P「安価でアイドルに復讐する。9スレ目」【咎するか救するか】 (1000)

無題
モバマスのPがアイドルに復讐する話の9スレ目です。女の子がひどい目に遭うのは堪えられない!、復讐はなにも生まない!という方はそっ閉じ推奨。
また、ホラーゲーネタや系列会社キャラも出てくる場合がございます。ご了承ください


終わったアイドル(順不同)
・復讐
日野茜
渋谷凛
高垣楓
橘ありす
荒木比奈
佐城雪美
塩見周子
向井拓海
佐久間まゆ(ジョイン)
城ヶ崎美嘉
城ヶ崎莉嘉
諸星きらり
ヘレン
櫻井桃華
棟方愛海
片桐早苗
水本ゆかり
八神マキノ
鷹富士茄子
高橋礼子
及川雫
柊志乃
姫川友紀
メアリー・コクラン
クラリス(ジョイン)
五十嵐響子
衛藤美紗希
村上巴
高峯のあ
斉藤洋子
緒方智絵里(この人から始めます)

・復讐(一時中断)
二宮飛鳥

・復讐(番外)
qp(棟方P)

・救済
星輝子
双葉杏
白坂小梅
白菊ほたる
三船美優
高森藍子
大原みちる
前川みく
神崎蘭子
輿水幸子
神谷奈緒
小日向美穂
速水奏
結城晴
柳瀬美由紀
市原仁奈
東郷あい
龍崎薫

・救済(断片的/保留)
北条加蓮
道明寺歌鈴


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426967570

まゆ「♪」

智絵里「あ……こ、こんにちは……あ、ちがっ、おはよぅ……ございます」

まゆ「おはよう♪ 聞いたわよ」

智絵里「えっ……なにを……ですか?」

まゆ「この前の番組の視聴率スゴかったって。プロデューサーさんも喜んでた」

智絵里「この前のってシンデレラプロジェクトの……」

まゆ「担当さんに知らせたら? 喜ぶわ」

智絵里「えっと……」

まゆ「珍しく彼が嬉しそうだった。なかなか表情に出さない人だからちょっと嫉妬しちゃう♪」

智絵里「プロデューサーが……?」

まゆ「昨日カフェにいたときに聞かなかった?」

智絵里「い……いえ……」

まゆ「あら、それならあなたの担当プロデューサーは知らないのね」

智絵里「は、はい……」

まゆ「それならすぐに知らせにいった方がいいわ♪」

智絵里「で、でもいきなりいくなんて……」

まゆ「お弁当」

智絵里「え……?」

まゆ「今日もお弁当届けるんでしょう?」

智絵里「そ、そうだけど……」

まゆ「なら、ほらほらぁはやくいかなきゃ♪ プロデューサーさんのお腹と背中がくっついちゃう」

智絵里「えっと……それじゃあ……」

まゆ「がんばってぇ」

智絵里「はい!」

まゆ「いってらっしゃい」

智絵里「♪」

まゆ「本当がんばって、うふ♪」

智絵里「ハァハァ……プロデューサーが……ッ……ハッハッ……よろこんでくれ……る……」

蘭子「ムッ、白詰草の乙女よ! シルフの力を借りて何処へ行く!」

智絵里「あっ、ら、蘭子ちゃん……! いま急いで、るから……!」

蘭子「……我が言の葉は届かず……他の言の葉に囚われてるのか。あの方向は……フム」

智絵里「ハッハァ……ハァハァ……!」

智絵里「プロデューサー……笑ってくれるかな」

智絵里「ハァハァッ……信号……まだかな……」

智絵里「こ、こんなにもどかしい……ッなんて……」

智絵里「あっ、ご、ごめんなさい……!」

智絵里「あと……ちょっと……!」

智絵里「あ、カギ……! えっと……あった」

智絵里「プッ、プロデューサー……! ンッ……!」

智絵里「プロデューサー……! 私……!」

智絵里「……え?」

P「──お疲れ様です」

クラリス「…………」

P「今日も様子を見に来たんですか」

クラリス「……はい」

P「あなたも好きですね」

クラリス「彼女はあれからどうしていますか?」

P「相変わらず誰もいない事務所で担当プロデューサーを待ってます。モニター観ますか?」

クラリス「……はい」

P「誰もいない事務所で人を待つ少女。絵になりますよね」

クラリス「…………」

P「クラリスさんの協力のおかげで事務所内はスッキリしました。ありがとうございます」

クラリス「いえ……」

P「今更胸を痛めてるんですか?」

クラリス「自分でも痛める胸があったことに驚いています」

P「そうでしょうね」

クラリス「ですが私は悪いことをしたなどと思っておりません。このままでは彼女が思いを配る悪魔になると思っての事」

P「緒方智絵里、プロダクションでは普通なんですよね」

クラリス「そのようです」

P「アイドル辞めたら両親の仲が悪くなると思っていますからね」

クラリス「どうなのでしょう」

P「アイドルを辞めるのは大きいことですからね。普通のケンカの売り言葉買い言葉がポイント還元祭になりかねませんね。添加材ですよ」

クラリス「…………」

P「暫くはゆっくりしましょう。そしたら帰りましょう──」

輝子「ヤァボクPクン! ヨロシク!」

美由紀「アハハ!」

まゆ「輝子ちゃん、キノコ少しもらっていい?」

輝子「あ、はい……オケ」

小梅「…………」

まゆ「どうかした?」

小梅「謎……とけた……」

まゆ「?」

美穂「ワガママ言ってごめんなさい」

P「気にしなくていい。たまには賑やかなところにいたいときもある」

美穂「取材くらいしか出来ないのが歯痒くて……」

P「治そうとするのはいいけど無理は駄目だ」

薫「おまたせー!」

美穂「ありがとう薫ちゃん」

薫「うん! あ、くまさんカワイイね!」

美穂「ありがとう」

P「…………」

薫「あっ! せんせぇ覚悟しといてね!」

P「あぁ」

薫「ふふふふ……」

美穂「今のは?」

P「ちょっとな」

まゆ「お邪魔しまぁす」

美穂「あ、まゆちゃん」

まゆ「賑やかでごめんなさい」

美穂「ううん、こっちが望んだことだもん」

まゆ「そう? 楽しんでくれてるなら嬉しいかも♪ あっ、Pさんいい?」

美穂「あ、うん」

まゆ「そうそう。腕のところ解れてたから直しておいたわ」

美穂「あ、本当だ」

まゆ「綿も少し詰めといた。それじゃ借りてくわね♪」

P「…………」

まゆ「眉間に皺寄せてどうしたんですか? こーんな皺寄ってますよ?」

P「…………」

まゆ「美優さんとのことですか?」

P「信頼はしてるが問題は……まぁいい。それよりこれ」

まゆ「ありがとうございます♪ しっかり撮れてました?」

P「高画質高音質」

まゆ「さすが私、うふ♪」

P「後で楽しんでくれ」

まゆ「小梅ちゃんにも見せようかしら」

P「喜ぶと思う」

まゆ「それで次はどうします?」

P「そろそろ人数も少なくなってきたから絞っていく。二十歳以上はまだいるけどな」

まゆ「あそこにはまだまだいーっぱいいますからね♪ 選り取り見取りです」

P「今回はオレが選ぶ」

まゆ「はぁい」

P「>>15層に>>17


>>15
ジュニア(12歳まで)かティーン(13歳から19歳まで)かアダルト(20歳以上)かをお願いします

>>17
復讐か救済かをお願いします。復讐の場合は軽くか徹底的かも


これ以外は安価下

ティーンときた

救済

P「ティーン層を救済」

まゆ「また十代が増えるのね。まゆの地位が危うくなる!?」

P「そう思ってるのか?」

まゆ「ちょっとだけ。それで具体的に心に決めた子はいるんですか?」

P「言い方に刺があるな」

まゆ「待ち針でチクチクしたいくらいには♪ さっ、その子の名前を言ってください」

P「>>21


>>21
モバマスのティーンアイドルをお願いします


それ以外及び連取は安価下

歌鈴

P「道明寺歌鈴」

まゆ「あら、目処が立ったんですか?」

P「正月も過ぎて受験シーズンも落ち着いてきたからな。今がちょうどいいくらいだ」

まゆ「まゆの苦労が報われる時が来たんですねぇ。あぁ、長かったですぅ……」

P「ホテルは楽しかったか?」

まゆ「それなんですが聞いてくださぁい。なんとジャグジーがついててスゴかったんです。泡が出てきて手軽に泡風呂が楽しめて」

P「それはよかった」

まゆ「一人というのが少し寂しかったですけど。誰か誘えばよかったかしら」

P「プロデューサーでも誘えば喜んだんじゃないか?」

まゆ「アイドルとプロデューサーが一緒の部屋に泊まるなんてスキャンダルですよ?」

P「だな」

まゆ「はい」

P「話を戻そう」

まゆ「はいっ」

P「…………」

まゆ「はいっ」

P「……ありがとう」

まゆ「準備いいでしょう?」

P「そうだな」

まゆ「読んで読んで読ーんで読んで♪」

P「コールは止めて」

まゆ「はぁい……」

P「プロフィールのお復習をしよう」

まゆ「耳を澄ませまぁす」

P「道明寺歌鈴。ドジがキュートな17歳、身長155cm、体重43kg。BMIは17.90……」

まゆ「スリーサイズは~?」

P「耳を澄ますんじゃなかったのか? スリーサイズは80・55・83。誕生日は1月1日生まれの山羊座。血液型はA型。利き手は右」

まゆ「メェェ~」

P「それは?」

まゆ「仁奈ちゃん達とヤギの気持ちになってみたんですがどうですか?」

P「山羊だな。出身地は鹿で有名な奈良県。趣味は境内の掃除」

まゆ「そういえば実家はお寺でしたね」

P「正確には神社」

まゆ「その神社さんのです。はい♪」

P「お守りか。ありがとう」

まゆ「いいえ♪」

P「随分な量になったな」

まゆ「行く度に買ってたので」

P「それは?」

まゆ「安産のお守りです」

P「そうか」

まゆ「これプロデューサーさんに見せたら驚いてました」

P「そりゃそうだろうな」

まゆ「これからはお手洗いから口元押さえて出てこようかしら」

P「逆だよ。それなら入るときに押さえて、出るときに口元を拭くだ」

まゆ「あ、そうですね」

P「度を弁えて。逃げられたら元も子もない」

まゆ「それならそれでキャラに箔がつきます」

P「度を越したキャラは性格になるから気を付けて」

まゆ「はーい」

P「そういえば小日向さんの繕ってたんだな」

まゆ「ホテルにいるとき暇でしたし、ずっと独りでアレしてるのもどうかと思ったので」

P「そうか。だが今度からは本人の了承をとってからにしろ」

まゆ「ある日直した覚えがないのに直ってたら怖くありません?」

P「キャラ磨きは程々に」

まゆ「はぁら?」

P「どうした間の抜けた声出して」

まゆ「誰か近付いてきました」

P「あの足音は薫と……」

まゆ「そういえば美優さんとどうのと言ってました」

P「少し騒がしくなる」

薫「せんせぇー!」

P「なんだ」

仁奈「こっちに来やがれです!」

P「わかった」

まゆ「私も」

薫「まゆちゃんはダメ!」

まゆ「仲間外れ?」

仁奈「れんこーするです!」

P「行ってくる──」

美優「えっと……」

P「…………」

仁奈「仁奈は考えたでごぜーます!」

薫「かおるも!」

仁奈「二人は仲がわりーでごぜーます!」

P「それで?」

仁奈「パパとママに聞いたですよ。仲よくするにはどーするか。そしたら思い出したのでごぜーます!」

美優「私とPさんは何をすればいいの?」

薫「こっち来てー!」

美優「えっと……」

仁奈「用意は出来てるですよ!」

P「つまりそういうことですよ」

美優「ほ、本当にしなきゃダメ?」

仁奈「仁奈は仲よくならないとかなしーでごぜーます」

薫「かおるもさみしい」

P「嫌だろうと思いますがやるしかないです」

美優「…………」

P「──どうしました」

美優「…………」

P「前に言いました。薫は頑固って」

美優「まさかこうなるなんて……」

薫『仲良くなったー?』

仁奈『声が聞こえねーです!』

美優「し、心配しなくても大丈夫よ仁奈ちゃん」

P「我慢してもう暫くこうしてましょう」

美優「ですが……」

仁奈『特別に仁奈のシャンプー使わせてやってるですからありがたく思うですよ!』

美優「あ、ありがとう」

仁奈『どーってことねーですよ!』

薫『せんせぇはかおるのじゃなくていいの?』

P「前に言ったぞ」

薫『そっか。ところで二人とも気持ちいい?』

美優「え、えぇ、ちょうどいい湯加減」

仁奈『大人だから42度にしたですよ! 感謝するでごぜーます!』

美優「……うぅ」

P「…………」

仁奈『かおるちゃんナイスアドバイスでごぜーましたよ』

薫『へへー、でしょでしょ! バラの入浴剤も入れたもん!』

仁奈『おぉー、それは大人でごぜーます!』

薫『へへ~』

美優「…………」

P「……薫」

薫『なーにせんせぇ?』

P「本当に42度なのか? ちょうどいいくらいだぞ」

薫『え、ほんとう?』

仁奈『どうしたでごぜーます?』

薫『せんせぇがちょうどいいくらいだって』

仁奈『大人だからですよ』

薫『でもせんせぇ温めのお湯が好きだもん』

仁奈『そうなんでごぜーます?』

薫『うん。前そう言ってた。たしか40度から41度くらいがって』

P「これなら薫達も入れるくらいだ。ねぇ、三船さん」

美優「えっ? あ、えぇたしかに仁奈ちゃん達も入れるかも」

仁奈『……どーするでごぜーます?』

薫『かおるたちが入ったらダメだよ。二人になかよくなってもらわなきゃ』

仁奈『ホンマツテントーってやつですね。仁奈知ってます』

薫『うん。だから……』

仁奈『でも本当かどうか調べられねえです』

薫『それは大丈夫だよ。だってせんせぇ嘘つかないもん』

P「…………」

仁奈『でも美優おねーさんはあやしいですよ。女はこわいってママ言ってました』

薫『えーでも……』

P「……これならバレずに終わりそうですね三船さん」

美優「はい?」

仁奈『っ!? いまの聞いたですか?』

薫『うん!』

仁奈『こうなったらトッカンでごぜーます!』

薫『とっかん?』

仁奈『意味はよくおぼえてねーですが、奈緒おねーさんが見てたアニメで言ってましたですよ! 突撃らしいですよ』

薫『そうなんだ』

仁奈『というわけでとつげきー!』

薫『あっ、お洋服ぬがなきゃだめだよ!』

仁奈『そうでごぜーました。こういうとき着ぐるみは便利ですよ』

薫『うんしょうんしょ……』

仁奈『準備オッケーでごぜーます! とつげきー!』

薫『わー!』

美優「わっ……!」

仁奈「仲よくしやがってますね!」

薫「せんせぇー!」

P「湯船に入る前に体洗って」

薫「あ、そっか。そしたら入っていい?」

P「あぁ」

仁奈「仁奈はさっき入ったので洗う必要はねーからこのまま飛び込むです!」

薫「あ、ズルい!」

仁奈「センリャクの勝利ですよ。ふふふ」

薫「かおるも洗って入るもん!」

P「しっかり洗って」

薫「うん!」

仁奈「二人はどのくらい仲よくなりやがりました! このくらいでごぜーますか!?」

美優「このくらいかしら」

仁奈「たったそんだけでごぜーますか? 仁奈と薫ちゃん達の半分もいってねーですね」

薫「せんせぇのお腹くらい大きくならないとね」

美優「それはちょっと……」

薫「かおるはせんせぇのお腹好き。やわらかいもん」

仁奈「仁奈はあまり触ったことねーですよ。もふらせやがれです!」

薫「ダメだよ。せんせぇのお腹はかおるのだもん!」

仁奈「仁奈も触るけんりがあるです!」

薫「ダメ! 私の!」

P「オレの腹はオレのだ」

薫「あっ、せんせぇ!」

P「僕になにか?」

薫「うんうん♪」

仁奈「? あっ!」

美優「どうしたの?」

仁奈「仁奈大人になっちまいました!」

美優「どういうこと?」

仁奈「仁奈、バラのお風呂に入っちまったです!」

薫「いいなぁ。かおるも入りたい!」

P「体洗ったらね」

薫「うん!」

仁奈「──ホカホカでごぜーます!」

美優「仁奈ちゃん、髪の毛」

仁奈「おまんじゅうの気持ちになれたですよ!」

薫「じゃがいもってあんな感じなのかな?」

P「さすがに四人は狭かったな」

仁奈「クッションが気持ちよかったですよ」

薫「今度はかおるだよー?」

仁奈「ソファで休むですよ!」

薫「かおるここ!」

仁奈「仁奈はこっちに座るですよ!」

美優「はしっこだと狭いと思うけど……」

仁奈「これでいいのですよ。美優おねーさんは仁奈のとなりに来るでごぜーます」

薫「せんせぇはかおるのとなり!」

美優「…………」

P「…………」

仁奈「もっとそっちいくですよ」

薫「せんせぇも」

美優「お、押されると困るわ……」

仁奈「あと5センチでごぜーます!」

薫「う~ん、う~んしょ……せんせぇ重い!」

P「トレーニングしなね」

薫「ちょっと休憩!」

P「枕にするな」

薫「ふかふか~」

仁奈「あっ、ズルいでごぜーます! 美優おねーさん、ひざマクラするですよ!」

美優「え? えぇ……」

仁奈「こっちもふかふかでごぜーます!」

美優「うっ……」

薫「う~ん……せんせぇ!」

P「どうした」

薫「反対にいっていい?」

P「三船さんに迷惑がかからなければ」

薫「いーい?」

美優「? えぇ」

薫「うんっしょ……はい出来た!」

美優「えっと……なにが?」

薫「かおるがせんせぇと美優おねえさん仲よし!」

仁奈「おぉっ、かけ橋でごぜーます!」

薫「かけ橋?」

仁奈「奈緒おねーさんのアニメで言ってたです。意味は……よくわからねーです。仲よくさせる人って意味だとか言ってやがりました」

薫「ふーん。あ、そうだ! かおるハンドベルうまくなったんだよ! 今度聞かせるねせんせぇ」

P「楽しみにしてる」

薫「美優おねえさんも聞いてね!」

美優「えぇ」

仁奈「うぅ~ん」

美優「どうしたの?」

仁奈「仁奈は考えたですよ!」

美優「何をかしら?」

仁奈「仁奈も美優おねーさん、薫ちゃんも美優おねーさんじゃ美優おねーさんが困りやがります!」

薫「あ、ほんとだ」

仁奈「だからこれからは親しみを込めて美優お姉ちゃんと呼びやがれです!」

薫「それでいーい? 美優お姉ちゃん」

美優「えぇ」

薫「美優お姉ちゃん!」

美優「何?」

薫「ううん、呼んだだけ!」

P「そろそろ遅い時間だ。寝るぞ」

薫「かおるまだ起きてられるよ?」

P「もう寝なさい」

薫「はーい」

P「寝やすくしてあげるから」

薫「ぁ……お腹ポンポン好き……」

美優「お腹ポンポン?」

薫「これ~」

美優「あ、それのこと」

仁奈「うらやましいです。仁奈にもしやがってください美優おねーさん」

美優「はい。それじゃ横になってくれる?」

仁奈「お安いごよーでごぜーます──」

まゆ「…………」

奏「どうしたのドアの前に立って。入らないの?」

まゆ「取り込み中だからやめようと思って。あなたはどうしてここに?」

奏「少し寂しくなったから……かな」

まゆ「それなら一緒に美穂ちゃんの部屋に行きません?」

奏「……あなた少し寂しそう」

まゆ「そう見えます?」

奏「うん」

あい「おや、そんなとこに立ってどうしたんだい?」

まゆ「あら、あいさん。どうしてここに?」

あい「風に誘われてね。それより中に入らないのか?」

奏「取り込み中らしい」

あい「だから寂しそうにしてるのか」

まゆ「そう見えます?」

あい「見えない方がおかしい。さて、困ったぞ」

まゆ「なら美穂ちゃんの部屋に行きましょう。今みんなそこにいるもの」

あい「そうか。ならば私はコンビニに行ってくるよ。一緒に行こうまゆ君。お菓子を選んでほしい」

奏「私もいい?」

あい「もちろん」

まゆ「あ、でも私お財布持ってきてない」

あい「それくらい私が出す」

まゆ「いいんですか? それならお言葉に甘えて」

あい「コートも貸そう。夜はまだ冷える」

まゆ「下までだからいいですよぉ。でもありがとうございます」

奏「夜に買い物してるとなんだかイケないことしてるみたい」

あい「刺激が欲しいのかな?」

奏「くれるの?」

あい「君が望むなら」

奏「それじゃあもらおうかな。この生意気な口に」

あい「その生意気な口を塞げばいいのかな?」

奏「塞げるものなら……ね」

あい「…………」

奏「…………」

まゆ「週刊誌に撮られたら大変。どこで誰が見てるかわからないですよぉ」

あい「おっと、そうだった。教えてくれてありがとう」

まゆ「いいえ」

奏「…………」

まゆ「どうしました?」

奏「なにが?」

まゆ「いつもの奏さんらしくないなって思って。なにか悩みごと?」

奏「そんな大したことじゃないよ。心配してくれてありがとう」

あい「なるほど。わからなくもない。だが君にとって小さい悩みがやがて他人の大きな悩みに成長する。悪いことは言わないから話たまえ。まずはそうだな……なぜ今日は私に軽口を聞いたかだ。そんな気分の日もあるだろうが今日の君は少しおかしい」

奏「気付かれてたのね。ごめんなさい」

まゆ「進路の悩み?」

奏「進路といえば進路だけど……」

あい「私も君くらいの時は悩んだものだ」

まゆ「何をそんなに悩んでいるの?」

奏「……やっぱり話しづらいからやめる」

あい「わかった。君が決めたことだ。強要はしない。だが話したくなったら話してくれ。私はいつでも受け止める」

奏「ありがとうございます」

まゆ「私でよければいつでも」

奏「ありがとう」

あい「そろそろ着く。何にするかは決まってるかな?」

まゆ「はい♪」

奏「えぇ──」

蘭子「…………」

みちる「…………」

クラリス「…………」

蘭子「闇を祓う聖光。煩わしいわ」

みちる「…………」

クラリス「どうかいたしたのですか? 先程から落ち着きがないようですが……」

みちる「いつもならここで誰かしら来るハズなんですけど……誰も来ない」

蘭子「目を開けるには早かったようだな」

みちる「早起きがくせになって……おかげでやることなくてこうしてボーッとしてるだけで……」

クラリス「正しい生活というのはそれだけで尊いものです」

蘭子「一律なる調律!」

クラリス「変化ばかりを求める今の世に、変化からの誘いのない人生というのは貴いものなのです」

みちる「でもたまには刺激もほしい……辛味とか」

蘭子「暴君を求めるというか。面白い」

クラリス「強欲は罪ですが、微かな変化なら良いと思います」

みちる「こうなんというか濃厚なスープに、ん?」

薫「おっはよー!」

クラリス「おはようございます」

仁奈「おはよーごぜーます!」

みちる「仁奈ちゃーん」

仁奈「みちるおねーさんおはようごぜーます」

美優「…………」

クラリス「おはようございます。お疲れのご様子ですがなにかあったのですか?」

薫「仁奈ちゃんとかおるがせんせぇと美優お姉ちゃんを仲良くさせたんだ!」

仁奈「ソファで楽しかったでごぜーます」

クラリス「それはなによりですね」

P「おはようございます」

蘭子「禍々しき目覚め!」

クラリス「おはようございます」

P「小日向さんの方はどうしたんですか?」

クラリス「昨日の夜お伺いしたのですが先客がおりまして」

P「先客とは?」

クラリス「まゆさん達です。人が増えると負担になるだろうとここにお伺いしました」

P「そうですか。まぁいいです」

仁奈「ジャンケンするですよ!」

みちる「じゃーんぽい!」

仁奈「えっ、あっ!」

みちる「ワー負けたー!」

仁奈「勝ったですよ!」

蘭子「フム、掌小戦争……ハンドウォー。我が意志は神に敗けぬ」

P「話があります」

クラリス「私にですか?」

P「はい。薫、皆にお茶を出しておいて」

薫「はーい!」

美優「私がやるわ薫ちゃん」

薫「それじゃ一緒にやろ! 美優お姉ちゃんもかおると仲良くなろ!」

美優「えぇ」

仁奈「あ、ズリーですよ! 仁奈とも仲よくしやがれでごぜーます!」

クラリス「……それで私に話とは」

P「今回あなたには修道服を脱いで身売りしてもらいます」

クラリス「……私に"特別な施し"をしろと?」

P「そういう意味ではないですよ。話は最後まで聞いてください。あなたには浮気をしていただきます」

クラリス「私には伴侶などおりませんが」

P「そういう浮気じゃないですよ。人助けの為の浮気とでも言いましょうか」

クラリス「…………」

P「嫌なら結構です。他の人に頼みますから」

クラリス「…………」

P「焦らなくても大丈夫です。かといって時間がありすぎても駄目ですよね。だから五分待ちます。五分で決めてください」

クラリス「…………」

P「何を言いたいのかわかってるでしょう」

クラリス「私は……」

P「見て見ぬふりをするか、見て見ぬふりをしないか。手を差しのべるか背を向けるか」

クラリス「私は──」

杏「杏の名前を借りるぅ?」

P「理由はさっき話した通りだ」

杏「う~ん」

P「飴以外にもなにか欲しいなら言って」

杏「杏はその間何してればいいのさ。寮に帰るわけにもいかないんだよ?」

P「そこはいつも通りこの部屋で過ごしていればいい」

杏「食事は?」

P「薫に頼んでいく」

杏「えっ、それはさすがに抵抗が……」

P「食べたことはあるだろう?」

杏「まぁそうだけどさ。薫ちゃん丸め込めるの?」

P「君は体調不良だということにしてある。そっとしておくようにとも」

杏「確かに体調不良なことには間違いないけどね。私は細かいこときかないし、そっちがそれでいいならいいよ」

P「なにか困ったら三船さんか東郷さんに相談して」

杏「ん」

P「節度は守ってね」

杏「そりゃ守るよ」

P「早くて三日、かかって……一週間くらいだ」

杏「ぜひ一週間と言わずにずぅーっと向こうにいて♪」

P「ホテル代が嵩むし、クラリスさんが嫌がる」

杏「あー、そういや一緒なんだっけ。それにしてもなぁ……なんだか私の行動読まれてるようでヤダなぁ」

P「ごめん」

杏「まぁ、あれこれ議論されるのもやだけどね。ニート脱出、勤労意欲をつけるための講習から逃げ出す。うん、実に杏らしい」

P「外と情報が違うのもそれらしいだろ」

杏「うん。あっ、お土産よろしく」

まゆ「ま~ま~ま~ま~ゆ♪」

みちる「み~ち~み~ち~る~♪」

仁奈「に~に~な~な~な~♪」

美優「えっと……」

みちる「みーゆみゆみゆみゆみゆみー」

まゆ「夏ですねぇ」

みちる「夏ですなぁ」

仁奈「今は冬ですよ?」

あい「ふむ……」

みちる「あーいあ……」

あい「やめたまえ」

仁奈「みちるおねーさん元気出すですよ。仁奈をもふっていいでごぜーます」

P「これは?」

まゆ「あっ、お疲れ様でぇす。仁奈ちゃんたちと歌ってました」

P「楽しそうだな。三船さんと東郷さん、それに薫に話がある。こっちへ」

美優「はい……?」

あい「あぁ。どんな話かわからないが、話があると言われると少しばかり心臓の鼓動が早まるな」

美優「そうですね」

あい「いい話だといいが……おっと足元に気をつけて」

P「脱衣場ですみません」

あい「どこで話そうと私は構わないさ」

薫「かおるも! それでお話って?」

P「数日間クラリスさんと出掛けますので家を空けます。その間ここに誰かが来た場合の世話をお願いします」

あい「あぁ、任されよう」

薫「せんせぇいなくなっちゃうの?」

P「きちんと帰ってくる」

薫「…………」

あい「心配をするな薫。私が寂しい思いなどさせない」

美優「私も」

薫「……うん」

P「出発は明日の昼過ぎです」

あい「いきなりだな」

P「クラリスさんは朝からですけど」

薫「…………」

P「お二人にお願いします。誰が来るかの連絡はまゆにしてください」

美優「はい」

あい「わかった」

薫「かおるはなにすればいい?」

P「ここに来たみんなにいつも通りに接してくれ。それと杏の食事も頼む」

薫「うん、わかった」

あい「それでは解散でいいかな?」

P「最後にひとつ。薫」

薫「なにー?」

P「今日は一緒に寝よう」

薫「うん♪ やったー!」

あい「これは宣戦布告されたかな?」

美優「薫ちゃん嬉しそう──」

クラリス「……」

クラリス「…………」

クラリス「………………」

クラリス「部屋が広くて落ち着きません……」

クラリス「二人だけなのにこの様に広い部屋をとる必要があったのか甚だ疑問に感じますが……」

クラリス「…………ヤッ」

クラリス「ォゥ……結構跳ねるものですね……」

クラリス「ハァ……こんなに柔らかなベッドなんていつぶりでしょうか。以前のツアー以来でしょうか……」

P「何してるんですか」

クラリス「いつからそこに?」

P「部屋の広さに疑問を呈してるところからです。勿論ベッドのスプリングを確かめてるところははっきり見ました」

クラリス「……ずいぶんゆっくりでしたがなにかあったのですか?」

P「遠回りと準備をしてた。朝からここにいたあなたは何をしていたんですか。まさか観光でもしてましたか?」

クラリス「そんな気分にはなれません」

P「させる気はないですけどね。さて、今日は道明寺歌鈴の現状について話します」

クラリス「少しばかり聞いた話なのですが彼女はプロデューサー様と離れているだとか」

P「それも含めて説明します。彼女はついこの間まで実家を離れ向こうにいました。順調に活動しているその時、彼女にしたら風雲急を告げることが起きました」

クラリス「事件ですか?」

P「彼女の父親が倒れました。命に別状はないんですが疲労による体調不良で、少しの間入院になったんですよ。年末と受験シーズンの神社というのは大忙しですからね」

クラリス「教会とは違った方向で忙しいようです」

P「所属事務所としては近くあるイベントへ参加させたいのですが実家の父親が倒れては本人としてはそれどころではない。そこで我が儘をいって無理にこっちに戻ってきている状態」

クラリス「近くあるイベントというのはいつあるのですか?」

P「二ヶ月後です。このままでは戻って練習している時間はほとんどありません。それならすぐに戻ればと思いますが、彼女の実家が大きな神社ならそれもできたでしょうね。あなたも心当たりはあるでしょう?」

クラリス「はい……」

P「小さい神社なのでちょっとした事でも大変なんです」

クラリス「つまり彼女の神社の手助けをすればいいということですか」

P「ただ手伝えばいいだけではないです。彼女の神社にはもうひとつ問題があります。今は受験シーズンだということは先程話した通り。小さな神社といってもやることはそんなに変わりません。御札や御守りを売ったり境内の掃除をしたり、最近は場所によってグッズを売るところもあります」

クラリス「なにか特別なことでも?」

P「特別というより特殊なものですが在り来たりといえば在り来たりです。彼女の性格も相まって起きてることとも言えます」

クラリス「少し慌てやすいというかドジというか、その様な話は聞いております。実家でもそうなのでしょうか?」

P「実家では流石に違います。しっかりと働けています。まゆの報告でもそれは変わっていません」

クラリス「ではどういう……」

P「実家であるが故にとでも言いましょうか。まぁ、それは合格してからにしましょう。今から準備をしてもらいます」

クラリス「今からですか?」

P「今から彼女の実家にいってもらいます。そこで面接を受けてください」

クラリス「それが身体を売るということですか……」

P「えぇ。あなたの考えてることと違ってすみません」

クラリス「ほっとしておりますのでご心配には及びません」

P「そう考えただけでもシスターとしてどうかと思いますがね──」

道明寺歌鈴「あ、ありがとうごずぃ……!」

歌鈴「また噛んだ……あれ? あっ、ケータイ。はい」

道明寺P『オー調子どーだ?』

歌鈴「あ、プロデューサー。調子はいいですよ……たぶん」

道明寺P『そりゃよかった。んでそっちはいつきりあげられそうだ』

歌鈴「まだまだかかるかと……ごめんなさい」

道明寺P『あぁーいいよいいよ。イベントまでまだあるしな。オレも休みが増えてうれしいくらいだ』

歌鈴「あはは、なんだか複雑……」

道明寺P『オヤジさんどうだ?』

歌鈴「具合はいいです。だけど仕事が出来るまでの回復はまだ……」

道明寺P『あーそっかー』

歌鈴「ワガママ言ってすみません……」

道明寺P『いいっていいって。事務所の方は何とかしとくから』

歌鈴「はい、お願いします。あ」

道明寺P『どした?』

歌鈴「参拝者の方が来たみたいです。えっ、えっとそれじゃ」

道明寺P『そっか。それじゃさようなら』

歌鈴「はい、さようなりっ……噛んだ」

???「すみません」

歌鈴「あっ、今いきまーす!」

???「…………」

歌鈴「おっ、おまたしぇすますた……あぁ」

???「あ」

歌鈴「が、外国人!? えっ、あっ、おっ、ひ、ヒャーイズドッ、ドーミョージ……あ、これじゃ英語っぽくない……ぁえっと……っ! ドゥーミョージ!」

???「あの……喋れます」

歌鈴「あーっとえー…………え?」

???「クラリスと申します」

歌鈴「あ、これはどうみょ……どうも。ンンッ、今日は何しに? 参拝ですか?」

クラリス「今日は面接を受けに」

歌鈴「面接? あ、そういえばそんな貼り紙してたっけ……」

クラリス「お忙しかったでしょうか?」

歌鈴「い、いえ見ての通りヒマなとこなので……」

クラリス「確かに静かなところです。落ち着きます」

歌鈴「これでも少し前までは繁盛してたんですよ? 神社で繁盛というのもアレですが……あ、面接でしたね。こんなところですみませんが?その……よ、よろしくお願いします」

クラリス「よろしくお願いします」

歌鈴「えっと、面接初めてでなにを聞けば……あ、志望動機は?」

クラリス「昔から人のために何かをしたいと思っていて。ボランティアはよくするのですがそういうところで働くというのはどういったものかと思っていたところ、ここの募集を見て、これも神の思し召しと──」

クラリス「ただいま戻りました」

P「お帰りなさい」

クラリス「ゲームですか」

P「杏が持ってきそうなものを持ってきててね」

クラリス「面接を受けてきました。結果は明日出るそうです」

P「面接後に何かしましたか?」

クラリス「神社を案内されました。面接というのは初めてでしたが果たしてあれで良かったのか……」

P「猫の手も借りたい状況だから大丈夫」

クラリス「明日の朝に電話があります」

P「緊張でもしてるんですか?」

クラリス「人を見ることには慣れているのですが見られるのには慣れていないもので……」

P「アイドルなんだから慣れないといけません。さて……」

クラリス「片付けをしてどこに?」

P「シャワーに入ります。誰か来たら対応したおいてください」

クラリス「わかりました……誰か来たようです」

P「早速来たか。シャワー室に入るので対応を」

クラリス「はい……お待たせいたしました。ルームサービス? 頼んだ覚えは……あ、いえそこに……はいありがとうございます。それでは……」

P「食べましょう」

クラリス「あの、このルームサービスは?」

P「夕食です」

クラリス「少々贅沢なのでは?」

P「戦後直後じゃあるまいしそんなこと気にしてるんですか。外で食べてきてお腹が空いてないなら仕方ないですが」

クラリス「いえ、そういうわけでは。ですが残してきた皆さんのことを考えると……」

P「そこは気にしないでください。きちんとやります。気にしないで先にお風呂にでも入っててください。これは下げてもらいますので」

クラリス「……命を大切にしない者には罰が当たります」

P「心配しなくても自分の分は自分で食べます。下げてもらうのはあなたの分だけです」

クラリス「……命を粗末にする者には罰が当たります。それは私とて例外ではありません」

P「つまり食べたいと」

クラリス「…………はい」

P「──どうしました?」

クラリス「いえ……」

P「食べ過ぎましたか?」

クラリス「……少し」

P「そういうときはお腹のマッサージすれば楽になりますよ。のの字を書くように……わかります?」

クラリス「…………」

P「それじゃ先に風呂入ります」

クラリス「はい」

P「…………」

クラリス「どうかしましたか?」

P「いえ。ただ詰めが甘いなと思いましてね」

クラリス「詰めが甘い?」

P「ただの独り言です。ゆっくり入らせてもらいます」

クラリス「はい、どうぞごゆっくりと」

クラリス「今日見た限りでは忙しい以外に問題はないように思えましたが……」

クラリス「忙しくて事務所に戻れないというだけではないようですが……日本のそういった施設に詳しくはないのが自分のことながら悔やまれます」

クラリス「やはりそういった特殊な事情なのでしょうか。でも特殊な事情ではないといってましたし……」

クラリス「考えていても何にもなりません。とりあえず私もお風呂の準備をしましょ……う」

クラリス「…………」

P「……そろそろかな」

クラリス『あの……』

P「…………」

クラリス『すみません』

P「ん、どうかしましたか?」

クラリス『トイレに行きたいのですが……』

P「トイレなら下にあります。35階ですがエレベーター使えば早いですよ」

クラリス『お恥ずかしながらその……そこまで間に合いそうにないのです』

P「と言われてもまだ体洗っている途中なので無理です」

クラリス『そのままで結構ですので……あの……っ』

P「それでいいならどうぞ。鍵開けます」

クラリス「ありがとうございます」

P『こっちのことは気にしないで』

クラリス「そ……それでは……ン」

P『…………』

クラリス「フッ……ッン」

P『凄い臭いですね』

クラリス「ンック……」

P『さすが白人。排泄音を気にしない』

クラリス「いったい……なんのっ、話……でッ……ッ!」

P『マスキング装置使えばいいのに』

クラリス「マスキング?」

P『排泄音を消す機械です。そこについているでしょう』

クラリス「特に気にすることでも……っ!」

P『ほんと何日間便秘だったんですか』

クラリス「そんなの、関っ……係……」

P『シャワー使ったらどうですか? そこにあるでしょ』

クラリス「こういうのはあまり……」

P『こういうとこのは汚ないかもしれませんからね。でもそんなんじゃ……』

クラリス「そんなんじゃなんですか?」

P『いえなんでもありません。流石に女性に臭いなんて言えません』

クラリス「いってるっ……じゃないですか」

P『腸内を綺麗にしたいなら方法はありますけどね』

クラリス「方……ッ……法?」

P『踏ん張るか話すかどちらかにしてください。至って簡単ですよ。まず、シャワーを使います。あっ、シャワーといってもお風呂のシャワーじゃないですからね?』

クラリス「わかっております。スふ……!」

P『最初は違和感あるでしょうね。使い慣れれば驚かなくなりますよ』

クラリス「それでここからどうすれば?」

P『尻にシャワーをためればいいだけですよ。穴を開いて閉じて開いて閉じて、水を飲むみたいにすると言えば分かりやすいですかね。やりにくければ強さを調節してください。たまったと思ったら穴を閉じてシャワーを止めてください』

クラリス「溜まりました……ッ」

P『そしたら溜まったのを出す』

クラリス「えっ?」

P『このままじゃ進まないけど?』

クラリス「……ン」

P『凄い音ですね。出切ったらまたそれを繰り返してください。大体3回から5回ですね。出すときは止めてくださいね』

クラリス「ンゥ……」

P『終わったようですね。それにしても意外と野太い声出ましたね。それできれいになったと思いますよ』

クラリス「そうでしょうか?」

P『少し体が軽くなったかと』

クラリス「言われてみればそんな気がします」

P『これでシャワーを浴びれば完璧ですね』

クラリス「あなたが出たらそうします」

P『是非お湯が残っていればそうしてください』

クラリス「え?」

P『どうかしました?』

クラリス「お湯が残っていればとはいったいどういうことでしょうか?」

P『そのままの意味ですよ。昔の名残なのか、節水なのかはわかりませんが一日に使える水の量が制限されてましてね』

クラリス「…………」

P『入りたくないならそれでもいいですよ』

クラリス「……それなら致し方ないですね」

P「それではどうぞ」

クラリス「…………」

P「着替えなら後で取りに行けばいいですよ」

クラリス「……はい」

P「すみませんね。大きくなくて」

クラリス「いえ、それは別に……」

P「狭いですがどうぞ」

クラリス「失礼します……」

P「狭いので大きく動かないでくださいね」

クラリス「えぇ」

P「黙っているのも時間の無駄なので何か話しましょうか。何かありますか?」

クラリス「まゆさんとの関係について教えていただけませんでしょうか?」

P「見ての通りです。他には?」

クラリス「今回のことについてです」

P「特になにも問題はなさそうなのに何が問題かわからないと?」

クラリス「はい」

P「教会には祈りに来る人ばかりですからね。特有といえば特有でしょうかね」

クラリス「特有?」

P「星に祈るようなものですよ。それはそれとして髪の毛上げるの手伝いますよ」

クラリス「すみません……」

P「後は体を洗えば完璧」

クラリス「はい」

P「こっち向いて立ってください」

クラリス「え?」

P「こっち向いて立って。手伝いますよ」

クラリス「いえ、それくらい自分で……」

P「好意を無下にすると? 酷いシスター」

クラリス「…………」

P「排泄音は聞かれても構わないのに体見られるのは嫌だ、か。まっ、わからなくもないですがね」

クラリス「…………」

P「そうそうそれでいいんです」

クラリス「あの、そんなに密着されると……」

P「シャワー取りますね。マッサージにしてと」

クラリス「あの……なにをっ……! そこはお尻の……!」

P「腸内がきれいにならなくてもいいと?」

クラリス「それはさっき教えてもらった通りにやりました……!」

P「言い忘れてましたがあれできれいになったのは、白人であるあなたの場合は便の通り道程度です。容姿に特化させる為に腸も綺麗に納まるようにしたんでしょう。羨ましいですねぇ。人間って偉大ですね。話がずれましたね。わかりやすくいうなら要は腸が短いんですよ」

クラリス「も、もしや……ひっ」

P「目開くんですね。安心してください。すぐそこにトイレあるし腸内を傷つけない程度の強さにしますから」

クラリス「お湯が……入ッ……て」

P「お腹の左側が熱いですか?」

クラリス「あの、も、もゥ……」

P「彼女の味わったのに比べれば大したことないですよ」

クラリス「彼女……? ッあ」

P「指入ったら失礼。ま、彼女については後で話す。今は集中しないとここで出すことになりますよ?」

クラリス「ン……ん……ンンッ……ンぃ……!」

P「緊張しないでリラックス」

クラリス「も、もう、ダ……メ……出──」

歌鈴「はぁ~……やっと終わった。疲れたぁ」

歌鈴「参拝者名簿見なきゃ。いち……に……あんまり来ないなぁ。やっぱり受験シーズン終わるとこんなものかなぁ?」

歌鈴「えっと、あとは見回りして……うぅ、怖い」

歌鈴「あ、そういえば着信来てたんだ。何かな? あとで電話しよう」

歌鈴「あとはあそこを見て、御神籤の補充して……あ、また」

歌鈴「…………ヒッ! あ、ケータイ! あっ、は、ひゃい!」

道明寺P『どうした?』

歌鈴「あ、プロデューサー。な、なんでもなひです」

道明寺P『今日どうだった?』

歌鈴「い、いつもと変わらず……そ、そちらは?」

道明寺P『こっちもいつも通り』

歌鈴「そ、そうですか……」

道明寺P『んで本題なんだけどさ』

歌鈴「ひゃ、ひゃい」

道明寺P『帰ってくるのまだそうか?』

歌鈴「は、はい」

道明寺P『ならそっちにイベントの資料届ける』

歌鈴「はい。すみません……」

道明寺P『なんか落ち込んでるっぽいけどなんかあったか?』

歌鈴「あっ、ちょっと……短期バイトをどうしようかと。面接やったのはいいんですけどこういったことは初めてで……」

道明寺P『よほど変じゃなきゃ採用すればいいよ。変なやつや気持ち悪いやつはダメだけど。まーようはフィーリングじゃね?』

歌鈴「フィーリングかぁ……」

道明寺P『じゃな』

歌鈴「あ、はい……ハァどうしよう」

歌鈴「お父さんに相談しようかな。でも忙しいし……うぅ~ん」

歌鈴「採用しても話題集めのために採用したみたいでなんだかな……でもせっかく来てくれたし」

歌鈴「…………よし──」

クラリス「…………」

P「バスローブがあってよかったですね」

クラリス「……はい」

P「確認しない方もどうかと思いますが、まぁドンマイですね」

クラリス「カギをかけたはずですが……」

P「誰がやったかわかっただけいいじゃないですか」

クラリス「それはそうですが……」

P「ない物でもなし、外で買ってくればいいじゃないですか」

クラリス「余分なお金はありません」

P「緊急用のお金を用意してないのは準備不足でしたね。これも清貧だと思って過ごしてください」

クラリス「……ですが下着がないと落ち着きません」

P「しっかり拭けばそういう跡は残らないし、臭いも大丈夫ですよ」

クラリス「少しお借りできませんか?」

P「それはいいですがする事はしてもらいますからね。それでもいいなら貸します」

クラリス「……我慢します」

P「そうしてください。ところでさっきから電話鳴りっぱなしですよ」

クラリス「失礼します。はい……」

P「いってらっしゃい」

クラリス「お待たせいたしました」

歌鈴『あっ、あっ、出た……!』

クラリス「失礼ですがどちらの方でしょうか?」

歌鈴『えっ、あ! ど、道明寺きゃっ、歌鈴と申すものですっ!』

クラリス「あ、道明寺さんでしたか。気がつきませんでした」

歌鈴『で、電話って気がつきませんよね、ハ、ハハ』

クラリス「それで私に何か?」

歌鈴『あ、えっと、お、おめでとーございます!』

クラリス「はい?」

歌鈴『面接にぎょっ合格しました!』

クラリス「え?」

歌鈴『それでですね、明日から早速……!』

クラリス「合格というのは今日の面接のことでしょうか?」

歌鈴『あ、は、はい! ご、ごめんなさい緊張すると早口になっきゃって!』

クラリス「落ち着いてください。私はどこにも行きません」

歌鈴『そ、そうですよね……!』

クラリス「明日からというのは?」

歌鈴『あ、えっと、本当は時間を使って準備なり仕事を覚えてもらうなりするんですけど、何分見た通りな神社なのでその……』

クラリス「キレイなところですよ」

歌鈴『あ、ありがとうごじゃり……うぅ』

クラリス「それで明日は何時にお伺いすればよろしいですか?」

歌鈴『制服のサイズ合わせがあるので明日は……』

まゆ『はぁい、貴方の愛しのままゆですよぉ~』

P「…………」

まゆ『あら? Pさぁん? もしもーし』

P「まゆか」

まゆ『はい、まゆです。まゆ、電話かけてきてその言い方はどうかと思います』

P「驚いたものでな」

まゆ『それでまゆに何か用事ですか? 応援とか?』

P「いや、そうじゃない」

まゆ『あ、もしかしてまゆが恋しくなっちゃたんですかぁ? んもぅしょうがない人♪』

P「それでもない」

まゆ『でもまゆは普通の女の子なのでそっちにはいけません。なので電話でならしてもいいですよ? こういうのなんて言いましたっけ。テレフォンセックスでしたっけ?』

P「そういうものでもない」

まゆ『それならまゆになんの用事が?』

P「クラリスさんの下着についてだ」

まゆ『あ、手紙読みました? そうなんです実はまゆが犯人なんです、えっへん』

P「誉められたことでもない」

まゆ『でもどうせ巫女服着るんですから着けなくても問題ありません。もしかして怒りに電話したとか?』

P「違う。ああいうことをするなら事前に言ってくれ」

まゆ『はぁい』

P「言いたいことはそれだけだ」

まゆ『それにしてもいきなりの電話に驚いちゃいました』

P「いつもこの時間には寝るからな。ごめん」

まゆ『本当ですよぉ。もし私がプロデューサーさんとエッチの真っ最中だったらどうするんですか。そういう趣味に目覚めたっていうなら協力しますけど』

P「そういう趣味はない。それにしっかり家にいるだろうし」

まゆ『それはそうですけどぉ』

P「薫の様子は?」

まゆ『薫ちゃんなら今日は格好で遊び疲れてもう寝ちゃいました。話したかったですか?』

P「寝たならそれでいい」

まゆ『あいさんに頼まなかったんですか?』

P「頼んでいった。だがまゆの方が薫に詳しいから聞いた」

まゆ『喜ぶのも気が引けます。喜んだらあいさんに失礼ですし、喜ばなかったらあなたに失礼ですし……まゆ板挟みです』

P「すまない。ところで東郷さんと三船さんの様子は?」

まゆ『二人ともそれぞれなつかれてました。あれなら問題ありません』

P「ありがとう。助かる」

まゆ『いいえ。その言葉を聞けただけでも元気が出ちゃいます♪』

P「それじゃお休み」

まゆ『夢で会えるといいですね♪』

P「ぐっすり寝たいから夢はみたくない」

まゆ『なら夢枕に立ちます』

P「それだと神や仏か故人のどれになるぞ」

まゆ『まゆ、Pさんじゃないとイケません』

P「殺しはしない」

まゆ『生殺しの半殺し?』

P「おやすみ」

P「…………」

クラリス『あの……』

P「電話でなんですか?」

クラリス『開けていただけると嬉しいのですが……』

P「何を?」

クラリス『ドアを……室内とはいえ廊下は寒いので……』

P「文字通りバスローブ一枚で廊下に出るなんて変態シスターですね」

クラリス『なんでも構いません。だから早く開けていただけると……』

P「……いいですよ。待っててください」

歌鈴「──あの~」

クラリス「……はい?」

歌鈴「寝不足ですか?」

クラリス「……えぇ。恥ずかしながら緊張で眠れなくて」

歌鈴「あー、わかります。私もそういうのあります。修学旅行の時とか初めて手伝ったときとか」

クラリス「それで今日はなにを?」

歌鈴「今日は服を選びます! といってもすぐ終わりますけど、それよりも大事なことは……」

クラリス「大事なことは?」

歌鈴「……まぁとりあえず着替えましょう。こっちです」

クラリス「これが制服ですか」

歌鈴「制服と言えばそうなんですけど……」

クラリス「なにか?」

歌鈴「いえ、その……」

クラリス「おかしいですか?」

歌鈴「……はい。で、ですけど今は着られてますがその内馴染んできますよ…………たぶん」

クラリス「…………」

歌鈴「あ、ところでバンソウコウかサラシ貸しましょうか?」

クラリス「?」

歌鈴「その、下に何も着てないのは落ち着かないかなって……」

クラリス「お気遣いなく」

歌鈴「下に何も着けないなんて……さすが外人さん……おぉう」

クラリス「ところであなたはどのくらい前からこういった仕事を?」

歌鈴「巫女のことですか? ン~、気が付いたらいつの間にかですかね。最初から下着つけてなかったから普段のを忘れることもあります」

クラリス「……なるほど」

歌鈴「それじゃまずは境内の掃除から始めましょう」

クラリス「竹の箒ですか」

歌鈴「使ったことないんですか?」

クラリス「あまり」

歌鈴「掃除のボランティアは?」

クラリス「専門は人の話を聞くことですので」

歌鈴「メンタルケアですか」

クラリス「その様なものです」

歌鈴「ボランティアにもいろんなのあるんですね。あ、側面で掃くと掃きやすいですよ」

クラリス「これは楽に掃けます」

歌鈴「慣れてきたらなるべく穂先で掃くように心掛けると良いですよ」

クラリス「物知りなのですね」

歌鈴「いやぁ、ただの受け売りなんですけどね。昔は箒で遊んだものです」

クラリス「昔は?」

歌鈴「はい。今はさすがにしませんよ。たまにやりたくなりますけど」

クラリス「ホウキを用いた遊びとはどの様なものですか?」

歌鈴「えっ、やりませんでした? チャンバラごっことか野球とか魔女ごっことか」

クラリス「いえ……」

歌鈴「魔女ごっこもやってない!?」

クラリス「そもそも魔女ごっこというのがよくわかりません」

歌鈴「魔女ごっこというのはこう、箒に股がって、あ」

クラリス「どうかしたのですか?」

歌鈴「お守り買うお客さんだ。対応しなくちゃ」

クラリス「それなら私がやります」

歌鈴「いえ、まだ慣れていない内からお金のことは……そんなわけで行ってきます」

クラリス「あ…………行ってしまいました」

クラリス「……魔法使いが空を飛ぶみたいなものですか。たしかこうやって股がって……」

歌鈴「お待たせしましたーあれ?」

クラリス「あ。いえ、これは……」

歌鈴「あー、やりますよねそういうの」

クラリス「すみません」

歌鈴「あ、いや別に謝らなくても……私もよくそれやって怒られました。躾に厳しいんですよ、うちって」

クラリス「そうなのですか」

歌鈴「はい! ですから私も仕事に関してはビシバシいきたいと思ってます!」

クラリス「……お手柔らかに」

歌鈴「掃除に関しては厳しくいきます。掃除は大事ですから! まぁこれしか出来ることないんですけども。ミスしないのも実家限定で……」

クラリス「聖域ですね」

歌鈴「そんな大それたことじゃ……慌てるときは慌てますし。年末なんてホント忙しくて。まさに忙殺です──」

P「それで今日は掃除三昧だったと」

クラリス「はい」

P「案内されたのはどこですか?」

クラリス「お賽銭箱周りとお守りを売ってるところです」

P「社務所か。今日はその二つですか」

クラリス「明日は他のところも案内していただけるとのことです」

P「なるほど」

クラリス「ところでこれはどうすれば」

P「持って帰ってきた巫女装束はそこにかけておいてください」

クラリス「わかりました。それにしても意外と嵩張るものなのですね」

P「巫女装束を紙袋に入れて持って帰ってくる姿をあなたを知ってる人が見たらどう思うか」

クラリス「それはまぁ……それにしてもどこもこうなのでしょうか」

P「何が?」

クラリス「こういった服を持ち帰るといったことです」

P「神社のアルバイトがどういったものかはわからないけど服の持ち帰りは数少ないでしょうね。まぁ、そこの場合は理由がありますけどね」

クラリス「理由?」

P「明日聞いてみたらどうでしょうかね。会話の切っ掛けになると」

クラリス「それはそうですが……」

P「本当の事が言われるか不安だと?」

クラリス「……はい」

P「まぁ、シスターとしてのあなたには皆本当の事を言いますが、クラリス個人としてはどうでしょうね」

クラリス「ですから知りたいのです」

P「確認とればわかることですけどね。単純な理由ですよ」

クラリス「単純とは?」

P「一般の誰しもが思うこと。そこに至った経緯の本当のところは推測するしかないですが」

クラリス「誰もが思うことですか」

P「単純に嫌いなだけですよ」

クラリス「私がですか?」

P「正確に言うと臭いがですがね」

クラリス「……体臭のことでしょうか」

P「体臭というか独特の香水臭さ」

クラリス「香水の類いはつけてません」

P「もっと正確に言うならば、道明寺歌鈴がではなく、彼女の祖父が白人嫌いなんですけどね」

クラリス「…………」

P「別に珍しいことでもないですよ。老人の白人嫌いは。あなたも心当たりがあるかと思いますがね」

クラリス「…………」

P「沈黙は肯定と取ります」

クラリス「…………」

P「ちなみにその白人嫌いは今回のこととは関係ないことですがね。さて、そろそろ夕飯にしましょう。今日も部屋に持ってきてもらいました。昨日とはグレードを下げましたけどね」

クラリス「食べられるだけで恵みです」

P「清貧万歳。さて、冷めないうち食べましょう」

クラリス「今日はどうやって……いえやめましょう」

P「シスターが他人のことを詮索するのはどうかと。さてさて、シャワーも浴びたし食べましょう。早く食べないと作った人に失礼です」

クラリス「はい。ところであの画像は?」

P「見ての通りです。念のため言っておくと鷹じゃなくて鷲です」

クラリス「…………」

P「賞も取った偉大な写真ですからね。これを見ながら食べましょう。食べる気が起きないなら残しましょう。一人で食べると暴食になるので──」

歌鈴「おじいちゃんですか?」

クラリス「はい。お年寄りには多いと聞いたので」

歌鈴「う~ん、好き……ではない……ですね。憎んでるというわけでもないみたいですが……」

クラリス「……なるほど」

歌鈴「あの、気を悪くされるかと思いますがその……巫女装束を持って帰ってもらったのもその事で……」

クラリス「お気になさらず」

歌鈴「すみません……神に仕えるもの嘘をつくなと言われてるもので……ごめんなさい」

クラリス「いえ、よくわかります」

歌鈴「お父さんも悩みの種らしくて……アハハ……」

クラリス「今日はどこを?」

歌鈴「今日は絵馬を」

クラリス「絵馬?」

歌鈴「見たことありません? 社務所に置いてあります。見に行きますか?」

クラリス「よろしければ。ところで絵馬というのは?」

歌鈴「改めて聞かれるとちょっと困りますね。えっと……このくらいの五角形の木の板に絵が描いてあって、それに願い事を書くんです。なにか書きます?」

クラリス「いえ、結構です」

歌鈴「本当なら願い事を書いて本人が絵馬掛に下げるんですけどうちは変わってて」

クラリス「変わってる?」

歌鈴「はい。絵馬掛に掛けるところまでは他と同じなんです。ただ、願いが叶った場合は社務所で絵馬を買って、願い事が叶った事を書き、社務所横にある箱に入れるんです」

クラリス「なるほど」

歌鈴「そしてそれを見て、絵馬堂に掛にいくんです。いつもはそれをおじいちゃんとお父さんがやってるんですけど今は私がやらなきゃいけなくて」

クラリス「大変ですね」

歌鈴「それに最近は個人情報の保護のために、絵馬掛のところにいってシールで住所を隠さなきゃいけなくて……この前までは各自の判断でやってたらしいです。あっ、着きました。今日はどうかな……」

クラリス「いくつかありますね」

歌鈴「この時期は合格の報告がほとんどで。受験のときのプレッシャーは人一倍でした」

クラリス「そうなのですか」

歌鈴「何せ私が合格しないとご利益が疑われますから……受験とかしました?」

クラリス「いえ、私はそういったこととは無縁でしたので」

歌鈴「ちょっとうらやましいかも」

クラリス「結婚報告も多いですね」

歌鈴「5月から6月はほとんどがそうなります。3月、4月は友達ができるようにってのが……あ」

クラリス「どうしたのですか?」

歌鈴「い、いえ……あ、そういえば食べられないものあります? 今日のお昼は仕分けもありますしここで食べるので」

クラリス「特にありません」

歌鈴「よかった」

クラリス「…………」

歌鈴「どうしました?」

クラリス「いえ」

歌鈴「そうですか。それじゃ作業進めましょう。合格報告はここに、結婚報告はそっちに、それとその他は……手元にお願いします」

クラリス「わかりました」

歌鈴「疲れたら言ってください。休憩にしますから。無理は良くないです──」

歌鈴「ン……んー、ハァ~疲れたぁ」

クラリス「お疲れ様です」

歌鈴「クラリスさんも疲れましたよね? 休憩にしません? ね?」

クラリス「私は特に疲れては……」

歌鈴「あ、そういえば美味しいおまんじゅうがあったんだ。食べましょう」

クラリス「あ、はい」

歌鈴「お茶は緑茶でいいですか? あ、紅茶あったかな」

クラリス「緑茶で構いません。それにしても合格・結婚報告以外にもあるのですね」

歌鈴「それだけ願い事が叶ったってことですよ。はい、お茶です。熱いから気を付けてください」

クラリス「ありがとうございます。それにしても意外でした」

歌鈴「意外?」

クラリス「一般的な日本の方にも恨みというものがあるのですね」

歌鈴「まぁ普通の人間ですし恨みも恨めしいもうらやましいもあります。その報告は個人的にはどうかと思いますが珍しくないです。浮気されたから仕返しをしたなんてのはしょっちゅうです。世知辛いですけど」

クラリス「心は穏やかになるのでしょうか」

歌鈴「たぶん……でも少しだけうらやましいかな」

クラリス「というと?」

歌鈴「報告はしませんがその……ね」

クラリス「…………」

歌鈴「ハハ……」

クラリス「先ほどはああ言いましたが、悩みがあるなら打ち明けるのもいいのではないでしょうか?」

歌鈴「打ち明けるほどのことでもないですって、アハハ」

クラリス「……あなたがそれでいいのなら」

歌鈴「あ、そろそろお堂の方に掛けに行きましょう──」

クラリス「これで全部でしょうか?」

歌鈴「それで全部です」

クラリス「それでは……」

歌鈴「あ、先に戻っててください。私は絵馬掛け見ていきますので」

クラリス「わかりました」

歌鈴「すぐ戻ります」

クラリス「はい」

歌鈴「次は雑巾掛けしますから社務所に戻ったら、雑巾とバケツを用意しておいてください」

クラリス「はい」

歌鈴「よろしくお願いします。ハァ……緊張する。いつもやってることだけど人に指導するとき何て言ったらいいかわからなくなる。本当にあれでよかったのかな……あ、そうだ絵馬見なきゃ」

歌鈴「合格祈願、合格祈願、合格祈願、結婚……結婚、安産、安産……いつもと変わらあっ」

歌鈴「…………また来てる。これどうしようかな。害はないけど……でも……最近はこういうのをやってるとこもあるって聞くし……でもちょっと違うか」

クラリス「あの……」

歌鈴「まひゃぃっ!?」

クラリス「すみません」

歌鈴「な、なんでひょ!」

クラリス「バケツが見当たらないので聞きに来たのですがまずかったでしょうか?」

歌鈴「い、いえ、バ、ババケツなら物置小屋の方にありまひょ……あります」

クラリス「すみません。ありがとうございます」

歌鈴「い、いいえいいえ。困ったときはお互い様ですよ。あ、あは、アハハハハ──」

P「それで参拝者は?」

クラリス「あまり来てなかったように思います」

P「その中で男性は?」

クラリス「実際には見ていませんのでそこまではわかりません」

P「……そうですか」

クラリス「ところで……そろそろ……」

P「そろそろ限界ですか?」

クラリス「はい……」

P「それじゃあ出してきていいですよ。ビデとシャワーを忘れずに」

クラリス「はい……」

P「さて……電話だな」

まゆ『はぁーいあなたの愛しのままゆでぇす』

P「仕事は終わったか」

まゆ『あれ、わかります?』

P「少なくともプロデューサーはいない」

まゆ『わかりませんよ? もしかしたらプロデューサーの上から電話してるかもしれませんよ?』

P「それならそれでいい。写真見せてもらったが、写真の中の人物は来てないそうだ」

まゆ『一週間に何度来てるかまゆもわかりませんでしたが、一番怪しいのはその人です』

P「実際に見に行ければ違うんだけどな」

まゆ『まゆが行ければよかったんですが……』

P「頼んだのはこっちだ。それに薫のこともある。薫はどうしてる」

まゆ『ちゃんと大人しくしてます。少し元気すぎるかもしれませんけど』

P「三船さんや東郷さんとは?」

まゆ『仲良くしてます。今日はドライブに連れていってくれたって喜んでました♪』

P「よかった。こっちからも言うがお礼言っておいてくれ」

まゆ『はぁい。あ、ところでクラリスさんどうですか?』

P「どうというのは?」

まゆ『もう、わかってるくせに』

P「眼を見開いてた。暗がりでしか見たことないだろうから仕方ないことだとは思うが」

まゆ『Pさんのに驚く要素ありましたっけ? まゆがしてあげないとおっきくならないような……』

P「やる気に満ちた人たちばかりだろうからな。まぁ、白人シスターにやってもらえるとくればやる気満々にもなるだろう」

まゆ『眼を見開いたところ見てみたかったです』

P「そのうち見れるといいな」

まゆ『薫ちゃんに代わりますか?』

P「やめておく。薫が辛くなる」

まゆ『そうですね。ごめんなさい』

P「それじゃ」

まゆ『お土産楽しみにしてますねぇ』

P「あぁ」

クラリス「……お待たせしました」

P「きれいになりましたか?」

クラリス「……はい」

P「まぁ困るのはあなたですがね」

クラリス「わかっています……」

P「そんなに悔しそうにしないでください。相手がオレである以外は彼女よりマシなんですから。むしろ、言った通り真逆なんですから」

クラリス「…………」

P「明日ですがね。道明寺さんにあることをしてきてください」

クラリス「あること?」

P「人を傷つけさせればいいだけです」

クラリス「その様なことはさせられません」

P「物理的に傷付けさせろなんて言ってないですよ。まぁ、言葉の意味はすぐわかると思います」

クラリス「…………」

P「ほら、彼の人道主義者も言ってるじゃないですか。暴力性を隠すくらいならさらけ出せと。その応用ですよ」

クラリス「それを私にやれと」

P「強制はしません。やらなければやらないでも。その代わり、そうしないと、あなたの心は救われますが道明寺さんが救われない。それだけのことです」

クラリス「……わかりました」

P「よろしく。さて、今日もやりますか。後ろを向いてください──」

歌鈴「ハァ……」

クラリス「またため息ですか。深い悩みなのですか?」

歌鈴「あ、クラリスさん」

クラリス「おはようございます」

歌鈴「お、おはようございます」

クラリス「この前もそこで溜め息をついてましたね。そこになにか?」

歌鈴「まぁ……その……」

クラリス「…………」

歌鈴「実は……これです」

クラリス「絵馬ですか?」

歌鈴「はい」

クラリス「犯罪の告白や予告でも書いてあるのですか?」

歌鈴「描いてあるのは……これです」

クラリス「絵……ですね」

歌鈴「絵は絵なんですが……そのなんて言ったらいいか……いわゆる……えっと、痛絵馬です」

クラリス「イタエマ?」

歌鈴「最近はこういうのを進んで宣伝してるところもあります。有名なのはお寺ですが……」

クラリス「それはいけないことなのですか?」

歌鈴「いけなくはないです。ただ……ここはちょっと特殊なんです」

クラリス「特殊?」

歌鈴「まず、お寺と違って昔から奉るものが決まっていて、それに関する装飾品等は昔から代わりません」

クラリス「それで?」

歌鈴「奈良や京都は観光の対象になってますから広く参拝者を集めるために開かれてます。ですがここら辺は観光地という地域じゃないので、門を閉ざす……というのもおかしな表現ですがあまりオープンじゃないんですよ」

クラリス「地域柄というものですか」

歌鈴「はい……それに今でこそそこそこ参拝する人がいますけど、私が生まれるちょっと前まではどちらかというと閉鎖的だったみたいで……お父さん苦労したらしいです」

クラリス「つまりそれを崩したくないということですか?」

歌鈴「……はい。ただ、やっぱりこういうのを嫌う人もいますし、おじいちゃん曰く冒涜だとも落書きだとも言ってます。私としてもその……」

クラリス「冒涜と?」

歌鈴「冒涜とまでは言いませんけどここではそういった事は認められてませんので、行儀が悪いとは思います。頭が固いのかもしれませんね、私」

クラリス「そんなことはありません」

歌鈴「だから強く言えなくて……」

クラリス「その絵馬を書いた人物の特定は出来ているのですか?」

歌鈴「大体は……」

クラリス「なるほど……」

歌鈴「私はどうすれば……」

クラリス「そ?はあなたが決めることです」

歌鈴「そうですよね……」

クラリス「……ですが、あなたはここの事をどう考えているのですか?」

歌鈴「神社のことですか? 小さい頃から生まれ育ったところですし思い入れはあります。ここに来た人にスッキリして帰ってもらいたい、悩みがあるならここでそれを吐露してもらいたいって」

クラリス「そうですね。今はそれが揺らいでいる状態ということですか」

歌鈴「それは今でも代わりません」

クラリス「ならばなおのこと言うべきだと私は考えます。ここからは私的な考えになりますがどうかお聞きください」

歌鈴「……はい」

クラリス「私は……ボランティアをしていますが、自分の行いに恐怖心を抱くことがあります」

歌鈴「恐怖心ですか?」

クラリス「はい、恐怖心です。それは……自分の行いで相手を悪魔にしてしまっているのではないか、そういう恐怖です」

歌鈴「悪魔?」

クラリス「実際にそうしてしまった時もあります。相手を感謝の心を持たない悪魔にしてしまいました」

歌鈴「つまり傍若無人にしてしまったって事ですか?」

クラリス「はい。仰々しく言うなら傲慢な王や女王に育ててしまったのです。あなたは先ほど、ここに来た人にスッキリして帰ってほしい、そう言いましたね? だからお聞きします。つまりそれはどういう意味なのでしょう」

歌鈴「えっと……」

クラリス「ゆっくり考えてくださって結構です。慌てる必要はありません。あなたはここを訪れる人をどの様にしたい、逆にどの様にしたくないのでしょう?」

歌鈴「私は…………ここに来た人に行儀が悪くなってほしくないです。それは双方にとって哀しいことですし、なにより人のためになりません」

クラリス「それはどの様にしてなるのですか?」

歌鈴「それは……私がなにも言わずに放っておいたら恐らく……いえ確実にそうなります。だから……あ」

クラリス「……決心はつきましたか?」

歌鈴「……はい」

P「──そして二人はわかりあえた、と」

クラリス「はい。報告は以上です」

P「それで自分で言っていてどうでした?」

クラリス「気付くのが遅すぎたと痛感します」

P「行動もですね。悪魔を作ったと気が付いたときには手遅れ」

クラリス「……はい」

P「さて、道明寺さんの事はクリアしました。ですがまだあと一泊残ってます。どうしますか?」

クラリス「私に自由が?」

P「それはあなたの提案次第です」

クラリス「それならば……」

P「まぁ、明日の予定に関わらずいつものはしますけどね」

クラリス「わかってます……」

P「決まりましたか?」

クラリス「明日は別れを告げます」

P「さようならと告げるだけですか?」

クラリス「きちんと私の事を話します。シスターのこともアイドルのことも」

P「殊勝な心掛けですね。わかりました」

クラリス「…………」

P「まだなにか?」

クラリス「いえ」

P「道明寺さんの家族のことならあと一週間で退院できるとのことです。そうしたら彼女もあっちに戻るでしょう。ただ、根なし草になるでしょうけどね」

クラリス「……部屋の空きは?」

P「はい?」

クラリス「あそこの部屋の空きはありますか?」

P「いっぱいありますよ。それがどうかしたんですか?」

クラリス「それなら私が部屋を借ります」

P「収入は大丈夫だと?」

クラリス「それは……ですがそういうことを言っていられる状況ではありません」

P「罪滅ぼしや罪悪感で借りるのが悪いとは言いませんがそれだと道明寺さんに失礼では?」

クラリス「…………」

P「同じ苦労でももっといい方法もありますよ」

クラリス「…………」

P「ここ数日で慣れたものでしょう」

クラリス「それは…………わかりました」

P「それだとこっちが悪いみたいですね」

クラリス「……私を清めてください」

P「オレ一人だと疲れるのでまゆや他の人にも協力してもらいますが、文句はありませんよね?」

クラリス「はい」

P「わかりました。楽しみにしててください。それでは早速ですが──」

まゆ「フンフンフン、フフ、フフ、フフフーン♪」

薫「ただいまー!」

まゆ「お帰り薫ちゃん。今日はどうだった?」

薫「いっぱいトレーニングしたよ! まやちゃんも鼻歌してたよね? どうしたの?」

まゆ「んふふ~、実は明日Pさんが帰ってくるのよ!」

薫「えっ、せんせぇが! やったー!! パーティーだね!」

まゆ「でもPさんあまり派手に祝われるの好きじゃないから細やかにやりましょ。ね?」

薫「あ、そうだね。あだ、でもでもでも久しぶりだからいっぱいギュッてしたい!」

まゆ「それくらいなら許してくれるわ♪ それじゃ明日のためにお風呂行ってきてくれる? キレイになったらPさんに喜ぶわよぉ」

薫「うん!」

まゆ「あとはこれをオーブンに入れれば完成♪」

奏「ただいま……」

まゆ「あら、お帰りなさい」

あい「ただいま」

まゆ「あいさんもお帰りなさい。珍しい組み合わせ」

あい「ここに来たいと連絡が入ってな。ちょうど私もここに来る途中だったから車に乗せてきた」

奏「乗せられてきたわ。なんだかデートしているみたいだった。制服デートってこんな感じなのかしらね」

あい「同性ながら心臓の鼓動が高鳴ったよ。それより何やら上機嫌な様子だが?」

まゆ「実はPさんが帰ってくるんです♪」

あい「おや、そうだったのか。ならパーティーかな?」

まゆ「細やかながらのですけど」

奏「誰かのためにパーティーをする何て羨ましい。私もそういう人作りたい……かも」

まゆ「Pさんはあげません」

奏「レンタルは?」

まゆ「行ってません」

奏「残念」

あい「しかしそうすると薫を独り占めできなくなるな」

仁奈「仁奈がいるですよ!」

まゆ「仁奈ちゃん、いらっしゃい」

仁奈「ただいまでごぜーます! いまそこで美優おねーさんと会ったですよ」

まゆ「あらぁ、それはよかったわね。それより仁奈ちゃんはお風呂入った?」

仁奈「まだでごぜーます!」

まゆ「そうなの。なら一緒に入る?」

仁奈「お断りでごぜーます! 仁奈は今日はあいおねーさんと入るですよ!」

あい「魅力的なお誘いだ」

まゆ「奏さんもついでに入ります?」

奏「私はもう事務所で入ったから大丈夫」

まゆ「ならお二人は入って来てください」

仁奈「いくでごぜーますよあいおねーさん!」

あい「そんなに引っ張ると痛いぞ」

まゆ「あ、そうだ仁奈ちゃん、言い忘れてたわ」

仁奈「なんでごぜーます?」

まゆ「今日一人で来たらしいけどここに来るときは大人と一緒に来てって言ったわよね?」

仁奈「!!」

まゆ「約束したわよね? それを破ったらどうなるかも……」

仁奈「は、早くお風呂場にいくでごぜーます! お風呂場ならもれてももーまんたいでごぜーますから!」

あい「ちょ、ちょっと仁奈くん……!」

まゆ「うふふ……」

奏「…………」

まゆ「なにか用事ですか?」

奏「子どもにも容赦ないなって思って」

まゆ「これでも優しい方ですよ? 奏さんの中のまゆってどんなイメージなのかしら」

奏「秘密」

まゆ「無理にでも聞き出しちゃおうかしら」

奏「それは嫌……かも」

まゆ「曖昧な返事ですね」

奏「思わせ振りと言って」

まゆ「中途半端」

奏「地味に傷付くわ。この喋り方気にしてるのに」

まゆ「男の子っぽかったりしますものね。かと思えば時に女の子っぽい」

奏「……やっぱり中途半端」

まゆ「まゆとPさんの関係みたいにスパッと割り切れればいいのに」

奏「それはそれで複雑になる」

まゆ「そんなものですね」

奏「かも」

まゆ「自分の気持ちを言うのって大変です」

奏「スッと出せる人が羨ましい」

まゆ「仕事の関係と私的な関係とだと全く違います」

奏「どっちの方が出しやすい?」

まゆ「お仕事。円滑に進めるために必要ですもの」

奏「だけどプライベートじゃそうはいかない……か」

まゆ「円滑に物事進めるためだけに生きてるわけじゃないですからね」

奏「だから私は思わせ振りな中途半端しかできないのかしらね」

まゆ「さぁそれはわかりません。今同意するのは私のなかで中途半端ですから」

奏「葛藤ね」

まゆ「葛藤です」

奏「迷って生きるのが私だけど、葛藤なんてなければいいのに」

まゆ「そうでもないですよ。葛藤がなければコミュニケーションの最大の欠点が出ちゃいます」

奏「それは?」

まゆ「伝わったと錯覚すること」

奏「なにかで聞いたことがあるわ。なんだったかしら」

まゆ「まゆの好きな人の言葉ですよ~うふふ」

奏「以心伝心の影と裏ね」

まゆ「そんな感じです♪」

あい「──ふむ、それが今の結果というわけか」

仁奈「おいなりさんみてーです! でも白い!」

美優「俵っていうの」

仁奈「たわら? たわらってなんでごぜーます?」

美優「俵っていうのは……」

奏「私は三角だとばかり」

まゆ「ついお喋りに気がいってしまい……」

あい「まったく……」

まゆ「昨日は楽しかったですね。特にあれなんて言いましたっけ? ほら、奏さんがいった言葉」

奏「あぁ。私はオニギリのこと?」

まゆ「はい、それです♪」

あい「どういうことだ?」

奏「影と裏が好きな私は海苔を剥がされるとつまらない白、つまりはただの人ってこと」

あい「意味深長だがうまいんだかうまくないんだかわからないな」

まゆ「少なくともお握りは美味しいですよ」

あい「ふっ、それには賛成する」

薫「はい、せんせぇあーんして」

P「ん」

まゆ「まゆからも、はいあぁ~ん♪」

あい「両手に花だな」

仁奈「美優おねーさんもアーンするですよ」

美優「え、私も?」

仁奈「口を開けやがれです」

美優「あ、仁奈ちゃんが私にね」

仁奈「?」

P「先に言っておく。人が増えるよ」

仁奈「狭くなるです?」

P「部屋は新しく借りるから狭くはならない」

まゆ「ところで見掛けませんがクラリスさんはどこに?」

P「高森さんの部屋か小日向さんの部屋」

薫「食べ終わったらお風呂入ろーせんせぇ♪」

P「食べ終わったらね」

まゆ「まゆも一緒にいい?」

薫「うん!」

薫「──それじゃあせんせぇまた明日!」

P「また明日。迷惑かけないように」

薫「うん!」

あい「いいのかい?」

P「はい」

まゆ「夜更かししちゃダメよ」

薫「うん、もう寝るよー!」

あい「では行こう薫」

薫「今日はなに読んでくれるの?」

あい「君の好きな本を読もう。何でもリクエストしてくれ」

まゆ「ここのところいつもです」

P「そうか」

まゆ「薫ちゃん取られて悔しいですか?」

P「悔しくはない」

まゆ「寂しいとか?」

P「それもない。本来はああなっているべきだ」

まゆ「誰もいなくなっても私は離れませんから」

P「そうか」

まゆ「ぁん冷たい」

P「こっちも寝るか」

まゆ「どっちの意味で?」

P「睡眠」

まゆ「じゃ寝る前の運動が必要ですね♪」

P「頭のな。道明寺さんのことで報告したいこともある」

まゆ「歌鈴ちゃんのことで?」

P「結果報告だよ」

まゆ「私の予想当たってました?」

P「あぁ。人を見る目は流石だね」

まゆ「えっへん」

P「向こうもすんなり受け入れてくれた」

まゆ「関心のない人や嫌いな人にとっては落書きとそうかわりませんからね」

P「そうだ」

まゆ「それじゃベッドも目の前にあることだし寝ましょう♪ 上になります? それとも下になります?」

P「並列」

まゆ「平行?」

P「それより明日からどうする」

まゆ「まやと愛の巣作りを」

P「楽しい生活は今してる」

まゆ「んもぅ、恥ずかしい人。ん~そうですねぇ」

P「誰か復讐したい人は? 留守番してもらったから今回はまゆが決めてくれ」

まゆ「>>162層に>>163

>>162
ジュニア(12歳まで)かティーン(13歳から19歳まで)かアダルト(20歳以上)かをお願いします

>>163
軽くか徹底的かをお願いします

今回は救済のあとなので復讐になります
それ以外及び連取は安価下

ティーン

軽く

まゆ「ティーン層に軽くやっちゃいます」

P「具体的に誰にするかは決まってるか?」

まゆ「はい」

P「誰だ」

まゆ「それはまゆの体に聞いてください」

P「……勝手に選ぶぞ」

まゆ「たまには乗ってくださいよぅ。男女だけに」

P「…………」

まゆ「>>165

>>165
モバマスのティーン(13歳から19歳まで)アイドルをお願いします

それ以外及び連取は安価下

島村卯月ですっ!

まゆ「卯月ちゃんです」

P「島村?」

まゆ「安くてリーズナブルな卯月ちゃんです」

P「プロジェクトで会ったことあったな」

まゆ「健気ですよねぇ。あのがんばり様はまさにシンデレラですよ」

P「それでなにされた?」

まゆ「>>168


>>168
島村卯月に何をされたかをお願いします

それ以外及び連取またはあまりにも変なのは安価下

元々P側の人間だったけど「なにもしなかった」

まゆ「知ってました? 元々あなた側の人物だったんですよ。でもあの子が悩んでてもなにもしなかったんです」

P「庇うわけではないが島村卯月にもいろいろあったからな」

まゆ「人生の先輩としてなにかアドバイス出来てもいいと思いますけども。あの前向きな性格でどうにかするとか」

P「たしかにな。あれはもはや性格というより人格になってる」

まゆ「まゆには養成所の生活がどんなものかわかりませんけど前向きすぎると思います」

P「長所であり短所でもある。業界での苦労を知ってる人からは凄いと評価されるが、知らない人からは薄情ともとられかねない」

まゆ「ですからそこも考慮して軽くにしました。優しいでしょう」

P「涙が出るくらいな」

まゆ「それじゃさっそくプロフィールを……」

P「その前に何か着るか布団を掛けるかして」

まゆ「はぁーい。このまま布団に入って密着します♪」

P「好きにして」

まゆ「東京出身で笑顔がキュートな17歳の高校2年生。身長159cm、体重45kg……だったのがさいきんでは44kgに。特訓でもしたのかしら?」

P「あれだけ運動してればな」

まゆ「一人上手なんですね。BMIは17.80だったのが17.40に。転けすぎてお尻でもダイエットしたのかしら? スリーサイズは上から83の59の87♪」

P「ウエストは少し減ったらしい」

まゆ「まゆはそろそろお腹が大きくなりそう、うふ」

P「笑えない冗談はやめてくれ。プロデューサーとの子にはまだ早い」

まゆ「さすがに考えてしてますよぉ。誕生日は4月24日の牡牛座。赤いもの見て興奮するのでしょうか?

P「動いてるものに反応する。島村卯月がどうかはわからないが少なくとも牛はな」

まゆ「まゆもPさんのプラプラしてるモノに突撃しちゃいます♪」

P「揺れるほどない」

まゆ「立派なの持ってるじゃないですか。まゆより大きいんじゃないですか?」

P「少なくともプラプラはしていない」

まゆ「下もそうですもふぁんっ、ふねるならひくひに」

P「そういうのを減らず口というんだ」

まゆ「はぁい……乱暴にするなら今じゃなくて後に……」

P「続けて」

まゆ「はぁい。O型の右利き。趣味は友達と長電話。なんというか全体的に普通ですねぇ」

P「普通というより特徴がないだな」

まゆ「たまに心に刺さる一言いいますよねぇ」

P「アンケートを取ると個人で名前が上がらないからな。ユニット単位で見てもその中に所属していても名前があがることはほとんどない」

まゆ「世知辛い世の中ですねぇ」

P「無個性を個性にするにはうまく売れないといけない。プロデューサーからすればうまく売れさせないといけない」

まゆ「その点まゆは安心ですね♪ あなたがついてますもの、うふ」

P「そこはプロデューサーのおかげにするべきだ」

まゆ「もちろんあの人にも感謝してますよ? イケメンだし、イケメンですし、イケメンなので」

P「推すところは他にもあるだろう」

まゆ「相性はまずまずですね」

P「最高に持っていけるよう努力して」

まゆ「前から思ってましたけどこういう会話ってちょい悪みたい」

P「この状況で話してるからな」

まゆ「まさにすまった、ですね♪」

P「大原さんが言いそうな事だ」

まゆ「この状況で他の女の子の名前出すなんて……んもぅ」

P「それで今回の人員はどうする」

まゆ「それは決めてあります。ですがまずはすることしましょう。今日はコレをこう下に向けて……一本筋の通った男の完成♪」

P「痛い」

まゆ「ふにゃふにゃじゃない証拠ですよぉ。このままこっちに……」

P「綺麗にしてあるのか?」

まゆ「はい。あ、でも入れてはあげませんよ? うふふ」

P「どうでもいいから早くして」

まゆ「そんなにまゆが欲しいんですかぁ?」

P「話を進めたい」

まゆ「ひどい人」

P「初めからわかってることでしょ」

まゆ「はい」

P「軽くって話だけど具体的にはどうするつもり?」

まゆ「昼ドラみたいな展開も考えてはいましたけどさすがに使える人が限られますから」

P「考えてはいるんだな」

まゆ「私もたまには体以外にも使いますよぉ。それで考えました。一生懸命考えました。Pさんがいない間禁欲しながら考えました」

P「そこまで真剣なんだな」

まゆ「その反動がこれですけど♪」

P「それで考えてどうした。忘れたか?」

まゆ「私達の中にシンデレラプロジェクトの人が何人かいますでしょう?」

P「杏に神崎さんに前川さん」

まゆ「またそうやって他の女の子の名前出す。そういうのいけずって言うんですよぉ」

P「どこかで聞いたことがあるな。話を続けよう」

まゆ「その子達を使って……」

P「被害も考慮してる?」

まゆ「はい」

P「ならいい」

まゆ「…………」

P「…………」

まゆ「十中八九そうだとまゆの直観がいってますが、もしかして心配してくれてます?」

P「十中八九」

まゆ「使い方おかしいですよぉ」

P「それでどうなんだ」

まゆ「……思っての通りです」

P「そうか。この話は後にしよう」

まゆ「はい。それで計画の方ですけど──」

杏「ふ~ん」

みく「それってみく達じゃないとダメなの?」

P「君たちの方がより自然に流れる」

蘭子「流動する魔力に逆らうなかれ……か」

まゆ「私も一応知ってる人ですから誤魔化す必要もないですよ」

杏「質問。それって杏達に被害来るよね?」

みく「たしかに今後のお仕事に支障が出るのは困る」

杏「まぁ、杏は入院すればいいからいいけどさ」

みく「それを抜いたとしても一応は仲間だからちょっと気が引けるにゃ」

P「バラエティー番組だと思ってくれていい。ただの番組の企画だ」

蘭子「薔薇の都の喜劇か」

まゆ「それにアイドルやめさせるというわけじゃないわ。だから今後の仕事に支障はないわ」

みく「でもにゃぁ……」

P「それならテストだと思ってくれ」

みく「テスト?」

P「これからどんな仕事が出来るのかのテストだ。アイドルといえど向き不向きがある。それを見極めるテストだ。そうすればいざ仕事が来たときに無闇に飛び付かなくてすむ」

蘭子「フム……」

杏「たしかにもう仕事を選んでられないって地位でもないしね」

P「シンデレラプロジェクトの名前が売れて、シンデレラプロジェクトは346プロがやっているとイコールで繋がっているからな」

杏「有名プロダクション万々歳」

みく「言われてみればたしかに納得にゃ。なんでもかんでも飛び付くのはいけないにゃ」

まゆ「流血沙汰もないから小さい子にも安心」

蘭子「血ぃ……」

杏「ところで杏達になにかあるの? 無給じゃ動かないかんね」

P「何でも好きなものを用意する」

杏「休み。一日でいいよ」

みく「みくは欲しいものがあるにゃ!」

P「神崎さんは?」

蘭子「我は……」

P「良識のある範囲なら何でもいいよ」

蘭子「ア、アスカの耀き」

みく「飛鳥ってなんにゃ。参考書?」

P「照明のことかな」

蘭子「ッ!」

みく「素敵な照明がほしいってこと?」

蘭子「うむ」

まゆ「それじゃあ決まりね。ほかになにか聞きたいことあるかしら?」

みく「正確な人数と計画を知りたいにゃ」

杏「──どうしたの?」

蘭子「…………」

杏「お~い?」

蘭子「我らが僕……」

杏「プロデューサーがどしたの?」

蘭子「歩みを止めるなど天の川を止めるが如し……ヘラクレスでも不可能」

杏「杏達のプロデューサーのことなら心配ないよ。忙しいしさ」

みく「一応みく達は蘭子ちゃんの言葉わからないってことになってるから気を付けてね」

杏「まっかせなさーい。杏はいつも通りだらだらしてるからあとよろしくー」

みく「あっ、ずるいにゃ!」

蘭子「チェシャ猫の気紛れか」

杏「まぁ緊張しないでいつも通りやってれば大丈夫だって。そんなことよりイヤホンに反応あり。そろそろ来るよ」

みく「いつも通り時間に正確にゃ」

島村卯月「おはようございます! 島村卯月です!」

みく「おはようにゃ」

蘭子「煩わしい太陽ね!」

杏「おーす」

卯月「あ、おはよう。プロデューサーさんは?」

杏「さぁね。また職質じゃない?」

みく「いくらなんでもそうそうされないにゃ」

蘭子「纏いし魔気は誤魔化せぬというものよ」

卯月「えっと……」

みく「みくがここに来たときには誰もいなかったにゃ」

杏「杏が来たときもいなかった」

みく「あれ、杏チャンいつ来てたの?」

杏「間抜け面であくびしながら入ってきたときからかな」

みく「にゃっ! それは……!」

卯月「ま、まあまあ二人とも落ち着いてください。プロデューサーさんはすぐ来ますって。ね、蘭子ちゃん?」

蘭子「…………」

卯月「え、どうかしたの?」

蘭子「煩わしい太陽の下、騎士との壮絶なる舌戦を繰り広げていた」

卯月「えっ、絶戦?」

みく「そういえば昨日忙しそうにしてたにゃ。明日は早いとか呟いてたような……」

杏「ふ~ん。まっ、杏は休みになるならそれでいいけど」

みく「来るまで予習にゃ」

蘭子「ククク、戦場を夢想せよ!」

杏「私は寝るよ。フアァァァゥフ──」

小梅「なに……見てるの?」

P「おはよう」

小梅「あ……お……おはよう……ございます」

P「なんでここに?」

小梅「今日……学校と仕事、な、ないから……ひまつぶし」

P「連絡は?」

小梅「ま、まゆ……さんに」

まゆ「黙ってました♪ サプライズって楽しくありません?」

小梅「え?」

P「こういうのは怠慢って言うんだ」

小梅「えっと、わ……ワー!」

P「腕を上にあげても今更だ」

小梅「布団……もぐっていい? 外、寒かった……から」

P「どうぞ」

まゆ「んま、躊躇いのないPさん」

小梅「あったかい……」

まゆ「小梅ちゃんほっぺまで真っ赤」

P「芯まで冷たそうだ」

小梅「あ……服のなか……触る?」

P「触りはしないがもう少し中に入った方がいい」

小梅「うん……」

まゆ「私も入ろうかしら。小梅ちゃんをサンドしましょうPさん」

小梅「……小梅サンド?」

まゆ「あら、おいしそう」

小梅「腸……いる?」

P「いらない」

まゆ「ところでさっきはなに見てたんですか?」

小梅「ホラー映画? それとも……スプラッタ?」

P「いつものだ」

まゆ「エッチなのはまゆがいるじゃないですか」

小梅「りゅ、流血が、ほしいなら……噛んでも……いい」

P「アンチスレだ」

小梅「安置……? し、死体?」

まゆ「人のあんなことやこーんなことが書いてある掲示板のこと」

P「語弊がある言い方だが概ね正解」

小梅「見てもいい?」

P「見てる途中だからあとで」

小梅「……よいしょ」

P「間に入ってこないでくれ」

小梅「この圧迫感……好き」

P「冷たいな」

小梅「それじゃ……あっためて?」

まゆ「まゆ冷水浴びてきます」

P「風邪になるだけだぞ」

小梅「あ、この名前知ってる……」

P「知ってるのか」

小梅「うん……蘭子ちゃんから……よく……聞いてるから」

まゆ「そんなメジャーな卯月ちゃんのアンチスレには……>>187>>188>>189


>>187>>188>>189
島村卯月に対する悪口・アンチレスをお願いします

それ以外及び連取は安価下

感情あんの?

あんな普通なのでアイドルなれるなら俺でもなれそう

あのレベルで普通とか、私の周りは普通以下しかいない。ふざけんな

まゆ「感情あんの?とのことですけどあるんですか?」

P「喜怒哀楽は人並みにあるとは思うが、島村卯月個人が見えないから他人からはないと思われるだろうな。つまりないってわけだ」

小梅「生ける……屍?」

まゆ「個人が見えないとそう思われますよねぇ。私も個性がないので困っちゃってます」

小梅「あ……ウォーキン……デッド」

まゆ「あんな普通でアイドルなれるなら俺でもアイドルなれそうってありますね」

P「あるな」

まゆ「なんでアイドルなれたんですか? 王子様に選ばれたから?」

P「シンデレラをシンデレラにしたのは魔法使い。魔法使いに選ばれたからだ」

まゆ「……童貞?」

小梅「?」

P「オレを見るな」

まゆ「なにいってるんですか。Pさんはまゆが卒業させたじゃないですか♪」

小梅「……奔放な人は…………ゾンビ……だね」

まゆ「小梅ちゃんは経験豊富な人が好き?」

小梅「……わかんない……けど……ふふ」

まゆ「Pさんを見て微笑むなんてまゆへの挑戦かしらぁ?」

小梅「そういうわけじゃ……ないけど……血みどろパーティー……なら……いつでも歓迎……」

まゆ「ところでなんで卯月ちゃんはアイドルなれたんですか? プロデューサーはどこに目をつけたんですか?」


P「養成所で頑張っていたからさ」

まゆ「健気ですねぇ。それで本当のところは?」

P「無個性だから」

小梅「その心は……?」

P「ファンにとってアイドルは主役だが、プロダクションや企業的に見れば脇役。主役はプロデューサー」

まゆ「あら、意外とプロデューサーは腹黒だったんですね」

P「本人のリハビリも兼ねてる。信頼回復もな。それにそこまで深く考えてない。ただただ無垢で誠実な人だよ」

小梅「浅はか……?」

まゆ「小梅ちゃんってたまにズバッと刺さる一言いうわよね」

P「個性がないからつければいい。それに個性がないから染めやすいし、操りやすい」

小梅「プロダクションは……ホラー…………だった?」

まゆ「私も読者モデルやってましたが本当に個性って難しいですよ」

P「わかりやすい個性はお笑いだな」

まゆ「たしかにムードメーカーって言われますものね」

小梅「あ、私……一発芸……ある」

まゆ「あら意外」

小梅「よいしょ……」

P「腹に登るな」

まゆ「まあまあ」

小梅「んしょ……」

まゆ「体柔らかいわね」

小梅「足はこのままで……上半身は……むんっ……て」

まゆ「マッチョ?」

小梅「出」

P「見えない」

まゆ「うふふ♪」

小梅「腕……伸ばして……」

まゆ「まだあるのね。それで?」

小梅「下向きの矢印」

まゆ「これは路線変更ですねPさん」

P「取り敢えず頭の腕を外してくれ」

まゆ「そこにまゆがダイブしてサンドイッチ♪ ジャムサンドならぬ小梅ちゃんサンドイッチ」
小梅「ちょっと苦しい……けど楽しい」
P「話が進まない」

まゆ「はぁ~い」

小梅「や」
P「白坂さんも」

まゆ「えい」
小梅「あ……」

まゆ「あのレベルで普通とか、私の周りは普通以下しかいない。ふざけんな!って」

P「謙虚も考えものだ。まぁアイドルとしては普通だからな。アイドルという称号がついてないと印象が薄いからな」

まゆ「…………」

P「さて、向こうはどうなってるか見てみるか」

まゆ「今回はカメラや盗聴機使ってませんがどうやって連絡とるんですか?」

P「向こうにいる──」

杏「ぅあ~……」

みく「杏チャンだらしないにゃ」

卯月「プロデューサーさん遅いですね」

みく「ちょっと聞いてくるにゃ」

杏「いってらっしゃーい」

卯月「…………」

蘭子「…………」

杏「あー…………だる」

蘭子「時を告げる鐘はゴーレムの存在など土塊に等しく……鳴る」

卯月「はい?」

杏「…………」

みく「っ! た、大変にゃー!」

卯月「えっ! えっ!?」

みく「捕まったにゃ……! 捕まったにゃ!」

卯月「おっ、おおっ、落ち着いて! いったいなにが起きたんですか!?」

杏「捕まったってプロデューサーが?」

みく「っ! っ!!」

杏「マジか……」

卯月「えっ、えっ?」

杏「また勘違いじゃない?」

みく「そ、そこまでは知らないけど……」

杏「まぁ、すぐ戻ってくるでしょ。戻ってこなくても杏的には休みになるからいいけどね~」

卯月「ど、どどどうしましょう!」

杏「焦ってもしかたないよ。信じて待つしかないんじゃない?」

みく「でもこのままじゃお仕事出来ないにゃ」

杏「そもそもあるかも疑わしいけど」

みく「そんなこと言っちゃダメにゃ」

蘭子「座して待つのも信頼故……か」

みく「ちょっと聞いてくるにゃ」

卯月「私もいきます」

みく「卯月ちゃんはここで待ってて。人数が多くなると向こうにも心配かけちゃう」

卯月「でも……」

杏「……プロデューサー来ないなら帰ろっかな~。いても無駄だし」

卯月「えっ、そんな……!」

蘭子「…………」

みく「杏チャンが帰らないように見張ってて。ね?」

杏「えー帰れないじゃん」

卯月「えっ、あっ、はい!」

みく「任せたにゃ」

卯月「が、がんばります!」

杏「鬱だ……寝よう──」

薫「ただいまー!」

仁奈「今帰ったでごぜーます!」

P「お帰り。楽しかったか?」

薫「うん! でも変な人に付きまとわれて怖かった」

P「警察に言った?」

仁奈「仁奈が牛さんみたいに交番に突撃したです!」

P「偉いな」

薫「ちょっと怖いお兄さんだったけど優しかった!」

P「今度お礼言っておきなさい」

薫「はーい!」

仁奈「小梅ちゃんでごぜーます!」

小梅「あ、こんにちは……」

仁奈「お昼寝するですよ!」

小梅「うん……」

薫「Pさんもしよー!」

P「出掛けてくる。それからでいいなら」

薫「うん!」

仁奈「なにか見るですか?」

小梅「あ、それなら……ホラーを……」

仁奈「お断りするですよ!」

小梅「残念……」

薫「奈緒ちゃんの部屋いこー!」

仁奈「賛成でごぜーます!」

P「お待たせしました」

?「おはようございます」

P「他の方は?」

?「置いてきました。ぶっちゃけ邪魔になるので」

P「自分のとこのアイドルになんてことを……」

?「気心知れた仲ですよ。親しき仲にも礼儀ありなんて言いますがもう長いことプロデュースしてるので。それにこういった事も人付き合いには大切ですし」

P「せめて年長者はつれてきてほしかったですよ」

?「あー、でも知ってるでしょう? 時間内につくかどうかわからないですよ」

P「それもそうですね」

?「それにこういうこと話すのは信頼してる人にいないですし」

P「どこから漏れたがわかりますからね」

?「そこまで打算的じゃないですよ。それより本当にいいんですか?」

P「いいとは?」

?「うちとの交流会なのにそちらに全額負担してもらうのはどうも……」

P「仕事ではなくただの交流会ですから。それにそんなに大したことはしません」

?「たしかにうちの懐が傷付かないのはおいしいですけど……あ、それと」

P「はい」

?「なんで今回担当ではなく私に声をかけたんですか? 一応付き合い自体は長いですけど……」

P「担当者が捕まらなかったので。それにあなたの方が連絡しやすいですので」

?「なるほど」

P「お互い楽しい交流会にしましょう」

?「そうですね。でも仕事じゃない分少し緊張します」

P「たしかにそうですね」

?「それではまた」

P「はい、それでは」

??「…………」

P「待ち合わせにはまだ早いですよ」

??「事務所を出ていく姿を見掛けたのでついてきたのですが、行き着いた先がまさかあなた様のところだとは思いもしませんでした」

P「なにか頼む?」

??「それならばホットドッグを」

P「どうぞ」

??「もし……このホットドッグを……辛味抜きで」

P「それにしてもおくら奥まった席とはいえこんな明るいところで会っていいんですか?」

??「わたくしとて月夜を歩くばかりではございません。それに日陰者でも腹は減ります」

P「ついでだから今打合せしましょう。そんな大したことは打ち合わせませんけど」

??「ここでのわたくしは普段のわたくしではありません。きちんと金髪にしてきました。鬘ですが」

P「蛙の頭でなくて安心しました」

??「ですのでここでは……」

P「なんて呼べば?」

金田「金田とお呼びください」

P「濁らない金田ですね」

金田「そうです。そういえばわたくしの他にも人がいると聞いたのですがそれは本当でしょうか?」

P「います。それもあなたの知ってる人です」

金田「向こうは知っているのでしょうか?」

P「少なくとも担当者は。他のメンバーが知ってるかは向こうに任せてあります」

金田「なるほど。ではわたくしは気兼ねなく振る舞っていいと?」

P「どうぞ」

金田「わかりました。ところでわたくしはあまりそういったところへいかないのですが……」

P「行くイメージはあまりないですね」

金田「えぇ。ですので作法をお教え願えると大変助かるのですが……」

P「同じくあまり行ったことがないので作法は知りませんが気楽にしてればいいと思います」

金田「……鋭意精進致します」

P「それでは昼過ぎに集合してください。現地ではあちらとバラバラになりますが気にせず進行してください。舵取りは任せてる者がいますが、適宜手助けや助け船を出していただけると助かります」

金田「そちらも鋭意努力致します」

P「そろそろホットドッグがきますね」

金田「パンにソーセージを挟んだものがなぜこれだけ美味しいのか。面妖です──」

みく「……やっぱダメだったにゃ」

卯月「えっ?」

杏「どったの? 逮捕されたの?」

みく「プロデューサー今日は一緒にお仕事いけないにゃ」

杏「じゃあ休みだ!」

みく「いや、お仕事にはこのメンバーで行くにゃ」

卯月「え、でもプロデューサーは」

みく「いないと不安だけどみく達はこれくらい出来ないとダメにゃ」

杏「んで今日の仕事ってなに?」

みく「えっと……ベッ?」

杏「今『え』に濁点ついてなかった? どうしたの?」

みく「こ、これを見るにゃ……!」

杏「えっとなになに──」

卯月「あ、あの……」

杏「ん~?」

みく「うにゃにゃにゃうにゃにゃにゃうにゃ~にゃ~にゃ、うにゃにゃうにゃにゃうにゃうにゃよ~♪」

蘭子「うぅ……」

卯月「何であんなに出来るんでしょう……」

杏「さぁ、覚悟の違いだろうね。杏にはあんなやる気ないよ」

卯月「ちょっ、寝ないでください……!」

金田「…………」

卯月「あそこにいる人って……」

杏「ん? まぁ、そうだろうねぇ」

卯月「なんであんな人がここに……」

金田「……っ!」

卯月「ひっ、立った!」

金田「…………」

卯月「えっ、あっ、外に?」

金田「…………」

卯月「神妙な面持ちで電話を」

金田「チーズナチョスと鳥ひざ軟……なんと! 鳥ひざは売り切れ!?」

卯月「あ、項垂れた……」

金田「……無い物ねだりはいけませんね。それでは……」

卯月「あれ、でも金髪じゃなかったような……あれ? 光の加減かな?」

金田「何か?」

卯月「あ、いえなんでもありません……! あは、あははは」

金田「?」

卯月「一応変装してるのかな? ここ普通のカラオケ店だし」

杏「さあ、知らなーい。あ、みくちゃん終わったみたいだから次誰?」

蘭子「フッフッフッ……アーハッハッハッ!」

卯月「ひっ!」

杏「あー、次は蘭子ちゃんだったか」

蘭子「跪いて舐めるがいい! 我が聖なる脚を!」

みく「独特な入り方にゃ」

金田「面妖な……」

杏「たまには杏も何かしなきゃね」

みく「なにか歌うにゃ?」

杏「いんやリズムとるだけ」

みく「タンバリンなんていつの間に……」

金田「他にもこんなものが……ゲロッパ」

みく「カエルのキグルミもあるなんて……みくも着たこと思い出すにゃあ」

金田「あなたもあの番組に出たことが?」

みく「どの番組のことかわかんないけど着たことあるの?」

金田「はい。それまでは食事というものは"食べる"だけだったのですが、そこで作るということを学びました。それからはますます食事が美味しくなり……」

みく「あっ、長くなりそう」

卯月「あの、それどこから持ってきたんですか?」

金田「衣装室からですが?」

卯月「そんなのあるんだ……」

みく「なんでもここは企業とコラボすることがあって、衣装の貸し出しも行ってるんだって」

金田「ケロケロ」

卯月「もしかして私たちの衣装も……」

みく「少しなら置いてあるみたいにゃ。さすがに置けないのもあるらしいけど」

杏「事前に申請するみたいだね。ほら、レシートのここに書いてあるよ。衣装貸し出しコースって」

みく「卯月ちゃんは何か着ないの?」

卯月「私はいいかな」

杏「あれ? でもここに書いてあるよ」

卯月「え?」

みく「あ、ホントにゃ。ニュージェネコスって書いてあるにゃ」

卯月「えっ、うえぇぇ~!!」

みく「おぉ~まるでホンモノみたいにゃ」

蘭子「……フゥ」

杏「お疲れ。よかったよー」

蘭子「フェアリーテールが魔力を高揚させた! 闇に飲まれるがいい!」

みく「着ないの?」

卯月「き、着るところないですし……だから」

金田「なんと、こんなところに地図が!」

みく「わざとらしいにゃ……」

金田「これによるとそこにあるようです」

みく「って室内にあるにゃ! 地図の意味ないにゃ!」

金田「ふむ……それがツッコミというものですか。勉強になります」

みく「冷静に返されるとちょっと戸惑うにゃ……それで卯月ちゃんどうするの?」

杏「サイズも書いてあるし心配はなさそうだよ」

卯月「えっとそれじゃあ……」

蘭子「幻想の繭に入るがいい!」

杏「それじゃ杏は少し寝る。おやすみ~」

金田「ムッ、来たようです」

みく「あー、そういえばさっき何か頼んでたにゃ。みくも何か食べようってなんにゃその量!!」

金田「なにか?」

みく「いったい何人前食べる気にゃ!」

金田「歌というのは存外カロリーを消費するものです。栄養補給は必然」

みく「絶対太るにゃ」

金田「歌えば問題ありません」

みく「歌ってすごいにゃ……ってそんなわけないにゃ!」

金田「なんと!」

蘭子「銀姫よ!」

金田「ここでは真名ではなくはんどるねーむを使っていただきたいのですが」

蘭子「フム……金の面妖姫よ!」

金田「なんでしょうか」

みく「それでいいんだ……それにしても卯月ちゃん遅いにゃ。意外と手間取っ……」

卯月『ヒャアァァァァ!』

みく「なんかすごい声聞こえたにゃ!」

蘭子「敵襲か!?」

金田「どうかなさったのですか?」

卯月「あっ、ちょっと、開けないでください!」

金田「失礼しました。叫び声が聞こえたものでつい……それよりどうかなさったのですか?」

卯月「えっと、その……あの……」

金田「お尻を押さえてどうしたのですか? まさか……」

卯月「いっ、いえ! そんなことなぁーいですよ!? 破けたなんてそんなことは!」

金田「……知り合いと同じ反応をするのですね」

みく「破けちゃったの?」

卯月「…………はい。少しだけ……」

蘭子「偽りの嘆願書!」

みく「ちょっと見せるにゃ。あ、ホントにゃ。これヒップとバスト逆にゃ」

卯月「えっ、ウソ!?」

みく「ホントにゃ。ほら」

卯月「本当です……」

みく「あれ、この数字って……ちょっと待つにゃ」

卯月「どうかしたんですか?」

みく「やっぱりにゃ。これここに来る前に書類に書いた数字にゃ」

杏「あー、なんか事務所で書いたねー。杏は適当だったけど。でもなんでわかったの?」

みく「みくの身長のとこ見てみるにゃ」

杏「少しサバ読んでるね。少しだけ高い」

みく「サバ読んでるとかやめて。みくはサバとごまかしが嫌いなの。それにこれはネコミミを入れての身長にゃ」

卯月「あれ、それじゃ私が間違えたことに……」

金田「口を挟んで申し訳ないのですが、鞄の中にもう一枚あるようですが……」

卯月「えっ!?」

みく「ホントにゃ。もう一着同じデザインのがあるにゃ」

蘭子「魔石欠けようと芯まで折れぬ! 今こそ変身する時!」

卯月「はい?」

金田「替えがあるので着替えることを推奨します、だそうです」

卯月「えっ、わかるんですか!?」

金田「えぇ。これも経験というものです」

卯月「もう一枚……」

金田「見たところ問題なく入るかと」

卯月「えっとそれじゃあ……」

杏「……移動めんどくさくない? そこで着替えちゃいなよ。どうせ同性しかいないし」

卯月「えっ、でも……」

みく「たしかにそうにゃ。それに今蘭子ちゃん使ってるし」

蘭子『ナァーハッハッハッ! 我こそはローゼンブルグエンゲリュ!』

みく「ね?」

卯月「……それもそうですね。よいしょっ。どうですか?」

金田「よろしいかと」

みく「どう、きつくない?」

卯月「はい! 大丈夫です!」

みく「それじゃ座るにゃ。さて、次の曲いっくにゃー!」

卯月「よいブリュリュリュリュリュ……スゥー」

金田「おや」

みく「ッ!!」

杏「…………」

蘭子「ふ、不浄なる轟音……」

卯月「こ、これは……違います! 私じゃありません!」

みく「そ、そだね……うんうん、卯月ちゃんじゃないよね」

杏「あー……うん」

蘭子「グレムリンレアーめ……!」

金田「……卯月」

卯月「は、はい!?」

金田「焼き芋は美味しかったですか?」

卯月「や、焼きいもの食べ過ぎでもないです!」

金田「なんと…!」

みく「き、気を取り直して歌うにゃ。卯月ちゃんの番だよ」

卯月「は、はい……!」

みく「何入れたにゃ?」

卯月「えっとゴーインテレレテレレテレッテレーえ?」

金田「おや、これは」

卯月「な、なんですかこれ!?」

みく「たしかキューティー……」

金田「休廷葉新です」

みく「ハ?」

金田「きゅうていはにい、です」

卯月「キューティー……」

金田「休廷、ハニイ、です。いわゆる一種の替え歌バージョンというものです」

卯月「えっ、えっ、これどうしたら!?」

杏「歌うしかないんじゃない? ほら、番組でもドッキリとか無茶ぶりとかあるし」

卯月「え、でも」

みく「いろんなことに対応してこそのアイドルだとみくは思うにゃ」

杏「そーそー」

蘭子「生命を選ぶなかれ。来るもの拒まず!」

金田「それよりもう曲に入ります」

卯月「えっ、あっ!」

杏「仕方ないからリズムとってあげるよ」

卯月「こ、この頃流行りの女の子、お尻の小さな……」

金田「……なぜわたくしを見るのですか?」

卯月「いえ……だってなんだかだってだってなんだもぉん」

金田「…………」

みく「それにしてもさっきからカエルのキグルミ脱がないにゃ。そんなに気に入ってるの?」

卯月「お願いお願い~気が付かないでー、私のーハ、心臓はーバクバクしちゃーうの」

みく「ところどころ言葉使いが乱暴にゃ」

杏「女囚だからね」

卯月「イヤよ、イヤよ、イヤよ、ハンケツイヤーン、とうっそうっ!」

みく「二番もあるにゃ」

卯月「えっ、えぇ~!?」

金田「…………」

みく「どこかいくにゃ?」

金田「少し用事を思い出しまして」

卯月「えっ、あ、あの……」

金田「それでは……」

杏「んあ? なんか怒ってた?」

みく「わかんにゃい」

卯月「ど、どうしましょう……!」

みく「どうするもこうするもないんじゃない? なるようになるにゃ」

杏「そうそう、なるようになるって」

卯月「でもあの人は……!」

みく「みくはあんまりアイドルに詳しくないけどあーいう人もいると思う。だからイチイチ気にしてたらダメにゃ」

卯月「……はい」

杏「まーでもかなり不快に思ったんじゃない? 杏、ああいうのかなりヤだ。物まねってなんかね。杏も目の前で巨乳の歌なんて歌われたら……」

みく「杏チャン!」

杏「た、ただの意見じゃないか……なにも怒らなくたって……鬱だ寝よう」

卯月「…………」

みく「卯月チャン、あんまり気にしちゃダメだからね?」

卯月「はい……」

みく「気晴らしに歌うにゃ! いっくよー! みくの歌を聞っくにゃー!」

杏「…………ハァ──」

???「次だれー!?」

美優「仁奈ちゃん、どうする?」

仁奈「美優おねーさんいっしょに歌うですよ!」

美優「私はちょっと遠慮しておこうかしら……ごめんなさい」

??「私と歌う?」

仁奈「仁奈と歌ってくれるですか!? うれしいでごぜーます!」

?「ちょっと、私のカチューシャどこよ!?」

???「フハハハハそれならここなのだ!」

?「あっ、ちょっとアンタ!」

???「はい返す」

?「あら、今日は案外素直なのね。そうそうこれこれ。いや~髪の毛ジャマなときあるのよね。だからそんなときはこうしてハゲのカツラを被って……ってなによこれ!」

???「出た、でこりんのノリツッコミ!!」

デコリン「ちょっと! 誰がデコリンよ!」

???「ウワーンデコリンがイジメルよ~助けてねーちゃーん」

デコリン「歌ってる邪魔しない!」

???「ヘヘーンだ。こっちにはこれがあるもんね!」
薫「?」

デコリン「なっ、アンタ人質取るなんて最低よ!」

???「勝てればよかろうなのだぁ→!」

デコリン「正々堂々勝負しなさい!」

???「オデコという凶器を持ってるでこりんに言われたくないやい!」

デコリン「そうやって他人を巻き込むのやめなさい!」

???「モノクロに犠牲はつきものなのだよ!」

デコリン「それをいうなら物事に犠牲はつきものよ! いい加減日本語覚えなさいよ!」

???「ガッデム!」

デコリン「きぃー!!」

美優「……元気ねぇ」

?「いつもあんな感じですから。迷惑だったらごめんなさい」

美優「あ、いえ……」

仁奈「おねーさんお歌がうめーです!」

?「あらぁ、ありがとう」

仁奈「薫ちゃんも歌うですよ!」

薫「うん! でこりんお姉ちゃんもいっしょに、ね!」

デコリン「ちょっとまっ、もう! 一曲だけだから!」

???「ツンドラですなぁ」

デコリン「それをいうならツンデレよ! 誰がツンデレよ!」

???「二回攻撃だとぉー!?」

美優「…………」

???「あ、美優姉ちゃん。あり? 浅図姉ちゃんどこ?」

美優「ウーロン茶を飲みすぎたみたいで」

???「あー……帰ってこれるといいなぁ」

美優「え?」

???「世の中にはね、ワープ機能をつけた人がいるのだよチミ」

美優「道に迷うのは知ってるけどまさか……この距離よ?」

???「ちっちっちっ、甘いですぜ姐さん。トピア船橋より甘々ですぜ」

美優「本当に?」

???「ゲップを飲んだらコーラが出るくらい確実ですぜ。あり、甲羅を飲んだらゲップだっけ? あれれ? まぁ、とにかくこのエージェント177の言うことに間違いはない!」

美優「エージェント177?」

177「そう! まだ夜に活動できないけどエージェントだもんね!」

美優「かっこいいわね」

177「ここであったも何かの縁。情報屋に任命してあげよ→! あ、これシールね。それとこれ」

美優「コルク?」

177「うん。この前のチョーホー活動の成果」

美優「どんな活動したの?」

177「机の上に棒状ヌーボー?ってのが置いてあったから取ってきた。ぶっちゃけ浅図お姉ちゃんのだけどね」

美優「それっていいのかしら」

177「身内のものでも手にかけなければいけない。エージェントの辛いとこだからちかたないね」

浅図「へぇ、そうだったの。気が付かなかったわぁ」

177「背後を取るなんてやるね……いつからそこに?」

浅図「それよりエージェントの活躍が聞きたいわ♪」

177「ご……ごめんなさぁぁぁぁぁい!」

浅図「逃がさないわぁ♪」

美優「…………」

金田「全くもって騒がしい限りです。食事というものは救われてなければいけません。豊かで静寂で……」

仁奈「デコリンおねーさんもキグルミ着るですよ!」

デコリン「ちょっとなんで私まで!?」

仁奈「ヨロイの気持ちになるですよ!」

デコリン「動物じゃないの!? そもそもなによこのキグルミ!」

金田「面妖な」

デコリン「アンタいつからいたのよ」

金田「そんなことは些細なこと。今重要なのはチョリソーをどう食すかです。困ったことにわたくしは辛味が苦手なのです」

デコリン「だったらなんで頼んだの!?」

金田「わたくしを呼んでいたのです!」

デコリン「力説されてもわかんないわよ!」

金田「なんと!」

デコリン「ていうか人前なんだからしっかりしてちょうだい!」

金田「動かざること山の如し」

デコリン「ぶれなさすぎよ。迷惑かけててごめんなさい」

美優「いいの。たまにはこういう賑やかなのも楽しいもの」

デコリン「……これよ」

美優「はい?」

デコリン「これが普通の反応! 大人の対応よ!」

金田「ところで要の姿が見えないのですが」

デコリン「要? あぁ、それならもう帰ったわよ。珍しく行き場所言ってなかったんだけどたぶん事務所よ。何かようだったの? 私でよければ伝えるけど?」

金田「いえ、直接伺いたかったのですがそれではしかたありません。それではわたくしはこれで……」

デコリン「もう帰るの? もうちょっとゆっくりしていってもいいじゃない」

金田「炊きたてがわたくしを呼んでいます」

デコリン「……もう好きにして──」



金田「

薫「スー……」

仁奈「ンスー……」

浅図「よかった。気持ち良さそうに寝てる」

美優「ごめんなさい。仁奈ちゃんの世話押し付けてしまって……」

浅図「ううん、いいんです。こういうときはお互い様っていいますし」

美優「…………」

浅図「…………」

金田「スゥ……」
デコリン「……ンン……ッ」
177「ついに……オデ……でソ……ラ……電」

浅図「…………」

美優「…………」

浅図「…………」

美優「…………」

浅図「…………」

美優「カラオケって……」

浅図「はい?」

美優「騒ぐところなのに静かにもなるんですね」

浅図「なにか歌いましょうか?」

美優「いえ、そういう意味じゃなくて……その、私はあまりこういうところに来ないんであれですが……」

浅図「あ、わかります。私もあまり。友人の愚痴を聞くときくらいしか来ません。歌うとスッキリするらしいです」

美優「…………」

浅図「…………」

美優「今日は……ありがとうございます」

浅図「……はい?」

美優「…………」

浅図「私の方こそ……ありがとうございます」

美優「え?」

浅図「…………」

美優「……仁奈ちゃんたちを見ていると……」

浅図「…………」

美優「…………」

浅図「…………」

美優「やっぱり……やめておきましょう」

浅図「……はい」

美優「…………」

浅図「…………」

美優「膝痛くありませんか?」

浅図「いえ、まったく」

美優「よかったらこちらに」

浅図「いいんですか? ではお言葉に甘えて……えいっ」

美優「あの……仁奈ちゃんを……」

浅図「あらぁ~?」

美優「……いえ、このままでいいです」

浅図「あら~」

美優「…………」

浅図「仁奈ちゃん、離さないんです」

美優「え?」

浅図「…………」

美優「あ……」

浅図「…………」

美優「…………」

浅図「…………」

美優「時間が来たら起こすわ」

浅図「……えぇ──」

177「こんな感じのおしゃべりしてるかも!」

デコリン「大人すぎない? してても単なる世間話よ」

177「えーつまんなーい」

デコリン「つまんないって……」

金田「…………」

デコリン「神妙な面持ちでいるところ悪いけどあんたは食べるのやめなさい」

金田「なんふぉ……!」

美優「あはは……」

浅図「あらぁ~」

デコリン「見なさいよあの呆れ顔」

177「あらぁ~」

デコリン「はい、そこモノマネしない。口動かす前に手動かしなさい」

177「片付けとか店員さんに頼めばいーじゃん」

金田「立つ鳥跡を濁さず。立ち去った跡も美しくありたいものです」

177「金田ちんがそう言うならちかたないね」

デコリン「納得いかない!」

仁奈「物の気持ちになるですよ!」

薫「リモコン3つ!」

デコリン「3つ? ひとつ多くない?」

177「ヒーヒヒーフヒヒー♪」

デコリン「鳴ってないわよ。さぁ、白状しなさい」

177「つ、つい出来心でぇ! 隣から拝借しやした!」

デコリン「戻してきなさい!」

177「へ、へいオヤビン!」

デコリン「まったく……隣が使ってなくてよかった」

金田「…………」

浅図「ところで途中からいたけどどこから来たの?」

金田「とっぷしーくれっとでございます」

浅図「あらそう。それは残念」

デコリン「モノマネしながら入ってかない!」

仁奈「おねーさんおねーさん。これはどこにおきやがりますか」

デコリン「それはテーブルのバスケットに置いときなさい」

仁奈「わかりましたですよ! それでバスケットってなんでごぜーます?」

デコリン「そこのカゴのこと」

仁奈「わかりましたですよ!」

デコリン「さて……こんなもんね。さ、行きましょ」

薫「…………」

美優「どうしたの?」

薫「今日はありがとう!」

浅図「あら?」

薫「お姉ちゃんもありがとう!」

デコリン「…………」

薫「?」

浅図「お礼を言われて驚いてるだけよ。心配しないで」

デコリン「……当たり前のことよ」

177「ツンドラですなぁ」

仁奈「ペンギンの気持ちになるですか?」

177「んあ?」

デコリン「楽しかった?」

薫「うん!」

デコリン「そ。ならよかったわ」

177「おやおや~? 照れてますな」

デコリン「ここは私が出そうと思ったけどあんただけ会計別ね」

177「そ、そんなぁ! それはねえですぜデコの親分!」

デコリン「もう許さん」

浅図「行きましょう仁奈ちゃん」

仁奈「おねーさんは甘いにおいがするです」

美優「そういえばそうね。果物?」

浅図「たぶんワインのことね。あ、そういえば」

177「ヒッ! 藪っ蚊!」

デコリン「それをいうならやぶ蛇よ」

浅図「あとで……ね?」

177「終わった……」

デコリン「骨くらいは拾ってあげるわよ」

177「たすけて!」

デコリン「や」

177「薄情ものぉ~!」

金田「わたくしはこれにて。わたくしの分はこれで」

デコリン「あら、払うからいいのに」

金田「自分の分は自分で。故郷の教えです」

デコリン「そう。なら遠慮なく受け取っておくわ」

仁奈「会計にゴーでごぜーます!」

177「オー!」

浅図「オー♪」

薫「おー♪」

美優「お、おー……」

デコリン「もう──」

卯月「ハァ……」

みく「おはよー……あれ? 卯月ちゃんどうしたの」

卯月「結局戻ってきませんでした……」

みく「あぁ、金田ちゃんのこと? 気にしなくていいと思う。向こうもプロだし、親睦会っていっても休日の遊びみたいなものだったし大丈夫だよ」

卯月「でも……」

みく「ほらほらいつまでも落ち込んでないでシャキッとする。落ち込んでたらプロデューサーが心配するよ。ただでさえ捕まってたのに帰ってきてこれじゃ心配するよ。だから、ね?」

卯月「みくちゃん……はい! 私、がんばります!」

みく「うんうんその調子にゃ。それじゃみくもお仕事モードに……っと」

蘭子「煩わしい小娘達よ!」

みく「あ、蘭子チャンおはようにゃー」

蘭子「我の為に踊るがよい! ンナァーハッハッハッ!」

卯月「今日は元気ですね」

杏「この前のが抜けてないんじゃない?」

卯月「杏ちゃん、いつの間に……」

みく「おはようにゃー」

杏「ン。ふあっ……フアァァ~おやすみー」

みく「って早速寝るんかい!」

杏「よっと」

みく「あいたっ!」

杏「いつまでも同じ手を食らう私ではないのだ」

みく「ソファーを盾にするなんて……結構やるにゃ」

蘭子「ムッ……!」

みく「どうしたにゃ?」

蘭子「我が同胞来たれり!」

みく「プロデューサー? 今日は早いにゃ。ちょっと出てくるにゃ」

卯月「あっ、私が……」

みく「いいっていいって。卯月チャン会いにくいでしょ? プロデューサーとは変に接触しない方がいいにゃ。卯月チャンが不安そうにしてるとプロデューサーまで心配しちゃうから。卯月チャンもイヤでしょ?」

卯月「……はい」

みく「そんなわけで見てくるから待ってるにゃ」

杏「その後、みくの姿を見たものは……誰もいない……」

みく「縁起でもないこと言うにゃあ!」

杏「隣ガタガタし始めたから確実にいるね。ほら、行ってきなって」

みく「ぐぬぬ……あとで覚えてるにゃ!」

杏「覚えてたらねー」

卯月「…………」

杏「あー……めんどい」

みく『おはようにゃプロデューサー』

蘭子「漂う目と耳!」

杏「丸聞こえだねぇ。うるさくて眠れないよー」

みく『えっ? ウソ……なんでいきなり……わかったにゃ。みんなに伝えてくるにゃ』

卯月「どうしたんでしょう?」

杏「杏に聞かれてもねー」

みく「み、みんな大変にゃ!」

杏「噂をすれば」

卯月「ど、どうしたんですか!? まさか……!」

みく「そうにゃ!」

卯月「わ、わわわ、わた、私なんて言い訳すればぁ~!」

蘭子「えっ? えっ?」

杏「ねぇ、なにが問題なの? 杏、よくわかんないんだけど」

みく「身体測定にゃ!」

卯月「え? どういうことですか!?」

みく「なんでも『みなさんは成長期です。なのですぐに服のサイズも変わるかと思います。ですので今のうちに計測し直しておけば、後々困らないのではないかと……』って言われたにゃ!」

卯月「カラオケのことじゃないんだ……よかった」

杏「それだけならよくない?」

みく「だ、ダメにゃ! 最近太っちゃって、1キロ増えたにゃ! とにかく、これから抜き打ちで計測するっぽいにゃ!」

杏「ふ~ん」

蘭子「ウッ……」

みく「なんなんにゃ杏チャンの余裕は!?」

杏「杏は毎日規則的でしっかりした生活してるから問題ないけどね」

みく「ただだらしないだけでしょ!」

杏「なにをぅ!」

卯月「まあまあ二人とも。ケンカは駄目ですよ。落ち着きましょう。ね?」

みく「みくは怒ってないにゃ。みくを怒らせたら大したものにゃ」

卯月「と、とにかく今からやるみたいですし。用意しましょう」

蘭子「うぅ……」

卯月「蘭子ちゃんも移動しましょう」

蘭子「……うん」

卯月「えっと、更衣室は……あっちでしたよね」

みく「あっちじゃなくてこっちにゃ。まだ道覚えてないの?」

卯月「ここ広くて……」

みく「仮にも自分が生活してるところの一部なんだから覚えなきゃダメにゃ」

杏「私なんて一日で覚えたぞ」

みく「それはソファーの下でしょ!」

杏「あ、そっか」

蘭子「…………」

卯月「計測って緊張しますよね」

蘭子「あ……う、うむ」

みく「…………」

杏「あれ~?」

みく「どうしたにゃ。いきなり立ち止まると危ないにゃ」

杏「更衣室の前にいるのって……」

みく「あれ、プロデューサーにゃ。なにしてるんだろ」

杏「杏を捜しに来たに違いない」

みく「またなんかやったにゃ」

杏「私は悪くないぞ。ただ仕事の日付を一日間違えただけだ!」

みく「それ大問題にゃ!」

杏「あれ、でもよく考えてみればあのプロデューサーは関係ない仕事だったような……」

みく「ならなんでここにいるにゃ」

杏「そんなの私が知るか」

みく「とにかくみくが引き付けるからその間に更衣室に入るにゃ。今からお仕事だからって言えば問題なく退いてくれるにゃ」

蘭子「我等の心に永遠に刻み込まれるであろう!」

みく「えっ、ひどくない?」

卯月「?」

みく「とにかくいってくるにゃ!」

杏「──ハァ」

卯月「ため息ついてどうしたんですか?」

杏「こうして私の悩みは増えるのだ」

卯月「プロデューサー、誰に用事だったんでしょう」

杏「さぁね。誰に用事でもうまくフォローしてくれてるよ。それにそんなに気になるなら後で聞けばいいと思う」

卯月「ところで私たちは何をすれば……」

杏「さぁね。それを知ってる人は今は外で応戦中だし。来るまで待つしかない」

蘭子「…………」

みく「おったませー!」

杏「気にすんな。私も今起きたところだ」

みく「って、寝てたんかい!」

杏「それでなんだったの?」

みく「実は更衣室じゃなくて衣装部屋直行だったらしいにゃ」

杏「その事できたの?」

みく「うん」

杏「ゲェー、また移動すんの」

みく「がんばって歩くにゃ。はい、右左右左にゃ──」

みく「そんなこんなで衣装部屋に着いたにゃ」

杏「私はもうダメだ……あとをたの……ぐふっ」

みく「杏チャン起きるにゃ!」

卯月「あれ?」

みく「どうしたにゃ?」
杏「離せ……! 杏は面倒なんだ。アイドルはもう飽きたんだ!」

卯月「あそこにいるのって……」

みく「美穂チャンにゃ。美穂チャンもここに用事なのかにゃ?」

美穂「うぅ……」

卯月「どうしたんでしょう?」

みく「ちょっと聞いてみるにゃ。美穂チャンどうしたにゃ?」

美穂「えっと、あなたは?」

みく「前川みくにゃ!」

卯月「し、し島村卯月です!」

美穂「小日向美穂です。初めましてよろしくお願いします」

みく「ここで何してたにゃ?」

美穂「身体測定です」

みく「こんなところで?」

美穂「服を着て測るんです」

みく「え?」

美穂「実寸に勝る計測なしだとか」

杏「うえ~めんどくさ……」

みく「マジ?」

美穂「うん……」

杏「まぁいいや。ちゃっちゃと測ろう」

みく「……こうなったらやるにゃ!」

蘭子「わ、我覚悟完了!」

杏「んじゃ杏からね──」

みく「あとは卯月チャンだけにゃ」

卯月「私は3着ですね。島村卯月がんばります!」

みく「がんばるにゃ! みくは応援してるにゃ!」

卯月「いきます! えビリッ」

みく「今の音どうしたにゃ?」

卯月「いえ、なんでもありません」

みく「じゃあなんで衣装隠してるにゃ」

卯月「うぅ……」

杏「……破けたね」

卯月「い、衣装が疲れてただけですよ! つ、次は大丈夫です!」

みく「そうにゃね。たまたまにゃ、たまたま。ちなみにどこが破け……」

卯月「ほ、ほら! これは大丈夫です!」

みく「ホントにゃ。疑ってごめんにゃ」

卯月「い、いえ……それじゃこれは脱いで次に……」

杏「……それお尻の部分伸びてない?」

卯月「え、そんなことは……ッ!」

みく「ウワッ、ホントにゃ」

卯月「き、生地が疲れてたんですよ……結構その服で踊りましたから」

みく「それもそうにゃね。それじゃ最後いってみるにゃ」

卯月「は、はい……よいしょっと」

みく「おっ、今度は大丈夫そうにゃ」

卯月「は……はい」

杏「大丈夫そうだね」

卯月「それじゃブツッあこれでおブッわりですね……」

みく「お疲れにゃ!」

卯月「はい! お疲れさブツンッま……え?」

みく「あれ、それ後ろにスリット入ってたにゃ? それとボタンなんてついて……あ」

蘭子「融錠破岩……!!」

卯月「あ、あのこれは……!」

みく「だ、大丈夫にゃ。ねっ、杏チャン!」

杏「早々にダイエット決行。降りー立ーつ堕天使ぃー……」

みく「ブフッ! ちょ、なに歌ってるにゃ!」

卯月「う、うぅ……」

みく「あ、これはその卯月チャンを笑ったんじゃなくて……!」

美穂「終わりました?」

卯月「あ、あの!」

美穂「あ、終わったみた……い」

卯月「ち、違うんです! これは……!」

美穂「う、うん」

卯月「だからこの事は!」

美穂「えっと……一応記録係としてキチンと報告しなきゃダメだし、その……ご、ごめんね」

卯月「そ、そんなぁ……! そこをなんとか!」

みく「なんか卯月チャンっぽくない慌てようだにゃ……」

美穂「いたっ……!」

卯月「えっ、あ、ごめんなさい。そんな強くやったつもりは……!」

美穂「ううん、いいよ……平気。少し腰痛めてるだけだから……気にしないで」

卯月「ごめんなさい……」

美穂「ううん、こっちこそごめんね。でもこの結果はちゃんと報告する。ごめんね」

卯月「そ、そんなぁ……」

みく「みくも嘘偽りなく報告した方がイイと思う。ごまかしてもどこかで狂っちゃうもん。それに卯月チャンならすぐ入るようになるよ」

卯月「うッ、ウゥ……」

杏「私なら極力動きたくないから早く痩せるなぁ」

みく「みくもいっぱいレッスンしなきゃいけないから一緒にがんばろう!」

卯月「みくちゃん……杏ちゃん…………うんっ! 島村卯月、ガンバリます!」

みく「その息にゃ!」

美穂「えっと、それじゃ私は報告にいってくるね──」

卯月「ウゥ、案の定呼び出しです……」

みく「元気だして。みくがついてるにゃ」

卯月「はぁ~……」

みく「ほら、いってくるにゃ! 心配しちゃうよ」

卯月「はい……」

みく「…………なんであんなに落ち込んでるにゃ」

杏「さあね。杏知らなーい」

みく「…………」

杏「それより聞き耳たてるのやめたら? 興味津々じゃん」

みく「ネコとしての好奇心が疼くにゃ」

蘭子「流布は風の如く!」

杏「私は知らないぞー」

みく「杏ちゃんは興味ないの?」

杏「壁に耳当てるなんてめんどい」

みく「それじゃいいにゃ。みくたちだけで聞くから。ねー、蘭子ちゃん」

蘭子「壁に耳あり、そこに我あり」

みく「あ、聞こえた来たにゃ」

杏「聞こえた来たって何? 興奮しすぎ。杏はクールに過ごす」

みく「声が低いから壁に響くにゃ。こういうときは低い声っていいよね。普段は怖いけど」

蘭子「うむ」

杏「プロデューサーも律儀だよね~。わざわざイスを立つなんて」

みく「プロデューサーらしいにゃ。ん?」

杏「…………」

みく「杏ちゃ……」

杏「聞きそびれるよ」

みく「あ、うん。そうだったにゃ」

卯月「失礼します」

PP「どうぞ……」

卯月「こんにちは……」

PP「どうぞお掛けください」

卯月「あ、いえこのままでいいで……それで私に用事ってなんですか?」

PP「はい。大変申し上げにくいのですが……今日から……ダイエットを……してもらうことになりました」

卯月「……はい」

PP「あ……といっても……特別なにかをするというわけではなく……いつも通りのメニューに……少しだけ手を加えたものを……ということですので」

卯月「わかりました。島村卯月、ガンバリます!」

PP「はい。頑張ってください……」

卯月「それじゃあ私はこれで」

PP「あ……島村さん」

卯月「はい?」

PP「その……自分でよければ話してください……」

卯月「え?」

PP「力に……なりますので……」

卯月「えっと……」

PP「最近……元気がないので……なにかあったのでは……と思いまして」

卯月「…………」

PP「話しにくことなら……無理にとは言いませんので……」

卯月「実は……」

PP「……そこにお座りください」

卯月「あ、はい……」

みく「あれ、これヤバくない?」

蘭子「運命はかくも扉を叩く……!」

杏「どうだろうね。この前の事言うとは思えないけど」

みく「でもああ見えて卯月チャン、計りきれないところあるから心配にゃ」

杏「仮にバレてもただの遊びだったし、あのプロデューサーの事だから『気にしないでください……』か『わかりました……あとはこちらに任せてください……』って言うくらいだよ」

みく「そうかもしれないけど……ん?」

蘭子「ムッ風の囁き……!」

卯月「…………」

PP「……ゆっくりで……構いません……」

卯月「…………」

PP「……やはり話しづらいとのことでしたら……また後日ということで……」

卯月「……あの」

PP「はい……?」

卯月「実は私……!」

PP「島村さん……落ち着いてください……」

卯月「あ……すみません……」

PP「いえ……」

卯月「……やっぱり言います! 実は……ブッ! ブボッ! ブボボブリュブボッブ! ビップボッ……スゥー……」

PP「ッ!!」

卯月「……エッ?」

PP「し、失礼……!!」

卯月「え? あの……」

PP「じ、自分は……なにも聞いてませんので……失礼!」

卯月「あの、ちょっと、ち、違うんですよー! プロデューサーさーん!」

みく「せ、盛大にこいたにゃ!」

蘭子「衆愚の雄叫び……!」

杏「うわぁ、すごい音」

みく「壁に耳を当ててたと思ったら、壁がしゃべったにゃ……」

杏「でさ」

みく「にゃ?」

杏「帰ってきたら誰が先陣斬る? もちろん杏はいつも通り不参加で」

みく「えっ? みくもヤダにゃ」

蘭子「魔王は座して待つのみ! ンナーハッハッハッ!」

杏「こりゃ一番しっかりしてる人がやるしかないね」

みく「杏ちゃん一番年上にゃ!」

杏「杏ちゃんってだれ? ヒナだお!」

みく「シャラーップ! こうなったら…………スタコラサッサにゃ!」

杏「あっ! ずるいぞぉ!」

みく「そんなダバダバ走りに追い付かれるみくじゃないにゃ!」

杏「待てー……!」

蘭子「え、あ……待ってぇ~」

??「あらぁ~プロデューサーさん。お疲れ様~」

P「どうも」

??「こんにちはぁ~。みう」

P「相変わらず上手だね」

??「チッ、バリたかッ! だが今日はそれだけじゃなぁ~い!」

P「…………」

??「フハハハ、これでわかるまい!」

P「何て呼べばいい?」

??「えっと~真ん中結びだから……あま……いやそのままだから……イママ。イママと呼びたまえ」

P「それでどうだった?」

イママ「フッフッフー、私にかかれば電ノコサイサイだよ」

P「うまくいったのか」

イママ「まねん。それにしても楽しかったよ、ストーキングミッション」

P「楽しんでもらえて何よりだ」

イママ「社会科見学に扮して潜入。まるでスパイだね!」

P「潜入したのは昼間だけどね」

イママ「エージェント昼も行く!」

P「キチンと道具は回収した?」

イママ「もろちんだよ~。抜かりなく回収したよ。イタズラは後片付けも重要なジャンクションだもん!」

P「あのクッションは使った?」

イママ「アキバクッションのこと? 使わないわけないじゃ~ん。それより、ン」

P「その手は?」

イママ「報酬だよちみぃ。私もボランティアでやってるわけではないのでねぇ」

P「はい、これ。約束のだよ」

イママ「やりぃ~! これ前からほしかったんだよー。最近はゲーム出来なかったから禁断症状でさー」

P「そう」

イママ「んっふっふー、主も悪よのぉ」

P「正当な報酬を渡したつもりだが……正当ではないと言うなら返してもらう。不正はいけないからな」

イママ「マジ天使! それじゃまたなんかあったら呼んでねー! あ、それと薫ちゃんによろー!」

P「何かのおりには遊んであげて」

イママ「オレの手から離れて寂しいぜぇ~なんてね! またなんかあったら気兼ねなく来ていいからっていっといてねー!」

P「気兼ねなく行くところでもないと思うけど」

イママ「あ、それもそうか。まっ、細かいことは置いといて……それじゃあねーん!」

P「お疲れ様」

P「…………」

???「…………」

P「蛙の着ぐるみは目立つ」

???「けろっぱ」

P「ここで何を?」

???「なんの事でしょう。わたくしはただのカエル。鳴く時間になったので帰路の途中ですが?」

P「蛙の寄り道ですか」

蛙「虫に圭と書いてカエル。わたくしは与えられた家に帰るのみです。そこまでの道程にここを通った。それだけの事です」

P「蛙が越えるにはちょうどいい大きさの山ですね」

蛙「ゴージャスセレブプリンもいいのですが、ここ洋菓子堂浦木の焼き菓子は真に美味しいものです。ただ……」

P「ただ?」

蛙「きゃろっとケーキなるものは置いてないのです。少し興味があったのですが残念です……」

P「最近はそれに凝ってるんですか?」

蛙「とある友人がケーキを焼いてきたことがあったのでその時に食べたのですが、存外に野菜と言うのも甘味に使えるのだと感銘を受けました」

P「白菜のケーキもあるらしいですよ」

蛙「なんと!」

P「それでは私はこれで」

蛙「もし」

P「なにか?」

蛙「ここのところ…………いえ、なんでもありません」

P「そうですか。それじゃ……」

蛙「わたくしも帰りましょう。ケロッパ……」

P「──ただいま」

薫「あ、せんせぇお帰り!」

仁奈「どこいってやがりました」

P「人に会ってた。ところでお父さんとはどうだった」

仁奈「いーっぱい話せたでごぜーます!」

薫「仁奈ちゃんうれしそうだった!」

まゆ「お帰りなさぁい♪」

小梅「あ、お……お帰り」

まゆ「お夕飯出来てるから食べましょう」

薫「今日は薫が作ったの!」

仁奈「仁奈も手伝ったでごぜーますよ! ペチペチしましたですよ!」

小梅「あ……えと……お、お箸出した……」

P「ありがとう」

まゆ「買い物は私がしました」

P「ありがとう。ところで小日向さんとクラリスさんはどうしてる」

まゆ「クラリスさんがお風呂にいれて、今は部屋で休んでいます。クラリスさんは昨日に引き続き新しい部屋の準備です」

P「わかった。ありがとう」

仁奈「冷めねえうちに食べるですよ!」

小梅「あ……そうだ……」

P「どうした」

まゆ「あ、そういえば言おうって言ってたわね」

小梅「えっと……お、お風呂にする? 食堂にする? それとも……」

まゆ「た・た・み?」

P「食堂」

まゆ「あら、予想が外れちゃった」

小梅「フフ……勝った」

まゆ「次は負けないわ、小梅ちゃん」

仁奈「早く食べるですよ! 仁奈のお腹と背中がくっつきそうですよ!」

P「それじゃ食べよう──」

薫「あっ!」

小梅「……という間に……」

仁奈「お風呂気持ちよかったです!」

薫「せんせぇと一緒に入ったらもっと気持ちよかったのに。ねー?」

小梅「私じゃ……嫌、だった?」

薫「ううん、そんなことないよ。小梅ちゃんの洗い方気持ちよかったもん!」

小梅「そう……よかった……フフ」

仁奈「リビングでアニメみるですよ!」

小梅「あ……ホラー……は?」

仁奈「寝れなくなるからやでごぜーます!」

小梅「だよね……ごめん」

まゆ「時間が時間だから一時間で寝なさい。わかった?」

薫「うん!」

小梅「うん……首なしライダー……観よ……」

仁奈「仁奈の耳はかれいにスルーするですよ。こえーのは勘弁でごぜーます」

薫「行こ!」

まゆ「それではまゆたちは寝ましょう」

P「そうだな」

まゆ「あ」

P「何か思い出したのか?」

まゆ「お風呂でします? キッチンでします? それとも……お・部・屋?」

P「自分の部屋で寝る」

まゆ「それじゃあ間をとってまゆの部屋にしましょう。話したいこともありますし」

P「明日からの事もあるな」

まゆ「そうそう。それも決めましょう♪」

P「それで……これはなんだ?」

まゆ「何って、まゆのベッドですけど?」

P「枕の事をいってる」

まゆ「二人分の頭を置ける大きさはありますよ?」

P「でかでかとYESと書いてある枕なんてどこから持ってきた」

まゆ「あそこからに決まってるじゃないですか。まゆとPさんの愛の巣からですよ♪」

P「なにか思うところでも?」

まゆ「それは追々。今は明日からのことについて話し合いましょう。明日からどうします? 今回、まゆはあまり手を貸せなかったので少しだけ歯痒いですので、やる気は満ちてます!」

P「やることやってくれているので助かってる」

まゆ「薫ちゃんたちの世話は当然のことですから。それよりどうします明日から」

P「>>268層に>>270


>>268
ジュニア(12歳まで)かティーン(13歳から19歳まで)かアダルト(20歳以上)かをお願いします

>>270
復讐か救済かをお願いします。復讐の場合は軽くか徹底的か

それ以外は安価下

ティーン

救済

P「ティーン層に救済」

まゆ「まるで慈善事業みたい」

P「慈善事業だったらどんなにいいことか」

まゆ「それで具体的には誰なんですか?」

P「>>273



>>273
モバマスのティーン(13歳から19歳まで)アイドルをお願いします

それ以外及び連取は安価下

ぼのの

P「森久保乃々」

まゆ「森久保乃々? 森久保……森久保……あ、ぼののちゃん」

P「そんな愛称だったな。非公式の」

まゆ「愛称ってそんなものですよ」

P「そうだな」

まゆ「ののちゃんが増えるってことは業務用机でも用意します?」

P「普通の机でいい」

まゆ「収まりのいいのは……」

P「さて……」

まゆ「あ、プロフィールのお復習ですね♪」

P「あぁ」

まゆ「ここに胡座かいてください♪」

P「別にベッドでやらなくてもいいだろう」

まゆ「ちんちんかいてください」

P「方言でいっても変わらない」

まゆ「何か悩んでます?」

P「プロフィールがややこしくてね」

まゆ「ややこしい?」

P「応募したのが親戚だから少し違うところがあるんだ」

まゆ「そういうのって読者モデルでもままあることですが、やっぱりアイドルでも結構あるんですか?」

P「珍しくないくらいには。よし、これだ」

まゆ「頭の中に女の子のプロフィールが入ってるって、考えたら結構危ないですよねぇ」

P「仕事柄仕方なかった」

まゆ「中でも特にお気に入りがぁ~?」

P「君だね」

まゆ「ぃや~ん。んもぅ恥ずかしい!」

P「痛い。さて、始めるか。森久保乃々、8月27日生まれの14歳。身長149cm、体重38kg。体脂肪率は17.12。スリーサイズは73・55・76」

まゆ「一部の人に人気でそうですよね」

P「クールというよりネガティブで暗いといった印象を持つね。続ける。星座は乙女座。血液型はAB型。左利き。出身地は神奈川県」

まゆ「特筆するところは?」

P「特にない。あるとすれば趣味であるポエム作りと少女漫画集めだ」

まゆ「ポエムなんてお年頃ですねぇ。ちょっと可愛いですね」

P「年頃の普通の女の子だからね」

まゆ「私も普通の女の子ですよ?」

P「普通の女の子はオレみたいな人と部屋を共にしない」

まゆ「不思議ですねぇ」

P「担当プロデューサーとはどうだ?」

まゆ「問題なく"まゆ"ですよぉ」

P「それなら安心だ」

まゆ「ちょっとだけ欲求不満ですけど」

P「具体的には?」

まゆ「これだとは言えませんがなんというか……スピリチュアル?」

P「少女漫画みたいだな」

まゆ「少女漫画というか……レディコミ?」

P「昼ドラ」

まゆ「そこまではいってませんよぉ。あ、そういえば歌鈴ちゃんはいつここに来るんですか?」

P「このまま行けば二日後の予定だそうだ」

まゆ「歌鈴ちゃんが来たら儀式でもします?」

P「なんの儀式だ」

まゆ「Pさんのお祓い棒で抜き抜きと」

P「弊に語弊があるぞ」

まゆ「家族になるため濡らします」

P「もういい」

まゆ「話は変わりますけど歌鈴ちゃんってアニメとか嫌いなんですか? 嫌いなら奈緒ちゃんに言っておかなきゃ」

P「特にそんな感情はない。重度すぎるのを目の前にしたらひくくらいだ。節度さえあれば問題ない」

まゆ「そうですか」

P「それと巫女はシスターが懺悔を聞けないように、幣を振らない。振れないが正しいか。女性で振ることができるのは女性神職だけ」

まゆ「Pさんの幣を振れ……抜き抜き出来るのは家族だけ♪」

P「やはり語弊がある」

まゆ「こんな私を見捨てないのもPさんだけです」

P「担当プロデューサーも見捨てないだろう」

まゆ「私って意外と幸せ者?」

P「どうだろうね」

まゆ「あなたらしい返答」

小梅『Pさん……』

まゆ「あら、小梅ちゃんからご指名ですよ?」

P「どうしたんだろうか」

まゆ「開けてあげたらどうですか?」

P「今開ける」

小梅「あ……えっと……こ……こんばんは……」

P「どうした」

小梅「あ、えっと……ね……えっと…………薫ちゃんが……寝付けなくて……わ、私もがんばってみた……けど……ダメだった……」

薫「せんせぇ……」

P「寝付けないっていってたがどうした?」

薫「わかんない。けど寝れない……」

仁奈「仁奈羊でもダメでごぜーました」

小梅「あ……それにお昼寝……出来なかった……から……」

薫「せんせぇ……」

仁奈「観念しやがれですよ!」

小梅「と、突撃ぃ~……」

P「ウゥップ……」

まゆ「仰向けに押し倒しちゃって……大胆」

仁奈「参ったでごぜーますか!?」

小梅「み、右仁奈……左……薫ちゃんからは逃れられない……そして私は…………真ん中」

まゆ「そして薫ちゃんの隣にまゆが添えられればもう完璧♪」

仁奈「あきらめて寝やがるですよ」

P「上に乗られてると寝られない」

仁奈「そんなこともあろうかとジョーホーを仕入れたですよ」

まゆ「情報?」

仁奈「こうやってほっぺたをくっ付けると……ほーでほざいまふ」

薫「ン~……」

P「誰から仕入れた」

仁奈「寝れないときは肌と肌が触れあうとよく寝れるってみちるおねーさんが言ってたですよ!」

P「なるほど。わかった」

薫「せんせぇ……」

P「カラオケ、楽しかった?」

薫「うん……おねーさん……やさしかった」

P「そうか」

仁奈「美優おねーさんが増えたみたいで楽しかったですよ」

P「三船さんに言ったら喜ぶよ」

仁奈「最近美優おねーさん見ねーですよ」

P「忙しいからね。でも会えたら言いなよ」

仁奈「うん!」

薫「せんせぇ~……ねむい……」

P「寝な」

薫「うん~……」

仁奈「仁奈の腰もポンポンするですよ」

まゆ「それじゃあまゆと小梅ちゃんはPさんのお腹をポンポンしようかしら♪ さ、小梅ちゃん」

小梅「うん……」

P「これ寝れるかな──」

みく「そんな」

みちる「こんなで」

蘭子「禍々しき太陽の時!」

みく「ふあっ……くあっ、フキャ~ア……眠い」

みちる「おや、あなたも寝不足で?」

みく「昨日の夜宿題に追われてて……久しぶりに忘れてたにゃ。みちるちゃんもそんな口ぶりだったけど何してたの?」

みちる「パン作ってました!」

みく「は?」

みちる「パンを作ってました」

みく「あ、あぁそうかにゃ……寝不足で変な聞き間違いしたにゃ」

みちる「ここに来ないと満足できない、満たされないカラダになってしまって……」

みく「なんだか危ない場所みたいにゃ。蘭子ちゃんは何してたの?」

蘭子「闇の秘術の研究だ!」

みちる「あ~あたしもパンのレシピ考えて夜更かししたことあります」

みく「とりあえず入ろ」

みちる「…………」

みく「どうしたの? 入らないの?」

みちる「心境の変化ですかねぇ」

蘭子「ウ~ム……」

みく「?」

みちる「さぁ、パンのお届け!」

みく「誰か起きてるといいけどにゃあ」

みちる「あたしは突撃しませんよ? 学習しました」

みく「学習機能あったんだ……」

みちる「なにか?」

みく「とりあえず入って起こすにゃ。ガチャッとにゃ」

みちる「それにしても」

蘭子「ン?」

みちる「Pさんを初めて見たときは驚きましたなぁ」

蘭子「ウム」

みく「人は見掛けによらないってことにゃ」

みちる「アイドルやってるあたしたちが言うのもおかしな話ですけどね」

みく「それをいっちゃおしまいにゃ。だから……」

みちる「はい?」

小梅「クゥ……クゥ……」
P「フー……」
仁奈「プーフゥ……プフー」

みく「こうなってても驚かない」

みちる「たしかに。しかしスゴい絵面です」

蘭子「ウム……」

薫「クー……」
まゆ「ン……」

みく「こっちにもおどらかないにゃ」

みちる「ほのかに動揺が見られるような」

蘭子「闇の目覚め!」

みく「ピフピフ鳴るお鍋も慣れたにゃ──」

みく「結局、闇の目覚めじゃ起きなかったから死者の目覚めまでやったにゃね」

みちる「カラタタカラタタピーピーピーって鳴るおもちゃ久しぶりに見ました」

仁奈「おはよーでごぜーます!」

みちる「おはようございます」

仁奈「あ、みちるおねーさん! フゴフゴー」

みちる「フゴフゴー」

みく「挨拶?」

P「起こしてもらってありがとう」

みく「別に大したことしてないにゃ」

小梅「ンクンクンク……ン」


蘭子「…………」


小梅「そんなに離れなくても……いいのに……」


蘭子「ヒッ!」

仁奈「このパンうめーですよ!」

みちる「大原ベーカリーのパンは地域一ぃ!」

薫「せんせぇはおかわりどうするー?」

P「結構」

薫「わかったー」

みちる「小さい頃のあたしを思い出します」

みく「みちるチャンって小さい頃から手伝ってるの?」

みちる「はい。中学に上がってからはさせてもらえなかったですけど」

P「最近はまたさせてもらえるようになったんだって?」

みちる「はい。コレモアナタノオカゲデス」

P「どうも」

仁奈「まゆおねーさんは大丈夫でごぜーます?」

P「たまに朝食を食べない日があるが問題ない」

みく「ご飯は大切にゃ。一日三十品目!」

みちる「そんなパンを作ってみたいです。朝食をひとつにまとめたパン!」

みく「想像しただけで気持ち悪いにゃ」

みちる「まずはベーコンとミルク」

みく「何でそこ用意しちゃったの?」

杏「私は朝食食べない派なんだぞ?」

みちる「あ~そういう人もいますよね」

みく「あぁ、それなら混ぜなくていいにゃ。にゃにゃっ、いつの間に!?」

杏「さっきからいたぞ」

みく「全く気づかなかったにゃ。食べないからなんでいるにゃ。部屋で寝ないの?」

杏「それじゃ私がいつもサボってるだけみたいじゃないか」

まゆ「見てる人は見てるものだから安心して」

みく「あ、まゆちゃん」

まゆ「楽しそうな雰囲気だったからつい来ちゃった♪」

みく「ふ~ん……」

まゆ「好奇心は猫をも殺すわよぉ」

みく「ヒッ、まゆちゃん!」

みちる「フゴフゴ……」

仁奈「フコ?」

みちる「フゴ、フゴゴ。フゴーフ」

仁奈「フココ」

みちる「見てて飽きませんね」

仁奈「みくおねーさんはおもしれーやつです! 仁奈も見習うです!」

みちる「よっ、芸人!」

仁奈「芸人!」

みく「え? え?」

まゆ「いったい猫は何に興味を持ったのかしら」

みく「まだ話続いてた……」

薫「んしょ」

P「お疲れ様」

薫「うん。ちょっと疲れちゃったかな。あ、せんせぇ食べさせて!」

P「はい、どうぞ」

薫「アーン……ちょっとしょっぱいかも」

P「塩の入れすぎじゃないか?」

薫「ココットって難しい。せんせぇも食べてみて。はい、アーン」

P「……たしかに少ししょっぱいな」

仁奈「みちるおねーさんも口開けるですよ!」

みちる「アーン♪」

仁奈「と思ったけどねーでごぜーます」

みちる「そんなぁ!」

みく「みちるちゃん、学校遅れるよ?」

みちる「あ、本当です」

みく「それじゃPちゃん、みくも行ってくるね」

P「行ってらっしゃい」

まゆ「うふ」

みく「ニコニコしてどうしたにゃ?」

まゆ「ううん、なんでもない。あ、それより遅れちゃうわよ?」

みく「あっ!」

仁奈「いってきやがれですよ、みちるおねーさん!」

みちる「いってまいります!

仁奈「あっ! ちょっと待つです! いつものやるですよ!」

みちる「おっと、そうだった」

仁奈「さぁ、幸運の青い鳥をもふるです!」

みちる「ワー!」

仁奈「キャー♪」

みく「まるで姉妹のようだにゃあ……あ、遅れちゃう!」

P「気をつけて。急いでも焦らないでね」

まゆ「相変わらず嵐のようでしたね。さ、まゆたちは後片付けしましょうか」

薫「そだねー!」

まゆ「薫ちゃんは学校。片付けは私達でやっておくから。ね?」

薫「えぇ~、でも今まで家のこと手伝えなかったからやりたい」

まゆ「それまでは充分すぎるほどやってたわ。だから、ね? ですよねPさん」

P「たまにはな。今日はもう時間がないからやっておく。明日からは片付けもやるなら時間を考えて」

薫「……はーい」

仁奈「今日は途中までいっしょに行けるですよ!」

薫「うん……」

仁奈「仁奈とはいきたくねーですか?」

薫「えっ、あ、そーじゃないよ!」

仁奈「?」

薫「あっ、もう時間ない! せんせぇ、まゆちゃんあとお願いしまーす!」

まゆ「はぁい」

P「三船さんに声かけていってね」

まゆ「……行っちゃいましたね」

P「さて、片付けるか」

蘭子「え、あ、あにょ……」

まゆ「なに?」

蘭子「わ、私は……なにしたら……」

まゆ「う~ん、そうねぇ……お皿拭いてもらおうかしら」

蘭子「わ、わかった……」

まゆ「普段通りにしゃべっていいのよ? 最近じゃ少しはわかってきたから」

蘭子「け、検討しておこう……」

まゆ「それにしても」

P「なんだ」

まゆ「あなたが乃々ちゃんを助けるだなんてなんでですか?」

P「そろそろ表面化する時期かと思ってね」

まゆ「表面化?」

P「ここまで巧みにやって来たが周囲が気が付く頃だ。おそらく近々あるかもしれない」

まゆ「あなたにしては珍しく推測ですね」

P「今は片付けに集中しよう。神崎さんが布巾を持って待ってる」

まゆ「はぁーい──」

森久保乃々「…………」

森久保P「どうしたの乃々ちゃん」

乃々「あの……眠いんですけど……」

森久保P「そんなの誰だって同じ同じ。私だって5時間寝てないんだから! そんなことより今日は何の日かわかる?」

乃々「えっと……えっと……」

森久保P「ブー時間切れ! 今日はレッスンの日でしょ。覚えてないの!?」

乃々「……えっと……ハィ……」

森久保P「ダメでしょ。一流のアイドルはスケジュール管理もしっかりしてるのよ? そんなんじゃ一流どころか二流、いや一般の同世代より劣るわ」

乃々「…………」

森久保P「ほらほら、いったいった。トレーナー待ってるから」

乃々「うぅ……」

森久保P「背筋伸ばさないといいことないぞー!」

乃々「…………」

輝子「や、やあ……」

乃々「ヒッ……な、なんですか」

輝子「げ、元気ないな……ど……どうした?」

乃々「別に……」

輝子「アンダー・ザ・デ、デスクフレンド……じゃ、じゃないか……フヒヒ」

乃々「……そ、そういうのめ、迷惑なんですけど……」

輝子「サ、サーセン……」

乃々「じゃ、練習行ってきます……」

輝子「いてらー……」

乃々「…………」

輝子「…………」

小梅「あ、お帰り……」

輝子「ただいま……」

小梅「?」

輝子「ちょっと行ってくる……」

小梅「どこに……?」

輝子「し、親友のとこ……ろ」

小梅「あ、私も……行く」

輝子「ヒーウィゴー、フヒ──」

輝子「や、やぁ親友……」

P「こんばんは。連絡では白坂さんも来るってあったね」

輝子「念のため後から来る……ね……念には念を……フフ」

P「いい心がけだね。それで話って?」

輝子「実は……助けてほしい人が……いる」

P「友達?」

輝子「そうだ……机の下で友情を……育んだ仲」

P「それで様子は?」

輝子「ヤバイ」

P「やばいか」

輝子「目がイってた……」

P「深刻だね」

輝子「ほ、報酬は……弾む」

P「先に聞いておく。何かな?」

輝子「あ、えっと、シイタケクン!を……くわえた写真で……」

P「う~ん」

輝子「それなら……Pさんのシイタケくんを……」

P「それくらい大切なんだね」

輝子「ぅぁ、アイドルになってから……は、初めてのトモダチ……」

P「それは思い入れが強いね」

輝子「だから……」

P「引き受ける」

輝子「び、微力ながら……私も手伝いたい……」

P「頭数に入れておく」

輝子「それじゃ……キノコが呼んでるので……フヒ」

P「英気を養って来て」

輝子「湿度とジメジメだけがトーモダチーさー……アンアンおいしいよ君の食卓に……」

まゆ「意地悪な人」

P「何に対して?」

まゆ「輝子ちゃん。引き受けるも何も最初からやることでしたよね。それなのに初めて話を聞いたような口ぶりで」

P「ああすることに意味がある。自分が一番初めに気が付いた。それが重要。他の誰かが気が付いてたなんて知ったら、モチベーションが下がる」

まゆ「素直にショックを与えたくないって言えばいいのに。まぁ、そんなところがPさんらしいといえばらしいですけど」

P「白坂さんは?」

まゆ「下のエントランスまで来てます」

P「それなら通さないとな。少し電話をかけてくる」

まゆ「行ってらっしゃぁい」

小梅「バア……!」

まゆ「……あ、小梅ちゃんいらっしゃい」

小梅「Pさん……は?」

まゆ「今電話中」

小梅「それじゃ……待つ」

まゆ「お茶でもどう?」

小梅「もらう……」

まゆ「待っててね」

小梅「…………」


蘭子「…………」


小梅「…………」

蘭子「ピィッ……!」


小梅「……ふふ」


蘭子「…………」


小梅「…………」


蘭子「深淵が我を射殺す……!」


小梅「……おもしろい」

まゆ「お待たせ。蘭子ちゃんはこれでよかった?」

蘭子「ウム」

小梅「ローズヒップ……って血……みたいだよね……」

まゆ「小梅ちゃん」

小梅「あ、ごめんなさい……」

P「お待たせ」

小梅「こんにちは……」

P「こんにちは」

小梅「輝子ちゃん……は?」

P「部屋にいる」

小梅「へー……」

P「何か?」

小梅「輝子ちゃんが……用事あるらしかった……から……ついでに……来た」

P「そろそろみんな来るよ」

まゆ「なんだかここが家みたいですよね」

P「本来は来ちゃいけないところなんだけどね」

まゆ「するなするなと言われるとしたくなるみたいな」

小梅「ホラーでも……ある……大抵……すぐ死んじゃうか……大惨事…………引き起こす」

まゆ「今日は誰が来るんですか?」

P「東郷さんとクラリスさんと速水さんと神谷さん。それと三船さん」

まゆ「美穂ちゃんはどうします?」

P「クラリスさんが来るから世話はしなくて大丈夫。それと道明寺さんが来る」

まゆ「それなら夕飯は豪勢にいきます?」

蘭子「舞踏会……!」

まゆ「注連縄もいいかもしれないわね」

小梅「……お祀り?」

まゆ「なにがいい?」

蘭子「禁忌の実!」

まゆ「ハンバーグ……と。小梅ちゃんは?」

小梅「えっと──」

歌鈴「はえ~……」

クラリス「どうかなさいましたか?」

歌鈴「おっきいなと思って……」

クラリス「まあ……たしかに。部屋までどうぞ」

歌鈴「は、はい……」

クラリス「部屋の準備はしてきましたが、気に入らなければ配置変えしていただいて結構です」

歌鈴「何から何までありがとうございます」

クラリス「いえ」

歌鈴「はへ~」

クラリス「何か?」

歌鈴「電子ロックのマンションなんて初めて入りました」

クラリス「私もここに来るまでは入ったことはありませんでしたが、こういったものもなかなか頼りになります」

歌鈴「…………」

クラリス「今夜はささやかながらパーティーがあるとのことなのです。落ち着いたら声をかけてください」

歌鈴「あ、はい」

クラリス「それでは私はこれで」

歌鈴「あ、ありがとうございます」

歌鈴「…………」

歌鈴「あ、畳」

歌鈴「…………ふぅ」

歌鈴「畳……イイ……」

歌鈴「…………」

歌鈴「ハッ! いけないいけない。寝ちゃうところだった」

歌鈴「……奈良からここまで長かったな。あ、プロデューサーに連絡……はあとでいっか」

歌鈴「…………」

歌鈴「……フゥ──」

乃々「ハァハァ……ハァヒッ…………も……むー……ぃー……」

森久保P「おー、お疲れ様。トレーニングどうだった?」

乃々「む、むーりぃ……ヒィ……フッ……」

森久保P「疲れてんね~。よしっ、このあと飯行こう」

乃々「えっ、やなんですけど……ごはんくらいひとりで食べたいんですけど……」

森久保P「一人で食べてもまずいって。そんなんじゃいつまで経っても根暗治んないって」

乃々「さ、さよなら……」

森久保P「あーほらほら、飯はいいからピアス見に行くぞ。私がつけてあげたそれ以外持ってないっしょ」

乃々「別にいいんですけど……」

森久保P「はい、いいから行く行く」

乃々「新刊読むからむーりぃー……」

森久保P「漫画なんて不健康なのやってないで外出るよ」

乃々「……むーりぃー」

森久保P「チッ、もう言うこと聞かなくなってる」

乃々「むーりぃー……」

森久保P「いい歳してマンガなんて子供っぽいよ。クラブとかドライブとかしな。私が乃々の歳の時なんてそうしてた」

乃々「む~りぃ~……」

森久保P「無理じゃない。そうやって否定するのは簡単」

乃々「そもそも14歳でクラブなんてむりなんですけど……」

森久保P「ア? 16のときに決まってるでしょ」

乃々「16でもむー」

森久保P「あぁもーうっさい! 18も14も変わんないわよ! とにかく外出なさい! ゴキブリみたいに机の下や床にいない!」

乃々「そんな友達いないし……やっぱむりー」

森久保P「ハー、もういい。あ、これ」

乃々「それは?」

森久保P「トレーナーからの宿題。今回もがんばりな」

乃々「むーりー……」

森久保P「ハイハイ。それじゃね」

乃々「今日も徹夜……むーりぃ……」

森久保P「やらないとトレーナーに迷惑がかかるだけじゃなくて親戚の人もガッカリするだろうなあ」

乃々「…………」

森久保P「せっかく推薦してくれたのにねー」

乃々「うぐぬぬ……」

森久保P「そうそうそれでいいの。てか、乃々にもイイコト尽くしだしいいじゃん」

乃々「睡眠時間が……」

森久保P「ハイ文句言わない。私があんたくらいの時は二徹三徹当たり前だったんだから」

乃々「遊びじゃ……」

森久保P「ハイー否定ー否定ー。黙ってねー黙って。とりあえず受け入れる。これ大事。わかったな?」

乃々「…………」

森久保P「よし、わかったな。じゃ、今度こそさいなら」

乃々「…………徹夜……ハァー……辛い──」

まゆ「う~ん」

P「…………」

まゆ「う~ん」

P「…………」

まゆ「う~ん、う~ん」

薫「せんせぇ~」

P「どうした」

薫「味付けこれでいーい?」

P「これなら大丈夫」

薫「辛いの大丈夫かな?」

P「いきすぎなければ大丈夫だと思う」

薫「過ぎたるはなお…………だね!」

P「及ばざるが如し」

薫「うん、それ! あっ、お鍋!」

P「すぐ行く」

まゆ「う~~~~ん」

P「……どうした」

まゆ「あ、いえなんでもありません」

P「あんなに唸っててそれはない」

まゆ「乃々ちゃんのプロデューサーなんですけど……」

P「アイドルだけでなくプロデューサーも多種多様な経歴の持ち主を用意しているのがわが社の売りであります」

まゆ「でもこの調査レポートによると……」

P「一般で言う"ヤンチャ"が多い」

まゆ「大罪とまでいかなくともなかなかの……ねぇ?」

P「クラブの門番はどこも胸と色仕掛けとコネと権力に弱い」

まゆ「つまりどこも仕事をしないと」

P「年頃ならままあることだが、そのまま成長してしまったから手に負えない」

まゆ「清純でよかった♪」

P「そうだな」

まゆ「んもぅ~」

P「お腹をつつくな」

仁奈「牛さんのマネでごぜーますか?」

まゆ「あら、仁奈ちゃん。何か用?」

仁奈「コンソメの缶が取れないから呼びに来たです」

P「今行く──」

蘭子「新たな戦姫よ! 我が前に跪け!」

歌鈴「あ、えっと……」

仁奈「仁奈は市原仁奈でごぜーます! 今日からよろしくしやがってくださいですよ!」

薫「薫は薫だよ~!」

歌鈴「あ、どうも。道明寺歌鈴です」

杏「ん……」

歌鈴「飴……?」

まゆ「この子は双葉杏ちゃん」

杏「勝手に人を紹介するな~」

歌鈴「あ、よろしく……」

まゆ「そして私は佐久間まゆ。よろしくね♪」

歌鈴「こ、こちらこそ……」

蘭子「忘却されし真名を求める! 我はローゼンブルグエンゲル!」

奏「あなたがあの人の新しい……」

歌鈴「ハイ?」

奏「速水奏……よろしく」

歌鈴「あ、ハイ」

あい「すまないな、こんな感じで。みんな悪気はないんだ。許してくれるとうれしい」

歌鈴「あ、いえ。皆さんがどうのではないですので」

あい「私は東郷あい。以後、お見知りおきを」

歌鈴「道明寺歌鈴です」

あい「甘い名前だ。実にいい」

奈緒「神谷……奈緒…………よろしく」

歌鈴「よろしくお願いします」

小梅「意外と……淡白?」

歌鈴「?」

小梅「あ……白坂小梅…………です……よろしく」

歌鈴「あ、どうも」

小梅「?」

輝子「よぉぉーーー! キノコは好きかアァァン!?」

歌鈴「キ、キノコですか……? ふ、普通かなぁ」

輝子「じゃーここを出てく頃にはドハマリさせてやるぜェ! キノコなしで生きてけなくしてやるぜェェェえええ!!」

まゆ「賑やかでごめんなさい。まだもう少しいるけど今日は全員来てないの」

歌鈴「まだいるんですか……」

まゆ「でもみんないい子よ?」

あい「それは私も保証する」

歌鈴「ところで、あの……あそこの物陰にいるのは?」

まゆ「幸子ちゃん」

幸子「…………」


輝子「そ、そんなとこいないで……こ、こっち来なよ……フヒ」

小梅「こっち……来て……」


幸子「フ、フン! 初めまして……」


歌鈴「あ、はじめまして」


幸子「せっかくカワイイボクが来たんですからもっと喜んでください」


歌鈴「わ、わーうれしいなぁ」


幸子「それにこれはただの礼儀です。とりあえずは初めての人ですし、筋は通しておきます。そんなわけでこれお土産です」


歌鈴「あ、お饅頭」


幸子「ボクは賢くてお茶目ですから道明寺を送ります! ありがたく受け取ってください!」


歌鈴「あれ、もしかしてあのお土産って……」


幸子「なんの話ですか? とりあえず渡しましたからね! それでは!」


歌鈴「あ、ちょっと……行っちゃった。引き留めなくてよかったんですか?」

まゆ「本人の好きにさせた方がいいわ。あれでも精一杯なの。それに私が止めてもダメだから……さっ、それより食べましょう!」

輝子「プアァーティィィィの始まりだァァァァ! ヒャッハー! 飲め! 歌え! 騒げェェェェェ!」

小梅「ヒャッハー……」


蘭子「宴の始まりぞ! 大いに飲み、騒ぐのだ──」

P「ただいま」

まゆ「お帰りなさい。歌鈴ちゃんもうお風呂入っちゃいましたよ? 一緒に入り損ねましたね」

P「入りたいとは思ってない」

まゆ「それにしてもあんな時間から出掛けるなんて珍しいですね。あ、もしかしてこれは嫉妬するべきところ?」

P「しなくていい」

まゆ「これでお酒の臭いさせてきたらよかったのに。Pさん、あなたこんな遅くまでお酒飲んでくるなんて!ってやってみたかったなぁなんて」

P「そういうのは向こうに期待してくれ」

まゆ「酔って帰ってくると酷いらしいですよ。同僚の方が言ってました」

P「彼にも悩みがあるんだ」

まゆ「私が相談にのってあげるべきところですね、うふ♪」

P「喜ぶよ」

まゆ「別にあの人に喜ばれてもなんとも……あ、いえ喜ばれること自体は嬉しいことに代わりはありませんけど」

P「さて、道明寺さんも来たことだ。明日から少し協力してもらおう。道明寺さんへの連絡は頼む」

まゆ「はぁい」

P「薫は寝た?」

まゆ「ぐっすり。さすがに疲れたのでしょう。久しぶりに張り切ってましたもの」

P「そうか」

まゆ「ただあなたがいなくて少し寂しそうでした」

P「明日は話す時間を増やす」

まゆ「そうしてあげてください。まゆには出来ないことなので」

P「助かってるよ」

まゆ「だといいですけど。たまには態度で表現してください」

P「気が向いたら」

まゆ「期待して待ってます。さ、寝ましょうか」

P「そうだな。お休み」

まゆ「おやすみなさい。良い夢見てください。出来ればまゆが出てくるような♪」

P「夢にまで見たくない」

まゆ「夢を見ずにぐっっっっっすり寝てください」

P「そんな怒らないでくれ」

まゆ「夢の中で何されてもまゆは悪くないですからねっ」

P「夢の中でくらい好きにして」

まゆ「うふふ、おやすみなさい。うふ、うふふ♪」

薫「──おはよー!」

奏「おはよう」

薫「あ、奏おねえちゃんおはようございます」

奏「声が小さくなったけど私のこと嫌い?」

薫「ううんキライじゃないよ?」

奏「そう……」

薫「あ、声小さくなったのはせんせぇが寝てるから。薫、よく忘れちゃうんだ。この前も宿題やるの忘れちゃったり、先生に言われてること忘れたりしちゃって……」

奏「大丈夫。私もよく忘れる」

薫「同じだね!」

奏「うん、同じ」

あい「フム……」

薫「あいおねえさんおはよーございます」

あい「ムッ、おはよう」

薫「二人もここに住んでるの?」

あい「そうではないがその様なものだ。それより奏くんは何故ここに?」

奏「あの人に呼ばれたから」

あい「君もか」

薫「せんせぇ呼んでくる?」

あい「いや、起きるまで待つ。それまでよかったら話していよう」

薫「あ、そうだ。朝ごはん食べる?」

あい「いいのかい?」

薫「うん! せんせぇとまゆちゃんの作ろうと思ってたもん。奏おねえさんは食べる?」

奏「薫ちゃんが良ければ」

薫「それじゃ作ろー! あっ」

あい「どうした?」

薫「せんせぇ起きちゃうから静かにね?」

あい「ハハ、そうだな」

薫「朝はごはんとパンどっちがいい?」

奏「どっちでもいい」

P「作る方としてはそういう回答が一番困る」

薫「あ、せんせぇおはよー!」

P「おはよう。元気がいいのは結構だけど、まゆがまだ寝てるだろうから静かにね」

薫「はーい」

あい「おはよう」

P「おはようございます」

奏「…………」

P「…………」

あい「奏くんどうした。背後でも取ろうかという眼差しだな。耳元で囁く気か?」

奏「それで騙せるなら」

あい「君という人は……情操教育に悪い」

薫「せんせぇー卵どこー?」

P「今行く。話は朝食の後で」

あい「そうしよう」

奏「えぇ──」

奏「…………」

あい「さっきから黙っているがどうかしたのかい?」

奏「考え事……」

あい「彼の指示が気に入らなかった? まぁ仕方ないことだが……」

奏「指示に疑問はないの。ただ……」

あい「ただ?」

奏「ただ……」

あい「…………」

奏「人は鏡の中の私しか見ないのかな……って」

あい「本当の自分を見てほしいと?」

奏「…………」

あい「気持ちはわかる。しかしそれは甘えだ」

奏「……そうね」

小梅「……お悩み……?」

奏「あら、小梅ちゃん」

小梅「お悩み……?」

奏「えぇ、そんなところ」

小梅「鏡の中……って言ってた……けど……"そういう"話なら……詳しい人…………し、知ってるよ……」

奏「その内お願いするかもしれないわ。その時は……ね?」

小梅「うん……」

あい「彼に用事かな?」

小梅「うん……少し呼ばれて……」

あい「それなら早く行くといい」

小梅「あ……そう……だね……えっと…………それじゃ」

あい「さて、私達もいくとしよう。なに、気負う必要はない。何も取り繕わずいつも通りにしておけばいい」

奏「それは皮肉?」

あい「フッ、そうかもしれないな」

小梅「おま……たせ……」

輝子「やぁ……」

小梅「や……Pさんも……や」

P「話をしたいんだがいいかな?」

小梅「うん……よいしょ」

P「座るなら向こうにして」

小梅「膝の上……聞きやすい……」

P「小声で話してない」

小梅「私には……聞こえづらい……かな」

P「……そこで東郷さんたちに会ったか」

輝子「ところで、は、話を聞こうじゃないか、親友」

P「これからの動きのことだ。その前にこれをプレゼントする」

小梅「小さい……引き出し……?」

P「見覚えはないかな?」

小梅「あ……!」

輝子「わかるのか?」

小梅「うん……ゲームに……出てくるのに、そ、そっくり……」

輝子「な、なるほど……」

P「これからの動きについてだが──」

乃々「…………」

森久保P「よっ、おはよう。宿題はやったか?」

乃々「……一応」

森久保P「どれどれ……まぁ及第点だな。あとはトレーナーに見せるだけっと」

乃々「…………」

森久保P「おい、朝から眠るな」

乃々「眠いんですけど……」

森久保P「そんなん私だって眠い。つか誰だってそうだ。それをガマンするのが社会人ってもんなの」

乃々「学生なんですけど……」

森久保P「ハイハイ言い訳はいいから。お、そういえばいい提案があるんだけどさ」

乃々「…………」

森久保P「目上の人が話してるときにウトウトするな!」

乃々「ヒッ! び、びっくりしたんですけど……」

森久保P「私だってそうだよ。まさか寝てるなんてね」

乃々「…………」

森久保P「私なに話してたかなーなんだったかなー」

乃々「…………提案があるっていってましたけど……」

森久保P「けど? けどなに。そのだけどやめてくれる?」

乃々「提案があるっていってた……」

森久保P「そう提案。根暗な乃々を変えるための」

乃々「……わーい」

森久保P「具体的な事は…………また今度な」

乃々「ワーイ……」

森久保P「それじゃ仕事いってこい」

乃々「…………」

森久保P「……まっ、なんも決まってないんだけどね。それにしてもマンガ読んでるとあんな風になるよなぁ。私はそんな風になんないからよかった。さて、イケてる探すか」

乃々「……グゥ」

輝子「…………」

乃々「ヒッ……! な、なんなんですか……」

輝子「や、やぁ……」

乃々「なんなんですか……」

輝子「な、なにか悩み、か?」

乃々「……別にないんですけど」

輝子「…………」

乃々「そのおっきな箱なんなんですか。気になるんですけど……」

輝子「キ、キノコ……見るか?」

乃々「…………別にいいんですけど」

輝子「そ、そうか……」

乃々「…………」

輝子「…………も、もう少しだからな」

乃々「…………」

輝子「あ、そ、それじゃ……」

乃々「それじゃ…………」

輝子「…………」

乃々「まだなにか?」

輝子「……いや」

乃々「…………」

輝子「そ、それじゃ……」

乃々「……ワケわかんないんですけど」

乃々「それにしてもこの箱……」

乃々「ワケわかんないモノを机の下に置かれたくないんですけど……」

乃々「中は…………カギ掛かってるんですけど……」

乃々「…………」

乃々「レッスン…………行かなきゃ……」

P「…………」

あい「君まで黙ってどうした。そんなに私といるのがつまらないか?」

P「考え事ですよ」

あい「君といい奏くんといい、考え事とはな。よもや奏くんのことではあるまいな」

P「違います」

あい「フッ、そこまで両思いとはいかないか。私で良ければ相談に乗るが?」

P「東郷さんに悩みがなければそうさせていただきたいですね」

あい「君は嫌味な人だな。いいだろう、ここは引き下がろう。さて、向こうはどうなってることやら」

P「先ほど連絡があって無事に"箱"を置けたそうです」

あい「なにやらよくわからない単語が出てきたな」

P「中身ほ今は明かせません」

あい「物騒なものでなければ何でも構わない。それよりもガソリン代は悪い気がする」

P「使ったことに変わりはありませんか、」

あい「その立場になってはじめてわかるものというものもあるものだな。今の私がまさにそれだ。ガソリン代を払ってもらうことにこんな感情があるなんて」

P「正統な報酬ですよ」

あい「人はそれに甘え、ワガママになっていくのかもしれない」

P「少し大袈裟ですがね」

あい「これでも格好のためだけに免許を取ったわけではないからな。役に立てたようでうれしい」

P「…………」

あい「以前から目をつけてたのかい?」

P「誰にですか?」

あい「プロデューサーにさ。動きがスムーズだと思ってね」

P「以前からです」

あい「なるほど。ならば胸を張って歩ける」

P「普通に歩いてください」

あい「しかしただ歩くだけとはね」

P「歩くだけじゃなく声をかけられないといけないんです。忘れましたか?」

あい「自らナンパされにいくみたいだな」

P「まさにその通りです」

あい「奏くんにも頼んでいるのだろう?」

P「知っての通り。それがなにか?」

あい「いや、なんでもない。さて、ナンパされにいくとするよ。フットワークは軽く、尻は軽くなく──」

輝子「…………」

P「どうした」

輝子「あ、親友……」

P「心配か」

輝子「わ、私直伝の……ステルス技術だが……まあ……」

P「ところで部屋の用意はどうする」

輝子「リ、リストは……これだ……」

P「なるほど」

輝子「お金がかかるなら……カラダで払おう……」

P「金の心配はしなくていい」

輝子「そ、そうか……」

P「そろそろ東郷さんが帰ってくる頃だ」

輝子「…………」

P「落ち着いた方がいい。あと数日は時間がかかる」

輝子「…………」

P「こういうときの時間というのは気にしなければ意外と早く経つよ。現にさっき昼だと思ったらもう夕方だ」

輝子「そうだな……」

P「部屋にいって好きなことをしてるといい」

輝子「ここにいちゃ……だ、ダメか?」

P「好きにするといい」

輝子「…………」

P「…………」

輝子「…………」

P「…………」

輝子「…………」

P「…………」

輝子「…………」

P「炒めもの残ってるけど食べたい?」

輝子「もらおう……フフ」

P「レンジかけてくる」

輝子「チン……フヒ」

P「じゃ……」

輝子「ボクキノコォ! ボクヲタベテ! こいつぁ自分から食われに来てるぜぇ! ヘッヘハァ!」

輝子「…………キッ、キッ、キノコー炒めものー」

輝子「ソテー! 煮物! 生! ン……生はダメだ、生は……」

P「お待たせ」

輝子「ま、待ってた……親友も一緒に食べよう……」

P「もう一膳持ってくる」

輝子「キノコーキノコーほししょうこー」

P「お待たせ」

輝子「ピノ……」

P「食べよう」

輝子「ンッ……ン……親友の料理は薄味だな」

P「濃い方が好き?」

輝子「私の料理は濃い味……キノコ自体が薄味だからな、フヒ」

P「今度は濃くするよ」

輝子「楽しみにしてる……」

P「…………」

輝子「…………」

P「食事中に携帯を弄らない」

輝子「す……すまない……」

P「…………」

輝子「うぅ……」

P「気になるか」

輝子「き、気にしてなんてないぞ……ただ……ケ、ケータイが気になるだけだ……フ、ヒヒ」

P「見付かっても拷問受けるわけじゃない」

輝子「や……やっぱり私がやるべきだったかも……しれない」

P「そこら辺の算段、最終的に決めたのは君達だ。それに少しでも楽しませようとしたのは良いことだ」

輝子「わ、私も……学校はつまらないが……と、トモダチと一緒なのはた、楽しい」

P「人と接するだけが学校じゃないがそれには概ね賛同する」

輝子「…………」

まゆ「──うふ♪」

歌鈴「あ、あの……」

まゆ「はい?」

歌鈴「私はなんでここに呼ばれたんでしょう……なんて」

まゆ「手伝ってもらうためよ? あ、自己紹介がまだだったわね。私は佐久間まゆ。よろしく♪」

歌鈴「あ、えっと、道明寺歌鈴です。よ、よろしくお願いします」

まゆ「知ってる」

歌鈴「え?」

まゆ「それで手伝ってもらう事だけど……はい♪」

歌鈴「えっと、それは?」

まゆ「見ての通り巫女服よ?」

歌鈴「え……?」

まゆ「これを着てお祓いしてもらいたいの♪」

歌鈴「お祓いって……私出来ませんよ?」

まゆ「いいのいいの。真似事で」

歌鈴「えっ、あ……はぁ?」

まゆ「こういうのは気の持ちようだから」

歌鈴「それはそうかもしれませんが……いったいなぜ」

まゆ「んー、ある女の子が困ってるから、じゃダメかしら」

歌鈴「ある女の子? いったいなにで困ってるんですか?」

まゆ「人間関係」

歌鈴「そういうのには効果ないかと……」

まゆ「ほら、人間関係も気分や気持ちみたいなところあるじゃない? リフレッシュっていうのかしら。それが重要じゃない?」

歌鈴「まぁ、そうですけど……いつやれば?」

まゆ「受けてくれるの? うれしい♪」

歌鈴「断る理由もないですし、そういう人結構いますから」

まゆ「意外とドライ?」

歌鈴「慣れかもしれません」

まゆ「なんだかこんなこと頼んで悪かったかしら」

歌鈴「いえ。ガッカリされるより幾分……」

まゆ「何かあったの?」

歌鈴「……奈良の鹿への餌やり禁止なんですよね……」

まゆ「そうなの?」

歌鈴「それを注意したときの顔といったら……子どもに注意するときなんてもう……」

まゆ「なら頼むのやめとこうかしら」

歌鈴「困ってる人を見捨てるほど疲れてはいませんけどね」

まゆ「歌鈴ちゃんにも色々あるのね。知らなかったわ」

歌鈴「それにこの世にはよくわからないものってあります。土地にはそのよくわからないものが憑きやすいなんて言われてます」

まゆ「人が住んでるものね」

歌鈴「こんな私でよければ力になります」

まゆ「えぇ、頼むわ。それで日時なんだけど──」

奏「…………」

奈緒「…………」

奏「…………」

P「…………」

奈緒「なぁ……」

P「迷惑かけてごめん」

奈緒「ん、あーまぁそれはいいよ。けどなんであたしのとこに……」

P「それは本人に聞いてくれ」

奈緒「いきなり奏にアニメ見せてくれなんてメールビックリだ」

P「オレもそんなメールを打つなんて思いもしなかった。貴重な体験だった」

奏「……悪かったわね」

P「見終わったか。それで感想は?」

奏「やっぱり恋愛ものは肌に合わない。恋愛ものをみたくなった自分が信じられない」

奈緒「あたしも人に恋愛もの見せるなんて思わなかった。ダメだったか」

奏「肌に合わないだけで内容自体はいいと思う」

奈緒「そっか」

奏「こんな青春送ってみたい」

奈緒「だな。あたしはちょっと気恥ずかしいけど……」

P「オレは帰る」

奏「私も」

奈緒「あ……」

P「何?」

奈緒「……あとでメールする」

P「わかった」

奏「…………」

P「ボーっとしてると怪我するよ」

奏「えぇ……」

P「ところで森久保プロデューサーには声をかけてもらえたか?」

奏「あなたに言われた通り歩いてたらね。だから悩んでるの」

P「声をかけてもらえたか。なら次の段階へ進む」

奏「…………」

P「今は相談にのれない」

奏「相談すると思ってるの?」

P「したくなければそれでいい」

奏「自惚れ」

P「捻くれ」

奏「それで私はこの後なにすればいいの?」

P「森久保さんを指定の場所につれてきてほしい」

奏「わかったわ」

P「そしたら君の番は終わる」

奏「お払い箱?」

P「必要になったらまた呼ぶ」

奏「それ以外でも来ていい?」

P「今と変わらないだろうからいいよ。ただし連絡はして」

奏「……えぇ」

P「…………」

奏「それで私はどこに連れていけばいいの?」

P「連絡する」

奏「どこに連れてかれるのかわからないなんて。ドキドキするわね。イケないことしてるみたい」

P「変なところには連れてかないよ」

奏「私がいい子だから?」

P「悪い子だから」

奏「ふぅん……どこ連れてかれるのかな」

P「悪い子矯正施設」

奏「怖い」

P「堂々巡りはここらにしよう」

奏「お腹すいた」

P「キノコサラダが一人分ある」

奏「あなたは空かないの? 見かけによらず少食なのね」

P「効率がいいんだ」

奏「お腹すいたら、私の唇食べてみる?」

P「そういうのは白坂さんに言ってあげて。喜んで食べるよ」

奏「……こんな唇なら食べてもらった方が、ね」

P「喋りたくないなら舌だ」

奏「あなたも怖いこと言うのね」

P「起こりうる事しか言わない」

奏「まるで実感が湧かない。そういうのは映画の中だけで……」

小梅「食べさせて……くれるの?」

奏「え?」

小梅「クチビル……食べさせて、く、くれるの?」

P「冗談だ。そんな目を輝かせて言わない。速水さんが困ってる」

小梅「冗談なんだ……残念……」

P「それよりお帰り。向こうはどうだった?」

小梅「乃々ちゃん……部屋に……も、戻った……今日はたぶん……もう出てこない」

P「体調の方はどうだった」

小梅「えっと……私みたいな顔……してた」

P「なるほど」

小梅「ほら……こんな顔……よく見て」

P「顔が近い。調査ありがとう助かったよ」

小梅「あ、うん……輝子ちゃんから……教わった背景になる……の……なかなか……楽しかった……またやりたい……フフ」

P「少し休んでおいで」

小梅「うん……あ」

奏「何?」

小梅「くちびる……要らなくなったら…………食べさせてね?」

奏「……えぇ」

小梅「フフ……それじゃ」

森久保P「──お前は現実に耐性がない」

乃々「ハ?」

森久保P「お前はデジタルな世界と二次元にしか耐性がないんだ」

乃々「わけわかんないんですけど……」

森久保P「だから就職も人頼みなんだ」

乃々「別に望んでアイドルになったわけじゃないんですけど……」

森久保P「いいか? 文句っていうのはやり抜いてから言うもんなんだ。わかるか? やり抜かない奴に文句をいう資格はない」

乃々「意味不明なんですけど……」

森久保P「やりもしないで文句いうのは子供なんだよ。わかるだろ?」

乃々「いいえ……」

森久保P「そこで考えた。6時間しか寝ないで考えた」

乃々「私の睡眠時間その半分……」

森久保P「お前に何が足りないか! わかるか!?」

乃々「わからないんですけど……というかどうでもいいんですけど……」

森久保P「それは悪さだ!」

乃々「ハ?」

森久保P「悪さというかイケてないんだよ。キャラが死んでる?っつーの?」

乃々「何が言いたいの……眠いんですけど」

森久保P「そこでだ。そういう人と遊んでもらう。遊んで刺激をもらうんだ」

乃々「…………」

森久保P「人格を変えるには環境作りからだ。いつまでもその性格のままだと就職に困るぞ?」

乃々「鏡なんですけど……」

森久保P「ン?」

乃々「…………」

森久保P「まぁどうでもいいや。そこでだ…………入ってきてー!」

奏「…………」

乃々「誰……?」

森久保P「お前を導いてくれる人だ」

奏「……はい」

乃々「もう雰囲気からしてむーりぃー……」

森久保P「自己紹介して」

奏「速水奏、17歳」

森久保P「はい」

乃々「はいじゃないんですけど……」

森久保P「乃々は名乗らないのか? 自己紹介されたらし返すのは常識だぞ」

乃々「森久保……乃々ですけど……」

森久保P「早速で悪いけど乃々を遊ばせ てく れ」

奏「いいけど……どこがいいのかしら」

森久保P「なるべきノリが良いとこ。そうだなクラブでもスポーツでもなんでもいい。とにかくマンガや二次元や室内はやめてくれ」

奏「えぇ、わかった。それじゃ行きましょ」

乃々「拒否したいんですけど……」

奏「良いから、ね?」

森久保P「乃々に拒否権はない」

乃々「むーりぃー」

森久保P「……乃々ぉ!」

乃々「ヒッ!」

森久保P「森久保ぉ! そんな態度でいいのかぁ!?」

乃々「わ、わかったぁー……!」

森久保P「それでいいんだ、それで。あ、ごめんなさい。驚かせちゃった? でもこのくらい言わないとこういう子は聞かなくて……」

奏「さ、行きましょ」

乃々「うぅ~……」

奏「それじゃ」

森久保P「おー、頼んだぞ~! さってと、これからお祓いやっけか。あーたりぃ──」

奏「…………」

乃々「い、いつまで歩くんですか……もう限界なんですけど……」

奏「もう少し」

乃々「なんか暗いんですけど……」

奏「安心して、怖いところじゃないから」

乃々「絶対ウソなんですけど……不良の溜まり場につれてかれるんですけど……」

奏「安心して。これでも学校では大人しい方だから」

乃々「なんか曖昧なんですけど……」

奏「でも、一部の人にとっては怖いかも」

乃々「森久保なんてショック死する自信あるんですけど」

奏「ここよ」

乃々「ここって……」

奏「残念だけど目的地周辺なだけで正確には中なの。だからもう少し歩くから」

乃々「むーりぃー」

奏「つけば最高のモノが待ってるから」

乃々「不安しかないんですけど……」

奏「足元気をつけて」

乃々「…………」

奏「そうやっておずおずしててもいいよ。ずっと待ってるから」

乃々「怖いんですけど……」

奏「そのままだといつまでもそうだけど?」

乃々「…………」

奏「そう、それでいいの。2階」

乃々「…………」

奏「吸えば楽になるわよ」

乃々「やっぱりヤバイもんなんですけど……」

奏「乃々は……」

乃々「いきなり名前呼び……なんですか……」

奏「乃々は何に安心感を得る? 異性?」

乃々「めんどくさいからそれでいいです……それがなにか」

奏「ふぅん。男性のどこに安心感を感じるの? 厚い胸板? 筋肉質なところ? それとも気性?」

乃々「…………やっぱなしで」

奏「そう……なら何に安心感を感じる?」

乃々「答えるのめんどくさいんですけど……」

奏「今はそれでもいい。さっ、入って」

乃々「なんかヤバイ箱なんですけど……窒息しそうなんですけど……」

奏「テレビで見たことない? あ、入ったら呼吸をゆっくり」

乃々「帰って寝たいんですけど……」

奏「ほら、入って」

乃々「…………」

奏「おやすみ。夢の中で会いましょう──」

医師「君が来るなんて久しぶりだね」

P「こんにちは」

医師「しかも設備を使わせてもらいたいなんてね」

P「無理をいって申し訳ありません」

医師「そんな畏まる必要はない。睡眠時間が足りないのはよくあることだ」

P「年頃とは別の理由ですけどね」

医師「ハッハッハッ、よくわかるよ」

P「…………」

医師「それにしてもひどいプロデューサーじゃないか。私もアイドルというものを知らないわけではないが、それにしてもひどすぎる」

P「彼女のプロデュースに個性なんてないですからね」

医師「そう考えると彼はいいプロデューサーなんだろう。小さい事務所にあんないい若者がいるなんて」

P「小さいからこそだと思います。それにあそこの社長も人を見る目がありますから」

医師「病院は小さいところだと腕のいい医師というのは本当に少ない。大病院から独立して建てた医院には人が集まるがね」

P「私のいたところもいいプロデューサーがいますが大きいが故にそうじゃない人が多い」

医師「良い者は派閥争いで……というのも病院では珍しくない」

P「プロダクションにも派閥はあります。人の集まりですからそこはしょうがないですよ」

医師「さて、彼女を出すのは四時間後でいいのだよね?」

P「それでお願いします」

医師「わかった。私が責任をもって起こそう。それと彼が心配していたが彼女は元気かね? 短期間の担当ではあったし、元々そういったことを表には出さないタイプだが彼なりに気掛かりなんだろう」

P「元気にしてます。痕もそんなに残ってないです」

医師「それはよかった。アイドルは顔が命というからね。もっとも、子をもつ身としては顔がどうあれ、どうなっても我が子に代わりはない。その間に様々な葛藤を経るがね」

P「そうですね」

医師「それでプロデューサーの方はどうするのかね?」

P「放っておきます」

医師「放っておく? それはまたどうしてかね」

P「あの手は放っておく方が自滅します。そもそもそれらしいことを言ってるが空回りが常ですから」

医師「ほほう」

P「それではこれで──」

奈緒「いってぇ……」

P「お疲れ様」

奈緒「ホントだよ……まさかこんなにあるなんて思わなかった」

晴「少女マンガってあんま読まねぇけどあんなのばっかなんか?」

奈緒「まぁ……たしかに甘かったな」

P「中にはらしくないのもあっただろ?」

晴「あー、少しな」

P「オレはまだやることがあるから先に部屋に戻ってて」

晴「うーす」

P「神谷さんは残って」

奈緒「え?」

晴「じゃなー」

P「よければ部屋に入って話そう」

奈緒「それはいいけどよ。あ、飲み物いるか?」

P「結構」

奈緒「それでアタシに何か?」

P「この前話があるって言ってたのが気になってね」

奈緒「あの話か……それは、な、その……あー…………なんだそのー……っと」

P「北条さん関係かな」

奈緒「あー、うん。加蓮のこと。つっても……あんまり関係ないというかあるというか」

P「…………」

奈緒「こんなこと頼めるのアンタしかいないっつうか……」

P「話にくいならまたあとにしよう。焦らせてすまなかった」

奈緒「い、今話す……!」

P「わかった。でも落ち着いて」

奈緒「お、おう……スー……ハー……スー……よし」

P「それで?」

奈緒「アタシってさ、こんな容姿だろ? 眉毛も太いしへちゃむくれだしファッションセンスだってない」

P「周りに比べて色鮮やかではないな」

奈緒「そこは褒めろよ……でさそんなんなのにその上アニメ見てるだろ。だから当然といえば当然なんだけど男なんていなくて……あっ、勘違いすんなよ! 仲良い男子くらいいるからな!」

P「知ってるよ」

奈緒「それで……こ……こぃ人みたいな男子もいなくてさ」

P「なるほど」

奈緒「それでまぁ同じ女子からは置いてきぼり食らって……みたいな……さ」

P「それで?」

奈緒「それで……」

P「君は悪くない」

奈緒「…………」

P「聞いてる。続けて」

奈緒「前に加蓮が異様な眼で見てきたって話したろ」

P「話してたね」

奈緒「だからさ……その、アタシのこと……イ……イ……」

P「それは無理」

奈緒「えっ、ハッ?」

P「無理」

奈緒「なんでだよ……アタシじゃその気にならないってか」

P「そんな緊張した態度じゃオレには無理」

奈緒「バ、バカ! 緊張もするって!」

P「緊張するのは理解してる。種類が問題」

奈緒「なんだよ、その種類って……わけわからない」

P「そんな始めから身構えられてたら出来ない」

奈緒「んじゃ、どうしたらいいんだ……」

P「まずは力を抜くこと。そんなガチガチじゃ達成できない」

奈緒「そんなこと言われても……」

P「それとこっちの緊張も解す必要がある。はいわかりました、では始めましょうなんて気軽に出来るものではない」

奈緒「中にはそんなのもいるって聞いたけどな……」

P「そういう人を望むならそういう人に頼んでくれ」

奈緒「…………」

P「それが出来ないなら僕には出来ない」

奈緒「……わかった。やってみる」

P「頑張って」

奈緒「他人事かよ……そうはいってもなにすれば……」

P「まずはそっちの緊張を解すのが先だと思うよ──」

乃々「…………」

奏「…………」

医師「起きたようだね。ちょっと失礼」

乃々「……ッ!」

医師「大丈夫。目を見るだけ。いいかな…………よしOK」

乃々「……うぅ」

医師「寝起きは悪いみたいだね。さて、女の子だけで話したいこともあるだろう。私はこれで失礼するよ」

乃々「ワケわかんないんですけど……」

奏「……おはよ」

乃々「……なんなんですか」

奏「ぐっすり眠れた?」

乃々「まぁ、それなりには」

奏「そうよかった。どんな夢みた?」

乃々「夢は……見てない」

奏「そう。ぐっすりだったのね。私みたいに起きてても夢を見るようになったら終わりだけど」

乃々「そんなわけで森久保はここで……」

奏「まだ帰せないわよ?」

乃々「……ですよね……もう死にそうなんですけど……」

奏「ついてきて」

乃々「…………」

あい「…………」

奏「お待たせ」

あい「ムッ、来たな」

乃々「あの……誰なんですか?」

あい「東郷あいだ。よろしく」

乃々「するつもり……ないんですけど……」

あい「おっと、これは厳しい。だがそれも尤も意見だ。次第に慣れていってもらうしかない。さて、乗ってくれ」

乃々「え……?」

あい「ん? なんだ説明してないのか」

奏「驚かせようと思って」

あい「説明は車内でする。乗ってくれたまえ。なに、悪いようにはしない」

乃々「…………」

あい「足元に気をつけて」

奏「それじゃ私はこれで帰るわ」

あい「君は来ないのか? まだ乗れるぞ。それに一人では寂しいだろう」

奏「まるで私に相手がいないみたいに言うのね」

あい「おっと、それは失礼した。すまない。それでは気を付けて」

奏「そっちも……じゃっ」

あい「あぁ」

奏「…………」

乃々「…………」

あい「後ろ髪引かれる思いかい?」

乃々「別にそんなことありませんけど…………というかどこ連れてかれるんですか森久保は」

あい「このままホテルに向かい食事をし、夜景を楽しんだ後、君を楽しむ」

乃々「え……?」

あい「冗談だ。そんなことは出来ない」

乃々「じゃあなにするんですか……」

あい「やることは変わらない。家ではなく宿泊、夜景は楽しまないが夜は楽しむ。む、君を楽しむのも変わらないな」

乃々「意味がわからないんですけど……」

あい「来ればわかる。もう着くぞ」

乃々「森久保がイヤがっても進んでいくんですね……心が折れそうなんですけど……」

あい「折れたら繋げるから安心していい」

乃々「なんかアパートについたんですけど……」

あい「ここは私が個人的に借りている場所だ。今日ここを少し模様替えした」

乃々「ここで森久保はヤられるんですね……あぁ死にそうなんですけど……」

あい「必要なものは揃っている。さぁまず体をキレイにしよう」

乃々「替えの服がないんですけど……」

あい「フリーサイズのワンピースを用意してある。抵抗があるならショートパンツもあるぞ」

乃々「…………」

あい「そんなに警戒しなくともここには私たち以外いない」

乃々「もっと警戒するんですけど……それに帰らなきゃ心配されるんですけど……」

あい「安心したまえ。君のプロデューサーに話を通してある」

乃々「逃げ道がないんですけど──」

蘭子「捜索せよ! ニーベルンゲンの楽譜!」

小梅「こっちには……ない……」

蘭子「我が眼前に捧げなければ死あるのみ! ンナーハッハッハッ!」

まゆ「蘭子ちゃん、大声出したら近所迷惑よ? ここ一応寮だから」

蘭子「我に楯突く気か! 我の寛大さに跪け!」

まゆ「反省してるならいいわ。それにしてもどこにあるのかしら」

小梅「ベッドの下……ない…………本棚も、な、ない……」

まゆ「エッチな本の隠し場所ならわかるのに。そういうノートの隠し場所はよくわからないわ。引き出しの奥かしら」

蘭子「ウムムムム…………そこ!」

小梅「本棚は…………調べたよ……忘れちゃった……?」

蘭子「秘伝はそこにあり! 我を導け、エインヘリヤル!」

まゆ「本棚の奥? あら」

小梅「あっ……た」

まゆ「私としたことがとんだポカ」

蘭子「ンナーハッハッハッ!」

小梅「今なら……出れる」

蘭子「闇に溶けよ!」

小梅「私は……ひとりでか、帰る……」

まゆ「蘭子ちゃんと小梅ちゃんとまゆは知り合いだけど、表向きはあまり面識がないことになってるからバラバラで帰りましょう。それでいいわよね?」

蘭子「フッ、面白い」

小梅「それじゃ……」

まゆ「またね。向こうで会いましょう」

蘭子「闇の祝福があらんことを!」

みく「あ、蘭子ちゃん」

蘭子「ヌヒッ」

みく「こんなところで何してるの?」

蘭子「ね、猫又の多情姫よ……妄りに声をかけるな。死にたいのか?」

みく「え?」

蘭子「密命を帯びている故、出会ったものの口を封じなければならぬ……」

みく「?」

蘭子「う……あ……はぁぁぁぅ」

みく「よくわかんないけど"どこか"行くの?」

蘭子「ヴァルハラの館へ!」

みく「あんまり暗くならないうちに着くといいね」

蘭子「貴様も行くぞ!」

みく「あー、みくはこれからちょっと用事にゃ。ごめんね」

蘭子「ククク、所詮は気紛れな猫。決められぬ定め」

みく「それじゃまた明日ね」

蘭子「闇に飲まれよ!」

乃々「…………」

あい「…………」

乃々「あの……」

あい「ん?」

乃々「読みにくいんですけど……」

あい「おっと、すまない。マンガを読んでる君が可愛くてつい。なにか食べるかい?」

乃々「いらない……」

あい「そうか。それでは私も何か読ませてもらおう」

乃々「マンガとか読まなそうなんですけど……ムリに合わせなくても……」

あい「無理はしてない。私も漫画くらい読む。詳しくはないがね。この中でオススメはあるかい?」

乃々「……………………ん」

あい「これはまた……ふむ」

乃々「…………」

あい「フッ……」

乃々「…………」

あい「フフ……」

乃々「…………」

あい「ほほう……」

乃々「あの……」

あい「なんだ?」

乃々「うるさいんですけど……」

あい「すまない。また出てしまったか。昔からこうなんだ。母によく注意されたよ」

乃々「…………」

あい「何か飲まないか? 風呂上がりだ。水分補給をしなくては」

乃々「…………」

あい「?」

乃々「……ココア」

あい「よし、飛びきりのをいれよう」

乃々「…………」

あい「それにしても君は物静かだな」

乃々「…………」

あい「いや、決して暗いというわけではない。私の周りでは珍しいタイプだからついな」

乃々「……言ってもムダなだけですから……」

あい「言っても無駄か……フッ、たしかにそうかもしれないな。結局わかった気にしかならないからな。痛いところを突く。ほら、ココアだ」

乃々「なんかさわやかなんですけど……薄いんですかそうですか。いじめですか……」

あい「シナモンを追加してみた。お気に召さなかったかな?」

乃々「さわやかすぎるんですけど……森久保は消滅しそうなんですけど……」

あい「そこまで入れたつもりはないが、なるほどな。君はそう感じるのか。次からは控えよう」

乃々「普通のがいいんですけど……」

あい「よし、入れ直してこよう!」

乃々「別にこれは飲めます……」

あい「嫌なのを飲んでても美味しくないだろう。私も嫌だからな。普通のを入れてくる」

乃々「…………」

奏「──ハァ」

まゆ「ため息ついてどうしたんですか?」

奏「えぇ、少し悩みがあって」

まゆ「そうなんですか。それは大変ですねぇ。あ、仁奈ちゃん、きちんと乾かさないと風邪引くわよ」

仁奈「バッチリでごぜーます!」

まゆ「髪の中まで乾いてないわ」

仁奈「テレビに間に合わねーですよ」

まゆ「ダメ。きちんと乾かして。じゃないと見せないわ」

仁奈「うぬぬ……わかったでごぜーます」

仁奈「あっ! 奏おねーさんおふろ空きましたですよ! 入りやがってください!」

奏「ありがとう」

まゆ「今日は夜更かしダメよ。時間になったらきちんと寝て。じゃないと……ね?」

仁奈「わかったですよ!」

まゆ「それじゃ私は片付けしてます。何かあったら声をかけてください」

奏「ねぇ……」

まゆ「なんですか? あっ、シャンプーなら奏さん用のがあるのでそれを使ってください」

奏「聞きたいことはそれじゃないの」

まゆ「それじゃ何ですか?」

奏「ここじゃ話しにくいからお風呂で話しましょう」

まゆ「それじゃあ片付けてきますから少し待っててください」

奏「えぇ──」

まゆ「お待たせしました」

奏「いいえ、私は体洗い終わったからどうぞ」

まゆ「はぁい♪」

奏「…………」

まゆ「それで話ってなんですか?」

奏「私ってどう見える?」

まゆ「ステキですよ」

奏「そうじゃなくて、私生活や学校ではこうなんじゃないかとか」

まゆ「遊びはしてそうですね。それと寄り道してそうかしら」

奏「遊んでるように見えるということかしら」

まゆ「簡単に言うとそうです」

奏「……それが"私"だものね」

まゆ「私のことはどう見えますかぁ?」

奏「担当プロデューサーが好き」

まゆ「はい♪」

奏「でも今はそれが揺らいで見えてるけど。本当のあなたは何?」

まゆ「私は私、まゆはまゆ」

奏「…………」

まゆ「それで本題は何ですか?」

奏「…………」

まゆ「ないならないでいいですけどね」

奏「Pさんって何者?」

まゆ「見ての通り太ったクマさんです。結構抱き心地いいんですよぉ♪」

奏「あなたとPさんの関係もよくわからない」

まゆ「まゆの口から言えることではないですし、Pさんに聞いてみたらどうですか? まぁ、教えてくれないでしょうけど♪」

奏「私達アイドルのことはこっちが知られたくないことまで知ってる。そんな人不気味じゃない?」

まゆ「そうは思いません。まぁ、これは近くにいる人の感想かもしれませんね」

奏「それは遠回しに私は遠くにいるということ?」

まゆ「さぁ、それはどうでしょう。近くにいると思えば近くにいて、遠くにいると思えば遠くにいるんでしょうね」

奏「まるで蜃気楼」

まゆ「Pさん的に言えば逃げ水が正しいです」

奏「……やはり私は遠くにいるのね」

まゆ「急がば回れって言いますし、少しくらい遠くてもいいじゃないですか」

奏「…………」

まゆ「今の奏さんは乃々ちゃんと同じ」

奏「同じ?」

まゆ「休息が必要ってことです。考えすぎは体に毒」

奏「そんなこと言われても考えてしまうものは考えてしまうの」

まゆ「何も考えたくないなら藍子ちゃんを訪ねるといいですよ。癒しに関しては詳しいですもの。もっとも、今は本人にも蟠りがあるみたいだけど」

奏「そうしてみる……ありがとう」

まゆ「いえ、どういたしまして。さて、ふやけないうちに出ましょう」

あい「──さて、もう寝るとしよう」

乃々「…………」

あい「どうした。まだ眠くないのかい?」

乃々「いえ……いつまで続くのかなって思っただけですけど……」

あい「その事か。もちろん君が変わるまでだ」

乃々「私変わる気ないんですけど……」

あい「君が変わるまで終わらない。終わらせる気もない」

乃々「…………」

あい「そんなに唇を噛むな。なに、簡単なことだ。要は"変われば"いいんだ。変わったと認識させればいい」

乃々「わけわかんないんですけど……」

あい「一緒に考えてみよう」

乃々「めんどくさいんですけど……」

あい「一緒に考えればいい。君の力になりたい。だめかい?」

乃々「…………」

あい「無言は了承と取る」

乃々「別にいいですけど……」

あい「まず、これは誰のためにやっていることかわかるかな?」

乃々「森久保のため……」

あい「そうだ。では、それを誰がやっているか」

乃々「えっと、なんかスれてそうな人と……あなたですけど……」

あい「そうだ。私と奏くんがやっている。なぜ私たちはそれをやっている?」

乃々「…………頼まれたから」

あい「頼まれたと考える根拠は?」

乃々「森久保のことなんて……頼まれない限り普通気にしません……」

あい「だから誰かに頼まれたと考えた。それは誰かな?」

乃々「プロデューサー……というかそもそもプロデューサーが始めたことですし……」

あい「そう、プロデューサーが始めたこと。ならばその報告はどこにいく?」

乃々「プロデューサー……」

あい「もうどういうことわかるね? 誰を"納得"させればいい?」

乃々「プロデューサーですけど……その……」

あい「ん?」

乃々「報告する人とこうやって話してたらダメだと思うんですけど……」

あい「フッ、君は優しいな。私に嘘をつかせたくないわけだ。だが安心してくれ。私も嘘をつくつもりはない。目の前で起こった本当のことを話すだけだ」

乃々「でもそんなのすぐバレるんじゃ……」

あい「このままただ報告するならそうなる」

乃々「…………」

あい「君は今日変わったか?」

乃々「疑心暗鬼にはなりましたけど……」

あい「そうだな。それはもっともだ。いきなり連れ回されたんだ。変われるわけない。まさにそこだ」

乃々「変わってなきゃ意味ないんじゃ……」

あい「そうだ、意味がない。意味を出すためには変わらなければいけない。そこで話は戻る。私は今日のことを報告する。乃々君は変わらなかった。するとプロデューサーはなんと言う」

乃々「続けろ……」

あい「そうだ。そこで私はこう提案する。中途半端はしたくない、だからどうか乃々君を預からせてほしい」

乃々「…………」

あい「自然な流れというのは重要だ。失礼だが、これで乃々君は変わったと報告したらどうなる」

乃々「確実に疑われるんですけど……」

あい「では、自分のことを聞くのは恥ずかしいのだが……君は私をどう思う。どんな人物だと思っている」

乃々「えっと……なんかカッコいい女の人……って思ってますけど……漫画に出てきそうな……」

あい「そうか。なんだか照れくさいな。そんなカッコい……そんな私が先程の提案をしたらどう反応する? 君の意見で構わない」

乃々「私だったら……任せる……」

あい「晴れて私は乃々君を変えることを継続できる。そしたらどうなるかわかるかな?」

乃々「森久保の休みがなくなる……」

あい「それは違う。むしろ確実に増える」

乃々「なんで……」

あい「プロデューサーに近付けさせないからだ」

乃々「そんなのプロデューサーが許さないと思うんですけど……」

あい「それはどうかな? はっきり言えば今の君はプロデューサーにとって邪魔な存在だ。しかし、捨てたいわけではない。変化のための多少の犠牲は目を瞑る。いうところの"大人"だ」

乃々「…………」

あい「君は合法的にプロデューサーに近付かなくて済む。いや、むしろ離れられる。私が近付けさせないからな」

乃々「そんなうまくいくんですかね……」

あい「私に任せろ──」

あい「……というわけで乃々君は変わらなかった。すまない」

森久保P「ムリだったかぁ~」

あい「しかし私も受けたからには中途半端はしたくない。だからどうだろうか。このまましばらく乃々君を預けてもらいたい」

森久保P「いいですよ」

あい「よし、わかった。あとのことは任せてくれ」

森久保P「ハーイ。あ、それじゃ私これから打ち合わせだからまた」

あい「あぁ、邪魔してすまない。それじゃ」

森久保P「♪」

あい「…………」

奏「どうしたの?」

あい「君か……」

奏「フラれた?」

あい「フラれた」

奏「そう……」

あい「私は人に期待しすぎたのかもしれない」

奏「期待するのはいいこと。心に余裕がある証拠だから」

あい「心に余裕があるか……たしかにそうなのかもしれないな。ところで何をしにここに?」

奏「心を取りに」

あい「詩的な表現だな。さて、私はもう行かせてもらう。人を待たせてる」

奏「そう。それじゃ──」

あい「…………」

P「いきなり来たと思ったらずっと黙ってますね」

あい「…………」

P「…………」

あい「…………」

P「水とお茶のどっちにします?」

あい「君に任せる」

P「水にしましょう。その状態じゃお茶の味なんてわからないでしょうから」

あい「…………」

P「森久保さんのことでなにか問題でも?」

あい「問題ない。プラン通り進んだ」

P「月のモノというわけでもない。それなら何ですか?」

あい「ないのが問題なんだ」

P「誰にもしくは何に何が?」

あい「乃々君のプロデューサーさ。少しは抵抗するのを期待していたが、まさか二つ返事で自分のアイドルを他人に託すなんてな」

P「それだけ信頼されてるんですよ。あなたは信頼に足る人物ですから」

あい「皮肉だな。それが自分を苦しめるなんて。少しは躊躇ってほしかった。考えてほしかった」

P「期待し過ぎですよ」

あい「そうなのかもしれないな」

P「薫達が帰ってくるまで時間があります。一眠りしますか?」

あい「そのまま目覚めなくなりそうだから遠慮しておく。それよりこのまましばらくいても構わないだろうか」

P「オレはどこかにいきます」

あい「そのまま対面に座っててくれ。退いたら私の情けない姿が外から見えてしまう……」

P「ここ一階じゃないですけどね」

あい「…………」

P「…………」

あい「…………」

P「…………」

あい「…………よし」

P「整理つきましたか?」

あい「あぁ。今回はここまでだ」

P「そうですか。それはなにより」

あい「さて、乃々君を迎えにいかなければ」

P「それなら心配ないですよ。迎えはもう行ってます」

あい「プランと違うようだが?」

P「森久保さんの友達のたっての希望ですから。そろそろ帰ってくると思います」

あい「乃々君の友達……そうか。それはよかった」

P「だからそんなに気を張らなくていいです」

あい「あぁ……さて! 誰かが帰ってくる。いつもの私に戻ろう」

P「そうしてください──」

乃々「む……むむむむーりぃー……」

輝子「そこのやつらを……生け贄にするのを提案する、フヒ」

乃々「か、隠れる~……!」

小梅「マイク機能……オンにして……るから……あんまりしゃべってると……ぁ」

乃々「ひ、ヒィ~!」

小梅「ほら見つかっちゃって……殺された…………痛そう……フフ」

まゆ「お邪魔しま~あら?」

小梅「あ、まゆちゃん……」

まゆ「机の下でゲーム?」

小梅「臨場感……たっぷり……」

乃々「なんで見つかったかわけわかんないんですけど……」

小梅「ロッカーの中で……使ったら……音でバ、バレる……」

乃々「聞いてないんですけど……」

まゆ「…………」

輝子「な、なんだ……」

まゆ「私も入っていい?」

輝子「お、おう……」

まゆ「よいしょ……」

小梅「ところで……Pさん…………は?」

まゆ「自分の部屋。誰かが来てる気配がしたから行くのはまだ早いと思う」

小梅「お取り込み……中?」

まゆ「お取り込み中」

小梅「残念……Pさんと入りたかったのに……机の下……」

乃々「わけわかんないんですけど……いきなり連れてこられたと思ったら……なんなんですか……」

輝子「机を増やそう……」

小梅「怖く……ないの?」

乃々「なんのこと……」

小梅「ン……」

まゆ「意外と私にジャストフィット……」

乃々「別に……」

小梅「そうなんだ……へぇ」

輝子「机の下は……キノコ栽培にちょうどいい湿度……フッ、フフ」

まゆ「ちょうどこの高さにくるのよね、ァハン」

乃々「本棚……ぁ、なかったんですけど」

小梅「……おもしろい」

まゆ「机の下になにか置く?」

小梅「ホラーの……DVD……」

輝子「キノコの苗床……」

乃々「安息一択なんですけど……」

輝子「安息が手に入るキノコなら、こ、ココに」

乃々「…………いらない」

輝子「残念、フヒ」

まゆ「私たちが安息ですよぉ」

乃々「…………」

まゆ「私たちが安息ですよぉ」

乃々「…………」

まゆ「ですよぉ」

小梅「毛布も……おかしも……あるよ……」

輝子「キノコも……」

乃々「…………」

まゆ「向こう向いちゃいました」

輝子「あ、そうだ……」

小梅「?」

輝子「お風呂に入ろう……」

乃々「私はいい……」

輝子「そんなこと言わずに……裸になろうやぁ……」

乃々「ひっ……」

まゆ「輝子ちゃん、めっ。そういうのは優しく誘わなくちゃダメ」

輝子「フ、フヒ……」

小梅「自然な流れ…………あ、そのピアス……かわいい……ね……どこで買ったの?」

乃々「た、ただの安物なんですけど……そもそもこれだって親戚に言われてつけてるだけで……別に趣味ってわけじゃ……」

小梅「あ、そうなんだ……お風呂はいろ?」

まゆ「自然な流れはどこいったの?」

輝子「なぁ、裸になろうやぁ……アワアワになろうやぁ……」

まゆ「輝子ちゃん」

乃々「…………」

まゆ「でも、二人もこう言ってるし、一緒にお風呂入らない?」

乃々「…………あなた以外なら……」

まゆ「?」

乃々「巨乳とか……イジメなんですけど……」

まゆ「大丈夫。私は80以下だから巨乳じゃないわ」

小梅「60……6……」

輝子「73……フヒ」

まゆ「75。ねっ、全然大きくないでしょ?」

乃々「そ、そもそも入れそうな大きさじゃなさそうですし……」

まゆ「そこは安心していいわ。ここのお風呂広いから」

輝子「中でキノコー!出来るくらいには、フフ」

小梅「う、うん……広い……よ」

乃々「えっと、えと、うぅ……」

まゆ「みんな、机から出て」

乃々「?」

まゆ「はい、バンザーイ♪」

小梅「バ、バンザーイ……」

乃々「…………」

まゆ「はい、ドーン♪」

乃々「ッ!!!?」

輝子「オゥフ」

まゆ「あら、可愛らしい」

小梅「仲間……?」

乃々「イジメなんですけど……」

まゆ「このままお風呂にそれ~♪」

乃々「洋服返してほしいんですけど……!」

まゆ「乃々ちゃんのシャンプーも用意してるわよー♪」

輝子「た、楽しい夜になりそうだぜ……ヒャハー」

モバツケ・ロカス環礁
ナターリアの出身国にある環礁やね

何日も来られなくてすみませんでした
今日26日は空いているので書けます
書かなきゃ(使命感)

小梅ちゃんかわいイ(自然発生的意見)

あい「──夜分遅くにすまない。私だ。ん? あぁいやそういう訳じゃない。なに、大したことはない。ただの確認さ」

奏「電話中なのね」

P「どうした」

奏「あら、こんばんは。あなたとキスしたくて来ちゃった……って言ったらどうする?」

P「明日病院に連れていく」

奏「私も傷付くことあるのよ?」

P「それでなんの用?」

奏「さっきもいったけど相談。別にあなたでもいいか……」

P「それで?」

奏「こんなことしてて本当に救えるのかわからない」

P「離すことが重要なんだよ」

奏「離れて終わり? プロデューサーをどうにかする方がいいと思うんだけど。違う?」

P「未成年ならそれでいい。成人してたら話は別。人格が固まってるから変えるのが困難。そして彼女は変えてあげようと思うほどの人じゃない」

奏「私が言うのもなんだけど、冷たくないかしら?」

P「それが世の中。学ぶ以外で何かしたいなら未成年のうちに」

奏「悪いことも?」

P「悪いことしたいならそうだね」

あい「二人で何か企んでるのかい?」

P「お疲れ様です。どうでした?」

あい「二つ返事の快諾さ」

P「さすが東郷さん」

あい「そう言われても何も出ないぞ? しかし彼女は私の事をどう見ているのか」

P「おかげで二つ返事の快諾でしたね」

あい「私も自分の事をどう見られているかはわかっているつもりだ。だから外では振るまいに気を付けている」

P「格好よくて頼り甲斐がある。良いことですよ」

あい「格好悪く見られたいわけではないが、色眼鏡で見られると少し困る。本当の私を見たら彼女は幻滅するだろう」

P「見せるつもりが?」

あい「いや、当然ない」

P「なら心配ない」

奏「本当の自分……ね」

あい「ところでお姫様はどこかな?」

P「森久保さんなら自分の部屋」

あい「部屋を貸したのか」

P「空きならたくさんあります。それに断る理由もありませんから」

あい「誰かに先を越されてしまったな。今から部屋代負担を持ち出しても格好が悪いな」

P「全額出すなら格好はつきます」

あい「それだと友人の顔を潰してしまう。しかし、彼女にも見ていてくれる友人がいたのだな」

P「えぇ」

あい「前に立つことはできるが肩を並べられないのは少し寂しいな」

奏「…………」

P「それは友人に任せるのがいい」

あい「私では友人になれないと?」

P「どうやっても頼れるお姉さんにしか」

あい「フッ……」

奏「頼れるお兄さんはいないの?」

あい「ん?」

P「プロダクションに少なくとも一人」

奏「遠い…………ねぇ」

仁奈「たでーまでごぜーます!」

P「お帰り。道明寺さんは?」

仁奈「部屋でごぜーます!」

P「わかった」

仁奈「会いてーですか?」

P「いつかはね」

仁奈「なら後で会えるですよ!」

奏「…………」

あい「いいのかい?」

奏「タイミング逃しちゃったから」

あい「あの笑顔の前では無理か。子どもとは恐ろしいものだ」

奏「ね」

あい「過ぎたことを言っても口うるさいだけだが、黙って出ていくのは感心しないな。さて、夜になってしまったが今日はどうする」

奏「このままプロデューサーのところにいって驚かすのもありかな。あの人かなりの驚き屋だから」

あい「からかうのは程々に」

奏「気分爽快だからちょっとムリかな」

あい「よし、今日は私のところに来い」

奏「お持ち帰りされちゃうのかな?」

あい「私にそっちの気はない」

奏「その道一緒に歩かない?」

あい「一緒に迷子になる気はない」

奏「フラれちゃった……」

あい「明日以降タイミングを見て相談するといい。話くらいは聞いてもらえるかもしれないぞ」

奏「美女に囲まれてるのに?」

あい「それでもタイミングはある」

奏「訪れる気がしない」

あい「ならば訪ねるしかない。さて、私の部屋に行こう」

奏「私の意思は?」

あい「困らされる気はないとだけ言っておく──」

仁奈「アワアワでごぜーます!」

P「シャンプーで遊ばない。一人で頭洗わせないよ。それに遊んでると痛い目にあう」

仁奈「シャンプーハットがあるからだいじょぶですよ。それよりもうちょっと詰めてくだせーでごぜーます」

P「余裕があるはずだけど」

仁奈「でもボーンですよ?」

P「ボーン?」

??『仁奈ちゃん?』

仁奈「入ってくるですよ!」

P「おっと」

歌鈴「一人で大丈夫だっ……た……」

仁奈「背中洗ってやるですよ!」

歌鈴「えっ、あっ、はっ、ひゃっ……」

仁奈「風邪ひくですよ?」

歌鈴「キャァァァァァァ!」

仁奈「ッ!! うるせーです」

P「防音はバッチリ」

歌鈴「えっあのなんで男の人が……!」

P「そこにいると風邪ひくからタオル巻いて中に入ってきて」

歌鈴「あっえっ、ハ、ハイ……」

P「椅子に座って」

歌鈴「は、はひ」

P「まず、仁奈に聞く。なんでここに道明寺さんが来たの?」

歌鈴「私の名前知ってるんだ……」

仁奈「仁奈がさそったからですよ?」

P「理由は?」

仁奈「ここの決まりでごぜーます!」

P「なるほど。どっちから聞いた?」

仁奈「? みちるおねーさんから」

P「ありがとう」

仁奈「仁奈役にたったでごぜーます?」

P「挨拶の場を作ってくれたのはありがとう。でも驚くからこれは駄目」

仁奈「ショボンでごぜーます……」

P「次からは気を付けて」

仁奈「うん!」

P「それと道明寺さん」

歌鈴「あ、はい……!」

P「こんな場所で悪いけど初めまして」

歌鈴「は、初めまして……」

P「深呼吸して」

歌鈴「フー……スゥー……フッフゥー」

P「もう一回」

歌鈴「フッフー……フゥ~……」

P「息は整った?」

歌鈴「ハ、ハィ……少し鼓動は早いですけど……」

P「こんな状況だからね」

仁奈「さっそく仁奈が背中洗ってやるですよ!」

歌鈴「え、あ、ちょ仁奈ちゃ……!」

P「乱暴はよくない」

仁奈「あばれねーでくだせー。洗いにくいですよ」

歌鈴「ひっ、ひゃっ!」

P「暴れると怪我するよ。仁奈も相手が準備できてないのに洗わない」

歌鈴「ど、どうぞ仁奈ちゃん……」

仁奈「あ、ちょっと待つですよ」

歌鈴「?」

仁奈「よいしょ……どーでごぜーます!」

歌鈴「えっと……羊……だね」

仁奈「モコモコですよ! これを持つです」

P「それで?」

仁奈「仁奈にぶっかけるでごぜーます!」

P「目と口に入らないように気を付けて」

仁奈「ンーン、ンンーンー?」

P「いいよ」

仁奈「プアっ。次は仁奈を抱くでごぜーます! ギューしやがれです!」

P「それだと泡立たない」

仁奈「じゃあ揉むですよ」

P「痛かったら言って」

仁奈「ハハッ、ヒャハハハ、く、くすぐってぇですヒャヒャ」

P「泡立った」

仁奈「さぁ、歌鈴おねーさん覚悟しやがれです!」

歌鈴「え──」

歌鈴「うっ、うぅ……洗われちゃった」

仁奈「でっかかったですよ。同じくらいでごぜーます?」

P「オレと比べない。ドライヤーかけるよ。口閉じて」

仁奈「実は女の人でごぜーまわっぷ」

P「ほら、口閉じないから」

歌鈴「…………」

P「驚かせてごめん」

歌鈴「え、あ、いえ。こちらこそ、シャンプーまで用意してもらってたみたいで……」

P「気持ち悪がるのも無理はない」

歌鈴「あ……すみません」

仁奈「まだ乾かねえですか? テレビ始まっちゃうですよ」

P「慌てない」

仁奈「仁奈のテクニックはどーでしたか? 気持ちかったですか?」

歌鈴「う、うん、気持ちよかった……かな?」

仁奈「よかったですよ! これからは仁奈が洗ってやってもいいですよ!」

歌鈴「一人で洗えるよ」

仁奈「仁奈は必要ねーですか?」

歌鈴「あ……たまに頼もうかな」

仁奈「それがいいでごぜーます」

P「……はいこれで大丈夫。先にいってテレビ見てて。音量には注意してね」

仁奈「二人も早く来るですよ!」

歌鈴「…………」

P「やっぱり気が付いたね」

歌鈴「え? あ……」

P「まぁ、どうにかする前に自分のことをきちんと、ね。オレが言うのもなんだけど」

歌鈴「…………」

P「神社の娘って嫌?」

歌鈴「……たまに」

P「こういうのを見ると嫌になるかもね」

歌鈴「…………」

P「幸いここには頼れる同性の人がいるから頼るといい」

歌鈴「はい」

P「洗濯物はそこに置いといて」

歌鈴「わかりまし……あっ──」

仁奈「おせーです!」

歌鈴「ご、ごめんなひゃい」

仁奈「早く座るでごぜーます。あっ、Pさんは仁奈の後ろに座りやがれです」

P「君はどこに?」

仁奈「仁奈は前に座るです」

P「人をクッション代わりにしない」

仁奈「歌鈴おねーさんも座れですよ」

歌鈴「う……うん」

仁奈「? あ、そろそろ仁奈が映るですよ。ほら、あそこでごぜーます!」

P「映ったな」

歌鈴「あ、本当だ」

仁奈「これで仁奈も一人前でごぜーます!」

P「お父さんに見せたら喜ぶな」

仁奈「あっ! 録画してねーです!」

P「してあるよ」

仁奈「え?」

P「レコーダー見て」

仁奈「本当でごぜーます! これでパパに見せれるです!」

P「だな」

仁奈「パパどんな反応するですかね!?」

P「喜ぶよ」

仁奈「さっそく送るでごぜーます!」

P「このままじゃ見られないから編集してから送らなきゃ。簡単にだけどやっておく」

仁奈「メールで送るですか?」

P「そう」

仁奈「それなら仁奈も何か書くですよ!」

P「文章は考えてもらうつもり。流石に君のお父さんに送るものをオレが書くわけにいかない」

歌鈴「…………」

まゆ「ただいま戻りましたぁ」

P「お帰り」

歌鈴「お、お邪魔してます」

まゆ「お邪魔されてまぁす。まぁ一時帰宅なんですけど」

P「今日は向こうで寝るのか?」

まゆ「ホラー映画が思った以上に盛り上がってしまって。あと一本見たら寝ると思います。いえ、寝かせます」

仁奈「寝る前にホラーみたら寝れなくなりやがります」

歌鈴「おばけ怖いもんね」

仁奈「オバケの気持ちにはなれねーです」

P「編集するから少し部屋にこもる」

仁奈「ついてくですよ!」

P「一人でやりたい」

仁奈「ひとりはさみしいですよ? 仁奈がいれば楽しめるですよ! 仁奈で楽しみやがれでごぜーます」

P「邪魔しないなら」

まゆ「後でまゆも合流します~」

歌鈴「あ、じゃあ私はこれで」

まゆ「ところで歌鈴ちゃん?」

歌鈴「ハ、ハイ……!」

まゆ「なんで下着履いてないの?」

歌鈴「!!?」

まゆ「お風呂上がりには着けない派?」

歌鈴「え、あの、なんで」

まゆ「うふ♪ うふふ、うふふふふ──」

あい「お邪魔するよ」

乃々「ひっ……」

輝子「リ、リア充がき、来た……!」

小梅「と、溶けちゃう」

あい「さすがの私もそうやって隠れられると傷付くのだが……」

乃々「な、なんか用ですか……」

あい「どうしてるのかと思ってな。何せ私は世話役ということになっているのでな」

乃々「普通……ですけど」

あい「それなら問題ないな。よかった。見たところ漫画を読んでいるようだな。私もいいかな?」

乃々「ど、どうぞ」

あい「それでは失礼する」

小梅「今度……教卓の下…………入ってみよう……かな」

輝子「キノコーキノコーキコキノコー……コノーキなんの木キノコーのキー、フフ」

あい「ふむ……」

乃々「あの……なにしてるんですか」

あい「机の下というのはどういったところかなと気になってな。フム、なかなかこれはこれは」

まゆ「私の机でなにしてるんですか?」

あい「っ! 君の机だったのか。すまない」

まゆ「あ、退かなくて結構です。二人くらいなら余裕で入れるので」

あい「しかし……」

まゆ「私がいたらなにかまずいことでも? なにか探してたとか」

あい「いや、そんなことしてない」

まゆ「ならいいじゃないですか。すぐ帰りますし。そんなわけで入らせてもらいまぁす」

あい「……私も覚悟を決めよう」

小梅「あ、お菓子取って……」

あい「ん?」

まゆ「はい、小梅ちゃん。どうぞ」

小梅「ありがと……」

まゆ「なにか欲しいものあります?」

あい「ん、特にはない」

まゆ「なにか欲しかったら声かけてください。さて、私もマンガの続きを……」

あい「…………」

まゆ「あ、小梅ちゃん。そっちにある巻取ってくれる?」

小梅「うん……」

まゆ「ありがとう」

あい「…………」

まゆ「あら、過激」

あい「少しいいかな?」

まゆ「はい?」

あい「少し聞きたいことがある」

まゆ「私に答えられることなら。でも余計な詮索はいけないと思いますよ?」

あい「すまない。ではよそう」

まゆ「そうしていただけるとみんな大助かりです♪」

あい「飲み物はあるかな?」

まゆ「なんとここに冷蔵庫が♪ お酒はないですけど」

あい「お酒はいらない。そもそもそんなに飲まない」

まゆ「そういえばそうでしたね」

あい「私もマンガの世界に没頭するか──」

まゆ「ただいま戻りましたぁ♪」

P「お帰り」

まゆ「二人はどこに?」

P「部屋に戻った。もう寝ないといけない時間だからな。今日は道明寺さんと寝ることにしてもらった」

まゆ「日付変わってますもんね」

P「そっちはもう解散したのか」

まゆ「あいさんが解散をかけて。学生は寝る時間ですから」

P「オレ達も寝よう」

まゆ「その前に明日からのこと決めません?」

P「それで誰に復讐するんだ?」

まゆ「始めからそんなにがっつくと嫌われちゃいますよ? まゆ以外に好く人いないでしょうけど♪ というか好かせません」

P「存在さえ認識されないからそれは問題ない」

まゆ「調べるのに苦労しました。危ない橋も渡っちゃいましたし」

P「それでどの層にやる?」

まゆ「>>449層に>>451


>>449
ジュニア(~12歳まで)かティーン(13~19歳まで)かアダルト(20歳以上)かをお願いします

>>451
軽くか徹底的かをお願いします

ティーン

徹底的

まゆ「ティーン層に徹底的に」

P「アイドルの主要層だけあってまだまだ残ってる」

まゆ「プロジェクトの子達も何人かいるので動きやすいですよね」

P「それで今回の標的は誰だ」

まゆ「今回はぁ……>>454


>>454
モバマスのティーン(13~19歳まで)アイドルをお願いします

それ以外または連取は安価下

よしのん

まゆ「よしのんちゃん♪」

P「依田芳乃か」

まゆ「Pさん」

P「なんだ」

まゆ「大人になるって悲しいことなんです」

P「誰かの受け売りか」

まゆ「はい。そうやって事務所でいっていた人がいたのでちょっといってみました」

P「強くなることではなく弱さを認めることだから悲しいことというのは合っているな」

まゆ「喜びを感じたいですね」

P「君の年齢でそう言うのはまだ早い。それこそ悲しいことだ。それで、依田芳乃には何をされた」

まゆ「>>456



>>456
依田芳乃に何をされたかをお願いします

あまりにも変なのは安価下

落としたコンドームを拾われ皆の前で渡された(本人は落し物の正体に気づかず)

まゆ「落としたコンドームをみんなの前で渡されたんです。本人は気付いてないみたいでしたけどそんなの関係ありません♪」

P「落とす方が悪い。でもまゆが落としたところで納得されるだけだ」

まゆ「まゆとPさんの関係が? 愛は隠しきれないですからね♪」

P「君とプロデューサーの関係が」

まゆ「まぁそうしてくれた方が助かりますけど」

P「ところでどんな包装されてるコンドームだ?」

まゆ「クマの絵が描いてある袋に入ったのです」

P「それなら気付いていない可能性もある」

まゆ「コンドーム自体知らない可能性もあるかと思います」

P「本当にそう思ってるか?」

まゆ「いえ、全く」

P「だろうな。それに……」

まゆ「それに?」

P「後にしよう。さて、標的も決まった」

まゆ「♪」

P「ベッドを叩くと埃が舞うぞ」

まゆ「んもぅ、わかってるくせに。アレするんですよね?」

P「プロフィールのお復習だが……」

まゆ「たまにはまゆの声をPさんに響かせたいですぅ」

P「距離が近いですぅ」

まゆ「珍しくノリいいですね」

P「さて、読んでくれ」

まゆ「依田芳乃。パッションを感じないけど不思議な雰囲気漂う16歳。身長151cm、体重40kg。BMI値は17.54。スリーサイズは上から73、53、73」

P「よく覚えてるな」

まゆ「それはもうあの一件以来大好きになりましたから♪ 誕生日は7月3日の蟹座。血液型はO型で利き手は右」

P「合ってる」

まゆ「出身地は……鹿児島県!」

P「少し危なかったな」

まゆ「うふ。趣味は悩み事解決・石ころ集め・失せ物探し。意外と多趣味ですよね」

P「趣味というか使命というか」

まゆ「どういうことです?」

P「それは追々話す」

まゆ「それにしても石ころ集めなんて変わってますね。奈緒ちゃんに見せてもらったアニメでそんな趣味ありましたけど、現実にもあるなんて少し驚きです」

P「意外と多いよ。石にも神が宿る何て言われている。ただ、変なものも憑くけど」

まゆ「石を拾ったはずが馬の骨なんてこともあるってことですか?」

P「そんな感じ」

まゆ「人形もそういうのありますよね。メリーさんとか日本人形とか」

P「オカルトな話だ」

まゆ「小梅ちゃんは喜びそう」

P「話を戻そう」

まゆ「失せ物探しってありますけどこれはそのままの意味ですか?」

P「そのままの意味だ」

まゆ「悩みごと解決は?」

P「そのままの意味だが相談相手が相談相手だからほぼ話を聞くだけになっている。まぁ、昔と変わらないが」

まゆ「昔と?」

P「そのままの意味だ」

まゆ「わけがわかりません」

P「調べればいい」

まゆ「はぁ~い」

P「それでは今日はもう寝よう。お休み」

まゆ「おやすみなさぁい。独り孤独に寝るのは寂しいですが我慢します」

P「お休み」

まゆ「我慢します」

P「そうして。薫も頑張ってる」

まゆ「薫ちゃんがちょっと羨ましい」

P「我慢させるところはさせている」

まゆ「まゆも入院しようかしら」

P「健康そのものだろ」

まゆ「ナカの中まで知られてるって動きづらいです」

P「それが仕事だったからな」

まゆ「いやん──」

依田芳乃「…………」

依田P「おっ、ここにいたのか。探したぞ」

芳乃「むー? あーそなたでしたかー」

依田P「んなとこでどしたんだ?」

芳乃「風に当たっていたのでしてー」

依田P「当たってるヒマないぞ。これから仕事だ」

芳乃「それは知ってるのでしてー」

依田P「あれ? 言ったっけ?」

芳乃「そなたが言わなくともわたくしは知っているのでしてー」

依田P「さすがだな。でも内容までは知らんだろ」

芳乃「写真を撮られるのでしてー」

依田P「マジかよ……」

芳乃「マジなのでしてー」

依田P「ほんと毎度のことながらスゲーな」

芳乃「それではいってくるのでしてー」

依田P「っととと待て待て」

芳乃「なにかー?」

依田P「なにかじゃない。今車だすから待ってろ」

芳乃「近くなので歩きでも問題ないのでしてー」

依田P「こっちが心配なんだよ。ほら、下いくぞ」

芳乃「よしなにー」

依田P「シートベルトしたか?」

芳乃「わたくしを縛るものは不要でしてー」

依田P「お前は何をいってるんだ。バカなこといってないでシートベルトしろ。出れん」

芳乃「少々待つのでしてー……いいのでしてー」

依田P「ほいじゃ出発」

芳乃「でしてー」

依田P「にしても」

芳乃「なにかー?」

依田P「明るくなったよなー芳乃」

芳乃「わたくしは前から変わってないのでしてー。そなたが変わった可能性も捨てきれないのでしてー」

依田P「ハハハ、ないない。会った時は近寄りがたい雰囲気だったが慣れればなんとまあ」

芳乃「そなたに必要だから芳乃がまいったのでしてー」

依田P「ロマンチックだな。男女逆なら」

芳乃「人との出会いに意味など不要でしてー」

依田P「でもまぁ意味はあると思うぞ? っとと」

芳乃「急ブレーキなのでしてー」

依田P「あ、そういやこの前みたいなのやめろよ」

芳乃「なんのことでしてー?」

依田P「ほらアレだよ。テレビ局でお偉いさんにいった一言だよ」

芳乃「あの方には悪い気がついていたので注意したまででしてー」

依田P「それでも場所選んで」

芳乃「嘘をつくなとばばさまに言われてるのでしてー」

依田P「とにかくやめろ」

芳乃「そなたが言うならやめるのでしてー」

依田P「さて、そろそろ着くぞ」

芳乃「今日はどなたが来るのでしてー」

依田P「たしか映画監督だったっけな。あまり有名じゃないからよく知らん」

芳乃「空想に生きるのですねー」

依田P「それ本人の前で言うなよ」

芳乃「了解なのでしてー」

依田P「しかし仕事が少しやりにくくなったな」

芳乃「そうなのでしてー?」

依田P「少しな。でも芳乃のおかげで助かってるよ」

芳乃「そなたは放っておけない運気に満ちてるのでー」

依田P「そんな子供っぽいか?」

芳乃「それとは少し違うのでしてー」

依田P「おっ、着いたぞ──」

P「…………」

まゆ「考え事ですか?」

P「計画を立ててる」

まゆ「今回はまゆが立てますよ? 主にまゆが恨みがあるので」

P「少し考えてることがある。邪魔はしないさ」

まゆ「なんだか共同作業みたいですね。夜の方は散々してますけど♪」

P「電話をかけてくる」

まゆ「はぁい♪」

仁奈「お邪魔しやがりますですよ!」

まゆ「こんにちは仁奈ちゃん」

仁奈「こんにちはですよ!」

まゆ「一人で来たの?」

仁奈「美優おねーさんもいやがるですよ! これから散歩でごぜーます。まゆおねーさんもいくですか?」

まゆ「これからやることがあるから残念だけど行けないの。今度また誘って」

仁奈「わかったですよ!」

まゆ「あ、仁奈ちゃんはなにか縫うものある?」

仁奈「縫ってくれやがるですか?」

まゆ「あるなら持ってきて」

仁奈「それなら仁奈のキグルミがあるですよ! お腹のところやぶれていたそうでごぜーます」

まゆ「あら、それは痛そう。すぐに治してあげないと。どこにあるの?」

仁奈「部屋のタンスにしまってあるです」

まゆ「取りに行ってもいいかしら?」

仁奈「あ、仁奈がとりにいくからだいじょぶですよ」

まゆ「そう?」

仁奈「美優おねーさんが来たらよろしくですよ」

まゆ「えぇ」

??『──はい、エビフライパイナップルです』

P「なんですかそれ」

??『もう面倒なのでこれにしようかと。それでなにか?』

P「今日は機嫌がいいですね」

??『まぁ、これでも一応オフの日なので。それでなにか?』

P「それは失礼しました。聞きたいことがあってお電話差し上げました」

ル『聞きたいこと? 仕事ですか?』

P「そうといえばそうですが、違うといえば違うことでして」

ル『ちょっと待ってください。今メモを用意するので』

P「これはオフレコでお願いします」

ル『……わかりました。それじゃあ、あ……ちょっと待っててください…………こらァー替え玉は2杯までって言ったでしょ! 育ち盛りだからしかたない? 体型が変わらないから大丈夫? それはあっちご特殊なんであって普通の人は…………うん、わかればよろしい。あ、すみませんお待たせしました』

P「相変わらず賑やかですね」

ル『いやいや、お恥ずかしい限りです。それで話というのは?』

P「困っていることはありませんか?

ル『今の状況』

P「それ以外で」

ル『それ以外は特には……ん? お代わりできなくて困ってる? だからお代わりは、あっ! ちょっとなにお店出てるの!? え、一人いるからいい? あのね、一人にしておくとどこにいくかわからな、あぁもう!』

P「忙しそうですね。また連絡します」

ル『すみませんこちらから折り返し掛けますので! ちょっとあ……!』

P「…………」

まゆ「お電話済みました?」

P「また電話するが取りあえずは終わった。まだ決めかねてはいるが、そちらの計画に響くことはない」

まゆ「それ考慮して動きます。あ、それと仁奈ちゃんと美優さんは公園に散歩にいきました。ウサギのキグルミ着て」

P「わかった」

薫「ただいまー!」

まゆ「あら、お帰りなさい」

奏「…………」

P「いらっしゃい」

奏「……ただいま」

薫「あいお姉さんの車すごいよー!」

P「車で来たのか」

奏「姉妹に間違えられて少し大変だった」

薫「奏お姉ちゃんは薫のお姉ちゃんいや?」

奏「ン、そういうことじゃない」

薫「そっか!」

P「薫、帰ってきたらどうするんだった?」

薫「手洗う! それとうがい! いこっ、奏お姉ちゃん!」

あい「ふぅ……」

P「お疲れ様です」

あい「姉妹か……」

P「間違えられたらしいですね」

あい「二人は、な。私のことを見て何て言ったと思う?」

P「想像もつきません」

あい「お母さんだよ? 失礼だと思わないか? いや、薫の母親に間違えられたからというわけではない。しかし、そんなに年を取ってるように見えるかい?」

P「しっかりして見えるので25以上に見えます」

あい「これでも二十代前半なんだがね……ハァ」

P「格好いい女性というのも大変ですね。さて、洗面台混んでると思いますが手を洗って嗽をしてきてください」

あい「おっと、そうだな。うがい薬はあるかな?」

P「戸棚にあります」

あい「ありがとう。あ、それとだな」

P「何か?」

あい「ここに来る途中知ってる人を見掛けた」

P「それは?」

あい「名前までは覚えていないが……依田芳某……だったかな? 彼女を見かけてな」

P「それのどこが疑問なんですか?」

あい「彼女のことはよくわからないがここら辺で見掛けた。ここら辺といっても車での距離だが一応報告を入れておこうと思って。知り合いだったかな?」

P「こちらは知ってますが向こうは知りません」

あい「それは危ない発言に聞こえるが大丈夫かな?」

P「そちらに迷惑はかかりません」

あい「君とどんな関係なのか知らないが、私は余計なことを言わずにいる」

P「そうしてください」

あい「ここのことはバレたらまずいのだろう?」

P「はい」

あい「私も気を付けておく。さて、洗面台にいくか」

仁奈「──犬の気持ちになるですよ!」

みちる「ワンワン」

薫「わんわん!」

仁奈「ワンワン!」

みく「……ネコの沽券にかけて絶対鳴かない」

みちる「おう犬だよ」

みく「い、や」

P「犬の気持ちになるのはいいが急にどうした」

仁奈「うさぎの気持ちにもなるですよ?」

美優「今日散歩にいったらペットを探してた女の子がいて、それを手伝ったんですけど見付からなくて……」

P「だから気持ちになるですか」

仁奈「うさぎの鳴き声ってどんなんでごぜーます?」

みく「たしかブモブモらしいよ」

みちる「ブタ?」

薫「よく鼻?動かしてるよね」

仁奈「お鼻をヒクヒクさせるでごぜーます! プゴ」

みちる「あ、変な音鳴った」

仁奈「ブタになっちまったですよ」

まゆ「それにしてもネコはともかく兎なんて珍しいですね」

みちる「ピョン!」

薫「ぴょん!」

仁奈「美優おねーさんもいっしょにやるですよ!」

美優「ぴょ、ピョン……」

P「ケージに指を突っ込まなければ噛まれる心配もない。なにより静かだ。糞の始末もあまりしなくていい。ただ、少し知識は必要だが。だから人気なんだ。マンションによっては兎なら許可してるところもあるくらいだ。あとは亀も人気だ」

みちる「だそうです」

みく「なんでみくを見るのかな? もしかしてネコをディスってるにゃ?」

美優「そういえばあの犬どこかで見たことが……」

仁奈「クマじゃねーんですか?」

みちる「クマみたいな犬? そういえばクマって犬科? それとも猫科? どっちなの?」

みく「鈍そうだから犬じゃない?」

まゆ「それだと狼の立場がなくならない?」

仁奈「オオカミなら仁奈持ってるですよ! 着やがるですか?」

P「犬の気持ちか……」

まゆ「あ、そういえば少し聞きたいことがあるのですがいいですか?」

P「何かな」

まゆ「ここじゃ話せないので向こうで♪」

P「わかった──」

P「それで話というのはなんだ」

まゆ「二つあります。一つは芳乃ちゃんの掲示板が見付からないことです。どこを探してもないんです。少しくらいあってもよくないですか?」

P「プロデューサーのせいだ」

まゆ「プロデューサーの?」

P「火消しに回ってる。そのための時間を作ってるくらいには力をいれてる。これは少数だが他のプロデューサーもやってる」

まゆ「ステキですねぇ」

P「やっていることの是非を問わなければ力を正しく使う事ができる人物だ」

まゆ「大手の融通と機転が利くプロデューサー。うふ、ステキですね。さぞかし持てることでしょうね。それでPさんもお手上げなくらいですか?」

P「彼が消した数の方が上回ってるが知っている」

まゆ「見せてください♪」

P「少し待って……はいどうぞ」

まゆ「それでも数多いですね」

P「これが数時間後には煙のようにポッと消える」

まゆ「大手アイドル事務所って怖いですね。味方で良かったです♪」

P「それが"味方"ならね」

まゆ「あまり書き込まれてませんね」

P「依田芳乃関連の掲示板はすぐに消えるなんて噂があるくらいだからな。物好きくらいしか書き込まない。挑戦するやつが多いときはレス数もぐんっと伸びてるが……これでも多いくらいだ」

まゆ「あ、これなんて面白いですね」

P「どれだ」

まゆ「>>489>>490


>>489
>>490
依田芳乃に対するアンチレス及び悪口をお願いします

それ以外及びあまりにも変なのは安価下

趣味の失せ物探しって実は人のもの隠しておいてあたかも今見つけたように振舞ってるらしいぜ

この糞ぷにあなDX

>>489は採用しますが>>490が文字バグで読めないので再安価します

安価下

まゆ「趣味の失せ物探しって実は人のもの隠しておいてあたかも今見つけたように振る舞ってるらしいぜ。らしいぜ。」

P「概ねあってる。それにしてもなんで最後を二回言った」

まゆ「なんか唇が嬉しくありません? らしいぜって。あいさんにいってほしいです。それで概ねとは?」

P「名前の書いてあるものも拾ったらそのままだからな」

まゆ「財布や貴重品の類いは危ないですね」

P「現金はなくならない。そんなので稼ごうとするほど馬鹿ではない。なにより信頼がなくなるリスクがある」

まゆ「増えてても怖いですけどね」

P「全くだな」

まゆ「キャラにしてもあのしゃべり方は気持ち悪いわ。池……沼?見てるみたい、と。池沼ってなんですか?」

P「イケヌマともチショウともいう。知的障害者の略称で『知識』の知に『障害』の障で知障だが、ネットスラングで池に沼で池沼と読ませている」

まゆ「たしかにそう見えますね。頭がおかしいのでして~」

P「伸ばし棒であって縮めた伸ばし棒の発音じゃない」

まゆ「でしてーブーブー」

P「それでもう一つというのは?」

まゆ「もう一つは──」

芳乃「探しものでしてー?」

依田P「あぁ。正確には小さな仕事だがな」

芳乃「探偵でもするのでしてー?」

依田P「いや、雑誌の取材も兼ねてな」

芳乃「それは大変でしてー」

依田P「取るに足らない小さな雑誌社だからミスは気にするな」

芳乃「わかったのでしてー」

依田P「まぁ気楽にやってこい」

芳乃「そたなは来ないのでして?」

依田P「プロダクションに呼ばれててな」

芳乃「繋ぎ止めるのは大切なのでしてー」

依田P「だな。さ、行ってこい!」

芳乃「そなたも気を付けてくだされー」

依田P「あぁ」

芳乃「今回はなにやら不穏な気を感じるのでー」

依田P「おいおい、怖いこと言うなよ……」

芳乃「用心は肝心なのでしてー。努々お忘れなきようー」

依田P「プロダクションに危ないアイドルいるけどこっちに興味なさそうだしなぁ」

芳乃「女心は山の天候でしてー。移ろい易く気まぐれー」

依田P「嫉妬か?」

芳乃「そうではないのでしてー」

依田P「ま、気を付けておくは。じゃ」

芳乃「そなたの幸運を祈ってましてー。お互い祈りましょうー」

依田P「おう──」

記者「それではこれから相談者を通します。進め方はあなたの自由で構いません。それではお願いします。あなたの力を信じてないわけではないのでご安心を。先ほども言いましたようにこれが成功すればむしろ……というわけです。それではどうぞ!」

芳乃「任されましてー」

???「はい……ぁい……」

芳乃「いきなり陰気なのでしてー」

???「ハァ……」

芳乃「どうかいたしましてー?」

???「あ、えっと本名じゃないとダメ?」

芳乃「わたくしはそなたを縛る気はないので自由に名乗るとよろしいのでしてー」

???「あー……えっとー、自分はアマミっていうんだぞ」

芳乃「よろしくお願い致しますーアマミ殿ー」

アマミ「うん……」

芳乃「今日はどういったご用件でー?」

アマミ「家族が逃げたんだぞ……」

芳乃「失踪でしたかー。続きが聞きたいのでしてー」

アマミ「今回は長くて……家出自体は珍しいことじゃないんだけど……あ、あはは」

芳乃「家族の名前を教えていただきたいのでしてー」

アマミ「ブタ蔵にハム太にうさ吉、ネコ江……」

芳乃「変わったお名前なのでしてー」

アマミ「みんなどこ行ったんだ……」

芳乃「原因はなんなのでしてー?」

アマミ「自分、みんなのエ……ご飯を食べちゃったんだ」

芳乃「食べ物の恨みでしたかー。家出は今回が初めてでー?」

アマミ「いやえっと……5……7……たくさん」

芳乃「ならば心配ないのでしてー。すぐ見つかるのでしてー」

アマミ「えっ、そうなの?」

芳乃「さすがに慣れてるので家出にそんなに意味はないかとー」

アマミ「抗議の家出ってことなのか……ああぁ学習しない自分がイヤになる」

芳乃「それでは探しに行くのでしてー」

アマミ「えっ、今から?」

芳乃「場所は大体わかるのでー」

アマミ「まるで探偵みたいだぞ……」

芳乃「探偵とは違うのでしてー。そんなことより早くいくのですー」

アマミ「情報はもう……というか記者さんは」

芳乃「気にしなくていいとのことなのでー」

アマミ「そっか。じゃあ行くか」

芳乃「足元に注意するのが吉でしてー」

アマミ「えっ?」

芳乃「そなたはあまり良くない運気が漂っているのでー」

アマミ「失礼なやつだな……まぁあんまり運はいいほうじゃないけど」

芳乃「気を悪くされたなら謝りますー」

アマミ「イジリには慣れてるぞ。それより早く捜してほしい」

芳乃「よほど大切なのですねー」

アマミ「当たり前だぞ。おかげでこっちでも寂しくない」

芳乃「? 話が見えないのでしてー」

アマミ「ん? あぁ、自分一人暮らしなんだ」

芳乃「それにしては家族とおっしゃってたのはー」

アマミ「本当の家族のように大切だってことだぞ」

芳乃「なるほどー。それでは出発するのでしてー」

アマミ「待ってろみんな──」

芳乃「そろそろ着きますー」

アマミ「サクサク進んでるけどこっちでいいのか? 来そうにないとこだぞ」

芳乃「目には目をー歯には歯をーなのでしてー」

アマミ「よくわかんな、あっ」

芳乃「どうしたのでしてー?」

アマミ「ちょっと待ってて……もう。こんなところに放置するなんて風上にも置けないぞ」

芳乃「不浄を掴むとはーなんと豪胆なー。しかし穢れを祓うのは大事なことでしてー」

アマミ「なんかよくわかんないけどこんなの当たり前だぞ。それよりこれから行くとこにみんないるのか?」

芳乃「皆がいれば幸いなのでしてー。しかし少なくとも名前的に二人はいるのでしてー」

アマミ「?」

芳乃「着きましたー」

アマミ「……なぁ、なんでここ選んだ?」

芳乃「名前から推測しましてー」

アマミ「どうしてそうなるんだ?」

芳乃「ブタ、ウサギと付くくらいですので好きなのかとー」

アマミ「……ニックネームじゃないぞ」

芳乃「はいー?」

アマミ「だからニックネームじゃないって。ちゃんとした名前。それに共食いになっちゃうぞ」

芳乃「もしや人間ではなくブタ様なのですかー?」

アマミ「逆になんだと思ったんだ……」

芳乃「近ごろ流行りのキラキラネームか愛称かとー」

アマミ「さすがに受理されないし、自分の家族にブタなんてニックネームつけないぞ……」

芳乃「すみませぬー勘違いしておりましたー」

アマミ「まぁ自分もきちんと説明してなかったからしかたないけど……」

芳乃「そうとわかれば動くのでしてー」

アマミ「次はもっときちんとしたとこ行ってよ……さすがにファミレスはないぞ」

芳乃「支払いで困らせるものかと思いましてー」

アマミ「それはいつもだぞ……」

芳乃「はいー?」

アマミ「なんでもない。それより次行くぞ」

芳乃「次こそはー」

アマミ「なんか心配──」

芳乃「着きましてー」

アマミ「……なぁ、なんでここに来た」

芳乃「意外とここにいることが多いのでしてー」

アマミ「…………」

芳乃「どうしたのでしょうー?」

アマミ「……もういいぞ」

芳乃「もういいとはー? 怖くとも現実からは逃げられないのでしてー」

アマミ「怖いという前に失礼だぞ。人捜しで即お墓にいくようなものだぞ」

芳乃「それでも現実なのでしてー。それに区別はつけてるのでしてー」

アマミ「…………」

芳乃「どこにいくのでしてー?」

アマミ「帰る」

芳乃「帰られると困るのでー。それにご家族が見つかってないのでしてー」

アマミ「自分で探す」

芳乃「あぁー……行ってしまったー。心の弱き人なのでしょうかー? とりあえず戻りましょうー」

P「──こんにちは」

ル「あ、おはようございます」

P「…………」

ル「どうかしました?」

P「あ、いや少し考え事を」

ル「取引先を前に考え事ですか?」

P「すみません。でも今日は仕事の話ではないですよ」

ル「言ってみたかっただけです。私も一応休日ですし」

P「だからパイナップルなんですね」

ル「担当アイドルなら怒ってるところですよ?」

P「彼女の様子はどうですか?」

ル「もう怒ってません。今は落ち着いてますよ。帰ってきた日はびっくりしましたよ」

P「怒って歩いてる彼女を見かけたので気になって。本人に声をかけたら噛みつかれそうだったのでこんな形で聞いてしまうことになってしまって」

ル「下手に触らなくて正解ですよ。あの日は私も噛みつかれましたから」

P「聞いた話によると家族を侮辱れただとか。ところで先程の抗議とは?」

ル「あんまり大きな声じゃ言えないんですけどね。実は仕事上のトラブルで……」

P「他のアイドルとの衝突ですか? それともスタッフですか?」

ル「あー、んー……前者です」

P「そうすると厄介ですね」

ル「相手はそのなんていうか……いわゆる"大手"でして。こっちも心臓飛び出ました」

P「"大手"ですか」

ル「"大手"です。弱小事務所のうちなんてとてもじゃないけど敵いませんよ」

P「それでも抗議は抗議、問題は問題ですよ」

ル「そうですね。あ、コーヒーおかわりで」

P「コーヒー代払いますよ」

ル「それじゃあミートソースも追加でお願いします」

P「そういうところいいですね」

ル「あ、すいません。この業界にいるとなかなか軽口叩ける人いなくて……」

P「そういう反応も──」

芳乃「電話が鳴ってるのでしてー」

依田P「ホイホイ……はいお待たせしました! あ、お久しぶりです。はい? えぇ、たしかにその日はそうでしたよ? え? ちょっと待っててください」

芳乃「どうしたのですかー?」

依田P「いやさ、今プロダクションの方から電話かかってきたんだけどさ、なんかこの前の取材でクレームが来てるんだってさ」

芳乃「なにも問題はなかったと記憶しておりますー」

依田P「本人なにも問題ないっていってますけど? えっ、はぁ……? ハァ? ちょっと待ってください、そんなこと一言も聞いてないんですよ!」

芳乃「?」

依田P「正式な抗議ってちょっ! 相手の事は一言も……! はい、えぇ、ハイ…………わかりました」

芳乃「何かあったのでしてー?」

依田P「この前の取材の件でクレーム入ったからその対応にいってくる」

芳乃「何か力になるのでしてー」

依田P「大丈夫。それにこれはお前の力を越えてる」

芳乃「それでも手を貸すのでしてー」

依田P「ハハハ、オレに任せておけ。それにいくらなんでも向こうが大人げないっての」

芳乃「そなたにはわたくしがついているのでー」

依田P「おう! それじゃな!」

芳乃「一人は寂しいのでしてー」

まゆ「お邪魔しまーす」

芳乃「誰でしょうー?」

まゆ「依田芳乃さんの事務所はここですかぁ?」

芳乃「わたくしが依田の芳乃でしてー」

まゆ「あら、本当だわ。仕切りで見えなかった。おはようございます。今時間いい?」

芳乃「よろしいのでしてー」

まゆ「オフレコで頼みたいことがあるの」

芳乃「秘密ということですかー。よろしいのでしてー」

まゆ「とある子がネコを探してるんだけどそれに協力してあげてほしいの」

芳乃「失せ物探しなら任せてほしいのでしてー」

まゆ「よかった。あなたの失せ物探し評判だから助かるわ」

芳乃「特徴を教えてもらってもよろしいでしょうかー?」

まゆ「特徴は──」

芳乃「そんなわけで寂れた場所につきましたー」

芳乃「なんだかおどろおどろしい場所なのでー。こんなところからは早く立ち去るべきかとー。魑魅魍魎が出る前にー」

芳乃「お邪魔しましてー。おや、真っ暗。こんなときは……」

芳乃「携帯電話なのでしてー。明かり代わりになるなんてとても便利ー」

芳乃「おやー?」

芳乃「こんなところにたくさんの籠があるのでしてー」

芳乃「これは動物用の檻でしょうかー? 大きいの小さいの様々でどれがどれやらー」

芳乃「とりあえず大きすぎるのは省いていくのでしてー」

芳乃「それでも結構な数がありますー。何かいい手がかりはないのでしょうかー」

芳乃「少しでも話したことがあると分かりやすいのですがーこれは依頼人が秘密なので面倒なのでしてー」

芳乃「それにしてもーここはなんだかホコリ臭いのでしてー。あまり長くいたくないー」

芳乃「他にも糞尿にヨダレに血の臭い……ケモノの"気"は苦手でしてー」

芳乃「迅速に探しましょうー。それにしても今週は動物に縁があるのでしてー。これは吉兆か凶兆かー」

芳乃「探し物の大きさからしてー……これはないとしてー、これもーこれもー。これは……捲れないのでしてー。でもこれでないのは確かなのでしてー」

芳乃「……暗闇にいると色々思い出すのでしてー」

芳乃「これは……札がついてるのでしてー。預かり場所に期間、特徴にー……名前は書いてないのは心配ですがーこれで合ってるのでしてー。これに間違いないでしょー。さて戻りましょ──」

クラリス「…………」

まゆ「緊張してます?」

クラリス「はい。人の秘密を暴くみたいでなんだか気分が……」

まゆ「今さらなこと言われても困っちゃいますねぇ。これをどう解釈するかは各人に任せましょう」

クラリス「…………」

まゆ「あ、連絡。はい、こちらまゆです♪」

美優『あっ、まゆちゃん。そろそろプロデューサーがそっちにいくわ』

まゆ「了解です」

美優『私もそっちに向かうから』

まゆ「お待ちしておりまぁす」

クラリス「始めるのですね」

まゆ「もう始まってますよ? さってと…………よいしょ」

クラリス「机の下に隠れてどうするのですか?」

まゆ「ここから見てますよぉ。私はいないことにしてください」

クラリス「少し不快ではないですか?」

まゆ「机の下っていないと落ち着くんです。出るとき頭を打ちさえしなければ。そろそろ来ますのでよろしくお願いします」

クラリス「……わかりました」

美優「えっと……まゆちゃんにはプロデューサーさんと鉢合わせしてって言われてるけど……」

依田P「あれ、うちの事務所になにか用ですか?」

美優「えっ、あ」

依田P「よく見たらあなたは……三船美優さんですよね?」

美優「あ、はい……」

依田P「あーやっぱり。有名脇役で有名な」

美優「アハハ……そうですか」

依田P「それでうちの事務所になにか? 芳乃ならまだ帰ってないと思いますよ?」

美優「実はその芳乃ちゃんのことで相談が……」

依田P「芳乃に相談ですか? なら……」

美優「いえ、芳乃ちゃんのことで相談があるんです」

依田P「は?」

美優「実は……」

クラリス「…………」

依田P「ん? あれ、なんでうちの事務所から……」

美優「あ……」

クラリス「こんにちは」

美優「こんにちは……」

依田P「こんにちは……いやいやなんでうちの事務所から出てきたんですか」

クラリス「初めまして。私は……」

依田P「知ってますよ。クラリスさんですよね? シスターだったとか」

クラリス「はい。知っていていただいてありがとうございます」

依田P「それよりなんでうちの事務所にお二人が?」

クラリス「芳乃さんのことでご相談がありまして……詳しくは中に入ってから話します」

依田P「なんなんだ?」

美優「あの、もしかして……」

クラリス「……施錠を」

依田P「え? あ、はい」

美優「…………」

依田P「それで話とは?」

クラリス「これを見てください」

依田P「いろんなものがありますね。それがなにか?」

クラリス「これは芳乃さんのロッカーから出てきたものです」

依田P「芳乃のロッカーから?」

クラリス「そしてこの中の1つ。これには何て書いてありますか?」

依田P「察するに持ち主の名前ですね。これがなにか? 落とし物でしょう」

クラリス「はい。細かくいえばそうではありませんが」

依田P「どういうことですか?」

クラリス「持ち主がわかっている落とし物を"保存"しているのです」

依田P「え?」

美優「実は少しから芳乃ちゃんがみんなのものを保存している、そんな噂が流れてるんです。それで気になってここに……」

クラリス「私の性なのでしょうか。私も気になり、中で調べていたところお二人にお会いしました」

依田P「いやでも……」

クラリス「芳乃さんはたまにいなくなるときがありませんか?」

依田P「四六時中いっしょってわけじゃないですけどたまにいなくなりますね。そこが魅力でもありますが」

美優「じょあその時に……」

クラリス「拾ったものをここに持ってきていると見て間違いないでしょう」

依田P「いやいや仮にそれをしていたとして何で芳乃が?」

クラリス「理由はわかりません。名声の為なのか存続の為なのか。あるいは両方か」

依田P「存続?」

クラリス「自分の力、芳乃さんの場合は失せ物探しの力の衰退を認めたくないが為という意味です」

依田P「いやいやいやいや。芳乃の力は本物ですって」

クラリス「なにも怪しいところはないと?」

依田P「怪しいっていうか不思議なところはありますけどね」

クラリス「例えばなんでしょう」

依田P「例えば……例えば、そうだな例えば……出会ったときのことですかね。なにやらこっちが捜してたことを知ってました」

クラリス「…………他には。なにか問題を起こしたといったことはありませんか?」

依田P「問題? あーないということはないですがあなた方に話していい問題はありません」

クラリス「それでも信じられるのはよほど信頼してるのですね」

依田P「まぁ、担当アイドルですから」

クラリス「私も経験がなく、直感でものを言っているわけではないのです。それに話せない問題があると今……」

美優「あの……それなら……それなら見てあげればいいのではないでしょうか。本当に信頼しているなら……出来ますよね? いえ、してあげてください」

依田P「いや、でも……」

美優「怖いのはわかります。私もそういうこと経験しました。だから、だからこそ信頼……してあげてください」

クラリス「…………」

依田P「……わかりました」

クラリス「帰ってきたら話してあげてください。私からもお願いします」

依田P「……はい」

クラリス「私達はこれで。くれぐれもこの事は他には言わないでください」

依田P「言いませんよ──」

芳乃「ただいま戻ったのでしてー」

依田P「お帰り」

芳乃「あれーなぜそなたがこんな時間にー?」

依田P「ちょっとな。それでこれはなんだ?」

芳乃「おやーそれはー拾い物ではないですかー。見てしまったのですかー」

依田P「うん。で、これは?」

芳乃「まごう事なき落とし物でしてー。持ち主から依頼が来るまでそこに置いてるのでしてー」

依田P「名前が書いてあるのもか」

芳乃「必要としなければそのまま捨て置くのでしてー」

依田P「これはドロボーと変わんないぞ。こんなことはもうするなよ?」

芳乃「それは約束できませぬー」

依田P「……注意したからな。んでそのバッグの中身は?」

芳乃「生き物なのでしてー。今は眠っております故お静かにー」

依田P「生き物? なんだ?」

芳乃「極秘なので言えませぬー」

依田P「あのな、中身がわからないモンここに置かせると思うか?」

芳乃「それは困るのでしてー。なればそなたには話しておいた方がいいと判断しますー。とある方から猫を探してほしいと頼まれましてー」

依田P「とある人?」

芳乃「わたくしからは言えませぬがーそこにー」

依田P「このバッグに? ん、あー、あーあーなるほどね。そういやいなくなったみたいなこと言ってたらしいな。違いがわからんが」

芳乃「雰囲気やオーラのようなものといえばわかりやすいかもしれませぬー」

依田P「オーラねぇ。うしっ、開けてみるか。本当にあってるかわかんないし。にしても臭うな」

芳乃「開けるのでしてー」

依田P「そんなに勢いよく開けたら、ウッ……!」

芳乃「おやおやー」

依田P「ゲホゲホ窓開けろ、窓!」

芳乃「これはー」

依田P「死んでるじゃオエねえか!」

芳乃「暑さにやられたのでしょうーナムー」

依田P「くっさ。とりあえずどうするか」

芳乃「供養するべきかとー」

依田P「そうじゃなくて報告どうするかだよ。こんなの報告できねえだろ」

芳乃「報告はするのでしてー」

依田P「ハ?」

芳乃「報告はしなくてはー」

依田P「もちろん見付からなかった、だよな?」

芳乃「ありのままを言うのでしてー」

依田P「いやいやいや相手の年齢考えて」

芳乃「嘘はよくないのでー」

依田P「そんなことしたらお互い大変なことになるって!」

芳乃「ならばそれは避けられないことなのでしょうー」

依田P「避けられる避けられる。お前が言わなきゃいい」

芳乃「それはできないのでしてー。ばば様から嘘はよくないと口を酸っぱくして言われてるのでしてー」

依田P「……その考えは変わらないのか?」

芳乃「はいー」

依田P「そうか……ちょっとそこで待っててくれ」

芳乃「はいー?」

依田P「待ってろ──」

芳乃「そなたこれはどういうことでしてー? なぜわたくしは男性に両脇を固められてるのでしてー?」

依田P「前からおかしいって思ってたんだよ。なんつうか人としての感性感受性がないなって。逆ナンみたいにここに来たしよ」

芳乃「わたくしをどうするのでしてー?」

依田P「あ? そんなの左右見ればわかるだろ。入院させるんだよ、入院」

芳乃「わたくしどこも悪くない健康体なのでしてーそれは不要かとー」

依田P「心のだよ、心の。精神だな。お前は立派な精神病。統合失調症だよ」

芳乃「ばば様が黙ってないのでしてー」

依田P「そっか。こわいこわい。それじゃよろしくお願いします」

芳乃「話し合うのでしてー!」

依田P「話し合うよ。医者とな。早く連れてってください。これ以上見てたくない」

芳乃「そなた、そなたー!」

依田P「あの呼び方も変だよなぁ──」

??「……そういう人たちの事を神格化したりするんですよ。巫女として、或いは信仰の対象として。イタコやゆたなんかもその類いです。まぁ、多少違いますがね」

小梅「妖怪……みたいなもの……?」

??「それもありますね。しかし現代では精神病か親無し扱いが良いところでしょう。その扱いが良いのかどうかは面白いところです。あなたはどう思いますか?」

小梅「えっと、ね……わ、私……は……」

?「…………」

みちる「くっ……くくっ……!」

?「理解できない……」

みちる「イス、イスでスーッて、フクク」

美優「…………」

?「動かないな」

美優「ッ…………ッッ……」

?「こっちもか……」

P「それではお願いします。手付金はこれで」

まゆ「病院でお金渡すなんていけない人♪」

P「人目を引くようで引かない。診察は終わったか」

まゆ「薫ちゃんも私も終わりました」

P「それじゃ帰ろう」

まゆ「奈緒ちゃんを待たなくていいんですか?」

P「彼女は彼女でやる。そこにオレはいない方がいい」

まゆ「まぁ"オレ"はいない方がいいかもしれませんね」

P「それと"例の彼女"は……様子を見に行くか? 説明するより見た方が早い」

まゆ「イケない人ぉ♪」

P「面会出来るように手配してくる」

まゆ「鏡の向こうから?」

P「近くには寄れないが担当医に話を聞くことはできる」

まゆ「守秘義務ってありません?」

P「家族と保護者は別。そうでなくとも……」

まゆ「どうにかしちゃうのが貴方ですものね。きゃあまゆこわぁい」

P「書面で見るだけだと言おうとしたんだが、そう思ってたのか」

まゆ「アン、やぶ蛇」

P「行ってくる」

まゆ「まゆもいきまぁす」

P「薫を待ってて」

まゆ「最後に採血したのでまだ動けないですよ? 子どもは少し長めに休ませるみたいで」

P「動き回るからな。病院からしたら貧血で倒れられたら堪ったもんじゃない」

まゆ「親からは?」

P「親も困るが病院に責任を転嫁出来るだけ気が楽」

まゆ「ふぅん」

P「さて、精神科に着いた」

まゆ「私が手続きしましょうか? まゆなら嘘つく必要ありませんから」

P「普通の科じゃないから相手にされない」

まゆ「わかりませんよぉ? まゆ、口は上手いですから。あなたも知ってるでしょ?」

P「それじゃ頼む」

まゆ「はぁい──」

まゆ「ババ様……ババ様……患者はその事ばかり呟いている……」

P「…………」

まゆ「時折、何処かを見ながら手を振っている。これもあの影響なのか、フラッシュバックなのか。それはわからない」

P「…………」

まゆ「食生活は良好、認識機能に問題あり……ふぅん」

P「満足したか?」

まゆ「えぇまあ……ただ"あの影響"ってなんですか? 人体実験でもやってるんですか?」

P「彼女の出生……育ちについての事だ。両親はおらず、祖母……ババ様とたくさんの"親切な人々"に育てられたと言っておこう」

まゆ「……あ」

P「崇拝されるアイドルが天職というのは"そういう事"だ」

具体的に何の状況を知りたいのかわかりませんがこれまでの話をおおまかにまとめるなら
・Pと生活してたのはまゆと薫
・Pの仕事のひとつに講座がある(低年齢向けと海外勢向け)
・Pのクビ後の収入源は謎
・Pと比較的仲が良い人物(荒木先生等)がいる
・アイドルはもとより同じ会社の人にあまり知られていない
・とある理由から765プロの人達からは少しだけ知られている

なんか抜けてるとこあったらレスください
まぁわかりにくいのは安価進行なので関係ある人とない人がまぜこぜになってるからだと思います

まゆ「ということはババ様というのは……」

P「思ってる通りだ」

まゆ「ある意味被害者だったんですね」

P「加害者でもあるがな。オレに幻滅したか?」

まゆ「いえ。ある意味救ったのでチャラです」

P「そうか」

まゆ「あ、それなら今日はオムライスにしません? 夕飯」

P「それなら卵を買っていかないとな」

まゆ「ケチャップライスにまゆの愛情を足せば色鮮やかな赤に♪」

P「一本電話をかけてくる。読み終わったら受け付けに返しておいて」

まゆ「はぁ~い──」

P「それでは失礼します」

まゆ「終わりましたかぁ?」

P「終わった」

まゆ「それじゃ帰りましょう♪」

奈緒「あ」

まゆ「あら♪」

奈緒「……おっす」

P「そっちも終わった?」

奈緒「まぁ……うん」

P「それじゃ帰るか」

まゆ「タクシー拾ってきますねぇ」

奈緒「あ、おい……」

P「…………」

奈緒「…………」

P「北条さんは?」

奈緒「見るところがあるから先帰っててくれってさ……」

P「病院内だからそんなに心配する必要はないよ」

奈緒「どこだか知ってるのかよ……」

P「本人から聞いて」

奈緒「それ聞けたら苦労しないっての……」

P「苦労して聞いてこそ価値が見出だせる」

奈緒「…………」

P「…………」

まゆ「お待たせしましたぁ」

薫「おまたせー!」

P「ここもまだ病院内だから静かに」

薫「あ、ごめんなさい……」

P「注射はどうだった?」

薫「いたかった! でも泣かなかったもん。えらいでしょー」

P「あぁ」

薫「へへー♪」

まゆ「帰ったら特大サイズのオムライス作ってあげるわ」

薫「ほんと!? それならケチャップたっぷりごいい!」

まゆ「うふ、わかったわぁ」

P「病院内」

薫「やったー」

奈緒「…………」

P「行くよ」

奈緒「……加蓮待ってる」

P「そうか。それならここで」

奈緒「……あぁ──」

あい「芸能界の闇!?宗教法人とアイドルの絡み!か……」

美由紀「どうしたの?」

あい「美由紀か。なんでもない。それよりなんだ?」

美由紀「薫ちゃんがよんでる。ごはんだって」

あい「困ったな……もう食べてしまった」

美由紀「?」

あい「……まぁ別腹というからな。よし、行こう」

美由紀「オー」

仁奈「それじゃあまたかけるですよ! さよならでごぜーますパパ!」

まゆ「仁奈ちゃ~ん、ご飯よ~」

仁奈「あ、まゆおねーさん! おはよーごぜーます!」

まゆ「おはよう。あ、でも今はおはようって時間じゃないかも」

仁奈「? あっ、ほんとでごぜーます」

まゆ「癖って怖いわねぇ」

仁奈「まゆおねーさんにもこわいものあるですか?」

まゆ「うん。だって人間だもの」

仁奈「あ、いいにおいするですよ!」

まゆ「うん、ごはん」

仁奈「なんでごぜーますか!」

まゆ「行ってからの楽しみ♪」

仁奈「じゃあ行きやがりましょー!」

まゆ「走ると危ないわ」

美由紀「いただきまーす!」

仁奈「いただくでごぜーます!」

薫「いただきまーす!」

蘭子「我に捧げられたる供物よ! 感謝せよ!」

歌鈴「い、いただきます」

まゆ「もう運び終わったんだからそんなに緊張しなくてもいいんじゃない?」

歌鈴「キ、キンチョーなんてしてましぇん……!」

美由紀「おいしー!」

仁奈「うめーですよ!」

小梅「……おいしい……」

薫「ありがとー!」

みく「そこでみくは二人を紹介したにゃ!」

蘭子「神の眼をも欺く偽りの技、実に見事!」

みく「フフフフフー、もっと誉めてもいいにゃ! ねっ、歌鈴ちゃん」

歌鈴「えっ、ファッ、ゴフ、な、なんでしゅ……」

みく「歌鈴ちゃんを紹介したときのことにゃ」

歌鈴「えっと……?」

みく「ほら、あの時の」

歌鈴「あ、あにょあの時?」

まゆ「もしかして私がプロデューサーさんの誕生日を教えにいってもらった時?」

みく「うんうん」

小梅「…………」

あい「ふたりとも、口についてるぞ」

仁奈「もうしわけねーです」

小梅「ん……」

あい「やれやれ」

P「わざとつけないでね」

まゆ「…………」

薫「ごはんつぶついてるよ?」

まゆ「あら、私としたことが……ありがとう薫ちゃん♪」

杏「ごちそうさま~」

薫「あっ、杏ちゃんだ」

杏「ごちそうさま。おいしかったよ。んじゃおやすみ」

あい「手伝っていかないのかい?」

杏「杏が手伝わないことによってね、余計なことが起きないようにしてるんだ」

あい「ん? それは……」

P「あまり広いところではないからいいですよ。流し台に置いてくれればやっておきます。シャワーにでも入っててください」

あい「いや、そういうわけには……」

杏「お言葉に甘えることも重要だよ? そんなわけで杏、お風呂希望しまーす」

あい「う~ん」

まゆ「片付けはまゆたちがやっておきます。ね、薫ちゃん」

薫「うん!」

仁奈「仁奈はなにすればいいでごぜーますか?」

杏「仁奈ちゃんは杏と一緒にお風呂入ろう。そうすれば合法的にサボれるし」

みく「包み隠さないにも程があるにゃ」

P「誰か小日向さんのところに食器を取りに行ってくれると助かる」

あい「私がいこう。いや、いかせてくれ」

まゆ「足元に気を付けてくださいね」

あい「あぁ」

美由紀「ん~」

小梅「どう……したの……?」

美由紀「なにしようかなーって」

小梅「あ、それなら……私とお風呂……入る?」

美由紀「うん!」

蘭子「闇に惑う我が身」

みく「あ、それなら明日のお仕事の準備を手伝ってほしいにゃ。みくだけじゃ不安だから」

蘭子「我が力に狼狽えるがいい! ンナーハッハッハッ」

みく「うんうん──」

まゆ「う~ん」

P「湯船の前で唸ってどうした」

まゆ「これ、みんなの入った後のお湯ですよね? だとしたら出汁が……」

P「新しいのを張ってあるから安心しろ。それより体洗ったら湯船に入ってて」

まゆ「はぁい。Pさんもまゆがふやけないうちに入ってきてくださいね♪」

P「そんなに時間かけてたらこっちまでふやける」

まゆ「シワシワアイドルの誕生日ですね」

P「老人がアイドルか。無理があるな」

まゆ「これからシンデレラ目指して頑張る所存じゃあぁ」

P「魔法使いのおばあさんが目指すのか」

まゆ「スクープ! シンデレラ姫は魔法使いだった! 今明かされる当時の状況!!ってところですか?」

P「異説シンデレラ」

まゆ「生まれたての勇気を抱きしめて走り出すの意味が変わりますね」

P「剣と愛憎のファンタジーになりそうだな」

まゆ「まゆの愛しの人は助けに来てくれるかしら?」

P「彼なら助けにいくだろう」

まゆ「それはちょっと嬉しいかも♪」

P「ところで彼とはどうだ?」

まゆ「知っての通りプレゼントあげたりなんだりしてます。あげたりなんだり」

P「あげたりなんだりか」

まゆ「はい。あげたりなんだり」

P「ところでもう一人はどうなんだ?」

まゆ「もう一人? まゆの愛してる人は一人だけですよ?」

P「それじゃなくて"同期"の彼」

まゆ「あの人は問題ないですよ。彼に近づいたのだって確証を得るためですもの」

P「それだけじゃないだろう」

まゆ「うふふ♪」

P「君がただ好きな人の誕生日を聞くだけのために近付いたなんて考えられない」

まゆ「調べたいことがあって」

P「それで結果は?」

まゆ「白でした。私これでも人の表情見るの得意ですもの♪」

P「知ってる」

まゆ「眩しいくらいに真っ白でした。Pさんにも見習ってほしいくらい」

P「見習ったところで彼にはなれない。なる気もない」

まゆ「それにしても私の担当プロデューサー、イケメンですよねぇ」

P「好みの顔でしょ?」
まゆ「腹立たしいくらいに♪」

P「近い」

まゆ「アン♪」

P「喜んでくれてるようでなにより」

まゆ「これで全てを知ってたら感動的なんです」

P「知ったところで変わりはしないよ」

まゆ「教える気はありませんけど」

P「隠し事はいけないよ」

まゆ「それなら教えますか?」

P「それも面白そうだ」

まゆ「まゆ、ベッドの上だけじゃなくて私生活でもオモチャにされちゃうんですか? この鬼畜ぅ♪」

P「それで今回のはどうだった」

まゆ「芳乃ちゃんに対してのですか?」

P「うん」

まゆ「温いです!」

P「温かったか」

まゆ「私はもちろん、小梅ちゃんも絶頂させるくらいじゃないとダメです」

P「ハードルが高いな」

まゆ「まぁ冗談は省いて評価しても温かったです」

P「宗教団体との関係を週刊誌に素っ破抜かせてもか」

まゆ「あの頃の尖ったPさんはどこにいってしまったんですか?」

P「僕の何を知ってるの?」

まゆ「……感じるツボ?」

P「君に失望されないように頑張るよ」

まゆ「楽しみにしてます♪ それでまだですか? まゆ待ってるんですよ?」

P「もう少しで洗い終わる」

まゆ「早く、早く」

P「お湯を叩くな。話は変わるが高森さんどう?」

まゆ「藍子ちゃんですか? それなら恋愛の話題になると暗くなる以外問題ありません。カフェ巡りもしてますし。この前、おすすめのところ教えてもらいましたから今度一緒にいきません?」

P「一段落したらな」

まゆ「藍子ちゃんが気になりますか?」

P「他に影響が出ないかと思ってね」

まゆ「さっきも言った通り、アイドルとしての活動に問題はありません」

P「何かあったら助けてあげてね。オレじゃ無理だから」

まゆ「はぁい」

P「…………」

まゆ「なにか考え事ですか?」

P「恋愛についてちょっと」

まゆ「Pさん恋してるんですか?」

P「年頃の女子にとっての恋愛の重要性について」

まゆ「ちょっと小難しそう」

P「大切だということは理解してるが感覚として掴めない。どうなんだ?」

まゆ「それを聞く相手間違えてます。でもあんな風に利用されてはああもなります」

P「表面上は普通なだけにな」

まゆ「そこはPさんの思惑通り、嫌うことによってバランスとってるんですね」

P「そうだな」

まゆ「よっ、嫌われ上手」

P「どうも」

まゆ「それにしても今日は少し静かじゃありません? 薫ちゃんたちが寝てるにしても静かです」

P「新作買ったからそれをプレイしてるよ」

まゆ「新作?」

P「新作。さて、湯船に入るか」

まゆ「ここ」

P「湯船の壁をチョップしてどうした」

まゆ「ここまでお湯が減ります」

P「…………」

まゆ「あ、溢れちゃうぅ……!」

P「それで結果は?」

まゆ「……あら? 少し減りが少ない。少し痩せました?」

P「気苦労」

まゆ「大変ですねぇ」

P「大変ですよ」

まゆ「あ、だとすると……」

P「よしかかるな」

まゆ「ここは変わりませんね。よかった」

P「激やせしたわけあるまいし、そこの見た目は変わらない」

まゆ「少し筋肉つければ少し下も立派になります?」

P「わからない」

まゆ「忘れてるかもしれませんがこの柔らかさを初めて発見したのはまゆですからね?」

P「寝転がったのは薫が初めてだけどね」

まゆ「世にも珍しいお腹枕」

P「商品化しても売れないね」

まゆ「私は低反発枕じゃなくてもいいですよ? あ、でもガチガチの腹筋は低反発枕じゃなくて……猛反発枕?」

P「漱石枕流枕」

まゆ「チン枕でもいいかも♪」

P「それは担当プロデューサーか他の人でやってくれ」

まゆ「はぁーい」

P「そろそろ出るか」

まゆ「その前にアレしましょう、アレ♪」

P「間違ってたらすまないが先にいっておく。これでも疲れてるからあっちの方だったらしないからね」

まゆ「んもぅ、エッチなんだからぁ。それじゃなくてアレですよ、アレ。今日はみんながいて出来そうもありません。アイドルの部屋に男の人が泊まったら問題ですよね?」

P「変な噂がたつね。ということはアレか」

まゆ「はい。次はどうせならこのお湯よりも熱ぅ~いことしましょう。ね?」

P「それでどっちが決める?」

まゆ「あ、それなら私が……」

P「嫌な予感するからオレが決める」

まゆ「ブーブー、せっかくふやけるまで一緒に入っていられると思ったのにぃ、ブーブー」

P「しゃべり方変わってきたな」

まゆ「それは前から気付いてましたよね?」

P「さて、前回は君が決めたから今回はこっちが決める」

まゆ「はい。あ、でも一応言っておきますけどまゆもそっち側の人間ですからね?」

P「さて、今回は……」

まゆ「このまま同化しちゃおうかしら」

P「>>620>>621

>>620
ジュニア(~12歳まで)かティーン(13~19歳まで)かアダルト(20歳以上)かをお願いします

>>621
復讐か救済かをお願いします。復讐の場合は軽くか徹底的かもお願いします

それ以外は安価下

ティーン

救済

P「ティーンを……」

まゆ「ティーンを?」

P「救済する」

まゆ「十代なのにキュウサイとはこれいかに」

P「落語のCD聞いてるのか」

まゆ「はい。飛行機とか携帯電話とか出てくるのなんていいました? 新作落語でしたっけ?」

P「前も言わなかったか?」

まゆ「そうでしたっけ? あ、それはこっちに置いといて。誰をですか?」

P「>>623

>>623
モバマスのティーン(13~19歳まで)アイドルをお願いします

それ以外、連取は安価下

菜々さん

P「菜々さんだ」

まゆ「菜々さん」

P「そうだ。菜々さんだ」

まゆ「菜々"さん"ですか」

P「愛称だ」

まゆ「愛称ですか……?」

P「愛称。ファンには子どもも多いからな」

まゆ「いますよね。年相応に見てもらえない人」

P「それ故に年上からもさん付けで呼ばれることもある」

まゆ「プロフィールは」

P「もちろん頭の中に入ってる」

まゆ「それじゃあプロフィールのお復習は任せます」

P「 言われなくても」

まゆ「正確な情報が聞けるのでちょっと楽しみだったりして♪」

P「お風呂は声が響くから少し小さい声で話そう」

まゆ「だからこうやってくっついてるんじゃないですか。耳元で囁かれるPさんの声……あぁン」

P「…………」

まゆ「お腹で押さないでくださぁい」

P「キュートなベビーフェイスアイドル。年齢は永遠の17歳。身長146cm、体重40kg。BMIは18.77。スリーサイズは上から84、57、84。所謂、トランジスタグラマー」

まゆ「永遠の?」

P「実感はないだろうが若いときから容姿に変化のない人というのがいる。大学生や社会人になったらわかるよ。今どういうものか知りたいなら三船さん辺りに聞くといい」

まゆ「わかりましたぁ」

P「続ける。誕生日は5月15日の牡牛座。O型で右利き」

まゆ「ヨーグルトの日ですね」

P「沖縄本土復帰記念日でもある。それと国際家族デー」

まゆ「結婚はその日にします?」

P「君と担当プロデューサーの事は君たちで決めて。続ける。出身地はウサミン星。趣味はウサミン星との交信」

まゆ「ウサミン星の人たちは故郷が好きなんですね」

P「ホームシックとはまた違ったものだな」


まゆ「はい、質問です」

P「なんだ?」

まゆ「ウサミン星ってどこにあるんですか?」

P「静岡県伊東市にある」

まゆ「名前からして田舎みたいですね」

P「世を忍ぶ仮の姿だな。それで本当の質問は?」

まゆ「バレちゃってました。実はみくちゃんから聞いた話なんですけど──」

みく「そうにゃ。みくが華麗に菜々ちゃんを救ったにゃ」

蘭子「聖者の救いの手!」

みく「ふふんっ、もっとほめるにゃ!」

まゆ「ほら、やっぱり。必要ないじゃないですか」

みく「ところで菜々ちゃんがどうかしたの?」

まゆ「実はPさんが……」

みく「ふむふむ……にゃーにゃーにゃにゃにゃんというわけにゃね」

まゆ「えぇ」

みく「それならもうみくがやってるから心配ないにゃ! 無駄足だよ?」

蘭子「過去からの叫び!」

みく「みくの目は千里先も見透かすにゃ」

蘭子「遅き者よ。申し開きはあるか!」

P「猫の目と言えば動いていないものは見えない、いや見えにくいんだってさ」

蘭子「ピッィ……!」

みく「どうしたの?」

蘭子「ま、幻よ……」

P「話を戻す」

まゆ「それでやりたいことって?」

P「それは──」

安部菜々「おはよーございまーす!」

店長「オー、今日も元気だね菜々ちゃん」

菜々「菜々はいつも元気ですよ。さぁー今日も元気にウッサミーン!」

店長「飲み物こぼさないでよ?」

菜々「ハッ、ハハッ。そんなこと菜々がするわけないじゃないですか」

店長「それならいいけど」

菜々「あーえーっと……あの時はご迷惑お掛けしました」

店長「いいっていいって。調子でない時もある。巻き返してくれればいいから」

菜々「はい! それじゃ開店しますね!」

みく「おはよう」

菜々「おはようございます! あ、みくちゃん?」

みく「なんで半疑問系なの?」

菜々「いや、そのなんか足りないな~なんて思って」

みく「?」

菜々「あ、ネコミミ」

みく「なんでみんなネコミミがないとみくだってわからないの……」

菜々「いや、えっと……あ! 板についてるからじゃないですか!?」

みく「菜々ちゃんみたいに?」

菜々「いや、菜々のはキャラとかじゃなくて……それより朝来るなんて珍しいですね。朝御飯ですか?」

みく「まぁそんなとこ」

菜々「そっか。ならゆっくりしてってくださいね」

みく「うん」

店長「菜々ちゃーん! 注文はー?」

菜々「あ、忘れた。えっと、みくちゃん注文は?」

みく「あ、ミックスサンドひとつ。それと本日の紅茶ひとつ。ところで本日の紅茶は?」

菜々「あれ、表に出てませんでした?」

みく「うん」

菜々「うぇ!? ちょ、ちょっとごめんなさい!」

みく「え、あっ、あぁうん……」

菜々「お待たせしましたー! ほ、ほぉんじつの紅茶はセイロンティーですっ!」

みく「じゃあ、それでお願い」

菜々「かしこまりましたー!」

みく「…………」

菜々「ミックスサンドと本日の紅茶お願いします」

店長「はい」

菜々「表の看板書き直してきます」

店長「あれ、なんか抜けてた?」

菜々「紅茶のところが空白になってたので」

店長「えっ? あちゃー。確認したつもりだったんだけどなー」

菜々「あはは。それじゃいってきます」

店長「おーう」

菜々「ウサウサーウサミーン♪」

店長「…………」

菜々「お待たせしましたー!」

みく「あ、来た」

菜々「ミックスサンドと本日の紅茶お待たせしました。あれ、勉強?」

みく「あ、うん」

菜々「宿題ですか?」

みく「ううん、予習。あ、もしかしてここ勉強ダメだった?」

菜々「いえ。よくここで書類見てる人いるので勉強くらいいいと思います」

みく「よかった」

菜々「それにみくちゃんはお仕事で忙しいから勉強できる時間って貴重でしょうし」

みく「ありがとう菜々ちゃん」

菜々「いえいえ。ここでよければいくらでもゆっくりしてってくださいね。あ、でもなにか頼んでくれるとうれしいな~」

みく「抜け目ない」

菜々「アハハ」

みく「……ねぇ菜々ちゃん」

菜々「はい?」

みく「お仕事楽しい?」

菜々「お仕事ですか? はい。店長も優しいですし、なにより菜々の天職なので!」

みく「そっちじゃなくてアイドルのお仕事」

菜々「それも楽しいですよ。あの時はありがとう」

みく「あ、うん……あれ以降キャラぶれしてない?」

菜々「キャラじゃなくて……どうかしたんですか?」

みく「ううん、なんでもない。そっか」

菜々「?」

みく「そろそろ事務所いかなくちゃ」

菜々「今日もがんばってくださいね!」

みく「菜々ちゃんも──」

菜々「お疲れさまでした~」

店長「お疲れ。鍵は閉めておくから先帰っていいよ」

菜々「はい! お疲れ様でした」

店長「おーう」


菜々「ハァ……疲れた」

菜々「立ち仕事は腰に……あたた」

菜々「あっ、終電出ちゃう!」

菜々「ウサミンダーッシュ! ンァッ!」

安部P「何してるんですか?」

菜々「あ、ウサミンプロデューサー」

ウサミンP「その呼び方やめてくださいよ」

菜々「ウサミン星から来た菜々のプロデューサーだからウサミンプロデューサーなんですよ」

安部P「それでこんな時間にここでなにを?」

菜々「お仕事が終わって帰るところで……あっ!終電!!」

安部P「タクシーで帰ればいいじゃないですか」

菜々「それじゃ時間かかるしお金、あいやなんでもありません。それじゃこれで!」

安部P「あっ、ちょ……なんだったんだ」

菜々「ハァハァ、っはー間に合った。アタタ、腰が……」

菜々「…………人少ない」

??「ぴよー……ぴひょヒョひょ~……ぴょっ」

菜々「あそこの人なんていびきかいてる……」

??「ぴぷ~」

菜々「あの人は家に帰ったらどうしてるんだろう。恋人とか旦那さんいるのかなぁ。なんだか幸せそう」

??「ぴへへ」

菜々「菜々は……菜々はウサミン星に帰ったらお花畑でウサギさんに囲まれて、楽しいお茶会を──」

菜々「ただいま~……」

菜々「あ、ゴミ出さなきゃ……でも面倒……今度でいっか」

菜々「郵便物郵便物……なしっと」

菜々「メールは……またお母さんから。ハァ、相手いれば……でも菜々にはまだ夢が……」

菜々「みくちゃんに励まされた手前、いまさらやめるだなんて……」

菜々「キラキラしてたなぁみくちゃん……あれが若さか……」

菜々「もうなんていうか……なんでこんな生活してるんだろ」

菜々「生き急ぎたいわけじゃないけど……あ~あ」

菜々「みくちゃんので吹っ切れたと思ったのになぁ」

菜々「…………そもそもなんで目指してたんだっけ」

菜々「……また会いたいな──」

みく「…………」

蘭子「闇に飲まれよ!」

みく「あ、お疲れ蘭子ちゃん」

蘭子「今宵は連なる小城にて魔力を溜める、か」

みく「悩んでると寮だと他の人に迷惑かけるかもしれない。あ、でも蘭子ちゃんの見られてもなんとも思わないってわけじゃないからね」

蘭子「フム、実に興味深い」

みく「みくってお節介かな?」

蘭子「え?」

みく「みく、人の表情見るの苦手なんだ。特に顔から年齢判断するの。誰とは言わないけど同い年とは思えなかった人もいるし」

蘭子「…………」

みく「間違ってたのかなぁ。こんなことプロデューサーに相談できないしなぁ」

蘭子「万事、汝の御心のままに」

みく「え?」

蘭子「ぇ、えっと……余計なことじゃなぃ……と思う」

みく「蘭子ちゃん……」

蘭子「さ、サラダバー!」

みく「……うん」

P「来たのか」

みく「うん……」

P「ゆっくりしてって」

みく「うん……」

P「部屋に戻る」

みく「あ、うん……」

まゆ「こんばんは」

みく「にゃあっ!?」

まゆ「どうしたの?」

みく「ま、まゆちゃんか……びっくりしたにゃ」

まゆ「私も。みくちゃんがここに来るなんて」

みく「ネコは気まぐれなのにゃ」

まゆ「その気まぐれネコがここに何しに?」

みく「それは秘密」

まゆ「蘭子ちゃんとの話具合からして悩みでしょうけど」

みく「聞いてたの?」

まゆ「右耳で」

みく「そうなんだ……」

まゆ「間違いかどうかは私には判断できないですけど……」

みく「けど?」

まゆ「相手に変化を起こしたくないならなにもしないという選択肢もあるわ。それにみくちゃんがやったからPさんがこれからやることをしやすくなったと思えば」

みく「そうなの?」

まゆ「はい。まゆもPさんもそう思ってるわ」

みく「…………」

まゆ「冷房で冷えるようなら温かいココアあるから飲みに来て。それじゃ」

みく「うん──」

菜々「おはようございまーす!」

店長「おはよう」

菜々「表看板の書きもらしなしっと。さ、今日も始めましょう」

店長「モーニングの支度は済んでるから注文入ったらどんどん持っていって」

菜々「あれ、もう作ったんですか?」

店長「おいおい、今日は早朝出勤の人がいる日だぞ?」

菜々「え?」

店長「忘れてたのか」

菜々「あっ、アハハ……」

店長「それと今日はお天気レポートの日でもあるだろ?」

菜々「あ"っ」

店長「忘れてたのか」

菜々「い、急いで行ってきます!」

安部P「まだ数時間あるから急がなくても大丈夫」

菜々「あれ、プロデューサー? ここにいるなんて珍しいですね」

安部P「たまには朝食でもと思って」

菜々「そうなんですか。ゆっくりしてってください。あ、着替えてきます」

安部P「…………」

店長「それでどうですか?」

安部P「おかしいですね」

店長「やっぱり」

安部P「あれはなにか隠してる事がある」

店長「もしやと思ってプロデューサーさんに聞いてみれば……具体的にはわかりますか?」

安部P「隠し事をしてるとしか……」

店長「あなたでもそこはわからないのか」

安部P「でも隠し事をしてるのは確実です。本人に問いただしたところで誤魔化すだけですけどね」

店長「どうします?」

安部P「今後のこともあるし、一応聞いてみます」

店長「そうしてください。こっちにも影響が出たら困ります」

安部P「一時期はまともになったと思ったんですけどね──」

安部P「声優の仕事?」

菜々「はい! 菜々は歌って踊れる声優アイドルを目指してます!」

安部P「それは知ってます。けどアイドル声優ですか」

菜々「あ、いえ……アイドル声優ではなくて声優アイドルをですね」

安部P「同じでしょ。なににしろ声優の仕事はないです」

菜々「そうですか……」

安部P「そんなことより最近また不調ですね。悩みがあるなら話してください」

菜々「え? あ、えーと……」

安部P「路線変更でもしようとしてます?」

菜々「い、いえ」

安部P「路線変更はやめてくださいね。あのあとも大変だったんですから」

菜々「あれは菜々のせいじゃないと思うんですけども……」

安部P「とにかく、路線は依然としてゲームのコンパニオンで固定します。それとお天気レポート」

菜々「それは別に構いませんけど…………いえなんでもないです」

安部P「天気予報のあとに会ってもらいたい人がいます」

菜々「会ってもらいたい人?」

安部P「なんだったっけな。あの菜々さんと同じプロジェクトの……ほら着ぐるみ着てる……」

菜々「仁奈ちゃんですか?」

安部P「そうそうその子その子。その子に会ってもらいたい」

菜々「いいですけど何でですか?」

安部P「さぁ? 向こうが捜してたからよくわからない。なにか貸したとかは?」

菜々「なかったような……」

安部P「ここでなにかわからなくても会えばわかりますよ」

菜々「う~ん」

安部P「そろそろ時間です──」

仁奈「楽しみでごぜーます!」

蘭子「獣の擬装の演舞!」

みく「キグルミショーか~。みくもよくいったにゃ」

杏「今じゃ自分がキグルミだよね」

みく「そうそう……ってみくはキグルミじゃないにゃ! アッ!」

杏「フッ。つっこみたくともそこからじゃ手が届かないだろぉ?」

みく「は、謀ったにゃ!?」

杏「杏がなにも考えないでここを取ったと思う? 残念でしたぁ~」

みく「ぐにゃにゃ……」

まゆ「♪」

みく「ところでなんで……」

まゆ「?」

みく「いや、ハテナって顔されても……」

まゆ「いちゃダメ?」

みく「接点ないから怪しまれるにゃ」

まゆ「面識はあると思う」

みく「たしかに誕生日を聞こうと接近してきたけどそれだけじゃ弱いにゃ。それにここじゃ話しかけるの禁止されてるでしょ?」

まゆ「不自然じゃなければいいって言ってたわよ?」

みく「もうちょっと理由ほしいにゃ」

まゆ「ん~それじゃあこうしましょう。CPのプロデューサーが気に入った。これでどう?」

みく「それでもいいけどそれだと空いてる期間が短くない?」

まゆ「実はまゆのプロデューサーには好きな人がいて、落ち込んでるところをみくちゃんたちのプロデューサーが励ましてくれたから心変わりしたの。これでどう?」

みく「たしかにプロデューサーならやりそうで生々しい理由だけどコロッといきすぎにゃ」

まゆ「ン~あっ、それならまゆが職務質問されてるときに助けてくれたなら?」

みく「受けるようなもの持ってるの?」

まゆ「ここに包丁なら」

みく「こわっ! 何で持ってるにゃ!?」

まゆ「それは当然"お料理"するため。他に使い道ある?」

みく「プロデューサーはどっちかっていうと職質される方にゃ」

まゆ「困ったわ……」

仁奈「あの人たちは何をいってるでごぜーます?」

杏「こっち来て私にうさぎのことについて教えてほしいな」

仁奈「杏おねーさんも興味あるですか!? それなら話すです!」

薫「ふはぁ~……」

蘭子「妖精の吐息!」

薫「ごめんなさい……」

杏「収録が長かったから仕方ないよ」

仁奈「杏おねーさん聞いてやがるですか?」

杏「聞いてるよー。あ、こっちきて寝なよ。フカフカだよ」

薫「ン~……」

杏「仁奈ちゃんの隣で船漕いでたくらいだから相当眠いんだね」

薫「おやす~」

杏「私たちも寝ようか仁奈ちゃん」

仁奈「仁奈ぜんぜんねむくねーです」

杏「え~……あっ、それじゃナマケモノの気持ちになってみよう」

仁奈「ナマケモノでごぜーますか? やったことねーです」

杏「そっか。何事も経験だしこの際やってみよう。はい、まず力抜いて」

まゆ「え~っと」

みく「なにしてるにゃ?」

まゆ「パソコンいじってるの」

みく「人のパソコンいじっちゃだめにゃ。バレたら大変にゃ」

まゆ「えぇ。だから"誰が"ここでパソコンを"いじったか"を残しておかなきゃ」

みく「それじゃただのマヌケにゃ」

まゆ「まゆならいじっても不自然じゃないでしょ? それにまゆポンコツですもの♪」

みく「なにについて調べてるってことのするの?」

まゆ「担当プロデューサーとみくちゃんたちのプロデューサーが一緒に仕事をしてないかを調べてるの」

みく「そんなこと調べてどうするの?」

まゆ「最近プロデューサーが怪しい行動をとってるから調べてるって筋書き」

みく「あ~それなら不自然じゃないにゃ」

まゆ「もちろんみくちゃんはなにも知らない。いい?」

みく「そうするにゃ。それに人の恋路を邪魔するほどみくは野暮じゃないにゃ」

蘭子「フフフンアオイクモー♪」

小梅「…………」

蘭子「ッ!!」

小箱「…………」

蘭子「……気のせいね」

小箱「…………」

蘭子「絶剣、或いは逃れられぬ恋……宿命って書いてルビは……」

小梅「ぁ……かっこぃ……」

蘭子「ッ!!!」

小箱「…………」

蘭子「……精霊のイタズラか」

小箱「…………」

蘭子「絶剣……絶剣……こんな感じに細い……あっでも……」

小梅「…………」

蘭子「そこッ!」

子梅「あ……」

蘭子「増えてる!?」

みく「遅いにゃ~」

まゆ「病院だもの遅いのはしかたないわ。小梅ちゃんと輝子ちゃんが一緒の箱に入って遊ぶくらいには遅くなるのも」

みく「それは絶対おかしいにゃ」

歌鈴「…………」

みく「ん、どうしたの?」

歌鈴「これ、小梅ちゃんが見つけたって……」

みく「お金かにゃ? それにしては大きいような」

歌鈴「これ、お札です」

みく「おふだ? おふだってお札?」

歌鈴「はい……」

みく「念のため聞いておくけどそれどこで見つけたの?」

小梅「あの……机の……裏」

みく「ヒッ!」

蘭子「ピヒィッ!!」

歌鈴「あ、でも安心してください。地下にお札を貼るのは珍しくないです。地鎮しても地下はあまり人の目が届かないところなので、お札を貼ってここは人のいる場所だって霊的なものに警告するんです」

みく「へぇ~そうなの?」

歌鈴「はい。ですからこのお札は危なくないです」

みく「なんだ、それなら安心にゃ」

歌鈴「……たぶん」

みく「なにかいったかにゃ?」

歌鈴「元の場所に戻しておいてください」

小梅「ん──」

美穂「お待たせしました」

クラリス「私も今終わったところです」

美穂「…………」

クラリス「あの方ならまだです」

美穂「あ、そうなんですか」

美優「待たせちゃったかしら」

美穂「あ、私たちも今終わったところです」

美優「そうなの。どうだった?」

美穂「前よりかは良くなってきてるけど激しい運動はダメだって言われました」

美優「なにか手伝えることがあったら言って」

美穂「はい。三船さんは?」

美優「私も似たようなものよ。それより脇役なのに撮影で怪我したなんて方が恥ずかしいの」

クラリス「それだけ真剣に打ち込んでいるのでしょう」

美優「クラリスさんは?」

クラリス「私は……」

美穂「そういえばクラリスさんだけ違うところだったような……」

クラリス「あっ、あの方が来ましたよ……!」

美穂「あ、ごまかした」

クラリス「捜している人は見つかったでしょうか?」

P「見つかりました」

美穂「いつも病院にいる人ってどんな人なんですか? お医者さんとかですか?」

P「むしろその逆かもね」

美優「その人はどこに?」

P「頼み事をしたので動いてもらっています」

クラリス「それでは行きましょう。恥ずかしながらお腹が空いてしまったのでなにか食べに行きましょう」

P「医者からの注意は?」

クラリス「濃いものを食べないようにと言われました」

P「前と変わらずですね」

美穂「あの……」

P「何?」

美穂「クラリスさんはどこか悪いんですか?」

P「悪い」

美穂「どこがかわかります?」

P「知ってる」

クラリス「あの……それだけは……」

P「この時期、女性なら誰しもが持ってる事ですよ」

美穂「この時期に女性が持ってるもの?」

美優「水虫……?」

美穂「あ……」

クラリス「ち、違います」

P「三船さん持ってないですよね」

美優「あ、は、はい」

美穂「美優さんも持ってるものですか?」

P「職業的に間接的ではあるけど人と接するから自ずと出てくる。学生の方がそういう意味では敏感」

美穂「私の方が?」

P「三船さんも仕事をしていてそうかと思います」

クラリス「……急がないとランチが終わってしまいます」

P「ヒントはほっといてもこの時期には勝手に出るもの」

美穂「汗……?」

P「つまり?」

美優「汗臭さ……あ」

P「そう、体臭です」

クラリス「ッ!!」

P「叩かないでください」

美穂「あ、あの……」

クラリス「なんでしょうか!」

美穂「き、気にしなくていいと思います。その……この時期はみんなそうですから。ワキガくらいどうってこと……」

美優「え、えぇ」

クラリス「ワ、ワキガではありません! 私はただ……!」

P「早く行きましょう。ランチが終わってしまいます──」

菜々「こんにちはー……」

安部P「そんなビビりながら入らなくても……自分の所属プロジェクトでしょ」

菜々「そりゃそうですけどなんていうか仁奈ちゃんは風格が違うなぁ~って。重要な会議にも一人で来るし」

安部P「ただ話聞くだけなのにそんなこと言われても……」

菜々「下の階からここまで一人で来るんですよ?」

安部P「エレベーターに乗るのがそんなにすごいことなのか?」

菜々「とにかく菜々は仁奈ちゃんを一人の大人としてですね」

安部P「あれはただの子供です。オレ用事あるのでここで」

菜々「えっ? ちょっとまっ、あぁ!!」

菜々「菜々一人になっちゃいました。うぅ……」

菜々「仁奈ちゃんは子ども……仁奈ちゃんは子ども……仁奈ちゃんは子ども……仁奈ちゃんは……」

仁奈「仁奈がどーかしたでごぜーますか?」

菜々「仁奈ちゃんは子どもえ?」

仁奈「だから仁奈に用事でごぜーますか?」

菜々「ぬ、仁奈ちゃん!?」

仁奈「仁奈はここでごぜーます。でけー声出さなくても聞こえてるですよ」

菜々「あっ、ごめん」

仁奈「仁奈と遊んでくれるなら水に流すですよ!」

菜々「あ、うん。えっとそれで用事って?」

仁奈「やったでごぜーます!」

菜々「仁奈ちゃん?」

仁奈「あっ!!」

菜々「えっ!?」

仁奈「ごめんなせーでごぜーます。仁奈だけもりあがっちまいました」

菜々「えっと、話が見えないんだけど……」

仁奈「話は目に見えないですよ?」

菜々「あ、そういうことじゃなくて……菜々はどうして仁奈ちゃんに呼ばれたのかなーって」

仁奈「それでごぜーましたね。実は美優おねーさんといくはずだったキグルミショーにいっしょにいってもらいてーんです」

菜々「菜々が仁奈ちゃんと?」

仁奈「菜々おねーさんが仁奈とでごぜーます」

菜々「う~ん」

仁奈「ダメでごぜーますか? 仁奈、キグルミショーいけねーですか?」

菜々「うっ……! そんな目で見られたら……いくことはいきますけどちょっと気になっただけーみたいな……」

仁奈「それじゃいきますですよ!」

菜々「えっと、いつ?」

仁奈「今度の日曜!」

菜々「2日後……」

仁奈「用事あるですか?」

菜々「あっ、いえ。ウサミン星の片付けも終わってるので特になにもないですよ!?」

仁奈「それなら首を洗ってまってるですよ──」

仁奈「日曜がたのしみでごぜーます!」

美優「いけなくってごめんね、仁奈ちゃん」

仁奈「いいですよ。美優おねーさんにも用事がありやがりますから」

美優「……えぇ」

仁奈「仁奈はこうやって美優おねーさんたちと風呂に入ってるのが幸せでごぜーます」

美優「仁奈ちゃん……」

P「だからってオレまでいる必要はないだろうに」

仁奈「ふたりは仲がわりーからですよ」

P「良くも悪くもなく普通だ」

仁奈「なかよくしねーとゆるさねーですよ?」

薫『仁奈ちゃんまだー?』

P「薫が呼んでるぞ」

仁奈「まだでごぜーます!」

薫『わかった~』

P「あの声は眠いな」

美優「肩まで浸かって30数えたら出ましょうか。いーち──」

仁奈「仁奈は出るけどふたりは入ってるでごぜーます!」

美優「えぇー……」

仁奈「しんぼくを深めやがれですよ」

薫「せんせぇ出ないの?」

P「まだ入ってなきゃいけないらしい」

仁奈「大人なんだから100数えてから出てきやがれ!ですよ」

P「だそうだ」

薫「そっかー。なら仁奈ちゃんの髪の毛かわかしていい!?」

P「丁寧にな」

薫「うん! 仁奈ちゃんこっちきてー!」

P「ドア閉めて行って」

薫「うん!」

美優「…………」

薫『仁奈ちゃん髪の毛ながーい!』

P「断ったこと後悔してるんですか?」

美優「あ、その……」

P「断るように言ったのはオレですし三船さんはなにも悪くありません」

美優「…………」

P「今度の休日はたっぷり遊んでやってください」

美優「あ、はい……」

P「ところでこの前の監督とはどうなりました」

美優「この前の? あ、それっていきなり死ねって言った……」

P「そう、あの人です」

美優「プロデューサーの誤解を解いて解決しました」

P「いきなり死ねですからね。あの監督は言葉足らずで有名なんですよ」

美優「初めてそれがわかったときはたしか……篭絡しろ、でした」

P「言葉足らずですよね」

美優「……えぇ。それが『脇役といっても目立っていけない道理はない』って意味だとわかったときはもう……」

P「言葉足らずもいいところだ、ですよね」

美優「はい」

仁奈『100数えたら体をふきあって出てきやがれです!』

薫『自分でふかないの?』

仁奈『仁奈のパパとママはそーしてたですよ?』

薫『そっかー』

美優「…………」

P「背中は拭くので前は自分でお願いします。毛が抜けると大変ですから」

美優「……はい──」

菜々「ただいまぁー……ハアァァァ」

菜々「菜々がキグルミショーかぁ……」

菜々「仁奈ちゃんと出掛けるのはいいけどキグルミショーかぁ……」

菜々「菜々がキグルミショー。これも運命なのかなぁ」

菜々「まぁ、出るわけじゃないけど……ン? なんだろうこの振動」

菜々「もしかしてバイブつけっぱなし? いや、ちゃんと切ったはず…………あっ!」

安部P『やっと出た』

菜々「プッ、プォデューサー!!」

安部P『ハ?』

菜々「え、あっ、ハーイこちらウサミン星の菜々でーすキャハッ☆」

安部P『聞きたいことがあるんですけどいいですか?』

菜々「あ、はい。でもウサミン星は地球とは時間の流れが違うから困ることもー」

安部P『実はさっき雑誌社からインタビューしたいと連絡がありまして、それの予備稿がきていくつか事前にチェックしときたいんですが……』

菜々「その質問ってなんですか?」

安部P『まず、生年月日と短所長所。それに今度リリースするCDのことに……』

菜々「ふむふむ」

安部P『それとアイドルを目指した動機』

菜々「えっ?」

安部P『どうかしました?』

菜々「えっ、あっ!な、なんでもありません!はい!」

安部P『ならいいです。それじゃあとでメールで回答ください』

菜々「は、はーい……キャハ☆」

菜々「ハ、ハハ……フアァァァン」

菜々「ハァ……アイドル目指したきっかけかぁ」

菜々「あれ、メール入ってる。えっと、アイドルではなくなんでアイドル声優を目指したかでした」

菜々「質問内容また間違えたんですか……しかも菜々が目指してるのはアイドル声優じゃなくて声優アイドルだと何度言えば……!」

菜々「……ハァむなしい。違いわからないものなのかな……ウサミンショック」

菜々「動機、きっかけかぁ……」

菜々「あれはいつの文化祭だっけ。あれは忘れもしない……忘れもしない……忘れもしない文化祭だったな」

菜々「菜々が他校の文化祭で……」

菜々「かっこよかったなぁ。思えばあの時からだったなぁ。菜々が目指したきっかけ」

菜々「あの人たち今はなにしてるんだろう。やっぱその種の業界で活躍してるのかな?」

菜々「菜々みたいになってたりして……それはないか、アハッ」

菜々「知りたいけど知るのが怖い……ハァァ」

菜々「ビー……ウサミンエール飲んで寝よう」

菜々「飲みすぎないよう気を付けよう……」

菜々「おつまみ、おつまみ。落花生だけじゃ健康に悪いよね。えーと、野菜スティックも食べよ。ニンジン切って……キュウリも……それと──」

仁奈「おはよーごぜーます!」

薫「おはよー」

仁奈「スゲー寝癖でごぜーます」

美優「おはようございます……」

薫「美優おねえさんもすごい寝癖」

仁奈「よふかしでごぜーますか?」

美優「昨日はちょっと……」

仁奈「Pさんとなかよくしたからでごぜーますか?」

まゆ「その話詳しくお願い、仁奈ちゃん♪」

美優「あ……」

まゆ「おはようございます♪」

美優「お、おはよう」

まゆ「ところで仁奈ちゃん。その仲良くしたら寝れないってどういうこと?」

仁奈「ママが言ってたですよ。パパとお風呂に入ったあとは寝れないって。意味がわからねーですがそーいうもんじゃねえんですか?」

まゆ「ん~よくわからないわ。でもありがとう。あとは本人に聞くわ」

美優「そういうことはしないわ……」

P「子どもの前でなにを話してる」
薫「せんせーおはよー!」

まゆ「おはようございます」

P「おはよう」
薫「せんせぇ、聞こえなーい」

まゆ「三船さんがPさんと仲良くしたって話を聞いたんですけど本当ですか?」

P「どうだったかな」

仁奈「なかよくしなかったでごぜーますか?」

P「その事については向こうで、薫は支度を手伝ってあげてくれ」
薫「はーい! いこっ、仁奈ちゃん!」

仁奈「いくでごぜーます」

P「オレたちは向こうで」

まゆ「話あーいましょ♪」

P「まず言っておくとオレと三船さんはそういう関係ではない」

美優「えぇ」

まゆ「えーそうですかぁ? まゆ信じられません」

P「それは知ってるだろう。それになりようがない」

美優「えぇ」

まゆ「そういう気持ちが起きないと?」

美優「えぇ、そう」

P「それより準備は?」

まゆ「手配は済みました。スタッフの方とも話をつけました」

P「ありがとう」

美優「いったいなにを?」

まゆ「私これでも一応アイドルですので」

P「使えるものは使うってことです」

まゆ「アイドルをやっていてしたいこともできない子がいるって撮影班の人にいったら快く受けてくれました♪」

美優「今回のことはプロダクションが関わっているんですか?」

P「一部だけですが」

まゆ「表面上は私のワガママですから少人数ですが人件費はほとんどかかってません。場所代は少しかかりましたけど」

P「小さなデパートの屋上だからそんなにかかってない。向こうとしては1円でも入れたいですからね」

美優「昔ながらのデパートですか」

まゆ「あ、そうだ。Pさんはもちろん向こうにいきますよね?」

P「三船さんも連れてくるのか?」

まゆ「察しが良くて助かります。そういうところまゆ好きです」

P「三船さんがどういうかだ」

まゆ「どうですか? 来ますか?」

美優「私はちょっと……」

まゆ「それじゃあまゆと"仲良し"について話し合いましょう♪」

美優「え?」

まゆ「それが嫌なら……ね?」

美優「…………」

P「行くしかないでしょうね」

美優「……はい」

まゆ「あら、残念」

P「それじゃあ後で出掛けてくる」

まゆ「気を付けて行ってきてください。あ、そうと……」

美優「何……?」

まゆ「大きいのが好きなんですね」

美優「え?」

まゆ「名前つけてるんですか?」

美優「えっと、なんの話かわからないわ」

まゆ「もうとぼけちゃってぇ」

P「三船さん。あなたも大人ですからそういうのを使うことには何も言いませんが、薫たちに見つからないでくださいよ」

まゆ「ここが防音設備が整っていてよかったですね」

美優「なんで知ってるの?」

まゆ「日本にはこんな諺があります。壁に耳あり障子に目あり。うふ」

P「そういうことです。気を付けてください」

美優「…………」

まゆ「外の気配には気を付けてくださいね。ドアを開けたら最中でしたなんて私でも気まずいので」

P「ストレス溜まってるなら話聞きます」

美優「……はい」

まゆ「耳まで真っ赤」

P「さすがにな」

菜々「──あぁ~なんでか早くに目が覚めちゃったなぁ。まだ約束の時間まで小一時間ある……」

菜々「どっかで時間潰そうかな。心なしか親子連れが多い気がするし……ウサミン星人には耐えられない」

菜々「それにしてもこのデパートまだあったんだ。懐かしいなぁ。上京してきたときは何回も来たなぁ。今じゃウサミン星近くに大型ショッピングモールができたから来なくなったなぁ」

菜々「……よく見ると所々煤汚れてるような気が。時間って残酷」

菜々「キグルミ一つで人を幸せに出来ると思ってたあの頃が懐かしい」

菜々「まぁ、菜々にはあんな運動神経ないし体力もないので声優の道に進むしかなかったんですけどね。でも意外と体力使うんですよねーこれ」

菜々「というかカフェでバイトしてたらいつの間にかアイドルになってただけだったりして……アハハ……ハァ」

菜々「吹っ切れたと思ったのになぁ。これじゃ未練たらたらな昼ドラの……」

仁奈「なんでごぜーます?」

菜々「えっ? ぬ、ぬわわっ、仁奈ちゃん!?」

仁奈「昼ドラってなんでごぜーます?」

菜々「え、あっ、昼ドラ!? さ、さぁなんのことかな? な、菜々はそんなこと一言も言ってないですからね!」

仁奈「そんなことより早く行くですよ」

菜々「は、はい」

仁奈「まだ開いてねーです」

菜々「早く来すぎたみたい。どこかで時間潰す?」

仁奈「ネコさん見たいですよ!」

菜々「ならペットショップ行こうか。たしか一階にあったような」

仁奈「行くですよ!」

菜々「…………」

仁奈「ネコがいっぱいでごぜーます! 犬もいるですよ!」

菜々「ここも変わらないなぁ」

仁奈「馬もいやがるですよ!」

菜々「馬?」

仁奈「レジのところからシッポが出てるですよ」

菜々「あっ、引っ張っちゃ危なっ……!」

店員「イタタタタタ、痛い!」

仁奈「っ! シッポがしゃべったですよ!?」

店員「それは尻尾じゃなくて髪の毛!」

菜々「ご、ごめんなさい!」

店員「レジに馬がいるはずないぞ……」

菜々「に、仁奈ちゃん」

仁奈「ごめんなせえーですよ」

菜々「ほ、本当にごめんなさい」

店員「まったく、え? 店番頼まれて居眠りしてる自分も悪い? う、うるさいぞ……」

仁奈「?」

菜々「誰と話して……」

仁奈「あっ、ネズミでごぜーます!」

店員「ネ、ネズミじゃない!」

菜々「菜々もそう思います」

仁奈「おねーさんは動物と話せるでごぜーますか!?」

店員「何でそんなこと聞くんだ?」

仁奈「スゲーでごぜーます! 動物の気持ちになれるでごぜーますか!」

菜々「ご、ごめんなさい……」

店員「なれるというかわかるだぞ?」

仁奈「仁奈も動物の気持ちになりてーですよ!」

店員「これはそんな簡単にマスター出来るものじゃ……」

仁奈「事務所のお菓子を食べられてほんきでおこったでごぜーますか? それは仁奈でもショックですよ」

店員「喋れてる!?」

菜々「え?」

仁奈「ひまわりの種を食べた? ひまわりの種って食えるですか?」

菜々「割りと」

店員「え?」

仁奈「スゲーでごぜーます」

店員「ほ、他には喋れるのか!?」

仁奈「動物の気持ちになれば出来るですよ。あ、でもヘビだけは……ムリでごぜーます」

店員「か、勝ったぞ……!」

菜々「あ、これまだやってたんだ」

仁奈「その端っこのはなんでごぜーます?」

菜々「里親募集のコーナーです」

店員「よく知ってるな。そうだぞ、里親募集なんだ」

仁奈「里親ってなんでごぜーます?」

店員「噛み砕いていえばなんらかの理由でここに来たペットの新しい飼い主だな」

仁奈「よくわからねーです。あ、ウサギさん!」

店員「指を近づけすぎると噛まれるからな」

菜々「エサと間違えるんでしたっけ?」

店員「うん。あと攻撃されると思って反撃してくるんだ。指なんておいしくいただかれるぞ」

仁奈「痛そうでごぜーます」

店員「痛い思いしたくないなら絶対にしないこと」

菜々「あ、そろそろ時間」

仁奈「もうでごぜーますか?」

店員「また見に来ればいいぞ。いつでも待ってるから──」

菜々「お手洗いは済んだ?」

仁奈「バッチリでごぜーます!」

菜々「お腹は?」

仁奈「まんぷくでごぜーます!」

菜々「よかった。それじゃ席取りに行こう」

仁奈「一番前がいいですよ!」

菜々「うん。それじゃあここにしよっか」

仁奈「今日は菜々おねーさんいつもとちげーです」

菜々「休日のウサミンは違うんです」

仁奈「よくわからねーですがスゲーです!」

菜々「あ、そろそろ始まる。準備はいい?」

仁奈「きやがれですよ──」

P「他に買うものは?」

美優「あとは藍子ちゃんが欲しがってた紅茶だけです」

P「銘柄は?」

美優「たしか……」

P「…………」

美優「どうしました?」

P「始まりました」

美優「あ……」

P「うまくいくか祈ってましょう」

美優「……今回のことがどう繋がるのでしょう」

P「それは本人にしかわかりません」

美優「…………」

P「買い物はこれくらいにしてお茶にでもしましょう。誰にも見つからないところですから安心してください」

美優「…………」

P「どっちが心配ですか?」

美優「私としては仁奈ちゃんが心配です」

P「慣れない人といっても一応プロジェクトは一緒ですからうまくやりますよ。あの年頃の順応力はかなりのものです。余計なものがない分凄まじいです」

美優「純粋さですか」

P「恐れのなさとも言います」

美優「昔、なにしてたかしら」

P「普通の学生生活じゃないですか? 部活をやって恋をして。初体験もその頃だったと」

美優「あの、なんで……?」

P「仕事柄必要があるから知っていることです。さて、着きました。何を注文しますか?」

美優「初めてのところなのでなにがあるのか……」

P「ゆっくり決めてください。時間はあります」

美優「それにしても、四角いベルなんて久しぶり」

P「古き良き喫茶店。古いデパートですからこういったところも珍しくありません」

美優「…………」

P「黄昏るのは注文の後にお願いします」

美優「あっ、はい、すみません」

P「内装に見とれるのもわかりますけどね。タイル張りの壁に鋲を打った革張りのテーブル。少し汚れた天井。今は禁煙になってるのが時代を感じさせます」

美優「こういうところは藍子ちゃんとは来ないので新鮮です」

P「意外と好きなんですね。誰の影響かは聞きませんけどその影響のおかげでこうしていられるんですから」

美優「あ、注文決まりました」

P「注文お願いします」

美優「ブレンドコーヒーを」

P「フルーツオレ一つ。以上で」

美優「実家にいた頃は夢見てたんです。犬の散歩をしながら途中こういうところでコーヒー飲むの」

P「それを叶える前に犬が亡くなり、夢は叶わず」

美優「はい。中途半端に叶っちゃいました。こういうところも始めの頃はかなり戸惑いました。コーヒーの味はもちろん、周りの雰囲気が気になって……」

P「オレは気になりませんでしたけどね。独りには慣れてるので」

美優「そういうところ少し羨ましいです」

P「慣れてみます?」

美優「いえ、私も慣れているので……フフ」

P「なにがきっかけで記憶が呼び覚まされるか、意外となんでもないことが引き金になります。今回、三船さんが昔を思い出したようにただ喫茶店に入るだけで思い出すかもしれない」

美優「思い出すほどの思い出なんてありません」

P「それでも人並みに寄り道をしてますよ。高校生の時なんてほら」

美優「たしかに友人とは寄り道をしました。たまにですけど」

P「さて、そろそろ始まってしばらく経つ頃です」

美優「見に行かなくてもいいんですか?」

P「見に行っても不審者として通報されます。それに連絡はこっちに来ます」

美優「そういえば今回は連絡係がいません」

P「ショーに参加してる人からですよ──」

仁奈「たんのーしたでごぜーます!」

菜々「仁奈ちゃん、まだ後半が残ってる」

仁奈「おぉっ! そうでごぜーました!」

菜々「それにしてもキグルミショーが二部構成だなんて菜々の時代とは大違い……進歩したなぁ」

仁奈「そろそろはじまるですよ!」

菜々「後半はお客さんが参加するんだって。選ばれるといいね仁奈ちゃん」

仁奈「選ばれたらうれしーですよ!」

菜々「そろそろ始まる。楽しみだね」

仁奈「♪」

菜々「実はちょっと楽しんでたりして……こんな気持ちいつぶりだろ……」

仁奈「なにか言いやがったですか?」

菜々「ううん」

仁奈「あっ、出てきたですよ!」

菜々「あれ?」

??「ようみんな! オレは……!」

仁奈「ピンクのおサルさんでごぜーます!」

菜々「あれって……」

仁奈「マルタせーじーん!」

マルタ「丸田じゃねー! もう一度言うぞっ! オレの名は……!」

菜々「やっぱり、ううんそんなはずは……!」

仁奈「タマルせーじーん!」

タマル「田丸じゃねー! あぁもういい! そんなことより今日はここで潜入させたピンクと待ち合わせをしてたんだがどこにいったんだか……ン?」

菜々「もしかしてこの後……」

???「フッ、誰かと思えばピンク色の猿か。何のようだ?」

タマル「お前はっ!?」

???「そうオレ様は……」

タマル「バラチャーシュー星人!」

???「貴様ぁっ! 名前を間違えるな!」

タマル「うるさいっ」

???「自分が間違えられたからといってヒトのをわざと間違えるのは許さないぞ!」

タマル「黙れラリア星人!」

???「名前尻を取りやがって……!」

菜々「あっ、あぁ……!」

仁奈「緑色のグチョグチョ気持ちわりーです」

タマル「お前こそここで何をしてる! まさかまた悪巧みか!?」

ラリア「悪巧みはどちらかな?」

仁奈「緑色の方が悪ですよ」

菜々「は、ふあぁぁぁ……!」

仁奈「?」

タマル「お前に構ってるヒマは……!」

ラリア「捜し物はピンクかな?」

タマル「ッ!!!?」

ラリア「ククク、驚くことはない。ウロウロしていた猿を捕まえただけだ。あの程度とはな。私もなめられたものだ」

タマル「ピンクはどこだ!」

ラリア「埋まっている」

タマル「埋めただと!? なんてことを!」

ラリア「勘違いするな。自らの意思をもって埋まっているのだ」

タマル「何っ!?」

ラリア「見付かったのが恥ずかしかったらしいな。穴掘って埋まったのだ」

タマル「つまりピンクはここにはこないだと!?」

ラリア「その通り。察しのいいやつは嫌いじゃないぞ。どうだ? オレ様と一緒に世界を……」

タマル「断る! こうなったら臨時にピンクを探すしかねぇ!」

仁奈「おぉっ! ここで選ぶですか!」

菜々「うん、うんっ!」

タマル「みんな!」

ラリア「いつの間にこんな! 貴様ァ!」

タマル「これが信頼の差だ! それよりみんな聞いてくれ! 今から臨時に隊員を募集する! この中で誰かっ……!」

仁奈「来たですよー!」

タマル「よしっ、そこの髪をまとめてる女の子!」

仁奈「誰でごぜーます!?」

菜々「誰だろうね」

タマル「着ぐるみ着た女の子の隣の子! 君に決めた!」

菜々「え?」

タマル「早く来るんだ!」

菜々「え? ふぁ?」

仁奈「行ってくるですよ!」

菜々「えっ? 菜々でいいんですか? あ、いやそれよりここは仁奈ちゃんに……!」

仁奈「つべこべ言わず行きやがれですよ!」

菜々「あ、はい!」

タマル「よしこれで! おっとまずは自己紹介をしてくれ! 」

菜々「あ、えと安部菜々です!」

タマル「よし、安部菜々! 協力してラリア星人を倒すぞ!」

菜々「は、はい!」

ラリア「フハハハハハ──」

P「物語も終盤だ……」

美優「…………」

P「寝てるからしばらく放っておこう」

美優「……ン……ッン」

P「…………」

美優「ンっ……ンー…………あ、おはようございます」

P「おはようございます」

美優「すみません。寝ちゃいました。今……」

P「夜の九時です」

美優「え!?」

P「冗談です。まだ夕方の前です」

美優「も、もう!」

P「もう少し寝ててもよかったですよ?」

美優「そうしたかったのですが夢の中であなたが迫ってきて……」

P「それは起きますね」

美優「仁奈ちゃんたちは?」

P「ショーの終盤ですがまだ終わるまでかかります。もう一眠りしては?」

美優「また夢見たら嫌なのでもう寝ません」

P「そうですか。お好きにどうぞ」

美優「はい」

P「…………」

美優「…………」

P「誰もいない、何もないから聞きたいんですがいいですか?」

美優「中身にもよりますけど……えっとなんですか?」

P「眠りから覚めて襲われてたらどう思います?」

美優「え?」

P「もっと直接的に言うと"挿入"されていたらどう思います?」

美優「話が見えないのですが……」

P「見えてる部分から推測するのでいいから思ったことを話してください」

美優「それが例え好きな人でも幻滅します。そんなのただただ気持ちが悪いだけです。実際は幻滅どころの話ではありませんが……」

P「なるほど」

美優「それがいったい……? もしかしてアイドルの中に……」

P「いるとしたら今頃すごい嚔をしてますね」

美優「あなたの話はたまに怖くなります」

P「たまに?」

美優「…………」

P「話を変えましょう。ここにペットショップがありますが寄っていきますか?」

美優「そこに犬は?」

P「もちろんいます。変わった犬種はどうだったか忘れましたけどね」

美優「いるならぜひ」

P「好きなんですね犬」

美優「……はい」

P「家に入るとき体を払いましょう」

美優「えっ?」

P「動物の毛でくしゃみする人がいますから」

美優「あ、あぁそういう意味ですか……」

P「常識で考えてください──」

タマル「こうなったら変身だ!」

菜々「はい! え?」

タマル「いくぞ!」

菜々「え、ちょぉっ」

仁奈「あ、そーいえばこれあずかってたでごぜーます。よっしょ……菜々おねーさんこれ使いやがれです!」

菜々「えっ? あ、これは菜々の……! でも事務所に置いてきたはずなのになんでここに!?」

仁奈「菜々おねーさん!!」

菜々「ハッ! ピピーン! ウサミン電波受信! これからウサミンに変身開始、ぃっ!」

仁奈「おぉっ、なんかスゲーです! ライブみてーでごぜーます!」

菜々「ウサミン変身完了! キャハッ♪」

タマル「いくぞウサミン!」

菜々「ハイ!」

仁奈「目が輝いてるでごぜーます」

ラリア「桃色しやがって! だが所詮ウサギと猿!」

菜々「ウサミンキーッぅっク!」

タマル「いいぞウサミン!」

ラリア「ぐぅ……! なかなかやるな。だがそちらも無事ではないようだな!」

タマル「なに!? ハッ、どうしたウサミン!」

菜々「な、なんでもないですよぉー!?」

タマル「くっ、どうしたら!!」

ラリア「フハハハハ、応援でも呼ばない限り私には勝てん!」

タマル「くそっ! こうなったら……! 助けを呼ぼうウサミン!」

菜々「え、あっ、はい! ウサミンよりウサミン星へ! こちら菜々! 助けてください今ス」

タマル「ラリア星人」

菜々「ラリア星人より攻撃を受けています! 今すぐ助けを……!」

仁奈「ノリノリでごぜーます!」

菜々「ピピピ。ウサミン星より受信!」

タマル「どこから誰が来る!」

菜々「……そこの強そうな人!」

?「えっ、僕?」

菜々「ステージに上がって菜々を助けてください!」

?「しょ、しょうがないなぁ~」

仁奈「まんざらでもねーみてーです」

タマル「むっ、細いがしっかりした筋肉だな。名前は何て言う!」

?「僕は……コマリン星人だぞ☆」

菜々「コリン星みたい」

コマリン「はい?」

菜々「さぁ、菜々と戦いましょう!」

P「──どうでした?」

美優「久しぶりに堪能しました……」

P「里親募集のコーナーで随分時間食ってましたね」

美優「昔を思い出して……あの子も似たような境遇でしたので……」

P「そうですか。しかし残念でしたね。店員がいれば、里親募集について詳しく聞けたのに」

美優「店番のハムちゃんしかいませんでしたね」

P「そうですね。店番の"ハムちゃん"しかいませんでしたね」

美優「あ……わ、忘れてください」

P「さて、そろそろ終わった頃ですね」

美優「仮にも行けないといった手前、仁奈ちゃんに会うのは出来ません。なので私は帰……」

P「そう言えと頼んだのはオレですけどね。会いに行きたいなら理由はつけられますが、三船さんには少し話したいことがあります」

美優「話したいこと?」

P「喫茶店で話す予定でしたがそんな雰囲気ではなかったので」

美優「すみません」

P「いえ」

美優「それで話っていったい……」

P「とある会に参加してもらいたいんですよ」

美優「とある会?」

P「そんなに身構えなくても大丈夫です。不快なことはさせません。世間でいう女子会です。それに参加者の半分以上は成人してます」

美優「それはどんな会なんですか?」

P「女子会ですよ。ただ少し違うのは──」

菜々「……あっ、いた!」

タマル「お疲れ~ぃ」

菜々「あ、あの……!」

ラリア「ん? キミはたしか今日の……」

菜々「あ、はい! ウサミンです」

ラリア「お~やっぱり。いやなかなか切れがあったよ。慣れてる感じしてたよ」

タマル「ステージ裏に入ってくるってのもなかなかないけどな。あんた、もしかしてステージに立ち慣れてるか?」

菜々「え、あっ、まぁそんな感じですね! あは、あははは」

タマル「そうかよ。で、なんかようか?」

ラリア「あ、サインかな? いやぁ~困ったなぁ」

タマル「あ? んなわけねえだろ」

菜々「あ、今日はお礼を言いたくて!」

タマル「礼?」

菜々「あの、なっ……菜々のハートに火をつけてくれてありがとうございます!」

ラリア「やっぱりファンの子か。いやぁ~困った、困った♪」

タマル「気持ちわりぃよ。お前にファンなんているわけない。いいか? スポーツをしないとこうなるからな」

ラリア「ハハハ、面白いことを言うね。いい? 勉強しないで脳を使わないとこうなるからね」

タマル「あ?」

菜々「あ、まぁまぁ! 落ち着いて。あ、そういえば一緒にステージにいた子、スゴかったですよね!」

タマル「あー、アイツな。たしかにスゴかったぜ」

ラリア「そういえば穴を埋まった女の子を助けてたな」

タマル「他人行儀に言ってっけど原因の八割はお前だからな? 会うなりいきなり、写真を出せ!はねぇよ」

ラリア「ハハハ、そうだったかな」

菜々「アハハ、あっ、そうだ。写真いいですか?」

タマル「写真? 別にいいぜ」

菜々「思い出にと思って。あ、そっちの人も……」

ラリア「遠慮しておくよ」

菜々「えっ?」

タマル「別にいいじゃねぇか」

ラリア「君の思い出になりたくないからね。三度会えば運命って言うしさ」

菜々「え?」

タマル「あ? なにいってんだ?」

菜々「は、はい!」

タマル「なんだかしんねえけどいっか。よーし撮るぞ」

ラリア「カメラマンはやろう。はい、撮るよ。はいポーズ」

タマル「アッ!」

菜々「ありがとうございました!」

タマル「いま、目瞑っちまってなかったか!?」

菜々「大丈夫ですよ? あ、もういきますね。人待たせてるので」

タマル「あ、おい! ちきしょう」

ラリア「まぁまぁ。縁があれば三回目がある」

タマル「は?」

ラリア「昔からそうだが人の顔を覚えないね」

タマル「うるせぇ──」

菜々「お待たせしました仁奈ちゃん」

仁奈「待ってねーですよ。待つのは慣れてるでごぜーます!」

菜々「それじゃ帰ろっか」

仁奈「今日はどうでごぜーましたか!」

菜々「菜々ばかり楽しんでごめんなさい」

仁奈「いいでごぜーます! 菜々おねーさんが楽しんでくれたならいーですよ」

菜々「仁奈ちゃん……」

仁奈「帰るでごぜーます!」

菜々「寮まで送ります」

仁奈「今日は寮じゃねーですよ」

菜々「あ、それなら自分の家?」

仁奈「ごたくはいいからついてくるでごぜーます!」

菜々「えぇ~……」

仁奈「遅いと置いてくですよ」

菜々「あ、はぐれるといけないから手つながないと」

仁奈「それじゃいくですよ!」

菜々「あの、一応行き先を聞いておきたいんだけどどこ駅かな?」

仁奈「バスで行けるですよ?」

菜々「え、あっ、そ、そうですよね……ついクセで……」

仁奈「あっ!」

菜々「ハイ!? ど、どうしたの!?」

仁奈「今から仁奈たちは仁奈の家に帰るですよ」

菜々「?」

仁奈「これからいくところのことはヒミツでごぜーます!」

菜々「なんでですか?」

仁奈「誰にでも知られたくねーことぐらいありやがるですよ。ヒミツにしねーと仁奈は一人で帰るでごぜーます」

菜々「それは危ないですよ」

仁奈「どーするでごぜーますか!」

菜々「う~ん……わかりました。内緒にします!」

仁奈「ちかうですか?」

菜々「ウサミンの名に懸けて!」

仁奈「それじゃ、とっとと歩くでごぜーます──」

仁奈「もう少しでごぜーます!」

菜々「ハァ、ヒィ、ちょっと待ってくだ……さ……菜々は腰が……」

仁奈「つきましたですよ!」

菜々「え……ここ?」

仁奈「そうでごぜーます」

菜々「ふわ~スゴっ」

仁奈「?」

菜々「高級マンション……菜々のところとは大違い」

仁奈「なにしてやがります? 上にいくですよ」

菜々「あ、は、はい……」

仁奈「そこでくつろいでやがれ! 仁奈は飲み物取ってくるです!」

菜々「あ、お構い無く……」

仁奈「お菓子も持ってくるですよ!」

菜々「あ……行っちゃった。すぐ帰る予定だったんですが……あ、ハーイ。もう持ってきたのかな?」

みく「…………」

菜々「あれ、みくちゃん……?」

みく「…………」

菜々「えっと、なんでそこにいるんですか? というかそもそもなんでここに。と、とりあえず部屋の中に……」

みく「菜々ちゃん……」

菜々「は、はい……」

みく「みくがやったことって迷惑だった!?」

菜々「え?」

みく「みくは菜々ちゃんの事励ましたつもりだったけど菜々ちゃんにとっては迷惑だった!?」

菜々「え、その……」

みく「ゲームショーのお仕事でやったこと、め……迷惑だったよね……」

菜々「ッ!!」

みく「め、迷惑……かけちゃっ……た……よ、ね……」

菜々「みくちゃん! 菜々は全然そんなこと思ってません!」

みく「菜々ちゃん……でも……」

菜々「あそこでみくちゃんが菜々を励ましてくれたおかげで今日菜々は気持ちを思い出せました! だからみくちゃんのやったことは迷惑じゃありません!」

みく「菜々ちゃん……」

菜々「ピピピッ! ウサミン星から緊急連絡! 悲しんでる女の子を救助せよ!」

みく「えっ、菜々ちゃん?」

菜々「花の金曜日じゃありませんけど盛り上がりましょう!」

みく「うん……」

菜々「声が小さい! もっと元気よく。ウッサミーン!」

みく「にゃっにゃっにゃー!」

菜々「もっと元気よく! ウッサミーン!」

みく「ニャッニャニャー!」

菜々「にゃっにゃっにゃーじゃなくてウッサミーン!」

みく「みくは自分を曲げないよ!」

仁奈「あ、こんなところにいたです。みくおねーさん探したでごぜーます」

みく「あ、仁奈チャン」

仁奈「泣いてるですか?」

みく「うっ、ううん! 目にゴミが入っただけにゃ!」

仁奈「今から菜々おねーさんとお菓子食べるですがどうしやがりますか?」

みく「それじゃあみくもいただくにゃ!」

仁奈「それじゃ手伝うですよ。菜々おねーさんは座ってやがれです!」

菜々「あ、はーい」

みく「晩御飯食べれなくならないようにね?」

仁奈「わかってるごぜーます。この前のはちょっとしたミスでごぜーます──」

P「お疲れ様です」

美優「お疲れ様です」

藍子「あ、お疲れ様です、美優さん」

美優「あ、今帰り?」

藍子「一度帰宅して夕飯の買い物がてら喫茶店でゆっくりしてたらこんな時間になっちゃって」

美優「そうなの。実は私も今日はゆっくりしちゃって……」

藍子「そうなんですか。お夕飯食べました?」

美優「まだなの」

藍子「それなら一緒に食べませんか? 実は少し買いすぎちゃって」

美優「えっ、でも……」

P「こっちは気にせず、そっちで判断してください。そもそも部屋別々ですから」

藍子「さ、行きましょ」

美優「え、えぇ……私はこれで……」

P「お疲れ様です」

藍子「そこに一人で立ってると危ないですよ? さ、行きましょう」

美優「…………」

P「……困ってるところに颯爽と現れる王子様。う~んかっこいいね」

まゆ「白馬に乗った王子様は全ての女の子の夢ですよぉ」

P「厩戸皇子もあれはある意味夢だな。周りに人がいないから意味がなくなるけど」

まゆ「今は必要ですよね」

P「ところでここでなにをやってる」

まゆ「仕事帰りなのでついでにお夕飯の買い物に」

P「そうか」

まゆ「腕組んで帰りましょう♪」

P「腕は組まない」

まゆ「手を繋ぎましょう」

P「両手に荷物持ってる状態で出来るなら」

まゆ「…………指!」

P「きちんと持ちなさい」

薫「あっ、せんせぇお帰りなさい!」

まゆ「まゆもいますよぉ」

薫「まゆちゃんもお帰りなさい!」

まゆ「ただいまぁ」

薫「あ、手つないでる!」

まゆ「今日は寒いもの」

薫「せんせぇのお腹温かい」

P「腹に引っ付くな」

まゆ「お夕飯にしましょう」

奏「…………」

まゆ「こんばんは」

奏「こんばんは。お邪魔してるわ」

P「来てたのか」

奏「来ちゃった」

まゆ「連絡はしなくちゃダメよ?」

奏「なら追い出す?」

P「次はない。次、連絡なしで来たら追い出す」

奏「手厳しい……」

薫「せんせぇ手伝って~!」

P「今いく」

薫「──せんせぇせんせぇ!」

P「何?」

薫「よいしょっ……モモ!」

P「人にお尻を向けない」

薫「はぁーい」

まゆ「薫ちゃん。私も入るからもう少しそっち寄ってくれる?」

薫「んっしょ」

まゆ「……ハァァ~」

薫「まゆちゃん、おばちゃんっぽい」

まゆ「そう? お風呂入ると言わない?」

薫「言わな~い」

まゆ「あら、そう。あ、Pさんは言いますよね?」

P「言わない」

薫「ね~」

P「あぁ」

まゆ「まゆショック!」

薫「あ、沈んでっちゃった……」

P「しばらくすれば浮いてくる」

薫「…………」

P「…………」

薫「浮いてこないよ?」

P「まだしばらくかかる」

薫「…………」

P「…………」

薫「かおるね、水のなかで息止めるの苦手なの」

P「知ってる」

薫「こんなに長くもぐってるなんてまゆちゃんスゴいね」

P「出てきたら誉めてあげて」

薫「うん!」

P「…………」

薫「遅いねまゆちゃん」

P「そうだな」

まゆ「ブハァッ……!」

薫「あ、出てきた。スゴいねまゆちゃん!」

まゆ「ハァハァ……ハァッハァ……」

P「今回は長かったな」

まゆ「んもぅ!」

P「薫、そろそろ出ないとのぼせる」

薫「うん。それじゃ先出るね!」

P「まずはそこで体拭いてから出ていきなさい」

薫「あ、そうだった。んしょ……せんせぇ背中ふいて~」

P「はい」

薫「ありがとー! それじゃかおる先出てる! あ、なにか飲んでいい?」

P「冷蔵庫に入ってる小さい水ならいい」

薫「はーい!」

まゆ「まゆの話を聞いてください」

P「いつだって聞いてる。それでなんだ?」

まゆ「助けてくださいよぅ」

P「本当に溺れ死ぬほど頭が足りないわけじゃないだろ」

まゆ「あの時のPさんはどこに……」

P「どの時のことかわからないけどオレはここ」

まゆ「あ、そういえば菜々さんどうでした?」

P「喜んでたよ」

まゆ「さすがPさん♪ 喜べる過去があるって本当にいいですね」

P「……そうだな」

まゆ「さて、過去の事より未来に目を向けましょう♪ 明日からどうします?」

P「誰にするか。前回はオレが選んだから今回はまゆが選んでくれ」

まゆ「まゆが選んでいいんですか?」

P「あぁ」

まゆ「ん~そうですねぇ。>>729層に730」

>>729
ジュニア(~12歳まで)かティーン(13~19歳まで)かアダルト(20歳以上)かをお願いします

>>730
軽くか徹底的かをお願いします

それ以外は安価下

ジュニア

軽く

まゆ「ジュニア層に軽く。薫ちゃんのお尻みたいに軽~く」

P「撫でる程度じゃ効果はないぞ」

まゆ「痴漢程度にさわ~っと?」

P「気持ち悪いからそれなら効果ありそうだ。それで具体的には決まってるのか?」

まゆ「さぁ?」

P「決まってるんだな」

まゆ「もう少し会話を楽しみましょうよ。まゆから引き出してください。まゆの奥の奥からぁ♪」

P「湯船は狭くないんだが……」

まゆ「こうやってPさんによしかかっても足が伸ばせます」

P「それで誰なんだ?」

まゆ「ん~っとですね~」

P「引き延ばしはやめろ」

まゆ「>>732


>>732
モバマスのジュニア(~12歳まで)アイドルをお願いします

連取またはそれ以外は安価下

みりあ

まゆ「みりあちゃん」

P「赤城みりあか」

まゆ「はい」

P「彼女にはみんなが迷惑してる」

まゆ「みんな?」

P「詳しくは同じプロジェクトの人達から聞くといい」

まゆ「はい。聞くなって言われても聞き出します♪」

P「それであの子に何をされた」

まゆ「>>734


>>734
赤城みりあに何をされたかをお願いします


あまりにおかしなものやそれ以外は安価下

興味だけで人の仕事に割って入ってくる

まゆ「興味だけで人の仕事に割り入ってくるんです」

P「事情なんて考えないからな」

まゆ「あの子とは大違いですね」

P「正反対だからな」

まゆ「担当プロデューサーは何してるんでしょうね」

P「天真爛漫で片付けてる。赤城みりあ自身も彼にとって厄介なタイプさ。笑っているから気付きもしない」

まゆ「気付いてはいるんじゃないんですか? 時おり困った顔してますし。まぁ、ただ困ってるだけかもしれませんが」

P「よく首を痛めてる系男子だからな」

まゆ「良いところは、笑顔です」

P「ふふっ、似てる」

まゆ「…………」

P「どうした?」

まゆ「あなたがこういうことで笑うようになるなんて、と思って」

P「たまには笑うくらいする」

まゆ「……笑顔です」

P「そこまで低い声出るんだな」

まゆ「新たな発見でしょ? まゆは掘れば掘るほどまだまだ新しい物が出てくるんです」

P「そうだな」

まゆ「おし……」

P「しない」

まゆ「残念」

P「続きはベッドで」

まゆ「あらぁ♪」

P「そういう意味じゃない」

まゆ「そんなわけでベッドです」

P「担当プロデューサーの写真新しくしたのか」

まゆ「はい。飾ってないと忘れそうなので」

P「定期的にヤってても忘れるものは忘れるか」

まゆ「まゆも精一杯"愛情たっぷり"にしてます」

P「それはなにより」

まゆ「プレイ内容聞きますか?」

P「それは後で。場合によっては検討しよう。マンネリは避けなきゃな」

まゆ「マンネリになって倦怠期。そこから別れるっていう展開もなかなかロマンチックじゃありません?」

P「元サヤに納まるならそれがいい。それとも別れたいのか?」

まゆ「まさか。そんなことしたらキャラが崩れちゃいます」

P「だな。さて、やることやろう」

まゆ「プロフィールのお復習ですね」

P「プロフィールは頭に入ってるな」

まゆ「事前調査はバッチリです!」

P「自信満々だな」

まゆ「満々も満々、満々々です!」

P「どうやって聞き出した?」

まゆ「私って担当プロデューサーのこと好きじゃないですか? だから誕生日を知りたいって事にしてついでにこっそり……と」

P「各人の動きは把握するのは大事だからな」

まゆ「あれ、バレてました?」

P「君がやることだからな」

まゆ「仮にもライバルでしたから♪ 今でも場合によってはライバルですけど」

P「基本的に彼の部屋にいくメンバーは決まっているからね。そのメンバーと彼に気を付けておけばいい。話を戻そう」

まゆ「それじゃあ始めますね。赤城みりあちゃん。うるさぃ……パッションパッションパッショーネな元気アイドル」

P「パッション溢れすぎてもはやうるさいな」

まゆ「言い換えれば能天気。東京都出身の11歳、小学5年生。身長140cm、体重36kg。スリーサイズは上からおっぱい77cm、ウエスト55cm、78cm。体脂肪率は18.37%のロリコンさん涎物の女の子」

P「胸は75cmだ」

まゆ「あら? それにしても一般的ですね。いわゆる……普通?」

P「普通の系譜ではない」

まゆ「誕生日は4月14日の牡羊座。AB型の左利き。趣味はおしゃべり」

P「その趣味で人に迷惑かけてるのは凄いよな」

まゆ「おしゃべりしてて仕事に遅れるなんてダメてますよねぇ。プロデューサーも甘やかすから付け上がるんですよ」

P「彼は優しいからな。それに仕事先も少しの遅刻なら子供だからで済ますからな」

まゆ「自分だけでなく人の仕事にも影響及ぼすんですよ」

P「構わないと悲しい顔するってやつか」

まゆ「それでいて担当プロデューサーにあったらあったで今まで話してたけど仕事だからほうっておかれたなんていうんですよ?」

P「言葉を選ばないからな」

まゆ「あのまま成長したら悪魔になります。男を惑わす小悪魔」

P「だから今のうちに釘を刺しておこうというわけか」

まゆ「はい」

P「オレも案がないわけではないから協力する」

まゆ「それじゃお互いやることが違うってことですか?」

P「赤城みりあのことを調べればオレのやりたいことがわかる」

まゆ「はぁい」

P「オレはそろそろ部屋に戻る」

まゆ「はぁい」

P「おやすみ」

まゆ「まゆも薫ちゃんの寝顔見たいんですけどいってもいいですか?」

P「静かにするなら」

まゆ「それはもちろん」

薫「フー……クー……ン」

杏「…………」

P「…………」

まゆ「あ、寝てますね薫ちゃん」

P「静かにね」

まゆ「はぁい」

杏「おっす」

まゆ「こんばんはぁ杏ちゃん」

P「まだ起きてたのか」

杏「まだ天辺前だし」

まゆ「明日もお仕事でしょ?」

杏「午後から」

まゆ「そうなの。それじゃ少しお話いい?」

杏「……う~ん」

P「話すなら向こうで」

まゆ「飴あげるから」

杏「そんなやすいおんなじゃないぞー」

P「話を聞いてやってくれ」

杏「え~めんどくさいなぁもう」

まゆ「そう言いつつ動く杏ちゃん、私は好き♪」

杏「そ。いってくる」

杏「……で、なんの話?」

まゆ「ココアかなにかいる?」

杏「……いいよ。寝る前だし」

まゆ「ちょっと残念」

杏「そんなことより話ってなにさ」

まゆ「みりあちゃんのこと」

杏「みりあ? みりあって……あぁ思い出した」

まゆ「同じプロジェクトでしょ?」

杏「そうだけどあんま絡んだことないからなぁ……特に移ってからは段ボールのとこには来ないからさ」

まゆ「それでもなにかあるでしょ?」

杏「うるさくて寝れないことがあるくらいかな。しかも長時間だから参ったよ」

まゆ「そんなに?」

杏「あの声と声量で一時間ずっと聞いてなよ。拷問だよ? しかも杏はエネルギー切れ起こしてるんだよ?」

まゆ「仕事に遅刻したことは?」

杏「どういう意味で?」

まゆ「みりあちゃんのおしゃべりが原因で」

杏「私はないけど他の人ならあるんじゃない?」

まゆ「そうね。他の人にも聞いてみましょう」

杏「私からもいいかな? 二重生活ってどうなの?」

まゆ「意外と出来るものよ」

杏「ふぅん。心痛まない?」

まゆ「全然」

杏「へぇ」

まゆ「杏ちゃんも似たようなものよ? 秘密の生活を送ってる者同士だもの」

杏「そりゃそうだけど少なくともこっちは関係持ってる人複数じゃないから」

まゆ「そこでも共通してるじゃない」

杏「…………」

まゆ「あ、それとももしかしてその関係持ってる人ってあのプロデューサー?」

杏「それはない。体格が合わなすぎるし、近くにいられるのもヤだ」

まゆ「それ本人が聞いたらショックうけるわよ?」

杏「フアァッ!?って?」

まゆ「目を見開いて」

杏「人としてはいいけど恋人だったら疲れそう。それに関係者だし」

まゆ「気になるタイプ?」

杏「それで運良く印税生活出来たとしても周りが絶対うるさい。気分良く休めないじゃん。それに絶対説教してくるし」

まゆ「入ってきてほしくないときでも構わず入ってこようとするタイプですものね」

杏「話したことあるの? 誕生日知りたくてつけ回してたとき?」

まゆ「それじゃまるで私が彼のストーカーみたいじゃない。私これでも人を見る目あるんです」

杏「まぁ……それはわかる。ねぇ、ほんとに怒ったりしないのか?」

まゆ「怒る? なにをかしら」

杏「Pさんとの関係」

まゆ「介護の一種ですし私が口を出す話じゃないもの。それにまゆと杏ちゃんの共通点ですもの♪」

杏「……やっぱり私には理解出来ない」

まゆ「うふ。ところでPさんはどう?」

杏「どうってなにが?」

まゆ「指使いとか気遣いとか」

杏「杏わかんなーい」

まゆ「とぼけちゃって♪」

杏「他人にいじられるのがあんな感覚だなんて初めて知った」

まゆ「入り口派? 奥派?」

杏「杏の小さいからそこんとこの区別ないんだよね」

まゆ「そうなの?」

杏「そもそもクリ派だし」

まゆ「まぁ! エッチねぇ」

杏「ていうか何がむなしくて下ネタ話さなきゃいけないのさ」

まゆ「仲良くなるため?」

杏「一応花も恥じらう年頃なんだからおしとやかでいよう」

まゆ「その結果が初詣?」

杏「あれは私が重ねてきた経験の賜物だ。ああすることによってお年玉が多くもらえるというだな……」

まゆ「お年玉まだもらってるの?」

杏「なにぃっ! 親や親戚からもらってないのか!?」

まゆ「はい。今年Pさんにもらったのが久方ぶりのお年玉よ」

杏「し、信じられない……」

まゆ「もう寝ましょう。こんな時間だわ──」

蘭子「我が言霊を降ろす者について?」

みく「みりあちゃん? いい子にゃ。みんなに優しいし明るくて元気だし」

まゆ「蘭子ちゃんは?」

蘭子「我が言霊を理解するものは貴重だ。故に何もない」

まゆ「二人は仲良いの?」

蘭子「んなぁ!!?」

みく「そういえばあんまり喋ったことないね」

蘭子「と、時の流れが……!」

みく「二人がしゃべってるとこ、ちょっ、どこいくの蘭子チャン……!」

蘭子「虚無が我を呼んでいる!」

みく「それなにもないってこ、あっ!」

まゆ「何かあったのかしら?」

みく「もう……」

まゆ「ちょっと聞いてくるわね」

みく「うん」

まゆ「蘭子ちゃ~ん」

みく「……ホッ」

蘭子「♪」

まゆ「蘭子ちゃん」

蘭子「ピイヒャアァァァ!」

まゆ「っと」

蘭子「アッ、アッ、あうあぅあうあう?」

まゆ「どうしたの?」

蘭子「本より来たりし者!」

まゆ「後ろからだとびっくりするでしょ?」

蘭子「じょ、錠……」

まゆ「うふ♪ ところでなんで逃げたの?」

蘭子「せ、戦略的撤退……」

まゆ「みりあちゃんのこと聞いたら逃げたわよね? なんで?」

蘭子「うっ……」

まゆ「なにかあったの?」

蘭子「ふ、封印されし歴史に触れること能わず!」

まゆ「何かあったのね」

蘭子「……はぅ」

まゆ「イヤだっていうなら無理には聞かないわ」

蘭子「あ、あれは我がまだ連なる界面にいたころ」

まゆ「寮での話なのね。それで?」

蘭子「帰ったら……部屋にいて……えと……その……スケッチブック、ひ、開いてて」

まゆ「開いてて?」

蘭子「ナカ見られて……あぅぅ……」

まゆ「見られてどうしたの?」

蘭子「外で大声で……」

まゆ「そういうことね。もう言わなくていいわ蘭子ちゃん」

蘭子「はうぁぁぁぁ、恥ずかしぃ……」

まゆ「つまり部屋に帰ったら呼んでもいないのに部屋に入られててノートも見られたのね」

蘭子「うん……」

まゆ「あの寮、自分で鍵変えない限り鍵同じなのよねぇ」

蘭子「そんなお金ない……」

まゆ「でも今はここがあるでしょ?」

蘭子「あ……うん」

まゆ「寮には名前しか置いてないし、実質こっちが部屋みたいなものよね」

蘭子「…………」

まゆ「あ、そういえば破れてた服繕い終わったから後で持っていって」

蘭子「ぁ……ありがとぅ……」

まゆ「どういたしまして」

蘭子「ぁ、あにょ……私……」

まゆ「私?」

蘭子「ここにいても……いいの……かなって」

まゆ「Pさんが許す限りいてもいいと思うわ。よほどのことしなければ追い出されることないですけど」

蘭子「あ……ありゃがと」

まゆ「素直にお礼が言えるって良いことよねぇ。あ、ところで」

蘭子「?」

まゆ「最近Pさんとお風呂入ってる?」

蘭子「ほにゃあ!?」

まゆ「そんなに驚かなくても……ほら裸の付き合いっていうじゃない? あ、まゆの事なら心配しなくていいですよ。Pさんが誰とお風呂入ろうが許します♪」

蘭子「け、穢らわしいことなどしたこと……したこと……したこ……ぁきゃ……」

まゆ「顔真っ赤。よかったら明日私も一緒だけど入る?」

蘭子「闇が我を呼んでいる!」

まゆ「あら、フラれちゃった。残念。さてと……」

みく「みっくみっくにしてやるにゃー♪」

まゆ「ただーいま」

みく「にゃ? ずいぶんご機嫌だね。なにかあったの?」

まゆ「はい♪」

みく「あ、蘭子ちゃんどうだった?」

まゆ「仲良くなりましたぁ、うふ」

みく「そっか。みりあちゃんのことなにかわかった?」

まゆ「蘭子ちゃんとはあまり仲が良くないんですって。勝手にノート見たからとか」

みく「ノート? あーなんか見たことあるにゃ。スケッチブックでしょ? なんか大事そうに持ってるの何回か見たことあるにゃ。中になに書いてるかわかんないけどそういうの見られたくないのわかる」

まゆ「そうですよねぇ」

みく「これでスッキリだね!」

まゆ「はい♪ これで本命に聞けます」

みく「にゃぎくっ!」

まゆ「うふ」

みく「ほ、本命ぇってぇ?」

まゆ「それはみくちゃんのこと」

みく「みくはなにも知らないにゃあぁ」

まゆ「それならなんで声が上ずってるのかしらぁ」

みく「み、みっくは上擦ってなぁいにゃ」

まゆ「本当にぃ?」

みく「ほ、ほん、本当にょ」

まゆ「語尾変わってますよぉ?」

みく「と、とにかくみくの口からは言えないにゃ!」

まゆ「ほらなにか知ってるんじゃない」

みく「しまった! 謀られたにゃ!」

まゆ「話さないと体に聞いちゃうけど……いいかしら?」

みく「な、なにをする気にゃ……!」

まゆ「大丈夫よぉ。気持ちいい事だもの、うふ」

みく「く、来るにゃ!」

まゆ「早く言わないとヒイヒイ言わされちゃうわよぉ」

みく「乙女の秘密は言えないにゃ!」

まゆ「うふ、うふ、うふふふふ~」

みく「にゃ、にゃ~! あぁ、みくは大人の階段登らされちゃうにゃ……」

まゆ「ただくすぐるだけよ?」

みく「にゃ?」

まゆ「いったい何を考えたのかしらぁ?」

みく「なんだくすぐるだけ……いやそれも良く考えたらイヤにゃ」

まゆ「なら白状する?」

みく「……いざ鎌倉! んぎゃっ!」

P「いった……」

みく「にゃああ! 完全に退路を絶たれたにゃ!」

まゆ「ナイスPさん!」

P「手助けをした訳じゃない」

まゆ「?」

P「どちらかというと助けに来た」

みく「みくは信じてたよ!」

P「調子のいい人だね」

まゆ「それで助けに来たというのは?」

P「前川さんを」

みく「日頃の行いの差にゃ! にゃーはっはっはっ!」

P「前川さんの口から言いづらいのは本当だよ」

まゆ「はい?」

みく「ンニュフアァァァ……」

まゆ「すごい音。もしかしてみりあちゃんの秘密ですか?」

P「あぁ」

まゆ「あ、でも言わないでくださいね。自力で探りたいので」

P「そうか」

みく「Pチャン早くみくを助けるにゃ!」

P「前川さん」

みく「んにゃ?」

P「擽られるのと自分で言うのどっちがいい?」

みく「信じたみくがバカだったにゃ!」

まゆ「…………」

みく「手をわきわきさせながら近づくにゃあ! う、うぅ……話す、話すにゃ!」

まゆ「お願いしまぁす」

みく「み、みりあちゃんの秘密、それは……」

まゆ「それは?」

みく「それは──」

赤城みりあ「おはようございまーす!」

CP「おはようございます赤城さん」

みりあ「あっ、プロデューサー! ねえねえ聞いて聞いて! あのねあのね、この前スッゴイことがあったんだー!」

CP「そう……ですか」

みりあ「あれ? なんか疲れてるのー?」

CP「そんなことはありません……いつも通り元気です」

みりあ「えーいつもそう見えないよ?」

杏「おやすみなさ~い……」

みりあ「あ! 杏ちゃんだ! おはよー!」

杏「おあよ~」

CP「双葉さん、どうかなさったんですか?」

杏「フッ、フゥア……ファ~」

CP「双葉さん?」

みりあ「杏ちゃ眠そーだね」

杏「ン? えぁ、私のことか」

みりあ「また寝不足?」

杏「う~ん?」

CP「大変かと思いますが一緒に、頑張りましょう」

杏「…………」

みりあ「あっ、それでねそれでね!」

みく「ぉはよぅ~」

CP「おはようございます。前川さん」

みく「あ、プロデューくあ~」

CP「あなたも、寝不足ですか?」

みく「寝不足といえば寝不足だけふっふぁ~」

みりあ「ゲームでもしてるのー?」

CP「あまり目を酷使されては……」

みく「ゲームが原因じゃないにゃ」

CP「それではなにが……?」

杏「プロデューサー」

CP「はい?」

杏「世の中には聞いちゃいけないこともあるんだって」

CP「はぁ?」

杏「セクハラになるよ?」

CP「え? あ……」

みりあ「プロデューサー、チカンなのー?」

CP「いえ、しておりません……」

みりあ「じゃあなんでセクハラになるの? ねえねえ教えてよー」

CP「それは……」

杏「あ、そういえばプロデューサー。杏たちの収録どうなった?」

CP「現在調整中です」

杏「え~、早く決まんないと杏困るよ」

CP「すみません……」

みく「どうせ寝てるだけにゃ……」

杏「なにをぅ」

小梅「お……おはよう……ございます……」

CP「おはようございます。白坂さん」

小梅「む、向こうで……よ……呼んでた……」

CP「私を、ですか?」

小梅「たしか首から……ぶら下げてた」

CP「いったい誰でしょうか……すみません少し行ってきます」

みく「気をつけるにゃ~」

小梅「自分の顔を……」

杏「一気にホラーになったぞ」

みりあ「あ、小梅ちゃんだ! おはよー!」

小梅「お、おは、おはよ……」

みりあ「暗いけどどうしたの? 小梅ちゃんも寝不足? 目の下クマすごーい」

小梅「暗いのと……隈は……いつもだけど……別に寝不足じゃない……」

みりあ「ふ~ん」

みく「ちょっとトイレ行ってくる……」

みりあ「あ、みりあもいくー!」

小梅「…………」

杏「なに?」

小梅「あ……段ボールに隠れるだけだから……お、おかまいなく……」

杏「そ」

小梅「…………やっぱり、うざい……」

杏「誰が?」

小梅「朝から元気なのって……殺したい……」

杏「あ~、みりあちゃんね」

小梅「キンキン声聞いてると……距離感……狂う……」

杏「コウモリじゃないんだから」

小梅「逆さ吊りも……いいよね……」

杏「もう脳内シミュレーション始まってたー」

小梅「脳内妄想……する……?」

杏「杏は遠慮しとく。疲れるだけだし」

小梅「残念……」

杏「そういえば今日どうする? あそこいく?」

小梅「いく……」

杏「じゃあ、杏もいこうかな」

小梅「あ、それなら……DVD一緒に……みよ?」

杏「ん~いいよ。なに見るの?」

小梅「異音……」

杏「なにそれ?」

小梅「ある寂れた商店街に……大型スーパーが建つんだけど……そこでは謎の病気があるの……それで…………その建設中の……完成間近のある一角から……ガリガリ……ガリガリ……って音がするの……」

杏「商店街に大型スーパーねぇ。なんか先読めそう。一番怖いとこは?」

小梅「えっとね……扉の向こうから変な音がして……扉開けると……」

蘭子「煩わしい太陽ね!」

小梅「後ろに……血塗れの女の人が……!」

蘭子「ヒィ……!」

加蓮「…………」

奈緒「……なぁ、大丈夫か?」

加蓮「大丈夫ですよ、神谷さん」

奈緒「おい」

加蓮「アハハ、冗談だって」

奈緒「勘弁してくれよ」

加蓮「ちょっと考え事してて」

奈緒「考え事?」

加蓮「人質取られるのってイヤだよね」

奈緒「人質ってデビューの件のか?」

加蓮「う~ん、まぁそんなとこ」

奈緒「あんまいい気分しなかったよな」

加蓮「まぁ、そうだよね」

奈緒「…………」

加蓮「ごめん、忘れて」

奈緒「……おう」

加蓮「それにしてもみくちゃんたち何してるのかな」

奈緒「あー、なんかしてるな」

加蓮「ね」

奈緒「…………」

加蓮「…………」

奈緒「……ぶっちゃけさ」

加蓮「ん?」

奈緒「なんか変な感じだよな。あたし達こんなだったか?」

加蓮「どうだろ」

奈緒「変な感じって言えば……」

加蓮「言えば?」

奈緒「あ、あれも変な感じだよな。その……他人の指が入ってくるって……」

加蓮「なんのこと?」

奈緒「なんのことって……そりゃあれだよ、あれ」

加蓮「あれって……?」

奈緒「て、手……」

加蓮「アハハ、わかってるよ。ちょっとからかっただけ」

奈緒「なっ、おい!」

加蓮「そう怒らないでよ。私がいったこと気にしてるの?」

奈緒「まぁ……ちょっとだけ……」

加蓮「気にしなくていいのに。普通に考えたら人を気にかけるのに体験してるしてない何て関係ないよね。自分でいっておいてなんだけどさ」

奈緒「…………」

加蓮「何気なく……ううん、ちょっとだけ感情的になっていった言葉だけどさ……落ち着いて考えてみれば……ね」

奈緒「…………」

加蓮「それにしても奈緒にもそういう人がいるんだ。私の知ってる人?」

奈緒「たぶん……」

加蓮「同い年?」

奈緒「年齢はよく知らないけど違うな。絶対に」

加蓮「年上?」

奈緒「あぁ」

加蓮「顔は? イケメン?」

奈緒「イケメンでは…………ないな。普通……かな?」

加蓮「奈緒って顔気にしない派?」

奈緒「気にする気にしないっていうか……自分が気にするか気にしないかなんて、そういうの考えたことないからなぁ」

加蓮「プロデューサー?」

奈緒「誰のだよ」

加蓮「あ、引っ掛からない。奈緒なら引っ掛かると思ったんどけどなぁ。だ、誰が自分のプロデューサーなんかと!って」

奈緒「加蓮はあたしの事なんだと思ってるんだよ……」

加蓮「でもそっか。担当プロデューサーじゃないのか。それじゃ……あ、わかった! あの顔の怖い人!」

奈緒「シンデレラの舞踏会のか? それはない」

加蓮「え? それじゃあとは……」

奈緒「や、やっぱ他の話しよう!」

加蓮「話振ってきたの奈緒だよ?」

奈緒「そりゃそうだけどよ……恥ずかしいもんは恥ずかしいんだよ」

加蓮「でも気になるなぁ。奈緒のいい人」

奈緒「言い方古くねぇか?」

加蓮「そう? 言わない?」

奈緒「マンガでしか見たことない」

加蓮「ふーん。それで誰?」

奈緒「しつけーよ! もう誰だっていいだろ!?」

加蓮「え~、気になるー。じゃあじゃあ最後にひとつだ! ガッチリしてる?」

奈緒「ガッチリ?」

加蓮「筋肉あるかってこと」

奈緒「筋肉…………どうなんだろうな。抱きついた感じそう感じなかったけど……でも待て…………あーあったかな」

加蓮「抱きついたっていつ? それにしても奈緒がねぇ。どんな流れでそうしたの? お互い抱き合ってたらいい雰囲気になったからしちゃったとか?」

奈緒「抱き合っててとかあたしがそういうことする風に見えるか!? 抱き合ったんじゃなくて、その……イキそうになったときにしがみついちゃったんだよ。指いれにくいって怒られちまった……」

加蓮「……奈緒ってたまに大胆だよね」

奈緒「ハァ!? あたしのどこが!?」

加蓮「どこがって……ねぇ?」

奈緒「そっちの方向には誰もいないぞ。とにかくこの話題はおしまい!」

加蓮「はいはい」

奈緒「変っていえばさ」

加蓮「話の続き?」

奈緒「……怒るぞ?」

加蓮「アハハ、ごめん。それで変って?」

奈緒「あぁ、そうそう。変な感じだよな。知り合いなのにここでは知らない振りや知り合い程度の態度取れって。そりゃあたしもなんとなく納得はしてるけどよ」

加蓮「わかる。感覚的に変だよね」

奈緒「公私混同しないとかプライベートと仕事を分けるってやつなのかねぇ」

加蓮「そうなんじゃないかな? まぁ変に気を使われるより遊びみたいで面白いかもね」

奈緒「趣味悪っ」

加蓮「でも偶然にもユニット組んだりしてるからいいんじゃない? 周りにはすぐ打ち解けたように見えて好印象」

奈緒「蘭子梅みたいに?」

加蓮「結局それで決まったの?」

奈緒「非公式に。公式では違う名前」

加蓮「アララギコウメか。蘭の字にそんな読み方があるなんて初めて知った」

奈緒「あ、着信だ。ちょっと出てくる」

加蓮「うん、いってらっしゃい♪」

奈緒「だからそれやめろって」

加蓮「ふふ」

奈緒「あ、もしもし……」

加蓮「……いいなぁ」

奏「なにが?」

加蓮「あ、奏さん」

奏「なんかくすぐったい呼ばれ方」

加蓮「しかたないよ。一応ここじゃこうしなきゃいけないんだし。それよりここにいていいの?」

奏「忙しいと言ってもそれは紙の上だけかもしれないわよ?」

加蓮「そうなの? そうは見えないけど」

奏「実は気分が悪いからっていってちょっとサボり」

加蓮「あ、いけないんだ」

奏「プロデューサーに言う?」

加蓮「ううん。私が言えた義理じゃないし。たまにサボりたくなる気持ちわかる。努力とかやる気とか根性とか求められると特に」

奏「やる気なく見られるけどそんなことないのにね。まぁ本当に気が乗らないときあるけども」

加蓮「わかるわかる。その点、えっと……前川さんスゴいよね」

奏「みくもその呼び方なの?」

加蓮「一応先輩だし。でさ、スゴいよね。頭の先から爪先までプロ意識の塊だもん。ちょっと憧れるよね」

奏「えぇ」

奈緒「お待たせ……あれ?」

奏「こんにちは」

奈緒「おはようございます」

奏「あなたも?」

奈緒「も?」

加蓮「私々」

奈緒「どういうことだよ」

奏「喋り方」

奈緒「あぁそういうことか。ここじゃあんまり面識ないって事にした方がいいって言われてさ。売れっ子アイドルと駆け出しアイドルが仲良かったらちょっとおかしいからな。しかも仕事であってるわけでもないし」

奏「たしかにここってあまりそういうのないわね。大体が同列くらいの人たちと仕事で会う気がする」

加蓮「そう考えるとあのプロジェクトってスゴいのかもね。聞いた話じゃ最初から売れっ子とあったとか」

奏「プロジェクト自体がその売れっ子と同列にあったんじゃない?」

加蓮「それかも」

奈緒「…………」

奏「どうしたの?」

奈緒「あ、いや、なんでもない」

奏「本当に? 私こう見えても意外と鋭い方なの」

奈緒「ここでする話題じゃないからさ……」

奏「そういうこと」

加蓮「なんのこと?」

奈緒「加蓮も気にならない?」

加蓮「だからなんのこと?」

奏「あなたの世話をしてる人」

加蓮「奈緒?」

奈緒「あたしじゃねぇよ。あぁもうめんどくさいな……Pさんのことだよ」

加蓮「あ、だから今周り確認したんだ」

奈緒「……ったく」

加蓮「それで何が気になるの?」

奈緒「素行っつうか素性ってかそこら辺。あそこの誰に聞いてもよく知らないとしか返ってこないんだよ」

奏「まさに謎の人、ね」

加蓮「あのなんだっけ……そうそうまゆちゃん。あの子には聞いた?」

奈緒「そこはちゃん付けなんか……」

加蓮「流れ? それはいいとして聞いたの?」

奈緒「いや、聞く聞かないっていうか……聞けない」

加蓮「どうして?」

奏「怖い。そうでしょ?」

奈緒「べ、別にそういうことじゃねえよ! けどよ、なんか近寄りがたいっていうか……話せることは話せるけどそういう話は聞きづらいっつうか……」

奏「要は意気地無し」

奈緒「わ、悪かったな! それならそっちが聞いてみろって!」

輝子「──フ、フヒ」

乃々「…………」

P「…………」

輝子「フヒ?」

P「ン……大丈夫だ」

輝子「よ、よかった……」

P「さすがにキノコ料理はおいしい」

輝子「キノコは……親友」

乃々「……なんで森久保も……」

輝子「お、おいしいか?」

乃々「まぁおいしいですけど……」

P「手伝ってもらって悪いな」

輝子「気、気にするな。親友の頼みだ……それに私は日陰の方がよく育つ……」

P「少し嫉妬してるね」

輝子「ちょ、ちょっとだけ……」

P「一部では武梅なんて言われてる」

輝子「は、早くないか……?」

P「待つは刺々してて痛みを伴う。我慢することだ」

輝子「待つのは得意……キノコは一晩にしてならず、フフ」

乃々「完璧な人がいるとか羨ましいんですけど……」

P「デビューさせられてますます人前に出ることになるよ?」

乃々「やっぱいなくなってほしい……」

P「それに彼にも欠点がある」

輝子「欠点……?」

P「彼は車輪に例えられる。そしてそれは的を射ている」

輝子「へい、口を開けるんだ乃々ぉ」

乃々「むぐむぐ……一人で食べれますけど……」

輝子「それで的を得ているって?」

P「射ているだ。車輪というのは輻が轂に集まって成り立つ。中央に集中するわけだ。そしてそれはちょっとやそっとじゃ外れない」

輝子「フムフム……で?」

P「それでだ、彼の性格は誠実を絵に描いたようなもの。その人に誠実である。しかし、その人に誠実であるが故にその人以外の事は目に入らなくなる」

乃々「よくわかんないんですけど」

P「例えば、自分の担当プロデューサーが自分の前で謝っていたらどう思う」

輝子「やっちまったぜチクショオォォォォォ!」

乃々「もう帰りたいんですけど……想像しただけで胃に穴あくんですけど……!」

P「それをやってしまうんだ。それが欠点」

輝子「誠実も考えものだな……」

P「さて、少し手伝ってほしいことがある」

輝子「親友の頼みなら……なんでもいいぞ」

乃々「やりたいこともやりたくないんですけど……」

輝子「そんなこと言うな乃々ぉ。一度やれば、フ、フフ……クセになる」

乃々「…………」

P「そういう言い方するから引く。大丈夫だよ。危ないことはさせない」

乃々「マンガでもそう言うんですけど……」

P「どうにかして」

輝子「い、いいか。白馬の王子さ、プまに会えると思えばいいんだ」

乃々「今笑ったんですけど……バカにされたんですけど……」

輝子「す、すまない……どうしても白タイツが……プフ」

乃々「たしかに外せませんけど……」

輝子「と、とにかく私を信じてくれ。わ、私がおかしく見えるか?」

乃々「…………」

輝子「……おかしいって思われた……親友……私は悔しい……」

乃々「そんなこと思って…………うん」

P「怪我することや危ないことはさせない。乗り気じゃなかったらやらなくていい。話だけでも聞いて」

乃々「は、話だけなら……」

輝子「な、なにをすればいい? 私のステルス機能ならどこにいてもバレない、フッ、フフ」

乃々「スパイとか向いてないんですけど」

P「そんなことしなくていいよ。ただ確認のためにあるものを設置してきてほしい」

輝子「潜入任務……フフフ」

乃々「プロダクションにいくとかむーりぃー」

P「入館するときは付き添いがいる」

輝子「それで……どこに仕掛ければいい。物はなんだ?」

P「物は今まゆが用意してくれている」

輝子「なら安心だ……」

乃々「不安しかないんですけど……」

まゆ「愛する人を永久保存♪ まゆも信頼するピンホールカメラ。見るのはあの人ただ一人」

乃々「ヒッ……!」

P「選定が終わったか」

まゆ「苦労しましたぁ。Pさんの頼みですもの。量産品といえど良いものを選ばないと」

P「これを仕掛けてきてもらう」

まゆ「場所は地図に書いたからそこにお願い♪」

乃々「森久保たちよりあなたの方が適任なんですけど……」

まゆ「大事な用事があるからむーりぃ」

乃々「…………」

まゆ「そんな苦虫噛み潰した顔しなくても……ちょっと傷つきます……」

輝子「大事な用事って……なんだ?」

まゆ「邪魔されると困る用事」

P「まゆには妨害を頼んでいる」

輝子「妨害?」

P「邪魔されると録画に支障が出る。後でなにかに使えるかもしれないからな」

まゆ「でも机の下同盟だから参加してもいいですよ?」

輝子「何をするんだ?」

まゆ「プロデューサーの妨害。ううん、プロデューサーと楽しくおしゃべりするの♪」

乃々「ゆ、譲ります……あの威圧的な人むーりぃー」

P「社内一警察にお世話になってる人だからな」

まゆ「好きな人のことをもっと知りたいと思うのは当然のことですもの。一度聞いてるからスムーズにことが進むわ」

輝子「こっちは仕掛けたらす、すぐに退散していいのか?」

P「バックアップは頼んであるからその人と連携して行動してほしい。もちろんすぐに退散出来るならしてくれ」

輝子「がんばろう、フフ」

乃々「いつの間にか仲間入りなんですけど……」

まゆ「プロデューサーの方は安心していいわ」

P「よろしく頼む──」

CP「彼の好きな場所……ですか?」

まゆ「はい♪ 日頃お世話になっているのでお礼がしたくて」

CP「彼とは同期ですが、そんなに話したことはありませんので……どんなところが好きなのか、などはあまり知りません」

まゆ「1個もですか?」

CP「一つも……というわけではありませんが、その……」

まゆ「その?」

CP「仕事があるので……」

まゆ「そうですか……」

CP「あ、そんなに落ち込まないでください」

まゆ「いえ……私の努力不足ですので……お気遣いなく」

CP「…………」

まゆ「私のワガママですから……"アイドル"のたたまのワガママ……他の人に聞いてみます。あ……でも他に友人は……」

CP「佐久間さん!」

まゆ「はい?」

CP「すみませんでした。自分が、間違っていました」

まゆ「いえ、間違ってたのは私の方です。お仕事中なのに邪魔をして……」

CP「是非……是非自分にやらせてください。自分はこんな性格なのであまり人付き合いはしてきませんでした……でも彼はそんな自分に……」

まゆ『プロデューサーさん……』

CP『ですから笑ってください、佐久間さん』

まゆ『はい!』

P「誠実だねぇ」

CP『ではすぐに支度をします』

まゆ『はい……よろしくお願いします♪』

P「さて……」

奏「何を聞いてるの?」

P「こんにちは速水さん。玄関で一言あると良かったよ」

奏「言った」

P「言ってない」

奏「たまにはウソを通させてほしいんだけど……」

P「正直に白状するのをやめればいい」

奏「私もまだまだね。それで何を聞いてるの?」

P「まゆとクマの会話」

奏「クマ?」

P「落とし物を拾って追いかけても逃げられるからクマ。それと変換すればわかる」

奏「あぁ、彼ね」

P「仕事はいいのか?」

奏「それっぽい理由をつけてサボったわ。仕事っていってもプロダクションに貼る宣伝ポスターだから」

P「看板も自分のところでやるから安上がり」

奏「怒らないの?」

P「オレは困らない」

奏「すんなり通ってなんだか怖いくらい。上が同性っていいね」

P「そうだな」

奏「実は今も心臓がドキドキしてたりする。触ってみる?」

P「ながらでいいなら」

奏「片手間はイヤ」

P「さて、そろそろ侵入する頃だ」

奏「私も聞いていい?」

P「片手でやりながら聞くから片耳で聞いてくれ」

奏「うん、わかった」

菜々「おはようございます!」

店長「おはよう。その荷物は?」

菜々「あ、これですか? そこで宅配の人が困っていたので。なんでも、仕出し弁当だとか」

店長「あぁ、だからそんなにいろいろダンボールがあるのか」

菜々「菜々もここの一員ですし、代わりに受け取っておきました!」

店長「兼業アイドルは大変だねぇ」

菜々「アハハ~、こんなの菜々にかかればおちゃのこさいさいです!」

店長「また腰痛めないでよ」

菜々「ヤ、ヤダナァナナがそんなことするわけないじゃないです! 17歳ですよ? じゅ~なな歳っ。ピッチピチのJKがぎっくり腰なんてするわけないですって!」

店長「とにかく気を付けてよ」

菜々「はーい。運んできますね」

菜々「……よっこいせっと。ふぅ~帰りますか」

箱「…………」

箱「……………………」

輝子「今だ……」

乃々「何で私まで……」

輝子「そう言っても体が求めてるんだろ?」

乃々「なんかノリノリなんですけど……ヒマだからいいですけど」

輝子「それじゃあ行こう」

乃々「入ったまま移動する意味わからないんですけど……」

輝子「風景との一体化……だとか」

乃々「わけわからないんですけど」

輝子「ドアは……開いてる」

乃々「仕掛けるとこ忘れたんですけど……」

輝子「メモをみよう……まずはテレビの横」

乃々「作業の時くらいダンボールからでたほうが……」

輝子「……だな。次はここから左に見えるダンボールの中……」

乃々「たくさんなんですけど……」

輝子「棚の前の上のダンボール……こ、これだな」

乃々「こんなところに仕掛けてバレ……うわぁ」

輝子「カメラでいっぱい……フヒ」

乃々「引くんですけど……」

輝子「ま、まぁここは倉庫だったらしいし……うん」

乃々「早く済ませたい……」

輝子「それにはど、同意だ」

乃々「つ、次は?」

輝子「次は……打ちっぱなしの壁」

乃々「どこの?」

輝子「えっと……仕切りの近くのくぼみ」

乃々「そんなのどこに……あった」

輝子「よっこらせ……」

乃々「なんか年寄り臭いんですけど」

輝子「そ、そうかな……? あとはドアノブに仕掛ければお、終わりだ」

乃々「帰りたい……」

輝子「ン?」

乃々「早くしてほしいんですけど……」

輝子「だ、誰か来る!」

乃々「え?」

輝子「か、隠れよう……!」

乃々「どっ、どどどどどどこに!」

輝子「ダンボール……!」

乃々「テレビのとこなんですけど……!」

輝子「と、飛び込もう……!」

乃々「ひぃぃ……!」

ーー「あれ、こんなところにダンボールあったっけ?」

輝子『……ッ』

ーー「しかも二個も。中身は……なんも書いてない」

乃々『ム……リィ―』

ーー「とりあえず中身確認しよ」

輝子『ッ!!!?』

乃々『終わったんですけどっ……!』

??『なにしてるの?』

乃々「ッ…………?」

ーー『え?』

??『そのダンボールいじらない方がいいよ。なんか他部署の新しい衣装らしいよ』

ーー『本当?』

??『本当。いじったら怒られる。ところでここになんか用?』

ーー『人探し』

??『あー、たぶん探してる人なら別棟にいるよ』

ーー『ありがとう』

??『バイバーイ』

輝子「の、乃々の気配がしない……乃々……! 乃々ッ、返事をするんだ、乃々ぉー!」

??『誰もいなくなったから出てきていいよ』

輝子「?」

??『助っ人だよ、助っ人』

輝子「……合言葉は?」

??『まずそっちが言うんじゃなかったっけ』

輝子「……千里の道も一歩から」

??『笑顔は遠き道のりへのサイン』

輝子「…………」

杏「やっと出てきた」

輝子「こ、ここでなにを?」

杏「だから助っ人だって」

輝子「乃々、出てきていいぞ……」

乃々『るーすぅ』

杏「いるじゃん」

乃々『るーすぅ』

杏「そういえば杏のこと知らないか。杏は食べないぞー! だから出てくるんだ~」

乃々『むーりぃ』

杏「しょーがないなぁもう」

輝子「それはマンガ……」

杏「どこいっても売り切れらしいね。偶然本屋で見かけて買ったんだ。少女マンガで売り切れっての珍しいからどんなのかなーって」

輝子「私も読む」

杏「好きなの?」

乃々「…………」

杏「手間かけさせないでほしいよまったく──」

P「設置が完了したようだ。おっ、映像も届いてるな」

奏「これ電源はどうなってるの?」

P「充電池対応で二日程度なら余裕で録っていられる」

奏「ふ~ん」

P「ここから先は見ない方がいい」

奏「どうして?」

P「君はまだ子供だから首を突っ込んじゃ駄目」

奏「子どもかどうか試してみる?」

P「何で試せと」

奏「なんでもいいけれどそうね……キスなんてどうかな?」

P「そうか」

奏「ただのキスじゃダメかも」

P「…………」

奏「キスで夢中にしてくれれば集中が途切れる……かもね」

P「…………」

奏「ンっ……いった。下唇噛んで吸うなんてね。存外に乱暴なのね」

P「後悔したくなければからかわない」

奏「どうかしら」

奈緒「お、おい加蓮……!」

加蓮「な、なに」

奈緒「どうしてこうなったんだよ……!」

加蓮「こっちが聞きたい。ただなんとなく奏についてきただけだもん」

奈緒「元はといえばあそこで挑発するからだろ……!」

加蓮「キスの感想いっただけ!」

奈緒「あのなぁ、うっ、うわっ……!」

加蓮「す、すご……あんなことされたことない」

奈緒「なんだよっ、そのな、生々しいの!」

加蓮「本当だって! ゆっくりなんて知らない」

奈緒「うっ、うわー、うっうわー」

加蓮「ほんといいなぁ……」

奈緒「唇痛くないんかな」

加蓮「唾液飲んでるみたい」

奈緒「ちょ、そんなこと言うなって……!」

加蓮「もう少し……」

奈緒「バレるって」

加蓮「たまには冒険も……やっぱやめとこう」

奈緒「? あぁ……?」

奏「…………」

P「どうした」

奏「別に……少し寂しくなっただけ」

P「昔でも思い出したのかな」

奏「あなたは私の過去、どこまで知ってるの?」

P「どこまでだろうね」

奏「ねぇ、一緒に堕ちない?」

P「それは成長したいのか、退行したいのかで意味が変わってくる」

奏「……嫌みな人。とりあえず今は……穢れにまみれたい」

P「たくさん飲んだのにまだ足りないか」

奏「エッチ」

P「やることやってからだ」

奏「人のデート聞きながらするのもクセになっちゃうかも」

P「順調で安心だ」

奏「聞いてるだけでわかるの? ずいぶん信頼してるね」

P「そろそろまた連絡が入る頃だ」

奏「それにしてもこのマイクスゴい。他人の質問まで拾うなんて。まるでスパイ気分」

P「誰でも簡単にカメラをハックできる時代といわれてるだけあるよ」

奏「カメラ?」

P「パソコンに付いてるやつ」

奏「使ったことない」

P「大半はそうだろうね」

奏「それにしても定番の質問に対して即座に『私とこの人は違います』って言うなんてね。少し笑っちゃった」

P「さらっと言えるのが強みだからね。そこが女の子の酷なところでもある」

奏「…………」

P「君の場合は少し違うけどね」

奏「…………」

P「無言でお腹をつねらない」

奏「担当プロデューサーは安泰ね」

P「今いるプロデューサーも安心しただろうね」

奏「そういうの苦手そうだもの。顔赤くしながら『えっ、あっ……自分は……!』って言いそう」

P「言うよ」

奏「ちょっとだけカワイイかも。でも男性には堂々としててもらいかな」

P「色恋以外では堂々としてるよ。彼なんてどうかな?」

奏「ごめん、それムリ」

P「いいと思うけどね」

奏「だってそれだとからかい甲斐あるだろうけど優位にたてない」

P「まぁ、それ以外は優位にたてないね」

奏「だからムリ」

P「そうか」

奏「私は少しだけ心の内を見せた。次はあなたの番」

P「そうだな。それじゃあ……ドアの前の二人に声をかけてくれるかな?」

奏「……いつから気付いてたの?」

P「この部屋に来てからの態度で」

奏「女優はムリかもね」

P「そうなるために勉強すればいい」

奏「私を開発する?」

P「建設予想図と変えるのは駄目だ」

奏「自分で自分を開発しろ、か」

P「手伝うことはいいけど施主と施工主は君じゃなきゃ」

奏「同じ意味じゃないの?」

P「違う。まぁ、この場合はインサイダーや利益相反が疑われる。それに今晩も堂々と出せない」

奏「よくわからない」

P「子供だね」

奏「…………」

P「無言で人のお腹をつねってる限りは抜け出せないよ」

奏「……二人とも出てきて──」

みりあ「ねーねーなんでお腹痛いのー? ねーなんでー?」

みく「…………」

みりあ「お薬飲まないの? プロデューサーに頼んであげようかー?」

みく「…………」

みりあ「ねーねー」

杏「お帰り……なんかグロッキーだね」

みく「ただいま……」

みりあ「さっきからこの調子なの。お薬も飲まないみたいだし杏ちゃんからもなにかいってあげてよー」

杏「杏はノーターッチ。わ触らぬ神に祟りなしさ」

みりあ「触らぬ? よくわかんない」

杏「プロデューサーに聞くといいよ」

みりあ「うん! そうするー!」

杏「それじゃおやすみ~」

みりあ「えー杏ちゃん寝ちゃうのー? もっとお話ししよーよー」

杏「うるさいなぁ。杏は眠いの。話したいなら他の人に頼むよ。おやすみ~」

みりあ「もうっ!」

みく「みくも寝るから話しかけないでね……」

みりあ「え~つまんなーい」

みく「おやすみ……」

みりあ「どっかいこー」

菜々「──ありがとうございましたー!」

みりあ「こんにちはー!」

菜々「あれ、みりあちゃん? こんな時間にどうしたんですか? 他の人ならここには来てません」

みりあ「そっかー。でもいいの! 菜々ちゃんがいるもん!」

菜々「みりあちゃん……!」

店長「おーい! 注文よろしくー!」

菜々「あ、はーい! ごめんね、行かなきゃ」

みりあ「えぇーつまんなーい! あ、そうだ! みりあもお手伝いするー!」

菜々「え、それはちょっと……」

みりあ「するったらするのー!」

店長「おーい!!」

菜々「と、とにかくこの注文だけ取ったらすぐ戻るから!」

みりあ「うん!」

菜々「ま、まぶしい……」

菜々「お待たせしましたー! ご注文をどうわぁ!」

歌鈴「あ、お邪魔しましゅ……」

小梅「おじゃま……します……」

菜々「し、失礼しました。ご注文をどうぞ」

歌鈴「あ、このフレッシュサンドと抹茶オレを……ッ!」

菜々「どうかしました?」

歌鈴「い、いえ!」

菜々「? あ、ご注文をどうぞ」

小梅「えっと……ミックスサンド……ひ、ひとつ」

菜々「ミックスサンドをお一つですね! お飲み物は?」

小梅「え、あ、いらない」

菜々「フレッシュサンドと抹茶オレ、ミックスサンドですね! 少々お待ちください」

歌鈴「お、お願いします……言えた」

小梅「おめ……でとう?」

歌鈴「あ、ありがひょ……」

小梅「なんで……緊張して……るの?」

歌鈴「あまりこういうことにはな、慣れなくて……」

小梅「こういう……こと?」

歌鈴「他人のふり、というかなんというか……」

小梅「普通にしてれば……ダイジョブ」

歌鈴「小梅さん……」

小梅「私……学校でも、や、やってるし……」

歌鈴「小梅さん……」

小梅「フフフ……あ、私のこと……小梅でいいよ」

歌鈴「そ、それはまだ早いのでちゃん付けで……」

小梅「うん……」

菜々「注文入りまーす! フレッシュサンドと抹茶オレ、それとミックスサンドです」

店長「はいよ」

菜々「抹茶オレ作り始めますね」

店長「はい」

菜々「フフフナンバワーン」

みりあ「スゴーイ!!」

菜々「ぬあー!?」

みりあ「みりあもやりたーい!」

菜々「ちゅ、厨房に入ってきちゃダメですよぉ!」

店長「お、どうした? 子ども?」

菜々「あっ、店長……!」

みりあ「ねえねえねえねえ、みりあにもやらせてー!」

菜々「ラテ作りたいらしくて……」

みりあ「ねーえー」

店長「お客さんに出すのだから普通にダメ。責任持てない」

みりあ「えー」

菜々「ね、だから向こうで座っててくれたら後でいくから」

みりあ「つまーんなーい。あっ! サンドイッチならみりあ作れるよ!」

店長「ダメ」

みりあ「えーケチー」

菜々「みりあちゃん、あの……あ! そういえばトレーニングルームでなにかするって言ってたような気がするなー!」

みりあ「えっ! なになに!? おもしろいこと!?」

菜々「いけばわかるよ」

みりあ「うん! それじゃいくー!」

まゆ「──ただいま戻りましたぁ~」

P「お帰り。今日はどうだった?」

まゆ「収穫ありましたよ。朴念人な彼もたまには役に立ちますね。いろいろ情報手に入れられました♪」

P「それはよかった」

みく「……ただいま~」

まゆ「お帰りなさい。どうかしたんですか?」

みく「ちょっと……」

P「薬なら薬棚の上段左にあるよ」

みく「……もうこの際気にしない」

まゆ「上段の左ってたしか……」

P「君ならわかるでしょ?」

まゆ「はい」

P「ただでさえきついのにそこに赤城みりあだからね」

まゆ「それも朝は低血圧なみくちゃんですから堪えます」

P「元気も考えものだね」

まゆ「ところで映像はどうでした?」

P「バッチリだ。明日も頼む」

まゆ「はぁい」

P「あとで前川さんの様子を見てきて」

まゆ「はい」

P「頼んで悪いね」

まゆ「こういうことは心配しても男の人がやれない事ですから」

P「前川さんも気分悪くなるだろうしね」

まゆ「ところで何も映ってないんですがいいんですか?」

P「ストレスを溜めさせる事が重要」

まゆ「予想ではいつくらい?」

P「溜まり具合にもよるけどおそらく明日か明後日には録れる。明日、明後日の予定はわかってるか?」

まゆ「明日はプロダクションで写真撮影、明後日はとときらの収録です」

P「あの番組か。よし、予定通りそれを使おう」

まゆ「では明日は予定通り私が"頼れるお姉さん"してきます♪」

P「頼んだ」

まゆ「はぁい。あ、ところでさっき小梅ちゃんが呼んでました。あの感じだとおそらくお風呂です」

P「わかった」

まゆ「お気を付けてぇ」

P「…………」

菜々「…………」

P「こんな事だろうと思った」

菜々「…………」

P「とりあえずお互い落ち着きましょう」

菜々「っ! っ!!」

P「あなたはどうやってここに?」

菜々「仁奈ちゃんが一緒にお風呂に入りたがったので……それで違う部屋を指定されたんです。なんかおかしいなーおかしいなーって思いながらここに至ります、はい」

P「オレは白坂さんに呼ばれてここに」

菜々「ン?」

P「お互いはめられましたね」

菜々「そ、そうですね」

P「二人は扉の外に陣取ってます。オレたちが仲良くするまで退かないですね」

菜々「あぇ……えと……」

P「とりあえずお互い落ち着きましょう」

菜々「ハ、ハイ」

P「とりあえず髪の毛を洗いましょう。そこに座ってください」

菜々「えっ、あ、ひぁい」

P「あなたのシャンプーは……これにしておきます。あとで専用に買いますので」

仁奈「2人はなかよくしてるですかね?」

小梅「見えないけど……たぶん……」

仁奈「もうちょっと近づくでごぜーます」

小梅「ダメ……それ以上は…………バレる」

仁奈「いま何してやがりますかね?」

小梅「頭洗って……る…………のかな?」

仁奈「見えねーですよ」

小梅「あ、これは確実……」

仁奈「あ、話し声聞こえたですよ」

菜々『アハハ』

小梅「笑い声……」

仁奈「笑うってことは楽しいってことでごぜーます」

小梅「つまり……?」

仁奈「なかよし作戦大成功でごぜーます!」

小梅「やった……ね」

仁奈「仁奈たちはここでひくですよ」

小梅「よくばったら……ダメ……ホラーの…………鉄則……」

仁奈「仁奈たちは何しやがるです?」

小梅「死体の……気持ちに……なる?」

仁奈「そんなのよりペンギンの気持ちになりてーです」

小梅「ペンギンの……死体……?」

仁奈「動かねーでごぜーます」

小梅「あ、カバ……は?」

仁奈「それならいいでごぜーます」

小梅「それじゃ……決まり……だね」

仁奈「部屋にいくでごぜーます!」

P「……行きましたね」

菜々「ハ、ハイ」

P「とりあえずこのまま入りましょう。今出ても問いただされるだけです」

菜々「……ですね」

P「…………」

菜々「なにかおかしいですか?」

P「バスタオル外さないんですか」

菜々「あ、あー菜々は外さない派なんです!」

P「…………」

菜々「ジェ、JKですし、JKですから!」

P「目立たないですよ」

菜々「え?」

P「手術跡のことです」

菜々「え、なんで知っ……」

P「昔の手術といえどそんなに跡は残ってないと思いますよ。それに成長に合わせて……」

菜々「な、なんで知ってるんですか!?」

P「話しますから離してください。痛いですよ」

菜々「あ、すみません……でっ、でも!」

P「仕事でお腹を出せとは言いません。ですがせめて家でくらいは出した方がいいですよ。何時如何なるときも頑なでは精神がもたないですよ」

菜々「でも……」

P「…………それにしてもJKには見えないですね」

菜々「なっ! なにをいってるんですか! 菜々は女子高生! JKですよ! ほら、見てくださいこの磨かれた肌!」

P「肌だけじゃわかりませんよ」

菜々「な、ならこの腰!」

P「見えない」

菜々「ならこれでぐうの音も出させないですよ!」

P「…………」

菜々「どうですかこのクビレ!」

P「ほら、ほとんどないですよ」

菜々「えっ?」

P「手術跡」

菜々「あ……」

P「それにその傷跡から盲腸の手術なんてわからないですよ」

菜々「あ、ぁや、やぁ……」

P「閉じようとしない」

菜々「やだっ、やだっ……! は、離して……違うんです、な、菜々はJKで……も、盲腸の手術なんて……してなっ」

P「……ごめんなさい」

菜々「うえ、うっ、う~っ……」

みく「ハァ……」

杏「ヨッ、おっとっと……よしっ!」

みく「ハァ~」

杏「あ~ゲームしてるだけでお金もらえないかなぁ」

みく「ハアァ~」

杏「さっきからため息ついて杏にかまってもらいたいの?」

みく「Pチャンもしつこいにゃ」

杏「Pチャン? Pさんがどうかしたの?」

みく「そっちじゃなくてお仕事の方の」

杏「あ~プロデューサーね。どうしたの?」

みく「前川さん大丈夫ですか大丈夫ですかしつこいの」

杏「あのプロデューサーなら心配するよ」

みく「でも月のモノだよ?」

杏「それ向こう知らないじゃん」

みく「でもあの年齢なら少しは察してもいいでしょ」

杏「ん~むぁ~ね」

みく「……みくにもアメちょうだい」

杏「ふぁいよ~」

みく「あむっ……」

杏「あざとい」

みく「うるさい……」

杏「ホントどうしたのさ。杏の部屋に来るのだってかなりレアケースなのに、来るなり等間隔でため息だしさ」

みく「……みくにも言えない他人の秘密くらいあるにゃ」

杏「他人の秘密? なにさそれ。とっても危ない響きなんだけど」

みく「…………」

杏「なんのことだか知んないけどあんま抱え込むのはやめときなよ」

みく「杏チャン……」

杏「な、なにさ……」

みく「もう一個ちょうだい」

杏「ハイハイ」

みく「Pチャンっていえばさ」

杏「プロデューサー?」

みく「うん。たまに距離感おかしいときあるよね」

杏「今日は悪口三昧だね」

みく「この前だってみくが真剣に話してるのに流して聞くんだよ?」

杏「わかるわかる。杏も休みを要求してるのに『双葉さん、仕事をしてください』だよ? もーやんなっちゃうよね」

みく「みくもそういうのあった。ステージ企画たてたのに頭から否定だもん。ヤになっちゃう」

杏「口調変わってない?」

みく「なに?」

杏「ううん、なんでもないよ。気のせい気のせい」

みく「具体的にどこがどうダメなのかくらいはいってほしくない?」

杏「あ~わかる。すっごいわかる。そういう否定の仕方ならこっちも納得できるよね」

みく「口下手だとは思ってたけどちょっとがっかり」

杏「口下手ってより言葉足らず?」

みく「そっちの線もあるかも」

杏「かと思えば一言余計だったりね。女の子にその一言はどうなのってさ」

みく「それで今日はしつこい」

杏「でも杏たちをプロデュースしてくれてるんだしいいじゃん」

みく「そこはみくも割り切ってる。でも一人の人間として見たときたまに嫌になるにゃ」

杏「まぁねぇ。なんだかあれみたいだね。あのゲーム。強気に出たら寛容が下がったり、勇敢上げたら誠実下がったり」

みく「ゲームしないからわかんない」

杏「そういうのがあるの」

みく「ふ~ん……ところで杏チャンはどんなステージ考えてるの?」

杏「コタツでライブ。ぶっちゃけまだ本調子じゃないときのが多い」

みく「重いものに潰されたんだっけ? てか、コタツでライブってやったことあるよね?」

杏「あの時の担当プロデューサーの顔、見せたかったよ。絶対笑いが止まらないよ」

みく「ちょっとやってみたい」

杏「MC大変だったけどね。その頃に比べれば今のプロジェクトはプロデューサー含めかなり良いよ」

みく「あ」

杏「今度はなに?」

みく「前川さんっていえば」

杏「またプロデューサー?」

みく「ううん。Pチャン……Pさんのこと」

杏「あ、そっち。それでPさんがどうしたの?」

みく「みくのこと名前で呼ばないんだよね」

杏「呼んでほしいの?」

みく「そうじゃないけど気になるの」

杏「どうでもいいじゃん」

みく「よくないにゃ!」

杏「人のことほじくるのはやめた方がいいよ」

みく「みくは好奇心の塊なの!」

杏「それじゃ杏は怠惰の塊」

みく「一定の年齢以上は名字呼びなのかな?」

杏「あー、東郷さんとか?」

みく「うん。あ、でもそれだと当てはまらない人が……」

杏「境界線はいくつなんだろうね」

みく「16歳とか? 16歳以下は名前呼びとか」

杏「私は17歳だぞ?」

みく「そっか。じゃあ違うかも」

杏「まぁ気にしない方がいいよ」

みく「クラリスさんは名前呼びだよね?」

杏「その前にあの人って名字あるの?」

みく「あ……そ、そういえばまゆちゃんは名前呼びだよね」

杏「ごまかしたな……たしかに名前呼びだね」

みく「じゃあ18歳以上がそうなのかな」

杏「そうなんじゃない?」

みく「杏チャンさっきからみくの話真剣に聞いてない」

杏「だってどうでもいいじゃん。私はプロデュースしてる人のことにも興味がないんだぞ?」

みく「あ、いいこと思い付いた!」

杏「敬語禁止とか言わないよね?」

みく「…………」

杏「猫顔したって杏は騙されないぞ」

杏「──え?」

P「まだ映像は上がってないけど動いてくれるか?」

杏「やだよめんどくさい。それにいきなりそんなこと言われても、へーそうなんだって言えないよ」

P「それはそうだな」

杏「杏は仲間思いなんだ。見くびらないでほしい!」

P「諸星きらり」

杏「ドアの縁で頭打って死ねばいい」

P「…………」

杏「わかったよ、わかった。頼んでみるよ」

P「彼なら聞き入れてくれると思う」

杏「でもなんか気が引けるなぁ。せいじつなおとこのひとをはめるみたいでー」

P「オレもそう思うよ」

杏「あんずこころがいたいわー」

P「報酬は自由に決めて」

杏「休み1週間」

P「わかった。協力する」

杏「え、マジ? また仮病使うのやだよ」

P「それは使わない。ただこれには君の協力も必要だ」

杏「するする協力するよ~。私は休みのためなら全力を出すよ」

P「頼んだよ」

杏「杏にまかせてよ!」

CP「企画……ですか?」

杏「企画ってほどじゃないけどさ。ほら、杏たちってストレスとか溜まってるじゃん? だからみんなはどうやってストレス発散してるのかな~って思って。それにただ聞くだけじゃつまんないし、どうせなら番組巻き込もうと思って」

CP「ですが、それは番組の私物化……というものではないでしょうか?」

杏「痛いとこついてくるね。じゃ、いいよ……」

CP「双葉さん……」

杏「きらり……」

CP「ッ!?」

杏「あっ! な、なんでもないよプロデューサー。ほら、目薬っ、目薬さしただけ、だからさ」

CP「…………」

杏「それに……実はこの前みんなとストレス発散どうしてるって話になってね。具体的に誰とは言えないけど意外と溜め込んでるなーって感じたんだ」

CP「そう、なのですか?」

杏「だからさ、その、意外な悩みとか見つかったりして何て思ってみたりして……アハハ、ごめんなんか杏らしくないね」

CP「双葉さん」

杏「ン、なに?」

CP「私に、任せてください」

杏「プロデューサー……」

CP「少しだけ……少しだけ双葉さんのものとは違うものになるかと思います。それでも……よろしいでしょうか?」

杏「うん。それは任せるよ。杏、考えるの苦手だし」

CP「それでは……お任せください」

杏「うん。さってと私は一眠りするかな。頭働かせたら疲れちゃった」

CP「仕事、してください」

杏「それは他の人に任せるよ」

CP「仕事、してください」

杏「……ハイハイ」

みりあ「おはよぉー!」

CP「おはようございます、赤城さん」

みりあ「ねえねえ聞いて聞いて、あのね昨日そこでスッゴいことがあったの!」

CP「すごいこと、ですか……?」

みりあ「クレープ買ったら2つももらえたの!」

CP「?」

杏「ハァ──」

菜々「杏ちゃん……恐ろしい娘ッ!」

まゆ「おはようございます」

菜々「うわーはぁぁ!」

まゆ「どうしたんですか?」

菜々「ま、まま、まゆちゃん!?」

まゆ「まゆですよぉ」

菜々「な、なんでここに!?」

まゆ「ここに来たらおかしいですか?」

菜々「だってプロジェクトも別だし……その」

まゆ「ここでは知り合い程度の仲ですが何か聞かれたら、カフェでよく見かけるってことにしておきましょう」

菜々「あ、その手が……いやいやいやそうじゃなくてここになんの用事なんです!?」

まゆ「プロデューサーにお礼をと思って。この前世話になりましたから。そんなわけでお邪魔しまーす♪」

みりあ「それでねそれでね!」

CP「はぁ……?」

菜々「なっ……」

CP「佐久間さん……?」

まゆ「おはようございます♪」

CP「どうか……したのですか?」

まゆ「この前のお礼に」

CP「お礼なんて……自分は当然のことをしたまでです」

まゆ「これはほんの気持ちです」

CP「それではもらっておきます」

みりあ「あれ? あっ、菜々ちゃんだー!」

菜々「なっ!」

CP「安部さん……?」

みりあ「どうしたの!? なんでここに来たの?」

菜々「菜々は……コーヒーを届けに! 目覚めの朝にゴクッといっぱいウサミンコーヒー☆」

CP「どうもありがとうございます」

菜々「あ、いえ。今日は買いに来ないなーなんて思ったから来ちゃいました」

まゆ「そういうこと……うふ」

みりあ「あれー? 目赤いよ? どうしたの?」

菜々「ヴぇっ!?」

CP「具合でも……悪いのですか?」

菜々「あ、いえその……そう、菜々はただの寝不足なんです! JKですから!」

CP「は、はぁ……?」

杏「……そういえば最近流行ってる本あるよね」

菜々「えっ?」

まゆ「あぁ、あの恋愛のですよね。面白いですよねぇ。菜々さんはどこまで読みました? もうマグロ漁船に乗ったところですか?」

菜々「マ、マグロ漁船?」

杏「マグロ漁船じゃなくてフェリーじゃない? 漁船はその前のとこだよ。しかも主人公の父親の職業」

まゆ「そうでしたっけ? マグロ漁船って地元の特産物の話ですよ?」

杏「そうだっけ?」

まゆ「はい。もしかして菜々さんあまり読んでませんね?」

菜々「ア、アハハ……実は熟読派でして……」

まゆ「あ、わかります。風景を思い浮かべながら読むと更に世界に入っていけますよね」

菜々「そ、そうですよねぇー、アハ、アハハ」

まゆ「プロデューサーさんは恋愛もの読みます?」

CP「じ、自分はそういったことに……疎いので……」

まゆ「一度読んでみたらどうですか? 案外ハマるかも♪」

CP「いえ、自分は、その、失礼します……」

まゆ「うふ」

菜々「…………ふぅ」

杏「ふぅじゃないよ。なんで理由付けもなくここに来るのさ」

菜々「い、いえコーヒーを持ってきたのは本当ですよ! 疲れてるときにはコーヒーですし!」

杏「まったくもう……」

菜々「ま、まぁ自分用に持ってきただけですけど……アハハ」

まゆ「でもそのおかげでみりあちゃんはいなくなったし、プロデューサーもいなくなりました。ありがとうございます、菜々さん」

菜々「ど、どぉいたしまして、アハ、アハハ」

杏「余計な労力使っちゃったよ……」

菜々「ごめんなさい……」

杏「なんか甘いもの持ってきてくれたら許してあげるよ。あ、高いのね」

菜々「うぇっ!? ど、どこから?」

杏「上のカフェでいいよ」

菜々「そ、そんな~」

まゆ「甘いのはバームクーヘンがあるわ」

杏「あ、そっか。じゃあしょっぱいので。ホットドッグでいいや」

まゆ「杏ちゃん」

杏「なにさ?」

まゆ「お野菜も取らなきゃ」

菜々「そっち!?」

杏「それもそうだね。じゃ、レタスドッグで」

菜々「若干高くなってる……トホホ」

杏「それにしてもあれはひどい。マグロ漁船が出てくる恋愛ものってなにさ」

まゆ「それも恋愛ものに興味がなかったり、耐性がなかったりしたおかげよ? 知ってたらそんなのはないって即バレよ?」

杏「そうだけどさぁ……まっ、いいや。邪魔者もいなくなったし寝よっと」

まゆ「しばらくしたら仕事に戻ってくるわよ?」

杏「そしたらまた恋愛の話でもすればいいよ」

まゆ「だそうですよ?」

菜々「…………」

まゆ「どうかしたんですか?」

菜々「あっ、なんでもないですよ」

まゆ「ところで……目が赤いのはなんでですかぁ?」

菜々「それはその……寝不足で」

まゆ「その腫れは寝不足じゃありません。プロデューサーは騙せても私は誤魔化せません──」

みく「お疲れにゃ~!」

CP「お疲れ様です」

みく「今日のみくはどうだった!?」

CP「はい、よかった、と思います」

みく「そうでしょそうでしょ~。なんたってみくは凄腕アイドルだから!」

CP「そうですね」

みく「それじゃまたね~」

CP「はい」

みく「ただいま~……」

菜々「あ、お帰りなさい」

みく「ハァ~……」

杏「やめてよ。さっき廊下から聞こえた声はなんだったの」

みく「これでも必死に抑えてるの」

菜々「まあまあ。そういう月もありますって」

杏「そういう生々しい話やめてよ。杏はどこで休めばいいのさ」

みく「そういう杏ちゃんはどうなの?」

杏「だからそういう話はイヤだって」

みく「そうじゃなくてお仕事の話」

杏「あぁそっち? 仕事は順調だよ。不本意なことにね。やればやるほど、ほら出来るじゃないって視線を感じる。だからやりたくないのさ」

みく「それっていいわけじゃない? みくは逆に見られたり評価されたりした方がやる気出る」

杏「なら仕事代わって」

みく「杏ちゃんに来る仕事は杏ちゃんにしかできないから来てるんだよ?」

杏「体調悪いのにまともなこと言って……」

みく「なにをぉ~」

菜々「あーあーあーケンカはダメですよ。仲良く、仲良く。ね?」

杏「そういえば話したっけ?」

菜々「何をですか?」

杏「前に杏が他の人を起こすようにプロデューサーに言ったときの話」

菜々「菜々は聞いてないです」

みく「あー、あの話」

杏「それ」

菜々「?」

杏「揺すって起こせば?っていったらものすごい赤面してさ。何考えてたんだかね」

菜々「慣れないとしかたないですよ」

杏「でも子供過ぎない?」

菜々「う~んどうなんでしょう。菜々があ……る人から聞いた話では30歳超えても免疫ない人は珍しくないとか」

杏「アイドルのプロデューサーがそれなのはどうなのさ」

菜々「あ~」

みく「なんかPチャンの悪口カーニバルにゃ」

杏「いまさらぁ? というかそもそもの出発点は」

みく「あーあー聞こえなーいにゃー」

杏「あっ、そういえば……」

みく「また悪口?」

杏「違うよ。今回なんか物足りないなって思って」

みく「物足りない?」

杏「そ。なんだって思ったらさ……」

みりあ「お疲れー!」

みく「…………」

杏「菜々さーん、次の仕事ってなんだっけ?」

菜々「え? 菜々のですか? そうですねたしか……」

みく「みくは疲れたから寝るにゃ」

杏「仮眠室行くの? なら杏もいく」

みく「杏チャンは行き過ぎ」

杏「別にいいじゃん。減るもんじゃなし」

みく「時間は減る」

杏「屁理屈じゃん」

菜々「菜々もカフェの仕事に戻らなきゃ」

みりあ「みんないそがしそー」

P「──どうした?」

蘭子「フゥ~ム……」

P「だからさっきからどうしたの?」

蘭子「蝶の羽ばたき……」

P「それがどうしたの?」

蘭子「霊言の幽姫に出会うは運命か偶然か」

P「どうだろうね。不思議なことが起こったのかもしれないね。とんでも理論って意味もあるから」

蘭子「う~む」

小梅「ゲーム……する?」

蘭子「ぴゃいぃ!!」

P「後ろから声をかけない」

小梅「ごめん……なさい……?」

蘭子「わ、我を呼ぶ声!」

小梅「あ……行っちゃった……」

P「驚いたからね。それより聞きたいんだけど学校はどうした」

小梅「早退……してきた……」

P「またか。きちんといかなきゃダメだ」

小梅「だって……つまんない……」

P「それでも。次はここに立ち入り禁止する」

小梅「はー……い……」

P「授業をサボるにしても学校にはいなきゃ。それか教室で他の教科の勉強や図書館って手もある」

小梅「言ってること……めちゃくちゃ……」

P「とにかく早退はダメ」

小梅「急に、ま、マジメになった…………偽物?」

P「顔がイケメンなら偽物だけど残念ながら顔は変わってない」

小梅「ブサイクの……まんま……♪」

P「流石に傷付くね」

小梅「♪」
P「引っ付かないでくれると嬉しい」

小梅「さっきから何してるの?」

P「見せたことなかったか? アンチ板だ」

小梅「怖いとこ?」

P「ある意味恐怖。今は赤城みりあのところを見ている」

小梅「なんか……明るい…………雰囲気」

P「専門の場所じゃないからね。いや、ある意味では専門か」

小梅「オニ……オン? タマネギ?」

P「少し抜けてる。鬼女と呼ばれる人達のところさ」

小梅「あ、知ってる……リア充なのに……幸せな人……憎んでる、って……」

P「大半が専業主婦や主婦層が多い。そういう他人幸せが憎いって人もいるけど暇潰しの人も多数。一概にどちらが多いとも言えない」

小梅「ここに……書いてあるの……?」

P「普通のアンチ板には書いてない。それというのも男からは好かれているからな。だが同性からは……」

小梅「なんか……私も苦手……将来爆発……すれらいい……」

P「ああいうタイプは人から好かれるからね」

小梅「さっそく見よう……今すぐ読もう……ね?」

P「わかったから揺らすな」

小梅「わっ……出てきた……膝の中……いい?」

P「次からは椅子に座るか」

小梅「それなら……肘の上……」

P「それもな」

小梅「あ、出てきた……えっと…………>>835……>>836

>>835>>836
赤城みりあに対する悪口orアンチレスお願いします

連取は安価

禿

>>837>>838
連取またはあまりにも変なのは安価下

ロリコン狙いのあざとさが鼻につく

小梅「ハゲ……?」

P「そこは表示の仕方が昇順だから最新のが下になる」

小梅「あ、ほんと……だ」

P「ね?」

小梅「えっと、次は……ロリコン狙いのあざとさが鼻につく…………だって」

P「アイドルの活動はプロデューサーによって写真に納められている。それは誰も例外なく一切がだ」

小梅「よく撮ってるの……見る……この前も……撮ってた……」

P「余談だがとあるプロデューサーが不審者と間違えられて捕まってた」

小梅「それ誰だか……わかる……」

P「心に閉まっておこう。そんな写真なんだが図ってか図らずか、すごい場面が撮れる場合もある。そのレスはその写真のことを言ってるんだろうな」

小梅「なんの写真……?」

P「気になって調べてみた。写真にはファンの間で一つ一つ名前がついている。公称だったりファンの間での呼称だったり様々だ。これは『ないしょのステップ』の事だろう。あれは物議を醸し出した。野外での写真はまるで男を誘う娼婦の様だといわれ、屋内の写真では風俗嬢と言われてた」

小梅「どっちも……ホラーに……つ、つきもの」

P「それでさっきの禿に戻るがあれはネットスラングの一つだ。激しく同意、禿げ上がるほど同意の略だ」

小梅「なる……ほど……」

P「ネットスラングは色々あるからね。あれと同じだ」

小梅「禿……同?」

P「そうそれ」

小梅「リア充は……?」

P「爆発だっけ?」

小梅「うん……ああいう……ところも……なかなか楽しい……ツイッター炎上とか……フフ」

P「バカな発言して追い込まれるなんてオレには理解できない」

小梅「しかも、か、顔出し……」

P「隠そうとしない堂々としたところは評価する」

小梅「リア充から、したら……恐怖……?」

P「何も考えてないから迷惑かけられる程度にしか思ってないだろ」

小梅「フフ……」

P「話を戻す。赤城みりあのアンチはこのくらいだ。アンチスレがないこともないが、表立ってるところはファンが涌いて火消しをしてる」

小梅「みりあちゃん……リアル充実…………してそう……」

P「学校での友達も多い。あの性格から男子たちも気兼ねなく接することが出来るから人気は高い」

小梅「リア充……死ねばいい、のに……」

P「そんなこと口にしない」

小梅「プ~」

P「膨れない」

小梅「…………」

P「息をして」

小梅「プフー」

P「…………」

小梅「……?」

P「…………」

小梅「……もちもち……」

P「やめて……」

小梅「なに、か、考えてるの……?」

P「参加しないのは懸命な判断だなと思ってね」

小梅「何もしない、せ、選択肢?」

P「行動することが必ずしもいい結果を招くわけではないってことだな」

小梅「動かないのって……恐怖だから……ね」

P「忍耐力が問われるね。それに軽くとはいえ傷つける可能性がある。まして、同じプロジェクトのメンバーだからね」

小梅「……相棒が」

P「相棒が?」

小梅「相棒が、う、動けないときは…………もう1人が……相方の分も……う……動く……のが決まり……だもんね……」

P「そうだね」

小梅「あ、そういえば奏さん……またやりたいって……いっ……てた」

P「いいけど他には誰呼ぶ」

小梅「誰にしよう……加蓮ちゃん……?」

P「心臓止まる。それにエンディングは君と変わらないだろうね」

小梅「じゃあ……」

蘭子「…………」

小梅「蘭子ちゃん」

蘭子「ぴぇッ……!」

杏「──ストレス解消法? 私の場合は寝ることだ!」

杏「睡眠の重要性なんてあんまり注目されないが杏は知ってるぞ」

杏「えっ、そんなの語られても使えないだって?」

杏「しょうがないなぁ~あとは……」

みりあ「杏ちゃん遅い~」

みく「…………」

みりあ「ねーねー寝てないでお話しよ~よ。ね~」

みく「チッ……」

みりあ「ね~ってばー」

CP「お疲れ様です……」

みりあ「あっ! プロデューサー!」

CP「皆さん、もう少しお待ちください」

みく「杏チャンまだ終わらないのぉ~?」

CP「すみません……もう少々お待ちください」

みく「なんでみくまで参加しなきゃならないの……関係ないのに」

CP「?」

みりあ「ね~ね~、杏ちゃん何してるの?」

CP「インタビューです」

みりあ「インタビュー?」

CP「皆さんにいくつか質問をするので、それに答えていただければ。詳しくはあちらで……」

みりあ「どんなこと聞かれるの~?」

CP「詳しくはあちらでお願いします……」

みく「みりあちゃん。プロデューサーも忙しいんだから困らせないの」

みりあ「えー」

CP「前川さん……」

みく「ちょっと寝るね」

CP「次は前川さんですので準備をしていただけると……」

みく「5分後にはするにゃ」

CP「……わかりました」

みく「プロデューサーも仕事しなくていいの?」

CP「あっ、すみません。それでは自分はこれで……」

みく「バイバーイ」

みりあ「……つまんないの」

みく「──みくのストレス解消はぁ~……ネコちゃんと遊ぶことにゃー!」

みく「ネコちゃんと遊ぶ疲れなんて吹っ飛ぶにゃ! みくのオススメはのぁんといってもネコジャラシ!」

みく「オーソドックスだけどシンプルイズベストにゃ! 振り方にもいっぱいあってただ右左に振るだけもいいし、縦に振るのもいいにゃ! ヘビみたいにして振るのも楽しいにゃ!」

みく「えっ? もう時間が押してるからおしまい? そんにゃー! まだまだ語り足りないよー!」

CP「……前川さん、お疲れ様です」

みく「あ、お疲れにゃ。このあとどうすればいいの?」

CP「次の方を呼んできていただけると……うれしいのですが」

みく「ハイハーイ。えーっと次は……ならび順だから……薫ちゃんにみく……仁奈ちゃんにゃ」

CP「はい」

みく「それじゃ呼んでくるにゃー!」

CP「よろしくお願いします……」

みく「ただいま~」

薫「お帰りー!」

みく「次仁奈ちゃんの出番だよー」

仁奈「待ってたでごぜーます! いってくるですよ」

みく「走って転ばないでねー」

薫「いってらっしゃーい!」

みく「ふぅ……あれ?」

薫「どしたのー?」

みく「みりあちゃんは?」

薫「さっきまでお話ししてたけど……どっかいっちゃった。お話あった?」

みく「ちょっと気になっただけ。薫ちゃんはこのあとなにかある?」

薫「ううん。帰るだけー。みくちゃんは?」

みく「みくも何もないから帰るだけ」

薫「じゃ途中まで一緒だね!」

みく「そだね…………ねぇ薫ちゃん」

薫「なに?」

みく「今日いっていい?」

薫「かおるの家ー?」

みく「きちんと言うから」

薫「せんせぇがいいっていうならいーよ!」

仁奈「──仁奈はナマケモノになるですよ! ナマケモノの気持ちになればぐっすりでごぜーます!」

みりあ「…………」

CP「……赤城さん?」

みりあ「あ、プロデューサー」

CP「どうかなさったのですか? 出番はまだのはず、ですが……?」

みりあ「早めに来ちゃった」

CP「そうですか」

まゆ「あら?」

CP「佐久間さん」

まゆ「こんなところで会うなんて奇遇ですねぇ」

CP「ここでなにを……?」

まゆ「撮影です。今度出す写真集の。あなたは?」

CP「私も撮影です……」

まゆ「デビュー?」

CP「い、いえ、撮影の様子を、み、見に来て……」

まゆ「冗談ですぅ。みりあちゃんは?」

みりあ「みりあも撮影見てるー」

CP「出番までまだあるので……その……控え室にいっていていただけるとうれしいのですが……」

みりあ「えーあそこつまんなーい」

CP「ですが……」

まゆ「みりあちゃん、私と一緒に控え室行かない?」

みりあ「まゆちゃんと?」

まゆ「このあとなにもなくて」

みりあ「うん、いくいくー!」

CP「佐久間さん……」

まゆ「あとは任せてください」

CP「……ありがとうございます」

みりあ「……それでねそれでね、こーんな大きな木があって!」

まゆ「そんなに大きな? ちょっと見てみたいかも」

みりあ「今度見に行きなよー。すごいよー」

まゆ「機会があったら。それにしてもみんないなくなってて驚いたわ」

みりあ「さっきまでいたのに」

まゆ「各自解散なの?」

みりあ「わかんない。順番最後だもん」

まゆ「あら、ごめんなさい」

みりあ「ねぇまゆちゃん」

まゆ「何?」

みりあ「みりあのことどう思う?」

まゆ「どうって? かわいいと思うわ」

みりあ「ううん、そうじゃなくて」

まゆ「?」

みりあ「お話ししたいことしてないの」

まゆ「話したいこと?」

みりあ「なんかジャマされてるみたいで気持ちわるいの」

まゆ「なら言いたいこといえばいいんじゃないかしら?」

みりあ「でもみんながダメって……」

まゆ「みりあちゃん。深く考えちゃダメ。みりあちゃんはみりあちゃんらしくしてればいいの。それがみりあちゃんだもの」

みりあ「でも……」

まゆ「それなら試しに、今日の撮影の時はおもいっきりあなたらしくすればいいわ。プロデューサーもそれを望んでる」

みりあ「プロデューサーが?」

まゆ「口には出さないけど。それでもそう思ってる」

みりあ「……うん! やってみる!」

まゆ「ありのままを話すの、ありのままを──」

杏「ただいま~……」

P「お帰り。他の人はどうした」

杏「まだ撮影中。あのスタジオ狭すぎ。杏でも狭く感じたよ」

P「少人数用のスタジオだからね。それでも機能は十二分にある」

杏「いつもは広いのになぁ」

P「片割れがいないだけ楽できたろ?」

杏「ま~あね~。さて、Pさん。早速やってもらおうじゃないか」

P「何を? 休日の件ならまだ正式にはとれてない」

杏「甘いッ! 甘すぎるよっ! 休みは休みたいって思った瞬間から発生するものなのだよ」

P「つまり休日の件とは関係なく何かしてほしいと?」

杏「簡単にいえばそうなる」

P「今回頑張ってくれてるから特別に許す」

杏「本当に? やった」

P「何をすればいい」

杏「杏も溜まるものは溜まるから処理したい。手伝ってよ」

P「嗽も手洗いもしてないのにか?」

杏「別にキスするわけじゃないんだからいいじゃん。あっ、体触るか。それじゃお風呂いこうよ」

P「わかった」

杏「湯船の中でついでにしちゃおう。うん、これで一石二鳥」

P「オレは二度手間だがな」

杏「まんざらでもないくせに」

P「嫌ではない」

杏「あ、ところで今誰かいる? いるなら声抑える」

P「神崎さんはレッスンだからいないよ。夕方まで誰か帰ってくる予定はない」

杏「そっか。なら思いっきり声出せるね」

P「そんなに声出すもんでもないよ」

杏「私の気持ちいいとこわかってるくせに。いつも2分くらい放心状態するし」

P「時間はたっぷりあるが時間が惜しい。話すにしても移動しながらにしよう」

杏「あいあーい……ところで聞きたいことあるんだけどいいかな?」

P「何?」

杏「あの番組のプロデューサー知ってる?」

P「知ってる」

杏「どんな人?」

P「トラブルを嫌う人」

杏「そんな人のとこでやるの危なくない? 脱がして」

P「脱ぐのは自分でして。中の支度する」

杏「ちぇ。んっしょ……でさそれ以外は?」

P「トラブルを起こしても周囲に八つ当たりや飛び火はしない」

杏「割りきるタイプなんだね。パンツ籠どこ?」

P「ここ」

杏「ほいっと……いょーし入った」

P「行儀悪い。投げるな」

杏「ごめん。そっちの準備できた?」

P「終わった」

杏「いっちばーん」

P「用意してたから一番ではない」

杏「あっ! 蓋してる」

P「お湯が冷めるからね」

杏「ン? 変な臭いする」

P「この前温泉の素使ったからね。その残り香だろう」

杏「あるの?」

P「あるよ」

杏「入れてよ。杏も楽しみたい」

P「用意しておく。なにがいい」

杏「ん~、ん? なにこれ。アイスじゃん」

P「アイス型のもあるよ。たしかその色だとミントだったかな」

杏「杏これにする」

P「じゃあ後でいれよう」

杏「さぁ、髪を洗いたまえ」

P「わかった」

杏「ハァ~それにしても疲れたよ」

P「ただでさえ疲れるのに頼み事が重なるからな。すまない」

杏「別にいいよ。私もイライラしてたとこだし。あ、そこ痒いから重点的によろしく」

P「髪長いな」

杏「床掃除出来るから寝転んでるだけでオッケー」

P「本当だ。埃がついてる」

杏「……コーラで髪染めてみよっかな」

P「蟻で黒く染まる」

杏「それはやだ」

P「流すよ」

杏「プアっ」

P「体の前面は自分で洗ってね」

杏「私のお尻は高いんだぞ」

P「背中だけにする」

杏「……まぁ今更だよね」

P「壁は大切」

杏「髪の毛ほどの壁だけどね。背中痒い」

P「赤くなってるな。蚊に刺されたね」

杏「あ~あそこ蚊いるんだよね。配水管のパイプでもあんのかな」

P「窓開けてると入ってくる。近くに水場があるから」

杏「あ~きもちい~」

P「あんまり咎めるといけないから後でかゆみ止め塗る」

杏「ん。でさ……」

P「今日はどうする」

杏「親指でココ、んで人差し指と中指入れて。あ、入り口付近なぞるようにね」

P「今日は注文が多いな」

杏「溜まるものは溜まるからしかたないじゃん」

杏「──ック…………ふぅ」

P「今日のはサラサラしてたな」

杏「感想いらないよ」

P「すみま……せん」

杏「プロデューサーの真似?」

P「たまにはこういうこともする」

杏「似てない。こうするんだよ。ゴホ……すみません……先走ってしまいました……」

P「先走るの意味が変わるな」

杏「意外と早そうだよね」

P「それについて談義する気はない」

杏「杏も。ところでさ、きつくなかった?」

P「いつもに比べて全体的にきつめだった」

杏「杏のアンズじゃなくて体調のことだよ。バカ」

P「特にきつくはない」

杏「そっか」

P「体調が芳しくなかったら言うよ」

杏「そうしてくれるから助かるよ。うちのプロデューサーってそういうの言わないからわかんないんだよね」

P「彼なりの気遣いだ」

杏「限界に来てたら倒れるだけだけどね」

P「そうそう」

杏「ところでプロデューサーにみりあちゃんのあの事知らせるの?」

P「知らせない。知らせても病院に送られるだけ」

杏「あのプロデューサーならやりそう。それか隠すんじゃない?」

P「どちらにしろ彼の負担が大きくなる。対象はあくまでも赤城みりあだ」

杏「ふ~ん」

P「肩まで浸からないと風邪ひくぞ」

杏「…………」

P「縁に座らない」

杏「自分のどんな感じか触ってるだけだよ。今回自分で触ってないしさ」

P「後ろに滑って頭打たないようにね」

杏「気を付けてるって。ン、ホントだ。ちょっとキツめだ」

P「ところで左手で何か触るの癖?」

杏「クセってわけじゃないよ。ただオナるときにいつも左側にウサギの人形があって、それ触ってるから、あっ……これクセか」

P「オレの左手痛い」

杏「えっ、杏そんなに強く握ってた?」

P「割りとね」

杏「ごめん」

P「いいよ。力が入るのはしかたない。それより」

杏「なに?」

P「お尻突き出してどうした」

杏「溜まるものは溜まるんだもん」

P「異様な半身浴スタイルだ」

杏「Pさんそのままでいいからさ」

P「目の前に尻ねぇ」

杏「杏の左臀部。断面図あったらエロいよね」

P「どこまで指入ってるかわかるからやり易いかもしれない」

杏「ハハハ、そうかもね──」

CP「赤城さん、お待たせしました……」

みりあ「あっ、プロデューサー!」

まゆ「お疲れ様です」

CP「遅くなって、申し訳ありません」

まゆ「いいえ。楽しかったし全然申し訳なくなんてありません」

CP「ありがとうございます」

みりあ「それじゃいってくるねー」

CP「いってらっしゃい……」

まゆ「それにしても意外と少人数での収録なんですね」

CP「予算とスケジュールの都合上、こうなってしまいもうしわけありません……」

まゆ「いえ、ただ驚いただけです。まぁ、自社スタジオというだけで驚いてますけど。ところでみりあちゃんのいいところってどこですか?」

CP「赤城さんの、ですか……?」

まゆ「はい。なんだか気に入っちゃって♪」

CP「赤城さんは、元気で、周りを笑顔にしてくれる……」

みりあ「あのねあのね、みりあお休みの日はお友だちと遊ぶの!」

みりあ「前にきらりちゃんと莉嘉ちゃんといっしょにクレープ食べたお店にいったらね……!」

スタッフ「ん? あ、お疲れ様ですディレクターさん」

ディレ「ディレでいいよキミ」

スタッフ「いえいえ。ところでここへは何をしに?」

ディレ「いやなに、少し時間が出来たからここを見にね。自分の番組なのに来られなくて実に悔しい」

スタッフ「しかたないですよ。忙しいですもん」

ディレ「それにあの話題のアイドルたちだからね。一度見ておきたくてな」

スタッフ「会ったことないんですか?」

ディレ「顔見せの時の一回きりだ」

スタッフ「そうだったんですか。今は私とカメラマンの2名しかいません。いつもはもっといるんですけど。あ、今は赤城みりあちゃんが収録してます」

ディレ「ほう。子供らしい元気なアイドルと聞いてるよ」

スタッフ「まぁそうですね。もう振り回されっぱなしで」

ディレ「ハッハッハッ」

みりあ「ストレスかいしょう? ストレスってなに? あ、イライラのこと」

ディレ「たしかに子供らしい」

みりあ「みりあのストレスかいしょーはね」

スタッフ「えッ!!」

ディレ「なっ──」

ディレ「お宅のアイドルはどうなってる!!」

CP「はい? あの、どうかなさったのですか……?」

ディレ「どうかなさったじゃない! お宅はアイドルのことを把握してないのか!?」

CP「あの、落ち着いてください……」

ディレ「これが落ち着いていられるか!! 倫理委員会に通報されたらどうする気だ! 責任とれるのかね!!? ンン!」

CP「話がまったく見えないのですが……いったい誰のことを……」

ディレ「赤城みりあだよ、赤城みりあァ! 元気がいいにもほどがあるんじゃないかね!」

CP「まことにすみませんでした……」

ディレ「謝罪はいい! お宅との付き合いもあるから大事にはしないが赤城みりあについては考えさせてもらう!」

CP「……いったい……」

杏「今のなに?」

CP「あ、双葉さん……自分にもさっぱり……」

杏「今のあの番組のディレクターだよね?」

CP「ハイ……なにか自分に落ち度が……」

杏「みりあちゃんがやらかしたっぽくない?」

CP「赤城さんが……?」

杏「杏はあの元気さ好きだしこっちも元気になるけどそうじゃない人やそうならないこともあるんじゃないかな」

CP「誰かに、迷惑をかけている、ということでしょうか?」

杏「断言できないけどそうなんじゃない? 最近元気さが増したのはたしかだけどね。お姉ちゃんになったからかもね。杏一人っ子だからよくわかんないけど」

CP「そういったもの、なのでしょうか?」

杏「だから断言できないって。一人っ子だもん。とにかく少しプロデューサーが押さえた方がいいんじゃない? こういうときはガツンといわないと」

CP「ですが……」

杏「たまに私に仕事するようにいうじゃん? あれ結構うれしいんだよね。やる気でるって言うか気が引き締まるって言うか……やっぱり今のなし。恥ずかしい」

CP「双葉さん……」

杏「するの怖いかもしれないけどさ。こういうのは大人が言わないと……ね」

CP「……わかりました」

杏「そろそろみりあちゃんくるから杏は出てくね。いない方がいいっしょ?」

CP「すみません……」

杏「いいっていいって。それじゃおやすみ~」

CP「後で戻ってきてくださいね」

杏「チッ」

みりあ「おはようございまーす! あれ、みんなは?」

CP「赤城さん」

みりあ「あれ? プロデューサー」

CP「少しお話が……」

みりあ「お話? するするー! 何話す!? あ、この前ね、お母さんが……!」

CP「こちらへ……」

みりあ「プロデューサーの机のとこでお話しするの? いいよー」

CP「…………」

みく「──おっはよーにゃー!」

CP「おはようございます」

杏「おあよー」

みく「杏チャンまた朝から寝てるにゃ。お日さまポカポカだよ?」

杏「そういうのは他の人にまかせる。杏は寝る……」

みく「おーきーるーにゃー!」

杏「えぇい杏は寝るったら寝るんだ~。邪魔をするなぁ」

みく「もう……」

みりあ「…………」

みく「おはようみりあちゃん」

みりあ「あ、おはよー!」

みく「朝から元気いっぱいにゃ! 杏チャンにも見習ってほしいにゃ」

杏「すやぁ」

みく「さて、みくはこれから今日のお仕事の予習にゃ」

みりあ「今日なにするのー?」

みく「今日はネコちゃんとの撮影にゃ。10匹もいるから大変」

みりあ「ネコいるの!? みりあも出たーい!」

CP「……赤城さん」

みりあ「あっ……やっぱなんでもない……」

みく「?」

杏「…………」

みりあ「ちょっと外にいって飲み物買ってくる」

CP「…………」

みく「──って感じだった」

P「お疲れ様」

杏「いったいなにがあったの?」

P「プロデューサーが赤城みりあを叱った。ただそれだけだよ」

杏「普段静かな人が怒ると怖いよね。静かっていうか寡黙?」

P「赤城みりあ自身、彼のことは何考えてるかわからないからそんな人からわけもわからず怒られたら言うことを聞かざるをえない」

杏「杏は深く首突っ込まないようにするよ」

P「それがいい」

みく「あ、お疲れにゃー」

P「前川さんもお疲れ様」

みく「あれ? 杏チャンも来てたんだ」

杏「まぁね。これから寝るけど」

みく「また寝るの? そのうち牛になっちゃうよ?」

杏「牛歩はマスターしてる」

みく「ああ言えばこう言う」

P「前川さん、少し話がある」

みく「にゃ?」

杏「それが杏が前川みくを見た最後だった……」

みく「縁起悪いこと言わないで」

P「ここがいいね」

みく「…………」

P「耳着けてなくていいの?」

みく「みくが嫌いなんじゃなくて"前川みく"が嫌いなことだからこっちで聞くの」

P「そういうところ好きだね。それじゃ何の話かは気が付いてると」

みく「うん。みりあちゃんの事だよね」

P「当たり。赤城みりあの様子はどうだった」

みく「いつも通り元気だった。ただ……」

P「ただ?」

みく「いつもより大人しかった。みくの事を邪魔してきそうだったけどすんでのところで留まったって感じだった」

P「プロデューサーに怒られたのが効いたんだね」

みりあ「もしかして、みくが受けたインタビューと関係ある?」

P「ないと思う根拠は?」

みく「もしかして収録の時……」

P「アレをやった」

みく「うわぁ……さすがのみくも擁護できない。あれ? ということはプロデューサーに知られたの?」

P「知られてない。あのディレクターでも言えないだろう」

みく「言ったところで信じないか変態扱いだよね」

P「まぁそうだろうね。彼は女子だけ体育館に集めて何をしてるのか知らないタイプだ」

みく「知りたくないと思う。それにPチャンには刺激が強すぎるよ。ある意味アイドルよりアイドルらしい」

P「まぁ普通は信じがたいだろうね」

みく「あ、みくがいつからかなのかは秘密だよ?」

P「興味ない」

みく「まぁPチャンのショックうけた顔は見たことあるし、あれ以上のは望めないかもね」

P「どうだろう。価値観が崩れるかもしれない」

みく「男子もそのくらいからなの?」

P「秘密」

みく「Pさんのは知りたくもない」

P「教えない」

みく「これでソファーや机気にしなくて済むのは気楽」

P「少なくとも事務所ではなくなる。その代わり自宅が増えるかもな」

みく「そんなのみくが見えないところならどうでもいい」

P「本当に困ってたんだな」

みく「……まぁ」

P「本当は軽いイタズラでもよかったんだけど加減がわからなくてね。イタズラのプロフェッショナルなら加減がわかるだろうけど多忙だからね」

みく「明日から胃痛の元凶が減ると思うとネコちゃんに会いたくなってくる」

P「いずれにしろこれが彼の耳に入ることはない」

みく「知ったらショック死するよ、プロデューサー」

P「父親だったらショックだよ。なにせ小学5年生がオナニーするなんてね。しかも事務所で」

みく「わざわざ言わなくていい!」

P「意外と困ってる親や教師いるんだよね。どこで教育するべきかって」

みく「困りものにゃ」

P「耳つけていいの?」

みく「今は"みく"だからいいの。見つけたときはビックリどころじゃなかったにゃ」

P「そうだな」

みく「杏チャンかと思ったけどあのイスから動かないしわざわざ机やソファーでなんて変だもん」

P「これからは平穏に仕事できるよ」

みく「みりあちゃんはいるけどにゃ」

P「邪魔されないで済むよ。少なくともプロデューサーがいる前ではね」

みく「人が真剣に企画たててるのにジャマされるのはさすがのみくもノー!」

P「ステージに猫百匹だっけ?」

みく「バカにするの!?」

P「馬鹿にはしないけど現実味がない」

みく「うぐっ……痛いとこを突くにゃ」

P「20でも多いくらいだ」

みく「お、おとなしい子を集めれば……」

P「まぁプロデュースは専門外だから詳しいことは言えない」

みく「最新では200に増えたり……」

P「現実から遠ざかり夢に近づいた」

みく「…………」

P「今の気分は?」

みく「意外とスッキリ。潰れるならそれまでにゃ」

P「そうだな」

みく「これからも接し方は変わらないにゃ」

P「流石だね」

みく「みくも成長してるにゃ!」

P「喫茶店占拠したとは思えないね。実行力はすごいね」

みく「ウッ……褒めてるの? 貶してるの?」

P「褒めてる」

みく「あれは黒歴史にゃ。仕事は別だけどプライベートじゃ未だに菜々ちゃんとは会いにくいし……」

P「そこの問題はゆっくり解決すればいい。そろそろ切り上げよう」

美穂「──すみません」

P「クラリスさんがいないときは呼んでと言ったはずだよね?」

美穂「今なら出来る気がして……」

P「その結果がこれか。たしかに呼びづらいとは思うけど少しの距離でも負担になる。今回は携帯電話持ってたから助かったが次はどうなるか。次があるなしの話じゃないが」

美穂「……ごめんなさい。まさか上がってるとは思わなくて……」

P「とりあえず尻こっち向けろ」

美穂「言い方にトゲが……」

P「こっちにお尻向けて」

美穂「あう……」

P「まだシャワーも一人では怪しいところなんだから考えて行動して」

美穂「でも……」

P「……へぇ、ストレートか」

美穂「えっ? あ」

P「こんなこと言われたくなかったらきちんと人の手を借りて」

美穂「ハ、ハイ……あの」

P「なに?」

美穂「私ってここの濃いんでしょうか?」

P「君は何を聞いてるんだ」

美穂「あ、す、すみません……」

P「 お汁で揺らして白く染めたい。今すぐにでもしゃぶりつきたい」

美穂「え? えっ!?」

P「…………」

美穂「そ、そんなダメです、私アイドルだし、その、お、お世話にはなってますが、そ、そういういうことはいけないって思……」

P「今のはオレじゃない」

美穂「へゃい?」

まゆ「いつもあなたのそばに。まゆです」

美穂「ま、まゆちゃん!? あ、そのこれは違うの!」

まゆ「わかってますよぉ? まゆは様子を見に来ただけ。お夕飯出来ましたよぉって」

P「ありがとう」

まゆ「美穂ちゃんの分は食堂に用意したから食べたいときに食べてね」

P「……食堂だと歩いていくのに大変だ」

まゆ「家用の杖があるじゃないですかぁ」

P「部屋に移してくる」

まゆ「お手数お掛けしまぁす」

美穂「……あ、あの」

まゆ「あ、今拭きますねぇ」

美穂「あ、う……うん。お願い」

まゆ「そのまま四つん這いでいいですよぉ」

美穂「なんだか妙な気分……」

まゆ「拭いてるのに濡れてきちゃった?」

美穂「えっ、そういうわけじゃ……」

まゆ「わかってますよぉ。ほんの冗談」

美穂「そ、そうだよね」

まゆ「…………」

美穂「…………」

まゆ「素直にタイプじゃないって言えばいいのに」

美穂「え?」

まゆ「わかってることを黙ってられるとキズつくんです」

美穂「き、嫌いじゃないよ? クマさんみたいで可愛いし、どちらかというと好きな方だけど……」

まゆ「いずれにしろお世話になってるんですからそういう"お礼"もしなきゃいけないの」

美穂「そ、そうなのかな……?」

まゆ「そうなの。ちなみに見たことあるかわからないけど、この親指サイズから」

美穂「親指サイズから……?」

まゆ「……小指だったかしら。体調とテクニックにもよるけどこのサイズから太さは指2本分から3本分、長さは……このくらいにはなるわ」

美穂「おっ、大きい…………のかな?」

まゆ「不安ならまゆが教えてあげますよぉ。Pさんの好きなところ♪ あ、自分で探したいなら別だけど。そういうのも楽しいわよね」

美穂「…………」

まゆ「何にしろ。異性にお世話になってるからには相手が誰でも"そういうこと"になりえるの」

美穂「…………」

まゆ「そういう意味ではPさんはオススメ♪ 今でも思い出すわぁ。初めてPさんのを……」

美穂「……あ、わ、私お腹すいちゃったなぁ」

まゆ「あら、残念。それじゃあいつまでもお尻丸出しで四つん這いじゃ失礼よね。今拭くから待っててください」

美穂「ちゃっと残念だったような……」

まゆ「なにか言いました?」

美穂「なっ、なんでもないよ──」

蘭子「はわにゃー!」

小梅「あ、エミリ……また……」

奏「またやった」

蘭子「ハワッ、ワワワ、わっわは……!」

小梅「大丈夫……だよ……嫌われてる、から」

奏「それは好き嫌い関係あるの?」

小梅「リア充だし……そういう……役回り……?」

奏「悩みがなさそうなのは羨ましいかな」

小梅「ぶっとくて……硬いので……下半身ゴリゴリ……されてだから……本望だよ……フフ」

奏「腹上死とは違う……と思う」

蘭子「ヒィ~ピャアァ……」

奏「今はこっちのケアしましょう」

奈緒「暗転するって聞いてたんだけど……」

小梅「有志による……ボット……バ、バンザイ……」

奈緒「加蓮はこういうの……やらないよな」

加蓮「興味はある……かな」

奈緒「ハァ!?」

加蓮「そんな驚かなくてもいいでしょ。ゲームだし」

奈緒「いやでもよぉ……あーなんだ、その」

蘭子「ピエェェェ……」

小梅「よし……よし……」

加蓮「次、私いい? 奏はどうする?」

奏「私は見てるだけでいいの」

加蓮「そう。それなら……」

蘭子「──ウゥ……ウゥゥ~」

奏「そんなに嫌なら見なければいいのに」

小梅「よし……よし……」

奈緒「躊躇いなく撃ちやがった……」

加蓮「だってこういう女の人キライなんだもん」

奈緒「アタシはたまに加蓮が怖いよ」

加蓮「えー、私怖くないって」

奏「これは現代の弊害といっていいのかしらね」

小梅「ゾンビもの……の……弊害……噛まれたら……か……感染……」

加蓮「でもこういうのって普通はノート先に見ない? 仮にもここって研究してた人の住みかなんだし」

小梅「すぐ……死んじゃったけど……ね」

奏「たしかにおかしい。でも私的にはこっちのわめき散らしてた方がイヤ……かな」

小梅「集団心理の……恐ろしさ……ブルブル……」

奏「殺した後にノート見るっていうのもえげつないわよね」

小梅「こういうあとは…………いいこと……したくなる……よね……」

奈緒「まあなぁ……おっ、選択肢」

加蓮「仲間についていくか、助けを呼ぶ声の方に行くか。どっちにしよう」

奈緒「迷うよなぁ」

奏「こういうとき私達のプロデューサーならどうするかな」

奈緒「どうだろ」

加蓮「ね。奏のプロデューサーは?」

奏「仲間についていく。躊躇なく」

奈緒「蘭子ちゃんと小梅ちゃんのプロデューサーは?」

小梅「声の方に……」

蘭子「う、うん……」

加蓮「じゃ、声の方にしよう」

小梅「フフ……」

蘭子「……ふあぁ~」

奈緒「お、おい死ぬな!」

蘭子「ぽわぁ~は~」

奏「反応ないわ……」

加蓮「あれどうしたら助かってたの?」

小梅「開けなければ……助かってた……」

奏「でもわめき散らしてたから静かになってよかったんじゃないかな?」

小梅「一番恐ろしい……のは、に、人間……」

奏「これより恐ろしい自信ない」

加蓮「……渋谷……さん?」

小梅「どうしたの……?」

加蓮「あ、いや蘭子ちゃんたちのプロデューサーならこういうかなって」

小梅「似てた……フフ」

加蓮「ありがと」

蘭子「……ハッ!」

小梅「あ……生き返った……」

奈緒「大丈夫?」

蘭子「クックックッ、我にこの程度のきょぅふなど……効かぬ!」

P「──そんなところで寝てたら風邪引く」

蘭子「…………」

小梅「蘭子ちゃん……また死んじゃった……」

加蓮「あんなの出てきたら逃げるよね」

奏「おじさんに動くなって言われなかった?」

加蓮「あまりオススメできないって言ってたじゃん。てかかなり久しぶりの登場だから名前覚えてないんだけど。ジェなんとかだっけ?」

小梅「それお兄ちゃん……」

P「なるほど」

加蓮「……死に際が猪木」

奈緒「おい!」

蘭子「……ッ……ッ! ふッ、ククっ」

小梅「あ、生き返った……」

奏「ところで何か用事?」

P「もう遅いから寝るようにいいに来た」

小梅「あ、ホントだ……」

P「──ただいま」

薫「お帰りなさい!」

P「まだ寝てなかったのか。寝なさい」

薫「はーい。一緒に寝よ!」

P「まだやることがある」

薫「え~、最近せんせぇ一緒に寝てくんなくてかおるさみし~」

P「明日は一緒に寝る」

薫「約束だよ!」

P「今日は我慢してくれ」

薫「うん! おやすみー!」

まゆ「あ、お待ちしてましたぁ。薫ちゃんは寝ましたか?」

P「明日一緒に寝る約束したら寝てくれた」

まゆ「あら、Pさん取られちゃった。残念」

P「さて、今回は赤城みりあに対して行ったが感想は?」

まゆ「人の秘密って見る方としてはワクワクします♪」

P「そうか」

まゆ「あとで大人しいみりあちゃんの映像でも見ましょう。ところでみりあちゃんのあの映像ってどうなるんですか?」

P「こっちのは厳重に保管しておく」

まゆ「個人的な目的で使用しないんですか?」

P「しない」

まゆ「向こうが持ってるインタビュー映像の方は?」

P「恐らく消す。ああいうのを持っていたらいざというとき大変だからね」

まゆ「実演しないだけマシでしたけどちょっと残念」

P「こっちの映像があればいい」

まゆ「そうですね。ところで明日からはどうします?」

P「もちろん続ける」

まゆ「それでこそPさんです♪」

P「人が増えたな」

まゆ「はい。Pさんの精子がいくらあっても足りないくらい増えました」

P「その例えはやめてくれ」

まゆ「うふ。これでも危機感持ってるんですよ?」

P「君に危機感か。あるのは知ってたがオレに対してとは知らなかった」

まゆ「まゆ的にはいろんな女の人と経験してPさんが成長するのは嬉しいけど少し不安なんですよ?」

P「まゆ……」

まゆ「グスン……」

P「目薬が見えてる」

まゆ「その手にはかかりません。目薬なら服の左ポケットに仕舞いました」

P「やっぱり」

まゆ「あ……」

P「相変わらずだな」

まゆ「…………」

P「落ち込まない。さて、明日からどうするか」

まゆ「まゆはPさんに付き合います♪」

P「ありがとう。何をするか」

まゆ「ここは一発バシッと」

P「>>890>>892

>>890
ジュニア(~12歳まで)かティーン(13~19歳まで)かアダルト(20歳以上)かをお願いします

>>892
復讐か救済かをお願いします。復讐の場合は軽くか徹底的かもお願いします

ティーン

救済

P「ティーン層を救済かな」

まゆ「ハーレムでも築こうとしてます? いろんな女の子のを経験するのはいいですけど目的を見誤ったらダメです」

P「きちんとやるさ。それに次は復讐するんだからいいじゃないか」

まゆ「それもそうですね。それで誰にするかは決まったんですか?」

P「決めてある」

まゆ「誰ですか?」

P「>>894


>>894
モバマスのティーン(13~19歳まで)アイドルをお願いします

それ以外または連取は安価下

アーニャ

P「アナスタシア」

まゆ「アナスタシア……? あぁ、アーニャちゃんって呼ばれてる」

P「そうだ。まゆとはあまり面識がないな」

まゆ「掠りもしません。それにしても次はロシア人ですか。孕ませる気ですか?」

P「君は何を言ってるんだ?」

まゆ「だってロシア人っていったら抱きたい白人女性の上位じゃないですか」

P「そういえば読者モデル時代の雑誌にそんなのが書いてあったな」

まゆ「ティーン向け雑誌って過激ですよね」

P「だな。しばらくここを空けることが多くなるからここは頼んだ」

まゆ「はぁい」

P「さて、プロフィールのお復習をしよう」

まゆ「合いの手は任せてください」

P「クールな外見と喋り方が特徴の15歳。身長165cm、体重43kg、BMIは15.79。スリーサイズは上から80・54・80」

まゆ「ロシアと日本のハーフでしたよね?」

P「父親ロシア人、母親日本人。誕生日は9月19日の乙女座のO型。利き手は両方。出身は北海道で10歳くらいまでロシアで暮らし、それ以降はこっちに引っ越して来たから正確に言えばロシア出身」

まゆ「そうなんですか?」

P「北海道の港はロシア船の出入りがあるからね。趣味はホームパーティと天体観測」

まゆ「ロシアで天体観測したら死んじゃいそうですよね」

P「凍死するね」

まゆ「他にはなにかないんですか?」

P「特にこれといってない。案外寒さに弱いくらいかな」

まゆ「ロシア人なのに?」

P「ロシアの家は室内が暖かいんだ。壁にお湯を通してるからね」

まゆ「海外ドラマでよく見る。あれの大きい版?」

P「そう考えてくれていい。まぁ北海道の家もそれを導入してるが水道代がばかにならない」

まゆ「なんだか問題多そうですね」

P「山積みだから狙い定めてやっていく」

まゆ「やっぱり」

P「北海道はただで外国人との問題が多いからね。ニセコでのこともあるから普通は住みにくい」

まゆ「なにかやったんですか?」

P「彼女が直接ではない。関係してないと言えば嘘になるが。とあるスキー場付近は観光客も多く繁盛している」

まゆ「それならいいじゃないですか」

P「問題は現金払いではなくカード払いなんだ。決済が海外だから地元にお金が落ちないんだ。自分達の土地を食い散らかされてるのも同じ」

まゆ「難しい問題ですね」

P「だな。さて、彼女自身の問題に取りかかっていこう」

まゆ「それにはまずスッキリした頭とスッキリした体が必要ですね♪」

P「そうだな。よし、寝よう」

まゆ「はぁ~い」

奏「あら、もう寝るの?」

P「何?」

奏「眠れないから来ちゃった」

P「帰ってなかったのか」

奏「面白くて」

まゆ「ちょうどよかった。奏さん、アナスタシアちゃんと知り合いですよね?」

奏「アーニャちゃん? まぁ、知り合いだけどあまり話したことない」

まゆ「どんな人ですか?」

奏「私に聞くよりみくちゃんに聞いた方がいいと思う」

まゆ「そうですか。残念」

奏「一番早いのは隣の人に聞くこと」

P「オレもそこまで知らない」

奏「ふ~ん」

まゆ「それじゃあまゆは寝ます。あとはお二人でごゆっくりぃ」

P「おやすみ。オレもしばらくしたら寝る」

奏「おやすみ」

まゆ「また明日ぁ」

奏「……ところでアナスタシアちゃんがどうしたの?」

P「ここに来るかもしれないって話」

奏「また増えるの」

P「増える」

奏「……ねぇ」

P「何?」

奏「アナスタシアちゃんの事で少し気になる事があるの」

P「気になること?」

奏「ああ見えて結構お喋りなところあるのよ彼女。でも……私が気にしすぎなのかも知れないけど、お婆様と母親の話は良くするのに父親の話が全く出てこなくて。私も人のこと言えないけど、それでもあまりにも出てこないの」

P「年齢的なものじゃないかな」

奏「何か知ってる?」

P「さあ全く見当もつかないなあ」

奏「……そう」

P「話はそれだけ?」

奏「……いじわる」

P「ところでこの生活には慣れた?」

奏「向こうでは私から会いに行かない限り、あまりみんなと顔をあわせないから特に問題はない」

P「そう」

奏「お茶もらってもいい?」

P「どうぞ」

奏「ありがとう──」

アナスタシア「オハヨウこじゃいます」

CP「おはようございます、アナスタシアさん」

アナスタシア「他のみなさんは?」

CP「まだ来ておりません……もうしばらくお待ちください」

アナスタシア「ヤー」

CP「…………」

アナスタシア「…………」

CP「勉強……」

アナスタシア「?」

アナスタシア「勉強……?」

CP「日本語の勉強……がんばってらっしゃるのですね」

アナスタシア「みんなと、もっと話したいです」

CP「私にも、協力できることがあれば、おっしゃってください……」

アナスタシア「ヤー」

CP「…………」

アナスタシア「…………」

みく「おっはよーにゃー!」

CP「おはようございます、前川さん」

アナスタシア「ドーブラ……おはよう、ございますみく」

みく「おはようにゃ」

CP「今日は午後からのはずですが?」

みく「気まぐれ気まぐれ」

CP「そう、ですか」

みく「あれ? アーニャちゃん勉強してる」

アナスタシア「ニホンゴ、の勉強です」

みく「漢字ドリルなんて懐かし~」

アナスタシア「みく、この漢字はなんと、読むのですか?」

みく「どれどれ……これは『しいる』にゃ」

アナスタシア「シール?」

みく「違う違う。しいる。簡単に言うと強く迫るってこと」

アナスタシア「ダー」

みく「時々アーニャちゃんって混じってる気がするにゃ」

アナスタシア「?」

みく「なんでもないにゃ。ところでその服どこで買ったにゃ?」

アナスタシア「これ、ですか? 駅前です」

みく「駅前のビルの? あそこ高いのしかなかったような……プロデューサー!」

CP「はい、なんでしょう?」

みく「みくのお仕事もっと増やすにゃ!」

CP「すみませんが、これ以上は……」

みく「そ、そんなぁ~!」

アナスタシア「…………」

みく「アーニャちゃん、最近朝御飯の時いないけどもしかしてここで勉強してるの?」

アナスタシア「毎日、ではありませんが……」

みく「みく、朝頭働かないからうらやましいにゃ」

CP「…………」

みく「あれ、どこいくの?」

CP「外回りに」

みく「お疲れ様にゃ」

CP「皆さんはこのまま、待機をお願いします」

みく「了解にゃ!」

アナスタシア「ヤー」

まゆ「──取り外し忘れてたカメラが役に立つこともあるんですねぇ」

P「怪我の功名。だけど危ないからな」

まゆ「プロデューサーが鈍い人で助かりました」

P「さて……」

まゆ「それを持ってどこにいくんですかぁ?」

P「少し出掛けてくる」

まゆ「まゆも連れていって」

P「あげることはできない。ごめん」

まゆ「あぁん……」

奏「もう行くのね……」

P「おはよう。着崩れてるよ」

奏「……夕べは楽しかったわ。ありがとう」

P「あんな話でよければいつでも」

奏「いつ見られるかドキドキしたわ。でも……快感だった」

まゆ「あれから何してたんですか?」

奏「大人の……ううんただのゲーム」

P「誤解を招く言い方好きだね」

奏「フフッ」

P「ちょうどよかった。君に頼もうと思っていたところだ」

奏「私に?」

P「今日は午後から"彼女"と仕事だよね?」

奏「えぇ」

P「なら"彼女"が帰るときは連絡してほしい」

奏「今日はレッスンくらいしかやることないの。でもなんで?」

P「そこは気にしないで。とにかく重要なこと」

奏「帰りを知らせることが? 子どもじゃないんだからそんなこと……」

P「子供じゃないならわかる」

奏「…………」

P「君の中の子供っぽさについて議論してる時間はない」

奏「帰る素振りを見せたら連絡でいいんだよね?」

P「よろしく頼む」

奏「簡単よ、それくらい」

杏「……で」

奏「あら、おはよう杏ちゃん」

杏「おはよ。でさ、次は杏の番なんだけど」

P「早くしてくれるかって言いたいのか」

杏「そ。杏は欲しくて欲しくてたまらないよ」

奏「それじゃ、私はいくね」

P「くれぐれもよろしく頼む。行ってらっしゃい」

奏「ン」

杏「朝から刺激が強いね~。杏にはまねできないや」

P「さて、話だ」

杏「よっ、待ってました!」

P「前に言ったが多少のリスクは負ってもらう」

杏「休みのためならえんやこら。それで杏はどうすればいいの?」

P「簡単なことだ──」

CP「それでは、よろしくお願いします」

みく「あれ、Pチャン」

CP「前川さんですか。ここでなにを?」

みく「トレーニング。Pチャンこそなにしてるにゃ。ここトレーニングするところにゃ」

CP「挨拶を……」

みく「マメだにゃー。あっ、そうだ実はみく思い付いたんだけど!」

CP「ハァ……?」

みく「やっぱり3桁は多いから2桁に減らすにゃ! そうすればステージにも収まるし他の人にも迷惑にならない!」

CP「それは、どのくらいの量なのでしょう?」

みく「えっと、子猫だから……このくらい?」

CP「そのくらい、ですか」

みく「ね、ね、どうにかならない?」

CP「検討してみます」

みく「よろしくにゃ! それじゃみくはまだレッスンがあるから。バイにゃー!」

CP「…………」

CP「…………」

蘭子「クックックッ……」

CP「神崎さん……?」

小梅「こんにち……は……」

CP「ッ! 白坂さん……!」

蘭子「我が僕よ、よくぞ来た」

小梅「後ろから……ごめんね……」

CP「ハァ……?」

小梅「ずっと……待ってたんだよ……ここで……」

CP「ここではなんですので……部屋の方に……」

蘭子「ん我が僕よ! よく聞くがよい!」

CP「なんでしょう……」

蘭子「新たな友との魂の重なりは新たなステージに立った! 今こそ次なる儀式の時!」

CP「…………」

小梅「わっ……メモが……びっしり……」

CP「ユニットでの新しい仕事がほしい……といったところでしょうか」

蘭子「さぁ、決断の時!」

CP「企画してみます」

蘭子「プアァ!」

小梅「蘭子ちゃん……蘭子ちゃん……」

蘭子「ハッ……こほん。さらばだ!」

小梅「バイ、バイ……」

CP「……今日は皆さん、元気ですね……さて」

?「ウワッ!」

CP「っあ!」

?「いったた……」

CP「す、すみません双葉さん!」

杏「いったぁ……どうしたのプロデューサー」

CP「すみません、よそ見をしていたもので……すぐ医務室に!」

杏「大丈夫だってこのくらい。それより杏、今からレッスンだから……」

CP「ダメです。今すぐ医務室に」

杏「心配性だなぁプロデューサーは──」

ルキトレ「はい、今日はここまでです。お疲れ様でした」

奏「お疲れ様。お姉さんお休みで大変だったね」

ルキトレ「ホントそうですよ。緊張しました」

奏「フフッ、お疲れ様」

アナスタシア「スィストラ……姉妹、うらやましぃです」

奏「兄弟と姉妹、どっち欲しい?」

アナスタシア「アー……ブラット、兄弟がほしいです」

奏「兄と弟、どっちがいい?」

アナスタシア「スタールシイ……兄です」

奏「わかる。でもお姉さんもいいかも」

アナスタシア「スタールシャヤ、姉もいいですね」

ルキトレ「姉はやめといた方がいいです。面倒なだけです」

奏「お姉さんに言っていい?」

ルキトレ「えっ、ダ、ダメですよぉ! あ、用具の整理しなきゃ!」

奏「あ、逃げた」

アナスタシア「…………」

奏「さっきから時計気にしてるけどなにかあるの?」

アナスタシア「……なんでも、ないです」

奏「そう? じゃ着替えに行こっか」

アナスタシア「ヤー」

奏「あら」

奈緒「あ、お疲れ様です!」

奏「お疲れ様。今からレッスン?」

奈緒「はい!」

奏「加蓮は?」

奈緒「あ、加蓮は……」

奏「……ごめんなさい」

奈緒「いえ……でも加蓮の分まであたし!」

加蓮「私生きてるんだけど……」

奈緒「アハ、アハハ冗談だって」

奏「フフッ、ごめんなさい」

加蓮「もう……」

アナスタシア「……お先に、失礼します」

奏「もう帰るの?」

アナスタシア「用事、を思い出しました」

奏「そう。それじゃ」

アナスタシア「パカー」

奏「はい、パカー」

奈緒「はぁ?」

奏「どうしたの?」

奈緒「今のなに?」

奏「別れの挨拶。友人や家族間でするんですって」

奈緒「マジかよ……」

加蓮「奈緒、口調」

奈緒「あっ、やば」

奏「あんな元気に挨拶するなんてね。おかしくておかしくて」

奈緒「べ、別にいいだろう!」

奏「それで本当はなんの用事?」

加蓮「やっぱりバレてた」

奈緒「う、うるさいなぁ」

加蓮「歌のレッスンしてたんだけど、その前に体力作りしろって言われちゃって。あーやだな~。体力ないのに体力作りなんて」

奈緒「しょうがないだろう。それに体力ないから体力作りするんじゃないか」

加蓮「杏ちゃんの気持ちがわかるかも」

奏「これでよし、と」

奈緒「どした?」

奏「ちょっとした連絡。それより帰りにどこかいく?」

加蓮「ハンバーガーショップ!」

奈緒「おい!」

加蓮「え~、コーラ飲みたーい」

奈緒「プロテイン飲めって言われたろ?」

加蓮「えぇ~。薬で体作りって間違ってると思う」

奈緒「いや、そうかもしんないけど……ていうか帰宅方向逆だろ」

奏「同じ方向に帰ればいいんじゃない?」

奈緒「同じ方向って……」

P「──目的地付近についた」

??「……ふむ」

P「のはいいんだがその蛙の着ぐるみは何?」

??「わたくしの事は蛙とお呼びください」

P「見たままだね」

蛙「最近、ウィンドウショッピングなるものにハマっているのです」

P「体型維持のために食事制限されてるんだっけ。そういうのはウィンドウショッピングとは言わない」

蛙「美味しそうな食事を目の前にしても食べれず! 彼女は鬼です!」

P「それでも感謝はしてるんだろ?」

蛙「はい。実はカタカナ語というものを覚えました」

P「心なしかきちんとカタカナになってる」

蛙「えっへん。いんてりじぇんすが上がりました」

P「それでなんでここにいる。呼んだ覚えはない」

蛙「それでは神の思し召しなのでしょう」

P「シスターみたいなこと言うね」

蛙「?」

P「それでここに来た理由はなんだっけ?」

蛙「実はとある方、ハ……公蔵という御仁から依頼があったのです」

P「その依頼とは?」

蛙「友人の散歩こーすになにやら激しい電飾で飾った場所が出来て迷惑しているらしく。その電飾の正体を調査してほしい、との依頼です」

P「なるほどね。それを調査しに来てオレとあった」

蛙「はい」

P「その格好の理由は?」

蛙「変装です。潜入調査なので」

P「まぁいいけどね」

蛙「そちらはなぜここへ?」

P「こっちも似たようなものだよ」

蛙「なるほど。それでは参りましょう」

P「それなら歩きづらいから後ろに隠れるのやめてくれるかな?」

蛙「いざ!」

P「幽霊が出そうな雰囲気なのはわかるけどさ」

蛙「ヒィ!」

P「あれはただの水音だ」

蛙「同じ地下とは思えません」

P「そこ独特の雰囲気があるからね」

蛙「ここはどこへ繋がってるのでしょう」

P「駅に繋がってる。それも結構人が多い」

蛙「なんと」

P「一応携帯電話の電波も入る」

蛙「そのようなところにある謎の場所……」

P「幽霊は出ないよ。ところで都市伝説は知ってる?」

蛙「人々の噂話の類いですね」

P「一例を挙げると、地下に住む白髪鬼なんてのがある」

蛙「もののけの類いでしょうか?」

P「打ち捨てられたとある地下街にいるんだって。白くて長い髪を揺らしながら、なにかを呟いて歩いているんだとさ。話によれば男とも女とも言われている」

蛙「東京の地下にそんなもののけがいるとは……わたくしも修行不足です」

P「これから行くところもそんな場所なのかもしれないね」

蛙「幽霊は出ないと?」

P「かもしれない。十中八九出ないとは思う」

蛙「ふむ…………何をしているのですか? 参りましょう。こうしてる間にも物の怪が暴れるやもしれません。そうなれば一大事です。さぁ、参りましょう」

P「今は君が物の怪みたいなものだけどね」

みく『はんたーい!』

薫『はんたーい!』

奏「困ったわ……」

あい「ん?」

奈緒「参ったな……」

加蓮「だからここで話さない方がいいって言ったのに」

奏「でも聞かれたことには応えなきゃ」

あい「入り口に屯していったい何をしている」

奈緒「あっ、あいさん」

仁奈『ずりーでごぜーます!』

あい「なにやら物々しい雰囲気だが……」

奏「実は……」

みく『買い食いはんたーい!』

奏「ってわけなの」

薫『ずっこーい!』

あい「なるほど」

みく『みくは事務所からまっすぐこっちに向かったのに、みくより早く事務所出た奏チャンたちがみくより遅いなんてありえないにゃー!』

加蓮「だからそれはね、みくちゃん……」

みく『みくは薫ちゃんたちだけでここにいるのは危ないって思って寄り道もせずに来たのに! 奈緒チャンたちもそれ知ってるでしょー!』

奈緒「たしかに知ってたけど……」

薫『かおるさみしかったんだぞー!』

あい「大体事情はわかった。少しそこで待っててくれ」

加蓮「あ、はい」

みく『買い食いなんて不届き千万にゃー! 不良にゃ!』

薫『せんばんー!』

奏「私、悪い子だもん」

みく『悪い子は入室禁止!』

仁奈『そこで反省しやがれですよ!』

奈緒「だから悪かったっていってるだろぉ。あぁもう困ったなぁ」

加蓮「…………」

あい「お待たせ。ちょっと届いてくれるかな」

奏「えぇ」

薫『あいさんだぁ! こんばんはー!』

あい「こんばんは。少し話していいかな?」

みく『お、大人を出してくるなんて卑怯にゃー!』

あい「ここに出来立てのハンバーガーがあるんだがどうかな?」

みく『みくはそんなもので屈しないにゃー!』

あい「勿論、人に勧めるからにはそんじょそこらのハンバーガーじゃない。これがなにかわかるかな?」

仁奈『あっ! クマバーガーでごぜーます!』

奏「クマバーガー? 熊の肉でも使ってるのかしら」

奈緒「あれは……!」

奏「知ってるの?」

奈緒「とあるアイドルとのコラボ商品で、ハンバーガーが大好きだって曲からコラボに至ったっていうバーガーだよ! まだあったんか……」

加蓮「最近また売り出したんだって。人気により再販ってやつ」

奈緒「マジか……!」

加蓮「えぇ、マジ」

奈緒「特徴は大きさもさることながらなんと言っても形! なんとクマの形してるんだぞ!」

奏「あ、だからクマバーガー」

あい「どうかな?」

みく『お、おいしそう……でっ、でもみくは屈しない!』

奈緒「それにしても加蓮も知ってたなんてな」

加蓮「ああいうの好きだし」

奈緒「体に気を付けろよ」

加蓮「弱かったのは昔の話だって」

奈緒「それでも今はアイドルなんだからより気を付けなきゃ」

加蓮「奈緒ってお母さんみたい」

奈緒「なっ!?」

あい「君達が食べないなら私が食べよう。今日はお腹がペコペコだ」

みく『そんな手にはひっかから……!』

仁奈『うまそーでごぜーます』

薫『おいしそう……』

みく『にゃっ!?』

あい「どうかな? そっちの二人は欲しいようだが」

みく『ぐっ、ぐぬぬ……いっ……いいにゃ。通すにゃ。けど! みくは負けたわけじゃないにゃ! そこんとこ勘違いしないことにゃ!』

あい「わかってる。それじゃあ通してもらうよ」

奏「ごめんなさい、あいさん」

奈緒「ありがとう……」

加蓮「ごめんなさい」

あい「なに、いいさ。でも今後は人のことを考えて行動してほしい。いいかな?」

奈緒「あぁ!」

奏「えぇ」

加蓮「……うん」

あい「いい返事だ。さて、これを君達から渡してあげてくれ」

奏「お金はどうしたらいい?」

あい「いらない。その代わりこれを教訓にしてほしい」

奏「はい……」

奈緒「先いって渡しとく」

加蓮「そんなこと言って奈緒が見たいだけじゃないの?」

奈緒「そ、そんなこと……! あるかも」

加蓮「もう、奈緒ったら」

あい「元気なものだ」

奏「…………」

あい「どうした?」

奏「大人っていいなって思って」

あい「どうして?」

奏「こういう対応が出来るから」

あい「私の場合はたまたま車があり、近くにハンバーガーショップがあった。ただそれだけの事だ。大したことはしていない。車の力は大きいが」

奏「自分の中の子どもな部分に嫌気が差しちゃう」

あい「悩むことだ。さて、行こう」

蛙「──商店街が一つすっぽりと埋まっている。そんな印象を受ける場所です」

P「たしかにそんな風に見える。瓦屋根のデザインの店先、路地裏に繋がるように見える脇の通路」

蛙「ここは?」

P「住居」

蛙「このようなところに?」

P「昔の都市開発の名残だろう。様々な試みがなされたからね。その内、地下高速道路もこういった物の一つになるだろうね」

蛙「時に流された濁流の溜まり場、といったところですか」

P「芝居かがった台詞だな。普段からそうなのかな?」

蛙「はて、なんのことやら」

P「そろそろその噂の場所に着く」

蛙「鬼が出るか蛇が出るか」

P「ここだ」

蛙「外装は洋服店の陳列窓といった趣」

P「小さなショーウィンドウだな。中に入ってみよう」

蛙「覆いばかり。その壁の亀裂は……」

P「スリットだね」

蛙「しかし……面妖な。見渡せば見渡すほどおかしな店が目につきます」

P「明かりをつけよう」

蛙「ッ……少々赤みが強いですが暖かな色合いの電灯」

P「外と比べるとどう感じる?」

蛙「外の凍えそうな雰囲気とは違い、暖かさに思わず引き寄せられる。そんな雰囲気を持っている。そう感じます」

P「他には?」

蛙「生活感は感じられず、然りとて誰も来ていないわけではない……」

P「なぜそう感じる」

蛙「そこの椅子と寝具に"痕跡"はあれど、そこに"脈"を感じません」

P「ここにあまり帰ってきてるのを感じないってことか。他には?」

蛙「他には……むっ」

P「どうした?」

蛙「こういったものには疎いので確信は持てないのですが、恐らくこれは友人がいっていた最新もでるでしょう」

P「それより一つ古い。それにしても友人ねぇ」

蛙「はて、なんのことやら。友人は友人です」

P「それもそうか」

蛙「もう少し調べてみましょう」

P「いや、もう退いた方がいい。潮時だ」

蛙「引き際も肝心ですね。では退きましょう」

アナスタシア「タダイマ、です」

蘭子「闇に飲まれよ!」

アナスタシア「あ、ルァンコ。闇のま、です」

蘭子「幾多の戦場を乗り越えし朋よ! 力をみせよ!」

アナスタシア「?」

蘭子「さ、最近……調子どうかなー、って」

アナスタシア「絶好調、です。今日は、ズヴェズダ、星がキレイです」

蘭子「我が遠きを見る力、思いしれ!」

アナスタシア「ルァンコの日本語、難しぃです」

蘭子「み、見える?」

アナスタシア「ヤー……見やすぃです」

蘭子「魂の言の葉を聞かず……」

アナスタシア「タマシィのコトノハ……?」

蘭子「ろ……ロシア語、喋らないなぁ~……って」

アナスタシア「日本語、勉強中です」

蘭子「フム……」

まゆ「フフンフフフーフ、フフフ、フーフフー、そーばーにいーると……あら?」

アナスタシア「コンバンハ」

まゆ「こんばんは。いつ帰ってきたの?」

アナスタシア「さっきです」

まゆ「門限ギリギリね」

アナスタシア「ソーリー……すみません」

まゆ「何してたかわからないけど、みんな心配するからギリギリは止めてね。いい?」

アナスタシア「アー……ン……わかりました」

蘭子「あ、こ、これからあ、遊ばない?」

アナスタシア「ゴメンなさい。今日は、疲れました……」

蘭子「あ……」

アナスタシア「おやすみ、なさい」

蘭子「ぁ……ンー……」
まゆ「蘭子ちゃん」

蘭子「ヒッ! こしょばゆい!」

まゆ「あ、ごめんなさい……」

蘭子「わ、我に何用か!」

まゆ「ちょっと耳貸して」

蘭子「う、うん……」

まゆ「これからまゆと冒険しませんか?」

アナスタシア「…………」

アナスタシア「………………」

アナスタシア「……………………」

アナスタシア「………………」

アナスタシア「…………」

アナスタシア「……мама──」

P「…………」

薫「あっ、せんせぇお帰りなさーい!」

仁奈「ジャマしてるでごぜーます!」

P「ただいま」

奏「なに?」

P「ちょっとこっちへ」

奏「?」

P「ここでいいかな」

奏「誰もいない部屋に連れてきてどうする気?」

P「今日来ること誰かに連絡した?」

奏「誰にもしてない。あえて言うなら流れでこうなった、かな」

P「それは理由にならない。連絡してないってことかな?」

奏「そういうことになる……かな」

P「そうか……」

奏「フフッ」

P「何隣に座ってるんだ?」

奏「恥ずかしいの?」

P「…………」

奏「わっ……!」

P「…………」

奏「膝枕……にしては位置が違わない? 焦っちゃったの?」

P「以前言った通りだ」

奏「……ねぇ、そういうことするにはムードって大切なのよ?」

P「目的はそうじゃない。気持ちよくさせる気はない」

奏「えっ、本当にやるの……?」

P「そういうのが好きなら雰囲気を出してもいい」

奏「ふふ、そうしてくれると助かるな」

P「……意外と小振りだな」

奏「あ、そっち……」

P「さて……」

奏「えっ、本当にするの? ちょっと待って……ッ──」

薫「どーん!」

奈緒「お、おい、膝乗るなって」

薫「え~いいじゃん」

奈緒「立てないって」

薫「ガムテープ」

奈緒「おいおい、なにやってる……立てない!?」

仁奈「ガムテープの気持ちになるですよ!」

薫「べたー」

加蓮「あらあら、奈緒ったらモテモテ」

奈緒「見てないで助けろって」

薫「せんせぇ、遅ーい」

加蓮「何かする?」

薫「ジャンケン!」

奈緒「おい、人のヒザの上でジャンケンするなって」

仁奈「枕の気持ちになるですよ」

薫「まけたー」

加蓮「折り紙でもする?」

薫「わー、加蓮ちゃん折り紙上手ー!」

奈緒「ホントだ」

加蓮「でしょ? ちょっとした自慢なの」

P「お待たせ」

薫「あっ、せんせぇ遅いー!」

P「お待たせ」

薫「寝よー!」

P「そうだな」

加蓮「奏は?」

P「向こうで反省してる。君達も気を付けてね」

奈緒「? あ、あぁ」

加蓮「?」

仁奈「仁奈も寝てーです」

薫「せんせぇはかおるのー!」

まゆ「いいえ、まゆのよ」

奈緒「ッッ!!」

P「今日は寮にいってるはずだと思うが」

まゆ「来ちゃった♪」

蘭子「ほぁ~……」

加蓮「蘭子ちゃん、なんかボーッとしてるんだけど大丈夫?」

蘭子「夜に……電車乗っちゃった」

加蓮「電車?」

まゆ「ちょっと冒険してきたの♪」

P「夕飯はどうした?」

まゆ「蘭子ちゃんと外で済ませてきました」

蘭子「駅ナカ……ふわぁ」

P「そうか。オレと薫はもう寝る。あとは頼む」

まゆ「はい」

奏「──ハァ」

CP「あの……どうかなさったのですか?」

奏「ちょっとね」

CP「どこか、体調が優れないのでしょうか?」

奏「そう思うなら調べてみる? 私のカラダ」

CP「い、いえ! 自分は……!」

奏「ふふっ♪」

杏「……おはよー」

CP「っあ、おはようございます双葉さん」

杏「ン~……」

奏「どうしたの?」

杏「ちょっとねぇ……おっと」

CP「ッ双葉さん!」

杏「ごめんごめん、少し寝不足でさ」

CP「……っ!」

杏「あ、ちょっとプロデューサー!」

奏「あらら、どっか行っちゃった」

杏「だね」

奏「一変、途端に元気そう。仮病?」

杏「人聞きが悪いよ」

奏「違うの?」

杏「そこの階段でプロデューサーとぶつかって転んだんだよ」

奏「それにしては元気そう」

杏「受け身は取ったからね。でも痛いものは痛い」

奏「あの体格だものね」

杏「小粒な杏は吹き飛ばされたよ」

奏「どのくらい飛ばされたの?」

杏「ゴーレムに吹き飛ばされる……っていってもわかんないか」

奏「ゴーレムってファンタジーに出てくるアレ?」

杏「知ってるの?」

奏「映画は見る方だから」

杏「ゴーレムプロデューサー」

奏「チャーミングの欠片もないわね」

CP「双葉さん!」

奏「あ、戻ってきた」

杏「んっ、ン~……なにプロデューサー?」

CP「これを」

杏「なにこれ?」

CP「臨時の休暇届けです」

杏「休暇届け? うれしいけど何で?」

CP「今、医師に相談したところ……頭を打ってから数日は、安静にしていること、との事なので……すみません……」

杏「いや、プロデューサーは悪くないよ。しっかり前を見えなかった杏が悪いんだし……」

CP「いえ、自分の不徳のなすところで……」

杏「えっと、ここに理由書けばいいんだよね……」

CP「はい……」

杏「……下向くのきつい……」

奏「代わりに書くわよ?」

CP「いえ、ここは私が……」

杏「大丈夫だって……えっと……」

CP「双葉さん……」

奏「…………」

杏「──休みだー!」

奏「……意外と女優なのね」

杏「演技派だよ、杏は。まぁ、体が痛いのは本当だけど」

P「お帰り」

杏「働き者がいるかもしれないところにいられるか! 杏は寝るぞ~!」

P「体はどう?」

杏「痛い。マッサージして」

P「骨格が歪んだかな。整体は今日休みだから明日にでもいけばいい」

杏「杏の上に乗ってくれればいいからさ。ね?」

P「うつ伏せになって」

杏「はいはい……よっと……あたた」

P「乗るよ」

杏「よろしく~うっ。あっ、固いのが……ッはぃって……くゥぅ」

P「大丈夫?」

杏「イッ……グ……」

P「これくらいにしておこう」

杏「あ~、背骨入った入った。それじゃ杏は寝るよ」

P「おやすみ」

奏「…………」

杏「あ、そういえば事務所にいるときからモゾモゾしてたけど何かあった?」

奏「ちょっとね」

杏「もしかして痔?」

奏「……違うわよ」

杏「ふ~ん。ま、いいけどね。それじゃ~」

P「パソコンは使うから空けておいてね」

杏「う~ぃ」

P「よほど休みが嬉しいようだ」

奏「…………」

P「今日は連絡してから来たね」

奏「いくら私でも少しは学習する」

P「それで何をしに来た」

奏「あなたに叩かれたお尻が痛くて。見る?」

P「まだ赤いのはわかってる」

奏「座るときヒリヒリして大変だったんだから。少しは責任感じてもいいんじゃない?」

P「自業自得」

奏「ところであなたはここで何をしてるのかしら?」

P「生活」

奏「私も人のこと言えないけど平日よ?」

P「夕方だ」

奏「まぁ普通なら私も部活してる時間だろうけど……」

P「入ってないからね」

奏「秘密を抱える男女。ミステリアスだと思わない?」

P「美貌の秘訣」

奏「秘密があると見れば人は私を見るもの」

P「秘密がなくても人目を引く容姿だけどね」

奏「……氷もらえる?」

P「…………」

奏「…………」

アナスタシア「おはよう、ございます」

CP「おはようございます」

アナスタシア「…………」

CP「アナスタシアさん、肩にゴミが……」

アナスタシア「ッ……」

CP「あ……すみません」

アナスタシア「イズヴェニーチェ……すみません。少し驚いただけ、です」

CP「こちらこそ、すみません……」

アナスタシア「…………」

CP「…………」

小梅「爆発……すればいいのに……」

CP「ッ!」

アナスタシア「コウメさん」

小梅「おは……よう」

CP「おはようございます、白坂さん」

小梅「…………」

アナスタシア「?」

小梅「…………」

アナスタシア「なん、ですか?」

小梅「ううん……なんでも、ない」

CP「私は奥にいますので、なにかあればお声がけを……」

小梅「うん……」

アナスタシア「…………」

小梅「…………」

アナスタシア「…………」

小梅「…………」

蘭子「闇に飲ま……れよ……」

アナスタシア「…………」

小梅「…………」

蘭子「ぴょえ……」

小梅「……あ、蘭子ちゃん……」

アナスタシア「ルァンコ、おはよう、ございます」

蘭子「ウ、ウム……」

CP「おはようございます、神崎さん」

小梅「…………」

アナスタシア「…………」

CP「…………」

蘭子「はにえぇ……」

杏「グー……グー」

P「…………」

杏「スー…………ン」

P「…………」

杏「ん~……んっ、ンっ、ん~よく寝た」

P「おはよう」

杏「おはよ……なにしてんの?」

P「調べもの」

杏「調べもの?」

P「見てもいいがひかないでね」

杏「何かにもよるよ……うわっ」

P「見つけた」

杏「杏は人の性的嗜好に口出さないけどさすがにこれは……」

P「その趣味はない」

杏「うわ~杏の貞操の危機」

P「もう結婚出来る年齢でしょ」

杏「たしかに。でも洋ロリはちょっと……」

P「汗かいてるけど着替えないのか?」

杏「あ、ホントだ」

P「そこに着替えがあるから出して着て。そのままだと風邪になる」

杏「休みを手に入れ風邪になっちゃバカだもんね。よいしょっ。あ、こっち向かないでね」

P「向かないよ」

杏「動くなQTE」

P「極限状態でバスタオル一枚の美女がいても向かないよ」

杏「うわーイヤミだー杏は深く傷ついたー」

P「はい飴」

杏「あぁもっ……うまうま。んへ、んっへんんっんんへっほ?」

P「食べ終わってから喋って」

杏「なんでそんなことしてるの?」

P「必要なことだから」

杏「抜いた後換気してよ。イカ臭い部屋で寝たくない」

P「だからそれ目的じゃない」

杏「プロデューサーがやってても調べものかな?で済むけどPさんが調べてたら通報ものだよね。無職男性幼児を連れ込みいかがわしい行為。新聞の見出しはこれしかない」

P「被害にあわないようにここを出ていかなきゃね」

杏「私は幼女ではない。花も恥じらう17歳なんだぞ。だからここを出ていかなくてもいいのだ」

P「無職男性女子高生を連れ込みいかがわしい行為。これに見出しが変わるだけ」

杏「自虐は良くないよ。通報といえばプロデューサー、また通報されたよ」

P「いつ?」

杏「いつだったかな? 多いからわかんない。たしか小梅ちゃんと行動してた時だったかな? でも通報されても無傷なんだよね」

P「また君か状態だからね」

杏「そのうちケーキでも出されるんじゃないかな」

P「よくお世話になる不良じゃないんだから」

杏「立てば大柄、座れば武士、歩く姿は傭兵」

P「ところでプロデューサーはどう?」

杏「近づくにつれ胃がキリキリする。突然現れたらおしっこ漏れる」

P「そんなにか」

杏「考えただけで……ウップ」

P「胃液が上がってきたか」

杏「ごめん、トイレに担いで……ウェップ」

P「わかった」

杏「ごめん……」

P「聞いたオレが悪かった」

杏「…………」

アナスタシア「──お疲れ様です、プロデューサー」

CP「お疲れ様です。あの、この後お時間よろしいでしょうか?」

アナスタシア「……ニェート」

CP「…………なるほど。すみません」

アナスタシア「ニェート……悪いのはワタシです」

CP「お時間を取らせてすみません……」

アナスタシア「…………」

CP「……さようなら」

アナスタシア「ダスヴィダーニァ……」

CP「…………」

??「……こんにちは」

CP「あなたは……橘さん。なんのご用でしょうか」

ありす「そう、橘です。尋ねたい事があって来ました」

CP「尋ねたい事……ですか?」

ありす「アナスタシアさんの事です」

CP「彼女が、どうかしたんですか?」

ありす「不気味なんです」

CP「不気味、とは?」

ありす「何もかもです。私だけじゃなくてみんなそう思ってます! 第一、名字がないなんておかしいじゃないですか」

CP「そういった方もおりますので……」

ありす「担当であるあなたなら知ってると思い、ここに来ました」

CP「誠に申し訳ありませんが、私にも彼女の本名はわかりません……」

ありす「気にならないんですか?」

CP「そういったことは、あまり詮索しない方がいいかと……」

ありす「……やっぱりあなたは」

CP「……すみません。誰か来たようです。お入りください……」

奏「こんにちは。今、いいかしら?」

CP「どうぞ……」

奏「あ、やっぱりいた」

ありす「っ、速水さん」

奏「プロデューサーに迷惑かけちゃダメよ」

ありす「迷惑なんてかけてません。私はみなさんが思ってることを代弁しただけです」

奏「ありすちゃん」

ありす「ありすじゃないです、橘です」

奏「ごめんなさいプロデューサー。ほら、謝って」

ありす「…………」

奏「こら、どこいくの」

CP「…………」

奏「ごめんなさい」

CP「いえ、彼女の言うことも、尤もですので……」

奏「そう。なら、いいんだけど……」

CP「…………」

奏「でも……」

CP「はい……?」

奏「本当に気にならない? 彼女のこと」

CP「はい。自分はただ、過去がどうあれアイドルをプロデュースする。ただそれだけですので……」

奏「ふぅーん。やっぱりあなたってチャーミング」

CP「チャ、チャーミング……ですか?」

奏「そ。かなりチャーミング。本当、欠片もないあの人に見習わせたいくらい」

CP「ハァ……?」

奏「それじゃ。本当にごめんなさい。担当でもないのに迷惑をかけて」

CP「いえ」

奏「またね──」

杏「っあー……きっつ」

P「前にかかったな」

杏「全部吐き終わったと思ったんだけどなぁ」

P「波は突然やってくる」

杏「杏としたことが不覚だよ」

P「洗濯機ももう少しで洗濯が終わる」

杏「脱水と乾燥やってくれるなんて万歳だね」

P「干すのは手動」

杏「ファッキン洗濯機」

P「それまではオレのシャツで我慢して」

杏「ワンピースみたいになるから楽チン。下に何も着けなくてもいいし」

P「さて、出るか」

杏「えっ、もう?」

P「洗濯が終わる」

杏「そんなこと言ってもまだ脱水と乾燥あるじゃん」

P「干す準備がある」

杏「それにせっかくの休みだし処理も手伝ってもらいたいしさ」

P「処理?」

杏「杏も溜まるものは溜まる」

P「指疲れる」

杏「あ~、それについては大丈夫。今回、指が疲れることはないよ。動くのは杏」

P「…………」

杏「ね? どうせ数日の内には処理してもらおうと思ってたし」

P「今やればあとやらなくていい保証は?」

杏「我慢できないってわけじゃないし我慢するときはするって」

P「ならやるよ。どうすればいい?」

杏「そうこなくちゃ。じゃ、そこに仰向けになって」

P「よっ。次は?」

杏「あとは私がやるよ。マグロの気持ちになるですよ」

P「仁奈の真似か」

杏「趣味じゃない?」

P「今やられるとね」

杏「失敗したかな。さて、まずは杏の親指サイズのコレを……」

P「そんなのどこで覚えた」

杏「インターネット」

P「まぁ、そうだよね」

杏「袋を優しく触って……これくらいかな」

P「次は?」

杏「コレの上に跨がって……よっしょ」

P「素股か」

杏「ちょっとずつ動く……ほっ、ホッ、お……また大きくなった」

P「それで?」

杏「冷めてるなぁ。しかし、これって何て言うか面白いね」

P「どこが?」

杏「だって股の下で大きくなるのがわかるんだよ? 大きく硬くなるのわかるし、裏筋出来てくのもわかるもん。こういうの何率っていったっけ?」

P「膨張率」

杏「そそ、それそれ。で、皮めくればまた違った感覚が味わえる。一度で二度美味しい」

P「飴か何かかな?」

杏「ロリポップ」

P「体揺すって大丈夫?」

杏「吐いたらゴメン」

P「すぐ処理できるからいいよ」

杏「それにしてもこの体位さ。腰動かすの楽しいけど疲れる」

P「楽にしてくれていいよ」

杏「じゃ少し寝そべる。あ、これ腰のトレーニングになりそう。杏の下の口で舐めてるみたい」

P「少し上の方に移動して」

杏「ン……わかった……これでいい? ぁいいかもこれ」

P「こういうのもなんだが硬くなってるのがわかる」

杏「その言い方セクハラっぽぃっ……」

P「キツくなってきたらのし掛かっていいよ」

杏「そう、する。このまま続けたら、イッたとき腰抜けそうだし。それ、に……事故でズッポリいきそう」

P「それは怖いな」

杏「っア~疲れた。あとは手でするね」

P「左右から両手で挟むのはいいけど寝そべりながらでそれはやりにくくない?」

杏「……ちょっと下にずれるね」

P「ん」

杏「袋の感触がクセになりそう」

P「引っ掻かないでね」

杏「破けたら中身出るもんね。それとこれ。お腹押される感覚がまた、ね」

P「そう」

杏「よッ……ン……ハァ……ハッ……ハァ」

P「…………」

杏「杏の息づかいしか聞こえないの恥ずかしいから何かしてよ」

P「何か話すか」

杏「そ、して……体位、変える」

P「首に手回していいよ」

杏「耳に、息、かかっ……るけど、いいの?」

P「大きな声で喋らなくて済む」

杏「じゃ、そうする……ハッハッ……っン」

P「さて、何を話すか」

杏「なんでも、ィ……いいよ」

P「プロデューサーの印象は?」

杏「それ……いまっ……きく?」

P「気を反らそうと思って」

杏「まぁっ、妥当……かな、フッ……あッ」

P「可もなく不可もなくか」

杏「よくわか、らァないけどっ……優秀なんじゃ、な、い?」

P「そうか」

杏「……れよりさ。アナっスタシァっのことだけど……フゥッ」

P「何か気になることでも?」

杏「仕事以外で……笑ッ……てるとこ、見たこと……なっ……いんだけど、さ」

P「表情が豊かな方ではないからね」

杏「待ち時間話してても、そ……ぅ……なんだよ、ねッ」

P「話の続きは終わってからにしよう。喋りづらそうだ」

杏「ありがと……フッフゥッ……ッフッ、ハッ、ハッ、アッ、あッ、ハッ、ハッァ、あッ、アっアッ、あッぅア……ッアッア」

P「…………」

杏「フッフッ、フスッ、スッフスっ」

P「あとちょっとだね」

杏「ィ……ッ──」

P「お疲れ様」

杏「ハァハァ……」

P「呼吸整えて」

杏「Pさんも……すごいね、この量」

P「久し振りだったからね」

杏「杏のイカっ腹の感触どうだった?」

P「スベスベだね」

杏「そ、やば……まだ息切れるっ」

P「徐々に呼吸整えて」

杏「ハ、ハァ~スー……ッァハー、あのさ」

P「大丈夫?」

杏「うん……でさ」

P「何?」

杏「間際に背中優しく叩くのやめてくれない? あれやられるとスゴい効くんだよね」

P「ごめん」

杏「ん……」

P「それでアナスタシアの事で気になってる事って?」

杏「ああ、それ。あのさ、仕事以外で笑ってるとこ見たことないんだよね。表情が豊かじゃないのは見ればわかる。だけど仲良い人と話してても、なんていうか笑ってないんだよね」

P「常に顔色を伺ってるように見えるってわけ?」

杏「顔色……ん~そういうんじゃなくて……怖さみたいな。隠し事してる人の顔」

P「なるほど。それはどんなときに起きる?」

杏「他の人がスマホで連絡とってるとき」

P「ロシア人は基本的に頑固で人を信用しないからね。悪口を言われてると思ったんだろう」

杏「あれはそれとは違うっぽい」

P「なんなんだろうね」

杏「ホントは知ってるくせに」

P「他人の気持ちは推測するしか出来ない」

杏「それでPさんはどう推測するの?」

P「確信を持てないことは言えない」

杏「うわっ、めんどくさ」

P「着替えないと湯冷めするよ」

杏「なんかこのシャツ違和感少ない」

P「いつもが大きめの着てるからだろう」

杏「むしろ下がない分いつもより楽」

P「さて、洗濯物を干したら調べものをするがいいね?」

杏「干す必要ないのに」

P「持ちの問題」

杏「はた負けTシャツはトレードマークだけど予備あるし……」

P「出費が増えるとその分お菓子やゲーム買えなくなるよ」

杏「飴がないと杏生きてけない」

P「でしょ? それじゃ干すよ」

杏「お願い──」

P「…………」

杏「…………」

P「…………」

杏「あれ? これどうやったっけ……」

P「…………」

杏「あっ、思い出した」

P「…………」

杏「さっきから何調べてるの?」

P「アナスタシア関連のブログ」

杏「ブログやってたっけ?」

P「ファンのブログだよ。これ」

杏「どれどれ……今日駅で見掛けた、チョー嬉しい……へぇ」

P「納得いった?」

杏「その下の一文なければ。なにさ、だからついてくって。ストーカーじゃん」

P「諦めずそれに固執すればストーカーだが、哀しいかな、これくらいは日常行為だ。これ以降ブログには書いてない」

杏「怖っ。それでそんなのどうするの?」

P「こういうものをいくつも集めれば行動範囲がわかる。今はとある推測に使ってる。ほら」

杏「うわっ、スゴ。地図にマーカーがいっぱいじゃん」

P「他にも興味本意で尾行する人がいるがすぐに見失う。それをまとめたのが黒のマーキング」

杏「三角測量だっけ?」

P「似たようなものだよ。今は関係ないところを省く作業中」

杏「お金もらってもやりたくない……」

P「確証をより深める作業だからやるしかない」

杏「トレーニングとか苦手。不労所得万歳」

P「たしかに行動パターンが変わってないか、この時はどこでどうしてたか調べるから面倒だね。一番仲が良い人は今多忙だからブログにアナスタシアの事を書いていない」

杏「そういえば事務所でもあんまり見ない」

P「だから他のものに頼るしかない。幸い彼女は案外人気者だからね」

杏「見た目に反して優しいからね。あれで殺せ、ロシア人だって性格だったら阿鼻叫喚だよね」

P「その前にオーディション受からせないし、クビにするよ」

杏「だよね」

P「説明はこれくらいでいいかな」

杏「うん。ありがとう」

P「それじゃ作業に戻る──」

まゆ「ただいま戻りましたぁ」

杏「……おかえり。Pさんなら出掛けたよ」

まゆ「あら、残念。あ、でも晩御飯作って驚かせちゃお♪」

杏「…………」

まゆ「あら?」

杏「ノックだね」

まゆ「ノックね。誰かしら。はぁ~い」

杏「誰?」

幸子「遅いですよ! カワイイボクの手に傷が、ヒッ!」

まゆ「こんばんはぁ幸子ちゃん」


幸子「こっ、こここんばんはっ!」


まゆ「何か用ぉ?」


幸子「お、ぅお菓子があっ、余ったのでもらってきたんですが、た、食べきれないので、ヒッ、日頃の感謝も込めてお裾分けにきましたっ!」


まゆ「わざわざどうも♪ あ、そこじゃなんだから上がってお茶にしない?」


幸子「ゆ、夕飯に差し支えるので、しっつれいします!!」


まゆ「ふふっ、照れ屋さん」

杏「なぁ、誰だったの? あ、お菓子」

まゆ「幸子ちゃんからお菓子もらっちゃった。お夕飯前だけど軽くお茶にしましょう」

杏「スタジオにあったときからおいしそうおいしそうって思ってたのに食べれなかったやつだ」

まゆ「そうなの?」

杏「うん。番組でもらったけど食べきれないかもって」

まゆ「スタッフが美味しくいただきました?」

杏「そ。ぶっちゃけ旅番組でいく先々でもらったらしいからね。困り果てた末のってわけ」

まゆ「そうなの。知らなかったわ」

杏「持つべきは物くるる友だよ」

まゆ「Pさんにも残しておいてあげてください」

杏「独り占めしないよ」

まゆ「ところでPさんがどこにいくかは聞いてる?」

杏「場所まではしらない。ただ、行ってくるだけ」

まゆ「Pさんが誰にも行き先を言わず出掛けるなんて……まさか、浮気!?」

杏「それはないんじゃない?」

まゆ「それもそうね」

蛙「──無くて七癖あって四十八癖。癖はこの様になっておりますが、人の秘密はいくつなのでしょう」

P「あると無いとを割って、六箱無いよにはこないよ。やはり七つだな」

蛙「開けてはいけない玉手箱」

P「数字でいうと6.85714285714」

蛙「数字はお止めください」

P「ところでなんでここにいるの?」

蛙「謎を謎のままにしておくのを良しとしない依頼主なので」

P「探偵みたいなことするね」

蛙「あの様にはーどぼいるどではありません」

P「何を指して言ってるのかわからないが憧れるのはわかる」

蛙「なによりあの異様な雰囲気。気になります。街というのは人の思いが固まり……」

P「つまりワクワクしてるわけだ」

蛙「知的探究心とでも言いましょうか」

P「見たくないものも見るはめになる。それでも?」

蛙「見なければならないものから目を背けたわたくしには必要な事なのです」

P「わかった。それならまずはその弁当をどうにかしよう。それじゃまるでピクニックだ」

蛙「何があるかわからぬ故」

P「過ぎたるはなお及ばざるが如し」

蛙「後悔先に立たずとも申します」

P「生き埋めになって食料を争うよりいいか」

蛙「では……いざ!」

P「両脇に籠持ってるのはやっぱり異様だ」

蛙「…………」

P「何か見つけた?」

蛙「この自動販売機は何を売ってるのでしょう。明るいなにやらと書いてあります」

P「コンドームの自販機だよ」

蛙「というと避妊具ですか」

P「さすがに知ってるよね」

蛙「そういう知識は大事ですので。無知に漬け込み拐かす輩から身を守るために」

P「使ったことは?」

蛙「ありません」

P「これは避妊具として使うのはもちろん。実は水をいれるのにも使える」

蛙「なんと」

P「1Lは入る」

蛙「ですがひとつ問題が」

P「まぁ、持ち歩けないよね」

蛙「はい」

P「先に進もう」

蛙「面妖な……」

蛙「……目的地は目の前ですが、やはり異様な佇まいをしております」

P「この近辺の雰囲気も相まってね」

蛙「ここはどの様な思いから作られたのでしょう」

P「負の感情からだろうね。目的はそれの除去だろうけど」

蛙「ネガティブというものですね」

P「発音できたね」

蛙「記者の方が話してるのをよく聞くので」

P「ネガキャンか」

蛙「歴史を学ぶというのは感情を学ぶのと似ている。最近はそう考えております」

P「飲み込まれないようにね。さて、入ろう──」

蘭子「フゥンム……」

アナスタシア「ルァンコ、何してますか?」

蘭子「はぴぃ!!」

アナスタシア「オゥ……すみません」

蘭子「な、何用だ!」

アナスタシア「ルァンコがなにか悩んでます。だから、どーしたかと思いまして……」

蘭子「げ、幻影ぞ!」

アナスタシア「洋服のデザイン、ですか? ワタシ、ルルァンコのデザイン好き、ですよ」

蘭子「フ、フム……なかなか見る眼がある。我と共に魔導を学ばんとするか」

アナスタシア「?」

小梅「アーニャ、ちゃんも……デザインに……興味あるの……?だって……」

蘭子「ウンウン……!」

アナスタシア「アー……ワタシ、そういうの苦手です」

蘭子「…………」

小梅「落ち込まないで……」

アナスタシア「…………」

小梅「アーニャちゃん、も」

アナスタシア「ありがとございます……」

菜々「おっはよーございまーす! 安部菜々17歳、ただいま出勤いたしました! キャハ☆」

蘭子「…………」

小梅「…………」

アナスタシア「…………」

菜々「あ、あれ? なにかやらかしました?」

小梅「…………」

菜々「あ、あーそれなんですか?」

蘭子「ッ!!」

菜々「あれ、またやらかした!?」

アナスタシア「ルァンコのデザインノート、です」

菜々「デザインノート?」

小梅「洋服が……いっぱい書いてる……」

菜々「あっ、あ~そういうのですか。いやぁ~菜々も中学生の頃よくやりました」

蘭子「ま、真なるか……!」

菜々「はい。今でも作れるものなら作ってもらいたいくらいですよ。菜々にはそういった能力はありませんから……あっ、でも簡単な刺繍くらいならお母さんから教わったから出来ます」

蘭子「おぉ~!」

菜々「なにせ菜々はJKですからお裁縫の一つや二つ出来なきゃです。だって菜々はJKですから、J・K!」

アナスタシア「ァラァンコ、JKとはなんですか?」

蘭子「失われし呪文……」

アナスタシア「失われし?」

小梅「わかんない……だって…………JKって……いうのは……女子高生のこと……だよ」

アナスタシア「女子高生……それでJKなんですね……つまりspellout……スペルアウトのこと、ですね」

小梅「…………」

CP「………………」

アナスタシア「どうかしましたか?」

小梅「ううん……なんでもない……」

菜々「やっぱり菜々はフリフリだと思うんですよ。JKだし!」

蘭子「ウム」

小梅「…………」

菜々「──明るい色の方がJK的にはいいと思います!」

蘭子「だが其は蒼の果実、漆黒に身を包みし乙女なるぞ」

菜々「えっと、たしかにJCの制服は黒系多いですけどだからこそだと菜々は思うんです! うん!」

蘭子「愚かなる視線に晒すというのか!?」

菜々「見られてキレイになるって言いますし!」

蘭子「否ッ、断じて否ッ!」

菜々「いーえ、絶対明るい色!」

蘭子「ここが攻め時ぞ! 我は退かぬ!」

CP「…………」

小梅「…………」

菜々「ん、どうしたんですか?」

小梅「出てった、ね……」

菜々「プロデューサーですか? 出ていきましたね」

小梅「…………」

菜々「どこいくんですか? そっちはデスク……」

小梅「…………」

菜々「か、勝手に引き出し開けちゃダメですよっ」

小梅「…………これ……手紙……だね……」

菜々「手紙ですね。勝手に見ちゃダメですよ」

蘭子「フミ……」

小梅「勝手に……見ちゃ…………ダメだよ、ね……」

菜々「そう、ダメであっ!」

小梅「…………」

菜々「床に落としちゃダメですよ。もう」

小梅「開いて……見てない…………セーフ……」

菜々「ぬぁっ、たしかに開いてはな……いやいやいやダメですよ、うん」

小梅「…………」

菜々「…………」

蘭子「…………」

菜々「いや、だから読んじゃダメですって」

小梅「でも……気にならない?」

菜々「うぐっ……」

小梅「…………」

菜々「おっ……落ちてる物が目に入るのは、しっ、仕方ないですよね」

小梅「だね……」

蘭子「うむ」

菜々「いいですか? これ以上近付いちゃダメですよ!? あくまで、あーくーまーでっ、目に入っちゃったですからね」

小梅「…………」

菜々「み、見えない……」

小梅「……へぇ……」

菜々「な、菜々は老眼じゃないですよ。だってJKですもん!」

小梅「誰からか……わかっ……た……」

菜々「あ、あぁそっちですか」

小梅「うん……」

菜々「……お、落ちてるものは拾わなきゃなあーあ~あー菜々が拾わなきゃあーよっこいしょ──」

P「それで持って帰ってきたわけか」

菜々「もっ、持って帰ってきてよかったのかな~って」

小梅「……いまさら……?」

P「…………」

菜々「誰からかわかります?」

P「書いたのはわかります。頼んだのは……名前を嫌うあの子でしょう」

菜々「書いた人と出した人が違うんですか?」

P「読めばわかります」

菜々「あ~実はよく読めな、眼が疲れてて! 眼が疲れててっ!」

P「改めて読んでみてください」

菜々「どれどれ……」

P「手紙が喋ってると思えば分かりやすいかもしれません」

菜々「えっと……」

  『やぁ、元気かな? おっと、キミは今こう思っただろうね。「こいつは誰だ?」ってね。でも手紙なんてそんなものだろう? イ≡私もそう思うときがある。それくらい当たり前さ。でも今はそんなことどうだっていいんだ。重要なことじゃない。「長々とどうでもいいことを……早く本題に入ってくれ」今、そう思ったね? うん、たしかにそうだね。それでは話そう。今、重要なのはキミの担当しているアイドル。正確に言うことが赦されるなら、アイドルの"秘密"だ。キミの担当しているアイドルには秘密があるらしい。いや、誰にだってそれくらいある。当然さ。でもね、果たしてそれでいいのかい? 誰にでもあることで済ませてもさ。実は猛烈に気になっている。違うかい? もし興味があるならとある場所まで来てほしい。詳細は追って連絡する。一先ず、興味があるなら繋がる橋まで来てほしい。いや、これは願いじゃないからほしいは可笑しいな。興味があるなら繋がる橋まで来る。これだね。楽しみに待ってるよ。それでは』

菜々「改めて読んでみると長いですね。菜々には目が疲れ……てゅぉ、ところでこれのどこで書いた人と頼んだ人が別ってわかるんですか?」

P「途中に早く本題にとありますよね? それは書いてる途中に文句をいったからです。依頼人から急かされたんでしょう。まぁ、ささやかな抵抗ですね。それにここで秘密があると言い切っているのに、ここでは秘密があるらしいになってます」

菜々「ほへ~、なるほど。あ、でもそれを見越した罠とかは?」

P「そこまで回りくどいことしませんよ。それとその手紙、戻さなくて大丈夫です」

菜々「戻さないと怪しまれますって」

P「それなら白を切ればいいんですよ。それにそんなに見られたらまずいと思ってる手紙を鍵のない引き出しに仕舞いません」

菜々「まぁ……たしかに」

P「推測になってしまいますが、彼自身その手紙についてはそれほど気にしてないと思います。アイドルが楽しければいい。そんな人ですからその手紙もアイドル達の遊びだと思ってますね」

まゆ「まゆが危ない人じゃなくて良かったですね♪」

菜々「まゆちゃんっ!?」

P「お帰り」

まゆ「ただいま♪」

菜々「まゆちゃんが危ない人じゃなくて良かったって、どういうことですか?」

まゆ「実は以前、プロデューサーさんにとある事を聞こうと思ったので機会を窺ってた事があるんです。その時、担当の子達が私の事を警戒してプロデューサーさんを守ってたんです。本人はアイドル達の遊びだと思ってたし、何人かは遊んでましたけど。でもあの時近付いてた私が本当に危ない人だったら……って話です」

菜々「あの人なら自分の身くらい守れそうですよ?」

P「自分の身は守れてもアイドルは?」

菜々「あ……」

まゆ「あの時最も近付きやすかったみくちゃん達は今頃……それになにも近付かなくても方法はたくさんあります」

菜々「飲み物にサーッとなにか入れる……とか?」

まゆ「オーソドックスですけど効果的ですね。飲み物の下に誰かの名前を書いて、手作りです♪と書いたメモを挟んでおけば、多少味が変でも気にしません」

菜々「お、恐ろしい娘っ……!」

P「与太話はそこまでにして、本題に入ろう」

まゆ「そうですね。例の物出来ました。作るのに少々骨が折れちゃいました」

P「ありがとう」

菜々「例のもの?」

まゆ「今はまゆの部屋に飾ってあります。見に行きますか?」

菜々「見る前に説明受けたいかな~……ちょっと怖いし」

まゆ「服です」

菜々「服?」

まゆ「はい。デザインはとある子からもらって……」

菜々「へー、どんな服ですか?」

P「衣装みたいなものですよ。ステージ衣装というか演劇衣装に近い」

菜々「なるほど。でもなんで頼んだんですか? もしかして着るとか……」

P「オレは着ない。こんなこともあろうかと頼んでおいたんですよ」

まゆ「どう転ぶかわかりませんし。試着させてきますね」

P「わかった」

菜々「わかるようなわからないような……」

P「時が来ればわかります」

アナスタシア「──おはようごさいます、プロデューサー」

CP「おはようございます、アナスタシアさん」

アナスタシア「それは、手紙ですか?」

CP「なんでもありません。ところで、アナスタシアさんは、何か悩み事はありますか?」

アナスタシア「悩み事、ですか? アン……ないです」

CP「そうですか……変なことを聞いて、すみませんでした」

アナスタシア「ニェート、問題ありません」

CP「日本語の勉強、頑張っていますか?」

アナスタシア「ハイ。カナリ上達したと、思います」

CP「そうですか……頑張ってください。それでは……」

アナスタシア「…………」

ありす「あ……」

アナスタシア「ドーブラエウートラ……おはよう、ございます、アリス」

ありす「橘です。何回いえばいいんですか……」

アナスタシア「イズヴィニーチェ……ごめんなさい」

ありす「謝ってないで覚えてください」

アナスタシア「…………」

ありす「…………」

アナスタシア「あの……」

ありす「私には協力者がいます。ですからあなたの秘密を絶対暴きます」

アナスタシア「ッ!」

ありす「それでは」

アナスタシア「……ダスヴァダーニャ」

みく「あれ? アーニャちゃん何してるの?」

アナスタシア「みく……」

みく「入らないの?」

アナスタシア「すみません……」

みく「誰かいる?」

アナスタシア「たぶん、プロデューサーが」

みく「早いにゃ~まだ朝なのに。おっはようにゃー!」

アナスタシア「……誰もいません」

みく「そんにゃ~」

アナスタシア「…………」

みく「勉強でもしよ」

アナスタシア「…………」

みく「…………」

アナスタシア「……みく」

みく「何? アーニャちゃん」

アナスタシア「みくには、ヒミツや隠しごとありますか?」

みく「ギクッ、な、なにもないよ」

アナスタシア「そう、ですか……」

みく「…………」

アナスタシア「…………」

みく「………………」

アナスタシア「みく、汗かいてます」

みく「……ごめんにゃ!」

アナスタシア「どーしました?」

みく「アーニャちゃんの焼き肉弁当食べたのみくにゃ!」

アナスタシア「ヤキニクベントー?」

みく「だって焼き魚弁当と焼き肉弁当が並んでたら焼き肉弁当の方がいいにゃ。それにみくお魚食べらんないし……しかたなかったんだにゃ!」

アナスタシア「みく」

みく「ヒッ!」

アナスタシア「そのくらい、大丈夫です。気にしてません」

みく「アーニャちゃん……」

アナスタシア「ワタシも、変な質問して、すみません」

みく「う、ううん。みくこそごめん。今度お詫びにボルシチ弁当買うから許してにゃ」

アナスタシア「ニェート……肉じゃがベントーにしてください」

みく「う、うん……」

アナスタシア「フフ──」

蛙「………………」

P「他人の部屋に興味ある?」

蛙「他人の生活を覗き見たいという欲望はありません。ですが……」

P「君くらいの年齢なら持っててもおかしくないよ」

蛙「明るい家族計画に使う……というわけではないようですね」

P「護身用だね」

蛙「武器の代わりにというわけですか」

P「そんなところだよ」

蛙「見れば見るほどこの部屋の洗練された異常さが判明します」

P「その気持ちは説明する身としてもよくわかる。見るだけで理解してくれるのは助かるけど」

蛙「…………」

P「そういう道具に興味が?」

蛙「戯れを。興味などありません」

P「だよね。まぁ、ある意味異様なものだからね。犯罪の証拠みたいな」

蛙「見たことはありませんが池田屋の柱の傷の様なものです」

P「もう少し調べる。そっちはどうする?」

蛙「こちらも調べさせていただきます」

P「そうか。なら協力して調べよう」

蛙「もとよりそのつもりです。一人では限界があります故」

P「実は怖いだけだったりしてね」

蛙「そんなことはありません」

P「オレは向こう調べてくるからここよろしく」

蛙「はい」

P「…………」

蛙「…………」

P「向こうよろしく」

蛙「二人で調べた方が効率的かと。それに何かありました時、すぐに対応が可能です」

P「左足」

蛙「震えてなどおりません。これは武者震いです」

P「それじゃあ、そこのパソコンの裏から出てるコードを辿って、どこに行き着いてる?」

蛙「明かりを」

P「どうぞ」

蛙「…………向こうの部屋に続いております」

P「意外と続いてるな。行ってみよう」

蛙「…………ここまでのようです」

P「延長に延長を重ねてるな。やっとここまで伸ばしている」

蛙「この先は……」

P「見ての通りコンセントだからな」

蛙「向こうの部屋にはないのでしょうか」

P「あることはあるがベッドの裏だ。手が届かないか、差し込み口に不安があるかだな」

蛙「家事になると一大事でしょう。それにしてもここに未だに電気が通ってるのが不思議です」

P「ここら辺は商業ビルが多い。地上のどこかの店にでも繋がってるのかもしれないな。電気代が増えたとしても、商売をやっているところなら微々たるものだからな。誤差の範囲内なのかもしれない」

蛙「そう考えると真に恐ろしい事。気を付けなければ」

P「だな。さて、次は外を調べよう。なにか見付かるかもしれない」

蛙「もし」

P「なんだ?」

蛙「もうこの様な時間になってしまいました。今日は切り上げた方が良いのではないでしょうか」

P「一人で帰るのが怖い?」

蛙「この様な暗い道、何時何時人ならざるものに襲われるとも限りません」

P「その時の弾除けってわけか」

蛙「そんなことは申しません」

P「たしかにもう時間も時間だからな。引き上げるとしよう。今日は少し張り切りすぎた」

蛙「不覚にもわたくしも不思議な高揚感を覚えました。この様なこと、幼き日以来です。では、参りましょう──」

次スレ立てました

P「安価でアイドルに復讐する。10スレ目」【戎か拾か】
P「安価でアイドルに復讐する。10スレ目」【戎か拾か】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443064614/)

URLに飛べない場合はスレタイで検索してください

後は疑問質問感想、嫁への愛を書いてください
それでは次スレで会いましょう

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月13日 (月) 04:45:23   ID: uoNCeEkF

キモ
ダサ

2 :  SS好きの774さん   2015年04月16日 (木) 21:45:28   ID: DiAa6JMy

sage進行でやれ
こんな気持ち悪いスレ

作者はキモオタ決定!

3 :  SS好きの774さん   2015年08月14日 (金) 07:18:17   ID: _UeICp4k

きっしょしねよ

4 :  SS好きの774さん   2015年08月15日 (土) 23:45:08   ID: 6DuSHEQU

つぶされないことを願う

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom