鳳翔「私の夢。届かない想い。」 (111)

艦これのSSです。
・初投稿ですので、見苦しいところがあるかもしれまが、暖かく見守ってもらえたら幸いです。
・更新は不定期になると思います。
・書き溜めとかあまり出来ないので、更新は遅いかと思います。

執務室
提督(今回の作戦の特性上は、この編成が・・・いや、教範の事項にのっとてはいるが不足事態の時に・・・。)
コンコン
鳳翔「提督、失礼します。」
提督「ん?鳳翔か、どうした?」
鳳翔「お茶をお持ちしました。少しお休みになられてはどうですか?」
提督「・・そうだな。少し休むt・・・。」
長門「提督!!」バーン
提督「ドアは静かに開けろ。入室要領が・・・・。」
長門「今日の作戦指示はなんだ!?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428670357

提督「不満があったか?」
長門「不満だと!?あんな作戦指示では不満しか無い!!その上あのタイミンで撤退とは、中破しているものもいたが後ひと押しで止めは刺せた。」
提督「問題があったか・・・。基本的な作戦規定に乗っとて作成したが。やはり穴があったか。すまなかった。」
長門「ふざけるな!!作戦に関しては前任者のほうがまだましだった。他では問題大アリだったが・・・。」
提督「俺もまだ慣れてない部分が多くてな。すまない。しばらくは長門、君に艦隊の指揮は任せる。」
長門「貴様も、前任者並みの無能だな。こっちは勝手にさせてもらうぞ!!失礼する。」
提督「・・・・・。」
鳳翔「・・提督。あの・・。」
提督「・・・無能か。クソッ!!」鉛筆バキッ
鳳翔「て、提督落ち着いてください。提督も内地から来てまだ日が浅いですし、ずっと内地勤務で艦隊指揮は慣れてないでしょうから致し方ありませんよ。」
提督「・・・すまない。しばらく一人にしてくれ。」
鳳翔「分かりました。私外で控えておりますから、御用があったら呼んでください。」

>2すいません、ありがとうございます。
次からきお付けます。

提督「・・ここに来て一年半。艦娘との作戦行動にも慣れたと思ったが・・・。まだまだか・・・。」


まだ暖かいお茶をすすりながら机に挟んだ写真をそっと取り出す

提督(・・・お前ら、すまない。俺がこんなんではお前らも報われんよな・・・)

「おう、今日も一発派手にぶちかまそうぜ。」

「小隊長となら、例え地獄でもついてきますよ。」

「小隊長なら、地獄も占領しちまいそうだけどな。」

 「ハハハー!ハハハー!」

提督(あれから、もう何年経つだろうか・・・。)

「くそー、化け物めー!」

「誰か、弾を、弾をくれー!」

「くそっ、小隊長ー!」

「伊吹、野上ー! くそったれ、深海の化け物共めー! うぉぉぉぉぉぉー 」

「・・とく、提督。」

提督「はっ。」

鳳翔「提督、大丈夫ですか?大分、うなされているようでしたが。」

提督「・・夢か。気づかないうちに落てたみたいだな・・。」

鳳翔「提督、あまり無理をなさなでくださいね。提督に倒れられては指揮に関わりますよ。」

提督「そうでもないだろ。こんな無能提督の一人や二人・・・。」

鳳翔「無能だなんておっしゃらないでください!!」

提督「す、すまん。いや、だが今の俺は不知火へのセクハラで病院と憲兵隊送りになった前任者に比べ、生活面では問題はなくても作戦指示では素人並だ。無能呼ばわりされても仕方ないさ。」

鳳翔「いえ、提督は陸と空を駈けていた方ですから。艦娘の指揮に慣れてないのは仕方ないですよ。」

提督「なぜ、そのことを知っている?俺の前歴は誰にも話してないはずだが。」

鳳翔「その机の写真に書いてある部隊名。それに、真ん中に映っている方、提督ですよね?」

提督「しまった。まぁ、隠すことでも無いか。そうだよ。俺だ。まだ下士官なりたての頃だな。」

鳳翔「フフッ。この時の提督はお若いですね。」

提督「失礼な。苦労して老けてはいるが、こう見えても見た目より若いんだぞ。」

鳳翔「すいません、決してそういう意味では・・。」

提督「いや、気にしてないからいいよ。こいつは部隊立ち上げの時の写真だな。」

鳳翔「立ち上げで下士官って、それまでは艦上勤務ですか?だとしたら少しは知っていても・・。」

提督「いや、16で年ごまかして海軍入ってからは5年は特別陸戦隊だ。潜入工作なんかの任務についてた。その後落下傘部隊創設時に落下傘部隊に志願してそっからずっと落下傘だ。幹部候補生になって士官になってからも、負傷が原因で鎮守府の本部勤務になるまでずっと・・・こいつらと最前線で戦って来たんだ。殆ど、先に・・逝かれちまったけどな・・。」

鳳翔「・・・・・すいません。変なこと聞いてしまって。」

提督「・・いやいいさ。すまないな。変な空気にしちまって。さて、作戦でも練り直すか。ずっと陸の人間には海の上のしかも艦娘なんて未だに掴みきれてないとこも多くてな・・・。あっ、夕食は後で取るから気にしないでくれ。」

鳳翔「分かりました。無理はなさらないでくださいね。他の皆も頑張ってくれてますから。では、食事の支度があるので失礼します。」

食堂
鳳翔(まずいこと聞いてしまったわね。昔の話をする提督、すごく悲しそうだった・・・)

間宮「鳳翔さん、お鍋。」

鳳翔「えっ、あらごめんなさい。つい考え事してしまって。」

間宮「珍しいですね。何かあったんですか?」

鳳翔「い、いえ。何も・・。」

長門「まったく!あの、提督は!」

陸奥「まぁまぁ、少し落ち着いて。」

長門「この鎮守府に来て一年半。作戦もまともになってきたと思えば、このざまだ。」

陸奥「でも、前のセクハラ野郎よりましでしょ。作戦も良くなってきたって褒めてたじゃない。」

長門「あぁ、だが今日のは納得いかん!!あと一撃というとこでだ。あと一発当てれば確実に勝てた。赤城が中破してしまたっとは言え、あそこで進軍すればあの海域は落とせていたはずだ。」

鳳翔(提督は怖いのでしょうね。部下を失ってしまうのが。きっと今まで多くの仲間を失って来た提督なら・・。)

提督「ふぅ。今日はこれくらいかな。(こいつが降下作戦だったら・・・。くそっ、あんな話したら思い出しちまったな。
)しかし、我ながら臆病になっちまったな。困難な状況でも任務達成が第一優先だったあの頃より・・・。失ってきたもんが
でかすぎたか・・・。」

鳳翔「提督、よろしいでしょうか?」

提督「ん?なんだ?」

鳳翔「あの、夕食の件なんですが・・。」

提督「後で取ると言わなかったか?」

鳳翔「それが、中破した赤城さんが今日の分を全部・・・。」

提督「なんにも残ってないのか?」

鳳翔「えぇ。すいません。」

提督「いや、中破させるような指示をした俺のミスだ。気にするな。俺は一日ぐらい喰わんでも大丈夫だ。」

鳳翔「ですが・・・。」

提督「心配するな。もう今日は休め。朝食はしっかり頼むぞ。」

鳳翔「・・分かりました。失礼します。」

提督(とは言うものの、少し胃には入れたいな・・・。山で蛇でもハントしてくるか。)

>9すいません。ありがとうございます。

翌朝 0500

提督「・・97・・98・・99・・・100。ふぅ。」

鳳翔「おはようございます。提督。」

提督「おはよう。」

鳳翔「今朝もトレーニングですか?」

提督「あぁ。不思議なもんでな。現役を降りても、こうしないと体の調子が悪くてな。」

鳳翔「染み付いた習慣ですね。」

提督「・・もう、前線に出ることはないだろうにな。厄介なもんだよ。」

鳳翔「厄介だなんて。体を動かすのは健康のためにも大切ですよ。」

提督「健康か。まぁ動けなくなるよりはましか。」

鳳翔「そうですよ。少しでも前向きに考えないと。」

提督「前向きにか。そうだな。そう考えれば少しは楽になった様な気もするな。ありがとう。」

鳳翔「いえ。大したことしてませんよ。」

提督「さて、食事にするか。今の俺には提督として、今日も書類の山と向き合わにゃいかんからな。」

鳳翔「あら、珍しいですね。書類仕事なんていつも嫌がっているのに。」

提督「前向きに行けって言ったのはお前だろう。」

鳳翔「ふふふ。そうでしたね。」

提督「・・・まったく。」

鳳翔「では、食事の支度をしてまいります。できたらお呼びしますね。」

提督「あぁ、そうしてくれ。」

執務室

提督「さて、飯も食ったことだし、仕事するか。えっと、本日のは・・・。」

大淀「失礼します。提督。司令部より入電です。」

提督「おっ、すまんな。一体何のようだ?・・・・・・大淀、鳳翔を呼んで来てくれ。」

数分後

鳳翔「失礼します。提督、どうかなさいましたか?」

提督「来たか。・・・鳳翔、君は戦前を離れてどの位立つ?」

鳳翔「はい?」


>名前が違いますが1です。上二つもそうですが、酉をミスしてしまいました。初めてなのですいません。

提督「最後に出撃したのはいつかと聞いているんだが?」

鳳翔「そうですね。正確には覚えていないんですが、大分出てないですね。今は軽空母ですが、どちらかというと練習
空母としての任務が多いですし。」

提督「・・そうか。また前線に出たいか?」

鳳翔「ご命令ならば。いつでも。」

提督「・・・久しぶりの戦場でも行けるか?」

鳳翔「私だって艦娘ですよ。馬鹿にしないでください!」

提督「す、すまん。」

鳳翔「いえ、大丈夫ですよ。それで、私も出撃ですか?」

提督「あぁ、話がずれたな。実は今度反抗作戦が行われることになってな。」

鳳翔「予てよりお話があった、作戦ですか?」

提督「いや、その前哨戦の様なものだ。海域的にも主力艦隊は他の鎮守府から出るんだが、うちからも一個艦隊を陽動として出す。その艦隊に編成上空母が一隻は必要でな。」

鳳翔「で、私がですか?」

提督「そうだ。その日は他の作戦も予定されていて、うちとしてはギリギリな状況だ。」

鳳翔「そういうことなら、致し方ありませんね。」

提督「頼むぞ。作戦開始は3日後だ。陽動だからな、さほど危険な任務ではないはずだが、しっかり頼む。編成は追って達する。」

鳳翔「分かりました。航空母艦鳳翔、出撃します。」

提督(・・出撃か。いい響きだな。)

演習場
鳳翔「風向き・・よし、航空部隊発艦。・・・・いい感じね。」

赤城「あら、鳳翔さん。珍しいですね。」

鳳翔「赤城さん。えぇ、今度出撃するので、今一度調整の方を。」

赤城「鳳翔さんが出撃なさるのも珍しいですね。」

鳳翔「陽動作戦ですが、あの方のご命令なら。」

赤城「無理なさらないでくださいね。」

鳳翔「えぇ。大丈夫ですよ。」

食堂

提督「さて、早めに飯食って仕事の続きを・・・。」

赤城「提督。」

提督「おっ、赤城。お前も昼か?たまには一緒にどうだ?」

赤城「えぇ。ちょうど良かったです。少しお聞きしたこともありましたので。」

提督「俺に?」

テーブル

提督「で、話ってのは?」

赤城「モグモグ・・今回・・モグモグ・・・鳳翔さんが・・モグモグ・・出撃・・。」

提督「食うか、喋るかどっちかにしてくれ。行儀が悪い。」

赤城「すいません。ついつい。」

提督「はぁ・・。ほっぺたに飯もつけて。」

赤城「えっ、どこですか?」


提督「動くな。とってやるから・・・。(ピクっ)?」

赤城「提督?」

提督「・・・そこか。」

ガシャーン

青葉「ヒイッ!!」

赤城「て、提督!?」

赤城は今の状況が理解できなかった。目の前で一瞬感じたものすごい殺気と風。綺麗に割れたガラスと悲鳴。その悲鳴の先には
真っ青な顔でガクガク震えている青葉。そして廊下の壁に真っ直ぐに突き刺さっている提督が今まで使っていたはずの箸。

提督「青葉。写真を撮るのはいいが。取り方はもう少し考えろ。お前の気配だと感じるのが後、コンマ02秒遅れたら、箸はお前の
鼻先じゃなく今頃顳かみのど真ん中だったぞ。」

青葉「・・は、はひぃ。」(バタン)

提督「まったく。しかし俺も勘が少し鈍ったな・・。」

赤城「・・・・・。」(ガクガク)

提督「おっと。そういえば、箸が無くなっちまったんだ。もらってくるか。少し待ってくれ。すまんな、びっくりさせて。」

赤城「・・は、はぃ。」

赤城は思った不知火の目が戦艦クラスの眼光なら、提督のさっきの顔は宇宙戦艦クラスの眼光だと

提督「・・さて、なんの話だったけか?」

赤城「・・・・。」

提督「赤城?」

赤城「は、はい!赤城は大丈夫ですよ。」

提督「榛名か、お前は?で、鳳翔がどうしたって?」

赤城「・・そうでした。今回の任務鳳翔さんも出撃なさるそうですね。」

提督「あぁ。陽動作戦だがな。空母が必要なんだが、他の任務の関係上余剰戦力が少なくてな。」

赤城「でも、空母でしたら龍驤さんも残ってるはずでは?艦載機の搭載数も考えれば、龍驤さんの方が良い気もしますが?」

提督「確かにな。スペックを考えれば彼女の方が高い。だがな、龍驤は着任してまだ日が浅い。最近の出撃で練度は確実に上がってきてはいる。
だがな、まだ不安も残るしここのところ彼女は出撃の連続だからな。それに・・・。」

赤城「それに?」

提督「・・鳳翔も空母だ。いくら容姿は慎ましい女性であっても、今の彼女は艦娘。戦場において初めてその真価を発揮できる存在。戦場を離れ
後方業務に回っても、心の何処かでは戦いの場に立つことを望んでいる。彼女の返事を聞いたらそんな気がしてな・・。今の俺もそうであるように・・。」

赤城「提督・・・。」

提督「まぁ、旧式艦である以上、性能面の低下は歪めない部分もあるが、そこは最新鋭機の搭載である程度はカバーするつもりだ。
それに、今回は悪魔で陽動。直接的戦闘は想定していない。君も彼女の事を心配してくれているようだが、俺も無理はさせん。護衛にも練度の高い連中を付ける。
それに、危なくなったら即時撤退もさせるさ。」

赤城「そうですか。確かに鳳翔さん、練習の時少し嬉しそうな顔をしてましたよ。提督も提督なりに配慮されていたんですね。


提督「おいおい、失礼だな。」

赤城「ふふ。失礼しました。でも、無理はさせないでくださいね。」

提督「あぁ。わかってるさ。(・・練度不足と分かっていても、それでも前線に立たせるしか無かった・・・。撤退すら許されず戦うしかなかった、無かった
あの地獄を味あわせる訳に行くか・・。)

3日後

鳳翔「では、提督行ってまいります。」

提督「頼むぞ。今回はあくまで陽動だ。無理はするな、危ないと思ったらすぐに撤退しろ。必ず全艦無事に戻るんだ。」

鳳翔「はい。」

提督「では、健闘を祈る。」

海上

鳳翔「・・・・・。」

電「鳳翔さん、嬉しそうなのです。」

鳳翔「えっ?そうかしら?」

電「そうなのです。」

鳳翔「そうね。久しぶりに、海の上にいるからかしらね?」

古鷹「でも、提督さんと離れ離れになって少し寂しいんじゃ無いですか?」

鳳翔「えっ!?そ、そんな事・・・///。」

龍田「アラアラ~。満更でもない見たいですね~。」

鳳翔「皆んさんで、からかわないでください!!」

「「「「「アハハハハー。」」」」」



鎮守府

提督「さて。今日は出撃で殆ど艦隊がいないから珍しく、静かだな。」

大淀「提督、失礼します。司令部より通信です。」

提督「おっ、すまんな。えっと、何?鎮守府の視察だと?面倒だな・・。」

大淀「そうですね。鎮守府の視察なんて、珍しいですね。」

提督「あぁ。全くだよ。うちみたいな大してでかくもない鎮守府なんか見て・・はっ、伏せろ!」

大淀「えっ?」

大淀を守るように床に伏せる提督。その刹那ものすごい爆音と衝撃が執務室を襲う。

大淀「きゃあっ。」

提督「空襲だと!?くそっ。」

大淀「て、提督大丈夫ですか?」

提督「俺の心配はいい。それよりすぐに艤装をつけに行け。応戦しろするんだ。」

大淀「は、はい。」

夕立(小破)「提督さん!た、大変ぽぃ!!」

提督「夕立!!大丈夫か?」

夕立「夕立はまだ大丈夫ぽぃ。それより大変、空襲だけじゃなくて陸上部隊も上陸してきたったぽい!」

提督「な、何だと!?」

大淀「上陸部隊なんて、そんな・・。提督、早く避難を。」

提督「俺に構うな。お前らは艤装をつけに迎え。」

大淀「し、しかし・・・。」

提督「急げ、通路を寸断されたら間に合わなくなる。」

大淀「は、はい。」

夕立「提督も早く逃げて!」

提督「ああ。心配するな。」

執務室を出て行く二人を見送りつつ提督は床のタイルを引っペがしにかかる

提督「・・・逃げてか・・。残念だが俺たちに撤退の二文字は無いんだよ。」

すいません、仕事の関係上一週間位開きます。



こんばんは>1です。
再開します。

鎮守府内ではすでに、艤装を装着できた艦から応戦を始めていたが、奇襲による混乱から、動けずにいる者も
多くいた。

食堂

龍驤「間宮はん、大丈夫でっか?」

間宮「えぇ。何とか無事よ。それより、この騒ぎは一体何!?」

龍驤「敵襲らしいわ。まさか鎮守府を奇襲してくるとは。ともかく艤装をつけな・・。その前に、間宮はん
ここにいたら危険や。どっか安全なとこへ・・。わっ。」

爆発の轟音とともに壁が食堂の壁が吹き飛ばされる。

間宮「ごほっ、ごほっ。一体何がどうなって・・・。きゃあぁぁぁぁ。」

まだ立ち込めている煙の中より壁を吹き飛ばした奴が姿を現す

龍驤「なっ、ホ級やと!?間宮はん、早く逃げるんやー!!」

間宮「・・・・・・。」(ガタガタ)

恐怖で動けなくなっている間宮にホ級はゆっくりと照準を合わせる。まだ、艤装できてない龍驤には
成すすべが無い・・。

龍驤「あ、あかん・・・・・。」

ホ級の照準が間宮を完全に捉える。間宮はいまだ動けない

間宮「・・・・・・・。」

間宮は恐怖の中で自分の最後の瞬間を覚悟した

龍驤「間宮はーん!!」

砲撃の轟音と立ち込める硝煙が食堂内を包む

龍驤「・・・あぁ・・・そ、そんな・・・・・。」

だが次の瞬間、龍驤の目に飛び込んできたものは間宮ではなく、砲撃をくらいダメージを受けているホ級の姿であった

龍驤は一瞬何がおきたか理解できず固まってしまったが、次の瞬間「チェストーー!!」という叫び声でわれに返る

龍驤「はっ・・。」

われに返った龍驤が目にしたものは、床に広がるホ級の血、ちぎれた右腕。そして間髪いれず、ホ級の頭に砲撃を入れている
提督の姿であった。

龍驤「て、提督!?」

提督は右手に構えた単装砲を間髪いれずホ級の頭に数発打ち込む。ゼロ距離からの砲撃をもろに食らった
ホ級は沈黙した

提督「・・はぁ、はぁ。お前ら、大丈夫か!?」

間宮「は、はぃ・・・。きゃぁぁぁ。」

間宮が悲鳴を上げるのも無理は無い。今の提督は右手に何故か単装砲、左手には軍刀を構え。背中には
ロケットランチャーと機関砲を背負っており、ホ級の返り血を全身に浴び白い軍装は青黒く染まっていた。
その上、その黒く染まった顔の奥に光る不知火も裸足で逃げるくらいの鋭い眼光。一歩間違えば誤射されかねない。

提督「おい、落ち着け。俺だ。提督だ。」

間宮「・・て、提督?」

提督「あぁ。お前ら怪我ないか?」

龍驤「うちは大丈夫や・・・。うちらよか、キミは大丈夫なんか!?それに何やその格好!?」

提督「そんなことより、敵殲滅が先だ。龍驤、急ぎ艤装を付け迎撃任務に就け。間宮は地下に隠れてるんだ。これは命令だ!!」

龍驤&間宮「は、はい!!」






鎮守府中庭 いつもなら憩いの場所としてにぎわっているところだが、今は敵との第一線として抵抗戦が
続いていた

大淀「夕立ちゃん、大丈夫?」

夕立(小破)「大丈夫ぽい。ハンモック張っても戦うよー。」

提督「はぁ、はぁ。状況は!?」

大淀「ひぃっ。」

夕立「新手!?と思ったら、提督さんぽい。」

大淀「提督ですか?脅かさないで・・・。って、傷だらけじゃないですか!?」

提督「こんなのは、傷のうちにはいらんよ。そんなことより状況は?」

大淀「・・・・・・。えっっと、敵は現在中庭の中央付近に集中しているようです。規模はさほど大規模では
無いようですが、中庭への通路を押さえられている以上、進軍は厳しいかと。」

提督「青葉、衣笠、加古。お前らは隊舎ごしに中庭に向け砲撃しろ。巡洋艦の火力を持って突破口を開く。
その後一気に突っ込んで敵を殲滅する。」

青葉「・・・提督、さすがに観測無しでの射撃じゃ当てる自身が・・。」

大淀「しそうですよ、闇雲に撃っても弾薬の無駄では?着弾観測機もこの状況じゃ飛ばせないですし・・。」

提督「よーし、待ってろ。」

提督は建物の壁を一気に上り始める

衣笠「嘘ででしょ!?」

すいません。またしばらく空きます。

再開します。
>38すいません。急ぐあまりチェックが甘かったです。
この提督は下士官の時に試験をパスして幹部候補生になり将校になった下からの叩き上げですので、現状では将校です。

提督は素早い動きで屋根の上に上がりきり、見上げてポカーンとしてしまっている彼女たちに命令する。

提督「着弾観測は俺に任せろ。目標は中庭中央部、敵主力。撃ちーかた始めー!」

提督の号令に我に帰った彼女たちは砲撃を開始する

提督「修正、増せ5、右10!次!」

第二弾が発射される。

提督「衣笠、引け2、左3!青葉、照準よし引き続き効力射!」

大淀「私の着弾観測機より、すごいかも・・・」

衣笠「ちょっと、呆気に取られてないであなたも攻撃してよ!」

大淀「えっ!?あっと、すいません」

提督「衣笠、照準よし。ガンガンぶち込め!」

夕立「あっ、提督さん、直上!」

提督「何!?」


提督の頭上に迫る敵機、提督は背負っていた機銃をとったに構えて応戦を試みるが、一歩遅く敵機より爆弾が投下される

提督「うおぉぉぉぉぉ」

爆発に建物から吹き飛ばされる提督

艦娘達「「「「提督ー!」」」」」」

提督「くっ、はぁ、はぁ。」

大淀「提督、ご無事ですか!?」

提督「な、なんとかな。久しぶりだったが、体が五点着地法を覚えていて助かった。俺より、敵をぐっ」

大淀「提督!?どうされました。」

提督「足を折ったみたいだが、そんなのは今はどうでもいい。敵を殲滅する方が先だ」

青葉「そんなのって、提督骨が折れてるんですよ。」

提督「もう一本は無事なんだから、そう騒ぐな。俺の軍刀取ってくれ。杖変わりにすれば歩ける。それより、今は敵の殲滅が最優先だ」

青葉「は、はぁ・・・」

提督「中庭の敵にはダメージを大分与えたが、敵機がいるとなると厄介だな。」

夕立「提督、敵編隊飛来ー!」

提督「くそっ。対空戦闘用意!」

提督「この数、近くに空母が・・・ちいっ」

夕立「選り取りみどりっぽいけど、多すぎるー」

大淀「私たちだけでは、幾分火力が・・・」

提督「くそっ、・・・・ん。このエンジン音は」

提督がエンジン音に気づくと同時くらいに数機の敵機が爆散する。次の瞬間轟音と共に頭上を飛び抜ける零戦の編隊

衣笠「あの機体のマーク、龍驤の艦載機ね」

提督「助かったみたいだな。ん?あのマークは・・。戻ってきたか」

鳳翔「提督、ご無事ですか!?」

提督「こっちは大丈夫だ、それより近海に空母がいる可能性がある。お前らは空母を索敵して叩け。陸上は任せろ。」

提督「航空隊の支援で道が開けた。これより中庭に突入し、敵残存戦力を一気に制圧する!」

一同「「「「了解」」」」」

提督「尚、港側より帰投した艦隊の別動隊が挟撃する。射撃の際は友軍相撃に注意せよ。突入用意!次の航空攻撃に合わせて一気に突入しろ。・・・・・・
よーい、今だ、突撃ー!」

提督の合図で両側より一気に艦娘達が敵残存に対し攻撃をかける

提督「よし、これで後は空母が片付けば・・」

鳳翔「提督、敵空母を龍驤さんの艦載機と共同で撃破いたしました。制空権は安心です」

大淀「突入成功。敵の撃破に成功しました」

提督「了解。引き続き敵残存艦隊の索敵及び、周辺海域の警戒を実施。損傷している艦は直ちに下がらせろ」

提督「はぁ・・はぁ・・・。俺も昔みたいには行かねぇな・・」

港地区 残敵の掃討及び、周辺の警戒を終えた鳳翔達の艦隊が帰還

大淀「皆さん、お疲れ様でした」

鳳翔「周辺に敵影はありません。こちらは、損傷も軽微です」

大淀「分かりました。地上の敵も制圧は完了しています。損傷のある艦はドックへとの命令ですので、ゆっくり休んでください。提督には報告していきます」

鳳翔「・・・あの提督は?」

大淀「それが・・・。探しているんですが、どこにいらっしゃるのか。それに、あの傷では・・・」

鳳翔「えっ・・。そんな、提督!」

大淀「あっ、ほ、鳳翔さん・・」

古鷹「いいよの。行かせてあげて」

鎮守府の外れの方にあるとある岸壁

提督「ふぅ・・・。また生き残っちまったな・・・。」

提督「・・・・・・」

提督は茜色に染まる空を眺めながらタバコをふかす

鳳翔「・・・・・」

提督「ん?鳳翔か。よく分かったな、ここに居るって」

鳳翔「・・提督は、いつも一人になりたい時はここで海を見ながら一服ついてらしたので」

提督「・・ふっ、こそこそ隠れながら来てたんだがな。まったく、お前には叶わん」

鳳翔「・・よかった・・生きて・・・」

提督「・・泣くな。別に虫の息って訳でもないんだ」

鳳翔「・・・・ですが・・もしも・・と・思って・・」

提督「・・ふうっ。心配するな。残念だが、俺は死神にも嫌われてる見たいでな。中々逝かせてもらえねぇんだ。・・・さてと、悪いが肩貸してくれ。
無理がたたったみたいだ。」

鳳翔「・・・は、はい・・。」

提督「よっと。執務室まで頼むぜ。」

執務室へ向かって歩き出す二人

鳳翔(・・提督の温もりを感じる・・。よかった・・生きてる・・・。)

提督「・・・・・・・。」

数日後 執務室

提督「はぁ・・・。報告書の束が片付かんな」

大淀「その報告書が終わったら、修理予算の書類の点検と印鑑お願いします」

提督「はぁ・・・」

鳳翔「失礼します」

提督「ん?どうした?」

鳳翔「提督。食堂にずっと顔を出さなかったので、お食事をお持ちしました」

提督「結構経ってたか・・・。よし、大淀。この報告書を本部へ送ってきてくれ」

大淀「了解しました」




提督「次の書類に目を通す前に、軽く食っちまうか」

鳳翔「冷めないうちにどうぞ」

提督「じゃあ頂くか。うん、美味い。流石だな」

鳳翔「ふふっ。ありがとうございます」

提督「外で店やれるレベルだよ。退役してもコックとしてやってけるな。いや、どちらかとうと料理屋の女将かな」

鳳翔「褒めても何も出ませんよ」

提督「いや、本心だよ。戦いが終わって退役したら向いてると思うがな。」

鳳翔「そうですね。戦いが終わったら、それもいいですね。・・・いつか二人で小さなお店でも開きたいですね。あら、嫌だ。忘れてください」

提督「・・・・別に忘れなくてもいいだろう。いい夢があるじゃないか」

鳳翔「えっ。提督、それは・・・」

提督「料理が好きな君ならきっといい店になると思うぞ。相手は、退役したら鳳翔の性格ならすぐに、いいパートナーも見つかるさ」

鳳翔「・・・提督。本気で言ってらっしゃいます?」

提督「冗談で言ってどうする?部下の夢を上官が応援するのは普通だと思うが?さて、ごちそうさま。ありがとう、美味しかったよ」

鳳翔「・・・は、はい」

提督「さてと、続きに入るか。まだやらにゃいかん事は山のようにあるからな。ありがとう、下がってゆっくり休んでくれ」

鳳翔「・・・・・・は、はい。失礼します。・・・提督も、無理はなさらないでくださいね」

大淀「提督、失礼します。本部への書類の、送信終了しました」

提督「そうか、ご苦労だったな。後は大丈夫だ。今日はもう休んでくれ。連日ご苦労さん」

大淀「分かりました。お言葉に甘えて、休ませていただきます。お疲れ様でした」

提督「おう、お疲れ様」

大淀が去り執務室には提督のペンの音だけが響く

赤城「提督、まだいらっしゃいますか?」

提督「ん?赤城か。こんな時間にどうした?」

赤城「少し、お時間頂けますか?」

提督「書類も一段落付いたし、いいぞ。入れ」

赤城「失礼します」

提督「すまんな。復旧も追いついてないんで茶も出せんが。赤城は、なんか食べ物の方が・・・」

赤城「結構です!それより、提督・・・・」

提督「・・・鳳翔の件か?」

赤城「分かっていらっしゃるという事は、何かあったんですね」

提督「・・・・・」

赤城「黙ってないで何か仰ってください。鳳翔さん、非常に悲しそうな顔して戻ってきました」

提督「・・・そうか。だが、俺はあいつの期待には答えられそうに無いんだ・・」

提督はタバコに火を付け一服付ける

提督「なぁ、赤城。あいつは俺のことを・・」

赤城「気づいてらしたんですか?えぇ、鳳翔さんは提督の事を想っていらっしゃいます」

提督「初めて、着任した時出迎えてくれた時からの付き合いだからな。今まで献身的に世話をしてくれたし。最近は、薄々は感づいてたが」

赤城「意外ですね。朴念仁だと思ってました」

提督「俺だって、色恋沙汰と無縁の人生を送って来たわけじゃ無いさ。」

赤城「では、なんで?断ったんですか」

提督「赤城。お前は俺の前歴を知ってたか?」

赤城「いえ。本部からの着任されて陸上勤務が殆どで、艦娘の指揮はズブの素人だとしか、聞いたことないです」

提督「俺は他の提督と違って、最初から幹部候補生としてのエリート組じゃなく兵、下士官から、上官の勧めで幹部候補生を受けて部隊内から幹部に
なった、俗にいう叩き上げってやつでな。まぁ、士官になってからもずっと前線で兵の指揮を取ってた。怪我が原因で陸上勤務になってから、この鎮守府へ来た」

赤城「海軍なのにですか?」

提督「まぁ、海軍でも俺は陸戦隊、落下傘部隊出身だからな。艦娘のお前らには珍しく感じるかもしれんが。船よか陸の方が長い海軍も居るんだ。そういう訳で、俺は海軍だが泥臭い戦場にいるほうが長かったんだ」

赤城「それで、それが何の関係が?」

提督「今度、大規模攻勢が行われるのは知ってるな」

赤城「はい」

提督「この作戦が成功すれば一気に、ケリをつけれるかも知れない重要な戦いだ。この戦いには艦娘だけでなく一般部隊も投入される。そのうちの空挺作戦への参加の打診が、俺にも来てるんだ」

赤城「えっ!?」

提督「打診があっただけで、正式な命令では無いんだがな」

赤城「提督は、行かれるおつもりですか?」

提督「・・・あぁ、そのつもりだ」

赤城「どうしてです!?なんで、そんな危険なところへ?」

提督「断った所で、前線経験のある指揮官なんて殆ど死んじまってるからな。辞令なりなんなりで連れてく気だろうからな。それに、この前の戦闘で感じたんだ。俺は、やっぱり現場の人間なんだってな。心の何処かでは、最前線を・・あの反吐吐くような地獄だったあの戦場を忘れられずにいるんだと」

赤城「・・・・・・」

提督「このまま行けばどのみち、避けられん道だ。避けられないなら進むだけだ。行き着く先が地獄だったとしてもな」

赤城「・・・本当に、それで宜しいんですか?」

提督「あぁ。覚悟は決めてる・・それに、何とか断れたとしても、俺は嫌なんだよ・・・。艦娘とはいえ、駆逐艦みたいな年端も行かないような子達を
前線に立たせて、俺は後ろから指揮をしてる自分がな」

赤城「・・・・・・」

提督「もういいだろう。・・・・鳳翔には、すまないが・・・この件ばかりはどうしようもできそうに無んだ」

赤城「・・・・はい、失礼します」

赤城が去ったあと提督は再びタバコに火をつける

提督「・・ふうっ。・・・こんな状況じゃ無きゃなぁ・・・」

数日後

提督「作戦会議に参加するので、2,3日留守になるが、後を頼む」

長門「あぁ。わかった」

廊下

提督「・・・・・。おはよう、鳳翔」

鳳翔「・・・・・おはようございます。出張ですか?」

提督「・・・大本営での会議でな」

鳳翔「・・・・ご気をつけて」

提督「あぁ」

鳳翔「・・・・・・・」

赤城「・・鳳翔さん・・・。」

大本営

提督(大本営も久しぶりだな。相変わらずの空気の悪さだ・・)

「おう、久ぶりだな」

提督「中隊長・・有賀中隊長じゃないですか!お久しぶりです」

有賀「転属以来か?しかし、内地勤務の割には傷だらけだな。何だ?懐かしくなって、落下傘もつけずに屋上から
飛んだのか?」

提督「まさか。名誉の負傷ですよ。この間自分の鎮守府が襲撃されましてね」

有賀「あぁ、報告書を見たよ。まだ、腕は錆び付いてないようで、安心した」

提督「いや・・・現役の時のようには行きませんでしたよ・・・・」

有賀「命あるだけで十分だ。まだチャンスはある」

提督「えぇ。中隊長も作戦へ?」

有賀「中隊長はよせ。今の俺は、大隊長だ」

提督「昇任されたんですね。おめでとうございます。では、第一中隊の指揮は?」

有賀「君が執るんだ」

提督「えっ?」

提督「まさか、自分がいた中隊の指揮を執るなんて・・・。元々いた中隊の指揮を執るのは・・・」

有賀「敬意とか、指揮の不安もわかるが、今は経験ある将校は殆ど逝っちまったからな・・・。お前くらいしかいないのが現状だ。俺の後任として不安はあるかも
しれんが、今一度、正式に打診したい。やってくれないか?」

提督「・・・えぇ、やりますよ。あいつらには初戦から煮え湯を飲まされ続けてきましたからね。逝っちまった仲間の分の借りも利子
つけて返させてやりますよ」

有賀「・・・ありがとう。これからの作戦会議で詳細は伝える予定だ。頼むぞ」

鎮守府

鳳翔「・・・・・・」

赤城「鳳翔さん、少し宜しいですか?」

鳳翔「は、はい?!」

赤城「少し、お時間宜しいですか?」

鳳翔「えぇ、大丈夫よ」

赤城「・・・・と、提督は仰っていたんですが」

鳳翔「・・・そう。提督は行かれるのね・・」

赤城「・・・鳳翔さんはそれでいいんですか?」

鳳翔「私にどうしろと?あの人の覚悟を止めるなんて事、私には出来ない・・・。あの人は今も、戦いを求めてるのよ・・。提督となって、後方に下がった今もね。練習空母として一線を退いた私もそうだった・・・。」

赤城「・・・・・・」

鳳翔「もういいのよ・・・。私がどう想っても、あの人の心には届かないのだから・・・。戦場にいるあの人の心には・・」

赤城「・・・・鳳翔さん・・・」

すいません。また、少し開きます

再開します

大本営 作戦室

作戦参謀「・・・以上が、今回の作戦に関する説明を終了します」

有賀「艦隊の編成はわかりましたが、我々は何を?まさか、艦娘にくっついてパラセーリングって訳じゃないでしょうね?」

作戦参謀「最新の偵察の結果、この地点に敵離島棲姫の存在が確認さた」

提督「・・これだと、主力側面を強襲される可能性がありますね」

作戦参謀「そのとおりだ。だが、こいつを叩きにいけるほどの艦隊の余裕は無い・・・。そこでだ、君たちには作戦に先立ち、敵離島棲姫を夜間強襲により襲撃し、叩いてもらいたい」

提督「・・・無茶な。艦娘でさえ、一筋縄ではいかない相手を。我々だけでとは・・・」

有賀「なるほど。我々は時間稼ぎの捨て駒って訳ですか?」

作戦参謀「そうは言っていない。敵を撃破し周囲の制空権を確保すれば回収部隊を送る。それに、今回は新兵器の投入も予定されている。我々でも敵に対し十分な効果を望めるはずだ」

大本営 中庭
作戦会議を終えた二人は中庭で一服をつけていた


提督「ふうっ・・。敵本拠地に夜間、輸送機ごと強行着陸して強襲し、敵を撃破しろ・・・・。随分大本営も簡単に言ってくれましたね」

有賀「その上、輸送機にでの重火器の携行は可能だが、その他援護は望めないか・・。お前は、この作戦どう思う?」

提督「今回の反抗作戦の目的は、艦隊による敵本拠地の攻略ですからね。我々は艦隊が安全に作戦海域まで進出できるようにの時間稼ぎでしょうね」

有賀「あぁ。奴らの口ぶりからも、敵の撃破なんざ甚だ期待してねぇみたいだしな。俺たちはより完全な戦力で艦隊決戦を行うためのかませ犬だ・・」

提督「ふざけた作戦だ・・・・」

有賀「・・・・下りるか?」

提督「えっ?」

有賀「・・お前にはこちらから打診しただけであって、正式な転属の命令はまだ出してないんだ。こんなクソみたいな任務で死ぬ事も無いぞ」

提督「・・・俺は・・・」

提督「・・・有賀大隊長。お気遣い感謝します。改めて、異動の件・・・お受けします」

有賀「・・何?」

提督「確かに、クソみたいな任務ですが、100%死ぬって訳でもありません。俺は生き残れるほうに賭けてみますよ」

有賀「・・・お前」

提督「それに、俺は多くの仲間を失ってきました・・・。俺は今更一人安全な後方に閉じこもるなんて事はしたくないです」

有賀「そうか・・・。だが、行き着く先は地獄になるかも知れんぞ・・」

提督「・・お供いたします」

数日後 鎮守府

鳳翔「失礼します。提督、お茶をお持ちしました」

提督「・・ご苦労さん」

鳳翔「どうしたしまして。それは、次の作戦指示書ですか?」

提督「あぁ。いよいよ5日後より作戦準備に入るため、鎮守府の艦娘の指揮が私から大本営直轄へと移ることになった」

鳳翔「そうですか・・・。では、提督も後5日ですか」

提督「・・・・そうだな。俺も5日後にはここを離れる」

鳳翔「・・・・いかれるのですね」

提督「・・・・あぁ。・・・・なぁ、鳳翔、頼みがあるんだが・・・」

鳳翔「何でしょうか?」

提督「・・・俺はな。先に逝った奴ばっかり見送ってきたもんでな・・・・・湿っぽい別れってのはもう嫌なんだ・・・だから・・・
最後は・・・残りの時間は昔みたいに、笑ってすごせないか?」

そういうと提督はうっすらと笑みを浮かべる

鳳翔「・・はい」

そういうと鳳翔も微笑んで見せた

すいません、急な用事で空けてました。再開します

翌日 

提督「おはよう、鳳翔」

鳳翔「提督。おはようございます」

提督「今日も早いな」

鳳翔「提督も」

提督「片付けなきゃいけない物が多くてな。異動前までには綺麗にしなきゃいけないからな」

鳳翔「お手伝い致します」

提督「いや、個人的な事だからな」

鳳翔「・・・何かやましいものでもあるんですか?」

提督「えっ、ば、馬鹿言うな!そんな物あるか!」

鳳翔「怪しいですね・・」

提督「勘弁してくれよ」

鳳翔「ふふっ。冗談ですよ」

提督「まったく、お前にはまいるよ」

翌日 

提督「おはよう、鳳翔」

鳳翔「提督。おはようございます」

提督「今日も早いな」

鳳翔「提督も」

提督「片付けなきゃいけない物が多くてな。異動前までには綺麗にしなきゃいけないからな」

鳳翔「お手伝い致します」

提督「いや、個人的な事だからな」

鳳翔「・・・何かやましいものでもあるんですか?」

提督「えっ、ば、馬鹿言うな!そんな物あるか!」

鳳翔「怪しいですね・・」

提督「勘弁してくれよ」

鳳翔「ふふっ。冗談ですよ」

提督「まったく、お前にはまいるよ」

連投ミスすいません

提督「そこの棚の書類は処分してくれ。もう必要ない」

鳳翔「はい」

提督「っと、これは・・・。これもいらんな」

鳳翔「結構あるんですね」

提督「先代からのもあるからな。まぁ、保存期間もすぎて要らないのばかりだが」

鳳翔「前の提督は、そのへんはいい加減でしたから」

提督「俺でもその辺はしっかりやってたんだな」

鳳翔「まぁ。そんな事言って。棚の書類の整理なんて見たことないですよ」

提督「・・・さあて、引き出しの中も整理しないと」

鳳翔「ふふっ」

提督「えっと、この書類は・・・あっ・・・・」

鳳翔「どうなさいました?」

提督「・・・いやなんでも無いさ」

鳳翔「そうですか」

提督(ケッコンカッコカリの書類か・・。司令部には申し訳ないが・・・もう必要ないか)

鳳翔「あの、提督?」

提督「な、何だ?」

鳳翔「この辺の資料はどうしたら?」

提督「その辺の資料はまとめて箱に入れといてくれ」

鳳翔「分かりました」

提督(・・・・・・・)



鳳翔「大分片付きましたね」

提督「あぁ。二人でやったから大分早く終わったよ。ありがとう」

鳳翔「いえ」

提督「・・なれない事をやると、少し疲れたな」

鳳翔「お疲れ様でした。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも・・」

提督「なっ、何を言い出すんだ!?」

鳳翔「ふふっ。冗談ですよ」

提督「そういう冗談はやめてくれ。心臓に悪い」

鳳翔「ふふっ。すいません」

提督「まったく。すまないが、何か食事を頼めるか?一息付いた、腹が減ってきた」

鳳翔「分かりました。何か準備してきますね」

提督「あぁ。よろしく頼む」

鳳翔「はい」

提督「ついでに茶も頼む」

鳳翔「はい」

提督「・・・・・・・さてと、本部に書類返却の手続きでもするか・・・。もし?交換か、大本営の人事班を頼む」

提督「はい。そうです指輪含め一式です。はい、自分が転属した際に直接持っていけばいいのですね。分かりました。失礼します」

鳳翔「提督、よろしいでしょうか?」

提督「おう。いいぞ」

鳳翔「お食事ができました」

提督「すまんな。ありがとう」

鳳翔「・・・指輪返されるのですね」

提督「・・聞いてたのか・・・。あぁ、レベルが達してないからな。後少ししか居ないのに今更ってのもあるしな」

鳳翔「そうですか・・・。でも、99に達してる娘達なら何人か・・・」

提督「・・・君がだよ、鳳翔」

鳳翔「えっ?」

鳳翔「わ、私ですか?」

提督「あぁ。君は軽空母の中でも基本的なスペックでは劣る部分が多いからな、少しでも戦力の強化になればととな」

鳳翔「戦力の強化・・・そうですよね・・・・。私の事を気にかけていただいてありがとうございます」

提督「いや、気にするな・・・・。出来ることならカッコカリじゃなく、ちゃんとしたやつを・・・・」

鳳翔「えっ?今何と?」

提督「い、いやなんでもない。気にするな」

鳳翔「そうですか・・・・。あっ、暖かいうちに召し上がってください」

提督「そうだな。冷めないうちに頂くか」

鳳翔「どうぞ」

提督「いただきます」

提督「・・ごちそうさま」

鳳翔「お粗末さまでした」

提督「・・・・・・」

鳳翔「食器の方を下げてきますね」

提督「・・・なぁ、鳳翔・・」

鳳翔「なんでしょうか?」

提督「・・・作戦も近いから言うかどうか、迷ってたんだが・・・・。後悔を残して戦場に立つのも嫌なんでな、言いたい事は今のうちに全部言っておく」

鳳翔「はい?」

提督「さっきの話だがな・・・・」

鳳翔「提督、待ってください!」

提督「鳳翔?」

鳳翔「・・・提督のお気持ちは・・・大変嬉しいです。出来ることなら、私もあたなと・・・ですけど・・」

提督「・・・やはり不安か?残されるのが・・・」

鳳翔「・・・もう嫌なんです・・あの時のように残されてしまうのが・・・。後輩たちに先立たれて、一人呉に残ったあの時のように・・・。」

提督「・・・・・・」

鳳翔「・・・この作戦ではお互い生きて帰れる保証はありません・・・。想いの人に先立たてれ、あの時のように一人残るのも、提督を残して旅立ってしまうのも・・私は嫌なんです・・・。ですから・・・・」

提督「・・・すまなかったな、変なこと思い出させて・・・。だが、俺も戦場に立つ前に悔いは残しておきたく無かった・・何か悔いを残しては、心に隙ができ易い・・・そうやって散った奴を何人も見てきたんでな・・・」

鳳翔「・・・・・提督」

提督「・・・最後は笑って過ごそって言ったのにな・・・。・・・もう、こんな時間だ、早く片付けて寝ないと体に障るぞ」

鳳翔「・・そ、そうですね・・・。片付けて、休ませていただきます」

提督「・・・あぁ、おやすみ」

3日後 夕刻

提督「・・・・さて、これで準備は終わりだな・・・」

長門「いよいよだな・・」

提督「明日からは大本営直轄の指揮下に入る。全ての作戦の指示は大本営から命令が下る。お前たちはその指示の元、作戦に望んでくれ。艦隊旗艦として、頼むぞ、長門」

長門「あぁ、任せろ」

提督「よろしく頼む」

長門「・・いつ発つんだ?」

提督「今日の深夜に出る」

長門「そうか。消灯後だが、見送りは?」

提督「そんなもんはいい。明日からは作戦に向け色々忙しい。休めるうちにしっかり休んでおけ。命令だ」

長門「そうか。わかった。武運長久を祈ってるぞ」

提督「あぁ。お前たちも健闘を祈ってる」

深夜 執務室

提督(一年半と少し・・。長いようだったがあっという間だったな・・・)

着任当時のように綺麗に片付いている執務室を眺めながら提督は、着任当時の事を思い返っていた

提督(そういえば、着任した時執務室の掃除をしててくれたのが、鳳翔だったな・・・。扉開けたらびっくりしてたっけな・・・。思えば最初に会った艦娘もあいつだったか)

一瞬口元が緩んだが、すぐ真顔に戻ると小さなバックを手に取り、軍刀をぶら下げる

提督「・・・行くか。今まで世話になったな・・・」

執務室に語りかけるように呟くと執務室の扉を開ける

提督「・・鳳翔」

提督「・・鳳翔」

鳳翔「・・・・提督を止める事は致しません・・・・ですが・・・無事に・・・戻ってきてください・・・・」

提督「・・・戦場に絶対は無い。無事に生きて帰るなんて保証はないんだ・・お前だって、轟沈しないなんて保証は出来ないだろ?」

鳳翔「・・・私も、それは約束出来ません・・・。ですが、無事に帰還出来たら・・提督の事、お待ちしてますから・・」

提督「・・待つのは勝手だが、生きて帰るなんて約束は出来ないぞ・・・」

鳳翔「・・・一生かけてでも待ち続けます・・・・」

提督「・・・・ありがとう」

そう言い残すと提督はゆっくりと歩き出す。目に涙を浮かべつつ

鳳翔「・・・・・」

その後ろ姿を目に涙を浮かべながら鳳翔は見送った

大本営

提督「大隊長、またお世話になります」

有賀「おう。よろしく頼むぞ。着任したばかりだが、早速作戦に向けた準備に入ってくれ。他の奴らも到着次第、作戦会議を行う」

提督「了解しました。しかし、知った顔は大分減りましたな・・・」

有賀「あぁ・・・。今は半分以上が実戦もろくに経験したことない新米どもだ。今回の作戦はかなり過酷な物になるだろうな」

提督「覚悟の上です・・」

有賀「・・そうか」

それから、しばらくの後他の指揮官たちも到着し、挨拶を交わした後作戦会議が始まった

有賀「今回の作戦の鍵は、増強される野砲中隊にある」

提督「野砲がですか?資料を見る限り装備は通常の機動砲と変わらないようですが」

有賀「野砲自体はな。だが、奴ら相手用の特別弾が使用できる」

野砲中隊長「弾の威力は十分です。それは、私もこの目で見てきたので保証します」

「「「「おぉー」」」」

野砲中隊長「ですが、野砲は重量がかさみますので、グライダー強襲とは言え分解しての積載になってしまうので、展開までに時間がかかるのが問題です」

提督「展開までの時間は?」

野砲中隊長「おそらく、組立までに一時間~一時間半。展開を含めたら二時間弱を予想している。攻撃を受けずに無事に着地でき尚且つ、攻撃されなかった場合だがな」

提督「なるほど。実際にはわからないと」

野砲中隊長「グライダーでの強襲作戦は我々も初なんでな。こればかりはなんとも言えない」

有賀「だが、我々に取って野砲の火力は切り札だ。成功してもらわねばならん」

野砲中隊長「はい。なんとしても」

有賀「続いて、各中隊の目標及び降下予定地点につていだが・・」

提督(作戦開始までの期間は、訓練、作戦準備、また訓練と明け暮れた。新米どもを実戦で使えるようにするには、時間がなさすぎたが・・)

有賀「ご苦労だったな。どうだ?新米どもは?」

提督「はっ、大分まともにはなりました。ですが、いかんせん時間が足りません」

有賀「そればかりはどうしようもない・・・ところで、明日だが全員に休暇が出た」

提督「では、いよいよですか・・・」

有賀「あぁ。お前も含め全員、悔いが残らんように過ごせ。最後の休みになるかもしれんからな・・・」

提督「はっ」

翌日 大本営

提督「失礼します」

作戦参謀「ん?空挺がなんのよう・・・。あぁ、貴官か。何のようだ?確か、休暇だろう」

提督「はっ、あの艦隊編成を教えて頂けたらと」

作戦参謀「もう、提督では無いのだ関係・・・あぁ、自分がいた鎮守府の艦の配置が気になるんだな?」

提督「はっ、お恥ずかしながらも自分が指揮していた娘達ですから・・・。作戦前に気になりまして・・」

作戦参謀「・・・・仕方ない。特別だ」

提督「ありがとうございます」

一通りの配置に目を通す

提督「あの、ひとつよろしいでしょうか?」

作戦参謀「何だ?」

提督「全ての艦娘が投入されると聞いたのですが・・軽空母の鳳翔の名前が見当たらないようですが・・・」

作戦参謀「なにっ?・・・よく見てろ。お前の部下だった鳳翔はここ、鎮守府周辺哨戒艦隊の中にいるだろ」

提督「あっ、本当だ。すいませんでした・・・。哨戒艦隊とは見過ごしてました」

作戦参謀「あのクラスの軽空母では前線に出すには幾分火力が不安だ、前線に出す訳無いだろ。提督だった貴官だってわかるだろう・・・」

提督「・・そうですね。ありがとうございました」

作戦参謀「もう、いいか?」

提督「はい。うちの娘たちはみんな優秀です。きっとご期待にはそえるかと」

作戦参謀「・・・どこの提督もそんなことしか言わんな・・。聞き飽きた・・・。だが、この戦いに彼女たちは不可欠だ嫌でも頑張ってもらうがな」

提督「そうですか・・。では失礼します」

作戦参謀「・・・貴官たちが一番槍だ。ゆっくり休めよ」

提督(哨戒艦隊なら、危険は少ないだろう・・・。これで思い残す事はないな・・・)

翌日 AM0:00 空挺部隊を乗せた輸送機部隊は定刻通り航空隊基地を離陸 低空で目標地域へ向かった

同日 AM2:45 攻撃を受けながらも予定ポイントへ強行着陸。損害を出しながらも着陸に成功する

同日 AM3:00 敵陸上部隊と遭遇 戦闘発生

同日 AM4:30 

提督「怯むな、攻撃の手を緩めるなー!」

小隊長「中隊長、現戦力では火力が足りません。このままでは、当初の攻撃ポイントまで辿り着けるか。うっ」

提督「くそっ。前方の敵さえ抑えれれば何とかなるんだが・・・。手榴弾!」

兵士「それっ。・・・ダメです有効打なし!」

提督「クソッ。」

兵士「中隊長、敵機です!」

提督「くそっ。もう航空機が飛べる時間か・・・。散開しろ!」

兵士「直上、きます!」

提督「くそっ」

提督「うおっ」

兵士「中隊長大丈夫ですか!?」

提督「あぁ。俺は無事だ。それより、応戦しろ対空射撃!野砲部隊に損害が出る前に食い止めるんだ!」

兵士「はいっ」

必死に敵機に対し対空戦闘を行うが、艦娘ほどの重装備で無い為苦戦を強いられる

提督「やっと5機目か・・くそっ、数が多すぎる・・・」

数機の敵機がいきなり爆散する

提督「誰だ?今、誰がやった」

兵士「・・あれは、零戦!?」

提督「馬鹿な、あれは妖精たち・・・一体、はっ。あのマーキング・・・。バカが、無茶しやがって・・・」

鎮守府近海海域

鳳翔「第2次航空部隊発艦」

衣笠「鳳翔さん、本当にいいんですか?こんな事して・・・」

鳳翔「・・無茶なのは分かってます。責任は私が取ります・・・。だから・・・だから・・・・お願い・・・」

鳳翔(あなた達、こんな無茶をさせてごめんなさい・・。でも、あの人を助けてあげて、お願い・・)

すいません、またしばらく空きます

ようやく余裕が出来たので再開します
致し方無い部分もおおいいですが、中途半端で終わるのは嫌なんで、一応最後まで行きます

提督は、功績等での叩き上げもありますし、自衛隊でも部内からの選抜で幹部になる人も居るんでそういった下士官から士官になったイメージで書いてます

兵士「中隊長、あの航空機は一体?」

提督「余計な詮索は後回しだ。この期を逃がず、一気に行くぞ!砲兵隊準備は!?」

砲兵隊「火砲の射撃準備完了!これより、通常弾による修正射の後、効力射に移行する」

提督「よし、援護は任せろ」

通常弾による数発の修正射の後効力射へと移行する砲兵隊

砲兵隊「効力射、対深海棲艦弾、瞬発信管、方位角…」

提督「頼むぞ、お前らだけが頼りだ」

砲兵隊「照準よし、砲撃はじめー!」

観測班「初弾命中…、目標にダメージを確認!」

砲兵隊「うっしゃー!」

有賀「よし、ガンガンぶっ込め!制圧しろー」

効力射を次々打ち込む砲兵隊

兵士「中隊長、3時方向に敵!」

提督「砲兵隊には一歩たりとも近づけさせるな!撃てっー!」

兵士「くそっ、弾が無い。誰か、弾をくれー!」

提督「ほらっ。無駄弾を使うな、よく狙って撃て!」

兵士「はいっ」

提督「(確実にダメージを与えてはいるが、こちらの戦力も好ましく無い…弾薬も少ない今…持ちこたえられ…)んっ!?」

兵士「どうしました?」

提督「くそっ、こんな時に給弾不良みたいだ…」

砲兵隊「隊長、後ろに敵が!」

提督「くそっ、やらせるか!」

兵士「あっ、中隊長!」


提督「沈めぇぇぇぇ」

軍刀を抜き敵に斬りかかる

兵士「中隊長!」

提督「こいつは、俺に任せろ!ちいっ、この野郎!」

提督「はぁ、はぁ…。くそっ、いい加減に沈みやがれぇぇぇぇ…。なっ、がはっ…」

腹に一撃を喰らいその場に提督は倒れこんだ

倒れた提督を尻目にゆっくりと砲兵隊に敵はゆっくりと近づいていく

提督「…ぐっ…や、やらせる…か…ぐはっ」

砲兵隊「くそっ、来るなー」

鳳翔の艦載機部隊が機銃掃射を加え、一瞬動きが止まる敵

提督「うらぁぁぁぁ!」

提督は捨て身のタックルをかまし敵にしがみつく

砲兵隊「あぁ…」

提督「…最後…外すなよ…国の未来を頼んだぞ…」

胸にぶら下げてた手榴弾のピンを引き抜く

提督(鳳翔…ありがとう…)

艦載機に対し敬礼を送った後、爆発が提督を包んだ

兵士「中隊長ー!!」

砲兵隊「そ、そんな…」

砲兵中隊長「…射撃続行だ!彼の犠牲を無駄にするな!全弾ぶっ込め!」

砲兵隊「了解!」

観測班「命中!敵に被害甚大の模様…続いて着弾……」

離島棲姫「あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁ」

観測班「……目標に致命弾……やったぞ、目標沈黙!繰り返す目標沈黙!」

有賀「やった…やったぞ!」

「「「「「「いやほぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」

鎮守府近海海域

鳳翔「皆さん、お疲れ様でした。無理をさせてしまってごめんなさいね」

妖精さん(手招き)

鳳翔「どうしました?……えっ……」

衣笠「鳳翔さん、通信です。空挺部隊が目標を撃破したとの事です。提督達がやりましたよ!鳳翔さん?」

鳳翔「……」(涙目)

衣笠「鳳翔さん、だ、大丈夫ですか!?」

鳳翔(…提督…)

その後作戦は艦娘達にも決して少なく無い被害を出しながらも、成功。敵本拠地を撃破することに成功する。
この戦いの後しばらくの後、長きにわたる戦いは終を迎えた

数年後 

鳳翔「いらっしゃいませ。あら、赤城さん。お久しぶりですね」

赤城「こんにちは、鳳翔さん。ご無沙汰してます。おめでとうございます。ついにお店持つことができたんですね」

鳳翔「えぇ。ご覧のとおり小さいお店ですけど」

赤城「そんな事ないですよ。いいお店じゃないですか」

鳳翔「ありがとうございます」

赤城「・・・元気そうで安心しました」

鳳翔「えっ?」

赤城「あの作戦の後から鳳翔さん、抜け殻のようでした…。解体されて退役した日もずっと…。ですから、心配だったんです。もしかしたら、提督の後を…」

鳳翔「…提督が戦死されたって聞いた時は、考えた事もあったわ…でも、思ったの。提督や他の艦娘達の皆さん達が命を落としてまで戦ったから、この平和があるんだって…だから、決めたのよ。あの人たちの分まで精一杯生きようと」

赤城「…鳳翔さん」

鳳翔「…せっかく、お店に顔を出してもらったのに、こんな話ばかりしていてもしょうがないわ。何か?ご注文は?」

赤城「…そうですね。元気そうなお姿を見たら、安心したのかお腹が好きました。えっと…これと、これと、これと、これください」

鳳翔「フフ、相変わらずね」

鳳翔(…提督。本当はあなたと一緒にお店を開きたかった…。この夢は叶うことはなかったですけど、一人でも頑張ります…あなたが残してくれてこの平和の中で‥)

以上で終わりです。
お見苦しいところばかりでしたが、最後までお付き合い下さった方ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年01月31日 (火) 02:39:36   ID: 49-CvzjH

鳳翔さんは悲恋が似合うな

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