睦月「私は最強だー!」 上城睦月「艦娘?」 (93)



初めに

このSSは、ライダーと艦これのコラボSSであり、同時にアニメ版艦これ12話の補完SSです。

比叡「カレーができました!」橘さん「これ食ってもいいかな?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427537012/)

の続きになります。



・アニメ版艦これがお好きな方
・アニメ版艦これ制作に関わった方
・二次創作が嫌いな方

これらの条件に該当する方にとっては不快な記述が含まれる可能性がありますので、閲覧の際にはくれぐれもご注意ください。
言うまでもありませんが、このお話はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ございません。

いつもどおり、書き溜めたものを投下していきます。量が多いのでその分遅くなります。
また、今回は無駄に長い上、最後なのでど派手にはっちゃけてます。
キャラ崩壊・改変、複数のオリキャラも出てきますので、その点もご注意ください。


前作

祥鳳「私が轟沈・・・?」 剣崎「ウゾダドンドコドーン!!」
祥鳳「私が轟沈・・・?」 剣崎「ウゾダドンドコドーン!!」 - SSまとめ速報
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弦太朗「俺は全ての艦娘と友達になる男、如月弦太朗だ!!」
弦太朗「俺は全ての艦娘と友達になる男、如月弦太朗だ!!」 - SSまとめ速報
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比叡「カレーができました!」橘さん「これ食ってもいいかな?」
比叡「カレーができました!」橘さん「これ食ってもいいかな?」 - SSまとめ速報
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「吹雪ちゃん・・・、夕立ちゃん・・・!」

白い吐息をあげ、短髪の少女が雨の中の街を走っていた。ずぶ濡れであちこちに擦り傷が見られる。だが悲しきかな、この都会で彼女を気にするものは誰ひとりいなかった。寧ろ、異物として白い目を向けていた。

しかし少女はそんな周りの目線に気付かない。とにかく必死で走り回るだけだった。

「吹雪ちゃん、夕立ちゃん・・・!」

だが彼女はちゃんと前を見ていなかった。

「うぉぉぉ・・・!」

少女はずぶ濡れのまま、睦月に衝突し、尻餅を付いた。

「キミは・・・!?」

「お願いします!吹雪ちゃんを助けてください!お願いします!!」

少女は、いきなり訳のわからないことを口にし出す。睦月と望美はどうしたものかと顔を見合わせた。



少女に何かしらのっぴきならない事情があると判断した二人は、とりあえず彼女を望美の部屋に連れて行くことにした。

望美が服を着替えさせてシャワーを浴びるように言った。セーラー服は洗濯機にかけた後、今は乾燥機の中で回転していた。

「それで、えっと・・・睦月ちゃんだね・・・。キミは艦娘って言う仕事をしていて、それで今まで深海なんとかとかいう怪物と戦っていたと」

「はい・・」ブカブカのパジャマを着ながら、頭から湯気を立ち上らせて睦月という少女が小さく頷いた。

「それで、何であんなに必死で走ってたの?睦月ちゃん」と、ココアを差し出し望美。

「いや、俺に聞かれてもわかんないよ」と睦月が言う。

「アンタじゃなくて、女の子の方の睦月ちゃんに聞いてるの」と、望美は冷たいツッコミを浴びせた。

「はい、今から説明します・・・」

ポツリポツリと、『睦月』は静かに話し始めた。



深海棲艦との決死の戦いを終えた吹雪達。彼女達を鎮守府基地内で出迎えたのは、兵士達の無機質な視線と黒い銃口だった。

「な・・・、どっ、どういうことなんですか提督!!」

「やぁ吹雪・・・」

驚く吹雪に、提督が笑顔で出迎える。

「てっ、提督・・・! これは一体・・・!?」

「決まっている。不要な兵器の処分さ」

狼狽する艦娘達。目の前にいるのは紛れもない自分達の提督だった。だが、その提督は端正な容姿に似合わぬ歪んだ笑顔を浮かべていた。

「今まで明かさなかったが、私の名はタナカ。財団Xの総帥だ」

「提督・・・? なんのことだかさっぱりわかりまっセーン・・・?」と金剛。いつものお気楽な彼女さえも突然の提督の豹変には動揺を隠せない。

「君たち艦娘は人間ではない。我が財団Xの生物兵器なのだよ・・・!」

「え・・・?」

全員が絶句した。私達が、人間ではないだって・・・?


「考えてもみたまえ。なぜ、君たちは『在りし日の記憶』なんて持っているのかな? なぜ、見た目がふつうの女の子なのにも関わらず、身体が異様に頑丈なのかな?」

確かに変だった。どこかのアニメみたいなバリアがあるわけでもないのに、深海棲艦の弾丸が命中しても多少の傷程度で済んでいた。

「もともと我々は深海棲艦を、制海権を掌握するための生物兵器として開発していた。

メズールという怪物の細胞を使ってな・・・。だが、コントロールに失敗し、一部が暴走してしまったのだ」

全員、呆然としていた。誰かを守るための、私達の戦い。それがただの尻拭いだったって言うの・・・?
とりわけ長門の怒りは深かった。如月や祥鳳の犠牲は、今まで倒れていった仲間達の犠牲は、そんなつまらないもののためだったというのか・・・!?

「そこで君たち艦娘を、天王寺の残したトライアルのデータを元に開発したわけだ。

人間をベースに製造したため記憶操作も容易だった。

さらに『在りし日の記憶』などとニセの記憶を植え付けたのが大正解。そんな曖昧なモノに動かされて、君たちは見事私たちのテストに合格してくれた! 

生物兵器として、君たちは高値で売れるだろう!」

「まさか・・・、作戦が筒抜けだったのも、・・・!?」

長門が動揺しながら言葉を紡いだ。その手は怒りで震えていた。

「ご名答! ちょっとしたイタズラさ! 吹雪を最高の我がペットに育て上げるためのな・・・! 

吹雪、キミはよくやってくれた! 最高の兵器、いや私の最高の伴侶としてふさわしい兵器に育ってくれたよ!」

下劣な笑い声をあげ、タナカは言い放った。


「さて・・・、次はどんな任務を与えようかな?」

「おのれ・・・、提督・・・。貴様ぁっ・・・!!」

長門がその目に涙と怒りを備え、中田に殴りかかった。
だが彼が手にあるスイッチを押した瞬間、

「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!!」 
長門は突然頭を抱え、倒れこんでしまった。

「いやぁぁぁぁ!! 那珂ちゃん解体されたくないよぉぉぉ!!!」

「北上さぁぁん!」

同時に他の殆どの艦娘達も悲鳴をあげて頭を抱え、その場に倒れこんでしまった。大鳳も、霧島達も、気絶してしまった。

「テ、提督・・・」

金剛も愛した男に手を伸ばしながら、気絶した。タナカは、その手を冷たく踏み躙った。

「ウソ・・・、ウソですよね提督・・・?」

吹雪は呆然としたまま、突っ立っていた。

「逃げるよ、吹雪ちゃん睦月ちゃん!」夕立の毅然とした声に吹雪は我に帰る。そのまま、おぼつかない足取りで走っていった。

顔を歪めて笑う提督を、悲しげな視線で見つめながら。

「あっ。しまった、あの駆逐艦3匹は停止装置を付け忘れていた・・・。まいったなぁ・・・!」

提督はまるで飼育してる子猫が庭に逃げたかのような口ぶりで言う。その後、スマートフォン状の機器を操作し、部下達に彼女達を追いかけるよう命じた。


艤装を付けて海へと逃げ出す彼女たちを、どこからか現れた深海棲艦や兵士達が追いかけてきた。

銃弾を放ち、砲弾を撃ち込み、彼女たちを追い詰めようとする。外れた銃弾が艦娘達の学び舎を砕き、破片が飛び散る。

「うっ・・・」

「きゃあっ!」

夕立と吹雪の脚から血が流れ出る。影に潜んでいた、深海棲艦の弾丸が命中してしまった。

脚を引きずる彼女に肩を貸し、必死で走ろうとする睦月達。だが、何時の間にか囲まれてしまった。

「睦月ちゃん逃げて! ここは私達が食い止めるから!」

「ここは私たちに任せて逃げるのがいいっぽい・・・!」

「でも・・・!」睦月はためらう。

「行って・・・! 睦月ちゃんだけでも助かる方が嬉しいっぽい・・・!」と夕立は笑った。

二人の目には強い決意と悲壮な覚悟が宿っていた。

その目をみた睦月も二人の意志を理解した。吹雪と夕立が隙を作り、その隙をめがけて、睦月は猛スピードで逃げ出した。

「待ってて吹雪ちゃん、夕立ちゃん! 必ず助けを呼んでくるから!」

睦月は艤装を装備し、海原へと走り出した。どこにいるかもわからない、救援を求めて。








睦月は、震えながら事情をなんとか説明した。艦娘のことや、これまでの戦いのことなども、大まかに。

「それで、気がついたら東京にたどり着いて・・・。でも、どこに行けばいいのかわからなくなって・・・」

「そうだったのか・・・」と、上城睦月。

「お願いします! 吹雪ちゃん達を・・・、一緒に助けてください!」ココアを飲み干すと、睦月はいきなり頭を下げて頼んだ。

彼らが何者なのか、睦月には分からない。だが、同じ名前を持つ者同士、なぜか信じられるような気がしていた。

「えっ、ちょ、ちょっと落ち着いて睦月ちゃん! そんなこと言ったって私達そんな戦う力なんか・・・!」望美が動揺しながら言う。

その時だった。金属の擦り合う音が突然聞こえた。

「え・・・?」

望美も、上城睦月も、言葉を失い、その音の方向にあるモノを見た。嘗ての睦月にとって悪夢そのものだった、レンゲルのベルトが何時の間にか来ていたのだ。

まるで、睦月に対して『戦え』と言うかのように。

ベルトを見ているうち、睦月の頭の中に忌まわしきあの声が聞こえてきた。

『戦え・・・戦え・・・!』

あの蜘蛛の声だ。カテゴリーA、スパイダーアンデッドだった。
だが、様子が以前とは異なる。なぜか、邪悪な意志は自分の心を操ろうとはしなかった。




「カテゴリーA、なぜ俺を操ろうとしない・・・?」と睦月。
『もう貴様には敗北したのだ・・・。潔く貴様に従ってやろう・・・。少なくとも、今はな・・・』
「今は?」
『急げ。急がねば貴様の同族も、我が眷族達も滅びてしまう・・・。戦え・・・!』



気がつくと、レンゲルのベルトは腹部に勝手に装着されていた。だが、邪悪な意思が彼を操ることはなかった。

上城睦月の意思が闇を乗り越えるほど強くなったのか、カテゴリーAがその言葉通り従っているのかは彼にもわからない。だが、戦う力を得た以上、自分がやるべきことは一つだ。

上条睦月は黙って立ち上がり、「その友達の居場所はわかる?」と睦月に尋ねた。

「睦月、まさかアンタ・・・!」

「助けに行くさ。こんな女の子が、酷い目に遭わされてるんだ。黙って見てるわけにはいかない・・・!」

その目には強い決意が宿っていた。彼の意思を変えることは望美にもできなそうだ。

望美は思った。
いつも睦月はそうだ。いつも仮面ライダーがどうとか、仕事がどうとか言って突っ走る。人の気持ちも知らないで。

「・・・そう言うと思った。行かないで、って言っても絶対行くもんね。さっさと行って、帰ってきなさいよ」

「望美・・・」

そう言うと、望美はプイッと背を向けてしまった。それっきり、睦月に背を向けて話そうともしなかった。

後ろ髪を引かれる思いで、上城睦月は乾燥機から服を取り出して着替えた睦月と共に部屋を出て行った。
「睦月の、バカ・・・」

ドアが閉まる音を聞きながら、望美は小さく呟いた。



望美のマンションを出ると、道路には緑色のバイクが待っていた。レンゲルの愛車・グリーンクローバーだ。この緑色のバイクも、戦いを予期して自ら駆けつけて来たのだろう。上城睦月は愛おしそうに愛車を優しく摩った。

そして、上城睦月は両腕でXの字を作りながら顔を覆うようなポーズを取り、ベルトのバックルを引っ張った。

「変身!!」

『Openup』

上城睦月がバックルを引っ張った次の瞬間、蜘蛛のオーロラが彼を包み、上城睦月は蜘蛛の戦士・仮面ライダーレンゲルに姿を変えていた。

重厚な鎧と複眼、蜘蛛の意匠を持った仮面の戦士である。その腕にはクローバーを象ったような杖・レンゲルラウザーが握られていた。

「行こう睦月ちゃん。後ろに乗ってくれ!」
レンゲルは驚いて言葉を失っている睦月を、緑色のバイク・グリーンクローバーに乗るよう促した。
その時だった。
「睦月・・・!」
マンションの部屋から降りてきた望美が彼を呼び止める。その腕には何かがぶら下げられていた。

「良かった。間に合った・・・! これ、おにぎり作ったから・・・。急ごしらえだけど」

彼女はおにぎりの入ったバッグをレンゲルに手渡す。レンゲルも黙ってそれを受け取った。

「必ず・・・、帰って来てね・・・!」

「ありがとう・・・。すぐ戻る・・・!」

自分を見送る恋人に背を向け、レンゲルはグリーンクローバーに乗って走り出した。

彼を見送る望美の瞳から、静かに涙が零れた。


東京湾へと走り出したレンゲル。

とりあえず睦月が上陸した港まで行き、進路を確認することにした。

睦月が港に置いていた艤装を回収した後、波止場にたどり着いたが、グリーンクローバーのライトが黒い何かを照らし出す。

深海棲艦だった。

「ミヅケダ・・・グヂググァン・・・。ムッコロス!!」

「こ、コイツ等が深海棲艦・・・!?」
彼らの行く手を巨大な戦艦ル級が阻んでいた。

「くっ、どけ・・・!」

レンゲルはパネルを操作し、グリーンクローバーからミサイルを放つ。何発か命中したが、ル級は微動だにしなかった。

「睦月ちゃん、ちょっと降りてて・・・!」

レンゲルは睦月を一度安全な場所まで避難させ、再び自身のバイクに騎乗する。

バイクを駆りながら、レンゲルはカードホルダーから白熊の描かれたカードを取り出し、グリーンクローバーにスキャンさせた。

『Blizzard』

グリーンクローバーに氷の力が宿り、吹雪を纏った。レンゲルはそのままバイクごと特攻して、ル級に体当たりする。その冷気によって、一瞬でル級は凍りついてしまった。

「よし!」

レンゲルは直ぐ様睦月のもとまで戻り、彼女を乗せて逃げ出そうとした。だが、ル級は直ぐ様氷の戒めを力づくで破ってしまった。

「なに・・・!?」


まずい。レンゲルが焦りだしたその時だった。

何処からか、光の矢が放たれ、深海棲艦の目に命中した。

「ウェアァァッッ!!」

黒い戦士が現れた。仮面ライダーカリスだった。その隣には緑色の不気味なバッタのような怪物もいた。ただ、こちらを襲ってこないとこから見て、どうやら敵ではないらしい。
「上城、お前は先に行け・・・!」黒いライダー・カリスはレンゲルにある物を手渡す。

プロペラのついたトンボの描かれたカードと、黒い箱のような機械・ラウズアブゾーバーだった。

「相川さん、なぜここに!?」

「説明してる暇はない。さっさと行け・・・!」

「・・・ありがとうございます!」

レンゲルは睦月を抱きかかえたまま、トンボのカードをレンゲルラウザーのカードリーダー部分に読み込ませる。

『Float』


その瞬間レンゲルにトンボの力が宿り、睦月とレンゲルは浮き上がった。

「えっ、えぇぇぇぇぇっ!?」

驚く睦月の声が夜の港に響く。そのまま彼方へと飛び去る二人を確認した後、カリスはル級に向き直った。

「行くぞ、風祭真・・・」
緑色のバッタの怪物、いや、善の心を持ちし戦士・仮面ライダーシンは黙って頷く。

カマキリとバッタの仮面ライダーは、深海棲鬼にその鋭い刃で立ち向かっていった。

二体の刃がル級の腹部を切り裂く。ル級は痛みに呻き、悲鳴をあげる。

その隙にカリスは飛び上がり、アンモナイトのような巻貝と鷹の描かれしカードを、弓矢のカードリーダーに読み込ませた。

『Drill,Tornaid,Spiningattack』

次の瞬間、カリスは竜巻に包まれて浮き上がり、回転しながらドリルキックを浴びせた。ル級はろくな反撃もできず技を喰らい、爆散した。


フロートの力で海を渡ったレンゲルと睦月は、数時間の飛行の後、鎮守府のある港まで到着した。早速戦いになるかと思いきや、港は不気味なほど静かだった。

レンゲルはカテゴリーQのカードを使い、ラウザーのチャージをしておいた。これでしばらくは保つだろう。

とりあえず睦月と相談して腹ごしらえをしようということで、望美が渡してくれたバッグを開いた。包みのラップを開いて食べてみると、梅おにぎりとシャケおにぎりだった。

冷凍したものを急遽解凍したためか、シャケが少しだけ冷たかった。

「おいしいですね・・・」と睦月。

「あぁ、なんか美味いんだよ。アイツの・・・」上城睦月は言った。

このおにぎりは変わらない。昔から、望美の愛情が篭もっている。嘗て上城睦月は己の弱さから闇に囚われた時期があったが、この愛情によって、彼は救われたのだ。

そんな事情から、彼は望美のおにぎりが今でも一番の好物だった。

「如月ちゃんと、一緒に食べたかったな・・・」と睦月は寂しそうに言った。

「そっか、キミも仲間を・・・」

「上城さんも、もしかして・・・」

「あぁ・・・。こんな俺を救うために、自分を犠牲にしてくれた人たちがいたんだ・・・」

上城睦月は、古傷に触れるように、ゆっくりと話し始めた。

嶋昇という男と名も分からない女、いや心優しき怪物たちが自分を導き、種族の繁栄や自身の存在を投げ打って、彼を闇から救い出してくれたことを。

「ごめん、なんか暗い話になっちゃったな・・・」と、上城睦月は優しい笑顔をみせた。

「いえ、私こそ・・・」と睦月。
「さぁ、早く友達を助けに行こう!」

「はい・・・!」

二人は、過去の痛みを振り切るように走り出した。その先に待つ睦月の仲間達を目指して。


その後、二人は鎮守府の中心部へと歩いた。そこはまるで閉園後のテーマパークのように静かだった。甘味処や食事亭は看板を開いたままだが、中には誰ひとりいない。電灯には灯りこそ点っているが、その下に照らされる者は誰ひとりとしていなかった。

しばらく歩いていると、気味の悪い機械音が聞こえた。その方向に向かって走り出した睦月と上城睦月は、信じられない光景を見た。

「那珂先輩!? 第六駆逐艦隊のみんなも・・!?」

そこでは、意識のない那珂達が今にも電動ノコギリで解体されようとしていた。

「させるか!」
上城睦月は直ぐ様レンゲル変身し、その杖で刃を止めた。火花が飛び散るが、なんとか少女たちは無事だった。彼は杖を思いっきり打ち付け、刃を一瞬のうちに破壊してしまった。

「おい!しっかりしろ、おい!!」

すべての機械を打ち砕いた後、睦月は傷ついた少女達に手をかけ、目を覚ますよう声をかける。

「アレ・・・、那珂ちゃんを呼ぶのは誰・・・? ファンの人・・・?」最初に目を覚ましたのは那珂だった。こんな時にも彼女はファンへの気遣いを忘れなていなかった。

「俺は仮面ライダーレンゲル。無事で良かった・・・」

「あ、ありがとうございます! ちょっと怖い顔だけど・・・」と那珂は礼を述べる。

「ありがとなのです! 仮面ライダーさん!」

次に目を覚ました電も元気な声で言った。意識を失っていた暁、雷、響、川内、神通も次々と目を覚ましてゆく。

「ひ、ひどい・・・!」仲間の受けた仕打ちに睦月が憤る。レンゲルもまた同じ心境だった。

(こんな幼い少女たちまで・・・! 財団X・・・!)

その後、何処からか爆発音が聞こえた。数百メートル先の波止場からだった。

「とにかく、早く安全な場所に逃げるんだ!」

とりあえず那珂達に安全な場所へ逃げるよう指示し、レンゲルと睦月は爆音の方向へと向かった。



レンゲルと睦月が駆けつけた場所は、先程の港だった。静かな波止場には、一人の軍服を着た男がいた。

「貴方は、提督・・・!?」

「やぁ、キミがレンゲルか! 噂には聞いていたが実に美しい・・・! 我が財団Xの幹部にならないかね?」と、飄々とした口ぶりでタナカ提督は言った。

「ふざけるな! すぐに艦娘を解放しろ!」杖を構え、レンゲル。

「提督、吹雪ちゃん達を返してください・・・!」睦月は怯えながらも力強く叫んだ。

「ダメだ。吹雪は私の嫁になる女だからな・・・」顔を歪ませ、タナカは言い放った。

「力づくでも、返してもらう・・・!」と、レンゲル。

「そうはいかん。キミは勝てない・・・!」

「何・・・?」

タナカは懐から、奇妙なスマートフォンのような機械を取り出した。

「これは天王寺の置き土産。キミの持つリモートのカードを再現した装置。アンデッドを解放し操作する力を発揮するものだ」

タナカはまるで新しい玩具を楽しむかのように、その機械を操作し、スイッチを押した。


『Remote』


低い、不気味なボイスが発せられ、レンゲルのカードホルダーから三枚のカードが飛び出した。次の瞬間、そのカードの中から三体の不死生物・アンデッド達が出現した。

「ウ、ウソだろ・・・!?」

レンゲルは自身の目が信じられなかった。

彼の目の前には、派手な色の蜘蛛の怪物、虎と女性を混ぜ合わせたような怪物、そして堅牢な鎧を身にまとった象の怪物が立ちはだかっていた。敵意に満ちた目を、睦月とレンゲルに向けながら。

「素晴らしい・・・! 最強のアンデッド3体がここに揃ったのだ!」

怪物達は、一斉にレンゲルに襲い掛かった。



その頃、タナカ提督が統括する鎮守府とは別の場所にある第二鎮守府。

暗い地下牢目指し、三人の少女と、ひとりの男が走っていた。その三人は、祥鳳と如月、そして稲森真由。

前者二人は嘗て深海棲艦との戦いで敗れ、仮面ライダーに救われた少女達だ。

そして後者の少女は、魔法使いこと仮面ライダーメイジ。
彼女はある日、怪物と希望を身に宿し、異形の戦士に変身する力を得てしまった。愛する両親、そして誰よりも大切だった双子の姉を引き換えに。

この少女たちは、たい焼き屋の露店で知り合うことになった。仮面ライダーに関わった者同士、そして望まぬ戦いに巻き込まれた者同士、彼女達はどこか意気投合した。

ある日、真由が務める国安ゼロ課という組織に「艦娘たちがある場所に囚われている」との情報が入り、慌てて鎮守府の場所を割り出して駆けつけたわけだ。

「懲罰用の営倉はこちらのはずです! 急ぎましょう・・・!」と祥鳳。
彼女は焦りながら走っていた。それもそのはずだ。この鎮守府には、彼女の妹・瑞鳳が着任している。その安否を気遣うのは姉として当然のことだった。

真剣な眼差しをして走る少女たちの後ろを、やや遅れて金髪の派手な毛皮のコートを着た若い男が追いかける。

「真由ちゃん! 俺腹減って動けねぇ・・・!」息を切らしながら、その男はあとを追ってきた。

「つべこべ言わずにさっさと走ってください、仁藤さん!」と真由。

「わかってるよ、皆まで言うな!」

だが、少女たちと仁藤攻介の距離は開くばかりだった。


「ところで祥鳳ちゃん・・・だっけ? その変てこな格好はなんだ・・・?」と仁藤。

「これですか・・・? 了さんに、着てけって言われて・・・」祥鳳は恥ずかしそうに頬を染める。

祥鳳はたい焼き名人アルティメットフォーム改二を纏っていた。

だが、無駄に重く、無駄に暑苦しい。なんとか過去の鍛錬のおかげで着こなせていたが、今の彼女にとっては重荷に過ぎなかった。

改良型スーツと言われて渋々渡されたのだが、ただただ重いだけである。背中にはたい焼きを焼く鉄板が装備され、常時熱を帯びている。

スイッチを押せば一瞬で焼き型を加熱してたい焼きを高速で焼くことができるらしいが、ここでは何の意味もない。むしろ背中が暑いだけで邪魔なだけだった。

それでもわざわざその鎧を身にまとっている辺りに祥鳳という少女の誠実さが表れていると、如月には思えた。

「と、とにかく急ぎましょう・・・!」

四人は営倉へ向かい走り出した。


営倉で彼女たちを待っていたのは、兎角悲惨な光景だった。

「これは・・・!?」真由が目を見開く。

「ひどい・・・!」如月も思わず息を飲んだ。
営倉内には、艦娘達が囚えられていた。

縄や鎖で縛られ、身体には無数の傷跡がある。狼藉を働かれた痕跡こそないものの、破られかけた服の痕跡から、いずれ彼女達を辱めるつもりだったことは明白だった。

「瑞鳳!」
その中で、祥鳳は妹が鎖に縛られているのを発見した。ただちに鎖を解こうとするが、上手くいかない。

「瑞鳳、起きて! 私よ、祥鳳よ!」

彼女は無我夢中で傷だらけの瑞鳳を揺さぶった。

「落ち着いてください! 脈はあります・・・!」と真由が瑞鳳の手首を握り、彼女を制する。

すると、その騒ぎを聞きつけ、瑞鳳はゆっくりと瞼を開いた。

「し、祥鳳お姉ちゃん・・・?」

「瑞鳳・・・!」その瞳には、姉の姿が映った。変な格好をしているが、れっきとした彼女の姉だった。

祥鳳は無骨な鎧を着たまま、彼女を抱きしめた。

「瑞鳳、こんなに怪我させちゃってごめんね・・・。でも、もう大丈夫だから。今、鎖をほどいてあげるからね」

「もういいよ、お姉ちゃん・・・」と瑞鳳は力なく答えた。

「ずっ、瑞鳳・・・!?」


「こうして最期にお姉ちゃんに会えたから、もういいの・・・。早く逃げて・・・」

「なっ、何を言ってるの・・・?」と祥鳳。

「お姉ちゃん・・・。あの時会えて、本当に嬉しかったよ・・・。
艦娘じゃなくなっても、ずっと私のこと応援してくれるって言ってくれたとき、これからも頑張ろうって、思ったんだ・・・」

瑞鳳は静かに話し始めた。

「でも、提督に聞かされたの。私たちは所詮ただの兵器だって・・・。役目が終わったお前達はもういらないって・・・」

「馬鹿なこと言わないで! ここから逃げ出せば、私達ずっと一緒に暮らせるんだよ!」

「私、ホントは人間じゃないんだよ・・・。人の中で生きていくなんて、無理だよ・・・!」

絞り出すように胸の奥の苦痛を吐き出すと、小さな少女は静かに頭を傾けた。

その少女の姉は暫く黙っていた。

だがやがて、

「瑞鳳、聞いて・・・」少女の肩を抱き、祥鳳は話し始めた。
その目には強い意思が宿っていた。艦娘として戦っていた時以上の、強い意思が。

「私も戦えなくなった時、おんなじこと思ったよ。運命に抗うことなんてできないんだって・・・」

「・・・お姉ちゃんも?」

「でも、それは違うって、『あの人』は教えてくれた。誰でも、運命と戦うことはできるって」

祥鳳の脳裏には、傷つきながらも戦い続けた紫紺の戦士の記憶が強く焼きついていた。

その戦士の強さは、彼女にも受け継がれていた。そしてそれが今、妹の心を支えようとしていた。

「お姉ちゃん・・・」

「瑞鳳、一緒に運命と戦おう。大丈夫、私がそばにいるから。ねっ?」


「そうよ。諦めないで・・・。始まりも終わりも、全て自分自身で決めるものよ・・・!」

真由も横から言う。

「私の大切な人が教えてくれた・・・。

たとえ貴方が誰かに利用されるため生まれたとしても、

たとえ瑞鳳さんの戦いが誰かに操られたものだったとしても、貴方達のおかげで救われた人だっているはず。

それに、今あなたの目の前にいる人は、貴方がいなければ救われないの・・・!」

「お姉ちゃんが・・・?」その言葉を受け、祥鳳が黙って頷く。

「貴方の大切な人のためにも、絶望に負けないで・・・! 私にはもうできな・・・」

「あ~あ、姉妹感動の再会ってわけかぁ・・・。泣けるねぇ・・・!」
真由の言葉は、突然の乱入者によって遮られた。と男の声が邪魔に入った。


その男は小太りの醜い容姿にもかかわらず、恐ろしいスピードで祥鳳達を突き飛ばすと、あっという間に瑞鳳の拘束を砕いてその手に抱き寄せた。

気持ち悪い・・・。瑞鳳はその生暖かい手の感触に触れ、嫌悪感を覚えた。

「私は財団Xのヨシノ。この鎮守府の提督を勤めていた者だ。人の所有物に手を出すとは、いけないねぇ・・・」

「おめぇか・・・。女の子をひでぇ目に遭わせてるヤツってのは・・・。マズそうで食う気にもなれやしねぇ・・・!」

「こんな少女を傷つけて弄ぶなんて・・・、許せない・・・!」

仁藤と真由が怒りに燃えて悪魔を睨む。

「私に勝てるかな、魔法使いの諸君・・・?」

『MAIHIME!』

ヨシノは懐からメモリを取り出し、腕に突き刺す。そのメモリを刺した瞬間、ヨシノはマイヒメ・ドーパントへと変貌した。醜い男には似つかわしくない、美しい踊り子のような風貌の怪物だった。

「行くぜ真由ちゃん。食う価値もねぇ変態にお仕置きしてやろうぜ」『Driver,On』

「えぇ・・・」『Driver,On…Shabadobitattihensiiin...!』

仁藤と真由はそれぞれベルトを召喚する。獅子の刻まれし古のベルトと、手が描かれし不思議なベルトだった。

仁藤は腕を高くあげて指輪をベルトに装填し、叫んだ。
「へ~んしぃんっ!!」

『Set,Open!! L・I・O・N! LION!!』

獅子の咆哮と共に、仁藤は古の魔法使い・ビーストに変身した。

その隣で、真由も腕を高く掲げ、クルリと華麗に回転してベルトに指輪を読み込ませ叫んだ。
「変身・・・!」

『Change,now...!』

腕を軽やかに広げ、背中を美しく傾けた直後、魔法陣が真由を覆い、少女は琥珀色の魔法使い・メイジへと姿を変えた。

「さぁ、ランチタイムだ!」
「さぁ、終わりの時よ!」

二人の魔法使い、仮面ライダービーストと仮面ライダーメイジは、敵に向かって同時に宣言した。


「フッ、できるかな・・・!」

不敵に笑い、マイヒメ・ドーパントの目が光った。この怪物が手指を不気味に動かした瞬間、魔法使いたちの動きは封じられてしまった。

「なっ・・・?!」

「かっ、身体が動かない・・・!?」

動揺する魔法使い達。

「マイヒメメモリは、思うがままに相手を動かす。まさに艦娘を思うがまま操る提督の私に相応しいメモリなのだよ。ヒャハハハハハ!!」

メイジとビーストは操り人形の如く手足を操られ、人形劇のようなポーズを無理やり取らされる。そして、いつの間にやら見えない糸で拘束され、壁に縛り付けられた。

「ハハハ、無様だな魔法使いども!」

瑞鳳をその手に抱きながら、魔法使いたちをマイヒメ・ドーパントは嘲笑った。白い鳥と緑のグリフォンの彫像が主を助けようとマイヒメに攻撃を挑むが、あっけなく弾かれてしまった。

「くっ・・・!」


「提督・・・、いやヨシノ!! 瑞鳳を離しなさい!」
「そうよ!」

祥鳳と如月が叫んだ。

「おや? そこの駆逐艦は沈んだと思ったのに、まだ生きていたのか? まっ、悲劇を演出するいい役者になってくれたがね・・・! 

そこの軽空母もだ。我らの兵器ごときが、いちいち偉そうに・・・」

まるでゴミを見るような目で、マイヒメ・ドーパントは二人を蔑んだ。その暴言を横で聞き、瑞鳳の頭に血が昇った。

「許さない・・・!」
お姉ちゃんやみんなを、私の大切な人を侮辱するなんて・・・!

瑞鳳は背負っていた鏑から一本だけ残っていた弓矢を直接取り出し、勢いよくドーパントの身体へと突き刺した。

「くっ、小娘がぁ・・・!」

流石に至近距離で刺されるのは痛むのか、怒ったマイヒメ・ドーパントは瑞鳳を壁に投げ飛ばした。

「きゃぁぁぁっっ!!」

「瑞鳳!」

「うっ、しっ、祥鳳・・・」

激痛のショックと苦痛に呻き、瑞鳳が気絶した。


「気が変わった。瑞鳳、貴様は生かしておいてやるよ・・・。姉と違って、幼い少女の風貌をしたキミは商品価値が高いからなぁ!」

笑いながら邪悪な舞姫は言い放った。

(商品価値が・・・高い・・・?)

 その言葉が、祥鳳の中の何かに火を点けた。

(人の妹を、みんなを、道具みたいに扱うなんて・・・!)

その手が震え出す。見ているもの全員に、彼女の怒りが伝わってきた。


「よくも・・・、よくもやったわねヨシノ!」

「えっ、まさか祥鳳さん・・・?」

如月が戸惑う。今、祥鳳の手にあるのはたいやきの焼き型だった。しかも、既に熱された状態である。謂わば、熱い鉄棒だ。

「喰らえぇっ、瑞鳳の仇!!」

怒れる祥鳳は鎧に備えられたスイッチを押し、それを棍棒のように敵にぶつけた。怪人とは言え、生き物に熱した鉄塊をぶつければどうなるか。結果は火を見るより明らかだった。

「ギヤァァァァッ!! アツイ、アツイイイイイイッ!!」

祥鳳の突然の攻撃に押され、完全な不意打ちに隙を突かれたマイヒメ・ドーパントは、熱したたい焼き器の焼き型にクリーンヒットしてしまった。あまりの熱さと苦痛に耐えられず、悲鳴を上げて倒れてしまった。

「痛い、痛い、助けてぐれえぇぇぇ!!!」

その顔は真っ赤になり、おまけにかわいらしいたい焼きの烙印を押されてしまった。それは見るもの全てに間抜けで哀れという印象を与えた。

「やったぁぁ!! やりましたぁぁぁ!!」

巨大なたいやき型を振り回し、祥鳳は子供のように無邪気に喜び飛び跳ねた。

「ついでに私も・・・! 如月きっく♪ てへっ☆」

如月も、どさくさにまぎれて必殺きっくを叩き込んだ。それも、たい焼きの型が付いた顔の一部分である。

如月の筋力ではあまり大したダメージは与えられないはずだが、追い討ちを掛けられて、マイヒメ・ドーパントはみるみるうちに弱っていった。

「あなたみたいな人、ミッツマングローブが許しても、マツコデラックスが許さないんだから☆」

と、軽い冗談を混じ合わせながらも容赦なく急所を蹴り飛ばし、ボコボコにしていった。



一方、操り人形から解放されたビーストとメイジは、その惨状を冷や汗を流しつつ唖然と眺めていた。
だが、野獣は倒れた獲物を見逃したりはしない。

「とっ、とりあえずアイツ倒すか、真由ちゃん・・・!」

「そっ、そうですね・・・!」

ふたりは見えない糸を振り払い立ち上がる。

「そうだ。真由ちゃん、これ使いな」と、ビーストは小声である指輪をこっそり手渡した。

そのオレンジ色の指輪を見て、メイジはその意図を理解し、無言で小さく頷いた。

「おのれぇぇ、また縛ってくれるわぁぁぁ!!」

火傷した顔を右手で抑えながら、マイヒメは倒れたまま見えない糸を放ち、ビーストとメイジを縛り付け、壁に投げつける。

メイジは焦りもせずに、縛られたまま手を器用に動かし、ビーストに手渡された指輪をベルトにスキャンさせた。

『Beast...!』

次の瞬間、獅子の咆哮が部屋中に響き渡り、メイジの身体は羽となって消えてしまった。

「なに・・・!?」

縛られていたのはビーストだけだった。次の瞬間、メイジは別の場所に立っていた。

「こういう魔法もあるって、知らなかった?」

ビーストリングは鳥獣の力が宿りし、古の魔法の指輪だ。だが、その指輪をウィザードが使った時、獣の力の替わりに特殊な魔法が発揮される。それはメイジが使用した場合も同様であった。ビーストが渡したリング、それは隼の力が刻まれしファルコリングであった。それをメイジが使った場合、メイジは羽となって攻撃を躱し任意の場所に瞬間移動が可能となるのだ。

そして次の瞬間、『Connect,now...!』という呪文をベルトが詠唱した。メイジは何処からか銃を手に取り、マイヒメの指を撃ちまくる。変則的に動く魔法の弾丸がマイヒメの両腕を容赦なく正確に貫き、ビーストの拘束を破壊した。

「ぐわぁぁぁぁ!!」

これで見えない糸は使えなくなった。動けない獲物に止めを刺す時が来たのだ。

拘束を解かれた野獣も、敵に対してその牙を剥けた。

「行くぜ、真由ちゃん・・・!」

「はい!」

二人の魔法使いは必殺魔法を発動するための指輪をそれぞれベルトにセットした。

『Kickstrike,Go!』

『Yes! Kickstrike!!Understand!?』

ビーストの身体に獅子の力が宿り、メイジの身体に膨大な魔力が宿る。

「うおりゃぁぁぁ!!」

「はぁっ!!」

二人は宙に舞い上がり、獅子の咆哮と共にダブルライダーキックを放った。

「うわぁぁぁぁぁぁっっ!!」

獣に噛み砕かれ、魔法少女の裁きを受け、ヨシノは爆散した。マイヒメメモリも体外に排出され、粉々になって砕け散った。

「ごっつぁん!」
「最後を決めるのは、私達だったわね・・・!」
二人は勝利を実感し、決めゼリフを放った。


だが、ヨシノはまだ諦めてはいなかった。

「くっ・・・。まだだ・・・! この鎮守府にいる他の幹部たちさえ来れば・・・!」

「その別働隊なら、ここよ」

長髪の美女が、黒焦げになった男達を引きずって現れる。

彼等はことごとく縄で縛られ、まるで干物のような有様だった。その手には焼け焦げたガイアメモリもある。

「アンタは・・・?」と仁藤。

「私はミーナ。財団Xに、嘗て実験台にされていたクォークスの生き残りよ・・・!」

「まさか・・・超能力兵士ごときに・・・俺が・・・」と、中年の男は呻く。

「これ以上、私や克己のような悲劇は繰り返させない!」
力強く、ミーナは宣言した。

「ハナダ、クサカワまでもが・・・!ならば、金剛型2番艦!」ヨシノが渾身の力で叫んだ。

彼の目の前に、祥鳳が嘗て出会った短髪の少女が現れる。

「ハハハ! こんなこともあろうかと、私専用の洗脳プログラムを仕掛けておいて助かったよ! さあ比叡よ、今こそ目の前の敵を倒せ!」
(まさか、比叡さんが・・!?)

祥鳳は目の前が真っ暗になるような絶望感を覚えた。あの心優しく強い人までが敵に回るなんて・・・!

だが、彼女の心配は杞憂に終わった。

比叡はヨシノの前に足音を立てて迫り、「司令には!操られたりなんか! しませんっ!!」と、怒りをこめて鉄拳を叩き込んだ。

「くっ・・・、な、なぜ・・・!?」

万策尽き、吉野は力尽きて床に倒れた。

「祥鳳さん!お久しぶり!」

祥鳳に向き直り、比叡は明るい笑顔を向けた。

「比叡さん!」

「私も捕まって動けなくなってましたけど、橘さんが助けてくれました!」

比叡に続いて、仮面の戦士・ギャレンが歩いてきた。

「危ないところだったが、歌星くん達と協力して、なんとか艦娘の洗脳プログラムを解除する装置を開発できた。これで彼女達は自由だ・・・!」

「ったく、おせぇっつーの・・・」憎まれ口を叩きながらも、安心した様子でビーストが言う。

周りを見渡すと、艦娘達は次々と目を覚まし始めていた。

天龍や龍田、青葉や伊勢や龍驤らも目を覚まし、鎖を早く外せと喚き出す。ギャレンや比叡が慌てて駆けつけ、囚えられた艦娘達の解放に回っていった。次々に自由になってゆく少女達を見て、瑞鳳も安堵した。

「そっか・・・。私達、もう戦わなくていいんだね・・・!」

目を覚ました瑞鳳が、ホッとしたようにつぶやく。その目の前には、姉がいた。

「そうだよ。これからは、ずっと私が守ってあげるからね・・・」

「お姉ちゃん・・・!」

「瑞鳳・・・!」

そんな姉の言葉に安心したのか、瑞鳳は静かに姉に抱きついて泣き出した。

そんな妹を優しく抱きしめていた祥鳳もまた、涙を流していた。

戦いで引き裂かれた悲しき姉妹に、ようやく安息の時が訪れたのだ。

「良かった・・・」
その様子を見て、真由は涙ぐんだ。

自分にはもう二度と訪れない幸せを、あの姉妹が掴んでくれた。

あの姉妹は、大切な存在を失わずに済んだ。それが、たまらなく嬉しかった。

「・・・やったな、真由ちゃん」

仁藤は涙に濡れる少女の肩を優しく叩き、励ましてやった。



一方、港ではレンゲルとアンデッドのバトルファイトが再開されようとしていた。
港に備え付けられた街灯がレンゲルを照らす。一応ライダーシステムによって暗闇でも目が見えるが、それでも街灯で見えやすい状況にあるのはありがたかった。

ただでさえ彼は動揺していたのだ。

「きゃあぁぁぁっ!」恐ろしい怪物に襲いかかられ、睦月は悲鳴をあげる。

レンゲルは三匹のアンデッドから睦月を守り、必死に戦っていた。タランチュラアンデッドの爪が襲いかかり、タイガーアンデッドの蹴りがレンゲルを打ち付ける。更にエレファントアンデッドの鉄球がレンゲルを殴りつけた。レンゲルは睦月を守るのにせいいっぱいで、防戦一方だった。何よりも、彼自身がこの三匹の怪物を傷つけることを躊躇していた。無理もない。この怪物達は彼のためにその身を投げ出して戦ってくれたのだ。彼がそれを再び封印することなど、できるはずもなかった。

「嶋さん、みんな・・・、目を覚ましてくれ・・・!」

彼は叫ぶが、操られしアンデッド達には届かない。

「どうすれば・・・!?」

レンゲルは、上城睦月は混乱しかけていた。

『上城睦月・・・! カテゴリー8を使え・・・!』

突然、カテゴリーAの声が再び頭に響いた。

「なんだって・・・!?」
『アンデッドポイズンを打ち込み、奴等の本能を活性化させるのだ・・・!』
それっきり、カテゴリーAの声は聞こえなくなった。

「とにかくやるしかない・・・!」

レンゲルは蠍の描かれしカードを取り出す。ライダーの武器に毒の力を与える、強力なカードだ。

この毒のショックがあればあるいは・・・。レンゲルはカテゴリーAの言葉に賭けた。

嘗て、自分を翻弄し続けた悪魔。それが今は何故か自分に助言するようなことを言っている。なぜかはわからないが、カテゴリーAを信じるしかない。レンゲルは蠍のカードを読み込ませた。

『Poisson』

杖に毒の力が宿る。レンゲルはレンゲルラウザーの刃「天」「地」「人」を開き、毒の宿りし刃で三体のアンデッドを次々に切り裂いていった。

「てやぁぁぁぁぁっ!!」

緑色の血が飛び散り、一瞬、アンデッド達の動きが止まった。

(頼む、アンデッドの毒で正気を取り戻してくれ・・・!)

だが、アンデッド達は一瞬動きを止めただけで、すぐに再びその爪をレンゲルに向ける。

レンゲルは、思わず叫びだしてしまった。

「嶋さん、思い出してください・・・! 貴方は俺を闇から救ってくれた・・・! その貴方が闇に堕ちてどうするんだ!?」
だが、タランチュラアンデッドは攻撃を止めなかった。

「カテゴリーQ・・・、貴方は俺に生きることの意味と誇りを教えてくれた、気高い戦士のはずだ!」
操られたタイガーアンデッドも誇りを忘れてしまったのか。

「カテゴリーJ!お前だってそうだ! たった一度だけど、俺たち一緒に戦った仲間だろ!?」
エレファントアンデッドも記憶など知ったことかと言わんばかりに襲いかかる。

更に追い討ちをかけるかのように、突如怪人が現れた。


「アレは・・・、まさか・・・!?」

上城睦月はその姿に見覚えがあった。
嘗て、四人のライダーが力を合わせてようやく倒せた地獄の番犬の名をもちし怪物。それと瓜二つだった。

「これぞ、天王寺の置き土産。試作品のケルベロスだ。便宜上、我々はケルベロスMkⅡと呼んでるがね・・・」

ケルベロスは猛スピードでレンゲルを攻撃し、地べたに這い蹲らせる。

「さぁケルベロスMkⅡよ!トドメを刺せ! そして、二体のジョーカーも封印し、我々が世界の覇者となるのだ!」

(あの人達を、封印するだと・・・?)

ボロボロのレンゲルは、その言葉を聞いて闘志の炎を蘇えらせた。人間の中で幸せに生き続けている彼を、そして全てを背負って今も戦い続けている先輩を、封印などさせない・・・!

「絶対に、絶対にそんなことはさせない!」

倒れていたレンゲルに力が戻る。そして、魔犬を物凄い勢いで叩き出す。その勢いに、魔犬は押されてゆく。

「相川さんを・・・、剣崎さんを・・・! みんなの想いを踏みにじらせてたまるか!」

大切な仲間のためにレンゲルは吠える。その叫びは、三体のアンデッド達の中の『何か』を動かした。

睦月にその爪を向けようとしたその瞬間、三体のアンデッドはまたもや動きを止めた。一向に進まない戦況に業を煮やし、タナカは吠える。

「・・・何をしているアンデッドども! さっさとケルベロスに加勢しろ!」


だが、エレファントアンデッドがタナカの方へと向き直り言った。

「・・・めんどくせぇなぁ!」

鉄球を投げつけながら、気怠そうに。

「バ、バカな・・・!?」

すんでのところで鉄球を避けたが、タナカは動揺していた。

まさか、自分のリモートが破られるなんて・・・!

「睦月くん、我々にも聞こえたよ。君の風の声が・・・。君の想いが、私達の呪縛を破ってくれたんだ・・・!」

「すまない睦月・・・。この借り、戦いで返す!」

三体のアンデッドは、一気にケルベロスMkⅡへと襲いかかった。エレファントの鉄球がケルベロスに鉄槌を与え、タランチュラの毒爪がケルベロスの動きを鈍らせる。そして、タイガーの爪がケルベロスの肉を抉りとった。

うずくまっていた睦月は、アンデッド達がレンゲルと共闘している場面を目にし、大いに驚いた。

「すごい・・・。レンゲルさんの、思いが通じたんだ・・・!」
睦月は驚いた。

上城睦月の仲間を思う心が、あの怪物たちをも動かしたことに。

(私も、友達を、吹雪ちゃん達を助けなきゃ・・・!)

上城睦月の心の叫びは、睦月にも種を蒔いていた。その種が芽を出すのも、時間の問題だった。

やがて怪物達の猛攻により、ケルベロスMkⅡは動きが止まった。封印の準備が完了した。

「今だ睦月、ヤツを封印しろ!」

「はい!」

レンゲルはコブラの描かれたカードをスキャンさせた。

『Bite』

コブラの力がレンゲルに宿り、彼は挟み蹴りを放って何度も何度も魔犬を蹴り飛ばし、止めを刺した。

その蹴りを受けて、ケルベロスのバックルが開き、完全に動きが止まった。彼はカードホルダーから万能封印カード・コモンブランクを取り出し、ケルベロスMkⅡへと突き刺した。

魔犬はカードの那珂に吸い込まれ、そのカードには赤いエースの紋章を守る、三つ首の赤い魔犬が刻まれた。


「上城さんの言ってた優しい怪物さん達って、あなた達だったんですね!」と睦月。

恐ろしい外見だったが、彼女はこの怪物たちの中に秘められた優しさを実感していた。

「変なもんだなぁ・・・、人間に褒められちまうなんて・・・」

「グズグズしてる暇はない、行こうか・・・」

「はい!」

レンゲルと睦月、そして三体のアンデッド達は先に進もうと動き出した。

「ケルベロスMkⅡが倒れるとは・・・、やるねぇ・・・!」

一方、タナカは自らの配下があっけなく倒れたにも関わらず、悠々としていた。

「タナカ、諦めろ!」

「我らの誇りを傷つけた罪、償ってもらうぞ!」タイガーアンデッドが爪を研ぎ、タナカに詰め寄ってゆく。

「ふふ・・・、切り札は最後まで取っておくものだよ!」
タナカは慌てた様子もなく、指をパチンと鳴らす。すると、何処からか財団Xの兵士が現れ、蒼いメモリを取り出してその逞しい胸板に突き刺す。

『Ocean!』

次の瞬間、兵士は大量の海水に包まれ、巨大なクジラの怪物となって空に浮かんだ。その身体にはフジツボのような砲塔が無数に張り付いていた。

「行け、オーシャン・ドーパント!」

主の命令に従い、オーシャン・ドーパントは砲塔にエネルギーを充填する。

「くっ・・・!」

これまでか・・・。レンゲルは一斉掃射に死を覚悟した。睦月を庇いうずくまるが、恐らくそれも無駄に終わるだろう。

砲撃音が次々と打ち出されてゆく。

アニメ艦これのファンには悪いが、この展開は正直スカッとした


だが、砲撃音が止んでも、睦月とレンゲルは無事だった。

「めんど・・・くせぇなぁ・・・」
彼を、三体のアンデッドが腕を開き、身を挺して庇っていた。その体からは、閃緑の血が滝のように流れていた。そして、ウロボロスの刻まれし彼等のバックルは全て大きく開いていた。

「今だ睦月くん。私達を封印するんだ・・・」嶋昇の姿になり、タランチュラは静かに言った。

「でっ、でも・・・」
レンゲルは逡巡した。嶋さん達は俺のせいで封印されたのに、再び彼らを封印するなんて・・・

「気にしないでいい。我々はまた眠ることに異論はないさ・・・」

「嶋さん・・・」

「めんどくせぇから早くしてくれ。俺は戦いが嫌いなんだ・・・」とエレファントアンデッドは気怠そうに言う。

レンゲルは暫くの間ためらったが、結局彼にはアンデッド達の願いを無視することはできなかった。

ベルトのカードホルダーから三枚のプロパーブランクを引き抜き、震える手で三体のアンデッドに突き刺す。

「じゃあな・・・」とエレファントアンデッド。

「忘れるな睦月・・・。自分との戦いは決して終わらない。光と闇、両方抱えて、戦い続けろ・・・!」カードに吸い込まれる瞬間、タイガーアンデッドは美女の姿になって言い残した。

「たくましくあれ・・・」と、最期に嶋昇の姿でタランチュラは言った。

三体のアンデッド達はカードに封印され、レンゲルの手元にはK,Q,Jの三枚のカードが揃った。

黄金の象、鋼の虎、そして光輝く大蜘蛛が描かれていた。

「嶋さん、カテゴリーQ、カテゴリーJ・・・!」

レンゲルは身体を震わせ、じっと3枚のカードを見つめた。

「上城さん・・・」

睦月は、仮面の下で上城睦月が泣いている姿が見えた。その気持ちは、同じく友を失った彼女にも痛いほど伝わってきた。


直後、オーシャン・ドーパントが第二砲撃の準備を整えつつあることにレンゲルも気づいた。

躊躇っている暇はない。彼は二枚のカードを取り出した。

虎と象のカードだ。その中には、共に戦った二体のアンデッドの想いが、魂が詰まっている。

「今こそ俺と共に戦ってくれ・・・。カテゴリーJ、カテゴリーQ!」

『ABSORB QUEEN』

レンゲルはラウズアブゾーバーを起動し、その中にカテゴリーQのカードを装填する。そのアブゾーバーは、相川始が彼に手渡したものだった。

「させるかぁ!!」

オーシャンは第二砲撃を発射した。


『FUSION JACK』


ゾウのカードを読み込ませた瞬間、金色のゾウの幻影が飛び出し、雄叫びと共にレンゲルと融合する。

次の瞬間、レンゲルの身体は筋骨隆々の姿に変化していた。

その上半身はゾウの腕のごとく逞しくなり、肩には象牙のような突起が備わっていた。

そしてその強さを誇るかのように、杖の先端には鋭い刃が宿っていた。

ここに、レンゲル・ジャックフォームが誕生したのだ。

「なんだと・・・!?」

驚いたオーシャンは狙いが反れてしまった。僅かに当たった砲撃も、その強靭な鎧には傷一つつけることができない。

レンゲルは睦月を下がらせ、モグラと白熊の描かれた2枚のカードを取り出し、杖にスキャンさせた。


『Screw,Blizzard, Blizzardgale!!』


モグラがドリルのような腕を回し、白熊が猛吹雪を放つ。その2体の力が杖に吸い込まれてゆく。

レンゲルはその巨体から考えられないような跳躍力で飛び上がり、オーシャン・ドーパントに向かって杖から強烈な冷気の竜巻を放った。

その冷たい竜巻によって、巨大なクジラの怪物は凍りついてしまい、自重でゆっくりと地上へと落ちてしまった。

地響きを立てて着地したレンゲルは、その隙を逃さない。荒々しく突進し、その回転をかけた強烈な拳で凍りついた怪物を殴りつけた。

その衝撃に怪物は耐え切れなかった。体内の燃料部分に引火し、火を吹いて爆散した。

オーシャンのメモリは崩壊し、怪物は兵士の身体へと戻った。


無人と思われていた港には、怪物達が勢ぞろいしていた。
いつのまにか、魔犬は鎮守府基地の頂上に移動していた。その頂上で遠吠えをする狼のごとく吠え始めた。

その咆哮に呼ばれ、あらゆる怪人達が現れ、レンゲル達を囲んだ。
「イカデビル!」

「シオマネキング! アヒアヒアヒ・・・」

「大怪人ビシュム!」

「カメバズーカ!」

「最強怪人・グランザイラス!」

「ユートピア・ドーパント」

「サジタリウス・ゾディアーツ!」

「グレムリン・・・!」

「マンモス怪人」

怪人達がレンゲルの前に現れ、名乗りを上げる。

地に、空に、海に、無数の怪人、怪物が蠢いていた。

オーシャン・ドーパントももう一体出現し、空には巨大な翼竜、カニや海竜のような怪人も見られた。

そして海には、無数の深海棲艦がその不気味な姿を現していた。
「平伏すがいい。這いつくばるがいい・・・。これが財団Xの総力を挙げて作り出した、最強再生怪人軍団だぁ!!」

まず、サジタリウス・ゾディアーツが弓を撃つ。降り注ぐ無数の光の矢の雨がレンゲルを貫いた。

「うわぁぁぁぁ!!」

そのあまりの猛攻には、ジャックフォームの堅い装甲も役に立たなかった。それでも、レンゲルは血だらけになりつつも、なんとか睦月だけは傷一つつけずに守りきっていた。

身体はもう限界に近い。それでも、レンゲルは立っていた。

負けられない。その思いが彼を奮い立たせていた。
「俺は、俺は負けない・・・!」
「戯言を・・・! とどめだ! 戦艦ども、一斉掃射!」

無数の砲弾がレンゲルと睦月を襲った。

「もう、ダメなの・・・?」

睦月が死を予感し、頭を抱えて身を伏せた。

「諦めちゃダメだ! 友達を助けるんだろ!?」

レンゲルは尚も立ち上がり、彼女の盾になり続ける。ボロボロにされても、その意思は揺るがなかった。

「睦月ちゃん。運命を言い訳に諦めちゃいけない・・・! 友達を助け出すまで、諦めちゃダメだ!」

「上城さん・・・」
睦月はその不屈の闘志に支えられた。

負けるかもしれない。でもそれでもいい。最後まで立ち上がって、戦おう・・・!彼女もまた、弱々しい小鹿のように立ち、震える手で機銃を構えた。その目には、運命に抗う者の強い意志が宿っていた。

それでも砲撃は容赦なく彼らに放たれる。無数の弾丸が彼らを貫こうとしていた。






その時不思議な事が起こった。


すみません、

>>35>>36の間に以下の文章を入れ忘れてました

こちらを脳内変換で入れていただければと思います。





「お前の手駒はもうない! 観念しろ!」とレンゲル。

「まだだ、まだ終わらんよ・・・!」タナカは再び指を鳴らし、更なる増援を呼んだ。

「何・・・!?」

巨大な四足歩行の獣が吠えた。次の瞬間、レンゲルと睦月は数十メートル先の格納庫のシャッターまで突き飛ばされた。
二人の目の前には、全長10m程度の、三つ頭の巨大な醜い犬が目の前に立っていた。
真ん中の首の額にはセーラー服を着た少女が融合し、取り込まれていた。

吹雪だった。その目には光はなく、ただ虚ろな表情だった。
「吹雪ちゃん!?」

「おぉ、すばらしいよ吹雪、いやケルベロスⅢ! 私を助けてくれるとは!! さぁ吹雪、私と一つになろう・・・!」

気持ちの悪い笑みを浮かべ、タナカは腕に取り付けられたカードリーダーに奇妙なカードを差し込んだ。

「へんしん・・・!」
次の瞬間、タナカの身体はドロドロに溶け出し、ケルベロスに飲み込まれた。
そして、魔犬の胸の部分にタナカの顔が浮かんだ。

「ゆ、融合した・・・!?」

「私だけではないぞ、見るがいい!!」

レンゲルは驚愕の光景を目にした。

「キングストーンフラッシュ!!」
何処からか輝く力強い光。それが怪物達に降り注ぐ。あまりの眩しさに彼らは目がくらみ、その歩みを止めた。

その一方で、その光はレンゲルに暖かな力と安らぎを与え、傷を癒した。まるで、優しく強い太陽の光のようだった。

『Luna,Trigger!!』
『Launcher,On』
『Defend...Please!!』

さらに無数の砲弾は、どこからか飛んできた奇妙な軌道を描く銃弾が撃ち落した。
艦載機達はミサイルが寸前で弾き飛ばし、撃ち漏らした砲弾もレンゲル達の前に現れた石の壁が全て弾き返してしまった。

「ったく、世話の焼ける先輩だな・・・」
「フフ、キミが一番心配してたくせに・・・」
「バッ・・・うるせぇよ、フィリップ!」

青と黄色のはんぶんこ怪人が現れる。彼は左と右の目をそれぞれ光らせながら別々の声で喋り始めた。まるで独り言を言う変人のように。

「大丈夫ですか、レンゲル先輩!?」

「これ以上、俺のダチに手は出させねぇ!」

「ふぃ~、ぎりっぎりセーフ・・・!」

三色の戦士、白い戦士、そして赤いマントの戦士も現れた。

そしてさらに、レンゲル達を庇うかのように、別の仮面ライダー達がその前に立ちはだかっていた。

「仮面ライダー1号!」雄々しく腕を伸ばし1号が立つ。

「仮面ライダー2号!!」拳を構え2号が勇姿を見せる。

「仮面ライダー、V3ィィッ!!!」指をVの字にしてV3が現れる。

「ライダーマン!」右腕の武器を携えたライダーマンが叫ぶ。

「Xライダー!」左腕を前に構えてXライダーが降臨する。

「仮面ライダーアマゾン!」野獣の如くアマゾンが吠える。

「天が呼ぶ。地が呼ぶ。人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。俺は正義の戦士! 仮面ライダーストロンガー!」

そして、悪に雷を落とさん勢いでストロンガーが現れる。

伝説の七人、栄光の七人ライダーが勢ぞろいしたのだ。

それだけではなかった。

「仮面ライダースーパー1!」宇宙に届かんくらいの叫び声をスーパー1があげる。

「俺は太陽の子! 仮面ライダーBLACK RXッ!!」

黒き光の戦士・RXも立っていた。


「財団X! 罪も無き命達を弄び、無垢な少女達を兵器として利用するなどっ、この俺がゆ゛る゛さ゛ん゛!」

新たに現れた、13人の仮面ライダーを見て、クジラの怪物が動揺して吠える。

「キサマら、なぜ此処にぃぃっ!?」

「決まってんだろワン公! お前ら財団Xの、後始末だよ・・・!」
「まったく、呉やら舞鶴やら横須賀やら、出張だらけだね・・・」

はんぶんこ怪人こと仮面ライダーダブルの右と左がそれぞれ交互に話し出す。

「誰かが助けを求める時、俺達仮面ライダーは必ず手を伸ばす!それだけのことだ・・・!」

三色の仮面ライダー、オーズが力強く宣言した。

「財団X!これ以上俺のダチに手出しはさせねぇ!」

白い仮面ライダー、フォーゼが拳を突き出し言い放った。

「もう目の前で誰ひとり絶望させない・・・! 俺が、俺達が・・・、最後の希望だ・・・!」

赤いマントの仮面ライダー、ウィザードが熱い意志をこめて叫んだ。

四人の仮面ライダー達がそれぞれ宣言する。

「深海棲艦・・・」「そして財団X・・・」
「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」

「さぁ、ショータイムだ!」

「仮面ライダーフォーゼ、タイマン張らせてもらうぜ!」

「いや、タイマンじゃなくて乱戦じゃないのかな・・・? ま、いっか!」と、オーズ。

「かかれぇぇぇっ!!」

掛け声を受け、無数の怪人達がライダーに飛びかかった。


仮面ライダーと怪人達の乱戦が始まった。海で、陸で、空で、あらゆる場所で戦いの炎が上がる。

そのさなか、RXがレンゲルの前に立ち、
「レンゲル!ここは俺に任せて、その子を連れて早く行け!」

「はい・・・!」

レンゲルは力強く頷く。

その答えを聞いたRXは満足げに頷き、

「いくら俺達に力があろうと、捕らえられた少女の心を救うのは、あの子の友にしかできん! 早く連れて行き、救いだすんだ!」

「はい! 必ず、助け出します!」

そしてRXは少女に向き直り、「いいな・・・、必ず君の友達を助け出すんだ! 俺にできなかったことを、君がやってくれ・・・!」と、その肩を優しく叩いて励ました。

「・・・分かりました! 私・・・、必ず吹雪ちゃんを助けてみせます!」
睦月はレンゲルに背負われ、突き進んでいった。

RXはその光り輝く太陽の杖・リボルケインで、行く手を阻む怪人達を次々となぎ払い、ケルベロスの元へと進んでいった。



7人の仮面ライダーの向かう所に、敵はなかった。いや、この7人のあまりの強さに、どんな怪人も敵うことすらなかった。

シオマネキングはストロンガーの稲妻を帯びた鉄拳に痺れ、イカデビルの触手はアマゾンによって切り裂かれた。

サジタリウスの放った矢はライドルスティックによって全て弾き落とされ、空から襲いかかろうとしたビシュムはライダーマンのロープアームによって捕縛されて叩きつけられる。

V3の拳がマンモス怪人のキバを折り、カメバズーカは大砲を発射する前に2号の拳を受けて転倒した。

そして1号の徒手空拳が最強の怪人、グランザイラスを吹き飛ばした。

狼狽えながら、巨大な白いイカの怪人が叫ぶ。
「何故だ・・・!何故貴様ら仮面ライダーはいつも邪魔をする!? 人間、艦娘・・・、どちらもつまらぬ生き物・・・、我等がどう操ろうと勝手ではないか?」

「わからんのか!?」

「なにがだ・・・!?」イカデビルは言う。

「俺達が人を守るのに理由などいらん!」1号が叫ぶ。
「俺達はずっと昔からそうやって戦ってきた。それだけのことだ!」2号が拳と熱い想いを叩き込む。

「あいも変わらず馬鹿なヤツ等め・・・。人は常に悪に、終末の闇に落ちる・・・。貴様らがいくら守ったところで無駄なのだよ!」とイカデビルが嘯く。
だが仮面の戦士たちはそんな言葉に惑わされたりなどしない。

「フッ・・・。邪悪に落ちた者には、限りある命を輝かせる人の価値など分からんだろうな!」と、V3。

「確かに人は闇に落ちることもある・・・。だが、闇の中で光を取り戻すこともできる!」ライダーマンが叫んだ。

「それを見守り、手を差し伸べるのが俺達の使命だ!」とXライダー。

「アマゾン、トモダチマモル! ズット・・・!」アマゾンが吠える。

「こんなところで倒れていたら、ユリ子やおやっさんに顔向けできんからな!」とストロンガー。

栄光の名をもちし七人の戦士は、あっという間に怪人達を追い詰めていった。

「みんな行くぞ!」

「おう!」

1号の叫びとともに7人が宙へと飛び上がる。

「ダブルライダーキック!!」1号と2号が怪人にダブルライダーキックを浴びせ、

「V3きりもみキィック!」V3がきりもみ回転から強烈なキックを放ち、

「ロープアーム!」ライダーマンがロープアームで敵を打ち付け、

「Xキック!」高空で大車輪のように回転したXの必殺キックが炸裂し、

「スーパー大切断ッ!」アマゾンの斬撃が敵を切り倒し、

「ストロンガー、電キック!」雷電の力を帯びた必殺キックをストロンガーが繰り出す。

伝説の七人の必殺技が、怪人達に同時に炸裂した。

「おのれ・・・、仮面ライダーどもぉぉっっ!!!」

再生怪人達は、断末魔の雄叫びと恨み言を天に木霊させ、爆発した。



深海棲艦と怪人の連合軍が業を煮やし、レンゲルめがけて突進してゆく。軍団は量産されたグランザイラスとトライセラトップス・ドーパント、そして深海棲艦によって形成されていた。

だが、その前にスーパー1とRXが並び立つ。
「レンゲルの邪魔はさせん、リボルケイン!!」

RXは、光り輝く杖・リボルケインを取り出した。

「はっ!!」
光の杖を振り回し、瞬く間に角竜怪人達を薙ぎ払ってゆく。
怪人たちはあっという間に角を折られ、身体を貫かれ、次々に倒れてゆく。やがて、100を超えていた角竜怪人兵団は、あっという間に絶滅させられてしまった。

「ウォノレェェェェェ!! ムジゲラドゥモブェ・・・!!」

戦艦棲鬼や泊地棲鬼が業を煮やし、RXめがけて砲弾を発射する。

速い。避けきれない。スーパー1がRXの危機を予感した。

「ふんっ!」
だが、RXは一瞬でその姿を変える。ベルトが唸り、その姿は黒から橙色へと変わった。
「俺は炎の王子、RX・ロボライダー!」
RXは無敵の鎧を纏いし戦士、ロボライダーになった。その鋼の身体にはどんな砲弾も通じない。
なおも必死に深海棲艦達が機銃を浴びせるが、まるでビニール製のボールに当たったかのごとく平然としており、ロボライダーに何一つ影響は見られなかった。

「そんなものでこの俺を倒せると思ったか! ボルテックシューター!」

ロボライダーは必殺銃・ボルテックシューターを手に取る。正確無比の射撃が次々と深海棲艦の急所を撃ち抜き、爆破していった。

たちまち、RXの周囲は深海棲艦の残骸だらけとなってしまった。

「・・・もうアイツ一人でいいんじゃないかな?」

RXのあまりの強さに、スーパー1は思わず呟いてしまった。そんなことを考えていると、目の前には巨大な怪人の大群が並んでいた。

「・・・おっと、冗談を言っている場合ではないか!」

スーパー1の拳が、怪人達を次々となぎ払ってゆく。彼に襲いかかる戦艦棲鬼や空母棲鬼の牙を砕き、次々と怪物達を打ち砕いた。

「この拳、この命は、人の夢のために! 今は少女たちを守るため、振るわせてもらおう!」

スーパー1は跳躍し、遥か上空へと飛び上がる。月にも届くような、遥か空の果てであった。

そして、スーパー1はそのまま急降下し、かのルーデルの如く強烈なライダーキックを放った。

「スーパーライダー月面キィック!!」

そのキックにはさしもの南方棲戦鬼達も耐えられなかった。

深海棲艦達はことごとく引火して燃え上がり、爆散していった。



その頃、四人揃ったダブル達は、海で、陸で、空で、怪人の大群と戦っていた。

ルナトリガーとなったダブルは空飛ぶバイク・ハードタービュラーに跨り、銃撃で次々と深海棲艦の艦載機達を落としてゆく。

やがて、その目線は空中に浮かぶ巨大な鯨へと向けられた。

「おっと!」

だが、緑色の鳥の怪人や、巨大な翼竜の怪人軍団が彼に襲いかかってきた。次々と火球や弾丸で彼らに迎撃する。

「ケツァルコアトルスにバードか・・・。懐かしいね・・・」
「ったく、ちょこまかと・・・!」

ルナトリガーで対抗するには、流石に数が多すぎた。

「翔太郎、サイクロンとメタルだ」
「あぁ・・・!」

ダブルは青と黄色のメモリを外し、代わりに緑と銀のメモリを取り出してベルトに装填した。

『Cyclone,Metal!!』

その瞬間、黄色と青のダブルは緑と銀の色に、サイクロンメタルに変化した。その手に鋼鉄の杖・メタルシャフトが生成される。

「さぁ行くぜ、小鳥ちゃん共!」

風の力を得たメタルシャフトは防御力が強化される。サイクロンメタルは攻撃力や防御力が増強される反面、スピードが少し鈍るのが欠点だが、ハードタービュラーの性能がそれを補っていた。

ダブルは次々とメタルシャフトを振るい、空飛ぶ怪人達の火球を叩き落としてゆく。その後、彼らは銀のメモリをメタルシャフトに装填した。

「これで決まりだ・・・!」
『Metal,MaximumDrive...!』

「「メタルツイスター!!」」
二人の声がハモリ、暴風を帯びたメタルシャフトが高速回転する。

ダブルはハードタービュラーに乗りながら、筋斗雲で突撃する孫悟空のごとく、ケツァルコアトルス・ドーパントやバード・ドーパントに次々と鉄槌を下してゆく。

空飛ぶ怪人達は、次々と空中で爆炎に包まれていった。

メモリが抜け、その素体となっていた海鳥たちが飛び出る。彼等は爆風に怯え慌てて戦場から逃げ出し、ハードタービュラーやダブルの頭の上に避難した。


怪人を剣でなぎ払いつつ、空の様子を見ていたオーズは飛行戦力がほぼ全滅したことを悟り、3枚のメダルを取り出す。

「アンク、行くよ・・・!」

オーズは鳥の模様が刻まれた三枚の赤いメダルをベルトに装填した。

『タカ! クジャク!! コンドル!!! タ~ジャ~ドル~!!!』
不思議な歌が詠唱され、炎に包まれたオーズは翼を持った赤い姿になった。孔雀のように羽を広げ、コンドルのように凛々しく飛び立ち、そして鷹のように力強く羽ばたいてゆく。

オーズは、オーシャンの巨体にも全くひるまず、機銃を全て避けながら残った艦載機や飛翔する怪人に炎の弾を浴びせてゆく。

彼には守らねばならない約束がある。それが彼をより一層強くしていた。未来で再び会うあの男の為にも、彼は負けられないのだ。

「おのれ、ちょこまかと・・・!」

オーシャンは砲塔にエネルギーを蓄積し、一気に掃射しようとする。
「おっと、後輩たちにばっかカッコつけさせねぇぜ・・・!」
『Luna,Trigger!』

再びダブルは青と黄色のメモリを装填して青と黄色のルナトリガーへと姿を変え、構えた銃にメモリを装填する。
『Trigger! MaximumDrive...!!』
「「トリガー、フルバースト!!」」

青と黄色のダブルが銃を構え、次々と発射する。くねくね曲がる無数の銃弾が正確に砲塔を打ち抜き、全て壊した。

「今だ、オーズ!!」

「ありがとうございます、翔太郎さん!フィリップさん・・・!」 

「気にすんなって。ライダーは助け合い、だろ?」と、ダブルが指でポーズを取る。

オーズは頷き、さらに上空へと舞い上がる。

そして、左腕の円盤・タジャスピナーに3枚のメダルを嵌め込み、右腕のもう一つの円盤・オースキャナーで左の円盤をスキャンさせた。

『タカ! クジャク!! コンドル!!! ギンギンギン!!!ギガスキャン!!!』

燃える翼を誇る鳳凰を纏い、オーズは天高くから左腕の円盤を構え、突撃する。

「セイヤァァーーーーッ!!!」

鳳凰の突撃、マグナブレイズが巨大なオーシャン・ドーパントを貫いた。その衝撃と業火に耐え切れず、クジラの怪物は天空で派手に爆発した。

「ふぅ・・・」

オーシャンを撃破したオーズを見て、満足げにダブルの左がため息を付いた。だがその瞬間、頭の上に止まっていた海鳥が、白い落し物をダブルにプレゼントした。

「うわぁぁぁぁ!!」
「恐らく戦いの場から離れて安心したんだろう。興味深いねぇ・・・!」
「どわぁああぁぁっ!! 俺の頭がぁぁ!!」

先程の華麗な戦いぶりは何処へやら。ダブル、いや左翔太郎は情けない醜態を晒した。



フォーゼはユートピア・ドーパント、グレムリンと交戦していた。

ユートピアのその手はあらゆる希望や生気を吸い取る。だが、フォーゼの拳を受け止めても、何も吸い取れない。逆にフォーゼに横面を殴られ、無様に大地に転がった。

グレムリンも刃を振りかざし襲いかかるが、逆に刃を叩き折られるだけだった。

「なぜだ!? なぜ何も吸い取れん!?」と、ユートピアが虚しく叫ぶ。

「決まってんだろ!」フォーゼが答えた。

「俺たちの友情パワー、青春のパワーは無限大だ! お前が吸い取れるほどちゃっちぃもんじゃねえ!」
「わ、わけがわからん・・・!」

フォーゼの言うとおりだった。友情とは、言葉では説明しきれない、無限に広がる大宇宙のようなもの。

故に、時にそれは無限に近いパワーを生み出す。フォーゼの友情パワーは、まさに無限大だった。

「俺達はこれからも進んでゆく!

希望を胸に! 
ずっと!! 
仲間と!!!」


フォーゼを倒そうと、深海棲艦達も群がってくる。それに気づいた白い戦士は、蒼いスイッチをベルトに装填した。

『SuperLauncher,On』

そのスイッチを装填し、フォーゼは蒼いランチャーステイツに変身した。両肩と両脚にミサイルランチャーが備わった形態だった。

まさか、卒業式の再現になるとは彼も予想だにしていなかった。

彼は迫り来る怪物達に対峙し、ベルトのレバーを引いた。

『Limitbreak!!』
「ライダーフルブラストファイヤー!!」

無数のミサイルが放たれ、その全てが怪人達に命中する。

絶望の魔人と理想郷を謳いし者は共に爆散した。襲いかかってきた深海棲艦達もまた、ミサイルの雨に襲われて爆死した。



「希望を、ずっと、仲間と・・・、か・・・!」
さすが先輩だな。ウィザードが素直に敬意をこめて、呟いた。

その目の前に、巨大なクラーケンのような怪物とカニのバケモノが襲いかかる。メズール暴走体とキャンサー・ノヴァだった。走行空母姫や中間棲鬼も、攻撃の準備をしようとしていた。

だが、ウィザードは全くひるむことなく、その攻撃をかわしてゆく。まるで踊るように、軽やかに。

「さぁ、ダンスタイムだ・・・!」マントを風に舞わせ、ウィザードは蒼い指輪を取り出し、ベルトにスキャンさせた。

『Water,Dragon...! Jabajababasshaan! Zabunzabuun!!』

魔法陣がウィザードを包んだ後、蒼い竜が水しぶきをあげながら彼を包み、ウィザードは蒼き竜戦士・ウォータードラゴンへと強化変身した。彼は驚く怪物達に隙を与えない。

『Chooiine! Blizzard...Saikooooou!』
ウィザードは直ぐ様指輪を付け替えて氷の魔法を発動する。

詠唱と共に、その手から強烈な冷気が放たれた。その猛吹雪が海面ごと巨大な怪物や深海棲艦を凍らせてしまった。それはまるで、氷の芸術のようだった。

その後、スケートのようにウィザードは凍った海を滑り、巨大な氷像達の元へと突進する。

「フィナーレだ!!」
『Special,Saikoooou!』
ベルトが魔法の呪文を唱えると、蒼い竜の幻影が現れ、ウィザードに重なる。そして、ウィザードは巨大な龍尾を身体に宿した。

尾がうねり、何度も氷を砕く。そのまま、ウィザードは天へと舞い上がった。この場にスケートの審査員がいれば、恐らく誰もが満点を与えたことだろう。

「今のアタシと書いて、冷凍ガニと説く!!」突如、キャンサー・ノヴァが口を開く。凍りつきながらも、僅かに話すことぐらいは可能だった。

「そのこころは!?」ウィザードが尋ねた。

「ははっ、『こおり』ゃ『かに』ゃわない!」

「・・・はぁぁっ!」

ウィザードは座布団の代わりに、メズールとキャンサー・ノヴァ、そして深海棲艦達に次々と龍尾の一撃・ドラゴンスマッシュを放った。

氷漬けの巨大な怪物達はドラゴンの力で粉々に砕け散った。その破片は宙に舞い上がり、凍った海に雪を降らせた。まるで、美しい雪原のような風景だった。

「ふぃぃ・・・・」

目の前の敵を撃破し、降り積もる氷雪の中でウィザードはため息を付いた。




レンゲルは睦月を左腕に抱え、遠くへ逃げ出したケルベロスⅢのもとへ向かってゆく。重い足音が大地を揺らしてゆく。

目指すは鎮守府基地の屋根の上で、我が物顔に戦場を見つめるケルベロスだけだ。

「一気に決める・・・!」

彼は三枚のカードを取り出し、カードリーダーに読み込ませる。

『Rush,Blizzard,Poisson, Blizzardvenom』
列車のような犀が鼻息を鳴らして吠え、凍れる白熊が吹雪を巻き上げ、毒蠍が毒を撒き散らす。

「せぇぇやぁぁぁ!!」

レンゲルは強力な冷気を杖から放って動きを止め、突進して毒の力を打ち込んだ。

だが、ケルベロスⅢは平然としていた。氷の戒めすらも、すぐに破ってしまう。

「きっ、効かない・・・!?」

「ハハハ! 私と嫁が合体したケルベロスⅢに、ライダーごときが適うわけがない・・・!」

魔犬は嗤いながら、三つの頭から怪光線を放った。
「ぐはっ・・・!」
「きゃぁぁぁっ!!」

レンゲルが光線を浴びてしまい、睦月を手放してしまう。なんとか睦月は着地できたが、レンゲルはそうはいかなかった。

直ぐ様魔犬が倒れた彼を踏みつけ、ジリジリと傷つけてゆく。

「上城さん!」

「ぐっ・・・!」

流石に直接対決では、10m以上もあるであろう魔犬に力比べでは勝てない。レンゲルはいいように弄ばれていた。

踏みつけの拷問に飽きた魔犬は、動きの鈍ったレンゲルを咥える。そして、そのまま鈍い音を立てて噛み砕き、下に投げ捨てた。




レンゲルがいなくなり、睦月には何一つ盾がなくなった。だが、それでも睦月は怯むことはなかった。一歩ずつ、ケルベロスの前へと歩み寄ってゆく。

「睦月、諦めるがいい・・・! まぁ、今生の別れぐらいはさせてやろうか」

ケルベロスⅢは睦月を噛み砕こうとすらしなかった。最早、勝った思い込み、余裕を見せているつもりなのだろう。

「吹雪ちゃん・・・! お願い目を覚まして!!」

「睦月・・・ちゃん?」

吹雪は、焦点の定まらない目で睦月を見つめた。

「吹雪ちゃん! 私だよ!睦月だよ! 今助けるから!」

「ごめん、もう無理みたい・・・。私はいいから、逃げて・・・」

吹雪は既に何もかも諦観していた。艦娘の真実を伝えられて、彼女は絶望していた。

何もかも、自分が頑張ってきたことは全て茶番だった。その絶望が、彼女から全てを奪い取っていた。

「いや! 絶対に逃げないよ!」

それでも睦月は吹雪に叫び続ける。彼女はなんとしても友達を救いたかった。

彼女の心を、仮面ライダーレンゲルが知らずのうちに支えていた。彼の勇姿が、同じ名を持つ少女にも勇気を与えていたのだ。

「いいよ・・・。どうせ私、もう役にたてないもん・・・! 私なんか、こうなるのが運命だったんだから・・・」

「そんなの関係ない! 私は吹雪ちゃんを・・・、友達を守りたい! もう二度と、誰も失いたくなんかないの!」

「睦月ちゃん・・・!」

吹雪はそれでも動こうとしない。

「みんなで一緒に帰ろう! 夕立ちゃんや金剛さん達と、みんなで!」

「くっくっく・・・。お別れは済んだようだな・・・! では死ね!!」

ケルベロスが左の頭で睦月を咥える。

「きゃあああ!!」

「睦月ちゃん!」

睦月は噛まれた。何とか拘束から逃れようとあがくが、牙は彼女を縛り続けた。

それでも、彼女に諦めるという選択肢はなかった。
「運命なんかに負けない・・・! 私、絶対に友達をあきらめないから・・・!!」

睦月は偶然自由になっていた腕を必死で動かす。

その手には12cm単装砲が装備されていた。その手を伸ばし、渾身の力でケルベロスの目に接射で弾丸を撃ち込んだ。

「ぐぉぉぉぉっ!」

当たった。さすがに至近距離からの目のダメージは痛むのか、ケルベロスは睦月を離してしまう。

睦月はなんとか着地し、そのまま吹雪を縛っていたワイヤーにも銃撃を放った。

吹雪を拘束していたワイヤーがちぎれ、腕が自由になる。そのまま吹雪は拘束から解き放たれ、ゆっくり下に落ちた。

「ぐぅ・・・、まさか・・・!?」

ケルベロスの体に生えていたトゲが抜け落ちてゆく。エネルギー供給源だった吹雪を失い、その体は少しずつ弱っていった。




ケルベロスに投げられたレンゲルは、鎮守府基地の真下に叩き落とされていた。

ケルベロスの牙と投げ飛ばされた衝撃で、レンゲルはジャックフォームから通常形態へと戻ってしまった。

身体は傷つき血だらけで、骨もあちこちが折れていた。
腹部も『あの時みたいに』損傷していた。牙が内臓にまで及んでいたのか、酷く痛む。

「ダメか・・・」

立ち上がろうにもこの体ではどうしようもない。動こうにも動けない。

やがて、レンゲルの、睦月の身体を、あきらめが、脱力感が包んでいった。

(やっぱり俺は、剣崎さんや橘さんのようには行かないか・・・)

弱い自分を自嘲したその時だった。



『睦月、お前は弱くなんかない・・・! 自分の闇に打ち勝ったじゃないか・・!』
剣崎の声が聞こえた。とても優しく強い声で励ましてくれてる。



『睦月・・・。お前の優しさは、強さなんだ。そんな強い男が、ここで倒れるはずがない。立ち上がるんだ・・・!』

『どうした上城睦月・・・、お前はこんな弱い人間じゃなかったはずだ』

橘さんと相川さんだ。二人とも相変わらず厳しいな・・・



『睦月、立って! 必ず帰ってくるって約束したじゃない・・・!』
望美の声が聞こえた。あのおにぎり、美味しかったな・・・



『めんどくせぇなぁ・・・。さっさと奴を倒して、俺たちを眠らせてくれ・・・』

『立て睦月! カテゴリーAに打ち勝ったお前が、こんなまがい物に倒されてどうする!?立ち上がれ!』

『睦月くん・・・、風の声に耳を澄ませるんだ・・・! 君を応援する声が聞こえないかい?』

カテゴリーJ,カテゴリーQ、そして嶋さんの声だ。



いや、それだけじゃない。

風の中から、微かだが、確かに声が聞こえた。


少し離れた場所から、高台から応援してくれる声が。



「がんばれー! 杖の仮面ライダー!!」

「がんばれなのでーす!」

「がんばれ・・・!」

「ほら、レディーに恥かかせる気!? もっとがんばりなさい仮面ライダー!」

声の聞こえた場所を振り返ると、少女たちがいた。さっき助けた艦娘達だ。

小さな少女達が、力いっぱいの応援の声を出して、自分を励ましてくれていた。

いや、それだけじゃない。

「がんばってください仮面ライダー!」

負けんなよ杖の仮面ライダー・・・!」

「ほら、もっと声あげて応援してー! 那珂ちゃんと一緒に! せーのっ!!」

「がんばるのじゃー、仮面ライダー!」

神通、川内、そして那珂が叫ぶ。

「仮面ライダー!!」
「がんばって仮面ライダー!」
「まけんじゃねぇぞ仮面ライダー!!」
「がんばれ仮面ライダー!」
「仮面ライダー!」
「仮面ライダー!」

彼女たち以外にも、たくさんの少女たちの応援する声が聞こえる。
仮面ライダーを、応援する呼び声を。


聞こえた・・・! 


俺を応援する声が・・・! 


支えてくれたみんなの声が・・・!

(そうだ・・・、負けられない・・・! 剣崎さんや橘さん、望美達のためにも・・・! そして嶋さん達のためにも・・・!)

「俺は・・・、俺は・・・! 俺は仮面ライダーレンゲルだ・・・!!」



レンゲルは身体の痛みを振り切って、再び立ち上がった。

人間の、人の心を持ちし者達の自由を守るため。自分を支えてくれた、大切な人達のため。

レンゲルは一枚のカードを取り出した。タランチュラが描かれた黄金のカードだ。

「一緒に戦ってください、嶋さん・・・!」
彼はラウズアブゾーバーに虎のカードを装填した。

『ABSORB QUEEN』

そして、タランチュラのカードをスキャンさせた。


『EVOLUTION KING』


その瞬間、金色に輝く大蜘蛛がレンゲルの身体と一体化した。蜘蛛は黄金の光を放ちながらレンゲルの鎧を修復し、至高の鎧へと変えてゆく。

光が止んだ瞬間、レンゲルは巨大なクローバーの刃を備えし杖を手にしていた。蜘蛛の意匠の強いその鎧は、各パーツが金色に輝いていた。

その胸には、嶋との絆の証が、大蜘蛛の紋章が刻まれていた。


遂に、仮面ライダーレンゲル・キングフォームが誕生したのだ!



一方、ケルベロスⅢは思い通りにならない兵器たちに怒りの叫びを上げた。

「おのれ吹雪・・・、貴様は私の嫁だ! 私の所有物だ・・・! 勝手な真似は許さん・・・!」

「いいえ! 私達は誰のものでもありません!」

睦月に支えられながら、吹雪が力強く言う。その目には力強い光が戻っていた。

「私達艦娘は、大切な人を守るために生まれました・・・! あなた達の邪な欲望のためなんかじゃありません!」

その時だった。

「ブッキー!よく言いマシター!!」

陽気な叫びとともに、海から砲弾が飛んできた。

「Hey、提督! ブッキーに告白するのはいいけど、時間と場所を弁えなヨ!!」

「我等ビッグセブンの誇り、今こそ見せてくれる!」

「お姉様、橘さん、長門さん、大和さん! 行きましょう!」

「あぁ・・・!」

「大和、推してまいります!」

長門、金剛、比叡、そして大和が並び立っていた。その隣にはジャックフォームとなったギャレンもいた。

金剛、比叡、長門、そして大和がその砲塔を構えた。同時に、ギャレンも三枚のカードを銃のカードリーダー部分に読み込ませた。

『Bullet,Rapid,Fire...BurningShot!!!』

「「「「クアトラプル・バーニング・ラァァァァブッッ!!!!」」」」


金剛達が、一斉に叫んだ。業火の連弾と四大戦艦の全弾砲撃がケルベロスに命中した。

「ぐぉぉぉぉぉ!!!」
彼女たちの支援砲撃により、巨大なケルベロスの身体が砕け、装甲の一部が崩壊した。体からは緑色の血が流れ出す。


だが、傷つきながらもなお、魔犬は唸り声を上げる。

「おのれ・・・。思い通りにならぬ吹雪など解体してくれる・・!!」


傷ついた魔犬はその巨大な牙を吹雪に向けた。

ダメだ、よけられない・・・! 吹雪と睦月は腕で顔を庇い、身をすくめたその時だった。

「そうはさせない!」レンゲルの巨大な杖が牙を受け止めた。

「な、なに!?」

レンゲルの新たな姿を見て、ケルベロスは驚愕した。

徹底的に痛めつけたばかりだったのに、この仮面ライダーは尚も立ち上がり、ケルベロスを倒そうとする。倒しても倒しても、更に強くなってゆく。その輝きを増しながら。

「何故だ!?何故、貴様は立ち上がれる!? もうその身体はボロボロのはずなのに・・・!」融合したタナカの顔が狼狽し、叫んだ。

レンゲルは毅然として言い放つ。

「俺は負けない・・・! 俺を支えてくれた人達のためにも! この子達を守るためにも!!」

「人間? 艦娘はただの兵器に過ぎん!」

「違う!」レンゲルが叫んだ。

「彼女たちは誰かを愛し、命を慈しむ心を持つ!その心があるなら、彼女たちも人間だ!」

「ぐ、ぐぅ・・・」

レンゲルの力が徐々に増してゆく。その勇姿は、ケルベロスの脳裏に恐怖を与えた。

どこからか睦月の中から力が湧いてくる。

誰かを護ろうとする、想いの力。

その力がレンゲルと上城睦月の融合係数を異常なまでに押し上げ、全身から力を引き出してゆく。

その力に押され、徐々に魔犬の牙は力を失っていった。


「そんな心優しき者達を守るために戦う、それが仮面ライダーだ!」


レンゲルは巨大な杖を振りあげ、魔犬を突き飛ばした。

「ぐぉぉ・・・!」

その巨体は数百メートル先の砂浜に吹き飛び、砂塵を巻き上げた。


「嶋さん・・・!」

レンゲルは五枚のカードを杖のカードリーダーに装填した。獏、象、虎、蜘蛛、蜘蛛。嶋達の想いが詰まった、レンゲルと彼らの絆の証だ。


『Club10,Jack,Queen,King,Ace...RoyalStraightFlash!』


5枚の紋章がケルベロスの前に縦列に並んだ。獏、象、虎、蜘蛛、蜘蛛。

そのカードが並んでも、傷ついたケルベロスは動けなかった。

並び立つ紋章に向かって、レンゲルが猛進する獣の如く走り出す。カードをくぐるごとに、その鎧と杖の、黄金の輝きが増していった。

「おうりゃあぁぁぁぁぁ!!!」

レンゲルはケルベロスⅢに無数の突きを浴びせ、杖の刃で何度も何度も切り裂いてゆく。

最後に、その急所に杖を突き刺し、大量のエネルギーを魔獣の体内に打ち込んだ!!

「ぐぅ・・・。おのれ、おのれ・・・、レンゲルゥ・・・!!」

レンゲルはさっと後ろに背を向け、杖を振り、構えた。

次の瞬間、ケルベロスⅢは緑色の血を吹きあげ、粉塵を撒き散らし、海面で花火のように大爆発した。

レンゲルは哀れな魔犬に背を向けたまま、静かに腰のバックルからカードを引き抜き、海へと沈みゆく怪物の残骸へ投げた。
巨大な魔犬はカードに封印され、レンゲルの手元に戻った。そのカードには、緑色のエースを胸に抱いたケルベロスが描かれていた。

「やったぁぁぁっ!!」

睦月と吹雪が、手を取り合ってその勝利を喜んだ。

爆炎が辺りを焼く中、そこには傷ついたタナカだけが浮いていた。

やがて、何時の間にか夜は明け、朝日が登ろうとする。

朝焼けが、レンゲルの勝利を祝うかのように彼を赤く照らし出した。




「吹雪ちゃん、まだ痛む?」

「ううん、大丈夫」

「一応私も大丈夫っぽい・・・」

吹雪は夕立と睦月に肩を貸してもらいながら、歩いて行った。

夕立は、「ぽいぽ~い」と、呑気な声をあげて、何時の間にか現れてきた。睦月達は驚いたが、特に気にすることはなかった。

三人とも疲れ果ていたのか、その足取りは重い。

とりわけ、吹雪の歩みはすこぶる重かった。図らずも、仲間に牙を剥いてしまったことが彼女の足に枷を嵌めていた。

「ごめんね、睦月ちゃん・・・。私、こんな役立たずなのに、迷惑までかけちゃって・・・」

「ううん。そんな事関係ないよ・・・」と睦月。

「えっ・・・?」

「友達を助けるのは、役に立つとか立たないからとか、そんなことじゃないよ」

吹雪は黙っていた。

「ただ、友達だから助けたい。力になりたい。理由とか損得とかじゃない、それだけだよ・・・!」

吹雪は暫し目を見開き、口を閉ざした。

「ごめん睦月ちゃん・・・! 私、焦ってた・・・! 

役に立たないと、提督に、みんなに見捨てられるって・・・、睦月ちゃんの気持ちも考えずに・・・。

私、間違ってたよ・・・!」

吹雪は謝りながら、静かに涙を流した。

「も~、吹雪ちゃん泣かないで欲しいっぽい! 間違ったならやり直せばいいと思う~」

肩を貸し合いながら、少女たちは砂浜へと向かう。夜が明け、朝焼けが浜を染めつつあった。

そして、歩いた先には、ひとりの少女がいた。

波風に揺れる長い髪を携えた少女が。彼女たちがよく見知っていた少女が。


「如月・・・ちゃん?」

「睦月ちゃん、久しぶりっ・・・!」


如月だった。

髪飾りはないが、あの時のように笑顔を見せてくれた。

「如月ちゃん・・・、如月ちゃんだよね!?」

「遅くなってごめん・・・。約束、ようやく守れたね・・・!」

少女たちは、涙の再会を果たした。

その様子を黒い勇者が見つめていた。仮面ライダーBLACK RXだ。

彼は彼女たちの喜ぶ姿を目に焼き付けると、変身を解き南光太郎の姿へと戻った。

「良かった・・・!」

彼もまた優しい笑顔を見せた。

南光太郎は嬉しかった。彼女たちが自分や信彦と、同じ途を辿らずに済んだことを。

そして、彼女たちの幸せそうな笑顔が、友情が守られたことを。

彼は、心から安堵した。




戦艦達も戦いが終わり、港へと戻ろうとしていた。その横には、翼を備えたギャレンもいた。

海岸に着地して静かに変身を解き、橘さんは上陸した比叡に尋ねた。

「比叡ちゃん。体の方は大丈夫か・・・?」

「はい! 橘さんが洗脳装置を破壊してくれたおかげです!」

腕を振り回しながら、比叡は自分が大丈夫だとアピールする。

「それより橘さんこそ・・・?」

「俺なら大丈夫だ。こういう戦いは慣れてるからな」

「そうですか!それなら良かったです!」比叡は笑顔で言った。

橘は思った。

この子は、どこか剣崎や小夜子に似ている。

純粋で優しく子犬のように人懐っこい笑顔を見せる。それでいて誰よりも熱い心を持っている。

これから彼女を守ってゆきたい。彼の心に、そんな思いが芽生え始めていた。

「ところで比叡ちゃん・・・。なんか匂いがしないか・・・?」

「匂いですか・・・?そういえば・・・」クンクンと比叡も鼻を鳴らす。

その匂いの先に視線を向けると、そこでは金髪の若い青年がバーベキューをしていた。

「よっし! 艦娘の女の子達も全員助け出した! 祝勝バーベキュー大会やるぞぉ!」

「おー!!」

仁藤は勝手に鎮守府の食材をかっぱらって焼いていた。しかも、祥鳳も瑞鳳も真由も、誰ひとり止めず、食材に焦げ目がつくのを楽しんでいた。

ミーナは超能力で火を付け、火加減を調整していた。

「おー姉ちゃん、材料借りてるぜ」

「はいはい。いっぱいあるんで、どんどん食べてくださいね?」と間宮。

その後、仁藤はいい具合に焼けたウィンナーにマヨネーズをかける。

「ま、マヨネーズですか・・・?」引きつった顔で真由が言う。

「なんだよ、ウメーんだぞコレ。ほら、皆まで言うな。に試しに食ってみろって」

だが、少女たちはマヨネーズ付きウィンナーには食指が伸びなかった。

その時、「美味そうだな。これ食ってもいいかな?」

突然橘さんが割り込んで言った。

「おぉ!アンタもマヨラーなのかぁ!?」

仁藤は喜び、マヨネーズがたっぷりかかったウィンナーを手渡す。

橘はその端正な風貌にもかかわらず、そのウィンナーにむしゃぶりついた。

「美味い、これは美味いぞ!」

顔を白い粘液だらけにしながら爽やかな笑顔で橘は言う。

「おぉ!アンタ話がわかるじゃねーか!」

話のわかる友に出会い、仁藤は大喜びした。



「アレ・・・止めなくていいのか?」と長門がバーベキューの様子を見て言う。

「いいんじゃない? もう私達戦わなくていいわけだし。今日はパーっとやっちゃいましょうよ!」と陸奥が微笑む。

「そうだな・・・! ビッグセブンの食いっぷり、見せてやろう!」

腕を捲り、長門もバーベキュー大会へと参加した。

その様子をみて、陸奥をはじめとした他の艦娘達もバーベキューの輪に加わる。

穏やかな祝勝会が始まった。赤城や加賀、愛宕や高雄達も、静かに食事を楽しんでいた。

しばらくすると、砂浜の上の砂防コンクリートをステージにして那珂が上がった。

どこから持ってきたのか、その手にはマイクもあった。

「よーし! こっこからは元鎮守府のアイドル、那珂ちゃんのステージでーすっ!!

艦娘のみんなが救われたことを記念して、那珂ちゃん歌っちゃいまーす! 

『恋の2‐4‐11』、ひとっ走り付き合ってくださーい!」

「おぉーっ!!」

艦娘や仁藤たちが歓声をあげた。



晴人と真由は、彼女たちから少し離れたところでゆっくり佇みながら、宴の様子を見守っていた。

「・・・はぁー。何やってんだろなアイツ等」と呆れながら晴人は言う。

「ふふっ。でもそこが仁藤さんのいいところじゃないですか・・・」と真由。

彼女もちゃっかり彼女もウィンナーを戴いていた。マヨネーズのかかっていないウィンナーを。

「え?真由ちゃん何? あんなケダモノなんかに惚れちゃってんの?」

「えっ? ちっ、違います!そんなんじゃありません・・・!」真っ赤になって、真由は俯いた。

耳まで赤くしている少女を、白い鳥が軽く啄いて飛び回る。

「もっ、もう! からかわないでよガルーダ!」

やがて、冷やかすように飛び回るガルーダを、真っ赤になった真由が追いかけ始めた。朝焼けの照らす砂浜に、いくつもの足跡ができてゆく。

「やれやれ・・・」
晴人はドーナツをほおばりながら言った。

その言葉の反面、彼は安心していた。

少女たちを無事絶望から救うことに成功した。何より、真由も昔に比べれば随分明るくなった。

きっと、凛子ちゃんの優しさや仁藤の(バカみたいな)前向きさが彼女に生きる指針を与えたんだろう。

仲間達の幸せな様子を静かに噛み締めていた晴人は、誰かが小さな声で自分を呼んでいることに気付いた。

「お、お兄さん魔法使いなのですか?」と恐る恐る電が尋ねる。

「あぁ。そうだよ。お近づきの印に、プレゼントだ」

『Conect,Please』
晴人は何処からかドーナツの袋を取り出し、その中にはいっていた四つのドーナツを電たちに与える。

「すごいのです! ありがとうございます!!」

「すごい・・・ハラショー!」

「ホントに魔法使いだったんだ!」

「これはさすがの私もびっくりだわ! レディーを驚かせるなんてすごいわね!」

「喜んでいただけて光栄です、お嬢様方」
晴人はおどけて、四人の少女達に丁重に頭を下げた。

まるで魔法のランプから呼び出された、忠実なランプの魔人のように。




ハードタービュラーを回収に現れた巨大戦闘車両・リボルギャリー。

空飛ぶバイクはダブルごとその中に格納される。さらに、先ほどハードタービュラーに避難してきた鳥達や火野映司もその中に入り込んでいた。

映司は疲れ果てたのか、派手なパンツを枕にリボルギャリーの隅で静かに眠っていた。その体の上に、鳥達が寝床を求めて集まりだす。

自動操縦で砂浜を走るリボルギャリーの中で目を覚ましたフィリップは、素敵な貝殻を見つけた子供のような目線を鳥達に向けた。

「興味深い・・・。ウミネコにユリカモメにセグロカモメ。ウミウやモモイロペリカン。カモメ科の鳥が多いねぇ・・・」

「・・・なぁフィリップ、鳥の名前を教えてくれんのはいいんだけどよ」

「なんだい?」

「俺の頭の上のヤツ、何とかしてくれねぇか?」と翔太郎。大きな白い鳥は、翔太郎の頭の上が気に入ったのか、変身を解除しても離れようとしない。

だがフィリップはそんな相棒の訴えなど無視して、
「興味深いねぇ・・・。この鳥はアホウドリだ。珍しい絶滅危惧種の鳥だよ!」などと言い出す。

「あ!? 誰がアホだって!?」と翔太郎は怒り出した。

「ったく、いつまでこんなん乗っけときゃいいんだよ・・・!」
彼の怒りも何処吹く風。彼の頭の上で、アホウドリは静かに眠っていた。

「翔太郎、その鳥達も財団Xの被害者なんだ。彼らを守るのも、『大自然の使者』を受け継いだボク達の仕事だろ?」とフィリップ。
翔太郎はため息をついた。

彼の言うことも一理ある。この罪なき命を無碍に扱うことは、『仮面ライダー』としてやってはいけないというのもその通りだ。頭の上は重いが、仕方ないと諦めた。

「・・・ったく。事務所に帰るまでだからな・・・」

翔太郎は、頭の上のアホウドリを優しく撫でてやった。その様子を見て、フィリップもまた微笑んだ。


明るく宴会を続ける少女達の元気な様子を見て、仮面ライダー1号・本郷猛は厳つい顔を緩ませ、静かに笑う。

そして、栄光の七人ライダー達は、それぞれのバイクに跨り、静かに去って行く。

戦いが終われば、もう仮面ライダーが留まる必要はない。本郷もまた静かに去ろうとしていると、フォーゼこと如月弦太朗が磯の岩陰である者達と話をしていることに気付いた。

「弦太朗くん、その子達は・・・?」

「おぅ一号先輩。こいつ等とも、たった今ダチになったところだ!」

小さな幼女のような深海棲艦と、傷ついた深海棲艦達の生き残りがそこにいた。その体はボロボロだった。

「弦太朗くん、ソイツらは・・・!」本郷が身構える。

「1号先輩! 俺を信じてくれ! こいつ等は俺と、二度と人を傷つけるような悪いことはしないって約束してくれたんだ! 

戦う力ももうない! だから、アンタもこいつ等を、俺を信じてくれ! 頼む・・・!」

後輩の言葉を受け、本郷は黙って深海の怪物達を見つめた。

見た目こそ不気味な姿だが、その瞳に最早破壊衝動や邪念は見られなかった。

おそらく操り主である財団Xが滅び、戦う意思をなくしたのだろう。戦艦イ級達も、中間棲鬼も、皆怯えるように此方を見つめていた。

本郷はやや間を置いて、言葉を紡いだ。

「よかろう、弦太朗くんの言葉を信じよう・・・!」

「先輩・・・!」嬉しそうに弦太朗が言う。

「だが深海棲艦たちよ。もし再び人々を傷つけるようなことがあれば、我々は容赦はせん。それを忘れるな!」

一言だけ述べた後、本郷猛は黙って背を向けて歩き去って行った。その背中こそが、海魔たちに赦しを与える、厳しくも優しい免罪符であった。

「ありがとうございますッ!1号先輩!!」

フォーゼは深々と頭を下げ、偉大な先輩へお辞儀した。それに倣って、深海棲艦達も頭を下げる。

「それじゃ、友だちのシルシだっ。へへっ・・・」

フォーゼは白く大きな手をほっぽちゃんに差し出した。ほっぽちゃんは恐る恐るその手を握り返す。

「トモダチ、シルシ・・・?」
「そう。なかよくなったヤツ同士のやる、青春のドッキングだ!」

ほっぽちゃんは大きな手を差し出され小さな手で握り締めた。その後、げんこつを優しく重ね合わせ、友だちのシルシを結ぶのだった。




タナカはずぶ濡れになった状態で目を覚ました。そこは砂浜だった。

波が彼を海岸まで運んでくれたのだ。皮肉にも、財団Xが踏みにじらんとしていた大自然の大いなる営みが彼の命を救ったのだった。

「う、うぅ・・・」
そんな彼の元にひとりの少女が立ちはだかった。金剛だった。

「Hei.テートク・・・」

「私を、殺すのか・・・?」とタナカ。

「No. One more chance...やり直しまショウ・・・。初心に返ってネ・・・」

金剛がそれに手を差し伸べる。

元提督は戸惑った。

「なぜ・・・お前は、俺に・・・?」

「貴方がどんな人でも、貴方が私達の産みのParentなことは変わりないデス・・・。大事にするのが人間でしょう・・・。Right?」

その言葉を聞き、タナカの中に巣食っていた闇がどこかにはじけて消えた。

「す、すまなかった・・・!」

タナカは、久々に涙を流した。彼は黙って金剛の手を握り、彼女に肩を貸してもらい、サイレンの鳴る方へと歩いて行った。



「待ちなさい仮面ライダー!」

「何だ君は・・・?」
サイクロン号に跨り走り去ろうとする本郷を、とある艦娘が呼び止めた。

「あたしは足柄。強いヤツと戦って、勝ちたいの! お願い、あたしと手合わせして!」

「・・・断る。俺の拳は人を守るだけに振るうものだ。君のような麗しき女性を傷つけるものではない」

そう言い残し、本郷猛はヘルメットを被り、バイクを駆って走り去った。

「あーっ! 逃げるの!? 待ちなさーい! 見てなさい!絶対アンタに追いついて、勝ってやるんだからー!」

足柄は必死で叫んで追いかけるが、超高速マシンのサイクロン号には到底追いつけない。やがて、サイクロン号は文字通り風の速さを得て地平線の彼方へと消えていった。

「俺に追いつく、か・・・」

1号は、本郷猛は、ヘルメットの奥底でふっと静かに笑った。自分でもわからないが、前向きに自分に挑もうとする足柄の気持ちが、なぜか嬉しかった。

朝焼けの中、砂塵を巻き上げて、伝説の英雄は何処かへと旅立っていった。



東京某所のとあるマンション。その部屋の中で、一日中望美はある男の帰りを待っていた。仕事は有給を取って休んだ。

あれから一晩明けて、もう夕方になるがまだ帰ってこない。

大丈夫、きっと睦月は帰ってくる。今までだってそうだったじゃない。そう自分に言い聞かせるも、やはり不安は募るばかりだ。

その時だった。訪問者を知らせるチャイムが鳴る。

「睦月!」

望美はドアへと駆け寄る。

なぜだかわからないけど、彼だという確信があった。

「ただいま、望美」

やっぱりだった。女の勘に間違いはなかった。

望美は大喜びで、地と埃にまみれてボロボロになった傷だらけの恋人を、くちづけと抱擁で迎えた。




たそがれ


その後、戦う必要がなくなった艦娘は、それぞれの道を歩むことになった。


私や瑞鳳や龍驤さん、如月ちゃんや睦月ちゃんは、ハカランダといろはにほへと組でお世話になることになった。
看板娘が増えて了さんも大喜びしていた。私は相変わらずたいやき名人アルティメットフォームばかり着させられてるけど・・・


金剛さんは、どこかの島に探検に行ったらダイヤモンド鉱山を発見し、億万長者になってしまった。その財によって、元艦娘達を支援する組織を作るらしい。
今は牢獄の中にいる提督が罪を償い、また会える日を待ち続けるとも言っていた。どれだけ長くなるかはわからないけど、あの人はきっと待ち続けるんだろう。


吹雪さんと響ちゃんは、謎のNPO組織に入ったらしい。そこが経営しているとあるお団子屋で、看板娘として働いていると聞いた。


電ちゃんと雷ちゃん、そして暁ちゃんは、輪島さんという指輪職人の弟子入りをしたと聞いた。
輪島さんも『娘』を亡くしているらしく、彼女たちが住み着いて久々に明るい表情を取り戻したと、真由さんから伺っている。


北上さんはどこかへ旅に出てしまった。最近は、サムズアップと爽やかな笑顔を見せる男の人と知り合いになったらしい。
大井さんのところに写真が送られていた。ハカランダに大井さんが来て愚痴りに来ていた。とは言え、睦月ちゃんたち曰く、大井さんもだいぶ丸くはなったらしい。


大淀さんや夕張さん、そして比叡さんや霧島さんなどの多くの艦娘達は、橘さんの研究所で非常勤職員として働くと聞いた。
艦娘たちを普通の人間にするための研究を続けてゆくと聞いた。


長門さんや赤城さん達は、深海棲艦たちと共にどこかへ旅立って行った。
図らずも提督の操り人形となり無数の深海棲艦達を手にかけてしまった罪を償いたいと考えたらしい。今頃は、白夜の見える北国で静かに暮らしているのだろう。


足柄さんは、強くてかっこいい仮面ライダー1号に勝つため、修行の旅に出たらしい。1号と勝負して勝つと言っていた。


川内さんと那珂さんは、夜の工事現場で警備員として働いている。夜戦好きな彼女らしい。



ある日、私は瑞鳳と一緒に手をつないで、買い物帰りの道を歩いていた。

昼下がりの銀杏並木。枯葉があちこちに積もり、木漏れ日があちこちに降り注いでいた。

少し冷たい風が吹いてるけど、瑞鳳が一緒なら寒くはなかった。

「あれ・・・?」
ふと、ベンチを見るとそこには若い長身の男性が座っていた。それは、私にとって忘れられない、見覚えのあるあの人だった。

「け、剣崎さん・・・!?」

彼がベンチに座り、こちらに微笑みかけていた。思わず瑞鳳を引っ張ったまま、そのベンチに駆け寄ってしまう。

でも、そこには誰もいなかった。

私は、なぜか彼の幻を見てしまっていた。


忘れられないのかな・・・。私も未練がましいね。

「祥鳳お姉ちゃん・・・?」

「ごめん。なんでもない・・・」

私は戸惑う瑞鳳の元に戻り、また一緒に歩き出した。




彼もきっとどこかで戦っているのだろう。果てしない灰色の砂丘に轍を作りながら、運命と。

だから私も歩み続ける。

いつかどこか、遠い場所で、あの人の笑顔にまた出会える気がするから。

私は瑞鳳に見えないように涙を拭い、少し早歩きで銀杏並木を歩いて行った。


剣崎さん。

貴方に、また会えるかな?

会えるよね。


きっと・・・

いつか、どこか、遠い場所で・・・。



あなたの笑顔に・・・








と言うわけで、剣×艦これSSの最終作になります。
まさか、ここまで続くとは自分でも予想外でした。

ここまで読んでくださった方、そして応援してくださった皆様には改めてお礼申し上げます。

できれば、まとめブログ掲載の際には、>>35->>37のミスを修正した上で載せていただければありがたく存じます。


一応最後なので、世界観の解説を入れておきます。

この四作は剣中心のSSですが、世界観はフォーゼのそれをベースにしています。
フォーゼの世界観を、ネット版と2話の都市伝説ライダーを含めて(強引に)解釈して他作品と繋げると、一部ライダー作品の時系列は次のように記すことが可能です。


昭和ライダー(フォーゼ2話、MEGAMAX)
(スカイとゼクロスはフォーゼ関連作品に出てませんが、RXの世界観も含めて考えれば繋がります)

RX(フォーゼ2話より)

真・仮面ライダー(ネット版)

クウガ(2話)

ブレイド(ネット版フォーゼ)

ダブル~ウィザードまで(冬映画での共演)


よって、世界観的にJとZO、アギト~555、響鬼~ディケイド、および鎧武&ドライブを出すことはできませんでした。
(ディケイドが唐突に現れる、又はウィザードのライダーリングで呼ぶという強引な手段もありましたがナシで)

上記作品のファンの方々には、ここでお詫びいたします。
上述のとおり、クウガは世界観的に出すことも可能でした

が、小説クウガを読んだ私としては、たとえ二次創作とは言え五代を戦わせたくないと思ったのでクウガは出しませんでした。
実加クウガを出すという荒業もありましたがオミットしました。


あと、毎度お馴染み、AP計算表です。
6000-1200-1000+2000-1800-1200+2800-1800‐3800+4000
左から順に、
初期AP、ブリザードクローバー、ドラゴンフライフロート、カテゴリーQによる回復分、スコーピオンポイズン、コブラバイト、ジャックフォーム増加分、ブリザードゲイル、ブリザードベノム、キングフォーム増加分


例によって、AP回復のタイミングが変身解除後はリセットされるのか不明ですが、このSSでは変身解除後もリセットされないと解釈しました。



ところで各記述の元ネタ解説とかって必要ですか?

(譲くんと山本さんはどうしたんだろ。まさかファントムとの戦いで戦死?あと、仁藤さんは魔翌力の供給はどうしてるんだろう。いつまでもヘルヘイムの果実に頼るのは不安だし)

|M0)<乙っ!
ついに完結かー
俺は元ネタ解説は別にいいや
誤字だろうけどカードの那珂で笑ったww
解体されなくても封印されてしまうのかっていう

乙、完結かぁ

言い忘れてたけど乙です

良いssだった…

乙!
仮面ライダー愛を感じた...

なんか金剛がSPW財団見たいな事やっているな

おつ

どなたか、たいやき名人アルティメットフォームになった祥鳳さん改二描いてくださってもいいのですよ?(チラチラッ
個人的に小説版のオススメを挙げると、クウガ・響鬼・キバ・ディケイド・W・フォーゼ辺りが面白かったかと思います。


>>32
そう仰っていただけると非常に嬉しく思います。祥鳳如月救済SSとして書いたので。
ところで、自分で書いといてなんですが、祥鳳さんアルティメットフォームとかファンの人に怒られませんよね・・・?(汗

>>67
譲くんと山本さんは、小説版と冬映画見る限りは無事でしたよ。このSSでは出番カットしましたが。二人共ぽっと出感強いせいか、出番少ないんですよね・・・ 
逆に真由ちゃんは、小説版では何げに良い役もらえてたので必見です。
「仮面ライダーメイジ」のスピンオフとか出ないかな~(チラ
SIC真由メイジ出ないかな~(チラチラチラッ
中山絵梨奈さんまた特撮出てくんないかな~

キマイラの「仁藤を食う」云々は、私としては彼と一緒にいたいがためのツンデレ方便と考えているので、多分大丈夫でしょうw
ファントムも小説版ウィザードや冬映画見る限り、まだまだ数もいそうですし、ファントム自体も自然発生しないわけではなさそうですし。


>>68
申し訳ございませんでした、お詫びに那珂ちゃんのファンやめます(ウソ)
実はこのSS、小説版の剣・ダブル・フォーゼとかを見てないと分からない単語もあります。


>>69
>>70
>>71
>>72
>>74
ありがとうございます。ここまで続けるとは予想外で、流石にだいぶ疲れました・・・。


>>73
牛乳飲んで爆撃しまくった某ドイツのチート軍人さんの戦後の境遇が元ネタです。

ところで次回なんですが、4つぐらい案がありますが、何を書こうかと逡巡しております。


A.週1ペースで更新の、長門さんと電ちゃん達がゴジラ映画を語るぼのぼのSS(この場合、作者は一番楽だったりw)
長門「ゴジラ、ラドン、モスラにキングギドラ・・・!」 電「ラドンって、なんなのですか?」


B.金剛と比叡主人公の、特撮モノのノリで書く、熱血系?艦これ長編小説(全12話くらいで完結で無駄に長い。なお、祥鳳如月は優遇する模様)


C.ヒビキさんと響が出会うSS(前四作とは無関係で、公式四コマ準拠で書きます)


D.祥鳳さんとづほちゃんがイチャイチャするだけの健全姉妹百合SS


参考までに、皆様のご意見をお伺いできれば幸いです。


ちなみに、SS速報VIPで書いたSSって、渋とかに(作者本人が)転載することは可能でしたか?(トリップ明記の上で)

>>76
Bで

お疲れ様でした
movie大戦見たいな熱さと勢いがあって面白かったです
次回作、割りとAも気になります

BかCですごく悩む
しかしまあ4つもネタのストックあるとかすげえな

基本的にどんな掲示板だろうと書いた物は書いた人が権利と責任を持つから本人が渋に持っていくのは別に問題ないとおもう

BとDみてみたい

>>77->>81,>>83
皆様ご意見くださりありがとうございます。
ストックの都合上、C⇒B⇒Aの順番で書かせていただきます。DはBと一部融合でw
来週末くらいまでにはCを完成させて投稿させていただきます。

なお、Bは2週間に1回か2回頻度で1話更新し、全12回完結の予定です。


>>82
ご教示頂きありがとうございます。近日中に自身のアカウントに投稿いたします。

>>79
ありがとうございます。
どちらかというと、MOVIE大戦よりかは剣本編と劇場版Wを意識して書かせていただきました。

睦月改二&艦これ2周年おめでとうございます!
マジで睦月が最強になりましたね!! この調子でレンゲルキングフォームとVシネ仮面ライダー剣も出してください財団Bさんお願いします(懇願

祥鳳さんがいい子すぎて泣ける・・・


・・・10日も放置してすみません
次作を書き終えてここに案内乗せた後、HTML化依頼してきますので今しばらくお待ちください


なお、>>1が一番笑ったのは酔った隼鷹に突っ込む飛鷹だったりしますw



その一方、隣の重巡洋艦用の演習場から快活な叫びが海原に響き渡る。

「よっしゃあぁぁぁぁ!! 絶好調よ、あたし!」

ガッツポーズを取り、足柄が狼の如き咆哮をあげた。彼女は演習相手を完膚なきまでに叩きのめし、勝利の雄叫びを上げていた。

「・・・あの人は相変わらず戦闘狂ですね」と吹雪。

「やっぱり足柄さんって婚活とか言うキャラじゃないわよね。戦ってる時の方がホント生き生きしてるし、輝いてるし」初雪も賛同した。

そんな足柄の隣で艦載機達を回収した祥鳳と瑞鳳も、幼い駆逐艦の後輩達の心配をしていた。

「祥鳳、気付いた?」

「えぇ・・・、響ちゃんどうしたのかしら・・・?」

軽空母の二人にも、明らかに響は焦っているように見えた。

軽巡洋艦に単身挑む響を、二人は不安そうに見つめていた。

次作です。
投稿が遅れて申し訳ございません。此方はHTML化してきます。


響「・・・強くなりたい」 響鬼「よろしくっ、シュッ!」

響「・・・強くなりたい」 響鬼「よろしくっ、シュッ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430222562/l50)

すみません、>>86は誤爆です

仮面ライダー×艦これ四部作完結お疲れさま!
偶々如月ちゃんのを見掛けてからずっと見てたけどすっげえ面白かった!
1号格好良過ぎwww
リアルタイムで見れなかったのが残念だったけどw

響と那珂ちゃんのも見たけど短いながらもかなり楽しく読ましてもらいましたw

次回があるなら待ってますので!

>>90
ありがとうございます!

1号は今の藤岡さんっぽい姿で戦ってるイメージで書きました

次回は金剛主役のなが~いオリジナルSSの予定です。
そのあとにカブトと大和のSSを書くかもしれません

渋ですが、下記URLに投稿させていただきましたのでご報告まで
響鬼SSなどは掲載するかは現在のところ未定です

なお、内容を若干修正している部分もございます


ttp://www.pixiv.net/series.php?id=546042

新作書きましたんで良かったらご覧下さい
艦これオンリーでライダー関係ないですが・・・

艦隊これくしょん ~艦これ~  Bright:金剛 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432963201/)

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