「腹なんてカレイと一緒で真っ白だろ?」

男「天然はな。養殖だと腹に黒い斑点が出るんだ。その斑点の模様からパンダヒラメとか呼ばれたりする」

友「白い腹に黒い斑点だからパンダか。わかりやすいな」

男「単に見分けが簡単ってだけで別に気にする必要はないさ。御託はここら辺にして早速やるか。まずイワシの鼻に針を通す」

友「この辺にぶっさせばいいのか?」

男「刺すンじゃなくて通すことを意識してみ。まぁ多少どこかしら貫通するとは思うができるだけ生き餌を弱らせないことが釣果に繋がるからな」

友「イワシが暴れて難しいなこれ」

男「掴んでる手で両目をふさいでやれば大人しくなる」

友「お、本当だ。よし! 通せたぞ」

男「次にもう一本の針、孫針って言うんだが今回は背掛けしとこうか。こういう風に通してみ」

友「今回はってことは違う付け方もあるのか」

男「まぁ呑ませ釣りってのは好みがでるからな。孫針は生き餌が弱りやすいしナチュラルな泳ぎをしないからつけないって人もいるし孫針をトリプルフックにしたりする人もいる」

友「トリプルフックってあのルアーに初めから付いてるみたいな針だよな?」

男「まさしくそれだな。孫針を生き餌に通さず垂らして使う人もいるしウキを使う人もいれば使わない人もいる。好きなやり方を見つけてやればいいさ」

友「まずはなにもわからないから男と同じようにやるさ。とりあえずできたけどこれキャストすればいいのか?」

男「そうそう。そのままキャストして放置。んで鈴でもつけとけ」

友「了解。このままあたりが来るまで待つだけか」

男「せやな。釣れなかった時用のおかずにサビキで小魚でも釣っとくか」

友「いやここはゆっくりボーイズトークでもしようぜ」

男「やだよなんだその気持ち悪いトーク」

友「お題はズバリ! なぜ男は女さんを好きなのに好きじゃないと言い張るのか」

男「いい加減しつこいぞその話」ハァ

友「細身でスラッとした長身、ハッキリした顔立ち、更にそれにぴったり似合うストレートのショートヘア。あそこまでTシャツとデニムが似合う美人さんみたことねーよ?」

男「はいはい。わかったから違う話しようぜ」

友「逃げんなよ。そんな美人さんが共通の趣味持ってるんだぜ? 逆に何が物足りねーの?」

男「………」ハァ

男「物足りないわけじゃない」

友「やっと話す気になったか。おじさんが聞いてやろう」ニヤニヤ

男「茶化すならやめる」プイッ

友「や、冗談だって!」アタフタ

男「俺は中学の時、おまえみたいになりたいって憧れてたんだよ」

友「へ? 俺? てかなんでいきなり俺の話なんだよ」

男「特に趣味もなく熱くなれるものもなくて毎日時間を浪費して生きてた俺には小さなことでもムキになって熱中できるおまえの生き方にすごく憧れてた」

友「なんか面と向かってそんなこと言われたら照れるな…」ポリポリ

男「やめろよ。なんか変な空気になるじゃねーか。まぁそんな俺が熱中できるものを手に入れてこれだけは負けたくないって気持ちも持てたのは店長さんと女のおかげなんだよ」

友「前に居酒屋で聞かせてくれた話だな。正直、高校入学前後の時期の男が、女さんと勝負してたってすげぇ違和感だったんだよな」

男「だろ? 気がつけば熱くなってたんだよあの時は。嬉しかったんだよなぁ。初めて熱中できるものや競える相手ができたことがさ」

友「すげぇいい話だけどその相手が俺じゃないってのが親友としては少し寂しいな」シュン

男「なにしょげてんだ。おまえがいたからそういう生き方をしたいって思えたんだよ。親友って呼べるのはおまえだけだ…っていちいちこんなこと言わせんなよ馬鹿野郎」テレ

友「お、おう」テレ

男「と言うわけでな、俺にはおまえとの関係も店長さんとの関係も女との関係も大切なんだよ。だから欲張らなければ変わらずこのままでいれるならこのままでいいんだよ」

友「ってことはやっぱり男は女さんのこと…」

鈴 チリン‼︎チリン‼︎

男「きたか! 話はまた後でだ」

友「おう! アワセたらいいのか?」

男「いや、今はまだ生き餌がフィッシュイーターが近づいて来てる気配を感じて暴れてるだけだ。竿を持って待機」

友「了解! お、なんかズッシリした感覚がきたぞ」

男「まだだ、その後ググッと引く感覚が来るまで我慢だ。引く感覚がきたらワンテンポズラしてからアワセ入れてみろ」

友「来た…今だ!」ビシッ

男「どうだ? 乗ったか?」

友「乗った乗った。なかなか重たいなこいつ」

男「形的に引きずられる時に水の抵抗受けやすいからな。あとヒラメは成長が早くて大きかったらメートルを超える奴もでてくるからな」

友「もうそれエイと変わんないじゃん…っと話してたら見えてきたな」

男「タモ入れは任せろ」

男「よーしキャッチ。推定45cmくらいか。いい型だな」

友「こいつは食いごたえありそうだ!」

男「あと2枚位確保しとこうぜ。料理人さんにもお裾分けしたいしな」

友「あ、その前に男」

男「どうした?」

友「さっきの話だけどさ、変わらないものなんてそんなにないと思うんだ。今後、女さんとの関係がいい方向に変わろうが悪い方向に変わろうが後悔しないようにしとけな」

男「………ああ、わかった」

友「よし! じゃあ続きするか」

男「おう!」

……………………

友「なんとか三枚キャッチできたな」

男「思ったよりあたりが渋かったから孫針外したら今度は乗らないし苦戦したな」

友「まぁ結果オーライヒラメイッパーイ!」

男「それもそうだな。さて帰るか…って気付かなかったけど着信きてるな。店長さんか」

友「夜釣りのお誘いだったりしてな」

男「いや、今日は女と釣り行ってるって言ってたから料理人さんとこへのお誘いかもな。掛け直してみるからちと待っててくれ」

友「おっけ」

男「こんにちは。電話くれてたのにすみません。いえ、今は友と釣り来てて帰るとこで…え? どういうことですか!?」

友「おい、どうしたんだよ? 急に大きい声だして」

男「はい…はい…わかりました。すぐ向かいます。はい…では後で」ピッ

友「男、なんかあったのか?」

男「女が…」

友「女さんが?」ゴクリ

男「濡れたテトラに足を取られて病院に運ばれた…」

第6話 ヒラメの泳がせ釣り 終わり

今日はここまで
gwに釣りに行く人もいると思いますが事故や怪我には気をつけて釣りを楽しんできてください

去年のgw過ぎた辺りに淡路島いったけど翼港ってとこで夏のブリ上がってたなぁ
俺は今年は高知の室戸岬へ遠征予定
お互い怪我のない釣りを

gwはゴールデンウイークってことですね

早打ちの男って壁愛好家の方かな?
確かに普通に波止とかでやるより危険ですし足滑らせて頭打ったりとかしたら命に関わることもあるんでみなさん気をつけてくださいね
さてそろそろ仕事戻ります
gwはできるだけ投下しようと思いますがもしかしたら数日開くこともあると思います

ジグは投げてるだけでストレス発散になりますよね
まぁ帰りに寄り道した淡路島で着底して1しゃくり目で根掛かりしてロッドへし折りかけたんすけどね

病院

男「ここに運ばれた店員女の病室教えてください!」ハァハァ

ナース「店員女さんですね。少し待ってください…ここから右手にあるエレベーターに乗って3階の301号室ですね」

男 ダッ

友「おい、男待てよ! すみません。ありがとうございます」ペコリ

ナース「いえいえ。お友達に院内では走らないようにお伝えくださいね」

友「すみません。では」

病院 3F

バン‼︎

男「女っ!」ハァハァ

女「男君!?」

店「早かったね男君」

男「え? あれ? え?」ハァハァ

女「きてくれたんだありがとうね」

男「なんで? いやよかった…けどなんで意識が?」

女「ん? どういうこと?」クビカシゲ

男「いや、店長から電話もらって…女が頭を強く打って血まみれで救急車で運ばれて危ない状況って」

女「もう、店長ったら大袈裟なんだから。ぼーっとしてテトラで足取られて額を切ったのと左手骨折しちゃってさ」

店「いや、僕も焦っちゃってさ。けど大怪我なことには違いないしね」

コンコン

女「ナースさんかな。どうぞー」

友「こんにちは。女さんその包帯…大丈夫?」

女「友君も来てくれたんだ。わざわざありがとうね」

友「それは全然問題ないんだけど…って男?」

男 ポロポロ

女「男君!?」アタフタ

男「よかった…本当によかった…」ポロポロ

店「僕たちは外に出とこうか」ヒソヒソ

友「ですね」ヒソヒソ

……………………

女「落ち着いた?」ニッコリ

男「あぁ…」グズッ

女「心配掛けてごめんね。そこにティッシュあるよ」

男「ありがとう。怪我は大丈夫か?」

女「腕の方は綺麗に折れたみたいでなんの問題もないって」

男「額の傷は?」

女「これはちょっと深く切っちゃったみたいで跡残るかもって…ただでさえガサツなのに顔に傷なんて本当にお嫁にいけないや」アハハ…

男「………ってやる」

女「え? なんて?」

男「俺が貰ってやるって」マッカッカ

女「それって」マッカッカ

男「すーっ、はぁーーー」

男「女、少し話を聞いてくれるか?」

女「うん」

急な呼び出しきたから続きは後から落とします
申し訳ない

男「俺はおまえとの関係に居心地の良さを感じててずっと変わらずこのままいたいって思ってたんだ。欲張ってこの関係を壊したくないってずっと思ってた」

女「………」

男「今日、店長からの電話でおまえがいなくなってしまうって思った時凄く怖かったんだ」

女「心配かけちゃったねほんと」

男「いや、それはもういいんだけどな。それでわかったんだ。もしかしたら明日、俺が事故にあうかもしれない。絶対保証される明日なんてないんだって。もしかしたらこの後の言葉でおまえとの関係が崩れてなくなってしまうかもしれない。けど最後にあの時にああしとけばなんていう後悔だけはしたくないから聞いてほしい」

女「大丈夫だよ。新しい形になることはあっても壊れてなくなる事なんてないよ。だから聞かせて」ニッコリ

男「俺は女のことが好きです。俺と付き合ってくれませんか?」

女「私も男君が好きです! お願いします」ナミダメ

男「ありがとう女…」ガシッ

女「男君…」ヒトミトジー

男、女「…………」

バンッ‼︎‼︎

友「よく言った男!!!!」
店「やっと言ったか男君!!!!」

男、女「「ギャーーー!!!」」

ナース「静かに!!」

……………………

女「二人のせいで怒られたじゃない」プンスカ

友「いやーあの男が告白なんてするからつい興奮しちゃって」

店「本当に。僕達まわりの人間が君たち二人にどれだけ焦れてたか」

男「しらねーよ!」プンスカ

店「まぁ男君も来てくれたし僕は一旦帰ろうかな。友君も送って行ってあげるよ。女ちゃん、お大事にね」

友「ありがとうございます。ではお邪魔虫は退散しましょうか。女さん、お大事に」

男「え、おいちょっとまて」

女「え、二人ともちょっと」

パタン

男、女「「……………………」」

男、女((気まずいっ…!!))

友サイド

店「友君の家は男君の家の近くかな?」

友「はい! 近くまで来たら道言いますね。送ってくれてありがとうございます」

店「いやいや、気にしないでよ。ところで友君、夜ってなにか用事はあるかい?」

友「特には。どうしました?」

店「今日は災難な日だったけどとてもめでたい日になった。今から少し寝てから夜釣りで真鯛なんてどうだろう?」

友「行きたいっす! てか本当に店長さんも釣りが好きなんですね」

店「好きじゃなきゃ釣具屋なんてできないからね。じゃあ夕方くらいに迎えに行くから数時間だけだけどぐっすり寝るんだよ」

友「了解です!」

第7話 真鯛の夜釣り

とりあえずここまで
メインの釣りパート書き溜めときます

アー‼︎な展開はさすがにきついwww

残り落としますね

ガチャ バン

友「こんばんは。わざわざ迎えに来てくれてありがとうございます」

店「いえいえ、誘ったのは僕だしね。早速いこうか」

友「はい! てか夜釣りって初めてなんでドキドキします」

店「夜釣りは独特の雰囲気があっていいよ。視界が悪いから足元とか毒魚とかは注意しなきゃならないけどね」

友「あー確かに。夜の海なんて落ちたら助からなさそう」

店「気付いてくれる人が圧倒的に少ないからね。だからもし今後、夜釣りにいくとしても一人では絶対にいっちゃだめだよ」

友「もちろん。まだ毒魚とかもわかりませんしね。そういえば釣りを始めるときに男から真鯛は釣るのが難しいって聞いたんですが俺でもやれますかね?」

店「そうだね。基本的に船釣りのターゲットとして人気が高い魚種だから初心者の友君に狙いやすい魚を勧めるためにそういう言い方をしたんじゃないかな?」

友「なるほど。じゃあ今から船釣りをするんですか?」

店「今日は投げ釣りだよ」

友「投げ釣りってあのカレイみたいな感じのやつですか?」

店「真鯛はもっと沖の方に遠投しなきゃならないけどね。とりあえず遠投竿を4本用意してきたから2本ずつ使おう」

友「わざわざありがとうございます。複数竿を出すってことは置き竿するんですか?」

店「よくわかったね。その通りだよ」

友「でも大丈夫なんですか? 前のカレイの時に偶然チヌが掛かって竿を持っていかれかけましたけど真鯛ならもっと引くんじゃないんですか?」

店「そうならないためにリールのドラグを緩めとくんだ。魚が引いたら糸が出る音でわかるし竿を持っていかれることもないしね」

友「リールにもいろいろな使い方があるんですね。店長さんに今の話聞くまで思いつきもしませんでしたよ」

店「ドラグの調整とかでバラしの確率がグッと下がったりすることもあるし暇な時にでも釣り雑誌なりで勉強してみてもいいと思うよ。おしゃべりしてたらもう見えてきたね」

友「男の部屋に転がってる雑誌でも借りて勉強します。よーし、釣るぞ!」

……………………

店「じゃあ早速はじめようか。天秤にこの仕掛けを引っ掛けて餌をつけたらすぐはじめれるよ」

友「ちなみに今日使う餌ってなんですか?」

店「ユムシって言うんだけどこいつだよ」

友「うおっ! フルフルベビィ!?」

店「フルフルベビィがなにかわかんないけど気持ち悪いだろ。けどこいつがなかなかの大物キラーなんだ」

友「こいつどうやって針刺すんすか?」

店「まずはそっと優しくつまんでみて」

友「そーっとっすね」オソルオソル

友「うおっ! 水吐いてる!!」

店「その水を吐いてるところに針を刺して体の真ん中あたりから針を出して完了だよ」

友「よし………できた! こんな感じですか?」

店「それで大丈夫なんだけど針より下のところがパンパンに膨らんでるのがわかるかい?」

友「瓢箪みたいな形になってますもんね」

店「そのまま投げちゃうと頭上で破裂したりしちゃうから指でつまんだりして水を出しちゃおう」

友「こいつが破裂して降ってくるのは勘弁…」

店「できたみたいだね。じゃあ早速投げてアタリをまとう」

友「わかりました!」

……………………

店「友君、ラーメンでも食べるかい?」

友「おー! さすが店長さん! 用意がいい」

店「夜釣りはなんだかんだ体が冷えるからね。風邪ひかないようにしないと。はい。3分待つんだよ」

友「ありがとうございます。釣りって魚が掛かってる時は当然だけどこの待ってる時間もなぜか楽しいですよね」

店「僕達は特に毎日を自然が少ない場所で暮らしてるからってのもあるんだろうけどね」

友「あー、それはありそうですね。夜の海の雰囲気ってなんかソワソワする」

店「なんなら怪談話でも始めるかい?」ニヤ

友「や、やめましょう!」ガクブル

シャア-----------

友 ビクッ

店「友君の手前の竿だね! まず竿を持ってドラグを締めてアワせて!」

友「え、あ、はい! まずはドラグをっと………ビビらせやがって!!」ビシッ

店「乗ったみたいだね!」

友「はい! 待ってろ真鯛! ビビらされた怨み晴らしてやる」フン

店(ラインの出方からして真鯛ではないね。これは友君はまた驚かされそうだな)ニヤ

友「よし! やっと見えてきた。えっと…タモはっと…」

店「タモ入れは僕がやるから任せて」

友「ありがとうございます。よし入った」

店「上げるよ! はい」

友「うわぁっ! ちょっ、これ! サメっ!!」

店「ハハハハハ! 友君、すごい顔してるよ」ハハハ

友「店長さん! こいつ本物のサメですか?」

店「こいつはホシザメの小さいやつだね。でかくなると1.5mくらいになるよ。まぁそのサイズだとアタッた時には仕掛けごと持ってかれるだろうけどね」

友「とりあえず早く逃がしましょう怖いし」

店「いや、〆るよ」

友「え? 食うんすかこいつ」

店「サメはリリースする人も多いけどなかなか美味しいからもし今後も釣れたら持って帰った方がいいよ」

友「いや、これを捌ける気がしないんすけど」

店「そういう時こそ我が弟を使うんだよ」ニヤ

友「帰るころにはさすがに寝てるんじゃ…」

店「叩き起こすから大丈夫だよ。まぁやろうと思えば僕も捌けるしね」

シャーッ‼︎

店「次は僕の方に来たね」

友「すぐ音が止まっちゃったけど逃げたんですかね」

店「いや大丈夫なはずだよ。とりあえずドラグを締めてっと…」

竿 グググググ

店「少し我慢して…よし!今だ!」ビシッ

友「おお! ついに真鯛を拝めるか」

店「真鯛だといいんだけどね! よし。見えてきたね。友君、タモ入れお願い」

友「シルエットがタイっぽい! よっと! おっけーす」

店「ありがとう。あー、こいつか」

友「黒い真鯛…真鯛亜種?」

店「どうみてもチヌだね。まぁ文句無しの歳なしサイズだし嬉しい外道だ」

友「なかなか釣れませんね真鯛」

店「そんなにパンパン釣れるわけじゃないからね。まぁまだまだ時間はあるし頑張ろう」

友「はい!」

…………………

友「そろそろ日が昇りそうですね」

店「一晩通してチヌ二枚とホシザメか。悪くはないんだけどね。明け方にヒットが連発することもあるしあと30分ほど粘って納竿しよっか」

友「わかりました。たのむぞユムシ君!」

竿 シャーッ‼︎シャ---

店「とか言ってたら早速糸が出てるね。どれどれ…」ビシッ

友「どうですか?」

店「こればっかりは上げてみなきゃわからないからね」

友「お!赤い!」

店「きたね! よかった」

友「入れますね。よーしおっけーです!」

店「ありがとう友君。釣れてよかった」

友「念願の真鯛も見れたしそろそろ帰りますか。次は俺も釣りたいな」

竿 ジジジジ

友「ん? 引かれてる」ビシッ

店「どうだい?」

友「根がかりかという思うくらい重たいっすね。なんとか巻けるから海藻でも引っ掛けたかな。けどなんか引いてる気がする」

店(まさかなぁ)

友「重たいなぁ。てか魚ついてる! しかもでかい」

店「やるなぁ! さすが友君だね! そこまで大きくないしそのまま引き抜いてごらん」ハハハ

友「よいしょっと! ってうわぁ! サメ!!」

店「ハハハハハ! さすがのサメハンターだね」

友「そんなの名乗ったことないっすよ! こいつも持って帰りますか?」

店「まだ小さいし今日はそれなりの釣果が出たからリリースしてあげよう」

友「了解です。おまえもう釣られんなよ!」ポイ

店「なかなか楽しめたし帰ろっか」

友「ですね。片付けましょう」

店「帰りに弟のとこにクーラー預けて夜の予約でもとって帰ろう」

友「この時間に本当に起こすんすね」

店「あいつ、この時間帯はまだ起きてるはずだから大丈夫だよ」

友「なら良かったです。男にも夜に料理人さんのところに集合って連絡いれときますね」

店「ありがとう。よし、帰ろうか」

…………………

海鮮居酒屋

友「では、男と女さんのこれからにカンパーイ!」

店「カンパーイ!」

男「かんぱーい…」

友「なんだよ男! 元気ないな」

男「昨日、寝れなかったんだよ…」

店「いつもは図太い男君が寝れなくなるとはね」ニヤ

友「男は女さんのことになるとヘタレだからなー」ゲラゲラ

店「確かに」ゲラゲラ

男「うるせーよ」ハァ

店「しかし、ここで初めて会った時はまだ子どもだったのに一緒にお酒を飲めるようになるとはね」

男「ですね。あれからお世話になりっぱなしで本当にありがとうございます。今日もわざわざタイ釣ってくれたらしいし」

友「俺も釣ったぞ! サメだけどな」

男「ありがとな。このサメのフライもほんとうまい」

店「世話なんてしてないよ。僕は子どもがいないからね。男君や女ちゃんの成長見てるのが楽しくってやってるだけだよ」ニコニコ

男「ありがとうございます。そういえばあの話、受けようと思ってるんですがまだ大丈夫ですかね?」

店「おお! 本当かい? 早速連絡しとくよ」

男「お願いします。俺の方からも次の休みくらいに顔出して挨拶しに行ってきます」

友「ん? なんかあったのか?」

店「僕や男君が昔からよく利用させてもらう釣り船の船頭さんが後継いなくて少し前から男君のことを口説いてたんだよ」

友「釣り船の船頭!? 男にピッタリな仕事だなそりゃ。けど生活とかやっていけんのか?」

男「はじめは弟子入りって形でほとんど給料もなしで仕事覚えてだから貯金を崩しつつとかになりそうだけどなんとかなるだろ。独り立ちすりゃ店長さんが客紹介してくれたりイベントで使ってくれるし魚釣れば料理人さんが買い取ってくれるっていうしさ」

店「船頭さんは趣味であの仕事をやってたようなものだから弟子入りは仕事を教える口実で本当は男君に今あるものを譲るつもりみたいだけどね」

男「船頭さんにもお世話になりぱなしで頭あがりませんよ」

店「船頭さんは男君のことを孫みたいにかわいがってるからね。せっかくだし次の休みはみんなで船頭さんに船を出してもらおうか」

友「おお! はじめての船釣りだ。紺ちゃんも呼んでいいっすか?」

店「もちろんだよ。怪我で来れない女ちゃんには悪いけどみんなで楽しもうか」

男「女は俺が独り立ちすればいつでも乗せてやれますしね」

友「ちょっと聞きました奥さん」ニヤニヤ

店「早速惚気てますわよ」ニヤニヤ

男「あー! うるせぇ!」

友「照れてる照れてる」ニヤニヤ

店「若いっていいねぇ」ニヤニヤ

男「わかったから! とりあえず飲むぞ付き合え!」

友、店「「カンパーイ!」」

第7話 真鯛の夜釣り 終わり

投下完了
たまーに釣れるドチザメやホシザメは普通に美味しいからリリースしてた人は一回食べてみてくださいな

釣れたらその場でさばいて内臓出して持って帰らなきゃキッチンがやばい匂いになるから気をつけて

友のモデルになってる友人は釣り場で知らないおじさんがキャッチしたらなぜか一緒にツーショットの写真を撮るくらいのコミュ力がありますwww

少しだけ投下

病院

男「よっ」

女「毎日来てくれてありがとうね」

男「暇だからな。てかはいこれ。店長さんと友が俺と女の祝いにって釣ってくれたタイを料理人さんが捌いてくれた時のやつ」

女「これは…タイのタイか。初めて見たよ。私からもお礼の連絡しとかなきゃね」

男「わざわざ記念にってきれいに取ってくれたみたいだ。金運のお守りって言われてるし財布にでも入れとけよ」

女「うん! そうする。なんか小さい魚みたいで可愛いねこれ」

男「魚から魚の形した骨が取れるってのがすごいよな。偶然そういう風に見えるだけだろうけど」

女「タイ以外にはないのかなこういう骨って」

男「他の魚でも取れるぞ。特にメバルのタイのタイは一番魚っぽい形してるんだよなぁ」

女「他の魚から取れるのにタイのタイっていうの? なんかおかしいね」ウフフ

男「アジとかからも取れるからな。アジのタイとか言い出したらわけがわからなくなっるから魚に見える骨をタイのタイって呼ぶんじゃないかな?」

女「へぇー。アジとかからも取れるんだ。本当に魚に詳しいよね男君。将来そういう仕事に就けばいいのに」

男「あー、そのことなんだけどさ。船頭さんの話を受けようと思ってる。次の休みに挨拶にも行ってくるよ」

女「受けることにしたんだ? 私も詳しくは条件知らないけどやっていけそうなの?」

男「まぁその辺は大丈夫なはず。自分でもある程度の計算してるけど贅沢はできないけどなんとかやっていけそうだ」

女「そっか。ならあとは頑張るだけだね! 私も久々に船頭さんに会いたかったなぁ」

男「怪我が治ったら一緒にいけばいいさ」

女「うん! そうだね! 挨拶だけしに行くの? それともついでに乗せてもらうの?」

男「店長さんと行く予定だったんだけど友とか紺ちゃんも付いてくるっていうから船出してもらって少し釣りして帰る予定だな」

女「楽しそうでいいなぁ。退院したら絶対連れて行ってね!」

男「わかってる。約束だ」

女「うん! 今回はなにを狙うの?」

男「悩んでるんだよな。仕立で出してもらうから初心者でも他の客に気を使わなくて済むだろうけど船の上ってだけで作業もし辛いだろうからオフショアで青物でも狙おうかなって」

女「まぁ初めての二人連れて乗合は気を使うしね。写メ楽しみにしてるから頑張ってきてよ!」

男「あぁ、任せろ。女も早く怪我治して一緒にいこうな」

女「うん!」

第8話 青物のオフショアジギング

少しだけで申し訳ない
これから更新頻度落ちるかも
仕事の合間見て書き溜めときます

面白く読んでもらってよかったです
少しだけ投下

船宿

男「こんにちはー」

船「おー、ようきたな男ちゃん。店長から連絡もろたけどやってくれるんやて?」

男「うん。でも船頭さんは俺で本当にいいの?」

船「どうせ趣味でやってたからもんやからな。一番楽しみながらやってくれる男ちゃんにやってもらいたいんや」

男「ありがとう船頭さん。初めは色々迷惑かけたりすると思うけど全力で仕事覚えるよ」

船「男ちゃんなら大丈夫や! まぁ仕事の話はまた改めてにして早速船出したるわ。店長と男ちゃんの友達はどこや?」

男「俺が船頭さんとこに挨拶しに行くついでに受付しとくって言ったら先に船の方に荷物運んでくれるって言ってたからあっちにいるはず」

船「ほないこか」

……………………

店「こんにちは船頭さん。今日もよろしくお願いします」

船「任せんしゃい。この二人が男ちゃんの友達かいな?」

友「友って言います! よろしくお願いします!」

紺「紺です。まだ釣り初心者なんで色々教えてください!」

船「若くて元気でいいのぅ。今日は貸切や。そんな緊張せんと楽しんだらええよ」

友、紺「「はい!」」

船「じゃあそろそろ出そか」

店「お願いします」

男「忘れ物すんなよ?」

友「もちろん!」

船「ほないこか」

…………………

舟「よーしついた。とりあえずこの辺でいこか。五時の方向から反応きてるわ」

店「じゃあ早速はじめようか」

友「よっしゃ! はりきっていくぞっと」

紺「はりきりすぎて落ちちゃだめだよ」クスッ

男「友、ちょっとこっちきてみ」

友「ん? どうした?」

男「あそこにナブラ出てるの見えるか?」

友「ナブラって確か小魚が逃げてさざ波立ててる場所だよな? んー、よくわからん」

男「この偏光グラスつけてみてみろ。みやすいから」

友「お、ありがと…おー、見える見える」

男「その上を鳥山ができてるだろ?」

友「鳥山…? 鳥はいっぱい飛んでるな」

男「フィッシュイーターが小魚を追う→小魚が水面に逃げてナブラができる→小魚を狙って鳥が群れる。激アツコンボ発生してるからあの辺にトップウォーターのプラグなげてみ」

友「なるほど! 鳥なんか気にしてなかったぞ」

男「あいつらもポイント見つける材料になるからな。せっかく紺ちゃんときてるんだ。いいとこ見せとけよ」

友「おう! ありがとうな。てか男は狙わねーのか?」

男「あとから竿だすけどまずは船頭さんにいろいろ裏側の流れとか説明してもらってくる」

友「了解。なら俺はとりあえず釣ってくるわ」

男「がんばれよ」

友「おう!」

…………………

日が空いた上に量少なくてごめんよ

もうすぐ抱えてる仕事が落ち着くはずなんでとりあえず早く落ち着けて投下していきます

優しい言葉ありがとうございます

少し投下します

友(男のアドバイスを活かしてっと)

友(あの辺だな。いけ!)

友(おー、いいところに着水した)

店「おー、友君いいところ狙うね」

友「男がアドバイスくれたんすよ。ってかきた!」ビシッ

友「くそ! 乗らないか」

店「じゃあ僕からも一つアドバイスしとこうかな」

友「是非お願いします!」

店「まずトップウォータープラグでの釣りで魚が食いついた時に合わせるのは早過ぎるから完全にルアーが水面から見えなくなってから合わせてみてごらん」

友「魚がルアーをちゃんと咥えてからってことですね?」

店「そうだね。あとミスバイトの後もルアーアクションが変わらないよう意識してみよう。友君のルアーを追いかけてる魚が一匹だけとは限らないしミスバイトしたあともチェイスしてくるから見切られないように意識してごらん」

友「そっか。魚達からすれば餌は取り合うもので違う魚が逃したってことは他の魚からしたらチャンスですもんね。逃したやつからしても一発躱されただけで自分より遅い獲物諦める理由にはならないし」

店「そういうこと。こういう小さい意識だけでもミスバイトが減って釣果が変わってくるもんだからね」

友「店長さん、ありがとうございます。次こそは…」

キャー‼︎‼︎トモクン‼︎‼︎ナンカヒイテル‼︎‼︎‼︎

友「紺ちゃん? すぐいく!」

紺「はやくはやく!」

店「紺ちゃんはほんと釣りの神様に好かれてるんだね」ニッコリ

紺「友君! どうすればいいこれ? どうすればいい?」アタフタ

友「とりあえず落ち着こう。腕伸ばされないように気をつけて巻いていこ」

店「慌てなくても大丈夫だよ。少し重いだろうけど引き方的に青物じゃなさそうだし急にガツンと走ったりはしないからさ」

紺「りょうかいぃぃー重いぃぃ」ウウウ

友「頑張って紺ちゃん!」

店「見えてきたね。取り込みの時に船の下に潜り込まれないように気をつけてね」

紺「これこのまま引き抜けばいいの?」

友「あ、タモ入れるから待って!」

紺「ありがとう! やった! はいった!」

店「真鯛だね。推定40くらいかな」

紺「すごい嬉しい! 写真とろっと」

友「ジグでも釣れるんすねこいつ」

店「メインで狙うならテンヤや鯛ラバで狙ったほうが釣りやすいけどね」

男「なんか上がったみたいだな」ヒョコ

紺「見てください! 真鯛です!」

男「おー、いいの釣れたね。紺ちゃんの好きな色は?」

紺「色ですか? んー、ピンクかなぁ」

男「おっけー。じゃあピンクのつけて生簀に入れとくね」

友「それは結束バンドか?」

男「そうそう。色付きのこれを尾のとこにつけてほりこんどけば最後に誰が釣ったのかわかるだろ?」

友「なるほどな。俺のは黄色にしてくれ!」

男「釣ってから言えよ」

店「ハハハ! 間違いないね! 友君、僕たちも負けてられないから頑張ろう」

友「はい!」

……………

店「男君。タモ入れお願いしてもいいかな」

男「おっけーです! 調子いいっすね」

店「船頭さんが連れてってくれるポイントはほんといいポイントが多いからね」

船「せやろ! けど男ちゃんのお友達は相性悪いみたいやな」

友「みんな結構釣れてんのになんで俺だけダメなんだろ」

紺「まだ始めてそんな経ってないんだから気軽にやろうよ! これからだって!」

友「うん。ありがとう紺ちゃん」

男「友、なに投げてんの?」

友「さっき惜しかったからずっと同じの投げてるけどさっぱりこないんだ。変えたほうがいいかな?」

男「あー、ずっとトップウォーター狙ってたのか。せっかく深さあるとこにいるんだから底から上まで探ってみ。こないだ渡したやつで青いジグあったろ? あれ投げてみろよ」

友「了解! どんなアクションさせたらいいかな?」

男「キャストしたら底取るまで落としてゆっくりめに巻きながらしゃくってみ」

友「ジグってなんか早く巻くイメージあったんだけど違うんだな」

男「使う物によるとしか言えないな」

友「とりあえずやってみる。これ底についたかどうかとかわかるもんなの?」

男「結構はっきりとして手に感覚伝わるから大丈夫だ」

友「着水してからすぐ底につくものだと思ったけどそうでもないんだな」

男「今、おまえが投げたやつはそんなに重たくないし落ちる時にアクションが発生するように抵抗受ける形になってるからな」

友「ストンって落ちるわけじゃないのか」

男「イメージで言えばヒラヒラと落ちる。窓から平らな紙を落としたら左右に滑るように落ちたりするだろ? そんな感じだ。あくまでイメージだし物によって変わるけどな」

友「なるほどなぁ。おっ! なんか竿が軽くなった」

男「ジグが底とったんだろな。底からアクションつけて巻いてみ」

友「了解!」

男「あとキャストして底取るまでフォールしてる間も食ってくるから油断すんなよ。とりあえず俺も向こうで釣ってくるわ」

友「おう! 色々ありがとう」

男「まぁがんばれ」

友(ゆっくり目に巻きながらアクションかけてっと…結構大変だなこれ)

竿 ガン

友(きたか? けど引く感覚もないし岩場にでも当たったのかな? ミスバイトの可能性考えてアクションに変化が出ないように意識っと…)

竿 ガン‼︎ ググッ

友「これはきただろ!」ビシッ

店「おっ! 乗ったみたいだね」

友「はい! 結構引くけど店長さんが釣ってた時みたいな引きはないっすね。小さいやつかなぁ」

店「青物以外にも色々な魚がいるからね。こればっかりは上がるまでのお楽しみさ」

友「重いからヒラメみたいな薄っぺらいやつかなぁって思ったら結構泳ぐしなんだろ」

店「そろそろ上がってくるかな? タモ入れはやるよ」

友「見えてきましたね。お願いします」

店「オーライオーライ。よいしょっと」

バシャン‼︎ビチビチ

友「こいつはあれっすよね」

店「あれだね」

紺「友君釣れたんだ! やったね! これはフグだよね?」

友「だねぇ。やっと釣れたと思ったのになぁ」

店「なんでがっかりしてるんだい? 良い型のトラフグじゃないか」

友「フグって持って帰るんですか?」

店「こういう時の為に我が弟がいるんじゃないか。このサイズのトラフグは大当たりだよ」

友「やった! 船頭さん! 黄色のバンドつけてください!」

船「おーおーこりゃええもん上げたな」

友「めっちゃ嬉しいっす!」

船「運が回って来とるなら次は本命にぶちかましたれ!」

友「はい!」

今日はここまで!

ほんと日が空いて申し訳ない
投下します

初心者外道ハンター友の活躍をお楽しみください

友(今の所青物を釣り上げてないのは俺だけか)

友(そろそろ俺も釣りたいな…ん…? あれは…)

友(水面はあんまり見えないけど鳥が群れて数匹は海にダイブしてる。 狙ってみるか)

友「おらっ!」

男「おー、いいとこに目をつけたな」

友「今日教えてもらったばっかりだからな。って言うてたらきた!」

ビシッ

友「ってなんだこれ! うわ!」

男「あー、まて巻くな」

友「なにこれ! なんで空に向かって引っ張られてんの?」

男「たまーにいるんだよな。ルアーで鳥釣るやつ。よかったよかった。外れたみたいだぞ」

友「あ、え? あーほんとだ。もう巻いていい?」

男「せやな。とりあえず投げ直してみ」

友「了解。毎回外道はよく釣れるけど鳥まで釣ってしまうとは…自分で自分の釣りの才能が怖いぜ」

男「馬鹿言ってんなよ。今回は勝手に外れたけどこれ寄せて外さなきゃならないくらいきっちり乗ってたら結構悲惨だからな。何回か見たけど血も結構でたりしてるし」

友「想像して鳥肌立ったわ…鳥だけに」

男「………」

友「………」

友「なんかごめん」

男「おう。とりあえずまた同じポイントにこれつけて投げてみ」

友「ジグ? トップウォーターがいいんじゃないのか?」

男「何事もケースバイケースだ。さっきのお前のキャストでナブラが沈んだっぽいからさ」

友「了解! おらっ!」

男「着水したら底を取らず早めに巻いてみ」

友「底取らなくていいのか?」

男「お前が魚ならジグ単体のアクションと小魚の群れどっち狙う?」

友「腹が減ってたら取れる可能性が高そうな群れかな?」

男「だよな。これは持論になるんだけど俺はこういう時はアクションじゃなくていかにうまく小魚の群れに混ぜれるかを意識する。ナブラが出てて散ったとしても底よりトップ近くの方が確率高いだろうしゆっくりしてたらどっかいっちまうしな」

友「そうか。単にこのケースはこう! って覚えるんじゃなくて魚の動きをイメージして行動しなきゃな」

男「イメージはどんな釣りでも大切だぞ。どういう風にターゲットが動くかとかイメージするとしないじゃ釣果もけっこ…」

友「きたぁ!」ビシッ

男「おー! ナイス」

友「なんだこれ! 今までの釣りで味わったことねーくらいの引きだ」

男「青物はその引きが楽しいんだよ。腕伸ばされんなよ。あと急に走るからラインたるまされたりするの気をつけろ」

友「青物ってめちゃくちゃ走り回るんだな」

男「だいたい30kmくらいは出せるパワーがあるからな。カジキなんて100km出るらしいぞ」

友「泳いでるところにカジキ突っ込んできたら刺さるじゃん」

男「常にそんなに出してるわけじゃないだろうけどな。ちなみにトビウオは40~50kmらしい」

友「トビウオのアーチとか一歩間違えたら鈍器より狂気」

男「お前意外に余裕あるな」

友「喋りながらも必死だよ!」

男「まぁもうすぐだろ。下に潜り込まれねーように気をつけろな」

友「きたきた!」

男「いれてやるよ…ほら。ナイスファイト」

友「おっしゃ!! めっちゃでかいじゃんこいつ」

男「おー、こりゃメジロクラスだな。そりゃそのタックルだとしんどいわ」

友「メジロ? ハマチじゃないのか?」

男「出世魚だからサイズにより呼び名が変わる。関西だとモジャコ→ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリがメジャーな呼び方かな。関東だと養殖物をハマチって言うらしい」

友「こいつはブリの次にオオタロウになったりはしねーのか?」

男「オオタロウ君のことはもう忘れなさい」

友「悲しい。てか男! バンドつけて! てかその前に写真撮ってくれ!」

男「やってやるからとりあえず落ち着けよ」

船「おー、こりゃいい型やな。どうや? こいつとのファイトは楽しかったやろ」

友「はい! 釣り上げた時の達成感が凄くて今になって少し手が震えます」

船「はっはっはー! そりゃいいこっちゃ。その感覚は中毒性あるけどな」

友「確かに。こりゃハマりますね」

紺「釣れたんだね友君。おめでと」

友「ありがとう紺ちゃん! ってかなんか元気ないね? お気に入りのルアーでもロストしちゃった?」

紺「あ、えっとちょっと酔っちゃって」

男「船酔いか。はじめの方は大丈夫だったから酔いやすいんじゃなくて慣れない環境で疲れちゃったんだな」

友「紺ちゃん大丈夫? どっか横なれる場所はっと…」キョロキョロ

男「てか全員釣れたし今日は納竿しようか」

船「それがええんちゃうか? お嬢ちゃん、あとちょっと我慢したってな」

紺「いや大丈夫ですよ! せっかくみんな楽しんでるのに。休憩したらマシになります!」

男「今日は元々、船頭さんへの話ついでに船出してもらったみたいなもんだから気にしないで」

紺「でも…」

男「あんま楽しみ過ぎても来てない女に悪いしな。本番は次回ってことで」

友「紺ちゃん、今日はみんなの優しさに甘えとこ」

紺「うん。ありがとうございます」ペコリ

男「気にしないで。とりあえず店長に伝えてくる」

友「とりあえず膝貸すからあそこで横になりな」

紺「本当ありがとう。甘えるね」

…………………

船「今日の竿頭は店長やの」

店「男君はあんまり竿出してなかったし友君と紺ちゃんは初心者ですからね」

船「まぁ確かにな。男ちゃん、今日は仕事の説明がメインになっちゃったから次は遊びにきーな」

男「ありがとう。近いうちに女も連れてくるよ」

船「女ちゃんにもよろしゅう言うといてくれな。兄ちゃんもお嬢ちゃんもわしが現役の間に気軽にいつでも遊びにおいでな」

友「はい! 絶対またきます!」

紺「私も! 今日は迷惑かけてすみませんでした」

船「迷惑なんかかかっとらんよ。そんな気を遣わんでええがな」

紺「ありがとうございます」

店「じゃあそろそろいこっか」

男「ですね。船頭さん、また連絡するよ」

船「おう! 気を付けて帰るんやで」

友、紺「「ありがとうございました」」ペコリ

船「またな!」

…………………

車内

友「がぁ…がぁ…」

紺「すやすや」

店「いきなり爆睡だね」

男「慣れてないから疲れたんでしょうね。店長さんも疲れてるのに運転任せちゃってすみません」

店「問題ないよ。気にしないで。それよりいつから働くんだい?」

男「とりあえずしばらくは週に何日か手伝いとして入らせてもらいます。詳しくはまた後日ゆっくりと話するって形で終わりました」

店「なるほど。また詳しく決まったら教えてね」

男「もちろんです。てか店長さん、少し寄り道して帰りません?」

店「ん? 大丈夫だけどどうしたんだい?」

男「この先左に折れて少し進むといいポイントあるんすよ」ニヤ

店「ハハハハハ! やっぱり物足りなかったんだね」

男「二人が起きるまで付き合ってくださいよ」

店「もちろん。じゃあどっちが先にあげるかで勝負しようか」

男「負けたほうが料理人さんのところの支払いってことで」ニヤ

店「奥さんからもらったリールにケチつけたくないなら絶対負けないよ!」ニヤ

友、紺((二人の会話で起きたけど寝たふりしとこっと))

第8話 青物のオフショアジギング おわり

今日の分終わり!
次も少し時間空いちゃうと思いますが潮が悪い日に糸垂らしてる気分でお待ちを

そうですね
メジロ=ワラサの関西名です

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom