黒咲「似合ってるぞ瑠璃」

ユート「君まで何で隼の悪ノリに付き合っているんだ」

セレナ「お宝を売れば金に変える事ができると聞いた。欲しい物が買える」

ユート「欲しい物？」

黒咲「着いた」

ユート「やはり遊勝塾か・・・」

黒咲「瑠璃の部屋はあそこだな」

ユート「柚子の部屋から何を盗むんだ！？」

黒咲「盗みではなく宝探しだ。失礼な」

ユート「隼！」

黒咲「さあ張り切って行くぞ！」

セレナ「お前もさっさとしろ」

ユート「壁をよじ登るなんてまるで泥棒だ・・・」

黒咲「さあ瑠・・・」

遊矢「・・・」

柚子「・・・」

セレナ「どうしたんだ？宝は見つかったのか？」

黒咲「ユート！俺の話を聞いてくれ！遊矢と瑠璃が・・・ユート！」

ユート「何かあったのか？」

遊矢「・・・今日はいい天気だな。見ろよ外・・・く、黒咲」

柚子「！？」

ユート「よりにもよってこんな時に・・・怒りを沈めるんだ隼！」

セレナ「怒っているのか？別に遊矢と柚子はお前に何もしていないぞ？」

黒咲「瑠璃はキスがわかるか？」

セレナ「唇と唇をくっつけるやつか？それがどうかしたのか？」

ユート「隼を引き摺り下ろせねば、セレナも手伝ってくれ」

黒咲「許さんぞ・・・前にも言ったはずだ！俺の許可無しにやるなと・・・！」

ユート「怒りを沈めるんだ！そんな事で怒っても何もいい事はないぞ！」

黒咲「問答無用！今から頭突きでガラスを割る！瑠璃は危ないから下がっていろ！」

ユート「やめろ隼！」

柚子「ちょっと、ガラスをいきなり割るなんて」

遊矢「て言うか何て格好してるんだ」

黒咲「探検家スタイルだ！」

ユート「隼の何時もの病気が始まっただけだ。騒がせてすまない」

柚子「セレナまで」

セレナ「宝はどれなんだ？」

黒咲「宝・・・それはすでに目の前に居る」

ユート「・・・柚子か」

黒咲「そして俺の隣にも！」

セレナ「私もなのか？」

黒咲「そしてアカデミアに囚われている瑠璃と瑠璃！そして友！四人の瑠璃とユートが俺の宝！」

セレナ「？」

ユート「さすがにセレナを騙すのはどうかと思う。それにガラスまで割るとは・・・」

黒咲「問題はない。そうだな遊矢？確かに俺は交際を認めたが義兄になるつもりは毛頭無い」

遊矢「ふざけるなよ！柚子の部屋のガラス割って意味不明な事ばかり連呼して！」

黒咲「甥とか姪ができても絶対に可愛がらんからな！」

ユート「すまない。本当に君たち2人には迷惑ばかりかけて、隼も謝るんだ」

黒咲「断固拒否する」

黒咲「デュエルだ！あの時は負けて瑠璃との交際を認めてやったが奪い返す！」

遊矢「柚子は渡さない！デュエルだ！」

ユート「いい加減にしろ隼！それ以上何かすると絶交する」

黒咲「！？」

ユート「落ち着いて聞くんだ。遊矢と柚子がキスするのは8回目だと思う。有ってるな？」

遊矢「・・・」

黒咲「8回・・・何て不埒な奴だ」

ユート「それに2人を見てみろ。妙に余所余所しいだろ？キスするとこうなるんだ」

黒咲「どういうことだ」

ユート「普通の男女が部屋でキスするとどうなる？」

黒咲「ヤる」

ユート「それができないのが遊矢だ！ここから先、進歩する事は無い！絶対にあり得ない！」

黒咲「本当に大丈夫なんのか？」

ユート「誓える。まず何もできないのがこの2人の辛いところだ」

黒咲「・・・フッ」

柚子「・・・」

ユート「これが幼馴染の弊害というやつだ。普通なら押し倒すのに、納得しただろ」

黒咲「ああ！」

遊矢「随分と好き勝手な事ばかり・・・ヤらなくても別にいいだろ！」

黒咲「遊馬はどうなんだ？あれも幼馴染同士だったな」

ユート「遊馬は先へ先へ進むタイプだから、押し倒すさ」

黒咲「さすがは俺と同じエクシーズ使い。凌牙もヤるな？」

ユート「凌牙は妹に手を出す高レベルな男だ。速いぞ」

黒咲「カイト・・・無いな」

ユート「カイトは俺達と同じ硬派な男だ。何の心配も無い」

セレナ「何の話をしているんだ？やるとは何だ？押し倒すとは何を押し倒すんだ？」

柚子「セレナはまだ知らなくてもいいのよ」

遊矢「うん」

黒咲「じゃあ帰る。行こうユート、瑠璃」

ユート「ガラス代の方はちゃんと弁償させる。隼も謝るんだ」

黒咲「すまなかった。だが瑠璃を泣かせば俺がいつでも飛んでくる事を肝に銘じておけ」

遊矢「う、うん」

セレナ「宝は？宝はどこなんだ？」

黒咲「宝ならある。遊矢は俺の言いたい事がわかるな？」

遊矢「・・・ああ」

セレナ「どこなんだ？」

遊矢「俺の宝は・・・柚子だよ」

セレナ「柚子は宝なのか？黒咲も言っていたが」

柚子「私の宝は遊矢よ」

セレナ「遊矢も宝なのか！？」

遊矢「何物にも変わられないって事さ」

柚子「そういう事よ」

セレナ「？」

遊矢「セレナも大事な人が見つかればそう思えるよ」

セレナ「大事な人？」

柚子「うん！」

黒咲「しかし瑠璃の部屋は何というか・・・見ろダンベルがあるぞ」

ユート「物色するのはやめるんだ」

セレナ「大事な人か・・・」

黒咲「これからは絶対にユート以外に瑠璃との交際は認めんからな」

ユート「・・・」

黒咲「第一あのシンクロ男は何だ？まるでチンピラだぞ。うちの家系にチンピラは必要無い」

ユート「騒がせてすまなかった。俺達はこれで帰るよ」