京子「歳納京子のお悩み何でも相談室のお時間です」 (55)

~ごらく部

京子「はい今日もやって参りました、歳納京子のお悩みなんでも相談室のお時間です」ババーン

京子「え? そんなの知らないって?」ババン


京子「でしょうね? なんせ今日から始まるコーナーですからね?」バァァーン

京子「それどころか企画思い付いたのも1時間前ですからね?」バババババババーン

京子「え? さっきからバンバン効果音がうるさいって?」バンバンバーン

京子「これね、実はめっちゃ障子がノックされてる音なんですね。ちょっと相談者待たせすぎたかな」バンバンバンバンバンバン


京子「とまぁ独り言はこの辺にしておいて、さっそく一人目のゲストをお招きしたいと思います」バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン

京子「いけね、ゲストって言っちゃった」バンバンバンバンバンバン

京子「ちなみに私も誰が相談者なのか分かっておりません!」バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン

京子「それではどうぞ!!!」



ガララッ





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ドラえもん「お邪魔しまーす」

京子「ちょおおおおおおおおおおいい!!!!!!!!」


ドラえもん「えっ、どうしたんだい? そんな大きな声出して」

京子「どうしたんだい? じゃないよ!! 何普通に入ってきてんの!? ここ、ゆるゆりの世界だからね!?!?」

ドラえもん「そんなこと言われてもなぁ……」

京子「そんなこと言うよ! つかお悩み相談室やってるってどこで知ったの!?!?」

ドラえもん「そこはほら、僕ドラえもんだから」

京子「……」


京子「ちくしょう、納得させやがる」

京子「まぁいいや、じゃあドラえもんそこに座ってよ」

ドラえもん「ありがとう! よっこらせ」ドスーン

京子「……なんか私が知ってるドラえもんと声違うな?」

ドラえもん「あぁ、僕は引退した、古くて汚い方のドラえもんさ。君たちがテレビで見てるのは、新しい方の僕だね」

京子「へーなるほど」



京子「この話はやめとこっか」

京子「えー、で、あなたは今日どんなお悩みを相談しに?」

ドラえもん「それが聞いてよ! のび太くんって子がいるんだけど」

京子「あー、存じてますよ。あのおバカな子ですよね」


ドラえもん「ええ。頭は悪い、顔は不細工、ぐうたらで昼寝ばっかり、可愛い女の子には目がないと、人間の悪いところをこれでもかというくらいに凝縮させたような人間なんですけどね」

京子「ボロクソだな」

ドラえもん「あ、いや、彼にもいいところはあるんですよ? 決して弱いものいじめはしないし、ああ見えて男っぽい一面も……」

京子「何でそんな彼氏の愚痴を言う彼女みたいな言い回しするの」


ドラえもん「そんなのび太くんなんですけどね、まー頭が悪い!」バン

ドラえもん「とにかく悪い!」バァン

ドラえもん「いい加減にしてほしいんですよ!!」バァァン


京子「机叩くのやめてもらえますか」

京子「まぁなんだ、つまり[たぬき]の悩みってのは、のび太くんが勉強ができなさすぎて困ってるってことでいいのかな?」

[たぬき]「あ、それは違うよ京子ちゃん」

京子(うわお、天下の[たぬき]にちゃん付けされちゃったよ。今度あかりに自慢しよ)



[たぬき]「僕の悩みは、のび太くんの頭が悪すぎて全然アプローチに気付いてもらえないことなんだよ」

京子「ディーーープ」



京子「え、ごめんね。[たぬき]ってそっち系の人なの?」

[たぬき]「そっち系もなにも僕、ロボットだけどね」

京子「あぁそっか。紛らわしいな」

[たぬき]「でも一応性別は男として設定されてるから、まぁ京子ちゃん側の人間だね」

京子「なんか一緒にされると無性に腹が立つな」

[たぬき]「お願いだ京子ちゃん! こんないじらしい悩みを分かってくれるのは、クソレズの京子ちゃんだけなんだ!」ゲザッ

京子「おめぇ聞いてもらう立場の分際で口わりぃな!!!」

>>4 上げ直します

京子「まぁなんだ、つまりドラえもんの悩みってのは、のび太くんが勉強ができなさすぎて困ってるってことでいいのかな?」

ドラえもん「あ、それは違うよ京子ちゃん」

京子(うわお、天下のドラえもんにちゃん付けされちゃったよ。今度あかりに自慢しよ)



ドラえもん「僕の悩みは、のび太くんの頭が悪すぎて全然アプローチに気付いてもらえないことなんだよ」

京子「ディーーープ」


京子「え、ごめんね。ドラえもんってそっち系の人なの?」

ドラえもん「そっち系もなにも僕、ロボットだけどね」

京子「あぁそっか。紛らわしいな」

ドラえもん「でも一応性別は男として設定されてるから、まぁ京子ちゃん側の人間だね」

京子「なんか一緒にされると無性に腹が立つな」

ドラえもん「お願いだ京子ちゃん! こんないじらしい悩みを分かってくれるのは、クソレズの京子ちゃんだけなんだ!」ゲザッ

京子「おめぇ聞いてもらう立場の分際で口わりぃな!!!」

京子「でもさ、ドラえもんが未来から来たのって、のび太くんを更生させるためだったよね?」

ドラえもん「そうさ!」

京子「ドヤ顔やめて。で、仮に恋が成就してのび太くんがこっち側の人間になったとしてさ」

ドラえもん「うん」


京子「のび太くん末代になって、セワシくん生まれてすら来なくなっちゃう気がするんだけど大丈夫?」






ドラえもん「あ」

京子「ノープラン」

ドラえもん「あああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

京子「うわっうるさっ。22世紀の発声装置うるさっ」


ドラえもん「そんな……そんな……こんなのってないよ……」ワナワナ

京子「うんうん、まぁ誰もが一度は通る道だから」

ドラえもん「どうしたら……僕は一体どうしたらいいんだ……」

京子「任せて、私にいい考えがあるよ」グッ

ドラえもん「お、教えてくれ! 僕は、僕はどうしたら……ッ!!!」



―――



京子「もしもボックス~」トシトシノッノッノーン


京子「もしもドラえもんがノンケだったらー」

ドラえもん「……」

京子「ふいー、こんなん秀才京子ちゃんにかかれば余裕ですわ」ガチャ



ドラえもん「うへへへ、美味そうな雌猫ちゃんがいやがる」ジュルリ

京子「はっはー、絶対ヤバいやつじゃんこれ」ゲラゲラ

ドラえもん「うへへへへ……」ゴソゴソ

京子(ポケットに手を……ッ! 一体どんな秘密道具が……)

ドラえもん「誰でも雌豚になっちゃうマシーンー」ホンワカパッパーン

京子「22世紀デパートには倫理観の欠片もねーな」


ドラえもん「さぁ京子ちゃん覚悟しなぁぁぁ!!!!!」

京子「ひぃぃぃぃせめて犯されるならドラミちゃんがよかったなー!!!!」



ピシュン

ビスッ

ドラえもん「んがっ!? へにゃへにゃ……」

京子「な、何事!?」



「今だ!! 早くその狸のポケットからどこでもドアを出して!」


京子「だ、誰だか存じませんがありがとうございます!」

京子「どこでもドアどこでもドア……畜生、本当に整理されてねーな!」ポイポイ


京子「あった!」

京子「ど~こ~で~も~ド~ア~」キョコキョコトッシッシーン

京子「よしよしあちらの世界にお帰り……」ズズズズ


バタム

京子「ふぃー、危なかった……。一安心一安心」



コナン「いやぁ京子お姉ちゃんが無事で僕も安心したよー」

京子「貞操の次は命の危機かー」

京子「え、なに、今日は時空か何かが歪んでるとかそういうやつなの?」


コナン「京子お姉ちゃん難しい言葉知ってるんだねー!」

京子「せやで工藤」


コナン「京子お姉ちゃん、新一兄ちゃん知ってるの?」

京子「あったりまえやで工藤」


コナン「……僕新一兄ちゃんじゃないよ?」

京子「な、なんやて工藤!?」



京子「ごめんなさいごめんなさい叩かないで」

コナン「ふっ、どうやらアンタ、不幸にも俺の正体を知っちまってるみてーだな」

京子「ええ、僭越ながら……」

コナン「なら話が早ェや。相談、乗ってくれるかい?」

京子「なるべく裏の組織には関わらない方向でお願いします」

コナン「バーロー。一般人を巻き込むような危険な真似はしねーよ」


京子(コナンくんに出会った時点で既に危険に巻き込まれてるんだよなぁ)


コナン「早速だけど、この写真を見てほしい」ゴソゴソ

京子「これは……西垣ちゃん?」

コナン「ああ、この中学校の理科の教師って聞いてる」

京子「あ、分かった。西垣ちゃんに元に戻れる薬を作ってもらうつもりでしょ?」

コナン「ご名答。学年テスト万年一位の名は伊達じゃないみてーだな」

京子「えへへ、それほどでも」テレテレ

コナン「西垣奈々。裏の世界じゃちっとばかし名も売れてる女でね。黒の組織にもマークされてる天才科学者さ」

コナン「“ウェスト”って通り名で、ヤベェ組織に開発した薬を高額で売りさばいてた過去もある」

コナン「だからこそ身体が小さくなったとき、俺も最初は西垣奈々を頼ろうと思ったさ」

コナン「だがその頃には既に、西垣奈々は裏の世界から行方を眩ました後だった」

コナン「そのころ同時に多発していた爆破テロに、彼女も大いに携わってたって噂が立ってたからな」

コナン「いち早く危険を察知して、この富山の地に逃げ込んだんだろうさ」


京子「待って待って。思いっきり私巻き込みに来てません?」



京子「西垣ちゃんの過去の話はいいからさ、結局私に相談したいことって何さ?」


コナン「単刀直入に言おう。西垣……いや、ウェストから、身体が元に戻る薬を入手してほしい!」

京子「相談室だっつってんだろ!!」

京子「何が『一般人を巻き込むような危険な真似はしねーよ』だよ! これでもかってくらい巻き込んでるよ!!!」

コナン「頼むって! お願い! この通り!」パンッ

京子「とても一般人を危険な目に合わせるつもりの人間の態度じゃないよね!? ドラえもんですら土下座したよ????」


コナン「ちぇっ、ケチー」ブーブー

京子「おまッ……! ガキの身体じゃなかったら一発お見舞いしてたぞ……!」ワナワナ


京子「つーかいいじゃん、子どもの身体! 私が欲しいくらいだよ!」

コナン「まぁ確かに、この身体で助かったこともある。それは否定しねーさ」

京子「だったらなおさら、危険を冒してまで薬を取りに行くことないじゃんか!」

コナン「ったく、これだからガキはよ」ハァ


京子「……」



京子「ちくしょう、言い返せねえ」


コナン「……俺に会いたいヤツがいる」


京子「……」

コナン「戻りたい理由なんて、それだけで十分じゃねえか」



京子「ッッッ!」


(『確かにお前は迷惑ばっかりかけるし非常識だし自己中だ』)



(『でも私は、元の京子がいい!』)



京子「……そっか。そう、だね」

コナン「へへっ、今日会ったばっかりのやつにこんなこと言うのも、こっぱずかしいけどよ」

京子「そんなことないって。蘭ねーちゃんもきっと待ってるよ」


コナン「蘭? 違う違う」

京子「え」



コナン「会いたいってのは、小五郎のおっちゃんに決まってんじゃんかよ」

京子「ホモばっかりかああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

京子「おかしいだろ!!! ゆるゆりのssでホモの登場人物の方が多いっておかしいだろ!!!」

コナン「落ち着けって。俺たち仲間じゃねーか」

京子「一緒だけど! 一緒にしないでほしい!!」


コナン「そんなわけだからさ! 同族のよしみで頼むよ~」パンッ

京子「イヤに決まってんだろ! 一瞬でも心動かされた自分が情けないわ!!」


コナン「はぁ、しゃーねー。別の手を考えっか……」ポリポリ

京子「そうしてくださ……」


キャアアアアアアア!!!!!!>


京子「!?」

コナン「悲鳴!?」ダッ


京子「あっ、ちょっとコナンくーん!!!」



京子「……」

京子(ぜってー追いかけねーぞ……!!)

京子「とは言いつつも大丈夫かな? つーかコナンくんが来たから事件起こったよなー」

京子「ま、とりあえず動かんとこ……。ちゃんとアリバイを作っとかないと容疑者にされちゃうしね……」



コンコン


京子「お、次の相談者かな……? 悲鳴が上がってたってのに、のんきなヤツだな。どうぞー!」

京子(ふふ、もう並大抵の相談者じゃ驚かないぞ)



ガララッ


ピカチュウ「ピカー」

京子「意思疎通すらままならないヤツか~」

ピカチュウ「ピカピカ! ピカチュウ! チュウ! ピカピ?」

京子「やめて伝えようとしてこないで! ただの愛玩動物が紛れ込んできただけの可能性に期待させて!!」

ピカチュウ「ピカピッカァ!!」バリバリ

京子「あぎゃぶぎゃば!!!」ビリビリ



京子「ちょ、ええええー? コイツ電撃放ったよ!? こわっ!? ピカチュウコワッ!?」


ピカチュウ「ピーーーカーーーー……」ジジジッ

京子「ヒイィ威嚇されてる!!!」


京子(どうしよう……このままじゃ京子ちゃん丸焦げにされちゃうよぉ……)

京子(こんな小さなネズミにすら勝てないなんて悔しい! でも感電しちゃう!)ビクビク


京子「とりあえず話し合おう? ね?」


ピカチュウ「ヂューーーーー」バリバリバリ

京子「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」ビリビリビリ

京子「ちょ、いい加減に」


ピカチュウ「ヂュウウウウウウウウウ」バリバリバリバリ

京子「ぎょぎぇえ゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」ビリビリビリビリ

京子「ホントマジ、ごめんなさ」


ピカチュウ「ヂョエエエエエエエエエエエエ」バリバリバリバリバリ

京子「おぴょぴょぴょぴょぴょぴょ!!!!!!!!!」ビリビリビリビリビリ

京子「お前ちょっと楽しくなってきてんだr」


ピカチュウ「ヂャアアアアアアア」バリバリバリバリバリバリ

京子「ぬ゛の゛の゛の゛の゛の゛の゛の゛の゛!!!!!!」ビリビリビリビリビリビリ




―――



京子「はぁ……はぁ……」グデー


ピカチュウ「ピッピカチュウ!」ブイッ

京子「ぴっぴかちゅう! じゃねーよ……少しはこっちの話も聞けよ!!!」

ピカチュウ「ピカァ?」ギロッ

京子「ひええ、ピカチュウのメンチ切りこっわ……」


京子(それにしてもどうしようかなぁ。多分ピカチュウも相談者なんだろうけど、言葉が分からないんじゃ話にならないし……)

京子(ふざけた真似するとすぐ電撃使ってくるし……)


京子(……待てよ!? そういえばさっき!!)ゴソゴソ

京子「あった! ほ~ん~や~く~こ~ん~にゃ~く~」キョピキョピキョッコッコーン

京子「ドラえもんが整理下手で助かった!!!」

京子「うわっほんやくこんにゃくって思ったよりヌメヌメしてるんだ」


京子「……ちょっとエロいかも」ポッ


ピカチュウ「ヂュウ!!」バババ

京子「あびゃびゃびゃ!!! 冗談だってば!!!」ビリビリビリ



京子「畜生、何でピカチュウには人間の言葉が通じるんだ?」モグモグ

京子「おえっ、まじぃなコレ」


ピカチュウ「ホンマやで。ワイもタケシによう食わされてたけど、こんにゃくだけは好かんわ」

京子「うおお!? ピカチュウが喋った!?」

ピカチュウ「ちゃうちゃう。ワイがしゃべっとるんやないで」


ピカチュウ「お前さんがピカチュウ語しゃべっとんのや」


京子「うそ、じゃあ今私『ピカピカー』とか言ってんの?」

ピカチュウ「言うとる言うとる。お前今めっさ怪しいヤツやで?」

京子「マジかーそれはへこむなぁ」


京子「つーかピカチュウさん、あの、関西弁なんですね……」

ピカチュウ「おう! バリッバリのジョウト生まれジョウト育ちや!」

ピカチュウ「いやーえらい懐かしいわ。カントー征服を目論んで上京したものの、周りは敵ばっかりでな。よう暴れたもんよ」

ピカチュウ「こう見えてワイもジョウト地方におったときはぶいぶい言わせとったんやで?」


ピカチュウ「“ウバメの蒼き閃光”ちゅう通り名も今となっては昔の話や! ガハハハ!!」




京子「幻滅ってレベルじゃない」

京子「え、あの、あなたってサトシのピカチュウさんですよね?」

ピカチュウ「おう! 久々に長期休暇もろたからな! 未開の地にバカンスにやってきたっちゅーわけや」

京子「未開の地て」

ピカチュウ「いやはや、一通り見て回ったけど想像以上のド田舎やなここは!!!」

京子「ボロクソかよ」


ピカチュウ「なーに真に受けとんねん! お前見かけによらずユーモアが足りへんなぁ」バシバシ

京子「え、なに? ピカチュウって言葉通じるだけでこんなフレンドリーになんの?」

ピカチュウ「なにボケとんねんお前」

京子「ボケてんのはアンタでしょーが! 何回電撃喰らったと思ってんだよ!!」

ピカチュウ「はーっ、ホンマ冗談が通じへんな? こんなんよくあるポケモンジョークやろが」

京子「私は人間ですー!!!」


ピカチュウ「はっ、ポケモンみたいな顔してよー言うわ」

京子「あッ、このッ、お前ッ、クソがッ」プルプル

ピカチュウ「ワイは最初っからフレンドリーや。お前が愛玩動物だとかエロいだとか言うから、ジョウトのツッコミ魂に火が付いただけやないか」

京子「付けんなよ……こちとらピカピカとしか聞こえてないんだからさぁ……」


ピカチュウ「んなもん、態度や表情から察せるやろ? ポケモン界じゃそんなん当たり前やで」

京子「人間界じゃ言葉で伝えなきゃ伝わらないんだよ」


ピカチュウ「人間ってホンマぶきっちょやなぁ。ワイなんか、お前が途中から電気ショックで感じてたことすらちゃーんと分かっとったんやで?」

京子「はぁっ!? おま、そんなわけ……」

京子「……」



京子「ちくしょう、ちょっとあったぜ///」

ピカチュウ「せやろが? ワイにこうされて喜ばぬ女はいなかったでな! ガハハハ!」

京子「お前もうニックネーム“エロチュウ”にしたらいいんじゃないかな」

エロチュウ「いやワイにも世間体っちゅうもんがあるからなぁ」


京子「つーか一体なに相談しに来たんだよ……。もしかしてホモ関係?」

ピカチュウ「なんやホモ関係て。ちゃうちゃう、もっと大事なことや」

京子「マジで? やったぜ。初めてのまともな相談相手が畜生ってのも悲しいけど」


ピカチュウ「実は道に迷ってしもて。高岡駅までの行き方教えてくれへん?」エヘヘ

京子「帰れええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!」



バタァァァアン

京子「はぁっ……はぁっ……」

京子「ちくしょう……」


京子「ちくしょーーー!!!!!!」


京子「おかしい、こんなはずじゃなかった……」

京子「もっとこう、あかりとかがフラッと訪れて、こう、和気あいあいキャッキャウフフな感じになるのを想定してたのに……」

京子「今日一日でごっそり体力と精神力を持ってかれた気がする……」ゲッソリ


京子「……そういやさっきの悲鳴のアレはもう大丈夫なのか?」

京子「特に続報もないけどヤバいやつが校内うろついてるとかないよね?」



ピーンポーンパーンポーン


京子「お、噂をすればなんとやら」



校内放送『緊急事態。緊急事態。制服を着用した金髪碧眼の女性が刃物を持って校内を逃走中。頭に大きなリボンが付いているとのこと。繰り返す……』


京子「わお」



京子「だ、大丈夫……圧倒的不利な立場でも、きっとコナンくんが真相を解明してくれる……」


京子「それに私にはちゃんとアリバイもあるんだ……」

京子「ドラえもんとコナンくんとピカチュウの相談に乗ってましたってアリバイが!!!」


京子「……」

京子「ダメだわ完全に頭のイカれたやつだわ」


ダンダン!!!

京子「お゛お゛ん゛!!??」ビクッ


ダンダン!!!

京子「ま、まさか警察の方がいらしたのかしら……?」ドキドキ


ダンダン!!!

京子「ど、どうぞー……」



ガララッ

京子「お邪魔しまーす」

京子「あら、中々いい部屋ですね」

京子「ちょっと京子ちゃん、ちゃんと靴揃えてよー?」

杏子「ここ飲食オッケー?」


京子「なんかいっぱい来たーーー!?!?!?」

京子「っていうか誰だアンタら!? まるで私が一人芝居してるみたいになってんじゃん!?」


京子「あっ、あなたがゆるゆりの京子ちゃん!?」

京子「え、はい、そうですけど……」


京子「私は京子! ど根性ガエルの京子よ!」

京子「あぁ、一人だけなんか作風が古めかしいもんね」


京子「これゾンの京子です。うふふ」

京子「何でだろう? 体が君に近づくのを拒絶してるんだけど?」ガクブル


京子「えっとREBORNの京子だよー。よろしくね」

京子「あっ、なんか君だけまともそう」


杏子「まどマギの杏子だよ。プッキー、食うかい?」スッ

京子「君ちょっと違くない?」



京子「「「「私たち、中学二年生の京子が集いし“京子会”のものです!!!」」」」ババーン

京子「わざわざ決めポーズまでありがとうございます」

京子「いやぁ富山にも京子ちゃんがいてくれて助かったわ! ちょうど休憩できるところが欲しかったのよね!」

京子「あ、私お茶ついでくるね~」

京子「あら京子さん、ありがとうございます」

杏子「なー京子ーお茶菓子なんかあったっけ?」

京子「私のカバンにおまんじゅうが入ってるから食べていいわよ」

京子「それで京子さん、次の目的地についてなんですけど……」


京子「お前らちょっと落ち着こう」

京子「凄まじいよ。凄まじく誰が誰だかわからないよ。」

京子「京子さんは変に細かいところに突っかかってきますね」

京子「貧乳ってばこれだから」モグモグ

京子「ンアァ!? 胸は関係ないだろーが!!!」

京子「貧しい胸は貧しい精神に宿るのよ」

京子「ふふ、それは同感ですね」

杏子「ちゃんと飯食ってんのかい?」モグモグ


京子「お、お前らッ、全員並以上だからって好き放題いいやがって……」ワナワナ

京子「京子ちゃんたち~お茶が入ったよ~」

京子「ほらもうこの子に至っては括っちゃってるじゃん。たち~って呼んじゃってるじゃん」

京子「いいじゃない別に。最悪、指さして呼べばいいわけだし」ビシィ

京子「大雑把にもほどがある……。いや、もっと他にあるじゃん、ほら、苗字で呼び合うとかさ? ね?」


京子「んなこと言っても京子は苗字自体がないじゃないね」

京子「そうですね。私だけ京子と呼ばれるのは不公平だと思います」

京子「私もみんなで京子って呼び合う方が仲良しって感じでいいと思うなぁ」

杏子「私も京子に改名、いや改字しよっかなぁ」モグモグ


京子「いい加減ゲシュタルト崩壊してきた」

京子「もうじゃあいいや……。それで、京子さん御一行はどんな相談事があってごらく部に?」

京子「あぁ別に相談事はないのよ。あなた自身に用事があって来たの」

京子「京子会に入れってんだろ」


京子「えっ京子さん何で分かったんですか」

京子「凄い……。これが京子ちゃんの実力……!」

杏子「さすが学年一位の成績を持つ女は違ぇな……」


京子「この流れで分からない方がおかしいのでは」

京子「京子ちゃんはね、京子ちゃんのその才能を買ってるんだよ? 今後の京子会に必要不可欠な京子ちゃんだって」

京子「どの京子ちゃんだよ」

京子「はいはーい私よ」

京子「口頭じゃ伝わらなすぎる」

杏子「でも京子は京子のことを京子より劣るしあんまり賛成できないって言ってなかったっけ?」

京子「違います杏子さん。確かに言いましたけどそういう意味じゃなくて、京子さんは京子さんよりも積極性で劣る代わりに京子さんや京子さんよりも知性があって京子さんや杏子さんより計画性で勝るから今後のイベント進行担当には京子さんより京子さんの方が向いてるんじゃないかって話であって……」


京子「自分の名前が嫌いになりそうだ」



京子「で、どうかしら京子ちゃん? 定期的に集まったり、たまに旅行したりするだけの集まりではあるけど」

京子「……」


京子(ちくしょう……ちょっと楽しそう)

京子「ま、まぁそこまで言うなら私もその、京子会とやらに……」


ピーンポーンパーンポーン

校内放送『報告。報告。制服を着用し金髪碧眼の頭に大きなリボンの付けた、刃物を持った女性は無事確保されました。繰り返します……』



京子「七森中の制服を身につけた……?」

京子「金髪碧眼の……?」

京子「大きなリボンを付けた……?」

杏子「女性……?」


京子「……へ?」



京子「いやああああああ!!!!! 殺人鬼が!! 殺人鬼がいるわあああああああ!!!!!」スタコラサー

京子「き、京子ちゃん待ってよおおおおおおお!!!!!!」スタコラー

杏子「殺人鬼なんていつでもそばにいるのにな」スタコラサッサー

京子「あら、それ誰のことです?」スッター

ピシャン



京子「……」ポツーン


京子「いや、別に寂しくなんかねーし……」

京子「私にはごらく部&生徒会っていう最高のコミュニティがあるし……」

京子「別に……京子会なんてどうだって……」グスッ


京子「つーか誰だったんだよその刃物持った女って……」

京子「どうせまた別の漫画のキャラとかなんだろうけど……」

京子「『金髪碧眼赤リボン』でググると似たような特徴のキャラいっぱい出てくるし……」


コンコン

京子「はぁ、もう次で最後にしよ……。時間も遅いし」


コンコン

京子「はぁーいどうぞー」グデー


ガラッ

綾乃「お、お邪魔します」


京子「……!?」

京子「あ、綾乃!」

綾乃「えぇ、そうだけど……?」


京子「や、やっと……」

綾乃「……?」

京子「やっとまともな相談相手が来たよぉ……」ポロポロ

綾乃「泣くほど!?」



―――


京子「取り乱しましてすみません」

綾乃「まったく世話が焼けるんだから」

京子「えへへ、ごめんごめん。で、綾乃の悩みってなに?」

綾乃「あの、その前に……」

京子「?」


綾乃「真面目な相談だから……。あまり茶化さないで聞いてほしいの」

京子「……ん、もちろん!」

綾乃「ありがと」



綾乃「……私ね、その、好きな人がいるの」

京子「えっ、そうなの!? どんな子どんな子?」

綾乃「そ、それは! お、教えられない、けど」

京子「ふむぅ」

綾乃「それで……そのうち告白したいと思ってるんだけど……。勇気が出なくって」

京子「ふーむ、綾乃ならいけると思うけどなー」

綾乃「バ、バカ言わないでちょうだい! 他人事だからそんなことが言えるのよ!」

京子「そうかなー。で、それで?」


綾乃「えっとね……。歳納京子に……その、告白の練習相手をしてもらいたくって……」

京子「なるほど! ふふん、そういうことならこの京子ちゃんに任せておきなさい!」


綾乃「そ、それじゃあ行くわね……」

綾乃「あ、あなたのことが好きです……! ずっと、ずっと好きでした……」

綾乃「女の子同士で変って思うかもしれない……けど、本当に、好きなんです……」

綾乃「朝も、昼も、夜も、寝る前だって、ずっとずっとあなたの事を考えています」

綾乃「私臆病だから……今までずっと、そんなこと一言だって言えなかったけど」

綾乃「よければ私と……杉浦綾乃と、付き合ってください……」


京子「……」


綾乃の告白練習を聞いて、いくつもの感想を抱いた。

綾乃らしい告白だな、とか、目線はちゃんと合わせたほうがいいよ、とか、

綾乃は一体どんな子にこの台詞を吐くんだろう、とか、私の知ってる子なのかな、とか。


京子「……悪くはないんじゃない?」

綾乃「そ、そうかしら? 変なところとか無いかしら?」

京子「変なところはないけど……」


綾乃「……けど?」


(『ええ。頭は悪い、顔は不細工、ぐうたらで昼寝ばっかり、可愛い女の子には目がないと、人間の悪いところをこれでもかというくらいに凝縮させたような人間なんですけどね』)

(『あ、いや、彼にもいいところはあるんですよ? 決して弱いものいじめはしないし、ああ見えて男っぽい一面も……』)


京子「どんなところを好きになったのかをちゃんと言うこと」



(『……俺に会いたいヤツがいる』)

(『戻りたい理由なんて、それだけで十分じゃねえか』)


京子「どうして付き合いたいのか、理由を伝えること」



(『んなもん、態度や表情から察せるやろ? ポケモン界じゃそんなん当たり前やで』)

(『人間界じゃ言葉で伝えなきゃ伝わらないんだよ』)


京子「“好き”は、相手の名前を呼びながら、はっきり伝えること」



(『違います杏子さん。確かに言いましたけどそういう意味じゃなくて、京子さんは京子さんよりも積極性で劣る代わりに京子さんや京子さんよりも知性があって京子さんや杏子さんより計画性で勝るから今後のイベント進行担当には京子さんより京子さんの方が向いてるんじゃないかって話であって……』)

京子(うん、これは違うな)

京子「私だったら何で好きになったのか、ちゃんとその理由が聞きたい」

京子「綾乃の告白じゃ、どうも形式ばってると言うか、そんな印象を受けるから……」

京子「だから、さっき言った3つを付け加えたら、もっと良くなるんじゃないかな?」


綾乃「歳納京子……」



京子「どう……? 参考になった?」

綾乃「ええ。ありがとう、とても参考になったわ」



綾乃「でも同時に、多分、フラれちゃうなってことも、分かっちゃった」



京子「えっ!? な、なんで!?」


綾乃「……だって――」

もしも立場が逆だったなら、私はそんなカッコいいこと言えないから。

綾乃はそう言って優しく微笑んだ。

私は、綾乃の言葉の意味がよく分からなかった。


綾乃「でもね、それでも私、告白するわ」

京子「……フラれるって分かってても?」

綾乃「ええ」


そう言うと綾乃は、ゆっくりと息を吸い込んだ。

未だ綾乃の言葉の意味について考えていた私は、ただそれを見守ることしかできず――

次の綾乃の発言に、上手く反応を返すことができなかった。

綾乃「歳納京子ーッ!!!」

京子「ひゃ、ひゃぃ!?」ビクッ


綾乃「あなたまたプリント出し忘れてるわよ! お悩み相談室なんてやってる暇があるなら、ちゃんと出すもの出してからにしなさい!!」

京子「あ、ご、ごめん……」

綾乃「この際だから言わしてもらうけど、あなた最近ちょっとだらけ過ぎよ!」

綾乃「掃除はサボる、授業は睡眠学習、宿題は他人の書き写し、勝手に人のプリン食べる、後輩に漫画の原稿付き合わせる、それからそれから……」


京子「ストップ綾乃! それ以上言われると私泣いちゃう!!」

綾乃「でも、あなたは。歳納京子は……」

綾乃「いつでも元気で、明るくて、優しくて、無神経かと思えば周りに気が配れて……」

京子「こ、こんどは何!?///」


綾乃「私ね、歳納京子には感謝してるのよ」

綾乃「あなたがいなかったら、きっと今でも友達は千歳だけだったと思うわ」


綾乃「でも……歳納京子はそんな私にも気さくに話しかけてくれた」

綾乃「いっぱい友達を紹介してくれて、いっぱい遊びにも誘ってくれて、私をいつでも楽しませてくれた」

綾乃「私だけじゃない……」

綾乃「あなたは、まるで花畑を自由気ままに舞い遊ぶ蝶々みたいに、周りにいるみんなのことを楽しませることができる」


綾乃「……きっと、そんなところに惹かれたのかな」



綾乃「私、歳納京子のことが……好き」


綾乃「よければ私と……杉浦綾乃と、付き合ってください」





京子「えっ……?」


京子「……え、私?」


綾乃「ええ、歳納京子」

京子「えっ、え、だって告白練習……」

綾乃「練習はさっき終わったじゃない。これは本番よ」


京子「う、うそでしょあやの……///」

綾乃「嘘じゃないわ。夢でもね」

京子「え、ええええ!?///」




京子「えええええええええええええ!?!?!?///」

綾乃「私、歳納京子を自分だけのものにしたい」

綾乃「その身体も心も全部、全部……」

綾乃「だってあなたは誰にでも優しいから、人気者だから……」

綾乃「ずっと私を見ていてほしいって、そう願ってしまう」

綾乃「……これっていけないことかしら?」


京子「あうあう……そんなの分からない……///」

綾乃「もう、あなたの言う通りにしただけなのに」クスッ

京子「だ、だってそんな、私のことを……す、好きだなんて、お、思ってなくって……///」

綾乃「ふふ、告白して良かった。その反応じゃ、私にもまだ望みがあるってことよね?」


京子「し、しらないよ!///」



綾乃「……返事は今すぐじゃなくていいわ」

綾乃「その様子じゃ、きっとすぐに答えは出せないでしょう?」

京子「……///」コクン


綾乃「私……待ってるから!」ニコッ




―――



京子「」ポカーン


(『私、歳納京子のことが……好き』)


京子「うなああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


京子「なんだよ綾乃のやつぅ! 急にそんなこと言われても困るってぇー!!!!」

京子「私、どうしたらいいんだよぉ……」


京子「だれか……」

京子「だれか私の悩みを聞いてよぉ……」




おしまい

お粗末さまでした。
京子ちゃん誕生日おめでとうございます。

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