ほむら「立方体の部屋……」(138)

プシュゥ、空気の抜ける音がして扉が開く。

その向こうから覗いたのは、動物の耳のような髪飾りをつけた少女の顔。

???「……」

少女はしばらく様子をうかがうように扉の先を見回している。

扉のある場所は、這って進まないと通れないような狭い通路になっていた。

おまけに、彼女が立っている場所よりかなり高い位置にある。

彼女の姿がせいぜい肩くらいまでしか見えないのがその証拠だ。

???「……よし」

意を決したようにゴクリと唾を飲んで小さくつぶやく。

少女は通路の床にあたる場所に手をかけて、ぐいっと体を持ち上げた。

この通路を通って扉の先に行くようだ。

彼女の格好はとても変わっていた。

フリルの付いたブラウスに蝶ネクタイ。ふんわり広がったスカートにドロワーズ。

手と足には、頭の飾りに合わせたような、動物に似せた手袋と靴。

おとぎ話か、女の子向けのお話の中にでも出てきそうな格好だ。

この場所にはどうも似つかわしくない。

さっき開いた扉は妙に未来的で、金庫の扉か、宇宙船のハッチにでもありそうなデザイン。

通路は、細かい格子模様でつるつるとしていて、どういう仕掛けなのかぼんやりと光っている。

ともかくそんなちぐはぐな通路を、苦労して少女は這い進んだ。

扉のあった場所をくぐり、その先には別の部屋が広がっている。

???「……」

ごくっ、とまた少女が息を呑む。

部屋の壁も床も、通路と同じような、金属ともプラスチックともつかない材質でできていた。

違うのは、格子模様が壁を大きく9分割していることと、光る色が微妙に違うこと。

それ以外、部屋には何もない。

しかし少女の顔は、何かを恐れているようだった。

???「……」

少女が動く。ゆっくりと、それこそ物音ひとつ立ててはいけないとでも言うように。

そっと通路の端に腰掛け、脚をおろし、部屋の床に体を下ろす。

そうっと、そうっと。体重をかけることすらおっかなびっくりというように。

完全に、両足が床についた。

???「……」

ほんの少しだけ、少女の顔から緊張が緩む。

???「……」

新たな部屋に降り立った彼女は、足音を殺しながら、そうっと数歩踏み出した。


シュンッ

何か鋭い音がした。

???「……ぁ……っ」

少女が小さく声を漏らす。

ぷつ

その肌に赤い染みが浮き出る。

ぷつ、ぷつ、ぷつつ……

染みは次々と浮き出て、大きくなり、繋がって線となった。

???「ぁ……ぁ、い……」

ぷつぷつぷつぷつ……つつぅ………

真っ赤な線が彼女の体を格子状に埋め尽くしていく。

震えながら助けを求めるように伸ばした指が、ぽろ、と落ちた。

ぽろ、ぽろ……

崩れていく。少女の体が、あの赤い格子にそって崩れていく。

ぽろ……ぼろっ……

ほんの数秒で、少女は無数のサイコロ状の肉塊に成り果ててしまった。


シュンッ


シュンッ


また、あの鋭い音がした。

べっとりと赤く、少女の血をまとわせた無数のワイヤーが、振られた勢いのまま部屋を往復する。

やがて、それも静かになった。




 q. u. b. e.




キューブか

注意:最初に書くべきでしたがグロ描写の可能性があります。
    なるべく抑えめにはしますけども。

opだけでも分かる人にはもうバレバレ、タイトルまで出しちゃってる
あの映画とのクロスというかコラボというか、そんなんです。

2はともかくゼロ、てめーはだめだ

とりあえず今夜分の投下はこのopのみということで。
明日以降、投下時間は深夜になるかと思います。

マミさんがミンチになる未来しか見えないのでログ削除させていただく

例のサイコロ部屋か

>>10
マミさんがそうなるかはわからないけど、
デストラップに引っかかったら当然むごい事になるので
好きなキャラがそういう目に遭うのを見たくない人にはおすすめできません。

>>6より続き

???「……うう」

目を覚ました彼女を誰かが覗き込んでいる。

???「よかった、目が覚めたのね、暁美さん」

鮮やかな金色の髪に垂れ目気味の瞳。そして何よりこの視点からだと視界に嫌でも入る胸元。

ほむら「……なんだか起き抜けにとっても嫌なものを見た気がするわ、巴マミ」

マミ「あら、起こしたのが鹿目さんでなくて残念だったかしら」

起き上がったほむらが周りを見回すと、そこには3人の、自分を含めれば4人の人間がいた。

さやか「や、ほむら。ずいぶん遅いお目覚めだね」

まどか「ほむらちゃん、大丈夫?」

ほむら「美樹さやかに鹿目まどか……ちょっと待って、これは一体どういうこと?」

その4人が、せいぜい一辺が4、5メートル程度の、何もない部屋に押し込められていた。

見上げると、天井までの高さも同じくらいで、壁も床もまったく同じような、不思議な材質でできている。

ほむら「立方体の部屋……」

まるでsf映画の中にでも放り込まれたようだ。

ほむらたち3人は魔法少女の衣装だ。

ということは、おそらく魔女と戦っていたのだろう。どうもそのあたりの記憶がはっきりしないのだが。

ほむらにとっては幸いなことに、まどかは魔法少女の衣装ではなく、普通の制服姿だった。

マミ「確か、魔女の結界を見つけて、入ったはずなのだけど……そこで記憶が途切れているのよね」

さやか「みんなで気を失って、起きてみたらこんな場所だった、と」

まどか「ここも魔女の結界、なのかな……」

ほむら「だとしても、私も今まで見たことのないタイプだわ」

マミ「ソウルジェムに反応はあるけど、微妙なのよね。魔女とも魔法少女の反応とも違うような……」


プシュゥ


作動音をさせて扉が開き、この場にいなかったもう一人が顔を出した。

杏子「お、目が覚めたのか、ほむら。」

さやか「杏子! 大丈夫だった? 何かあった?」

杏子「ああ、大丈夫だ。でもここ結構やばいかもな。ちょっとこっち来てくれ」

杏子に促され、全員が扉に向かう。

マミ「あ、ちょっと待って。何か目印を置いておいた方がいいんじゃないかしら」

ほむら「なら、ちょうどいい物があるわ」

ほむらが盾から取り出したのは、ペイント弾にも使う塗料スプレー。

さやか「んじゃ、最初はこの部屋にいたってことで、スタート……っと」

シュー

でかでかと、蛍光オレンジの「start」の文字が床に書かれた。

杏子「いいか? んじゃ行くぞ、こっちだ」


プシュゥ


光の色合いが違う他はまったく同じに見える部屋を、2つほど通り過ぎる。

床にはさやかが大きな矢印を書いた。

次の部屋への扉の前で、杏子が立ち止まる。

杏子「やばいのは、この先だ。いいか、ちょっと離れてろ。

   特にまどか、絶対に顔なんか出すんじゃねーぞ」

何が起きるのか、全員が緊張して杏子の行動を見守る。

杏子は通路に上がると、ゆっくり扉に触れた。


プシュゥ


さやか「おんなじ部屋に見えるけど?」

杏子「見ただけならな。いいか、見てろ」

愛用の槍を手元に呼び出し、ゆっくりと部屋の中に向かって穂先を突き出す。

そして、床を探るようにこつん、と軽く突いた瞬間、


ガシャン

ゴォォォォォォォッ

まどか「きゃぁぁぁっ!?」

マミ「きゃっ!?」

さやか「ひっ!?」

ほむら「っ……トラップ!?」

突然床が割れて飛び出した特大のガスバーナーのような機械が、炎を吹き出した。

杏子が槍を引き戻すと、炎は止まり、機械もまた床に隠れてしまった。

杏子「あちちっ!」

扉の離れた場所から覗いていた4人にも、熱気が押し寄せてくる。

杏子「壁や床は全然焦げてねーけど……こいつが熱くなるってことはやっぱ幻覚とかじゃねーよなあ。

   知らずに突っ込んだら丸焼けってことか」

マミ「でも、今まで通った部屋は何もなかったわ。トラップのある部屋とない部屋があるってこと?」

ほむら「運良く、トラップの起動する条件を満たしてなかっただけという可能性もあるけどね」

中途半端に切れてるのは寝落ちだったから
あと今夜は台風とかいろいろの事情で休みです

>動物の耳のような髪飾り
この最初の犠牲者ってゆま?

>>19
救済されたモブ魔法少女の中にいた通称クマ子のつもりだった
でも確かに書いてる部分で判断するとゆまにも思えるな

>>17より続く

さやか「ちょっと、怖いこと言わないでよほむら」

ほむら「可能性の話よ。油断は禁物ってこと」

杏子「どっちにしろ、ここが結界の中なら気は抜けないってのは同感だ」

マミ「早くここから出るべきね。私達を閉じ込めておくような構造だし、何が起こるかわからない」

まどか「で、でも、あんな機械があるのに危ないですよ」

杏子「魔女とやりあうのも大して変わらねーよ」

ほむら「待ちなさい、私達はともかくまどかもいるのよ」

マミ「それにむやみに危険に突っ込むべきじゃないわ、避けられるものなら避けて進みたいわね」

さやか「でも、進むって言ってもどっちに行けば……そもそも出口はちゃんとあるの?」

ほむら「私達がここに放り込まれたなら、どういう形にせよ出入口があるということよ」

マミ「結界の中は一見でたらめな空間だけど、それでもルールはあるわ。

   どこにも繋がっていない空間というのは作れない」

杏子「まあ、親玉のいる定番と言えば一番上か一番下か……ああ、真ん中ってのもあるかな」

まどか「ねえ、ほむらちゃんの爆弾とかで、部屋を壊しちゃったらどうかな?

    普通に進むより早いし危なくないと思うんだけど……」

ほむら「この狭い部屋で爆発は、ちょっとやりたくないわね。爆風の逃げ道がないから危険だわ」

杏子「あたしも試してみたけど、たぶん無理だ。いくらやっても壁も床も傷ひとつつかねえ」

マミ「もしこの空間が壊れたとして、私達が無事でいられるかも気になるわね。

   鹿目さんの安全を考えたら無茶なことはできないわ」

まどか「ご、ごめんなさい、私がいるせいで……」

マミ「えっ、ち、違うわよ、鹿目さんが悪いわけじゃ」

慌てるマミにほむらが視線を向ける。

ほむら「巴マミ、あなた……」

マミ「あ、暁美さんまで!?」

ほむら「冗談よ、そんなつもりで言ったわけじゃないことくらいわかるわ」

杏子「シャレに聞こえねーんだよお前の場合」

さやか「っていうか半分くらい本気の目だったし」

マミ「ともかくトラップの有無を調べながら進むということでいいわね」

ほむら「その調べる方法だけど、さっきの佐倉杏子のようなやり方は危険が大きいわ。

    代わりにこれを使ったらどうかしら」

さやか「何これ?」

ほむら「グレネード。手榴弾と言ったほうがわかるかしら?」

杏子「あっぶねえ! そいつをどうしようって?」

ほむら「信管も火薬も抜いてあるわ。ただの鉄の塊だから安心して。

    先にこれを投げ込んでみれば、トラップがあれば反応するでしょう」

まどか「……あれ?

    大丈夫だったら部屋に入って拾えばいいけど、トラップがあったら取りにいけないよ?」

ほむら「そういう時のために、巴マミ、あなたのリボンがあるのよ」

マミ「そこは私頼りなの? まあいいわ、だったら投げ過ぎないように最初から結んでおくわ」

シュルルル

グレネードにマミの手から伸びたリボンが結ばれる。

マミ「はい、これでいいわ」

ほむら「じゃあさっきの部屋で試してみましょう」

プシュゥ

ほむらは通路から部屋に向かってグレネードを投げ込んだ。

ポーン、カツン

ガシャン

ゴォォォォォォォッ

マミ「それじゃ回収するわ」

シュルルル

さやか「やった、うまく行った!」

ほむら「お見事ね。それにしてもそのリボン、よく燃えないわね」

マミ「魔力で編んだ特別性だもの。もっとも、あまり長時間や高温だとさすがに耐え切れないわ」

また寝落ちだった上に昨日は眠すぎて寝てしまったんだぜ
これはいかん、書かなくなるパターンだ
なるべく毎日書いてく

>>25より

杏子「それよりこの狭い通路を通してノーバウンドで投げ込むお前の腕が怖いよ」

ほむら「こんなのどうってことないわ。筋力強化はしてるけど、要は練習よ」

さやか「それじゃこの要領で調べながら進むとして……。

    来たのがこっちで、こっちはトラップだから、残りの右と左どっち行く?」

マミ「手がかりもないし運任せになるわね。多数決でも取る?」

右3票、左2票

ほむら「それじゃ右ね。とりあえず、まず横に進めるだけ進みましょう」

プシュゥ

ポーン、カツン

……

マミ「何も起きないわね」

ほむら「安全みたいね、進みましょう。目印を忘れずに」

さやか「アイアイサー」

シュー

ほむら「まず左右と正面全部調べてから決めるほうがいいわよね」

プシュゥ

ポーン、カツン

……

マミ「正面はセーフね」

プシュゥ

ポーン、カツン

……

キュイイイイイイン

さやか「ひぃぃっ! なんか丸いのこぎりみたいなのがたくさん出てきた!」

ほむら「あそこにいたらどうなるか想像しただけで痛くなってくるわ」

マミ「リボンがちぎれちゃったわ。繋ぎ直すわね」

シュルル

ほむら「左はアウト、次は右ね」

プシュゥ

杏子「いっそこっちもトラップの方が

ジャキジャキジャキジャキン!

マミ「なっ……」

まどか「な、なんで!? まだ投げてないのに」

ほむら「たぶんセンサーが仕掛けられてるのよ、音か何かに反応したんだわ」

杏子「えげつねえな……お、元に戻ってく」

シュイーン

ほむら「試してみるわ、みんな少し静かにしてて」

……

ほむら「まどか大好きっ!」

まどか「えっ、何ほむらちゃきゃああああっ!?」

ジャキジャキジャキジャキン!

このまま寝落ちが恒例とかは避けたい

>>29より

ほむら「やっぱり音に反応するようね」

さやか「言っとくけど今の発言には突っ込まないよ?」

まどか「ほむらちゃん……」ドキドキ

マミ「こほん……安全なのは正面だけね」

杏子「それじゃとっとと進もうぜ」

プシュゥ

その後もリボン付きグレネードを投げ込んでは罠を調べ、数部屋進む。

ポーン、カツン

……

さやか「ここも安全、と。じゃあちゃっちゃと行っちゃいますか」

さやかが床に降り立つ。


ガシャッ

さやか「……へ?」

ほむら「なっ!?」

ブシュゥゥゥゥ

さやかに向かって、飛び出したノズルから液体が吹きつけられた。

マミ「美樹さん! くっ!」

シュルルル

マミがリボンを伸ばし、さやかを引っ張り戻す。

杏子「おいさやかっ!」

まどか「さやかちゃん、大丈夫!?」

さやか「けほけほっ! うう、なんかヌルヌルする……」

マミ「美樹さん、体はなんともないの?」

さやか「別に痛かったりとかはしませんけど……ちょっと飲んじゃっただけで」

ほむら「てっきり酸とか毒なのかと思ったけど、違ったのかしら。

     無害なものをわざわざ仕掛けるとも思えないけど?」

さやか「うーん、そう言われても本当になんともないよ。

    治癒能力で何とかなっちゃったのかな?」

杏子「はぁ、冷やっとさせんなよ。

   でも、何で今の部屋、トラップがあったんだ? 確認したはずなのに」

ほむら「たぶん、グレネードを投げ込んだだけじゃ反応しないセンサーだったのよ。

    具体的には、ある程度の重さがかからないと反応しないとか」

まどか「それじゃ、トラップがあってもわからないってこと?」

マミ「もし致命的なトラップだったらと思うとぞっとするわね。

   何かもっと確実に安全を確かめる方法、ないのかしら?」

ほむら「もっと重いものを投げ込んでみてもいいけど、確実とは言えないわね。

    もしかしたら、体温だとか、重量とか、本当に人間が入らない限りは反応しないような
    
    仕掛けがあるかも知れない」

杏子「じゃあ何か? 誰か一人、試しに入ってそいつがやられるかどうかで判断しろってことかよ」

まどか「そ、そんな無茶なこと絶対ダメだよ!」

さやか「んー……その場合、最初に行くなら、やっぱりあたしが適任かな」

マミ「駄目よ美樹さん、そんなの危険すぎるわ、もっと他の方法を……」

ほむら「いえ、それが一番確実だし合理的だと思うわ」

杏子「おいほむら……それマジで言ってんのかよ」

ほむら「その代わり、美樹さやかの危険が最小限になるように努力するわ。

    先にグレネードで確かめる手順は変えない。

    美樹さやかが部屋に入る時は、私はいつでも時間停止できるように準備しておくし、

    巴マミにもさっきと同じようにリボンで救出できるようにしてもらう」

さやか「うん、オッケー。さやかちゃんにお任せあれ!」

まどか「そんな、危ないよ、さやかちゃん!」

マミ「美樹さん一人にそんな事させられないわ、リボンを結んでおけばいいのなら私が行くほうが」

杏子「いや、万一を考えたらマミは待機してるべきだ、あたしが行く」

続きがまとまらないから今夜はここまで
もっとテンポ上げるべきかね
今は元ネタで言うと脱獄者のおっさんがやられた辺りだが

このままでいいと思う

>>37
反応があったことに驚いた
じゃあこのままの流れで行く

あと昨夜は休んですまんかった

さやか「ちょっとちょっと、マミさんも杏子も待ってよ。

     気持ちは嬉しいけど、ここはやっぱりあたし一人でやるべきだと思う。

     この結界を抜けた後で魔女と戦わないといけないんだし、その時二人は必要でしょ?」

ほむら「これじゃらちが明かないわね。とりあえずグレネードは回収して……」

ぐいぐい

ほむらはリボンを引っ張ったが、途中で通路の出っ張りに引っかかってしまった。

ほむら「ああ、もう!」

少し苛ついて、引っかかったグレネードを取りに通路に潜り込む。

通路の中間あたりに金属の枠のようなものがあり、その隙間に引っかかっていた。

ほむら「……ん?」

グレネードを持ち上げた時、ほむらの視線があるものに留まる。

金属の枠に、なにか文字のようなものが掘られていた。

ほむら「文字じゃないわね、数字だわ」

金属の枠は、ちょうど凹の形のように真ん中が少しへこんでいて、

数字は、その両側のやや盛り上がった部分に、向かい合わせに彫られている。

今ほむら達がいる部屋に近い側の数字はこうなっている。

[ 40 13 21 ]

一方、さっき進もうとしてトラップが見つかった部屋の側はこうだ。

[ 40 13 20 ]

この数字は、ほむらから見て上下逆さに、つまり向こう側の部屋から見て正しい向きになっている。

ほむら「何の数字かしら?」

oh...

肝心なところでミスした
>>40は無しでリテイク

>>40差し替え

ほむら「文字じゃないわね、数字だわ」

金属の枠は、ちょうど凹の形のように真ん中が少しへこんでいて、

数字は、その両側のやや盛り上がった部分に、向かい合わせに彫られている。

今ほむら達がいる部屋に近い側の数字はこうなっている。

[ 21 13 40 ]

一方、さっき進もうとしてトラップが見つかった部屋の側はこうだ。

[ 20 13 40 ]

この数字は、ほむらから見て上下逆さに、つまり向こう側の部屋から見て正しい向きになっている。

ほむら「何の数字かしら?」

まどか「ほ、ほむらちゃん、大丈夫? どうかしたの?」

杏子「なんだよ、体がつっかえたのか?」

ほむら「違うわよ、みんなちょっとこれを見て」

狭い通路なので窮屈だが、体を脇に寄せるとどうにか数字の彫られた部分が見えるようになった。

ほむら「ほら、ここよ。数字が彫ってあるわ」

まどか「本当だ。えーと、2?1?……うう、細かくて読めないよ」

魔法少女組は視力を強化して数字を読む。

杏子「2、1、1、3、4、0だな。

   そっち側にもあるけど、上下逆なのか? 読みにくいな。えーと、2、0、1、3、4、0か」

マミ「でも2つずつくっついてるみたいよ。21、13、40なんじゃないかしら」

さやか「わざわざそんなもの彫ってあるってことは、何か意味があるのかな?」

ほむら「ちょっと、この部屋の四隅の通路を見てもらえるかしら」

さやか「あ、こっちも数字が書いてあるよ」

マミ「こっちの通路も同じ数字ね。向こうの部屋に近い方は……」

杏子「ここも同じだな」

全員が通路の数字を読み上げる。

ほむら「まとめると、この部屋の四方向の通路に書いてある数字は全部同じね」

[ 21 13 40 ]

ほむら「この数字は、部屋番号みたいなものと考えていいと思うわ」

マミ「隣の部屋の番号は1つずつずれているものね」

ほむら「そうね、さっきトラップのあった部屋の番号はこう」

[ 20 13 40 ]

杏子「それで、その逆方向の部屋の数字がこうだな」

[ 22 13 40 ]

まどか「最初の数字が1つずつ変わってるね。この向きに並んでるんだ」

ほむら「たぶんそういうことね。次に左右の部屋がこうだから……」

さやか「並び方はこうなってるってことだよね」

         [ 20 13 40 ]

[ 21 12 40 ] [ 21 13 40 ] [ 21 14 40 ]

         [ 22 13 40 ]

今夜はここまで
暗号は元ネタとちょっと変えてます
たぶん論理的におかしかったりはしないはずだけど
念のためちょくちょく確認しつつ書く

暗号のチェックしてたらなんかおかしい部分が判明したので
ちょっと設定し直す時間ください
まあ原作でもそのへん割とごまかしてるけど、一応ちゃんとやりたい

もう出てる番号についてはこれ以上変更なしでいけると思う

大丈夫そうなので明日あたりから再開の予定

今日は管理シート作って気力がつきたのでご勘弁

まっとるで^^

何人脱出できるやら

納期迫ってる仕事の進捗がやばいのでちと投下する余裕無さげ
なんとか来週あたりには落ち着く見込み
もし待ってる人がいたらそういうことなので来週以降に来てください

了解

期待待ち

このスレはエタる

エタると思った?


うん正直なんとか修羅場抜けて書こうとしたら頭の中が真っ白だった時はどうしようかと思った

3週間ぶりくらいの再開
>>45より続き

杏子「で、この数字がなにか役に立つのか?」

ほむら「さあ……」

さやか「いや、『さあ』って、大事なことみたいに調べといてそれ?」

ほむら「今の時点では意味があるともないとも言えないわ。

    ただ、これが部屋番号だとしたら、部屋がどれくらいあるかは予想がつくわね」

マミ「1から番号が始まってるとすればだけど、左側にはあと12部屋、こっちにあと20部屋……」

まどか「あれ、でもそれじゃ3番目の数字は?」

ほむら「たぶん、こっちでしょうね」

部屋の中央、床のへこんだ部分を指さす。
そこには、左右の部屋に続いているのと同じような扉らしきものがあった。
今までの部屋も同じ構造だったのだが、全員あえてそれを避けていた。
この高い天井に登るにしても、床から下の部屋まで降りるにしても、大変な労力になる。
しかもただ登り降りするだけでなく、その先にトラップがあるかも知れないのだ。

杏子「うん、確かにこの縁にも数字が書いてあるな。横の扉と同じやつだ。

   ……マミとさやか、ちょっと支えててくれ」

さやか「落ちないでよ、杏子」

マミ「気をつけてね、佐倉さん」

プシュゥ

扉が開いた先には、予想通り同じような部屋があった。

杏子「うえ……本当におんなじ形だな。上から覗いてるのか横から見てるのかわかんなくなりそうだ」

目まいを起こしそうなので、さっさと目的を果たすことにして視線を上げる。

杏子「やっぱりほむらの予想通りみたいだ。21、13、41になってる。

   悪い、引っ張ってくれるか」

杏子の脚を掴んで支えていた二人が引っ張り、杏子の体が無事床の穴から這い出す。
プシュゥ、と扉が閉じた。

ほむら「これで一つわかったわね。

    3つの数字はそれぞれ縦、横、上下の部屋の位置を表してる」

マミ「でも、どこまでこの数字が大きくなるのかしら……100以上なんて考えたくもないわ」

さやか「もう一つわかったこと、あるんじゃない?」

杏子「さやか?」

さやか「最後の数字が40ってことは、ここから一番上まで行くつもりなら、40回も登らないといけないよね。
   
   そりゃあたし達魔法少女は何とかなるだろうけどさ……」

まどか「ご、ごめん、足手まといになっちゃって」

さやか「別にまどかを責めてるわけじゃないよ、ただ実際まどかにはキツイと思うな」

マミ「私がリボンを下ろすから、掴まってくれれば引っ張り上げられると思うわ」

杏子「いや、それだと今度はマミが消耗するだろ。

   誰が助けるにしてもここを登っていくのは簡単じゃない」

マミ「そもそも、一番上が出口とわかっているわけでもないものね……」

gsのストックないのかな

今まで地の文も1行空けにしてたのを忘れてた
訂正投下はしない、この後また1行空けに戻す

さやか「ほむら、どうする?

    たぶん、私たちの中ではあんたが一番こういう罠とか詳しいと思う」

ほむら「……」

ほむらは考え込んでいた。

正直、上下だけでこんなに部屋があるなんて想定していなかった。

部屋を多く通過すればするだけ、トラップに出会う危険も高くなる。

せめて何か法則のようなものでもあればいいのだが。

ほむら(……今までのトラップの部屋は、確か……)

通ってきたルートの記憶を元に、部屋番号を想定して振ってみる。

すぐ横が「 20 13 40 」

来た方向、ここから5部屋先……これはたぶん、「 25 13 40 」のはずだ。

その前は……

さやか「ほむら、聞いてる?」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「えっ? ……ああ、ごめんなさい、考え事してたわ」

杏子「しっかりしてくれよ……どうすんだ? 上や下に行くのか、このまま横に歩き続けるか」

ほむら「そうね……」

再び考えこんでしまう。

ここまで通ってきただけでも、緊張のせいで全員に疲れが見え始めている。

この先さらに長く、しかももっと大変な上下の移動をすることになったら……。

まどか「ほむらちゃん……みんなも、ちょっといいかな?」

まどかがおずおずと声を上げた。

マミ「鹿目さん、何かアイデアがあるの?」

まどか「いえ、アイデアなんて大したことじゃないんです。ええっと、前に私のママが言ってたんですけど」

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詢子『いいかー、まどか。何かを選ばなくちゃいけないのに、ヒントも何もない。

   そんな時はな、勘でも当てずっぽうでも何でもいい、びしっと決めちまえ。

   ただし! 一度決めたら、結果がはっきりするまで絶対そいつを押し通せよ。

   一番やっちゃいけないのはな、まだ結果も分かんねーうちに、あれこれ迷うことだ。

   あっちかも、やっぱりこっちかもなんてコロコロ変えてたら、結局なにもかもダメにしちまう。

   間違ってたら、その時は別の方法を考えりゃいいんだよ。

   でも決断しないままだったら、それすらできないんだからな』

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まどか「だから、まずはさっき決めた通り、横に進めるだけ進むのがいいんじゃないかな」

さやか「さっすがまどかのママさん、いいこと言うなあ」

マミ「数字が小さくなる方へ向かって、端まで行ってみるということでいいのかしら。異論はないわ」

杏子「逆じゃどこまで行ったら端なのか分かんねーもんな。あたしもそれでいい」

ほむら「わかったわ。とにかくなるべく端に近づくように移動しましょう。

    そうね……2番目の数字が13で一番端に近そうだし、そっちの部屋にはトラップもない。

    こっちに向かいましょうか」

2番めの数字が小さくなる、[ 21 12 40 ] のプレートがあった部屋を指さす。

杏子「あ、いやちょっと待った! そういや話の途中だったぞ」

マミ「そうね、美樹さんに先に行ってもらうかどうか」

さやか「いや、だからあたしはそれで全然……」

杏子「すまねえけど、頼む、さやか」

杏子が頭を下げる。

さやか「へっ?」

さっきまで納得の行かない様子だった杏子の態度に、皆が面食らう。

杏子「さっきのまどかの話、これも同じことだろ。

   そりゃ、あたし達の中じゃさやかが一番頑丈なのはわかってる。

   だからってこんな事さやかだけにやらせるのが正しいかどうか、あたしにはわかんねーよ。

   でも決めなきゃいけない。いつまでも迷ってる時間はねーんだ」

マミ「佐倉さん……そうね。

   心苦しいのは変わらないけど、美樹さん、私からもお願いするわ」

さやか「いやいやいや! ちょっとマミさん、杏子も、頭上げてよ!

    大丈夫ですって、さやかちゃんにどーんと任せてください!」

そう言いつつさやかがちら、とまどかに目を向けると、まどかはこくん、と小さく頷いた。

さやか「よし、決まり。それじゃあ、ガンガン進んじゃいましょうか!」

ほむら「ええ……ありがとう、美樹さやか」

隣の部屋 [ 21 12 40 ] への通路をさやかが通っていく。

他の4人には強気にアピールしていたが、やはり動きが硬い。

グレネードを投げ込んで何も起こらないと確かめてはいるが、ついさっきそれが裏切られたばかりだ。

ましてそのトラップを浴びるはめになったのもさやか自身。緊張しないほうがどうかしている。

とん、とさやかが床に足をつける。

1秒、2秒、3秒……

何も起こらない。

ほっと全員が胸を撫で下ろす。

ほむら「どうやら安全なようね。でも念のためよ、まどかは後から来てちょうだい」

杏子とマミ、その後でまどかが続き、ほむらが殿を務めて全員が部屋に降り立つ。

マミ「まずはまっすぐよね」

プシュゥ

正面の部屋への通路には [ 21 11 40 ] のプレートが見えた。

確かに数字は小さくなっていっている。

この部屋に入った時と同じ手順で、グレネードを投げ、さやかが向かう。

そのまま [ 21 10 40 ] の部屋まで5人は進んだ。

プシュゥ

さやか「さーて次の部屋は……って、あれ?」

通路を覗きこんださやかが首を傾げる。

まどか「どうしたの、さやかちゃん?」

さやか「ねえまどか、10引く1っていくつだっけ?」

杏子「おいさやか、とうとうそこまでバカになったのか?」

さやか「違ぁーう! あたし、そこまでも何も、バカじゃないし!

    いいからここ見てよ、こっちは10なのに、向こうの部屋は」

マミ「04? おかしいわね、5から9はどこへ行ったの?」

ほむら「順番に並んでいる前提が間違ってた? いえ、でも他の数字は全部……」

しばらく思案顔だったほむらは、顔を上げる。

立方体の天井の中央には、床や壁と同じような扉が見える。

ほむら「ねえ、あの天井の扉、開けられるかしら」

杏子「あん? あたしの槍を伸ばせば……いや、マミのリボンの方がいいか。

   できるだろうけど、何だ? 行けるところまで横に進むんじゃなかったのかよ?」

怪訝そうな杏子に対して、マミは何やら納得したように頷いた。

マミ「ああ、なるほど。上の部屋の数字を確かめればいいのね? 任せてちょうだい」

シュルルル

マミの手から生き物のようにリボンが伸び、扉の取っ手に絡み付いた。

プシュゥ

扉が開く。そのままさらにリボンを伸ばすと、上の部屋のさらに天井にある扉に絡ませる。

軽く引っ張って強度を確認し、そのままマミの体がふわりと床から浮いた。

正しくは、伸ばしたリボンを巻きとって体を釣り上げたのだ。

昼から断続投下ですまん
また数時間後にもう少し投下します
今日のぶんはそれで終わりの予定

面白いな続き期待。

あとcube zeroが論外というのは同意だ。

>>69より

するするとマミの体は天井へと登って行き、通路の穴のすぐ下で止まる。

マミ「これは……暁美さん、上の部屋の数字は21、10、それから34よ」

まどか「あれ? 今いるところが40だから、やっぱり数字が飛んでる?」

ほむら「なるほど、そういうことね。思ったとおりだわ」

さやか「んん? どういうこと? 説明してよ」

ほむら「5から9は飛んでるんじゃない、そもそも無いのよ」

マミがリボンを解いて軽やかに着地する。

マミ「なるほどね。最初から、数字は0から4までしか使われてない……5進数ってことね」

杏子「あん? なんかよくわかんねーぞ」

ほむら「普通、私たちが使う数字は0から9まで10種類あるわ。

    0、1、2と増えていって、9まで来たら次は繰り上がって10になる」

さやか「いや、そんなの当たり前じゃん」

マミ「でも美樹さん、数字が0から4まで5種類しかなかったら、どうなるかしら」

さやか「え? 0、1、2、3、4までは同じで……5……は、あれ? どうしよう……」

まどか「もしかして、もう繰り上がっちゃうんじゃないのかな? 4の次がすぐ10に」

杏子「あ、なるほどな。だから10の部屋の次が04なのか」

さやか「ええと、この部屋が40になってるから。

    一つ上の部屋は繰り下がった10から1引いて4、繰り下がったぶんを抜くと30だから34。

    おお……なるほど……」

杏子「……で、これが何か役に立つのか?」

ほむら「ええ。さっき40回も上に登らないといけないと思ったのは間違いだったわ」

ほほう。原作通りアレが移動してんのかと思ったらそう来たかー。

てか中学生で5進数理解してるとか凄いような。
ああでも確かまどマギ世界の数学レベルって授業描写的にやたら高いんだっけw

マミ「40と書いてあっても、実際は5で繰り上がってるんだからもっと少ないはずだものね」

ほむら「そういうことね、20回で済むはずよ」

さやか「半分かあ……もっと少なくなるのかと思った」

杏子「それでもだいぶマシにはなったな」

さらにほむらにとってはもう一つ、修正する点がある。

今までトラップのあった部屋の番号だ。

実際に数字に気づく前だったので位置から推測していたが、

[ 25 13 40 ] などという部屋はそもそも存在するはずがない。

これは [ 30 13 40 ] になっているはずだ。

ほむらは今まで通ってきた部屋を思い描いてみる。

■■■■■×■
■☆□□□□■
■■■■■□■
■××■■□■
■□□□□□■
■□□×■×■
■□×■■■■
■□□■■■■
■■□■■■■
■■□■■■■

(☆:現在地[ 21 10 40 ])
(□:通過した部屋)
(■:未確認の部屋)
(×:トラップがあった部屋)

トラップがあるのを確認した部屋を順に書き出すとこうなる。

[ 20 13 40 ] [ 30 13 40 ] [ 30 11 40 ]
[ 23 04 40 ] [ 23 10 40 ] [ 31 10 40 ]

ほむら「何か法則が……なんだか似たような数字が多いわね。

    いえ、4までしかないからそう感じるだけかしら」

まだ手掛かりが少なすぎる。

そう判断したほむらはいったん考えを中断した。

杏子「理屈はともかく、方向はあってるってことで問題ないんだよな?」

ほむら「ええ、そうね。全然違う方へ進んでるってわけではないわ」

さやか「それじゃ早いとこ進んじゃおう」

[ 21 04 40 ] の部屋に向かって、さやかはリボン付きグレネードを投げ込んだ。

ほむらのように綺麗には飛ばず、通路の壁にがつんがつんと2度ほどぶつかって転がり込む。

その後 [ 21 03 40 ] の部屋にあったトラップを避け、部屋の数字は順調に減っていく。

プシュゥ

さやか「20、00、40……やった! とうとう0になったよ」

ほむら「喜ぶには早いわ。まだ端と決まったわけじゃないし、トラップを調べないと」

そう言うほむらも少しだけ表情が明るい。

どこまで続くのかわからないこの空間で、一区切りつきそうな安心感。

ポーン、カツン

……

さやか「反応なし、と。さやか、行きまーす!」

トン、1秒、2秒、3秒。

……

杏子「よっしゃ、行こうぜ」

全員、気持ちがはやるのを隠しきれずに次々と通路を通る。

その通路の縁には [ 20 00 40 ] と確かに記されている。

マミ「ここが0の部屋ね……期待通り端にあるならいいんだけど」

杏子「それは確かめてみりゃわかるだろ、そこの扉開けてさ」

入ってきた扉と逆方向、全員の正面にある扉を指さす。

まどか「あの……この場所の端って、どうなってるのかな?」

さやか「さあね、わかんないよ。いきなり魔女がいるとかはないと思うけど」

ほむら「油断はしないほうがいいでしょうね。注意して開けましょう」

全員が扉の正面に立たないように構え、ほむらが背後にまどかをかばう。

マミ「みんな準備はいい? じゃあ、開けるわよ」

シュルルル

マミのリボンが伸び、扉の取っ手を引っ張る。

プシュゥ

今までと何ら変わらないようにあっけなく、扉が開いた。

杏子「何だこりゃ……」

さやか「何も……ない」

まどか「真っ暗、だね」

マミ「これは、ちょっと予想外だったわ」

ほむら「ちょっと、そこからどいていて」

ほむらが妙な形の銃を盾から取り出す。

扉の向こうにぽっかりと空いた暗い穴に向けて、引き金を引いた。

パァン!

ヒュゥゥゥゥゥゥ

赤い光を放つ信号弾が、暗闇の中を飛んでいき、やがて放物線を描いて落ちていく。

その光は何も照らしださない。

何にもぶつかった様子はない。

ただ、真っ暗な空間が広がっているだけだった。

さやか「うーん……端まで来たけど、ハズレだったってこと?」

杏子「いや、そうでもないと思うぜ。

   この妙な部屋の外側が空っぽだってことは、逆に言えば出口はこの部屋のどっかになくちゃおかしい」

まどか「そういうものなんですか? マミさん」

マミ「ええ、私にも理屈はわからないんだけどね。

   結界の中の空間はどんなに出鱈目に見えても、はっきりわかる出入口がないといけないの」

ほむら「部屋の外側がどこかに通じていれば話は早かったのだけど、仕方がないわ」

その時。

まどか「……?」

さやか「あれ……」

マミ「っ!?」

杏子「な……」

ほむら「……!」

部屋がかすかに揺れている気がする。

そして一瞬意識が遠くなるような、目まいのような感覚。

長いのか短いのかわからないそれは、襲ってきた時と同じく不意に終わる。

さやか「な、何? 今の」

まどか「うう、なんかクラクラするよ」

マミ「あ……ねえ、見て!」

杏子「どういうことだ、おい……」

マミの指差す先、さっきまで何もなかった扉の外の空間には、何かが出現していた。

ほむら「何で……どうしてここに、部屋があるのよ!?」

部屋動いてるのか

今晩はここまで
結構一気に進めてしまった

5進数って言い方はともかく、数字が0から9までなかったら
10の位への繰り上がりがどうなるかって考えは中学生でもできるんじゃないかな
書いてる側の事情として、部屋の数字のギミック使いたいけど部屋数を多くしたくないってのもある
ほむほむ理系っぽいしたぶん大丈夫だ

期待レスもらったので頑張るつもり

>>83
もうわかってるだろうから言っちゃうと、動いてる
部屋番号が5進数で飛んでるのとは別
移動パターンは今後の展開で、誰かが気づくかもしれないし気づかないかもしれない

トラップの配置法則とかほむほむと一緒に推理してくれてもいいよ?


一気に進んだなw
全員生存は無理なんだろうなぁ

>>33
あの酸トラップで無傷だと……?
もう全部さやかにいってもらえよwwwww

読んできた

支援する

支援もらっといてすまないけど、やっぱ週末のみの更新になりそう
それに先週は数週間ぶりだから張り切って大量投下しちゃったけど
そこまでは進まないと思う
速報のsawクロスとやっぱりトラップのネタがかぶるのは仕方ないと割り切った

あれ完結したね

まどか「さっきまで、何もなかったはずなのに……」

見ればわかることなのだが、言葉にせずにはいられない。

この空間の”端”にたどり着いて、それを確認したはずなのに、

今はこれまで通ってきたのと同じような部屋が見えている。

杏子「さっきの妙な感じ、あのせいか?」

マミ「一瞬意識が飛んだような気もしたわね……この空間に最初に連れてこられた時と似たような」

ほむら「似ているけど、別の空間? ……だとしたら最悪だわ」

ここを歩きまわっても、どんどん別の空間に飛ばされるだけで無駄かもしれない。

それはあまりに悲観的な考えで、口に出すのが躊躇われた。

ほむら「[ 20 00 40 ] ……この部屋の数字は変わってないわ。

    向こうの新しい部屋は、 [ 10 00 44 ] になってる」

杏子「今までと全然違うじゃねーか。最後の数字は上下で変わるはずだろ?」

>>90
さっと見てきた
あれで完結か、後味悪い感じがsawっぽいといえばsawっぽい
実はこっちは方向性をどうするか迷ってるんだよね
謎解き寄りにするか、いたいけな女子中学生がトラップで虐められる方に注力するか

>>1は女の子をかわいそうな目に合わせるのはとても心が痛みます(キリッ

ほむら「念のため、周りの他の部屋も調べて……」

まどか「さ、さやかちゃん、どうしたの、大丈夫!?」

まどかの声に全員の視線が集まる。

さやかが壁際にうずくまるように座り込み、まどかがその背中をさすっていた。

さやかの顔色は土気色といっていいほど悪く、呼吸も苦しそうだ。

マミ「美樹さん、大丈夫!? どこか痛むの?」

マミが慌てたようにさやかの前に座り込み、手を取る。

その手は異常なほど熱く、しかも赤く腫れ上がっている。

マミ「一体いつからこんな? ごめんなさい、私がもっと早く気づいてれば」

さやか「いえ、ついさっきまで……何ともなかったんです。でも、急に苦しくなって」

ぜぇぜぇと息にかすれたような音が混じる。

杏子「おいさやか、大丈夫か? マミ、魔法で何とか出来ないのかよ」

マミ「熱を下げたり傷を治したりすることはできるけど、原因がわからないと根本的には治せないわ。

   基本的には美樹さんの自然治癒に任せるしか……」

4人の中で回復に長けているのはマミとさやか本人だが、どちらも医学の知識があるわけではない。

基本的に魔法少女の回復魔法というのは、戦って傷ついた体を修復する、大雑把なものなのだ。

ほむら「心配なのはわかるけど、ここはマミとまどかに任せましょう。

    美樹さやかの体調が悪いのなら、なおさらこんな場所でグズグズしていられない」

杏子「お前……わかったよ、数字を見てくりゃいいんだな」

何か言いかけた言葉を飲み込んで、杏子は大股で別の扉へ歩いて行く。

杏子「こっちは [ 20 00 41 ] だとさ! これで何かわかるのか?」

ほむら「そんな大きな声でなくても聞こえるわよ。上もお願いするわ」

杏子「ちっ、わかってるよ!」

ジャラララッ

頭上高くにある扉の取っ手に鎖を巻きつかせ、引く。

プシュゥ

杏子「……」

ほむら「佐倉杏子、どうしたの、数字は?」

杏子「数字も何もねえよ。さっき、この部屋の隣の扉開けた時と同じように真っ暗なだけだ。

   一体どうなってるんだ?」

ほむら「そう。こっちもおかしいところを見つけたわ。ちょっと来て」

杏子「何だよ、上の部屋がいきなり消えたことより大変なのか?」

ほむら「考えようによっては、良いことかもね……見て」

ほむらが指さした先にある数字は [ 20 01 40 ]

杏子「ん? これってさっき通ってきた部屋になかったか?」

ほむら「そうね。間違ってないと思うわよ。だって、ほら」

ほむらは通路に潜り込み、部屋の床を指さす。その隣に潜り込んだ杏子も目を見開いた。

杏子「こりゃあ……まるっきり、さっき通った部屋じゃねーか」

その床には、蛍光オレンジの矢印がくっきりと描かれていた。

なぜ突然上にあったはずの部屋が消え、何もなかったはずの隣に部屋が出現したのか。

なぜ通ってきたはずの部屋が違う場所にあるのか。

杏子の頭に疑問符が浮かぶがさっぱりわからない。

そしてその思考は突然中断される。

まどか「さ、さやかちゃん!!」

マミ「美樹さん! しっかりして!!」

杏子「どうしたっ……おい! さやかっ!?」

ただならぬ声に慌てて部屋に戻った杏子の目に映ったのは、床に伏したさやかの姿。

その下に広がる、不吉な色。

さやか「ゲボッ……が、は……うぐ、うぐぇぇっ……ゴボッ!」

さやかが激しく咳き込むと、ごぼりと何かを吐き出した。

血。それも赤黒く濁った、まるでソウルジェムに溜まった穢れのような――

そう連想した杏子は、さらに全身の血の気が引く気がした。

伏せた体の下にちらりと見えるさやかのソウルジェムは、いつの間にだろうか、

どす黒く濁りを溜め込んでいた。

まどか「なんでっ!? どうして、さやかちゃん!」

さやか「何、よ……ごれっ……私の体、どうな……ゲブっ!」

まどかもマミも、飛び散った血で汚れている。

血にまみれて、肉片のような固形物までもが見える。

さやかの皮膚がみるみる黒く変色し、どす黒い血をあふれ出させる。

かと思うと、それが青い光を放って修復されていく。

マミ「駄目……ソウルジェムが先に限界になってしまう!

   佐倉さん、暁美さん! グリーフシードはないの!?」

杏子「ああ、こいつを……!」

ほむら「待って!」

ほむらが、懐からグリーフシードを取り出した杏子の手を遮った。

杏子「何を待つんだよ、ほむら! このままじゃさやかが……」

ほむら「だからよ!

    グリーフシードで穢れを吸っても、また体の傷を修復して消耗するだけ。

    さやかがこうなっている原因を取り除かないとどうにもならないわ」

マミ「原因って、どうやって!? お医者様に連れていくの?

   放っておいたらそれまで美樹さんは保たないわ!」

ほむら「だったら保たせるまでよ」

まどか「……ほむらちゃん? 何するの?」

さやかの症状が修復されるまでの間隔が、少しずつ長くなっていく。

また夜にもう少し書くかも
さやかちゃんは実はもうアウトだったんだよ
原因を食らったのは省略した箇所ではない

さやかの回復力なら普通のトラップ余裕だよなー、
殺られるとしたらcube 2のチートトラップかなー、と思ってたらまさかの展開。

ちなみに回復魔法についての解釈は>>1の俺理論
例えば風邪を治そうとしたら、風邪薬の強力な奴みたいに熱を下げたりできるが
抗生物質のようにインフルエンザウィルスを直接殺せるわけではない
ただマミさんやさやかちゃんの回復魔法の働き方がそうなだけで
願いによっては病気治療が得意な回復魔法の使い手になったりはあると思う

あのトラップやばすぎる

ユウリなら治せるな。
飛鳥ユウリのほうね。

もう少しだけ書いて投下する

>>98より続き

ほむらは盾から何かを取り出し、さやかのそばに屈みこむ。

ほむら「細かい説明は後でするわ。私を信じて」

そして、手の中のものをさやかの首筋に当て、スイッチを入れた。

バチンッ!

さやか「ぁ……」

がくりとさやかが意識を失って倒れ伏す。

すかさずほむらはさやかのお腹に貼り付いたソウルジェムを剥ぎとった。

途端に、さやかの全身の皮膚がみるみると黒ずみ、まるで腐ったように無惨に崩れていく。

杏子「なっ……何してやがる! ほむら!」

マミ「どういうつもり!? 早くソウルジェムを……」

ほむら「落ち着いて! 美樹さやかは死なないわ、ソウルジェムが無事なら、魔法少女は死なない!」

まどか「え……どういうこと、ほむらちゃん!? さやかちゃんを助けてよ!」

気を失い、全身からどす黒い血を垂れ流すさやかにすがり付いて、まどかが涙声を上げる。

ほむら「鹿目まどかも、そっちの二人もよく聞いて。魔法少女の体は普通の人間とは違っているの。

    酷い怪我をしても、例え手足をもがれても、魔力で治せば元通りになってしまう。

    逆に言えば、魔法少女の生命線は魔力、つまりソウルジェムなのよ。

    それが濁りきって、魔力が尽きた時が、本当の終わり。もう体を治すことすらできなくなってしまうわ」

ほむらは嘘をついてはいない。

しかしソウルジェムの本当の意味を話しているわけでもない。

この場でそれを言うのはあまりにリスクが高すぎるからだ。

だが、さやかの生命を救うための強硬手段に訴えることを、他の3人に納得させなくてはならない。

ほむらにとってはぎりぎりの賭けだった。

マミ「そんな……美樹さんはこんな状態なのよ!? これで死なないなんて言われたって……」

ほむら「美樹さやかの自己回復能力が止まったからよ。

    でも死んでしまったわけじゃない。ソウルジェムはこの通り、まだ濁りきっていないわ」

杏子「だから今からでもグリーフシードで浄化して、回復を……」

ほむら「無駄よ、ただ回復してもすぐ症状が進んで、それをまた回復するだけのイタチごっこよ。

    原因を取り除くか、美樹さやか自身の治癒能力を強めて、原因ごと打ち消すか。

    あるいは……いえ、でもそれには魔力が足りないわ」

マミ「美樹さんのソウルジェムがこれ以上消耗して手遅れになってしまわないように、

   美樹さんを気絶させ、ソウルジェムを引き剥がしたってこと?」

杏子「そんな話を信じろってのかよ」

ごめん寝落ちてた
ここまでにしときます


速報でもこれくらいのペースで書ければいいのに


仲間割れか
さやかの死体に触れてるまどかは大丈夫なのかね

先に謝っておく
今度の週末は仕事の都合で更新できない可能性が高い

謎解きさせようとしてるのがテンポ悪くしてる気もするが、
考えながら進まないとcubeじゃない気がするしどうしたものか

了解
時間かかってもいいから納得行くものを書いたほうがいいんじゃないかな

おい先週俺が空調全然効かないサーバ室でヒィヒィ言ってる間に
sawクロス終わっちまってるじゃないですかどう言うことだ
後から来たのに追い越されるってこういうことか

読んでくれてる人にレスしたいがするとネタバレしかねないから
とりあえず続き

サーバ室管理人「ゲームをしよう」

>>107より

ほむら「私の話が信じられない? なら、もっとはっきり言いましょうか。

    私たち魔法少女の本体は……」

マミ「待って、暁美さん。私は信じるわ。あなたの言っていること、筋は通っているもの」

まどか「ま、マミさん?」

杏子「おいマミ、何言ってんだ!?」

マミ「私も治癒の魔法には多少心得があるし、薄々思ってはいたの。

   私たち魔法少女の体は、何もしなくても魔力を消耗して、ソウルジェムは穢れていく。

   怪我を負った時や、病気になった時はなおさらよ。

   つまり、私たち魔法少女は、生きるためにソウルジェムの魔力が必要な体になってしまっている。

   そういうことよね?」

ほむら「そう思ってもらって構わないわ」

現実はもっと悪いのだが、あえてここでそれを指摘する意味は無い。

そう思ってから、あの忌々しい宇宙人と同じやり口だなと思ってほむらは唇を噛んだ。

マミ「それに美樹さんのこの状態では、すぐまた浄化が必要になる。

   ここを脱出するまでにグリーフシードの数が保つかどうかもわからないのも事実よ。

   あなたの判断は、魔法少女としては正しいと思う。……人としてはともかくね」

杏子「あんたはそういう考え方、一番嫌いだと思ってたんだけどな」

マミ「このままグズグズしてる方が美樹さんは危ないのよ。

   四の五の言ってられないわ。少しでも早くここを出ることを考えないと」

杏子「ちっ……わかったよ。マミがそう言うなら、あたしも従うまでだ。

   だがほむら、さやかに万一のことがあったら、あんたもただじゃおかねえ」

杏子はほむらに槍の穂先を一度突きつけて、手元に戻した。

ほむら「感謝するわ、巴マミ、佐倉杏子」

まどか「で、でも、さやかちゃん、このままじゃ……」

マミ「それについては、暁美さんが責任持ってくれるわ。ね?」

ほむら「ええ」

そう言ってほむらが盾から取り出したのは、人間がすっぽり収まるような袋だった。

マミ「念のため聞くけど、人が入っても大丈夫なのよね?」

ほむら「生憎と人間を入れるの初めてね。でも、猫は無事に出てきたわ」

杏子「さやかは猫じゃねーぞ、いやどっちかっつーと犬か……」

気絶したさやかの崩れた皮膚を、一度どうにか見られるレベルにまで癒してから、体を袋に入れる。

それが米軍で使われている、いわゆる「死体袋」であることを、ほむらは黙っていた。

ジョークにしても質が悪すぎる。

さやかの体が収まったそれを盾に近づけると、吸い込まれるように盾の中へと消える。

杏子「いっつも思うけどさ、それってどんな仕組みなんだ?」

ほむら「私に聞かれても困るわよ。あなたは自分の武器や魔法がどんな仕組みなのか説明できるの?」

杏子「ああ、うん、わかった。悪かったよ」

まどか「さやかちゃん……大丈夫だよね?」

ほむら「この盾の中は時間が止まってるみたいなの。

    だからここにいる限り、美樹さやかの状態が悪化することはないわ。

    それより鹿目まどか、それも渡してもらえないかしら」

まどか「……嫌。ほむらちゃんを信じないわけじゃないけど、今はこれがさやかちゃんだから。

    さやかちゃんがまだ生きてるって証拠だから」

まどかは青い光を弱々しく放つソウルジェムを両手に抱え込んだ。

まさかそれが真実を言い当てているとは全く思っていないだろう。

マミ「鹿目さんの気持ちもわかってあげてくれないかしら、暁美さん」

杏子「あたしら3人、完全に納得したわけじゃねーけどあんたに従ったんだ。

   今度はあんたが少し譲ったっていいんじゃないのか」

ほむら「……」

やはり肝心なことは3対1のままだ。

死体袋に入って盾の中に収まっている腐りかけの肉の塊など、大して重要ではない。

今まどかが握っている宝石こそが「美樹さやか」そのものであり、死守しなければならないものなのに。

続きキター

完全にソウルジェムの真実についてバラさなかったのが今後どう影響するかな。
いっそ全部話しちゃった方が良かった気もするけど。

ほむら「……わかったわ、鹿目まどか、それはあなたが持っていて。

    でも忘れないで、美樹さやかにはそれが必要なの。

    決して落としたり壊すことのないように、しっかりと持っていて」

まどか「う、うん! ありがとう、ほむらちゃん」

ぱあっとまどかが表情を輝かせ、マミに駆け寄るのを横目に、ほむらはドアの一つに進む。

杏子「ともかくこうなったら早いとこ進まねえとな。

   頼りにしてた数字はバラバラになっちまったし、またあてもなく進むか?

   今度はあたしが実験台になってやろうか?」

横に立った杏子がにぃっと笑ってから、苦虫を噛み潰したような顔になる。

杏子「……悪ぃ。あんたに悪意があったわけじゃないのはわかる。

   それに、汚い真似を散々してきたあたしが言えた義理じゃないしな」

ほむら「別にいいわ。

    私はもう、人としてどうあるべきかなんて考え方、とっくに忘れてしまった。

    それで誰かの恨みを買うことになったとしても、私の目的を達するためなら構わない。

    そう思っているのは事実だもの」

杏子「ふぅん」

数字の刻印を睨みつけたまま淡々と話すほむらに、杏子は探るような目を向ける。

その横顔は流れた黒髪に隠れて、表情は伺えない。

杏子「……あんま自分に似合わねえ真似続けてると、引っ込みつかなくなるぜ?」

ほむら「? なにか言った?」

杏子「いや、何も。それよりまた数字を睨んでなにか分かりそうか? ほむら博士」

ほむら「何よそれ、あなたも冗談を言うのね、佐倉杏子」

杏子「少しくらい気を紛らわせないとやってらんねーよ。

   さやかもヤバイし、この空間は訳わかんねーし」

一旦ここまで。
たぶん12時前後にまた少し書く。

>>113
怖いなオイ
今度行くときは変な人形とかテープレコーダーとかないかどうか確認して入るわ

ちなみに>>116に補足するけど
>マミ「念のため聞くけど、人が入っても大丈夫なのよね?」
って聞いてるのはほむ盾のことであって米軍印の死体袋のことではない


12時辺りに戻ってくるつもりがこんな時間
やめとこうかと思ったけどもうちょっとキリのいいとこまで

>>120より

ほむら「確かに気が滅入るわね。トラップの危険を考えれば慎重に進むべきだけど、

    美樹さやかの状態からするとあまり時間を掛けてはいられない。

    せめてトラップのある部屋に何か法則でも見つかればと思ってるけど……」

杏子「あん?

   こういうのって、油断してるやつとか、何も考えずに突っ込んでくるやつを引っ掛けるもんだろ?

   そんなのに法則なんてあるのか? バレたら全部避けていかれるに決まってるぞ」

ほむら「部屋にわざわざ番号が振ってあって、それが整然と並んでたのよ。

    それもわざわざ5進数なんてややこしい書き方でね。

    この結界を創りだした魔女は、そういうヤツってことよ。

    悪趣味なパズルがお好きな、そうね、さしずめ"キューブの魔女"というところかしら」

杏子「パズルね……考えただけで頭痛くなりそうだ。

   あ、ところでもうひとつ聞いていいか?」

ほむら「何?」

杏子「さやかのあの体。ありゃ一体何が起こってたんだ?

   ちゃんと治すあてはあるんだろうな?」

ほむら「おそらくだけど、あれは壊死、つまり細胞が死んでしまった状態ね。

    そのせいで死んだ細胞が崩れて腐ったようになり、そこから出血もしていた。

    皮膚みたいに見て分かる部分だけじゃなくて、内臓もやられていたでしょうね」

杏子「うげ……エグいな。

    けど、何でだ? さやかはずっと何とも無さそうだったし、トラップにやられたわけでもないぞ?」

ほむら「いえ、一度だけ、美樹さやかはトラップを踏んでしまっているわ」

杏子「あの水の時か? でもあれは……」

ほむら「ええ、私もあれはただの水だったか、あるいは酸や毒だったとしても、

    美樹さやかの回復能力ですぐにダメージを修復してしまったのかもしれない。

    そう思ってたわ。でも実際はそうじゃなかった。

    すぐには影響が出なかっただけで、体の中から美樹さやかは蝕まれていたのよ」

杏子「そういやあの時、水を飲んだって、言ってたような……」

ほむら「ええ、おそらく原因はそれよ。

    水に含まれていたものを、水と一緒に飲み込んでしまった。

    それは美樹さやかの体内で増殖しながら全身に広がり、細胞を食いつぶし始めて……

    美樹さやかが無意識に自己治癒魔法を発動させて壊死した部分を修復する速さよりも、

    増殖と壊死の速度が上回った時点で、とうとう症状が目に見えて現れた」

杏子「よくそういうこと淡々と言えるな、あんた……

   で、その水に含まれてたものって、何なんだ?」

さやかの症状が出るまでのタイムラグはそういう理由だったか。なるほどな。

あとキューブの魔女はナイスネーミング。

予想通り安定の寝落ちだった。
説明ゼリフのシーンは書いててもダレてくるから、読んでる側は余計につまらんだろうなと思う。
でもなるべく説明が必要な部分は話の中で説明したいんだ。
おかげで14歳でこの知識とかほむほむが恐ろしい子になってるが。
もっと言葉遣いをこの年代らしくしたいけど、やさしい言葉で説明するのって難しいんだよ。

とりあえず説明シーンの続きくらいまで。

>>125より続き

ほむら「人食いバクテリア、って知ってるかしら?」

杏子「バクテリア? 何かどっかで聞いたことあるな。

   バイ菌みたいなやつだっけか?」

ほむら「まあ、その程度の認識でもそんなに間違ってるわけじゃないから、別にいいわ。

    水や土の中、それに動物の体の中にだって、どこでもバクテリアはいるわ。

    顕微鏡でなければ見えないほど小さいから気づかないけどね。

    中には人の役に立つものもいるけど、害になるものもいる」

杏子「まあ、バクテリアは何となくわかったよ。でも人食いってどういうことだ?

   そいつらが集まって人を襲ったりすんのかよ?」

ほむら「まさか、sf映画じゃあるまいし。

    そいつらも、普通に水や土の中にいるうちは何ともない、ただの微生物よ。

    でも人の体の中に入って、さらに幾つかの条件がそろうと、突然性質が変わる。

    ものすごい速度で増殖して、周りの細胞を攻撃し始めるの。

    攻撃された細胞は壊死して崩れてしまい、少しでも対応が遅れれば死んでしまう」

杏子「さっきのさやかみたいに、ってことか。

    っておい、ちょっと待て! なら、マミとまどかの奴もヤバイんじゃないのか!?」

ほむら「心配ないわ。触った程度で感染するようなことはないから。

    でも念のため、消毒はしてもらったほうがいいでしょうけどね。

    それに人食いバクテリアは抗生物質に弱いのよ。

    病院に行けば手に入れられる。そうすれば美樹さやかもなんとかなるでしょう」

杏子「……一つ聞いていいか? どこで覚えたんだ、そんなの?」

ほむら「ちょっとした必要と機会があって覚えたのよ。大したことじゃないわ」

まさか米軍の研究施設から持ち出した資料で読んだとはいえない。

一緒にあったアンプルは、さすがに怖すぎるので後日戻しておいたが。

マミ「難しいお話をしてたみたいだけど、終わったかしら?」

いつの間にか2人の後ろにいたマミが声をかける。

ほむら「ええ。巴マミ、あなたと鹿目まどかも聞いておいたほうが……」

ほむらが言いかけたのを制止するようにマミが手を突き出した。

少し苛立ったような表情で、魔法少女にしか通じない念話の声が響く。

マミ『私は聞こえてたわ。でも鹿目さんは美樹さんがあんな風になって不安になってるの。

   お願いだから、話す話題には気をつけて』

見ると、まどかは部屋の反対の隅に座り込んで、両手でさやかのソウルジェムを抱え込んでいる。

ほむら『……ごめんなさい。気をつけるわ。

    聞いていたならわかると思うけど、あなたと鹿目まどかの手や服を消毒しておいて欲しいの。

    美樹さやかの血や体に触った部分を特に注意して』

マミ『それは私から言うほうが良さそうね。それが済んだら移動でいいのかしら』

ほむら『ええ、だいぶこの部屋で時間を食ってしまったし、次に進む方向の手掛かりもないから

    とにかく移動したほうがいいと思うわ』

10分ほど後、さやかを欠いた4人はドアの一つの前に立っていた。

今夜は以上
説明の流れにしたってちょっとくどすぎたな
ちなみに人食いバクテリア入りの水のトラップはゼロの冒頭で出てくる奴
あれはすぐに効果出すぎなので酸って説もあるけど、
だったらもっと現実的にってことでさやかの治癒能力が仇になる展開にさせてもらった
やっと一人脱落で先が長いぜ

>>126
最初から魔女名付けようと思ってたわけじゃないが、付けるならこの名前しかないだろうってことで。


もはやさやかを使ったトラップ回避は出来なくなったか…
能力的に次の実験台は…

俺は待ってる④

まだかなー

先週気が抜けて休んでしまった、申し訳ない
しかも事故ったプロジェクトのヘルプに投入されて
しばらくは土日も出勤というね……
まあ何とか合間に進めていこうと思う、すまん

普通の会社員かと思ってたらお盆休めないとか

普通の会社員ですよ
人員とスケジュールが常にカツカツだから、ちょっと残業が多くなったり休めなくなるのは
この業界ではよくあること

まだまだ残業だらけなのかしらん

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月19日 (木) 20:30:21   ID: azyPFipS

まどほむが生き残って、最後どちらかが犠牲になってもう一方を助けるシーンしか思い浮かばない
能力的にはまどかがカザン(キーマン系)だとして、まどかが助かりそう

続き書けよ誰か

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