男「にゃあにゃあ」 幼馴染「どうなってるの…」(67)

猫「俺が知りたい」

幼馴染「猫が胡坐かいて腕組んでる…」

幼馴染「猫ってそんな姿勢できるんだ」

猫「どうやらそうらしい」

猫「つうかどうしてこんニャの見ても驚かニャいの?」

幼馴染「だって、男君といえば猫、猫といえば男君だし」

猫「お前そんニャ目で俺を見てたのか」

幼馴染「ううん、クラスのみんな」

猫「まじで?!」

猫「ゴホン…ところでさ」

幼馴染「なに?」

猫「どうしてこうニャったとか聞かないの?」

幼馴染「だっていつもベタベタしてたし」

幼馴染「いつかこうなると思ってた」

男「ん~にゃむ」ゴロゴロ

猫「俺どんだけ猫好きだって思われてんの…」

幼馴染「海より深すぎて地殻突き抜けちゃうくらい」

猫「うそ、あれくらいが普通だろ?」

幼馴染「いくら猫好きでも、学校に連れてきて」

幼馴染「一緒にお昼ご飯とかはないと思う」

猫「そうかニャぁ…」

猫「まぁ俺の猫好きニャとこは置いといて…」

猫「ニャんでこうなったか聞きたくニャい?」

幼馴染「聞きたくない」

猫「ニャんで!?」

幼馴染「不純異種交遊の至りだって思うから」

猫「俺にそんな趣味はニャいよ!」

猫「まぁでも、俺と猫がラブラブだったことはいニャめないニャ」

猫「とにかく、語らせてもらおうか」

幼馴染「ええー…そんな、いいよ…」

猫「聞く前から引くニャ!」

猫「まったく…これは昨日の晩のはニャしニャ」

~昨晩~

男『猫ぉ~~相変わらずおまえはかわいいなぁ!』ナデナデスリスリ

男『よし、今日も一緒に寝るか!』スリスリナデナデ

猫『にゃん♪』

俺はいつもどおり、そう、いつもどおり愛しい猫ちゃんを愛でていたニャ

  ちょっと気持ち悪い

そういうこと言われるとすごくかニャしい…

…コホン、そして

男『あったかいお!猫ちゃんのおかげでぬくぬくだお!!』モサモサ

男『あああ猫ちゃんのおかげであったまったお布団!』

男『まるで猫ちゃんに包まれているみたいだあぁ!』

猫『……』スースー

  もうやめて、ほんとに気持ち悪い…

気持ち悪くニャいでしょうよ!

そしてそのまま寝ちゃったんだけど

朝起きたら…

猫『ふにゃあぁぁ…』ゴロン

猫『おはよう猫ちゃん…』スック

ズテッ

猫『うにゃうっ!』ゴロン

猫『なぜまともに立てニャい…はっ!』

猫『猫ちゃんの尻尾!』

猫『なんだ~後ろに隠れて、そんニャに恥ずかしいか~!』

猫『待てー!』グルグルグルグル

二足歩行できずに気が動転して、猫ちゃんの幻覚を見てしまったんだ

  なんというかあっという間に四足歩行に順応してるじゃん、すごい

そうだろう、で、そのうち自分で猫ちゃんにニャってることに気付いて…

猫『そんニャ…俺が猫ちゃんに…』ワナワナ

猫『わ…わ…』フルフル

猫『我が世の春が来たあぁぁぁ!』

  思いっきり喜んでるじゃん

猫『猫ちゃんのニャかに俺の意思が…』

猫『まさに…一心同体…ッ…!!』

まぁ嬉しくニャいわけがニャいニャ

  私だったらすっごく困る

ニャんで困るんだよ、歓喜するだろ普通

  しない…うん、も一度考えたけどできない

猫「んで、俺…もとい猫ちゃんも起きて、今に至るというわけニャ」

男「なぉ~」

幼馴染「男君にとってはハッピーエンドじゃないの?」

幼馴染「もうそれでいいじゃん、べつに」

猫「ニャんでちょっと怒ってんの…」

幼馴染「べつに~」

猫「ごめん、ニャんかごめん、だから投げやりにニャらないで…」

猫「…その、続けてもいい?」

幼馴染「…どうぞ」

猫「うん、それで、どうもそのハッピーエンドってわけでもないんだニャ」

猫「安いキャットフードっておいしくニャいんだよ」

幼馴染「うん」

猫「それに、人向きの調理法じゃニャいと思うし」

猫「それで万が一…いや、ニャんが一…」

幼馴染「言い直す必要はないんじゃないかな」

猫「俺の体で動いてる猫ちゃんが…猫ちゃんが…」

猫「おなかでも壊したらっ…俺はっ…!」ワナワナ

幼馴染「…いいよ、私が作ってあげるから」

猫「頼む前に察して承諾してくれるニャんて!」

猫「かぁさん朝早く仕事行くから俺が作ってたけど作れニャくてホント困ってた…」

猫「ああ…感謝…ニャ…」ウルウル

猫「ありがとう、ほんとうにありがとう…」

幼馴染「男君に作ってあげるなんて今回が初めてじゃないし…」

幼馴染「私の料理の練習になるし、うん、ちょうどいいかな」

幼馴染「ところで、男君の方はキャットフード口にあうの?」

猫「はっ!しまった、自分のことを忘れていた…」

幼馴染「そうやって自分のことをすぐ棚に上げる…」

幼馴染「私のことだって…」

猫「以前食ったときはお世辞にも旨いとは言えニャかったし…高いの買ってあげたいけど経済的に…」ブツブツ

幼馴染「…聞いてないし」

猫「ん、えと、ニャにかいった?」

幼馴染「ニャんにも」

猫「おい、俺の猫ちゃんになってからの癖がうつってんぞ」

幼馴染「真似しただけだよ」

猫「そうか、いや、いいもんだニャ」

幼馴染「?」

猫「ふむふむ、やはり味覚は猫、思ったほどではニャいニャ」ガツガツ

幼馴染「そうなんだ」コトコト

猫「これはまごうことニャきみそ汁の匂い…」クンカクンクン

幼馴染「よし、できた、男君」

猫「ん?」

幼馴染「…じゃなくて、今は猫ちゃんだっけ」

幼馴染「猫ちゃん、こっちこっち」クンクン

男「?」トコトコ

幼馴染「わ…四つん這いだよ」

猫「引かれちゃったかニャしい」アムアム

男「!」ググッ

幼馴染「うわわ、ちょっと!」

男「むー!」グイグイ

幼馴染「離したら顔を鍋に突っ込んじゃいそう…!」グググ

猫「やめるんだマイハニー!火傷しちゃうぞ!」ガッシ

男「む…」

幼馴染「はぁ…私が食べさせてあげるからもう少し待ってね?」

男「……」ジーッ

幼馴染「えーっと…何?」

男「なぁお」

猫「わかったって言ったぞ今」

幼馴染「うん、そうみたい。男君のでたらめ通訳なしでもわかるよ」

猫「いや、今たしかに『わかった』って言った!」

幼馴染「…え?」

幼馴染「にわかには信じられないけど…」

猫「俺にはわかる…!」

猫「猫ちゃんと意思の疎通がはかれる…こんニャに嬉しいことはニャい…!」

幼馴染「それって一方通行なのかな?」

猫「…あ、そうか、俺からも試さないとわかんニャいよニャ」

猫「じゃあさっそく」

男「んー」グググ

幼馴染「わわ!」グイッ

猫「危ニャいって!落ち着いて!」ダキッ

猫(そうだ!今こそ試すチャンスニャ!)

猫(…ニャはいらないか)

猫『待て!』ニャッ!

男「!」ピタッ

幼馴染「あ…止まった」

幼馴染「今何て言ったの?」

猫「猫語みたいニャので『待て』って言った」

幼馴染「それ効くならわざわざ猫語じゃなくても…」

猫「テヘ☆」ペロッ

幼馴染「じゃあ次から男君…じゃなくて猫ちゃんが暴走しそうになったら『待て』って言おう」

猫「うむ、しつけは完ぺきだからニャ」

幼馴染「それじゃ…猫まんまでいいよね」

男「んーんー」

猫「待ち遠しいらしい、早く食べさせてやってくれ」

幼馴染「はいはい…こういうときは、あーんだよね」

猫「ニャんだと?!くそうらやましすぎるニャ…」

幼馴染「…そう思う?」

猫「切にそう思う」

幼馴染「あーん…」スッ

パクッ

男「んー…」モグモグ

男「ん」ゴクッ

男「なぅ」ニコッ

幼馴染「よかった、おいしくなくはないみたい」

猫「ウミャヴッ!!!」ビョインッ

幼馴染「ど、どうしたの?!」

猫「あづづづづ!水!」バタバタ

幼馴染「…つまみ食いしたんだ」

猫「あひニャんかわはったもんひゃニャいニャ…」ハヒーハヒー

幼馴染「そっか、猫舌なんだ」

猫「くそ…折角おさニャニャじみが作ってくれたのに…」

幼馴染「食べたかったら言ってくれればいいのに」

幼馴染「フーッフーッ」

幼馴染「はい、あーん」

猫「あ、あーん…」パクッ

猫「……」モグモグ

猫「うぅ…」シクシクモグモグ

幼馴染「ど、どうして泣くの?!」

猫「こんニャいい幼馴染が持てて幸せだと思ったら…ついニャ…」シクシク

幼馴染「男君…」

猫「…あ、幼馴染じゃなくておさニャニャじみだったニャ」

幼馴染「ぶち壊しだよ…」

幼馴染「食べさせ終わったけど…」

男「んー…」デローン

幼馴染「着替えさせないとね…」

猫「そうだニャ…」

クロネコノタンゴッ♪タンゴッ♪タンゴッ♪

幼馴染「ん、何?」

猫「俺の携帯の着信だ」

幼馴染「なんで黒猫のタンゴなの…」

猫「いいから出てくれよ」

幼馴染「はいはい…ん、友君からだ」

猫「ニャんだと…」


幼馴染「もしもし、友君?」

友『あれ、なんで幼馴染ちゃんが出るの?!』

幼馴染「あ、えと、男君今トイレ行ってて…」

友『そうかい…あいつめ…後でつるs』

幼馴染「へ?」

友『いやなに、あっはっは』

友『ところで遊びに行く予定だったんだけど』

友『ちょっと親と出かけるから行けなくなったって伝えといてくれよ』

幼馴染「うん、了解」

友『くそ…邪魔できないのが非常に残念だ』

幼馴染「んん?」

友『なんでもございません!んじゃまた』プツッ

幼馴染「…って内容だった」

猫「最後の呪詛が非常に気にかかる…」

幼馴染「それってどういう意味なの?」

猫「ああ、あんまり深い意味はニャいんだニャ…」

幼馴染「?」

猫「それより、ニャるほど、奴が来ていたらめんどくさいことにニャっていたニャ」

幼馴染「なんで?」

猫「説明する手間がかかるニャ」

幼馴染「そういうとこズボラしないでよ…」

幼馴染「…でも、クラスのみんなだったら、『あっそ』ってすぐ理解してくれるよ」

猫「喜んでいいのかニャ?複雑ニャ気分ニャんだけど」

幼馴染「クラスのみんなで思い出したけど、今日が日曜でほんとによかった…」

猫「どの道学校だったら受け入れられるんじゃニャかったの?」

幼馴染「それはそうだけど…」

猫「あ、そうだ、近所の人に驚かれるのか」

幼馴染「大丈夫だよ」

猫「えっ」

幼馴染「男君の家から半径100m以内までは大丈夫」

幼馴染「でも、その半径100mを越えちゃったら困るから…」

猫「俺どんだけ有名ニャの」

幼馴染「将来の犬…じゃなかった、猫将軍って言われてるくらい」

猫「俺政治家志望じゃニャいんだけど」

猫「でも、その範囲から出たらやっぱり怪しまれる可能性もあるわけで」

猫「それだったら最低限猫ちゃんには挨拶ぐらいは…」

幼馴染「なんで外出るつもりなの?」

猫「お前も一日中俺と一緒とか嫌だろ」

幼馴染「別に…一日中遊ぶなんてよくあったことだし気にならないけど…」

猫「でも俺は外に出たいんニャ」

猫「折角入れ替わって得たこの体…楽しんだもん勝ちとは思わんかね?」

幼馴染「面倒増えるからやめてよ」

猫「正論です、うん、正論だよそれは」

猫「でもさ、ほら、鳥にニャって飛んでみたいとか思うことあるじゃん!」

幼馴染「私は思ったことないよ」

猫「夢がニャいニャあ!おさニャニャじみは!」


猫「とにかく俺は外に出るぞー!」

猫「出ると言ったら出るのである」

猫「だからして猫ちゃんに最低限のマニャーである挨拶ぐらいは会得してもらいたい!」

男「?」

幼馴染「…あ、そうだ、上着替えさせないと…勝手に持ってくるね」

猫「やめておけ、開けたら爆発する仕掛けにニャっている」

猫「ここは私が行こう」トコトコ

幼馴染「え?…うん、行ってらっしゃい」

猫「ははは、行ってくるよ」

猫(あっぶねぇ…危うく俺の法典がばれるとこだった…)トコトコ

猫(いつもの場所に移せないのがなぁ…)

男「んふ~♪」ニコニコ

幼馴染「よし、着替えさせ終わった」

猫「タンスの開け閉めのしんどさって言ったらないニャ…」

幼馴染「私に任せてくれればよかったのに」

猫「んん?!いやいやいや、これも猫ちゃんの体にニャれるための修行ニャんだよ」

幼馴染「まだ慣れてなかったんだ」

猫「うむ、例えばしっぽの制御とか」フリフリ

猫「これがいちばん難しいニャ」

幼馴染「どして?」

猫「割と無意識に動いちゃう」

幼馴染「へぇ…はじめて知った」

猫「ということでいろいろさて置き」

猫「是非とも猫ちゃんには挨拶を会得していただきたい!」

男「なう」

猫「そうかそうか、んじゃあ早速」

幼馴染「今猫ちゃんなんて言ったの?」

猫「ヒアウィーゴー!ってめっちゃ流暢に言った」

幼馴染「うそつき」

猫「うん、冗談だって、ニャんで最近のおさニャニャじみはボケに冷ややかニャの?」

幼馴染「無茶ぶりだってわかってるのに無理にさせようとしてる男君ちょっとめんどくさいなって思って」

猫「あれ?やっぱ猫って泣くんだ、鳴くんじゃニャくて泣くんだ」ウルッ

幼馴染「言い過ぎたけど…無理にさせることないと思うよ」

猫「やってみニャきゃわかんニャいじゃん!俺がいけるニャら猫ちゃんもいけるって理屈!」

猫「猫ちゃん、いけるよな、いけるよな」

幼馴染「必死すぎてニャが取れてるよ」

猫「おっといけニャい…よし、猫ちゃん、こんにちは!」

男「…?」

猫「こ・ん・に・ち・は・!」

男「ん゙~…」

幼馴染「機嫌悪そうだよ」

猫「そうだ!『こんにちは!』」ニャーゴ

男『こんにちは、ご主人様』ニャーゴ

猫「やった!しかも猫ちゃん俺のことご主人様って言ってたよ!」

幼馴染「それはどうでもいいけど…猫の言葉じゃダメなんじゃない?」

猫「…そういえばそうだニャ」

幼馴染「ばか」

猫「ニャらば…腹話術ってのはどう?」

幼馴染「腹話術…」

猫「おさニャニャじみが腹話術を駆使して、いい感じに俺がしゃべってる風に」

幼馴染「見えないよ」

猫「物は試し!やってみるニャー!」

幼馴染「もう男君ヤケクソだよね…」

幼馴染「私腹話術なんてやったことないよ」

猫「そこをニャんとか…それっぽくどうか…」

幼馴染「もう、私が甘いからって…」

幼馴染「じ、じゃあやるね」

猫「どうぞ!『猫ちゃん口パクよろ!』」フミャウ

幼馴染「……」スーッ

幼馴染「わ゙れ゙わ゙れ゙は、ゔちゅーじん゙だ」

猫「…あれ?」

猫「ニャんで今それニャの?!」

幼馴染「ごめん、初めてのことで気が動転して…」

猫「宇宙人の真似するニャら今の俺の方がそれっぽいじゃん!」

幼馴染「そこなの?」

猫「そうだろ、今一番宇宙人宇宙人してるの俺じゃん?」

幼馴染「言われてみれば…」

幼馴染「じゃあやってよ」

猫「やってやんよ」

男「……」パクパク

猫「ワレワレハ、ウチュージンダ」カクカク

幼馴染「なんかバカっぽいよ、男君」

猫「発端はお前じゃん!ニャんで俺がバカみたいにニャってるの!?」

幼馴染「筆談とかもできないだろうし、もう手はないと思うんだけど」

猫「そんニャ…猫ちゃんのままで散歩する夢が…」ガックシ

幼馴染「そんな魂胆どこかにおいとこうよ」

猫「魂胆って…べつに悪だくみじゃニャいんだから」

幼馴染「だって、『早く戻りたい』とかないじゃん」

幼馴染「そこが男君らしいとは思うけど」

幼馴染「私用事あって早く来たのに…それがふいになっちゃうよ」

猫「マジで…それって人間じゃないと無理?」

幼馴染「ムリ」

猫「そうか・・・でもニャ、俺の動物的直感は元に戻れる方法が外にあると告げている・・・!」

猫「つーことで外!外!」ガリガリ

幼馴染「もう・・・そんなこと言うけど、男君はどうするの?」

猫「だから外!」ガリガリ

幼馴染「違う違う、男君じなくて、男君」

男「・・・・・・」パクパク

幼馴染「待て」

男「!」ピタッ

猫「連れてけばノープロブレム!俺が指示は飛ばすから!」ガリガリ

幼馴染「ホント自分勝手だよね・・・猫ちゃん、立って」グイグイ

男「んにゃ?」

猫『猫ちゃん二即歩行!』ウニャウ!

男「!」スクッ

幼馴染「あ・・・立った」

<外>

猫「うんうん、猫で吸う娑婆の空気もうまい!」

幼馴染「猫ちゃん、そっちじゃなくてこっち」グイグイ

男「むー」

猫『猫ちゃん、幼馴染の言うことはわかる範囲でよく聞くんだ』ニャニャウ

男『わかりました』ミャオ

猫「すげえ!意志の疎通が図れる!よっしゃああああ!」

ドンッ

猫「いてぇ・・・ん?」

友「んん?」

友「ということは・・・」

幼馴染「あ、友君?」

友「シット!!」

友「くそ、こっそり行ってよろしくやってるのを覗こう大作戦が・・・」

猫「丸聞こえニャんだよks」

友「あ、その口調は男か」

友「ついに猫ちゃんとの入れ替わりを果たしたのか、偉いぞ」

猫「前からそんな兆しがあったみたいニャ言い方すんじゃねえよ」

猫「あと偉いとか偉くないとかどうでもいいわ」

友「じゃあこっちが猫ちゃんってわけか」

友「よう、おひさ」

男「にゃう」

友「しゃべったああぁぁぁ!?!?」

猫「こっちで驚けええぇぇぇ!!!」

友「元に戻る方法を探してるって?わざわざ幼馴染ちゃんが」

幼馴染「今日の予定台なしにされたくないし・・・」

友「それ男が頑張らなきゃいけないんじゃね?」

猫「ほら、早く戻らないとだから、お前教えろよ」

猫「お前ほら、どうせ答え握ってるけど漏らす前に殺される役回りだろ?」

猫「答え漏らしてから殺られてくれよニャ」

友「いや俺答えとかしらないんだけど」

猫「チッ、使えねぇな」ペッ

友「うわ、ばっちぃ!」サッ
猫「おい!テメコラ、何がばっちぃだ!」

猫「間接的に猫ちゃんのよだればっちぃって言ってるぅにゃああぁぁぁ!」ブワッ

幼馴染「待て」ピシッ

猫「はうちっ!」

幼馴染「男君、すぐそうやって友君に絡むの止め。謝って」

猫「・・・ごめんニャさい」

幼馴染「その謝りかた流行らないよ」

猫「別にわざとじゃニャいし!」

友「まぁいつもの事だし、どうせ適当に終わっちゃうから大丈夫だ」

幼馴染「それはそうだけど・・・」

友「こんなに心配してくれるなんて・・・まさか・・・」

幼馴染「絶対ないかな」

友「知ってる」

幼馴染「なんで?!」

友「だって幼馴染の友達から・・・」

ダアンッ!

猫「わあっ!」

友「何事ッ!」

三毛猫『チッ…外したか』フーッ…

友「あれは…!」

友「この近所で有名な超レアオス野良三毛猫じゃないか…!」

幼馴染「そんなのいたんだ…」

友「幼馴染ちゃん、知らなかったのか?!この辺の猫好きで知らないものはいないぞ?!」

幼馴染「そ、そうなの?」

友「ああ、かつてあいつを捕まえにいった猛者がいたが…」


三毛猫『死ねぇ!』ガンッ

猛者『ごふぁ!』ドシャアアァァァン


友「…返り討ちにあったらしい」

幼馴染「男君でもないのに人の言葉話してるけど…」

友「これは伝え聞いた話だからな、歴史というものは盛られて伝えられるものだ」

猫『お前は…近所の超レアオス野良三毛猫か!』ムムーッ!

三毛猫『…なんだかしらねぇが、俺のことは知ってるようだな』ナーゥ…

三毛猫『だったらァ、ここらが俺のシマってことも当然…知ってるよな?』ナーゴ

猫『なんだとっ!?』ナウッ!?

三毛猫『なんだしらねぇのか、ここらの買いネコでも知ってることだぞ?』ミャーオ

三毛猫『よそから来たお上りかい?嬢ちゃん』ゥオーウ

猫『嬢ちゃん…?』ム…?

猫(ああそうだそうだ、猫ちゃんメスジャン)

三毛猫『まぁそんなこたぁどうでもいいことだ、さっさと離れてくれりゃあそれでいい』ムーゥ

猫『いやそんなことできないです』ナウ

三毛猫『何ィ…?』ンンン?

友「何か不穏な空気になってきたな…これはまずいかもしれない」

幼馴染「え?そんな、男君大丈夫なの?」

友「あの猫相手だ、奴はもう死んだも同然かもしれない」

幼馴染「えええ!?」

友「だが…俺達には、そう、見守ることしかできない…」

友「行っても下手したら返り討ちですし」

幼馴染「そんな…」

男「……」ジーッ

猫『ちょっと用事があるから通るだけなんだけど』ミャオ

三毛猫『しんねーな、せっかく離れろっつってんのに聞いてねぇよこのバカ猫』ゥミャーオ

猫『あ゙あ゙?』ン゙?

三毛猫『従ってりゃあ痛い目にもあわずに…ん?』ゥナーウ…?

猫『お前…そのバカ猫って…バカ猫って…!』ウウ…ウウウウ…

猫『俺の猫ちゃんに言ってるのも同然じゃねぇぅにゃあああぁぁぁぁ!」ブワワッ

三毛猫『!?!?』

ドカァァン

ドタッ  バサッ    ウミャウ!バキッ ドスッ     ガガッ ドゴォ  ワギャァゥッ!

友「すげぇ、男、急に発狂したと思ったらあの三毛猫を圧倒してやがるっ…!」

猫「死ね!死ね!氏ねじゃなくて死ねええええ!」バキッドスッ

幼馴染「で、でも、あれじゃ三毛猫が危ないよ!」

『待ってください!』ミャオウ!

男『ご主人様っ』ミャウッ!

猫『猫ちゃん!こいつは猫ちゃんをバカにしたんだぞ!死刑だろ!』フシャアア!

三毛猫『・・・幻聴・・・か・・・?』ムゥ・・・

三毛猫『人間が・・・俺らの言葉を・・・』ゥゥ・・・

男『私はそんなこと望んでないです!』ゥミャアオ

男『私はご主人様と平穏無事に過ごせるだけでいいんです・・・』ワゥゥゥ・・・

男『私のせいでご主人様怪我をさせるようなことがあったら・・・』ナゥゥゥ・・・

猫『猫ちゃん・・・』ウゥ・・・

三毛猫『お、お前ら・・・』ナゥ・・・

幼馴染「なんかしんみりしてきた」

友「これは・・・」

猫『・・・・・・』スッ

三毛猫『・・・!おまえ・・・!』ナウ・・・!

猫『和解だ、野良猫』ミャオ

三毛猫『・・・なぜ手を差し延べやがった』ミャウ

猫『俺の猫ちゃんが争いを好まねぇからな、情けだ情け』ワゥミャウ

三毛猫『クソが・・・負けた手前なんともいえねぇな』ウゥ・・・

幼馴染「ありがちな展開が繰り広げられてる気がする・・・」

友「気のせいだ」

三毛猫『今日からこの領分はてめぇのモンだ、横切るなりなんなり好きにしろや』ナォウ

猫『いやホントに横切るだけでいいから、俺班長とか引き受けたくないタイプだし』ナゥオゥ

三毛猫『・・・お前、猫らしくない猫だな、ついでにメスらしくもない』ミャオ

猫『心が人かつ男なんだよ』ゥワウ

三毛猫『飼い猫ってそんなものなのか』アゥ

猫『そんなもんだ』ォウ

男『ご主人様、勘違いするようなこと言わないでくださいよぅ・・・』ウゥ・・・

三毛猫『・・・そういえば、お前みたいなよくわからねぇ奴、今朝見かけたよ』ミャーオ

猫『え?!』ナウッ?!

三毛猫『気取ってていけすかねえ奴だったから追っ払ったけどな』ナーウ

三毛猫『挙動が猫らしくねぇんだ』ウー

猫『そうか・・・どこにいた?』ナゥ・・・?

三毛猫『あっちだ、まだいるかはしらねぇけどな』ゥォウ

猫『わかった、恩に着るぜ』アゥ

三毛猫『見逃してくれた借りを返しただけだ』フッ

猫「よし、お前等こっちだ!」タタタ

幼馴染「あ、え?男君、ちょっと!」

友「読めねぇ・・・展開が読めねぇぜ・・・」

タタタ

猫「ん・・・あれか?」

幼馴染「あれって・・・」

友「あれは・・・!」

ナルシ「・・・・・・」フッ

ペルシャ猫「・・・・・・」フッ

友「視界に入ると必ず壁にもたれ掛かり腕を組み不敵な笑いを漏らすあいつは・・・」

友「クラスの皆に煙たがられるどうでもいい存在で逆に有名なナルシストじゃないか!」

猫「解説ご苦労」

友「俺、将来ニュースキャスターになるんだ」

猫「ほんのり期待しとくわ」

ペルシャ猫「おやおや、奇遇だねぇ」

ペルシャ猫「僕はこの立ち方を猫にもやりやすい形に改良していたんだ」

ペルシャ猫「相変わらずキまっているだろう?」

幼馴染「ナルシ君も危機感とか無いみたい・・・」

猫「つうかお前も入れ替わってたのか」

ペルシャ猫「ああ、そうとも」

ペルシャ猫「・・・ま、結局何になろうと僕の美貌が薄れる事はないさ」

ペルシャ猫「ましてや僕の飼い猫だしね」

猫「うぜぇ」

友「相変わらず自信満々、強烈だ・・・」

幼馴染「・・・ひょっとして、他にもまだ入れ替わったりした人いたりして・・・」

???「そ、その通りなんだなっ!ンデュフッww」

友「待てよ、その声は・・・!」バッ

キモオタ「・・・・・・」ユラァ・・・

シャム猫「ンフッwwwwww」ユラァ・・・

幼馴染「な、なんなんだろう、あの立ち方」

猫「つうかなんであんな高い猫持ってんの」

ペルシャ猫「ジョ、ジョジョ立ち・・・だと・・・」ガクッ

ペルシャ猫「そんな・・・あんな・・・猫があんなポーズをとれるなんて・・・」ブルブル

友「ナルシを立ち姿で下したあいつは・・・」

友「the美青年、ファンクラブが立つほどの美貌を持ちながら」

キモオタ「ぼ、ぼくの勝ちなんだなっ!フォボォwwww」

友「喋り方がキモイっ!残念なイケメン、キモオタじゃないか!」

猫「解説ご苦労」

友「俺、将来プロ野球選手目指してるんだ」

猫「いや解説しろよ」

幼馴染「あれ、人の方も喋ってる・・・」

シャム猫「は、話せる相手が猫ちゃんしかい、いないから話してたら」

シャム猫「こ、言葉を覚えてくれたんだなっ!ホヒュッwwwww」

キモオタ「ホヒュッwwwww」

幼馴染「超常現象だよ・・・」

猫「ん、そうだ」

猫「こいつらが猫にニャった経緯を知れば、ヒントにニャるんじゃニャいか?」

幼馴染「そうかな・・・」

猫「きっとそうだ」

猫「つうことで、ナルシ、言ってみろ」

ペルシャ猫「おや、僕の華麗な日常に興味がおありかい?」

猫「それでいいから言え」

ペルシャ猫「そうかい?じゃあ話すよ」

ペルシャ猫「あれは・・・たしかアフタヌーンティーを終えた後の話かな・・・」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

僕の父は発明好きで有名だろう?

この辺ではな

その日は、また新しいものを開発したみたいでね

ナルシ父『我ながらエクセレンツ!これは是非息子に使って欲しいものだ!』

って意気込んで発明品を持って来たんだ

どうせまたジェットエンジンとかついてるんだろうニャ

あのロケット鉛筆だろ、壁に穴が開いたからな

ワクワクして落ち着か無いみたいだけど、静かに話を聞いてほしい

父がくれた発明品は

ナルシ父『ハッハァ、息子!これであの学校まで18秒だぜ!』

ジェットエンジン搭載型自転車だった

ほらみろ!当たってんじゃん!

あれ、もしもしじゃ空白が機能しないのか・・・?

ペルシャ猫「そうかい?じゃあ話すよ」

ペルシャ猫「あれは・・・たしかアフタヌーンティーを終えた後の話かな・・・」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

僕の父は発明好きで有名だろう?

   この辺ではな

その日は、また新しいものを開発したみたいでね

ナルシ父『我ながらエクセレンツ!これは是非息子に使って欲しいものだ!』

って意気込んで発明品を持って来たんだ

   どうせまたジェットエンジンとかついてるんだろうニャ

    あのロケット鉛筆だろ、壁に穴が開いたからな

ワクワクして落ち着か無いみたいだけど、静かに話を聞いてほしい

父がくれた発明品は

ナルシ父『ハッハァ、息子!これであの学校まで18秒だぜ!』

ジェットエンジン搭載型自転車だった

    ほらみろ!当たってんじゃん!

流石は僕の父、あのスピードなら確かに学校まで18秒

…いや、17秒は固かったよ

   乗ったのかよ

でもさすがの僕でもあのスピードでハンドルを捌くのにも限界があった

ナルシ『くっ…このままでは…!』ゴオオオオ

ペルシャ猫『ニャァァァ?!』

ドガシャアアァァァン

…そう、華麗に事故ったんだ

   事故るだろうニャ、それは

場所は、近所の猫が祀ってある神社さ

    罰があたったんだな

気付けばすでに入れ替わっていた…

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ペルシャ猫「これが僕とペルシャ猫が入れ替わった事の顛末さ」フッ

猫「つうかニャんでそこにお前のペルシャ猫がいるんだよ」

ペルシャ猫「わからないのかい?荷台に乗っけてたんだ」

猫「ごめんニャさい理解がおよばニャい」

ペルシャ猫「相変わらずキミはおバカさんだな」

ペルシャ猫「もう少し僕みたいな柔らかい頭を持った方がいいよ?」

猫「ジェットエンジン搭載型自転車にホイホイ乗っちゃうようニャ豆腐脳味噌なんていらニャい」

ペルシャ猫「まぁ、そう言わずにさぁ…」グググ

猫「や、やめろおおおお!」

シャム猫「つ、次は僕の番なんだなっ!フホュッwwwww」

猫「こいつをどうにかしてからにしろおおおお!」

ペルシャ猫「ああ、何だかわからないけど頭が素敵なことになってきたよ」

猫「ぎゃあああああああ!」

シャム猫「あれは、そう、今日のように暑い昨日だったんだな…」

猫「素知らぬふりして始めてんじゃねぇぇぇぇ!」ドタバタ

ペルシャ猫「ふふふふふ…」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

バシィンッ

キモオタ『ブヒィィッ!!』ビクンッ

猫女『…うるさい、糞猫、百回まわって、ニャんって言う』

猫女『…あと…猫は豚みたいな鳴き声、しない』

猫女『…糞猫は…糞猫らしく鳴いて』ヒュッ

ビシィッ

キモオタ『に、にゃんんっっ!!』ビカァン

夜中に近所の境内で「百週回ってニャンごっご」をしてたんだなっ!ブゴヒュッwwwww

   んニャ遊び聞いたことニャいんだけどおオオ!!

    猫女って誰だよ

近所に住んでる女さんなんだなっ!

    いつも最前列の席で読書してる大人しそうなあの女さんが?!

   おったまげええええ! <ドタバタ

お、女さん、コスプレが趣味みたいで、最初来た時は

ナース女『……オタクのあなたなら…わかってくれると思って…///』

って、昔から遊んでるキモオタ君ならって、見せに来るようになったんだなっ!

   裏山氏ね
  
    裏山氏ね

     隙あり♪

   やべぇぇぇぇ!!!

それから紆余曲折あって…

女『…私が主人、あなたは飼い猫…わかる…?』

キモオタ『ニャ、ニャンッ!』

ってなったんだなっ!ゴボヒュッwwwwww

    紆余曲折何があったらそうなるの?

シャム猫「その日は後で来た飼い猫のシャム猫ちゃんも一緒にしつけられて」

シャム猫「『ニャン』っていう頃にはシャム猫ちゃんと入れ替わってたんだなっ!ガボヒュwwwww」

友「おい、じゃあ女さんお前が入れ替わるとこみてんじゃん」

友「入れ替わってるってわかった時女さんどうしたんだよ」

シャム猫「『上手くニャンって言えるようになったね…お疲れ様…』って言って帰っていったんだなっ!」

友「お前それでよかったのかよ!」

シャム猫「ご主人さまに褒められて本望だったんだなっ///」

友「駄目だこいつ…もう俺達と違う世界で生きてる…」

ペルシャ猫「ハァ…ハァ…中々しぶといじゃないか、男君」

猫「うるせぇ!猫ちゃんの貞操は俺が死んでも守る!」

ペルシャ猫「おや、この僕じゃダメなのかい?」

猫「豆腐脳味噌が遺伝したら超嫌だろうが!!」

ジャアショウユノウミソダッタラドウダイ?

クサッテエキタイカシテンジャネーカ!



幼馴染「・・・・・・」

男「にゃう」ポンポン

幼馴染「んぁ、猫ちゃん・・・」

幼馴染「ありがと、なんかいろいろ起こっててよくわかんなくなっちゃって、ぼーっとしちゃってた」

ア、ソウイエバキモオタクンモアナハアルヨネ・・・ジュルリ

マ、マツンダナッ!ソンナコトサレルトオンナチャンニアッ-!

幼馴染「あの三人、戻りたいって思ってるのかな・・・」

男「・・・?」

幼馴染「あ、そうだ」

幼馴染「逆に、猫ちゃんは戻りたいと思う?」

男「・・・・・・」コクン

幼馴染「そうなんだ、じゃあどうして?」

幼馴染「・・・って言ってもわかんないか」

男「・・・・・・」ブンブンッ

幼馴染「え?わかるの?」

男「・・・・・・」コクッ

タタタ グイッ

キモオタ「ンデュフwwwww」

男「ニャン」ペシペシ

幼馴染「翻訳してもらうんだ・・・猫ちゃん賢いね」

男「・・・・・・」ペシペシ

キモオタ「ホワッチ?wwwwww」

男「・・・・・・」ゴニョゴニョ

キモオタ「早く戻ってご主人様の膝の上で寝たいんだなっ!」

幼馴染「そっか、ちょっとうらやましいな」

幼馴染「私と猫ちゃんが入れ替わってたら、私も男君の膝の上で寝れたのかな・・・」

男「・・・・・・」

男「・・・・・・」ゴニョゴニョ

キモオタ「そっ、それはあなた次第なんだなっ!」

幼馴染「そ、そうなんだ・・・」

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