佐天「あ。この光景、どっかでみた」 <br> (34)



佐天「ついにっ! 『低能力者』になりましたっ」


初春「おめでとうございます。佐天さんっ」


佐天「ありがとー」エヘッ


初春「……それで、一体どんな能力なんですか?」ワクワク


佐天「能力名はね、『予知能力』って言うんだ」


初春「へえ、すごいですね」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428681203



佐天「ふふ~ん。なんと、的中率100%なのだ!」フンス


初春「すごい…………あれ?」


佐天「ん?」


初春「そんなに凄い的中率をもっていながら、『低能力者』なんですか?」


佐天「あぁ、それはねー? この能力、自分でコントロール出来てないんだよ」


初春「……と、いうと?」
佐天「自分が 視たい時に視れる訳じゃなくて、ふとした時に視えるんだよねー」


初春「なるほど、それで『低能力者』なんですか……」






初春「――って事は、レベルが上がって、能力をコントロール出来るようになれば、自由に未来が視れるようになるんですかねっ」


佐天「んー……どうなんだろ。そればっかりは、上がってみないと分からないかな」


初春「でも、そうなれば、佐天さん占い師になれますよ!」


佐天「あはは、良いねそれ…………あ」ハッ


初春「? どうしたんですか?」


佐天「……今、ちょっと未来が『視えた』かも」


初春「本当ですかっ?! 一体どんな?」ワクワク


佐天「それはねぇー……」ニヤリ



佐天「『初春のスカートがめくられる未来』っ」


初春「え゛っ?」






佐天「ふふふふ、初春。『視えた』ものは仕方がないよねぇ?」ジリッ


初春「そ、そんなの、佐天さんが勝手に『視えた』と言っているだけで、ただのインチキじゃないですかっ!!」タジッ


佐天「む、聞き捨てならないなぁ。確かに『視えた』もんっ」


初春「証拠がありませんっ」


佐天「証拠ならあるよ?」


初春「へ?」


佐天「ズバリ、初春の今日のぱんつの色は『白』っ」ビシッ


初春「なっ!」ギクリ


佐天「私の『視た』未来で、スカートの捲れた初春は、真っ白なぱんつを穿いていたの、どう? 当たってる?」


初春「それは……その」カァァ


佐天「どうしたの? 答えないの?」ニヤニヤ


初春「そんなの、答えられる訳ないじゃないですか……」モジモジ


佐天「……仕方ないなぁ。それじゃあ、勝手に答え合わせしちゃうね?」


初春「へっ?」


佐天「とりゃあああ!!」バサァァ

初春「きゃああああ!!」






佐天「ほーら、『白』で当ってるじゃん」フンス


初春「うう……ヒドいですよ、佐天さん」シクシク


佐天「それに、『スカートが捲れる』未来も当たったしねっ」


初春「もうっ 知りませんっ」フイッ


佐天「あはは、ごめんごめん」



--------
------
----

【ファミレス】



御坂「佐天さん、ついに能力者になったそうじゃない。おめでとうっ」


白井「私からも、おめでとうございますっ」


佐天「あ、ありがとうございますっ」テレッ


御坂「それで……佐天さんは一体、どんな能力だったの?」ワクワク


佐天「ふふふ、それはですね……」







白井「……『予知能力』。ですか」


御坂「すごい、佐天さん。未来が視れるようになったの?!」


佐天「えっと……視れるには視れるんですけど、好きな時に視れる訳では無いんですよね」エヘッ


御坂「それでも、凄い能力だわっ」


佐天「えへへ……でも、欲を言えば、御坂さんや白井さんのような、戦闘向けの能力がよかったなぁ……なんて」


初春「戦闘向けって……佐天さんは、能力を暴力に使いたかったんですか?」


白井「物騒ですわね」


佐天「そ、そうじゃなくて、純粋にカッコイイじゃないですかっ!」

佐天「それに……ホラっ、自分の身くらい、自分で守れた方がいいかなぁって思っただけだよ。学園都市って何かと物騒だしっ」


初春「まぁ、確かに治安は悪いですけど……」


佐天「でしょう?」


白井「……戦闘向きか、そうでないかは、使い方次第だと思いますわよ?」


佐天「へ?」


白井「例えば……戦闘中に、今から来る攻撃を『予知』出来れば、戦闘が有利になるかもしれませんし?」


佐天「おおっ! 何だかカッコいい使い方ですねっ」


初春「『右ストレートでぶっとばす』…ですねっ」


御坂「初春さん。それはちょっと違うと思うわ……」






初春「でも、『予知能力』があれば、戦闘自体を避けられませんかね?」


佐天「へ?」


初春「簡単な事ですよ、危険な未来が『視えた』なら、それを回避するように行動すればいいんです」


佐天「!!」


白井「そもそも、身を守るだけでしたら、能力自体必要ありませんわ」


佐天「え?」


白井「不用意に怪しい場所に近づかなければ良いだけのお話ですの」


佐天「うぐっ……」


初春「そうですよ、佐天さんの場合、自分から危険な所に行っちゃうから、危険な目にあうんです」


白井「好奇心旺盛なのも結構ですが、それなりに警戒心と言うモノを持って行動して頂かないと…………」クドクド


佐天「うぅ……耳が痛いです……」


御坂「……」



御坂(そっか、『予知能力』があれば、この先に起こる悪い出来事を回避出来るんだ……)







御坂(……もしも、あの“バカ”に、『予知能力』があれば……少しは危ない事に巻き込まれなくなのるかな……)

御坂(…………駄目だ、そんな能力がアイツにあったら、自分から面倒事に首突っ込んで行くに決まっているわ)

御坂(……視えた未来で、不幸なった人たちを助けるために)

御坂(アイツはそういうヤツよね……)ハァ


御坂(ー……って、私は何を考えているのよっ!)ブンブン



佐天「……」ジー

初春「……」ジー

白井「……」ジトッ


御坂「……っ!」ハッ


佐天「御坂さーん? 今、ナニを考えていたんですかぁ?」ニヤニヤ


御坂「へっ? べ、別にっ……ただ。未来が視れたら良いだろうなぁーって、考えていただけよっ」アセッ


白井「ま さ か、とは思いますが、あの類人猿との未来を……なんておしゃりになりませんわよね?」ジロッ


御坂「な、ななな何で私がアイツとの未来を考えなくちゃいけないのよっ」ワタワタ


初春「おやおや? 『アイツ』とは、一体 誰の事を指しているんですか?」ワクワク


御坂「ふえっ? い、いやあのそのべつにっ」アタフタ


佐天「赤くなっちゃって、御坂さんたら、可愛いいなぁ~」クスッ


御坂「うう……」カァァ


白井「むう」ムスッ


佐天「ふふふっ、なんだか楽しい予感が…………」







  *  *  *  *


御坂「なにが『予知能力』よっ、そんなの…私は絶対認めないわよっ!!」


  *  *  *  *







佐天「……」ハッ




佐天(今のは……私の能力で『視た』未来?)


初春「佐天さん?」


佐天(つまり、今から起こる未来であり…)

佐天(今から御坂さんが言う言葉……)


白井「ええと……どうかなさいまして?」


佐天(つまり……口ではあんな事を言っておいて、御坂さんは、私の事を認めていない?!)



御坂「佐天さん、大丈夫?」


佐天「……ひどいです、御坂さん」


御坂「へっ?」



佐天「確かに、私の『予知能力』はレベルも低いし、自分でもコントロール出来ない、全然役に立たない能力です」


佐天「『超能力者』の御坂さんからしたら、有って無いような能力かも知れない……」






佐天「だからと言って、そんな風に言うこと無いじゃないですかっ!!」


御坂「? ? ? ……えっと? 私 何か気に障ること言った?」


佐天「とぼけないで下さいっ!! 私には『視えた』んです……御坂さんが私の能力を否定した光景が」キッ


御坂「……ん?」

初春「ん?」

白井「ん?」






佐天「……シラを切るつもりですか?」


御坂「シラを切るもなにも……私 何も言ってない、って事……よね?」


初春「え? は、はい。そうです……よね?」


佐天「私がウソをついているって言うんですか?!」


御坂「ウソとか、そんなんじゃなくて、実際に私は何も言ってない訳じゃない」


佐天「私の能力が信じられないって事ですか?! やっぱり、御坂さんは私の能力をバカにしているんだ……」


御坂「そーいう意味で言って無いわよ!」


白井「あの……佐天さん、少し落ち着きませんこと?」


初春「そうですよっ、おかしな事を言ってるのは佐天さんの方なんですよ?」


佐天「どうして私のほうが責められるんですかっ、酷いことを言ったのは御坂さんの方じゃないですか!!」


御坂「だ か ら! 何で私は、言っても無いことで、ここまで責められなきゃいけないのよ?」


佐天「で す か ら! 私の『予知能力』で見えたんですっ! 御坂さんは確かに今から言うんですっ!」


御坂「なによそれ……」



御坂「…なにが『予知能力』よっ、そんなの私は絶対認めないわよっ!」



----------
------
----



佐天(……その後、何となく気まずい雰囲気になり、あの場はすぐに解散となった)



佐天「……」



佐天「ひどいことを言われたのは私なのに……」


佐天「初春も白井さんも、御坂さんの方を庇うし……」


佐天「……やっぱり、レベルの高い人の方が優遇されちゃうのかな」


佐天「私の能力も、もっとレベルが高かったら、私の言うこと……信じて貰えたのかな」


佐天「ハァ……」


佐天(折角『能力』を手に入れたのに、全然良いことないや……)


佐天(何か疲れちゃったな……今日はもう帰ろう)






佐天「……」スタスタ



佐天「お」ピタ


佐天「……確かこの裏道は寮への近道だったハズ」


佐天「……まだ空も明るいし、ササッと通り抜けるだけなら問題ないよね?」キョロキョロ



佐天「よーし……」








 *  *  *  *


チンピラ「おっ。ねーちゃん、今帰りかよ?」


チンピラ2「俺らと遊んでいこーぜ? 帰りはが送ってやるからさぁ」ギャハハハ


 *  *  *  *








佐天「!」ハッ



佐天(今のは……『予知能力』で『視えた』未来っ)


佐天「……危ない、危ない。このままこの路地裏を通っていたら、スキルアウトに絡まれる所だったね」


佐天「ここは、遠回りでも表通りから帰るべきだねっ」







佐天「……」


佐天「…………」



『そんなの、佐天さんが『視えた』と言っているだけで、だだのインチキじゃないですかっ!』


『そもそも、『予知能力』は必要ありませんわ』


『そんなの……私は絶対認めないわよっ!!』




佐天「……」







佐天「……ずっと」


佐天「ずっと、無能力者であることに劣等感を感じてた……」


佐天「ずっと能力者に憧れていた……」


佐天「やっと手に入れたこの能力を、誰にも馬鹿にされたくない」


佐天「私の能力はインチキじゃないっ」


佐天「私の能力は本物なんだっ!」



佐天「私の力が本物なら……、この道の先にスキルアウトが居るはず……」




佐天「……みてなさい」キッ



佐天「私の『予知能力』の的中率は、100%なんだからっ」












おわりです。
ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom