メイド「坊ちゃんが可愛すぎて仕方がない」 (48)



  廊下


メイド「……」スタスタ


メイド「……」テクテク


メイド「……あ、鏡ですわ。」チラッ



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  鏡


メイド「……私の顔がうつっております」ジイィッ


メイド「……変ではないかしら?」チョンチョン


メイド「……よし。これなら坊ちゃんに会っても恥ずかしくないですわ」



  部屋


メイド「……」


メイド「……すうぅー……はあぁー」


メイド「……」コンコン


坊ちゃん「……」

メイド「……坊ちゃん?」コンコン

坊ちゃん「……」

メイド「……私です。メイドですわ」コンコン

坊ちゃん「……」


メイド「……入りますよ?」

坊ちゃん「……」

メイド「……失礼します」ギイィッ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……坊ちゃん」


メイド「……坊ちゃん。朝ですわ」

坊ちゃん「……すうぅ」Zzz

メイド「……起きてくださいませ」

坊ちゃん「……くうぅ」Zzz

メイド「……」


メイド「……坊ちゃん」キョロキョロ

坊ちゃん「……くうぅー」Zzz

メイド「……」ツンツン

坊ちゃん「……んっ」Zzz

メイド「……!?」


坊ちゃん「……すうぅ」Zzz

メイド「……」ホッ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……坊ちゃん」ツンッ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……坊ちゃん、坊ちゃん、坊ちゃん」ツンツン

坊ちゃん「……うんん」Zzz

メイド「……私の。……私の大切な坊ちゃん。」ツンツン

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……坊ちゃん。ふふふふふ。……かわいい、……かわいらしい坊ちゃんですわ」

坊ちゃん「……」Zzz


メイド「……今度は、頬をおもいきり撫で回してもかまわないかしら?」

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……かまいませんわ。私の坊ちゃんなのですから。うふふふふ」

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……」ナデナデ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……はぁはぁ。……なぜこれほどまでかわいらしいお方なのでしょうか。……まるで天使のよう」

坊ちゃん「……」Zzz


メイド「……」ナデナデ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……私はあなたに救われたのです」ナデナデ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……あの日、あのとき。私はあなたに全てを捧げようと誓ったのです」ナデナデ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……私は全て、坊ちゃんのものですわ」デナデ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……こんなこと。坊ちゃんが起きている時に言えるはずがありません」ナデナデ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……かわいらしい唇」ナデナデ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「……く、くちづけしてもよろしいでしょうか?」ドキドキ



メイド「……ん、んー」ソロソロ

坊ちゃん「……」Zzz

メイド「(……私の初めてをもらってくださいませ)」

坊ちゃん「……う、うぅ。……メイド……さん?」パチッ

メイド「……!? ぎゃああああぁぁぁぁ!」

坊ちゃん「ほぇ?」

メイド「申し訳ありません!」シュン

坊ちゃん「ぐふっ!」ドスッ


メイド「……はぁはぁ。やってしまいました」

坊ちゃん「……うぅん」Zzz



  しばらくしてから

坊ちゃん「……ふわあぁ。よく寝たぁ!」

坊ちゃん「うっ!」

坊ちゃん「なんかお腹痛い」ズキズキ

坊ちゃん「何でだろう」

坊ちゃん「あれ? メイドさんは?」

坊ちゃん「さっきまで居たような気が……」


坊ちゃん「まぁいいや。起きよう」

メイド「……失礼します。メイドです」コンコン

坊ちゃん「ん? あ、メイドさん! どうぞ入ってください!」

メイド「……お、おはようございます」ギイィッ

坊ちゃん「うん! おはよう!」ニコニコ

メイド「あ、あの……すでにお目覚めでしたか」オドオド

坊ちゃん「はい! 今日は自分で起きることができました!」


坊ちゃん「……うっ!」ズキンズキン

メイド「ど、どうかなさいましたか?」

坊ちゃん「いいえ、何でもありません! 大丈夫です……」

メイド「本当ですか?」ダラダラ

坊ちゃん「あ、いえ、少し。というかお腹がなぜか痛くて……。響くような感じが」ズキズキ

メイド「……」ドキドキ


メイド「そ、それはそれは。ご健康をお祈りします……」

坊ちゃん「……メイドさん?」ジトー

メイド「はいぃっ!」

坊ちゃん「何かあったのですか? 変ですよ?」

メイド「何でもありません!」

坊ちゃん「それならいいのですが……」

メイド「あ、あのっ! 朝食ができております! あと、着替えはここにおいておきます! お早めにごしたくを済ませてくださいませ! それではお待ちしております!」ダッ!

坊ちゃん「あ、いや」

メイド「はい! 何でしょう!」


坊ちゃん「あの……少し待ってください」

メイド「? はいどうかなさいましたか?」

坊ちゃん「あのですね? ……もしよかったらでいいのですが……」

メイド「はい。なんなりとお申し付けくださいませ」

坊ちゃん「あのぅ。その……//」

メイド「……はい」

坊ちゃん「できれば……メイドさんに起こしてほしいなぁ……//」

メイド「……」


メイド「……」

坊ちゃん「あ、いや。忘れてくださ……」

メイド「かしこまりました」

坊ちゃん「……//」

メイド「それでは……」ダキッ

坊ちゃん「メイドさぁん//」

メイド「(坊ちゃん……軽い)」

坊ちゃん「ふうぅー。暖かい」

メイド「あの……そろそろお着替えなさらないと遅刻してしまうのではないでしょうか?」

坊ちゃん「……メイドさん。メイドさんメイドさんメイドさん……//」ギュウゥ

メイド「仕方ありませんね」



  食堂

メイド「こちらが本日の朝食でございます。ごゆっくりお召し上がりくださいませ」

坊ちゃん「うわぁ! 美味しそうですね! それではいただきます!」カチャカチャ

メイド「……」

坊ちゃん「……おいひぃですぅ! さすがメイドさんですねえ!」モグモグ

メイド「いえいえそれほどでは」


坊ちゃん「……あの。いつも美味しい食事を用意してくれて感謝しているのですが、メイドさんは一緒に食べないの?」

メイド「えぇ。同席するなど恐れ多いことです」

坊ちゃん「……うぅ」



坊ちゃん「……」モグモグ


メイド「……あの、お言葉ですが」


坊ちゃん「……なぁに? メイドさん?」


メイド「口元にソースがついております。もう少しお上品に召し上がりくださいませ」


坊ちゃん「ほ、ほんとう? ごめんなさい」フキフキ


メイド「そちらではありません。反対側でございます」


坊ちゃん「うぅん。こっちですか?」フキフキ


メイド「袖で拭かないでください。……こちらです」フキフキ


坊ちゃん「……あっ! それくらい自分でできるよぉ//」


メイド「いいえ、いつまでたっても目の離せない坊ちゃんですわ」


坊ちゃん「……メイドさぁん//」



  庭


メイド「……だいぶ時間が迫っております。お急ぎくださいませ」


坊ちゃん「はぁい! 今行きまぁす!」セッセ


メイド「お荷物、お持ちいたします」


坊ちゃん「だ、だいじょうぶです! これくらいのことなんでもありません……」


メイド「そうですか」


坊ちゃん「メイドさんは駐車場に向かって、玄関にリムジンをとめていてください」


メイド「……かしこまりました」


メイド「それでは少々お待ちを……」


坊ちゃん「あ、いや、やっぱりちょっと持ってください。このかばん特別に重くて……」


メイド「たかが勉強道具が入っているだけではありませんか。しょうがないですね」ヒョイ


坊ちゃん「ありがとうメイドさん!」



  リムジン


メイド「後ろからお乗りくださいませ」


坊ちゃん「うぅーん……」


メイド「坊ちゃん?」


坊ちゃん「僕は助手席に乗るー!」ガチャン


メイド「あぁ勝手に……。仕方がないですね。」


坊ちゃん「よしっ! シートベルト装着しました! それじゃ学校までレッツゴー!」


メイド「私もシートベルトを……っと。では出発いたします」ブルルルル



  リムジン


メイド「急がなくては遅刻してしまうかもしれません。安全運転でスピードを出します」


坊ちゃん「あはは。大丈夫だよメイドさん! まだそんな時間じゃないですし。のんびり行きましょうよ!」


メイド「そんな時間? 失礼ですが……」


坊ちゃん「僕を見くびらないでください! 僕も自分のことくらい自分で管理できます! ちゃんと腕時計も持ったのですから……。えぇ、今は……」


メイド「一応、確認ですが、リムジンのこちらに取り付けられているデジタル時計……時間が遅れておりますが……」


坊ちゃん「えぇぇ!? もうこんな時間!? 急いでメイドさん!」


メイド「……もちろんわかっています」



  私立高校校門


メイド「思ったより早くつきましたわ」ブロロロロ


坊ちゃん「うん! ありがとう。メイドさんのおかげです!」


メイド「……ありがたきお言葉をいただきました」


坊ちゃん「じゃあ僕、行きます! 放課後また迎えに来てくださいね!」ガチャン


メイド「……お待ちください」ガチャン



坊ちゃん「ちょ、ちょっとメイドさん! リムジンの外に出ないでくださいよ!」


メイド「どうしてですか?」


坊ちゃん「それはぁ……」



生徒A「……」ヒソヒソ
生徒B「……」コソコソ



坊ちゃん「(メイド服の人が校門前にいたら目立つよぉ//)」



坊ちゃん「ところでなぁに?」


メイド「あ、はい。寝癖が気になったので」


坊ちゃん「ねぐせ?」


メイド「……失礼します」チョンチョン


坊ちゃん「め、めいどさん! 人前だから恥ずかしいって……//」


メイド「これで大丈夫です……それでは行ってらっしゃいませ」


坊ちゃん「……あぅ//」



坊ちゃん「それじゃあまたね! 放課後に待ってます!」バイバイ


メイド「はい、こちらこそお待ちしております」ブロロロロ


坊ちゃん「あぁ、行っちゃった」


坊ちゃん「……メイドさん。今日も綺麗だったなぁ」


友達「あ! 坊ちゃん! おはよう!」



坊ちゃん「友さん! おはようございます!」ニコリ


友達「坊ちゃん、今日もかわいいねぇ。さっきの場面全部見てたよ?」


坊ちゃん「ど、どこからどこまでですか……」


友達「ふふーん。どこまでだろうねぇ?」


坊ちゃん「……むぅ」


友達「あはは! からかって怒った顔の坊ちゃんもかわいい! あんた本当は歳と性別、ごまかしてんじゃないの?」


坊ちゃん「ばかにしないでください! れっきとした男の子です!」


友達「男の娘かぁ……」


坊ちゃん「友さん、別の字で想像したでしょう?」ムッ


友達「うふふ、どうでしょうねぇ?」ニヤニヤ


坊ちゃん「もう! いつも僕をからかうのはやめてください! ……以前の女装だって二度としないんですから!」



友達「ふぅん。あの時まんざらでもなさそうだったけど?」


坊ちゃん「そ、それはメイドさんが……!」


友達「そう、メイドさん。……あなたはいつもメイドさんメイドさん。どこにいくときもべったりくっついて離れない。互いに依存しているのね」


坊ちゃん「そんなことありません! 僕だって一人で挑戦できます!」


友達「できるかなぁ? 女装だって、初めは嫌がっていたのに、メイドさんが『かわいい』って言ったから続けたんでしょ?」



坊ちゃん「いい加減にしてください! だって、僕……メイドさんが……」


友達「メイドさんが?」


坊ちゃん「メイドさんが……。大切で……//」


友達「大切で?」


坊ちゃん「メイドさんが……す、すすす、す……//」


友達「へぇ~」ニヤニヤ



友達「もういいよ」


坊ちゃん「え?」


友達「坊ちゃんの気持ちわかったから。いじめるのもじゅうぶん満足したから……」


坊ちゃん「あ、そうなんだ……」


友達「二人ともお互いを本当に大切に思っているんだね。それは珍しいことだし誇りに思ってもいいことさ」


坊ちゃん「……?」





友達「ずっと側にいて守ってあげるんだよ?」






 授業中


教師「……であるからして。この式は……」


友達「……んごおぉ」Zzz


教師「おい友! 授業中だ、何寝てんだ」


坊ちゃん「(さっきまで格好いいこと言っていたのに……)」



友達「いいや、寝ていません! 誓います!」


教師「……何にだ」


友達「え?」


教師「……何に誓うんだ!」


友達「え、えーと……神様にです!」


教師「神なんかいない!」


友達「えぇ!? それは宗教の自由に反するのでは……」


教師「神はいない。……俺が殺した」



教師「屁理屈はいい! 寝ていないのであれば次の問題、解いてみろ!」


友達「うう……」


教師「……関数f(x)=2x2において、f'(2)の微分係数を求めろ」


友達「……」


教師「関数f(x)=2x2において、f'(2)の微分係数を求めろ……」


友達「……」


教師「関数f(x)=2x2において……」


友達「ちょっと何言ってるかわかんないです」


教師「何で何言ってるかわかんねぇんだよ!」



教師「もういい! お前には期待していない。そうだなぁ……誰か解いてみろ!」


坊ちゃん「……はい」


教師「おぉ、坊か。やってみろ」


坊ちゃん「……8です」


教師「素晴らしい!」



教師「おぅお前らも坊を見習え! お嬢様お坊ちゃんだからってエスカレーター式に進学使用なんて甘いんだよ!」


坊ちゃん「(そうだ……僕は次の代の主人となるんだ……。こんなところでつまづいている場合じゃない……微積分くらい余裕でクリアしないと……)」



  放課後


友人「おい坊ちゃん! 一緒に帰ろう!」


坊ちゃん「あ、あのぅ。そ、その……誘ってくれたのは嬉しいのですが……」


友人「なんだまたメイドさんか? それなら仕方ないもんな! じゃあまたな!」


坊ちゃん「ごめんなさぁい」



  リムジン


メイド「……遅いですわ」



坊ちゃん「……メイドさぁん!」タッタッタ


メイド「坊ちゃん!」パア



メイド「……大変お待ちしておりました」


坊ちゃん「……すみません。メイドさんにご迷惑をかけてしまって」シュン


メイド「あ、いや……今来たところですから」


坊ちゃん「……その嘘はさすがに無理があるよ」



  屋敷


メイド「到着いたしました。お降りくださいませ」


坊ちゃん「うん!」



  部屋


メイド「それでは。ご用の時はいつでもお呼びください」バタン


坊ちゃん「はぁいわかりました!」



坊ちゃん「うぅん! 今日も頑張りました!」


坊ちゃん「なんかいつもに比べて慌ただしかった気がします……」


坊ちゃん「あぁ。特にやることもないし暇だなぁ」


坊ちゃん「メイドさんはあぁ見えて忙しい身だし、迷惑はかけられない」


坊ちゃん「暇潰しに呼びつけるほど良い身分でもない……」


坊ちゃん「どうしようかなぁ……」



坊ちゃん「ベッドで横にでもなりますかね」


坊ちゃん「夕食まで昼寝といきますか」


坊ちゃん「よいしょっと」ゴロン


坊ちゃん「改めてみると、広いベッドだなぁ。僕には大きすぎるよ……」


坊ちゃん「もし、メイドさんと一緒に寝ることがあったりしたら……//」ボワワァン



『坊ちゃんの甘えん坊も困ったものですわ』


『メイドさんだから、いいのです! メイドさんに包まれたいのです……』




『メイドさんは……僕のこと好き?』


『あぁ、もちろん。俺も坊ちゃんを愛しているんだぜ!』


『メイドさん……//』


『坊ちゃん……』



坊ちゃん「なんてあったりして! うふふふふ」


坊ちゃん「なぜが妄想のメイドさんが男前たった……」



坊ちゃん「あ~! メイドさんが気になって仕方がない~!」


坊ちゃん「だから女々しいって言われるんだ……」


坊ちゃん「メイドさん……」


坊ちゃん「……これ、僕がいつも持ち歩いているロケットペンダント」パカッ


坊ちゃん「ずいぶん前にメイドさんにお揃いでプレゼントしたんだ」


坊ちゃん「僕のペンダントにはもちろんメイドさんの写真……」


坊ちゃん「折れそうになった時、こうやって眺めるんだ……」



メイド「……失礼します。メイドです」コンコン


坊ちゃん「あ、はい。なんですか?」


メイド「ご夕食の用意ができました……」


坊ちゃん「わかりました。今行きます」

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