女騎士「何者!?」 ???「……」(114)

状況によって安価あり。
色々なRPGの設定が入って居て、
ぐちゃぐちゃになるかもですが、お手柔らかに。


女騎士「貴方は……まさか…………」

???「おや、俺を知っているのかな。」

女騎士「オリジナルクラス所有者は、この国では稀有ですから。」

???「やっぱり、有名人らしいな。俺は。」

女騎士「フェミニズムこそ騎士道、等と仰る方は貴方位でしょう。女守騎士様。」

女守騎士「俺のフェミニストっぷりはそんなに有名か。」

女騎士「ええ、それでオリジナルのクラスを得ているのですから尚更。」

女守騎士「ハハハ。そうか。さて、お喋りはこの辺で良いか。」

女騎士「ええ。それで、王国の騎士団一の騎士様が、末端の女騎士何の用でしょう?」

女守騎士「まずは城に行こう。国王からお呼ばれなんだ。」

女騎士「私が……?」

女守騎士「まあな。とにかく、詳しいことは城で話そう。」

<王城>

王「よくぞ参った。女守騎士よ。それで、その娘が…………?」

女守騎士「ええ。この娘に決めました。」

女騎士「どういうことですか?女守騎士様。」

女守騎士「実はな。」

王「おお、詳しい事はワシから話そう。若き女の騎士よ。」

女守騎士「と、言う事だ。長くなるだろうが、詳しい事は向こうから
     聞いてくれ。寝ないようにな。多分俺は寝るんでな。」

女騎士「はぁ……」


王「この国の勇者……ブレイブが失踪したのは知っておるな?」

女騎士「存じ上げて居ります。」

王「それで、まあ、当代のブレイブが死ぬまで次のブレイブは生まれぬ。
  任命、名に刻む事が出来ぬのだ。それも、騎士のお主なら分かるな?」

女騎士「はい。」

王「それでな、まあ、死んでおればすぐに神官が次のブレイブを見出だす。
  それがまだと言うことは、ブレイブはまだ生きていると言うことだ。
  そなた達には、ブレイブを捜しだし、連れて帰って来て貰いたい。」

女騎士「私が……ですか。」

王「うむ。それで、その、だ。もし、ブレイブが魔王……サタン側に寝返っていたり、
  死にはせぬものの戦士として戦えぬ者であった場合は、その、なんと言うか……」

女騎士「私が、私達が、殺せ、と?」

王「むぅ、まあ、そうだ。」

女騎士「…………」

<王城・門前>

女騎士「どういう事ですか?女守騎士様。」

女守騎士「何がだ。」

女騎士「何故私が勇者殺し等と言う役を背負わねばならぬのです。」

女守騎士「話の通りだろう。当代のブレイブを殺さなければ
     次のブレイブは見出だす事が出来ないからだよ。」

女騎士「私はそう言う事を聞いているのではありません。
    その役が何故私になったのかと言う事です。」

女守騎士「おいおい、まだ勇者を殺すとは決まってないぞ。
     君を選んだのに大きな理由は無い。顔が可愛らしかったからだ。」

女騎士「つまらない事を言っている場合ではありません。
    勇者がサタニズム信奉者に唆され、大臣を殺して国外に逃亡したのは
    この国の民ならば誰でも知っている事です。つまり私達は。」

女守騎士「勇者殺しの役を押し付けられた。そうだ。だが、だったら何だ?」


女騎士「何を……」

女守騎士「俺やお前が任を蹴っても他の者が勇者を殺しに行って返り討ちに
     遭うだけだ。だが俺なら勇者を殺せる。だから殺しに行くんだ。」

女騎士「では貴方が一人で行けば良いのでは。」

女守騎士「掟で決まっているだろう。介錯はする者と見届ける者が必要なんだ。」

女騎士「何故それが私なのですか。」

女守騎士「それは…………」

女騎士「それは……?」

女守騎士「いずれ分かるだろう。」クルッ

騎士団唯一のオリジナルクラス所有者、女守騎士様と遠征に出る事になった。

名誉な事だし、嬉しいには嬉しいが、正直気が乗らない。

彼は私に全ての情報を打ち明けるつもりは無いらしい。

そして、彼と私は当代のブレイブ……勇者の実質的暗殺を命じられた。

今回の遠征はその為の物だ。気が乗らない、と言うより行きたくない。

だが、私に拒む権利などない。何より、騎士の心得に反する。

忠誠を誓い、主に尽くせよ。その身は主の剣、その身は主の盾。

この国の騎士……ナイトとしてその名を刻むなら、この身は主の命のままに。


女守騎士「昨夜は良く眠れたか。」

女騎士「まあ……それなりです。」

女守騎士「本当か?」ズイッ

女騎士「っ!?…………か、顔が……」

女守騎士「む、隈は無いが、顔が赤いな。」

女騎士「離れて下さい!」ドン

女守騎士「おっと、それは悪かった。」

女騎士「し、失礼しました。」ドキドキ

女守騎士「いや、構わないが……お前、初心だな。」

女騎士「そ、そんな事は……いえ、……はい。」

女守騎士「うーん、まあ良いか。あまり男を意識し過ぎるなよ。」

女騎士「ハァ!?」

女守騎士「今から雇いの戦士を雇う。ほぼ男だろうからな。……入るぞ。」コンコン ガラッ

<パブ>

親父「おうおう、女連れて昼間からパブとは、流石はフェミニスト様って所か。」

女守騎士「バカか。まずは、そうだな。適当に酒を一杯。後、腕利きの
     戦士を紹介してくれ。顔が良いと尚良い。……お前も何か飲むか?」

女騎士「飲めませんし、飲みません。顔が良い方が良いとは、どういう事ですか?」

女守騎士「別に男に興味等は無いさ。諜報活動等で女を使う場合、
     顔が良い奴の方が何かと便利になる。それだけだ。」

女騎士「はあ……」

親父「あいよ。適当な酒と、リストだ。」

女守騎士「ほうほう……」グビ チラッ


女守騎士「この山賊上がりと言う男と、盗賊上がりの男、それにこの魔女、
     あと、飲み屋上がりの男、後はこの騎士抜けの女を呼んでくれ。」

親父「あいよ。」スタスタ

女騎士「そんなに雇うんですか?」

女守騎士「いや、今の中から二人に絞る。多分、使えるのは飲み屋上がりの男と、
     魔女の二人だろうな。実際あってみないと分からんが。」

女騎士「ホスト上がりが戦えるとは思えませんが。」

女守騎士「ここに居る時点で腕が利くのは決まってるんだ。飲み屋上がりと経歴に
     書いてる時点で自分の長所と相手が求める条件を理解しているのは明白だ。
     つまりこの男はかなり頭が良い。ホストは頭がキレないと出来ないしな。」

女騎士「魔女は……?」

女守騎士「魔法を扱える人間が欲しかったのと、女が欲しかったからだ。」

女騎士「一応私も女ですが。」

女守騎士「そうだったな。だが、もう一人程欲しいんだ。」

親父「あいよ、連れてきたぜ。」ガチャ


山賊「どうも。」

盗賊「お前が俺を呼んだのか?若造。」

ホスト「ご指名ですか?」ニコッ

元騎士「フェミニスト様……?」

女守騎士「まあ、それは肩書きのようなものだからな。女守騎士で良い。」

盗賊「アンタが女守騎士だと!?」

山賊「腕が立つようには見えんな。」

女守騎士「その言葉、そっくりそのまま返そう。親父、この二人は役に立たん。返す。」

親父「ハハハ、相変わらず辛口だなぁ。」

山賊「何だと……?」

盗賊「バカにしてんのか!?」

親父「はいはい、分かったから、裏に帰んな。」


元騎士「何故貴方がこんなパブに……」

女守騎士「まあまあ、詮無き事、って奴だ。親父、魔女は何処にい。」

魔女「私が魔女ですが……」スッ

女守騎士「!?」


女守騎士「私の瞳は貴方に拐われてしまいました。我が任を
      全うする為、私にお力添え頂けますか?レディ?」

女騎士「うっわ。」

魔女「私で宜しければ是非。私の身体、お好きにお使いください。」


ホスト「僕はどうすれば良いのでしょうか?」ニコニコ

女守騎士「お前はとりあえず採用だ。よろしく頼む。」

元騎士「私は……?」

女守騎士「お前……何故クラスを偽って居る?」

元騎士「え?」

女騎士「どういう事ですか?」

女守騎士「こいつはオリジナルクラスを持っているのにも関わらず、
     ナイトとして名を刻んでいる、って事さ。どういう訳か、な。」

女騎士「何故そんな事を……」

元騎士「流石、フェミニスト様。その眼は誤魔化せませんか。」

女守騎士「お前のクラスは何だ。」

元騎士「私のクラスは、アサシンナイトです。」


女騎士「まさか、オリジナルクラスを刻む者がこの国に二人も……」

暗騎士「その様な大それた者ではありません。騎士としての位を捨て、
    ならず者達に混ざって悪事を働いて得たクラスです。」

女守騎士「何でも良い。腕利きは多い方が良い。親父、この三人、連れていく。」

親父「…………」スースースー

女守騎士「………寝てやがる。」

女守騎士様は何を考えて居るのだろう。

魔女、女遊騎士、暗騎士。三人もパーティーに組み込む事になった。

この五人でブレイブを殺すのだそうだ。

私はブレイブを殺す事にまだ納得が出来て居ない。

聞けば城下街ではもうブレイブ……勇者は罪人扱いを受けているらしい。

城下街をグルグルと回っているナイト達は警備として居るわけでは無かったのだ。

この街、この国を守る為にその名を刻んだ勇者が、今その国に殺されようとしている。

胸に刻んだ騎士の資格を表す刻印に触れる。心臓の真上にあるタトゥー。

今夜は嫌にそれが痛む。


<城下街・正門前>

女守騎士「行くぞ。必ずブレイブ……勇者を殺す。」

女騎士「まずは何処へ?」

女守騎士「北の帝国へ向かう。カルト教団の温床だからな。」

女遊騎士「パスポートが必要ですね。」ニコリ

女守騎士「既に国王から紹介状は貰っている。」

魔女「それらのカルト教団にブレイブがいた場合は……?」

女守騎士「国の誇りと民の為、祖国の名の元に粛清する。」

女騎士「教団の構成員は帝国の国民である事が予想されますが。」

女守騎士「国王の名が第一だ。ブレイブの事情は向こうも知っているし
     話も通っている。国際問題になる事は無い。断言出来る。」

女遊騎士「まあ、例の教団には帝国の国王も手を焼いていると専らの噂ですしね。」ニコニコ

女騎士「国の都合の為に民を皆殺しにするのですか。」


暗騎士「皆殺しにする訳ではありません。他国のブレイブを隠匿した罪に問うだけです。」

女騎士「そして捕まった信者達が処刑される訳ですか。」

女守騎士「教団に足を踏み入れるというのはそう言う事だ。」

女騎士「私は納得出来ません。」

女守騎士「納得する必要は無い。」


女騎士「忠誠を誓い、主に尽くせよ……」ボソッ

女守騎士「その通りだ。」

女騎士「抗う力すら無い民を殺して、何が騎士なものですか。私は行きません。」

魔女「王の命、背くは死罪ですわ。」

女騎士「構いません。」

女守騎士「縛り上げてでも連れていく。」

女遊騎士「あまり手荒な真似はしたくありませんが、
     みすみす美女を死なせる訳にも行きませんね。」

女騎士「何故……そんな平気な顔をしていられるのですか!」

女守騎士「納得出来ないのがお前だけだと思うな。
     甘えた戯れ言を繰り返して勇者が捕まるのなら
     いつまでもそうやって居れば良いさ。」

暗騎士「フェミニスト様。」

女守騎士「行きたく無いのなら構わん。君最初に指命したのは俺だからな。」

女騎士「…………」

女守騎士「だが覚えていろ。人を殺す事を躊躇う人間に人を殺す人間を止められはしないし、
     使命から逃げ続けていても誰一人救う事は出来ない。絶対にな。」


女守騎士「時間が惜しい。出発するぞ。」

暗騎士「お待ちください。」

女守騎士「戦えない人間を連れていった所で役には立たん。」

魔女「いえ、そうではありませんわ。」

女守騎士「後ろに張り付いて、僅かに殺気を放っている雑魚の事なら気にするな。」

山賊「…………」ガサリ

盗賊「…………」ガサガサ

女遊騎士「やれやれ……何の用ですか?僕らに。」

山賊「決まっているだろう。昨日のお礼だよ。」

盗賊「昨日は良くも俺達をバカにしてくれたじゃねえか!お陰で仕事が減ったぜ!」

女守騎士「知らんな。事実を述べたまでだ。相手にして欲しいなら……
     そうだな。女遊騎士。お前が奴らの相手をしてやれ。少しで良い。」

女遊騎士「僕ですか?」

女守騎士「不満か?」

女遊騎士「いいえ。」チャキリ


山賊「なめたマネを。」

盗賊「どこまでバカにしやがるつもりだ!」

女遊騎士「いつでもどうぞ。お喋りはホドホドに。」スッ


盗賊は、ホストに飛び掛かった!

しかし盗賊の攻撃は外れた!

ホストのカウンター!

盗賊は気を失った。

ホストの攻撃!

山賊は倒れた。


女守騎士「殺ったか。」

女遊騎士「いえ、気絶しているだけです。」

暗騎士「後々足を引っ張られては面倒です。殺しますか?」

女守騎士「こんな奴らに足を引っ張られる事も無いさ。行くぞ。」

魔女「貴女はどうするの?」

女騎士「私……私も、行きます。」

結局私はフェミニスト……あの人に付いていく事にしてしまった。

自らの信念を捨ててまで守る価値がこの国にあるのか。それは分からない。

だが、私にはどうしてもあの人が間違っているようには見えなかった。

納得していないのが自分だけだと思うな。

あの時の冷静な、だけど何処か熱い、胸に深く突き刺さるような声が耳から離れない。

悪い人では無いのかも知れない。良い人にも見えないが……

ブレイブ……勇者を殺す事に迷いが無いと言えば嘘になる。

だが、間違った事だとも今は思わない。

ならば私は騎士として己の任を全うしよう。忠誠を誓い、主に尽くせよ。

<北の帝国・国境>

衛兵「止まれ。何者だ。」

女守騎士「国王から話は通っているだろう。ブレイブ捜索の一行だ。これが紹介状だ。」

衛兵「…………はっ。失礼致しました。どうぞお通り下さい。」

女守騎士「ああ。ありがとう。迅速な対応に感謝する。」

<帝国・第一の街・宿屋・女守騎士の部屋>

女守騎士「よし、まずは1日聞き込みだ。流浪の記事書きを装ってカルト教団についての
     情報を集めろ。夜にこの部屋にまた集まって情報を纏める。それと、するのは
     聞き込みだけだ。くれぐれも独断で潜入を試みたり、ナンパしたりはするな。」

女遊騎士「クッ……」ギリッ

暗騎士「教団信者がこの街に居て、すぐに内部に入れそうな場合は?」

女守騎士「そうだな……昼に、もう一度集まろう。内部に入るならばその時全員で入る。」

魔女「ナンパをするのでは無く、された場合は……」

女守騎士「相手の誘いに乗らず、上手く情報のみを引き出して貰えると幸いです。」

女遊騎士「ナンパは……」

女守騎士「ダメだ。以上。行動は早い方が良い。行くぞ。」

<帝国・第一の街・宿屋・女守騎士の部屋>

女守騎士「とりあえず、それぞれ報告して貰おう。」

女遊騎士「はい。まず、教団の存在有無に関してですが、この街には教団の支部だとか、
     布教をする為の拠点となる施設が無いようです。つまり、ここには……」

女守騎士「居ない。それは俺も聞いた。そして、本部は驚くべき事に首都にあるらしい。」

暗騎士「そして、首都の地下に丸ごと更に都市があり、それらは教団の国として
    教国を名乗って居るのだとか。またこれらを国王は知らないようです。」

女守騎士「国王が知らん事を民が知っているのだから、笑い話も良い所だ。」

魔女「また、あくまで噂ですが、帝国家臣、国臣団の内にも教団の信者が居るのだとか。」

女守騎士「地下に都を建設して更にそれを国王に知らせぬ、となれば、
     よほど力のあるスポンサーが居るんだろうとは思ったがな。」

女騎士「首都に向かいますか。」

女守騎士「当然。」

<帝国・首都・入口>

魔女「……」フラッ

女守騎士「おっと。」ガシッ

暗騎士「大丈ぶで…す……」クラッ

女遊騎士「よっと。」ガシッ

女守騎士「女性にのみ利く呪いでもあるのか?」

女遊騎士「かもしれませんね。」


女騎士「え、私平気なんですけど。」

女守騎士「ああ………」

女遊騎士「ま、まあ…………」

女騎士「何ですか?その[ああそう言えば]みたいな感じ。」

女守騎士「まあ、何処か鈍感なのかもな。」

女遊騎士「かもしれませんね。」


女守騎士「入ってすぐにでも聞き込み調査を開始したかったんだが……」

女遊騎士「流石に少し、厳しいですね。」

女守騎士「よし、君は宿屋で二人の看病をしていろ。」

女騎士「は、はい。分かりました。」

女守騎士「多少効率は悪いが、これが最善策だ。」

女遊騎士「二人で、ですか。」

女守騎士「くれぐれも、ナンパはするなよ。」

女遊騎士「流石にこの状況でそんなノンビリとした事はしませんよ。」ニコリ

女守騎士「よし、行くぞ。」

<帝国・首都・宿屋・三人部屋>

女守騎士「具合はどうだ。」コンコン ガチャ

女騎士「先ほど目を覚ましました。調子はかなり良くなったようです。」

女遊騎士「そうですか。こちらも中々順調ですよ。」ニコニコ

女騎士「情報が集まった、と言うことですか?」

女守騎士「それもかなりな。」

暗騎士「……」ムクッ

魔女「……」パチッ


女遊騎士「やはり、噂通り、地下には巨大都市が造られているようです。」

女守騎士「だが、まだやはり建築途中の部分も多いようだ。」

女遊騎士「また、失踪時のブレイブの服装と合致する風体の男が、
     教祖と共に行動していた、との情報もあります。」

女守騎士「間違いないな。」

女遊騎士「いつ、乗り込みますか。」

女守騎士「なるべく早い方が良い。今日か明日の深夜だな。」

暗騎士「侵入経路は?」

女守騎士「既に用意している。」

女遊騎士「あ、それから、お二人の体調不良の原因も分かりました。」

女騎士「やはり教団の?」

女守騎士「ああ。どうやら魔法系の装備を身に着けていると掛かるらしい。」

女騎士「私のこのペンダントも対闇魔法の呪いが掛かっているのですが。」

女遊騎士「話によると、処女には効果が無いのだとか。」

女守騎士「宗教関連の呪いにはありがちな物だな。」


女騎士「ゴ、ゴホン!と、とりあえず、潜入は今日か明日やると言う事ですね。」

女守騎士「ああ。二人の状態を見て、な。」

女遊騎士「御二人共、無茶はしないで下さいね。」ニコッ

暗騎士「私は平気です。」

魔女「私も。今は何ともありませんわ。」

女守騎士「ホストの言う通りだ。無茶はべきでは無い。」

暗騎士「時間がありません。1日でも早くブレイブを見付けるべき為に動くべきです。」


女守騎士「…………」

女遊騎士「やはり1日休むべきでは?」

暗騎士「その1日すら惜しく思います。」

魔女「その間にこちらの動きがバレてしまっては元も子もありませんわ。」

女騎士「彼女達もこう言って居ますし、私が見た限りでも問題はありません。」

女守騎士「…………」


女守騎士「分かった。夜三時に出発だ。全員で行く。ただし、無理はするな。絶対だ。」

魔女「はい。」

暗騎士「分かりました。」

女遊騎士「まあ、僕も付きますし、無茶はさせませんよ。」ニコニコ

女守騎士「出発の時間までまだしばらくある。各自部屋に戻って休息を取れ。」

女騎士「はい。」

今起きた。

私達は遂に帝国の首都にたどり着く事が出来た。

魔女さんや暗騎士さんが倒れたりもしたが今はすっかり元気なようだ。

さて、私達はこれから三時に出発し、帝国に根を張るカルト教団の建造した

巨大都市に潜入する。かなり、危険だと思う。敵の巣に突撃するのと同じ事なのだ。

都市、街、建物、人、全てが敵と思うのが妥当なのだ。

危険極まりない。それでも皆は行くと言ったのだ。

今は何も考えず、ただ進もう。

忠誠を誓い、主に尽くせよ。

<教国・信者入口>

暗騎士「侵入経路って……」

女守騎士「信者を装うのにこれ以上の入口はあるまい?」

女騎士「確かにそうかも知れませんが、身体検査等をされてしまっては……」

女守騎士「チェックは受けない。向こうの人数にも依るが、検査をされそうになった場合は
     まず俺が相手を気絶させる。その後すぐに君達が相手を気絶させる。良いか?」

女遊騎士「女性相手だった場合は……」

女守騎士「その時はその時だ。入るぞ。この階段からだ。」スタスタ

<教国・北門[蒼]>

男兵士「待て。」

老兵士「何者だ。信者は信意章を示せ!」

女守騎士「我々は教祖に雇われたただの傭兵だ。そんな物は知らん。」

男兵士「傭兵だと?」

女兵士「確かにその様な話も聞きましたが……」

老兵士「だが、招かれた者は皆南の碧門を通るはずでは?」

女守騎士「知らん。地図一つ寄越さず呼びつけやがって。仕事が無いなら帰るぞ?」

男兵士「これは大変失礼した。念の為、ボディチェックをしてから入って頂きたい。」

女守騎士「分かって貰えて結構だ。大きな態度を取ってしまい、
     こちらこそ失礼した。この門の門番はこの三人だけなのか?」

男兵士「ああ。人手不足でな。教団の信頼がある程度ないと門は任せられんのだ。」カチャカチャ

女守騎士「そうか。それもそうかも知れん…………な!!」ドガッ

女守騎士の攻撃!

男兵士は気絶した。


老兵士「!?」

女騎士「そこっ!」

女騎士の攻撃!

老兵士は気絶した。

女兵士「な、お前ら……」

女遊騎士「失礼。」

女遊騎士の接吻!

女兵士「んんん!!」ズキュウウウゥゥゥン

女兵士は心を奪われた!

女遊騎士「今君の唇は僕が塞いだ。僕が再びここに来てこの唇の鍵を
     開けるまで、この口を開いてはイケないよ?分かってくれるね?」

女兵士「は、はい……」

暗騎士「ふっ!」

暗騎士の攻撃!

女兵士は気絶した。


女遊騎士「ああ、わざわざ手荒な事をしなくても……」

暗騎士「万一があっては面倒です。遊んでいる暇はありません。」

女騎士「急ぎましょう!」

<教国・都市・市内>

女守騎士「紛れてしまえばこちらの物だな。」

女騎士「チェックの厳しい門がある分それを抜けてからの警備はザラですね。」

暗騎士「あれは厳しいチェックなのでしょうか……」

女遊騎士「もうこのフード取っても良いですか?前が殆ど見えなくて…………」

女守騎士「ああ、全員フードを燃やしてくれ。」

魔女「私が呪文で一気に燃やしましょう。」

魔女の火炎呪文!

フードは全て焼け落ちた。

女守騎士「これで疑いの目が向く事は少なくなるだろう。」

女騎士「これからどうしますか?」

女守騎士「この中にあるであろう宿で休む。次の日すぐにあの城に向かう。」

女遊騎士「この都市の真ん中にあるんですかね?あの城。」

暗騎士「岩の天井に城の屋根の先端が刺さっていますね。


女守騎士「城に入る方法についてだが、完全な実力行使で行く。
     侵入と言うよりは、潜入だな。隠れながら進む。」

女遊騎士「正面からは……」

女守騎士「無理だろうな。捕まってゲームオーバーだ。」

魔女「潜入は得意ですわ。恐らく、暗騎士様もでは?」

暗騎士「ええ。専門ですので。」

女守騎士「俺もよく仕事でやっていたな。」

女遊騎士「僕は、無いですね。」

女騎士「そりゃ、ホストですしね。」

tes

おk。鳥消えて思い出すのに時間掛かってしまいまして。

私達は地下帝国に紛れ込み、ついに明日、教祖が居ると思われる城に潜入する。

潜入……訓練所やユニバーシティでは一応ある程度の成績を取りはしたが、

実戦等は勿論やった事も無いし、正直自信が無い。

私とホスト以外の三人は全く問題無し、と言った様子だった。

五人で潜入するのかと思いきや、二人と三人に分けるのだそうだ。

私は女守騎士様とペア。ホスト、魔女さん、暗騎士さんがスリー。

女守騎士様曰く、「君は声を出さないようにして入れば良い。」のだそうだ。

私を女としては見ても、騎士としては見て下さらないらしい。

今回の作戦の目的は、教祖の暗殺および城内戦力の全滅、

または教祖からブレイブについての情報を聞き出す事、らしい。

教祖がブレイブについて吐かなかった、あるいは知らなかった場合は、

城内全ての人間を皆殺しにすると言う事だ。

怖じ気付く訳も無い。私はもう戻れないのだ。手を汚さずに居る事はもう不可能。

ならば命を、任を、全うするのみ。

<城・東門[朱雀]>

女守騎士「良いか?俺があの門番を一気にこれで仕留める。君はすぐに門から屋根に登れ。
     ただし、門の向こう側に行ってはダメだぞ。何が起こるか分からんからな。」

女騎士「……分かりました。しかし、クナイ二本と毒針で殺せますか?」

女守騎士「殺せるさ。俺ならね。」

女騎士「そうですか。分かりました。」

女守騎士「合図をしたらすぐに走れ。敵は君に気付く前に倒れる。」

<城・西門[白虎]>

暗騎士「良いですね。まずは仲間を呼ばれる前に門番を殺し、直ぐに門付近の詰所
    二つの兵士を全滅させて無力化します。門番は私とホストさんでやります。」

女遊騎士「詰所を潰した後は?」

暗騎士「南門に向かいます。以降は隠れる必要は有りませんが、速やかに敵を
    潰す必要があります。敵は必ず一人一人確実に殺していって下さい。」

魔女「増援を呼ばれそうになった場合は?」

暗騎士「その場合、眠らせるか舌を巻くか、どちらかをお願いします。」

魔女「分かりました。」

暗騎士「今回我々は囮です。最大限敵戦力を削り、フェミニスト様達が発見されぬよう、
    敵集団の注意を引きます。また、被害は最小限に抑えて下さい。」


女守騎士「走れ!」

女守騎士の攻撃!

門番Aは倒れた。

女守騎士の攻撃!

門番Bは倒れた。

女騎士「クッ……」グググッ

女守騎士「の、登れないのか?」

女騎士「も、もう少しです……」グググッ

女守騎士「何やってるんだ!」グッ

女騎士「ちょ、何て所を……!」

女守騎士「非常時だぞ!早く進め!」グイッ スタッ

女騎士「は、はい。」タタッ


暗騎士「ハッ!」

女遊騎士「ふっ!」

暗騎士の攻撃!

女遊騎士の攻撃!

二人の門番は倒れた。

門番「ん…?あれは……」

魔女の魔法!

門番は舌を切られた。

門番は倒れた。

暗騎士「急ぎましょう。」

女遊騎士「敵兵に女性が居ない事を祈るばかりです。」

魔女「……」

<城・頂閣付近・屋根>

女守騎士「体勢は維持できて居るな?」ススス

女騎士「はい。」ススス

女守騎士「もうすぐ頂閣だ。そこに教祖は居る。」

女騎士「急ぎましょう。」

女守騎士「ああ。だが、物音は立てるな。見付かれば死ぬと考えろ。」

女騎士「はい。」

女守騎士「外騒がしい。恐らく暗騎士達が奮戦しているんだろう。」

女騎士「彼女らの負担を減らす為にも、冷静に、迅速に行きましょう。」

女守騎士「ああ。」

<城・頂閣付近・屋根>

女守騎士「体勢は維持できて居るな?」ススス

女騎士「はい。」ススス

女守騎士「もうすぐ頂閣だ。そこに教祖は居る。」

女騎士「急ぎましょう。」

女守騎士「ああ。だが、物音は立てるな。見付かれば死ぬと考えろ。」

女騎士「はい。」

女守騎士「外騒がしい。恐らく暗騎士達が奮戦しているんだろう。」

女騎士「彼女らの負担を減らす為にも、冷静に、迅速に行きましょう。」

女守騎士「ああ。」

<城・東門[朱雀]付近詰所>

暗騎士「はあ!」

暗騎士の攻撃!

兵士は倒れた。

暗騎士「これでここは制圧出来ましたね。」

女遊騎士「後は北門周りだけですか。」ニコニコ

暗騎士「いえ。我々はそのまま城内に入ります。」

女遊騎士「三人でですか?」

暗騎士「フェミニスト様から合図があるまでは頂閣を目指し突撃します。」

魔女「頂閣への突入及び敵戦力全滅が達成されるまで私達は闘わなければなりませんわ。」

女遊騎士「それはそれは……急ぎましょう。」


兵士長「居たぞ!あそこだ!殲滅!」

兵士「おおおお!!」

暗騎士「見付かりましたか……」

魔女「…………」ゴゴゴゴゴ

魔女の魔法!

兵士達に流星が降り注ぐ!

兵士達は倒れた。

女遊騎士「流石ですね。」

暗騎士「行きましょう。この騒ぎです。見つからぬ為には常に動く必要があります。」

女遊騎士「やれやれ。囮役も楽じゃないなぁ。」タタタタ

<城・頂閣>

女守騎士「よし。ここをこうして……」カチャカチャ ガシャ

女騎士「開いた……」

女守騎士「さて、教祖様の所に急ぐとしよう。」

女騎士「一体何者何ですか?貴方は。」

女守騎士「何がだ?」

女騎士「滅茶苦茶に強かったり、厳重な鍵を指と針だけで開けたり、
    各国の王政についてやたら詳しかったり、なんと言うか、謎です。」

女守騎士「それについては後だ。行くぞ。」

???「待て。」


女守騎士「やれやれ。誰だお前は?」

守護者「我はここを護る者。何人たりとも奥へは行かせん。引き返せ。」

女守騎士「断れば?」

守護者「我が大剣の紅き錆となってもらおう。」

女守騎士「それはそれは。……まあ、結構なやり手のようだが……
     今回は何ぶん、相手が悪かったようだぜ。坊や!」ダッ

女守騎士の攻撃!

しかし女守騎士の攻撃は外れた!

守護者の攻撃!

しかし女守騎士は盾で攻撃を防いだ!


女守騎士の魔法!

炎の大蛇が守護者を襲う!

守護者は盾で防いだ!

しかし防ぎきれない!

守護者の攻撃!

しかし守護者の攻撃は外れた!

女守騎士の攻撃!

女守騎士の攻撃!

女守騎士の攻撃!

守護者は倒れた。

<城・内部・祈祷乃間>

暗騎士「粗方片付きましたね。」

魔女「歯応えのない敵ばかり。」

女遊騎士「恐らくは、教民……信者が武装して戦っているのでしょう。」

暗騎士「戦闘においては、素人である、と。」

魔女「…………機械……」クルッ

戦闘機械「……」

暗騎士「これはまた随分と……」

女遊騎士「硬そうですね。」

暗騎士「その分魔法が効くでしょう。私達で隙を作ります。」ダッ

魔女「私が一撃で仕留めればよろしいのですね。」

女遊騎士「よろしくお願いしますよ!」ダッ


魔女は魔力を込めている。

戦闘機械の攻撃!

暗騎士「グッ!」ズザザー

女遊騎士の攻撃!

戦闘機械のカウンター!

戦闘機械の攻撃!

女遊騎士「……」ギリッ

女遊騎士の攻撃!

暗騎士の攻撃!

女遊騎士の攻撃!

女遊騎士の攻撃!

暗騎士の攻撃!

暗騎士の攻撃!

戦闘機械は電気を纏い出した。

女遊騎士「また随分と痛そうな攻撃の準備を……」


女遊騎士「……!」ニヤッ

女遊騎士は閃いた!

女遊騎士の魔法攻撃!

小さな濁流が戦闘機械を襲う!

戦闘機械は自らの纏っていた電気に痺れている!

暗騎士「ダメ押しです!」

暗騎士がクナイを戦闘機械に打ち込む!

魔女は天から雷を落とす!

雷はクナイに当たった!

戦闘機械の中心部に電流が駆け巡る!

戦闘機械の機動心臓部がショートした。


暗騎士「まさか教団がこんな物まで作って居たとは…………」

女遊騎士「羨ましい。それだけの金があるとは。」

魔女「民衆から吸いとって居るのでしょうか。」

女遊騎士「もっと金のあるスポンサーが居ると踏みますね。」

暗騎士「まあ、頂閣まで行けば全て分かる事です。」

女遊騎士「上への螺旋階段がありますが、恐らく今のような物が
     何体も各フロアに用意されていると思われますね。」

魔女「魔力を溜めておきます。」

暗騎士「そうしてもらえるとありがたいですね。行きましょう。」

<城・頂閣>

女守騎士「…………」ガチャ

女騎士「…………」

???「やはり来たかね。祝福の女神に逆らいし者達よ。」

女守騎士「お前が教祖……で、いいな?」

教祖「ああ。私が教祖だ。」

女騎士「我々は正式に国の使いとして来ています。我が国のブレイブの居場所を答えなさい。」

教祖「ブレイブ……はて、知らんな?」

女守騎士「そうか。老人、少しボケが来ているんじゃ無いか?
     ショックを受ければ思い出すかも知れないな。ん?」チャキ

教祖「私を殺したとて勇者の居場所は分からんよ。」

女守騎士「だろうな。だが、これはウチの国からの命なんだ。
     報復みたいな物、つまりは仕返しだ。アンタへの。」

教祖「フッ……」


女守騎士「命が惜しければ答えろ。ブレイブはどこだ。」カチャ

教祖「古よりの女神の祝福を受けし者を殺す事は叶わんよ。
   今お主らが探し回って見つからんのが何よりの証拠。」

女守騎士「質問に答えろ。」スラー

教祖「断る。」

女守騎士の攻撃!

女守騎士の攻撃!

教祖「グハッ!」

女守騎士「次に切るのは首だ。死にたくなければ答えろ。ブレイブはどこに居る。」

教祖「知らない!本当に知らないのだ!」

女守騎士の攻撃!

教祖の首は飛んだ。

女守騎士「鐘があるはずだ。鳴らすぞ。アイツらへの合図だ。」

<城・礼拝堂>

女遊騎士「煙が上がっています。青ですね。」

魔女「成功したようですわね。」

暗騎士「ここにいる人間は我々以外生かしてはなりません。」

女遊騎士「城ごと破壊させましょう。手間が省けます。」

魔女「爆弾を……」

女遊騎士「ここまでの階層全てに置いておきました。
     後は魔女さん、貴女が爆破するのみです。」

暗騎士「まずは頂閣のフェミニスト様と合流を。」

女遊騎士「了解。そうとなれば、急ぎますよ。」ダダッ

<城・創戒の間>

女守騎士「無事だったか。」

女遊騎士「ええ。勿論。」

女騎士「派手に動いて居ましたね。」

暗騎士「囮ですから。」

女遊騎士「城を爆破します。全て用意は出来ているので、後は脱出のみです。」

女守騎士「よし。急ぐぞ。」

<城・北門[青龍]>

女守騎士「よし、ここまで来れば……」

兵士A「うおおおおおお!!」

兵士B「教祖様の仇ぃぃぃ!!」

女遊騎士「面倒ですが、彼らを片付けてから城を壊しましょう。邪魔になっては……」

ザッ ザッ ザッ

ザッ ザッ ザッ

ザッ ザッ ザッ

ザッ ザッ ザッ ガシャン

女守騎士「あれは……」


暗騎士「帝国軍……そして、帝国国王ですね。」

帝国国王「…………」

女守騎士「我々は、違法拉致されたブレイブ捜索の為派遣された騎士団である。
     これは国王からの紹介状だ。帝国国王殿に身柄の保護を願いたい。」

女騎士「まずは彼ら教団の構成員を何とかしたいのですが。」

帝国国王「…………引っ捕らえよ。」

帝国兵「はっ!」ザッザッ

女遊騎士「手間が省けましたね。」

帝国兵「大人しくしろよ。」ガシッ

帝国兵は暗騎士の腕を掴んだ。


暗騎士「はあ!?何をする!離せ!!」

側近「大人しくしろ!」ガシッ

女騎士「触るな!離せ!」ジタバタ

女守騎士「やれやれ、そう言う事か。」

女遊騎士「やられましたね。」ニコニコニコニコニコニコニコニコニコニコニコニコニコニコニコニコ

女守騎士「おい、抵抗するな。」


女騎士「は!?何を!?」

女守騎士「抵抗するだけ無駄だ。この大軍勢を見ろ。勝ち目はない。
     立場が悪くなるだけだ。無駄な事をするな。分かったか。」

暗騎士「……」ピタッ

帝国国王「まずは城に連れて行け。これより帰還する。」

帝国兵「はっ。」

<帝国・王城・地下牢>

ドン

女騎士「うあっ!」ドサッ

看守「さっさと話せば良いものを……」キー ガシャン カチャ

女守騎士「手酷くやられたな。」

女騎士「随分丁寧な尋問をしてくれましたよ。わざとこちらの知らない事を聞いて。」

魔女「勇者はどこだ、なんて、白々しい事。」クスッ

女遊騎士「女性に暴力を振るうとは、許せませんね。」

女守騎士「ああ。奴らには少し痛い目を見て貰うとしよう。」

暗騎士「性的な拷問に掛けられなかった分、まだマシでしょうね。」

女遊騎士「さて、と。そろそろ……」

女守騎士「ああ。」


一番最初に脱出したのは?

女守騎士、女騎士、女遊騎士、暗騎士、魔女の内、~二人~

>>92


魔女「私が鍵を開ければ良いのですね?」

暗騎士「五人も抜け出すのは不味いのでは。」

女守騎士「そうだな。二人だ。」

女騎士「私が、私に行かせて下さい。」

女守騎士「よし。しくじるなよ。」

魔女「……」

魔女の手錠が外れた。

女騎士の手錠が外れた。

牢の扉が開いた。


女守騎士「出過ぎるなよ。門番と周りを切れば後は俺達に任せろ。」

女騎士「……」コクッ

女遊騎士「僕らは出ちゃダメなんですか?」

暗騎士「先ほどフェミニスト様が仰った通り、少数での行動が理想的です。」

魔女「いって参ります。」


女守騎士「さて、どうするかな。」

女遊騎士「国ぐるみでブレイブ誘拐、ですか。」

暗騎士「このままだと戦争はさけられませんね。」

女守騎士「本来魔王から国、ひいては世界を守る為のたった一人のクラス……
     それが今や人間同士の争いを引き起こす危険因子、か……全く……」ハァ

女遊騎士「帝国側も戦争は避けたいのでしょうし、僕達を
     簡単に祖国へ帰してはくれないんでしょうね。」

暗騎士「上等です。国王の首を持ち帰ってしまいましょう。」

女守騎士「常に魔の危機に晒されているだろうに、人間同士争ってる程…………」


女騎士「戻りました。」

女守騎士「どこまでやった。」

魔女「私達を辺りの者には眠ってもらいました。」

女守騎士「俺達を尋問した奴は?」

女騎士「斬りました。」

女守騎士「よし。」

暗騎士「外はどうなっていましたか?」

魔女「夜でした。兵士の数は少し減っているでしょう。」

女遊騎士「反撃開始ですね。」ニコッ


女騎士「今鍵を開けます。」

女守騎士「いや、いい。」

女守騎士の攻撃。

牢は壊れた。

女遊騎士「流石ですね。」

女守騎士「急ぐぞ。王を目指す。場合によっては斬る。」

女騎士「人を殺してばかりですね。」

魔女「仕事として割り切るしかありません。」

暗騎士「今は任務に集中しましょう。」

~城内・地下階層・監守詰所~

女守騎士「ふ、む……中々の数だな……」

女遊騎士「一網打尽に、出来ない事も無い数ですが……」

暗騎士「騒がれると面倒ですからね。」

女守騎士「ふーん……ん?その監守、気絶しているのか?」

女騎士「はい。」

女守騎士「剥くぞ。ホスト。これを着て兵士になりすませ。」

女遊騎士「僕ですか。」

暗騎士「一人一人減らすには、最も安全な策ですね。」


女守騎士「良いか。恐らく、見た所、この階段を登ってすぐの第一階層の広間に居るのは六人。
     その内、一人か二人、引き連れて来ればいいんだ。まずはそいつらを気絶させる。」

女遊騎士「分かりました。広間を片付けた後は?」

女守騎士「恐らく四人程外側の廊下を見回っている奴が居る。
     広間を通る度に兵を一人一人片付けて行くぞ。」

暗騎士「王の部屋があるのは第三階層。道は長いですね。」

女騎士「…………一策、思い付きました。」

女守騎士「……言ってみろ。」


女騎士「まず、第一階層の制圧は必須でしょう。その後外の馬舎周りを制圧する者と
    国王の寝室まで奇襲を仕掛け、国王を拐う者の二つに分かれましょう。」  

女守騎士「成る程、な。」

女遊騎士「ともあれ、第一階層の制圧は必須なのでしょう?僕は行ってきますよ。」

暗騎士「くれぐれも、バレないように。」

女遊騎士「ええ。」


女遊騎士「すみません……あ、あの…………」

兵士A「お、お前、持ち場を離れるなよ。」

女遊騎士「す、すみません。僕、入ってばっかりで…………」

兵士B「おう。どうしたどうした。」

女遊騎士「あの、先輩が牢屋を見に行ったきり、帰らないんです。」

兵士A「何だと。お前は牢の様子は見に行ったのか?」

女遊騎士「お前は新兵だからここを離れるな、いざとなったら
     上の奴らを呼べと先輩に言われていたので…………」

兵士B「まあ、しょうがないな。何かあったのかも知れん。下に降りるか。」

兵士A「仕方ないな。まあ、二人位なら抜けても問題無いだろう。」

女遊騎士「ありがとうございます。」ニコォ

~監守詰所~

兵士A「この奥だな、牢は……ん?おい、ソイツは……」

女守騎士の攻撃。

兵士Aは倒れた。

女騎士の攻撃。

兵士Bは倒れた。

女遊騎士「簡単なお仕事ですね。元の服に着替えて良いですか?」

女守騎士「ああ。」

~第一階層・広間~

女守騎士「よし、同時攻撃だ。俺とホストは奥の二人、手前は……」

女騎士「私と暗騎士さんですね。」

女守騎士「ああ。」

魔女「魔法で援護致しますわ。」

女遊騎士「よろしくお願いしますよ。」ニコッ

女守騎士「行くぞ。」


女守騎士「…………」ダッ

女遊騎士「…………」ダッ

女騎士「…………」ダッ

暗騎士「…………」ダッ

魔女「…………」グッ

女守騎士の攻撃。

兵士Cは倒れた。

女遊騎士の攻撃。

兵士Dは倒れた。

女騎士の攻撃。

兵士Eは倒れた。

暗騎士の攻撃。

兵士Fは倒れた。


兵士G「ん?お、おい!おま……」

魔女の魔法。

兵士Gは舌を斬った。

兵士Gは倒れた。

女遊騎士「ヒヤリとしましたね。」

女守騎士「一秒、な。」

暗騎士「後は見回りを仕留めるだけですか。」

魔女「私がやりましょう。」グッ

魔女の魔法。

何かが切れる音が四回、倒れる音が四回した。

女騎士「空間操作魔法と同時操作魔法…………」

女遊騎士「空間把握魔法も使われてますね。」


暗騎士「かなりの魔力を消費するのでは……」

魔女「手持ちの1/3程度です。」

女守騎士「1/3の純粋な魔力か。」

女遊騎士「え?」

女守騎士「何でも無い。」


女騎士「二手に分かれましょう。」

女遊騎士「僕は上に行きましょう。」

魔女「私も……」

暗騎士「では私は馬舎に。」

女騎士「私も馬舎に行きます。」

女守騎士「俺も、上に行こう。ただしホスト達とは別行動だ。」

女騎士「え?」

女守騎士「要するに、馬を確保して王を拐ったままそのまま逃げると言う作戦だろう。
     その後が面倒になっては困る。俺は書記官や大臣達の口を塞いで来よう。」

女遊騎士「一人で大丈夫ですか。」

女守騎士「ああ。何と言っても俺だからな。ああ、それと。」

女騎士「はい。」

女守騎士「五人分の馬を確保してそれ以外馬は走れぬようにしておけ。」

女騎士「分かりました。」

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