咲「和ちゃんは一番の友達だよ」和「えっ」 (62)

ガチャ

咲「すみません、遅れました」

和「あっ、咲さーん!」

咲「げっ」

和「咲さん!咲さん!」

咲「あ~…」

和「遅かったですね、迷いましたか?疲れてませんか?今お茶をいれますね。大好きです付き合ってください」

咲「ちょ、ちょっと、まくし立てないで」

久「相変わらずねぇ」

優希「のどちゃん、一日一回は告白してるじぇ」

和「大好きです付き合ってください!」

咲「なんで2回言ったの……」

和「何度でも言いますよ!」ムフー



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まこ「和も大分変わったのぉ」

優希「咲ちゃんに一度ふられてからは吹っ切れたんだじぇ」

京太郎「昔は落ち着いた美少女だったのにな……」ハァ


咲「あのね和ちゃん、何度も言っているけどお付き合いはできないから」

和「なぜですか?好きな人がいるんですか?」

咲「いや、そういうわけじゃないけどね。今は恋愛とかにそこまで興味がないっていうか」

和「では興味を持って頂けるように頑張りますよ!」

咲「埒あかねぇ」

久「あら、誰かにここまで好いてもらえるなんて中々ないことよ咲」

咲「部長まで」

久「ましてこんな美少女に好いてもらえるなんて羨ましいわよ」

京太郎「確かに」

和「そうですよ」ドヤア

咲「和ちゃん、あまり臆面とかなくなってきたよね」イラッ

和「もう使える武器はなんでも使うことにしましたので」ドヤア

咲「とにかく!和ちゃんとは付き合いません!」

和「そんなあ」

咲「別に恋人じゃなくてもお互い一番の友達なんだからいいよね!」

和「えっ」

咲「えっ?何かな、おかしいこと言ったかな?」

和「いえ!そういうわけでは……」

咲「その割に何か言いたいことがありそうだけど」

和「いえ、あの……咲さんは私にとってかけがえのない友人であることは確かですよ?でも……」

咲「?」

和「一番の友人ってなると優希かなって」

咲「は、はぁ!?」

咲「ふ、普通そういうこと言う!?自分の好きな人にそういうこと言うかな!?」

和「す、すみません優希は人生で一番信頼できる友人なので譲れないかと」

咲「ああ、逆転の余地なしだよこれ……」

優希「の、のどちゃんは私に気を使っているだけだから気にしちゃだめだじぇ」プルプルニヤニヤ

咲「顔面から喜びが隠れきれてないよ優希ちゃん」

優希「正直咲ちゃんに御執心ののどちゃんが自分のことちゃんと考えてくれててニヤニヤが止まらんじぇ」

和「あっ、さ、咲さん!一番信頼できる恋人の枠はまだ空いてますよ」

咲「求めてないよ」

和「和のここ、空いてますよっ」

咲「求めてないよぉ!」イラッ

和「で、ですがっ」

咲「一番の友人じゃなくてもいいよ。ほらっ、高校で一番お世話になった人とかで」

和「……」

咲「え、何?これもちがうの!?」

和「……よく気にかけてくださるのは染谷先輩かな、と」

まこ「和……」ジーン

和「京太郎くんにも大分裏方で支えて頂きましたし」

京太郎「おぉ……」ジーン

咲「いや私だって……」

和「……」

咲「……」

和「どちらかというと迷子関連でお世話する側だっ」

咲「いわないで」

咲「ま、まあ今のは私のチョイスもよくなかったかもね!」

咲「じゃあ一番尊敬している人!これでどうかな」

和「え、咲さんは私のこと尊敬しているのですか?」

咲「うん、まあ変なところをのかせば頭もいいし、何でもでき……って私じゃなくて和ちゃんはどうなのっ?」

和「は、はい!私も咲さんのこと尊敬してしてます!」

咲「そっか」ニコッ

和「はい!」エヘヘ

咲「……」

和「……」

咲「で、一番は?」

和「竹井先輩ですね」

咲「もぉおお!なんなの和ちゃんさぁあああああ!!?」

久「へっ、私?それは意外ね」

咲「そうだよ!和ちゃん部長の悪待ちとか否定してたじゃん!」

和「それはそうですけど……学生議会や麻雀部で見せるリーダーシップやコミュニケーション能力」

和「そして3年生まで雌伏に耐える忍耐力などはすごいと思いますし」

久「ちょ////」

まこ「こん人真面目に褒められるの慣れとらんからやめたりぃ」

和「それに先輩に特訓して頂いたおかげで今も咲さんといることができてますし」

和「本当にありがとうございます」ペッコリン

久「あ、もう、うん、わかったから////」

久「私も、最後に夢見させてもらって……ありがとね」グスッ

和「部長……」

咲「オッホンオホン、エヘン」

咲「怒りにくいよ!!」

咲「ああもう和ちゃんさぁ、何なら一番なのかな?ねえ、何なら私一番なのかな!?」

和「一番大好きです!」

咲「っ、そ、それ以外で!」

京太郎「咲、今ちょっと心揺れただろ」

咲「ゆ、揺れてないもん!」

和「あ、今の『もん!』可愛かったです、もう一回やってください」

咲「うるさいよ!」

優希「可愛い……咲ちゃん、一番可愛いと思う人ってのはどうだ?」

まこ(なんか趣旨違ってきてないかの)

咲「え……でも、可愛いとかは私……」

和「あ、それなら一番ですよっ咲さん!」

咲「え……本当?」

和「はい!咲さんが一番可愛いです!」

咲「一等賞?」

和「一等賞です!」

咲「ナンバーワン?」

和「ナンバーワンです!」

咲「そっかぁ、エヘヘ……お、オンリーワン?なんちゃって」

和「オンリーワンです!……あっ」

咲「あっ?」

和「い、いえ、オンリーワン、オンリーワンです!」

和「……」

咲「……」

和「……」

咲「……で、誰なの」

和「えっと、咲さんに比べたら全然なんですけど……」

咲「うん、そういうのはいいからさ」

和「準決勝で戦った有珠山高校の真屋由暉子ちゃんが……」

咲「……」

和「ちょっと可愛いなぁ、なんて……」

咲「……」

和「あっ、でも服装とかが好みだったから可愛くみえただけでもう一回会ったらそんなにかも」

咲「可愛いに決まってるじゃん!何度会っても可愛いに決まってるよ!」

咲「真屋さんってあれでしょ!?大会終わっても和ちゃんと並んで一般誌に特集組まれてた子でしょ!?」

和「で、ですが私の中では咲さんがダントツです!」

咲「いやいや、そんなガチどころの前じゃ周回遅れにしてても安心できないよぉ」

咲「よく考えたら奈良の友達も可愛い子ばかりだったし、このジャンルは危険過ぎるよ」

久「でもねぇ咲。他のジャンルと言っても何かに自信持っているのかしら」

咲「うっ」

京太郎「頭も運動神経も普通だしなあ……麻雀はアホみたいに強いけどな」

まこ「和『咲さんは私にとって一番麻雀が強い人です!』」

優希「ちょっと虚しすぎるじぇ」

咲「み、みんなして何なのかな!?」

和「そうですよ!咲さんには良いところがたくさんあります!」プンスコ

久「……逆に、一番じゃなくてもいい。と考えてはどうかしら」

咲「えっ!」

和「えっ」

久「咲にとって優希も大切な友達よね?」

咲「勿論です」

久「でも一番ではない」

咲「そ、それは」

久「別にいいのよ。一番と言えなくても凄く大切といえるものはたくさんあるもの。そういうものでしょ?」

和「……」

久「じゃあ一番にこだわらなくてもいいじゃない。それとも一番でいたい理由でもあるのかしら?」ニヤリ

咲「っ、そんなものありませ」

prrr prrr prrr

和「の、のどどっ」

和「あ、今のははやりんの『はやや』からとっていてですね」

咲「そういうのいいから早く出なよ」ズバッ

和「はい」シュン ピッ

和「はい、あ、ユキちゃんですか?」

咲「……」ピクッ

和「そうですよ、のどちゃんです」

咲「……」

和「はい、大丈夫です。バッチリ予定空けてるんで」

咲「……」

和「はい、はい、楽しみにしてますね。のどど~」ピッ

和「ふぅ」

咲「……」

和「あ、お待たせしました」

咲「なに、今のは」

もうすぐ終わるけど
今日はここまで

和「あ、真屋さんとはやりんのコンサートに行く約束してまして」

咲「ふーん、そっか」

和「はい」

咲「……」

和「……」

咲「ユキちゃんって呼んでるんだね」

和「はい?」

咲「いや、さっきは真屋さんとか言ってたのに本人にはユキちゃんって呼んでるんだなと思って」

和「はあ、まあ」

咲「……」

和「……」

咲「……」

和「……」

咲「え、2人?」

和「え?」

咲「コンサート行くの、2人?」

和「あ、コンサートは真屋さんと2人で行くのかってことですか?」

咲「うん」

和「そうですよ。泊まりがけですし、あまり大人数だと動きづらいですからね」

咲「泊まり!?」

和「ひゃっ!?咲さん急に大声出さないでください」

咲「いやいや和ちゃん、私どうかと思うなそういうのは。うん、どうかと思うよ実際」

和「そ、そういうのとは?」

咲「だってそうだよね?和ちゃんには好きな人がいるんでしょ。ほら、なんて言ったっけ?さ、さ、」

和「咲さんです!」ニパッ

咲「そ、そうだったね。それなのに他の子と二人で泊まりに行っちゃったら、ほら、勘違いされるかも!」

和「勘違い、ですか?」

咲「ほら、自分のことは本気じゃなかったのかとか、一般論として、ね?」

和「そんなオカルトありえません!私は本気で咲さんが好きです!」

咲「そ、そっか////でもそれならやっぱり軽々しい行動はやめたほうがいいんじゃないかな?」

和「うぅ……そう、でしょうか……」

咲「うーん、やめておいたほうが無難じゃないかな?一般的にね」

和「わ、わかりました。真屋さんには申し訳ないですが、何とか日帰りに……」

優希「ちょーっと待つじぇ!咲ちゃん、それは違うんじゃないか?」

咲「!?、な、何がかな?」

優希「のどちゃんは今回のはやりんリサイタルをずっと楽しみにしてたんだじぇ」

優希「やっと同じ趣味を持つ人と会えた、やっとはやりんの素晴らしさを語りあえる、とな!」

咲「う…!」

優希「行ってほしくないなら理由を素直に言うべきだじぇ!一般論に逃げ、あまつさえのどちゃんの気持ち疑うなど!」

優希「のどちゃんの一の親友であるこの片岡優希が、あ!許さないじぇ~!」カカン!

咲「う、うぐぅ」ガクッ


まこ「あんなぁは何でさいご歌舞伎っぽく言ったんじゃ……」

京太郎「気持ち良くなっちゃったんでしょうね……」

優希「さあ咲ちゃん!」

優希「自分の気持ちを素直に言うがいいじぇ!」

優希「さあ!」

優希「さあ!!」

咲「わ、私の気持ち……」

和「……」

咲「うぅ……」

咲「私の、気持ちは……あぅ」

和「……」

和「……」

和「………無理しなくてもいいですよ」

咲「……え?」

優希「のどちゃん?」

和「咲さんの想いがまだ私に向いてないのはわかってますから」

久「和……」

和「コンサートには日帰りで行ってきますから安心してください」

咲「……」

優希「でものどちゃん、あんなに楽しみにしてたのに」

和「いいんです」

和「咲さんを振り向かせるなら、妥協なんてしてられませんからね」ニコッ

まこ「……」

京太郎「……」

咲「……ずるいよ」

和「咲さん?」

咲「ずるいよ和ちゃん!そんな風に言われたらさ!」

咲「正直私、和ちゃんのこと」

和「えっ」トゥンク・・

咲「好きとまでは言えないと思う」

和「ちぇっ」

咲「……何か文句でも?」

和「いいえ滅相もない!続けてください!」アセアセ

咲「……でも嫌なんだよ。なんでか分からないけど他の誰かと私が知らないことされるのは嫌なのっ!」

優希「じぇ~…咲ちゃん結構嫉妬深いタイプだったんだな」ボソッ

まこ「正直意外でもないけどの」ボソッ

京太郎「そうっすね」ボソッ

咲「そこっ!聞こえてるよっ!?」

和「咲さん、安心してください。さっきも言ったようにコンサートには日帰りで行ってきますから」

咲「……ううん。冷静に考えたらわがままを言い過ぎたよ。真屋さんにも悪いし泊まりで楽しんできて」

和「ですが……」

咲「大丈夫、もうそれで疑ったりはしないから」

まこ「部長、何とかならんのか?」ボソッ
久「うーん、そうねぇ……」

久「……和、コンサートはいつなの?」

和「?……2週間後ですが」

久「よし!あなたたち、1ヶ月だけお試しで付き合いなさい!」

和「はい!」

咲「へっ?……え、えぇええええええ!!?」

咲「な、なんで?なんでそうなるんですか!?」

和「まぁまぁ、竹井先輩のことですから考えがあるんですよ」

咲「和ちゃんうるさい!」

咲「どういうことですか、部長!」

久「お試し期間とはいえ付き合っていたら、和のただでさえあり得ない浮気の可能性はゼロよ!咲も安心でしょう?」

咲「そ、それは……だからって!」

久「まぁまぁ、恋人に代わる関係を発見するいい機会にもなるわよ」

久「そのかわり咲がそれを発見して1ヶ月後に別れを告げても和はゴネないで潔く一から頑張ること!どう?」

和「望むところです!」

咲「えぇ……うーん、それならいい、のかなぁ……」

まこ(正直全然よくないと思うが黙っとくかの)

和「えっ、じゃ、じゃあ!」

咲「むぅ……言っとくけどお試しだからね!1ヶ月だけ!変なことしてきたらもっと早いから!」

和「今スタート、今スタートですかこれ?!」

咲「聞いてるの!?」ペシペシ

和「幸せ過ぎて死んじゃいそうでふ~」フエーン

咲「っ、あ、あっそ!」プイッ

優希「のどちゃん、良かったな」

京太郎「どうなるんですかね、これ」

まこ「全くわからん」

──1ヶ月後

優希「なぁなぁ」

京太郎「ん、どうした?」

優希「今日で咲ちゃんとのどちゃんが付き合って1ヶ月だじぇ」

まこ「もうそんなになるかのぉ」

咲「」ビクッ

和「優希!?せっかく咲さんが忘れていたかもしれないのにっ」

京太郎「いやセコいな!?大丈夫だって和、なあ?」

優希「まぁ最初は心配だったけどな」

久「そうねぇ」

まこ「わしは3日目くらいに手を繋いどるのを見たぞ。こっち気づいた咲がパッと離したが」

咲「!?」

優希「一週間後には咲ちゃんがお弁当作ってきてたじぇ。おかず作り過ぎたとか言ってたな」

咲「ほ、ほんとだもん」

京太郎「おれは咲が電話で『浮気しないでね?ね?』とか言ってるの聞いたぞ。二週間たった頃か」

咲「真似しないで……じゃなくて言ってない!言ってない!」

久「私なんて学生議会室から見えるんだけど、昨日ふたりが非常階段で「うわぁああ!うわぁああ!」

咲「」ハァハァ

久「で、どうするのかしら?別れるの?」

咲「っ……それはっ」

和「えっ」

咲「…………」

和「咲さん……」

咲「…………」

和「……うぅ」ウルウル

咲「~~~~~ッ!!!」

咲「あーっ!もうっ!」

咲「無期限延長ねっ!」

和「えっ!えっと?ということは?えっと?」

優希「良かったな、のどちゃん」

和「!!!!」

和「やりました!やりましたよ優希!」ムギュ

優希「ちょっ、のどちゃ、息が」

咲「ちょっと、なにしてるのかな?」ゴッ

優希「ひぇっ、これは不可抗力だじぇ~っ」


久「いやー、これからが大変そうね」

まこ「他人事じゃのう」

久「あら、十分働いたじゃない。咲の新しい一番も見つけてあげたわけだしね」

京太郎「一番ですか?」

久「ええ、宮永咲は『一番嫉妬ぶかい』!」


咲「優 希 ち ゃ ん」ゴウッ

優希「ヒィっ、理不尽だじぇ~っ」



カン!

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