吹雪「やあ！よく来てくれたね」

シャーク「てめえらの揉め事ぐらいてめえらで解決しろ。カイトは病み上がりでへばってんだからよ」

吹雪「僕達は社会人だからみんな散り散りでね。十代くんや万丈目くんみたいに暇なら」

カイト「そう言えば真紅眼のエクシーズモンスターを見せてくれるんだったな」

吹雪「はい」

カイト「真紅眼の鋼炎竜か・・・いいドラゴンだ」

シャーク「それよりも要件言えよ！」

吹雪「そうだったね。出るんだよね・・・」

遊馬「何が？」

吹雪「お化けさ」

シャーク「ゾンビなら俺の隣に居るけどな。なあカイト」

カイト「要するに学校特有の霊を退治しろという事か？」

小鳥「けど何でカイトなの？遊星さんだって」

吹雪「世間じゃエクシーズと融合は仲が悪い風潮があるからね。だから」

カイト「いいだろう。やってやる」

吹雪「良かったね明日香！」

明日香「ごめんなさいね。兄さんが無理言って」

遊馬「全然平気だぜ！」

カイト「明日香は吹雪の妹だったな。凌牙」

シャーク「何が言いてえんだ」

カイト「璃緒の上位互換が明日香」

シャーク「てめえ！」

遊馬「やめろよ2人揃って！」

吹雪「2人は仲が悪いのかい？」

小鳥「そうじゃないけど、シャークのテンションが上がっちゃって」

吹雪「ふーん・・・そうだ」

明日香「また何か余計な事を考えているのね！？」

吹雪「いいや、いい事さ」

遊馬「いい事？」

吹雪「うん」

吹雪「それでは二手に分かれる。僕と遊馬くんと小鳥ちゃんはこっち」

シャーク「ちょっと待て！何で俺がカイトと一緒なんだよ！？」

吹雪「遊馬くんと小鳥ちゃんは・・・わかるだろ？」

シャーク「はあ？病み上がり野郎なんて庇いきれねえよ」

カイト「ゴチャゴチャ言うな。案内してくれ」

明日香「それで何で私はこの仲の悪い2人と一緒なのよ」

吹雪「仲介するのも先生の役目さ」

小鳥「吹雪さんは先生じゃないの？」

吹雪「ん？僕は無職だよ」

小鳥「あ、そうなんだ」

遊馬「無職でいいと思うぜ！永遠の自由人だぜ！」

吹雪「さすがは遊馬くんだ！」

カイト「行くぞ」

明日香「あ、うん」

シャーク「チッ」

小鳥「喧嘩してないかなカイトとシャーク」

吹雪「へえ冒険家に」

遊馬「将来の夢だぜ！吹雪さんも何かなりたい事があるんじゃないの？」

吹雪「おっと無職だけど僕はすでになりたいものになってるさ」

遊馬「え？」

吹雪「アイドルだよ！」

遊馬「アイドルなのかよ吹雪さん！？」

吹雪「まあね！」

遊馬「さすが十代さんの先輩だぜ！無職ってムチャクチャ凄えじゃん！」

吹雪「けど冒険家も無職みたいなものじゃないかな？」

遊馬「確かにそうだな！」

吹雪「でしょ？」

遊馬「何かムチャクチャ気が合うな吹雪さんとは」

吹雪「ハハハ！」

小鳥「・・・」

カイト「霊というのはどういう奴なんだ」

明日香「生徒達の噂じゃラーイエローの制服を着ているって言ってたわ」

カイト「つまり黄色か」

シャーク「おいカイト」

カイト「何だ」

シャーク「何でこんなことを引き受けようと思ったんだ」

カイト「特に意味は無い」

シャーク「意味がねえだと？もっと他にやる事があるんじゃねえのか？」

カイト「・・・放っておけばいい」

シャーク「あいつらの件は半分てめえにも責任があんじゃねえかよ！勝手に死にやがって！」

カイト「だからどうした」

シャーク「情がねえのかよ！てめえは本当に冷めてやがるぜ！」

カイト「ならお前が説得してやればいい。そこまで文句を言うならな」

シャーク「てめえが一番効果的なんじゃねえのかよ！」

カイト「勝手に決めるな。奴らが決めたことだ」

シャーク「てめえ！！」

明日香「・・・」

カイト「やるならかかって来い。俺はお前に負ける気は全く無い」

シャーク「上等だカイト！いつかの借りを返してやるぜ！」

明日香「うるさい！」

シャーク「うるせえ？」

明日香「さっきからブツブツブツと！」

シャーク「誰に向かって口聞いてんだよ！」

明日香「あなたよ！」

シャーク「くっ・・・」

明日香「そんなに騒いでちゃ霊が逃げちゃうでしょ！カイトくんも凌牙くんもどっちもどっちよ」

カイト「・・・」

シャーク「・・・」

明日香「あまり喧嘩するなら帰ってもらうからね」

シャーク「てめえらが呼んだんじゃねえのかよ」

明日香「は？」

シャーク「・・・てめえのせいでキレられただろうが」

カイト「何でも俺の責任にするな。お前が悪い」

サッサッサ

明日香「何か横切ったわ！」

シャーク「霊っていうよりは猿じゃねえか」

カイト「ああ」

明日香「ぼさっとしないで早く追うのよ！」

カイト「凌牙」

シャーク「何だよ」

カイト「先に霊を退治できた方が勝ちという事にするか」

シャーク「いいぜ。ただし俺が勝ったらあいつらの件やれよ！」

カイト「俺が勝ったら・・・まあ何だっていいか」

明日香「何してんの！」

サッサッサ

シャーク「霊だか何だか知らねえが鮫の足を舐めんじゃねえ！」

カイト「鮫に足なんて無いだろ。馬鹿か」

明日香「ほらカイトくんも！」

カイト「・・・」

明日香「何やってるの？追わないと」

カイト「時を待つ」

明日香「え？」

カイト「何故か知らんが妙に動きが早い。霊なのか？」

明日香「直接見たのは初めてだけど、霊なのかしら？」

カイト「答えは違う。あれはデュエリストだ」

明日香「デュエリスト！？」

カイト「ラーイエローの生徒に見覚えは無いか？よく見てみろ」

明日香「髪が黒い・・・短髪ね・・・何処かで見た気がする」

シャーク「待ちやがれ！」

「くっ・・・！」

シャーク「とことん追い詰めてやるよ！鮫は一度狙った獲物は逃がさねえんだよ！」

カイト「あと少しか」

明日香「挟み撃ちよ！」

カイト「凌牙1人で十分だろ。追い詰めるのはな」

明日香「追い詰める？何をする気なの」

カイト「ただ追えばいいだけではない。肝心なのは捕える事だ」

カイト「・・・そろそろいいな。凌牙！そこで止まれ！」

シャーク「止まったら逃げられちまうだろ！」

カイト「距離は十分だな。後は飛ぶだけだ」

明日香「飛ぶ？何か考えがあるのね」

カイト「・・・」

明日香「な、何よ、じーっと見て」

カイト「土足厳禁だろうな。お前はそこを動くな」

明日香「えっ？」

カイト「・・・」ポイッポイッ

シャーク「靴なんか脱ぎ捨てて何する気だ！」

カイト「後で殴りたければ殴ってもいいぞ！」タンッ

明日香「な、何やってるのよ！」

カイト「お前の乳を使っての・・・水平ロケットダッシュだ！」ドヒューーーーーーン

シャーク「そうか！明日香のデカ乳を利用して水平ダッシュをしやがったんだな！」

明日香「水平に傾けば傾くほど速さが上がる・・・」

シャーク「しかも乳の反動を利用してさらに倍だ！捕まえろカイト！」

カイト「ああ！」

バシッバシッバシッバシッバシッバシッ

明日香「2度とこんなバカな真似はしないように」

カイト「あ、ああ・・・」

シャーク「・・・で？霊じゃねえんだな」

三沢「ああ！」

明日香「この子は三沢くんよ」

カイト「何処かで見たと思ったらお前か・・・」

三沢「まさか霊と間違われるとは・・・驚きだ」

明日香「驚いたのはこっちよ！どうしてアカデミアに」

三沢「ちょっと調べ物を・・・それよりも大丈夫か？顔面パンパンだぞ」

カイト「・・・」

明日香「カイトくんが悪いのよ。2度とやらないように注意しておかないと」

シャーク「情けねえツラだぜカイト！」

カイト「・・・」

明日香「正体は三沢くんね。兄さん達を探さないと」

遊馬「ええーっ！？終わっちまったのかよ」

吹雪「カイトくんのその顔は？」

明日香「色々とね」

三沢「改めて紹介しようか、俺は三沢大地！十代の最初のライバルだ！」

小鳥「十代さんの！？」

三沢「ああ！」

遊馬「初めてみるぜ！」

三沢「いや何度か姿を・・・まあいいか」

シャーク「酷えツラだぜカイト」

カイト「その覚悟で俺は飛んだ。後悔はしていない」

明日香「こら！」

カイト「わ、わかった。反省はしている」

吹雪「お世話になったね。ありがとう遊馬くん！凌牙くん！カイトくん！」

明日香「2度とやらないって誓えるわね？」

カイト「ああ・・・」

シャーク「プッ」

遊馬「じゃあ帰ろうぜ！」

遊馬「カイトをボコボコにしちまうなんて三沢さんって凄いよな」

小鳥「さすが十代さんのライバルね！」

カイト「俺達の勝負は引き分けって事か」

シャーク「チッ」

カイト「だが説得では無くお前の流儀で行ってやってもいい」

シャーク「どういう風の吹き回しだよ」

カイト「何だっていいだろ。遊馬と小鳥は先に帰れ」

遊馬「何処か行くのか？」

カイト「少し用事を思い出した。行くぞ凌牙」

小鳥「シャークも？」

シャーク「まあ、そういうわけだ」

小鳥「なら私達も」

遊馬「そうか、じゃあ俺達は先に帰ってる」

小鳥「いいの？」

遊馬「いいんだよ。男同士の事は女の小鳥じゃわからねえだろうぜ」

シャーク「賭けようぜ。遊矢の野郎がどっちと居るか」

カイト「柚子」

シャーク「死んじまって頭鈍ったんじゃねえか？セレナだ」

カイト「何を賭ける」

シャーク「一週間パシリになるってのはどうだ」

カイト「・・・いいだろう」

シャーク「俺の流儀なら一発ぶん殴る。それで帰る」

カイト「簡単な話だな」

シャーク「どっちが先に殴る」

カイト「順当から言ったら俺だろうな」

シャーク「遊矢が立ち向かって来たらどうする」

カイト「お前がデュエルしてやればいい」

シャーク「ウジウジした奴には一発喝を入れるのが一番だぜ！」

カイト「この顔を見たら奴も驚くだろうな」

シャーク「どうよ平手打ちは」

カイト「・・・痛いに決まってるだろ」

シャーク「それが生きてるって事なんじゃねえか？なあカイト」

カイト「そうだな」