シャーク「・・・」

璃緒「どうしたのボーッとして」

シャーク「何でもねえよ」

璃緒「変なの」

シャーク「家族と離れ離れになるってお前はどう思う？」

璃緒「それは・・・」

シャーク「一日だけでも夢を見させてやるか」

璃緒「何処行くの？」

シャーク「用事だ」

アリト「どうしたんだナッシュのやつ？」

ミザエル「考え込んでたな」

ドルべ「私もついて行くぞ！」

シャーク「来るな」

ドルべ「・・・」

ギラグ「まあ1人にさせてやろうぜ」

アリト「だな」

シャーク「ってわけだ」

遊矢「つまり柚子に1日だけ瑠璃を演じてくれって？」

柚子「無理よ、私は柚子で瑠璃じゃないし」

シャーク「そんなもん黒咲だって理解してるじゃねえか」

遊矢「でもな・・・余計に傷口を広げるだけじゃないの？」

シャーク「1日だけだって言ってるじゃねえか！」

柚子「・・・わかったわ凌牙さん」

シャーク「・・・いややっぱ止める」

柚子「やめる？」

シャーク「お前らじゃ気が引ける。悪かったな」

遊矢「じゃあ黒咲を慰めるのはやめるの？」

シャーク「慰めるだろ？勘違いすんじゃねえ」

柚子「じゃあ何で？」

シャーク「・・・何だっていいだろ！じゃあな！」

遊矢「他に何かあるの？」

シャーク「てめえらで撒いた種はてめえらで狩らせてやる」

シャーク「てめえに断る権利はねえぞ」

セレナ「私が黒咲の妹に1日だけなれと言うのか！？」

シャーク「てめえらの次元があいつら兄妹を引き離したんじゃねえのか！」

セレナ「わ、私は」

シャーク「言い訳すんじゃねえぞ？てめえも融合次元の生まれじゃねえか！」

セレナ「・・・」

シャーク「ハッキリ言って信用ならねえよ。いつ遊矢達を裏切るかわかりゃしねえもんな」

セレナ「・・・わかった。黒咲の妹の代わりをする」

シャーク「妙な動きをすればデュエルで制裁してやるからな」

セレナ「そんな動きはしない。1日だけでも黒咲の妹の代わりを勤めてみせる」

シャーク「てめえに家族は居るか？」

セレナ「いや」

シャーク「だろうな。人間が人間を狩る芸当ができる奴に血も涙もあったもんじゃねえ！」

セレナ「・・・」

シャーク「ボサっとすんなよ。さっさと黒咲のところへ行って来い」

シャーク「ん？」

遊矢「・・・」

シャーク「見てたのか」

柚子「あんなの八つ当たりよ！」

遊矢「セレナは無関係なんだって説明したじゃないか！」

シャーク「お前らに妹や弟は居るか？」

遊矢「一人っ子だけど」

シャーク「ならわからねえだろうぜ。黒咲の気持ちが」

柚子「で、でも！セレナは」

シャーク「あんまり融合次元の奴らを信用するな。あいつらには心がねえ」

遊矢「心ならある！ちゃんと頑張ってやってるだろ！」

シャーク「そうやって信じてた奴に足元をすくわれた奴を俺は知ってる」

シャーク「ベクターもやり口はえげつねえがデュエリストじゃねえ奴に手は出してねえ」

遊矢「でも全員を悪って決めつけるのはどうかと思うよ俺は」

シャーク「俺は遊馬やカイトみたいに甘くはねえ！やるって言ったら徹底的にやるぜ！」

セレナ「黒咲」

黒咲「瑠璃！？瑠璃から話しかけて来るなんて珍しいな」

セレナ「今日だけは私を妹と思ってもいいぞ・・・今日だけは」

ユート「どうかしたのか？変だぞ」

セレナ「私にも責任がある」

ユート「責任？」

黒咲「ラーメンでも食いに行くか？」

セレナ「ラーメン？」

黒咲「さあ瑠璃も来るんだ！」

シャーク「・・・」

遊矢「世話好きだね凌牙さん」

柚子「意外よね」

シャーク「うるせえな。追うぞ！」

遊矢「俺達も？」

シャーク「嫌なら別にいいがな」

セレナ「ラーメンとはこれの事か」

ユート「食べた事は？」

セレナ「同じような物を十代に食わされた事がある」

黒咲「腹が減ってるだろ？食べてみるんだ」

セレナ「・・・これは動物も食べられるのか？」

ユート「何？」

セレナ「いや何でも無い」

柚子「元気無いわねセレナ」

遊矢「凌牙さんが無茶苦茶に言うから」

シャーク「うるせえな」

柚子「せめてセレナだけは認めてあげてよ」

シャーク「・・・」

遊矢「純粋な奴なんだから」

柚子「何もしなければ大人しいし」

シャーク「どうだかな・・・所詮は融合次元の生まれだ。いつか本性をさらけ出すぜ」

セレナ「次は何処へ行くんだ」

黒咲「瑠璃の行きたいところでいいぞ」

セレナ「あれ」

ユート「猫が木から降りれないようだな。仕方がない俺が」

セレナ「私が行く」

ユート「君が？」

セレナ「動物の扱いはなれている。だから下手に怖がらせずに降ろす事ができる」

黒咲「瑠璃がそこまで言うならやってみるんだ」

セレナ「黒さ・・・瑠璃はお前を何て呼ぶんだ」

黒咲「お兄ちゃんで構わない」

セレナ「お、お兄ちゃん・・・私に任せろ」

シャーク「猫を助けるってのかよ。あいつ」

柚子「優しい子なのよ」

遊矢「そんな優しい子を凌牙さんは」

シャーク「チッ・・・」

黒咲「大丈夫か瑠璃！」

セレナ「へ、平気だ！すぐに下りる」

ユート「・・・さっきから誰かにつけられているな」

黒咲「ああ」

遊矢「俺達の事がバレてるよ！」

シャーク「ばれてたのかよ。ったく、俺だ」

黒咲「そこだ！」シュッ

「痛ッ！」

シャーク「俺ら意外にも黒咲達をつけてた奴が居たのか」

黒咲「誰かと思ったらナイト・オブ・デュエルズの連中か」

「黒咲隼！今日こそは恨みを晴らしてやるぞ！」

ユート「知り合いか？」

黒咲「騎士を名乗る資格の無い騎士団だ」

「フッ、デュエルを受けねばあそこに居る女を叩き落とすぞ！」

黒咲「相変わらず器の小さい奴らだ」

シャーク「待ちやがれ！」

黒咲「凌牙？何処から」

シャーク「何処だっていいじゃねえか！こいつらとのデュエルは俺が引き受けてやるよ」

黒咲「いや俺が」

シャーク「今日ぐらいはせめてセレナを妹だと思えよ。だから遊んで来い」

「何だ貴様は！？」

シャーク「それとセレナ」

セレナ「何だ？」

シャーク「すまねえな。キツい事を言っちまって」

セレナ「気にはしていない。私達のやって来た事だ。私も関係ある」

「おい！部外者は引っ込んでいろ！」

シャーク「ゴタゴタ行ってんじゃねえよ。行けよ黒咲！」

黒咲「今日どころか瑠璃は瑠璃！それに代わりは無い！」

シャーク「それで俺はいいと思うぜ。来いよ騎士野郎！」

「くっ・・・デュエルだ！」

シャーク「てめえらが二度とデュエルできねえようにバラバラに噛み砕いてやるぜ！」

セレナ「良かったのか凌牙だけに任せて」

ユート「凌牙は遊馬やカイトと並ぶ実力者だ。負けるわけがない」

セレナ「・・・お兄ちゃん」

黒咲「どうした？」

セレナ「融合次元がアカデミアがお兄ちゃんの・・・妹を」

黒咲「たとえ融合だろうとアカデミアだろうと瑠璃は瑠璃だ。瑠璃に責任はない」

セレナ「そうか・・・」

黒咲「今日は思いっきり遊ぶぞ！ユートも来い！」

ユート「いや俺はこの辺で」

黒咲「いつか瑠璃と交際するかもしれない親友を1人にできるか！」

ユート「じゃあ俺も」

遊矢「これでいいの？」

柚子「本人同士が納得してるならいいんじゃない？」

遊矢「それもそうか」

柚子「凌牙さんもセレナがどういう子かわかってくれたしね」

シャーク「ただいま」

ドルべ「ナッシュ！悩みは晴れたか！？」

シャーク「ああ」

璃緒「凌牙、瑠那さんが来てるわよ」

瑠那「派手にデュエルをして来たようね」

シャーク「・・・璃緒と瑠那か」

瑠那「何かあったの？」

璃緒「凌牙？」

シャーク「ハーハッハッハ！！！どうやら俺とあいつは似てるって事なんだろうぜ！」

ミザエル「ど、どうしたんだナッシュは」

アリト「悪りいもんでも食ったんじゃねえか？」

ベクター「璃緒と瑠那・・・くっだらねえの」

ギラグ「何かわかったのか？」

ベクター「少しは頭を捻ってみろよ、なあミザちゅわ～ん！」

ミザエル「貴様！」

ドルべ「やめろミザエル」

ベクター「ヒントはメラグと瑠那と黒咲だぜ。頑張って考えてみな」