真尋「フォークシールドを使えるようになった」ハス太「へぇ」(14)

ハス太「前回のレッグフォークといい今度は何で使えるようになったの?」

ハス太「今朝は下半身からフライングフォークが出来るようになったとか言ってたよね?」

真尋「ほら、邪神をも凌駕するフォークの投擲術はニャル子達のサポートがあってこそ」

真尋「僕1人じゃ防御面があまりにも脆すぎる、それを補おうと思ったら使えるようになった」

ハス太「補おうと思っただけで使えるようになる代物じゃないよね?」

真尋「そりゃもう少し筋肉鍛えて防御を上げたいけど、鍛えるのだって時間がかかる」

真尋「そうなるとフォークシールドになるわけだ」

ハス太「何でさも筋肉鍛えるよりフォークシールドの方が簡単みたいな事言ってるの?」

真尋「僕の場合フォークの投擲術が得意だろ? だから」

ハス太「そのりくつはおかしいよっ」

真尋「お前達と一緒に何度か地球とは重力や気圧がまったく違う星にいっただろ?」

ハス太「セラエノ図書館とか?」

真尋「それが原因でフォークシールドが出来るようになったと思う」

ハス太「本家のフォークシールドがヘビーホールでとうじょうしたからってなっとくしないよ?」

真尋「それに今まで気付かなかった、守られる側であったからあまり意識すらしていなかった」

真尋「"守る"ということ、強敵と闘うときの"防御"の重要性」

真尋「ニャル子と共に生きると誓った、ならばそれを"行動"で示すんだ」

ハス太「いい話っぽくしてるけどトリコの台詞を中途半端にパクってる事実にだまされないからね?」

ハス太「それでフォークシールドはどんな感じ?」

真尋「まず手で作った場合だ、フォークシールド!」シュッキン

ハス太「おお、本当だ」

真尋「だがまだ未完成」

ハス太「そうなの?」

真尋「触ってみろよ、このシールド」

ハス太「あっ、ぺらんぺらん」ペランペラン

ハス太「これっていつ消えるの?」

真尋「手の場合は7時間はこの場に残り続けるよ」

ハス太「無駄にながいね」

真尋「どうもフライングフォークの威力が上がらないとシールドもこの程度らしい、前回よりはマシになったけどそれでも投げつけた包丁と同程度でシールドはさらにもろい」

ハス太「守る前にかぜで飛ばされそうだねっ」

真尋「これじゃあ使い道はない――あ」

ヒュウウウウウ


田中の妹「兄貴! 空からぺらぺらなフォークが!」

田中「は? ぐはっ!」ザクッ

田中の弟「もしもし病院ですか! 散歩してたら空から降ってきた薄いフォークがうちの兄貴に刺さって!!」


真尋「風の邪神なんだからしっかりしろよ」

ハス太「え、ぼくのせい?」

真尋「次は足の場合」

ハス太「足でも出来るの?」

真尋「こっちの方が性能がいいんだ」ヌギヌギ

ハス太「くつした脱ぐんだ」

真尋「足の指の微妙な動きが反映されるから素足の方がダンチでね、フォークシールド!」シュッキン

ハス太「目に見えてわかる、さっきのとは厚さがちがうねっ」カンカン

真尋「素足になる必要がある欠点があるけど……対した欠点じゃないな」

ハス太「でも素足に靴じゃ石田純一だよ?」

真尋「普段は履くしニャル子を守れるならそれくらい平気さ」

ハス太「そのうちクー子ちゃんに手を出して『不倫は文化だ』とか言い出したりしないでねっ」

真尋「それでこのフォークシールドの強度を測りたい、手伝ってくれないか?」

ハス太「いいよっ、えいっ」ブオオオオッ

ドカーンッ

真尋「びくともしないな、それってどれくらいの威力なんだ?」

ハス太「旧式のカノン砲クラスかな?」

真尋「その程度なら僕の安売りで購入したフォークでも防げる」

ハス太「じぶんでいっててそれに違和感をおぼえないのかな?」

真尋「お前達との生活が違和感そのものなのに何を今更」

ハス太「それもそうか、とうっ」回し蹴りで真空波スパッ

カキィィン

真尋「ミ=ゴを葬る攻撃まで防げたのは予想外だったよ」

ハス太「じゃあこれはどうかな?」空掌スッ

グボォ

真尋「あっ壊れた、いきなり刃牙ネタは卑怯だろ」

ハス太「原作でもやってるから仕方ないもんっ」

ぬーこ「あらっ、よりより先輩の息子君じゃない」

真尋「この前はどうも」

ぬーこ「それと……あら、琥太郎くん、髪の色変えた?」

ハス太「ハス太です、これは地毛だよっ」

ぬーこ「ごめんごめん、間違えちゃった、てへっ」

真尋「この前のように邪神ハンターの仕事を同伴できますか?」

ぬーこ「丁度よかったわ、ガララワニがバロン諸島外に出て生態系が乱れる恐れがあるから追い払うのに人手がいるって教授から言われてるのよ」

ぬーこ「でも大丈夫? 今回のターゲットは一頭だけどバロンタイガーより強いわ、捕獲レベル5よ」

真尋「大丈夫です、お願いします」

次の日

真尋「フルパワーのフォークシールドが割り箸のようにへし折られた」

ハス太「76ミリの鉄筋にエレベーター用のワイヤーをまきつけた限界張力約40トンの釣竿を容易くへし折るんだから予想はしてたよ」

真尋「フォークなのに割り箸って何なんだよ、くそっ」

ハス太「バロンタイガーもまともに倒せないんだからガララワニを倒せるわけないでしょ、捕獲レベル2の違いは結構大きいよ?」

真尋「それとバロンヒルがキモかった、この程度で気を取られたらそりゃ足手まといになるよな……」

ハス太「……まひろくん」

真尋「もっと……力が……力がほしい」

ハス太「おちついて、力に執着するのは闇堕ちの王道パターンだよっ」

ハス太「前も言ったけどニャル子ちゃんを心配させちゃ元も子もないよね?」

真尋「そうなんだけど、今まで女々しかったからこれくらい男らしくしたくて」

ハス太「でも人と邪神じゃ基本的能力が違うよ、まひろくんの基本的能力を普通の人に当てはめられるのかぎもんだけど」

真尋「やって駄目なら納得できるけど、やる前から諦めてたらこれからの人生生きてけない、過去の探求者達はそれで命を失ったかもしれない」

真尋「けど僕がニャル子といられる時間はニャル子にとってとても短い、僕が死んだ後はまた新しい男を探すだろう」

真尋「いつまでもニャル子の中の記憶に居続ける事も出来ないだろう、それほど邪神の寿命は長い、そうだろ?」

ハス太「……」

真尋「だから……せめて自分の身は自分で守れる程度の力がほしい、贅沢を言えばニャル子を守れるほどの力量があればいい」

ハス太「ニャル子ちゃんはそこまで求めてないよ」

真尋「……」

ハス太「事件にまきこんでるのはぼくたちだし、いままでだってぼくたちのやる気を出してきたでしょ」

真尋「……でも……」

ハス太「ニャル子ちゃんはまひろくんが人間であることを配慮した上で一緒にいたいと思ってる、少しでも、ほんの少しでも長い時間」

ハス太「ぼくだっておとこだから大切な人をまもりたい気持ちは十分わかるよ」

ハス太「でもそのために好きな人との時間を縮めたら、心配させたら、ニャル子ちゃんはせきにんをかんじちゃうよっ」

真尋「……そうだな、あいつ意外ともろいし、それを守るよ」

ハス太「そうだね」

真尋「でもまだ限界に行き詰った訳じゃないから邪神ハンターの仕事は少しやるぞ」

ハス太「焦らないでね、ぼくも心配してるんだから」

ハス太「ニャル子ちゃんには邪神ハンターの件は話さないでおくから、無理しないでよっ」

真尋「わかってるよ」



     フォークを握らなければ ニャル子を守れない















                フォークを握ったままでは ニャル子を抱き締められない

ハス太(まひろくんのノートが開きっぱなしだったから読んでみたらオサレなポエムが書いてあった)

ハス太(これどうしよう、フォークくらいの大きさなら握ったまま抱き締められるよね……)

クー子「……うわぁ」

ハス太「あっそうだ、クー子ちゃん、このノート食べる?」

クー子「……大食いキャラだけどガッちゃんじゃないからね」

次の日

真尋「今日、学校の帰りに事件で敵のアジトに行っただろ?」

ハス太「それがどうしたの?」

真尋「一緒だったからわかるだろうけど、戦闘に参加して黒い仔山羊ベスを軽く20匹ほど退治した時、ニャル子とクー子が若干引いてた気がするけど何でだろう」

真尋「よかれと思って戦闘に参加したが心配かけたのかな?」

ハス太「確かににはしんぱいだろうけど、別の意味じゃないかな……」

ハス太きゅんハスハスしたい

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