モバP「年少組の相手を飛鳥に任せた」 (37)

飛鳥「任された」

年少組=12歳以下
短いネタの積み重ねです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429099328

ケース①:遊佐こずえの場合


飛鳥「………」ペラッ

こずえ「なにしてるのー……?」

飛鳥「本を読んでいるんだ」

こずえ「えほん?」

飛鳥「残念ながら、絵はついていない。ほら」

こずえ「……むずかしそう」

飛鳥「そうだね。キミには少し早いかもしれない」

こずえ「うん……ふわぁ」ウトウト

飛鳥「おや。眠いのかい」

こずえ「んー……おひるね……するぅ」

飛鳥「あぁ、おやすみ。レッスンの時間になったら起こしてあげる」

こずえ「ありがとー……おやすみー」コテン

飛鳥「……む?」

こずえ「?」

飛鳥「キミ、ボクの膝の上で眠るつもりかい」

こずえ「きもちよさそう……だめ?」ウワメヅカイ

飛鳥「……いや、駄目ではないけど。うん」

こずえ「じゃあ……おやすみー」

こずえ「………すぅー」

飛鳥「もう熟睡している」

飛鳥「こうも気持ちよさそうな顔をして眠られると、こっちとしては受け入れるほかない」

飛鳥「天使の寝顔……まさにこういうのを指すんだろうね」

飛鳥「……しかし、思ったより負担がかかるものだね。膝枕というのは」

飛鳥「レッスンまで1時間か……」

1時間後


飛鳥「………」ペラッ

こずえ「……うぅん……ふわぁ」

飛鳥「お目覚めかい、こずえ」

こずえ「うん……おはよー」

飛鳥「おはよう。もうすぐレッスンだ、一緒に行こうか」

こずえ「はーい……」オキアガル

飛鳥「顔を洗ってから行くとしよう」

こずえ「……ねぇ」ジー

飛鳥「どうかしたかい」

こずえ「あし、がくがくしてるー」

飛鳥「……あぁ。これはアレだ、膝が笑っているんだ」

こずえ「ひざがわらう……?」

飛鳥「そう。こずえの可愛らしい寝顔を見て、微笑ましくなったのさ」

こずえ「かわいいー?」

飛鳥「うん」

こずえ「えへー……ありがとー」ニコッ

飛鳥「(……破壊力抜群だね、これは。Pが時折危ない視線になるのもうなずける)」


ケース① 終わり

ケース②:市原仁奈の場合

仁奈「飛鳥おねーさんの気持ちになるですよ!」

飛鳥「動物だけじゃなかったのか」

仁奈「もちろんです! このエクステをつけやがりますと」スチャッ

仁奈「キミの気持ちになることができるのさ。フッ……でごぜーます」

飛鳥「おお」

仁奈「どうして花は散るのだろうね……」ナガシメ

飛鳥「なかなかうまいね」

仁奈「絶対なんて、絶対にないのでごぜーます」

仁奈「見えるかい。白い煙を吐きやがる煙突の姿が。あの工場とボクらは、何処が違うんだろう。モノやキモチを……む、無理に生み出しては、この寒空に息を吐き続ける?」

飛鳥「無理に、ではなく無為に、だね。自分の言ったこととはいえ、うろ覚えだけれど」

仁奈「がーん……失敗です。まだまだ修行しやがらないと」

飛鳥「仕方ないさ。仁奈には少し難しい言葉だったから」

仁奈「飛鳥おねーさん。仁奈にいろいろ教えてくれやがりますか?」

飛鳥「あぁ、かまわないよ。語彙というのものは多ければ多いほどいい。様々な思想は、それを表現する言葉がなければ存在しえないものだからね」

仁奈「いきなり何言ってるのかわからねーです……でも頑張るですよー!」

翌日


梨沙「ねえ飛鳥。仁奈が朝から変な言葉遣いしてて何言ってるのかわかんないんだけど」

梨沙「しかもどこかで聞いたことあるような言い回しなんだけど」

飛鳥「……子どものスポンジのような吸収力は脅威だね」

梨沙「やっぱりあんたのせいか!」

飛鳥「やりすぎた」フッ

梨沙「ニヒルに笑ってないでなんとかしてきなさい!」

ケース② 終わり

世は続きを所望する

ケース③:橘ありすの場合


飛鳥「タブレットか……」

ありす「どうかしましたか」

飛鳥「いや。よく使っているようだから、便利なのかなと思ったんだ」

ありす「そうですね。ふと気になることがあった時にすぐに調べられるのは便利です」

飛鳥「なるほど。科学技術の進歩によって、ますます痒いところに手が届く世の中になってきているようだ」

ありす「……ところで、飛鳥さんの持っているそれはなんですか。イヤホンとつながっているようですが」

飛鳥「古いカセットプレイヤーだよ。……キミ達の年代だと、そもそもカセット自体に馴染みがないか」

ありす「そうですね。昔はそれで音楽を聴いていた、ということは知識として頭に入っていますけど……でも、飛鳥さん私と2つしか違いませんよね。カセットの時代じゃないのはあなたも同じなのでは」

飛鳥「それは違いない。でもボクは、古い曲は古い機械で聴きたい派なんだ」

ありす「音質とか、今のプレイヤーの方がずっといいと思いますけど」

飛鳥「それも正しいね。時折音割れもするし……ただ、その時代の風情を感じられるのは悪くないと、そう思わないかい」

ありす「……よくわかりません。不便なのに」

飛鳥「人間は、すべてを合理的にすませるようにはできていないということさ。もしそうなら、感情なんてものは必要なくなる。ボクらが豊かな感性を持って生を受けた以上、きっとそこには何か意味があるんだろう」

ありす「相変わらず難しいことを言いますね、飛鳥さんは」

飛鳥「そういう性分だから、我慢してくれ」

ありす「別にかまいません。時々勉強にもなりますし」

飛鳥「勉強?」

ありす「なんだか大人っぽいことを語る時があるので」

飛鳥「大人……ボクがね」

ありす「違いましたか?」

飛鳥「まあ、子どもという殻を破りたいと思っているのは事実だ。けど、大人になりきれている自覚はないかな」

ありす「そうですか」

飛鳥「大人になりたいと思うのなら、ボクよりも参考にすべき人間が周りにいるはずだ」

ありす「たとえば、誰でしょう。私をはじめ、Pさんの担当アイドルは未成年の人ばかりですが」

飛鳥「菜々さん」

ありす「……大人、なんでしょうか? 私には無理して若作りしているようにしか見えないんですけど」

飛鳥「大人だよ、彼女は。年齢の問題だけじゃない。いろいろと、大人だ」

ありす「そうでしょうか」

飛鳥「そのうち理解(わか)るさ」

ありす「……大人って、難しいですね」

飛鳥「一緒に学んでいけばいいさ。ボク達にはまだ時間があるのだから」

ありす「……そうですね」ニコリ

ケース③ 終わり

今日はここまで
大体こんな感じで山なしオチなしな話が続きます

期待

ケース④:龍崎薫の場合

薫「あすかお姉ちゃん!」

飛鳥「ん、なんだい」

薫「あすかお姉ちゃんの青い髪、きれいだね!」

飛鳥「あぁ、ありがとう。エクステにはこだわりがあるんだ」

薫「ねえねえ」

飛鳥「うん」

薫「髪をひっぱるとお姉ちゃんをそーじゅーできるのってほんとう?」

飛鳥「……え?」

薫「髪がコントローラーになってるってきいたよ!」

飛鳥「誰に」

薫「せんせぇ!」

飛鳥「アルコールでも入っていたのかな、Pは……」ハァ

薫「えー、ちがうのー?」

飛鳥「うっ……そう純粋無垢な瞳を向けられると、参ってしまうね」

薫「じー……」

飛鳥「……違わないよ。本当さ」

薫「わあ、ほんとうなんだ! すごーい!」パアァ

薫「うごかしてみていい?」

飛鳥「あ、あぁ。かまわないけど」

薫「よーし……それっ!」エクステツカム

飛鳥「(操縦される……適当にロボットみたいな動きをすればいいかな)」

薫「まずはまわれ右!」

飛鳥「………」ガチャンガチャン

薫「つぎは左!」

飛鳥「………」ガチョンガチョン

薫「すすめー!」

飛鳥「………」ガシャーンガシャーン

薫「……うーん」

飛鳥「何か問題があったかい?」

薫「ういーんういーんって音がするって、せんせぇ言ってたのに」

飛鳥「なんて無茶振り」

薫「むちゃぶり?」

飛鳥「なんでもないよ」

飛鳥「(ボクが口を開いて音を出すか……いや、さすがに露骨すぎてごまかせないかもしれない)」

飛鳥「(せめて誰か助っ人がいれば)」

ガチャ

梨沙「おはよーございまーす」

飛鳥「………」

梨沙「え、なにその期待のこもった視線」

飛鳥「言葉は不要か。流れで把握してくれ」

梨沙「知らないわよ! アタシ今来たところなんだけど!」

1分後

飛鳥「………」ガシャンガシャン

梨沙「ういーんういーん」(裏声)

薫「わーい!」

飛鳥「(めでたしめでたしだね)」

梨沙「(あとでアイスでもおごってもらお)」


ケース④ 終わり

ケース⑤:佐城雪美の場合


飛鳥「………」ジー

雪美「………」ジー

飛鳥「………」ジトー

雪美「………」ジトー

飛鳥「………」クスッ

雪美「………」クスクス

飛鳥「………」フッ

雪美「………」フフフ



梨沙「なにあれ怖いんだけど。笑いあってるんだけど」

桃華「通じ合っていますのね。以心伝心ですわ」

梨沙「わからないわ」


ケース⑤ 終わり

ケース⑥:横山千佳の場合

千佳「あすかちゃーん! 魔法少女ごっこしよ!」

飛鳥「ふむ……懐かしいね。昔はそういうこともよくやっていた気がする」

千佳「だめ?」

飛鳥「いや、久しぶりに幼少時代の思い出に浸るのも悪くない。やろうか」

千佳「やった! じゃああたしが魔法少女やるから、あすかちゃんは悪の大魔王ね♪」

飛鳥「やはり悪役か。まあ、ボクに魔法少女は似合わないからね」

千佳「正義の魔女っ娘、ラブリーチカ参上! 大魔王アスーカ、悪いことはやめなさい!」

アスーカ「それはできない相談だ。キミ達が人間を生かす存在なら、反対に人間を壊す存在もいてしかるべき。ボクの本質はそれなんだ」

ラブリーチカ「悪いことをやめないのなら、あたしがあなたをやっつけちゃうんだから!」

アスーカ「おっと、そうはさせない。まずはボクの眷属である悪魔リサリサの相手をしてもらおう」

梨沙「えっ」←隣のソファーで漫画読んでた

アスーカ「ほら、行くんだリサリサ」

リサリサ「いやなんでアタシまで。ていうかリサリサって悪魔につける名前じゃないでしょ!」

アスーカ「ごっこ遊びは人数が多い方が臨場感が出るだろう? あと、最近は悪魔も可愛らしいのがブームだそうだ」

リサリサ「まったく、しょうがないわね……というわけでラブリーチカ、アンタの命いただくわ」

ラブリーチカ「むむ、すごく悪そうな顔してる。さすがは悪魔」

リサリサ「アタシ今別に表情作ってないんだけど。元からそういう顔だって言われてるのこれ?」

アスーカ「普段Pにきつく当たっているのを見られているから、怖いというイメージがついているんじゃないだろうか」

リサリサ「あれはあいつがヘンタイみたいなことするから! ……まあいいわ。今は魔法少女ごっこの途中よ」

ラブリーチカ「こっちも仲間を呼ばなきゃ。来て、魔女っ娘ハルハル!」

晴「え、オレも?」←ソファーでサッカー雑誌読んでた

アスーカ「来たかハルハル……歴史の闇に消えたはずの禁断の魔術を継ぎし魔法少女」

ハルハル「しかもすごい設定が追加されている!」

リサリサ「どっちかというと悪役みたいな設定ね」

ラブリーチカ「え? ハルハルそんな怖い魔法使うの?」ガクブル

ハルハル「いや知らねーよ! 見ろ飛鳥、アンタの設定のせいでラブリーチカ困惑してるじゃねーか」

アスーカ「この混沌(カオス)な空気……まさしくごっこ遊びの醍醐味だね」

リサリサ「カオスにしてるの基本的にアンタだけだけどね」

やいのやいのと騒いだ末


ラブリーチカ「必殺、ハートボイスアターック!」

ハルハル「ハートボイスアタック!」

リサリサ「ぐうぅ、魂が浄化されていく……!」

アスーカ「くっ、これまでか……だが不思議だ。命の灯火が消えようとしてる瞬間だというのに、空がこんなにも美しく見える」

ラブリーチカ「大魔王アスーカ。それは、あなたの心から悪が消えた証よ」

ハルハル「アンタもきっと、大魔王になる前は……」

アスーカ「あぁ……思い出したよ。ボクが本当に手に入れたかったのは、この――」ガクッ

ラブリーチカ「……勝ったけど、なんだかさみしいね」

ハルハル「そうだな」


梨沙「結局全員ノリノリだったわね」

飛鳥「キミも含めてね」

ケース⑥ 終わり

ケース⑦:二宮飛鳥の場合

飛鳥「というわけで、年下の子とたくさんコミュニケーションをとった気がする」

P「お疲れさん。俺があまり事務所にいられなかった間、みんなの面倒見てくれたんだな」

飛鳥「そこまで大層なことはしていないさ」

P「お姉さんみたいな気分になったりしたか?」

飛鳥「そうだね……小さい子の相手ばかりしていたから、相対的に自分が大人であるかのような錯覚に襲われた」

P「そうか」

飛鳥「……だから、その反動というべきなのかもしれない」

P「? なにがだ?」

飛鳥「今、無性に子どもらしく甘えたい気分だ」

P「……俺が甘やかせばいいのか?」

飛鳥「ちょうど部屋にふたりきりなんだ。少しくらい独占したって、罰は当たらないだろう?」ニヤリ

P「わかった。じゃあだっこしてやろう」

飛鳥「それはさすがに恥ずかしいから……キミの隣に寄り添うだけにしておくよ」ピトッ

部屋の前の廊下

梨沙「………」

薫「りさお姉ちゃん、なにしてるのー?」

梨沙「なんでもないわよ」

薫「ふーん。かおるはこれからせんせぇとあそぶんだよ!」

梨沙「……待ちなさい薫。たまにはアタシと遊ばない?」

薫「え? りさお姉ちゃん、あそんでくれるのー?」

梨沙「今日は特別にね。ほら、あっち行きましょう」

薫「うん!」

梨沙「(あとで飛鳥にお礼もらおーっと)」

ケース⑦ 終わり

なんとなくキリがいいのでこれで終わりです
お付き合いいただきありがとうございました

そんな、珠ちゃんがまだしゃないか

若葉ちゃんを忘れてないかい?

おい25歳児はどうした

たかはしれいこさんじゅういっさいはどうした?

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