錬金術師「経営難に立ち向かう事になった」銃士「その4!」(126)

■前回のあらすじ!

バターピーナツ器が爆発した。

ワイドレンジピーナツ器が誕生した。

クーと出会った。



錬金術師「経営難に立ち向かう事になった」
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錬金術師「経営難に立ち向かう事になった」女店員「その2!」
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錬金術師「経営難に立ち向かう事になった」新人鉱夫「その3!」
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錬金術師「経営難に立ち向かう事になった」銃士「その4!」(1)
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スレ立て乙

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 5月15日 錬金術師のお店 】


ボー…

錬金術師「…」

錬金術師「…」

錬金術師「…」


錬金術師「…ふわぁ」

ヒョイッ…パクッ

錬金術師「んむ……」ポリポリ

錬金術師「静かな店で、静かに過ごす午後。」

錬金術師「バターピーナツが、俺の小腹を満たす。」

錬金術師「ん~…いい時間が流れるねぇ……」ノビノビ

 
女店員「こ、こらぁ!てんちょ~っ!!」バッ!

錬金術師「おう!?」ビクッ!

女店員「さっきから、倉庫の掃除手伝ってって言ってるでしょ!どれ片づけていいか分からないんだってば!」

錬金術師「あ~…。へいへい……」


女店員「それと、もう少しで採掘が終わって新人鉱夫も戻ってくるし。」

女店員「そしたら店番任せて、午後からは営業だからね~?」


錬金術師「分かってますよ……」フワァ

女店員「……あれから、錬金術もする機会が少ないのに…体力がないように動くのはどうしてかなぁ?」ジロッ

錬金術師「気が抜けた上に、普段の契約の仕事すらだるくなってきた」テヘッ

女店員「…」プルプル

錬金術師「……じ、冗談だぞ!?」ハッ!

 
女店員「……まぁ、怒らないよ」ハァ

錬金術師「お…?」

女店員「やってくれることはやってるし、なんか店長はそうしてるほうが安心出来る気がするし……」

錬金術師「……じゃあ、寝よーっと♪」

女店員「ちょっと」

…グイッ!

錬金術師「お゛ぇ゛っ!」

錬金術師「じ、冗談だっでぇ゛……!」ギリギリ…


女店員「本当に~…?」


錬金術師「ま゛、ま゛じだっで……!じま゛っでる゛……!」

 
女店員「あ、ごめん……」パッ

錬金術師「急に離し…!のあああぁぁああっ!!」ズルッ!

コケッ…!!シャアンッ!!

女店員「あ……」

錬金術師「い、いてて……!」

女店員「ご、ごめん…!大丈夫…?」

錬金術師「この野郎…!お前もこけろっ!」バッ!

女店員「えっ…」

グイッ…!!

女店員「きゃあっ!」

…ドシャアッ…

女店員「い、いったぁい……!」

女店員「……って」ハッ

 
…ダキッ

錬金術師「はっはっは!」

女店員(て、店長に抱き寄ってる……)ドキ…

錬金術師「……ん、静かになってどこかぶつけたか?すまん、大丈夫か……?」

女店員「…だ、大丈夫だよ。そ、それより何するの、子どもじゃないんだから……」

錬金術師「はっはっは、俺はいつまでたっても大きい子供なのだ」

女店員「なのだ、じゃないからっ!」

錬金術師「はっはっは」


女店員「…もうっ。笑ってるのもいいんだけどさ……」

女店員「これからまた、中央商人さんとアクセ屋さんの契約以外の仕事も考えないといけないんだからね…」


錬金術師「わかってるっての。のんびり考えようぜ」

…ポンッ

 
女店員「!」

女店員「…っ」ドクン…
 
女店員「……そ、そのために!今日の営業も頑張るんだからね!」


錬金術師「あぁ、ちゃんと行くってば……」

錬金術師「…」

錬金術師「…」

錬金術師「……あっ。」

錬金術師「ん~…………。」

錬金術師あのさ、女店員……」


女店員「うん?」

 
錬金術師「…やっぱり、今日は新人鉱夫が来たらサボるわ」

女店員「」

錬金術師「なっ、今日だけ"営業"って言っといてさ…内緒でサボろうぜ」ハハハ

女店員「だめでしょ!」

錬金術師「お前も一緒にな」

女店員「え?」


錬金術師「……約束。俺と一緒に買い物するっつーか、そういうのあっただろ。」

錬金術師「色々あって全然出来てなかったし、今日は店長命令だ。」

錬金術師「サボりっつったほうが、何かと面白みも増さないか?なんて」ククク…


女店員「あ…っ!買い物の……」

女店員「で、でも……」

 
…ガチャッ!

新人鉱夫「ふぅ、ただいまです!」


錬金術師「おっ、お帰りん」

女店員「あ、おかえりなさい…」


新人鉱夫「…」

新人鉱夫「……ゆ、床で抱き合ってるのはどうしてでしょうか」


女店員「あっ!」

錬金術師「俺が引っ張ったんだよ」

新人鉱夫「!?」

女店員「ちょっと、その言い方誤解されるからっ!!」

 
錬金術師「…まぁいいじゃねえか!」

錬金術師「それよか、新人鉱夫…俺と女店員はちょっと営業行くから、店番よろしく頼んでいいか?」


新人鉱夫「あ、はい…。それはもちろんですけど……」


錬金術師「おっけい!」

錬金術師「そんじゃ行くぞ、女店員!」スクッ

ダッ、タタタタッ…ガチャッ……!

女店員「あっ!ち、ちょっと待ってよ…っ!」ダッ!

タッタッタッタッ……

………
……

 
新人鉱夫「…」

新人鉱夫「……邪魔しちゃったんでしょうか」ドキドキ…

新人鉱夫「で、でもそれはそれで銃士さんにも問題が起きそうな……」

ブツブツ……
  
新人鉱夫「……い、いえ!」ブンブン

新人鉱夫「店長さんのことですし、ああいう行動するということは…銃士さんに既に……」

新人鉱夫「そ、それとも、女店員さんのあとに……」

新人鉱夫「…」モンモン…

新人鉱夫「……」モンモンモン……

新人鉱夫「……へ、変なことは考えないようにしましょう」カァァ……


……………
……

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 お店の外 林道 】

ザッザッザッ……


女店員「…も、もう!そんないきなり!」

錬金術師「思い立ったが吉日だろ!」

女店員「で、でも!ちょっと…!」

錬金術師「あれ、嫌だった?」

女店員「そうじゃなくて!服装とか、全然…ムードも…その……」モジモジ

錬金術師「あ~……」

女店員「…だ、だけど!一緒に買い物とか、一緒に歩けるのは嬉しいから!」

錬金術師「お、マジで?」

 
女店員「うんうん!」

女店員「…」

女店員(……って、何言ってるんだろ私ってば)カァ


錬金術師「お前が嬉しいなら、俺も嬉しいわ」ハッハッハ

女店員「てんちょ……」

錬金術師「ははは…!」

女店員「…っ」


…サァァッ!ヒュウゥゥゥッ!!


錬金術師「うおっ、さむっ!」

女店員「凄い風っ…!」

 
錬金術師「…」

錬金術師「……ちょっと勢い過ぎたか。寒いだろ」モゾッ

スッ…パサッ

女店員「あ…」

錬金術師「俺の錬金衣の上着なら少しはあったけーだろ。」

女店員「…!」

錬金術師「一回、お前のアパートで着替えてから行くか。5月なのにまだ少し寒いしな」

女店員「…」

錬金術師「…ほら、行こうぜ」グイッ!

女店員「あっ、ちょっ…!」フラッ…

コケッ…バフッ!

 
錬金術師「お…」

女店員「…!」

錬金術師「す、すまん。引っ張り過ぎた、またやっちまったな。大丈夫か……」

女店員(ま、また店長の…胸に……)ドキッ…


錬金術師「せ、セクハラとかじゃなくてたまたまだぞ!殴るなよ!!」

錬金術師「今、すぐに……」バッ…


女店員「…」

女店員「…っ」

女店員「ま、待って……!」

…ギュッ

錬金術師「!」

女店員「少しだけ…。待って……」

 
錬金術師「ん……」

女店員「…」

ドクッ…ドクッ……


錬金術師「…女店員?」

女店員「…店長」ドクッドクッ…

錬金術師「なんだ…?」

女店員「…あったかい、から」

錬金術師「そりゃ、上着を貸したから…」

女店員「ううん。店長が…あったかい…から……」

錬金術師「…」

 
女店員「……今まで、色々とゴメンなさい」ギュッ…

錬金術師「…どうして謝る?」

女店員「私は自分が自分で嫌になるほどがさつで、すぐに手が出るし、人の気持ちも考えられなくて……」

錬金術師「…」

女店員「すぐに泣いて、すぐに自己嫌悪して、すぐにまた泣いて……」

錬金術師「…」

女店員「その度にいつも店長に迷惑かけて、いつも助けて貰ってた」

錬金術師「…」

女店員「……全部が終わったら、全部を謝ろうって思ってたの」

錬金術師「謝ることなんかねぇよ」

女店員「…」

錬金術師「俺だって助けてもらったこともある。一緒だ。謝る必要なんかねぇさ」

 
女店員「…店長ってば、やっぱり優しくなった」

錬金術師「おい、最初は優しくなかったと言いたいのか」

女店員「へへ…、ごめんなさい♪」

錬金術師「お前は…」フッ…


女店員「…」ドクン…

女店員「…」ドクンドクン……

女店員「…」ドクンドクンドクン……


錬金術師「…」


女店員「…それで、ね。店長」


錬金術師「…なんだ」

 
女店員「こうして終わったら、謝る他に…もう1つ言いたかったことがあるんだ」

錬金術師「…」

女店員「…聞いてくれる?」

錬金術師「…なんだ。」

女店員「…」

錬金術師「…」


女店員「あのね…。もしかしたら、きっと、知ってるかもしれないけど……」

女店員「……伝えたいの」


錬金術師「…」

 
女店員「わ、私…。私……ね……?」

ドクッ…ドクッ……ドクッ…………!!


錬金術師「…」


女店員「て、店長…の……こと…………が…………」

ドクッドクッドクッドクッドクッドクッ!!


錬金術師「…」


女店員「店長の、こと……がー…………っ」

ドクドクドクドクドクドクッ!

 
ヒュッ…ヒュオオオォォッ…………!!
 
……

………

………………
……


 
女店員「好き…です………。」


………

…………


……

ヒュゥゥウッ…………

 
錬金術師「……っ」


女店員「人としてじゃなく、一人の女として。」

女店員「私は、店長のことが……男性として、好き……ですっ……。」


錬金術師「…」


女店員「……っ!!」

女店員(い、言っちゃった……。)

女店員(勢いで、つい、勢いで………!!)


錬金術師「…」


女店員(だ、だけど……っ!)

 
錬金術師「……女店員、そ」

女店員「…待って!」スッ

錬金術師「ん…」


女店員「…怖い」


錬金術師「…」

女店員「言っておいて…だけど……。答えをきくのが…怖い……」ブルッ…

錬金術師「…」

女店員「……店長」

錬金術師「…」

女店員「…っ」

 
錬金術師「……違うんだ。」

女店員「え…?」

錬金術師「お前がその気持ちなら、俺は俺の想いを返さないといけないんだ」

女店員「そ、それって…?」


錬金術師「……まさか、このタイミングで話すとは思わなかった。」

錬金術師「俺にも、お前と同じ…覚悟がいるんだ……」ブルッ


女店員(え…?)

女店員(店長が、震えてる……?)


錬金術師「……聞いてくれるか」


女店員「う…うん……」

 
錬金術師「……俺は、お前に二度と癒えない傷をつけている。」

錬金術師「お前が分からないだけで、俺だけが知っていて、それを…隠していた」


女店員「……私に傷を…?」


錬金術師「…っ」

錬金術師「…」ゴクッ

錬金術師「あ、あの…な……」


……………
………
……

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 数分後 】


錬金術師「…」


女店員「私の…家族……を……。」

女店員「店長……が……?」


錬金術師「…お前の父親が勤めていたの会社を潰し、露頭に迷わせたのは俺だったんだ…。」

錬金術師「それからの苦労の話も知っている。」

錬金術師「お前の父親と母親が、過労で倒れたことも……。」

錬金術師「そして、お前が俺の店へ受け入れたこと…。誘ったこと……」

錬金術師「……そういうことだったんだよ」


女店員「…」

 
錬金術師「…ずっと話そうかと迷ってた。」

錬金術師「前の馬鹿な俺なら、きっと笑って話をしていたかもしれない。」

錬金術師「だけど、周りの気持ちも少しずつ分かるようになって、お前に話すのが怖くなっていった。」

錬金術師「……馬鹿だよな。」

錬金術師「こんな俺を好きになれるわけがないんだ。」

錬金術師「……お前がこうして話をしたら、俺も話すつもりでいた。」

錬金術師「あ、謝っても謝りきれない…!」

錬金術師「俺は…。俺…は……」


女店員「…」


錬金術師「…お前が望むなら、俺はお前の前から消えてもいい。」

錬金術師「中央へ行きたいなら、罪滅ぼしに手助けはしたい。」

錬金術師「ど、どういえばいいか…分からない……が……っ」ブルッ…

 
女店員「…」

女店員「……っ」

…ソッ

錬金術師「っ!」

錬金術師(殴られる……か……)


ギュッ…!


錬金術師「…」

錬金術師「……へ?」


ギュウッ……!


女店員「…っ」グスッ


錬金術師「お、女店員…?なんで抱きしめ……」

 
女店員「て、店長……。」

女店員「ごめんなさい…。私のために、そんなに…悩んでたなんて……っ」

ギュウッ…

錬金術師「は…」

女店員「ひぐっ…。ずっと一緒にいたのに、そんな悩みに気付けなかった私もバカだよ……」

錬金術師「お、お前…!俺は、お前の家族を崩壊に…」

女店員「…あのお父さんの下だった時だもん。どうもこうも…ないよ……」

錬金術師「そ、そういう問題じゃ!」


女店員「それから、私を助けてくれようと受け入れてくれて……」

女店員「……店長は私たちを助けようとしてくれた。それだけで充分…だよ……」グスッ…

 
錬金術師「…許してくれる…のか」

女店員「…っ」

ギュッ……

錬金術師「い、いいのか。こんな…俺を許して……」

女店員「…私って、変な人だよね」

錬金術師「…」

女店員「きっと、なんで怒らないんだってみんなに言われちゃいそうで…」

錬金術師「…っ」


女店員「だけど、今まで店長とずっと一緒にいて、優しさを見てきて……」

女店員「その謝った言葉が本心で、きっと誰よりも…いつも悩んでいたんだろうなって分かるから…。」

女店員「どんな私にも、いつも変わらないで接してくれて……。」

女店員「私は今、そんな毎日が積み重なって、それ以上に…店長のことを…好きだから……っ」

 
錬金術師「…ッ!」

錬金術師「………っ!!」


女店員「…店長、答えを聞かせてほしい。」

女店員「昔の話を抜きにして、今の店長の気持ちを…聞かせてほしい……。」


錬金術師「…っ」


女店員「店長……」


錬金術師「…」


女店員「…」


錬金術師「…」


女店員「…」

 
錬金術師「…」

錬金術師「…」

錬金術師「…………いいんだな。俺の答えを」


女店員「…」コクン


錬金術師「…」

錬金術師「俺は…。」

錬金術師「俺の……気持ちは………っ」

 
ヒュッ……ヒュオオオオッ…………!!!


錬金術師「…で、」


ビュウウウゥッ……!!


錬金術師「……だから」


ウゥゥッ…………


錬金術師「……ていてくれ。」


ヒュオォッ……

 
女店員「…!」


錬金術師「…」


女店員「店長…」


錬金術師「…」


女店員「うんっ…」


錬金術師「…」


女店員「…」



…………
……

 
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 6時間後 錬金術師のお店 】


ガチャッ…!


錬金術師「ただいまー」

女店員「た、ただいま~…」コソッ


新人鉱夫「あ、おかえりなさい!」

銃士「おかえりなさい、二人とも。夕方まで帰ってこないし、びっくりしたよ…?」ジトッ


女店員「うっ…」

 
錬金術師「ちょっと俺は、疲れちまったわ……」フワァ

錬金術師「新人鉱夫、少し早いが晩飯と布団敷くの手伝ってくれ……」クルッ

トコトコトコ……

新人鉱夫「あ、はいっ!」

トコトコトコッ……

………



銃士「…」

銃士「……ふふ。営業にこじつけて、二人で買い物でもいってたのか?」ニコー


女店員「ば、バレてた……」

 
銃士「バレバレだよ。ま、約束だったし仕方ないよね」フフ


女店員「あ、あはは……」

女店員「…」

女店員「……そ、それでね銃士」


銃士「うん?」


女店員「じ、実は…それだけじゃないんだ……」


銃士「ん、なに?」
 
 
女店員「私ね、店長に…好きって言ったの」

 
銃士「えっ!?」

女店員「…」

銃士「そ、それで…。どうなったの……?」

女店員「耳、貸して」

銃士「う、うん…」


女店員「…っ」

ボソ…ボソボソッ……


銃士「うん」

銃士「…うん。」

銃士「…」

銃士「……!」

 
女店員「……だって。」

銃士「そ、それって…。そっか……」

女店員「…」コクン

銃士「そういう…答えだったんだ……。」

女店員「うん…」


銃士「…」

銃士「……そっか。でもね、私は私で気持ちは伝えるから」グッ


女店員「うんっ…」

銃士「…」

 
女店員「…」


………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

サァァァッ……


錬金術師「…俺の気持ちは、まだ分からない。」

錬金術師「だけど、今の瞬間、お前の優しさに感じた想いは、好きってことなのかもしれない…。」

錬金術師「本心が分からない以上、本当の答えは言えないが、もし時が来たら…俺から話をしたい。」

錬金術師「今の答えは……そうしておいてくれ」


女店員「うんっ…」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
………
… 


女店員(…)

女店員(……待ってるから)

 
…ドタドタッ!

錬金術師「……忘れてた!」

錬金術師「休む前に、三人に話をしようと思ってたんだよ!」


銃士「ん…」

女店員「な、なにっ?」ドキッ

 
錬金術師「新人鉱夫もちょっと来てくれ!」


トテテテ…

新人鉱夫「は、はーい!どうしましたか!」


錬金術師「…三人に、仕事のことで改めて話があるんだ。」


女店員「し、仕事のお話か…。どうしたの?」

銃士「ふむ…?」

新人鉱夫「どうしたんですか?」

 
錬金術師「その…。今度、お店を2階建てにして、もう少し広くしようと思ってるんだ。」

錬金術師「建築屋にお願いして、店のスペースも広げて…もっと広くしようと思う」


女店員「えっ!」

銃士「ほう…」

新人鉱夫「お店が成長するってことですか?」


錬金術師「実は、今度から中央商社に魔石を卸す仕事が難しくないペースで固定契約してくれるらしく、」

錬金術師「それに合わせてもっと機関のような錬金スペースやら色々必要になってきそうなんだ」


女店員「へぇ~、そういうこと♪」

銃士「仕事も増えるし、いいじゃないか♪」

新人鉱夫「嬉しい話ですね♪」

 
錬金術師「ま、そういうこと。決まり次第、すぐに建築屋にお願いすっけど、」

錬金術師「一応、頭に入れといてーってことさ」


女店員「うん!」

銃士「りょーかい!」

新人鉱夫「分かりました♪」


錬金術師「んじゃ、俺は倉庫側で少し休みを……」


…コンコン!


錬金術師「…ん」

 
女店員「…お客さん?」

銃士「じゃないかな?」

新人鉱夫「とりあえず……」

錬金術師「どうぞ、開いてますよー!」


ガチャッ……


???「…」コソッ


錬金術師(知らない顔…。ってことは客だな……)

錬金術師「いらっしゃいませー」


???「…お久しぶりです」ペコッ


錬金術師「…へ?」

 
女店員(むっ、またキレイな女の人……)

銃士(随分と可愛らしい女性だな……)

新人鉱夫(わわっ、なんでしょうかこの人……)ドキンッ


???「…店長様」


錬金術師「ど、どなたですか?」


秘書「…中央商社、セントラルカンパニーの秘書です」ペコッ


錬金術師「え…」


全員「えぇぇぇっ!?」

 
秘書「今日は中央商社の人間ではなく、ただの女性として……」ペコッ

秘書「お久しぶりです、店長様」ニコッ


錬金術師「お、おいおい…マジっすか。気づかなかったぞ……」


秘書「へ、変でしょうか?」


錬金術師「いやいや、キレイだし可愛いぜ?」


秘書「…っ」カァ


女店員「む…」

銃士「む…」

新人鉱夫「」

 
錬金術師「それで、急に訪ねてきてどうしたんだ?」

秘書「…あ、はい!実は、私をここで雇って頂けないかなと……」モジモジ

錬金術師「ん?いいよ」

秘書「…本当ですか!?」バッ!


錬金術師「うむ。」

錬金術師「……うん?」

錬金術師「…………うんっ!?」


秘書「あ、有難うございます!!」

秘書「店長様のために、精一杯尽くさせて頂きますっ!!」


錬金術師「ち、ちょちょちょっ!ちょいっ!?」

錬金術師「今なんて、なんで、なんだって!?」

 
秘書「今度、魔石をこちらから中央商社へ卸すことを聞き、事業拡大に私のような手足が必要かなと思いまして…」

錬金術師「い、いやいや!うちより中央商社のほうが待遇もいいだろ!」

秘書「店長様のお傍で、店長様に従いたいという想いもあります…っ」

錬金術師「え、あ…。あ~…………」

秘書「…お願いしますっ!」

錬金術師「……でもさ、給与安いよ、うち」

秘書「関係ありません!」


錬金術師「う、うーむ……」ポリポリ…

錬金術師(気持ちも無碍にしたくないんだよなぁ……)


女店員「…」ゴゴゴ

銃士「…」ゴゴゴ

新人鉱夫「…」シクシク

 
錬金術師「でもまぁ…うちも広くなるし。そこまで熱意があるなら…いいのかなぁ……」ポリポリ

秘書「あ、有難うございますっ!!」

錬金術師「そ、そんじゃ契約書をちょっと取りに……」クルッ

ツルッ……

錬金術師「…あ、あら?」フラッ

フラフラ…

錬金術師「あらららっ!?」ヨロッ…

秘書「え……」

…ドシャアッ!!

モクモク……


錬金術師「っつつ……!」

錬金術師「す、すまん秘書さん!大丈夫……」

 
サワッ、フニュンッ…

秘書「やっ…!」

錬金術師「お、おふっ……」

秘書「そ、そういうことも望まれるのですか……?」カァ…

錬金術師「ちょ、それはちが……」

ゴッ……!

錬金術師「…ひっ!?なんか、後ろから寒気が……」ゾクッ!

錬金術師「……」チラッ


女店員「…」ゴゴゴ


錬金術師「はっ…!ちょっ、女店員…!待っ……」


女店員「この…!天誅~~~っ!!!」


錬金術師「…ぬ、ぬあああああっ!!!久々~~っ!!」

 
新人鉱夫「あ、あはは……」

銃士「これからどうなることやら……」

新人鉱夫「…でも、きっと楽しい気がします」

銃士「あぁ、店長がいればどこでも楽しいに決まってるさ」

新人鉱夫「はいっ♪」


…ドタドタ!!

錬金術師「す、すまんから!もう失敗とかしないから、許してぇぇぇ!!」ギュウウッ!

女店員「ちょっ、そんな強く抱き着い……!」カァァ

秘書「なるほど…。店長様はこういったスキンシップを望まれるのですね…」ドキドキ

女店員「ちが…っ!もうっ、どうしていっつもこうなの~~!!」


錬金術師「う、うおぉぉぉ~~っ……!!」


……………
………

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・

 
――――面倒くさがりの店長が経営する、とある町の錬金術のお店。

店長は今日も、お店でのんびりピーナツを食べながら、店員たちと笑い合う。

新たなお店を構え、新たな店員を迎え、これから経営劇はどうなっていくのか。


でも、これからもきっと楽しくやっていくことだろう。

だって、そこには店長がいるんだから……。

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドタドタ…!!

錬金術師「あぁぁああああぁっ!!」

女店員「てんちゅ~~!!」

秘書「て、店長様っ~!?」

銃士「やれやれ……」ハハハ…

新人鉱夫「て、店長さ~~ん!?」


錬金術師「あぁぁああ、もう!!何もかも面倒くっせぇ~~!!」

こら店長、またそんなことを!だめでしょ~!

だって面倒くっせぇもんは仕方ねーだろ!

はは、やっぱり店長はこうだね…

あはは、そうですね…

………

 
………
……

…………
……

……
………

…………

……
……







……
………



……

 
………
……

…………
……

……


……

……
……

………


……


……



……


 
……パサッ……

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【 6月1日 お店の経営収支 】

■収入
・2月以前、販売および臨時講師の700万ゴールド
・超回復瓶の総合販売で500万ゴールド
・中央商人との納品契約(週1回で30万ゴールド)
→18回目で540万ゴールド
・アクセ職人との納品契約(月1回で40万ゴールド)
→5回目で200万ゴールド

・中央商社との魔石納品契約(月1回500万ゴールド) NEW!
→2回目で1000万ゴールド

<合計+3460万ゴールド>

■支出
・2月以前の支出合計460万
・2月以降の4人の給料240万
・3月以降の錬金術機関の契約給料合計30万(約)
・お店増築1000万
・各アイテムの素材費用900万

<合計-2530万>

■収支合計
・プラス930万ゴールド

 
【 お店の経営情報 】

■お店
・やや広めの2階建て NEW!
・非常に広い地下倉庫 NEW!

■店員関連
・店長補佐2名 NEW!
・ハンター1名
・鉱石採掘師(鉱員)1名
・錬金師(契約社員)4名

■店頭の販売物
・自動採掘道具(20万ゴールド)
・鉱石類(鉄鋼1000、銀5万、エレクトラム20万ゴールド)
・ライフマナ回復ポーション(5000ゴールド)
・バターピーナツ(サービス)
・装備類の修理等(時価)
・オリジナル魔石(1個辺り3,000ゴールド)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
……

 
It is not time to close a shop!
―――――――――――――――――――――――
錬金術師「面倒だけど経営難に立ち向かう事になった」

銃士「その4!」
―――――――――――――――――――――――
Thank you, everyone. Thank you, all my friends.

I will see you again!



【 E N D 】

 
皆さま、有難うございました。

錬金術師の物語は、開始が2014年の4月であり、1年を経て…今回にて「全ての」最終回となります。

ここまで現行にてご愛読して下さった方々、

他サイトや自分のまとめより物語へ触れた皆様、改めて心より御礼を申し上げます。

有難うございました。

しかしながら、恋愛模様については、どうしても結論を出すことが出来ず…。

ですが、最後のシーンで少しだけ「心が動いた」店長でしたが、どうなることやら……という感じです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
また、完結編ということで様々な設定についてお話しようと思います。

ご存じの方もいるかもしれませんが

【竜騎士「田舎へ左遷」、「サバイバル」、「空中都市」】編との繋がりが直接的にではないにしろ、存在します。

そちらについてや、「モデル」となっている設定等を次の枠以降で<裏設定>で少しだけ紹介します。

(※物語として楽しみたい方は閲覧注意となります)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 
<裏設定 錬金術師編>
直接的に描いてはおりませんでしたが、物語上に出てくるもの。

◆東ギルドマスター(中央東ギルド)
竜騎士編に出てきた、「上官」の元所属ギルド。
当時のギルドマスターは引退済みで、現在は「女剣士編」に出てきた「マスター」の後輩がつとめている。

◆田舎町関連(中央商人/初老の男)
竜騎士が活躍した、田舎町。また、友人の中央商人がいる。
錬金術師の3部「クーシィ編」に出てきた「初老の男」は竜騎士。

◆銃士=冒険者の喫茶店
錬金術師2部の初頭に出てきたギルドマスターのセリフ「あの喫茶店のマスターも待っていますよ」、
そのセリフは、「女剣士編」の冒険喫茶のマスターのこと。
また、銃士は「竜騎士」の娘である「女剣士」と顔なじみ。

※今作では、中央東ギルドへ銃士が戻った際、
マスターの喫茶店へ訪れて「女剣士は留守なんだよなー」というワンシーンを描く予定だったが、頓挫。
(過去作との繋がりが強力になってしまうため)

◆錬金術師(店長)
初期作【少年剣士「冒険学校で~…」】シリーズに登場した女錬金術師の子孫にあたる。
2部の「バターピーナツに使っている黒魔石」は、
その女錬金術師が「2代目英雄剣士:青年剣士」より、魔界のお土産とし、研究用として貰ったもの。


【 その他 裏設定 中央大陸の歴史・物語について 】
中央大陸の歴史を辿り、少年剣士より続く物語でよく皆様より質問として頂かれる物を少しだけまとめ。
「大体」のものとなっております。

◆M.C.760年(初代~白剣士時代)
各記載は出ていませんが、実は裏設定で「MC.760年」といった設定があります。
M.CはMagic.century.(マジックセンチュリー)の意味です。

◆MC.1460年(700年後)
王政時代。青年剣士がタイムトラベラーをした先にあった、軍政が滅びた時代。

↓<レジスタンスにより王政崩壊。以後、軍政が復活。年号はREへ。
   意味合い「もう1度」のreload(リロード)より。>

◆RE.1300年(初代から2000年後)
長き平和が訪れ、戦闘レベルが委縮。
・竜騎士「田舎へ左遷」~竜騎士「空中都市」編。
・女剣士「冒険者の喫茶店」編。

◆RE.1330年(初代から2030年後)
・錬金術師「その1~その4」シリーズ

↓<錬金術が更なる発展で、魔法の利用が少なくなり、長い年月で魔法が忘れ去られる>

◆S.E.2014年(初代から約4000年後)
SE=Shinto Eraの意味。
時代は「現代」であり、当代英雄剣士(真剣士編)の物語。

 
各内容について、記載していない点も含め、中央大陸の歴史には英雄たちや、物語の軌跡があります。

是非、もう1度読み返すと新しい発見があるかもしれません。

また、今後は「中央大陸」シリーズではなく、新世界をモチーフにした物語を考えております。

その際は是非、もう1度、新たな世界の物語へ触れて頂ければ嬉しく思います。


それでは、これにて全てを終了とさせていただきます。

最後までお付き合いいただけました皆様へ、重ねて御礼申し上げます。

ありがとうございました。

2015年4月20日


qqtckwRIh. 

波流-naminagare-(ハル)

wikiURL: http://seesaawiki.jp/naminagare-ss/

twitter: https://twitter.com/naminagares


【 E N D 】

初代から長い間お疲れ様でした
新しい世界での話も楽しみにしてます

お疲れ様でした >>1さん
新シリーズも楽しみです

お疲れ様でした!
全シリーズ読みましたがどれも面白かったです!

>>65 乙!
少年剣士から数えると約2年……
このシリーズとは違う世界になるんだね
少し寂しいけど次のシリーズも楽しみ
待ってます

真極乙ッ!!!

前スレ>>987
>>田舎町(中央商人がいた町)で出会った老人誰だろう?

と質問したものです。竜騎士(弟さん?w)でしたか。すっきりした
初代英雄剣士の最後の各主人公のシーンを思い出した。
この1年、どころか少年剣士以来の2年間本当にありがとうございました!

おつ
前作読ませていただきました。
ところどころに散りばめられてる他作との繋がりがなんだか嬉しくて、前作大好きです。
新世界編?楽しみにしてます!

クーシィも一度見たかった。
でも楽しかったです、乙。

乙!

お疲れ、完走おめでとう。
そして俺の人生の楽しみが一つ減った。。。

お疲れさまでした
次回作とか後日談にきたい

少年剣士から見てました。楽しませてもらいました。朝起きて更新ないかとチェックしてたなー。少し寂しいです。

ホントお疲れ様!

お疲れ様。完走ってあんたほんと凄いよ…。少年剣士時代から追いかけて来てるけどもう最初の方覚えてないw読みなおさなくては…

次回作も期待していいんだよね?(チラッチラッ

後日談俺も見たいいなぁ

この話から読み始めたけど面白い!
wikiだかに全部あがってるんだっけ……?

>>81
◆qqtckwRIhでネット検索すればいいよ

>>81  http://seesaawiki.jp/naminagare-ss/
これ

スゲー完結したー

 
皆さま、非常に多くのお言葉をありがとうございます。

どうやら店長たちが、ちょーっとしたお話となるようなので、公開いたします。

また、一番最後に新作も含めたご紹介しますので、どうぞよろしくおねがいいたします。

 
・・・・・・・・
・・・・・

【 錬金術師「経営が面倒くさい」秘書「その4.5です」 】

・・・・・
・・・・・・・・

 
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――――【 錬金術師のお店 】 


錬金術師「…はい、どーも」

中央社員「ありがとうございました。今回の納品分も既に、銀行へ振り込ませていただいておりますので」

錬金術師「はいよ。中央商社はだいぶ持ち直してきたのか?」

中央社員「えぇ。錬金師のマスター公認!という名目で復活企画を行い、商品がようやく安定して売れております」

錬金術師「……中央商人サンめ、俺を企画にするとは思わなかったぜ」ピクピク

中央社員「はは、それでは失礼いたします」ペコッ

錬金術師「あいよー」


ガチャッ…、バタンッ!


錬金術師「…」

錬金術師「……あ~、疲れた!」

 
トコトコ…コトッ

秘書「お茶になります。ご苦労様でした」

錬金術師「お、サンキュー」

秘書「いえいえ」

錬金術師「…」ズズッ


秘書「それにしても、店長様の手腕は見事なものですね。」

秘書「最近は間近で見せていただいておりますが、錬金術の鮮やかなこと……」

秘書「セントラルカンパニーとしても、"限定魔石"として高級志向の販売によって利益を得ているようです」


錬金術師「目の敵だったとはいえ、俺の肉親がしたことだったからな…」

錬金術師「何千人という社員を露頭に迷わせるところだったのに、それでもうちに魔石を下ろす仕事をやらせるなんて、」

錬金術師「こっちとしては、全部無償で提供してもいいっつーに……」

 
秘書「新社長様は、店長様の心意気にも惚れ、高い契約金で精製魔石を仕入れておりますからね」

錬金術師「…それがあったおかげで、この店も2階建てに加えて広くなったんだが」キョロキョロ

秘書「そこも、店長様があってこそですよ」ニコッ

錬金術師「はは、そう?」

秘書「えぇ、そうですよ」

錬金術師「ククク、もっとほめるがいい!」


…ガチャッ!

女店員「お疲れ様ですー」


錬金術師「……お、帰ってきたか」

女店員「営業は相変わらずダメでしたけど、アクセサリー屋さんから卸分のお金を預かってきました」

ゴソゴソ、ボスンッ!

錬金術師「おー、ご苦労さん」

 
秘書「それでは、私があとで銀行へ振り込んでおきます」

女店員「すいません、お願いします」


…ガチャッ!

銃士「……ただいまっ!」

 
秘書「おかえりなさいませ」

女店員「あ、銃士!おかえり~」

錬金術師「おかえりさん」


銃士「今日の分の素材収集はやってきたよ。」

銃士「外に出ているから、あとで確認してもらえるとうれしいかな」


錬金術師「はいよ~」

 
銃士「…それとね、にひひ」

錬金術師「ん?」

銃士「じゃ~んっ!」バッ!

錬金術師「…お?」


女店員「……ちょっ!!なんで下着姿に!?」

秘書「…!」


銃士「あはは、違う違う!」

銃士「実はさ、珍しい"オオバノ樹"を見つけてね。」

銃士「大きい葉は、冒険者にとって貴重な衣服になるんだ。久々に見たから、つい着ちゃった♪」


錬金術師「へぇー、水着みたく胸の部分に巻きつけてるんだな。冒険者ならではっつーか」

 
銃士「最近、もう夏も近いのか暑いし…丁度いいかなって。似合うかなー?」

錬金術師「日焼けもしてるし、なんか健康体っぽくて似合うな」

銃士「…な、なんか恥ずかしい言い方だな」カァ

錬金術師「いやいや、褒めてるんだって」


女店員「び、びっくりした~…」

秘書「凄いですね…。冒険者のことはよく分かりませんが、冒険者たちの知恵には驚かされます……」


銃士(……ふ、ふふっ)

銃士(正直、ものすごく恥ずかしい!)ドーン!

銃士(だけど、秘書さんがうちに来た時に女店員が告白して、それ以来どこか一歩遅れている気がして……)

銃士(だったら、私は私なりに攻めるんだから)ムフー

 
錬金術師「…オオバノ樹の葉かぁ。聞いてはいたが、錬金術にゃ使い道がないんだよなソレ」

銃士「そうなんだ?」

錬金術師「だけど、それは天然モノで厚そうだな。丈夫っぽいし、使い道があるかもしれん」

銃士「だね。ここまで立派なのは私も珍しいと思うし」

錬金術師「ちょっと厚さやら分析したいんだが、いいか?」

銃士「うん、もちろん」

錬金術師「そうか、では」スッ

銃士「余計に採ってきたから、今バックから出すから待ってー……」


…ワシッ、モミッ


銃士「……え」

錬金術師「おぉ、割と丈夫な感じだな」

銃士「ちょ、ちょっと!?」カァッ!

 
錬金術師「どれ、頑丈なのかね」

…グニッ、モミモミ

銃士「ち、ちょちょっ!?それ、私の胸…ぇうんっ…!!」

錬金術師「……ほう!天然モノだと、ここまで柔らかくても張りがあるな」

モミモミ、クニッ……


銃士「」

女店員「」

秘書「」


錬金術師「感触がとてもいいな」

錬金術師「どれ、葉の裏側はどうなっているのかね」

…ペロンッ

銃士「あっ!?」

 
錬金術師「おぉ、綺麗だな。やや色づいているのは、脈が通っているからか」

錬金術師「なるほど…」ブツブツ

錬金術師「……うむ。これは、色々と使えそうだ」キリッ


銃士「」


女店員「…~~~っ!!」ビュッ!

……ゴチィンッ!!!

錬金術師「ほげっ!?」

…ドサッ!


女店員「…天誅ッ!!」ビシィッ!!

秘書「…て、店長様」カァァ…


銃士(き、急すぎて…)

銃士(な、何も抵抗できなかった~……!)

 
錬金術師「…い、いぢぢ!」ズキズキ!

錬金術師「いてぇな、銃士が調べてもいいっつったんだろーが!」


女店員「だからって、人の胸を揉みまくって恥ずかしい言葉を連呼をしないっ!!」

錬金術師「ぐぬっ…!」

女店員「もー…!相変わらずセクハラ大魔王なんだから!」

錬金術師「…せ、セクハラ大魔王だと?」ピクッ

女店員「そうでしょ!無意識とかそういうの関係なしに、いっつもいっつも~!!」

錬金術師「…セクハラというものはな」

女店員「む…」

錬金術師「……こうするんだぁぁああっ!!」バッ!!

女店員「え…」

 
…ガバッ!!

錬金術師「くはは!!」

女店員「な、何で抱き着いて!!」

錬金術師「…」スッ

女店員「…あっ!?」

…サワッ、スススッ……

女店員「ちょっ、耳をさわっ…!」

女店員「……やっ!」ピクン!


錬金術師「…ここが弱いのか?お?」

モゾッ…ツツゥ……

女店員「んっ…!ちょ、ちょっと店長っ!どうし……やぁっ!」ピクッ

 
錬金術師「うへらうへら……」グルグル


銃士「…ど、どうしたんだ?」

秘書「な、なんか様子がおかしいですね……?」


錬金術師「…」

錬金術師「……パラダイスじゃあ~~~いっ!!」

…グイッ!

銃士「わっ!?」

秘書「きゃあっ!?」

ドサドサッ!!

 
錬金術師「…舐めてやろう!触ってやろう!!」

錬金術師「うははは、ここか、ここがいいのか~~~!!!」

…サワサワサワッ、ペロッ…!クニュッ!!

銃士「ひぁっ!?」ピクンッ!

女店員「て、てんちょ…ダメッ……!」ビクッ…

秘書「て、店長様…そこはぁ……!」

錬金術師「えへえへっ……!」


…ガチャッ

新人鉱夫「ただいまですー」


銃士「て、店長……、そこはぁっ…!」ビクンッ

女店員「や、やぁっ……!」

秘書「~~っ!」ビクビクッ

 
新人鉱夫「…」

新人鉱夫「…」

新人鉱夫「……失礼いたしました」

…バタンッ!!


女店員「ち、ちょーーっ!!助けて~~~っ!!」


……………
………

 

………
……………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 数分後…… 】


女店員「ぜぇぜぇ……」

銃士「うぅ……」

秘書「はぁ…はぁ……」


錬金術師「」チーン


新人鉱夫「…だ、大丈夫でしょうかみなさん」

新人鉱夫「あと、色々見えてしまったのは…その…ゴメンなさいです……」カァァ

 
女店員「き、気にしないで……。むしろ助かったから……」ハァハァ…

新人鉱夫「そう言ってもらえると…」

女店員「店長ってば、なんで急にこんな野獣に……!」

新人鉱夫「…びっくりしましたよ。何かあったんですか?」

女店員「わかんないけど、急にセクハラはこうやるんじゃーって……」

新人鉱夫「うーん……?」


銃士「私の胸を揉む前までは、普通だったんだけどね…。そのあとからおかしくなったんだ」


新人鉱夫「!?」

新人鉱夫「……!!?」


銃士「……あ、いやっ!?」

銃士「そ、そうじゃなくて、なんかオオバノ樹の葉の色々分析したいとかで、私の胸を……」

銃士「……ち、違う。そうじゃなくて……」

 
新人鉱夫「あ、あぁ…!なんとなしにわかりました……」

銃士「察しが良くて助かるよ…」

新人鉱夫「あ、あはは……」

銃士「…でも、一体どうしたんだろうね」チラッ


錬金術師「」チーン


女店員「…当の本人は、新人鉱夫が引き離した途端に倒れちゃうし」

…ツンツン

錬金術師「」

女店員「む~…、絶対に許さないんだから……」カァァ


秘書「考えられることとしたら……」

秘書「普段の店長様の鬱憤が、急に爆発したんでしょうか……?」

 
銃士「だからといって、こういうことはしないんだけどなぁ」

秘書「店長様も男性ですので…」ポッ

女店員「うーん……」


新人鉱夫「…」

新人鉱夫「……?」クンッ

新人鉱夫「あれ、この匂いは……」クンクン


女店員「どうかしたの?」


新人鉱夫「…」キョロキョロ

新人鉱夫「……あっ!」ハッ!


女店員「え?」

 
新人鉱夫「…こ、このお茶!このお茶のせいかもしれません!」

女店員「え?」

秘書「店長様に私がお淹れしたお茶ですか?」

銃士「それが原因?」


新人鉱夫「これって、何を使いましたか!?」

秘書「何をと言われても…。いつものように、お茶缶に入っているものなのですが……」

新人鉱夫「…ちょっと、そのお茶缶見せてください!」

秘書「…い、今お持ちします」

タッタッタッタッ……

………

……

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

秘書「こちらになります」

…コトッ


新人鉱夫「ちょっと失礼しますね」カパッ!!

新人鉱夫「…」クンッ

新人鉱夫「…うっ!」ツーン!

新人鉱夫「や、やっぱり……!」


秘書「な、何かあったのでしょうか?」


新人鉱夫「この中に、昨日僕が集めたレアメタルの粉を入れてあるんですよ……!」


秘書「えっ!?」

 
新人鉱夫「陽に弱くて、すぐに使い物にならない鉱石なんですが謎も多いようなので、」

新人鉱夫「店長さん昨日、全てのみ終わるお茶缶にしまっておくと言っていたので……」


秘書「で、ですが中身の匂いも私はチェックしたのですが」

新人鉱夫「慣れていない人は、お茶の残り香のほうが強くて気づかなかったんでしょうね…」

秘書「そういうことでしたか……」

新人鉱夫「このレアメタルは、新しく発見したものだったので分析しようと思ってたところだったんです」


女店員「それで、店長が飲んじゃって……」ハァ

銃士「あぁなってしまったと……」


錬金術師「」チーン


新人鉱夫「…人体にはそれなりに有害そうですね。」

新人鉱夫「店長さんは大丈夫でしょうか…」

……チラッ

 
錬金術師「…」

錬金術師「…」

錬金術師「……女ァッ!!」パチッ!


新人鉱夫「え…」


錬金術師「女ぁぁぁあっ!!」

…ガバァッ!!

新人鉱夫「うわっ!?」

ダキッ、ギュウウッ!!!


錬金術師「女~……」


新人鉱夫「ててて、店長さん!!僕です、男です!!違います、間違ってます~~!!!」

 
錬金術師「ここがいいのかぁ……?」

ソッ、ツツ~……サワッ

新人鉱夫「ひ、ひえぇぇえええええっ!!!」


錬金術師「うへうへ……」


新人鉱夫「ひああああっ~~~…っ!!?」


……………
………

 
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 次 の 日 】


女店員「っていうことが、昨日あったの……」

銃士「もう、本当に色々恥ずかしいやら…気持ちい…じゃない。恥ずかしかったぞ」

秘書「店長様、大胆でした…」ポッ

新人鉱夫「一生に一度の経験です」ブルブル…


錬金術師「…」

錬金術師「……あぁ、マジか。悪い悪い」ハッハッハ


女店員「はっはっはじゃなあ~い!!」

女店員「……だけど、わざとああなったんじゃないし仕方ないか…」


錬金術師「…覚えてないんだよなぁ」

  
女店員「…はぁ」

銃士「ま、店長らしいかな…」ハハ…

秘書「店長様らしいです」クスッ

新人鉱夫「店長さんですし、仕方ないですね…」アハハ…


錬金術師「ふーむ……」

錬金術師「…」

錬金術師「…」ジー


女店員「…」

銃士「…」

秘書「…」

新人鉱夫「…」

 
錬金術師「……はは」


女店員「うん?」

銃士「どうしたんだ?」

秘書「どうかなさいましたか?」

新人鉱夫「…どうしたんですか?」


錬金術師「……いや。」

錬金術師「俺って、他人がうらやむような仲間に囲まれて、幸せだな~って思ってさ」


女店員「…!」

銃士「店長…」

秘書「…そのお言葉、何よりもうれしく思います」ウルッ…

新人鉱夫「店長さん…」

 
錬金術師「ま、なんだその……」
 
錬金術師「なんか毎日色々あるが、これからもよろし……!」


…ガチャッ!!


錬金術師「…ん?」


女の子「…こんにちわっ!し、新人鉱夫くんいますか?」


錬金術師「…どなた?」


新人鉱夫「…あっ!?」


女の子「あっ、やっぱりここだったんだ!」


新人鉱夫「ど、どうしてここに!?」

 
錬金術師「……誰?」


新人鉱夫「お、お友達ですよ!た、たまに色々相談してたっていうか!」

女の子「あ~っ、ただのお友達って…ひど~い」

新人鉱夫「ち、ちょっと静かに…!」シー!

女の子「せっかく遊びに来てあげたのに~」

新人鉱夫「ちょ、ちょっとまって、待ってってば!」


女店員「…も、もしかして」

銃士「新人鉱夫の…」

秘書「彼女さん…とか……?」

錬金術師「ま、マジデェェェェェェエエッ!?」

 
新人鉱夫「え、いや、あのっ!!違います、まだそういう関係じゃ!!」

女の子「あっ…!みなさん、ご挨拶がもう遅れました!初めまして!」


女店員「なになに、どこで知り合ったの!?」

女の子「えっとですね、新人鉱夫くんが私をたすけてくれたんです♪」

銃士「どういうこと、詳しく聞かせてくれないか!」

女の子「はい、もちろんです♪」

秘書「お茶を入れなおしてきます!今度は、新しい缶で……」

女の子「あ、わざわざそんな…!」

錬金術師「じっくり聞こう。茶菓子もたっぷり持ってきて」


新人鉱夫「……ひっ」

新人鉱夫「ひ、ひえぇぇえっ!!」

 
女の子「それですね、えっとー……」


新人鉱夫「わぁ~~っ!!」

新人鉱夫「僕は、そういうの苦手なんです、ちょっとまってくださーーーい!!」


錬金術師「はっはっはっはっ!」

女店員「あははっ!」

銃士「全く、新人鉱夫もすみにおけないな~」

秘書「全くですね」クスッ


錬金術師「……うむ、今日も楽しい1日になりそうだ!」


…………………
…………
……

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・

 
【 E N D 】

 
……ここまでです、ありがとうございました。

錬金術師シリーズ番外編「その4.5」はこれにて終了となります。

相変わらずの店長が女性へ色々やるという、番外編ネタでしたがいかがでしたでしょうか。

今頃も、店長たちは楽しく笑って過ごしていそうで…何よりです!


また、こちらの後日談を記載の前に

新世界の物語

魔剣士「お姫様の家出に付き合うことになった」

魔剣士「…お姫様の家出に付き合う事になった」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1430650802/)


上記連載を開始しました。よろしくお願いいたします。


それでは、失礼いたします。

>>120 乙!
鉱夫は銃士とくっつくかなと思ったが、そんなことはなかった

乙!

乙。新人鉱夫君が正ヒロインだと思ってたのに…。

感動をありがとう

皆さま有難うございます。

突然ではございますが、長編SSでの更新停止をさせていただきます。

詳細につきましては、
<qqtckwRih. Wiki>
http://seesaawiki.jp/naminagare-ss/

<Twitter>
https://twitter.com/naminagares

にてご報告を行っております。

本日更新予定だった「魔剣士」分および、今後の長編更新は

アルファポリス様
http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/558036022/

にて更新を行わせていただきます。

一括更新も含め、投下が非常に楽なため、仕事の事情による更新速度および更新量を考慮したうえでの判断となりました。

何卒、宜しくお願い申し上げます。


今までご感想、ご意見などのお言葉を下さった皆さま、大変有難うございました。

新規投下サイト等にても、変わらずご愛読いただければ嬉しく存じます。

それでは、失礼致します。

おつかれさまでした!
そして、引き続き楽しみにしています。

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