のび太「過去改変する」ドラえもん「え?」 (10)



※実在しない道具が出てきます

※キャラ崩壊の恐れがあります






のび太「うわーーん! 酷いよドラえもん!」

ドラえもん「ご、ごめんよ。のび太君、まさか君のお菓子だなんて…」

のび太「こんなのあんまりだ…。昨日から楽しみに戸棚に置いておいたのに!ドラえもんの馬鹿!」

ドラえもん「そうだ。僕がお金を出すからさ、今から買いに行こうよ!ね?」

のび太「…このお菓子は期間限定なんだ。昨日のクリスマスまでしか売ってなかったんだよ」

ドラえもん「うぅ…。困ったな」

のび太「今日スネ夫とジャイアンに自慢する予定だったのに…しずかちゃんとも一緒に食べるはずだったんだぞ」

ドラえもん「………」

のび太「ちょっと聞いてるの!? ドラえもん!」

ドラえもん「…しょうがないか。本当は禁止されてるんだけど」

のび太「え! 何か道具を出してくれるの!?」

ドラえもん「うん。元はと言えば僕のせいだからね。だけど絶対にドラミには内緒だぞ?」



   「「巻き戻しバンダナー!!」」

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のび太「バンダナって割にはメカメカしいね。これで何が出来るの?」

ドラえもん「これはね、バンダナに付いている電子時計の設定した時間に、タイムトラベルが出来るんだ!」

のび太「それならタイムマシンを使えばいいじゃない」

ドラえもん「タイムマシンじゃ過去の自分に出合っちゃうかも知れないでしょ?これは過去に居る君の脳内を、
      今の君の思考で上書きすることが出来るんだ」

のび太「今の僕が過去の僕の中に入るってこと?」

ドラえもん「うん。わかりやすく言えばね。でも時間制限があるんだ。巻き戻しバンダナはね、過去に行って丁度一時間が経ったら、
      今ここにいる君に記憶を送り返すんだ」

のび太「なんで?」

ドラえもん「もし今の君が五年前にタイムトラベルしたら、そこから五年経過しないと今の時間に戻れないんだよ?」

のび太「だ、だから時間制限が必要なんだ」

ドラえもん「だからね。実際に過去に行って行動を起こして、現在に戻って初めて過去を変えられたかを知るんだ」

のび太「う、うん」

ドラえもん「ただ怖いのが、もし現在に戻って願った結果が得られたとしても、改変しようとした過去の内容が複雑なら、過去改変を行った直後の自分が
      予期せぬ行動を取っていたとしても、それを現在の自分は観測する事が出来ないんだ」

のび太「ちょ…ちょっと待ってよ。目が回ってきちゃった」


ドラえもん「しょうがないなぁ…。つまりね。もし仮に、これを使って君が一年前に戻って、全く知らない子と友達になったとするよ?」

のび太「うん」

ドラえもん「仲良くなれば一緒に遊んだりするよね?」

のび太「もちろん」

ドラえもん「でも君は過去に戻っても、その一時間後には現在いるわけだ」

のび太「あれ?」

ドラえもん「だから君はその子と遊んだはずの一年間を覚えていないんだ」

のび太「こ、これってもしかして、すごく怖い道具なんじゃ?」

ドラえもん「うん。だけど大丈夫、君は昨日に戻って、お菓子を僕に見つからない場所に隠せばいいだけなんだから」

のび太「そうだけど…」

ドラえもん「そうと決まったら早く時間を設定して!もうすぐ僕は出掛ける予定なんだから!」

のび太「分かったよぉ…」
(えーと、昨日の十二月二十五日の…確かお昼頃にはジャイアンたちと野球をしてたから、午後三時位でいいかな?)

のび太「よし。設定できたよ!」

ドラえもん「うん。それじゃあのび太君。また一時間後にね」

――過去 

のび太「お、おかしいぞ」

のびママ「どうしたの?のびちゃん」

のび太「この戸棚に昨日…じゃないや。今日買って来たはずのお菓子が置いてあったはずなんだけど」

のびママ「あら、のびちゃん今日はずっと家にいたじゃないの。不思議な子ね」

のび太「え?」

のびママ「はい、クリスマスなんだから、このお金で何か欲しいものでも買ってきなさい」

のび太「う、うん。ありがとうママ」

のびママ「あ、あと今日は雪で路上が滑るから気をつけること。ちゃんと上着も着ていくのよ」

のび太(あれ?おかしいな。今日は確か晴れていた筈なのに。まあいいか、これでお菓子を買って違う所に隠しておこう)

のびママ「どうしたのボーッとして。風邪でもひいたのかしら」

のび太「だ、大丈夫だよママ。とにかく行って来ます!」




のび太「本当に雪が降ってる。…不思議だなあ。今日は降っていなかった筈なのに」
(あ、あの後ろ姿は……)

のび太「しずかちゃ~~~ん!!」

しずか「え、のび太さん?ど、どうかしたの」

のび太(…なんだかオドオドしてるな。何かあったのかな)

のび太「うん。僕、今からお菓子買いに行くんだけど、しずかちゃんも一緒にどうかな?」

しずか「え…いいけど。…もしかしてのび太さんもクリスマス限定のお菓子を?」

のび太「うん、そうなんだ。ドラえもんに食べられちゃってさ。本当にまいったよ」

しずか「………」

のび太「どうしたの?しずかちゃん」

しずか「のび太さん。何だか前より明るくなったかしら?」

のび太「ええっ!そんな事ないよ。それに"前"って、不思議な事を言うなぁ」

しずか「うふふ。そうかしら?」

のび太(相変わらず可愛いなぁ、しずかちゃんは、流石は僕の将来のお嫁さんだよ)

しずか「のび太さん?笑ってるの?」

のび太「べ、別に笑ってないよ!ほら早く行かないと売り切れちゃうよ」

しずか「そうね。うふふふ」


しずか「一個しか買えなかったね」

のび太「う、うん」
(まさかしずかちゃんが買ったのが最後だなんて…)

しずか「で、でもよかったじゃない。お詫びに店員さんがそのストラップをくれたんだから」

のび太(良かったけど。なんだろうこの微妙なデザイン。猫なんだか、犬なんだかよくわからないよ)

しずか「………のび太さん。よかったら、このお菓子一緒に食べない」

のび太「ええ!?本当に!?いいの!?」

しずか「うん。わたしもそうしたいもの」

のび太「じゃ、じゃあそこの公園で」



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