高垣楓「なにも飛んでない」 (32)

モバマスSSです。

よかったら、


*高垣楓「サイゴの一日」
高垣楓「サイゴの一日」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368599714/)
*市原仁奈「なにか飛んで来やがりました」

などを先にお読みください。…多少、話の繋がりがあります。


ですが大筋、雰囲気は、初見の方でも、好みが合えば楽しんで頂けるかなと思います。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370016707


楓「…」コクコク




柚「えいっ」パシッ

小梅「が、がんばれー」フリフリ



比奈「…」ポコポコ

比奈「…」ポコポコ

輝子「フヒ…み、みんな、比奈さんのこと気に入ったみたい…」

比奈「…」

比奈「そいつは何よりでス」ポコポコ



仁奈「美玲おねーさん! この間のお礼におねーさん用のキグルミを持って来やがりました!」モフー

美玲「ちょ、べつに投げつけなくていいし…」モフッ




楓「…」コクコク

P「お、楓さんコーヒーですか。いいですね、俺も飲もうかな…」

楓「…」

P「楓さん?」

楓「あ、その…実は、プロデューサーさんにご相談したいことが…」

P「? そ、その顔はよっぽどのことですか…なにかありましたか?」

楓「はい…えっと…」

P「…」ゴクッ



楓「私だけ、なにも飛んで来ないんです…」

P「なんのこっちゃ」


楓「だって見てください」

P「はい」

楓「柚ちゃんは、小梅ちゃんと一緒になんだか楽しそうですよね? バドミントンの羽根が飛んで来たおかげで…」



柚「ほっ!」

小梅「わわ」ポコン

柚「!? て、天井に跳ね返って——ふぎゃっ」スコーン バタッ

小梅「わっ……ゆ、柚さん、大丈夫、ですか?」

柚「……うー。やっぱり思ったより強敵だなぁ! こうなったらアタシもちょっと本気出しちゃうよっ」ムクッ

小梅「…ま、負けません…!」グッ



P「……まあ、厳密には小梅とではありませんが」

楓「羨ましいです…」シュン

P(いい大人がなに言ってんですか)


楓「比奈ちゃんもそうですよね」

P「比奈ですか?」



ポコン

比奈「……」

ポコポコ

比奈「…」

輝子「?」

比奈「え、えと、せめて原稿を書いてるときは、キノコさんたち大人しくさせてもらえないッスかね」

輝子「……あ、…うん、その」

比奈「?」

輝子「ち、直接言ってあげると…ひ、比奈さんの言葉ならきっと、き、聞くと思うよ」

比奈「…なるほど。じゃあ」クル

キノコ「wwwww」

比奈「ちょっと静かにしててくれまスか? またあとで、輝子ちゃんと一緒に相手してあげるッス」

キノコ「www…」

キノコ「……ww…w…」

比奈「…へへ。ありがとーッス」ニコ ナデナデ

輝子「フヒヒ…ひ、比奈さんも、すっかりキノコとトモダチ……嬉しいな…」フヒ…



楓「とっても仲が良さそうですし…」シュン

P(いつの間に比奈まで茸と会話が!?)

P「…というかあれはべつに羨ましくないような…」

楓「そうですか?」ニョキー

P「…はい」

P(ちなみに楓さん。頭に生えてる茸には気がついていないんですね?)

楓「……いいなー…」ポコ

P(……意外と似合ってるし…)


楓「それに最近、あの二人も仲が良さそうで」

P「ああ、あの二人ですね」



美玲「…………」モフー

仁奈「…!」キラキラ

仁奈「美玲おねーさーん!」ダキッ

美玲「!? わぷっ、ちょ、き、急に抱き着いて来るなぁ!」

仁奈「も、もう我慢ならねーですよ! 仁奈にモフモフさせやがるでごぜーますぅ!」モフモフモフモフ

美玲「おち、ちょ、落ち着けバカ……! ひ、ひっかくぞ!」モフモフ//



P(爪がなくてひっかけない美玲カワイイ)

楓「羨ましい…」ショボン

P「子ども相手になに言っとるんです」

P「…同じような方向性で売り出したおかげで、ちょうど最近共演することもありましたからね。それがきっかけでより仲良くなったんでしょう」

楓「はい。なんというか、…お似合いですもんね」

P「見てて和みますよね」ニコニコ

楓「癒されますよねぇ」ニコニコ


P「…」ズズ…

楓「…」ズズ…

楓「はふ」

P「コーヒー、美味しいですね」

楓「ですね」

P「こう、みんなが仲良くしているのを見ながらのんびり飲むコーヒーってのも、悪くないですね」

楓「です」ニコ

楓「…あ、これがお酒だったら、なおのこと幸せかなー、なんて…」

P「…飲みに行くのなら付き合いますよ」

楓「! 本当ですか?」

P「本当です」

楓「わーい」

P(わーいて)

(…かわいい)


P「…」ズズ…

P「あの、楓さん」

楓「? はい?」

P「…」

楓「?」ニコニコ

P「…いえ。何でもありません」

楓「そうですか? ふふ、変なプロデューサーさん」ニコニコ

P「…」ズズ…

P(はじめなんの話をしていたかなんて、もうすっかり忘れてるな…)

P(まあ)

楓「…ふふ…」ニコニコ

P(…楽しそうだし。いいよな、べつに)

相変わらずシュールな事務所だな







ガヤガヤ


比奈「……ふむ」

P「? どうかしたか?」

比奈「と、あの…プロデューサー。一応私たちって、もうけっこう売れてまスよね?」

P「そりゃもちろん。ちょっと生々しい話をすると、お前たちが売れてくれたおかげで引っ越しの費用が賄えたぞ」モグモグ

比奈「そんな生々しい話はホント言わんでいいでス」

柚「せっかくのおいしいご飯が台無しだよ!」プンプン

仁奈「ですよ!」モフモフ

P「…すんません…」

楓「…」クスクス


P「それがどうかしたのか?」

比奈「いや、それなのに、」


ガヤガヤ


比奈「晩ご飯っていって、選択肢がいつもファミレスってのもどうしたもんかなーって」

P「……まあたしかに」

柚「でもアタシはファミレス好きだよ!」ハイッ

仁奈「仁奈はみんなと一緒ならどこでもいいですよー」ニヘラ

P「そっか。仁奈はいい子だな」ナデナデ

仁奈「えへへ♪」

柚「む、仁奈チャンばっかりずるいなー」

柚「ねーPサン、アタシも撫でて欲しいなー♪」

P「はいはい」ナデナデ

柚「…ぁ…えへへ…」//

P「……まあ…なんとなく、行き慣れたところにいつも来ちゃうってのはあるよな」ナデナデ

比奈「それはそうでスね」

ちょっと期待してたんだな楓さん……


楓「お引っ越しで…このお店も、もうなかなか来ることができなくなっちゃいますね」

P「そうですね」

P「まあファミレスですから、べつにどこのお店って選んで行くような場所ではないかもしれませんけど」

比奈「……でも、…そう言われてみると…」

比奈「ちょっとさみしいような気もしちゃいまスね」

P「…そうだな」ナデナデ

比奈「…。いつまで撫でてんのかって突っ込んだ方がいいんでスかね」

仁奈「♪」モフ

柚「♪」エヘヘ


「お待たせしましたー」


P「お、料理が来たぞ。食べるか」

柚「わーい♪」

仁奈「わーい!」

楓「わーい」

比奈「…」

P「…」

比奈「…。わ、わーい」

P「ありがとう」

比奈「ど、どういたしまして」

柚「比奈サンカワイイ!」

比奈「う、うるさいでスよ!」

仁奈「あーん」

P「ほら。もっと小さく切り分けた方が食べやすいぞ」カチャ

仁奈「もふ…あ、ありがとうごぜーます…」//

P「いえいえ」カチャカチャ

仁奈「…Pは、仁奈のパパみたいでやがりますねー…」ボソッ

P「? なにか言ったか?」

仁奈「な、なんでもねーでしゅよ!」//

P「噛んだな」

仁奈「噛んでねーです!」

P「あーん」

仁奈「あーん」



楓「…ふふ」ニコ







「ありがとうございましたー」


柚「お腹いっぱい!」ケプー

仁奈「お腹がモフモフしてやがります…」モフ…

P「お前は食べ過ぎだ。お腹丸くなってるぞ」ナデナデ

仁奈「むあー」

P「変な声出てる」

柚「けぷっ」

P「カワイイけどアイドルが月賦はどうだろうか」

柚「てへ? カワイイって言ってくれてありがとー♪」

P「どういたしまして」

比奈「一旦事務所に戻りまス?」

P「うん。…ま、もうなにもないんだけどな…」ハハ…

P「今日は全員俺が車で送って行くよ」

比奈「いいんでスか?」

P「うん。今日くらいな。仲良く五人で帰ろう」

比奈「……はい」


P「そう言えば…楓さんは?」

比奈「たしか…先に事務所に戻るって言ってたと思いまスけど」

P「…あの人は…ちょっと目を離すとどっか行っちゃうんだから…まったく」

比奈「扱いが子どもでスね」

比奈「…ふふ。でもそんなところが、楓さんのいいところだって思いまス」

P「…ま、そうかもな」

比奈「はい」


P「よし。じゃあちょっとここで待っててくれ。上を見て来るよ」

柚「うんっ」

仁奈「分かりやがりました」

比奈「暗いので気をつけて」

P「ありがとう」

さすが25歳児


トントントン…



ガチャ



P「…」

P「…楓さん」



楓「?」クル

楓「あ…プロデューサーさん」ニコ

楓「ふふ。もしかして、迎えに来てくださったんですか?」

P「…ええ、まあ」

楓「嬉しいです」

P「…」ニコ


P「なにをしていたんですか?」

楓「えっと…なにということも、ないんですけど」

楓「月明かりが綺麗だなって」

P「? 月じゃなくて…月明かり、ですか」

楓「はい。ほら」

楓「見てください。もうからっぽの事務所なので…月明かりが、床にすーってきれいに伸びてて」

P「ああホントだ……。たしかに、綺麗ですね」

楓「ですよね?」

P「はい」


楓「…」

楓「本当に……もうここには、なにもないんですね」

P「はい」

楓「もう、なにも飛んでないです」

P「そうですね」

楓「…さみしいですね」

P「…俺もです」

楓「じゃあ一緒ですね。ふふっ」

P「はい、一緒です」


楓「……えっと…ごめんなさい。お時間を取ってしまって」

楓「みんな待ってますよね。そろそろ行きましょうか」

P「はい。でも、」

ポン

楓「…」

P「…」ナデナデ

P「もう少しくらいなら、きっと大丈夫ですよ」

楓「……」

楓「…ありがとう、ございます、…」エヘヘ…

P「いえ」

楓「…♪」ニコ







比奈「遅いッス!」ブンッ

P「いてぇ!?」ガンッ

比奈「もう! ほら見てください!」ビシッ

P「?」


仁奈「…」モフピー…

柚「…」ムニャ


比奈「最初は柚も仁奈ちゃんをあやしてましたけど、まちぼうけて二人で肩を寄せて寝ちゃったッス」

P「ここは天国だったのか」

比奈「たぶん合ってまス」グッ

楓「わー。二人とも、幸せそうな寝顔ですね…」フフ…


仁奈「♪」モフ

柚「♪」ムニャ


比奈「じゃなくて! …あふ…」

P「悪い悪い。すぐ出よう」

楓「ごめんね、比奈ちゃん。私がプロデューサーさんを引き止めちゃったから…」

比奈「楓さんは気にしないで欲しいッス。大体なんでも悪いのはプロデューサーでスから」

P「それも酷いな」


P「よし。じゃ帰るか」

P「そんで明日からは新しい事務所で。心機一転頑張ろう!」

比奈「うッス」

楓「はい」


仁奈「…」コク

柚「…」コクコク


P「と、二人を担いで行かなきゃだな。さすがにまとめては無理か…」

比奈「そーっと運んでくださいよ」

P「もちろん。順に行くかな」

P「そうだ。えっと…楓さん」

楓「? はい」


ポイッ


楓「わ」パシッ

P「俺の車の鍵です。とりあえず仁奈を担いで乗せちゃうので、開けてもらっていいですか?」

楓「…」

比奈「なに楓さんに鍵を投げ渡してんでスか。危ないでしょ」ゲシ

P「蹴ることはないだろ」イタイ

楓「……。ふふっ」

比奈「?」

P「…楓さん?」

楓「あ、いえ…その」



楓「私にもなにか飛んで来たなって♪」




おしまい

そんなこんなで終わりです。



「フツウの日常」と「飛んで来た」シリーズと続けて来ました。
とりあえずまとめて今回でおしまいです。
おまけをだらだらと続けてしまい失礼しました。


いつかこの続きも書くかもしれませんが、とりあえずは、そのうちまた違ったネタでこの四人を書きたいと思います。


では、途中レス嬉しかったです、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。

乙乙乙


次回も楽しみに待ってるよー

乙。癒された。

おつです
このシリーズ好きだからいつまでも待ってる

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