幼馴染「秒速5センチメートルって知ってる?」男「ん?」(669)

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カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン


男「それでも…それでも俺は…俺は…!」



ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン

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―2007年/3月/東京――――――――――――――----





幼馴染「ねえ男、秒速5センチメートルって知ってる?」

男「ん?何だそれ?お前の足の速さのことか?」

幼馴染「違ーう!てか私そんなノロマじゃない!」

男「あはは、小学生の頃はトロトロだったじゃん」

幼馴染「うっ…い、今は標準だもん!中学生になってからバスケ部に入って…鍛えられたもん!………うぅ」ジワッ

男「あー!ゴメン!泣くなって!も~………今度、駅前のシュークリーム買ってあげるから泣くなよ、な?」




幼馴染「えっ!ほんと!?」パァ

男「ほんと、ほんと、テストが終わって休みに入ったら一緒に買いに行こうな」

幼馴染「うん!」

男「ふ~、それでさっきの秒速5センチメートルってのは「男―!」」

幼馴染「あっ、おじさん、こんにちは」

父「幼馴染ちゃん、こんにちは、二人ともちょうど帰りですか?」

男「おう、今はテスト週間だし、部活も無いからな。てか前に言ったじゃんか、このこと」

父「おお、そうだったね、お父さんちょっと、あせっててね。実は今から学校に行くところだったんだ」

男「ん?一人でか?」

父「いや、部活中であろう男を捕まえてから職員室にいくつもりだったんだ。まぁ、すれ違いにならなくて良かった」

男「えっ、俺も?俺何か悪いことしたっけ?」

父「いや、そうじゃないんだが…とにかく早めに先生方に伝えておかないといけないことがあるんだ。それは歩きながら話すからとりあえず付いてきてくれ」

男「なんだか良く分かんないけど分かったよ。幼馴染、ゴメンな。また明日学校で会おうぜ、気をつけて帰ろよ」

幼馴染「うん、分かった。またね!おじさんもさようなら」

父「…!ああ、さようなら幼馴染ちゃん。…ゴメンネ」ボソッ





男「で、父さん、何をしに学校に行くんだ?」

父「ああ、そうだね、話さないと。男、今から話すことにお前は驚くかもしれない。だけど、真面目に聞いて欲しい」

男「なんだよ、まどろっこしいな。いつものさばさばした父さんらしくねーぜ。早く言いなよ。」

父「ああ、実は…………

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幼馴染「ただいまー」

幼兄「お、帰ってきたか幼馴染。で、どうだった?男を映画デートに誘えたか?」

幼馴染「で、デートって!/// わ、私たちまだ付き合ってないもん!!まだ私たち中学2年生だよ!?」

幼兄「はは、顔真っ赤だぞ~。年齢なんて関係ねーよ。俺なんか小6から彼女いたぜ!?まー、いい加減付き合えよなお前ら。」

幼馴染「つ、付き合うとかまだ、は、早いよ…///」


幼兄「はいはい、で?結局誘えたの?」

幼馴染「う~、それが、映画の話題を出したその時に男のお父さんが男を迎えに来て誘えなかった…」

幼兄「おじさんが男を迎えに?何のために?」

幼馴染「何でも学校に伝えなきゃいけないことがあるとかで…」

幼兄「ふーん、まあ明日も会えるんだし、明日頑張れよ!」



幼馴染「…うん/// で、お兄ちゃん、その秒速5センチメートルってどんな映画なの?昨日はその映画の設定が私と男の関係に似てるとか言ってたけど」

幼兄「おう、かなり似てるんだよそれが。お前らが出会った年齢や、お前が男と仲良くなっていく様子が。」

幼兄「そして俺は何よりも、今後のお前たちのために、今この瞬間のお前たちの関係がいかに幸せか、一方で、その裏に潜む危機感を知ってもらうためにも見ておいて欲しいんだ。」

幼馴染「幸せ?危機感?よく分かんないけどその映画はハッピーエンドなの?」



幼兄「それは…まあ見てからのお楽しみだ!せっかくのデートで見る映画をネタバレされちゃつまんないだろ」




幼馴染「うう…確かに。それじゃそうする!あっ、そうそう、男が今度駅前のシュークリームをまたおごってくれるの!映画の時におごってもらおっかな~///」

幼兄「へー良かったじゃん。でも男が幼馴染にシュークリームをおごってくれる時ってのは…ははーん、幼馴染~、お前また泣いたな~?」

幼馴染「!!…ち、違うもん!な、泣いてなんかないもん!!」

幼兄「はは、強がんなって!この前、男と話してる時に『幼馴染のやつって泣いたときにシュークリーム買ってやるって言ったらすぐに泣きやむんすよ。ちょろいったらありゃしないっす。』って言ってた」

幼馴染「お、男のやつうううううううう」




幼兄「ははは! …幼馴染、お前って俺の前でも、お母さんやお父さんの前でも泣かなく幼馴染「うううぅ……えっ?そうだっけ?」

幼兄「うん、昔は学校が終わってすぐ家に帰ってきて、俺やお母さんに泣きついていたのに」

幼馴染「そう…だね」

幼兄「あと、男から話を聞く限りじゃ、学校でも泣かないらしいじゃん。昔は『泣き虫幼馴染』って周りから言われてたのに。」

幼馴染「うん…言われてた。」
なったな。」

ごめん>>10ミス



幼兄「ははは! …幼馴染、お前って俺の前でも、お母さんやお父さんの前でも泣かなくなったな。」

幼馴染「うううぅ……えっ?そうだっけ?」

幼兄「うん、昔は学校が終わってすぐ家に帰ってきて、俺やお母さんに泣きついていたのに」

幼馴染「そう…だね」

幼兄「あと、男から話を聞く限りじゃ、学校でも泣かないらしいじゃん。昔は『泣き虫幼馴染』って周りから言われてたのに。」

幼馴染「うん…言われてた。」



幼兄「俺はてっきりお前が大人になってきたのかと思ってたけど、この前、男からそのシュークリームの話を聞いて、俺の認識が間違いだったと気付いた。」

幼馴染「…」

幼兄「考えてみればお前たちの前で泣かなくなったのもお前が小4の時に男がこの街に引っ越してきたからだ。そして家族以外にタメ口で話せる初めての人間も男だった。」

幼馴染「…うん」

幼兄「お前を変えたのが男で、また、1番自分の感情を素直に表現できて、心から気を許せる相手が男なんだな」



幼馴染「…クラスで泣き虫で、また家族以外の誰に対しても丁寧口調の私を男は転入してきたその日から気をつかってくれたんだ。」

幼馴染「男が転入してきたその日、私がまた口調のことで男子にいじめられて泣いてるときに『君たち、そんなことでこの女の子をいじめて何が楽しいんですか?』って男が大声で叫んでさ。」

幼馴染「私も含めてみんな、キョトンとしちゃってさ。すると男が続けて『丁寧語なら僕も話せます。そして皆さんも必ずいつか話す時が来ます。その時の為にも皆さんに僕が丁寧語を教えてさしあげますよ』ってさ。」



幼兄「男の親父さんは大学の教授で、常に丁寧語だもんな。それもあってか、男も小さい頃から丁寧語には慣れてたらしいな。」

幼馴染「うん。でね、そう言い切ると男が私のところにきてさ『幼馴染さんも一緒にお願いします』って言ってきたところでクラス中が爆笑。もちろんその爆笑は男に向けられたものだった。」

幼兄「うんうん、ちなみにこの話を聞くのはもう100回目以上だが聞こう。」

幼馴染「でも男はクラスのみんなには目をくれず、私の方をまっすぐ見て『もう大丈夫、後は任せて』って言ってきたんだ。」



幼馴染「その後も男はクラスのいじめっ子たちをうまくあしらってさ、私はずっと丁寧語のままだったけど、ほとんど苛められなくなった。」

幼兄「うんうん」

幼馴染「そしてそれから私は男に憧れ、男ともっと仲良くなりたいと思って男にとことこ付いていくようになったの///」

幼兄「当時は毎日のように俺に男の魅力を語ってきてたもんな~」

幼馴染「/// それからはお兄ちゃんも知ってるように、私たちは常に一緒に遊ぶ関係になっていったんだ。」



幼兄「はは、当時から『金魚のふん』ってお前言われてたしな~」

幼馴染「うるさい!/// でも丁寧語では苛められなくなったけど、男と常に一緒にいることを冷やかしてくる子もたくさんいてさ、私が泣きそうになることが度々あったの。」

幼兄「そういうの見ると冷やかしたくなる年頃だしね~」

幼馴染「そんな時も男は私に『あんなの気にするな』って言って手を引っ張ってくれて。あと、ここからはおにいちゃんに初めて話すけど、『あいつらの前では絶対泣くなよ。泣くなら俺の前でだけ泣け』って男が言ってきたんだ。それからかな、男以外の前で泣かなくなったのは。」



幼兄「なるほどね、そういうわけか。ま~そんなことだろうとは思っていたけどな。」

幼馴染「うん、それでね、男と仲良くなっていくにつれて、次第に男相手にだけはいつの間にかタメ口で話すようになっててさ。他の人にはまだ丁寧語のままだけど」

幼兄「ふむふむ。まあ、お前に丁寧語の癖がついたのも俺が小さい頃にハマッた探偵ドラマの役の口調を真似してたら、お前まで真似してしまったんだったしな。」

幼馴染「そうだよ~、私の口調はお兄ちゃんのせいでもあるんだからね!



幼兄「へいへい、悪うござんした~。まあ俺はその口調は一瞬で抜けたけど、お前はそううまく行かなかったな。」

幼馴染「まあ、これから頑張るもん」

幼兄「いや、俺的にはそのままのスタイルでいいと思うぞ。」

幼馴染「もお、どっちなのよ。」

幼兄「だって『男にだけ』っていうのは、男に対しての最高のアピールポイントになるしな」

幼馴染「!!/// そ、そうかな?」



幼兄「おう、間違いない!だからそろそろ告白したらどうだ!?」

幼馴染「…!!/// もうこの話はおしまい!自分の部屋に行くね!」

幼兄「ははっ!………幼馴染!最後に一つだけいいか?」

幼馴染「ん?な~に、お兄ちゃん?」

幼兄「…今の当たり前がいつまでも続くと思ってちゃだめだぞ、思い立ったら吉日、後悔役に立たず、このことを忘れるなよ」

幼馴染「ふふっ、なにそれ。変なお兄ちゃん。それじゃまた夕飯の時ね!」

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すみません、誤字がところどころあります。
脳内補完でお願いします。



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キンコーンカンコーン


幼馴染(男がまだ来てない…遅刻なんてしたことないのに)

モブ子「幼馴染さんおはよ~」

幼馴染「あっ、モブ子さんおはようございます」

モブ子「ん~、今日も幼馴染さんの天使のような声が聞けて私は幸せです!」

幼馴染「そ、そんな、天使だなんて…あのモブ子さん、男君のこと見ませんでした?」



モブ子「男君?あっ、そういえば私今日日直でさ、職員室に日誌やらプリントを取りに行った時に男君が職員室で何人かの先生と話しこんでるのを見たよ!」

幼馴染「ほんとですか?わざわざ教えて頂いてありがとうございます」

幼馴染(良かった~風邪とかじゃないんだ。でも昨日に引き続いて職員室に用事っていったいどうしたんだろう…)

モブ子「ふふ、そんなに旦那のことが心配かい!?」



幼馴染「!!/// そ、そんな、旦那だなんて///」

モブ子「ふふっ照れちゃって~、まあもうちょって戻ってくると思うしから大丈夫だよ!」


幼馴染「はい、そうですね。」

ガラガラガラ

先生「お~、みんなおはよ~、男も席に座りなさい。」

男「はい…」スタスタ



幼馴染(男…!)



男「…!………幼馴染」フイッ


ガラガラーポスン


幼馴染(えっ…目が合ったのに逸らされた………私の思い過ごしかな…)



先生「え~、テスト前のこんな時期だがみんなに大事なお知らせがある。実は男が転校することになった。」






幼馴染(……………えっ?)


ざわざわざわ

先生「は~い、みんな静かに。知っている者もいると思うが、男のお父さんはこの中学校から線路を跨いだ向かい側の大学で働いていらっしゃる。そして、この度、お父さんの研究の都合により関西の神戸の大学に移って研究することになったそうだ。」

男「…」

幼馴染(神戸…)



先生「そして、それに伴い、男も神戸の中学校に転校することになった。急なお知らせになった理由としては、男のお父さんの研究が最近高く評価され、その研究に適した研究施設がある神戸の大学のほうからつい先日お招きがあってらしい。男も昨日そのことを初めて聞いたそうだ。あと、出来るだけ早く来て欲しいとのことで、男のテストが終わり次第神戸に引っ越すそうだ。」



幼馴染(そんな…あと1週間しか…)



男「…」



先生「急なお知らせでみんなも驚いていると思うが、男と過ごせる時間も非常に少ない。今はテスト期間だが男のためにもみんなで最高の思い出を作ってあげてくれ。よし、それじゃあホームルームに移るぞ…」




幼馴染(どうして…どうしてこんなことに…)



男(幼馴染…)



キンコンカンコーン

モブ男1「おい男!転校ってまじかよ!」

男「ああ」

モブ男2「それにしても急すぎるだろ…」

男「仕方ないよ。親父の長年の研究が認められたんだし、俺にとっても今回のことは誇らしく思ってんだ。うちは片親だし、俺一人だけこっちに残るのも難しいしな。そして何より親父は家事が出来ないから俺がついていないといけないんだ。」



モブ子「でも…でも、幼馴染さんが…」

幼馴染「…」

男「…!幼馴染…あのな、おさなn

幼馴染「…!」ダッ

モブ子「あっ、幼馴染さん!待って!」タタタッ




男「幼馴染…」



幼馴染(思わず体育館裏に逃げてきちゃった。……男、……ずっと一緒にいたいよ男)





男「や~っぱりここにいたか~幼馴染~!」

幼馴染「…!男!何でここが…」

男「小学生の時に1度だけ俺に言ったの覚えてないのか?俺が転入してくるまでは『いじめられたときはいつも体育館裏に逃げてた』って。まあ、今回は状況も環境も全く違うけど、お前が逃げこむ場所は体育館裏しかないと思って走ってきたわけよ。」

幼馴染「男ぉ…」ジワッ



男「おいおい、泣くなって、な?今度シュークリーム2個でも3個でも買ってあげるから、な?」

幼馴染「うう…うわああああああああん」ダキッ

男「…ごめんな幼馴染。神戸に引っ越すことはもう変えられないけど、それまでの間もいままでのように俺といてくれるか?」

幼馴染「グスンッ……………うん。毎日一緒にいたい…」

男「ははっ、オッケーオッケー!一緒に楽しい思い出作ろうな!っとその前にテスト勉強もがんばらないとな!もしテストの出来が悪かったら、あっちの学校に移っても内申に響くしな!」

幼馴染「…ふふ、そうだね!一緒に頑張ろうね。」



男「おう!そんじゃそろそろ戻るか。モブ子には一応遅れるって伝えてるけど、さすがにこれ以上2時間目の授業に遅れるのはまずいしな!よし、行こう!」

幼馴染「あっ、男ちょっと待って!」

男「ん?どうした?」

幼馴染「あのね…もし良ければなんだけどね、テストの最終日、男が引っ越す前日にね…」

男「うん?」



幼馴染「うぅ…あのね、テストの後にね、二人で、え、映画館に…デ、デートにいきま…せん…か???///」

男「!!…ああ、もちろん!!二人っきりでデートに行こう!」

幼馴染「ほ、ほんと!?…ふふっ、ありがとう男///」ダキッ

男「…!!/// は、はやく行こうぜ」グイッ

幼馴染「あっ///」タタタッ

幼馴染(男に手を引っ張られながら走るの久しぶりだな///)

男(…///)

男・幼馴染(…いつまでもこの幸せな瞬間が続けばいいのに。)

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幼馴染「ただいま」

幼兄「おう!お帰り!」

幼馴染「あれ、お兄ちゃん、高校は?」

幼兄「俺の高校も今日からテスト週間なのさ。んで、男をデートに誘えたのか!?」

幼馴染「…!実はねお兄ちゃん………

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幼兄(ホッ…良かった。まさかこんなことになるとは思ってなかったからな。)

幼兄「…幼馴染、そのデートの日には違う映画を見に行ってこい」

幼馴染「ええ~、どうして~?昨日はあんなに勧めてたじゃんか~?」

幼兄「どうしても、だ!…そうだな、あっ、『口裂け女』はどうだ!?確か来週近場の劇場で先行上映やるらしいし!」



幼馴染「ええ~、ホラー?私ホラー苦手なんだよね…」

幼兄「でも男ってアニメあんま見ないだろ?あと男は確かホラーが好きっていってたし」

幼馴染「あっ、そういえば確かにホラー好きだって言ってたような…てかお兄ちゃん、秒速5センチメートルってアニメだったの!?男がアニメ見ないってこと知ってるのなら何であんなに勧めたのよ!?」

幼兄「うっ…それはだな…まぁこまけぇこたあいいんだよ!とにかく『口裂け女』見て来い!チケットは俺が取っておいてあげるから!」

幼馴染「え!?ほんと!?お兄ちゃんたまには使えるじゃない!」



幼兄「たまにとはなんだ、たまにとは。まっ、とにかくもう秒速5センチメートルのことは忘れろよ!」

幼馴染「…? うん、分かった。それじゃお願いねお兄ちゃん」タタタッ

幼兄「ふう…」

幼兄(これでいいよな…もしも今のあいつらがあの映画を見てしまったら…)

幼兄(それよりも何故こんなタイミングなんだ…)

幼兄(幼馴染、男…俺はお前らなら乗り越えられると信じてるよ…)

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男「…あっという間だったなこの1週間」テクテクッ

幼馴染「そうだね、テストも明日で終わりだね…」テクテクッ

男「そして明日はまちに待った幼馴染とのデートだな!」

幼馴染「/// そ、そうだね/// 私もすごく楽しみ!!」

男「よし、明日のデートをスッキリと楽しむためにも今日も勉強頑張らないとな~」

幼馴染「ふふっ、…でもほんとに良かったの?最後の1日を私とだけ過ごして?」


男「ん?何今更そんなこと言ってんだよ。最終日はお前と過ごすって決めたじゃんか。そもそもテニス部のやつらやモブ男1、モブ男2、モブ子たちにはもう十分って言えるほど挨拶もしておいたし。」

幼馴染「そう…あっ、引越しの準備は大丈夫なの?」

男「おう、昨日までにまとめて昨日のうちに引越屋が運んでいったよ。今の俺んちは俺と親父の着替えが少々あるだけだわ。」

幼馴染「ふふ、そうなんだ。でも、本当に男引っ越すんだね。とうとう現実味が帯びてきたよ…」

ごめん大ミスがありました。

>>37>>38の間にこれが入ります。

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幼兄「……………それは本当なのか?」

幼馴染「うん…。でもねお兄ちゃん!男が引っ越す前の日に男と映画デートに誘うことに成功したよ!お兄ちゃんの言った通り『思い立ったが吉日』ってやつを実践出来たよ!」

幼兄「…!…幼馴染、男に俺が勧めてた映画の内容について伝えたか?」

幼馴染「秒速5センチメートルのこと?あっ、そういえば今日は何を見るかって言う話はしなかったなぁ」



男「…そうだな。…よし、幼馴染!今から幼馴染の家で勉強してもいいか!?おばさんや幼兄さんにも最後に顔出しておきたいし」

幼馴染「…!そうだね!うちで勉強しよ!お母さんやお兄ちゃんも男が引っ越す前に顔を見たいって言ってたし!」

男「そうか、それは嬉しいな。よしそんじゃ幼馴染の家に直行しよう」

幼馴染「うん!」
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幼馴染「ただいまー!」

幼母「はい、お帰りなさ…まあ!男君いらっしゃい!」

男「お邪魔します、おばさん」

幼母「久しぶりね~男君!」

幼馴染「お母さん、久しぶりっていっても男2週間前にも来たよ」

幼母「あら、そうだったかしら?でも小学生の頃は2日に1回は遊びに来てたじゃな~い、あなたたちが部活で忙しくなってからはあんまり遊べなくなったもんね~。男君、幼馴染は中学に入ってから男と遊ぶ機会が減って寂しいっていつものように言ってたわよ。」


男「…/// そ、そうなんですか?」

幼馴染「/// もう!お母さんったら余計なことは言わなくていいーのっ!!」

幼母「ふふ、はいはい。…でも、男君が引っ越すと知ってビックリしたわ。お父さんの仕事の都合とはいえ、本当に残念で…」

男「俺もおばさんやおじさん、お兄さんにはほんとに良くしてもらったので、残念で仕方がありません。でも、もう二度と会えないと決まったわけではないので安心してください。絶対にまた遊びに来ますので」

幼母「そう言ってもらえると嬉しいわ。…で今から二人で勉強するの?」


幼馴染「そうだよ!私の部屋で勉強するからぜーったいに邪魔しないでね!」

幼母「ふふ、はいはい。あっ、男君、今日夕飯食べてく?あっ、でもお父さんのご飯作らないといけないんだっけ?」

男「あっ、今日は親父は大学の研究室の整理が終わってないらしくて泊り込みらしいです。なので、今日は当分食べられないであろう&俺の料理の師匠でもあるおばさんの料理を頂きたいです。」

幼母「分かったわ。それじゃ、今日は男君のためにご馳走を作ってあげるから勉強頑張ってきなさい。」

男・幼馴染「はーい」

幼馴染「男、行こう!」

男「おう」

タタタッ


幼母「…ふう、さてそれじゃあ早速料理をはじめましょうかしら」

タダイマー

幼母「あら、幼兄、おかえりなさい」

幼兄「あれ、この靴、もしかして男が来てるの?」

幼母「そうよ、今は幼馴染の部屋で勉強してるわ。」

幼兄「…そうか。」


幼母「…?あっ、今突入しちゃだめよ?もし突入したら幼馴染が怒るから、ふふ」

幼兄「へいへい」

幼母「…それにしても、幼馴染、男君と出会って本当に変わったわね。毎日笑顔でいっぱいの子になってくれて…。でも、見た様子だと今日まで頑張って明るく振舞ってるみたいだけど、男君と離れ離れになってからは大丈夫かしら…」

幼兄「………そうだな。そのためにも…」

幼母「?」

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―――――――――――――――――――――――----

男「いや~食べた食べた。ご馳走様でしたおばさん!」

幼母「ふふ、お粗末さま。」

男「おばさん、今日の酢豚のレシピを後で教えてもらえませんか?」

幼母「いいわよ」

幼馴染「わ、私にも教えてお母さん!」

幼兄(…!よし)



幼兄「お前に料理なんかできるのかよ、いっつも失敗してるくせに」

幼馴染「…!出来るもん!私だって……私だってお母さんの娘なんだから!」

幼母「そうね、幼馴染はいっつもてんぱっちゃって失敗を良くしちゃうけど筋は悪くないと思うわ」

幼兄「…どうかな~、昔よく男と幼馴染で料理勝負してたけど、全くの初心者の男の方がいつも勝ってたし。」

幼馴染「…!!お兄ちゃんのバカッ!!もう口聞かない!!男、先に部屋に行って勉強の用意しておくから!!」ガチャッ!バタンッ!


男「お、幼馴染!幼兄さんもそこまで言わなくても…あいつが料理できないことなんて周知の事実じゃないですか…」

幼兄「…まーな」

男「はぁ…それじゃ幼馴染のことが心配なので俺も部屋に行きますね。おばさんご馳走様でした。酢豚のレシピは帰る時に教えてください」ガタッ

幼兄「…男、ちょっと座れ」

男「?…どうしたんですか?」


幼兄「お前に話がある。幼馴染は俺と喧嘩したらいつもあんな感じだから、心配する必要はない。そして当分部屋から出てくることもない」

男「…?幼兄さんの意図が全く読めないんですけど…」

幼兄「何度も言わせるな、俺は『お前に』話がある」

幼母「…」

男「はあ…」


幼兄「まず、話をする前にお前に聞いておきたいことが2つある。その2つに正直に応えろ。いいな?」

男「…質問にもよるとおm幼兄「いいな!?」



男「………はい。」


幼母「…」

たびたび、すみません…
>>49>>50の間の5レス分が抜けてました…
今から抜けたところから張りなおします。
>>49までは合ってますので。

グダグダですみません。死にてー。


>>49の続きから
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幼馴染「…でね、ここの式にこれを代入して」

男「おお!理解理解!なるほどね!よし、これで明日の数学は準備万端だわ!解説ありがとうな幼馴染!」

幼馴染「…えへへ/// どういたしまして///」

オサナナジミー、オトコクーン、ゴハンヨー

男・幼馴染「はーい」

男「よし、きりもいいし、行こうか」

幼馴染「うん!」


男「うわ~すごいご馳走ですねおばさん!」

幼母「ふふ、ほめるのはまだ早いわ。食べだしたら私へのほめ言葉が止まらなくなるほどの出来よ。男君の好きな酢豚もあるからね」

男「いや~、ほんと俺、おばさんに出会えたことを本当に嬉しく思います。ありがとうな幼馴染!」

幼馴染「ちょっと!それどういう意味よ!」

幼母「ふふふ、でも、男君、本当に幼馴染に感謝しなきゃね。もし男君が私に料理を習いに来なかったら、男君もお父さんも偏った食事で病気になってたわよ。それまではずっとインスタントの料理しか食べていなかったみたいだったし。」


幼馴染「そうよ!料理上手で栄養士の資格を持ってるお母さんに感謝しなきゃだよ男!そしてそのお母さんを紹介してあげた私にはもーっと感謝してよね!」

男「だからありがとうって言ったじゃん!………でも、こっちに越してくる前に俺の母が事故で亡くなってしまって、そして新しい職場でてんやわんやだった親父もろくに家事が出来る状態がなかった時に料理を教えてくれたおばさんには本当に感謝しています。本当にありがとうございました。」

幼母「ふふ、何よ今更。それに私たち家族は男君にそれ以上に感謝してるんだから。男君、幼馴染と友達になってくれて本当にありがとうね。」

男「…いえ!そんな…///」

幼馴染「ちょっとお母さん!///」


幼母「ふふ、それじゃ、いい雰囲気になったところで食べましょうかね。あっ、幼兄のこと忘れてたわ。幼兄―!ご飯よー!」

トコトコガチャッ

幼兄「腹減った~、よ~男!久しいな!…って今日の夕飯めちゃくちゃ豪華ジャン!」

男「幼兄さん、お邪魔してます。1ヶ月ぶりぐらいですかね?」

幼兄「そだったな、2週間前にお前がうちに遊びに来てたときは俺は彼女とデートだったしな」

男「あれ、1ヶ月前に会った時に別れたって言ってませんでしたっけ?」

幼兄「ん~?ああ、あの子となら別れて、今は違う子と付き合ってるよ。」


男「相変わらずのプレイボーイっすね…今回で何人目ですか?」

幼兄「ん~、12人目?」

男・幼馴染・幼母「…」

幼兄「えっ、ちょっと何この空気?」

幼母「…さて、馬鹿は放っておいて食べましょう!」

男「はい!」幼馴染「うん!」

男・幼馴染・幼母「いただきまーす」

幼兄「おーい、………いただきます」トホホ
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―――――――――――――――――――――――----

男「いや~食べた食べた。ご馳走様でしたおばさん!」

幼母「ふふ、お粗末さま。」

男「おばさん、今日の酢豚のレシピを後で教えてもらえませんか?」

幼母「いいわよ」

幼馴染「わ、私にも教えてお母さん!」

幼兄(…!よし)


幼兄「お前に料理なんかできるのかよ、いっつも失敗してるくせに」

幼馴染「…!出来るもん!私だって……私だってお母さんの娘なんだから!」

幼母「そうね、幼馴染はいっつもてんぱっちゃって失敗を良くしちゃうけど筋は悪くないと思うわ」

幼兄「…どうかな~、昔よく男と幼馴染で料理勝負してたけど、全くの初心者の男の方がいつも勝ってたし。」

幼馴染「…!!お兄ちゃんのバカッ!!もう口聞かない!!男、先に部屋に行って勉強の用意しておくから!!」ガチャッ!バタンッ!


男「お、幼馴染!幼兄さんもそこまで言わなくても…あいつが料理できないことなんて周知の事実じゃないですか…」

幼兄「…まーな」

男「はぁ…それじゃ幼馴染のことが心配なので俺も部屋に行きますね。おばさんご馳走様でした。酢豚のレシピは帰る時に教えてください」ガタッ

幼兄「…男、ちょっと座れ」

男「?…どうしたんですか?」


幼兄「お前に話がある。幼馴染は俺と喧嘩したらいつもあんな感じだから、心配する必要はない。そして当分部屋から出てくることもない」

男「…?幼兄さんの意図が全く読めないんですけど…」

幼兄「何度も言わせるな、俺は『お前に』話がある」

幼母「…」

男「はあ…」

幼兄「まず、話をする前にお前に聞いておきたいことが2つある。その2つに正直に応えろ。いいな?」

男「…質問にもよるとおm幼兄「いいな!?」




男「………はい。」


幼母「…」


幼兄「ありがとう。では、一つ目、お前は幼馴染が好きか?」

男「…!そりゃ好きです」


幼兄「それは『幼馴染』といてか?それとも『異性』としてか?」

男「そ、それは…」

幼兄「正直に…」

男「…っ!……………『異性』として…です。」

幼兄「そうか…では2つ目、何故お前は幼馴染のことを好きになった?」

男「…!……。」


幼兄「…男、俺はな、ずっと疑問に思っていたことがあるんだ。」



男「…!?」



幼兄「お前が幼馴染のクラスに転入して来たその日に、すぐにお前は幼馴染を庇ったらしいな。確かにお前には正義感もあるし行動力もある。あと、妹の口調に理解があったこともその庇う理由にはなると思う。でも、俺には何かが足りない気がするんだ。転入生が初日からいじめられっ子を庇うための理由が。下手したらお前もいじめられていたのかもしれないのに…。」

男「…」

幼兄「その足りない何か、お前が幼馴染を庇った理由こそがお前が幼馴染を好きになった理由なんじゃないかと俺は思うんだ。」


男「…」






男「………はぁ、幼兄さんには本当に敵わないや。」

男「………その通りです。俺が転入してきたあの日、幼馴染を庇った理由は他にもあります。というか、そっちが庇う理由の核です。」

幼兄「…」



男「俺が幼馴染を庇った理由…それは………幼馴染が一目惚れの女の子だったからです。」

幼母「あら」

話の内容は良いけど
長すぎる文は改行した方がいいぞ

長くても一行は
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
このくらいまでの方が良いと思う

あとは30行制限に気をつければ良いべ


>>69
アドバイスありがとうございます。
早速そのアドバイスを参考にして書いていきたいと思います。


男「幼馴染は俺との初めての出会いを俺が転入してきたその日だと思っていますが、実は…違うんです。」

男「本当の出会いはその1年前の3月の春休み。俺がこっちに引っ越してくる前に、あの大学に親父の用事で来たことがあるんです。
親父が大学で用事をしている間、俺と母は大学内の庭で遊んでいました。
そして、ふと大学の敷地外の踏み切りに続く桜並木道があるのを見つけて、俺は母の呼び止めを無視して、その桜並木に走っていきました。」

男「すると、その満開の桜並木道には一人の先客がいました。
その子はひらひらと落ちてくる花びらに目を輝かせ、そして両の手でその花びらを掴もうとはしゃいでいました。」

男「そのはしゃいでいる姿が落ちてくる桜の花びらや木漏れ日と合い間って、それはもう別世界のような光景で…」

男「俺は彼女が動き回る姿を、ただ呆然と見ていました。」

男「そして、そのすぐ後に母が俺を見つけて、
結局その時は彼女に声をかけることも出来ませんでした。」

男「俺はその後、いつまでたってもその子のことが忘れられませんでした。
俺が初めて異性のことを意識した瞬間でもありました。」

男「そしてこっちに引っ越してくることが決まった時、
俺はわくわくが止まりませんでした。
『もしかしたら、あの子にまた出会えるのではないか』と、
毎日期待に胸を膨らませていました。」


男「そして、転入当日、再び、奇跡が起こりました。自己紹介として壇上に立ったとき、一番後ろの席にあの彼女が座っていたんです。」

男「最初は自分の目を疑いました。でも、何度もその子の方を見て確認し、確信しました。彼女に間違いない…と。そう、その彼女こそが幼馴染なんです。」

男「そして、俺がどうにかして彼女と仲良くなろうと考えていたときに、あのいじめが始まりました。」

幼兄「…」


男「幼兄さんも既に気付いていると思いますが、俺には元々正義感や行動力なんて全くなかったんです。

むしろ、受動的かつ非積極的な人間でした。それでも…

それでも、自分が好きな女の子を守りたい、ただその『好き』という想いだけがあの行動を起こさせたんです。」

男「そして、なんとかいじめには対処できました。ただ、問題も発生しました。

幼馴染が俺のことを自分を守ってくれた頼りがいのある存在として羨望の目を向け始めたことです。」


男「それは俺にとってとても喜ばしいことでもあり、またプレッシャーでもありました。
でもそのときから俺は幼馴染の期待に応えるために、そして大好きな幼馴染を守るために強くなろうと決心したんです。」

幼兄「…はは、まだガキンチョだった時にそこまで考えていたのか。」

男「そうですね、本当に初めは正義感やら行動力なんて全く備えていない人間だったんですがね…」

幼兄「そうだったかもな。でも、お前のその幼馴染を『好き』という気持ちが正義感と行動力に変換されたんだ。それだけ、お前の『好き』っていう力が絶大だったってことだよ。」

男「……はい!」


幼兄「そしてそんな受動的かつ非積極的な人間だったお前が、幼馴染の期待に応えるために立派に成長して来たじゃないか。」

幼兄「俺やおかんは毎日のように幼馴染からお前の英雄譚を聞かされ本当に苦労したもんさ。」

幼母「ふふ」

男「うう、何かすみません///」



幼兄「ようし、お前の足りない何かをようやく知れたわけだが、幼馴染にはこの話はしてないのか?」

男「はい…いつかは言おうとは思ってるんですが。」

幼兄「…いつかっていつだよ?お前明後日でこの街とおさらばするのにいつするんだよ。」



男「…!それは…」


幼兄「明日しかねえだろ!?…いいか、男、明日、今お前が話したことを踏まえて、幼馴染にデートで絶対に告白しろ。」

男「…」

幼兄「そして、幼馴染の気持ちをしっかりと繋ぎとめろ。たとえ『距離』が存在したとしても決して途切れることの無いようにな。」


男「でも、俺は、俺は…」

幼兄「今こそ、最高に能動的かつ積極的になるべき時だろ?そして後悔したくないだろ?…な?」


男「…!………はい!」


幼兄「よし!頑張れよ男。…さて俺の話は終了だ、早く幼馴染の部屋に行け!さすがにこれ以上待たせたらあいつまた怒るからな!」

男「ははは、…じゃあ行ってきます。」

幼兄「ああ、男、ちょっと待て?」カキカキ

男「?」


幼兄「はい、これ俺のケータイのアドレスと番号。神戸に行ってからもしケータイを買ったらこれに連絡しろ。」

男「え、ケータイ?」

幼兄「そろそろケータイを買ってくれる年頃だろお前も。もしお前がこれに連絡してきたときに幼馴染がケータイを持ってたら連絡してやるから。」

幼兄「まぁ、もしそのとき幼馴染がケータイ持ってなかったとしたら俺がバイトしてでも幼馴染に買い与えておいてやるから心配すんな!」



男「幼兄さん…」


幼母「ふふ、そんなことしなくても、幼馴染が欲しいと言うのであればすぐに買ってあげますよ」

幼兄「えっ、マジでおかん!?俺は高2になってやっと買ってもらえたのに!?幼馴染にはすぐにってどういうこと!?」

幼母「あんたは金遣いが荒いからに決まってるでしょ。実際にケータイ買ってあげた最初の月の携帯代は5万円もかかったじゃない。」

幼兄「うっ…」

幼母「あと、あんた、まだバイトする余裕があるなら私が貸してあげてる借金10万円をとっとと返しなさい!」

幼兄「そ、そりゃないぜおかーん!」

男「ははは」


幼兄「…まぁ、おかんもこう言ってくれてるんだし、引っ越してからもお互い連絡を取り合えよ。」

幼兄「たとえ、お前の告白が成功したとしても、それがいつまでも維持されるとは限らないんだ。物事に絶対はないからな。」

男「…はい」

幼兄「そしてお前も知ってると思うが幼馴染は寂しがりやさんだ…だからこそ想いだけじゃどうにもならないものをケータイという現代技術を駆使してカバーしろ。モノは使い様だ。」

男「……そうですね、分かりました幼兄さん。…じゃあ俺、幼馴染の部屋に行きますね。」

男「幼兄さん、おばさん、本当にありがとうございました。明日頑張ります!」タタタッバタンッ






幼兄「ふう…」

幼母「ふふ、あんた本当に妹想いで弟想いのいいお兄ちゃんね。」

幼兄「シスコンなのは認めるが断じてブラコンではない!てか男は弟じゃねーし!」

幼兄「………でもあいつらには本当に幸せになって欲しいんだよ俺は…」

幼母「…そうね。でもあの二人なら大丈夫よ。きっと。」


幼兄「そうだな…」



幼母「…それはそうと金遣いの荒さもさることながら、あんた次の彼女が12人目ってどういうことなのよ?」

幼母「幼馴染や男君はあれだけ純情なのにどうしてあんたって子はそんなにもちゃらんぽらんなのよ…はぁ~誰に似たのかしら」

幼兄「あわわわわわわ聞こえない聞こえなーいテレビテレビっと」ピッ



ダントウノエイキョウモアリ、コトシハレイネンヨリカナリハヤメノサクラノカイカトナッテオリ、トナイデモマンカイノサクラガミラレ……

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今日はここまでです。
グダグダですが、見てくれてる方がいれば本当に嬉しいです。

ちなみにここまでで、まだ6分の1くらいで、かなり長めのssになる予定です…

需要があるか分かりませんが明日からまた随時貼って行きますのでよろしくお願いします。


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キンコンカンコーン

モブ男1「よっしゃー!1限目の社会も終わったし後は数学で終わりだな!」

モブ子「でも数学が1番山場だよね~、今回難しくするって噂だし」

モブ男2「まぁ、大丈夫だろ、数学毎回赤点のモブ男1を除いては」

モブ男1「おいてめえ!どういうことだそれは!」

男「ははは」

幼馴染「ふふふ」


ガラガラ

先生「お~い、男いるか~」

男「はい、どうしたんですか先生」

先生「今ちょうどお前のお父さんから電話が職員室に来ててな、至急職員室に来て電話に出て欲しいそうだ。」

男「?分かりました、すぐ行きます。」

幼馴染「どうしたんだろうね?」

男「さあ、まぁどうせ転校の手続き云々の話だろうよ。」

幼馴染「そう…かな」

男「ああ、だから心配スンナって!すぐ戻ってくるから!」タタタッ

幼馴染「あっ…」

幼馴染(男…)

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キンコンカンコーン

先生「あと30分だぞ~、…おい、モブ男1、分からないからって寝るな~」

カリカリカリ

幼馴染(もうテスト始まったのに男が帰ってきてない…どうしたんだろう)




カリカリカリ


ガラガラガラ

女先生「先生、ちょっと…」ボソッ

先生「…はい、ちょっと待って下さい。みんな俺はちょっと廊下に出るけどカンニングすんなよ~」ガラガラッ

幼馴染「…?」


先生・女先生「……デデスネ………ソウデスカ………ハイ、ワカリマシタ………チョットマッテテクダサイ…」ガラガラ

タタタタッ

ガタッ

タタタタッ

ガラガラ、ピシャ

幼馴染(…えっ、先生が何で男の荷物を…?)

女先生「………トウゴザイマシタ……スグニ…タシテキ…ス」タタタッ

ガラガラ


先生「…」

モブ男1「せんせ~い、男がどうかしたんですか~?」

先生「おいモブ男1、テスト中は私語は禁止だぞ。…テストが終わってから話すから、みんなもテストに集中しなさい。」

幼馴染「……先生!男に何かあったんですか!?教えてください!」ガタッ

先生「…幼馴染!?」

ざわざわざわ


先生(あのおとなしい幼馴染が………仕方ない。)

先生「静かに~。…実は男の引越しの予定日は明日だったんだが、急遽今日中に神戸に行くことになったそうだ。」

クラス中「エエエエエエ!!!!!!!????」

先生「し~ず~か~に~。他のクラスに迷惑だから騒ぐな!」





幼馴染「うそ、そんな…………」


先生「何でも男のお父さんの新しい職場で昨日トラブルが発生したらしく、出来るだけ早く来て欲しいということで今日引っ越すことになったらしい。そしてたった今お父さんを乗せたタクシーが学校まで向かいに来て男を拾ってるころだろう。」



幼馴染「男は…男は…何も言わなかったんですか!?」



先生「…ああ、他の先生がみんなに言い残すことはないかと聞いたら、『何もありません』と言っていたそうだ。」



幼馴染「…っ」


先生「…ただ、その時に男は、あの元気な男が…歯を食いしばるほど辛い顔をして、幼馴染、お前の名前を呟いていたそうだ…。」



幼馴染「…!………男」




先生「…行ってやれ、幼馴染。男のためにも、お前のためにもちゃんとお別れしてこい!タクシーは恐らくあの踏み切りで時間をくうはずだ!まだ走れば間に合うぞ!!!」


幼馴染「…っはい!!はい!行ってきます!!」ダッ

ガラガラガラ





先生「…ふう」

モブ男1「せんせ~い、何で俺たちにも行けって言ってくれないんですか~!?」

先生「だって、そんな大勢で行ったら他の先生に怒られるだろうが!俺だってまだクビになりたかねーんだよ!」

クラス一同「ブーブーブーブー、ケチー、ヒイキスンナー、アンテーシコー」ブーブー


先生「だあああ~!もううるさい!………でもお前らだって分かってただろ、あいつらの仲を?」


モブ男1「まあ~」


モブ男2「そりゃ~」


モブ子「ね!?」


クラス一同「うんうん」


先生「…たとえ結果がどうなったとしても暖かく見守ってやろうぜ!」

先生(く~、決まったぜ!)

モブ子「うわ~…出たよ先生のドヤ顔キメ台詞、超きも~い」

クラス一同「ブーブーブーブー、キモイー、ハズカシー、アンテーシコー」ブーブー

先生「あああああああ、もう黙れえええ黙ってくれえええええええ」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

カンカンカンカンカンカンカンカン

父「男、本当にすまない」

男「いいよ、気にすんなよ親父。だって向こうの大学では今かなりやばい状況なんだろ?」

父「それは、まあ…」

男「それにたった一日早まっただけじゃねーか。気にしてないよ。」


父「…でも今日は幼馴染ちゃんとデ「気にしてない」

父「…!」

男「気にしてない…もう大丈夫だよ親父…お父さん」

父「男…」

ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンッ…


ブロロロー



男「……………………ゴメンな幼馴染」ボソッ







オトコー!オトコー!



男「…!?…幼馴染?幼馴染!?」バッ


男「…っ!……運転手さん、ちょっと止めて下さい!!」


キキッ

男「お父さん…いや親父、3分、いや1分だけでいいから俺に時間をくれ!!」



父「…ああ、行ってきなさい。」



男「…ありがとう!」バタッ


タタタッ





父「…ありがとう、か。」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


幼馴染「はあはあ、男、良かった…はあはあ、間に合って」

男「幼馴染…ゴメンな………俺……俺………」

幼馴染「はあはあ……うふふ、いいよ、気にしてないよ……ただ…」

男「…ただ?」




幼馴染「そんな辛そうな男の顔は初めて見た………」


男「…!?」


男(…何してんだよ俺。幼馴染の前では強くなるって決めただろうが!こんな大事なときに心配させてどうすんだ!…でも、…でも言葉が…言葉が出ない)



幼馴染「…男」



男(ただでさえ時間が無いんだ!早く…早く何か言わないと…)







----―――――――――――――――――――――――
幼兄『今こそ、最高に能動的かつ積極的になるべき時だろ?そして後悔したくないだろ?…な?』
―――――――――――――――――――――――----


男(…っ!ありがとう、幼兄さん…俺、もう少しで後悔するところだった!)


男「幼馴染!!!」


幼馴染「っ!はい…」




男「俺は…お前のことが……」







男「…大好きだ!!!!!!!!!!」



幼馴染「お、男ぉ…」ジワッ


男「そして俺が好きになったのは小3の春、そう…!この桜並木の下で俺はお前に一目ぼれしたんだ!!」


幼馴染「…えっ?」


男「時間ねーから詳細は省くけど、俺は転入する前からお前のことが好きだったんだ!この桜並木の下ではしゃぐお前に…こ、恋を…したんだ!!///」


幼馴染「…」



男「だから…、だから…!」






幼馴染「…ふふっ。やっぱりあの時の男の子は男だったんだ。」




男「…………へ?」


幼馴染「私もこの桜並木で男を見たのを覚えてるよ。あの時は距離が離れてたこともあって不確かな部分も多かったけど。でもたった今確信が持てたっ。」


男「…」


幼馴染「男が転入して来て、最初の自己紹介の時、ずっと男が私を見てきてて、それで転入生にまでいじめられてたまるか!って思って睨み返してやろうと思ったその時にあの時の男の子と面影がそっくりだったの」


男「そ、そうだったのか。」


ふわっ



幼馴染「きゃっ」



ひらひらひらひら



幼馴染「あっ、さくらの花びらが…ふふふ」


男(ああ…あの時と同じだ…)


幼馴染「そう、私たちはここで出会ってたんだよね」


男「…うん」


幼馴染「そして私たちのお別れの場所もここになるんだね…」ジワッ


男「…幼馴染」


幼馴染「男、私も男のことが大好き。本当に大好き。でも本当にお別れなんだね。これでお別れなんて考えると………涙が……………止まらないよぉ…」ポロポロ



男「…。」



幼馴染「…グスンッ。…でもね、私強くなる!今日を以ってもう泣かない!私が次に泣くときは…男との再会のときの嬉し涙にする!」



幼馴染「そしてたとえ、私たちの間に『距離』があったとしても…」



カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン


カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン



幼馴染「それでも…それでも私は…私は…!」ポロポロポロッ



男「…!」タタタッ






幼馴染「…え、男どうし…んっ!?///」ちゅっ





男「…ぷはっ///……幼馴染っ!………待っててくれ!!俺が高校を卒業したら東京の大学に絶対に通うから、その時にまた…その時にまたこの場所で会おう!!」




幼馴染「…!………うんっ………うんっ!!待ってる!!私ずっとこの桜並木の下で待ってるから!待ってるから!!!」ポロポロポロ





ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン



----――――――――――――中学生編おわり――――


支援本当にありがとうございます。

これにて中学生編は終了です。

次からは高校生編です。

もし今日余裕があれば1時ごろから貼っていきますので楽しみにしておいてください。


―2009年/6月/神戸――――――――――――――----


パコーン パコーン パコーン


女「はあはあ……はあはあっ」タタッ

モブ先輩「女―!!足が止まっとーよー!!」

女「うっ、すみませーん!…はあはあ」タタッ



パコーン パコーン パコーン


女「はあはあはあ……きゃっ!?」ドテッ


モブ先輩「!? ちょっと~女大丈夫!?」タタタッ


女「いたたたた、すみません先輩、大丈夫です。」

モブ先輩「も~…ほんま女ったらドジなんやから~、ほら立てる?」

女「はっ、はい、すみませ…きゃっ?」ドテッ

モブ先輩「お、女!?大丈夫!?」


女「うう、すみません先輩…疲れて足に力が入らへんくて…」

モブ先輩「…ホッ、良かった、怪我じゃないんやね。今日はもう見学しとき」

女「…すみません、先輩」


パコーン パコーン パコーン


女(うう…私ってほんまだめだなぁ…ノロマでおっちょこちょいで…)グスッ

女(無理してテニス部に入ったのがだめだったのかなぁ…)


女(でも…テニス部には…テニス部にいれば…あっ!?)


パコーーン


オオー!ナイッサー!オトコー!


男「…」


女「男くん…」ボソッ

女(やっぱり、男くんかっこいいなあ…)

女(男くんと友達になりたいから…近づきたいから…テニス部に私は…)

女(私は…)

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

モブ先輩一同「「みんなおさきー」」


ガラガラガラ


後輩一同「「おつかれさまでしたー」」

女友「ふ~、今日も疲れた~!女、もう足は大丈夫なん!?」

女「うん、もう大丈夫。心配かけてごめんね…」

女友「そんなんかまへんよ~、私たち親友やんか~」

女「ふふふ、そうだね!ありがとぉ!」ニコッ


女友「!?きゅうううん/// 女はやっぱりかわいいなぁ~!よし女!今からマクド寄ってこ!?」

モブ部員一同「えっ、女友たちマクド行くの!?それじゃ私らも行く行く~!」

女友「ええよ!そんじゃ、みんなで行きましょ~!女も早く準備し~や~!」

女「あっ、うん、待って!…あれ?」ガサゴソ

女友「どないしたん?」


女「…コートにタオル忘れてきちゃった…どうしよ…」

女友「そんなの明日に取りにいったらい~やんか~」

モブ部員1「あ~、でも今夜から雨振るらしいよ」

女「えっ、ほんと!?…ゴメンネ、女友ちゃん、私コートまで取りに行ってくるから、モブ部員1ちゃんたちと先にマクドにいっといて!」タタッ ガラガラ ピシャ

女友「あっ、女…」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

女(私ってば、ほんと忘れっぽいよなぁ…周りからもよく『抜けてる』って言われるし…はあ…)トボトボ


パコーン シュ  パコーン シュ  パコーン


女(あれ?もうコートの照明も消えて、日も暮れかかってるのに…誰だろ…?)

女(…)オソルオソル…テクテク…


シュ  パコーン  シュ  パオーン


女(…!?……あっ!?)





女「…男くんだ。」


女(どうしよ…女テニのコートは1番奥、でもコートの入り口は1番手前の今男くんが使ってるコートの側にしかないし…もし今、行ったら迷惑だろうな…)オロオロ

女(うう…どうしy!?「きゃ!?」ドテーンッ


男「…!? …誰かいるの?」スタスタッ

女「いてて…またこけちゃっ…あっ///」

男「あ、なんだ、女さんか。大丈夫?立てる?」

女「…/// うん、ありがと///」

男「でも、どうしたのこんな時間に?」


パオーンって何だよ…orz


女「わわ、私は、その………忘れたタオルを取りに///」

男「タオル?…あっ、ちょっと待ってて女さん」タタッ

女「…?」


タタタッ


男「はい、これじゃない?女さんのタオル。さっき俺がコートの奥にまでボール取りに行ったときにたまたま見つけてさ。」


女「あっ///…うん、これ/// ありがとう男くん///」

男「ん~ん、どういたしまして」ニコッ

女(…/// こ、これって男くんと仲良くなるチャンスだよね?/// 何か話しかけないとっ///)

女「…お、男君は何でこんな時間に練習してるの?」

男「ん? ああ、実は最近ファーストサーブの成功率がどうもいまいちだったからさ、顧問の先生に照明なし、コート整備をちゃんとするって条件で自主練をさせてもらってるんだ。」


女「そ、そうだったんだ。」

男「うん、だから日が完全に暮れるまで、あと30分ぐらいやって帰るよ」

女「そ、そうなんだ、が、頑張ってね!」

男「うん、じゃあ、女さんも気を付けて帰って」

女「…う、うん///。そ、それじゃあ。」

男「うん、またね。」クルッ

女「あっ…」


女(ど、どうしよ、せっかくのこんなチャンス………うぅ!何か言え私!)

女「お、おおおおおひょこくんっ!!//////」カァーッ

女(か、かみまくりやんか私~///)

男「うん?どーしたの?」

女「あ、あのねっ!…その…ね!」

男「うん?」


女(…うう…何も思い浮かばなっ………あっ!)

女「あ、あの、…お、男君のサーブ練習を見学しててもいいかにゃ!?///」

女(//// また大事なところでかむとか///)

男「へ?見学」

女「そ、そう!見学!私、男くんのテニスのフォームが大好きで…!/// あっ、べべべつに男くんのことが好きとかじゃないんだけど///」

男「俺のファームが?そ、そんな手本にするような仕上がりにはなってないけどなぁ」


女「そ、そんなことない!!私は他の誰よりも男君のフォームは綺麗だと思う!そ、それに男君には実際に結果がついてきてるし…!」

男「結果って言っても俺、県大会どまりだよ?」

女「それでも!!…それでも…男君はドジで下手くそな私にとっての『憧れ』なんだよ…」



男「女さん………うん!分かった!それじゃ見ていきなよ!ちょっと恥ずかしいけど、女さんのために丁寧にサーブ打っていくから!」

女「ほんと!?…ありがとぉ!男くん!///」ニコッ



男「…! ……よし、それじゃあ女さんはベンチに座りながら見てなよ」

女「うん!///」




シュ  パコーン  シュ  パコーン……



----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


イラッシャイマセー  オモチカエリデスカー


モブ部員「このマックフルーリーの新味美味しいね~」ガヤガヤ

女友(女のやつ、遅いな~何しとんのやろ…メールでもしてみるか)ポチポチ



----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

男「ふ~、さすがに疲れた~」

女「おつかれ様/// 本当にありがとう男君!」

男「いやいや、こちらこそ女さんにまでコート整備させちゃって、ゴメンネ?」

女「ん~ん!整備なんて毎日のことだし気にしないで!」

男「そう言ってもらえると助かるよ。…よし、終了!」


男「女さん、俺は部室で着替えてくるけど、どーする?」

女「あっ、わ、私も部室に荷物置きっぱなしだ。」

男「それじゃ一緒に行こうか。」


女「う…うん///」


男「女さんってそういえば家どこなの!?」

女「え…私は○○台の○○マンションに住んでるよ」

男「えっ、俺の家の近所だ…でも登下校中に会ったことないよね?」

女「わ、わたしは、いつも、バ、バスで通ってるから。」

男「あっ、なるほどね、女の子にはあの坂はハードだもんね、でも知らなかったな~」

女(…私は男君が近所って知ってたよ。いつもバスの中から男君がランニングしながら登校してる姿をよく見てたから。…でもこんなこと恥ずかしくてとても言えない…)




ポツポツポツ


女「あっ、雨…そう言えば今日雨降るんだった」

男「とりあえず部室に急ごうか」

女「うん」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


ガヤガヤガヤ


モブ部員「そろそろ帰ろっかー」

ソーダネー

女友(女からとうとう返事が来なかった。なにかあったんかな…)


アリガトーゴザイマシター

モブ部員「げっ、もう雨ふってるじゃん、女友も今日は阪○電車で帰るんでしょ?一緒に駅まで走ろーよ!」

女友「…」

モブ部員「…女友?」

女友「…!ごめん!うち女のことが心配だから部室に戻ってみる!それに折り畳み傘持っとるし!」ダッ

モブ部員「あっ、女友!?…も~、女友ったら、ほんと女のことになったら過保護になるんやから…」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

女(どーしよ…傘持ってないや…さっきから10分経ったけど男くんもう帰ったのかな…)

女「…とにかく部室から出よう」ガラガラ

女「うわ~、結構降ってるよ~どうしよ~」


オンナサーン


女「…!男くん!?///」

男「こっちこっち」クイクイ

女「…うん!待って!」タタタッ



ズルッ


女「きゃ!?」

男「うおっち!?」キャッチ

女「あわわわわ///、おtおととと男くん、ご、ゴメンネ///」

男「いーよ、それよりも女さんがこけなくて良かった。」ニコッ

女(////////////////こんな至近距離でそんな笑顔///////////////)

男「雨でコンクリートすべるしね。てか別に走らなくても良かったのに」


女「ううう、ごめんなさい///」

男「別に謝らなくても…おっと、掴んだままだった、ごめんね」バッ

女(あっ…もうちょっと掴まれていたかったたな…)

男「…?女さん?」

女「…ハッ/// そ、それよりも、お、男くんまだ帰ってなかったんだ。」

男「ああ、うん。部室に入ってからね、俺は傘持ってきてるけど、そういえば女さん傘持ってきてるか心配になってね。ダッシュで着替えて待ってたんだ。」

女(…/////////////////////////////)


男「それで家も近いみたいだし、一緒に帰ろうと思っ…女さん聞いてる?」

女「////////////…ひゃ、ひゃい、なんでしょうか!?」

男「ふふ、女さん面白いな。女さん、もしよければ今から一緒に帰らない?」

女「………へっ?男くんと一緒に…?……一緒に帰るの私!?/////」

男「はは、質問をしてるのはこっちだよ~」

女「は、はい!帰る!帰ります!…一緒に帰ろ男くん!/////」

男「オッケー、それじゃ帰ろうか」

女「う…うん///」

----―――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――----

女友(ううう…傘さしながらって走るの大変やな~)タタタッ


タタタタッ


女友(…よし、学校が見えてきた!えーっと女テニの部室の明かりは~…あれ、消えてる?)


タタタタッ…ピタッ。


女友(あれ、それじゃあ女はもう帰ったんかな…)はあはあ


女友(でももし帰るなら女なら絶対に連絡くれるねんけどなぁ…)はあはあ

女友(どっかですれ違った?…いやいや、女はこの道以外使わへんし…)はあはあ

女友(とりあえず、校門から学校に入って部室に…あれ、あの校門から出てきたのって!?)

女「お~い!おんn!?」バッ





女友(い、今校門から出てきたのって、女と………男くん!?)

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


ポツポツポツポツ


女(うう~/// まさかこんなことになるなんて/// ……)チラッ

男「…」スタスタ

女(男くんと…男くんと相合傘をしながら帰れるなんて///)

男「…」スタスタ

女(これは帰って早速女友ちゃんに報告しなきゃ/// …女友ちゃん?)

女「…あー!!!」


男「うぉッ!?ど、どうしたの女さん急に大きな声出して!?」

女(…ど、どうしよ…急展開の連続ですっかり女友ちゃんのこと忘れてた…)

女(…あっ、もしかして!?)ガサゴソ

男「女さん?」

女(…あ~!!やっぱり女友ちゃんからメールと着信が来てる!…ど、どうしよう)

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

女友(ん?女が急に大きな声を出して…どうしたんかな?)チラッ

女友(…あっ、ケータイを取り出した!さては今頃私のことを思い出したな~あいつめ~!)ムキー

女友(…でもあの女が私のことを忘れてるなんて、それだけの何かがあったんやろうな…)

女友(…待てよ!?このままの流れだったらあいつは確実に…しゃーないな、女のため一芝居しますか)パカッ

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女(あわわ~!どうしよ~…女友ちゃんやモブ部員ちゃんたちに連絡するの忘れてた~)

女(…みんな心配してるかな、特に女友ちゃんは私のこといつも気を使ってくれて…そして男くんの相談にも乗ってくれてる1番の友達なんだし…)

女(…今日は仕方ないけど男くんとは分かれて、女友ちゃんたちのところへ…よし!)

女「…男くん!あのね実は私、今日友達と待ちあw」prrrrrrr


女(…!あっ、女友ちゃんから電話だ)prrrrrrr

女「男君ゴメンネ、電話に出てもいいかな?」

男「うん、いいよ」

女「///…ありがと」パカッ ピッ

女「もしもし?」


女友『おお!?女!?やっと繋がったよ~、心配したんやからね!』

女「ご、ゴメンネ、ちょっと色々あって電話に出れなくて…」

女友『…ふふ、ええよ、女。それよりも本当に大丈夫?何かあったの?』

女「そ、それは…/// …うん、色々あったの/// でも大丈夫だから!」

女友『(…)そっか、ほなまたその色々を教えてな!あっ、ちなみに私らはもうとっくに解散したからマクドにはもうきーひんでいいよ!』

女「…!ゴメンね…女友ちゃん…」


女友『も~あんたすぐに謝るくせ直しいや!って今回は謝ってもらうのは正しいか!』

女「…ふふ、そうだね、ゴメンネ女友ちゃん」

女友『よ~し、そんじゃ今度マクドで三角チョコパイ奢ってくれるんやったら許してあげる!』

女「ふふ、女友ちゃんほんと三角チョコパイ好きだね!了解!また行こ!」

女友『よし!そんじゃ女も雨やし、気いつけて帰りーや!』

女「うん、わかった」


女友『それじゃ、女………頑張るんよ』ボゾッ

女「…?女ちゃん今なんて?」

女友『な~んでもな~い、ほなまた明日な女!バイバイ!』

女「?…うん、バイバイ!」ピッ

男「大丈夫なのお友達?」


女「うん、大丈夫みたい。てかお友達って、男くん女友さんのこと知らないの!?」

男「…!?…女友さんね、知ってるよ。女子テニス部だもんね。」

女「そうそう!私たちの学年の女テニで一番上手いんだよ~!」

男「うん、知ってる。確かに上手いよね。それで女さんは女友さんと仲良いの?」

女「うん!1番の親友なんだー!色々相談事も聞いてもらってるし!」

男「…そう…なんだ…。………。」

----―――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――----


ピッ


女友(ふ~、これでなんとかなるやろ~)

女友(頑張れ…女!)

女友(…でも、なんでうち、女と男を見た瞬間に隠れちゃったんだろ…もし、私があのまま二人に話しかけてれば…)

女友(……いや、これで正解なんよ。うちはそれだけひどいことをしてしまったんだから)

女友(……ゴメンね女…。ごめんね…)

女友「…………男くん…。」ボソッ



ザアアアアアアアアアアアア


----―――――――――――――――――――――――


今日はもう限界なのでここまでで…

また明日の夜に来ます。

おやすみなさい。


―――――――――――――――――――――――----


ブロロロロ~


ツギハ~○○バステイマエ~

女「…ゴメンね、男君、私に合わせてバスに乗ってくれて…」

男「いいよ、気にしないで。それに足の調子が悪い女さんをこんな雨中の坂道を歩かせるわけにいかないしね」

女「…えっ?…な、なんで私が今日足の調子こと知ってるの?」

男「女さん今日練習中に疲れてこけてたでしょ?それを偶然見てさ。」

女「///// …そ、そうなんだ////」

女(うう~/// まさか見られてたなんて/// 恥ずかしすぎる~///)


男「それに俺のサーブ練習を見てた時や、さっき歩いてる時なんかも、たまに足が痙攣してたでしょ?」

女「…え!?そ、そんなことまで/// …て、てか男くんそんなに私の足ばっかり見てたなんて/// …へ、変態さんなんだね男君!///」

男「ちょ、ご、誤解だってそれは!ははっ!…でも、本当に歩けそうになかったら言ってね。」

女「…………うん、あ、ありがとっ///」


ツギハ~○○台~○○台~


男「あっ、確かこのバス停だったよね?降りる用意しようか」

女「う、うん」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


ザアアアアアアアアアアアア


男「うわ~、結構降ってるね。」

女「ほ、ほんとだ、さっきより強くなってる…」

男「女さん、そんな離れてたら濡れてしまうから、もっと寄ってね」クイクイ

女「////////// あ、ありがと///」ヨセッ

男「どういたしまて。…でも女さんとこんなに話すのは初めてだね。クラスも俺がこっちに引っ越してきた時の中3の時に一緒になって以来別々だし。」

女「あっ、クラスが一緒だったこと覚えてくれてたんだ///」

男「当たり前じゃんか。だって席だって隣だったし。」


女「/// そ、そうだったね///」

女(そう、あの日、私は男くんに一目惚れを…)

男「これからもよろしくね、女さん」ニコッ

女「//// …でも、私、男君がこんなにお話をしてくれる人なんて思ってなかったな。女の子と話してるところなんてほとんど見たことなかったし、もっと、ク、クールなのかと思ってた///」

男「あ~……まぁ、そうだね。あんまり自分からは話かけないしね。クールなほうがいいかな?」

女「べ、別にそんなことないよ!むしろ今の感じのほうが話しやすというか…/// あ、あと、男くんこっちに来てからもずっと標準語のままだけど…か、関西弁の女の子が苦手なの?」

男「いや、別にそんなことはないよ。口調で好き嫌いなんてしないよおれは。てか、女さんもかなり標準語じゃない?中3の時は完全に関西弁だった気がするけど…?」


女「そ、それは!?」

女(男くんは関西弁が嫌いなんだと勘違いして頑張って標準語を練習してきたなんて言えないよ…///)

男「おっと…そうこう話してる間に女さんのマンションに着いたね。」

女「あっ…うん」

女(あっという間だったな…)

男「それじゃ、俺はこっちだから…またね女さん」




女「あっ……………お、男くん!!」


男「ん?どうしたの?」

女「あの………け、ケータイのアドレス教えてくれないかな?///」

男「えっ…ケータイ…?」

女「そ、そう!私、お、おおおオト男くんともっと仲良くなりたいな~って思って/// …うう、そ、そのもし良ければなんだけど…///」

男(………)

男「女さん」

女「ひゃ、ひゃい!」





男「…ごめんね、俺ケータイ持ってないんだ。」





女「……えっ…………そ、そうな……んだ……」

男「別にケータイ買うお金がないってわけじゃなくて………あんまり必要と感じて無くてまだ買って無いんだ。」

女「…そ、そうだよね!ケータイなんて友達同士でメールとかしかしないもんね!無理頼んじゃってごめんね、男くん!」アセアセッ

男「…!…ごめんね、女さん、変に気を使わせちゃって。」

女「い、いいよ!男くんが謝らないで!こっちこそ本当にごめんね!」

男「…それじゃあね、女さん」

女「あっ…うん」


女(…どーしよう、こんな気まずいままバイバイしたくないよ…)

女(………!)

女「男くんちょっと待って!!」

男「?」

女「男くんは、あ、明日もサーブ練習を、す、するの?」

男「…? うん、一応2週間は許可もらってるし、やるつもりだよ。」

女「そ、そうなんだ。あ、あのね/// 明日からもまた見学に…じゃなくて……一緒にサーブ練習してもいいかな!?///」

男「えっ、でも…」

女「お、お願いしますっ!!///」



男(…)


男「………分かった!いいよ。顧問の先生にも俺から許可もらっておくし」

女「ほ、ほんとぉ!?/// あ、ありがとっ男くん!!///」ニコッ

男「…! どういたしまして、女さん。」

女「それじゃまた明日テニスコートでね!バイバイ!!///」フリフリ


タタタタタッ




男(………女さん、やっぱり君は……)

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―――――――――――――――――――――――----

女『…でね、明日から男くんと一緒に練習できることになったんだよ女友ちゃん!』

女友「ふふ、よかったな~女。まさか、女がそんなに積極的になるとは~、まぁ、それもうちのおかげかな!?」

女『ふふ、そうだね!ほんと女ちゃんには感謝してるんだよ///』

女友「ふふ、もっと、私のことを敬え敬え~!!…でも、女、あんた、うちと話すときもとうとう関西弁じゃなくなったね。」

女『えっ?そうかな?』

女友「そうだよ。でも、これも男くんにお近づきになるためやもんな~!」

女『/// か、からかわないでよ女友ちゃ~ん』


女友「はは、ごめんごめん!……でも、女。明日からも頑張るんだよ、うちはあんたのこと本当に心の奥底から応援してるから」

女『女友ちゃん…うん!女友ちゃんのためにも私頑張るから!!』

女友「うんうん、その意気やで、それじゃまた明日な。」

女『うん、バイバイ!』

女友「ばーい」ピッ



女友「…はぁ…『女友ちゃんのためにも』…か……。」


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―――――――――――――――――――――――----


ガチャッ


男「ただいま~っと、おっと、親父は今日は大学に泊まり込みだっけ」


タタタタッガチャ


男「ふ~疲れた~」ボスンッ

男(………)

男「…」スクッ

テクテク パッ

男「…」パカッ

ケータイ画面 『新着メッセージはありません』



男「……………………幼馴染…。」

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―――――――――――――――――――――――----

女友「いよいよ、明後日ね女!本当に告白する心の準備は出来てるの!?」

女『うう~、正直まだ出来てないよ~/// でも明後日が最後の男くんとの練習だし、もしその日を逃したらもうチャンスはないかもしれないし…』

女友「せやね、来月からはテスト期間やし、夏休み入ったら女テニと男テニは練習時間が別々になるしね」

女『うん…でもこの2週間男くんと毎日練習できて、毎日一緒に帰れたってこともあって、私のことを男くんにかなり知ってもらえた気がする///』

女友「そうかそうか…女も男くんのことを以前よりも、たくさん知れた?」ニヤニヤ

女『///!? …うん/// 男くんの趣味や好き嫌いとか色々教えてもらったよ』

女友「ふふっ、良かったやん」

女『うん!/// ………でも、ただ…。』

女友「…ただ?」


女『男くん、私との会話が途切れたりしたときに、ふと遠くを見つめて寂しそうな顔をするというか…心ここに在らずな雰囲気をたまに感じるというか…』

女友「…」

女『でも、私頑張るからね!女友ちゃんのためにも絶対に告白成功させるから!///』

女友「…!…うん!そうや!その意気やで女!」

女『ふふ、ありがと女友ちゃん、じゃあ、またね!バイバイ!』

女友「バイバ~イ」ピッ

女友(…男くん…あんたやっぱり…)

女友(明後日か………よし!明日、うちがやるしかないな!)

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―――――――――――――――――――――――----


キンコンカンコーン


男(やっべ~!親父の着替えを大学にまで届けに行くのがこんなにも時間をくうなんて!遅刻遅刻~!)タタタッ

ソコノセイトー!コウモンシメルゾー!イソゲー!

男「ちょっ!ちょっと待って下さあああい」ズザザザーッ

男「…はあはあ、滑り込みセーフ」

ナニヲヤスンドルンダ、トットトキョウシツへイケ!

男「うっ、すみません、すぐ行きます。」


スタスタスタッ


男(ふい~、疲れた~)



女友「男くん!」

男「…!? …女友さん、どうしたの、もうチャイム鳴ったのに…」

女友「ふふ、お互い様やん。…ちょっと男くんに頼み事があってね。」

男「頼み事?」

女友「うん、頼み事。今日の部活の後、阪○電車の駅前まで来てくれへんかな?」

男「えっ…どうして?」

女友「ど~しても!」


男「…!? でも、最近部活後はちょっと用事が…」

女友「その用事ってのは、女とのサーブ練習のこと!?」

男「!? し、知ってたんだ…」

女友「知ってるも何も、うちが女の親友ってことは女から聞いてるんやろ?」

男「…うん。でも、女さんにも確認を取らn女友「頼み事がその女についての話って言ったら?」



男「!?」

女友「これだけ言えばわかるでしょ?…それじゃ部活後に駅前で待っとるから。」タタタッ

男「あっ…。」

男(女さんについての話…)

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ガヤガヤガヤガヤ


女友「ふふ、来た来た。思ってたよりも早い到着やね。」

男「女さんには一応昼休みには今日は中止ってこと伝えておいたから」

女友「ふふ、知ってる。その後すぐに私に相談のメールが来たし。」

男「そう…」

女友「ちなみにその話を女にしたとき、女の様子はどうだった?」

男「それは…それは残念そうな顔だったよ。」

女友「残念そう、か…。ま~男くんがケータイを持っていればそんな残念な顔を見ることもなく断れてたのね。」

男「…だって俺ケーt女友「嘘でしょ?」




男「え?」

女友「男くん、ケータイ持ってないって嘘でしょ?」

男「…」

女友「うちの友達がね、中3の時に街中で楽しそうにケータイで電話してる男くんを見たことがあるらしいんよ。その時の男くんは学校じゃ見せない飛び切りの笑顔で電話してたから、その子もめっちゃ印象に残っとるって言っとった。」

男「…」

女友「そんな年頃でケータイを買ってもらった男の子がたった2年でケータイを持たなくなるケースなんて、家庭の事情か、馬鹿高いケータイ代を請求されて没収されたかくらいしか考えられへんもんね。」

女友「しかも男くんってお父さんがkb大学の教授らしいし、男くん自身金遣い荒らそうじゃないし、持ってないほうがおかしいやん」

男「…」


女友「まぁ、これも全部私の憶測でしかないんやけど、当たっとるっていう自信結構あるで。」

男「…」

女友「まー、何でケータイ持ってないっていう嘘をついたんかは別に聞きはせんから。私も他の誰かに言うつもりないし。てか他のみんなにも持ってないって言ってるんやろ?」

男「…うん。」

女友「せやろーな。実際うちが半年前に男くんに教えてって頼んだときも持ってないの一点張りやったし。」

男「…ごめん。」

女友「ふふ、ええよ別に!…っと、いつまでも立ち話はなんやしそろそろ行こうか!」

男「…えっ?行くってどこに!?」

女友「うちがこの駅前で行くとこって言ったらあそこしかないやん!付いて来て!」

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ハイオマチドーサマー

女友「うっひゃ~待ってました~」ジュルリ

男「まさか…女友さんの行きつけが餃子の王将とは…」

女友「ちょっと!なんなんその言い方!女子やって中華大好きなんやからね!」

男「ごめんごめん、でもよく来るの?」

女友「うん!さすがに一人では来いひんけど、家族で毎週来てるんよ!」

男「そーなんだ…それにしても注文が餃子・ラーメン・天津飯というガッツリセットとは…」

女友「いつもはこれにプラス唐揚げをつけるんやけどね~、さすがに男くんに引かれそうやからやめといた。」


男「…それ言っちゃ、もう一緒じゃない?」

女友「…はっ!確かに!てか男くん酢豚とご飯だけでいいん?王将に来て餃子を注文しーひん人なんか初めて見たわ!」

男「ま~王将初めてだし、よく分かんなかったから…それに酢豚好きなんだ…。…とりあえず食べますか。女友さんもさっきからヨダレが止まんないみたいやし。」

女友「なんと!?ジュルリ …うう、はずい/// まーとにかく頂きます!」パンッ

男「いただきます」ピトッ


ガツガツガツガツ


男(…ほ、ほんと良く食べるな女友さん。…夢中に食べてるところ悪いけどそろそろ本題について聞いておかないと…。)

男「…女友さん、今朝言ってた女さんのはなs女友「男くん」

男「? …はい?」


女友「…」カチャッ

女友「女はね、明日……男くんに告白するよ…」

男「!? …えっ!?」

女友「女は明日の男くんとの最後の練習の後に告白するの。もうそれはほぼ決まってる…。」

男「…!……でも何でそのことを今俺に…?」

女友「何故って……それは…………女のために決まってるじゃない。」

男「女さんのため…?」

女友「男くん、あんた、女が告白してきても絶対に振るでしょ?」

男「…そ、それは…。」


女友「…ねえ、男くん、あんたには想い人がいるんじゃないの?」

男「…え?」

女友「おそらくその想い人は、さっき言ってた電話の相手でしょ?それで今もその子のことを想ってる。もしくは想い合ってる。」

男「…」

女友「だって、この2年半、男くんってば何人もの女の子を振ってきたでしょ。…うちを含めてね。中にはとびきり可愛い子も告白したそうやない?それらを全て断るなんて思春期の男の子としては考えられへん。」

男「…」

女友「ケータイのアドレスを他の誰にも教えなかったのも、他の女の子と仲良くなることをさけるため。そんなことをするのは他に好きな子がおるか…付き合ってる彼女がおるか。」

男「…」


女友「男くん、あんた、男友達にもそいうことをいっさい話さないらしいやん。ただ、『俺はそういうのいいから』の一点張り。そんなん逆に怪しいわ。」

男「…女友さんって何でそんなに色々しってるの?」

女友「…! それは…それは、男くんのことを好きってのもあったけど、元は女の恋を成就させるために男くんのことを知ろうと動いてたからなんよ…」

男「…」

女友「うちは、女とは小さい頃から友達でな、ずーっと一緒やってん。で、その女が中3になったときに初めてうちに『好きな人ができた』って相談してきてん。それはもう、うちも嬉しく嬉しくて、『絶対その恋を叶えさせてやる!』って約束してん。」

女友「…で、その女の初恋の相手が男くん、あんたや。」

男「…」


女友「女って中学の時からあんなんやろ?だからうちが色々積極的に動いて情報を収集したるって女に言ってん。」

女友「そんで運もあってか、男くんは転入してからすぐテニス部に入って。うちも、もともとテニス部やったから色々観察してたんよ。」

女友「そう…そうやってうちが女の変わりに男くんを観察してるうちに……うちも男くんのことを好きになってしもうてん…」

男「女友さん…」

女友さん「初めは気のせいや!って思っててんけど、いつの間にか自然と目が男くんを追うようになって…」

女友「それでも…それでも、うちは女のことを裏切ったらあかんって思って、自分に嘘つきながら過ごしてたんや…。」

女友「でも、とうとう私も我慢できんくなってん!それが!……それが半年前のクリスマスイブでの男くんへの告白…。」

男「…」


女友「…まあ、結果は無残やったけど、男くんに振ってもらって正解やったわ!…うちは親友のことを裏切るこんな…最低な女なんやから…」

男「…そんなことないよ。」

女友「ふふ、ええねん、ええねん。そんな無理して擁護せんでも。ほんまにうちは結局は自分が一番可愛いと思ってるだけのクズやから………でもな、でも今回の女のことはまた別や。女には本当に幸せになってほしいんよ。」

男「女…さん」

女友「うち、さすがにこれは当たってるか分からんけど、男くん、あんた今その想い人とうまくいってないやろ?」

男「!?」

女友「…そして、女にちょっとだけ惹かれてもいるやろ?」

男「…!? そ、それは…」


女友「たくさんの女の子のことを振ってきた男くんが、顔はまあまあ(うちは世界1やと思うけど)でドジでノロマでおっちょこちょいの女のことなんて正直目もくれんとうちは思ってた。でも実際は…ちゃうかった。」

女友「今では、って言ってもまだ2週間やけど、一緒に練習して一緒に帰るまでの仲になった。それは絶対に同情とかではないはずや。」

男「…」

女友「あとな、男くん、女が男くんのことを好きなことにあんたとっくに気付いてたでしょ?」

男「…!? …どうしてそう思うの?」

女友「ふふ、ここでまで気付かないふりせんでいいよ。どうせあの一番最初の日には気付いてたはず。…だって男くん頭いいじゃん?テニスの時とかでもすごく鋭くて頭を使ったプレーが出来てるし。あと単純に成績もいいし。」

女友「それに、男くんにも想い人がいるのなら、自分が恋してるときの気持ちの焦りようから来る言動なんてすぐわかるでしょ?」

女友「ま~女の焦り方は群を抜いてるから特に分かりやすいと思うしね。よく噛むし。」

男「…ふふ、そうだね。」


女友「…でさ、そんな感じで本来なら『恋愛』をさけているはずの男くんが、男くんのことを大好きオーラを常に発信している女のことを不快に思わず、むしろ仲良くなろうとしているってことから、うちは男くんが女に少なからず惹かれてると予測したわけ。」

男「…なるほどね。でも女友さんはさっき、『男くん、あんた、女が告白してきても絶対に振るでしょ?』って最初に言ってきたよね?俺が女さんに惹かれてると予測してるならむしろ逆の結果を期待すると思うんだけど…」

女友「…女がね、昨日電話で言ってたの…『男くん、私との会話が途切れたりしたときに、ふと遠くを見つめて寂しそうな顔をするというか…心ここに在らずな雰囲気をたまに感じるというか…』ってね。」

男「…」

女友「これを聞くまでは、告白は成功するって思ってたんだけど、ちょっと厳しいなって考え方に変わったの…」

男「…そっか、それで今日…」


女友「…男くん、教えてくれへんかな?その想い人が誰なのかを、そして女に惹かれているわけを。」


男「………女さんは…。」


男「………女さんは………似てるんだ。」


女友「似てる?…似てるって誰に?」








男「……………………出会った頃の幼馴染に…。」

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―2009年/6月/横浜――――――――――――――----



イケメン「幼馴染さ~ん」

幼馴染「? あっ、おはようイケメン君」

イケメン「幼馴染さんが見えたから頑張って走ってきたよ」はあはあ

幼馴染「ふふ、朝からそんな体動かしちゃ授業中眠くなっちゃうよ」

イケメン「大丈夫!俺、元気しか取り柄ないし!」

幼馴染「そんなことないよ、バスケも一番上手いし」

イケメン「そ、そうかな!?」


幼馴染「うん、イケメン君上手いよ!お互いこれからも精進しようね!?」

イケメン「!? うん!!」

オサナナジミサーン オハヨー







幼馴染「あっ、おはようございます、皆さん」

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ダンダンダンダン

パスパス! フォワードハシレー!

幼馴染「はあはあはあ、…っ!」シュッ

ファサッ ピー

オサナナジミサン ナイッシュー!

ハヤクモドレー!

幼馴染「はあはあ…」タッタッタッタ

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

オツカレサマデシター

モブ部員「幼馴染さんまたねー!」

幼馴染「はい、さようならモブ部員さん」

幼馴染(…さて私も帰ろう)テクテクッ

オサナナジミサーン

幼馴染「あっ、イケメン君、男バスも終わったの?」

イケメン「うん!」

イケメン(…ほんとは抜けてきたんだけど)

幼馴染「それじゃ、一緒に帰ろっか」ニコッ

イケメン「/// うん!」

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―――――――――――――――――――――――----

イケメン「…でさー!」

幼馴染「ふふ、何それー」

イケメン(…ここまで長かったな~。高校に入ってから幼馴染さんと仲良くなれて、そして俺との時だけタメ口で話してくれるようになるまでは。)

イケメン(…入学式の時に一目惚れして以来、ほんと俺頑張った、うんうん。)

イケメン(…だから、そろそろ聞いてもいいよな…!)

イケメン「…ところでさ、幼馴染さんって好きな人とかいるの!?」

幼馴染「………えっ、ど、どうしてそんなこと聞くんですか???」

イケメン(…丁寧語に戻ってる!?…こ、これは地雷を踏んでしまったかあああ)


イケメン「…いっ、いや、だって俺たちも高校2年生で青春真っ盛りの年頃なんだし、幼馴染さんにも好きな人がいてもおかしくないって思って…」

幼馴染「…そう、そうだよね。好きな人がいてもおかしくないよね。」

イケメン(ホッ、タメ口に戻った~、…よし、このまま…!)

イケメン「…で、好きな人はいるの幼馴染さん?」

幼馴染「す、好きな人は…好きな人は…」





幼馴染「…………………好きな人は…いるよ。」


イケメン「…あっ、ははっ、そ、そーなんだぁ…」

幼馴染「…」

イケメン(…はあ、そっかー、そうだよな。いてもおかしくないよな。さっき自分で言ったことが今まさにブーメランで突き刺さるとは。今までの努力も無駄にな…ん?)

イケメン「ど、どうかしたの幼馴染さん?」

幼馴染「…えっ?何が?」

イケメン「……何でそんな辛そうな顔をしてるの?」

幼馴染「…!? えっ、そ、そうかな?き、気のせいじゃないの?」

イケメン(いや、してたよ…、聞いてみるだけ聞いてみるか…。)

イケメン「その幼馴染さんの好きな人は誰なの?同じ高校?」

幼馴染「…!…ううん。同じ高校の人じゃないの…。今、その人は…遠くにいるの…。」

イケメン(…なるほど、遠距離恋愛なのか…)


イケメン「へ、へ~、ちなみにどこにいるの?」

幼馴染「…………神戸。」

イケメン「神戸か~…確か横浜と同じ港町だね。…いつから好きなのその人のこと?」

幼馴染「……その人は私にとっての『幼馴染』なの。で、中学2年の時にその人が転校することになって。で、その人の転校当日にお互い告白したんだ…。またあの場所で出会おうって約束までして。」

イケメン「そうなんだ…幼馴染さんの好きな人は『幼馴染』の男の子なのか…。あの場所ってのは幼馴染さんが横浜に引っ越す前にいたって言う東京のどこかなの?」

幼馴染「うん。私の中学卒業とお兄ちゃんの高校卒業に合わせて私の家族は東京から横浜に引っ越してきたんだけど、もともといた東京のとある場所でね…」

イケメン「へ~、それにしても羨ましいな~、そんな『幼馴染』で約束しあった恋人がいるなんて!」

幼馴染「………恋人なのかなぁ。」


イケメン「へ? だってお互い告白したんでしょ?」

幼馴染「お互い好きってことは伝え合ったけど、具体的に『付き合おう』ってことはその時話さなかったから…。」

イケメン「えっ、でもお互い好きっていったんだから、それはもう付き合ってるも同然じゃない?」

幼馴染「…それは、そうなんだけど…」

イケメン「…幼馴染さん、もしかして、その人と最近うまくいってないの?」

幼馴染「…えっ?どうして…それを?」

イケメン(ビンゴか…)


イケメン「その様子だとあんまり連絡取り合ってないんでしょ?もしくは喧嘩したか」

幼馴染「………うん。取り合ってないというか……」




幼馴染「………私がメールを返してないんだ…。」

イケメン「えっ?ど、どうして…?」



幼馴染「そ、それは…………………。」






幼馴染(…………半年前にあんな映画見ちゃったから…)

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―2008年/12月/横浜――――――――――――――----

幼馴染「ただいまー」

幼母「おかえりなさい、雪すごかったでしょ?」

幼馴染「うん!横浜でも雪降るんだね!」

幼兄「東京も横浜も変わんねーよ、ばーか!」

幼馴染「!もう!うるさいなお兄ちゃん!」

幼母「でも、クリスマスイブの日にまで部活があるなんて大変ね~」

幼馴染「まあ、仕方ないよ、私の高校、一応強豪校だし。」

幼兄「ドジでノロマでおっちょこちょいだった幼馴染がほんと良く続いてるよな~奇跡だなこれは」

幼馴染「もう!お兄ちゃん何で今日はそんなに私のことをいじるのよ!?てか、お兄ちゃん18人目の彼女と今日はデートなんじゃないの!?」


幼兄「18人目じゃねーよ!17人目だ!…いや、今日はデートの予定だったんだけどな…実はな…昨日さ………17人目の彼女に振られて……うっ、ぅぅ」ポロポロ

幼馴染「あー…またかぁ…だからイライラしてたのか…」

幼兄「うぅ…」シクシク

幼母「はいはい、あんた振られる度に泣くクセをいい加減治しなさいよね。まったくも~」

幼馴染「…ふふ、お兄ちゃん元気だしなよ~! …!あっ!そうだお兄ちゃん!さっき部活から帰ってくる途中でレンタルビデオショップに行ってさ、これ借りてきたんだ~!」ジャーン

幼兄「シクシク……ん?………!?……お、お前…それは…」


幼馴染「うん!秒速5センチメートル~!たまたま見つけてさ!思ってた以上にパッケージの絵も綺麗だし、何より『幼馴染』が題材ってことを前お兄ちゃんから聞いてたからさ!」

幼兄「…お前、裏表紙を見なかったのか?」

幼馴染「ん?だってあらすじを知ったら面白くないだろって前に言ってたのお兄ちゃんじゃない?」

幼兄「そう…だっけ」

幼馴染「だから、今からお兄ちゃんも一緒に見ようよ!これ見たら悲しみも吹っ飛ぶかもよ!?それで見た感想を男に後で電話で伝えるんだ~!本当は一緒に見たかったけど///」

幼兄「…幼馴染、悪いことは言わない。それは見るな。」

幼馴染「えっ、何でよ!?せっかく借りてきたのに~!!」

幼兄「見るな!見ないほうが…見ないほうが絶対いい…」

幼馴染「も~お兄ちゃんまだイライラしてるの~?…そういえば男とこの映画見に行くって決まった時も確か反対したよね!?最初は勧めてきたくせに!」


幼兄「それは…事情ってもんがあんだよ。」

幼馴染「何よその事情って!?」

幼兄「それは…」

幼馴染「もういい!お兄ちゃんなんて知らない!私自分の部屋で一人で見てくる!」

幼兄「…! 待て幼馴染!」ガシッ

幼馴染「痛っ!離してよお兄ちゃん!」

幼母「ちょ、ちょっと幼兄!」

幼兄「…あっ、…す、すまん。」パッ

幼馴染「お兄ちゃんなんてだああいッ嫌い!!」ダッ

タッタッタッタッタ ガチャ バタン


幼兄「…」

幼母「幼兄、あんた今日どうしたのよ。…いくら昨日彼女に振られたからって、今まで幼馴染に手をあげたことなんてなかったじゃない。」


幼兄「…」


幼母「ちょっと聞いてるの幼兄!…返事しn…!」

幼母(……幼兄のこんな顔久しぶりに見たわ…。前見たときは確か……そう、男くんと最後に話したあの時…。)

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―――――――――――――――――――――――----

幼馴染(も~、なんなのよお兄ちゃんったら!)プンスカ

幼馴染(せっかくのクリスマスイブなのにあんなこと言われたらたまんないよ!)

幼馴染(何よ、映画ぐらいであんな怒って…ただの映画じゃない!!)

幼馴染(…ふう、とにかく早速見てみようかな)ガチャッ


ウィーン ピッ


幼馴染(…あっ、始まった。……。)


幼馴染(あっ、主人公の男の子と女の子だ!…ふふ、ほんと小学生の時の男と私にそっくり!///)

幼馴染(…あっ、桜と踏み切りだ…ほんとに似てる…私たちの想いでの場所と…)

幼馴染(…ふふっ、どうなるのかなこの後!!)

………………
………


----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


幼兄(…やっちまった。完全に忘れてたあの映画のこと)

幼兄(あの時にもっと上手くフォローしておけば…)

幼兄(でも、まだ悪い方向に進むとは決まったわけじゃないんだ…幼馴染なら…!)

幼兄(ただ…俺のこういう悪い予感って今まで外れたことが…)


ガチャ


幼兄(…!幼馴染のやつ見終わったのか!?)


トコトコトコ


幼兄(…俺の部屋に来るか…!)



ガチャ


幼馴染「……お兄ちゃん…。」

幼兄「幼馴染…最後まで見たんだな…。」

幼馴染「…うん。………お兄ちゃんが今日見るのを反対してた理由も分かった気がする。」

幼兄「そう…か。」

幼馴染「でも、お兄ちゃんは男が引っ越すことが決まる前に何でこの映画を勧めてきたの?」

幼兄「…見た後で離れ離れになるのと、離れ離れになった後であの映画を見るは全く違うと思ったからだ。」



幼馴染「…」


幼兄「もし離れ離れになる前にあの映画を見ておけば、近くで恋愛できることの大切さや、もし離れたとしても、『あんな結果』にならないようにっていう強い気持ちがつくと思って…。」

幼兄「…でもまさかあんなタイミングで男が引っ越すとは思ってもいなかったからな。あのタイミングで見るのは完全に逆効果だと思ったから見るのをやめさせたんだ。」

幼馴染「…なるほどね。…でもお兄ちゃん。私はあの映画を予め見た上で離れ離れになったとしても結果は一緒だと思うよ。」

幼兄「…えっ、それはどういう…?」


幼馴染「私ね、高校に入ってから横浜でもたくさんの友達が出来たんだけどね。その子たち、みーんな同じ高校や地元の男の子と恋をしてるの」

幼兄(………ああ…すまん…男…)

幼馴染「でね、その子たちがね、すごく羨ましくてね。…でも、私には…私にも約束をした人がいるのに会うこともほとんど出来ないの…」

幼兄(……俺のせいだ……俺が…)

幼馴染「そんな寂しい想いを隠しながら生きてきたんだけど、今日あの映画を見て、私思っちゃったんだ。…ううん、何かが弾けたって言ったほうが正しいかな…」

幼兄(…! 幼馴染、それ以上は…それ以上言ってしまったら…!!!)








幼馴染「…私たちもあの映画みたいな『あんな結果』になっちゃうのかな…。」

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―2008年/12月/神戸――――――――――――――----


prrrrrrrrrr prrrrrrrrrr


幼馴染『…もしもし。』

男「あっ、もしもし!幼馴染!?メリークリスマス!」

幼馴染『…うん、メリークリスマス。』

男「?…あっ、そうそう今日は横浜でも雪みたいだな、こっちも結構降っててさ。雪のせいで年内最後の部活も中止になったよ、はは。」

幼馴染『そうなんだ…。』

男「……どうかしたの幼馴染?元気ないじゃんか…?」


幼馴染『別に大丈夫だよ…。それじゃ男は今日は部活休みだからずっと家にいたの?』

男「いや、せっかくのクリスマスだしと思ってスーパーまで行って七面鳥とか買ってさ!で、昔おばさんに教えてもったレシピ通りにクリスマスのフルコースの料理を作ってさっきまで親父と食べてたんだ。」

幼馴染『へ~…そうなんだ。…せっかくのクリスマスなのに女の子とかと遊ばなかったの?』

男「…へっ?女の子?別に遊んでないよ。あっ、でも買い物から帰ってきた時に知り合いの女の子が家の前にいてさ。色々参っちゃったよ、はは。」

幼馴染『…!? 男、その女の子と何話したの?』

男「えっ、べ、べつに特別なことは…。」

幼馴染『嘘だ…だって男の新しい家って住宅街だけど近所に同じ世代の友達がほとんどいないって言ってたじゃん。それに今日はクリスマスイブ…。』

幼馴染『…絶対にその女の子、男の家の前で男が帰ってくるの待ってたに決まってる!』


男「…! ごめん、幼馴染、確かに俺は…嘘をついた。そして幼馴染の予想通りだと思うけど…今日その子に告白されたんだ…。」

男「中学から同じテニス部だった子なんだけど…。でも俺が好きなのは幼馴染だし、ちゃんとその子のことを振ったよ。」

幼馴染『…『ちゃんと』…かぁ。でも男、この前送ってきてくれた写メ見たけど、背も伸びてほんとかっこよくなったよね…今まで聞いたことなかったけど、他にもたくさんの子たちから告白されたりしてるんじゃないの?』

男「…!? なぁ、どうしたんだよ幼馴染!!今日のお前何かおかしいよ!?」

幼馴染『おかしくなんかないよ、男。むしろこれが普通なのかもしれない。だって自分の好きな人の状況を知るってことは別におかしくないでしょ?』

男「…! そ、そうだけど」


幼馴染『それで、どうなの?告白されたこと他にもあるの?』

男「……うん、あと3回くらい…」

幼馴染『そっか…そうだよね。だって男かっこいいもん』

男「…で、でも幼馴染!俺はそれらの告白には全部断ってきたし…」

男「何よりもお前のことがs幼馴染「男…」」

男「…!な、何だ?」

幼馴染『男……………無理しなくていいからね』

男「…!? お、幼馴染それってどういう!?」

幼馴染『どういう意味って、それ以上でもそれ以下でもないよ。無理しないでね男』


男「…なぁ、幼馴染、お前本当にどうしたんだよ!?何かあったのか!?」

幼馴染『………男…私たちってまるで…』

男「…!?」






幼馴染『………まるで秒速5センチメートルみたいだね。』ボソッ

男「え?ど、どういうことだ幼馴染!?」

幼馴染『…!…それじゃあまたメールするね!バイバイ!』

男「あっ、おい幼馴染!幼馴染っ!……」ツー ツー

男(…どうしちゃったんだよ幼馴染…お前は…お前の気持ちは…)

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


ピッ


幼馴染(…これでいいんだ。これで…)

幼馴染(思ってた通り、男はもてるみたいだし、他の女の子たちと遊ぶ機会を私が奪ってるんだ…)

幼馴染(その女の子たちは今現在の男と同じ空間で今の男と一緒に過ごせてる。でも私はこのケータイ越しでしか今の男のことが分からない。)

幼馴染(それってやっぱり、今男の身近にいる人たちにすごく迷惑なんじゃないかな…だって、私、その女の子たちよりも、今の男のことを知ってるっていう自信がない…)

幼馴染(…だから、その子たちのためにも、そして何より男のためにも…)

幼馴染(…ううん。…違う。男のためにってのは言い訳だ。『自分のため』に、この選択を取ろうとしているんだ私は…。)


幼馴染(男のことは今でも大好き。男以上に好きになれる人なんて現れないかもしれない)

幼馴染(…でも、このままは…すごく怖い。自分が大好きな男が遠い場所で見知らぬ人と成長していくことから生まれる疎外感に今にも押しつぶされそうなんだ…。)

幼馴染(…やっぱり…やっぱり寂しいよ男…)

幼馴染(私たちもあの映画のように『距離』に負けるのかな…)

幼馴染(………男、私どうしたら…どうしたらいいの?…)

………………
………

----―――――――――――――――――――――――


今日はここまでです。

また明日の夜に来ます。

おやすみなさい。


―2009年/6月/神戸――――――――――――――----



………
………………

男「…うっ」ガバッ

男(…また、あのクリスマスの時の夢か…)

男「…秒速5センチメートルみたい…か。」ボソッ

男(…結局あの後、女友さんに幼馴染のこと話してしまったな…。)

男(…話してからまた何か色々言われるのかと思ってたけど結局何も言われなかった…)

男(…今日の部活後…どうすれば…)

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ちゅんちゅん


スタスタスタッ


女友(…幼馴染さんか~。思っていた以上の強敵っぽいな~)スタスタ

女友(男くんとは『幼馴染』で再会の約束をしたまでの人…)スタスタ

女友(そして女はその男くんが一目惚れした『出会った時』の幼馴染さんに似てる、か~。)スタスタ

女友(まさか、ドジでノロマでおっちょこちょいなところが逆にアピールポイントになるなんてね、ふふ)スタスタ

女友(でも、男くんも女の笑顔の良さを理解してたみたいで嬉しかったな~)スタスタ

女友(女の笑顔は本当に世界一だとうちは思っとうし!)スタスタ


女友(…でも結局、昨日は私の本当の目的である2つの策をどっちも実行出来ひんかった…)スタスタ

女友(もし、男くんに少しでも女に気があると分かった場合には、絶対に女からの告白を受け入れてもらうようにとことんプレッシャーをかけるという策と…)スタスタ

女友(もし、男くんに女への気が微塵もない場合には…完膚なきまでに…って言ったら大げさやけど、確実に女を振ってほしいと頼む策…。)スタスタ

女友(女は今回が初めての恋や。それでもし、男くんが未練がましい振り方をしたら、あの子は絶対にそれを引きずったまま、男くんのことを諦めきれずに、貴重な高校時代を無駄にしてしまうはず…)スタスタ

女友(女にはそんなもったいないことしてもらわないためにも…そして『次の恋』のためにも、男くんへの恋心が消えてしまうような振られ方をしないとあかん…)スタスタ

女友(…でも、結局どっちの策も実行出来ひんかった。策としてはもちろん前者のほうを出来ればと思っててんけど…)スタスタ


女友(…だけど…男くんからあんな幼馴染さんの話を聞いてしまったら…男くんにとって幼馴染さんがどれだけ大きな存在かってことを知ってしまったら、女の恋を成就させてやりたいという気持ちと同じくらい…男くんと幼馴染さんの約束の成就への応援の気持ちも生まれてしもうて…プレッシャーなんて…)スタスタ

女友(そして男くんに女への気持ちが…ううん。女の姿が幼馴染さんに被ってしまってそれに苦しんでる男くんに女のことを確実に振れ!なんてとても言えない…だって例えるならばそれは、女を振る=昔の幼馴染さんを振る、っていうことになるんだから…)スタスタ

女友(…そして、昨日からうちも、何故だか胸が苦しい…)スタスタ

女友(昨日男くんと久しぶりに話したからかな…でもやっぱり…)スタスタ

女友(…やっぱり私はまだ…まだ男くんのことを…)スタスタ

女友(ふふ、私こそとっとと『次の恋』に行かんといけんのに…)スタスタ

女友(ほんま、だめなやつやな、うちって…)スタスタ

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―――――――――――――――――――――――----


テクテクテク


女(…うう~、昨日は結局緊張して眠れなかったな~)テクテク

女(しかも昨日は男くんとの練習も休みだったし…でもあれは多分…)テクテク

女(…とにかく!!自分の恋の成就のためにも頑張らないと!)テクテク

女(もちろん!女友ちゃんのためにも!!)テクテク



女(そして……女友ちゃんの分も…。)テクテク

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―――――――――――――――――――――――----

先輩一同「「みんなおさきー」」

後輩一同「「オツカレサマでしたー!」」

モブ部員「ふ~今日も疲れたね~」

女(…そろそろ時間だ…コートに戻らないと!)テクテク

モブ部員「あ~女、ちょっと待って!」

女「? な~にモブ部員ちゃん?」

モブ部員「あんた最近部活後男くんと練習してるってほんまなの!?」

女「えっ、ど、どうしてそれを!?」

モブ部員「えっ、だってコートなんてすぐそこにあるし、結構みんなに目撃されてるよ?」

女「…あっ、…そ、そうなんだ」


モブ部員「…で、実際のところど~なんよ!?男と付き合ってんの!?」ワクワク

女「えっ、そ、そんな…付き合ってなんか////」

モブ部員一同「キャーキャー///」キャー

女友「…」

モブ部員「でも2週間も2人っきりで練習とかしといて何もないわけないじゃない!?どうなの!?付き合ってるの!?それともそれ以上のことを!?」グイッ!グイッ!!グイッ!!!

女「あわわわわわ////…そんな…私は///」




女友「…はあああ~い!そこまで~!!」


モブ部員「え?」

女「お、女友ちゃん…」

女友「さっ、私らはとっとと行くよ~!ほらほらみんな荷物持って!!」グイグイ

モブ部員「ちょ、ちょっと女友!?行くってどこへ!?」

女友「マクドよマクド!!ほらみんな、今日はうちが泣けなしのお金でみんなに三角チョコパイを買ったげるから!!だから行った行った!!」グイグイ

ワワワッ ワカッタカラオサナイデヨオンナトモー!


ガラガラガラ


女友「はいはい、モブ部員も行くよ~!」グイグイ

モブ部員「あ~もう分かったから!!…女~!また月曜日に絶対教えて~や~!」



ガラガラ ピシャン


シーン…


女「女友ちゃん…」

女友「…女、頑張りーや。これ以上はもう何も言わない。あんた一人で、あんた一人の力で男くんのハートを鷲掴みするんやで!」

女「…うん!」ニコッ

女友「ふふ、ええ笑顔やね。…それじゃうちも行くわ!またな女!」タタタッ

女「…うん!バイバイ!」


ガラガラ ピシャン


女「私一人の力で…」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


シュ


女「っ…、えい!」パコーン

男「おっ、ナイスサーブ女さん」ニコッ

女「///…ありがとっ」

男「本当にこの2週間で上手くなったね…。」

女「お、男くんのおかげだよ!…それにまだまだだし私…」

男「…ううん、本当に上手くなった。まるで…。」

女「?」

男(…まるで…幼馴染の成長振りももう一度見てるようだ…)


女「…男くん?」

男「…ごめんごめん!…それじゃ最後にお互い20本ずつ打って今日は終わろうか!」

女(…男くん…また…)

女「……うん!分かった!この2週間の総仕上げだから頑張る!」

男「うん!気合入れて打っていこう!」


シュ パコーン シュ パコーン


----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

男「お疲れ様、女さん。コート整備も終わったし、着替えて帰ろうか。」

女「…うん。…あのね、男くん?」

男「うん?」

女「今日はバスじゃなくて、歩きながら一緒に帰ってもいいかな?」

男「えっ、でもあの坂は…」

女「わ、私ももっと体力つけないといけないと思って!それに…」

男「…」

女(それに…今日は告白するために出来るだけ長く男くんと居たいから…)

男「…オッケー!それじゃ歩いて帰ろうか!」

女「…うん!」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

女「思ってたりもそんなにきつくないねこの坂道」

男「そうでしょ?みんな敬遠しがちだけど、慣れたら普通だよ。それに…」

女「?」

男「…! あっ、もうちょっとで見えるよ!」

女「えっ?見えるって何が?」

スタスタスタ テクテクテク ピタッ

男「ほら、見てよ。この坂道のこの場所からの景色。」

女「…………きれい…。…すごく綺麗……。」

男「神戸の街並みや人工島、そして海面が西日に照らされるこの景色をここから見るのが俺の楽しみになってたんだ。」


女「本当に綺麗だね…私バス通学だし、この道はいつも使わなかったから知らなかった…」

女「でも、もう19時なのにこんなに明るいなんて…あっ、今6月だから!」

男「うん、部活後はめったに見られないんだけど、最近は日が落ちるのも遅いから今日は見れたんだ。」

女「そっかー…」

男「…でも、ほとんどこの道は誰も通らないから知らない人多いだろうなぁこの景色。」

女「…うん、あんまりいないだろうね…」

男「…ちなみに今日この場所を教えたのは女さんが初めてなんだからね!?」ニコッ

女「!?…そ、そうなんだ///// …ありがとっ////」


男「どういたしましてっ。…俺さ、この景色を見てると…神戸に来て良かったな、ってちょっと思えるんだ最近は…でも、それまでは…」

女(…。 男くん…また寂しそうな顔してる…)

女(でも…今のこの雰囲気のいいうちに…こ、告白しないと…!)


女「…お、男くんあのね…私、私ね……男くんのことがs男「女さん。」


女「…えっ?」






男「俺ね、好きな人がいるんだ。」




女「………えっ……えっ?」


男「その人は俺にとっての『幼馴染』の女の子でさ、今は横浜にいて離れちゃってるんだけど、…でも約束を交わし合った仲なんだ。」

女「………」

男「俺、この前、女さんにケータイ持ってないって言ったよね?…ゴメン、あれ嘘なんだ。」

女「…え?」

男「本当は中3の時から持ってるんだ。でも、俺はもともと、幼馴染以外の女の子とはケータイを使って連絡を取り合ったりは絶対にしないって決めてたからさ…だから持ってないっていう嘘をついたんだ。」

女「…そう…なんだ。」

男(…女さんが告白する前に、先に俺には好きな人がいることを伝えること…。それが、俺が今日『女さんを最大限に傷つけないため』に選んだ方法…。)


男「…だから…ゴメン。…女さん…俺は…。」

女「…男くん、ひとつだけ教えてくれない?」

男「えっ、何を?」

女「…男くんにはそんなに好きな人がいて、その好きな人とケータイで連絡を取り合ってるはずなのに…何で…最近今みたいな…」



女「…辛そうな顔をしてるの?」


男「!?…そ…それは…」

男「…その『幼馴染』から最近連絡が来なくなったんだ…。」

女「…」

男「俺からメールをしても帰ってこないし、電話してもでないし…」

女「…そっか…そうなんだ…」

男「最近では、もうあいつの心は冷めてしまったんじゃないかと思うようになってしまって…それが怖くて…。」

女「…二人は『幼馴染』で、離れ離れになってしまって、そして連絡が途絶えてしまってるなんて…それってまるで…」





女「…まるで…………秒速5センチメートルみたい…」ボソッ




男「…!? …お、女さん今なんて!?」

女「へっ? …あっ、い、今のは気にしないで!何でもないから!」アセアセ

男「女さん今『秒速5センチメートル』って言ったよね!?それってどういう意味なの!?」

女「意味っていうか…なんというか…」アセアセ

男「幼馴染との最後の電話の時に幼馴染がその秒速5センチメートルって言葉を出してたんだ!何なの秒速5センチメートルって!?」

女(…その『幼馴染』の女の子、幼馴染っていう名前なんだ…いいな、呼び捨てされて…でもちょっと、分かってきた気がする。幼馴染さんはあの映画を見て…!)

女「…男くん、秒速5センチメートルってのは…映画の名前のことなの。」


男「え、映画?」

女「そう、映画。ちょうど2年前ぐらいの、…そうだね、私たちが中3の時に出会う直前くらいに公開されたアニメーション映画のこと。」

男「映画…中3になる直前…!」


----―――――――――――――――――――――――
幼馴染『ねえ男、秒速5センチメートルって知ってる?』
―――――――――――――――――――――――----


男(…そうだ。あの時、引っ越す前に幼馴染は一度その映画の名前を口に出してた…。)

男(そしてその後、引越しが決まった後に俺は映画に誘われて…そしてそのときは『当日のお楽しみ』ってことを言われたまま何の映画を見るか教えてもらってなかった…)

男(…そして前回の電話でのあれ…何なんだ…何なんだその映画は!?)


男「…女さん、ちなみにその映画ってどんな内容なの!?」

女「えっ…そ、それは………何というか………『幼馴染』が題材なんだけど…」

男「『幼馴染』が題材!?…もっと…もっと教えて!!」

女「…!? …うぅ…私の口からはこれ以上言えないというか…直接見たほうが早いというか…」

男「…! 分かった!…ごめん、女さん!俺今から駅前のレンタr女「…見れるよ!!」

男「…え!?」

女「…私の家で見れるよ…お姉ちゃんが…dvdを持ってるから…」

男「え…で、でも…」

女「…いいから来て男くん!駅前まで戻ってたら大変だし…何より早く見たいんでしょ?」

男「…女さん…。…それじゃお願いしてもいいかな?」

女「うん。…それじゃあ行こうか…私の家に…」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

テクテク スタスタ

女(はあ…まさかこんな形で男くんが私の家に来ることになるとは…)チラッ

男「…」スタスタ

女(男くんさっきからずっと深刻な顔のまんま…すごく…気まずい…)テクテク

テクテク スタスタ

女「…よし、私のマンションに着いたよ男くん!エレベーターに乗るから付いてきて!」

男「…うん」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


タダイマー


女姉「ほーう、ほはへり~」モグモグ ゴックン


タタタタ ガチャ


女「ただいまお姉ちゃん」

女姉「うい、おかえ……りいいいいいいいい!?」

女「あっ、紹介するねお姉ちゃん。この人は男くん。同じテニス部で近所に住んでるんだ。」

男「はじめまして、男といいます。今晩はちょっと用事があってお邪魔させていただきました。」

女姉「…あ…あっ…あっ…」パクパクッ

女「お姉ちゃん?」

女姉「お、おおおお、女が、お、お、お、男を、つ、連れてきたあああああ!!おかああああああああさあああああああん!!大変やでええええええええええ!!」

女「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!!/// 近所に迷惑でしょ!!」


女母「なによーやかましいわねー!…あっ、女お帰りなさ…まあ!あんた!もしかしてその男の子彼氏かいな!?」

女「…///…っち、違うよ!彼氏じゃなーい!お友達!男くんは今日映画を見にきたの!」

女姉「うちに映画を見にわざわざぁ~!?しかも二人でぇ~!?そんなんカップルでやることやんかぁ~!!何でわざわざうちで見る必要があんねん!」

女「だーかーらぁー/// …色々と事情がこっちにあるの…」ボソッ

女友「だーかーらー!何なんよその事情って!?それ教えてくれへんかったらこっちが納得できひんやんか~!!」

女(…うう…駄目だ、埒が明かないや…こうなることはちょっと予測してたんだけどこんなにもおねえちゃんがグイグイ来るなんて…どーしよ…)


男「…あの、すみませんお姉さん。実は今日僕はお姉さんが持ってるという秒速5センチメートルを見に来たんです。」

女姉「ギャーギャー ……えっ?秒速5センチメートル?何でまたあんな映画を?」

男「はい。僕が確認したい内容がその映画に収められているということを帰宅途中に女さんから教えてもらいまして…。そして女さんが、もしよければ見ていきなよと誘ってくれたので今日お邪魔さしてもらったんです。」

女「…」

男「ですので、良かったらお姉さんのそのdvdを見させて頂けないでしょうか?もしくは貸して頂けるのであれば、自宅に持ち帰らせてもらって、一人で見ますので。」

女姉「…ふ~ん、『確認したい内容』ねえ…。…ええよ!見ていきなよ!そんな気を使う必要はないしな!ただし!…女と二人で女の部屋で見ておいでーな」ニヤニヤ


女「もうおねえちゃん!からかわないで!///」

女姉「ゴメンネゴメンネー」

女「うぅ…おねえちゃあああん!」

女姉「あ~もうゴメンって、ほらとっとと見ておいで」

男「はい、そうさせて頂きます。お姉さん、ありがとうございます。」

女姉「おうおう!見といで見といで!うちとおかんは今からmステでス○ップの新曲ライブ見なあかんし」シッシッ

女「…もう!…それじゃ…男くん、いこっか」

男「うん」


スタスタスタ ガチャ バタン


女母「ふふ、二枚目で礼儀正しくてめっちゃええ彼氏やね~」

女姉「おーい、おかーん。まだあいつが彼氏とは決まってへんで~」

女母「あらやだ、そうやったわね、ふふ…」

女姉「でも…」

女母「でも?」

女姉「…『お姉さん』って言われるのも悪かないな」ニヤニヤ

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

女「それじゃあ映すね!」

男「うん、お願い」

ガチャ ウィーン

女(…私がこれを見たのは確か3ヶ月くらい前だっけ?)

女(…あの時はお姉ちゃんが『めっちゃ泣けるから一緒に見よう』って言って私の部屋に乗り込んできて、そしてほぼ強制的に見させられて…)

女(…見終わったときは本当に鬱になるかと思ったよ…)

女(お姉ちゃんは私がそうなることを見越して私に見せてきたんだけど…ほんとお姉ちゃんっていじわるなんだから!)プンスカ


♪~


女(…あっ、始まった…男くん大丈夫かな…)

男「…」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

男「女さん、今日はありがとう」

女「ううん…。でも男くん、本当に大丈夫なの?」

男「…どうだろう…。でもこれで幼馴染がどうしてあんなことを言ったのかがちょっと分かった気がするから…うん。だから決して無駄ではなかった。」

女「そう…」

男「それにしてもごめんね、俺のせいでお姉さんやお母さんに誤解させちゃって…」

女「そんな!? …そんな、誤解…だなんて…。」

男「……じゃあ、俺帰るね!わざわざマンションの外までお見送りに来てくれてありがとう。」

女「えっ、いや別にそんなの…」

男「…それじゃまたね、さようなら!」


タッタッタッタ


女「あっ…」


女(………こんな雰囲気じゃ………)

女(………もう告白なんか………)

女(………しかも今の男くんは………)

女(………すごく落ち込んでて………)

女(………だけど…だけど………)

女(………伝えたい…この想いを………)

女(………そのためにも………)

女(………私は…うちは………)




女(………変わるんだ!!………)



女「男くん!!!!!!!!」



男「……!?」


女「私は男くんのことが…男くんのことが…」



男「!?女さん、ちょっと待t…」







女「大好きなのっ!!!!!!!!!」


男「…」


女「中3の時に私はあなたに一目惚れしたのっ!!!!」


男「一目惚れ…」


女「そう!一目惚れ!私は男くんに一目惚れして以来ずーっと男くんのことを想ってきたの!勉強してる男くんも!テニスをしている男くんも!クールな男くんも!そしてこんなドジでノロマでおっちょこちょいの私と仲よくしてくれていた男くんも…!みんな大好き!」


男「女さん…」


女「もう一度言うね!!私は男くんがだぁーーーい好きっ!!!」




男「…女さん…でも俺は…俺は…」



男「…ゴメン。」




女「…ふふ、何で男くんが謝るの??」

男「それは…だって、それは…」

女「…。…うん。知ってるよ!男くんにとっての1番は幼馴染さんだってこと!そしてこの告白が失敗に終わることも!」

男「…じゃあ、何で…何で…君は…」

女「失敗すると分かってて何故告白したのかってこと?…それはね。」




女「…男くんの目の前で、大好きってことを伝えることに意義があるから。」

男「…意義?」


女「そう!…私ね付き合うことだけが恋のゴールじゃないと思うの…。私は…好きな人にしっかりと好きと伝えること、そして伝え続けること、例えそれが辛い結果になったとしても…それこそが恋の最終目的なんだって私は思う!」

男「伝えること…」

女「さっき私たちが見た秒速5センチメートルの主人公の男の子もね、鹿児島に引っ越した後も女の子のもとに直接会いに行って好きだってことを伝えていたら絶対に結果は変わってたと私は思うの。」

男「…」

女「そう、人はやっぱり…寂しがり屋さんなんだよ。それをケータイでの…電波上でのコミュニケーションなんかに頼ったって、そこには人独特の温かみはないよ!直接伝えなきゃ、本当の想いは伝わんないよ!」

女「だからこそ、人は『好き』って言葉を、同じ場所で、同じ空間で、直接伝えることが大切なの!だって、それがお互いの活力にもなるから!」

男「…」


女「ちょっと話がそれちゃったけど…うん。でも私が告白した理由はその直接『好き』ってことを男くんに伝えることで私の恋はひとまずゴールにたどり着くから。」

男「…」

女「このままね、もし今この瞬間を逃したら当分私は男くんに告白するタイミングが来なかったと思うの。そんなこと絶対にイヤ!だって私後悔したくないもん!!!」

男「後悔…」

男(……同じなんだ…今の女さんはあの時の俺と…)

女「そしてね…男くんは『遙か遠く』にいる人のことを想ってるみたいだけど、想ってるだけじゃ駄目だよ!直接伝えなきゃダメ!ってことを知って欲しかったの!」

男「女さん…」

男(遠くの人に想いを伝えること…か。)


女「ふふ、…あとね。男くんのすぐそばにはこんなにも男くんのことを大好きで、想っていて、心配している人がいるってことも知って欲しかった。『すぐそば』にもいるんだってことを。」

男「…。」

女「それにね!それは私だけじゃないよ!まだそんな人があなたのそばにもう一人いるからね!」

男「…へ?あと一人って?」

女「も~、男くんったら!気付いてるくせに!」

男「…!? …女さん、知ってたの?」

女「ふふ、それは内緒~!…でも男くん、もう自分がやるべきことは分かったでしょ。」

男「!? …うん。…女さん、俺…。」





男「俺…伝えてくるよ!…幼馴染に自分の想いを!」


女「…うん!行ってらっしゃい!!////」ニコッ

男「/// …うん、行ってきます!!」


タタタッ





女「…あっ、ちょっと待って男くん」


ズルッ


男「うへっ?…な、何?」


女「ふふ、ねえ!教えてくれない?男くんのケータイのアドレスと電話番号!」

男「えっ、で、でも」

女「む~!今日dvd見せてあげたじゃんか!それに私に告白までさせてといて!」

男「え、え~、だってそれはどっちも女さんが…」

女「お~し~え~て~!!でないと私家に帰らないから!!」

男「…うう…分かったよ。」


カキカキ


男「はい、ケータイは家にあるから…この紙に書いて渡すよ」ホイッ

女「ふふ、確かに頂戴いたしました~」ニコニコ

男(…この流れはもしかして…)

女「…あっ、ちなみにこの連絡先は、オ・ン・ナ・ト・モ・ちゃんとも共有させてもらうからね!」

男「…はぁ、やっぱりそう来るか~…いいよ。好きなだけ共有してね。」トホホ

女「言われなくても!私だけ抜け駆けは出来ないから!ふふ!」


男「…それにしても……女さん、変わったよね…」

女「えっ?そうかな?私いつもこんなんだったと思うけど?」

男「そんなことないよ…それじゃあね女さん!また学校で!」タッタッタッタ

女「…あっ、うん、バイバイ。」ヒラヒラ





女「…。」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

ガチャ バタンッ

女姉「おっ、帰ってきた帰ってきた!おーい!女~!長かったな~!もしかして色々やってたんか~!?うへへ!……ん?」

タタタタタッ ガチャ

女姉「お~い無視すんなって~」

女「…」

女姉「おいおんn…!?」


ポタッ


女「…!……っ。」タタタ

女姉「おい女!」

バタンッ

女姉(…あっちゃ~、これは…こういう時は女のやつ、うちの話聞かんくなるからな~)

女姉(…しゃーない、今日は金曜やし、あいつをうちに召喚するか…)パカッ ピッ

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


…グスッグスッ


女(うぅ…やっぱり…やっぱりダメだった…)ポロポロッ

女(女ちゃんのために…女ちゃんの分もと思って頑張ったんだけど…)ポロポロ

女(でも…私は…私は…)ポロポロ


コンコンコン


女「…!だ、誰?」ポロポロ




女友「…うち、女友よ。」

女「…!…ゴシゴシッ。…お、女友ちゃん!?ちょっと待って!今開けるから!」



ガチャ


女友「…」

女「女友ちゃん…もう11時過ぎてるのにどうして…」

女友「女姉さんがね、わざわざ、うちまで車で迎えに来てくれたの…」

女「お姉ちゃんが…?」

女友「うん…『妹を支えてやってくれ』って。」

女「お姉ちゃん…」

女友「うん、明日は土曜日だし、ついでに泊まっていけって言われてるからさ…」

女「…そっか、お姉ちゃんが…。」


女友「女…大丈夫?」

女「…うん、…だ、大丈夫だよ!それに…それに男くんに…男くんにちゃんと…グスッ…想いを…私の想いを伝えたよっ!」ジワッ

女友「…」

女「それに…それにね…グスッ…結果は…結果は……グスッ…でもね!…私…男くんの前で……な、泣かなかったよ…!」ポロポロッ

女友「…うんっ……うんッ!」ポロポロッ

女「それに…それにね……男くんに……男くんの好きな人に想いを伝えに行け!ってまで言ってやったよ!!」ポロポロッ

女友「…うんっ!」ポロポロッ

女「でも…でもゴメンネ女友ちゃん……私…女友ちゃんのために…女友ちゃんのためにも…と思って頑張ったんだけどね…」ポロポロ

女友「…ううん、いいの…いいのそんなことっ!」ポロポロ


女「……それでも…男くんに…男くんに…」ポロポロ

女友「…!?」ポロポロ








女「…グスッ。……………………振られちゃったっ…。」ニコッ


女友「…!……女!!!」ダキッ


女「うっ…うわぁああああああああああん」ポロポロッ…

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

女友「そっか…今日はそんなことがあったんだ…」

女「うん…正直男くんも今頃家で苦しんでると思う…」

女友「秒速5センチメートル…かぁ。そんな映画があるなんて知らんかったなぁ。」

女「…うん。」

女友「…それはそうと!女も新しく好きな人を見つけなきゃね!次はどんな人がいいの?」

女「それは…それは、やっぱり…」




女「…私は男くんにまた恋をしたいかな…。」


女友「…女。」


女「…ううん。やっぱり今のは嘘!」

女友「?」

女「ゴメン女友ちゃん!やっぱり私まだ男くんに恋してる!///まだ諦められないや!///だからもうちょっと…もうちょっと頑張ってみる!!」

女友「…女」

女「もっと、男くんに想いを伝え続けるの!そしたら!何回目かには何かが変わるかもしれない!物事に絶対はないんだから!」

女友「…ふふ、変わるかもしれない…か、何かそれドリカムの歌でそんな歌詞の曲があった気がする。」

女「あっ…バレタ!?」テヘッ

女友「ふふ、バ~レバレッ!!」


アハハハハッ


女「……ねぇ、女友ちゃん。」


女友「…ん?」

女「女友ちゃんも本当は諦めきれてないんでしょ?男くんのこと。」



女友「…えっ?…な、何言ってるの女?」

女「…半年前のクリスマスイブの時から、まだ諦めきれてないんでしょ?」

女友「…!? …女、…どうして…それを…。」

女「…ごめんね、女友ちゃん…実は私、半年前のクリスマスイブに、女友ちゃんが男くんに告白するところに偶然遭遇したの。」

女友「…そんな…。」

女「実は私もその日にね…男くんに告白しようと考えてたんだ。まだ心の準備は出来てなかったけど、男くんの家の前まで行けば勢いでなんとかなるかなと思って…。」

女友「…でも…でもあんた、うちに何も…」



女「…うん、相談しなかった…。」

女友「…。」


女「高校に入ったときぐらいから私は、そろそろ女友ちゃんに頼ってばっかじゃダメだと思うようになって…。それでね、告白ぐらい『自分ひとりの力』で実行しなきゃって思って…」

女友「女…」

女「で、当日男くんの家に向かったその時に男くんの家の前で女友ちゃんが告白してるところを見ちゃったの。」

女友「…ごめん…女…うち…うち…」ジワッ

女「ううん。謝らないで、女友ちゃん。確かにその時はビックリしたけどね、…でも、そのときは、それよりも違う感覚が私の心を覆い尽くしたの。」

女友「…違う…感覚?」

女「うん…。安堵感っていう感覚が。」


女友「安堵…感?」

女「うん!安堵感!…私ねそのクリスマスイブよりも前、ずーっと前から女友ちゃんも男くんのことが好きなんじゃないかって思ってたの。」

女友「…!?」

女「女友ちゃんの視線がね、男くんを自然と追ってるってことにすぐ気付いたの。それが男くんを観察するためなのか、それとも好きな人のことを自然とみてしまってる動作なのかっていう確証はなかったんだけどね。でもやっぱり女友ちゃんの仕草は私のそれとよく似てたから、『女友ちゃんも男くんが好きなのかな~』って思うようになったわけ!」

女友「…」

女「それにクリスマスイブ直前の時期の女友ちゃんはずっとボーっとしてたしさ!きっとあれは男くんに告白したいけど、それによって生まれる私に対する罪悪感と葛藤してたんだよね!?」

女友「……すごい…全部当ってるよ、女…。…でも…。でもなんでそこまで分かったの?」


女「…?…何寝ぼけたこと言ってるのよ女友ちゃん!だって私たちは…!!」




女「…私たちは…『親友』じゃない!!」ニコッ



女友「…!?………女っ…」ジワッ



女「…それに謝るほうはこっちだよ女友ちゃん…。」


女友「…ゴシゴシ。…え?何であんたが謝んのよ?」

女「私が…私が早いうちに女友ちゃんに男くんのことを好きなのかどうか確かめておけば…女友ちゃんをこんなに苦しめないで済んだかもしれないのに…。」ジワッ

女友「…お、女…。」

女「…ごめんね、私が女友ちゃんよりも先に男くんのことを好きになったばかりに…私なんかの恋の成就のために変な約束を結ばせちゃったばかりに…私のせいで…女友ちゃんの恋にすごく迷惑をかけちゃった…だから、クリスマスイブの時に女友ちゃんが告白してるところを見て、すごくホッとしたの…安堵したの…。」ポロポロ

女友「女…」

女「誰かが、いつ、どこで、誰を好きなるなんて自由のはずなのにね…それを私は…それを私は女友ちゃんから奪ってたんだ…。」ポロポロ

女友「そんなことない!そんなことないよ女!…でもなんでうちが男に告白したと知ってたのにうちに何も言わなかったの?」

女「…それは…女友ちゃんから言ってこない限り私は知らないふりをしようと決めてたから…そしてその後女友ちゃんは振られたにも関らず、以前にも増して、私のサポートにすごく力を入れてくれるようになったから言い出せなくて…」

女友「女…」


女「昨日だって男くんがサーブ練習休みにしたの、女友ちゃんの仕業でしょ!?私の告白をなんとしても成功させるために男くんに話しにでも行ってたんでしょ?そこまでしなくていいのに~」

女友「そ、それも気付いてたんや…」

女「ま~ね。…でも、女友ちゃん、今日部室で最後に言ったよね?『あんた一人の力で男くんのハートを鷲掴みするんやで!』って」ジワッ

女友「…うん。」

女「男くんのハートを鷲掴みすることはさすがには出来なかったけど、今日男くんへの告白は私一人の力だけじゃ絶対に出来なかった…女友ちゃんがいたからこそ告白できたんだよ?」ポロポロ

女友「…うん」ジワッ

女「…ゴシゴシ。…だから、女友ちゃん…今日まで本当にありがとっ///」ニコッ

女友「…こっちこそ!こっちこそほんまごめんな!!…そしてありがとおおおお」ダキッ


う、うわぁあああああああああああああああん

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

女友「全く…謝って、泣いて、抱き付いてをうちらは何回繰り返すねん!」

女「ふふ!そうだね!…でも今日で女友ちゃんとの『距離』も縮まった気がする!」

女友「…そうやな…こんなに近くにいても心にも『距離』ってあったんやな…。でもこれからはお互い隠し事は無しやで女!もし嘘ついたらしばきやから!」

女「ふふ、女友ちゃん恐~い!…あっ、隠し事といえばさっきの私の質問の返事だけはまだ聞いてなかったよ女友ちゃん!」

女友「…へ?さっきの質問って?………あっ////////////////」

女「ふっふ~女友ちゃん!もう隠し事はなしだから応えてもらうよ~!」

女友「ちょ/// ちょっと女!///」

女「女友ちゃんは男くんのこと諦めきれてないんでしょ~?どうなの~?正直に応えて欲しいな~?」ニヤニヤ


女友「////!?…うぅ////。」





女友「………められない」ボソッ


女「え~?何て~? 聞こえな~いっ!!」ニヤニヤ





女友「諦められないっ!!私男くんのこと諦められへん!!」ジワッ


女「…ふふ、それでこそ女友ちゃん!うち負けへんからね!!」ニコ

女友(…!? 女、あんた関西弁に!…ふふ!)


女友「ゴシゴシッ…ほほ~う、そいつは私に対する宣戦布告ととってもええんかな?」

女「…そうやね、宣戦布告。でももう一人、…もう一人宣戦布告しなきゃあかん相手がおるかも!」

女友「…!?…そうやね!あの人にも宣戦布告してやらんとね!」

女「うん!」





女・女友「「幼馴染さんにっ!!!」」


女「えへへっ!」ニコニコ

女友「ふふふ!」ニコニコ


女「あっ、そうそう隠し事無しというたら!」ガサゴソ

女友「?」

女「ジャジャ~ン!!男くんのケータイ番号とアドレス~」パッパカパーン

女友「え!?…あんたそれどうやって!!」

女「ふふ、振られた後にちょっち強引に…ね!」テヘッ

女友「わーお!………それにしても女…あんた変わったよね。」


女「ん~?そうかな?男くんにも言われたそれ~。」

女友「うん……本当に……」

女友「……本当に強くなったよあんた…」

女「そうかな…でも確かに変わらなきゃ…変わらなきゃ!…とは、ずっと思っとった
!」

女友「…そうやね、変わらんとね、うちら。」

女「うん!そして、これからは…まずもう泣くのはやめる!そして魅力いっぱいな女の子になる!」

女友(ふふ…もう十分魅力いっぱいよあんたは…)

女「そして…」

女友「…?」

女「絶対に男くんをうちに振り向かせてやるんだから!!」

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―2009年/6月/横浜―――――――――――――――----

幼馴染「…」もぐもぐ

幼母「…」もぐもぐ

幼兄「…」もぐもぐ

幼兄(この約半年間、ずっと幼馴染のことを観察して来たけど、やっぱり、最近は男とほとんど連絡を取ってないみたいだ…そして何より家の中での口数もかなり減った…)

幼兄(俺から男に連絡して事情を話すのが一番手っ取り早いけど、俺の早とちりで二人の関係が悪化してしまうことも可能性として考えられる…。)

幼兄(まぁ、男から俺に相談してくれるのが一番簡単な方法なんだけど…)

幼兄(…ただ男は幼馴染のことになったら俺にはほとんど頼み事をしなかったからな…今回も自分の力でなんとかしようと考えてるのかもしれない。)

幼兄(…さて、どうしたもんか)


幼馴染「…ごちそうさま…」ピトッ

幼母「あら、もういいの幼馴染?全然食べてないじゃない?今日はあなたのために酢豚にしたのに。」

幼馴染「…酢豚だから食欲出ないんだよお母さん…」ボソッ

幼兄「…」

幼馴染「…それじゃあ自分の部屋に行くね。」ガタッ

幼母「あっ、ちょっと幼馴染…」



タッタッタッタ ガチャ バタン


幼母「…あの子、最近本当に元気ないわよね…やっぱり男くんと何かあったのかしら…半年ぐらい前までは『男と再会した時のために料理頑張る!』って言って毎日のように私と料理してたのに…。特に男くんの好きな酢豚なんて何回練習してたことか…」

幼兄「…」

幼母「…幼兄、あんた何か知ってるんじゃないの?もしくはあんたがあの2人にちょっかいかけたんじゃないの!?」

幼兄「…!?かけてねーよ!ちょっかいなんか!!……でも…」

幼母「…?」

幼兄(………でも………俺があんな映画を勧めなければ………こんな…。)

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今日はここまでです。

ここまで読んでくれてる人、レスつけてくれてる人、本当にありがとうございます。

明日は23時頃に来ますのでよろしくお願いします。


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ガチャ バタン

幼兄「ふ~…」

幼兄(でも…本当にどうすればいいんだ…)

幼兄(…クリスマスイブから半年間、俺も男とは連絡を取っていない…)

幼兄(俺の誕生日の時や、お正月の時とかの挨拶メール、男が部活で良い結果を出した時も、『幼兄さん今彼女何人目何ですか?ニヤニヤ』っていう弄りのメールも、あのクリスマスイブを境に来なくなった…やはりあのクリスマスイブの時に男と幼馴染の間で…)



prrrrrrrrr prrrrrrrrr


幼兄「…!誰だよ考え事してる時に…」スクッ

幼兄「ま~どうせ21人目の彼女のモブリンちゃんかな~?」パカッ


prrrrrrrr prrrrrrrrr


幼兄「…!?……………男…。」


prrrrrrrr prrrrrrrrr


----―――――――――――――――――――――――


―2009年/6月/神戸――――――――――――――――――----

男(…ありがとう、女さん。君のおかげで決心がついたよ。)

男(そのためにも……ったく何で今日に限って帰ってくんの遅いんだよ親父~)


タダイマー


男「…っと。そう思ってた矢先に!親父ぃ~!!お帰り~!」

父「おう、ただいま。…ん?どうしたんだい?そんな深刻そうな顔をして。」

男「あのさ親父…お金貸してくれないか?」

父「…お金? 男から私にお金を貸してと頼んでくるなんて初めてだね。いいよ、貸してあげる。…で、いくらだい?」


男「…3万円。」

父「!? さ、3万円? べ、別にいいけどそのお金を何に使うんだい?新しいラケットは前買ってたし…」

男「…明日俺、横浜まで行ってこようと思ってるんだ…。だからその3万円はそのための新幹線の切符代…」

父(…横浜…。横浜には確か今幼馴染ちゃん達の家族が………そっか…)

父「…分かった!いいよ!行っておいで!横浜に行く理由は聞かないであげるから。」

男「親父…ありがとう!」

父(…こんな男からの心がこもった『ありがとう』はあの引越しの日の時に言われた以来だな…。)


父「…あっ、そうだ。横浜に行くのならあそこにも行ってきたらどうだい?時間があればでいいけど。」

男「…あそこ?……! …そうだな。あそこにも寄ってくるよ!」

父「うん、是非とも『行ってきてくれ』…。」

男「それじゃ、3万円は明日atmでおろして持っていくから!おやすみ親父!…あっ、風呂と夕飯の用意は出来てるから、ちゃんと暖まって、ちゃんと食べるんだぞ!」

父「うん、いつもありがとうな…おやすみ!」

男「おう!」


タッタッタッタ


----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


prrrrrrrr prrrrrrrr


幼兄『…もしもし。』

男「やあ、幼兄さん、久しぶり。」

幼兄『ああ、久しぶり…元気だったか?』

男「…まあまあかな?」

幼兄『まあまあ…か。便利な言葉だな「まあまあ」って。』

男「はは、そうだな。…幼兄さん、今日は頼み事があって電話したんだ。」

幼兄『…ああ、分かってる。…幼馴染のことだよな?』

男「…さすが、幼兄さん。2年以上会ってなくても、そして今も『距離』があっても俺のことを良く分かってる。」

幼兄『はは、それは大袈裟だよ。…げんに、今回お前から電話してくることはまずないだろうと今の今まで思ってたぐらいだしな…。そしてお前が幼馴染のことで俺に頼み事をしてくることは一度もなかった…いつも自分の力でなんとかしようとしてたしなお前…。それでもお前が電話してきたってことは…』


男「…はい。何事にも自分ひとりの力では限界があると気付いて…この電話も俺一人の力では行動に移せませんでした。…俺の大切な『友達』が俺にきっかけを与えてくれたんです。…それで俺は、幼馴染に俺の想いを伝えるためなら、周りの人の力を借りるのも悪くないと思えるようになったんです。」

幼兄『想いを伝える…か。やはり、お前たちは今連絡を…』

男「…はい。半年前のクリスマスイブ以降ほとんど…。」

幼兄『…そうか。やはりクリスマスイブの時から…。』

男「…幼兄さん。半年前のクリスマスイブに幼馴染何かが…。」

幼兄『…ああ。あいつはあの日…』




男「『秒速5センチメートルを見てしまった。』…そうですよね?」


幼兄『…! …お前、知ってたのか…。幼馴染が見たと言っていたのか?』

男「いえ…あのクリスマスイブの時に俺は幼馴染と電話したんですが、その電話を切る直前に俺に『私たちって…まるで秒速5センチメートルみたいだね。』って言い残したんです。それからです。あいつが…あいつがおかしくなったのは…。」

幼兄『そうか…』

男「そして、俺は今日偶然…いや、『友達』のおかげでその秒速5センチメートルが映画だということ、『幼馴染』が題材になっていること、そして…その2人が『距離』に負けるということを実際に見て知りました。」

幼兄『…』

男「幼馴染はこれを見て俺たちの遠距離恋愛の果てには幸せがないということを感じ取ったんじゃないかと思ったんです。なんたって、あの映画の『幼馴染』の2人は…あまりにも俺たちに似すぎている…成長して行く過程や、想いでの場所まで…」

幼兄『そう…だな…。』



男「…でも、どうしても俺には分からないことがひとつだけあるんです。」

幼兄『…?』


男「実は俺が東京から神戸に引っ越すことが決まる直前にも幼馴染はその『秒速5センチメートル』という言葉を口にしたことがあったんです。…その時はそれが映画だということは言われませんでしたが…」

男「…でも、もし幼馴染がそのときから『秒速5センチメートル』のことを知っていたのであれば、その時から幼馴染は遠距離恋愛に対して悲観になっていたはずなのに…」


幼兄『…! …それは……』





幼兄『…それにはわけがあるんだ、男。』

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

男「そうだったんですか…」

幼兄『…ああ。幼馴染にも言ったんだが、あの映画を見た後で離れ離れになるのと、離れ離れになった後であの映画を見るは全く違うと俺は思ってな…。だからお前らが中2の時に…出来るだけ早くああいう映画を見ておくことで、お前たちのお互いを想い合う気持ちを強くしたいと考えたんだ…。ただ…まさかお前があのタイミングで引っ越すとは…だからその後はあいつに違う映画を見に行くように誘導したんだが…』

男「そうだったんですか…でも、幼兄さん…そこまで俺たちのことを…」

幼兄『…! …やめろ、やめてくれ…。俺は…お前たちに感謝される資格はない…。もし俺があの映画のことをあいつに…あいつに教えなければ…。』

男「…」



幼兄『…でもな、男。お前さっき、『幼馴染がおかしくなったのはあの映画を見てからだ』って言ってたよな?………それは違うぞ?』

男「…!?」


幼兄『幼馴染は…あいつはあの映画を見る前から、その時の現状に満足していなかった。周りの友達が楽しそうに恋愛していたってことにも影響されてたのもあるが…でもな、あの年頃の女の子は周りに影響されやすいもんだ…。しかもお前らは高校生で遠距離恋愛という周りからは珍しいと思われがちなカタチを取っている。』

男「…」

幼兄『「周りの人たちと違うことをしている自分に不安を感じる」…これは至って普通の心理状況だ。お前は逆にその周りとの違いを誇りに思うかもしれない。…でも……お前が引っ越す前にも俺が一度お前に言っただろ?…幼馴染は……寂しがりやさんなんだ…。』

男「…」

幼兄『俺は幼馴染が寂しがっている様子を察知していた。俺がそのことをもっと早くお前に伝えていればよかったんだが…そのときはお前らが高校を卒業するまであと2年ほどだったし、お前が卒業したら東京に来ると断言していたこともあって、何も口出せなかった。俺の介入によってお前らの関係を悪化させてしまうことも考えられるしな。』

男「そうですか…幼馴染はやはり辛い思いを…」

幼兄『…辛い思いをしてきたのはお前だって同じのはずだ。でも…その辛い思いに『耐えられる』かどうかで今回のひずみが生まれたんだ。お前は耐えられて、幼馴染は耐えられなくなった。』

男「…」


幼兄『…でも、もう過ぎたことをねちねち考えてることはできないはずだ。そうだろ?そしてお前が今回電話して来たのも、何かしらの決意を以ってして行動した結果だろ?』

男「…! …はい。…幼兄さん…。俺…幼馴染に会いたい!…会って、そして俺の想いを伝えたいんです!!!」

幼兄『…そうか、そうだよな!会って直接想いを伝えることに意義があるからな!』

男(…! 『意義』…。幼兄さんも女さんと同じ考え方なんだな…。)

幼兄『来い!男!!横浜に!!!そして今の現状を打開してみせろ!!!!』

男「…はい!言われなくともっ!!」

幼兄『うん、いい返事だ。…で?いつ来るんだ?』

男「明日です!」



幼兄『そうか明日か。……へっ? あっ、明日!?』


男「はい!明日です!」

幼兄『いや…早いに越したことはないけど…明日とはまた急な…。』

男「だって…幼馴染に寂しい思いをさせたのは俺の責任だし、何よりも俺…そんな幼馴染の寂しさを出来るだけ早く解消させてやりたいんです!!だから俺は明日横浜に!!!」

幼兄『…ははっ、そうか。…男、お前成長したな…。以前にもまして…特に正義感と行動力が。』

男「…それは。…俺が幼馴染と出会ってからその正義感と行動力がついたのと同様に、今回も俺にとっての大切な友達のおかげでついたんだと思います。」

幼兄『…そうか。幼馴染もだけど、その友達も大切にしろよ、男。』

男「…はい、分かってます!…それでですね、幼兄さん。明日新幹線でそっちに向かって昼過ぎに横浜に着く予定なんですが、その時幼馴染はどこにいますか?」


幼兄『あ~、そうだな~、それを聞いとかないとな。幼馴染は毎週土曜日は学校で朝から昼過ぎまで部活だよ。だから、直接学校に行って幼馴染の部活が終わるのを待ちぶせていたらどうだ?本当は俺たちの家に来てもらっておくのが1番なんだが、あいつ逃げるかもしれないしな…。そして俺も明日は昼から用事があるから…。』

男「そうですか…分かりました!明日学校に直接行ってみます!確か幼馴染の高校って○○高校ですよね?」

幼兄『ああ、合ってるよ。場所も教えようか?』

男「いえ、自分で調べて行きますので、大丈夫です。」

幼兄『そうか…………男。………頑張れよ。』

男「…! …はい。…それじゃ、幼兄さん、ありがとうございました。おやすみなさい」

幼兄『ああ、おやすみ…。』


ピッ


男「…よしっ…最後にあのメールを送って準備完了だ。」

----―――――――――――――――――――――――


―2009年/6月/横浜――――――――――――――----


ブーンッ ブーンッ


幼馴染(…メールだ…誰だろこんな時間に…イケメン君かな?)スクッ


パカッ


幼馴染(…! …お、男!? …まだ…まだ男は…。)





幼馴染「……えっ?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
from:男
件名:大切な連絡
本文:
久しぶり幼馴染。
お前がこのメールを読んでくれるか分からないけど、とりあえず連絡しておく。

俺はお前に会いに横浜に行く。絶対に行く。
今更待っていてくれとは言わない。でも俺の想いを伝えさせてほしい。

それじゃ…おやすみなさい、幼馴染。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


幼馴染(…横浜に来るって…)


幼馴染(…それは…それはダメだよ男…。)


幼馴染(…あれ? まだメールに何か書いてある…)





幼馴染「…!?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今更待っていてくれとは言わない。でも俺の想いを伝えさせてほしい。

それじゃ…おやすみなさい、幼馴染。




p.s.
俺も秒速5センチメートルを見たよ。

でも俺は、『距離』に負けない。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




幼馴染「…男…。」


----―――――――――――――――――――――――


―2009年/6月/横浜――――――――――――――----


マモナクーシンヨコハマーシンヨコハマー

シンヨコハマノツギハーシナガワニトウチャクシマス
 
オオリノサイハオワスレモノノナイヨーゴチュウイクダサイ


男(…来たぞ、横浜に。神戸と横浜はかなり離れていると思ってたけど、新神戸から新横浜まで2時間半ぐらいで着いてしまうんだから…何だか皮肉なもんだな…。)

男(…よし、新幹線を降りたら次は乗換えだ!)


----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

男「…ここか、幼馴染の高校は。」

男(休日だから人は少ないと思うけど、部活で来ている生徒も多そうだし、何より俺今私服だから中には入らないほうがいいな。)

男(それに、校門のここまでバスケットのボールの響く音が聞こえてくるし、まだ幼馴染は部活中だろう…。)

男(さあ…心の準備をしておかないと!)

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


ダンダンダンッ

オサナナジミサンキリカエシハヤクー


幼馴染「はっ、はい、すみません!」はあはあ


ダンダンダンッ


幼馴染「はあはあはあ」

幼馴染(…男)ピタッ


オサナナジミサンアブナイ!


幼馴染「え?」


ドカッ




ピー チョットストーップ! オサナナジミサンダイジョーブ!?


幼馴染「…はい、肩に当たっただけですから…。」


ホッ ヨカッター モー オサナナジミサン! アナタジキキャプテンコウホナンダカラキヲツケテヨネ!


幼馴染「はい…すみません先輩…。」


ヨーシ! キリモイイトコロダカラミンナキューケーイ! ピー!


幼馴染「……。」


----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


スタスタスタッ


幼馴染「…はぁ…。」スタスタスタ

幼馴染(…結局あの後も昨日のメールのことが頭をよぎって練習に集中できなかったな…)

幼馴染(…来週は県総体なのに、こんなんじゃ先輩たちに迷惑かけちゃう…)

幼馴染(…でも男、本当に横浜に来るのかな…)

幼馴染(…メールには『いつ来るか』を書いてなかったからどうすれば…)

幼馴染(…でも、男、横浜に来ちゃ…横浜に来ちゃダメだよ…)

幼馴染(…そんなことをしたら私たちの…あのときの…)

幼馴染(…あの場所で誓った…)

幼馴染(…あの約束が…)



オサナナジミサーン


幼馴染「…!? イ、イケメン君!?どうしたの?今日は男バスは違う場所で練習試合のはずじゃ?」

イケメン「いや~、実は今日は俺備品当番でさ!練習試合で持っていった備品を先生と練習試合後に運んできててさ。その用事が終わったときに調度幼馴染さんが見えてさ!」

幼馴染「そ、そうだったんだ…。」


イケメン「…! どうしたの幼馴染さん?今日はひどく悲しそうな顔をしてるけど…」

幼馴染「!? そんなこと…そんなこと…ないよ…」ボソッ

イケメン(…これは例の神戸の人と何かまたあったのか…これはもう…よし!)

イケメン「…幼馴染さん」

幼馴染「…な、何?イケメン君?」

イケメン「………もう忘れなよ、その人のこと。」

幼馴染「えっ…」


イケメン「そんなに悲しそうで、辛そうな幼馴染さんを俺見たくないよ。それに、その人って全然会いに来てくれないんでしょ?確かに高校生ってお金ほとんど持ってないけどさ、もし本当にその人が幼馴染さんのことが好きならお年玉のお金やバイトしてお金をためて会いに来てくれるはずでしょ?」

幼馴染「それは…それはダメなの…。」

イケメン「違うって何が?もしかして昔交わした約束のことを言ってるの?そんなの2年以上も前にした子供同士の約束じゃん。そんなのに拘ってちゃ前に進めないよ?」

イケメン(…これでいいんだ、これで。こうでもしなきゃ幼馴染さんはその約束とやらに縛られたまま、大切な高校生活を無駄にしてしまう…。そして何より俺は本当にこんな幼馴染さんの悲しそうな顔をもう見たくない!!)

幼馴染「…! でも…でもあの約束は私にとっての…」

イケメン「…幼馴染さん。…俺…幼馴染さんのことが…」




イケメン「…好きです。」



幼馴染「…え?」


イケメン「好きです。大好きです。…だから俺と…付き合って下さい!!!」

幼馴染「そ、そんな……何で…。」

イケメン「…俺なら幼馴染さんに絶対に辛い思いも悲しい思いも寂しい思いもさせない!いつまでも君のすぐそばで君に好きと伝え続ける!」

幼馴染「…」

イケメン「そして何より俺はその神戸の人より今の幼馴染さんを知っているという自信がある!」

幼馴染「…今の…わたし…」

イケメン「そう!…だから…だから付き合って下さい!」


幼馴染「そんな…わたしは…」


オサナナジミッ…


幼馴染「…えっ?」


クルッ


幼馴染「…!??? …そ、そんな…」


幼馴染「……な、何で…」


幼馴染(……何で…)


幼馴染(……何であなたが…)




幼馴染(……今ここにいるの…)

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

男(ん~、おせ~な~幼馴染のやつ…)

男(もう帰ってしまったのかな…)

男(もしそうだったらどうすれば…)


…アッテクダサイ!


男(…ん?誰か校門付近まで来たのかな?)

男(…でも今の声はたぶんおとこだよな~)

男(…ん?でも今のってもしかして告白なんじゃ?)

男(…おいおい、こんな校門前で告白とかアグレッシブなやつがいるんだな)


男(…ちょ~っと気になるから、少しだけ覗かせてもらおっかな!)ソロ~ッ

男(…おっ!やっぱりそうだ!男女が向かい合ってる!うっひょー!それにしても告白しているやつイケメンやな~)

男(そして、そんな2枚目のやつに告白されてる幸せもんは、どん……なっ…。)



男(……まさか……でも……)



男(…あれは…。)



男(…幼馴染…。)

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

幼馴染「…何で…何で、男がここに…」

男「…ゴメンな幼馴染…お取り込み中のところ…でも…どうしても声を掛けられずにはいられなくて…それに昨日メールで伝えたじゃんか…『会いに行く』って…。」

幼馴染「でも…まさか…本当に来るなんて…それに昨日のメールから1日しか…。」

男「…良かった。メールは見てくれてたんだ…。もし見てくれてなかったらどうしようと思ったよ…。」

幼馴染「でも…でも…!」

男「…でも?」



幼馴染(…あの約束は…)



幼馴染(…あの約束は忘れちゃったの…男…。)


イケメン(…。)

イケメン「…男くん、ですよね?」

男「…はい、挨拶が遅れました。男といいます。そして…」

男「…幼馴染の『幼馴染』です。」

イケメン「…そうですか。僕も自己紹介が遅れました。○○高校2年のイケメンといいます。幼馴染さんとは部活が同じで仲良くさせてもらってます。」

男「…そうですか。」

イケメン「…そして…。」

男「…?」



イケメン「幼馴染さんにタメ口で話してくれてもらえてるこの学校での唯一の存在です。」


男「…!? …そっか、幼馴染…。俺以外にもタメ口で話せるようになった人ができたんだな…。」

幼馴染「…!? …そ、それは…。」

男「ううん。いいんだよ、幼馴染。それは俺にとって喜ばしいことなんだ。…確かに俺だけでなくなったのは寂しいけど…」

幼馴染「…男…。」

イケメン「…『俺だけ』…ですか。男くん、申し訳ないですけど君のその独占欲が幼馴染さんを苦しませる原因になっていたと気付いてなかったんですか?」

男「…!? …そ、それは…。」

イケメン「しかも、変に『大事な約束』を交わしてしまったばっかりに幼馴染さんは、遠距離恋愛に苦しみながらもそれを絶対に守らないとと葛藤したたんですよ?」

男「…や…く…そ…く…。」


イケメン「ちょっとちょと!…覚えてないんですか? あなたが幼馴染さんと交わした約束を…はぁ…幼馴染さん、君はちょっとロマンチストになりすぎてたかもね…一方の男くんはその約束を今思い出せてないみたいだし…」

幼馴染「…男……本当に…本当に…覚えてないの?」

男「…! いや、覚えてる!覚えてるよ! …でも…。」

イケメン「覚えてるんなら、何故、『今』、『ここに』、来たんですか? 君は幼馴染さんとの大事な約束を破るためにここに来たんですか? そもそも君の今日の目的は何ですか?」

男「それは…それは、幼馴染に俺の『好きだ』という想いを伝えに…」

幼馴染(…男…。)



イケメン「なるほど…。想いを伝えに…。その行動力には感服するよ。…でも、それはあとどれぐらい続けるの?」

男「…え?」


イケメン「どうせ、今回『好きだ』って言ってまた当分こっちに来ないんでしょ?どうせ今回の一回っきりなんでしょ?そんなんじゃ何も変わらないよ?」

男「…でも!…でも直接会って想いを伝えることに意義が…」

イケメン「意義なんて、そっちの勝手な言い分でしょ?幼馴染さんの気持ちをちゃんと考えた上でその『意義』とやらを持ち出したんだよね?そうじゃなきゃ、たんなる、『押し付け』にすぎない。言い方を変えれば、唯のしつこいストーカーまがいの行動だよ。」

男「そんな…俺は決して…ストーカー。」

イケメン「だって、幼馴染さんが君にメールを返してないことは君も知ってたでしょ?それがもう『限界』だということに何故に気付かなかったんだい?」



男「それは…それは…俺は…まだ幼馴染の気持ちは絶対に冷めてないと…信じt…イケメン「いい加減にしろよ!!」

男「!?」

幼馴染「…イ、イケメン君!?」


イケメン「君は今の幼馴染のことが本当に分かっているのか?幼馴染さんが何に対して苦しんでるのか分かっていたのか?約束のことを忘れて、ただただ自分の想いを伝えることに捉われてしまっているくせに…繰り返しになるが、そもそも君は今の幼馴染さんのどこまで分かる?全部分かるという自信はあるのか!?」

男「それは…それは…」

幼馴染「…」

イケメン「そうだよな、分からないよな。だって君と幼馴染さんには『距離』があった。そしてこれからもその『距離』は当分無くならない。そんなんで君は幼馴染さんを幸せに出来るのか?」

男「…」

イケメン「もう何も言えないのか…。まあそうだよな、自分が好きな人の前でこれ以上ヘタな発言をして失望されたくないもんな。」

幼馴染「…イケメン君…そんなこと…」

イケメン「男くん、俺はこの1年ちょっとずっと幼馴染さんといた。ずっとそばにいた。そして君より『今』の幼馴染さんのことを知っている自信がある。」

男「…!?」


イケメン「そして君もさっき目撃したと思うが、僕は幼馴染さんに告白した。まだ返事はもらってないけど、僕は何がなんでも幼馴染さんを彼女にする。」

幼馴染「…!?…ちょっとイケmイケメン「そしてっ!!!!」


幼馴染「!?」



イケメン「これからの幼馴染さんを笑顔にするのは…幸せにするのは…僕だッ!!!!」


男「…」



幼馴染「…そん…な…」


イケメン(…これで…これでいいんだ。本当にこれ以上僕は…俺は幼馴染さんの辛そうな姿を見たくない。…そして、ゴメン男くん。君を一目見た瞬間幼馴染さんが君に惹かれていた理由がなんとなく分かったよ…。)

イケメン(…でも、俺が今言ったこと全ては間違ってなかったはずだ。実際、君が約束を忘れていたことは完全に君の落ち度だ。…でも、僕も幼馴染さんに告白した時に『そんな約束どうでもいいじゃないか』という発言をしていまっていたぐらい、俺も約束にこだわる必要はないと思ってたんだ。でも、今回は幼馴染さんのためにもそれを利用させてもらったよ。)

イケメン(本当はここまで言うつもりはなかったんだが、君を目の前にしてしまったら…もし俺があそこまで言わなかったら幼馴染さんの気持ちは俺に向くことはないと思ってしまって…)


イケメン(幼馴染さんのためにもだけど、俺のためにも…おれ自身が大好きな人と幸せになるためにも俺は!!!)




イケメン(…君を踏み台にするッ!!!!!!)


男「…………幼馴染…。」

幼馴染「!?…な、何?」

男「…すまなかった…。本当にすまなかった。俺がお前を苦しめてたんだな…この半年間も…そしてそれ以前も…」

幼馴染「…そんな…。」

男「イケメン君の言う通りだ…。俺はイケメン君の言ったことに俺は何も言い返せない。」

幼馴染「…」

男「そして、想いを伝えることに先走って、ひとときでもあの約束を忘れてしまっていた自分が情けなくて…ふがいなくて…そしてお前に申し訳なくてたまらないんだ…」

幼馴染「男…」

男「…イケメン君はすごく良い人だ…。初対面だけどそれは十分分かる。だって初対面の相手にここまで叱ってくれる人もなかなかいないしな。そして何より、お前が俺や家族以外で唯一タメ口で話せる存在だ…。」

幼馴染「…」


男「…今まで本当にありがとうな幼馴染。ずっと一緒に過ごしてきたときも楽しかったけど。俺たちの間に『距離』が出来てから2年ちょっとの間、俺も寂しかったけど、でもお前に再会できることが楽しみで楽しみで仕方なくて…それを糧に生きてきた…。」

幼馴染「…男…。」

男「…でもその再会の約束のことをこんな大事な時に忘れるとか救いようがねーよな…」

幼馴染「…」

男「…じゃーな、幼馴染…。イケメン君と幸せになれよ…。」

幼馴染「…そんな…いやだよ男…それ以上は…」

男「…さようなら。」

幼馴染「!?」

男「…」クルッ ダッ

タッタッタッタッタ

幼馴染「…ま、待っておとkイケメン「幼馴染さん!」パシッ

幼馴染「!?」

イケメン「追いかけたらダメだ…男くんは今…」

幼馴染「そんな…そんな…」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


prrrrrrrr prrrrrrrr


幼兄『もしもし男か、幼馴染とは会えたのか?』

男「…ああ、会えたよ幼兄さん。」

幼兄『!? …そっか、会えたんだな…でもお前…』

男「…幼兄さん、今から教える場所に来てくれないか?」

幼兄『…! …でも今用事g男「頼む。」

幼兄『…分かった。すぐ行く。どこに行けばいいんだ?』

男「…ありがとう。おれが今いるところなんだけど………

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―――――――――――――――――――――――----

男「よう、幼兄さん、待ってたよ。」

幼兄「…男、どうしてこんな場所に俺を呼びだしたんだ?」

男「…実はこの公園はお母さんとの想いでの場所でさ…7年振りくらいかな…」

幼兄「そう…なのか…」

男「うん。…ここに来ると…ここからの海の景色を眺めてるとお母さんのことばかり思い出すんだ…。」

幼兄「男のお母さんは確か…東京に来る前に事故で…」

男「…お母さんっ子だった俺にとってお母さんの死はかなり堪えました…。」

男「それによって、親父にも色々と迷惑をかけました。もともと俺は親父があんまり好きじゃなかった。俺とお母さんを放っておいて仕事ばかりしていたから…。」

男「もし、お母さんが死んでから東京に引っ越すことになってなかったら、今頃俺と親父の仲は相当酷いことになってたと思います。」

男「でも、俺はあの街で幼馴染と再び出会えた。そして幼馴染を通じて幼兄さんやおばさんとも仲良くなれた。」

男「おばさんからは料理を教えてもらえ、その料理をきっかけにして親父ともどんどんコミュニケーションも取れるようになれたんです。」


男「最初は親父のこと「お父さん」って呼んでましたしね。今じゃ恥ずかしくてとても呼べないや。はは。」

男「そう、お母さんが死んだ後にぽっかり出来た穴も、親父との不仲も、みんな幼馴染をきっかけにして解消することが出来たんです。」

男「そして幼馴染は俺の…俺の生きがいになったんです…。」

男「…でも、その生きがいが今、俺の手から離れようとしている。だからと言って死にたいとかは思わないですけど。」

幼兄「男…」

男「俺は…俺は、これから何を生きがいに生きていけばいいんだろう…。」

幼兄「男…俺から幼馴染に…」

男「幼兄さん。それは一番駄目だよ…。」

幼兄「…!」


男「あいつの気持ちはあいつのものだ。誰かがとやかく言ったり、望んでもない方向に導いてもいけない…。幼馴染自身が幼馴染自身のために自分で考える必要があるんだ…!」

幼兄「…お前はそれでいいのか?」

男「…幼兄さん、昔も俺にそんなこと言ったよな…」

幼兄「…?」

男「『後悔したくないだろ?』ってさ…。」

幼兄「…」

男「幼兄…俺…。」

男「………後悔しかしてないや…」

幼兄「…」

男「でも、何を後悔すればいいのかも分からないぐらい頭の中がぐちゃぐちゃなんだ……」

幼兄「…男」

男「…幼兄さん…『距離』っていう敵は俺が想像していたよりも強大だったよ…」

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―――――――――――――――――――――――----


ガヤガヤガヤガヤ


男(…俺はいったい何をしに来たんだろう…)

男(…はは、神戸に帰って女さんに合わせる顔がないや…。)

男(女さんは想いを直接伝えることが大事だと言っていた…それに俺も共感したから今回行動を起こしたわけだけど…)

男(…それに固執したことで、あの約束を忘れてしまうとか…)

男(そしてその想いを伝えることを勧めてきた女さんに少なからず責任転嫁しようとしているどうしようもない自分がここにいる…)

男(自分の落ち度を、きっかけを与えようとしてくれた友達に押し付けようとするなんて…)

男(…俺はとんでもない大馬鹿野郎だ…。)

男(…それに、俺が今日ここに来なくても、幼馴染はイケメン君に告白されて…そして…)



prrrrrrrr prrrrrrrr


男「!?」

男(見たことない番号だな…誰だろう…)ピッ

男「…もしもし。」

女『もしもーし、男くんのケータイであってますか!?』

男「…! …女さん!?どうして…あっ。」

男(…そうだ、昨日連絡先を教えたんだ…)

女『ちょっと!昨日教えてくれたこと忘れとったの!?』

男「…いや、そういうわけじゃ…」

女『む~! …まあいいや!それでさ男くん今日の夜空いとる!?』

男「…えっ?どうして?」

女『今日の夜にうちと女友ちゃんとお姉ちゃんで王将に行くことになってさ!それでもし良かったら男くんもどうかなって思って!!』

男「…そうなんだ…。」



マモナクー3バンセンノリバニ ジュ―ゴジ ジュップンハツ
トウキョウハツ ヒロシマユキ ノゾミ○○ゴウガ マモナクトウチャクシマス


女『!?…男くん…今どこにいるの?』

男「…! …今は…横浜にいる…。」

女『…! …そうなんや、…今日早速横浜に行ったんやね…。…ちゃんと幼馴染さんに想いを伝えられたん?』

男「…それは…。…それが…。」

女『…。』

男「…想いを伝えることばっかり考えてしまって…それで俺が幼馴染との大事な約束を破ってしまって…」

女「!?…その約束って…まさか、再会の約束…?」

男「…うん、高校を卒業したら東京の想い出の場所で出会うって約束…。」



女『…あっ…。』

女(…うちのせいだ…。うちが昨日男くんに想いを伝えに行けと言ったばかりに…)


女『男くん、それはうちのせいだよ…』

男「いや…そんなことは…」

女『いや、絶対にうちのせい。男くんも心のどこかで少なからずそう思ってるはず。だから…無理しないで。…うちに責任を押し付けてもいいんよ。ほんまにごめんね、男くん。』

男「女さん…」

女『…でも、男くん、それでいいの?本当にそのまま神戸に帰ってくるの?』

男「それは…でも、もうどうしようも…」ジワッ

女『…』

男「…もうどうしようも…うっ…どうしようもないじゃないか…」グスッ

女『…男くん…』

男「…!?」グスッ




女『男の子のくせに泣くなっ!!!!!!!』


男「…!」

女『男の子がそんな簡単に泣いちゃダメ!男の子はもっと、強く…もっと強くなくちゃいけないの!』

男「…女さん。」

女『それに…』

男「…?」

女『男くんは今、後悔してるから泣いてるんでしょ?』

男「…そう…だね。」

女『…でも…今帰ったら…』





女『…もっと後悔するよ?』


男「…! でも俺はもうどうしようも…」

女『何!?約束のことを言ってるの!?そんなのどうだっていいじゃない!!』

男「ど、どうだってって…」

女『男くんは一度、約束を守れなかったぐらいで、一度失敗しただけで諦めるような根性なしだったの!?もっと引き下がろうとは思わないの!?』

男「…」

女『そんなに好きな人なら、諦めずもう一度チャレンジしようとは思わないの!?本当にそれでいいの!?』

男「…」


女『それに…』

男「…?」



女『…それに男くんにはまだチャンスはあるよ。』


男「…チャンス?」


女『うん、チャンスが…。………その約束を実現させればいいんだよ…。』

男「…実現!? …でも、俺と幼馴染は…もう…会ってしまって…」

女『も~ここまで言っても分からないの?その約束をもう一度思い出してみなさい!』

男「……。 ……!」

女『…だってまだ私たち、「高校2年生」じゃない!…ね?』

男「…女さん…ありがとう…。俺、本当に後悔するところだった!」

女『うん。…あとね、さっきは『男の子のくせに泣くな!』って大声出しちゃってごめんね…』

男「いや、それは…」

女『男の子だって泣きたいときくらいあるよね。…でも、多分誰も男くんが悲しんで泣いてる姿なんて見たくないはずだよ。』

男「…うん。」

女『…でも今日みたいな辛い時がきたら、またうちの前でよければ泣いてええからね?』

男「女さん…。」


女『ふふ、今のは余計やったかな!?…じゃあ、もうこれ以上後悔しないためにも…行っておいで!』

男「うん、また連絡するよ本当にありがとう!!」ピッ

男(…そうだ…俺は間違っていた。でも俺はあの約束を実現するためにも…)

男(…)ピッピッピッ


prrrrrrrr prrrrrrrr


男「あっ、もしもし、幼兄さん!?実は………

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―――――――――――――――――――――――----

幼馴染(…どうして…どうしてこんなことに…)

幼馴染(…あの後、イケメン君に色々言われたけどほとんど聞いてなかった…)

幼馴染(…そして、そんな放心状態で家に一人で帰ってきて…)

幼馴染(…お兄ちゃんにさっき『今どこにいる?』ってメールに返信したのを最後にケータイも見てないや…)

幼馴染(…たぶんイケメンくんからメール来てるだろうな…)

幼馴染(…でも今は、それに返信できる状態じゃない…)

幼馴染(…それにしても…男、久しぶりに会ったけど変わってなかったな…)

幼馴染(…いや、昔よりももっとかっこよくなってた…)

幼馴染(…でも…。)

幼馴染(…でも…それでも私たちは今日会ってはダメだったんだ…。)

幼馴染(…私は何のために今まで…)


幼馴染(…はぁ…今日は疲れた…とりあえず休もう…)ゴロンッ


ナナジミー


幼馴染「…?」


オサナナジミー


幼馴染「…!? この声って…まさか…!」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

男「幼馴染ー!!幼馴染ー!!」

男「いるのは分かってる!!でも、そのまま、家の中で聞いてくれ!!」

幼馴染(…!?男、どういうこと!?)

男「幼兄さんから家の場所を教えてもらったんだ!!そしてお前が今家にいることも!!」

幼馴染(…お兄ちゃんが…。だからさっき私にメールを…。)

男「俺は今日とんでもない失敗をしてしまった!!…こともあろうかあの約束を忘れていたんだ!!」

幼馴染(…。)



男「でも俺は!!やっぱりお前のことが好きだ!!そして諦められない!!だから…だから!!」

幼馴染(…?)


男「…one more time, one more chance!!」



幼馴染「…え?」


男「これ知ってるか幼馴染!?…いや覚えているか!?」

幼馴染(one more time, one more chance …あっ!)



男「そう!これはあの秒速5センチメートルの主題歌のタイトルだ!!俺は今ここであえてこの主題歌のタイトルを使わせてもらう!!」

幼馴染(……そうだ、あの映画の…。)




男「…幼馴染!!俺にもう一度!!もう一度チャンスをくれ!!!!!」

幼馴染(…! …男。)

男「俺はやっぱりお前とのあの約束を実現させたい!!『本当の再会』を!!そしてそこでお前に俺の想いを伝えたい!!」

幼馴染(…『本当の再会』…。)


男「…今度は俺が待つ番だ!!俺はいつまでも待ってる!!あの桜並木の踏み切りで!!高校を卒業したらいつまでも待っている!!!お前のことを!!!!お前と出会うまで!!!!!」

幼馴染(…男…。)

男「お前は俺が今言ったことを『重い』と感じるかもしれない!!そしてこの約束はお前に更にあと1年間以上寂しい『思い』をさせることにもなる!!でも!!それでも!!あの約束を交わした時のお互いの『想い』を俺は信じたい!!」

幼馴染(…『想い』…。)

男「それが言いたくて俺はここに来たんだ!!お前がこれを聞いてくれてると信じている!!…それじゃあな!!」


タッタッタッタ


幼馴染「あっ…男…。」




幼馴染「………男……。」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


トボトボ


男「はぁ…。」トボトボ

男(もう20時かぁ…今日も親父は泊まりこみだっけ…)

男(…あっ!…たしか家に帰ったら何も食材なかったよな…)

男(今からこの坂道をユーターンするには体力的にも精神的にも…)

女「男くん!」


男「…!? お、女さん、どうしてこんなところに…?」

女「『こんなところ』って男くんがうちに教えてくれた絶景のスポットじゃない!」

男「…あっ、そうか。…でももう真っ暗なのに…」

女「うん!もうそろそろ男くんが帰ってくるころかなって思って待っててん!」

男「…そっか。」

女「…ねぇ!男くん!」

男「…ん?」



女「今から王将行こう!!」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


ガヤガヤガヤガヤ


女姉「ほんま帰ってくんの遅いねん!!うちらを待たせるとかほんまええ度胸してるで男くん!!」

男「うう…すみません…。」

女友「まぁまぁ女姉さん、男くんは昼間まで横浜にいたわけやし…」

女「そうやでお姉ちゃん!」

女姉「…ん?そういえば女、あんたいつのまに関西弁に戻ってたん?」

女「…あれ?…そういえば…」

女姉「やっぱりあんたも関西弁じゃないとな!正直今まであんたの標準語が気持ち悪くてしゃーなかったんやで!」

男「…。」

女「…! い、いいやない標準語も!そんな口調で人の好き嫌いとか決めたらあかんよお姉ちゃん!」

女友「うん、今のは女のほうが正しい。…それにしても標準語の男くんを目の前にしてそんな発言できるとは…さすが女姉さんやで…。」


女姉「だって、こいつ女のこと振ったんやろ!?そんでもって好きな相手に横浜まで告白に行っといて撃沈してくるなんて…あんたどの面さげて帰ってきよんねん!!女に謝れ!…ついでに『お姉さんにも迷惑かけました、許してください』って言ったら許したる!」グヘヘ

男「…うぅ…す、すみません…。」

女「お姉ちゃん!!やめてよ!!男くんは悪くないのに!!」

女友「そうそう!そして最後のは絶対に余計だった!」

女姉「も~!!なんやねんあんたたち!てか女友もこいつに振られたんやろ!こんなやつのどこに惚れてん!…まぁ『お姉さん』って言われるのも確かに悪くなかったけど」ボソッ

女友「…うっ///…てか最後何て言ったの女姉さん?…まぁとにかく食べよ!!お腹へって死にそーやし!」

女「そうだね!頂きまーす!」

女友・女姉「「いただきまーす!」」

男「…いただきます。」

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―――――――――――――――――――――――----


ガツガツガツガツ


女友「うまーい!」ガツガツ

女姉「うまい!うまい!!うまい!!!」ガツガツガツ

男「…」チョビリチョビリ

女「…男くん、食欲ないん?」

男「…!?…いや別にそんなこと!」アセアセ

女「…結局あの電話の後…どうなったの?」

男「…! …うん、ちゃんとあの約束を実現させようって幼馴染に伝えてきたよ…でも…」

女「…でも?」

男「自信が…ないんだ…。」

女友「…」

女姉「…」


男「たぶん伝わったと思うんだけど…でももし伝わってなかったらと思うと不安で…」

女「男くん…」

女姉「…おい、男くん。ちょっとええか?」

男「…え?」


パチコーーーーーンッ!


ォーン ォーン ォーン…


…シーーーーーーーーンッ


男「……!」じんじんじん

女「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!?」

女友「女姉さん!!ここ公共の場ですよ!?」


女姉「黙っときあんたら!…なぁ、男くん、もしここにその幼馴染さんとやらがおって今の男くんの姿を見たらどう思うとあんたは思う?」

男「…!」

女「…」

女姉「詳しいことは聞いてないけど、あんたは何かしらの考えか想いを最後に伝えてきたんやろ?」

男「…はい。」

女姉「やろ?その時あんたは確固たる決意を以ってして伝えたはずや。なのに、伝え終わった途端、幼馴染さんがいない神戸に帰ってきた途端『自信がない』とかほざいて恥ずかしくないんか?」

男「…」

女姉「『男』なら、いつ、どこで、だれに見られても、聞かれてもいいように、自分の一つ一つの行動、発言に責任と自信を持て!!そんなんもできんまんまやったら、いつか本当に自分の好きな人を悲しませることになるぞ!」

男「…お姉さん。」


女姉「…平手打ちしてすまんかったな。でもそれを分かって欲しくてなうちは…。」

男「…お姉さん。…お姉さんの言う通りです。…今までの自分の行動と今からの自分の行動には責任と自信を持ちます!!絶対に!!」

女姉「…おう!期待してるで!!」

女「うちも期待してるよ男くん!!」

女友「もちろんうちもな!!」

男「…それにしても…。」

女・女友・女姉「ん?」




男「関西の女の子はやっぱり強いや!」

女・女友・女姉「…ぷっ!あはははははっ!!」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

男「わざわざ車で送って頂いて本当にありがとうございました。」

女姉「おう!気にすんな気にすんな!うちの車は4人乗りなんやし、ついでやついで!まぁ、また女のためにもうちに遊びに来いよ!」

男「はい、そうせて頂きます、お姉さん」ニコッ

女姉(きゅうううううん/// …あれ?うちったらこんな標準語のやつなんかに///)

女「それじゃあまたね男くん!」

女友「またな~男くん!」

男「うん、またね。」



ガチャ バタン


女友「ふ~…それじゃ行きましょうか!今晩も泊めさせてもらえるってほんまですか女姉さん!?」

女姉「ええよ!今日は朝までガールズトークや~!」

女友「ひえ~!今夜は大変や~!よし、それじゃとっとと車に乗って女ん家行こう!な!女!……女?」

女「…! …あっ、ごめん女友ちゃん!行こっか!」

女姉「…どうした女?何か考え事があるんなら今ここで言い。」

女「…お姉ちゃん、うち明日…。」






女「…横浜に行ってくる。」


女友「!?」

女姉「…は? …女、あんた頭バグッたんか?」

女「バグってなんかないよ!女友ちゃんも行こう?だって…」

女姉「だって…?何やねん?」

女「…あのね、男くんも言ってたけど、その男くんの幼馴染さんに対する再会の宣言って、本当に幼馴染さんに伝わってるのかなって思って…」

女友「…! 確かに…、家の壁越しに大声で伝えただけってさっき言ってたし…本当に伝わってない可能性もあるわね…」

女姉「…で? 女はそれを疑問に思ったところで何も出来ひんやろ?そんなん考えるだけ無駄や。…さっ、とっとと帰ろうや。」

女「…無駄じゃないよお姉ちゃん。…何故ならうちは伝わってるかどうか知る必要があるから。」

女姉「…何でや?何であんたが知る必要があるねん?」



女「だってうちは…男くんのことがまだ好きやから。」


女友「!? 女…。」

女姉「…ほう。」

女「うちは男くんの幸せを本当に願っているから…。だから男くんの想いが伝わっているかどうか確認したいの!もし伝わってないまま男くんだけが一方通行な行動をしてしまったら…男くんは…男くんは…」

女姉「…なるほどな。…でも、そのお前が幼馴染さんにコンタクトを取ることは、そして確認をすることはその男くんの今日の行動に失礼やないか?男くんは『たとえ聞いていなくてもいいから』という思いで幼馴染さんの家の前で大声を出していたのに。」

女「え?確かに失礼かもしれないけど、別にうちはその約束に絡んでるわけではないからルール違反じゃないでしょ?別に『第3者が確認を取ってはいけない』なんてルールはないわけだし!」

女「それに、もし失礼だとしても、その後にうちが男くんに土下座して謝るよ!でもそのうちの行動によって男くんが幼馴染さんに自分の考えと想いが伝わってたんだと分かるんなら男くんもその約束に向けて100%の『自信』を持ってひたむきに頑張れると思うし!」

女姉「…ぷっ!あははは!」

女友「女…」


女姉「…そうやな!あんたの言った通りやわ!…でもええんかそれで?そのあんたの行動は自分の首を絞めることにも繋がんねんで?だってあんたまだ男くんのこと好きなんやろ?」

女「そうだね…もし伝わっていないままで、このままうちが幼馴染さんのところへ行かんかったら、男くんがうちに振り向いてくれる可能性は高くなるかもしれへん…でもそれはうちの望んでる形じゃない!そんなの卑怯や!うちは正々堂々と男くんにうちの魅力をしってもらいたいの!」

女姉「…。」

女「そのためにも…ね?女友ちゃん!うちらは幼馴染さんに対してやらんといけんことがあるんよね!?」

女友「…! せやな!あの子にやってやらんと!」



女・女友「「宣戦布告を!!」」

女姉「…ほう、宣戦布告ねえ。」

女友「そう!うちも女も自分の力で幼馴染さんと正々堂々と勝負したいんです!」

女「そのためにもうちらは出来るだけ早く横浜に行く必要があるの!正直そっちの方がうちら的には横浜に行く本当の理由なんやけど!」

女姉「…そうか!…よし言って来いやあんたら!その幼馴染さんとやらに一発ガツンとかまして来い!」

女・女友「「うん!!」」

女姉(…こいつら本当にいい表情してるわ…。)



女「…でね、お姉ちゃんにお願いやねんけど、お金かしてくんない?」

女姉「…ぶへっ!? …な、何でうちにお金をたかんねん!?」

女「だってうちら高校生だし、お金ないし…でもお姉ちゃん今大学生だからバイト代がっぽがっぽ稼げてるじゃん!」


女姉「…おいおい。ちなみにいくらぐらいよ?」

女「…ん~と、6万円ぐらい?」

女姉「…はっ!? ろ、6万って!? どういう計算してんねん!?」

女「え~、だってうちと女友ちゃんとで新幹線代それぐらいするでしょ?」

女姉「…あっ、女友の分も入ってんのねそれ。なるほどなるほど…って何で女友の分までうちが貸さなあかんねん!!」

女「え~、だって今日女友ちゃんうちの家に泊まるんやし、しかも今から女友ちゃんのお母さんに頼んでも貸してくれるって保障はないし…。」

女友「女姉さん、女の言う通りでうちの親はそうやすやすとお金を貸してくれへんのですわ…なので女姉さん…誠に恐縮ではありますが…あざぁああああああっす!!」

女姉「…あ、あんたらぁあ!!…はぁ、分かった分かった。貸したるわ!!でも絶対に返せよ!!」

女・女友「「ありがとうございます!!」」


女姉「…で、いくらやっけ?6万って言ってたよな?」

女友「…! あっ!女姉さん!申し訳ないんですけどそこを7万円にしてくれませんか!?」

女「…はぁ!?何でやねん!?さっき二人で6万って女が言ったてたやないか!?」

女「お、女友ちゃん!?」

女友「ちょっと事情があるんです!!絶対返しますんで!!どーか!!どうかこのとおり!!」オガミッ

女姉「…も~わかったわかった!!もってけ7万円!!でもどうせその7万円が返ってくるのは来年の正月なんやろうな…」トホホ

女「本当にありがとう!お姉ちゃん!!」

女友「よし!女!!明日は幼馴染さんに会うために行こうか!」

女「うん!!」

女・女友「「横浜にッ!!!!」」

----―――――――――――――――――――――――


今日はここまでです。

読んでくれててる人、レスつけてくれてる人、本当にありがとうございます。

しかし、とうとう書き溜めが尽きてしまった…

なので明日は朝からぶわーって書いていきます。

ただ、明日は夕方から晩まで用事があるので投下はできるのは24時なると思います。

では、明日の深夜もよろしくお願いします!!


―2009年/6月/横浜――――――――――――――----


ガやガヤガヤ


女友「着いたぞー!!」

女・女友「横浜にー!!」

女「…でも、女友ちゃん、本当に幼馴染さんの場所本当に分かってるの?昨日『うちに任せろって!』って言ったっきり何も教えてくれてないけど…」

女友「おう!任しとき!実はな、男くんと3日前に王将に行った時に、その幼馴染さんが今もバスケを続けて、強豪校のチームでもレギュラーやってるってことを言ってたのを思い出してな!」

女「…? それで分かるの?」

女友「幼馴染さんの名前ってちょっと珍しいやろ?それとバスケの強豪校でレギュラーなんやったらインターネットに、もしかしたら横浜の大会の記事がアップされてて、そこに幼馴染さんの名前が載ってるかなって思って!」

女「ほうほう…」


女友「そしたらな!案の定幼馴染さんの名前が載ってたこの前の春季大会の試合の記事がヒットしてん!もちろんそこに高校名も載ってたし!!」

女「…す、すごいね。…でもちょっと怖くなったよ…これが情報化社会による『恩恵』というやつなんかな…」

女友「…まぁ、情報リテラシーとかなんとかよく言われてるけど、そんなもん利用したもん勝ちやで!…さっ!行こっか!」

女「えっ?でも、幼馴染さん学校にいるのかな?…今日日曜やし、昨日も確か男くんは部活後の幼馴染に会いに行ってたって言ってたから、今日は部活は休みじゃないんかな…?」

女友「…たしかにな。でも神奈川の県総体が来週らしいねん!総体前やねんから土日連続で練習しててもおかしくないやろ!?」

女「あっ、そうか。…そう言えばうちらの先輩も来週総体やもんね。この土日は3年生のみでの集中練習やからうちらは土日とも休みやったけど。」

女友「まぁ、もし学校にいなくても職員室の先生捕まえて、どうにかして幼馴染さんの家の住所を聞けばええわ!うちらのマシンガントークなら絶対いける!」

女「ふふ、ここにお姉ちゃんもいたら更に聞きだせること間違いなかったね!それじゃ行こっか!」

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―――――――――――――――――――――――----


ダンダンダンッ


女友「おー!!やっとるやっとる!!見た感じやと今アップ中みたいやしちょうど練習が始まったとこなんかな?ってことは今日は午後練か!」

女「でもそれじゃ、当分終わらないよね…どうする女友ちゃん?」

女友「せやな…てか、そもそもうちらは幼馴染さんの顔を知らんしな。とりあえずバスケ部の誰かに幼馴染さんがいるかどうか聞かんと!」

女「そうやね。」

女友「…おっと、そう言ってるそばから、調度一人体育館から出てきよった!」

女友「すみませーん!!!」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

ピッ ダンダンダン

ピッ ダンダンダン

ピッ ダンダンダン

幼馴染「はあはあはあ」ダンダンダンッ

ミンナー アップダカラッテキヲヌクナー オサナナジミサン テンポオソイヨー!

幼馴染「はぁはぁ…はい!!!」ダンダンダンッ

…ンー? ナニ? オサナナジミサンヲ? …ワカッタ チョウドオワルトコロダッタシ

ピー ハーイ ボールヲツカッタアップシューリョー

幼馴染「…ふう」はあはあはあ


ソレトオサナナジミサン アナタニ オキャクサンガキテルミタイヨ

幼馴染「…えっ?お、お客さん…ですか?」

幼馴染(…誰だろう? …イケメン君が返事を聞きに来たのかな…でもイケメン君なら先輩も知ってるし『お客さん』なんて言葉使うはずないし…)

幼馴染(…! …まさか男!…でも昨日最後にああ言ってたんだし…)

幼馴染「…すみません先輩。…そのお客さんは男の人ですか?」

ンー? チガウミタイヨ オンナノコダッテサ! ソシテフタリグミラシイヨ!

幼馴染「…二人組みの女の子?」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

女友「おっ、来た来た!あれが幼馴染さんかな!?」

女友(!? …おいおい可愛すぎるやろ…女も可愛いけど、これが『美少女』ってやつか…そりゃ男くんも惚れるわけや…)

女(…すごく…綺麗な人だな…。)

幼馴染「…あの、私が幼馴染ですが…あなた達は…どちらの?」

女友(おまけに声も可愛いし、喋り方も綺麗…うちらと完全に真逆やな…)

女(…)

女友「…おっと、紹介が遅れてごめんなさい!はじめまして!うち女友っていいます!そしてこっちにいるのは女っていいます!」

幼馴染(…!? …イントネーションが関西弁…もしかして…)

幼馴染「…もしかしてあなた達は…神戸から?」


女友「おっ!さすが幼馴染さん!察しが早くて的確で助かります!その通り、うちらは今日神戸から来ました!そしてうちらは…男くんの『友達』です!」

幼馴染「…男の…。」

女(…! …幼馴染さん…男くんの名前が出てきた途端悲しそうな顔に…)

女友「実はうちら幼馴染さんにお話がありまして今日ここに来ました!」

幼馴染「…お話…。」

女友「はい、なのでちょっとうちらのために時間をくれませんか?」

幼馴染「…でも今は練習中で…部活も今日は19時まであって…」

女友「…!? …19時ですか…めちゃくちゃ長いですね…」

幼馴染「…はい、15時からここで練習試合があって、そして18時からミーティングもあるので…」

女友(…さすがに、そんなには待ってられんな…うちのもう一つの目的もやらなあかんし…)

女「…お願いします!幼馴染さん!…10分で…10分でいいのでうちらに時間をください!!」ペコッ!

幼馴染「…!?」

女友「…! …お、女!?」


女「お願いしますッ!!!」

女友「女…。 …幼馴染さん!!うちからもお願いします!!どうか!!」ペコリッ!

幼馴染「…そ、そんな、やめて下さい!2人とも顔をあげて下さい!」

女・女友「……」ペコー

幼馴染「…分かりました。…先輩に一応確認を取らないといけませんけど…でも私も練習があるので10分でお願いしますね。」

女・女友「「ありがとうございます!!」」パァッ

幼馴染「それじゃあ、ここで待ってて下さいね。」タッタッタ

女「やったね女友ちゃん!」

女友「うん!…でもここからやで本番は女!」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

幼馴染「…それで、神戸からわざわざ、私に何を…まさか男からの伝言かなにかでしょうか?」

女友「いいえ、ちゃいます。まず、今日のうちらの行動はうちらが勝手にやってることであって男くんの差し金じゃないってことは知っておいてもらえたらと思います。」

幼馴染「…そう…なんですか。…で、ではあなた達はここに何のために?」

女友「…うちらは男くんの友達で、少しだけあなたと男くんの関係を教えてもらったんです。」

幼馴染「…。」

女友「そして昨日、うちらが夜に男くんをたまたま夕飯に誘った時に昨日の出来事を教えてもらいました。」

幼馴染「…そう、だったんですか…。」

女友「はい、男くんが想いを伝えにいったこと。それが約束を破ることになってしまったこと。そして『本当の再会』のために最後幼馴染さんの家にまで行ったことを。」

幼馴染「…。」


女「…幼馴染さん、実はうちのせいなんです。男くんが昨日約束を破ってしまったのは。」

幼馴染「…えっ? …どういうことですか?」

女「うちが男くんにおととい、『そんな今のままじゃ、ダメだ。直接想いを伝えないとダメだよ!』とほとんど命令みたいなカタチで言ってしまったんです。」

女友「…。」

女「秒速5センチメートルのことを教えたのもうちなんです。…だから、あの映画のような結果にならないように想いを伝えておいでとうちが…うちが…。」

女友「…女。」

幼馴染「…そうだったんですか。」

女「だから、男くんのことを責めないでください!責任はうちに全てあります!…だから!だから!!!」

幼馴染「…女さん…でしたよね? …どうしてあなたはそこまで…そこまで…」

女「…それは!?」



女「…それは…うちは男くんのことが大好きだからです…。」


幼馴染「…!? …そうなんですか…男のことを…。」

女「好きだからこそ、男くんが苦しむところを見たくないんです!…だから、今回のこの訪問も男くんのそんな苦しむ姿をもう見たくないから…」

女友「…。」

幼馴染「…女さん。」

女「でも、男くんはこれからは幼馴染さんとの『本当の再会』へ向けて、自分に自信を持って行動して行くってことをうちらに宣言してくれました!」

幼馴染「…」

女「…でも、…でもその男くんのこれからの行動も、幼馴染さんにその『本当の再会』のことが伝わっているかどうかで全然違ってくると思うんです。だからうちらは今日、昨日の男くんからの最後のメッセージが幼馴染さんに伝わっているかどうかを確認しにきたんです!!」

幼馴染「…。」


女「教えてください!幼馴染さん!昨日の男くんのメッセージが伝ったかどうかを!うちがさっきから言ってる『本当の再会』のことが分かっているかどうかを!!」

幼馴染「…! …それは……それは………。」





幼馴染「……はい、……聞こえて…ました。」



女・女友「…よ、良かったぁぁぁ~。」ぷはぁ~


女友「よかったな~男くんのやつ!!」

女「そうだね!!もし伝わっていなかったら本当にどうしようかと思ったよ。うち、さっきから何気に『本当の再会』って言葉を出してネタバレしちゃてたし!」

キャッキャッ

幼馴染「…でも、女さんはそうだとして、女友さんも何故ここまで男くんのために…?」

女友「…えっ? …そ、それはな!…うちも男くんのこと好きやからやねん!///」

幼馴染「…そうなんですか。」

幼馴染(…男、本当にもてるんだなぁ…)

女友「…まぁ…うちは半年前のクリスマスイブに振られてしもうたけど…えへへ。」

幼馴染「…!」

幼馴染(…この人なんだ…半年前、男と電話したときに男が言ってた告白してきたって女の子…。)

女友「…そして、この女はおととい男に振られたんよ~!!」


女「ちょ、ちょっと女友ちゃん!?」

幼馴染「…! …本当なんですか?」

女「…うぅ。 …はい、うちもおととい告白して振られたんです…告白する前から幼馴染さんが好きだってことは言われてたんですが…」

幼馴染「…! …じゃあ、何で…何であなたは!?」

女「…ふふ、あの時の男くんとまったく同じ反応だね。 …うちは自分が好きな人には直接想いを伝えることに意義があると思ってるんです。」

幼馴染「…意義。」

幼馴染(…そういえば、男も昨日そんなことを…)

女「…そう、うちが男くんに告白したのは、自分の想いを直接伝えたかったから。相手からは重いと捉えられるかもしれないけど…それでも…後悔はしたくないから…」

幼馴染「…女さん。」

女友「…。」


女「うちが男くんに告白した後にそのことを男くんに言ったの。そしたら男くんも幼馴染さんに『俺も直接伝えたい!』って言ってくれて…。…幼馴染さん、確かに『約束』ってすごく大事だけど、やっぱりそれ以上に大切なことがあるんじゃないかな?」

幼馴染「…。」

女「…やっぱりお互いを想い合っている…お互い大好きなら、直接その好きって想いを伝えなきゃ!!!その時の…その時にしか表せない『好き』って感情だってあると思うの!」

幼馴染「…女さん。」

女「…でも、男くんは今、自分がしてしまった過ちを悔いて、幼馴染さんとの『本当の再会』に向けて踏み出そうとしている。今にでも直接想いを伝えたいって『想い』を我慢してでも…。そう、幼馴染さん…あなたが信じてた約束のために…。」

幼馴染「…男。」

女「…もし、幼馴染さんに男くんへの気持ちが冷めていると分かったら、うちはここまで言わなかった。そもそも幼馴染さんも聞く耳持たなかったと思う。…でもうちが見る限り、あなたはまだ男くんのことを想っている。その証拠に今の幼馴染さんの顔はとても…とても辛そう…。」

幼馴染「…! …そんなこと…。」


女友「…でね!幼馴染さん!うちらはさっきも言った通り男くんに告白して振られてしもうたんよ!…でもね。」

幼馴染「…でも?」

女友「うちらまだ男くんのことが大好きやねん!諦められんねん!だからうちらは今日幼馴染さんに宣戦布告に来たの!!」

幼馴染「…宣戦…布告?」

女友「そうや!うちらは幼馴染さんから正々堂々と男くんを奪いたいんや!だからうちらという存在が神戸で男くんのすぐそばにいるってことを知っておいて欲しい!…幼馴染さんもそんなスタンスのままやったら危ないで?ってことを知って欲しくてな!」

幼馴染「…でも…私は…。」

女「…幼馴染さん。バスケットボール楽しい?」

幼馴染「…! …それはもちろん…。」

女「バスケットボールをしててさ、どんな時が一番嬉しい?」

幼馴染「それは…やっぱり試合に勝ったときが…」


女「そうだよね、…恋もそれと一緒だよ?敵やライバルがいるからこそ、勝ちたいって思うし、お互い頑張れるし、強くもなる!そして試合後はお互いの友情も深まっていく!」

幼馴染「ライバル…」

女「そう!ライバル!うちらもね、幼馴染さんに男くんのことを諦めてほしくないの!さっきのうちらからの宣戦布告は、もちろんうちらはまだ諦めてませんよってことを知ってもらうってこともあるけど、うちらを幼馴染さんにライバルと意識してもらって、そして男くんへの想いをもっと強くして欲しいの!」

幼馴染「それは…やっぱり…。」

女「うん!やっぱり『試合』は正々堂々としないと!うちらがこれからも頑張るんだから、幼馴染さんにも頑張ってもらわないと張り合いがないじゃないっ!!」

幼馴染「女さん…。」


オサナナジミサーン マダー?

幼馴染「…!? す、すみません先輩!!すぐ行きます!!…ごめんね女さん、女友さん…私もう行かないと…。」

女「みたいだね。…うちら、今日ここに来て本当に良かったって思ってる。うちらの考えを伝えられたってこともあるけど、何より男くんが大好きな幼馴染さんと会えて…。」

幼馴染「……。」

女「男くん言ってたよ。『俺がここまで成長できたのは幼馴染のおかげなんだ』って。うちらが好きな男くんをあんな魅力的な存在にしたのは何よりも幼馴染さんのおかげなんだし本当に感謝してるんだから!」

女友「うん!そうやで幼馴染さん!」

幼馴染「女さん、女友さん…」


オサナナジミサーン マダナノー?

女友「…よし、そんじゃ時間みたいやし、うちらは退散するわ!」

幼馴染「あっ…」

女「それじゃあね、幼馴染さん!…またいつか絶対に会おうね!」フリフリ

タタタタ

幼馴染「…」

オサナナジミサーン?

幼馴染「…!? すみません先輩!!」タッタッタッタ

幼馴染(…2人ともすごく良い人だったな…男ったらあんな元気いっぱいの人たちに囲まれて…ふふ、毎日が大変なんだろうなぁ…)タッタッタッタ

幼馴染(…それに比べて私は…最近の私は…)タッタッタッタ

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


テクテクテク


女友「やったったでー!!」

女「ふふ、そうだね!」

女友「それにしても、あんためっちゃ色々幼馴染さんに言ってたな!うちよりも喋ってたやん!?」

女「うん…自分でもビックリ…というか最近の自分にビックリしっぱなし!へへ!」

女友「ふふ!そうやな!あんたの成長振りが怖いわ!…よし!それじゃ、今から本当の横浜での目的を実行しよっか!女!」

女「…? …本当の目的って何のこと?」

女友「おいおい何を寝ぼけたことを言ってるんや女!横浜といったらあそこに行かないとあかんに決まっとるやろ!!」

女「…? ……あっ、もしかして女友ちゃん!?」

女友「そう!!……中華街やッ!!!!!!!!!!」


女「…! …もしかして昨日お姉ちゃんに6万円でいいところ7万円借りたのって!?」

女友「ふふふ、その通り!!中華街でいっぱい食べ歩くために決まってるやん!!…もちろん女姉さんのために土産も買って帰るつもりやで!!」

女「もう…女友ちゃん本当に中華が好きなんやから…てか3日前も昨日も王将だったんでしょ?中華ばっかでいいの?」

女友「いいも悪いもないわ!幸せしかないわ!ちなみにおとといも家では八宝菜やったしな!!よし、実は夕方限定の小籠包があるらしいねん!!だから急ぐで女!!中華まんが!小籠包が!春巻きが!うちらを待ってるでー!!」ドドドドッ

女「てか、中華街なら神戸にもあるやんかー!!女友ちゃーん!!」

女友「あんたも神戸の中華街のしょぼさを知ってるやろー!!それに比べて横浜は凄いらしいしなー!!早く行くでー!!」ドドドドッ

女「あ、ちょっと待ってよ女友ちゃーん!」タッタッタ

女友「待たへーん!!中華街へ!!いざ行かんとすー!!!」ドドドドッ

女「ふふ!… あっ、も~!待ってよ~!!」タッタッタ


----―――――――――――――――――――――――


―2009年/6月/神戸――――――――――――――----


スタスタスタッ


男(う~ん、ねみぃ~。家でじっとしてるのが嫌で今日は朝練ないのにもう学校に向かってるとか…)

男(昨日もずっと家にいたら、ついつい考え事してしまうからずっと外でトレーニングしてたしな…)

男(…とりあえず学校に着いたらまたサーブ練習でもしようかな…。)


オトコクーン!!


男「…! …あっ、2人ともどうしたのこんな朝早く!!」


女友「おはよっ!いや~女の予想的中やな!!」

女「おはよ!男くん!ふふ、まさか当たるとは思わなかったけどね。」

男「…? 待ってたの俺が来るの?」

女「うん! …実は男くんに謝らないといけないことがあるから…。」

男「へ?…謝りたいこと?」

女「男くん…」

女友「ほんまに…」





女・女友「ごめんなさい!!!!!」ペコッ


男「え?え!? …え!?どういうこと!?ちょっと二人とも顔をあげて!!」

女友「…実は昨日な、うちと女で横浜に行ってきてん。」

男「…えっ? …よ、横浜に?」

女友「…それで、うちら幼馴染さんに会ってきてん。」

男「…! …な、何のために…」

女「…本当にごめんね…男くん。勝手なことをしたって本当に反省しています。…でもね!」

男「…?」



女「…届いてたよ!!!幼馴染さんに!!!男くんのメッセージ!!!」



男「…えっ?」


女「『本当の再会』のこと!!!ちゃんと伝わってたからね!!!」

男「…それ………本当なの?」

女・女友「「うん!!」」

男「………そっか。…良かった。…本当に…良かった。」

男「…でも君たちはそのために…わざわざ…。」

女「うん!だってうちらが確認しにいくことは別にルール違反じゃないと思うし!!」

女友「でも、男くんには何も言ってなかったから今日謝ろうって思って!」

男「女さん…女友さん……。」





男「……………ありがとう。」


女友「…ん? ちょっとー!こっちは謝ってるのに、何でうちらが感謝されんといかんのよ!」

女「そうだよ!なんでありがとうって言うの!?」

男「………ううん。そう言いたい気分なんだ…。二人とも本当に…ありがとうっ」ニコッ

女「…男くん…。」

女友「…ふふ、よっしゃそんじゃそろそろ行こっか!男くんどうせ朝練するつもりやったんやろ!?うちらもお供させてもらうで!!」

女「うん!一緒に練習しよっ!男くん!今日は男くんとラリーしてみたいなっ!」

男「…うん!!一緒にしよう!!ラリーだって何だって!!」

女友「よっしゃ!!そうと分かったら…ハイッ!これ荷物!」ドスッ

男「ぐはっ! …えっ!? ど、どういうこと女友さん!?」

女友「どういうことってあんた女の子にそんな重いもの持たせるつもりなん!?」

男「えっ、何その理不尽な問いかけ…てか、何でこんなに重いのこのラケットバック…?」


女友「そこにはうちのこの3日間のお泊りセットや横浜のお土産が入ってるんや!…あっ、男くんへのお土産の豚まんも入ってるで!今食べる!?てかうちも食べたいし!!」

女「ちょっと女友ちゃん!!そんなことしてたら朝練の時間無くなるでしょ!?練習の後ででいいやん!」

女友「おっ、そやったそやった!てか女もラケットバックを男くんに持ってもらい!あんたただでさえ体力ないんやから!男くんもトレーニングやと思い!!」

女「…そんな…でも男くんに悪いよう…」

男「…はぁ、持ちます!持ちますよー!!荷物だってお土産だって何だって来いってんだ!!」

女友「…ふふ!…やってさ!!さあ女!」

女「うぅ…それじゃあ…お願いね男くん!!」ドスッ

男「…うっ!? 何の!…何のこれしきッ!!!」プルプルッ

女友「はは!よっしゃそれじゃ学校まで3人で競争や!!もちろん男くんはその荷物を持ったまんまな!!ドベの人は王将の餃子3人前分おごること!!じゃあスタート!!」タタタッ

女「ちょ、ちょっと女友ちゃんさすがにそれは!!…ってもう聞いてないし…ふふ!男くん残念やったね!…それじゃうちらも行こっか!!!」タッタッタ

男「…はぁ…。どうしてこんなことに…。…まっ!頑張るか!!」


男(…幼馴染。俺のあのメッセージ聞いてくれてたんだな…本当に良かった…。)

男(…俺、絶対にあの場所で待ってるから!)

男(…それまでは、お前のことを想いながら、今のこの瞬間を、かけがえのない大切な友達と精一杯生きて行く!)

男(…だから…それまでは…)


オトコクーン!!


男「…! ちょっと待ってー!!」ダッ





男(…それまでは!!!………


----――――――――――――――高2編おわり―――


これにて高2編終了です。

明日からは高3編に入ります。

明日も24時頃に来ます。

かなり長くなってきていますがこれからもよろしくお願いします。


―2010年/11月/神戸――――――――――――――----


キンコンカンコーン


男「…」スタスタスタ

女「男くーん!」

男「…あっ女!女も今帰るところなの?」

女「うん!男くんが前に見えたから走ってきちゃった!一緒に帰ろ!?」

男「うん、それじゃ今日はあの坂道を通って帰ろっか。」

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―――――――――――――――――――――――----


テクテク スタスタ


女「…でさー!」

男「はは、なんだよそれ!それって絶対にお姉さんの悪戯じゃん!!」

女「でしょー!? ほんとやんなっちゃう!!…あっ、ところでさ、男くんって進路調査書って出した~?」

男「…それがまだ出せてなくて…。」

女「えっ!?どうして!?第一志望って確か…」

男「…うん。第一志望はもちろん東京の桜並木のそばにあるw大学なんだけどさ…でも第二志望からが書けてなくて…」

女「あ~…そっか。確か一応第三志望まで書かないといけんしねあれって。」

男「うん、それでちょっと困ってて…。」

女「…う~ん、なるほどなるほど。」

男「…ところで女は進路調査書には何て書いたの?」


女「…うち? うちは第一志望は京都の私立のr大学だよ!うちのお姉ちゃんもそこだし、女友ちゃんもそこ受けることにしてるし!第二、第三は神戸や大阪の私立大学を一応書いておいた!」

男「あっ、お姉さんってr大学か。てか、女も女友もそこ受けるって前言ってたもんな。」

女「うん!…でも男くんは関西の大学は受けるつもりないの…?」

男「…いや、実は、一校だけ受けようと思ってるところがあるんだ…。」

女「…えっ!?それは初耳だ! …で、どこなのそれ?」


男「…それが、京都のkt大学なんだ…。」


女「…!? kt大学ってあの!?w大学もかなり難関大学だけど、まさかkt大学を受けるなんて…。」

男「…あっ、でも、まだ決めたわけじゃないから!」アセアセ

女「…でも男くんはそこを受けたいって気持ちが少しでもあるんでしょ?…何でそこを受けようと思ったの?」

男「…最近さ、俺、親父とすげえよく話すようになったんだ。で、その親父との会話の中で親父の研究内容のこととかもよく話題に出てさ。それが、それがすげえ面白そうなんだ!!」

女「へぇ…」

男「何で俺小さい頃から聞いてなかったんだろって後悔してるくらい最近親父と話すのが楽しくてさ!!そして、親父とそうやって会話していくうちに俺も親父みたいになりたい、親父と同じ道を進んでみたいって思うようになってさ!…それで親父の母校の学部にも行ってみたいって思うようになったんだ…」

女「そっか、それでkt大学を…。」


男「…うん。でも一応東京のt大学にも同じ学部があるし、しかも親父の恩師がその大学に教授としているから別に大丈夫といえば大丈夫なんだが…でもkt大学のほうが今では設備も整ってるらしくて…」

女「そっか、そうなんだ…でも難しいよね、ほんと。あと数ヶ月以内に次の自分の成長のための環境を選ばないといけないわけだし…。」

男「そうだな…そして俺には絶対にあの『本当の再会』の約束を実現させるという目標があるし…でも自分がこれからやりたいことが出来る環境を選びたいっていう気持ちもあるし…」

女「…あっ、そういえばさ!!今週の土曜日にうちと女友ちゃんでr大学のオープンキャンパスに行く予定なんやけど男くんも来ーへん!?」

男「…へ?でも俺r大学受ける予定は…。」

女「r大学のオープンキャンパスは午前中に終わるしさ!その後3人でkt大学に行かない!?同じ京都市内やし!オープンキャンパスはやってないかもしれんけど、見学に行ったら男くんの気持ちも整理できるかもしれへんよ!」

男「…気持ちの整理か…。うん!行ってみようかな!!」

女「ふふ!オッケー!それじゃ土曜日に3人で行こっか!京都へ!!」


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ごめんなさい。>>427に誤字ありました。
×t大学
○w大学
で脳内保管お願いします。


―――――――――――――――――――――――----


prrrrrrrrrr prrrrrrrr


ピッ


男「はい、もしもし」

幼兄『…おう、俺だ。元気にしてるか?』

男「やぁ、幼兄さん、相変わらず『まぁまぁ』だよ。」

幼兄『はは、『まあまあ』か…。…実はな、男、今日はお前に『良い知らせ』と『悪い知らせ』を伝えるために電話したんだ。』

男「…良い知らせと…悪いしらせ…」


幼兄『…まぁ、漫画とかでもよくあるやり取りになるんだが、…どっちから聞きたい?』

男「…そうですね。それじゃあ俺は…『悪い知らせ』から聞かせてもらうことにします。」

幼兄「…はは、お前ならそう言うとおもったよ。…実はな…。」

男「…はい。」











幼兄『幼馴染がイケメンとかいう奴と付き合った。』

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―――――――――――――――――――――――----


ガヤガヤガヤ


スタスタスタ


男「…。」スタスタスタ


オトコクーン!!


男「…! ごめん女!待った!?」タッタッタ

女「ううん。でも今日は朝の8時から集合だからもしかしたら男くん遅刻してくんじゃないかと思ってたよ~」

男「はは、もう『約束』はやぶらねーよ、俺は。」

女「…! そう…。そうだよね!えらいよ男くん!!」



男「はは、おいおい、偉いもくそもないだろ~普通!もともと『約束』は破るためじゃなくて『守る』ためにあるものなんだから。…ん?てか女友さんは?」

女「…それが、ケータイに掛けても出なくて…どうかしたのかな女友ちゃんって今心配してたところで…」

男「あの女友さんが? いつも何かあったら絶対に連絡してくるのにね…とりあえずもうちょっと待ってみよっか。」

女「そうやね!まだ電車までじかn」prrrrrrrr prrrrrrrrr

女「…! あっ女友ちゃんから電話だ!出るね?」

男「うん。」



ピッ


女「あっ、もしもし女友ちゃん!?今どこにいるの!?」

女友『ごめん女~! 実はうちの弟が今日ちょっと熱を出してしまってな…うちのおかんとおとんも今日は外に出る用事があるからうちが看病せなあかんことになってしまって…』

女「…そ、そうなんだ…。女友弟くんは大丈夫なの?」

女友『おう、熱は出てるけど意識もあるし、ちょっとは食欲あるみたいやから1日で治るやろ!だからゴメンな女!今日はうち行けへん!ほんまにゴメン!!!』

女「…うん!分かった!女友ちゃんの分の資料とかもちゃんと持って帰ってくるからね!」

女友『お~すまんな!…それじゃ女、楽しんできーや!男と京都を!』

女「ふふ!…うん。…それじゃあね、バイバイ。」

女友『ば~いっ!』



ピッ


男「女友、来れそうにないの…?」

女「…うん、女友ちゃんの弟が熱を出したみたいで…その看病をしないといけないんだって…」

男「そっか…残念だな。」

女「…でも、女友ちゃんのためにもちゃんとオープンキャンパスで色々情報収集しなきゃ!…男くん、女友ちゃんは来れないけど、うちと一緒に京都に行ってくれるよね!?」

男「…うん!もちろん!それじゃ切符を買って早速行こうか!京都に!」

女「うん!」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


ピッ


女友(…楽しんできーや、女。…そして頑張りーや。うちが今日弟の看病で行けんのはほんまやけど、これはこれで良かったとうちは思ってるんや…。)

女友(うちもまだ男のことを諦めきれてへんのはほんまやけどな…でもうちはそれ以上にお前の幸せを願ってんねや…。)

女友(…それにな…うちよりもあんたのほうが男に『近いところ』におる。うちよりも男に振り向いてもらえる可能性はあんたのほうが絶対に高いんや。これからうちがどう足掻いてもその可能性の『距離』は縮まらん…だからな。)

女友(…頑張れよ!女!)


ゴホッ ゴホッ オネエチャ~ン


女友「…おっと!すまーん!今行く~!」

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―2010年/11月/京都――――――――――――――----

ガヤガヤガヤ

女「うわ~!!すごいね京都駅!!天井がガラス張りだー!!」

男「俺も初めて来たけどでけーな…神戸で1番の都会の三ノ宮がしょぼく感じる…」

女「ふふ!確かに!しかもここってあのガメラの映画の舞台になったんだよ!知ってる男くん!?」

男「へっ?ガメラ?…う~ん、小いさいころ見たことあるけど…」

女「ほら~敵が銀色っぽくてなんか変な尻尾みたいなのが4本ぐらいあるやつ!!」

男「う~ん…あっイリスのこと?」

女「!! そう!!それ!!イリス!!そのイリスとの最後の戦いの場所なんだよ!!」

男「あ~、そういえばなんかガラス張りのでっかい建物を壊してたな~、そっか、あの映画の…。」

女「ふふ!そうなんだよ!他にも京都には色んな映画の舞台になったところも多いし今日は時間が残ったらそこらへんに行ってみよーよ!!」

男「…そうだな!せっかく京都に来たんだから色々行ってみよ!!…で、まずr大学に行くためには今からどうやって行くの?」

女「ここからはバスだよ!…あっ!ほら!そこのバス停からバスが出てるはずだから行ってみよ!」タタタッ

男「ちょ、ちょっと待って女!」タッタッタ

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男「…で、どうだった女、r大学の感想は?」

女「う~ん、施設や、カリキュラムとかは大満足なんだけど…」

男「…だけど?」

女「人が…人が少なすぎるーーーー!!!!」ドーンッ


…ルーッ ルーッ ルーッ


シーーーーーーーーーーーン


男「まっ、まぁ今日は土日だし…」

女「ええ~!?でも前ここの学園祭にお姉ちゃんに案内されて来たときはすごく活気にあふれててさ!」

男「それはだって『学園祭』なんだし…それにどこの大学もこんなもんだよ土日は…うちの親父がいる今のkb大学も、東京のw大学も。」


女「そんなものなのかな…。でも『オープンキャンパス』って銘打ってるんやからてっきりうちはお祭りみたいなものなのかと…」

男「まぁ、このオープンキャンパスも一部の学生のみで運営してるものみたいだし…まぁ仕方ないよ!それに施設の説明や資料には満足してるんでしょ?」

女「それは…うん、まぁ…」

男「だったらいいじゃん!大学に入ったらいくらでもうじゃうじゃ人が集まってくるんだし、そのときのお楽しみってことで!それよりも食堂でご飯食べて行こうよ!俺お腹が減って減って…あっ。」ぐ~

女「…ふふ、男くんお腹ならしてやんの~!…うん!それじゃ食堂に行こっか!」

男「/// だ、誰だってお腹ぐらい鳴らすわ!!…うん。行こうぜ。」


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―――――――――――――――――――――――----

女「へ~、ここがk大学かぁ~!思ってたよりも大きいね!そして年季も入ってそうな雰囲気がプンプン!!」

男「うん、実際にかなり古い建物だろうしね。俺も初めて来たけど…雰囲気あるな~」

女「そしてここも人がほとんどおらん!おらーん!!」

男「まぁまぁ…もう諦めようよそれは…。」

女「…あっ、でも見て男くんあそこ!!白衣来た人が歩いとる!!…医学部とかの人かな?」

男「…! …いや、あれは多分医学部以外の研究職の人だよ…多分。」

女「…ふ~ん。…で、どうする男くん、とりあえず大学内を色々周って見る?」

男「うん、とりあえず、施設を色々見てみたいな。」


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―――――――――――――――――――――――----


ガヤガヤガヤ


女「今日は楽しかったね男くん!」

男「うん、あの後も色々周れて楽しかったね。…ただ、今ちょうど紅葉巡りシーズンだからバスに乗ってる人が多すぎて死ぬかと思ったよ…。」

女「ふふ!確かにすごかったね!でも今日は本当に楽しかったよ!特にあのお洒落なカフェの和スイーツは最高だったなぁ~」ほわ~ん

男「はは、女、それは『楽しかった』じゃなくて『美味しかった』…だろ?」

女「…! もう!そんな細かいことばっか言ってたらモテへんで!男くん!」

男「はは、悪い悪い。でも帰りもバスは俺さすがに無理だわ…地下鉄で帰ろうぜ。」

女「そうだね。多分この道をまっすぐ行ったら地下鉄の駅があると…あっ!男くん見て見て!!あそこ!!鴨川があるよ!!」

男「おっ、本当だ。あれがかの有名な…」


女「…! お、男くん見て見て!しかも鴨川の手前にあるあのローソンの色!『青』じゃなくて『紺』だよ!!な、何で!?」

男「あ~、確か京都の条例かなんかだっけな…ほら、あんまり明るすぎる色だと景観を損なうとかなんとかの。」

女「へ~、そうなんだ。…ねぇ、男くん!せっかくだし最後に鴨川をぶらりしてみない!?まだ日も暮れてないし!」

男「そうだな。…せっかくだしちょっと散歩でもするか。」

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―――――――――――――――――――――――----

女「うわぁ~!!鴨川から見える紅く染まった京都の山脈がすごく綺麗!!」

男「そうだな…しかもそれが夕日によって更に赤みが増して…ほんと燃えてるみたい。」

女「ふふ!ほんとほんと!」

女「…でもうちはやっぱり男くんに教えてもらったあの神戸の山からの夕焼けの景色のほうが好きかな!?」

男「はは、そうかな。…さすがに女、今のは嘘でしょ?」

女「ううん、うちはあの景色のほうが好き!なんたって思い入れが違うから!」

男「女さん…」

女「…うち、男くんと去年の6月にあんなことがあって以来部活とかほんと頑張ったな~!」

男「…そうだね。女、最後の総体じゃ団体戦のメンバーにも選ばれてたし。」


女「そうやね~、まさかうちがメンバーに選ばれるとは思ってもなかったよ。…でもこれも男くんと女友ちゃんの指導があったからこそなんだから!」

男「はは、そんなことないよ。…女、君の力だ。」

女「そうかな~。…でも男くんも最後は本当にすごかったね!まさかシングルスで近畿大会に行くなんて!女友ちゃんも県体でかなりいいところまで食い込んでたし!」

男「…はは、まぁ一回戦敗退だけどね…。」

女「それでもうちの学校から近畿大会輩出なんて今までほとんどなかったんやからほんますごいよ!」

男「…ありがとう。」

女「まぁ~そうやってみんなで頑張ってきた部活の引退ももう3ヶ月ぐらい前なんやね。時間が経つのって早いよね~。」

男「…確かに。」


女「男くんもやっと最近、うちらのことを呼び捨てで呼んでくれるようになったし!…まぁうちはまだ男くんのこと呼び捨てにするの恥ずかしいから無理やけど…///」

男「はは!女も女友みたいに俺のこと呼び捨てにしてくれていいのに!ほれほれ!!呼んでみなよ!!」

女「もー!/// 無理なものは無理なの!!/// …でもそんなこんなで時間が過ぎて、これからうちらには受験という大きな関門が待ってる。…正直イヤで仕方ないけど…男くん!お互い志望校にいけるように頑張ろうね!!」

男「…志望校か…うん。そうだね!」




女「…男くん。…最近何かあったでしょ?」



男「…! …別に何も。」


女「…ほんま? …うちには今日の男くんは…すごく無理して笑顔をつくってるように見えた。」

男「…無理してなんか…ないよ。」

女「…特にk大学の時はすごく男くんの様子がおかしかった。うちも上手く口では表せられんけど…なんというか…心が動揺してるようだった。」

男「…。」

女「確かにうちはこの前、男くんの気持ちを整理してもらいたいってことで今回の京都巡りを誘ったけど、もともと男くんがw大学が第一志望ってことはもう間違いないって思ってたの。でも、今日の男くんの様子はまるで…すごく、ぐらついてるようだった。」

男「…。」

女「今日のk大学での施設巡り自体にはそれほど刺激はなかったと思うの…だって土日で人もほとんどいないし、施設自体が閉まってるところが多かった。…でも男くんの様子はすごくおかしかった。だから、そこには何か理由があると思ってうちはさっきあんなことを聞いたの。」


男「…そっか、女さんにはそんな風に見えてたのか…。あんまり顔には出さないよう気を付けたつもりだったんだが…」

女「…男くん…やっぱり何か…。」

男「ああ、実はあの女さんが俺を京都巡りに誘ってくれたあの日の夜に幼馴染のお兄さんから電話があったんだ。」

女「幼馴染さんのお兄さんから…」

男「ああ、昔から本当にお世話になってきた人で幼兄さんっていうんだけど、俺も本当の『兄』のようにしたってきたんだ。それで、その幼兄さんからさ俺にあることを教えてくれたんだ。」

女「…何を?」




男「…幼馴染がイケメン君っていう人と付き合った。」

女「………えっ? …そ、そんな!」







男「……っていう噂が流れているってことを。」




女「…へっ? う、噂!?」

男「うん。噂。」

女「…な、何だぁ~!噂ならまだ決まったわけじゃ!」

女「…ん? …でもそのこと教えてくれた人って幼馴染さんのお兄ちゃんだよね?…お兄ちゃんなら本当かどうかくらい…」



男「…それがさ…………

----―――――――――――――――――――――――


―回想――――――――――――――――――――----

男「…そんな!……でも、やっぱりあのイケメン君と…。」

幼兄『…おい男、最後までちゃんと聞け。』






幼兄『…あくまでそれは噂だ。』



男「…へっ? う、噂!?」

男「…良かった、噂か…。でも…でも幼兄さんなら!?」

幼兄『…ああ。その噂が本当かどうかを俺が確認できればいいんだけどな…ただ、最近の幼馴染は家の中でも塞ぎこんでしまっててな…俺とさえろくに口を聞いてくれなくなってるんだ。』

男「…そうなんですか。」


幼兄『ああ、ちなみにこの噂は俺の大学の友達から聞いてな。その友達の弟が幼馴染と同じ高校に通ってて、その噂をその友達に教えて、そしてその友達がおれに確認しにきたことで俺がこの噂を知ることになった。』

男「…なるほど。」

幼兄『…でもこのイケメンとかいう奴はもう1年以上幼馴染にアタックしてるみたいでな。そいつの容姿もなかなからしくて、学校内じゃ付き合ってていてもおかしくないだろって言われてるらしい。中には『お似合いカップル』って言ってるやつもいるそうだ。』

男「…そうですか、やはりイケメン君は幼馴染のことを…。」

幼兄『…ああ。…確かお前、去年横浜に来た時にそのイケメンとやらに会ってるんだよな?あの時は詳しくは俺も聞いてなかったけど…。』

男「…はい。…ちょうどイケメン君が幼馴染に告白しているところに俺がばったり二人に出会ったんです。」

幼兄『…! …そうか、そうだったのか。あの時からそのイケメンとかいうやつは…』

男「…ええ。 …俺に『幼馴染さんを僕の彼女にする!』とまで宣言してきましたので…」

幼兄『…! …あんにゃろう…。』


男「…それに、もしその噂が本当だとしても、俺は幼馴染のことを待っています。あの想いでの場所で…。」

幼兄『…! …でも…でもお前…。』

男「…信じてるんです俺。幼馴染のことを。あいつは絶対に来てくれるっていうことを。」

幼兄『男…。 …そうだな!この噂も本当かは分からないしな。俺もタイミングを見計らって幼馴染に聞いてみるから!』

男「はい、お願いします。」

幼兄『…おう、任せろ!…それじゃ、次にお前に『良い知らせ』のほうを伝えておく。』

男「…良い知らせ…か。」


幼兄『ああ、良い知らせだ。実はな、おかんが幼馴染の机の上にあの桜並木のw大学のパンフレットと願書が置いてあるのを見つけたんだ。』

男「…! …w大学の…。」

幼兄『ああ。他にも違う大学のパンフレットもあったらしいが、それにだけ書き込みや折込がしていて、おそらくあいつの中でもかなり志望度が高いんじゃないかと俺は思う。』

男「そう…ですか。…幼馴染もあの大学に…。」

幼兄『だけど、この情報も確実なものではないからな。…当の本人の口から聞いてみないことには…でもあいつはギリギリまで俺たちには言わないだろうな。あいつ、かなり頭もいいし、そこらへんの大学ならどこでもいけるみたいだから、ぎりぎりに決めても大丈夫なんだろう。それにうちのおかんもほとんど進路には心配してない様子みたいだしな…』

男「そうですか…。ありがとうございます、幼兄さん。今回わざわざ教えてくれて。」

幼兄『礼なんていらねーよ…でも男。絶対にそのイケメンとかいうやつに負けるんじゃねーぞ!!』

男「はは、そうですね。…でも今の俺は高校を卒業するまで幼馴染のことを信じることしか出来ません。」

幼兄『…! …でもお前そんなんじゃ!そんなんじゃ幼馴染は…!』


男「…俺は…信じてます。幼馴染のことを。」

幼兄『男…。』

男「…それじゃ幼兄さん、失礼します。本当にありがとうございました。」

幼兄『あっ、男!』


ピッ


男(…幼馴染があのイケメン君と…)

男(…でも幼馴染もあの大学を…)

男(…もし、幼馴染がイケメン君と付き合って…そして、その上であの大学を受けようとしているのなら…)




男(…俺は…。)

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―2010年/11月/京都――――――――――――――----


女「…そっか、…そんなことが…。」

男「…。」

女「…男くんの今の気持ちを代弁してあげようか?男くん、絶対に言わないだろうし。」

男「…!?」

女「…男くんはやっぱり、不安なんでしょ?去年、あんなふうにうちらに『自信』と『責任』を持った行動をしていくと宣言したばかりに、絶対うちらに『不安』なことは絶対に口にしようとはしないと決めたはいいけど、正直心の中では今、不安でしかたない…そうでしょ?」

男「…。」


女「違うかったら言ってね?うちの勘違いかもしれへんわけやし。…それに別に男くんが不安になっててもうちは別に怒ったりはしないから安心して。」

男「…。」

女「…返事をしないってことは合ってるってことでいいんかな?…それじゃあ、話を続けるね。…男くんは元々幼馴染さんと出会うために、そしてその後も一緒になるためにその東京の大学を受けようと考えた。でも、幼馴染さんがもしイケメンくんっていう人と付き合ってるのなら、自分が東京に行く意味が無くなってしまう…。だって違う人と付き合ってしまったのならその約束の場所に現れる可能性はほとんどないからね…。」

男「…。」

女「さらに幼馴染さんがもしイケメンくんと付き合ったと仮定して、その上で幼馴染さんもその大学に来るのなら、男くんはイケメンくんと楽しそうに恋愛をしている幼馴染さんを横目に見ながら、とても辛い大学生活を送らないといけなくなる。」

男「…。」


女「そんな風に東京の大学を受けることに少し抵抗を感じていたその時…そう、今日のk大学の訪問時に男くんはあそこで何かを発見した。そしてそれに動揺した。…違わない?」

男「…うん。…その通りだよ、女。」

男「…俺は確かに不安になってた。そして今日、『あるもの』を見て、『あること』を思い出したんだ…。」

女「…?? …『あるもの』を見て『あること』を思い出したって?」

男「女、覚えてるかい。今日k大学で白衣を着た人たちが歩いてるのを。」

女「…うん。 …でもあの人たちが男くんの知り合いとかには見えなかったけど…?」

男「うん、知り合いとかじゃないんだけどね。…あの白衣には見覚えがあったんだ。」

女「白衣に? …白衣なんてどれも同じような…」

男「俺、この前言ったよね。俺の親父がk大学の出身だってこと。」

女「…! …うん、言ってた。」

男「実は親父だけじゃないんだ…俺のお母さんもあの大学の出身なんだ…。」


女「…え?…男くんのお母さんも?」

男「…うん。 …俺の親父とお母さんはあの大学で出会ったんだ…。」

女「…そうだったんだ…。」

男「それで、この前、家の物を整理してるときにさ、たまたま親父とお母さんの大学の時のツーショットの写真が出てきてさ…その写真の二人はあの校舎をバックにあの白衣を着て最高の笑顔をしながら写ってたんだ…。」

女「…そっか、それであの白衣を見て。」

男「…うん。あの人たちを見て、その写真のことが頭をよぎってさ。その後もここがあの二人が過ごした場所なのか…って考えながら周ってたんだ。」

女「…。」

男「そしてそんな風に考えてると、俺も親父やお母さんの思い出のつまった場所で、そして自分のやりたいことが一番出来る場所で成長したいって思うようになってさ…。」

女「…そっか、…でも、男くんのお母さんって確か…。」

男「…うん、俺が小学生の頃に事故でね…実はそのときも俺のためにさ、俺の好きなシュークリームを買いに行ってくれてる途中だったんだ。…しかもお母さんは俺が生まれると同時に研究の仕事を辞めてさ。…それまでは親父と仲よく協力しあいながら研究してたんだけど、家事と俺の育児のために泣く泣く…さ。」

女「…。」


男「…だから俺はお母さんの分も、お母さんがやり残したであろうことを、やりたいって思って!そのお母さんのやりたかったことは親父の研究をサポートすること!…だから俺は親父の研究のサポートをしたい!そして、そのためにも親父たちが学びと愛を育んだあのk大学に行きたいって思うようになったんだ!」

女「…ふふ、男くん興奮しすぎだよ。」

男「…あっ!…ご、ごめん、思わず…。」

女「…ううん。いいよ別に。…男くんのことをまた知れた気がするし、何よりもすごく素敵な目標じゃないそれ。」

男「…そう言ってもらえると嬉しいよ。」

女「…でも。」

男「…?」

女「…でも、そうなると難しいよね。男くんには幼馴染さんとのあの『本当の再会』の約束…東京で一緒になろうっていう約束もあるのに…でも、そっか。それで迷ってるわけだ…」

男「…うん。幼馴染と一緒になれるのなら、東京の大学で即決なんだけど…でも今回の幼兄さんからの噂を聞いてしまったら…」

女「…ねぇ男くん。…」

男「…ん?」

女「…本当にそれでいいのかな…。」


男「…どういう意味?」

女「…男くんは今『幼馴染さんと一緒になれるなら東京の大学に行く』って言ったけどさ。…男くんは…幼馴染さんのために…」

女「…自分のやりたいことを犠牲にするの?」

男「…! でもそれは…」

女「うん。確かw大学に進んだとしてもお父さんと同じ道には一応歩めるってこの前言ってたよね…でも男くんが本当にやりたいのはk大学での勉強でしょ?」

男「…でも。」

女「…もしさ、男くんが我慢してw大学に行ったら…幼馴染さんはどう思うかな?」

男「…! ……。」

女「…もし男くんが幼馴染さん東京で一緒になれたとしても、男くんが本当はk大学に行きたかったと知ったら幼馴染さんは『自分のせいで』って思うよ多分。だって、幼馴染さんは男くんのことを大事に思ってるはずだから…」

男「…。」


女「…でもうちさっき『やりたいことを犠牲にするの?』って言ったけど、幼馴染さんと一緒になることも男くんの最大級の『やりたいこと』だもんね!だからうちはどっちかを選べなんて言われても即決なんて出来ないと思う!」

男「女…」

女「悩めばいいじゃない!まだあと入試…いや、合格発表まで4ヶ月ぐらいあるんだし!それまでの間とことん悩めばいいよ!そしてその悩んでる間もちゃんと幼馴染さんのことを想って、信じてあげるんだよ!!」

男「…そうだよな…。…うん!今はまだ分からないけど、今やれることからこつこつとやらないといけないよな!今は!」

女「ふふ!そうよ!そもそもその2つの大学に受かってこそ選べる段階に入れるんだから、まずは受からないと!そしてそのために勉強を頑張らないと!!」

男「はは!…確かに!勉強しないとな!…よし!神戸に帰ったら明日から勉強に更に本腰を入れないと!!」ノビーッ

女「ふふ!そうやね!……………ねえ、男くん…。」


タタッ


男「……ん? ………何おんn………んっ!?///」ちゅ


女「っ……///」

男「……えっ…」

女「……ごめんね男くん…。」

男「……女、何で今…。」

女「……男くん、うちな、実は去年男くんに告白したときからずっと男くんのこと諦めてなかってん。」

男「…女。」

女「…でも、…もう諦める!!これ以上はもう無理やなって思うから!!それにうちはほんまに男くんに幼馴染さんと幸せになって欲しい!!そのためにこれからうちは応援する側にいたくなってん!!」

男「…」

女「…でも…でも、…最後くらい男くんとの『思い出』が欲しかったの…だから今のキスはケジメと思い出のためのキス!!」ニコッ

男「…女。」


女「…でも、ほんまにごめんね、男くん…。」

男「…いや、…こっちこそ気付いてあげなくて………ゴメン。」

女「も~!男くんまた謝ったー!…でも、うちはこれからも男くんとは友達でいたいです。…こんなどうしようもないうちやけど…良かったら友達でいて下さい。」ペコッ

男「…! …もちろん!こちらこそ友達でいてください!」ペコッ

女「…うん! ありがとっ!男くん! …それじゃ~、帰ろっか!神戸に!」

男「おう!」


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すみません、今日はここまでです。

そして申し訳ないのですが明日はお休みをください…

どうしてもはずせない用事があるので…

ちなみに一応明後日で完結予定です!

そのためにも今から総仕上げをしてきますので!

それじゃまた、明後日の23時ごろに!お疲れさまでした!


―2010年/11月/神戸――――――――――――――----

女友『…そっか、…それじゃもう女は男のことを…。』

女「…うん!諦める!これ以上はもう男くんとの『距離』は縮まらないなって思ったから!」

女友『…………頑張ったね、今日まで。』

女「…え?」

女友『…………おつかれさまっ!!』

女「…女友ちゃん…。」ジワッ

女友『…あっ!泣くなよ女!あんたもう泣かないって決めたんでしょ!?』

女「…! …な、泣いてなんかないもん!!」アセアセ

女友『お~い!うちらの間に嘘は厳禁やろ!?』

女「…うぅ。…ごめんなさい…。」


女友『はは、ええよ!!ええよ!!…よし、それじゃこれからはお互い『次の恋』に向けて頑張ろっか!!』

女「…え? …女友ちゃんも男くんのこと…。」

女友『…まあな!うちは結構前から限界やと自分では思っててん!んで女が諦めるんやったらうちも諦めることにしようって決めてもいてん!』

女「…そうなんだ…。」

女友『いつまでもウジウジしてたって仕方ないしな!そんなことしてたら女姉さんにしばかれそうやし!』

女「…ふふ!確かに!最近のお姉ちゃんの目、すごく怖かったし!」


女友『やろぉ!?だからもう男のことはきれいさっぱり諦める!』

女「…そうだね…。…うん!頑張ろっか!『次の恋』に向けて!!」

女友『やけど、女。…次も好きな人が被るってのはほんまに勘弁なっ!!』

女「ふふ!そうだね!正直大変やったもんね!」

女友『ほんまそれやで!!まぁ、そんな『次の恋』の前に勉強頑張らんとな!!』

女「うん、お互いr大学にいけるように頑張ろうね!!」

女「これからもうちらがずっと『一緒に』なるために!!」





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―――――――――――――――――――――――----

タダイマー

父「あっ、お帰りなさい。」

男「おう、ただいま親父、帰ってたのか。」

父「うん、昨日の夜まで泊まりこみだったけど、この土日は休みなんだ。…で、男は今日どこかに行ってたのか?」

男「…うん、京都に行ってきたよ。」

父「…! 京都にかい!?…でも今は紅葉シーズンだもんなぁ…」

男「…ううん…親父。…俺はk大学に今日行ってきたんだ。」

父「…え? …k大学にかい!? …でも何で??」

男「…親父…俺、…俺、親父と同じ研究がしたいんだ!!そしてその研究はお母さんが俺のせいで諦めてしまったものでもある!!…だから、…だからお母さんの分も、この俺が代わりに頑張りたいんだ!!」

父「…男…。」


男「それで、今日は親父とお母さんが通っていた大学に見学に行ってきたんだ。」

父「…そうか、…でも、いいのかい男? …お前も『体験』したから分かると思うんだが、俺と同じ道を歩むということは、自分の恋人や子供にとても迷惑をかけることになるんだぞ?」

男「…! …ああ、分かってる。…でも…これを親父の前で言うのも、すごく失礼なんだけど、…俺は!あの時の『親父と俺』のようにならないためにも、親父を反面教師にして自分の恋人や子供とコミュニケーションを取っていくつもりだ!!」

父「…そうだな。男には『俺』という失敗例があるわけだし…。」

男「…! そんなことねーよ!!親父!!…確かにあの時は俺たちは不仲だったが…でも、俺はあれでも良かったと思ってる!!あの時があるからこそ今の俺たちがいるんだ!!」

父「…男。…ありがとうな、そう言ってくれて…。」

男「…こちらこそ、本当に感謝してるんだ、親父。…だから、俺は親父と同じ道に進むためにも、k大学もだが東京のw大学を受ける!!」

父「…! 俺が前に居たw大学か!? …確かにあそこにも同じ専攻のカリキュラムがあるしな…俺の恩師もいることだし…それに、あの大学はお前にとっても…」


男「…ああ。…でも、今はどっちに行くってことはまだ決めてない。とにかくその2校を受験するということを親父も知っていてくれ。そして絶対に合格してみせるから!!」

父「…! ああ!お前が合格するようにサポート頑張るからな!!家事だって料理だって!!」

男「…え? …でも、親父は家事と料理は…」

父「おいおい、俺をなめないでくれよ、男。俺だって一端の努力家だと自負している。家事も料理も努力次第でなんとでもなるはずだしな!!…それに実は男に隠れてこっそり料理や家事の練習を家や研究室でやってたしな。」

男「…! ……親父。…いつの間に…。」

父「…いつまでもお前を俺のところに縛りつけておくのも良くないと思っててな…。もしお前が遠くの大学を志望しる場合もあるし…ちなみw大学はもちろんだがk大学に行っても下宿してもいいからな男!楽しい学生生活を過ごしてきなさい!!」

男「…親父。…はは!…親父も成長してたんだな!」


父「はは!当たり前じゃないか!俺はまだまだ成長するぞ!!」

男「ふふ、…でもあとちょっとで老化が始まるだろうけどな!!」

父「おいこら!実は気にしてることを言うな!!」

男「はは!ごめんごめん!…あっ!進路希望調査書がさ、来週までの提出なんだけど、一応保護者のチェックが必要だから今ついでだし親父見てくれない?」

父「ああ、いいよ。持っておいで。」

男「サンキュー!今持ってくるよ!!」ダッ


タッタッタッタ


父「…。」



トコトコトコトコ スタッ


チーンッ


父(…母さん、男が俺たちと同じ道に進みたいってさ。…しかもk大学とw大学を受けるそうだ。)

父(…正直、俺は今まで男に苦労ばかりかけてきた…君が死ぬ前もろくに相手をしてやれなかったし…そしてその後も家事とかを押し付けて…)

父(…そして何より、俺の仕事のせいで男は幼馴染ちゃんと…)

父(…でも、そんな男が俺みたいになりたいって言ってくれたんだ!…ほんと夢かと思ったよ…)

父(…今までは自分が間違ったことを続けてしまっていると思い込んできた…)

父(…だから今、俺のこれまでの人生が初めて報われた気がしてたまらないんだ…)

父(…しかも、昔は『お父さん』と呼ばれてたのに、今ではもう『親父』で定着だよ!…)

父(…それに、最近では俺の研究の話を聞いてくれたりしてさ!だから男も俺の研究に興味を持ったんだろうけど…)

父(…だから、俺も最近男と話すのが本当に楽しくて楽しくて仕方ないんだ!…)


父(…母さん…男は本当に…)

父(…本当に立派に育ってくれたよ…)

父(…そして俺を支えてくれた…)

父(…だからこれからは…)



父(…俺が男を支える番だよな!!)ジワッ


オヤジ~


父「…! …ゴシゴシッ。…今行くよ!男!」ヒョイッ


タタタッ


----―――――――――――――――――――――――


―2010年/11月/横浜――――――――――――――----


キンコンカンコーン


幼馴染「…。」スタスタスタッ

幼馴染(…来週までに進路調査書を出さないといけないんだよなぁ…)スタスタ

幼馴染(…正直、心の奥底ではあそこ受けたいって思ってるんだけど…)スタスタ

幼馴染(…でも、m大学にも行きたいっていう気持ちも…)スタスタ

幼馴染(…ただ、m大学はイケメン君も受けるって言うし…)スタスタ

幼馴染(…正直最近のイケメン君、苦手なんだよなぁ…)スタスタ

幼馴染(…去年告白されて以来、何度断っても諦めてくれないし…)スタスタ

幼馴染(…最初はすごく良いひとだな…って思ってたのに…)スタスタ

幼馴染(…あの時まではタメ口で口を聞ける友達にまでなれたのに、あのことがあってからは…)スタスタ

幼馴染(…あの時のイケメン君、すごく怖かった。…私のためとか言って、男にすごくキツイことを言ってたけど、あれって…)スタスタ



オサナナジミサーン


幼馴染「…あっ、モブメイトさん。…どうかしたんですか?」

モブメイト1・2「幼馴染さん、イケメン君と付き合ったって本当なの!?」

幼馴染(はぁ…。またこれかぁ…。これがあるから最近はイケメン君と関わりたくないのに…。もういい加減にして欲しいなぁ…。あることないこと噂されるのも…噂される側の身にもなって欲しいよぉ…)

幼馴染「…いえ、付き合ってませんよ?…それただの噂です。」

幼馴染(…さ、とっとと帰ろ…)

モブメイト1「えー!? …でもさっきイケメン君が『俺、幼馴染さんと付き合うことになったんだ』…って、言ってたよー!?」

幼馴染「…え? …そ、それってどういうこと?」

モブメイト2「ん~!? 私らがさっきイケメン君にこのこと聞きにいったらそう言ってたんだよ!!…あれ? でも幼馴染さんの様子だと…あれれ?どういうことなのかな…?」

幼馴染(…こっちが?状態なんだけどなぁ。…でも何でイケメン君はそんなことを…。)



オサナナジミサン!


幼馴染「…!?」

モブメイト1「あっ!調度いいところに来た!!ちょっとぉ!!イケメン君!!幼馴染さんは付き合ってないって言ってるよ!!言ってること違うじゃん!!」

イケメン「はは、幼馴染さんは恥ずかしがってるだけなんだよね!…ね?幼馴染さん?」

幼馴染「…!? …イケメン君、あなた何が…目的なんですか…?」

イケメン「…おいおい、恥ずかしいからって何言ってるの、幼馴染さん?目的も何も…俺たち…」

イケメン「…恋人じゃないか!」

幼馴染「…!? …っ!!」ダッ



タッタッタッタッ


モブメイト2「あっ!!幼馴染さーん!!待ってよー!!…行っちゃったぁ…」

イケメン「…。 …はは!ごめんね二人とも!幼馴染さんすごく恥ずかしがりやだからさ!もうちょっと時間がかかりそうだ!それじゃ、僕は彼女を追いかけないと!!それじゃまたね!!」ダッ

モブメイト1「あっ…うん。」

イケメン「…あっ、そうそう、今日のやりとりは一応黙っておいてくれないかな!?まだみんなにも秘密にしておきたいし!それじゃ!!」タッタッタ

モブメイト2「あっ…行っちゃったよイケメン君も。」

モブメイト1「何だったんだろうね~?」

モブメイト2「ね~?」

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―――――――――――――――――――――――----

幼馴染「はあはあはあはあっ」タッタッタッタ

幼馴染(…どういうことなのあれ!?)タッタッタッタ

幼馴染(イケメン君は何であんなことを!?)タッタッタッタ

幼馴染(これも『私のため』とかいうつもりなの!?)タッタッタッタ

幼馴染(そもそも私の気持ちを本当に考えてるならあんなこと…!!)タッタッタッタ

幼馴染「はあはあはあはあ…っ?」ピタッ

幼馴染(無我夢中で何も考えずに走ってきたけど…)はあはあはあ

幼馴染(ここって確か…)はあはあはあ

幼馴染(この公園って確か…)はあはあはあ

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―――――――――――――――――――――――----


トコトコトコ


幼馴染(久しぶりにきたな~この公園…。)トコトコ

幼馴染(前にここに来たのは確か横浜に引っ越してきてからすぐの時だっけ…)トコトコ

幼馴染(男が『是非行って来てくれ!』って電話で言われてすぐに来たんだよな…)トコトコ

幼馴染(その後は部活が忙しくて来れなくなってたけど…)トコトコ

幼馴染(…部活と言えばさっき、あれだけ走っただけで息があがっちゃってたな…。)トコトコ

幼馴染(引退する前はあんな距離走ってもほとんど息があがらなかったのに…)トコトコ

幼馴染(その部活も最後の総体は残念な結果に終わっちゃったな…)トコトコ

幼馴染(せっかくキャプテンを任されたのに…本当に皆に申し訳なかったな…はぁ…)トコトコ


幼馴染(…!)ピタッ

幼馴染(…あっ、そうだ。ここの公園からは海が見えるんだった…。)

幼馴染(…いい景色だな…。)

幼馴染(…そう、ここが男の…男と男のお母さんの思い出の場所…。)

幼馴染(…男…。)

幼馴染(……今、男はどうしてるのかなぁ…)

幼馴染(…やっぱり今でもあの『約束』のために…)


オサナナジミサーン


幼馴染「…!?」ビクッ

幼馴染(…まさか…あの人…ここまで私を追って!?)

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

イケメン「はあはあはあ…さ、さすが、バスケ部元キャプテンだね。…こ、こんなに幼馴染さんが走るのが早いとは、お、思ってなかったよ…」はあはあはあ

幼馴染「…イケメン君、あなた一体ここに何をしに来たんですか?」

イケメン「はあはあはあ…えっ!?そりゃ幼馴染さんと話をしに来たに決まってるじゃないか!…てか何でまた丁寧語に戻ってるの?」はあはあはあ

幼馴染「…話…? …そもそも、何でイケメン君はモブメイトさんたちに、…あんな…あんな嘘を付いたんですか?」

イケメン「はあはあっ…。…それはもちろん俺が…君と付き合うためだよ。」

幼馴染「…何度も言ったはずです。『私はあなたと付き合うつもりはない』と。」

イケメン「…確かに、今日の俺がしたことは悪かったと思う…でも俺は君のことが本当に好きなんだ!!」

幼馴染「…そんな好きな人が傷つくようなことをあなたは平然とするんですか?」

イケメン「…!? …だって…だって仕方ないじゃないか!!!幼馴染さんに俺の想いをどれだけ伝えても振り向いてくれないんだし…『外』から攻めるしかないじゃないか!!」

幼馴染「…その『外から攻める』っていうのが今回の『嘘の噂』なんですか?」


イケメン「…ああ!そうだよ!!その通りだよ!!…でもな…俺にもな…メンツとプライドってもんがあるんだ!!」

幼馴染「…メンツとプライド?」

イケメン「ああ!!俺はずっと前から周りに『お前まだ幼馴染さんと付き合ってないのか?』だとか『いつ付き合うんだよ?』とか言われ続けてきたんだ!!…そんなこと言われ続けられる身にもなってくれよ!!…それに、俺は入学式の時から君が好きになった!そして俺は1年以上かけて君にタメ口で話してもらえるようになったんだ!」

幼馴染「…今はもうタメ口ではないですけどね。」

イケメン「…! …それはそうだが、…でも去年の最初の告白から俺は君のことを諦めずさらに1年以上君に振り向いてもらえるように頑張ってきたんだ!!合計で2年10ヶ月だぞ!…ここまできたら…ここまできたら、俺のメンツとプライドを守るためにも何が何でも君を彼女にするしかないんだよッ!!!」

幼馴染「…呆れた。…何なんですかその安っぽいメンツとプライドとかいうのは…。結局は自分のためじゃないですか!?去年は『幼馴染さんのために』とかいう売り文句をいつも豪語してたくせに!」

イケメン「…! …そ、それは…。」

幼馴染「…はぁ。まさかあなたがここまで身勝手な人だとは思っていませんでした…。あの最初の告白の日までは話しやすくて、とても良い『友達』になれると思っていたのに…。今後一切私には話し掛けないで下さいね。学校のみんなにも私が正式に『イケメン君のことを振った』と伝えますので。…それじゃ。」ダッ

イケメン「…! …幼馴染さん!待ってよ!!」ガシッ


幼馴染「…痛っ!? …ちょっと離しt………んっ!!!???」




ドンッ!!


幼馴染「………あなた…今…私に…。」


イケメン「…っ。……なあ、幼馴染さん。」ズザッ ズザッ 


イケメン「…俺…それでも君のことが…。」ズザッ ズザッ


幼馴染「…! …イヤ!!来ないで!!」


イケメン「…幼馴染さん…。」ズザッ


幼馴染「…こ、来ないd…来るなッ!!!!!!!!」バッ


バチコーーーーーーーン!!


イケメン「…っいっつ!?」ジーン

幼馴染「…っ!」ダッ


タッタッタッタッタ


イケメン「…あ、幼馴染さん!!!」

イケメン「…。」

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―――――――――――――――――――――――----

トボトボトボ

幼馴染(…最悪だ…。何であんな奴に…)

幼馴染(…あんな奴なんかに…キスを…)

幼馴染(…! …そうだ…私にとってのキスは…)

幼馴染(…あの桜並木の踏み切りでの…)

幼馴染(…男との…)

幼馴染(…もう、男にあわせる顔がないよ…)

幼馴染(…ただでさえ、男との連絡を絶ってたのに…)

幼馴染(…そして今回のあんな奴からの…)

幼馴染(…男…。本当にごめんね…。)

幼馴染(…もう私は…)

幼馴染(…私は…)

幼馴染(…男とは会えないよ…)

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

ガチャ タダイマ…

幼兄「おう!お帰り幼馴染!」

幼馴染「…ただいま」ボソッ

幼兄「…! …幼馴染、何かあったのか?」

幼馴染「…別に何も…。」

幼兄「…本当か?」

幼馴染「…本当に何もないよ、お兄ちゃん」

幼兄「…そうか。」

幼馴染「…それじゃ部屋に行くね。」トコトコ

トコトコトコトコ

幼兄「……幼馴染!!!」

幼馴染「…?」

幼兄「…お前、w大学を受けるのか!?」


幼馴染「…! …まだ分かんない…。」

幼兄「……男も……男もw大学を受けるそうだ!!」

幼馴染「…!? …男が…?」

幼兄「…ああ!! …男は今でも本気だぞ!!」

幼馴染「……。」

幼兄「…だからと言って、俺はお前にw大学を受けろなんて強制はしない!!…だが、このとこをお前に知っておいて欲しくてな…」

幼馴染「…。」

幼兄「…俺からの話は以上だ!!すまんな呼び止めて!!それじゃ俺は用事で出かけてくるから!!」スタスタ

バタンッ

幼馴染「…。」

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―――――――――――――――――――――――----

ガチャ バタン

トコトコトコ ボスンッ

幼馴染「…。」

幼馴染(…そうなんだ…男…あのw大学を受けるんだ…)

幼馴染(…ふふ、また男があの街に!…)

幼馴染(…でも、私は…私はもう…)

幼馴染(…!)ムクッ

トコトコ ヒョイ

パンフレット『w大学入校案内』

幼馴染(……)ジーッ

幼馴染「…w大学…か…。」

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―2011年/3月/神戸―――――――――――――――----

女姉「それじゃあ…いくよ!?」

皆「「全員合格おめでとーう!!!!」」カンパーイッ

女姉「いや~、まさか全員志望校に合格するとはな!!いや~あんたらの姉貴分であるうちも鼻が高いよ!!」

女「ふふ、お姉ちゃん、ほんま都合いいんやから~」

女友「いやあ、女姉さんも就活お疲れ様でした!まだ3月やのにもう決まるとかすごいですね!」

女姉「たまたまや、たまたま!まぁこれで残り最後の1年間はあんたや女と一緒にr大学での最後の学生生活を満喫できるからほんま良かったわ。」

女「ふふ、色々案内してねお姉ちゃん!」

女姉「おう!…そして男、あんたやっぱ凄いな。k大、w大どっちも受かるなんて…」

男「…いえ。…でもここまで来れたのはみんなのおかげです。俺もみんなには本当に本当に感謝しています。ありがとうございました。」ペコッ

女「男くん…」


女姉「…で? どうするんやこれから? 大学受かったはいいけど、肝心の再会の約束はどうするんや?そもそも、その思い出の場所とやらにいつ幼馴染さんが現れるとか分かってんのか?」

男「…それが、正直そこが一番の問題で…。」

女友「やろうね…。これからひたすら毎日その場所で待つのも不可能やないやろうけど、何か目星となる日があれば…ね。」

男「…うん。」

男(…そう…何か…何か目星となるものがあれば…)

女姉「…まぁ!!最悪毎日張り込めばいいんやからな!!そこはもう体力勝負やで!!もしかしたら明日にでも幼馴染さんは来てるかもしれないんやし、早めに準備しとけよ!!」

男「…! そうですよね!とりあえず準備だけでもしておきます。」

女「男くん…会えるといいね、幼馴染さんに…。」

女友「バカ!女!!そこは『会えるといいね』じゃなくて『絶対に会えるよ!』やろ!?」


女姉「はは!そうやな!てか、もし会えなかったらうちが許さんからな!男!!」

男「…ひぇ~、…尽力させて頂きます、お姉さん。」

女「あはは、お姉ちゃん、男くんがびびってるよ~」

女姉「おおおおい!何びびってんねん!そんなんやったら前みたいにうちが喝ををいれたるぞ!!!」バッ

男「…ちょっとお姉さん! いくら一人だけ酒飲んでるからって!…って目がマジじゃないですか!? …っひとまず退散!!」ダッ

女姉「こら!男逃げるなぁあ!!」ドドドドッ

女「ちょっとお姉ちゃん!!!…女友ちゃんもとめてよ!!」アセアセ

女友「はは!ええやん面白いし見とこうよ!!」ニヤニヤ

女「も~…」

ギャーギャーギャー


ヒ~ッ!!…


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―――――――――――――――――――――――----


ツヅイテノニュースデス センジツノニチベイカンデノ…


父「…ふぁ~。」あくび~


タダイマー


父「…おっ、男、お帰り~」

男「ただいま、親父。」

父「どうだった、合格祝いのパーティは?楽しかったかい?」

男「ああ、お姉さんがまた暴れてさ~。もともと酒に強くないのに無理しちゃってさ。俺たちにまで飲むよう迫ってくるし、もう大変だったよ。」

父「はは、相変わらずすごいんだね、そのお姉さんは。」

男「うん、…でもほんとみんな合格して良かったよ。」

父「…そうだな。…男も本当におめでとう。…で、k大学とw大学の入学申請書の提出はいつまでなんだい?そろそろどっちに進むか決めないとな…」


男「…ああ、そうなんだよな~。締切日はどっちも来週末の○○日なんだけど…」

父「○○日か~。そもそも今日は何日だっけ?お父さん最近日付感覚がなくてな、はっはっは。」

男「おいおい本当に大丈夫かぁ~親父!もう老化の傾向が出てるじゃん!あはは!…それで、えっと、今日は確か○▲日だよ。」

父「も~老化老化うるさいな~。…おっ、そうか、今日は○▲日か。3月○▲日…。…あっ、すると明日は○×日か!」

男「…ん?明日がどうかしたのか?」

父「…いや、別に用事があるとかじゃないんだけどな…ふとあれから4年かと思ってな。」

男「…4年?」

父「そう…4年だ。俺たちが東京のあの街を離れてからな。」



男「……あっ!」


男(…明日、○×日は…)

男(…俺と親父が…)

男(…こっちに引っ越してきた日…)

男(…そして…)

男(…俺と幼馴染が…)

男(…あの桜並木の踏み切りで…)



男(…『再会の約束』を交わした日!!…)


父「…ん? 男、どうしたんだい?」

男「…親父。」

父「ん?」



男「……それだよっ!!!!」


父「…!? ど、どうしたんだい、急に大声出して…『それ』ってなんのこと?」

男「…親父、頼みがあるんだ…。」

父「…? …!」

父(…この顔は、この前の横浜の時と…)

父「…なんだい?言ってごらん?」

男「…俺…」

男「…明日から東京に行ってきてもいいかな。」

父「…! 東京?これまた何で?」

男「…それは…。」

父「……そうか。」



父「…よし!行ってきなさい!何か大切な用があるんだろ!?」


男「…! …親父。」

父「…で、どれくらい東京にいるつもりなんだ?」

男「…! …それはまだなんとも、1日かもしれないし…1週間かもしれない…」

父「…そうか…よし!w大学にお父さんの恩師がいることは覚えているよな?」

男「…えっ!? …うん、もちろん。」

父「その人に男の寝泊りや食事の面倒を見てくれるようにお父さんが今から連絡しておいてあげる。」

男「…! …親父。」

父「お前もあの人を覚えているだろ?すごく優しい方だから快く面倒をみてくれるだろう。だから、気兼ねなく東京に行ってきなさい!」

男「…」

父「…ただな、男。何か行動を起こそうと思ったときに何でも自分の力だけで済まそうとするなよ!お前の周りにはお前のことを支えてくれる人が…たくさんいるんだから!!」

男「親父…」


父「もちろん、新幹線代も出してあげるし、他に必要ならばお金だっていくらだってあげる。『俺がお前を支えてやる方法』としては今回はこれしかないからな。」

男「親父…そんなことねーよ!!俺は今までどれだけ親父に…」

父「はは、ありがとうな、男。…そう、お前は俺の子なんだからこれからもどんどん頼ってくれよな!」

男「…親父、ありがとう!!俺明日行ってくるよ東京に!!」

父「ああ、それじゃあ、明日も朝早いんだろ?だったらとっととお風呂に入って寝ないとな!お風呂はもう焚けてるから入っておいで。」

男「おう!サンキュー親父!!」タッタッタ

父「…。 …おっとテレビ付けっぱなしだったな。え~っと、リモコンリモコン~」


…コトシハヨネンブリノダントウノエイキョウモアリ、レイネンヨリカナリハヤメノサクラノカイカトナッテオリ、カントウチホウデハマンカイノサクラガミラレ……


ピッ


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―――――――――――――――――――――――----

ちゅんちゅん ちゅんちゅん

ガチャ

男「それじゃ、行ってくるよ、親父。」

父「ああ、行ってらっしゃい。w大学の恩師の方にちゃんとお世話になってくるんだぞ。」

男「ああ、分かってるよ。」

父「あと、w大学に進学する時のために時間が余ったら不動産屋にも寄っておいで。いい物件はすぐ埋まっちゃうからな。さすがに前の家は一人暮らしには広すぎるし。」

男「はは、そうだな。本当にありがとうな…親父。…それじゃ!」

父「…男!!」

男「ん?何だい親父?」クルッ

父「…後悔だけはするなよ!!」

男「…! ………。」

父「…? ……す、すまん、男、気に障るようなことでも言ったか?」アセアセ

男「…いや、違うんだ…。 …やっぱりちゃんと言わないとな親父にも。」


父「ん?何のことだい?」

男「…親父!!俺今から幼馴染と再会の約束をした場所に行くんだ!!あの桜並木の踏み切りに!!」

父「…! ……そうか…やっぱり、幼馴染ちゃんに会いにか…」

男「…やっぱり気付いてたんだな、親父。今まで黙っててゴメンな。…親父は俺と幼馴染が離れ離れになったことにすごく責任を感じてそうだったから、あんまり親父には幼馴染のことは口にしないでおこうと今までしてたから…」

父「…うん、実際そうだしな。俺は特に幼馴染ちゃんのことで迷惑をかけてしまったからな…」

男「…でも親父!!これからはそんな気のつかい合いは一切なしにしたいんだ!!だから俺はやっぱりここで親父にちゃんと言ってから東京に行きたい!!」

父「…男。」

男「俺はまた幼馴染と出会うために!そして幼馴染に自分の想いを伝えるために東京に行ってくる!!正直幼馴染が現れるかは分からないけど…でもあの場所で待っていようと思うんだ!!」

父「…ああ…ちゃんと幼馴染ちゃんに自分の想いを『伝えて来なさい』」

父「……いや…。」

男「…?」


父「…絶対に!何が何でも幼馴染ちゃんに想いを『伝えて来い』!!もし、伝え損なったら、俺が許さないからなッ!!!!」ニコッ

男「…! 親父……おう!!!当たり前だ!!!!任せとけ!!!!後悔なんて絶対しねーからッ!!!!」ニコッ

父「…いい返事だ!さすが俺の立派な息子だな!…それじゃ気をつけてな!!」

男「ああ!!親父本当にありがとう!!行ってきます!!」ダッ


タッタッタッタッタ


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―――――――――――――――――――――――----


チーンッ…


父(…母さん、今、男が幼馴染ちゃんに会うために東京へ出発したよ…。)

父(…おっと、幼馴染ちゃんってのは俺と男が東京に引っ越してから、男が出会った女の子ってことはずっと前から言ってたよな…。)

父(…あの子やあの子の家族のおかげで俺たち2人はやってこれたんだ…。)

父(…そう、幼馴染ちゃんは俺にとっても大恩人なんだ…。)

父(…でも、俺が神戸への転勤が決まって、そのことを伝えるために学校に行く途中で男と幼馴染ちゃんにばったり出会った時に、俺は気まずさのあまりに、そこから逃げてしまったんだ…。)

父(…本当は俺が幼馴染ちゃんに直接謝らないといけないのに、俺は…逃げてしまったんだ…。)

父(…そのこともあって、俺は男と幼馴染ちゃんに本当に迷惑を掛けてしまった…)

父(…でも、男はさっき、そんな俺に『気のつかい合いは一切なしだ!』って言ってきてくれてさ…本当どっちが『親』なんだか…)


父(…そんな俺にとってとても大事な存在のあの2人には…本当にあの2人には一緒になって欲しいし、幸せになってほしい…)



父(…だから、母さん…)


父(…どうか頼む…)


父(…どうかあの2人を…)





父(…出会わせてやってくれ!!!!)


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―2011年/3月/横浜―――――――――――――――----


幼母「幼馴染!本当におめでとう!m大学とw大学のどっちにも受かるなんてすごいじゃない!!」

幼馴染「ふふ、ありがとっ、お母さん。」

幼母「でも、結局どっちに行くの?どっちも偏差値にほとんど違いはないけど…」

幼馴染「…うん、早く決めないとね…。」

幼母「私は出来れば幼馴染にはw大学に進んでほしいわね~だって、あそこは私たちがもともと住んでた街にあって縁もあるし、そして何より男く……!」

幼馴染「………。」

幼母「…あっ!ごめんね幼馴染!お母さんちょっと口が滑っちゃって…自分でゆっくり考えてくれていいからね!…それじゃ私は買い物に行ってくるから!お兄ちゃんがもう少しでランニングから帰ってくると思うから鍵を開けてあげてね!」

スタスタスタ ガチャ バタン カチッ

幼馴染(…お母さんもやっぱり男のこと気に掛けてるんだな…)

幼馴染(…男も本当にw大学に来るのかな…もし来るのなら…)

幼馴染(…それなら私はm大学に…)


幼馴染(…だめ…そんな考え方は…)

幼馴染(…はぁ…どうしよう…)

ピンポーンッ

幼馴染(…ん?お兄ちゃんかな?でもお兄ちゃんなら鍵持ってるはずだし…)ガタッ

タッタッタ

ポチッ

幼馴染「…は~い、どちら様でしょうか?」

インターホン「………。」

幼馴染(…あれ?出ないや…いたずらかな?)

幼馴染(…まぁ、とりあえず玄関にいってみるか。お兄ちゃんの悪戯かもしれないし…)

タッタッタッタ

幼馴染「…は~い。」ガチャッ

幼馴染「…えっ?」


----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

イケメン「…やぁ、幼馴染さん。…久しぶり。」

幼馴染「…イケメン君が何でうちに?」

イケメン「…実はさ、幼馴染さんがm大学に受かったって聞いてさ!俺もm大学に受かったからそのことを報告しようと思って!」

幼馴染「…この前、二度と私に話し掛けないでと言いましたよね?」

イケメン「まあまあ!そのことは置いておいてさ!で!どうするの!?m大学に行くの!?…それともw大学に行くの!?」

幼馴染「…! …何で私がw大学に受かったことまであなたは知っているんですか?」

イケメン「…まぁ、それは…ね?…で、どうなの?どっちに行くの?」

幼馴染「…。」

イケメン「…やっぱり男くんのことが気になってんの?」

幼馴染「…! …どうして…。」


イケメン「ごめんね、幼馴染さん。色々調べさせてもらったよ。幼馴染さんは横浜に来る以前はw大学がある街に住んでいたそうだね?」

幼馴染「…! …あなた、いったいどこでそのことを…」

イケメン「まぁ、この時代個人情報なんてすぐにでも手に入れられるしね。…で、そこの街にはあの男くんも住んでいた。そして君たちの約束の場所ってのがその街のどこかなんじゃないの?」

幼馴染「…。」

イケメン「まぁ、別にそれに対する答えは求めてないよ。…だけど、このことだけは幼馴染さんにお願いしたくって…」

幼馴染「…お願いって何ですか?」

イケメン「…もう忘れろよ…男くんのこと…。」

幼馴染「…!」


イケメン「…俺に振り向いてくれないのも男くんのことがまだ頭の片隅に残ってるからだろ?いいじゃん、もうあんなやつ。だってあいつは幼馴染さんとの約束を忘れる最低な野郎なんだぜ?」

幼馴染「…違う! …それはっ!」

----―――――――――――――――――――――――
女『…やっぱりお互いを想い合っている…お互い大好きなら、直接その好きって想いを伝えなきゃ!!!その時の…その時にしか表せない『好き』って感情だってあると思うの!』
―――――――――――――――――――――――----

イケメン「…違うもなにも破ったのは事実じゃないか!もしかしてまだ幼馴染さんはあの約束に固執してるの?」

幼馴染「…だって! …男はっ!!」

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女『…でも、男くんは今、自分がしてしまった過ちを悔いて、幼馴染さんとの『本当の再会』に向けて踏み出そうとしている。今にでも直接想いを伝えたいって『想い』を我慢してでも…。そう、幼馴染さん…あなたが信じてた約束のために…。』
―――――――――――――――――――――――----

イケメン「…そもそも、男くんのどこに魅力を感じるの?正直男くんって昔は幼馴染さんの『金魚のふん』みたいなおまけじゃなかったの?」

幼馴染「そんなことない!…男と私はっ!!」

----―――――――――――――――――――――――
女『…男くん言ってたよ。『俺がここまで成長できたのは幼馴染のおかげなんだ』って。うちらが好きな男くんをあんな魅力的な存在にしたのは何よりも幼馴染さんのおかげなんだし本当に感謝してるんだから!』
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イケメン「…まぁ、もう2人は会うことないんだしさ…もう忘れようよ!!」

幼馴染「…男は …男は! …男はっ!!! …………っ!?」

----―――――――――――――――――――――――
男『俺はいつまでも待ってる!!あの桜並木の踏み切りで!!高校を卒業したらいつまでも待っている!!!お前のことを!!!!お前と出会うまで!!!!!』
―――――――――――――――――――――――----


幼馴染「…………男…。」


イケメン「確かにこの前強引にキスをしたことは俺が悪かったよ!でも俺たちはもうキスした仲じゃんか!?な!?」ガシッ

幼馴染「…!? イヤ!!離して!!誰か!!!」

イケメン「おい!!逃げようとすんなって!!」

?「おい、てめぇ。」

イケメン「…は?」クルッ



バキッ!!!!!!!


ズザザァーッ!!!!!!


イケメン「…っ!? …っいってぇな!!何しやがる!!!!」


?「おいおい、それはこっちのセリフだよ。てめぇ、俺の『妹』に何してくれてんだ?」



幼馴染「………お、お兄ちゃん!?」


幼兄「よう、幼馴染。大丈夫だったか!?」


イケメン「…! お、お兄さん!?」


幼兄「幼馴染、ちょっと悪いが離れててくれるか?俺はどうしてもこいつにやってやらないといけないことがあるんでな。」ザッ ザッ ザッ

イケメン「…ひっ!? …幼馴染さん!たっ、助けて!!」バッ

幼馴染「…!イヤっ!来ないで!!」ダッ

タッタッタッタッタ

幼兄「お~、幼馴染は逃げてくれたか~。助かったぜ~、さすがにこれ以上はあいつには見せられないからな~」

イケメン「…これ以上って!? …それよりもあなた俺とは初対面でしょ!?なのにいきなり殴るなんて!?」

幼兄「…ああ、確かにお前とは初顔合わせだけどな~お前には色々とイライラが溜まってるんだよ。」

イケメン「…! …イライラって俺は何も!?」

幼兄「おいおい、何ももクソもないだろ?…俺はねえ、極度のシスコンであり、『ブラコン』なんだよ…」

イケメン「…え?」


幼兄「…てめぇ、よくも…」



幼兄「俺の『妹』や、『弟』に迷惑をかけてくれやがったな!!!!」



イケメン「…お、弟!?でも幼馴染さんは2人兄妹じゃ!?」

幼兄「俺にとって、『あいつ』は『弟』以上の存在なんだよ。…そんな『妹』と『弟』の仲をお前みたいなやつが…」

イケメン「…! …もしかしてその弟って!?」

幼兄「お~分かってるじゃんか。…そうだよ、お前も一度会った男のことだよ!!」

イケメン「…でも、あの時は彼に問題が…!?」

幼兄「おまえ口上手そうだもんな?どうせそのときも自分に得になるように話術で男のことを蹴落とそうとでもしたんだろ?」

イケメン「…!? …そ、そんなこと…。」

幼兄「そして今も、いかに口で切り抜けようかと必死に考えてるんだろ?すまんな、俺はあいにくそういう薄っぺらい上辺の言葉には聞く耳持たないタイプなんでな。」

イケメン「…! …。」


幼兄「そして幼馴染には1年以上…いや、確か噂じゃ入学した時からちょっかいをかけてたらしいじゃねーか。しかも幼馴染が何度も振ってもひつこくひつこく…そしてその上、さっき聞こえたが、強引にキスしただと?てめー、どこまでうちの妹に迷惑をかけたら気が済むんだ?」

イケメン「…それは。」

幼兄「…あっ、そうそう、幼馴染や男はもちろんのことなんだが、てめぇ、俺にも間接的にすげぇ迷惑をかけてたんだぜ?」

イケメン「…! …その間接的な迷惑ってのは今の『イライラ』のことじゃ?」

幼兄「違うんだな~これが。…お前が高2の時、初めて幼馴染告白したその日に、俺は大学アマチュアボクシングの大会の決勝だったんだよ。」

イケメン「…ボ、ボクシング!? …でも、それと俺に何の関係が?」

幼馴染「お前があの日に男を傷つけて、男は俺に心の助けを求めてきたんだ。俺はその日は大事な決勝だったんだが、男のためにその決勝を辞退したんだ。」

イケメン「!?」

幼兄「まぁ、男も俺がそんな大事な試合直前だと知ってたら連絡してこなかっただろう。俺もただの『用事』としか伝えてなかったし…そもそも幼馴染にもおかんにもボクシングのことはほとんど言ってないんだけどな。絶対あいつら反対するから。」

イケメン「…。」


幼兄「…てなわけで!お前は俺にトロフィー一個分の迷惑を掛けたわけよ。まぁその後の大会とかでも優勝したりしたからなんとかその分は挽回できたけど。」

イケメン「…。」

幼兄「そう、だからお前は俺の『妹』、『弟』、そして『俺』に迷惑をかけた。この怒りを晴らさせろ。そして二度と俺たちの前に立てなくしてやるッ!!!!」

イケメン「…!ひっ!誰か助け…」ダッ

幼兄「お~っと、逃げるな逃げるな」ガシッ

イケメン「!?」

幼兄「ちなみに今の時間帯は近所の奥様方もパートだし、子供たちも学校、そしてお父さん方ももちろん仕事だから助けを呼んでも意味ないぜ?」ニヤニヤ

イケメン「そ、そんな…」

幼兄「まあ、さすがに家の外で続きをするのも何だし、家の中に行こうかイケメン君!」ズルズル

イケメン「い、いやだ!!だ、誰か!!!」ズルズルズル



ガチャ バタン


幼兄「…さあ、おかんが帰ってくるまでにちゃっちゃと終わらせてしまいますか。おかんとさっきすれ違った時、確か買い物に行くって言ってたからあと30分は大丈夫だろ。…ちなみに俺がグローブなしで直接誰かを殴るのはお前が初めてなんだよ…だからちょ~っと加減が分からないから…そこんとこよろしくな?」ぱきぱきっ

イケメン「…ひっ!?」

幼兄「よ~し、それじゃお前のその整った顔がもう二度と拝めなくなるように、そしてその巧みな話術が使えなくなるように…始めようか。」

イケメン「…ご、ごめんなさい!ゆ、許して!!」


幼兄「今更謝ったっておせーよ。」


幼兄「さあ…」




幼兄「覚悟しろッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

タッタッタッタッタ

幼馴染「はあはあはあはあ」タッタッタッタ

幼馴染「はあはあ…っ!!」タタッ…ピタッ

幼馴染(…また思わず走ってきちゃったな…)はあはあ

幼馴染(…駅前まで来ちゃったよ…)はあはあ

幼馴染(…イケメン君、今頃お兄ちゃんにボコボコにされてるだろうな…)

幼馴染(…お兄ちゃん、大学に入ってからボクシング始めたみたいだし、ただでは済まないだろうな…)

幼馴染(…お兄ちゃん、昔から運動神経抜群だから、スポーツは何やってもピカイチだったしな~。まあ、それでお兄ちゃんは女の子からモテモテなんだけど…)

幼馴染(…ふふ、てかお兄ちゃんったら、今でも私たちにボクシングのこと隠せてるつもりみたいだけど私たちにバレバレなのに!今日だってそのためにランニングに行ってたくせに!…)

幼馴染(…今日はしばらくの間は家に帰らないほうがよさそうだな…)

幼馴染(…今からどうしよう…)


ガヤガヤガヤ

幼馴染(…ん?地元の中学生の子達がまだ昼前なのに下校して…あっ、今テスト期間の時期なのかな?)


ふわっ


幼馴染「きゃっ」


ひらひらひら


幼馴染(…あっ、桜だ…。)

幼馴染(…やっぱり桜の花びらって綺麗だな~…)

幼馴染(…! …中学生……テスト期間……桜の花びら…)

幼馴染(…そ、それに今日の日付って確か…)

幼馴染(…4年前の…)

幼馴染(…あの…)

幼馴染(…あの!!…)

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―――――――――――――――――――――――----

男(おお~!!着いたぜ~!!久しぶりにきたぜw大学!!)

男(…おっ!校門前から続く桜並木の向こう側にあの踏み切りが見えるな。ん~。な~んも変わってね~んだな、ここ。)

男(…てか、もう桜が咲いてるのか…まだ3月中旬なのに…)

男(…! …でも確か4年前のあの日も確かここは満開だったな…)

男(…幼馴染。)

男(…おっと!先に大学の中にいる親父の恩師のところに顔を出さないとな!親父に持たされたお土産も渡さないといけないし!)クルッ

男(踏み切りに行くのはそれからだ。)


スタスタスタ


----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


トコトコトコ


幼馴染(…suicaがたまたまポケットに入れたまんまだったことと、駅前に居たってこともあって、勢いで横浜から東京に来ちゃった…)トコトコ

幼馴染(suicaのチャージが結構残ってて助かった…)トコトコ

トコトコトコ

幼馴染(…あっ!!見えてきた!!うわ~懐かしい~な~!!卒業したのってまだ3年前なのにすごく懐かしく感じるよ~…)


トコトコトコ


幼馴染(…ふう、校門前に着いた!!…あ~、やっぱりここも今はテスト期間中なのかな?グランドにも校舎にも全く人の気配がないや…もうみんな帰ったのかな?)

幼馴染(…あっ!2階のあの教室が私が2年の時の教室だ!)

幼馴染(…そう、あの時の私はあの教室から…)



クルッ


幼馴染(…この校門前の道をあの踏切まで走って…)

幼馴染(…あの時の私ったら必死に泣くのを堪えて全速力でこの道を走ってたんだよな~)ふふっ

幼馴染(…とりあえず行ってみようかな、久しぶりにあの踏み切りのところまで…)


トコトコトコ


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男(親父の恩師の人、すごい良い人だったな…てか中学の時に何回か見た覚えがあったわ。あっちも覚えてくれてたみたいで色々と盛り上がったな…)スタスタ

男(特に俺が親父と同じ道に進みたいってことと、k大学とw大学に受かったことを伝えた時はあの人の興奮の仕方がこれまたすげーのなんの…)スタスタ

男(あの人は是非ともw大学においでと誘ってくれたのと同時に、もしその道にすすみたいのならk大学のほうがいいと、ちゃんと冷静に俺のことを考えて勧めてくれてたし…)スタスタ

男(…はぁぁ~…迷うなぁ~…)スタスタ

男(…っと、そんな風に考え事してたらもう校門まで来てたよ。)ピタッ

男(……………。)

クルッ

男(とりあえず一度あの踏み切りまで行ってみるか。)スタスタスタッ

男(長期戦になるかもしれないが、行って待っておかないといけないしな…)スタスタ

スタスタスタッ

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン


トコトコトコ


幼馴染(…うわぁ~桜の花びらがここまで舞って来てる!たぶんこの桜の花びらは踏み切りの向こうの桜並木のやつだろ~な~…)トコトコ

幼馴染(…てか、さっきから1分くらい踏み切りの向こう側が全く見えないじゃない!)トコトコ

幼馴染(ここの踏切を走るときの電車ってすごく速度落とすのよね~、まあ結構なカーブになってるから仕方ないけど…)トコトコ

幼馴染(しかも、ちょうどさっき反対車線から入れ替わりでここ通ってきてるから、今は時間が2倍かかってるし…)トコトコ

幼馴染(はぁ~、いつまでたっても開かずの間なのね、ここ…)トコトコ



トコトコ ピタッ


幼馴染(も~、長いな~)


幼馴染)(…ふふ!もし電車が通り過ぎた後、向こう男がいたらどうしよっ!…)


ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン…ガタンッ!


幼馴染(…あ、やっと終わった。)


幼馴染「…え?」


----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン


男(…うわ~懐かしいな~この道~!桜も満開だし、やっぱ歩いてて気持ちいいよな~)スタスタ

男(…そうだ、俺はあの時、ちょうどここらへんでタクシーから降りて、そしてあの踏切まで…)スタスタ

男(…それにしても相っ変わらずなげぇ~な~この踏み切り。4年経っても開かずの間は健在か。)スタスタ

スタスタ ピタッ

男(…さて、着いちまったな…。これからどうすっかな…。)

男(…『あの映画』の最後じゃ、踏み切りで電車が通り過ぎた後は結局、向こうには女の子はいなかったんだよな~)


ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン…ガタンッ!


男(…おっ!終わった終わった!とりあえず、久しぶり母校にでも行ってみま…)




男「…え?」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----


ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン…ガタンッ!






男・幼馴染「…え?」




男「………幼馴染…だよな?」




幼馴染「………そっちこそ…男なの?」


男「…当たり前だ……てか、俺がお前のことを見間違えるわけないか…」


幼馴染「…私だって…見間違えることなんか…」


男「…そっか…そうだよな…」


幼馴染「…男…もしかして…ここで…ここで、ずっと待ってたの?…」


男「…いや、恥ずかしい話、今調度ここに来たところなんだ……お前は?…もしかしてずっと待ってたのか?…」


幼馴染「…えっ?……ううん。…私も…私も今ここに来たところ…」


男「…へ?…そ、そうなのか…そうかそうか…」


幼馴染「…うん。」


男「…ぷっ! …くくくっ…あはははははっ」


幼馴染「…え? 男どうして笑ってるの?」


男「あははは…い、いやさあ、お前は4年前に、そして俺は1年半前に、お互い『ずっと待ってる!』って言ったのに…ま、まさか2人ともぴったしのタイミングで会うなんて…ぷっ!あはは!2人とも待ってねーじゃん!あはははは!」

幼馴染「…ぷっ!ふふふふ!確かに!あはははは!」


ははははははっ!


男「ははははは… …! …幼馴染、…お前…」

幼馴染「ははは… ん~? な~に男?」

男「…お前そんなに笑ってるのに…何で…」

幼馴染「?」



男「………何でそんなに泣いてるんだよ…」


幼馴染「…! …グスッ …そんなの…!」


幼馴染「…そんなの…嬉し泣きに…決まってるじゃない…」ポロポロ


男「…幼馴染。」


幼馴染「…グスッ…私、4年前にここで男と再会するまで…泣かないって誓ったじゃない…もし次に泣くときは男との再会の時の嬉し涙にするってことも…」ポロポロ

男「…うん、そうだったな…。」

幼馴染「…私、この4年間、どんなに…つ、辛いときだって…か、悲しいときだって…そして寂しいときだって…グスッ…一度も…一度も泣かなかったんだよ…だから…今流れてる涙は…私の4年分の…涙なの…」ポロポロ

男「…幼馴染。」

幼馴染「…辛かったし…悲しかったよ男……でも…でも…何より………寂しかった…寂しかったよぉ…男ぉ…」ポロポロ

男「…うん…ゴメンな…寂しい思いをさせて…」

幼馴染「…グスッ…ほんとそうなんだから!……でも…。」ポロポロ

男「?」

幼馴染「……でも…やっぱり今はそんなことよりも…男とここで…この場所で出会えたことの嬉しさで…」ポロポロ



幼馴染「…グスッ……心がいっぱいなのっ!!」ニコッ


男「…! …幼馴染…。…俺もだよ幼馴染!!俺も今…本当に…本当に嬉しい!!」

幼馴染「…ふふ!」ポロポロ

男「…うん。だから、後であのお店のシュークリーム買ってあげるから…泣き止めよな?」

幼馴染「…えっ!? …ほ、ほんと~っ!?」パァッ

男「はは、ほんとほんと。さっきまだあのケーキ屋さんやってるの確認しておいたから、またあのシュークリーム食べれるよ。」

幼馴染「ふふ!あのお店のシュークリーム久しぶりだ~!楽しみだな~!………あれ?」

男「…ん? どうした幼馴染?」



幼馴染「…お~と~こぉ~!!また私をシュークリームで釣って、泣き止ませたなぁ~!!」プルプル


男「…ははは!…やっと気付いてたのそのこと!?…お前が泣いたときはいっつもシュークリームで釣ったらおさまるんだからちょろいちょろい!今も、もう実際泣き止んでるしな!!」

幼馴染「もぉおおお~!!ずっと前にお兄ちゃんにそのこと教えてもらったから知ってるんだからねっ!!」

男「おいおい、幼兄さんに教えてもらってって…自分では気付いてなかったのかよ!!あははは!」

幼馴染「…うっ…そ、それは……もぉおお~!!笑うなぁああ~!!もう何だっていいじゃない!!」ムキー

男「あははは!ごめんごめん!ま~、ちゃんとシュークリームは買ってあげるから安心しろよな。」

幼馴染「…で、出来ればシュークリーム以外にもご飯奢ってほし~な~…今の私、一銭もお金持ってないし…お、お腹も減ったし…///」

男「…え?お前今お金持ってないの?どうやってここに来たんだよ!?」

幼馴染「…suicaだけは持ってたから…まぁこっちにも色々事情があるの!!」

男「…お、おう…まぁ、別にいいけど。…うん!いくらでも買ってやるよ!!シュークリームでも何でも!!」

幼馴染「…そうよ!!さっきのは4年間分の涙なんだからシュークリームはいっぱい、いっぱぁああ~い買ってよね!!!」

男「…そうだな。…でも、おいおい!そんな買っても食べれないだろ!?」


幼馴染「食べれるもん!!何たって私のだいだいだぁ~い好きなシュークリームなんだから!!」

男「…あのな~、幼馴染、もとは俺がシュークリーム好きだったんだぜ?覚えてるか?」

幼馴染「…へ? そうだったっけ?」

男「俺は昔からよくお母さんにシュークリームを買ってもらってな、それで俺の好物になったんだ。…で、俺がこの街に引っ越してきてからもよく食べてたんだが、その俺が食べてるシュークリームをお前がいっつも欲しがってさ、俺もシュークリーム好きだから『あげないよ!』って言ったらお前が泣き出すんだよ、それで俺は仕方なしに泣く泣くシュークリームをあげたらお前が喜んで泣き止むわけ。…これがお前が泣いたときの『対処法』の起源なんだよ。覚えてる?」

幼馴染「…/// …そんなこともあったよーな、なかったよーな…。…でもいいじゃない別に!男がシュークリーム好きだからって私が好きになっちゃいけない理由なんてないでしょ!?『誰』が『どこ』で『何』を好きになることなんて自由じゃない!!」ムキー

男「はは、そうだな!別にとやかく言うつもりはねーよ。まぁ…ただ俺もシュークリーム好きなんだしこれからはちょっとくらい分けて欲しーかなー!?って…思ったりして!」

幼馴染「…ふふ!仕方ないわね!!…じゃあ、今日は一個だけ分けてあーげるっ!」ニコッ

男「…はぁ、それでも一個だけね…。そしてそのお金は俺の財布から…何かすまん親父…」トホホ


幼馴染「も~!!何一人でぶつぶつ呟いてるのよ~!!今から早くシュークリーム買いにケーキ屋さんに行こーよ!!」タッ

男「…! …待て幼馴染!!」

幼馴染「…ん? な~に男?」クルッ

男「…お前、…大学はどこに行くんだ?」



幼馴染「…! …それはもちろん…」





幼馴染「…男と同じw大学だよ!!!」ニコッ


男「…! …そうか…。」


幼馴染「…えっ? …男もしかして…落ちちゃったの…?」

男「…いや、受かったよ…」

幼馴染「…な、な~んだ!!…も~ビックリさせないでよ~男!!…でもこれでこれからはまた一緒の学校にっ……男?」

男「……。」

幼馴染「…ねえ男?どうしたの?どうしてそんなに深刻そうな顔をしてるの?」


男「…幼馴染…。 …俺は…」


男「…w大学には…」




男「…行かない。」


幼馴染「…!? …え?…男、どういうこと?」

男「…俺には夢が出来たんだ…。」

幼馴染「…夢?」

男「…ああ、…俺は親父と同じ研究者になりたいんだ。」

幼馴染「…! …おじさんと同じの?」

男「ああ。親父がしている研究を俺もしたいんだ。そしてそのためにも俺は…」

男「…k大学に行きたい…。」

幼馴染「…! …k大学ってあの京都の…?」

男「…ああ、そこのほうがw大学よりもカリキュラムが整っていて…そして何より親父とお母さんの母校でもあるんだ。」

幼馴染「おじさんとおばさんの……そっか、…男には夢が出来たんだね……でも、…でもそれじゃあ!?」

男「…ああ …俺たちは …また…離れ離れになってしまう…」


幼馴染「…! …そんな…そんな!! …そんなの…そんなの嫌だよ!!せっかくまた…また一緒になれると思ったのに!!」ジワッ

男「…幼馴染 …俺は自分の夢はもちろん大事だ… …でもお前のことの方が…ずーっと大事だよ!!!」

幼馴染「…じゃあ!!」パアッ

男「…でもな…俺はどっちも妥協したくないんだ!!」

幼馴染「…! …男。」

男「…なぁ、幼馴染。」

幼馴染「…!?」

男「…俺は…俺たちは…結果はこうなったけど、…この4年間…結局『距離』には勝てなかったと思ってるんだ…。」

幼馴染「…! …うん。」


男「…今日の俺たちの再会も…色んな人の支えや、幸運な巡り合わせによる結果だったと思う…」

幼馴染「…うん。」

男「…だから!!だから俺たちは!!もう一度!!『距離』に立ち向かうことが必要だと思うんだ!!今度こそお互いの『想い合う』気持ちの強さを『距離』という『敵』に見せつけてやりたいんだ!!」

幼馴染「…うんっ …うんっ!!」ジワッ

男「…確かにこれから、またお前に寂しい思いをさせるかもしれない…だけど…それでも…」


カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン



男「それでも…それでも俺は…俺は…!」



ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン


…ガタンッ!!


男「遠く離れてる地から、お前のことを想い続けるから。」ニコッ


幼馴染「…うんっ! …私も!!私も想い続けるからね!!男!!!!」ポロポロッ

男「…ああ …今度こそ …今度こそ2人で…!」

幼馴染「…ゴシゴシッ。 …うん!!」




男・幼馴染「『距離』に勝とうっ!!!!!!!」

幼馴染「…えへへ!」ニコッ



男「…うん!それに俺たちはこれから大学生だ!アルバイトでお金を貯めてお前に会いに行くから!!」

幼馴染「…ふふ!そうだね!私もお金貯めて京都に行くね!!…あっ!あと神戸にも行きたいな~!」

男「…そうだな…親父にも幼馴染の元気な顔を見せてやりたいし!!」

幼馴染「うん!…でも、おじさんもそうだけど…」

男「…ん?」


幼馴染「私、女ちゃんや女友ちゃんにも会いたいな!あの子たちには男が本当にお世話になったみたいだし!!」

男「…! …そっか、お前たち一回会ったんだもんな。」

幼馴染「ふふ! あの時のあの2人には圧倒されっぱなしだったな~ …私、宣戦布告までされちゃったし!」

男「…へ?宣戦布告?何それ?」

幼馴染「…ん~内緒!!」

男「…おいおい、何だよそれ…」



幼馴染「…ねぇ、男。」タッタッタ



男「…ん? …何だよおさななj………んっ!!/////」ちゅ


幼馴染「…/////// …ふふ!4年振りのキスだねっ!!」///

男「…お、お前なぁ~/// …きゅ、急すぎるだろ~!?」///

幼馴染「ふふ!ごめんごめん!…でも4年前は男からしてくれたから今度は私からしたいと思って!!」///

男「…そ、そっか…」///

幼馴染「ふふ!…大好きだよ!!男!!///」ニコッ

男「…! …ああ!俺も大好きだよ幼馴染!!///」ニコッ

幼馴染「ふふ!ありがとっ!」ニコニコッ

男「…あれ? …そういや俺たちってお互い好きってことは伝え合ってるけど…まだ付き合ってないよな?」


幼馴染「…あっ。 …た、確かに! …ふふ!普通付き合ってからキスとかするものなのにね!!」

男「そうだよな~……幼馴染!順序は逆になってしまったけど…お、俺と付き合って下さい!!///」ペコッ

幼馴染「ふふ!…はい!!喜んで///!!こちらこそよろしくお願いします!!」ペコッ

男「…よ、良かった~断れられなくて…でも、何か今更って感じだよな~」ポリポリ

幼馴染「ふふ、そうだね!これで私は男の彼女か~!!/// …あっ、でも、今まで男が浮気してなかったかどうか女ちゃんと女友ちゃんに聞かないとっ!!」ニヤニヤ

男「…! …べ、別に浮気なんか!!」

幼馴染「え~!? ほんとに~!? 告白以外にも何かされてないでしょうね~??男、押しの強い女の子とか苦手だし、キスとかされたりしたことあるんじゃないの~?」ニヤニヤ

男「…キっ、キスなんかされて……………あっ。」


幼馴染「…え!? ねぇ!?ちょっと!?もしかして本当にキスとかされたの!?」

男「………あああ~!!ごめん幼馴染!!俺ちょっとw大学に忘れものしたから取ってくる!!」ダッ

幼馴染「…あっ!!ちょっと!!待ちなさいよ男!!こら!!待てぇぇええええ!!」ムキー


タッタッタッタッタッタ


カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン



ふわっ



ひらひらひらひらっ




ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン…


----――――――――――――――――おしまい―――


いやぁあああああ…皆さんおつかれさまでした!!

ここまで読んで頂いて本当にありがとうございました!!

これにてこのssは終わr…っと!?

言いつつのぉぉおおおおおおおおおおお!?


~epilogue~

―2015年/3月/京都――――――――――――――----

ソレジャミンナー!?

イクヨー!?

セーノッ!!

ソツギョーオメデトー!! カンパーイッ!!!

女友「…っぷはぁ~!!…いや~!ほんとめでたい!とうとう私たちも卒業しちゃったか~!!」

女「ふふ!そうだね!もう来月から社会人だね!!」

女友「…ま~ここにまだあと2年学生生活を送る予定のやつもいるけど」ニヤニヤ

男「…ん? おいおい何だよその言い方~!俺だってこれから新しい場所で頑張っていくんだしさ~!」

女「ふふ!そうだよ女友ちゃん!…それにしても、『2人』ともw大学の大学院に進むなんてね!おめでとう男くん!」

男「ありがとう、女。…まぁ、俺たち学部は違うけどね。」


女友「でも、何でw大学の大学院なん?k大学にもあるのに。」

男「おいおいこの前も言ったじゃんか。…俺の親父の恩師がw大学にいてさ、そこでこれから大きなコトをやっていく予定らしくて、それで俺に是非こっちでその手伝いをしないかと誘われてね。手伝いをしてくれるなら私がいくらでも君に知識付けしてあげるからってことも言われたから、もう行くしかないだろ!って思ってね。」

女友「ほほ~う、なるほどなるほど!…でも本当に理由はそれだけなのかな~?やっぱり同じ学校で『あの子』と過ごしたかったからじゃないの~?」ニヤニヤ

男「…うっ/// …もういいじゃないか俺の話は!!…それにしても、女友と女は、商社に内定もらえて本当にすごいよな。また同じ会社ってのが笑えるけど!あはは!いつまで一緒なんだよお前ら!」ケラケラ

女友「…え、ええやないの別に~!!うちらはいつまでも一緒やでってことをずっと昔から約束したんやから!!な~女!?」

女「ふふ!そうだもんね~女友ちゃん!!」ニコニコ

男「はは、…でも本当におめでとう2人とも!!今日まで2人とも内定者研修だったんだよね。本当大変だよな。 …あっ、あと女姉さんにもまたちゃんとおめでとうって言いにいかないとな。」

女「…そうだね、お姉ちゃんは今は横浜だもんね。 内定者研修は可もなく不可もなく~って感じだったかな~。」


女友「いや~それにしてもほんまに意外やったわ!まさか女姉さんが『関東の男』と結婚するなんてな!」

男「はは!違いない!あの人、暇さえあれば、『標準語の男なんて!』とか言ってたのにな。」

女友「うんうん!まあ二人とも同い年ってこともあって意気投合したんやろうな。…でも、まさか3年前にたまたまうちら4人で横浜に遊びに行った時に2人が結婚することになるとは全く思わんかったしな!」

男「まあ、『あの人』は色んな意味で強いからね。女姉さんもそこに惹かれたんだろうね。」

女「…でも、まさか『あの子』とうちが親戚になるなんて、もう予想外にも程があるよ…。」

女友「はは!女!別にええやないの!それに良かったやない!『同い年』の親戚が出来て!」

女「…うぅ…まぁ、そうなんだけどさ…色々とこっちも事情があるの!!」プンスカ

男「ははは!」


prrrrrrr prrrrrr

男「…おっと?」 prrrrrrr prrrrrrr

女友「おっ!やっと『あの子』からの連絡かい!?」

男「うん、だからちょっと電話に出るね。」ピッ

男「もしもし…うん…うん、もう始まってるよ…ん?」

女・女友「?」

男「…え?迷ったって?…で、今どこにいるの?…うん…え?鴨川?」

男「…鴨川で迷うとかお前…あ~ごめんごめん!すぐ迎えに行くから!だから駄々をこねるな!駄々を!…うん、それじゃすぐ行くから…うん、ばいばい。」

ピッ

男「…ってなわけで、まことに申し訳ないんだけど、『あいつ』を迎えに行ってきます。」

女友「はは!相変わらずのわがままっぷりは健在みたいやなあの『お嬢さん』!!まさか、うちらが出会った時はまさかこんなにも男に対してわがままやとは想像もつかんかったわ!」

女「ふふ!確かに!」


男「いや~…正直俺もビックリだよほんと…まぁとりあえず行ってくるわ!!すぐ戻ってくるから!!」

女友「いや!別に急がんくてええよ!こっちにも『やらんとあかんこと』あるし!」

女「ふふ、そうね。」

男「…まぁ…俺は別にいいんだけどな『そのこと』は… ま、行ってくる!」ダッ

タッタッタッタ

女「…鴨川か~」ボソッ

女友「…女。 …こら!女!あんたもしかしてまだ引きずってるの!?」

女「…! …べ、別に引きずってなんか!? …てか女友ちゃんやってこの4年間結局彼氏作らんかったくせに!!」

女友「…あっ!…言ったな~このやろ~!あんたやって何回も告白されたくせに全部振ってたやんか!おかげでうちらは周りから『百合カップル』って言われてるんやから!」


女「…ゆ、百合のことは別として …だってそんなん…そんなん…比べてしまうからに決まってるやない!!」

女友「…そうやな…。 …比べてしまうよな、男と。 …はあ~、いつになったら男を超える『男の子』がうちらの前に現れるのやら…」グッタリ




女友「…………で?」




女友「…あんたいつまでここにおるつもりなん?」ギロッ



イケメン「……へ? …お、俺のこと?」


女友「あんた以外に誰がおんねん!…はぁ、そもそも何であんたがうちの会社から内定もらえてん…」ガクッ

イケメン「そ、それはもちろん…」

女友「はぁ~あんたなんかどうせ顔採用のクセに…。ここ2ヶ月間の大阪での内定者研修でもあんたが1番酷いしな…まさかあんたがあの『イケメン君』やとは、今日話しかけられるまで思ってもなかったわ。」

イケメン「…!別に顔採用なんかじゃ…」

女友「どうせ、うちの会社を志望した理由もうちの会社のネームバリューと給料の高さ、そしてそれに群がってくる女の子たちが目的のくせに…」はぁ…

イケメン「うっ…そんなわけないにないに決まってるだろ!?」

女友「じゃあ、あんたがうちの会社に志望した理由を言ってみなさいよ~?」

イケメン「…! …それはもちろん、商社の力によってこれからの日本を支えていきたいと思って…」


女友「…うわぁ~出たよ、テンプレのような志望動機。日本を支えたいとか本当は思ってもないくせに、そんな堂々と口にしちゃって悲しくならないの?そういうやつに限って仕事についてから自分の理想と自分が出来ることの小ささにギャップを感じて辞めていくのよ?」

イケメン「…じゃあ…じゃあ君の志望動機は何なんだよ!?」プルプル

女友「うち? うちは『自分自身をもっと成長させるため』と『女の子の社会進出の成功例になるため』、この2つが軸よ。」

イケメン「…なんだよそれ?」

女友「うちはな、もっともっと成長したいの。で、その成長の場として商社が一番適してると考えたわけ。商社といったら営業力が求められる文型職の花形でしょ?しかもその社員のほとんどが男の人。そんな環境に飛び込んで男の人にも負けないように努力し続けられる環境だと思ったの。そして商社の男の人たちは決して女の子にも情けを掛けないし油断もしない。そんなサバイバルな環境で私は働きたいの。」

イケメン「…。」

女友「そしてもし、うちらのような女の子がそういった環境で結果を出せたら、周りの人にも『女の人の凄さ』を知ってもらえるはず。これからは少子高齢化によってただでさえ若い人たちの労働力が減って行く。だからこそ、結婚や育児、そして偏見で仕事を断念せざるを得なかった人にも何かしらのアクションを与えて、それでもっともっとその人たちにも社会進出してほしいの、それが労働力低下を救うための一つの手段だと思うから。本当の『男女雇用機会均等な社会』を『少子高齢化社会』に備えて創り上げていくこと、それが私の最終目標であり、それが出来るまで私は会社の前線で走り続け、アクションを起こしていきたいの。」

イケメン「…なるほど。」


女友「まぁ、確かにうちのこの目標も実現できるかなんて分かるはずもないけど、こういう風に若いうちから具体的にビジョンを考えておくこと、それが1番大事だと思うの。それに比べてあんたの『日本を支えたい』っていうだけの具体性のかけらも無いうっすっぺらい志望動機。…はぁ、世の中も腐ってきたわね。顔と学歴がちょっといいくらいで内定もらえちゃうんだから。影にはもっと努力している人もいるはずなのに。」

イケメン「…それはっ。」

女友「そういえば、あんた内定者の最初の顔合わせの時に一番最初に女の子グループに声掛けてきたわよね…その後もうちらで1番かわいい女にひつこく言い寄ってきて。あんた何しに研修にきてんのよ。そして今日うちらが、今晩の『4人』での飲み会のことを話してたら急に割り込んできて…」

イケメン「…それは、君たちの口から男くんと『あの子』の名前が聞こえたから…」

女友「…はぁ、…で、あわよくば『あの子』と再会出来たらって思ってのこのこつけてきたわけか…も~あんた研修は今日で終わったんだし、新幹線もまだあるだろうからマジで今から横浜に帰りなさい!!!」

イケメン「そんな!せっかく…せっかく来たのに!!」

女友「男くんは別にかまわないって言ってくれてたけどね~、うちと女と『あの子』はあんたのことが大嫌いなの!!あんたの噂は『あの子』や『お兄さん』から聞いてたし、そして何より会社でのあんたのそのちゃらんぽらんさが気に食わないの!!はぁ、ほんと何でうちの人事はこんなやつを採用したのよ~!」

女「ふふ!そうだね~!」

イケメン「…! …女さんまで!?」


女友「…イケメン君、これはマジな忠告やから聞いておき。あんた絶対に3年…いや3ヶ月以内に辞めることになるから、惨めな思いをするまえに辞めなさい。周りに迷惑をかけるまえにね。」

イケメン「…そこまで…そこまで言わなくったっていいだろ!?」

女友「まあ確かにうちは言いすぎたかもしれん。…でも噂ではあんた口がすごく回るって聞いてたから、これぐらいのうちの挑発にも口で返してきてくれると思ってん。でもあんたさっきから全くうちに反論できてないやん?『お兄さん』には体の喧嘩で負けて、うちには口の喧嘩で負けるとか傑作やわ。あっ、そういえばあんた今のその歯は全部『入れ歯』なんやっけ?そりゃ、口が回らないわけや!」

女「ちょっと女友ちゃん!さすがに言いすぎじゃ!」

イケメン「…! お、思い出させないでくれあのことを…」ズーン

女友「まぁまぁ、女。でもあんたも、少なからずこいつにはむかついてるやろ?会社のことでも…そして男や『あの子』に迷惑をかけたことでも。だからあんたも何か言ってやんな!」

女「うぅ…イケメン君、ちょっと女友ちゃんはきつく言いすぎたと思います。うちが代わって謝ります。ごめんなさい。」ペコッ

イケメン「お、女さん!」パアッ

女友「…。」

女「…でも。」

イケメン「?」


女「…あなたは今まではその顔や口で大学生の時もたくさん女の子を騙してこれたと思いますが、うちや女友ちゃん、そして会社の方々は決してあなたの上辺だけの言葉には絶対に騙されないと思います。だから…気をつけてください。…そしてうちはあなたが大嫌いです!」ニコッ

イケメン「…そ、そんな…女さん…」ガックシ

女友「…あはは!女!よく言った!よし、それじゃうちはこいつを近くの地下鉄の駅まで連行してくるから、女は待っとき!!」ガシッ

イケメン「ちょっと!辞めてくれ引っ張るのは!ト、トラウマなんだ!」ズルズルズル

女友「そんなん言われたら余計やりたくなるわ!あははは!」ズルズルズル


ズルズルズル


女「あ~あ、行っちゃった…。さすがにイケメン君可愛そうだったかな?」

女(…まぁ、それはいいとして…男くん、ちゃんと会えたのかな…)

女(…鴨川…か…)


----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

ガヤガヤガヤガヤ


スタスタスタスタ  


男(…イケメン君、今頃女友ちゃんたちに『口撃』されてるだろーな…)スタスタ

男(…まぁ、無事に帰ってくれイケメン君…)スタスタ

男(…それにしてもあいつ、何で迷うんだよ…京都には何回も来てるくせに…)スタスタ

男(…おっ、紺色のローソンが見えてきた!もうちょっとで鴨川だ…)スタスタ

男(…はは、一応急いで来たってことを演出するために走るか…)タッタッタ

タッタッタッタ

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

ザ~

男(あれ~、いないぞあいつ~…待ちきれず移動したのかな~)キョロキョロ

prrrrrr prrrrrr

男(…! …調度いいところにあいつからの電話が!)ピッ

男「もしもし? 今どこ?」

男「…えっ、俺が見えてる? で、どこにいるの?」

男「…え? 反対岸?」クルッ

男「…!…はは!見ーつけた!」ニコッ

ピッ

?「オトコー!! 一ヶ月振り~!!」フリフリッ

男「…ああ!一ヶ月振り!!」



男「幼馴染!!!!」

----―――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――----

幼馴染「も~!!男ってば遅いよ~!!わざわざ東京の新しい住まいから彼女が来てあげたのに~!!」ムー

男「はは、ごめんごめん!でもお前ここには何回も来てるだろ?何で今更迷うんだよ?」

幼馴染「ちょっと~!東京からの旅で疲れてる彼女に『お疲れ様』の一言も掛けてくれないの~!?」ブー

男「あ~ごめんごめん! …お疲れ様っ、幼馴染。」

幼馴染「…ふふ!…それでよし!」ニコニコッ

男(…はぁ、女友の言ってた通り本当に最近我が儘度が上がってきてるなぁ…)ふぅ

幼馴染「あ~!今『こいつめんどくさい』って顔したでしょ~!?男のことは何でも分かるんだからね!!」ムキー

男「あ~もうゴメンって~!!」アセアセ


幼馴染「も~!しょうがないな~!罰として明後日東京に戻ってから1週間は男が料理当番ね!!」ニコニコ

男「…はあ、分かりましたよ。…でもお前、もう俺よりも料理上手くなったんだから、俺の料理なんて食べたくないだろ?」

幼馴染「ううん!私は男の料理好きだよ!てかまだ私より上手いメニューあるし…でも酢豚は私のほうが美味しくできるもんね!!」ニコニコ

男「…そうだな、お前の酢豚は世界一だよ。おばさんも超えてるし。」

幼馴染「ふふ!ありがとっ!…それにしても鴨川の夜桜ってすごく綺麗なんだね~、桜って昼に見るのが一番だと思ってたけど、これはこれですごく雰囲気があっていいね!」

男「ああ、そうだな。鴨川の桜もかなり有名だしな。」

幼馴染「…そして、男はここで女ちゃんにキスをされたんだよね~」ニヤニヤ

男「…! …そ、それは/// …あっ、もしかしてお前!!鴨川にいた理y……んっ///」ちゅ


幼馴染「/// …ふふ!これで女ちゃんのキスの思い出は上書きされた!?」///

男「…お前なぁ///!! ………はい、されました///」

幼馴染「ふふ! …あっ、でも女ちゃんのことまで忘れちゃだめだよ!!」アセアセ

男「ああ、分かってるよ。 …てか、お前も確かイケメン君にキスされたって言ってたじゃねーか!?俺にも上書きさせろ!!」

幼馴染「え~、あんな最悪な出来事、もう私の記憶から抹消済みだからそんなのいいよ~!」

男「いいや!させろ!どこでだよ!?」

幼馴染「う~ん、横浜のどこかだよ!」ニヤッ

男「…おいおい、範囲が広すぎるだろ… …いいよ!横浜の片っ端からしらみつぶしにお前に…キ、キスしてやるよっ!!」///

幼馴染「…ぷっ! ちょっと何よそれ~!! 男大胆すぎ/// …さすがにそんなにいっぱいされちゃったら唇ふやけちゃうよ!…ほんとはされたいけど」ボソッ

男「…あ、ご、ごめん…」


幼馴染「…まぁいいよ!ヒントあげる!!『男にとっても昔からゆかりのある場所』だよ!」

男「…俺にとってもゆかりのある? …あっ、お前もしかしてよりによってあの公園で!?」

幼馴染「ふふ!正解のキスをしてくれるまでは答えはおしえな~い!!」ニコニコ

男「…はぁ、お前な~…」トホホ

幼馴染「…あっ!そうそう!お兄ちゃんが、『東京に戻ってきたらうちまで飲みに来い』ってさ!」

男「お!幼兄さんがか!?幼兄さんも結婚してから色々苦労してるみたいだな~なんたってあの『鬼嫁』の女姉さんだからな。でもまさか幼兄さんが結婚できるとは思わなかったな~、あんなに彼女をとっかえひっかえしてた人が…」

幼馴染「ふふ!ほんとだよね~。でもお兄ちゃんにはあの女姉さんしかいなかったかもね~。お兄ちゃんは今まであんなに自分のことを引っ張ってってくれる人と付き合ったことなかったみたいだし。あと、お兄ちゃん何気にmだし…」

男「はは!確かに!幼兄さんも『あいつしかいない!』って言ってたぐらいだし。一方の女姉さんは『強くてイケメン』な人が好みだったからな~、ボクシングしてた幼兄さんはぴったりだったんだろうな。ま~俺との関わりもあって女姉さんも標準語の男の人もある程度大丈夫になってたみたいだし。」

幼馴染「ふふ!そう考えるとあの2人が結婚出来たのも、私たちが出会って、そして離れ離れになったおかげなんだよね~!」

男「そう言われてみればそうだな。」

幼馴染「でも、いいな~…私も結婚したいな~」クルッ



トコトコトコ


男「…」


幼馴染「ふふ!それにしてもこの夜桜本当にきれいだね!」ピョンピョン


キャッキャキャッキャ


男「…幼馴染!!!!」


幼馴染「ん~?な~に男~?」







男「…結婚しよう!!!!」


幼馴染「……。」クルッ

ズンッ!

ズンッ!!!

ズンッ!!!!!

ズンッ!!!!!!!

ズンッ!!!!!!!!!


幼馴染「……」ジーッ


男「…お、幼馴染さん? …ち、近いです。…あと顔が怖いです。」オドオド



幼馴染「………ねぇ男。」

男「…は、はい?」

幼馴染「…『何で!』『今!』『ここで!』『私に!』『プロポーズ!』したの!?」

男「…えっ、いや、…なんていうか…この雰囲気なら…いけるかな~って…」オドオド


幼馴染「…はぁ~…何で男はこういう大事なときにいつもミスをするのかなぁ…」がっくし

男「…え?…もしかして俺…ふ、ふらr「男っ!」

男「…な、何?幼馴染?」



幼馴染「…one more time, one more chance!」ニコッ


男「…へ?」


幼馴染「…ふふ!…覚えてる!?男が高2の時に私に言った『あの映画』の主題歌のタイトル。」

男「…うん。」

幼馴染「今回はあの時の男とはちょっと使い方を変えるけどね。」

男「…。」


幼馴染「もう一度!も~う一度だけチャンスをあげるっ!!だから、そのもう一度までに胸に手を押し当てて、ちゃ~んと考えて私にプロポーズしてねっ!!」

男「…もう一度…。」

幼馴染「…だって…。」

男「…?」




幼馴染「…だって私が男にプロポーズして欲しい場所はず~っと前から決まってるんだから!!」ニコッ


男「………幼馴染。」


幼馴染「…さぁ、そろそろお店に行かないと2人とも怒っちゃうよ!!女ちゃんや女友ちゃんと会うのはお兄ちゃんと女姉さんの結婚式以来だから楽しみだな~!!…よ~しそれじゃどっちが先に着くか勝負だよ男!!」ダッ

男「…あっ!? お前やっぱり居酒屋の場所知ってたな!?」

幼馴染「ふふ!当たり前じゃない!?今の時代にはスマフォっていう便利なものがあるんだから~!!」タッタッタ

男「…ったく。本当にお前ってやつは…」

男(…そうだよな、幼馴染。俺たちは…)


オトコー!! ハヤクー!!


男「…待って!幼馴染ー!!」


男(…そう…待っててくれ…)


男(…俺は君に…)


男(…あの桜並木で踏み切りで…)


男(…絶対にするからな…)


男(…とびきり最高の…)











男(…プロポーズを!!!!!!)


----―――――――――――happy end…―――


これにてこのssは本当に終了です。

僕にとってこれが初のssでしたが個人的に大大大満足の出来です。

スレ立てからまだ1週間ぐらいですが、長い間本当にありがとうございました。

もともと最初から最後までの流れと終わり方、どこで伏線を散りばめて、どこで回収するかとかをプロットに書いていてその通りに書いていったのですが、まさか13万文字も書くことになるとは思ってもいなかったです。

途中の支援レスやコメント、本当にありがとうございました。それが指先に気合をこめる力の源になっていたことは間違いありません。
そして、最後までこんな自己満ssを読みきって頂いた方々全員に、本当に感謝しています。

最後に、実は蛇足として最後の1レスを1時に投下する予定です。
これは話しの続きとかじゃなくて僕の『考え方』みたいなものなので別に見なくて大丈夫です。

…と言いますか、その蛇足を見ておそらく気分を害される方も絶対にいると思います。なんたって誰しもが同じ『考え方』を持っているわけではないと思うので。

なので【閲覧注意】ということでお願いします。一応蛇足の内容は15行目ぐらいから書き出しますので。

ただ、ここまで読んでいただいた方、そして秒速5センチメートルを見たことがある方には是非とも読んで欲しいなって思います。

それじゃ、また1時に。

レスありがとうございます。蛇足はないほうがいいという方もおられますが、一度きめたことなので投下させてください。
反対してくれた方、本当にごめんなさい。

【閲覧注意】

  ↓
  ↓
  ↓
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  ↓
  ↓
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【閲覧注意】蛇足

実はこのssは僕の7年間の遠距離恋愛がベースになっています。もちろん、秒速5センチメートルと絡ませるためや特定を防ぐために、無理やり時系列や場所、内容はいじっています。でも各キャラの言い回しなどは当時のをそのまま使っています。そしてこのssに登場するキャラにも全てモデルがいます。ちなみに男はssの内容を盛り上げるためにモテる設定でしたが、僕は一度も告白されたことがありませんし、告白したのも小学生の時からずっと好きだった幼馴染のモデルになっている女の子に中学の時に告白をしたのが唯一です。そしてこれからもずっと死ぬまで好きでい続けたい子もその子です。ちなみにイケメンのモデルの奴も本当にあんなくそ野郎で幼兄のモデルになった人にボコられました。

じゃあ何でこんなことを蛇足で書くかというと、『あの映画』だけが遠距離恋愛の結果じゃないということを知って欲しかったからです。すごく上からな発言になってしまっていますが、『距離』に負けなかった『二人』が少なからず実在するんだってこと、そしてその『距離』に勝つためには、このssでもキーワードになっていますが、『想いをちゃんと伝え合うこと』、そして『大事な二人だけの約束を交わし、果たすこと』、これが『距離』に勝つために大切なことなんじゃないかということを僕の実体験をもとにこのssで皆さんに伝えたかったからなんです。

以上で蛇足は終了です。気分を害された方がいたら本当に申し訳ありません。でもこれから、遠距離恋愛に挑もうとしている方、もしくはすでに途中の方、そして遠くに好きな人がいる方になんらかの考えるきっかけになればと思っています。また、あの『秒速5センチメートル』という映画には僕自身とても考えさせられました。確かに僕もあの映画を見て凹みましたが、「あんな結果にならないためにも」と、遠距離恋愛に絶対に負けないという気持ちが逆に強くなったきっかけにもなりました。そのおかげで僕は7年という年月を乗り越えて彼女と一緒になれました。なので、皆さんにもそういう風にあの映画を捉えてもらえれば、あの映画を見たことも決して無駄ではないと思えるのではないかと思います。

では長々と書いてしまいましたがこれで本当に本当に終わりです。ここまで読んで頂いて本当に本当にありがとうございました。

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