P「怪盗1412号?」 (117)


伊織「この前に予告状が送られてきたのよ」

P「予告状?」

伊織「ええ」

P「どんな内容だったんだ?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427877297






○月○日

月が闇を照らす頃

無数の光が消えた刻に

桃色の金剛石を頂きに参ります


               怪盗





P「ん?どういうことだ?それに破れているじゃないか」

伊織「お爺様が怒って破っちゃったのよ。まぁ、これはコピーなんだけどね」

伊織「それで桃色の金剛石は多分ピンクダイヤモンドね」

P「ピンクダイヤモンド?」

伊織「ええ。水瀬家に伝わる世界最大級のモノよ」


P「へぇ、凄いなぁ!」

伊織「日付は水瀬ビルの最上階で一般展示がある日で」

伊織「月が闇を照らす前っていうのは夕刻で、無数の光は夜景って所かしら」

P「おお!伊織!まるで探偵の様だな!」

伊織「まぁ、伊織ちゃんにかかればこれくらい当然よ!」


P「あれ?確かこの日ってライブがある日じゃないか」

P「場所も水瀬ビルのすぐ真横だ」

伊織「ええ。だから大捕物が見れるかもしれないわよ」

伊織「泥棒を捕まえる秘策もあるしね!」

P「まぁ、俺みたいな一般人には縁の無さそうな話だな。はははっ」



P「さすがにライブの最中見に行くことなんて出来ないしな!」

伊織「そうでもないわよ」

P「なんでだ?」

伊織「一般公開の前に関係者でのお披露目があるのよ」

伊織「それで事務所の皆で見にいらっしゃいってお爺様が」

P「俺も行っていいのか?」

伊織「もちろん全員よ!確か前日に合同リハーサルがあるじゃない?」

P「ああ」

伊織「リハは午前中に終わるし、その後にでもどうかしら?」




P「そうだな!お言葉に甘えるとするか!」

伊織「決まりね!」

P「よし!じゃあそれまでみっちりレッスンするか!」

伊織「スーパーアイドル伊織ちゃんにかかれば楽勝ね♪」



─────
───



都内某所 水瀬ビル ライブ前日



春香「うわー!高いビルだね!」

千早「ええ、そうね」

亜美「いおり~ん!早く行こうYO!」

真美「そうだそうだ!真美待ちきれないYO!」

伊織「ちょっと!引っ張んじゃないわよ!」

律子「あんた達はリハであれだけ動いたのに元気ね…」


水瀬ビル 最上階



水瀬会長「765プロの皆さん、ようこそいらっしゃい。伊織の祖父です」

伊織「お爺様!」

P「わざわざお招きいただいて申し訳ありません。わたくし765プロで…」

水瀬会長「堅苦しい挨拶は抜きでいいですよ」

水瀬会長「それに君の事は伊織から良く聞いているよ。ほっほっほ!」

伊織「ちょっとお爺様!!」

P「きょ、恐縮です…」


水瀬会長「そういえば高木の姿が見えんな」

小鳥「それがどうしても外せない用事が出来たみたいで…」

水瀬会長「いやぁ、それにしても皆さんお美しい!」

水瀬会長「そこの秘書さんも高木では無く、わしの秘書にどうかな?」

小鳥「ぴよ!?」

伊織「ちょっとお爺様!」

水瀬会長「ほっほっほ!」


水瀬会長「さて、準備が出来るまでもう少し時間があるのでな…伊織」

伊織「はい?」

水瀬会長「皆さんをゲストルームまで案内してあげなさい」

水瀬会長「ささやかながら食事も用意していますよ」

貴音「なんと!」

響「貴音ぇ…」

伊織「それじゃあ案内するわ。みんなこっちよ」



水瀬会長「プロデューサー君は少し伊織の話を聞かせてくれんかのう?」

P「は、はい!」




ゲストルーム



伊織「それじゃ、しばらくはここでゆっくりしてて頂戴」

真美「亜美!探検に行こう!」

亜美「合点承知!」

やよい「もう!伊織ちゃんに迷惑かけちゃだめだよ!」




あずさ「あら~、ここはお酒もあるのね。うふふ♪」

小鳥「あずささん!ピ、ピ、ピンドンですよ!!」

律子「明日はライブの本番だって忘れてませんよね?」ニコッ

あずさ小鳥「はい…」


雪歩「ピンクダイヤモンドってどんなものなんだろうね?」

真「名前からしてフリフリでキャピキャピできゃるるーんって感じじゃないかな!?」

雪歩「え!?えっと…ダイヤでフリフリは無いと思うけど…」

響「相変わらずだな真は…」


春香「あれ?そういえば美希は?」

千早「あそこよ」

美希「むにゃぁ…Zzz…」

春香「もうソファーで寝てるね…」

千早「リハで疲れたのかしら」




???「あれ?もしかして伊織じゃない?」



伊織「え?もしかして園子?」

園子「久しぶりじゃないの!元気してた?」

伊織「ええ!本当に久しぶりだわ!」


伊織「どうしてここに?」

園子「お父様の代わりよ。なんか腰を痛めちゃったみたいでね」

伊織「あら、そうなの」

園子「あっ!紹介するわ!私の親友の毛利蘭よ!」

蘭「こんにちは!毛利蘭といいます!」

園子「それでこっちが居候の江戸川コナン君」

コナン「こんにちは!」

コナン(居候は余計だっつーの…)


伊織「私はここのビルのオーナーの孫娘で、765プロでアイドルをやっている水瀬伊織っていいます!」

蘭「もちろん知ってます!竜宮小町のリーダーですよね!」

伊織「知ってて貰って光栄です♪」

園子「アンタ猫被ってんじゃないわよ…」

伊織「ぐっ…」

蘭「え?ネコ?」

伊織「き、気にしないで頂戴!園子…覚えてなさいよ…!」

コナン(ははっ…)


園子「あれ?そういえばおじ様は?」

???「だーっはっはっはっ!いやー!大変お美しい!!」

あずさ「あらあら~」

蘭「ちょっとお父さん!!」

園子「んで、あっちが蘭のお父さんで名探偵の毛利小五郎よ」

伊織「そ、そう…」

伊織「じゃあ、今度は私がみんなに紹介するわ!」

伊織「まぁ、説明不要だとは思うけどね!にひひっ♪」



コナン(なんだ?視線を感じる?)

コナン「気のせいか…」

蘭「コナンくーん?」

コナン「はーい!」



貴音「……」



伊織「あとはアイツと貴音だけね」

響「貴音はさっきふらっとどこかへ行っちゃたっぞ」

亜美「お姫ちん食べ過ぎっちゃったんじゃない?」

響「うーん…貴音が食べ過ぎって事はないと思うけど…」



貴音「呼びましたか?」



伊織「もう!びっくりするじゃない!」

伊織「まぁ、いいわ。この子が四条貴音よ」

貴音「四条貴音です。以後お見知りおきを」

コナン(変わった人だな…)





コナン(さて…明日はヤツからの犯行予告だ)

コナン(今のうちにこの周辺を見ておくか!)



──




コナン(うーん、特に変わったところはないか…)



???「こんな所でなにやってるの?」




コナン「!?」

コナン「えっと、千早さん…?」

千早「だめじゃない一人でふらついたら。えっとコナン君だったかしら?」

コナン「ご、ごめんなさーい」

千早「ふふっ、じゃあお姉さんと一緒に戻りましょうか」

コナン「はーい」

コナン(うーん…今の所は異常も無さそうだし…しゃーないか)


千早「あっ、プロデューサー」

P「お?千早とコナン君じゃないか」

千早「どちらに行かれるんです?」

P「ははっ、ちょっとお手洗いにな」

千早「そうですか。では先に戻ってますね」

千早「行きましょう、コナン君」

コナン「はーい」


蘭「もうコナン君!どこへ行ってたのよ!」

園子「まーたこのガキンチョは…」

蘭「千早さん!ありがとうございます!」

千早「気にしないでください」

真「コナン君!蘭ちゃんを心配させたらダメだよ!怒ったら怖いんだよー!」

蘭「真さん!」



千早「あら?二人は知り合いなの?」

真「昔、空手の試合で戦った事あってさ!あの時は確か引き分けだったかな?」

コナン(蘭と引き分け!?この人本当にアイドルなのか!?)




新堂「皆様お待たせ致しました。準備が整いましたので会場へお越し下さいませ」

伊織「さぁ、行きましょう!」



あずさ「うふふ、楽しみね~♪」

小五郎「まぁ、あずささんの美しさには勝てませんよ!ナハハ!」

蘭「ちょっとお父さん!!」


──


やよい「はわわっ!とーってもキレイですー!!」

真「ピンクですっごいかわいいなぁ!!」

あずさ「こんなダイヤの指輪を運命の人にプレゼントして貰いたいわぁ~」

あずさ「ね?プロデューサーさん?」

P「え?俺ですか?」

美希「む~!あずさ!ハニーにこれを貰うのはミキなの!」

春香「わ、わたしだって!」

伊織「あげないわよ!」


──




P「さて、明日に備えてホテルを取ってあるからそろそろ向かうぞー!」

水瀬会長「皆さん伊織の事をよろしくお願いします」

やよい「うっうー!頑張っちゃいますよー!」

響「自分達は完璧だからな!」

水瀬会長「ほっほっほ。これは頼もしい限りじゃ」


水瀬会長「毛利さんは折角なので下のBarで一杯どうですかな?」

小五郎「それではお言葉に甘えまして!」

蘭「コナン君ー!帰るわよー!」

コナン「はーい!」

蘭「お父さんも飲みすぎないでね!」

小五郎「わーってるよ!」

小五郎「ささっ、水瀬会長!参りましょう!」


律子「さて、小鳥さんとあずささんは私と一緒の部屋ですね!」

律子「さっきのを見てると油断ならないので…」

小鳥「もう!飲みませんよー!」

あずさ「あら~、プロデューサーさんの部屋に行こうと思ってたのに…」

美希「む!あずさの好きにはさせないの!」

律子「千早!美希と春香をお願いね!」

千早「わかったわ律子」

春香「私まで!?」




園子「じゃあ伊織!また明日ね!ライブ楽しみにしてるわ!」

伊織「ええ!ちゃんと応援に来るのよ!」

園子「もちのろんよ!」

やよい「コナン君またね!」

千早「気を付けて帰るのよ?」

コナン「はーい!またね伊織お姉ちゃん、やよいお姉ちゃん!」

コナン「それに千早お姉ちゃん!」

千早「ええ」ニコッ

伊織「千早はコナン君の事がお気に入りみたいね」

千早「そ、そんな事ないわよ」




真「蘭ちゃんもまた明日ね!」

蘭「はい!真さんも雪歩さんも頑張ってください!」

雪歩「が、頑張りますぅ~」



響「あれ?また貴音がいないぞ…」



コナン「!?」

コナン(あの銀髪の人だよな…)



貴音「ここにおりますよ」



響「貴音ー!もうどこ行ってんだよ!」

貴音「申し訳ございません。ちょっと野暮用で」




貴音「……」



コナン(なんなんだあの人は…)

コナン「……」


都内某所 ライブ会場



P「さてみんな!準備はいいか!?」

真美「もちろんっしょ→」

真「気合バリバリですっ!」

律子「な、なんで私までライブに!?」

あずさ「うふふ~♪」


やよい「あれ?伊織ちゃん!今日はうさちゃんも一緒なの?」

伊織「え?ええ…そうよ!」

やよい「?」

亜美「まだまだおこちゃまですな→」

伊織「う、うるさいわね!」


響「春香!いつもの奴いくさ!」

春香「そうだね!じゃあみんないくよ!」

千早(コナン君は見に来てくれているかしら…)

雪歩「千早ちゃん?」

千早「ご、ごめんなさい!大丈夫よ!」








春香「それじゃあ行くよ!765プロ~!ファイトッ!!」



「「オーーーッ!!!」」





コナン(犯行予告時刻はライブが終わった頃か…)

コナン(上手い事抜け出して水瀬ビルに向かうか!)



小五郎「あずさちゅわあぁぁぁぁぁぁん!!」

蘭「もう!お父さん!」




ARE YOU READY!!

I'M LADY!!

始めよう

やれば出来るきっと

絶対私NO.1





小五郎「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」



START 始まる今日のSTAGE



小五郎「ステージ!!」



コナン(おっちゃん!?)

蘭「凄い熱気だね!!」

園子「765プロのライブは初めてだけど凄いわ!」

コナン(すげぇ!なんだこの一体感!)

コナン(どうせ今抜けるのは無理だからな…俺も楽しむか!)




蘭「私たちもサイリウム持って来ればよかったね」

園子「失敗したわ…」



金髪の男「良かったら使ってください」



蘭「え?わ、悪いですよ!」

金髪の男「各色20本ずつ用意してるので大丈夫ですよ」

園子「それじゃあ遠慮なく!」

蘭「ちょっと園子!す、すいませんありがとうございます!」

金髪の男「いえいえ、お互い様ですよ」



律子「私の眼鏡 好き?嫌い?」

金髪の男「大好きー!!!」

コナン(ははっ、親切な人もいるもんだな…)


──


蘭「凄いライブだったね!」

園子「本当!最高だったわ!」

蘭「黒澤陣Pさんでしたっけ?ありがとうございました!」

金髪の男「いえいえ。是非またご一緒出来ると良いですね」

蘭「はい!」



コナン(やべぇ!もうすぐ予告の時間じゃないか!?)


園子「それじゃあ楽屋に挨拶に行くわよ!」

コナン「ぼ、ぼくトイレ!」

蘭「こんな人ごみじゃはぐれちゃうわよ!もう少し我慢してね」

コナン(くそっ!どうすれば!)


園子「えっと、水瀬伊織さんに招待されたんですけど」

スタッフ「今確認しますので少々お待ちください」

コナン(これじゃあ間に合わねぇぞ!)


楽屋



P「みんなお疲れ!最高のライブだったぞ!」

真美「会場の兄ちゃんも姉ちゃんも大盛り上がりだったしょ→」

響「うん!最高だったさー!」


P「そういえば伊織」

伊織「何よ?」

P「隣のビルの怪盗なんちゃらの予告の方はいいのか?」

伊織「あぁ、それね。問題ないわよ」

P「なんでだ?」


伊織「ふふん♪実はね…」

伊織「本物のピンクダイヤモンドはこのうさちゃんの中に隠してあったのよ!」

P「なんだって!?」

伊織「ほら見なさい!これがそうよ!」

P「お前なぁ!って伊織……」

伊織「なによ?」

P「これ…宝石の中に…」

伊織「え?」









約束通りに桃色の金剛石は頂戴しました♡



                   怪盗キッド










「き、きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」






コナン「!?」

コナン「楽屋の方か!!」



スタッフ「ちょっと坊や!」

蘭「コナン君!!」




ガチャン!!

コナン「どうしたの!?」

千早「え?コナン君!?」



伊織「ダイヤが…ダイヤが…!」

コナン(ダイヤだと!?)

コナン「これは!?」


──




中森「それで水瀬ビルにあったのはダミーで、本物はこっちにあったと…」

伊織「ええ…うぅ…ぐすっ…」

やよい「伊織ちゃん…」

水瀬会長「わしも全く気付かなかったわい」

伊織「お爺様…!ごめんなさい!」

水瀬会長「そんなことより怪我はなかったんじゃな?」

伊織「はい…」

水瀬会長「それならいいんじゃよ」


伊織「でも…!」

水瀬会長「悪いのはあのコソ泥じゃよ。それにすり替えに気付かなかったわしもだ」

水瀬会長「中森警部さん、少し休ませてあげてやってもよいかのう?」

中森「しかし」

やよい「わたしからもおねがいします!」

伊織「やよい…」

中森「全く…少しだけですよ」


中森「それはともかく…」

小五郎「お久しぶりです!中森警部殿!」

中森「また貴様か!」

小五郎「恐縮です!はっはっは!」




小五郎「まぁ、この事件はこの名探偵 毛利小五郎にお任せください!」

真美「さらに!この灰色の脳細胞と七色の顔を持つ!」

亜美「セクシー美少女探偵 亜美&真美!」

真美「じっちゃん、ばっちゃんの名に賭けて!」

亜美「月に代わって!」

亜美真美「犯人逮捕よ!!」



小五郎「ナハハッ!」

亜美真美「んっふっふ~!」


律子「アンタたち~!!」

亜美「げっ!」

真美「りっちゃん!!」

小五郎「英理!?」

律子「え?」

小五郎「あっ、いや!なんでもないです!はい!」

律子「ほら行くわよ!」

亜美真美「は~い…」




コナン(まさか伊織さんがダイヤを持っていたとは…)

コナン(くそっ!怪盗キッドめ!)

コナン(それにしても奴はどうして伊織さんが持ってたって知っていたんだ…?)


やよい「伊織ちゃん…大丈夫?」

伊織「ええ…少し落ち着いてきたわ」

小鳥「平気よ伊織ちゃん。絶対に返ってくるわよ!」

あずさ「小五郎さんは有名な探偵さんらしいもの」

伊織「うん。ありがとう…」




伊織「決めたわ…」

やよい「?」

伊織「やっぱりこのまま舐められっぱなしってのは癪だわ!」

小鳥「い、伊織ちゃん?」

伊織「あんた達には心配かけたわね…ごめんなさい。……でももう大丈夫!」

伊織「このスーパーアイドル伊織ちゃんが絶対に怪盗キッドを捕まえてやるわよ!」

あずさ「あ、あら~」


響「よしっ!自分もやるぞ!」

真「ボクも協力するよ!」

雪歩「ま、真ちゃん…」



律子「だからアンタ達は……」

響「ひっ!」

律子「大人しくしてなさい!!いいわね!?」



「「は~い…」」


コナン(さて…俺はもう少し情報を集めてみるかな)

千早「コナン君?」

コナン「ち、千早お姉ちゃん?」

千早「あんまりうろついたらダメよ。蘭さんの所に戻りましょう」

コナン「う、うん…」


コナン「!?」

コナン(まただ…!この突き刺さるような視線…!)

コナン(一体なんなんだ!)




貴音「……」



小五郎「うーむ、そういえば予告状の内容はあんまり関係なかったみたいですな」

中森「今回は時間帯くらいしか予告に無かったからな」

中森「まぁ、今となっちゃもう関係ないだろう」

小五郎「確かにその通りですな」




コナン「……」



響「そういえばキッドはなんで偽物だってわかったんだ?」

貴音「怪盗の目をもってすれば、偽物など即座に見抜けるのでしょう」

響「ふーん」

真「伊織はどうして偽物なんて用意したの?」

伊織「怪盗キッドって警備が厳重でも絶対に盗み出すじゃない」

伊織「でも本物のダイヤが別の場所で私が持っているなんて想像もつかないでしょう」

雪歩「た、たしかに」

伊織「しかも何万人ものファンの前よ?普通盗めるなんて思わないわよ」

春香「流石は伊織って感じだね!」

伊織「まぁ、してやられたけどね!絶対許さないわよ怪盗キッドの奴!」




警官「中森警部!キッドが東都タワー付近の上空を飛んでいるのが発見されました!」

中森「なに!よし!ここは数名残して全員出動だ!」

中森「あとは水瀬ビルの警備も現場に急行だ!」

警官「はっ!」

小五郎「警部殿!私も同行します!」


美希「むぅ…騒がしいの…」

真美「ミキミキはむしろよくこの状況で寝てたね…」

美希「あれ?ハニーがいないの」

律子「プロデューサー殿は社長に報告の電話に行ったわよ」

律子「最近はすさまじい仕事振りだわ本当…」

美希「さすがはハニーなの!」



亜美「そういえばお姫ちんもいないね」



千早「コナン君!どこへ行くの!?」

蘭「コナン君!」

真「どうしたの千早!蘭ちゃん!?」


水瀬ビル 最上階



???「これも外れか…」



コナン「そこまでだぜ」


???「ほぉ、よくわかったな!」

コナン「いやぁ、騙されたよ。まさか伊織さんが持ってた方が偽物で…」

コナン「本物はまだ盗まれてなかったなんてな!」

???「……」










コナン「お前は伊織さんが予告状の挑発に乗って宝石をすり替えるように誘導したんだ」

コナン「伊織さんの気の強さを利用してな」

???「だがそれはちょっと無理がないか?」

コナン「無理じゃねーよ。お前は前々からちょくちょく入れ替わってたんだろ?」




コナン「765プロのプロデューサーさん……」



コナン「いや、怪盗キッド!」




キッド「ご名答。どこで気づいた?」

コナン「疑問に感じたのは昨日だ」



千早『あっ、プロデューサー』

P『お?千早とコナン君じゃないか』



コナン「あの時点では本物のプロデューサーさんは水瀬会長と話していて」

コナン「俺とはまだ面識はないはずだ」








キッド「なるほど。凡ミスをやらかしちまったな」

コナン「それにお前はプロデューサーさんが営業やらなんかでいない時に765プロに潜入してたんだろ?」

キッド「ああ、その通り」


キッド「ではいおりんが持ってたっていう偽物の件はどう説明する?」

コナン「いおりん?」

キッド「あっ!いやなんでもないぞ!はははっ!」




コナン「そもそも飾ってあったものが偽物だったんだよ」

コナン「それを本物と勘違いした伊織さんがすり替えていく」

キッド「それじゃあどっちも偽物じゃないか?」

コナン「実はこの伊織さんの策に気づいてた人がいるんだよ」

コナン「だから本物を隠して伊織さんに偽物を持っていかせた」





コナン「そうですよね?水瀬会長?」



水瀬会長「ほう。よくわかったね坊や」




コナン「それで警備の薄くなったこの水瀬ビルの本物をまんまと盗み出すって手筈だ」

キッド「さすがは名探偵!ご名答だ!」

水瀬会長「いやぁ、伊織には無駄に悲しい思いをさせてしまったわい」

水瀬会長「祖父失格じゃな」

キッド「いおりんはあれくらいでへこたれる子じゃないですよ」

水瀬会長「ふむ…まさか泥棒に慰められるとな」


水瀬会長「それにしても坊やは一体何者じゃ?」

コナン「江戸川コナン 探偵さ」

水瀬会長「ほっほっほ。小さな探偵じゃなぁ」



コナン「あとは予告状の無数の光ってのはサイリウムの事だろう?」

コナン「ライブ会場を犯行場所に見せかけるためにな」

コナン「こんな所かな?」



キッド「ふぅ、正解だ。ではここまでたどり着いた名探偵君に一つ有益な情報を贈りましょう」

コナン「なに?」

キッド「四条貴音には気をつけろ」


コナン「なに?」



バシュン!



コナン「会長危ない!」


キッド「じゃあな名探偵!」

コナン「くそっ!逃がすか!」



蘭「コナンくーん?」

キッド「げっ!」

蘭「か、怪盗キッド!」

コナン「蘭姉ちゃん逃げて!」


蘭「はあぁぁぁぁ!せいっ!!」

キッド「うおっ!あぶね!」



キッド「!?」

真「せいやっ!!」

キッド「まこりん!?」

真「外したか…蘭ちゃん!」

蘭「はい!」


キッド「まじかよ!」

真「はあぁぁあ!!」

蘭「せいやぁあ!!」



コナン「す、すげぇ…」



響「自分もいるさー!琉球空手をくらえ!」

キッド「ひびきんまで!くそっ!」

響「いまさ!雪歩!」



カンッ



雪歩「外しちゃいましたぁ」

キッド「い、いや…これは死ぬって!」


ガチャ

キッド「え?」

真美「んっふっふ→」

亜美「手錠はめたよ!いおりん!」

伊織「よくやったわ!」



千早「コナン君!大丈夫!?」

コナン「千早お姉ちゃんに春香お姉ちゃん!どうして?」

千早「コナン君が血相を変えて走っていくんだもの…」

春香「だからみんなで追いかけてきたんだよ!」

あずさ「もう心配したわよ~」

コナン「ご、ごめんなさい」


律子「まさかプロデューサー殿に化けていたとはね…」

律子「最近の仕事振りはおかしいと思ってたのよ!」

キッド「り、りっちゃん」

律子「え?」

キッド「い、いや…なんでもないです…はい」


伊織「さて…私に散々恥をかけさせてくれた始末どうつけましょうかねぇ…」

キッド「ははっ…」

キッド「ね?爺さん。言ったとおりでしょ?」

水瀬会長「そ、その通りじゃな…」




コナン(なんなんだこの事務所は…)


伊織「さぁ、観念なさい!」

キッド「こうなったら!」



カッ



コナン「しまった!閃光弾か!」


やよい「きゃっ」

キッド「ごめんね!やよいちゃん!」



キッド「ではまたお逢いしましょう!麗しいレディ達に名探偵君!」


コナン(にゃろう…!)



やよい「い、伊織ちゃん!」

伊織「どうしたのやよい!?何かされたの!?」

やよい「こ、これ!べろちょろの中に!」

伊織「これは!ピ、ピンクダイヤモンド!」


真美「やよいっちが取り返したの!?」

やよい「え!えーっと…」

亜美「やりますな→」

あずさ「お手柄ね~」

伊織「あ、ありがとう!やよい!」

やよい「うー?」


真美「そういえばミキミキは?」

律子「起きないから小鳥さんに見て貰ってるわ」

亜美「そういえばお姫ちんもまたいないね!」

響「あの後戻ってきたと思ったら、またかー!」

律子「まぁ、またすぐ戻ってくるわよ」

律子「さて、小鳥さんも心配してるだろうし戻るわよ!」



コナン「……」

千早「コナン君?みんな先に行っちゃうわよ?」

コナン「ごめん、千早お姉さん!先に戻ってて貰える?」

千早「ダメよ、危ないわ!」

春香「千早ちゃん……」

コナン「大丈夫!建物も隣だし、すぐ戻るよ」

コナン「それに少しお話するだけだから…」



コナン「ね?四条貴音さん」





貴音「おや?ばれていましたか」

千早「四条さん?」

貴音「申し訳ございません千早。彼と少々話したい事があるのです」

千早「ですが…」

貴音「そんなに時間はかかりませんゆえ」

貴音「もちろんその後は送り届けますので」


千早「…わかりました。四条さんを信じます」

貴音「ありがとうございます。では春香、千早をお願いします」

春香「は、はい!」

コナン「ありがとう千早お姉ちゃん」

千早「早く戻ってきてね」

コナン「うん!」


コナン「……」

貴音「……」

コナン「…時々感じた視線は貴音さんだよね?」

貴音「気づいていましたか」



キッド『四条貴音には気をつけろ』



コナン「…理由を聞いてもいい?」


貴音「名は江戸川コナンと言いましたね?」

コナン「ああ」

貴音「貴方はもしや……」




貴音「妖の類なのですか?」




コナン「は?」


貴音「貴方から発する気配はとても子供の物とは思えません」

コナン(いっ!?)

貴音「本来はもっと大きな…私と齢もさほど変わらぬはず…」

貴音「妖怪か何かが子供に化けているのではないのですか!?」

コナン(ば、ばれてる!?のか…?)

コナン「そ、そんなわけないよ!」

コナン「どう見ても小学生だよ!ほら!」




貴音「……ほ、本当なのですね?」

コナン「う、うん!」

貴音「信じて良いのですね!?」

コナン「うん!」

貴音「まことに良きことです…」ポロポロ

コナン「貴音さん!?」


貴音「さて、千早や皆も心配してることでしょうし戻りましょう」

コナン「う、うん!」

コナン「あのさ、貴音さん」

貴音「はい」

コナン「もしかしてボクを見てたり、時々いなくなったりしたのって」

コナン「……お化けが怖かったから?」

貴音「……とっぷしーくれっとです」

コナン「そ、そう」



─────
───



コナン『あの後の765プロはライブの2日目も成功させた』

コナン『さらに怪盗キッドから宝石を取り返したという事でテレビで見ない日は無い』

コナン『ちなみに本物のプロデューサーさんはホテルの部屋でぐっすりだった様だ』

コナン『俺はというと…』


高木「いい面構えだ!ティンときた!コナン君ぜひこの765プロで働かないかね!?」

律子「社長!コナン君はまだ小学生ですよ!」

千早「でもそれはいい案かもしれないわね」

春香「千早ちゃんまで!」




真「また蘭ちゃんと組手したいなぁ!」

雪歩「そ、その時は2人とも応援しなきゃ!」



亜美「セクシー美少女探偵 亜美&真美!」

真美「じっちゃん、ばっちゃんの名に懸けて!」

伊織「アンタ達いつまでやってんのよ!」

やよい「月に変わって!」

伊織「やよいまで!」


響「貴音ー!食べ過ぎだぞ!」

貴音「安心したらお腹が空いてしまい…もう止まらないのです!!」


美希「あずさ~ひざまくらお願いなの~」

あずさ「この前から本当によく寝るのね~うふふっ」


小鳥「プロデューサーさん!この書類もお願いします!」

P「なんか仕事量が増えてないか!?」

小鳥「キッドが変装中に仕事をやっていてくれたからですよ!」

P「ひぃ~!キッド戻ってきてくれ~!」

伊織「冗談じゃないわよ!このバカ!変態っ!ド変態っ!変態大人っ!」



コナン「はははっ…」



おわり


おまけ

ライブ2日目



金髪の男「これは土井塔克樹Pさん」

土井塔克樹P「黒澤陣Pさん!お久しぶりです!」

黒澤陣P「ええ、まさか隣同士とは」

土井塔克樹P「精一杯応援しましょう!」

黒澤陣P「ええ!」



カッコ悪いわよ アタシを堕とすの バレてるの♪



土井塔克樹P「ひびきんと……」

黒澤陣P「いおりんのオーバーマスターだと……!?」



今度こそ終わり


お目汚し失礼しました

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