モバP「喜多見柚は100万回恋をする」 (126)

P「あーん」

柚「あ、あーん」

柚「もぐ…」

柚「も、もう。Pサンっ、アタシ怪我とかしてないんだよ?もう手だってちゃんと動くし…」

P「いや」

P「まだ病み上がりだろ。大人しくしてた方がいいって」

柚「そんなことないよっ。ほらっちゃんと自分で……、あう」ポロ

P「あー、ほら。はい。あーん」

柚「あ、あーん」

P「あーん。なんともないみたいだけど、今日くらいは大人しくしてような」

柚(大人しくできないよっ)ドキドキ

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柚「うー」

柚「…へへ。でもちょっとラッキーかも。こうやってPサン独り占めにできてるんだし♪」

P「今日だけだぞ」

柚「えー」

柚「ふんだー。そんなこと言って、優しくしてたら、アタシがPサンのこと好きになっても知らないんだぞ!」

P「それ、昨日も言ってた」

柚「あれ?」

P「お大事に」

柚「わー!あ、アタシおかしくなってなんてないってばー!じ、冗談じょうだんっ」

P「はいはい」

P「あーん」

柚「あーん」

柚「へへー♪」ウマー

・・・・・


P「じゃあ、ちゃんと大人しくしてるんだぞ」

P「あ、鞄、そこにおいておくから。退屈だったら勉強でもしてるといい」

柚「む、Pサン知らないのっ。アタシ、教科書は置いてきてるんだぞー」

P「えらそうに言うことじゃない」

柚「あいた」

P「ったく。じゃあ、また明日。ちゃんと大人しくしてるんだぞ」

柚「さっきも聞いたよ!」

P「ちゃんと大人しくしてるんだぞ?」

柚「三回も!?…うー……うん。分かった」

P「うん」

P「じゃあ」

柚「うん」

柚「あっ…ね、Pサン」

P「ん?」

柚「明日、えっと、迎えに来てほしいなー…なんて」

P「……」

P「うん。分かった。来るよ」

柚「ほ、ほんと?」

P「ああ」

柚「わー」

柚「へへ。わーい。やったぁ。ぜったい来てね!」

柚「柚、待ってるよ!」

P「ああ」

P「じゃあ。また明日」

柚「また明日!」





柚「むにゃ…」

柚「…う?」パチ

柚「…………」

柚「……」モソモソ

柚「…?」


コンコン


柚「?はーい」

ガラ


P「お」

P「起きてたのか。よかった」

柚「Pサンだっ」ガバッ

柚「??あれ…あう」

P「あ、おい。無理するなよ。」

P「一日中寝てたんだから。急にからだ起こしたらよくないぞ」

柚「う、うん。わーふらふらするー」

P「…自分の体で遊ぶなよ」

柚「へへー」ユラユラ

ガサ


P「プリン買って来たけど、食べられるか?」

柚「たべるっ食べられないっ」

P「どっちだよ」

柚「えへっ。食べられないから、たべさせて欲しいナー♪」

P「……」

P「うん。いいよ」

柚「へっ」

P「まだ安静にしてた方がいいしな。体、起こせるか?起こそうか」

柚「あ、えと、だ、大丈夫。ゆっくりなら自分で、へーき」

P「そっか」

柚「よいしょ…」

P「はい。あーん」

柚「あ、あーん」

柚「もぐ…」

柚「や、やっぱいいやっ。Pサンっ、べつにアタシ怪我してるわけじゃないし」

P「いや、でもまだ病み上がりだろ。大人しくしてた方がいいって」

柚「そんなことないよっ。ほらっちゃんと自分で……、あう」ポロ

P「あー、ほら」

P「はい。あーん」

柚「あ、あーん」

P「あーん。なんともないみたいだけど、今日くらいは大人しくしてような」

柚(大人しくできないよっ)ドキドキ

柚「うー」

柚「…へへ。でもちょっとラッキーかも。こうやってPサン独り占めにできてるんだし♪」

P「今日だけだぞ」

柚「えー」

柚「ふんだー。そんなこと言って、優しくしてたら、アタシがPサンのこと好きになっても知らないんだぞ!」

P「……」カチャ

P「それ、昨日も言ってたぞ」

柚「あれ?」

P「お大事に」

柚「わー!あ、アタシおかしくなってなんてないってばー!じ、冗談じょうだんっ」

P「はいはい」アーン

柚「へへー♪」アーン

・・・・・


P「じゃあ、ちゃんと大人しくしてるんだぞ」

P「あ、鞄、そこに……置いてあるから。退屈だったら勉強でもするといい」

柚「む、Pサン知らないのっ。アタシ、教科書は置いてきてるんだぞー」

P「忍に問題集借りて入れてあるから」

柚「あれっ」

P「ははは」

P「よし。じゃあ、また明日。ちゃんと大人しくしてるんだぞ」

柚「さっきも聞いたよ!」

P「ちゃんと大人しくしてるんだぞ?」

柚「三回も!?…うー……うん。分かった」

P「うん」

P「じゃあ」

柚「うん」

柚「あっ…ね、Pサン」

P「ん?」

柚「明日、えっと、迎えに来てほしいなー…なんて」

P「……」

P「…うん。分かった。来るよ」

柚「ほ、ほんと?」

P「ああ」

柚「わー。へへ。わーい。やったぁ。ぜったい来てね!」

柚「柚、待ってるよ!」

P「ああ」

P「じゃあ…。また明日」

柚「また明日!」





柚「むにゃ…」

柚「…う?」パチ

柚「…………」

柚「……」モソモソ

柚「…?」

柚「…………」パチパチ

柚「……」ハッ

柚「おなかすいた」

一旦切ります。のんびりやるので、次の投下はまたそのうち。

P「目が覚めて第一声がそれか?」ハハ

柚「?!すわっ」

P(すわ?)

柚「ぴっ、Pサン!?」

P「お、おう」

柚「Pサンがどうしてアタシの部屋にっ」

P「いやここ病院だぞ」

柚「あれっ」

P「あと、よだれついてる」

柚「あわわわわわんむむむぐ」ゴシゴシ

P「袖で拭くなよ…」

柚「柚と袖って似てるよね!?」

P「強引なごまかし方だな…」

アワワワワワ…


柚「…」ゴシ

柚「…あ…そっか。アタシ、びょういん…」

柚「あ、えと、さっきPサンが来るまえに、聞いたんだ」

P「ん」

P「そっか」

P「林檎、食べるか?」

柚「おお」

柚「アリガトー、食べる」

P「持てるか?」

柚「うんっ」

柚「あ、いや、えっと――…ほらっ。アタシまだ、さっきもっかい寝るまで何日も寝てたから――」

P「何日も寝てたのにお昼寝してたのか」

柚「寝つきがいいよ!」

P「そうだな」クス

柚「…えっと、から」

柚「えへへっ。手もちゃんと動かないし、食べさせて欲しいナー」

P「うん。いいよ」

柚「えっほんとに?」

P「うん」

P「今日だけだぞ」

柚「…えへへ。わーい」

柚「はーい。今日だけ」

P「ああ。今日だけ」

もぐもぐ


柚「おいしい」

P「そっか」

柚「Pサンも食べる?今度はアタシが食べさせてあげよっか!」

P「持てないんじゃなかったのか?」

柚「てへ?はいっ、あーん!」

P「あ、あーん」

柚「へへっおいしい?」

P「うん」

柚「よかったー」

柚「…」モグモグ

P「…」モグモグ

柚「……」

P「?」

柚「…」ニギ

柚「ねーPサン。ほんとだね。アタシの手、寝ボケてなくて、ちゃんとよく動くね」

P「…手だからな」

柚「何日も寝てたなんて嘘みたいだナー、あ、嘘なんだっけ?あれ?分かんないやっ」

P「……」

P「……あーん」

柚「あーん」

柚「昨日も会いに来てくれたの?」

P「約束したからな」

柚「そっか」

P「ちなみに、明日も約束してあげてねって言われた」

柚「わがままだ!」

P「柚だけどな」

柚「えへへっ覚えてないもん♪」ニコー

P「明日はなにが食べたい?」

柚「…ンー、そうだなー」

柚「…………。」プスン

柚「分かんないやーっ。明日のアタシに聞いて欲しいカモ!」

P「はは」

P「それもそうだな。そうするか」

柚「うんっ」

柚「えへへっ」

柚「Pサンが買って来てくれるんだもん!だから大丈夫!柚覚えてるよ!」

P「……そっか」

P「これ、忍の差し入れだけどな」

柚「あれーっ」

P「ははは」

・・・・・


P「じゃあ」

柚「?」

P「約束だからな。今日も約束しよう」

柚「…あ」

柚「うん。へへ…約束だから、約束って、ヘンな感じだね」

P「そうだな」

P「また明日」

柚「また明日っ」

柚「約束だよ!」

P「ああ。約束」





柚「むにゃ…」

柚「…う?」パチ

柚「…………」

柚「……」モソモソ

柚「…?」

柚「…………」

柚「…はれ。ここ」


コンコン

柚「?はーい」


ガラ


P「お。起きてたのか」

柚「わっPサンだ!ううんっいま起きたところなんだー」

P「…寝起きいいな」

柚「ほめられた!」ヘヘー

P(かわいい)

P(……、いま起きたところか…)

柚「ねねっPサンっ。アタシ――」

P「ん?」


ガサ


柚「!」ピク

柚「なんだかおいしそうな匂いがする!」

P「動物かよ」

柚「人も動物だもん♪なになにー、なに買って来てくれたのー」ガサゴソ

P「……聞きたいことがあったんじゃないのか?」

柚「そんなことより差し入れの方が大事だよー♪」

P「そんなことって、おい」

柚「おお」ガサ

柚「りんご!」

P「うん」

柚「お、お見舞いみたいだねー。うー、柚おなかすいちゃったから、もっとハンバーガーとかがよかったなー…」

P「……………………」

P「……」

P「…。さすがに、寝起きにハンバーガー買って来たりはしないって」

柚「それもそっか!」

柚「えへっでもりんごも好きだからうれしいなー。これそのままかじれるのかな?」

P「…………」

P「……」

P「……、えっ、いやいや、剥いてやるからちょっと待って――」

柚「あむ」

P(おそかった)ゴウカイダナ…

柚「ウマー♪」

柚「あ、そだっ。ねーねーPサンっ」

P「ん?」

柚「もぐもぐ」

柚「さっき聞こうと思ったの」

柚「寝て起きたら知らない天井だーっ、て、なんだか記憶喪失みたいで」

P「…」

柚「全然どこか痛いわけでもないし、ちょっとわくわくしてるんだけど!ひょっとして柚なにかマンガみたいなっ」

P「わくわくするようなことじゃない」

柚「」ビクッ

柚「…ぴ、Pサン?」

P「……あっ」

P「…あ、いや……。だ、だめだろ。…。そんなこと、言っちゃだめだ」

柚「…あ…うん。…ごめんなさい」

P「……いや…悪い、こっちこそ」

P「…………」

P「…」ハァ


ガサ


P「林檎、剥くよ。えっと、…はは、柚、お前本当になにも覚えてないのか?さっきちょっと転んで、そのまま気絶しちゃったんだ。事務所で。大騒ぎだったんだからなそれで一応病院に」

柚「わっ。覚えてない!あれっでも頭とか痛くないっアタシ石頭!?」

P「……気にするのそこなのか」

柚「てへ?」ニコ

P「…。はは」

P「うん」

P「だから、なにも心配ないんだ。これから、あとで検査だけしてもらおう。怪我もないみたいだし、元気そうだし、だから」

P「だから、なにも心配ないんだ。」

今日はここまでです。またそのうち。

・・・・・


P「じゃあ」

柚「うん」

柚「あっ…ね、Pサン?」

P「ん?」

柚「……」

柚「…………ン」

柚「ごめん。へへ。なんでもないや」

P「…、そうか?」

柚「うん」

P「そっか」

P「じゃあ、…、また」

柚「うんっ、またねー」

ガラ


ピシャ


P「…………」

P(さっき…俺の顔を見て、柚のやつ、言い淀んでたな…………)

P「……はー…」

忍「ため息だ」

P「うお」

忍「わあ」

忍「あー…ごめん、驚かせるつもりじゃなかったんだけど」

P「お、おう。いや、こっちこそ」

忍「柚ちゃんは?」

P「元気そうだったよ」

忍「ふーん」

P「……」

忍「……」

忍「…。」

忍「黙っててもしょうがないし、アタシ、会ってくる」

P「うん」

P「悪いな」

忍「……」

忍「Pさん」

P「ん?」

忍「たあ」

P「いって!」

忍「しゃきっとしてよーっ。柚ちゃんにずーっと笑顔でいて欲しいんでしょ」

忍「Pさんが暗くなっちゃ、ぜったい、ダメだよ」

P「……おう」

忍「ん」

忍「じゃあまた明日。えっと、そうだ。明日はじゃあ、アタシと来る?」

P「……考えとくよ」

忍「ふーん」

忍「ふふ。はいはい。じゃあね」

P「おー」

忍「…………」

忍「最近ますます猫背だなぁ…Pさん」





柚「むにゃ…」

柚「…う?」パチ

柚「…………」

柚「……」モソモソ

柚「…?」

柚「…………」パチパチ

柚「……」ハッ

柚「もう夜だーっあれー柚今日あんま遊べてないかもっ!?」がばっ

P「第一声がそれかよ」

柚「?!すわっ」

P(この反応慣れて来たな)

今日はここまでです。まったりつづきます

柚「ぴっ、Pサン!?」

P「おう」

柚「Pサンがどうしてアタシの部屋にっ」

忍「アタシもいるぞー」

柚「わー忍チャンだー」

P「あとここ病院だぞ」

柚「あれ?」

P「あと、よだれついてる」

柚「忍チャン拭いてー」

忍「はいはい」

柚「むむぐ」

P(姉妹か)

忍「はい」

柚「へへ、アリガトー」

柚「…?あれ?病院?」

P「うん。覚えてないか?」

柚「…ン」

柚「うん。えっと、アタシ、なにか」

忍「レッスン中にころんであたま打っちゃっただけだけどね」

柚「ドジなだけだった!あわわ」

P「はは」

柚「わ、じゃあ、ゴメンなさい。アタシのせいで、ライブの準備…」

忍「はいはい。気にしなくていいから。柚ちゃんは、いま病人だよ?」

忍「大人しくリンゴでも食べてなさい。えい」

柚「もご」

P「そうだな」

P「検査して、大事がなければってことらしいけど、まあ、疲れてたのもあるだろうし」

P「今日くらいはのんびりしような」ポフ

柚「…へへ」

柚「うん。Pサンと、忍チャンがそういうなら、そーしよーかなー」ヘヘ

忍「うんうん」リンゴリンゴ

柚「も、もごがー(の、のんびり食べれてないよー)」

P「はははは」

・・・・・


P「じゃあ、そろそろ帰るな」

忍「大人しくしてるんだよー」

柚「うんっ」

忍「退屈だったら、はい、かばんに問題集入れてあるから」

柚「大人しくしてますっ」

忍「はいはい」クス

P「じゃあな」

柚「うんっ」

P「…、と」

P「ごめん、忍、俺、自分の鞄置いて来たみたいだ」

忍「あ、はい。じゃあ先に行ってるね?」

P「ああ。駐車場で待っててくれ」

忍「うん」

ガラ


P「?」

柚「あ」

P「あ、それ」

柚「うん、Pサン忘れてっちゃってたから、ちょうど届けようかと」

P「立っても平気か?」

柚「うん、大丈夫」

P「そっか」

柚「……」ヘヘ

柚「ホントは、そのまま置いてると、Pサンと部屋で二人っきりになれるのかなーっとか思っちゃったけど」

P「……柚?」

柚「てへ」

柚「ねー、Pサン」

P「ん?」

柚「うん。明日も、お見舞い、来てくれる?」

P「そりゃ」

柚「えっと」

柚「明日は、一人で」

P「、……」

柚「な、なんてねー。へへー冗談だよー。ま、また明日っぜったい来てね!」


ガラ ピシャッ


P「…………」

P「……」

P「……」

忍「……」

忍「……ため息禁止だよ?」

P「…おう」

レスありがとうございますー、またそのうち

P「なあ。明日も、柚のお見舞い、一緒に行かないか?」

忍「…」

忍「ごめんなさい、アタシ、明日はずっとレッスンだから…」

P「あ」

P「そっか、そうだよな。すまん」

忍「……」

忍「ねえ」

忍「ねえ。しっかりしてよ、Pさん」

P「ん?」

忍「……」

P「…」

P「あ、ああ。分かってるよ」

忍「…ほんとに?」

P「……うん」

忍「…そっか」

忍「じゃあ……、…いいかな。うん。へへ」

P「……」

P「ああ」

忍「……」





コンコン


<ハーイ


P「…」ガラ

P「おはよう。もう気がついてたんだな。よかった」

柚「あ、Pサンだっ」パァ

柚「うん、ちょうど起きたところだよー。へへーおはよー」

P「うん。おはよう」

・・・・・


P「サンドイッチ買って来たんだけど…」

柚「おお」

柚「…一応、柚、起きたばっかりなのに、いいのかな…?」

P「内緒だぞ」

柚「……、」

柚「へへ。うんっ。ナイショ!わーい」

P「……」

ガサ


P「はい」

柚「へ?」

P「あーん」

柚「……」アウ

柚「あ、あーん」

柚「もぐ」

P「うまいか?」

柚「ン、ン」コクコク

P「そっか、よかった」

P「…」パク

柚「!」

P「…ん、うまい。ちゃんとしたとこで買って来ただけあるなぁ…」モムモム

柚「ぴ、ぴ…、Pサン…」

P(鳥か?)ン?

柚「もっ」

P(牛か)

柚「もーっ!」ドカーン

柚「ば、ばかばかー。柚が食べたの、そのままぱくーって、いきなりっ…は、恥ずかしいよー!」ぽかぽか

P「いて、いてて」

柚「あ、あーんも柚が言うまえにするし、も、もー」

P「牛か」

柚「ちがうっ」

P「言おうとしてたのか?」

柚「わ、わー」

P「あーん」

柚「ふえっ、あ、あーん」

P「あーん」

柚「…………」モグモグモグモグ

P(食べてると大人しくなるな)

P「……」…モグ

P「そっか。最近いつもしてたから…、あんまり何も考えてなかった」

柚「考えて生きなきゃダメだよっ」

P「それ、柚に言われたくない」

柚「えっひどい」

P「冗談だよ」

柚「もぐー!」バクバク

P「あ、おい。俺の分」

柚「もー」モックモック

柚「…?」

P「?」

柚「……あっ」

柚「えっと、うんと、そっか、柚っていつもPサンにあーんってしてもらってたっけー…と思って、ちょっと、その」

P(…………ああ。しまった)

柚「て、照れちゃう、ナー」

P「……」

P「…………」ヨシヨシ

柚「あぅ」

柚「Pサン?」

P「ううん」

P「なんでもないよ。いや」

P「柚はいつも」

P「前から、変わらないな」

柚「…………」ぽかん

柚「…んへへっ」

柚「まあね。柚は柚だよ?」

P「ああ、うん、そうだな。うん」

・・・・・


P「…はー」

P(なんか、…危うく、泣くところだった)

P「…………変わらない…か」

P(当たり前か)

・・・・・


バタン


P「…」

忍「おかえりなさい」

P「あ」

P「忍。ただいま」

忍「柚ちゃんのお見舞いだったの?」

P「ああ」

忍「……」

P「?…忍?」

忍「明後日」

P「?」

忍「明後日、アタシたちのライブなの、覚えてる、大丈夫?」

P「あ、ああ。覚えてるけど…」

忍「とりあえず柚ちゃん抜きでって」

P「うん」

忍「レッスン見に来てくれないの」

P「昼は柚の見舞いがあるから」

忍「何度行っても同じだよね」

P「…?」

P「なにがだ」

忍「柚ちゃん」

P「……………………」

P「そんなことないだろ、たぶん、柚はなにか」

忍「同じだよ」

忍「Pさん…しっかりしてよ」

P「なにを」

忍「いや、なにをじゃないでしょ」

忍「Pさん、プロデューサーなんだよ。柚ちゃんのお父さんじゃないんだよ」

P「そんなこと分かってるって」

忍「柚ちゃんはPさんが何度行ったって」

P「だから分かってる」

忍「分かってないってば」

忍「やめてよ、そういうの、お願いだから、Pさんはアタシたちのプロデューサーさんなんだよ」

P「……柚も、俺のアイドルだ」

忍「そうだよ」

P「し…忍こそ、冷たいんじゃないか。」

P「柚はお前たちと同じグループの仲間なんだぞ。もっと、レッスンだって大事だけど、三人だけのステージじゃあ」

忍「分かってるって。分かってる、そんなこと、アタシは知ってる」

P「じゃあ」

忍「でも違うんだって、Pさん、お願い、しっかりしてよ。アタシだって分かんないよ、どうしたらいいの?レッスンもあるし、でも柚ちゃんはいないし、どうして?どうしたらいいの?お見舞いに行けば、また四人で踊れる?歌えるの?」

P「……それはだから、いつかぜったい」

忍「いつかっていつ」

P「…………」

・・・・・


P「…………」ハァ

P(いつだろう)

P(適当なことを言ってしまった)

P「…………」

P「…」スッ

P「……」

P(…病室の前まで来たけど、なんて声をかけたらいいか分からないな)

P「……今日は帰るか」


ガラ


P「っ…」

柚「あっ」

柚「Pサンだっ」パァ

柚「へへっ、来てくれたんだー!アタシたいくつだったんだよー、ほらほらー入ってよーお話しよー」

P「…………」

柚「?…Pサン?」

P「……」

P「…ううん」

P「柚はいつも変わらないな、本当に…」

柚「?…」

柚「わっ…Pサン、な、泣いてるの?」

P「へ?…あ、い、いや」ゴシ

柚「……へへっ」

ギュ


P「…ゆず?」

柚「ン。よしよし」

柚「悲しいことがあったのかな?よしよしだよー」

柚「柚はなにがあってもPサンの味方だから!ほらっ約束。だから安心して?」

P「……柚」

P「…………約束」

柚「うん」

P「…………」

P「…あ、いや、大丈夫だよ。俺は平気だから、約束は、いいんだ」

柚「…ほ、ほんとに?」

P「ああ」

P「ごめん」

P「と、えっと…お土産。これだけ置いて行くから。今日はまだ、少し忙しいんだ。だから、また明日」

柚「あっ…う、うん。そか。へへ、ごめんね。引きとめちゃった」

P「いや、べつに柚が悪いんじゃ…」

柚「えへっお暇ができたら、また来てねっ。じゃあ!」

P「……」

P「……」

P「……」

P「…帰ろう」

・・・・・


P「…………」

P「……」


コンコン


P「はい」

ちひろ「お疲れさまです、プロデューサーさん」

P「ちひろさん」

ちひろ「今日も残業ですか?」

P「ええ。最近、デスクワークがたまってて…」

P「す、すいません。今日中に、あるていど片づけますから」

ちひろ「いいえ」

ちひろ「コーヒー、買って来たんです。あと、少し、手伝います」

P「すいません」

ちひろ「…」ニコ

ちひろ「このところ、お昼は柚ちゃんのお見舞いがありますもんね」

P「…え、ええ」

ちひろ「大丈夫ですよ。アイドルのサポートが、プロデューサーさんのお仕事ですから」

P「…はい」

ちひろ「明後日のライブの間に合わせもありますもんね」

P「……はい。いろいろと修正しないといけなくて……」

ちひろ「フリルドスクエア、また次は、きっとみんなが揃えるといいですね」

P「…………ええ、きっと」





P「……」カタカタ

P(…さて。朝のうちにだいたい済んだし…)


ガチャ


P「?」

忍「…」

忍「おはようございます」

P「うん」

忍「お見舞い?」

P「あ、ああ」

忍「そっか」

忍「これ」ガサ

P「ん?」

忍「今日はアップルパイにしたから。穂乃香ちゃんと、あずきちゃんと作ったんだよ」

忍「柚ちゃんに、あげて?」

P「……あ、ああ。ありがとう」

P「…………」

P「忍はさ」

忍「なに?」

P「柚のこと、恨んだりは、してないのか?」

P「せっかく、やっと、四人でライブができるところまで来たのに」

忍「え」

忍「いやいや、ないない。そんなわけないじゃん」

忍「悔しいし、なんか、やっとアイドルになったなー!って四人で揃えて歌えたとき思えたけど」

忍「柚ちゃんがほんとは一番悔しいと思う。努力を悔しがることもできないって、すごい、残酷だよ」

P「…………」

P「うん。そうだよな」

忍「うん」

P「ありがとう。柚に渡すよ、これ」

忍「うん。よろしくね」

・・・・・


柚「あーん」

柚「ンー♪おいしい!さすが忍チャン!」

P「穂乃香とあずきも手伝ったって言ってたぞ」

柚「あわわ!さ、さすがアタシたちフリルドスクエアかもー」

P「ちょっと棒読みだな」

柚「ち、ちがうよーっ」

P「あとさり気なく自分のことも褒めたな」

柚「さっすがアタシたちかも♪」

P「すごい自然な言い方」

柚「てへ?」

P「はは」

P「…………」

P「なあ、柚」

柚「ン?なあに、Pサン」

P「……」

P「実は、柚は、ずっと寝ていて」

P「ずっとずっと寝てて、明日、大切なライブだったらどうする?」

柚「へ?」

柚「えと、うーんと、そうだなー」ペロ

柚「ふふ。それなら柚なら病院飛び出しちゃうカモっ」

柚「忍チャンも、穂乃香チャンもあずきチャンも、アタシのこと待ってるし!」

P「……そっか」

P(でも、きっとライブしても、柚はきっとまた次の日には全部忘れて)

P(だったら柚はいつも俺が来ることを喜んでくれるなら、柚はこれからもずっとこうやっていた方が…)

柚「それにさっ」

P「?」

柚「Pサンはアタシのこと、見つけてくれて、もっともーっと輝いて、たくさん見つけてもらえるって、」

柚「そう思ってくれたんだよね」

柚「だったら柚はステージの真ん中にもどらなくちゃ。袖じゃなくて、柚に!」

柚「だから、Pサンにちゃんと見つけてもらうためにも、柚はアイドルするんだー!にぱー」

P「…………」

P「………そうか。うん、そっか」

柚「ヘンなPサン。へへ」

P「…ん、」

P「ああ。そうだな。俺は変だ」

P「なあ柚、病院、抜けようか」

・・・・・


柚「ばー!つかれたー!」ドター

P「お疲れさま」

柚「ぐったりだよ…柚、このまま、もう、寝ちゃう…すや…」

P「お、おいおい。せめて事務所のソファに」

柚「んー。Pサン」ぐいぐい

P「こらひっぱるな」

柚「ね。アタシ……明日…頑張るから……見ててね?約束…」

P「…ああ」

柚「ン……へへ」

柚「…」スヤー

P(寝つきいいな)

柚「……」ムニャ

P「……」ヨシヨシ





柚「むにゃ…」

柚「…う?」パチ

柚「…………」

柚「……」モソモソ

柚「…?」

P「…」グゥ

柚「Pサンだっ!?はわわ」

P「ん?」

P「……あー…寝てた…うーん」

柚「ぴ、Pサンがどうしてアタシの部屋に…」アワワワワ

P「…」

P「あっ、柚っ」ガシ

柚「ひゃわっ」

柚「ぴ、Pサン?」

P「お、覚えてるか?昨日のこと」

柚「……?」

P「昨日、俺と二人きりでレッスンして、それでそのまま」

柚「…………」パチパチ

柚「……」クンクン

P「…柚?」

柚「ン。そっか」

P「お、覚えてるのか?…」

柚「ううん」

柚「けど、Pサンがそうだって言うなら、そうかなって」ニコ

P(…柚)

柚「あと柚なんだか汗臭いしっくんくん」

P(そこかよ)

柚「あせくさいからPサン近いのやっ」ペチ

P「いたい」

P「ああっ、そ、そんなことより時間!ライブは昼過ぎからなんだ今日は休みだしここはだれも来ないはず、まずい、早く準備しないと!」

柚「あわわ!し、シャワー浴びてくるっ」

P「おう頼む」

・・・・・


忍「?」


キキッ

バタン


P「はー…ま、間に合い、そう」

柚「ぴ、Pサン、柚酔ったよう…あぷ」

P「す、すまん」

忍「ぴ、Pさん?それに柚ちゃん、なんで」

P「忍っ説明はあとでするから柚も急いで準備してもらってくれ」

忍「えっは、はいっ。…もう、あとでゆっくりほんとに聞くから!柚ちゃん来てっ」

柚「はーい!よっ」すとっ

柚「Pサーン」

P「なんだ?」

柚「ステージのアタシのこと、ちゃんと見ててね!四人でちゃんとおどってるとこ、ちゃんと見てて!」

P「ああ、分かってる!」

忍「…」

忍「へへ。よろしくね」

P「おう!」





P「……」

P「あ」

P「柚」

柚「わ」

柚「Pサンだーっ。へへ、あう、わー」コロン

P「っと」

柚「ぜーはー。ゆ、柚一曲でせいいっぱい…ふらふらだー」

P「お疲れさま」

P「すごく、かっこよくて、かわいかった」

柚「ン…えへへ。柚だもん。それに、みんな、一緒だったから」

P「おう」

柚「えっとね、なんだか分かんないんだけど、舞台袖に行ったら穂乃香チャンとあずきチャン、すっごい驚いてて」

柚「でも忍チャンがばしーって気合入れてくれてねっ。それで、えっと、えっと…おみず…」

P「お、おう。のめのめ」

柚「ごくごく」

柚「ぷは」

柚「あうー。あとは、まだ、いろいろ……寝て、起きてから、また話すね…ふらふらー」

P「はいはい」

P(寝て、起きてから……)

柚「PサンPサン」グイ

P「?」

柚「ねっ。約束。寝て起きてから、ちゃんと柚の話聞くんだよ!……」

P「…」

P「うん。聞く、ぜったい聞くから」

柚「それにPサンの感想も。ぜったい柚聞く、聞きたい」

P「……うん、ああ。ぜったい話そう。俺もたくさん柚と話したいんだ」

柚「うん!…へぅ。じゃあ……へへ、おやすみなさい」

P「…ああ。おやすみ」

柚「……くぅ……」

P「…………おやすみ、柚」





柚「むにゃ…」

柚「…う?」パチ

柚「…………」

柚「……」モソモソ

柚「…?」

柚「…………」パチパチ

柚「……」ハッ

柚「な、なんか柚あせくさいっ」

穂乃香「?」

穂乃香「あっ、ゆ、柚ちゃん。おはよう」

あずき「ほんとだ!柚ちゃんー、おーい、あずきだよー」

忍「いや、それは見たら分かるでしょ」

柚「……?」

柚「わ、みんないる。あれ、ここどこ?事務所?」

忍「…」

柚「うー…あれー、柚、なにかPサンと話さないとって…」


ガチャ

P「あ、柚、起きたのか」

柚「あっPサンだ!……えーっと、えっと」

柚「…………そうだっあのねっステージに上がるときそれまでちゃんとしてた忍チャンがころんってしたのがすっごいかわいくて!」

忍「ちょっ」

P「えっその話から?」

あずき「忍ちゃんのお客さんのハートを鷲掴み大作戦だったね!」

穂乃香「ふふ、私もあのくらいどかーんって、……ちょっと抜けてみた方がいいでしょうか?」

忍「ちょ、わざとじゃないってば。あと何気に穂乃香ちゃん、もー」

P「ぷ、ははは。ははは。そっか」

柚「てへへっ」

柚「ねね。すごかったんだよー!ステージ!楽しかった!ねーねーPサンっ柚の話、たくさん聞いて!」

柚「柚たくさん話すことあるんだよっ百万個くらい!」

P「ああ。聞くよ。これからちゃんと、ゆっくり、全部」



・・・・おしまい

以上です。
ラストの投下、駆け足気味でしたが、なんとか選挙期間中に完結させた感じです、すいません。
ここまでお読み頂いた方、お付き合い、ありがとうございました。

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