【艦これ】吹雪「デュエル・スタンバイ!」【遊戯王】 (142)

●「遊戯王次元的艦これ」な世界観(遊戯王ベースな艦これ)
●出てくるキャラは基本アニメ版艦これ準拠(所々差異有)
●Q.提督って? → A.ああ!(アニメ以上に空気)
●性格とか呼称とか違ったりも(あえてそうしているパターンも有)
●使用するデッキはネタだったりガチだったり色々
●使用カードはOCGカードのみ(オリカとかはなし)フラゲカードは使用有
●ルールミスあったらごめんなさい

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429326818

<―教室―>

足柄「それじゃあ先日の宿題の復習を含めて、改めて『艦娘』と『深海棲艦』について復習するわよ。
   睦月! 私たち『艦娘』の主なお仕事はなんでしょう?」

睦月「は、はい! 私たち『艦娘』は、深海棲艦に唯一対抗できる存在として日々訓練に励んでいます。
   そのためにも『デュエルモンスターズ』に強くなることも重要になってきます」

足柄「よろしい。深海棲艦に通常兵器が効かない。これは一般常識ね。けれど近年、『姫』や『鬼』の名前を冠する
   大型深海棲艦に対して、海馬コーポレーションが研究に研究を重ねて開発された
   専用のデュエルディスクを用いた攻撃――つまり『デュエル』が有効な攻撃手段であることがわかったのよね」

睦月「『艤装型デュエルディスク』と呼ばれるものですね。艦娘によって形は様々ですけど、共通して
   ソリッドビジョンを用いた攻撃ができます」

足柄「なんで大型の深海棲艦にデュエルが有効な攻撃手段となるか――理論はまだ解明されていないらしいけど。
   ともかく! 私たち艦娘は現在、戦闘訓練だけでなく、知性を持つ大型深海棲艦との戦闘が多くなっています!
   よって、必然的にデュエルの訓練も必要となるわけです」

睦月「確かここの鎮守府の司令官は、しばらく内地のデュエルアカデミアの教導官として出向しているんでしたっけ」

足柄「そうよ。だから提督の顔を知らない子ってのも結構多いわよね。ここの教室にいる駆逐艦の子はそういう子が
   多いんじゃないかしら? 戻ってくるのもたまにだし、すぐに向こうに行っちゃうから」

夕立「っぽいー。確かにここにいる子ってみんな最近編成された子ばっかりっぽい? 夕立は一度ちょこっとだけ
   顔を見たぐらいだしー」

足柄「はいそこ! 私的な話は慎む! ――と、まぁ。提督がそういった経歴を持っているので、ここの鎮守府は特に
   デュエルモンスターズの教育に力を入れているわけね。大型の深海棲艦は高い知性を持っていることが確認
   されているし、今の戦闘は昔以上に頭と経験が大事になってきたわけね」

キーンコーンカーンコーン

足柄「それでは授業ここまで! ――おっとそうそう。第三水雷戦隊は……そうそう! 夕立と睦月ね。
   二人とも、ちょっといいかしら?」

夕立「ぽいー? なんだろ、新しい作戦?」

睦月「だったら司令官代理の長門さんが出てくるはずだしー。……夕立ちゃん、また宿題忘れたとか?」

夕立「むぅー! 普通の座学だったらともかく、デュエルのレポートは忘れるはずないっぽい!」

睦月「普通のお勉強の方だったら怪しいんだ……」タハハ

足柄「そういう話じゃないのよ。実は、第三水雷戦隊に新しい子が来るらしくてね」

???≪――うん。変わらない、いつも通りの鎮守府ね≫

???「変わらなさ過ぎて……少し恐ろしいですけどね」

???≪だめよ、そんなムスっとしてたら。またこれからがんばらなくちゃいけないんだから。
  それに――ほら、今日が『顔合わせ』なわけだし≫

???「そう……ですね。この日だけは司令官もいるし。怪しまれないようにしないと」

???≪そういうことじゃないのにー≫

???「――うん、変わってない。ここが司令官の書斎の部屋」

コンコン

吹雪「――『はじめまして』、司令官。特型駆逐艦一番艦、吹雪です」ビシッ



[第一話:『はじめまして!』司令官!]

業務連絡:続きは15:30過ぎか20:00過ぎ頃から


クルージングデュエル・ウェイクアンカー!

再開しまーす

~~~~~

<―広場―>

???≪吹雪ちゃん、そんなに急いでどうしたの? まだ睦月ちゃんたちに挨拶もしてないのにー≫

吹雪「確かいつものパターンだと、こっちの方で――」

那珂「第三水雷戦隊の那珂ちゃんでーすっ! きらーん☆ 野外ライブしまーす! よっろしくー!」

???≪あらあら、那珂ちゃんは……ほんと、変わらないわよねぇ≫

吹雪「ええ、変わらない。……『変わらないまま』。ひとまず安心しました」

???≪ああ、なるほど、ね。大丈夫、いつもと変わらないなら、まだ時間はあるから≫

吹雪「……時間、か」

???「あ、あのぉ……」

吹雪「え? ……あっ」

???≪ほら、向こうからやってきたみたいよ?≫

睦月「よかったぁ。やっと追いついたぁ。さっき司令官の部屋から出てきた艦娘ですよね?」

吹雪「はい――あっ、そのペンギン貯金箱……!」

睦月「廊下の途中で落ちてて、少し先にあなたがいたからあなたのものかと思って」

吹雪「……はい。すいません、ありがとうございます」

睦月「もしかして、今度新しく来るっていう――」

吹雪「はい。特型駆逐艦の一番艦、吹雪です。どうぞよろしくお願いします」ビシッ

睦月「だ、第三水雷戦隊の睦月です! こちらこそよろしくお願いします!
   えへへ、そのペンギンさん、かわいいなぁ。確か《ペンギン・ソルジャー》ですよね?」

吹雪「……」

睦月「……あ、あれ? えぇとえぇと、もしかして何か悪いこと言っちゃった……?」

吹雪「――え? あ、いいえ! ちょっとボーっとしちゃってて! すいません……」

睦月「ううん。長旅で疲れてるのに引き止めちゃってごめんね。せっかくだし部屋まで案内するよ!」

吹雪「ありがとうございます……」

???≪……吹雪ちゃん、どうしたの?≫

吹雪≪――『前』を思い出しちゃって≫

???≪……そっか≫

睦月(なんだか真面目で……凛々しい人だなぁ。同じ駆逐艦だけどオーラが違うような感じ)

<―第三水雷戦隊の部屋―>

吹雪「第三水雷戦隊所属になります、吹雪です。どうぞよろしくお願いします」

夕立「あなたが特型駆逐艦の一番艦さんかー。白露型の夕立だよ! よろしくっぽい!」

睦月「もー! 挨拶する前にこのぬいぐるみ片付けてって言ったじゃなーい!」

夕立「そんなこと言われたってー。《グリズリーマザー》のぬいぐるみって大きくて置き場所に
   困っちゃうっぽいー」

???≪毎回思うのだけれど、このぬいぐるみ大きすぎないかしら……?≫

吹雪≪三段ベッドだと寝る場所が圧迫されるらしいですしね……そもそも可愛いのかなぁ、あれ……?≫

睦月「やっぱり物置にしまったほうがいいよぉ」

吹雪「いいですよ。私は特に気にしませんし――」

???「索敵かんりょー! 本丸見つけたりーっ!」

吹雪「ひゃあっ!?」

夕立「あっ。川内さん……っていつの間にいたっぽい!?」

睦月「物音ひとつ立てずに後ろかってなんだか忍者みたいですよ」

吹雪「え? あ……川内、さん?」

川内「にひひー♪ 特型駆逐艦の吹雪だよね? ね?」

吹雪「はい……は、はいっ」

???≪ふふっ、吹雪ちゃんがそんなに動揺してるの、久しぶりに見たかも≫

吹雪≪今までになかったパターンだったから……でも変わらないなぁ≫

川内「やっぱり! 私は川内! 川内型のネームシップってやつだね!」

神通「そして二番艦で妹の神通です……初対面から姉さんがすいません」

那珂「そしてお仕事終わりの末っ子! 艦隊のアイドル那珂ちゃんだよーっ!」キラーン

吹雪≪ほ、ほんとに変わらないなぁ……≫

睦月「第三水雷戦隊は吹雪ちゃん含めてこの6人がメンバーなんだ。改めてこれからよろしくね?」

吹雪「うん……『これから』よろしく」

神通「(……? 気のせいかしら。なんだか含みのある言い方……緊張してるのかしら)」

神通「せっかくだし、これからこれから鎮守府の中を案内しようと思うのだけれど」

吹雪「いえ、詳しくは長門秘書艦に教えてもらったので。ご好意ありがとうございます」

神通「あ、すいません。なんだか厚かましくなっちゃって」

那珂「もーっ! 緊張しちゃって笑顔が全然足りないよー! これじゃあ艦隊のセンターは狙えないよ!」

吹雪「……やっぱり、愛想悪いですかね」

神通「そういうわけではないと思うけど……ほら、那珂ちゃんも新人の子に失礼よ」

那珂「あ、アイドルだから発言とかスキャンダルはきにしなーいっ!」

睦月「ほ、ほら! それじゃあ新しい子も入ったことですし、『あれ』やりましょうよ! あれ!」

夕立「(睦月ちゃんナイス話題そらしっぽいー)」


<―デュエルルーム―>

吹雪「デュエル専用の実戦部屋、ですよね」

川内「新しい子が入ってくると、顔合わせと初訓練を一緒にして、艦隊の誰かひとりとデュエルを
   するのが恒例なんだよ。いいよねぇデュエル! デュエルと夜戦の血が滾ってくるよ!」

夕立「それぞれの持っているデッキをちゃんと知っておかないと、艦隊戦で困ることもあるっぽいしー。
   どれくらいの実力があるか見ておきたいっぽい!」

那珂「アイドルたるもの、持ち歌のバリエは重要だからね! それで今回は誰が相手するのー?」

睦月「あっ! あのぉ……それじゃあ、私が相手でもいいですか?」

夕立「ふぇ? 睦月ちゃんが自分から言うのは珍しいっぽい?」

睦月「同じ駆逐艦として頑張らなくちゃと思うといいますか……なんだろうなぁ。そう、興味!
   純粋に吹雪ちゃんのデッキに興味があって! それに最近カードがちょっと増えてデッキが強化されたし」

川内「ふむふむ、確かに私直々に稽古をつけた身としては、睦月の経過報告に興味アリかなぁ。
   よし! ならぱぱっとやっちゃいなさい! 吹雪はそれでいいよね?」

吹雪「こちらは依存なしです」

川内「ほらほら、そう堅くならないでっての。軽い腕試し程度のものだと思ってさ」

夕立「新人さんも睦月ちゃんもどっちも頑張ってほしいっぽい!」

神通「わかりました――それでは、艦隊旗艦権限を使用し、艤装型デュエルディスクの訓練モードを解除します。
   両者とも、ルールを守って楽しいデュエル――と、一応訓練にしてくださいね」

睦月「先輩として頑張らないと……! 艤装型デュエルディスク、簡易装着!」ガチャンッ

???≪睦月ちゃん、がーんば♪≫

吹雪≪どっちの味方なんですか。まったく≫

???≪それはもちろん、みんなの味方よ?≫

吹雪≪言うと思いました≫

吹雪「簡易装着。ソリッドビジョンを訓練モードに――抜錨!」

吹雪/睦月「デュエル!!」


【先行:睦月】
【後攻:吹雪】


那珂「さーて、新人アイドルはどれくらい実戦経験があるかなー?」

神通「詳しい経歴は知りませんからなんともいえないけど――少なくとも睦月ちゃんは鎮守府の中でも
   相応の実力の持ち主ですから」

夕立「あれだけ《融合》を発動されるデッキは中々ないっぽい! 油断してるところっとやられちゃうし!」

川内「それはどうかねぇ」

神通「姉さん……?」

川内「まっ、何がともあれまずは睦月ちゃんの成長を見るってことで様子見だよね」

【1ターン目】


睦月「まずは私の先行――ドローって言いたいところだけど、最近ルール改正でなくなっちゃからにゃあ。
   けど、できることを全力でするだけです!」


【睦月の手札;□□□□□】


睦月「初速の速度は最高潮! スタンバイからメインフェイズ! 手札から魔法カード《融合徴兵》を発動!」


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《融合徴兵》
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通常魔法
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「融合徴兵」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):エクストラデッキの融合モンスター1体を相手に見せ、
そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体を
自分のデッキ・墓地から選んで手札に加える。
このカードの発動後、ターン終了時まで
自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、
そのモンスター効果は発動できない。
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睦月「エクストラデッキにある《E・HERO マッドボールマン》を公開します! 《融合徴兵》は、
   公開した融合モンスターの素材1体を、直接デッキから手札に加えるサーチカードです!
   最も、サーチしたカード自体はこのターン使用できませんけど……」

睦月「《マッドボールマン》の素材は《E・HERO クレイマン》と同じく《バブルマン》!
   この内から《バブルマン》を手札に加えます!」

川内「あれが最近加わったカードの1枚だね。《E・HERO》は1体のモンスターから複数の融合モンスターを
   選択できるカテゴリー。あの《バブルマン》から生み出される融合モンスターはかなりの数だよ」

神通「必要なカードを手札に徹底的に集めて、選択肢に応じて融合を展開する。睦月ちゃんの基本戦術ですね。
   《融合徴兵》は融合カテゴリーでこそ活きるカード。融合特化であるあのデッキでは
   状況に応じた取捨選択ができる万能のサーチカードになります」

睦月「さらにもう1枚、魔法カード《E-エマージェンシーコール-》を発動! このカードはデッキから
   好きな《E・HERO》を手札に加えることができます! 加えるカードは《E・HERO クレイマン》です!」


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《E-エマージェンシーコール-》
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通常魔法
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(1):デッキから「E・HERO」モンスター1体を手札に加える。
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睦月「そして《沼地の魔神王》を手札から捨てて効果起動! デッキから魔法カード《融合》を手札に!
   お願い、私に融合の導きを! 『スワンプ・コール』!」

???≪今日の睦月ちゃんはずいぶん調子がいいみたいね。もう融合に必要なカードがそろっちゃったわ≫

吹雪≪あのサーチ速度と手札の動き方こそ睦月ちゃんの真骨頂ですね。あの組み合わせから想定される融合先は
   ざっと三種類……先行という攻撃できない状況下でのベストアンサーは≫

夕立「この状況だと、さっき見せたあのカードがベターってところっぽい!」


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《沼地の魔神王》
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効果モンスター
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星3/水属性/水族/攻 500/守1100

(1):このカードは、融合モンスターカードにカード名が記された融合素材モンスター1体の代わりにできる。
その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。
(2):自分メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。
デッキから「融合」1枚を手札に加える。
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睦月「すぅ……よしっ。お願い、HERO……! 私に、みんなを守る力を! 私は魔法カード《融合》発動!」

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《融合》
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通常魔法
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(1):自分の手札・フィールドから、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
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睦月「このカードは、手札またはフィールドの複数モンスターの力をひとつにして、大きな力を導くカード!
   そして《E・HERO》は、その身に宿すエレメンタルが合体することで、無限の可能性を見せてくれる
   私のエースたち!」

睦月「手札から、さっきデッキから手札に加えた《バブルマン》と《クレイマン》を融合!
   融合して! 無限のエレメンタル! 強硬なる肉体と、止水の意思を今ここに!
   融合召喚! 番兵の戦士《E・HERO マッドボールマン》!!」


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《E・HERO マッドボールマン》
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融合・効果モンスター
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星6/地属性/戦士族/攻1900/守3000

「E・HERO バブルマン」+「E・HERO クレイマン」
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。
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《融合》
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通常魔法
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(1):自分の手札・フィールドから、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
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睦月「このカードは、手札またはフィールドの複数モンスターの力をひとつにして、大きな力を導くカード!
   そして《E・HERO》は、その身に宿すエレメンタルが合体することで、無限の可能性を見せてくれる
   私のエースたち!」

睦月「手札から、さっきデッキから手札に加えた《バブルマン》と《クレイマン》を融合!
   融合して! 無限のエレメンタル! 強硬なる肉体と、止水の意思を今ここに!
   融合召喚! 番兵の戦士《E・HERO マッドボールマン》!!」


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《E・HERO マッドボールマン》
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融合・効果モンスター
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星6/地属性/戦士族/攻1900/守3000

「E・HERO バブルマン」+「E・HERO クレイマン」
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。
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>>25
※二重投稿訂正


【睦月の手札:□□ - ■■■】


睦月「このHEROは、HEROの中で最も堅牢な肉体を持つカード! 私は守備表示でフィールドに出します!」

吹雪「壁、か……」

???≪先行ではベターな選択ね。そして、あのデッキの特徴は『戦士族統一』であるということ。
   おそらくあのカードが出てくるわね≫

睦月「さらに装備魔法カード発動! 装備魔法《最強の盾》!」


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《最強の盾》
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装備魔法
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戦士族モンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターの表示形式によって以下の効果を適用する。
●攻撃表示:装備モンスターの攻撃力は、その元々の守備力分アップする。
●守備表示:装備モンスターの守備力は、その元々の攻撃力分アップする。
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はいはいアブゼロアブゼロと思ったらまさかのアニメ産か
期待するしかないじゃないか

夕立「睦月ちゃんのお気に入りの1枚が早速発動したっぽい!」

神通「最強の盾、名に恥じず、戦士族モンスターの最強格装備魔法カードですね。
   睦月ちゃんは新しい子が入ってきてスイッチが押されたみたい」

那珂「最近やっと前の調子が戻ってきたしね。これがいい刺激になるといいなぁ。
   センターで輝くのはもちろん、バックダンサーをしっかり管理するのもアイドルのお仕事だもんね!」

吹雪「もうきた……っ! 初速が予想以上っ」

睦月「《最強の盾》は戦士族にのみ持つことを許された伝説の武具! 装備モンスターの表示形式によって
   その効果を変化させます! 《マッドボールマン》は守備表示! よって《マッドボールマン》の守備力に、
   そのカードの攻撃力を追加! よって――」


【マッドボールマン守備力:3000 + 1900 ⇒ 4900】


睦月「守備力4900! さらに攻撃表示の場合は、攻撃力プラス守備力の数値に! つまりは攻撃力も実質4900となります!」

神通「伝説として轟いている《青眼の白龍》や三幻神を優に超える攻撃力と守備力――これがHEROの爆発力、その一端」

夕立「守備力4900はさすがに突破しづらいっぽいー! たまーにだけどあのデッキでワンショットキルを決めてくるから
   中々侮れないっぽい!」

睦月「私は魔法・罠ゾーンにリバースカードを1枚セット。先行は攻撃ができません。このままターンエンドです!
   さぁ、来てください――なんとか受け止めて見せますっ!」

――睦月――
【手札】なし

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示
○《E・HERO マッドボールマン》(《最強の盾》装備)

【魔法・罠】
・《最強の盾》
・セットカード×1


睦月(吹雪ちゃんには悪いけど、ほぼ理想的なスタートが切れた。セットカードは《融合準備》。融合召喚は
   手札の消費が荒いのが弱点だけど、リカバリーも万全。4900の壁を打ち崩すのにある程度力は削げるはず……!
   この状況で――どうくるの?)

【2ターン目】


吹雪「そして後攻の私のターン――」

吹雪≪――あまり時間はかけたくないの。だから速攻で決めるわ≫

???≪わかったわ……けど、いいの? せっかく睦月ちゃんと久しぶりにデュエルできるのに≫

吹雪≪まだやらなくちゃいけないことも残ってるし――みんなに――……ううん、なんでもない≫

???≪わかった。けどあまり無茶はしないでね。それに、あまり派手にやると、ほかの子から注目されちゃうかもだし≫

吹雪≪もう慣れたから今更だよ。――よし≫

吹雪「ごめん、睦月ちゃん」

睦月「ふぇ? ……吹雪ちゃん?」

吹雪「一度デュエルになったら――相手が誰でも、容赦はできない」キッ

睦月/神通「!?」ビクッ

睦月(――な、なんで? 今一瞬、吹雪ちゃんが――すごい、恐かったようなっ)

神通(今の気配はいったい……? 私が戦闘以外で身構えちゃうなんて、一体……)

那珂「おやおや? もしかしてあっちも本気モード突入?」

川内「……」

夕立「な、なんだか無駄に緊張感が漂うっぽいぃ?」

吹雪「私のターン――ドローッ!!」シャキンッ

吹雪「スタンバイからメインフェイズへ! 私は魔法カード《真紅眼融合》を発動!」

那珂「あっちも融合カード! けど見たことないカードだよあれ!?」

夕立「いや待って! 名前に『真紅眼』ってあるっぽい! これって確か――」

神通「真紅眼――吹雪ちゃんのデッキは、『レッドアイズ』!?」

睦月「私でも知らない融合のカード……!?」

吹雪「このカードは、レッドアイズのために作られた専用の融合! 『レッドアイズ』と名のついた
   モンスターを素材とする融合モンスターのみに使用可能な魔法カード!」

吹雪「このカードを使用するターンは、このカードの他の特殊召喚は出来なくなるけど――
   このカードは自分の手札・フィールド、そしてデッキから融合素材を墓地へ送り、融合することができる!
   私はデッキに眠る《真紅眼の黒竜》と《メテオ・ドラゴン》を融合する!!」


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《真紅眼融合》
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通常魔法
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「真紅眼融合」は1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、
自分はこのカードの効果以外ではモンスターを召喚・特殊召喚できない。
(1):自分の手札・デッキ・フィールドから、
融合モンスターカードによって決められている融合素材モンスターを墓地へ送り、
「レッドアイズ」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を
エクストラデッキから融合召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターのカード名は「真紅眼の黒竜」として扱う。
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睦月「にゃ!? デッキ融合って、そんなのありぃ!?」

夕立「それに普通に取り出してきたけど、《真紅眼の黒竜》って公式使用可能レプリカでも相当な値段する
   レアモンスターっぽい! 実戦で出されているのは正直初見っぽい!」

那珂「可愛さには欠けるけど、エンターテイメントでファンサービス80点ってところかな!」

川内「あれが特型駆逐艦の切り札、か」

吹雪「レッドアイズよ、幾多に連なる可能性を昇華し、進化の軌跡を顕現せよ!
   《真紅眼の黒竜》と《メテオ・ドラゴン》でレッドアイズ・フュージョン!!
   求めるは奇跡! 奇跡の翼を広げ、運命に繋がれし鎖を焼き尽くせ!!」

吹雪「融合召喚! 奇跡の焔《メテオ・ブラック・ドラゴン》!!」


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《メテオ・ブラック・ドラゴン》
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融合モンスター
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星8/炎属性/ドラゴン族/攻3500/守2000

「真紅眼の黒竜」+「メテオ・ドラゴン」
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睦月「これが、真紅眼の融合体……っ!!」

???≪さーて、睦月ちゃん。初日の挨拶にしてはちょーっと熱すぎる礼だとは思うけど――覚悟しておいてね≫

吹雪「《真紅眼融合》によって融合召喚されたモンスターは例外なく《真紅眼の黒竜》として扱われる。
   よって今このフィールドにいるのは、攻撃力3500の《真紅眼の黒竜》!」

睦月「訓練用のソリッドビジョンなのになんて威圧感なの……! け、けど、私だって負けられないもん!
   攻撃力3500じゃ、私の《マッドボールマン》には到底追いつかないんだから!」

吹雪「追いつく必要なんてない! 私はすべてを焼き尽くすだけ! 私は手札から魔法・罠ゾーンに
   カードを1枚セット! そして魔法カード発動! 必殺《黒炎弾》!!」

睦月「そのカードは!?」

神通「黒炎弾――レッドアイズの必殺技!」

吹雪「このカードは《真紅眼の黒竜》専用のサポートカード! レッドアイズのバトルを放棄する代わりに、
   もともとの攻撃力分のダメージを相手に直接与える!」

夕立「つ、つまり――そっか! 今《メテオ・ブラック・ドラゴン》は《真紅眼の黒竜》になってたっぽい!
   そのまま3500のバーンダメージ!?」

那珂「ダイレクトアタックと同じじゃんそれぇ!?」

吹雪「まだ終わらない! 通常魔法の発動にチェーンをつくり、速攻魔法《連続魔法》を発動!
   残りの手札を全てコストとして捨てることで、発動した魔法カードと同じ効果を得る!
   つまり、《黒炎弾》は二回発動される!!」


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《黒炎弾》
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通常魔法
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自分フィールド上の「真紅眼の黒竜」1体を選択して発動する。
選択した「真紅眼の黒竜」の元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
このカードを発動するターン「真紅眼の黒竜」は攻撃できない。
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《連続魔法》
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速攻魔法
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自分の通常魔法発動時に発動する事ができる。
手札を全て墓地に捨てる。
このカードの効果は、その通常魔法の効果と同じになる。
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【吹雪の手札】 - ■■ - ■ - ■ - ■ - ■
【墓地】 ← 《金華猫》《真紅眼の飛竜》


睦月「つ、つまり、3500ダメージが2回で――7000ダメージ――!?」

吹雪「魔の鎖を打ち砕け!! 『メテオ・ツイン・ブラストフレア』!!」

睦月「きゃあああっ!?」


【睦月LP:8000 - 3500 - 3500 ⇒ 1000】


睦月「う、うぅ……っ!」

夕立「ちょーピンチっぽい!? だ、だけどまだLPは1000残ってるっぽい! それに、肝心の
   《マッドボールマン》はまだ装備カードを残して健在のまま!」

神通「ええ、持ちこたえたでしょうね――『普通』なら」

吹雪「《黒炎弾》の使用ターン、レッドアイズは攻撃できない。このままターンエンド」

睦月「まだ、まだ大丈夫……っ! LPも、ドローもある。セットカードだって! まだ可能性があるなら!
   私は――あきらめてたまるもんか!」


【3ターン目】


睦月「私のターン、ドロー! お願い、答えて、私のヒーロー!」ビシィッ

睦月「っ!」

睦月(引いたのは――《戦士の生還》! やった! これで《クレイマン》を呼び戻して、HEROと融合をすれば――)

睦月「メインフェイズに突入! 私は――」

吹雪「……運命は、常に導火線につながれている」

睦月「――え?」

吹雪「いつ爆ぜるかも分からない運命に抗おうと、いつか必ず、それは音を立てて爆発し、焔を撒き散らし、
   そして周りを焼き尽くす。――誰も気がつかないうちに」

???≪吹雪ちゃん……≫

吹雪「メインフェイズ時、リバースカードをオープン! 罠カード発動! 《火霊術-「紅」》!!
   自分フィールド上に存在する炎属性モンスター――《メテオ・ブラック・ドラゴン》をリリースし効果発動!
   リリースしたモンスターの攻撃力分のバーンダメージを相手に与える!!」

睦月「ウソ……? 黒炎弾だけじゃなくて、トラップの引導火力だなんて――!?」

吹雪「導火線に火が着いたなら、後は燃えて無くなるのみ! 必殺の『メテオ・フレア・バーストォ』!!」

睦月「きゃあああああ!!」


【睦月LP:1000 - 3500 ⇒ LOSE】

【吹雪 WIN】

吹雪「訓練モード終了――睦月ちゃん」

睦月「あっ。えーと……あはは、吹雪ちゃん強いんだねぇ。まさかこんなあっさり負けちゃうなんて」タハハ

吹雪「……ごめんね」

睦月「えっ……?」

吹雪「……ちょっと離れますね。すぐに戻るって神通さんたちに伝えてください」

睦月「……吹雪ちゃん……?」

タッタッタッタ

川内「……ほぼワンターンキル。それもあんな派手なバーンダメージを駆使して、か」

神通「睦月ちゃんのプレイングは、完璧とはいえないけど合格点をあげられるものでした。
   相手がそれを真正面から叩き潰しただけ――あれぐらいの実力者なら、もう他の鎮守府でエースとして
   活躍していてもおかしくないはずなのに」

夕立「睦月ちゃん! だいじょーぶっぽいー!?」

睦月「だいじょうぶだよぉ。実戦じゃなくて訓練用のソリッドビジョンだしぃ。けど――あーあ、負けちゃったなぁ」

神通「お疲れ様。……あれ? 吹雪ちゃんは――?

睦月「少し離れて、すぐに戻るって……用事でも思い出したのかな」

睦月(けど、それにしては様子が――)

那珂「うぐぐぐぐっ! 艦隊デュエリストアイドルを目指す那珂ちゃんとしては、びみょーに出番が食われそうで
   もしかしてのもしかして、アイドル的なピンチ!?」

神通「多分その心配はいらないんじゃないかな……?」

夕立「けどかなり強かったのは見てのとおりっぽい。帰ったらもう一度デッキ調整しないといけないっぽいぃ」

睦月(……負けちゃった。――『もうああならないように』何回も調整してるのに、それでも)

神通(やっぱり、吹雪ちゃんのことが少し気になる。秘書官に聞いてみれば何か分かる……?)


【艦隊運用資料室】

吹雪「――あった。いつも通りの場所に」パラパラ

如月≪安心して確認できる時間はここぐらいだものね。この後は作戦行動で人の出入りが激しくなるし――≫

吹雪「本来は立ち入り禁止ですし仕方ないです。加古さんが昼寝して鍵をし忘れている時間なんてここぐらいですし――」

吹雪「……そして名前も。やっぱりこれも同じなんだ」

???≪でしょうね。『轟沈者リスト』に名前がなかったら、こんな状態になっていないもの≫

吹雪「それじゃあ睦月ちゃんはまだ……」

???≪……言えた義理ではないけれど、睦月ちゃんのこと、またお願いできるかしら。私が唯一遣り残したことだから≫

吹雪「……分かってます。『如月ちゃん』。あなたがこうして、私にしか見えない魂になってるのも、きっと運命だから」

如月≪運命、か……今やってることは、運命に従った結果なのか、抗った結果なのか≫

吹雪「答えを出すにはまだ早いですよ――たかが、たかが――数回、『最悪な結果』を経験しただけですもの」

【秘書艦室】

長門「――特型駆逐艦一番艦の経歴資料か」

神通「これから教導する上で、何か役に立つと思ったので。どれくらいの実力を持って、かつどれほどの能力適正なのかを
   まずは十分に理解しませんと」

長門「理由としては正当に値する。だが閲覧許可については提督も言及は――」

陸奥「つまり禁止もされてないってことでしょ? だったら気にすることないじゃない。ほら、これが吹雪ちゃんの資料」

長門「……まぁ、事後報告になるのは、向こうの都合上仕方なしか」

神通「ありがとうございます――」パラパラ

神通「……これ、本当ですか?」

陸奥「虚偽報告があったら作成責任者は吊るし上げされてるはずだけれど?」

神通「……実戦経験ゼロ。しかもデュエルモンスターズ自体も初心者……?」

長門「不躾とは承知だったが、先ほどのデュエルを見せてもらった。――正直、あれはどう見ても初心者の動きではない。
   デッキ構築もそうだが、一端の初心者が世界でもレア中のレアとされるレッドアイズを持っているかなど、
   理由は想像つかんな」

神通「睦月ちゃんはまだ発展途上ではありますけど、プレイングもここ最近で完璧に近づきつつあります。事実、
   今回の動きはいい流れでした。それを一気に覆したのが、初心者である吹雪ちゃん……」

長門「ふむ……」

陸奥「うーん……はい、ここからは私的な意見になるんだけどね」

長門「なんだ?」

陸奥「二人とも、仕事一辺倒で、難しく考えすぎてない? 個人の事情がどうであれ、結果を見れば
  『第三水雷戦隊にデュエルが強い特型の駆逐艦が入ってきた』だけなんだから。それって喜ばしいことじゃないかしら?」

長門「――ふぅ。確かに、大規模作戦前に少々息が詰まっていたかもしれんな。確かに、戦力として期待できるなら、
   これ以上うれしいこともない。なるほど、純粋に喜ばしいことだったな」

神通「あの調子なら、教導も次の作戦までに間に合いそうですしね。失礼しました。それでは夕刻の終了業務に戻りますね」

長門「ああ――そうだ。ひとつだけ……睦月の様子はどうだ?」

神通「……いつも通り。表側は。けど人気のない時間、よく海を見て、じっとしています。普段の調子はやっと
   戻ってきたと思いますが……」

長門「……そうか。戻っていいぞ」

神通「はい。神通、夕刻業務に戻ります」ガチャッ バタン

陸奥「――煮詰めすぎると折れるのは、睦月ちゃんだけじゃなくてあなたも一緒よ。あれからもう一ヶ月じゃないの」

長門「分かっている。分別は出来ているさ」

長門(――次の海域は、事前情報から『姫級』の存在兆候が確認されている。今出来ることは、如月の二の舞は
   ださまいと準備するのみ、か)

~~~~~


【海の見える場所】

睦月「……如月ちゃん。今日ね、すごい子が入ってきたんだよ」

睦月「吹雪ちゃんっていう子でね。特型駆逐艦の一番艦さんなの。けど、同じ一番艦な私と違って、すごく強くてね」

睦月「すごい貴重なカードを持っててね。それで、全然知らないカードも器用に使って」

睦月「――吹雪ちゃんがあの時いたら、もっと違ってたのかな?」

睦月「私じゃなくて、私『なんか』じゃなくて。吹雪ちゃんみたいに、強くて、凛々しくて、頼もしくて――」

睦月「……たはは。だめ、だよね。先輩がこんな愚痴みたいなこと言ってちゃ。もうすぐ大規模作戦なのに」

睦月「そうそう! 次はちゃんと頑張って、がんばって、ガンバッテ……」

睦月「――みんなを守らないと。そのための、みんなを守れる」

睦月「誰かが助けを求めたら、すぐに助けに行ける。そんな『HERO』になるために私は負けられない」


[次回予告]


睦月「私は――まだ、足りない……!」

神通「睦月ちゃん……」

~~~

夕立「駆逐艦と軽巡洋艦で課外授業っぽい?」

吹雪「課外授業、ですか……?」

暁「軽巡の人はみんな個性的な人ばかりだから、テンションに呑まれないよう気をつけなさいよ?」

~~~

那珂「アイドルはどこでも輝けるんだよー! きらーん☆」

大井「ほーんと、尻軽女は媚売りで大変だこと」

那珂「ちょっと! 那珂ちゃんのスリーサイズが貧弱だっていうの!?」

北上「微妙に話が噛み合ってないねぇ」

~~~

如月≪今までにないパターンが多い――これってつまり≫

吹雪「『今回は』何かが違うっていうの……?」

~~~

那珂「那珂ちゃん! オン・ステージ!」

夕立「ふふん♪ それじゃっ――素敵なパーティしましょ?」


[次回:課外授業っぽい?]


那珂「じゃじゃーん! 那珂ちゃんついにレギュラー獲得! 次回予告後の色々補足コーナー!
   このコーナーは那珂ちゃんスマイルでみんなを元気にするコーナーだよ!」キラーン

神通「うちの姉がすいません、すいません」ペコペコ

那珂「それで実際、ここってなんのために用意された場所なの?」

神通「はい、ここでは作中で使用されたデッキやカードの補足説明や、お目汚しにならない程度の
   裏話をさせていただこうかと」

那珂「なっるほどー! つまり『今週のカードはこれ!』的なあれだね!」

神通「方向性は合ってる、かな……? それでは今回は最初ということで、主人公である吹雪ちゃんと、
   今回の相手だった睦月ちゃんのデッキを見てみましょうか」

那珂「まずは睦月ちゃんから! これはもう説明不要! みんな大好き《E・HERO》デッキだよね!
   最近じゃ漫画から出た新しいHEROカードだったり、ストラクチャーデッキが発売されたりで、
   今ではすっかりガチデッキの仲間入り!」

神通「なんですが、睦月ちゃんの場合は原作である『遊戯王GX』で初期から活躍し続けた、正統派HEROデッキですね」

那珂「確か《M・HERO》も《V・HERO》も入ってないんだっけ? 俗に言う『属性融合HERO』も四属性を1枚まで
   抑えた、まさに初期HEROデッキが原型だね!」

神通「ほとんど使われない《マッドボールマン》がいる時点で色々とお察しですね……。デッキとしてはシンプルで、
   フェザーマンやバーストレディをはじめとする通常モンスターHEROの融合を繰り返すデッキになっています。
   《融合回収》や《融合準備》、そして《闇の量産工場》といったサルベージ・サーチカードをところん使用して融合する」

那珂「デッキのギミックとして、こうバーっと展開してドーンと叩き潰す! っていう感じじゃないけど、
   ファンデッキとしては安定してる部類じゃないかな? 《融合》さえ手札に入ればすぐに融合召喚できるしね!」

神通「構築としては、必然的に戦士族統一となるので、それに絡んだカードも入れてますよ。《最強の盾》はその一例ですね」

那珂「あれって油断していきなり飛んでくるとびっくりするんだよねぇ。普通に4000打点から5000打点が望めるし。
   とりあえずデッキ内容はそんなシンプルなものだし、睦月ちゃんはこれぐらい?」

神通「ですね、次は吹雪ちゃんのデッキ、《真紅眼の黒竜》デッキになります」

那珂「バーンダメージでほぼワンターンキル決めてたけど、あれってさすがに出来すぎじゃなぁい?」ジトー

神通「特に《連続魔法》の流れ辺りのことを言っていますかね? 確かにあれはディスアドバンテージが大きい
   コンボ向けカードといえるものですが――実はピン刺しでも入れておくと面白い動きをしてくれるんですよ」

那珂「ほぉほぉ、たとえば?」

神通「魔法カードの再利用法としては、魔法カード自体を回収する《魔法石の採掘》。魔法カードが自動でサルベージされる
   《マジック・キャプチャー》がありますが、《連続魔法》はカードを回収するのではなく、効果をコピーするだけ。
   コスト自体を無視できるのもそうですが、あれと《真紅眼融合》とを組み合わせることで、真紅眼融合の効果が2回使えます」

那珂「えっ、だって1ターンに1度だけなんでしょ? あの魔法って」

神通「ええ、『発動は』1ターンに1回です。効果のコピーはコピーであって発動ではないんです。正直ややこしいのは
   分かりますけどね……それに《真紅眼融合》自体は未発売なので、それができると断言はできないのですが。
   テキスト上なら問題ないはずなんです」

那珂「まぁでもそれはそれ! 《黒炎弾》使いまわしっていうのはロマンの一種だよね! 今までは2400打点しか出なかったけど、
   《真紅眼融合》のおかげでワンショットの火力が実現可能になったんだし!」

神通「ですね、ポジティブに捉えましょう。今度発売される新パックにはレッドアイズの関連強化カードが
   大量追加されることですし。一応現時点で出ているレッドアイズ関連カードは全部出す予定ではいます」

那珂「長い道のりだねぇ……」

神通「古参方々はこの日をどれだけ待ちわびたか……それと比べれば全然です。まさか今さらになってヘルモスやらロードレッドやら
   ぽんぽんわんこそばのように出てくるとは誰も思わないですよ」

那珂「ほらほら姉さん! 話! 話それてる! えーと、今回の吹雪ちゃんデッキの動きはどちらかというと変則的で、
   本来の動きをするのは次あたりじゃないかなーって! まだまだ主軸カードがお披露目されてないしね!」

神通「まだ吹雪ちゃんと睦月ちゃんは説明しやすかったものの、夕立ちゃんのデッキは色々と特殊ですしねぇ……
   とりあえず今回はここまで」

那珂「それじゃあ最後に簡易的なキャラ総ざらい!」


・吹雪
第三水雷戦隊に新しく配属された新人。
新人だけど色々と怪しい。デュエルの実力も高い。
後、笑顔をまったく見せない。たまに眼光が戦艦レベル。
雰囲気がちょっと恐い駆逐艦です。

・如月
マジアストラル。轟沈されたんだけど……?

・睦月
アニメと違い、吹雪が来る一ヶ月前に如月轟沈を経験。
おかげで精神的に立ち直りきれてない。

・夕立
アニメとあまり変わらず。デュエルが絡むと血気盛んに。

・川内
デュエルと夜戦に目がない。

・神通
アニメではまだおとなしかったけど、
デュエルに冠しては鬼教官と呼ばれる。
ン熱血(ry

・那珂
目指せ艦隊デュエリストアイドル。

今回はここまで、お付き合いありがとうございました

乙、やっぱり吹雪は真紅眼か

XYZ軸「モンスターいっぱい展開するよ! 魔法罠もそこまで圧迫しないから色々な状況に対応できるよ!」
融合軸「いっぱい貰ったサポート駆使して手札融合、龍の鏡で強力なモンスターを立たせるよ! デュアルは置いてきた」
バーン軸「[ピーーー]」

某所から引っ張ってきた真紅眼のイメージ

乙。吹雪繋がりで真紅眼なのね

http://i.imgur.com/2VHNSy5.jpg

乙乙

真紅眼融合使う場合はデュアルじゃない方がやりやすいってのがなぁ
デュアルドラゴンの生きる道はどこだ

乙っぽい!
《真紅眼融合》を《連続魔法》でコピーしても、《真紅眼融合》の「このカードを発動するターン、自分はこのカードの効果以外ではモンスターを召喚・特殊召喚できない。」があるから、《平行世界融合》と同じ裁定なら《真紅眼融合》に《連続魔法》を発動しても《真紅眼融合》の効果でしか融合召喚できないっぽい?(無知

>>53
>>54
吹雪「JOIN!」キラーン

>>56
金剛「榛名!ダークシグナーだった頃の榛名はもっと輝いていたデース!」

>>57
悪魔竜の方がバーン狙いとしては安定してますしねぇ……いっそデュアル軸のドラゴンデッキにおひとつ

>>58
神通「なるほど、効果ではなくその効果を持つそのカードを対象に扱うのですね……」

那珂「やっぱりややこしいよぉ!早く発売してー!」

神通「こればかりは公式の質問待ちですね」

>>61
多分だけど、特殊召喚できない効果は効果ではないけど、発動が無効にされない限りは《真紅眼融合》の特殊召喚できない効果が優先されるのかな?
《連続魔法》は《真紅眼融合》にチェーンする形で発動するから、《真紅眼融合》の発動を許してしまうのでチェーンで逆処理が入っても特殊召喚できない効果が優先されると思うっぽい

>>62
那珂「まるでわけがわからんぞ!」

神通「つまり、発動を許した時点で召喚制限を適用するのでは? ということですね」

那珂「テキストだけでわからないことが多すぎる、さすがデュエルモンスターズだね!(思考放棄)」

吹雪(あきらめて普通に《魔法石の採掘》でいいような気がしてきました……)

夕張はサイバーだよな?な?

装備を積むといい気持ち→積み上げる幸福→チェンバ、とか

装備を積むの時点でどう考えてもベンケイ

装備と言えばヴァイロン(適当

阿修羅を装備したらだいたい終わるという意味でホープとか(適当

>>64
>>65
>>66
>>67
>>69
夕張「ちょうど次回で顔が出るらしいけど、まぁお楽しみにしておきなさい!」

夕立「装備魔法関係なのは間違いないっぽいー」

~~~~~

???「――みんなと、いっしょに、楽しく過ごしたかっただけだったのに……なんで、こうなっちゃったのかな?」

吹雪「う、ぐぅっ……」

如月≪なんなの、この強い闇の力――今までの中で、一番深く、強い闇を感じる……っ。
   どれだけ悲しんで、どれだけ苦しんだのか……一体≫

???「けどわかっちゃったから仕方ないよね? 自分ではない誰かが輝いてる限り、誰も振り向いてもらえない。
   いつか見捨てられるの。だってそうでしょ? 艦娘は艦娘だもん。――アイドルなんかじゃないもん」

吹雪「け、けどあなたは! それでもっ! 誰かを笑顔にできる人で――それができる人、だったはずなのに」

???「――みんな誰でも、きらきらに輝いてる『希望』を持ってる。けれど、それってあっけなく潰されちゃうものなの。
   でもねでもね、それって決して悪いことじゃないかなーって、私、気づいちゃったんだ」

如月≪だめよ吹雪ちゃん! もうああなったら最後、あなたの言葉は――≫

???「『希望』はすぐに砕かれて、『絶望』になる。――けど、光輝く『希望』が砕けた時、人はもっともーっと、
   綺麗で、輝く顔を見せてくれるの。それをみんなに与えてあげるのが……私の『ファンサービス』かなってぇ!!
   私の受けた痛みと苦しみと悲しみ、全部受け取って! 『ファイナル――」」

~~~~~

<―第三水雷戦隊の部屋―>

吹雪「っ!!」ガバッ

吹雪「……また、見ちゃった」

如月≪――また『夢』を見たのね?≫

吹雪≪如月ちゃん……うん。『前』の時の夢……≫

如月≪気にしてはだめ……と簡単にはいえないわね。ああなっちゃう可能性だってあることを知ったんだもの。
   どんな人でも、心の闇は持っているものなのよ≫

吹雪≪――それに慣れてきちゃってる私は、ある意味おあいこなのかもね≫

如月≪こーら。そうやってすぐ自分を引き合いに出してうじうじする。だめよ、最近の悪い癖≫

吹雪≪……気分が落ち込んでるのかもね。ちょっと外に出ようか≫

如月≪さんせーい♪ とはいっても、まだ夜が明けたばかりなんだけどねぇ≫


[第二話:課外授業っぽい?]

~~~~~


<―弓道場―>

赤城「……」

赤城「――ッ!」パシュンッ 

ッタン!

赤城「……うん、上々ね」

ッダァン ダンッ バシュンッ!

赤城「あら? こんな時間から訓練場の方から音が聞こえるなんて……」

~~~~~


<―訓練場―>

吹雪「いち、に、さんっ」

ダンッ ダンッ バシュンッ

吹雪「――にじゅうきゅう、三十!」

ッゴォン!

如月≪30秒で仮想標的11体撃破。艦娘としての技量も回数を重ねるたび、みるみる成長してるじゃない≫

吹雪「他の子より時間があっただけだもの。嬉しくはないわ……」

如月≪その割には、毎日欠かさず朝練してるみたいだけど?≫

吹雪「……『前』からの癖みたいなものよ」

赤城「――あら? 知らない顔だわ」

吹雪「っ! あっ……赤城、さん」

赤城「駆逐艦だから……昨日着任したっていう新人さんかしら?」

吹雪「挨拶が遅れて申し訳ありません。特型駆逐艦一番艦、第三水雷戦隊所属となります、吹雪です」ビシッ

赤城「そんな堅くならなくてもいいわよ。それに着任して翌日に朝の鍛錬なんて、努力家なのね」

吹雪「長門秘書艦からは使用許可をいただいているのでご心配なく」

赤城「別に咎めに来たわけじゃないから気にしないで。ところで――」

吹雪「……すいません。もうすぐ始業の用意をしなければならないので。勝手ながら失礼しても
   よろしいでしょうか」

赤城「あっ。ええ、私は大丈夫だけれど――」

吹雪「失礼します」タッタッタッタ

赤城(――急いで行ってしまったわ。いきなり会って驚かせてしまったのかしら)

赤城「それよりも……誤射の跡ひとつもなし。私が様子を見に来るまでの短時間でここまで。
   前はどこの所属だったのかしら」

赤城「うん、新人さんに負けてられないわね。後片付けを終えたらデッキの調整もしておかないと。
   また入渠で時間をかけてしまいましたし……」タハハ

~~~~~

吹雪「……」

如月≪……まだ、前のこと気にしてるの?≫

吹雪≪――気にするに決まってるよ。だって……≫

如月≪とはいっても、あの態度はちょっと怪しかったんじゃないかしら。赤城さんはそういうとこを
   気にする人じゃないってことはわかるけど≫

吹雪≪やっぱり駄目。会うたびに思い出しちゃう。――全部が終わるまでは胸を張って顔なんて合わせられない≫

如月≪もぉ、睦月ちゃんもそうだけど、あなたも相当手がかかっちゃうわね。そういちいち落ち込まないの。
   胸を張って顔を合わせられるように、『ここ』にやってきたんでしょ?≫

吹雪≪そう、だね。――休憩室でデッキの調整でもしようか。如月ちゃん、手伝って≫

如月≪はーい♪≫


~~~~~

<―教室―>

睦月「えっ? それじゃあ、吹雪ちゃんもう朝練行ってきたってこと? だから朝起きても
   姿が見えなかったんだ……」

夕立「なんだか川内さんが訓練場で姿を見かけたっぽいー。それこそ川内さんが、夜終わって朝に寝る時間
   の前に居たってことだから――よっぽど早起きさんっぽい?」

睦月「そうなんだ……」

睦月(吹雪ちゃん、あれだけ強いのにそれでもまだ――)

睦月「けど部屋にも戻ってこなかったし、もしかしたら直接教室の方に――」

ガララッ

暁「ぐ、ぐやじくないもぉん……レディだから泣かないんだもんぅ……!」

夕立「あ、あれぇ……え、えっと、なんだか教室に入るタイミング悪かったっぽいぃ?」

睦月「あ、暁ちゃん!? どうしたの、教室でなんで大泣きしてるの!?」

響「暁、気にしないほうがいい。あれは俗に言う衝突事故のようなものだ」

雷「今回ばかりはもう同情するしかないわねぇ……」

吹雪「……その、えと、ごめんなさい」ショボン

電「はわわ!? そ、そんな吹雪さんは気にしなくていいのです! たまたまそうなっただけですし!」

夕立「す、すごい混沌としてるっぽい……? というか、一体全体なにがあったの?」

雷「それがね――」

~~~~~

雷「あなたが新しく入った特型駆逐艦なのね!」

吹雪「はい。一番艦の吹雪です。これからこの鎮守府で学業、本業を共にします。
   どうぞよろしくお願いしますね」

響「丁寧な挨拶、スパシーバ。暁型の次女、響だ」

雷「同じく三番艦の雷よ! 『かみなり』じゃなくて『いかずち』だからそこのとこよろしく!」

電「四番艦の電なのです。み、みんなで仲良く一緒にがんばりたいのですっ」

吹雪「はい、お互い――」

雷「ねぇねぇ! それよりも聞きたいことがあるんだけど!?」キラキラ

吹雪「ふぇっ? ど、どうしたんですか、いきなり……?」

雷「島風ちゃんから聞いたんだけどね、あの超まぼろしのレアカード《真紅眼の黒竜》を持ってるってほんと!?
  もしほんとだったら見せてほしいんだけど!」

響「雷、初対面の子に少し詰め寄りすぎだと思う」

電「お、落ち着いてなのです。確かに電も興味がないわけじゃないけどぉ」

吹雪(あの時のデュエル、いつの間に見られてたの!?)


島風「見てたのは私じゃなくて連装砲ちゃんだよ。私はそういうのあまり興味ないし」

連装砲ちゃん「~! ~~!!」ピョンピョン

吹雪≪そりゃ気づかないわけだよ……開き直ったはいいけど、まさかこんなすぐに注目集めちゃうなんてなぁ≫

如月≪あんな珍しいカード使ってたら、どうせすぐに噂は広まるものよ。あまり気にしないほうがいいわ≫

吹雪≪レッドアイズの他にもうひとつデッキを持っておくべきだったかなぁ……≫

吹雪「一応持ってはいるけど……見てもそんな面白くないと思いますよ? 公式使用可能なレプリカですし」

雷「けどけど! レプリカだけでもとんでもない値段するって聞くわよ! そもそもそのレプリカ自体が一部でしか
  流通していないわけなんだし!」

吹雪「それは確かにそうだけどぉ……」

???「それじゃあデュエルで見せるっていうのはどうかしら!」

響「少し遅かったね、暁」

暁「レディたるもの、髪のお手入れには時間をかけるものなのよ! 私が暁型の一番艦、暁よ!
  一番のお姉ちゃんなんだから!」

吹雪「どうぞよろしくお願いします――って、ええ、デュエルでですか?」

暁「別にデュエルフィールドが使えなくても、テーブルデュエルなら教室でもできるわ!
  それに、やっと私のデッキが完成したところだったのよ! ナイスタイミングってやつね」

電「あっ! あのデッキやっと完成したんだぁ!」

響「ハラショー。集めるカードがばらばらで時間がかかったが、いい出来にはなった」

暁「響の太鼓判ももらってるし、どうかしら? レディは新入りの子をスマートにエスカレートするものだしね!」

吹雪「それってたぶん、エスコートじゃないかな……?」

暁「……お、大人の女性特有のユーモアってやつよ! ほらさっさとデュエルの準備しましょっ!」

雷「締まらないなぁ……」

如月≪そういえば、暁ちゃんたちとはあまりデュエルしたことがないかも……。
   知っているのは、雷ちゃんと電ちゃんぐらいかしら?≫

吹雪≪確か雷ちゃんが『エレキ』で、電ちゃんが『電池メン』デッキでしたよね。普通なら雷族で来ると
   思っちゃうけど、カードが集めにくいってことは――決まったカテゴリーがないとか、かな?≫

如月≪そうなると、種族関係、属性関係。はたまたコンボデッキ? どちらにせよ、戦ったことのない相手だし、
   ウォーミングアップがてら、デュエルしてみればいいんじゃないかしら≫

吹雪≪そうですね。丁度デッキも調整したばかりですし、少し本気気味で――≫

吹雪「わかりました。まだまだ若輩者ではありますが、それ相応のデュエルを心がけさせていただきます」

暁「ふふん! 暁の出番ね、見てなさい!」

~~~~~

睦月「そ、そしてデュエルしたら、吹雪ちゃんが相手になにもさせずに後攻ワンターンキルを決めちゃって、
   こうなってるわけだね……」

暁「手札誘発のカードすらづかえないってどういうごとなのよぉ……! ちゃんと《バトル・フェーダー》も
  《虹クリボー》もあっだのにぃ……っ!」

響「暁のデッキは、効果ダメージへの対策があまりないのが弱点だからね……いや、そもそもあまり対策できるものでもないか。
  こればかりは相性と運の問題だよ、仕方ない」

夕立/睦月(きっと容赦なく《黒炎弾》使われたんだろうなぁ……)

如月≪あ、あらあら……あのデッキだったら《エフェクト・ヴェーラー》があればよかったのだけれどね……。
   これはもう事故よねぇ、確かに≫

吹雪≪そんな私を災害みたいな扱いしないでくださいよ!?≫

吹雪「そ、その……なんというか、ごめんなさい。知らないデッキ相手だったから、早く倒さないとなぁと思って……」

暁「ひぐっ、ぐじゅっ――つ、次は絶対勝つんだから! 次は私がワンターンキル決めてやり返してやるんだからぁー!」

雷「暁のデッキでできるのかなぁ……?」

響「3人のデッキビルド担当としては少し悔しいな。こうなったら私も付き合って――」

???「授業開始のベルが鳴ってもぉ~……」ゴゴゴゴゴゴ

夕立「あっ」

足柄「席に座らない子はだれだぁー!」

電「ぴゃああああ!?」

吹雪「……あっ! 朝の点呼の時間過ぎちゃってる!?」


~~~~~


足柄「――と、初日からバタバタした感じになっちゃったけど、新しくここの鎮守府に入ってきた吹雪ちゃんです。
   私の元で授業を受けるからには、びしっとばしっと指導するから覚悟なさい?」

吹雪「はいっ」

吹雪≪とはいっても、座学に関してはほぼ完璧になっちゃったし、どうしようかな……≫

如月≪元々、勉強できる子だったもんね。どうせなら私に勉強教えてくれてもいいのよ?≫

吹雪≪そ、それもそれで微妙におかしいような……?≫

足柄「ということで! 吹雪ちゃんの新編入もあるし、今日はちょっと違う授業をしたいと思うの。
   各自、自分のデッキと訓練用のデュエルディスクを持って、外の訓練場に集まって頂戴」

吹雪「……?」

~~~~~

<―訓練場―>

夕立「駆逐艦と軽巡洋艦で課外授業っぽい?」

吹雪「課外授業、ですか……?」

雷「足柄さん、いつも以上に機嫌がよかったけどこういうことだったのね。機嫌よくなかったら
  今頃誰かにチョークが飛んでるところよ」

暁「軽巡の人はみんな個性的な人ばかりだから、テンションに呑まれないよう気をつけなさいよ?」

睦月「艦娘で個性的じゃない人もそれはそれで少ないような気がするけどね」

如月≪それにしても、こんな季節に課外授業なんて……私たちでも知らないパターンね。
   どう思う? 吹雪ちゃん。今までにないパターンが多い――これってつまり≫

吹雪≪『今回は』何かが違うっていうの……? けど悪い予感は今のところ感じないし、
   それに軽巡の人たちに相手になってもらうことは悪いことじゃないと思う≫

如月≪ふふっ、久しぶりに新鮮味を感じるわ。せっかくだし今日ぐらいは楽しみましょ?≫

吹雪≪楽しむ、っていわれてもなぁ……≫

島風「ほらほら、みんなおっそーい! もう軽巡の人たちそろってるよー!」

夕立「さすが島風ちゃん、デュエルのことになると一目散っぽいー」

足柄「よーし、駆逐艦の子たちも全員そろったみたいね。それじゃあ事前に説明したとおり、今日は
   軽巡の人たちに協力してもらって、テストも兼ねた大デュエル会を開きたいと思います。
   どれくらい腕が上達したのか、私も興味があるしね」

北上「確か新入りの子もいるんだっけ? そんじゃ挨拶がてら自己紹介も交えておこうかー。
   球磨型の軽巡洋艦、北上だよ」

大井「同じく球磨型、北上さんの『パートナー』である大井です。北上さんになにかしたら容赦なく
   魚雷をぶち込むのでそこのところよろしく」

夕張「大井さんは新人にも相変わらずだなぁ……あっ、兵装実験艦の夕張よ。艦装とか、装備魔法とか
   についてなら私に相談してくれれば大体なんとかできるわ。よろしくね」

足柄「……って、あれ? 那珂ちゃんと川内さんが足りないような」

神通「すいません……川内姉さん、朝にはしゃぎすぎて今丁度熟睡中でして……」

夕張「那珂ちゃんならさっき『アイドルたるもの、お仕事前のメイクは命です!』って」

神通「すいません、すいません。うちの姉と妹が大変失礼を……」ペコペコ

足柄「私が言うのもなんだけど、軽巡洋艦ってほんと……。と、ともかく、このメンバーでローテーションを組んで、
   全員とデュエル総当りしてもらうわよ。無論! こっちだってベテラン揃いなんだから、駆逐艦相手でも
   容赦はしないわ。覚悟してらっしゃい!」

大井「久々にドでかいの決めてやろうかしら! LPが沈む準備はよろしくて!」

神通「順番はお好きでかまいません。それと――手加減できなかったらごめんなさいね」

睦月「軽巡洋艦の人ってみんな実力者ぞろいだしぃ……ちょっと様子見なら――」

吹雪「では最初に行かせてもらいます。デッキ調整したばかりですし」

島風「こういうのは早いのが一番だよね! 島風、いっきまーす!」オウッ

響「ハラショー。それじゃあ僭越ながら、私も先をもらおうか」

睦月(吹雪ちゃんがもういってる――そ、それじゃあっ)

睦月「わ、私も最初をもらいますっ!」

暁「さっきのデュエルじゃぜんっぜん動けなかったし、それなら私もお先に行かせてもらうわね!
  相手が大きくても負けないんだから!」

夕立「おおっ! 睦月ちゃん珍しくやる気にあふれてるっぽい! みんながんばれーっ!」

雷「やーっと暁の本調子を確認できそうね」

電「み、みなさん、負けるなー、なのですっ」

~~~~~


【吹雪vs足柄】

――足柄――
【LP】7000 【手札】□□□

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示 )
●《神獣王バルバロス》
●《ジェネティック・ワーウルフ》

【魔法・罠】
・《スキルドレイン》


――吹雪――
【LP】5400 【手札】□□□□

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示 )
・なし

【魔法・罠】
・セットカード×1

吹雪「やっぱり《バルバロス》相手じゃ、レッドアイズは壁にしかならないか……!」

足柄「なるほど、噂どおりレッドアイズを使いこなしているようだけれど、
   さすがに攻撃力3000の超大型モンスター相手には太刀打ちできないといったところかしら?
   『相手の動きを封じつつ、高攻撃力で攻める』。シンプルだけどこれが一番の勝利への近道よね」

如月≪足柄さんのデッキは獣族主体のビートダウンデッキ……このターンでどうにかしないと、
   あっという間に攻めきられちゃうわよ≫

吹雪≪ええ、ですからこのターンで決着を着けます≫

吹雪「私のターン、ドロー!」シャキンッ

足柄「効果モンスターで対処もできない今、頼れるのは魔法か罠カードだけ。この状況から
   LP7000を削りきるなんて到底――」

吹雪「《真紅眼融合》発動! デッキの《真紅眼の黒竜》と《メテオ・ドラゴン》を融合することで、
   《メテオ・ブラック・ドラゴン》を融合召喚!」

夕立「セットカード、メテオブラック、LP7000……あっ」

吹雪「《黒炎弾》発動! さらに《火霊術-「紅」》! 合計7000ポイントの直接バーンダメージです!」

足柄「え? いやあの、これじゃあまるで私が噛ませの悪役みたいに――きゃああ!?」

雷「……吹雪ちゃんって、いつもあんな感じなの……?」

夕立「強く否定はできないっぽいぃ……」

~~~~~

【島風vs北上】

夕立「吹雪ちゃんは最早通常運転としてー……って、あれ? 島風ちゃんと北上さんは
   まだデュエルしないっぽい?

北上「ん? ああ、いやいや、もう終わってこっちが負けちゃったよぉ」タハハ

雷「はやっ!? まさかのワンターンキル!?」

島風「速きこと、島風の如し、ですっ!」キリッ

連装砲ちゃん「~~!!」

電「く、駆逐艦の間ではワンターンキルが流行りなのでしょうか……」プルプル

夕立「そ、そんなことはないと思うっぽい……た、多分? っぽい?」

北上「まぁ私のデッキも島風ちゃんのデッキも、やるかやられるかの超速デッキだしねぇ」

雷「むしろこれはデュエルモンスターズ全体のスピードが上がった結果ってものかしら……」

【響vs大井】

――響――
【LP】5400 【手札】□□□

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示 )
・なし

【魔法・罠】
・なし


――大井――
【LP】2900 【手札】□□

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示 )
●《堕天使エデ・アーラエ》(《リビングデッドの呼び声》対象)
●《堕天使アスモディウス》

【魔法・罠】
・《リビングデッドの呼び声》
・セットカード×1

響「私のターンだね、ドロー。スタンバイフェイズ、《デストラクト・ポーション》によって破壊された
  《ネフティスの鳳凰神》が復活するよ」

大井「くっ! これでもう3回目の蘇生よ……! どんだけしぶといのかしら、さすがは不死鳥ってところね」

響「このカードは、どれだけフィールドが焼け野原になろうとも、このカードだけは生き残る。……不死鳥はそういうものだよ。
  《ネフティス》はこの効果で蘇ったとき、全ての魔法・罠を焼き払う効果を持っている。これで《リビングデッドの呼び声》
  は破壊されて、蘇生されていた《堕天使エデ・アーラエ》は消滅する」

響「そして私はフィールド魔法《炎王の孤島》を発動。効果起動、私の《ネフティスの鳳凰神》は破壊され、代わりにデッキから
  《炎王》の名を冠するモンスター――《炎王獣 バロン》を手札に加える」

大井「あら、いくら自己再生効果持ちとはいえ、無闇にフィールドを空けても大丈夫なのかしら?」

響「問題ない、こうするからね。相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターがいない時、
  魔法カード《炎王の急襲》は発動できる。デッキから効果が無効化された《炎王神獣 ガルドニクス》を特殊召喚するよ」

大井「なぁっ!? おどれえらい真似しよってからに! どついて叩く身にもなってみんさい!」

北上「いやぁ、大井っちはデュエルになるとほんと性格変わるねぇ。しびれるねぇ、エキセントリックだねぇ」

夕立「あれはエキセントリックというよりは方言だだ漏れっぽい!?」

響「このままバトルだ。《ガルドニクス》でそのまま《堕天使アスモディウス》にアタック!
  そしてダメージステップ、手札から速攻魔法《禁じられた聖槍》を《アスモディウス》を対象に発動っ!
  対象モンスターは魔法・罠カードへの効果耐性を付与する代わりに、攻撃力が800ポイントダウンする。
  射程圏内だ――燃えろ!」

大井「ちぃっ! だけど忘れてるとは言わせないわよ! 《アスモディウス》が破壊されたとき、
   フィールドにはそれぞれ耐性を持つ2体のトークンが生み出されるわ!」

響「一方は戦闘破壊耐性、もう一方は効果破壊耐性……中々処理が難しそうだ。ならば速攻魔法《炎王炎環》発動っ!
  フィールドの《ガルドニクス》を破壊し、墓地の《ネフティス》を速攻蘇生! バトルフェイズ中に召喚されたから、
  このまま効果破壊耐性を持つアスモトークンを攻撃するっ! 発破!」

大井「これで四回目!? ちょこまかとなにしてけつかるの!」

電「こ、こっちはやっと白熱したデュエルっぽくなってきてるのです! 大井さんの言ってることが微妙にわかりませんけど……」

雷「展開力に優れている大井さんの【堕天使】デッキと、持久力と除去能力に優れている響の【ネフティス】デッキだもの。
  お互いいい感じに競り合える、ある意味一番いい対戦カードなんじゃないかしら」

夕立「響ちゃんと島風ちゃんは、駆逐艦の中でもトップ争いに食い込むほどだからねー」


~~~~~

【睦月vs神通】

――睦月――
【LP】3200 【手札】□□□

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示 )
●《E・HERO サンダー・ジャイアント》(《最強の盾》装備)

【魔法・罠】
・《最強の盾》
・《群雄割拠》


――神通――
【LP】4100 【手札】□□□□

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示 )
・なし

【魔法・罠】
・なし


夕立「こっちは睦月ちゃんが押せ押せムードっぽい!」

睦月「や、やった! あの神通さんにダイレクトアタックが通った……!」

神通「戦士族統一であることを活かして、フィールドの種族を縛る《群雄割拠》を使うなんて……
   なるほど、私がアドバイスした『素直すぎる』という弱点を克服しつつあるようですね」

睦月「私だって、まだまだ終われない……! 私は――まだ足りないの! 私はもっと強くなるんだから!
   神通さんに勝てればきっとできるって思えるの!」

神通「睦月ちゃん……」

神通(前と比べて、目に見えるほどやる気に満ち溢れてる……けど、どこか急ぎ足な様にも見えてくる。
   あせっているのかしら――ならば)

神通「ですが、私の戦術を知っているあなたとしては、あまり関心できないプレイングですね。
   ドロー……ッ! 神通、いきます! メインフェイズ、手札から《レスキューラビット》を
   召喚! そして除外することで効果を発動!」

神通「デッキに眠る同名の通常モンスター、《スペース・マンボウ》を二体同時に特殊召喚!
   この二枚は同じ魚族モンスター、よって《群雄割拠》環境下でも問題なく共存できます」

睦月「レベル4のモンスターが二体っ!」

雷「来ちゃうわよ睦月ちゃん! 神通さんに一度それを許したらもう止まらないわ!」

神通「レベル4モンスター《スペース・マンボウ》二体でオーバーレイ! オーバーレイネットワークを構築!
   凍てつく空、華咲き誇るは流氷の令嬢。命刈り取る二水戦の刃――エクシーズ召喚!
   推参、《No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ》!」

電「はわわっ! 世界で数枚しか流通されてない『オーバーハンドレッド・ナンバーズ』がもう来ちゃったのです!」

夕立「フィールドには《ラグナ・ゼロ》しかいないから《群雄割拠》の種族ロックも適用されないし、
   何より今の状況だと一番やばいっぽい!」

睦月「こ、これが100を越えるナンバーズのカード……!」

神通「私は《ラグナ・ゼロ》の効果を発動! 攻撃力が変動している《サンダー・ジャイアント》を
   破壊! その後、私はカードを1枚ドローできます!」

睦月「んにゃっ!? せっかく《最強の盾》を装備したのにぃ!?」

神通「お気に入りのカードということはよく理解できますが、装備魔法の弱点は失った場合のディスアドバンテージの大きさ……
   そして時に、攻撃力の増加は仇となります。《ラグナ・ゼロ》、英雄の魂を葬りたまえ!
   『ガイダンス・トゥ・フューネラル』――ッ!!」

睦月「きゃあっ! け、けどまだ――相手は召喚権を使ってるし、このダイレクトアタック1回を持ちこたえれば……!」

神通「睦月ちゃん、言ったはずですよ――『場を空けたならば、負けを覚悟なさい』と。私はこのまま睦月ちゃんに
   《ラグナ・ゼロ》でダイレクトアタック! そして先ほどドローしたカード――速攻魔法《鬼神の連撃》を発動!
   《ラグナ・ゼロ》のオーバーレイユニットをすべて取り除くことで、《ラグナ・ゼロ》はこのターン、2回攻撃を行います!」

雷「つまり攻撃力2400の2回連続ダイレクトアタック……確かに《群雄割拠》による制限は強いけど、
  神通さん相手にはそれも通用しないということね」

夕立「鬼神の名前は伊達じゃないっぽいっ」

神通「《ラグナ・ゼロ》、冷たき刃をもって、燃え上がる激情を葬りたまえ! 睦月ちゃんに2回のダイレクトアタック!
   《神葬のパ・ド・ドゥ》!!」

睦月「~~~~~っ!!!」

睦月(まただめだった……っ! ちゃんと対策もしてきたのに……。それでも追いつかないなんて)

電「あぅ……惜しくも負けちゃったのです」

夕立「さすがデュエルのことになると鬼教官になる神通さんっぽい……っ。調子いい時は1ターンでエクシーズモンスターが
   4体並ぶこともあるから、まだまだ抑え気味っていうのが恐ろしいっぽいぃ」

【暁vs夕張】

――暁――
【LP】8000 【手札】□□□□□

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示 )
・なし

【魔法・罠】
・なし


――夕張――
【LP】6800 【手札】□□□□

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示 )
●《パワー・ツール・ドラゴン》(《重力砲》×2、《魔導師の力》装備)

【魔法・罠】
・《重力砲》×2
・《魔導師の力》

暁「《重力砲》って名前聞くとすごくぞっとするんだけど!? なにあれどこで見つけてきたのよそんな装備魔法!」

夕張「ふふん。装備魔法関連のカードについてなら余さず頭に入ってるこの私を甘く見ないで頂戴な!
   《重力砲》充填! 1ターンに1度、装備モンスター《パワー・ツール・ドラゴン》に攻撃力を400追加!
   これで《パワー・ツール》の攻撃力は5400になったわ!」

雷「この前『霧の艦隊』と演習した時に『びびっときたわ!』ってテンションあがってたのってこのことだったのね……」

夕立「あっちじゃ潜水艦があんなの持ってるらしいから、世も末っぽいー」

夕張「ダブル重力砲の威力をとくと味わいなさい! 暁ちゃんに《パワー・ツール》でダイレクトアタック!
   『セカンド・グラビティ・ブラスター』ッ!!!」

暁「冗談じゃない! 手札から《バトル・フェーダー》の効果を発動! 特殊召喚して、バトルフェイズを終了させるわ!
  レディは時間と場所をわきまえるって金剛さんも言ってたんだから!」

夕張「うぐぐぐ。魔法・罠ゾーンにセットカードなんてないはずなのに、攻撃が通る気しないんだけど!
   どこまで粘るか試してあげる! ターンエンドよ!」

夕立「セットカードなしであのモンスター……電ちゃん、もしかして暁ちゃんの新しくできたデッキって、『フルモン』っぽい?」

電「響ちゃん曰く、正確には『レベル1主軸のほぼモン』デッキらしいです」

雷「《ミスティック・パイパー》の効果を使って手札を増やしつつ、エクシーズモンスターで決めていくデッキね。
  ある意味グッドスタッフのようなものだし、集めるカードもカテゴリがばらばらだったから集めるのに苦労したのよ?」

夕立「結構癖強いっぽいけど、案外うまく回してるっぽい?」

雷「四人の中で一番強いのが響だけど、実は一番センスあるのは暁なのよ。ほら」

暁「――バトル! 《No.53 反骨の闘士ライオンハート》で《パワー・ツール》に攻撃!
  そのでっかい攻撃力の戦闘ダメージを《ライオンハート》の効果によってそのまま反射してあげるわ!」

夕張「ぎゃーっ!?」

~~~~~


足柄「うぅ、まさかいいとこなしで負けるなんて……まっ、新しい子に花持たせたってことにしておきましょ。
   駆逐艦組で勝ったのは、吹雪ちゃんと島風ちゃんと……おっ、暁ちゃんもほぼ完封勝ちじゃないの。
   相手との相性が良かったのもあるかしら」

暁「一人前のレディたるもの、デュエルも優雅でスマートじゃなくちゃ!」

夕張「まさか《パワー・ツール》の攻撃力があだになってとどめさされるとか思わないわよーっ!」

神通「夕張さんのデッキはいい意味でも悪い意味でもまっすぐ一直線ですからね……」

足柄「響ちゃんは後少し! 惜しかったわねぇ」

響「まさか破壊を介さず直接墓地へ送られるとは……スパシーバ。いい勉強になった」

大井「とーぜん! ひよっこにはまだまだ負けてられないもの!
   北上さんも後もう少しってところだったんですけどね! 実質北上さんの勝ちみたいなものですもの! ね!」

島風「いや、正直完封だった気が――」

大井「だーまらっしゃいスピードジャンキー! 半ばソリティア決めておいて何が島風の如しですか!」

北上「どぉどぉ、いやー私ももうちょっとがんばんないとねー」

足柄「睦月ちゃんもいい調子なスタートだったのだけれど、さすが神通教官ってところかしら?」

睦月「が、がんばりまぁす……」

神通「そ、そんなっ。教官だなんてみんなが勝手にそう呼んでるだけで」アクセク

足柄「とりあえず最初は半数勝ち上がりね。中々いいスタートじゃない。後は残りのメンバー分だけど――」

那珂「遅れてごめーんっ!」

足柄「って那珂ぁ! あんたどんだけメイクで時間――って」

那珂「いやぁ、二人を連れてきたら時間かかっちゃってぇ」キュラキュラ

川内「やせぇん……やせぇんはどこだぁ」zzz

多摩「にぃ……」zzz

北上「姉さんが台車で運ばれてる……しかも起きないってのがさすがだよねぇ」

神通「ね、姉さん……」

那珂「いやぁ姉さん中々起きなくてさー。多摩ちゃんと一緒に炬燵で熟睡してたから、
   仕方なく台車って運んできちゃったー」

大井「ち、ちなみになんで多摩姉さんも……?」

那珂「後一人いたら人数丁度いいなーって思ったから?」

足柄「け、軽巡洋艦ってほんと……っ」

睦月「足柄さん! キャラが濃いのは駆逐艦も一緒ですから、ね!」

吹雪「それフォローなの!?」

如月≪あらあらー。仕方ないわねぇ、吹雪ちゃん。ちょっと手伝ってくれるかしら?」

吹雪≪へ?≫

吹雪≪――ほうほう、なるほどなるほど。……ほんとにそれで起きるんですか?≫

如月≪ほぼ間違いなく♪≫

吹雪≪わ、わかりました……≫

吹雪「仕方ありません。無理やり起こしましょう」

暁「無理やりって……こ、《黒炎弾》とか撃たないわよね……?」

吹雪「撃たないですよ!? ――すぅ」

吹雪「あーっ! 北方海域の方で夜戦してるーっ!!」

川内「やったぁ! 待ちに待った夜戦だぁーっ!」ガバッ!

吹雪「あーっ! あっちで間宮さんがチーズ配ってるーっ!」

多摩「にゃっ!」ガバッ!

川内/多摩「……あれ?」

吹雪≪け、軽巡洋艦って……≫

如月≪ほらねー、一発だったでしょう?≫

~~~~~

川内「いやぁごめんごめん。夜は久しぶりにテンションあがっちゃってさー」

多摩「そういうことなら多摩も協力する、にゃ。あまり強いほうでもにゃいけど、それで問題にゃいなら」

足柄「おっけー♪ 一時はどうなるかと思ったけど、これで人数ちょうどそろったみたいだし、
   残りメンバーもデュエルを始めましょうか。夕立ちゃん、雷ちゃん、それに電ちゃんもだったわね。
   準備はいいかしら?」

雷「私の『電池メン』はいつだって充電満タンよ!」

電「『エレキ』が通用するか少し不安ですけどぉ……電の本気を見せるのですっ!」

夕立「それじゃあ那珂ちゃん! 最近ご無沙汰だったし、せっかくだから相手になってほしいっぽい!」

那珂「いいともー! 那珂ちゃんの見せ場、しーっかり見ておくんだよ!」

如月≪夕立ちゃんと那珂ちゃんの対戦カードかぁ。あまり見たことない組み合わせかもしれないわねー≫

吹雪≪どっちもちょっと癖が強いデッキですからね。特に――≫

吹雪「――ッ!?」ビクンッ

如月≪――あら。こんなタイミングでこの気配なんて……≫

吹雪≪しかもかなり強い『闇の精霊』の気配……!! もしかして近くにいるの!?≫

睦月「――あれ? 吹雪ちゃん、どうしたの? 急にきょろきょろして……」

吹雪「ごめん睦月ちゃん! デュエルが終わるまでには戻るから!」

睦月「ふぇっ!? ふ、吹雪ちゃん……?」

タッタッタッタ

睦月「いっちゃった……忘れ物でもしたのかなぁ……?」

~~~~~


<―森の中―>

吹雪「はぁ……! はぁ……っ」

如月≪さっきまであんなに強く気配を感じたのに、もう消えちゃったわ……≫

吹雪≪闇の精霊の気配には慣れてる……けど、いつもよりそれが表に出てくるのが早い……っ!
   まだ第二次作戦が始まる前なのに!≫

如月≪……もしかしたら、第二次作戦の時に何かが起こるのかも……≫

吹雪≪悪い意味で、今回は今までのパターンに縛られてないってことです、よね……≫

如月≪それに、今度は誰が犠牲になるかもはっきりと――≫

???「そこにいるのは誰だっ!」

吹雪「あっ! あ、えっと――」

長門「む? 君は確か――吹雪ではないか。こんな辺鄙な場所でどうした? まだ授業中のはずだが」

吹雪「申し訳ありません。所用で一時的に離れたら、道に迷ってしまいまして……」

如月≪建前は来たばっかりなのが幸いだったわねー≫

吹雪≪さすがに授業抜け出してきたのは少しまずかったかな……≫

長門「そうか……この小道を抜ければ訓練場まで直通だ。すぐにわかるだろうから問題ないだろう」

吹雪「ありがとうございます」

長門「……この鎮守府には慣れたか?」

吹雪「ある程度は」

長門「そうか……それならいい。話は変わるが、ここに異動を受けた理由は知っているのか?」

吹雪「はい。近々行われる大規模攻略作戦のための補填人員であるとお聞きしていますが……」

長門「それで間違いはない。先日の第一次作戦の時に生じた艦隊の穴を埋めるためにお前は呼ばれた。
   最も、吹雪を推薦したのはここの提督だが」

如月≪ここも変わりないのね……一ヶ月前に私が沈んだことになっていたから、吹雪ちゃんがここに呼ばれるようになった≫

吹雪≪司令官……≫

長門「名目は確かに補填ではある。が、決してそれは使い捨ての道具とするために呼んだわけではない。
   たとえどの状況においても、慢心と諦観は禁物。短期間ではあるが、存分に訓練を重ねて、第二次作戦で生き残ってほしい。
   いきなりすまないな……これだけは直接伝えておこうと思っていただけだ」

吹雪「……お気遣いありがとうございます。問題ありません。油断も諦観も捨ててきましたから。
   ――『悖らず、恥じず、憾まず』、でしたよね」

長門「『悖らず、恥じず、憾まず』か……ああ、それと最後にひとつ」

吹雪「は、はいっ」

長門「陸奥曰く、『肩に力が入りすぎ』とのことだ。最も、それは私も同じらしいが……失礼」

タッタッタッタ

吹雪「え? あの――肩に力が入りすぎ……」

如月≪それに関してはおおむね同感。大丈夫、今のあなたはそれこそ、長門さんと同じぐらい強いはずなんだから、ね?≫

吹雪≪……本当に強かったら、とっくにこんなこと終わってるよ。気配も追跡できそうにないし、戻りましょう≫

如月≪もー、前と違って素直じゃなくなったのが残念かしらー≫


~~~~~

吹雪「よしっ、軽巡の人には気づかれてないみたい――ごめん、今戻った」

睦月「あっ、吹雪ちゃん! 授業抜け出しちゃったら普通怒られるよ?」ボソボソ

吹雪「ごめん、ちょっとね。こっちは……後は那珂ちゃんと夕立ちゃんのデュエルだけなんだ」

睦月「どっちもお互い調子がいいみたい。けど今は那珂ちゃんが押せ押せって感じかな?」


【那珂vs夕立】

――那珂――
【LP】8000 【手札】□□

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示 )
●《憑依装着-エリア》

【魔法・罠】
・《憑依解放》

ペンデュラム:《音響戦士ギータス》


――夕立――
【LP】5350 【手札】□

【モンスター】(●=攻撃表示 ○=守備表示 )
○《ジュラック・モノロフ》

【魔法・罠】
・セットカード×3


夕立「うぐぐぐっ! 那珂ちゃん意外とやるっぽいー! ことごとく攻撃が避けられちゃうっぽい!」

那珂「アイドルはお触り厳禁なんだからね! タッチしていいのは握手会だけなんだから!
   ターンもらっちゃうよ! わったしのターン、ドロー!」キラーン

那珂「《音響戦士ギータス》のペンデュラム効果はつどーう! 手札を1枚捨てることで、デッキから《ギータス》以外の
   《音響戦士》を特殊召喚できちゃうのだ! ギターソロからのカモン! ドラムソロ、《音響戦士ドラムス》!」

足柄「便利よねぇ、あのペンデュラム効果。大したことないコストで好きな音響戦士をいつでも呼び出せちゃうんだもの」

夕張「《音響戦士》自体はステータスが貧弱ではあるけど、それでも余りある便利効果持ちだもんねー」

夕立「このパターンってまた出てきちゃうっぽい!?」

那珂「そして手札から《霊使いヒータ》を通常召喚! この子達はアイドルの卵! 《音響戦士》とセッションしてライブデビューすることで、
   アイドル衣装に変身できちゃうんだから! 《音響戦士ドラムス》の効果はっつどーう! フィールドの《音響戦士》モンスター1体の
   属性を好きなものにかえちゃいまーす! ドラムソロかもん! 『エレメント・チューニング』! 炎属性にへんしーん!」

那珂「そしてフィールドの《霊使いヒータ》と炎属性となった《ドラムス》を墓地へ送ることで、霊使いちゃんがアイドルチェーンジ!
   デッキから《憑依装着-ヒータ》を特殊召喚!」キラッ

吹雪≪《音響戦士》の属性変更効果で《憑依装着》カードを展開していく《音響霊使い》……おそらく霊使いも音響戦士も
   アイドルバンドっぽいという理由からデッキに入れてるのでしょうけど……奇跡的にかみ合ってますよね、不思議なことに≫

如月≪私は好きよ? ああいうかわいくて女の子っぽいデッキ≫


那珂「それではこのままライブバトル! ライブの邪魔をする恐竜さんもとい守備表示の《ジュラック・モノロフ》に攻撃!
   自身の効果でデッキから特殊召喚された《憑依装着》のカードは、攻撃力が守備力を超えているときにダメージを与える
   『貫通効果』を持っていたりするのです!」

那珂「さらに! 永続罠《憑依解放》の効果! 《憑依装着》モンスターが相手モンスターに攻撃するとき、
   攻撃力を800ポイントあーっぷ! アイドルは強いんだから! 《モノロフ》撃破しちゃうよー!」

夕立「ふふん! その攻撃をまともにもらうわけにはいかないっぽい! 罠カード発動、《ナイトメア・デーモンズ》!
   攻撃された《ジュラック・モノロフ》をリリースすることで、相手フィールド上に《ナイトメア・デーモン・トークン》を
   3体プレゼントしちゃうっぽい!」

那珂「うぇ!? 攻撃力2000のトークンを3体ももらっちゃってもいいの!? やったね那珂ちゃんファン獲得!
   このまま全員のモンスターでダイレクトアタック!」

夕立「自沈願望はないっぽい! 手札から《バトル・フェーダー》を特殊召喚! 直接攻撃の時に割り込むモンスターで、
   そのままバトルフェイズを終了させるっぽい!」

那珂「さすがにこれは通らないかぁ。それじゃあメイン2、リバースカードを1枚セット!
   私はこのままターンエンドなんだよ!」

那珂(ふふーん♪ セットカードは《鎖付きブーメラン》! 殴られるのに弱い《憑依装着》モンスターを守れて、かつ
   相手のモンスターを守備表示にしちゃうんだから! 那珂ちゃん天才!)

暁「わざわざ場を空けて《バトル・フェーダー》を出したのはいいけど、攻撃力2000の超強いトークンを3体も渡すなんて
  正気!? あれじゃあ次のターンに殴ってくださいって言ってるようなものじゃない!)

睦月「ううん……この勝負、たぶんだけど、夕立ちゃんが勝つ!」

電「あ、あの圧倒的フィールドの差から、ですか……?」

響「ハラショー。相手のフィールドに5体もいる。これはもう『必勝パターン』と言えるね」

夕立「それじゃあ――私の、ターンッ!」シャキンッ

夕立「こういうときに私のエースはちゃーんと出番を待ってくれてるっぽい! まずはセットカードオープン!
   罠カード《トラップ・スタン》発動! このターン中だけ、あらゆる罠カードの効果を無効化しちゃうっぽい!」

那珂「やばっ! 罠カードが無効化ってことは――」

那珂(《鎖付きブーメラン》がまさかの碌に出番のない雛壇芸人になっちゃったー!?)

夕立「さらにまだまだ終わらないっぽい! 私は自分の《トラップ・スタン》にチェーンして、最後のセットカードを発動!
   罠カード《墓地墓地の恨み》!」

那珂「ぼ、ぼちぼち……? 初めて見るカードだけど?」

夕立「もちろん! これが夕立の新しい切り札っぽい! 《墓地墓地の恨み》は、相手の墓地に8枚以上のカードが落ちている
   時に力を発揮できるカード! 相手のモンスターの攻撃力をぜーんぶ、『0』にしちゃうっぽい!」

那珂「はいぃ!? 全部のモンスターがそうなったら――実質ダイレクトアタック受けるようなものじゃん!?
   墓地に8枚って――思いっきり8枚以上あっちゃうのぉ!?」

夕立「《憑依装着》召喚の時に、《霊使い》と《音響戦士》が墓地へ送られるし、《音響戦士ギータス》の効果は
   手札からカードを捨てないと発揮できないっぽい。8枚溜まるのなんてすぐに予想できたっぽい!」

夕立「そして――これが私のエースモンスター! スピリットモンスター《阿修羅》を召喚!
   悪夢の戦場に降り立つ戦神! さっ、素敵なパーティしましょ!
   《阿修羅》はモンスターにそれぞれ1回ずつ、すべてのモンスターに攻撃できるっぽい!」

那珂「あ、あはは……え、えーと、私のモンスターは5体で、それが全部攻撃力0? それが5回攻撃されるわけだからー……
   攻撃力1700の、5回ダイレクトアタックと同じっぽい感じ?」

夕立「そ・れ・に! 《ナイトメア・デーモンズ》は破壊された時、コントローラー――つまり那珂ちゃんに800ポイントのダメージを
   プレゼントしちゃうっぽい! ソロモンの悪夢、見せてあげる! 《阿修羅》ですべての敵を殲滅!
   絶対勝利、完全殲滅! 『ナイトメア・パーティー』!!」

那珂「オーバーキルはんたーい!? あ、アイドルは、こんなことじゃへこたれないんだからーっ!!」


【那珂LP:8000 - 8500 - 2400 ⇒ LOSE】

【夕立 WIN】

~~~~~


足柄「最終結果! 駆逐艦組は吹雪ちゃん、夕立ちゃん、島風ちゃん、暁ちゃんが勝利。
   軽巡組は神通さん、多摩さん、球磨さん、大井さんが勝利。
   丁度半々の勝率かー。綺麗に終わったわねぇ」

北上「いやぁ、でもみんな見ごたえある試合だったねー。今の駆逐艦ってめちゃ強くてびっくりだー」

大井「あまり快いわけではありませんが、勝利したとはいえ苦戦したことは認めるしかないかしらね。
   まさか3人がワンショットキル、ワンターンキルを決めてくるとは思わなかったけど……」

雷「その三人はいろいろな意味で例外的メンバーだから気にしないほうがいいんじゃないかしら」

夕立「むー! 今日はたまたまうまくいっただけっぽいー。吹雪ちゃんと島風ちゃんと一緒にされると
   いろいろと大変っぽいぃ」

吹雪「あれ? なんで私、いつの間にかこんな扱いに……」

如月≪今度はバーン以外で決着をつけるように気をつけないと……≫

島風「遅いのがいけないんだよーっ!」

大井「ええいだからだまらっしゃいこのソリティア製造機! そういうプレイは
   深海棲艦相手だけで十分だから!」

神通「……その深海棲艦のことで、みなさんにお話があります」

暁「ふぇ?」

睦月「っ! あ、あのっ、それって、それってもしかして――『あれ』、の続き、ですか?」

夕立「『続き』って……」

響「……」

吹雪(やっぱり、来るのね――鎮守府の『リベンジ』が)

神通「今朝、正式に長門さんから伝令を受けました。――三日後、第二次W島攻略作戦を発動。総力戦をかけます」

[次回予告]


吹雪「私は沈まない。沈めない。だからそう言える。それだけよ」

赤城「それがあなたの誇り? ――それとも、やらなければいけない使命?」

~~~~~

睦月「なんでそう……簡単にそんなこと言えるの」

吹雪「睦月ちゃん……」

如月≪……≫

~~~~~

長門「狙うは前回、目前で逃がした通称『泊地棲姫』――ここをデュエルで仕留める」

陸奥「その中心を担うのは――」

~~~~~

睦月「どいてよ……どいて! お願い、私――あいつをどうにかしないと、おかしくなっちゃうの!」

吹雪「睦月ちゃんっ!!!」


[第三話:少しは役に立ちたいのっ!]

那珂「那珂ちゃんの次回予告後補足コーナー! 俗に言うCパート的なあれだね!」

神通「それとはまた違うような……? ともかく、今回は多数デッキが出てきたわけなので、
   各自のデッキについていろいろと補足説明をしていきますね」

那珂「那珂ちゃんが言うのもなんだけど、みんな個性的というか、バリエーション豊富っていうのかなー?
   その割にはみんな大好き『シャドール』とか『影霊衣』とか姿が見あたらないしー」

神通「艦娘たちはそれぞれみんな個性的ですから、デッキにも色が出るというものです。
   その分、私のデッキは少しガチ寄りな構成になっているので、何故かみなさんから『鬼教官』と
   呼ばれることに……」

那珂(それ絶対、陽炎ちゃん相手に容赦なく派手にワンターンキルしちゃったのが元の原因ジャナイカナー)

那珂「とにかく第三水雷戦隊の方から見てみようか! えーと最初は夕立ちゃんのー……
   これ、デッキ名としてはなんていうの?」

神通「それではデッキをよく知る本人から聞いてみましょうか。夕立ちゃん、あのデッキを
   カテゴライズするとしたらどんな名前になりますか?」

夕立「うーんと……一応コンセプトとしては、『全体攻撃』持ちの下級アタッカーで大打撃を
   与えるデッキなんだけどー、エースモンスターが《阿修羅》だから『阿修羅ビート』で!」

那珂「ビートダウンデッキというわりには、どちらかというとコンボデッキみたいな感じじゃないかな?
   《墓地墓地の恨み》とか、《ナイトメア・デーモンズ》なんてコンボ専用みたいなカードだよねぇ」

夕立「っぽいー。デッキとしての動きは、とにかく《墓地墓地の恨み》とか《オネスト》を使って、
   全体攻撃で相手に大ダメージを与える! たったこれだけっぽい! だから確実に攻撃を通すために、
   《トラップ・スタン》とか《サイクロン》とかで魔法や罠カード対策をしてるっぽい」

神通「弱点としては、特定のカードがそろわないと爆発力に欠ける点ですかね。下級モンスターは充実していますが、
   上級モンスターはまったくメインデッキに投入していないようですし。相手のデッキの爆発力が勝れば
   すぐに押しつぶされてしまいます」

夕立「だから神通さんには頭が上がらないっぽいぃ。強いデッキ、というわけではないけど、コンボが決まれば
   爽快感は最高っぽい!」

那珂「おかげで那珂ちゃんはフルボッコにされてしまいました、およよよよ。それじゃあ次は私のデッキかな!」

神通「見てのとおり、といったところでしょうね……《霊使い》と《音響戦士》を組み合わせた、アイドルバンドデッキです」

那珂「《霊使い》は指定された属性のモンスターと一緒に墓地に送ることで、デッキから《憑依装着》モンスターを出せるの!
   だから《霊使い》と、属性を好きに変更できる《音響戦士ドラムス》がいれば、あっという間に憑依装着の完成!」

神通「相手への攻撃を《エネミー・コントローラー》や《月の書》といった、守備表示に変更するカードを使いながら、
   《憑依装着》の貫通効果をフル活用する……と、ギミック以外を見ればこれも正統派なビートダウンデッキですね」

那珂「もちろん《憑依解放》とかの効果で、相手の属性に合わせた《霊使い》を呼び出して、コントロールを奪うこともできちゃうよ!
   《霊使い》ちゃんはその可愛さで敵さえもファンにしちゃうのです!」

神通「一度動かしてみると、中々面白いデッキではありますね。それでは次――となりますと、これは私のデッキに
   なるのでしょうか……?」


那珂「神通お姉ちゃんのデッキはずばり『魚族エクシーズ』! モンスターを展開しやすい魚族モンスターで、
   水属性のエクシーズモンスターをばんばん出しちゃおう! っていうデッキだね!
   ……あれ? なんかこのデッキだけガッチガチに見えてくるんだけど」

神通「爆発力があることは自負します……ただ、ほかの人のデッキと比べてそれが突出しすぎているせいで、
   どうもデュエルの相手になると怖いといわれるように……」

那珂「少なくとも今回参加したメンバーの中では一番強いんじゃないかな! 少なくとも川内型の中じゃ一番だよ?」

神通「そんなことはないと思うのですけど……ほ、ほら、私のデッキは説明しても面白くないですし、次いきましょ、ね?」

那珂「おっとここで無理やり話を切り替えてくる! それじゃあ次は第三水雷戦隊が終わって……って、あれ?
   川内姉さんのデッキはノータッチ?」

神通「一応この後にまた出番があるというお話なので……今回は描写があった人、つまり川内姉さん、雷ちゃん、電ちゃん、
   島風ちゃん、北上さん、多摩さん以外の艦娘のデッキをタッチしていきますね」

那珂「おっけー! それじゃあ次は第三水雷戦隊が終わってー、序盤からワンターンキルを決められていた
   暁ちゃんのデッキから!」

響「これに関しては、第六駆逐隊デッキビルド担当の私が説明するよ」

那珂「えーと、確かレベル1モンスター主軸のフルモンスターデッキだったっけ?」

響「魔法カードが数枚入っているから、正確には『ほぼモン』と呼ばれるデッキだね。レベル1モンスターの高い展開能力を使って、
  エクシーズモンスターを展開することで相手にダメージを与えていくよ」

神通「ドローソースの《ミスティック・パイパー》の存在もあって、アドバンテージが稼ぎやすいデッキになっています。
   ほぼモンデッキということもあり、扱いは少々難しいですが、使いこなせばそれなりの強さを発揮してくれるはずです」

那珂「でも、最初の試合でワンターンキルされてなかった?」

神通「あ、あれはですね……」

響「《バトル・フェーダー》や《虹クリボー》といったカードのおかげで、防御能力にも長けているのは確かなんだ。
  だが魔法・罠カードが使えない分、どうしても効果ダメージの対策は限られていてね……。
  それに詳細は言わないが、攻撃反応系のカードを封じられると、ダイレクトアタックを許してしまう場面が多いかな……」

神通「ほぼモンのような極端な構成の場合、どうしても弱点が大きくなってしまうのも一面ですから……」

那珂「なるほどー。確かに効果モンスターの効果を封じられたりすると厄介だしね!
   それじゃあ響ちゃんのデッキはどんな感じなの?」

響「私のデッキは《ネフティスの鳳凰神》《炎王神獣 ガルドニクス》を主軸としたデッキだよ。
  このカードは同じ炎属性・鳥獣族で、なおかつカード効果で破壊されても永続的に蘇る効果を持っているんだ。
  内容はシンプルで、この2枚のカードを積極的に破壊しつつ、相手の場を荒らすデッキになっている」

神通「《ネフティス》は魔法・罠カードを、《ガルドニクス》はモンスターをすべて破壊する効果を持っていますからね。
   このカード2枚が同じターンに蘇生されると、実質このカード以外のすべてのカードを破壊できるわけです」

響「つまり、ダイレクトアタックがしやすいということだね。このカード2枚を主軸にしつつ、
  能動的な破壊によるサクリファイス・エスケープを繰り返して、なおかつ相手の戦術を焼き尽くしていく。
  コンボデッキでもあり、ビートダウン寄りでもあるかな」


那珂「破壊されても帰って来るのはすっごい厄介だよね! うーん、でも最近の環境だと、破壊される以外の
   除去方法がありふれちゃってる印象があるから、あまりすごい効果には見えないんだよねぇ」

響「それも事実だね……手札へ戻す、デッキへ戻す、除外、破壊を介さない墓地送りなど。
  だから自分からこれらのモンスターを能動的に破壊するタイミングが重要になってくるのさ」

那珂「結構踏み入った話になったけど、つまり自分のカードも相手のカードも破壊し尽くして、最後には
   蘇って勝つ! って感じだよね! なんか主人公っぽいかも!」

響「そういう感覚はないが……ともかく、私のデッキはこんなところかな。スパシーバ」

神通「それでは次、軽巡組! 足柄さんのデッキはシンプル・イズ・ベスト! 『スキドレ獣族ビートダウン』だね!」

足柄「ええ、とはいっても《スキル・ドレイン》は相手への対策カードであって主役ではないのだけれどね。
   優秀な効果を持つ獣族・獣戦士族・鳥獣族を中心にビートダウンしていくデッキよ。
   『ビースト』っていうカテゴライズで呼ばれてるわね」

神通「優秀な種族サポートカードもふんだんに取り入れられてますしね。優秀なドローソースである《烏合の行進》。
   蘇生効果を持つ《暗黒のマンティコア》。《野生解放》であったり、蘇生カードは《エアーズロック・サンライズ》も」

足柄「なんだけどねぇ……容赦なくワンショットキルされちゃったわー。ぜんぜんいいところなしよそれも!
   実質カード3枚消費で7000ポイントダメージもらっちゃったんだけどなんなのよあれ!?」

那珂「ふ、吹雪ちゃんのデッキは効果ダメージに特化してるところがありますしねぇ……」

足柄「まっ、相性ってものよね。いい加減あきらめることにするわ。ともかく、私も一応、駆逐艦の子たちに授業を教えている身
   ではあるし、デュエルのデッキも、シンプルでお手本になるようなものを目指したのよ」

神通「『相手の動きをけん制しつつ、高攻撃力モンスターを並べて、アドバンテージを稼ぐ』。
   なるほど。基本戦術の基本中の基本ですものね」

足柄「そーゆーこと! ……そういえば、たまーに駆逐艦の子から『飢えた狼デッキ』なんていわれたりするけど、
   それってどういう意味で言ってるのかしらねぇ……?」

那珂「ど、どーもありがとうございましたーっ! それじゃあ次は大井さんのデッキいってみよーっ!」

大井「北上さんが紹介されなくて私だけっていうのが実に不満ではあるけど……まぁいいわ。
   私のデッキは天使族、それも闇属性・天使族の『堕天使』を中心とした『堕天使デッキ』ね」

神通「墓地へ落としやすい闇属性カードの大型モンスターを、豊富な蘇生手段によって展開していく。
   これも基本戦術のひとつですね。カードゲーム用語では『リアニメイト』と呼ばれることもありますが」

大井「北上さんのデッキは爆発力に長けているけど、私のデッキは安定した大型火力がウリよ! さらに
   重ねて天使族を展開することで、《アテナ》によるバーンダメージも期待できるわ!」

那珂「大井さんも北上さんも、軽巡の中だとかなり強い部類に入るよねぇ。さすが雷撃のエース……」

大井「とーぜん! 私と北上さんは最強コンビなんだから! それに、私たちの実力が真に発揮されるのは
   タッグデュエルの時なんだからね!」

神通「確か二人のデッキは、タッグデュエル用にチューンされているんでしたっけ」

大井「まさに二つのデッキは、北上さんと私の愛の結晶といったところかしら!
   正直タッグデュエルをする機会があるかなんてわかったもんじゃないけど……とにかく!
   私よりも北上さんの方が何百倍も強いんだからね! そこだけは覚えておきなさいよっ!!」

那珂「は、はいぃ! それじゃあ次は最後! 夕張さんだよっ!」


夕張「どもども、夕張だよ。紹介するっていっても、ほかの人と比べて私のデッキ、強いわけじゃないしなぁ」

神通「確か、《パワー・ツール・ドラゴン》を主軸にした装備魔法ビートでしたよね?」

夕張「ええ、その中でも《重力砲》と《パワー・ツール》のシナジーを特化したものになってるわ」

那珂「ふぇ? なにか相性がいい理由でもあるの?」

夕張「まず装備魔法だから《パワー・ツール》で簡単にサーチが可能! さらに《重力砲》は機械族専用装備!
   そして《パワー・ツール》は装備魔法を破壊される時に身代わりにできるわ!
   《重力砲》は1ターンに1度、装備モンスターの攻撃力を400追加するっていう効果があるんだけど――」

神通「この効果は『装備されている間』ではなく、『装備されているモンスター』へのチェーンブロックを作る効果。
   つまり《重力砲》自体が破壊されても、装備モンスターの攻撃力は上昇したままになるんです」

那珂「む、難しい話はわからないけど、つまり《重力砲》を使えば《パワー・ツール》がどんどん大きくなるってことでいいのかな?」

夕張「そのとーり! 艦娘あこがれの艤装である《重力砲》を備えた最強の《パワー・ツール》の完成よ!
   ……もっとも、見てのとおりシンプルすぎるビートダウンデッキではあるから、ダメージを反射されたり、
   さっきも出てた破壊以外の方法による除去にはめっぽう弱くてねぇ……そこの対策をどう練るかがポイントかしら」

神通「しかし、その……好きなんですね、装備魔法」

夕張「あったり前よ! 兵装実験艦として生まれたからには、デッキもそれに準じないと!
   それに私自身、装備開発に携わったり、機械工具をよく使うから、《パワー・ツール》にはシンパシーを感じるのよねぇ」

那珂「那珂ちゃんも夕張さんにぴったりだと思うよ! これでみんなのデッキを紹介できたね!」

神通「今改めて確認すると、確かに似たようなデッキタイプがまったく存在しないですし……なるほど、個性豊かではありますよね」

那珂「後、実は意外と駆逐艦の子たちのデッキの殺意が高いような気がしてきたんだけど……き、気のせいだよね?」

神通「……気のせい、ですよ?」

那珂(あっ、ちょっと返事に困った!)


―使用デッキまとめ―
吹雪:【真紅眼の黒竜】
睦月:【戦士族融合HEROビート】
夕立:【阿修羅ビート】
川内:【???】
神通:【魚族エクシーズ】
那珂:【音響戦士霊使い】

暁:【レベル1ほぼモン】
響:【炎王軸ネフティス】
雷:【エレキ】
電:【電池メン】
球磨:【???】
多摩:【???】
北上:【???】
大井:【堕天使】
夕張:【パワー・ツール軸装備ビート】
足柄:【スキドレビースト】

今回はここまで、お付き合いありがとうございました

乙。那珂ちゃんのデッキが結構それっぽくていい

重力砲の効果でバトルフェイズ中は相手モンスターの効果無効だけど
羽箒かなんかで破壊したのか?


足柄は重巡じゃ…
球磨はいつの間に現れたのか?

乙です

>>98
《鬼神の連撃》は通常魔法ですよ。
速攻魔法なのはOCG化されてない《鬼神の追撃》です。


群雄割拠がある時は違う種族をエクシーズ召喚できないみたいなんで
リクルート先をマンボウじゃなく天使族にしないといけないぽい

>>127
那珂「やっぱりアイドルに必要なもの! それはかわいさと音楽と人気だよね!」

神通「霊使いの人気にあやかっていくスタイルなんですね……」


>>128
夕張「《重力砲》の戦闘中効果無効は戦闘するモンスターだけなのよ。《バトル・フェーダー》は手札誘発効果だからねー」

暁「だから無効化にされにくい! はずなんだけど……吹雪ちゃんとのデュエルではそれすら発動させてくれないってどういうことよ!」

響「《バトル・フェーダー》や《速攻のかかし》は『攻撃時、ダメージステップ終了時まで魔法・罠・効果モンスター効果を発動できない』というのが数少ない弱点だ。
  『古代の機械』であったり、レッドアイズの場合は新しく出たあの融合モンスターがそれだね」


>>129
足柄「あの面子でひとりだけわざわざ『私は重巡洋艦です』って言うと、なんか『自分は年増です』って言ってるみたいで……」

羽黒「それ気にしすぎですよ!?」

那智(話はそれるが、アニメだと重巡洋艦の出番が全体的に少ない気がする……)


>>129
(前プロットの名残ですね、ヌメロンコードで書き換えておきましょうすいません)


>>130
(事前にアニメ見てたせいでごっちゃになってましたすいません、ヌメロンコードで(ry )


>>131
これも痛いミスですね、デュエル内容大きく変わっちゃうので次回から気を付けます、すいません……

全体的にミスが多いですね、みなさま指摘ありがとうございます

~~~~~


足柄「最終結果! 駆逐艦組は吹雪ちゃん、夕立ちゃん、島風ちゃん、暁ちゃんが勝利。
   軽巡組は神通さん、多摩さん、川内さん、大井さんが勝利。
   丁度半々の勝率かー。綺麗に終わったわねぇ」

北上「いやぁ、でもみんな見ごたえある試合だったねー。今の駆逐艦ってめちゃ強くてびっくりだー」

大井「あまり快いわけではありませんが、勝利したとはいえ苦戦したことは認めるしかないかしらね。
   まさか3人がワンショットキル、ワンターンキルを決めてくるとは思わなかったけど……」

雷「その三人はいろいろな意味で例外的メンバーだから気にしないほうがいいんじゃないかしら」

夕立「むー! 今日はたまたまうまくいっただけっぽいー。吹雪ちゃんと島風ちゃんと一緒にされると
   いろいろと大変っぽいぃ」

吹雪「あれ? なんで私、いつの間にかこんな扱いに……」

如月≪今度はバーン以外で決着をつけるように気をつけないと……≫

島風「遅いのがいけないんだよーっ!」

大井「ええいだからだまらっしゃいこのソリティア製造機! そういうプレイは
   深海棲艦相手だけで十分だから!」

神通「……その深海棲艦のことで、みなさんにお話があります」

暁「ふぇ?」

睦月「っ! あ、あのっ、それって、それってもしかして――『あれ』、の続き、ですか?」

夕立「『続き』って……」

響「……」

吹雪(やっぱり、来るのね――鎮守府の『リベンジ』が)

神通「今朝、正式に長門さんから伝令を受けました。――三日後、第二次W島攻略作戦を発動。総力戦をかけます」

神通「睦月ちゃん、言ったはずですよ――『場を空けたならば、負けを覚悟なさい』と。私は先ほどドローしたカード――通常魔法《鬼神の連撃》を発動!
   《ラグナ・ゼロ》のオーバーレイユニットをすべて取り除くことで、《ラグナ・ゼロ》はこのターン、2回攻撃を行います!」

雷「つまり攻撃力2400の2回連続ダイレクトアタック……確かに《群雄割拠》による制限は強いけど、
  神通さん相手にはそれも通用しないということね」

夕立「鬼神の名前は伊達じゃないっぽいっ」

神通「《ラグナ・ゼロ》、冷たき刃をもって、燃え上がる激情を葬りたまえ! 睦月ちゃんに2回のダイレクトアタック!
   《神葬のパ・ド・ドゥ》!!」

睦月「~~~~~っ!!!」

睦月(まただめだった……っ! ちゃんと対策もしてきたのに……。それでも追いつかないなんて)

電「あぅ……惜しくも負けちゃったのです」

夕立「さすがデュエルのことになると鬼教官になる神通さんっぽい……っ。調子いい時は1ターンでエクシーズモンスターが
   4体並ぶこともあるから、まだまだ抑え気味っていうのが恐ろしいっぽいぃ」

>>132
節子、俺が言ったのはフェーダーに対してちゃう、ライオンハートに対してや

いやまあ、別に良いんだけど

>>135
(やだ、恥ずかしい……すいません、おそらく《ハーピィの羽箒》を使ったと思われます)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月25日 (土) 04:12:09   ID: Sk_PCJDM

Eヒーローかー。GX大好きだったから睦月にはもっともっと強くなってほしいなー

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