少年エルフ「異種族交流会?」 (75)

これはハーフエルフの少年と彼に育てられた人間の娘の話

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◯少年エルフの喫茶店

娘「パパ、たまには一緒にお風呂入ろうか? 背中流すわよ」

少年エルフ「だ、ダメだよ!? 子供じゃないんだから一人で入りなさい」

娘「もう、親孝行しようと思ったのに」



娘「ふー、先に入ったわよ」

少年エルフ「じゃあ、僕も…って!? 娘ちゃんと服を着なさい!!??」ドキッ

娘「えー、暑いしパパしかいないんだからいいじゃない」

少年エルフ「ダメ、そんなだらしのないのオババだって叱るよ」ドキドキ

娘「もう、仕方ないなぁ」ペタペタ

少年エルフ「…うぅ、僕はパパ僕はパパ僕は…」ブツブツ

◯夜、町の酒場

少年エルフ「僕は父親失格だー」

男「どうした?  珍しく飲んでると思ったら、何があった?」

少年エルフ「最近の娘を見てるとドキドキするんだよ、僕はパパなのに」

男「そうか、お前も年頃になったんだな。 いいじゃないか健康に育ってる証拠だ」

少年エルフ「ダメだよ、僕はパパなんだ。 なのにどうして……」

男「だったら誰か彼女でも探してみたらいいんじゃないのか? 娘が許すかどうかは知らんが」

少年エルフ「……でも、知ってる女の人なんてほとんど身内ばっかりだよ、お客さんだっておばあさんばかりだし」

商人「話は聞かせてもらったぞい」

男「商人来てたのか」

商人「いかにも、兄弟よオンナを探すのに難儀してるのじゃな。 ならばワシにいい考えがある」

男「なんだ?」

商人「ワシはお主を見て思ったのだ、種族なんぞ関係ないわれわれはもっとお互いを知らねばならないのだ」

少年エルフ「うんうん」

商人「だから、わしはこの企画をした。 もともとエルフは呼ぶつもりだったのだから丁度よかった」ペラ

商人はチラシを見せた。

男「なんだ異業種交流会か?」

商人「違う、異種族交流会じゃ!」

少年エルフ「異種族交流会?」

◯別の日、娘の部屋

娘「またパパの様子がおかしいわ」

娘友「また? だからそれはお年頃だから……」

娘「違うの、それとはまた少し違うの」

娘友「どう違うのよ」

娘「なんだか私に隠し事をしてるみたい」

娘友「そりゃあオトコノコだから隠し事の一つや二つは。 あ、ベットの下とか探っちゃダメよ、何か見つけても知らないふりするのがマナーよ」

娘「なによソレ。 でも、確かに部屋の掃除をしようとしたら自分でするからって止められたわね」

娘友「いい、エルフさんの部屋でナニを見つけても問い詰めたりしちゃダメよ。 親子でもプライバシーは尊重しなくちゃ。 あ、でも今はエルフさん買出しで居ないわね?」

娘「……あなたね、何が言いたいの」

娘「掃除するなら今でしょ!」

◯少年エルフの部屋

娘友「ここがエルフさんの部屋かー、なんだかゴチャゴチャしてるわね」

娘「そうなのよ、調合器具とか出しっぱなしにしてるから」

娘友「さーて、エルフさんのヒ・ミ・ツはここですか??」ゴソゴソ

娘友はベットの下を探っている。

娘「アンタねぇ」

娘友「あった!」

娘友は謎の箱を見つけた。

娘「な!? よこしなさい!」ビュン

娘友「おぅ、やっぱり気にしてるじゃない」

娘「うるさいわね、これは私とパパの問題よ」

娘友「そうですねぇ、ではこの箱はなんでしょうか」

娘「……ただの靴みたいだけど」

娘友「なら開けてみましょうよ、禁断の箱を」

娘「……」ゴクリ

パカ

娘友「え?」

娘「ほらー、ただの靴じゃない。 ……あら、このチラシは?」

娘友「ほうほうこれはこれは」

◯開催日、商人のレストラン

少年エルフ「うわー、こんなお店初めてだ」

男「そうか、ところで娘にはバレてないだろうな?」

少年エルフ「娘? 知ってるよ」

男「バカ、あれ程秘密にしろって言ったじゃないか。ヤバイ半殺しにされる、俺は悪くねぇぞ」

少年エルフ「ちょっと娘はそんなことしないって、もう。 秘密も何も娘も知ってたみたいだよこの企画。 『こんなのあるから行ってみたら』って言ってくれたよ」

男「そうか、それはそれでなんか怖いな。 またついてきてないだろうな?」

少年エルフ「まさか20歳以上二人組じゃないと参加できないじゃない、無理だよ」

男「だといいんだがな」

少年エルフ「あ、ほら。 そろそろ受付だよ、行こう」

男「そうだな、……お前その靴」

少年エルフ「なに? うわっ」コケ

男「いや、いい。 足元には気をつけろよ」

少年エルフ「う、うん。 気をつけるよ」



娘「あんなシークレットシューズまで履いて、5センチしか変わらないのに」

娘友「あ、5センチをバカにしましたね。 5センチあればワンサイズ変わるわよ。 なめたらあかんぜよ」

娘「誰よアンタ。 それにしてもただのパーティなのになんで秘密にしてたのかしら?」

娘友「ほほほ、なんでかしらね。 まぁ親父の企画だからなんとなくわかるけどね。 一旦アタシの部屋で準備しましょ、近いし」

娘「そうね、時間もないし急ぎましょ」



受付「ではこちらの番号札を胸につけてエントリーシートを記入して開始時間までお待ちください」

少年エルフ「えーと、愛称に年齢、職業、趣味、好きな食べ物、最近見た映画……いっぱい書くことあるんだね」

男「ははは、やっぱりコレか。 知合いが居ないといいんだかな」さらさら

少年エルフ「男なんか慣れてない?」

男「そんなことないぞ、適当に書けばいいんだこんなのは」

少年エルフ「ダメだよちゃんと書かないと、えっと好きなタイプとか考えたことないなぁ。 結構難しいねコレ」

男「無理に書かなくてもいいんだぞ」

◯娘友の部屋

娘「コレ、パパにバレないかしら?」

娘友「ほら、このウィッグもつけて。これで大丈夫よどこから見ても金髪レディよ」

娘と娘友は金髪のレディに変装している。

娘「見た目はコレでいいとしてもパパは匂いも敏感よ」

娘友「だったらこの香水で大丈夫」シュッ

娘「大丈夫かな? へんじゃない?」

娘友「変じゃないっていい匂いだわ、アタシがオトコだったら襲ってるところよ」ぐへへ

娘「顔がおっさんよ貴方」

娘友「おっとレディにあるまじき表情ね。じゃ、これ身分証よ、知合いから借りたから持ってて」

娘「顔が全然違うじゃないどうするの?」

娘友「すごい痩せたって言えばいいのよ」

娘「だとしてもコレは身分詐称じゃない?」

娘友「だったら、行くのやめる? エルフさんには男さんがついてるから大丈夫よね」

娘「行くわ、パパは私じゃないとダメなの」

娘友「だと思った。 それと、呼び方も変えないとね。あたしがフレンドであんたドーターでいい?」

ドーター(娘)「どこの外国人よ」

フレンド(娘友)「いいじゃない、異種族交流会なんだし」

ドーター「そうね。 それにしても、あなたその胸盛りすぎでしょ、バレるわよ」

フレンド「大丈夫よ、触らなきゃバレないから」

ドーター「触らなきゃね」つん


ペコ

ドーター「……せめて何か詰めたほうが良くない?」

フレンド「……そうする」



司会「それでは開始します、まず男性陣は五分ごとにこちらから順に席の方を移動して下さい。 五分で自己紹介などをお願いします、お手元にメモもございますのでメモをとっていただきても結構です。 では最初の五分です、お願いします」

少年エルフ「えっとあの、僕はエルフです、喫茶店をやってます」

男「俺は男だ、警備兵だ」

ホビット女「アタシはホビット、見ての通りホビット族よ」

ドワーフ女「わたしはドワーフ」

ホビット女「ねぇねぇ、エルフ君はホビット族? それにしては耳が長いけど」

少年エルフ「あの、僕はエルフ族と人間のハーフで、その」オタオタ

ホビット女「ほんとー!? ハーフエルフなんて初めてだわ。 いまいくつなの」

少年エルフ「えっと、61歳です」

ホビット女「やだ、全然見えないー、おじいちゃんと変わらないじゃないー、すごいー」

男「……(テンション高いな)」

ドワーフ女「男さんとエルフさんはどういう関係なの?」

男「あぁ、俺たちは幼馴染で長い付き合いだ」

ホビット女「ええ!? 男さんも60くらいなの!?」

男「違う違う、こいつが30で俺が6つの頃からの付き合いだよ。 信じられるか今でも小さいがもっとつさ小さかったんだぜ」

少年エルフ「ちょっとそんなの言わないでよ恥ずかしい」



受付「女性お二人様遅れての参加です、お願いします」

司会「はい、お待ちしておりました、こちらの席にどうぞ、次の移動までにこちらのエントリーシートを書けるだけ書いておいてくださいね」

ドーター「ちょっと、なにこれ、ねぇ」

フレンド「ほほほ、やっぱり婚活パーティよねコレは」

ドーター「婚活って、それお見合いってことじゃない!?」

フレンド「そこまでは行かないわよ、まぁ合コンくらいのものね」ニヨニヨ

ドーター「そんなッ!?」



司会「そろそろ時間になりますのでこちらでお待ちください」

ドーター「どうも」

女薬師「ふふふ、遅れてくるなんて若いからって油断してるわ。 相手にならないわね」

女僧侶「ちょっと薬師ちゃん、聞こえるって」


ドーター「あ……(薬師と教会の僧侶さん、きてたのね)」

フレンド「ね、ほらバレないでしょ」ボソ

ドーター「隣に居てもわからないものなのね」ボソ

フレンド「それにしても薬師さんはともかく僧侶さんも来てるんなんて」

ドーター「多分、薬師に付き合わされたんでしょ。 無理やり」



司会「はい移動してくださーい」

ガタガタ

少年エルフ「よいしょ、初めまして僕はエルフです」

男「俺は男だ君達は?」

女性客A「あたしはAよ、この子と仕事しながら旅してるの」

ケンタウロス女「わたしはケンタウロス、みんなはケンタと呼ぶ。 おかしいかな?」ぷるん

男「おぅ……(巨乳だ)」

少年エルフ「そう? 変わってるけど素敵なあだ名じゃない? どうしてそう呼ばれるの」

女性客A「この子ね、こう見えても昔は随分やんちゃで男勝りだったのそれでねー」

ケンタウロス女「やめろ、恥ずかしい」ぷるんぷるん

少年エルフ「えー聞きたい聞きたい」

男「……(エルフは巨乳は気にならないのか?)」



フレンド「初めましてあたしはフレンドでこっちはドーター」

牛頭「初めましてわたしは牛頭。 見たままの牛の獣人だ。 で、こっちが……」

馬頭「俺は馬頭だケンタウロス族で一番のハンサムさ」

フレンド「ハンサムって、それでケンタウロス族とか。 思ってたのと違うー」

馬頭「はっはっはっ、はっきり言ってくれるねネーチャン。でも安心してくれ下は馬並みだぜ」

フレンド「やーだ下ネター」

\アハハ/ \ガハハハ/

牛頭「……すまないいつもこんな調子なんだ」

ドーター「大丈夫、私もフレンドで慣れてるから」



少年エルフ「あ、薬師」

女薬師「エルフと男ぉ!?」

男「お前来てたのか、僧侶さんも」

女僧侶「あの、私は薬師ちゃんにどうしてもって言われて」

男「だろうなあ、薬師迷惑かけるなよ」

女薬師「なによ! 男だってエルフをダシにして参加してるじゃない」

男「いや、俺はエルフに頼まれてだなぁ……」

女薬師「うそつくな、だいたいアンタは……」

\ケンケン/ \ゴウゴウ/

少年エルフ「またはじまっちゃった、どうして二人はいつもこうなるのかな」

女僧侶「あら、ケンカするほど仲が良いっていうじゃないですか。 まぁ原因はどっちもどっちなんですけどね」

少年エルフ「そうなの?」



司会「はい移動でーす」

ガタガタ

少年エルフ「ふう……(流石にしゃべってばかりだし、気をつかうし結構疲れるなぁ)」

男「おぉ! スゴイ美人だぞ、それに若い!!」ボソボソ

少年エルフ「うん、えっと……うわキレイ」

フレンド「はじめまして、アタシはフレンドこっちはドーターよ」

男「おぉ、俺は男でこっちはエルフだ。 君たちどこの出身? 王都かい」

フレンド「えぇ、南区の辺りです」

男「そうか、君もそう?」

ドーター「え、えぇ。 ねぇ、ぱ……エルフ、大丈夫? 疲れてない」

少年エルフ「え!? あ、うん。 ちょっと疲れてるかな」

ドーター「そう、あまり無理しちゃダメよ」

男「優しいんだねドーターは(ううむ、やはりエルフは母性本能を刺激するタイプか。 思わぬところに強敵が)」

フレンド「この子世話焼きだからねー(危ないわね、バレるでしょ。 ……バレたらそれはそれで面白いか)」

少年エルフ「あの? もしかしてどこかで会ったことあったかな」

ドーター「え!?」

男「ちょっと待てエルフ」グイ



男「おいおい、そんなベタなセリフどこで覚えたんだ引かれるぞ」ボソボソ

少年エルフ「え? いや、なんか初めて会った気がしなかったから」ボソボソ



フレンド「あんまり近いとバレるわよ」ボソボソ

ドーター「ごめん、でもなんだか疲れてるみたいだったから心配で」ボソボソ

フレンド「……(しかしこの子は本当にモテるわね。 男さんまで口説こうとするなんて……恐ろしい子)」



受付「二名様遅れて参加でーす」

司会「はーい、こちらの席にどうぞ。 もう少ししたら移動しますので」

フレンド「こんな遅れても来る人もいるのね、アタシたちも人の事はいえないけど」

ドーター「……ッ!?(あの魔力、人間や獣人のモノじゃないわね。 まさか)」

司会「はい移動してください」

ガタガタ

男「じゃあ、またフリータイムに」

少年エルフ「ありがとうね」

フレンド「えぇ後で、……どうしたの怖い顔して」

ドーター「まさか……本当に……」



男「はじめまして、遠いとこから来たのかい遅かったけどおぉ!?(おぉおお、双子の美人だ! しかもこれはデカい)」

少年エルフ「はじめまして……ッ!?(この魔力!) ……あのもしかして貴方たちは」

姉エルフ「フフ、はじめまして」たゆん

妹エルフ「あなたはエルフ族なの?」たゆん

二人がフードをはずすと長い耳があらわれた。

※今回はここまで



男「エルフ族かこいつ以外ははじめて見たよ、まぁこいつはハーフエルフなんだけどな」

姉エルフ「あら、本当に? 珍しいわね」

少年エルフ「あの、……ハーフエルフは嫌いじゃないですか?」おずおず

妹エルフ「え、どうして? 少なくとも私達は嫌いじゃないわ」

少年エルフ「ほんとうっ! よかったぁ。  ところでお二人はどこの森の出身なんですか?」

男「そういや遅かったよね、もしかして隣国から来たの?」

姉エルフ「惜しいわ、隣国の手前。 東の町から来たの」

少年エルフ「町なの? 森じゃなくて?」

妹エルフ「え? えぇそうね、東の町よ。 私達は都会派だからあまり森には行かないの」

少年エルフ「そうなんだ。 じゃあ、あのおいくつになるんですか?」

男「バカ、女性に年齢をきくなよ」

姉エルフ「あら、そうね20代とだけ言っておくわ」

少年エルフ「え? エルフ族なのに?」

妹エルフ「えっと、生理的な年齢よ。 それとも私たちにお婆ちゃんみたいな歳を言わせたいの?」

少年エルフ「あ、ゴメンなさい」

男「まったくエルフは子供みたいに思ったことをすぐ聞くんじゃない」

少年エルフ「むー、だって」

妹エルフ「ウフフ……、それにしても男さんはいい体格してるわね、鍛えてるの?」

男「いやぁ、俺は警備兵だからね鍛錬は毎日してるよ」

姉エルフ「へぇ~兵隊さんなんだ素敵。 エルフさんは?」

少年エルフ「僕は喫茶店をやってるよ、あとは薬草採りとか……」

姉エルフ「まぁ、こんなカワイイマスターさんが居るの!? お料理もつくれるの?」

男「そうだな、俺もよく食べに行くが結構うまいぜ。 よかったら今度一緒に行かないか?」

妹エルフ「あら、もうデートのお誘い? そんな軽いオンナに見える?」

男「いやいや、美人を見たらまず食事に誘えってのがウチの家訓で礼儀なんだ」

妹エルフ「うそ、そんなこといって誰にでもそう言ってるんでしょう」

男「ちがうちがう、ウチは躾が厳しかったんだよ。 ホントホント」

姉エルフ「ホントはどうなの?」

少年エルフ「えー、本当はね~」

男「おいエルフもっともらしいこと言うなよ、二人が信じるだろう」

○ドーター達の席

狼男「いやね、人狼だからって犬派とか決まってないですよ。 俺はダンゼン猫派やから」

フレンド「そうなんだ以外~、でも猫からは嫌われない?」

狼男「そうっすよ、全然相手にされないんですわ、これが」

ドーター「ふーん……(パパ、楽しそうね)」チラッチラッ

○双子エルフ達の席

少年エルフ「男のお父さんは騎士だったから厳しかったのは確かだよ」

男「よーしよし、いい奴だなお前は」ナデナデ

少年エルフ「やーめーてー、なでないで」

姉エルフ「エルフさんはカワイイわね、私にもなでさせて」ナデナデ

妹エルフ「ホントこんな弟が昔から欲しかったわぁ」

○ドーター達の席

ドーター「ッ!(バカね……パパは子供扱いや弟にしたいとか言われるのを一番嫌うのよ)」チラッチラッ

狼男「でも最近あのでっかいネズミいるやないですか、カビバラっていう奴?」

フレンド「いやそれを言うならカピパラでしょ」

○双子エルフ達の席

少年エルフ「本当? 僕もこんなお姉さん欲しかったかも~」でれー

姉エルフ「あらホント? うれしいわ」ナデナデ

○ドーター達の席

ドーター「……ァッ(パパッ!!)」ガーーン

フレンド「ねぇどっちが正しいんだっけ?」

ドーター「……カピバラよ。 ごめんなさいちょっと席を外すわ」ガタ

スタスタ

狼男「……動物は好きじゃなかったかな?」

フレンド「オンナにはイロイロあるのよ」

○化粧室

ドーター「……(まずいわ、このままじゃ)」

――少年エルフ「娘、僕この人と結婚するから」

――姉エルフ「はじめまして、新しいママよ」

ドーター「……(なんてこと! 悪夢だわ)」

フレンド「大丈夫? そろそろフリートークになるわよ」

ドーター「……大丈夫よ、すぐ戻るわ」

フレンド「ねぇ、娘。 友人として言わせてもらうけど、そろそろ親離れしたら?」

ドーター「……なによ急に」


フレンド「娘がエルフさんが好きなのはわかるけどずっとそういうわけにはいかないでしょ。 エルフさんの幸せも考えないと」

ドーター「……そんなこと、分かってるわよ。 ただ感情が納得しないのよ」

フレンド「だったら」 ドーター「それに!」

ドーター「それに、あの双子エルフは気に入らないわ。 なんだか怪しい」

フレンド「たしかにあのウラヤマケシカランボディは気に食わないわね。 卑怯よ半分よこせ」

ドーター「まぁ、言いたいことは分かったし頭も冷えたわ。 でも、私の感情とは別にあのオンナがパパにふさわしいかどうかは別でしょ」

フレンド「まぁ確かに……でもそれはエルフさんが決めることじゃない?」

ドーター「ダメよ、パパは今、同族というだけで盲目的になってるわ。 私が見極めてあげないと」

フレンド「そう……なるのかな?(やっぱりダメだったか。 まぁいいか一応友人のギムは果たしたということで)」

ドーター「フリートークになるのよね。 ……上等じゃないパパは私が守る! 友、手伝ってくれるわよね?」

フレンド「いいわよ……(面白くなるわね)」ワクワク

◯フリートークタイム

司会「はい、それでは今からフリートークとなります。 あちらの方に食事もご用意しましたのでお食事とともに交流の方もお楽しみください」

男「立食パーティー形式か。 じゃあ俺が適当にとってくるから」

少年エルフ「え? 自分の分くらい自分で行くよ」

男「バカ、こういうのは分担したほうがいいんだ。 お前は双子エルフの横に行って場所をキープしろ。あの壁際の席にいるから」

少年エルフ「うん、そう? あっちに居るんだね?」

トコトコ

少年エルフ「あ、あの隣いいですか?」

姉エルフ「あら、さっきの。 いいわよ、どうぞ」


少年エルフ「あ、お姉さんだったんだ。 妹さんは食事をとりにいったの?」

少年エルフは姉エルフの隣に座った

姉エルフ「そうね、とりあえず見に行っただけよ。 それにしてもよく私がアネだとわかったわね、分かるの? それともあてずっぽう?」

少年エルフ「え、だって声を聞いたらわかるよ。 お姉さんの方が少し落ち着いた声してるから」

姉エルフ「あらー、スゴイわね。 そんな風に見分けられる人はじめてよ。 耳がいいのね」

少年エルフ「そうかな」エヘヘ

ドーター「ちょっとごめんなさい、ここ座ってもいいかしら?」ドスン

ドーターが少年エルフの隣に座った

ドーター「足が疲れてしまって」

少年エルフ「えぇ、どうぞ。 あ、ドーターさん。 食事は食べないの?」

ドーター「いいえ、後で食べるわ。 今は混みあっているから」

少年エルフ「だったら、男が持ってきてくれるからみんなで食べようよ」

姉エルフ「あら、そうなの。 アナタもご一緒に?」ニコ

ドーター「そうね、ご一緒させてもらおうかしら」ニコ

少年エルフ「そう、よかったみんなで食べると美味しいからね……(それにしてもドーターさんって誰かに似てると思ったら、声が娘とそっくりだ。 同じ声の人っているんだなぁ)」

姉エルフ「ウフフ」ニコニコ

ドーター「フフフ」ニコニコ

男「おーい、適当にもってきたぞ……って(なんかエルフを挟んでスゴイ空気になってるが……、あんな美女二人に言い寄られてるとは。 未恐ろしい奴)」



ドーター「はい、これ食べる?」

少年エルフ「あ、ありがとう。 これ好きなんだ」モグモグ

ドーター「そうなの、私も好きよ」

男「君は食べ物は何が好きなんだい」

姉エルフ「そうね、いろいろあるけど新鮮なものならなんでも」

男「そうなんだ、食べ物に気を使ってるんだね」

狼男があらわれた

狼男「あ、ドーターさんこんなところに一緒に……」 フレンド「あ、ねぇねぇアンタってやっぱり玉ねぎ食べたら腰抜かしたりするの?」

狼男「いやいや、それは猫でしょ。 つか犬と一緒にせんといてや」

フレンド「えー、ほんとう? 証明してよー」

フレンドが狼男を連れて行った。

ドーター「フレンドも忙しそうね」



少年エルフ「うーん、人狼の人も誤解とかされやすそうだね」

ドーター「そうね、エルフさんもやっぱり誤解される事ある?」

少年エルフ「うん、聞いてよ。 僕見た目は子供だけどさこれでも61歳だよ、なのによく子供扱いされてさ困るんだよね」

ドーター「そうなのね、私も昔はチビだったからそういう経験があるわ。 失礼よね」

少年エルフ「うん、ほんと。 でも僕はエルフ族だし初対面の人はわかるけど長年付き合ってるのに子供扱いする誰かさんもいて困るんだよね」

男「はっはっはっ、俺のことか?」

少年エルフ「そうだよ、もう!」

男「まてまて、子供扱いじゃない。 オトウト扱いだ」

少年エルフ「一緒だよ、もー」


姉エルフ「あら、だったらさっきは失礼だったかしら」

少年エルフ「え! えっとね、お姉さんならずっと一緒に居られるからいいかなって、あの本当だよ」

姉エルフ「あら、本当嬉しいわ」ジッ

ドーター「む……(なに? あの目線、見つめてるにしては妙ね)」

少年エルフ「うん」テレテレ

姉エルフ「……あら? そう」

男「……(ふーむ、やはり俺は妹さんの方にシフトしたほうが無難かな)」



妹エルフ「あら、エルフさんこんなところにいたの」

少年エルフ「あ、妹さん」

姉エルフ「だいたい見終わったの?」ボソ

妹エルフ「えぇ、だいたいね。 エルフさんここ居たけど姉さんの方は?」ボソボソ

姉エルフ「……やってみたけど効いてないわ。エルフ族だからかしら?」ボソボソ

男「妹さん、何か食べるかい? 食べたいのなかったら持ってこようか?」

妹エルフ「あら本当。 だったらアボカドのサラダがあったからそれを」

男「よしきた」


男はサラダを取りにいった

姉エルフ「このコどうにかできない……」ボソボソ

妹エルフ「わかったわ、さっきのオトコ達で……」ボソボソ

ドーター「どうしたの?」

姉エルフ「なんでもないわ」



イケメン達があらわれた

イケメンA「やぁ、ドーターさんだったかな。 こっちで話さないか」

イケメンB「人間同士も仲良くしようよ」

ドーター「あ、私はちょっと……」


フレンド「おーっとイケメン2人がこんなとこで何してんのよこっち来なさい」

ドワーフ女「そうよ異種族交流しませんか」

イケメンA「え、ちょっと」

イケメンB「うわ、力強い!?」

フレンド達がイケメン達を連れて行った

ドーター「もう、フレンドは元気ね(グッジョブよ友)」

姉エルフ「……なによいまの」

妹エルフ「……なんで?」



少年エルフ「ふぅ、のど渇いたから飲み物とってくるよ」

姉エルフ「あら、だったらこれどうぞ。 はい」

少年エルフ「いいの? ありがとう」コクコク

男「ふー遅くなった、サラダとってきたぞ。 ん、エルフお前それ……」

少年エルフ「うにゅ、なんか変わった味のソーダだねこれ」

男「ばか、それ酒だ。 お前大丈夫か?」

少年エルフ「ふぇ、お酒だったの? らって飲みやすかったし」フラフラ

姉エルフ「あらあら、ゴメンなさいね。 ちょっとここでお休みなさいな」ぐい

むにゅう


ドーター「あ! ちょっと」

男「……おおぅ(なんとウラヤマシイ)」

少年エルフ「んふ。 ぁ、落ち着く―」

姉エルフ「あらあら」

少年エルフ「お母さんみたいー」

姉エルフ「お、お母さん!?」ゴーン

ドーター「もう、お酒なんて飲ますから。 ほら水よ、しっかりして」ぐい

むにゅ


少年エルフ「あ!? ちょっとそんなに引っ張らないで。 その胸が……」カアアァ

姉エルフ「!?」 ドーター「!?」

男「……(お前そっちだったのか)」

ドーター「ふふふふふ。 ほーらー、だめよ動いちゃ酔いがまわるわ。 おとなしくして」むにゅ

少年エルフ「ちょ、ちょっと!」ドギマギ

\もうさめたから/ \だめよ、まだ赤いわ/


姉エルフ「ぐっ……まさかアレに負けるなんて」ボソ

妹エルフ「母性がありすぎなのよ姉さんは、仕方ないなぁ」ボソボソ



少年エルフ「……(不思議だなドーターさんは他人じゃないみたいだ)」

妹エルフ「あらあら……ドーターさんは人間なのに随分エルフ族にご執心ね。 やはり短命だと長く生きる者に憧れるものですか?」

ドーター「っ!? あら、私はエルフ族がどうもかでなくエルフさん自身に興味があるから」

妹エルフ「あら、そうでしたか。 これは失言でしたわ、お気を悪くされました?」

ドーター「いいえ、お構いなく」

少年エルフ「……(そうだドーターさんは人間なんだよな)」

司会「はい、そろそろお時間になりました。 初めの席に戻ってください、投票の説明をはじめます」



司会「この用紙にはお付き合いしたい方のお名前をお書きください。 他にもフレンドリー、や笑顔、気遣い部門などの項目もあります、相手の番号か愛称をお書き下さい。 見事カップリンされた方は当イベント公式カップルとして認定します、他にも今回のチャーミングナンバーワンを……」

ざわざわ

女薬師「くっそ、あのスケコマシ野郎。 堂々と胸のデカいオンナの所に入浸りやがって」

女僧侶「ちょっと薬師ちゃん、口が悪いわよ。 酔ってる?」

女薬師「この程度でよってないわ!」


ドーター「……(そういえば居たわね、男がなかなか戻って来なかったのは彼女のせいかしら)」

フレンド「どうだった?」

ドーター「多分……大丈夫」

フレンド「さすがね~、でもどうするの? エルフさんが本気でお付き合いしたいって行って来たら」

ドーター「……そこまでは考えてなかったわね、――まぁその時はその時よ」

フレンド「それもそうね……(まぁ正体を知った時のエルフさんの反応も楽しみだわ)」ふひひ

司会「はい、お待たせしました結果が出ましたので発表します」

○その後

ドーター「………………」ズーン

馬頭「どーしたのドーターちゃん、カップリングなんてそうそう合わないって。 総合一位だったんだからよかったじゃんか」ガッハッハ

女薬師「そーよ、なによ! 上位が双子エルフとアンタじゃない、デカいとか若いとか反則よォ!!」バタバタ

ホビット女「まー落ち着いて、飲みすぎよ」

フレンド「はい、というわけでカオスな二次会になっております。 ドーター仕方ないじゃないやっぱりエルフ族はエルフ族同士がいいのよ。 ね?」

ドーター「……そうなのかな」ズズーン

女薬師「くっそー、あんのスケコマシどこ行った!! 成敗してやるー」ドタドタドタドタ

フレンド「……ねぇ薬師さんが飛び出していったけど大丈夫かな?」

ドーター「いいんじゃない……ほっといても」ふー

フレンド「……(うわぁ、なげやり)」


○娘の回想

――司会「はい男さんと妹エルフさんおめでとうございます。 さぁ最後はエルフさんと妹エルフさんです、皆様素敵なカップルに拍手をお願いします」

――姉エルフ「あら、今日は楽しかったわ。 それでは私は男さんとエルフさんに送ってもらうから、じゃあね」ウフフ

――少年エルフ「あの、ドーターさん。 今日は楽しかったよありがとう……あの君はとっても素敵だからきっと素敵な人が見つかるよ」

○カウンター席

ドーター「……(明日、パパといつも通りにできるかしら)」ズーン

隣で牛頭と女僧侶が話し込んでいる

牛頭「我々の種族はもともと東方よりの地域の一族でね、なぜか女性が一族に生まれないんだ。 それで昔は女性をさらって来たりなんてヒドイこともしていたため数がずいぶん減ってね。 このまま滅亡かと思っていたが…こんな交流会が行われるようになっていい時代になったんものだ」

女僧侶「そうなんですね、苦労されてたんですか?」

牛頭「いや、私の世代はしていないが祖父やそれ以前は酷かったらしい。 それにしても我々の種族は謎が多くてね、女性が生まれないのもあまりにも不自然だしそもそも歴史が浅いんだ」

女僧侶「どういうことですか?」

牛頭「我々の一族はほんの400年前ほどしかさかのぼれないんだ、それ以前が無いんだ」

女僧侶「いきなり発生した種族だというのですか?」

牛頭「わからない。 私はそれを調べたくて旅をしている、しかしどこにも記録も史跡も見つからないんだ。 わかったことは他にも同じように発生した種族がいるということだけだった」

女僧侶「あの馬頭さんとかですか?」

牛頭「そうだな、アイツも旅で見つけてそのまま一緒に旅することになった。 そういえば調査をしながらなのか旅すがら妙な話も耳にするのだが。 最近は奇妙な猿がでたり怪しい商品が出回ったり、他にも人間が獣や悪魔のようになったものが居るとか」

ドーター「……(悪魔?)」

女僧侶「悪魔ですか? それは初耳ですね」

牛頭「私も詳しくは知らないが……東の町のあたりで女の子が一人か二人、耳がとがってしっぽが生えたそうだ」

ドーター「……東……ねぇそれ、詳しく教えて!」

○街角、宿屋への途中

妹エルフ「あー、私はもうお腹が空いたわ、姉さんのせいよ」

男「そういえば、会場ではあまり食べてなかったね。 今からでも何か食べに行こうか? 案内するよ」

少年エルフ「えっと、お姉さんも食べる?」

姉エルフ「私は大丈夫だから。 男さん妹をお願いできる?」

男「えぇ、もちろん」

姉エルフ「じゃあ先に宿にもどりましょうか」

少年エルフ「えっと、うん」



男「……(よっしゃ、いい雰囲気だ)さて何食べる」

男は妹エルフの腰に手をまわした。

ぺチ

男「ん? なんだこれは……しっぽ? アクセサリーかいカワイイね」

ぺチペチ

妹エルフ「あーあ、お腹ぺこぺこだしね、我慢できなくなっちゃったわ」

男「……これ、本物!? なんでエルフ族に!?」

妹エルフ「ウフフ、だって私達はサキュバスだから」チュッ

双子エルフはサキュバスだった!

妹サキュバスのエナジードレイン

男「……ッ!?(力が)」チュウチュウチュウ

妹サキュバス「ウフフフ、ごちそうさま。 さてあのおチビちゃんと姉さんと好きなだけ可愛がろうかしら」スタスタ

男「エ……ル……」ガク

男は気絶してしまった。

○宿屋、双子サキュバスの部屋

少年エルフ「……男たち遅いねぇ」

姉エルフ(姉サキュバス)「そうね、先にいただいちゃうわ」チュウ

少年エルフ「なに? ……ぅぐ」むぐぐ

姉サキュバス「やっと効いたわね。 眼差しも効かないし、これも効かなかったら無理やりになってたわよ……それでもいいけど、ウフフ。 でもエルフ族は本当に特殊ね、こんなに美味なんて」

少年エルフ「ひぅ……ぅ……(動けない、なんで)」

姉サキュバス「あー、素敵ねその表情。 ゾクゾクする、たっちゃうわ」ぺチペチ

少年エルフ「ッ!?(尻尾!? そんな、エルフ族じゃない!?)」

姉サキュバス「怖がらないでいいのよ、可愛がってあげるから」

○街角

タッタッタ

フレンド「もう、娘ったら急に飛び出してどこいったのよ……あれは? 女薬師さんと男さん!?」

女薬師が男を抱き抱えて泣いている

女薬師「あ、アナタ。 早く僧侶を、女僧侶を呼んできて! 男が男が!!」

フレンド「わかったわ、まってて」

ダダダダ

男「うるさいな、これくらいで死にはしねーよ」

女薬師「バカ、真っ青じゃない。 そのまま死ねばいいのよ、本当に」ギュウ


男「……まー、このまま死ぬのもオトコの死に方としては良い方だよな」

女薬師「何言ってるのよ……バカ、昔からホントに……」ぐすぐす

男「泣くなって……」

女薬師「ううぅ……ぅ。 う! 気持ち悪い……」

男「お前? ちょっ!? まて、耐えろ!! 離れろ!!!」

女薬師「……ごめん、ムr」

\オロロロロロロロロ/ \ぬわーーーー/

○宿屋、双子サキュバスの部屋

ペロペロくちゅくちゅ、ちゅーーーー~~

少年エルフ「ぅあぁん、 やめぇてぇ」バタバタ

姉サキュバス「んー、美味しい。 エルフイヤーは幻の素材っていうけどホントね、スゴイ濃い魔力が吸えるわ」ペロペロ

少年エルフ「ひぃーひぃー」ボロボロ

姉サキュバス「それに、耳が弱いのね~エルフ族はみんなそうなのかしら? ウフフ」

少年エルフ「はぅ……(意識が……)」

姉サキュバス「フフフ、少し休ませてあげる。 妹が来たら両耳いっぺんに吸ってあげるわ? きっとスゴイわよ」

少年エルフ「……(誰か、助けて……男、……オババ……)」ブルブル

姉サキュバス「こんなに震えちゃって、カワイイ」ちゅーちゅー

少年エルフ「ぅあああぁん……(……娘……ゴメン、死んじゃう)」ビクビク

姉サキュバス「クセになりそう、アナタ最高よ」



ギィイ

姉サキュバス「遅かったわね、早くしないとあなたの分無くなるわよ」

妹サキュバス「姉さん……ギャッ!!」バチバチバチン

姉サキュバス「妹!? あ、アナタ」

少年エルフ「ぁあ?……(あれは、ドーターさん……? 娘……? あれ?)」ガク

少年エルフは気を失った。

娘「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

姉サキュバス「なに!? なんて魔力! でも、こっちだって魔力は満タンよ、えいっ”魅惑”!」

姉サキュバスの魔法!


ぺちん

娘「……今、なにかしたの」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

しかし効果はない

姉サキュバス「ちょ!? ウソぉ!! ま、まって誤解しないで私達はもともと人間で……」

娘「……シャベルナ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

姉サキュバス「あのッ! 暴力はんた」ビクビク

娘「”放電”」

姉サキュバス「ァァァァ!!」バチバチバチ

○後日、少年エルフの喫茶店

娘友「で、本物のサキュバスだったの?」

娘「落ち着いてから聞いたら、もともと人間だったのに子供の頃に耳が伸びて尻尾が生えたんだって。 一種の先祖返りだとか」

娘友「そうなの? ご先祖にサキュバスが!?」

娘「そういうことらしいの」

娘友「それで見逃してあげたの?」

娘「まぁ、パパは返してもらったし。 二度とパパに手を出さないって誓わせたから」ギラリ

娘友「へ、へぇ(何をしたのかしら)」ゴクリ

娘「聞いてると普通の食事が出来なくなった代わりにエナジードレインしないといけなくなったって。 ただ地元じゃ有名になっちゃって、それでわざわざこっちまで来たんだって」

娘友「よく今まで捕まらなかったわね」

娘「あの双子いわく『乳牛を殺しちゃったらミルクが飲めないでしょう』だって、被害者もスケベ親父が多かったみたいだし……パパに手を出さないならあとはどうでもいいわ」

娘友「そーか、それでエルフさんはまだ具合悪いの?」

娘「うーん? 男も治ってるのにどうしてかしらね」

○少年エルフの部屋

男「いやー、ひどい目にあったな。 お前はまだダメなのか?」

少年エルフ「……いや、もう体は大丈夫なんだけど」

ギィイ

娘「パパー、入るわよ」

娘友「お邪魔してまーす大丈夫ですか?」

少年エルフ「あっ!? ド……む、娘」ドギマギ

娘「大丈夫エルフ? 熱はないみたいだけど」ピタ

少年エルフ「んと、いいから! もう少ししたら落ち着くから気にしないでっ、お願いだから!」アタフタ

男「お前……」

娘「ホント? でも何か飲んだ方がいいわ、もってくるからまってて」

娘友「失礼しましたー」ふひひ

パタン

少年エルフ「うぅ……やっぱり僕はパパ失格だ。 娘を見るとドーターさんみたいって……前よりドキドキしてる」

男「そういえば雰囲気が似てる……か? もっと大人になったらああなるかもな」

少年エルフ「うぅ、僕はパパなのにっ! パパなのにーーー!!」

男「……あきらめろそういう年頃なんだよ」

―おわり―

次からわかりやすくします、ありがとうございます

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