カイジ「どうしたっ……！」

カイジ「みんなっ！　どうしたっ……！」

カイジ「長く続いたロワが完結っ……！」

カイジ「これほどめでたいことはないっ……！」

カイジ「祝おうっ……！」

カイジ「アニロワ3rdの完結を祝福っ……！」

カイジ「祝福するんだっ……！」

利根川「現実から目を背けるのはそこまでにしたらどうだ、カイジ！」

カイジ「っ……！」

カイジ「がっ！　何を言ってるっ！」

カイジ「目を背けるって何からっ……！」

カイジ「主催者に挑むラストの熱い展開っ！」

カイジ「圧倒的クライマックスッ……！」

カイジ「これまでのロワに負けず劣らずの面白さっ！」

カイジ「最終章はまさに怒涛の展開で」

安藤「でもカイジさん、そこに俺達の姿はありませんよね」

カイジ「くっ……！」

カイジ「言うなっ！」

カイジ「言うなっ、言うなっ……！」

カイジ「下らねえ……屁みたいなことをっ！」

カイジ「どうでもいいことを言ってるんじゃねえっ！」

兵藤「いやカイジ君、事実じゃろ」

カイジ「ぐっ、がっ！　確かに、まあ事実、事実だが」

カイジ「でもっ！　俺達以外の作品でも生き残りが一人でも出なかったのはあるっ！」

カイジ「そうだろっ……！　皆っ！」

カイジ「別に俺達が情けなかったとか……そういうわけじゃないっ！」

船井「他の生き残りが出なかった作品のキャラは結構見せ場はあったやろ」

利根川「大物マーダーがいるか、終盤まで生き残るか」

安藤「それに比べて俺達は」

カイジ「がっがっがっがっがっ！」

カイジ「黙れっ！　言うなっ……！」

カイジ「それ以上余計な」

利根川「目を背けるなっ……！」

利根川「他の作品と我々の決定的な違い」

利根川「それに気づかぬお前ではあるまいっ！」

カイジ「……」

カイジ「ない……！　俺たちには対主催での大きな見せ場がっ！」

カイジ「それに大物のマーダーだっていないっ……！」

カイジ「そもそも全員が中盤までには敗退しちまったっ！」

カイジ「これじゃあ物語の根幹には関われないし、ラスボスにもなれねえっ！」

兵藤「正解、その通りじゃよ、カイジ君」

カイジ「威張るなっ！　貴様は開始早々に敗退しただろうがっ！」

カイジ「しかも的外れなことをべらべら言いやがってっ……！」

兵藤「ぐぅ……痛いところを突くのう」

カイジ「安藤、お前もだ！」

カイジ「お前もあっさり敗退したっ！」

安藤「返す言葉もないっす」

利根川「あっさりというなら貴様も同じだろう」

利根川「我々の中では一番長く生き残ったにも関わらず簡単に殺されおって」

カイジ「ぐっ……！」

カイジ「なら、反省会だっ！」

カイジ「アニロワ3rdが完結したから反省会するっ……！」

カイジ「まず安藤っ……！」

カイジ「妙な正義感……いや正義感のようなものに酔いしれての自爆」

カイジ「わきまえろっ……！　自分の器を！」

カイジ「自分が物語の主人公になったと思い込んで、女の子を助けようとして殺される」

カイジ「馬鹿っ！　お前には無理！　千年かかってもヒーローとか不可能っ！」

安藤「仕方ないでしょう、ああなったのには理由があったっすよ」

カイジ「まあ、確かに……そういう意味ではお前の死は開始直後に決定したようなもの」

カイジ「いや仮にあの人物に会ってなかったとしても、序盤か中盤の戦闘に巻き込まれて死ぬのが関の山」

カイジ「だってお前は小物！　正義紛いの行動をしようが、元のままだろうが小物！」

安藤「……」

カイジ「次だ、次！」

カイジ「兵藤っ……！」

カイジ「原作のラスボスにもかかわらず俺達の中で一番早く敗退！」

カイジ「馬鹿っ！　ざけんなっ！」

カイジ「性格上、対主催に加わることはなかったとしても、他で活躍できるだろっ！」

カイジ「マーダーッ！　殺人者として俺達の前に立ち塞がってみせろっ！」

カイジ「鬼だろっ！　お前はっ……！」

カイジ「なら鬼としてのプライドを見せろっ！」

兵藤「クゥクゥクゥ、カイジ君、それは無茶というものじゃろ」

兵藤「作中でも言ったがわしは老体、肉体的弱者」

兵藤「まともに戦えば特殊な力を持った人間どころか普通の相手にすら負ける」

兵藤「故にあのギャンブルで参加者を殺すしかなかったのじゃよ」

カイジ「逆にそれで殺されちゃ意味がないだろうがっ！」

カイジ「何がわしのような王に二度もチャンスを、だっ！」

カイジ「口だけっ！　原作のラスボスなのに口だけっ！」

兵藤「……」

カイジ「もういい、次だっ……！」

カイジ「利根川っ！」

カイジ「特殊な能力を持った人間がたくさんいるのがパロロワの会場」

カイジ「なのにお前ときたら、そいつらを精神異常者扱いっ！」

カイジ「馬鹿っ！　ウスバカ！」

カイジ「戦国武将や巨大ロボとかはともかく、超能力なら実演してもらえばよかっただろっ！」

カイジ「テレポーテーション！　見せてもらえば良かったっ！」

利根川「カイジ、貴様忘れているのか」

利根川「俺は確かに奴らを異常者扱いしたが、それを聞いた貴様も納得していただろう」

カイジ「そ、それはお前に流されて」

利根川「その前には何と言ってたかな、あ～、そうだ洗脳だ」

利根川「貴様は奴らが洗脳されたのではないかと言っていた」

利根川「どちらにせよ、お前もオカルトについては信じていなかったのだ」

カイジ「がっ！　だってそうだろ！」

カイジ「超能力とか魔法とか言われても、俺達の世界観じゃそんなもの信じるはずがねえ！」

利根川「ふん、なら偉そうに説教を垂れるなっ！」

カイジ「ぐっ、がっがっがっ！」

船井「その点、俺は特殊な連中の存在を視野に入れた上で行動してたからのう」

船井「この中で一番上手く立ち回ったのは俺やろ」

カイジ「ふんっ！　船井、お前は自分の死にかたを思い出してみろ！」

カイジ「超能力だの魔法だの、そういう圧倒的なパワーで殺されたわけじゃなく」

カイジ「毒殺っ！」

カイジ「日常もののアニメの女の子に毒殺されたっ！」

カイジ「馬鹿っ！　恥ずかしくないのかっ！」

カイジ「駆け引きや読み合いは俺達の専門分野っ……！」

カイジ「圧倒的なオカルトパワーに蹂躙されたというなら、まだいいっ！」

カイジ「だが、お前はあろうことか駆け引きで女子高生に敗北！」

カイジ「恥を知れっ！」

船井「ぐっ、そういうお前かて、あっさり女に撃ち殺されたやろうがっ……！」

安藤「そうっすよ、偉そうなこと言ってるけどカイジさんだって、魔法だの超能力だので殺されたわけじゃないでしょう」

カイジ「がっ、がっ！　がっがっがっ！」

カイジ「そ、それは……そうだがっ！」

カイジ「ならまずは、俺達の何が悪かったのかを判明させるっ……！」

安藤「やっぱり特殊能力がないことじゃないっすかね」

安藤「無能力者はパロロワでは不利っすよ」

カイジ「確かに不利ではあるっ……！」

カイジ「が、違うだろっ！」

カイジ「特殊能力のない作品でも終盤まで残った奴らはいるっ！」

カイジ「ネタバレになるから名前は出さないが」

カイジ「優勝組の中には無能力者がいる以上、特殊な能力がないから勝てないなんて言い訳は通用しないっ！」

兵藤「しかしカイジ君、超能力がなかろうとも身体能力の差はどうかね」

兵藤「戦闘経験のある人間とギャンブル漫画の我々では戦闘力に差があるだろう」

カイジ「がっ！　もう一度、最後まで残った奴らを見ろっ！」

カイジ「生き残り組には女子高生！　JKまでいるんだぞっ！」

カイジ「単純な力、パワーなら俺達の方が上だっ！」

カイジ「関係ねえ！　超能力とか魔法とか戦闘経験とかっ！」

カイジ「確かにそれで生き残る確率は変わるが」

カイジ「それがないからって勝ち残れないわけじゃないっ！」

船井「主人公補正みたいなもんが、俺らにはなかったんちゃう？」

船井「他アニメの連中には熱血な奴らがいるやろ」

船井「そういう奴らほど、こう持っとるもんちゃう、ご都合主義を起こす補正みたいなもんを」

カイジ「それも否だっ！」

カイジ「パロロワでは基本的に主人公補正は消滅する」

カイジ「例えば参加者の一人に超能力を打ち消す右手を持つ少年がいたが」

カイジ「そいつはこれでもかってぐらい原作通りのキャラを貫いたっ！」

カイジ「マーダー化して原作ではあり得ない行動をとる奴もいるパロロワの空間でだ」

カイジ「だがっ！　原作では皆を救えていたはずなのに、ここではそれができず、どんどん周りの人間が死んでいったっ！」

船井「そういうもんやろ。パロロワは原作の主要キャラだろうと殺される時は容赦なく殺される」

カイジ「そうだっ！　それが補正が失われるってこと！」

カイジ「死んだ奴らの主要キャラ補正は失われていたが、少年は主人公補正を失っていることになる」

カイジ「原作では主人公補正によってできたことも、パロロワの会場じゃできないっ……！」

カイジ「その証拠に少年はライバルだった最強の能力者との一騎打ちで敗北っ！」

カイジ「そのまま息絶えたっ！」

カイジ「主人公補正のある原作じゃ、まずあり得ない結末っ……！」

利根川「だがその少年はかなり終盤まで生き残っていただろう」

カイジ「それは、バトルアニメの主人公で戦闘慣れしているからっ！」

カイジ「それに原作での肉体強度の高さっ……！」

カイジ「この設定が実は地味に大きい！」

カイジ「これがあれば圧倒的強者との戦いで勝つことはできなくても、致命傷を受けずに生き残ることはできる」

カイジ「パロロワでは主人公補正は失われるが原作での設定は残るっ！」

カイジ「ある意味フェアー！　補正抜きでフェアーなバトルが行われるんだっ！」

安藤「ならやっぱり俺たちには、そういう設定がないから」

カイジ「違うっ！」

カイジ「それじゃあ、JKが最後まで生き残った説明がつかないっ！」

利根川「支給品ではないのか」

利根川「初期にいいアイテムを引き当てたから生き延びることができた」

カイジ「馬鹿っ！　最後まで生き残った特別な力を持たない少年の支給品を見ろ！」

カイジ「とてもじゃないが武器として使えそうもない」

カイジ「まるで嫌がらせか、と思うほどの支給品っ！」

カイジ「関係ねえっ！　支給品関係ねえっ……！」

カイジ「支給品が悪かったなんて、言い訳は通用しませんっ！」

カイジ「何か別の理由……理由があるはずっ！」

兵藤「単純に運が悪かったからではないかの」

カイジ「……え」

兵藤「わしや安藤という男はともかく、カイジ君はあそこで撃ち殺されなければ、対主催として活躍していたかもしれない」

兵藤「船井とやらも毒殺されなければマーダーとして場をかきまわしていたかもしれない」

兵藤「利根川にしても対主催かマーダーか、活躍の場はあったかもしれん」

兵藤「だが運がなかった……要はツイてなかったから全滅した」

兵藤「そういう結論になるじゃろ」

カイジ「馬鹿な……そんな、そんな理由でいいのかっ！」

カイジ「俺達はギャンブル漫画原作の人間っ……！」

カイジ「それがツキのなさで敗北っ！」

カイジ「そんなのを認めろというのかっ……！」

利根川「受け入れろ、カイジ」

船井「さっき自分で言うとったやないか……パロロワは補正をなくしたフェアな勝負」

安藤「俺達はそれで負けたんっすよ」

兵藤「勝負事というのは、そんな理不尽が起こってしまうものじゃからのう」

カイジ「なら次だっ！　次のロワでもう一度、勝負っ……！」

カイジ「始まるんだろっ……！」

カイジ「アニメキャラバトルロワイヤル4th！」

利根川「確かに4thの参加者は今度投票で決めることになっているが」

利根川「カイジ、二度も連続で俺達が参加できると思ってるのか」

カイジ「あ？　だってFate！　Fateは連続で参加してるだろっ！」

兵藤「Fateは今でも人気絶好調なアニメじゃろう」

カイジ「俺達だって同じ！　アニメ化されただろっ！」

カイジ「人気は劣ってないっ！」

利根川「あまり言いたくはないが、今はそうとも言えんだろ」

利根川「十七歩の引き伸ばしに目をつぶったとしても、それ以降は……」

カイジ「がっ、がっ！　余計なことを言うなっ！」

カイジ「最近はまともだろっ！」

カイジ「今週刊誌に連載されてるのは十分面白いっ！」

兵藤「それでも初期に比べれば引き伸ばし気味じゃし、内容ものう」

兵藤「正直、限定ジャンケンやEカードと比べると」

カイジ「馬鹿っ！　それ以上言うなっ……！」

安藤「それにFateには可愛い女の子がいっぱいいるっすからね」

安藤「どうせ、戦わせるなら女の子の方がいいと思う人が多いでしょう」

安藤「Fate/zeroから参加するなら凛ちゃんがいいな」

安藤「小さい凛ちゃんは最高っすよ」

安藤「それに最近のアニメにも可愛い子はいっぱいますし」

安藤「ごちうさのチノちゃんとか、ブラックブレットのティナちゃんとか参戦すればいいんっすけどね」

カイジ「黙れっ！　萌え豚っ！　ロリコン野郎っ……！」