提督「加賀が赤城に入れ込む理由?」赤城「はい」 (23)

初スレ立て


提督「どうした急に」

赤城「いえ、大本営が作成した私達のドラマを見て思ったんです」

赤城「以前、加賀さんが沈みそうになって、ダメコンが発動したことがあったじゃないですか」

提督「あったな、AL/MI作戦の時の、あのときはそれを積んでいたとはいえ、流石に肝が冷えたよ」

赤城「その時の加賀さんが『 赤城さん……あなたが無事ならいいの……先に逝って……待ってるわね……』と言っていたんです」

提督「ああ、俺も記憶している」

赤城「加賀さんとは一航戦という前世からの付き合いですが、生憎と私は加賀さんと姉妹ではありません。そこでふと疑問に思ったんです」

提督「姉妹じゃないのにどうして私にそこまでと」

赤城「ええ、折角鋼鉄の肉体から人の身体に生まれ変わったんです。だから、彼女にはもう少し自分を大切にして欲しいのです」

赤城「こうして、あの体ではできなかった事ができる。食べ物を食べる、娯楽に興じる。折角できるようになったのだから…」

提督「なるほど、大体解った。赤城、艦娘の持つ前世からの記憶量には個人差があるのは知っているか?」

提督「まあ、段々と思い出してきたりするらしいが」

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提督「初めてお前に会ったとき、お前には自己紹介をしてもらったな」



赤城『航空母艦、赤城です。空母機動部隊の主力として快進撃を支えます。日頃鍛錬を積んだ自慢の艦載機との組み合わせは、無敵艦隊とも言われたんです』

提督『なるほど、それはすごい。こちらとしても、我が鎮守府の初の正規空母として期待している。…ただ…慢心はするなよ』

赤城『慢心…ですって?』

提督『ああ、自信を持つことは良いことだが行き過ぎた自信は過信となり慢心となる』

赤城『ううん、そうかなあ……気をつけますね』

提督『ああ、そうしてくれ』



提督「ってな感じに。だが加賀は違った」

赤城「? どう違ったのですか?」



加賀『私、加賀は八八艦隊三番艦として建造されました。
様々な運命のいたずらもあって、最終的に大型航空母艦として完成しました』

加賀『赤城さんと共に、栄光の第一航空戦隊、その主力を担います。』

提督『この鎮守府には既に赤城が配属されている。一航戦の力存分に発揮してくれ』

加賀『ええ、そうさせてもらうわ』

赤城「八八艦隊?」

提督「ああ、第一次世界大戦後の日本海軍が実現を目指していた大艦隊計画だ。まあワシントン海軍軍縮条約とか色々あって都合よくすすまなかったんだがな。」

提督「ま、それは置いといてその計画でお前たちは建造されたんだ。お前は天城型巡洋戦艦2番艦として、加賀は加賀型戦艦として」

赤城「天城型………、巡洋戦艦………」

赤城「ッ…!」(今…頭の中で何かが)

提督「?…どうかしたか?」

赤城「あ…いえ、何でもないです、続きを聞かせてください」

提督「で、その計画なんだが先述の軍縮で日本建造中または計画中の全戦艦の建造を放棄を言い渡されるんだ。そこで当初4隻建造予定だった天城型は2隻解体、残った天城と赤城は空母に改装、加賀型は新装備の実験台として標的艦に…と変更されたんだ」

赤城「え、でも…」

提督「ところがギッチョン。お前の姉天城は1923年の9月1日に起きた関東大震災で艦体が台座から転落してな、人間でいう背骨にあたる竜骨を大きく損傷したんだ。結果、修理不能の判定を受けて廃棄解体されることになり、代わりに加賀が空母として蘇ったんだ」

赤城「そう…だったんですか」

提督「だが、問題はそれに終わらず、赤城は全長250mで30ノットの巡洋戦艦が素体で、その一方で加賀は全長234mで26ノットの戦艦が素体で結果建造当初は甲板が短い、速力が低いなどの問題を抱えていたんだ。その後の大規模改装で改善されたがな」

赤城「私…知りませんでした。加賀さんがそんなに苦労していたなんて」

提督「ここから先はあくまでも俺の推測だが、加賀のヤツはお前に負い目を感じているんじゃないだろうか?」

赤城「そ、それは…何故ですか」

提督「本来は、八八艦隊計画で長門型以上の戦艦になるはずだったが軍縮でその夢を絶たれ、標的艦として廃棄処分るはずだった 。でも震災で、同じく八八艦隊計画だった天城が廃棄処分、空母に改装予定だった彼女が廃棄処分されたおかげか、繰り上がるようにしてその彼女の一部を使い急遽空7母になる事により行き長らえた」

提督「あまつさえ、その彼女の妹と同じ部隊に配属だ。
まさしく運命のいたずらだな」

赤城「っ………」

明日更新します

加賀「………」




-川崎造船所-

工廠員A『加賀、お前はなあ…あの戦艦長門を越える戦艦になるんだぞ。俺が立派な戦艦に建造してやるからな』

工廠員B『俺達が…、だろA』

工廠員A『ああ、そうだな!』



工廠長『残念だが軍縮により、加賀の建造は中止、装備を取っ払い、標的艦とする』

工廠員B『えっ…そ、そんな…』

工廠長『各種資材や部品は巡洋戦艦から空母に改造予定の天城型巡洋戦艦っていう予定だ』

工廠員A『こ、工廠長、標的艦って何をするんですか』

工廠長『んー、何でも新型水雷爆弾の実験に使うんだと。解ったならさっさと持ち場につけよ』



工廠員AB『『 加賀を横須賀に送る? 』』

工廠長『ああ。例の空母に改造中の巡洋戦艦があったろ? その一番艦がこの間の地震で廃棄になるんだと。その代替えとして、うちの加賀に白羽の矢がたったんだとよ』

>>17はミス

工廠長『標的艦にしたら横須賀に回航する』


-横須賀海軍工廠-

工廠長'『えー、この間の地震で天城が破棄になったので、新たにこの標的艦加賀を空母に改造するそうだ。改造には、破棄される天城の部品を使うとのことだ』

工廠員C『こいつを天城の代わりに改造するのか?天城に比べて、一回り小さくないか?』

工廠員D『仕方ないだろ、これは元戦艦なんだから巡洋戦艦じゃないんだ。まあ、天城に比べたら飛行甲板も短くなるだろうし、速力も足りないだろうな』

??『貴女が、加賀ね』

そうですが、何か?

??『私も巡洋戦艦になるはずだったんだけど空母に改造になっちゃって、それもかなわなかったけれど…』

…………。

??『私、あなたに頼みがあってね。私にはね、妹がいるの…。会った事はないのだけれどね』

私にだって妹はいます。会った事はないし、今は私と同じく標的艦らしいですが。

??『いいえ、貴女は空母になるの。私の一部を使ってね。』

えっ…?どういう…

??『ああ、自己紹介がまだだったわね。私は八八艦隊計画の"元"天城型巡洋戦艦一番艦…天城よ。もし会うことがあったら、妹をよろしくね』



加賀「…っ!!……。…夢…か…」

加賀「(もうマルナナゴーイチ……こんな時間まで寝てたのは久しぶりね)」

加賀「(…随分と懐かしい夢を見た気がするわ…。赤城さんは…)」チラッ

加賀「(布団が畳まれているわね。そういえば赤城さんは、今日は提督の秘書艦でしたか…)」

-鎮守府内食堂-

加賀「(流石にこの時間帯だと空いていますね)」

隼鷹「ここ、良いかい」

加賀「ええ、構わないわ」

隼鷹「珍しいな、アンタがこの時間に居るなんて、寝坊か?」

加賀「まあ、そんなところよ。あなたはどうして私のところに?」

隼鷹「んー、いや、何か今日はやたら上の空に見えたからさー。どうした?昔の事でも夢に見たとかか?」

加賀「…っ、…ごちそうさまでした。鍛練してきます」ガタッスタスタ

隼鷹「おや、図星だったかい。まあ、いっか。」

隼鷹「…あ、しじみのすまし汁うめえ」

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