P「と、いうわけで……」

李衣菜「？　なんですか？」

凛「？」


P「――二人には、これから本格的にユニットとして組んでもらいたいと考えています！」


凛「……！！」

李衣菜「お、おおおおおっ――！！」

凛「……そっか。李衣菜と……」

李衣菜「凛と、一緒に……！」

P「あぁ、どうかな？」

凛「うん……ふふ、ありがとうプロデューサー。私たち、きっと期待に応えてみせるから！」

李衣菜「見ててくださいっ。凛と二人なら、どんなに険しい道だって乗り越えてやります！」

P「おお、やる気満々だな！」

李衣菜「当然ですっ、凛と一緒なんて……へへ、考えただけでもロックですよ！」

P「ったく、ほんと李衣菜はなんでもかんでもすぐロックって……。凛も言ってやってくれ」

凛「ふふ――」



凛「李衣菜とユニットなんて……すごく蒼いね」

P「はは、だろ？　………………ん？」

凛「どうしたのプロデューサー？　私、変なこと言った？」

P「い、いや……待ってくれ凛、待って」

李衣菜「どうしたんですプロデューサー。なんだか腑に落ちない顔してますけど」

P「り、凛。もう一度さっきの台詞を頼む」

凛「？？　……『どうしたのぷｒ』」

P「その前！」


凛「『すごく蒼いね』」

P「なにそれ！？」

李衣菜「うわっ。急に大きな声出さないでくださいよ、もー」

P「え？　いや……え？　なに、俺の知らない間に『蒼』って意味変わった？」

凛「……なにを言ってるのプロデューサー……」

李衣菜「……大丈夫ですか？」

P「待ってくれ、俺が変なのか？」

P「……よし。凛、聞いていいか」

凛「うん」

P「『蒼』ってなんだ」

凛「……？　言ってる意味が分かんない。『蒼』は『蒼』だよ」

P「え、えーと……李衣菜。通訳してくれないか」

李衣菜「はぁ……？　とにかく、凛は『ロック』だねって言ってるんですけど」

P「え？」


P「え？」

凛「だって、李衣菜と一緒にステージに立てるんだよ？　こんなに蒼いことなんてないよ」

李衣菜「私も今からわくわくしちゃって……くーっ、ロックが止まらないぜっ！」

凛「うん。私も、今にも蒼に染まりそうだよ……！」

P「…………あっ」


P（感覚なんだ。もうこの娘たちの中では、『ロック』と『蒼』というのは概念なんだ――）

李衣菜「おおっ、凛！　なんだか蒼くなってきたねっ」

凛「李衣菜こそ。ロックが溢れてるね」

李衣菜「頑張ろう、これからも！」

凛「うんっ。また背中合わせで歌おう！」

李衣菜「よーし、もっともっと――」


李衣菜「ロックに行こうっ！」

凛「蒼に染まろうっ！」


「「ふふふっ♪」」


P「……うん、二人が満足してるならそれでいいや。ははは……はぁ」



おわり

というお話だったのさ
だりりんは基本こんなん