モバP「飛鳥と光・山桜花」 (12)


『カレーライス』

飛鳥「光、そこの醤油をとってくれるかい」

光「はい。でも、醤油入れる物なんてあるのか?」

飛鳥「カレーに入れたの、ボクは好きなんだ」

光「ふーん。美味しいのか?」

飛鳥「美味だから入れるのさ」

光「それもそっか。一口食べていいか?」

飛鳥「自分のに入れてみればいいだろう?」

光「アタシの方も味変えちゃってるんだ。だから、醤油だけのを食べてみたくって」

飛鳥「やれやれ、じゃあ一口だけだよ?」

光「ありがと飛鳥ッ! ……おお、これは美味い!」

飛鳥「食堂の醤油が美味しいのもあるけどね。美城醸造はいい仕事をしてるよ」

光「メーカーごとに違うんだな? じゃあ、これ!」ゴトッ

飛鳥「光のカレー?」

光「一口貰ったんだから、次は飛鳥だろ?」

飛鳥「ふふ、律儀だね。ではお言葉に甘えて、いただきます」パクッ



幸子「フギャー!  ボクの秘蔵の『及川牛乳・濃度7.2%』がありません!」ガサゴソ

紗南「飛鳥ちゃんと美由紀ちゃんが飲んでてさ、後で補充するって言ってたよ?」ピコピコ

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『コーヒー』

飛鳥「コーヒーは苦手だって言ったろう」

モバP「緑茶は飲めない、紅茶は品切れ、自販機は現在修理中だ。それとも、焙じ茶でケーキを食べるか?」

飛鳥「ごめんね、焙じたてしか飲まない主義なんだ」

モバP「食道楽か。シュガーとミルクは幾つ欲しい」

飛鳥「じゃあ三つ、いや二つほどーー」

バタン!

光「ただいま! って、おお、バナナタルトだ!」

モバP「数はあるから、慌てないでくれ」

光「サンキュッ! ……って、飛鳥はコーヒー駄目なんじゃないのか?」

飛鳥「偶には気分を変えるのも悪くないだろう?」

光「それもそうだな! P、コーヒー余ってたらくれるか?」

モバP「あるある。コーヒーは給湯室だから、少し待っててくれ」




給湯室

モバP(飛鳥め、意地を張ったな。光の分はミルクコーヒーにしておこう……)コポコポ


『ヘッドリフレッシャー』

飛鳥「結ってみるつもりは無いのかい?」

光「なんか面倒だしいいや」

飛鳥「纏めた方が動き易いと思うけどね」

光「うーん……にしてもさ、アタシの髪弄るの楽しいのか?」

飛鳥「これだけの量は、弄り甲斐があるからね。はい、これでブラシはおしまいだ」

光「おお……! なんかスルスルする!」

飛鳥「回文かい? 要望があるのなら、ポニーだろうとツーサイドだろうと、何にでもしようか」

光「ツーサイドって何だ?」

飛鳥「麗奈の髪型だよ」

光「ならツインテールって言ってくれよっ」

飛鳥「ツインテールの一種類なのさ。いっそ、お団子にでもしてみるかい?」

光「似合うか? って言うか、難しそうだ」

飛鳥「コツを掴めばカンタンさ」

光「アタシが不器用なの知ってるだろ。それとも、いちいち飛鳥を呼ぶのか?」

飛鳥「キミは呼ばれたら来るのだろうに。片一方のみの関係は不平等で嫌だよ」

光「それはそうだけど……。ところでさ」

飛鳥「なんだい」

光「そろそろ膝から降りていいよな?」

飛鳥「ダメだね。もう少しキミの可能性を見せて貰おうか」

光「むー……」

愛海(とか言いつつ、抵抗はしてないんだよねー)モミモミ

光「……んっ……へぅっ、ぉ……」

飛鳥「ブラシで頭皮をマッサージされる感覚はどうだい? ……ふふっ、言葉にならないみたいだね」

愛海「何やってんの!? 不味いでしょ!?」モミモミ

幸子「一番不味いのは愛海さんです!」


『どんな色が好き?』

飛鳥「水色をよく着てるみたいだけど、好きなのかい?」

光「そんなに着てるか?」

飛鳥「知ってる限りでは、水色や青ばかりだよ」

光「そうかー。なら、好きかも」

飛鳥「理由があったりするなら、聞いてみたいな」

光「うーん……空っぽいから、かな?」

飛鳥「スカイブルーが好きな人らしい答えだね」

光「飛鳥が好きな色はなんだ? アタシ は水色も好きだけど、白も好きだよ」

飛鳥「金……いや、オレンジと黒、かな。それに紫に薄桃色に……」

光「全然絞れてないな」

飛鳥「全部いい色だろう?」

光「あはは、言えた! でもなんか、高級感のある色って感じだな」

飛鳥「高級感? 何だかこそばゆいな……」

凛「私は蒼がモゴ」

モバP「凛は自重するの」


『さくらんぼ』

光「甘いっ! ……そして美味い! こんな食べ物があっただなんてな!」

飛鳥「いいだろう? この店のパフェは」モゴモゴ

光「うん。特訓やパトロールばかりじゃなくて、偶には街をぶらついてみようかなぁ」

飛鳥「ふふ、青春をきちんと謳歌しようか」モゴモゴモゴモゴ

光「ああ! ところでさ、飛鳥は何をモゴついてるんだ? パフェはさっき食い終えてただろ」

飛鳥「こういうことさ。んえっ」

光「おお、さくらんぼのヘタが結ばれてる! 器用だな!」プチッ

飛鳥「言ってるそばから、ヘタを引きちぎって……まさか、いきなり挑戦するのかい?」

光「とりあえずやってみたいだろ? んぅぅぅぅ……!」




光「ひははんは……」(舌噛んだ……)

飛鳥「食べれない様だったら、残ったパフェは食べようか?」

光「かほひーはふぁいひょうふはほは?」(カロリーは大丈夫なのか?)

飛鳥「理解らない、理解らないよ」


『夜桜見物』

光「月がある! 星がある! そして、ライトアップされた桜がある……!」

飛鳥「昼ばかりが桜では無いということさ。どうかな」

光「綺麗だよ、ものすっごく! 全部乗せ合体ばりに贅沢だ!」

飛鳥「喜んでくれて何よりだよ。キミもたまには、夜の散歩を楽しんでみるといい」

光「夜のパトロール兼ランニングはやってるよ?」

飛鳥「なるほど。女子寮の七不思議『丑三つ時の水子の霊』の正体はキミだったのか……」

光「そんなのあったのか?」

飛鳥「今思いついた」

光「嘘かっ。……でも、あったら面白いな」


飛鳥「七不思議というのは、人の噂が世代を超えて定着して生まれるものなんだ」

光「じゃあ、次に女子寮に来る子がいたら、語り継いでいけば!」

飛鳥「いつの日か根付くだろうね」

光「へへ、それは楽しみだな! それにしても、いい桜だなぁ……」

飛鳥「ソメイヨシノは、見目麗しいから広く分布した桜だからね」

光「これ、ソメイヨシノなのか?」

飛鳥「足元のプレートを読むといい」

光「あ、ホントだ!」

飛鳥「ふふ……。ソメイヨシノはね、自然交配では増えない桜なんだ」

光「じゃあ、どうやって増えるんだ?」

飛鳥「接木だよ。人の手でクローニングされることによってのみ種の繁栄を保っているのさ」

光「ってことは、世代を重ねるってこと自体出来ないのか」

飛鳥「ああ。可哀想にね、散って枯れる無情を見せつける為だけに造られた命なんだ……」

光「その度にこうやって人に見られて思い出になれるんなら、アタシは嬉しいんだけどな」

飛鳥「キミは強すぎるよ。……よっと」ゴロッ

光「汚れるよ?」

飛鳥「星がよく見えるんだ。キミもしてみたらどうだい?」

光「そうだな。よっと」ゴロッ

飛鳥「いい星だろう?」

光「ホントだ……こんなに見えるなんてな」


飛鳥「いい宇宙(そら)だよ。オーストラリアの夜空に負けず、人を引き込む光だ」

光「へー……でも、いいなぁ。そんな綺麗なのを見てきたんだろ?」

飛鳥「まぁね。ボクの眼をキミにつけてあげられないのが、少し悔しいな……」

光「どう綺麗だったか話してよ!アタシ、聞いてみたい!」

飛鳥「それは室内でしよう。春とはいえ夜はまだ冷えるし、喉に良くないだろう?」

光「あ、そっかぁ。……いいな、あの星。一番光ってる」ニギニギ

飛鳥「暗闇の中、煌々と光る夜空の星……いいね、確かに」

光「ダークイルミネイトって、もしかしてそんな意味なのか?」

飛鳥「考えたこと無かったかな。そうかもね」

光「へへ。……あの星みたいに……な!」


飛鳥「さて、長居をしすぎたし、そろそろ戻ろうか」

光「もう少し見てるのはダメか?」

飛鳥「……じゃあボクも、夜風を聴くとするよ」

光「寒かったら言ってよ。マフラーならあるからさ」

飛鳥「持って来たは良いけど使わなかったから、荷物を押し付けたいんだろう?」

光「あ、バレた?」

飛鳥「まぁ、冷えたら借りるさ」

光「うん。……ところでさ」

飛鳥「うん?」

光「飛鳥の髪、少し伸びた?」

飛鳥「キミが言うことじゃないな……」

おわり

また飛鳥と桜で書きました。二枚目が来てくれませぬ。光は再登場してください。
依頼出してきます。

依頼出してきました。

前作です
モバP「飛鳥と光・パイロットフィルム」
モバP「飛鳥と光・パイロットフィルム」 - SSまとめ速報
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