はぐれメタル「逃げるの疲れた」(89)

はぐれメタル「もう死にたい・・・・」

メタルスライム「ど、どうしたんですか急に!!」

はぐれ「いやぁ、もう狙われるの疲れたよ・・・・」

メタル「そ、そおっすね。まあ僕は先輩より経験値無いから
    結構見逃してくれるときは多いっすけど」

はぐれ「この前もさ、俺が群れに居ると、メンバー入れ替えて
    毒針装備した奴ばっかりでてくんのよ」

メタル「あぁ、分かります。あれは反則っすよね・・・」

はぐれ「はぁ、最近仲間の足音でも反応しちゃって
    あまり寝れないんだ・・・・」

メタル「そ、それは大変ですね」

はぐれ「はぁ・・・」

メタル「でも・・・・死ぬのは良くないですよ」

はぐれ「そうだよな。分かってるんだけど。」

メタル「そういやメタルキングの兄貴はどうしてるんですか?」

はぐれ「あぁ、暗黒世界の洞窟に隠居してるよ。あまり敵来ないって」

メタル「じゃぁ先輩もそこに行けばいいじゃないですか?」

はぐれ「何回か行ったことあるけど、やっぱりこっちの方がいいよ。
    向こうギガンデスとか頭おかしいやつおおいからな」

メタル「ギガンデスw あの池沼と一度パーティー組んで
    見事に殺られましたわw」

はぐれ「キングの兄貴はその辺しっかりしてるからなぁ。」

メタル「あの人いざとなったらパルプンテ使えますしね。」

はぐれ「俺なんて・・・・・・ギラだけだぞ・・・・」

メタル「先輩、俺なんてメラだけっすけどなんとかやってるんですから」

はぐれ「そ、そうだな。hpも低いのにお前すごいな。」

メタル「先輩最近あの紫ターバン野郎と戦いました?」

はぐれ「いや、最近は戦ってないかな」

メタル「僕最近戦ったんですが、スライムの野郎
    寝返ってましたよ」

はぐれ「な、なにぃ? でもよ、別にあいつがどっちにつこうが無害じゃね?」

メタル「それが・・・・信じられないことに
    灼熱の炎使って来たんですよ」

はぐれ「あ、あいつが? そんな馬鹿な!!」

メタル「いや~びっくりしましたよ。しかもスライムナイトさんまで
    向こうについちゃってて、勝ち目0でやられましたよ。」

はぐれ「あのナイトも?あいつは優秀だからな。向こうも欲しいだろ。」

メタル「えぇ、最近じゃ向こうのほうが待遇いいから、
    すぐ立ち上がって仲間になる奴とかいるらしいっすよ。」

はぐれ「へぇ。しかしスライムが灼熱の炎とはなぁ」

メタル「しかも良くない噂を聞きました」

はぐれ「うわさ?」

メタル「・・・・人間の・・・・はぐれメタル狩り・・・・」

はぐれ「な・・・・なにぃ?」

メタル「レベルアップに最適なのは、兄貴を狩ることが一番効率
    いいみたいなんです。僕は露出は多いけど経験値は少なめ。
    キングの兄貴はあまり出てこないしパルプンテが危険。
    よって露出もそこそこで無難な兄貴が最適みたいです」

はぐれ「なんてこったい・・・」

メタル「これは推測ですが、スライム達は向こうにつくと、
    レベルアップしてると思うんですよ。だから経験値が必要。
    だからそのうちあのパーティーも・・・」

はぐれ「てことは、ますます危険じゃね?」

メタル「そおっすね・・・・」

はぐれ「やっぱ死ぬわ・・・・・」

ホイミスライム「まぁまぁ落ち着け」

メタル「ホイミスライムさんちっす!」

ホイミ「そうとう落ち込んでるな。」

はぐれ「ああ、そうだな。」

ホイミ「なんなら俺と組むか?」

はぐれ「お前と?」

ホイミ「ああ、ホイミしか能がない俺だけど、
    お前のhpと防御力ならホイミで十分だろ?」

はぐれ「そ、そうだな。」

メタル「それがいいと思いますよ!!」

こうしてはぐれメタルはしばらくホイミスライムと行動することにした。

どこかの洞窟

はぐれ「ふう、久しぶりにのんびりできるな。
    やはり知能があって回復もしてくれる奴が近くに居ると
    安心できるな」

はぐれ「しかし昔の人間は戦っていても卑怯じゃなかったが・・・・
    今の奴らはもう経験値のことしか頭にないから
    やる事がえげつないや・・・・」

ホイミ「誰か来たみたいだぞ!!」

はぐれ「よし、了解した」

トンヌラ「さあて、今日はここで経験値稼ぐとするかぁ」

スライム「ここは経験値豊富なやつ多いですよ。」

トンヌラ「雑魚はいつもの炎で頼むね。」

スライム「は~い。 それ!!」ゴオオオォォォォ!!!!!

灼熱の炎で一掃されるモンスター達。

はぐれ「ちいぃぃ!! あれが本当にスライムかよ」

ホイミ「駄目だ、こっちに来る!!」

ピエール「おお、はぐれメタルだ!!」

トンヌラ「よし、女性陣は毒針で、スラリンはキラーピアスで攻撃だ!!」

ビアンカと女の子は毒針ではぐれメタルに襲いかかった!

はぐれ「くそ、こいつら目の色がちがう・・・やばい」

スラリン「オラァァァ!!」

スラリンの2回攻撃がヒットした

はぐれ「くそおぉ!! あの野郎!!」

ホイミ「よし、回復してやる!!」

トンヌラ「うりゃぁぁ!!」

ホイミ「ぐはぁっ!!」

はぐれ「だ、大丈夫か? 逃げたいが、ここはホイミの為にも・・・・
    ギラッ!!!!」

スライム「オラァァァ!!」

はぐれ「ぐわぁぁぁぁ」

はぐれメタルと、ホイミスライムはやられてしまた・・・・・

はぐれ「く、くそぅ・・・・まさかあんなにスライムが強くなってるとは・・・
    ホイミよスマン・・・・」


ホイミスライムは立ち上がり、仲間になりたそうな目でトンヌラを見ている。

はぐれ「お、お前なにしてんだ・・・・?」

トンヌラ「お前も、一緒に来たいのかい?」

ホイミスライムはうなずいた

トンヌラ「どうしようか?」

スラリン「たぶんレベル上がるとかなりいい魔法使ってくれますよ」

ビアンカ「いいじゃない。連れて行きましょう(あの触手・・・///)

トンヌラ「よし、じゃぁ今日から君はホイミンだ、よろしくな!!」

ホイミン「よ、よろしくね!! 一生懸命頑張ります!!」

はぐれ「ば、馬鹿野郎!! よろしくじゃねぇよ!! 」

ピエール「とりあえずレベルが上がるまでは馬車にいるよいいよ」

ホイミン「わかりました」

ビアンカ「さぁさぁ、馬車でゆっくりしましょうね・・・・・フフフッ」

こうしてトンヌラご一行はどこかに行ってしまった・・・・

とある山中の洞窟

はぐれ「ここは・・・」

はぐれ妻「気が付いた? メタルスライムさんが運んでくれたんですよ。」

はぐれ「そうか・・・俺はまたやられたのか・・・・・」

はぐれ娘「パパ大丈夫?」

はぐれ「ああ、大丈夫だよ。すぐにまたお仕事いけるから心配ないよ」

はぐれ妻「まだ治ってないんだから、ゆっくりしてましょうね」

はぐれ「そうだな」

はぐれ「すまない・・・・いつも留守にしてしまって・・・」

はぐれ妻「いいんですよ。こうやって立派な洞窟に住めて、
       私が働かなくても十分食べていけるんですから。
       娘にも恵まれて、幸せですよ私は」

はぐれ「おまえ・・・・」

はぐれ妻「さぁご飯ができましたよ。」

はぐれ娘「わ~い。」

平原

はぐれ「すまんなメタル。この間は。」

メタル「大丈夫っすよ。俺も兄貴に何回も運んでもらってますから。」

はぐれ「しかしホイミスライムの野郎・・・・寝返りやがって。」

メタル「マジっすか・・・・・」

はぐれ「スライムも恐ろしく強かった・・・・」

メタル「・・・・・・・・」

はぐれ「どうした?」

メタル「僕らメタル系っの存在意義ってなんなんでしょうね。
    逃げて逃げて狩られて・・・・・」

はぐれ「・・・・・・・まぁ、俺たちはそもそもご先祖様の突然変異でできた
     種族だからな。」

メタル「この前兄貴が死にたいっていってたのもわかる気がしましたよ。」

はぐれ「お前・・・・」

はぐれ「まぁ俺はなんだかんだ言っても、家族がある。
     狩られても狩られても、耐えて見せるさ。」

メタル「俺・・・・・実は・・・・・・」

はぐれ「どうした?」

メタル「もうすぐ、結婚するんですよ。子供も生まれそうで・・・」

はぐれ「そうか!!そいつはめでたいじゃないか!!
     だったらなおさら頑張んなきゃな!!」

メタル「ええ・・・・」

はぐれ「まさかお前・・・・・・・」

メタル「・・・・・・最近、モンスターの風当たりも強いですし、
    今の収入じゃぁ、この先養っていけるか・・・・・」

はぐれ「・・・・・・・・・まぁ、あえて止めはしない。お前の自由だ。
     俺は止めはしないさ・・・・
     ただ、人間についてイイコトばかりじゃない。それは覚えておけ。」

メタル「兄貴・・・・」

はぐれ「ま、ゆっくり彼女と考えることだな。」

そういうとはぐれメタルは家に帰って行った。

はぐれメタルは少し遠方の洞窟まで出掛けることにした。

はぐれ「たまには遠方で稼ぐか・・・・」


ゴオオオォォォォォォ!!!!!


はぐれメタルは身構える間もなく攻撃を受けた!!


はぐれ「誰だ!! またドラゴンキッズの火炎の練習か?」

スラリン「よう!!」

はぐれ「お、お前は!!  」

スラリン「待てよ。 今日は一人だ。 お前と戦いに来たわけじゃない。」

はぐれ「なんだと!!」

スラリン「今は休暇を貰って、帰省中だ。たまたまお前を見つけてな」

はぐれ「な、なんで人間なんかに・・・・・」

スラリン「・・・・・・・・仕方ないんだ・・・・・」

はぐれ「仕方ない?」

スラリン「お前は常に狙われて大変なのは良くわかっている。
      しかし、俺もまた狩られて大変だった」

スラリン「旅を始めた人間や勇者は、最初に何をすると思う?」

はぐれ「・・・・資金調達と、レベルアップかな。」

スラリン「で、真っ先に狩られるのが俺だ。
      今やスイーツですら旅にでるぐらい、ブームだからな。」

スラリン「だから俺は、毎日倒されるのにうんざりしたのさ・・・・」

はぐれ「それで・・・・・あの人間に仲間に・・・?」

スラリン「ああ、あの人には不思議な力があってな、
      俺たちモンスターと上手くやっていけるんだ。」

はぐれ「しかし・・・あの人間は魔王を倒すのが目的じゃ?」

スラリン「ああそうだ。しかし良く考えてみろ。俺たちを作ったのは
      大昔の魔王だ。しかも魔王もいっぱいいて
      死んでもモンスターは無くならない。だから俺たち一般モンスターは
      別に魔王が居ようがいまいが関係ないんだよ」

スラリン「そして俺は、あの人の仲間になると、強くなっていくことに気付いた」

はぐれ「それでお前そんなに・・・・・」

スラリン「ああ、モンスターにもよるけどな。俺なんか下等モンスターは
      鍛えまくると化けることもあるみたいだな。」

はぐれ「じゃぁこの前のホイミスライムも?」

スラリン「いや・・・・あいつは、旅に行かずお城でお留守番だな。
      まぁ仲間になっても必ず戦う訳じゃないからな。」

はぐれ「そうか・・・・・でも俺は、モンスターだ。人間と旅なんて・・・・」

スラリン「お前なら強くなりそうだがな・・・・・」

はぐれ「ふ、俺は逃げるのが取り柄だからな。
     逃げて逃げてトレジャーを集めるのが仕事だ。」

スラリン「そうか・・・・・今炎と呪文に耐性がある奴を探してたんだが」

はぐれ「・・・・・俺は無理だぜ。まぁ、人間に加勢したいやつは居るが・・・」

スラリン「本当か?」

はぐれ「ああ、そのうちお前らの前に姿を現すだろう。
     じゃあな!! 次会う時はにげてやるからな!!」

どこかのお城

ビアンカ「あぁ!! すごい、すごいわぁ!!」

ホイミン「シュルシュルシュル!!」

ビアンカ「あぁぁ、触手の8箇所攻めすごいぃぃぃぃ!!」

ホイミン「プルプル、ヌプンヌプン!!」

ビアンカ「いくうぅぅぅ!!!!!」

ホイミン(俺も・・・・戦いたい・・・・・・)

王女「おかあさん!! 早くホイミン貸してよね!! 
    もう一人だけ楽しんじゃって!!」

どこかの遠い洞窟

はぐれ「ふぅ、だいぶ遠くまで来たが・・・・・いい稼ぎになったな・・・・
     さて、そろそろ帰るかな・・・・」

バビューン!!

キメラ「はぐれメタル、ここにいたか!!」

はぐれ「おう、キメラじゃないか! どうしたこんなとこまで?」

キメラ「お、奥さんが・・・・人間に!」

はぐれ「な、何!」

キメラ「とにかくつかまってくれ!! 行くぞ!!」

キメラとはぐれメタルは住みかにワープした

はぐれ「大丈夫か!!」

はぐれ妻「あなた・・・・ごめんなさい心配かけて・・・」

はぐれ「どうしてこんなところに人間が!!」

はぐれ妻「わからないわ・・・・急に攻めてきて・・・・なすすべもなかった」

はぐれ「娘は?」

はぐれ妻「大丈夫よ。ゴーレムさんが駆け付けてくれて、今そこに居るわ。」

はぐれ「そうか・・・・」

ゴーレム「おお、はぐれメタル帰って来たか!娘は向こうで寝ているから
      心配するな。」

はぐれ「すまねぇな。 しかしなんでここが・・・・」

ゴーレム「わからん。俺も追い払うのに必死だったがこのざまだ。」

はぐれ「スライムは居たか?」

ゴーレム「いや・・・・スライムは居なかった。モンスターとは戦っていないよ。」

はぐれ「そうか・・・・」

ゴーレム「しかし奥さんの傷、結構深いぜ。」

キメラ「ああ、あれは回復魔法じゃちょっと難しい。」

はぐれ「どうしたものか・・・・・」

キメラ「世界樹の雫があればな・・・・」

はぐれ「しかしあれは、天空人しかもっていないはず」

キメラ「ああ、でも魔界でも手に入るみたいだがな」

はぐれ「魔界か・・・・行ってみるか・・・・」

ゴーレム「ここは俺たちに任せておけ。
     しかし魔界はモンスターも変なのが多いから気をつけろよ。」

はぐれ「わかった。気をつけて行ってくるよ。」

こうしてはぐれメタルは久々に魔界に行くことにした。

魔界

はぐれ「さてと、メタルキングの兄貴に挨拶していくか・・・」

ギガンデス「ウォォォォォ!!!!」

グレイトドラゴン「ガオォォォ!!!!」

はぐれ「ここは相変わらずだな・・・」

魔界洞窟

はぐれ「ふぅ、だいぶ奥まで来たな・・・」

はぐれ「確か・・・・この辺に・・・・」

メタキン「おう、はぐれメタル!! 遠いとこまでよく来たな!!」

はぐれ「お久しぶりです。」

メタキン「どうした?こんな辺鄙なところに・・・・」

はぐれ「実は・・・・・・・」

メタキン「そうか、世界樹の雫ならこの洞窟の近くの魔王の山にあるぞ。」

はぐれ「そうなんですか! さすが先輩! 後で取って帰りますよ。」

メタキン「なんか上の階が騒がしいの・・・」

ヘルバトラー「おい、例の人間が攻めてきたぞ!!」

はぐれ「な、なにぃ!!」

メタキン「やれやれ、こんなとこまで来おって」

トンヌラ「よし、ここでメタルキングを狩れば、
     かなりレベルアップできるぞ!」

メタリン「はい!! 頑張ります!!」

ビアンカ「あ、あそこ!!」

王女「毒針の用意ね・・・」

はぐれ「お、お前・・・・」

メタリン「フフ、こんなところで会うとは思いませんでしたよ!」

はぐれ「そうか・・・・そういうことか・・・・」

メタリン「あんたと、そこの旦那の経験値が入れば、俺は簡単に
     強くなれるんだよ!!」

ビアンカ「それ!!」

王女「うらぁぁぁ!!」

二人の毒針攻撃が容赦なくメタルキングを襲う!!

メタキン「舐めるなぁよぉ!!」

はぐれ「旦那、無茶しないで!!」

トンヌラ「オラアァァ!!」

はぐれ「グワァッ!!」

周りのモンスター達もやられて、もはや敗北は目前だった。

メタキン「仕方ない・・・パルプンテ!!」

しかしなにもおきなかった・・・・

メタリン「フフッ、もう少しだぁ!!」

はぐれ「く、くそう・・・・」

ゴオォォォォォォォ!!!!!!

はぐれ「炎・・・・グレイトドラゴンか!!」

スラリン「生きてるかお前ら!」

はぐれ「お、お前・・・・・」

スラリン「フフッ、俺はもう用無しなんだとよ!!」

トンヌラ「お前は確かに強くなった。だが、所詮炎しか取り柄がない
      所詮はスライムさ!」

スラリン「ぬかせ!!」

王女「もらったぁぁぁ!!!」

毒針がメタルキングに刺さる直前、はぐれメタルはベギラゴンを唱えた

王女「きゃぁぁぁぁ」 

ビアンカ「ゆ、油断したわ・・・・」

メタリン「な、なにぃ!!」

スラリン「今だ!!」バコッバコッ

メタリン「うわぁぁぁ!!」

はぐれ「ベギラゴン!! ベギラゴン!!」

トンヌラ「こ、このままじゃ全滅だ・・・引き上げよう!!」

トンヌラパーティーは逃げだした・・・・・

はぐれ「旦那、大丈夫か?」

メタキン「あぁ、大丈夫だ!!」

スラリン「お前さん・・・・どこにあんな力が・・・・・・」

はぐれ「一時期人間に仕えていた時があってな。
     あの人間に良く似ていた人だったよ。」

スラリン「そうだったのか・・・・それにしてもすごかったな」

メタキン「当分ここにはこないだろうな・・・」

はぐれ「ああ、そうですね。
     じゃあお目当ての世界樹の雫をゲットして帰りますよ」

スラリン「一緒に行くか?」

はぐれ「ああ、そうするか」

こうしてはぐれメタルとスライムは無事元の洞窟に帰っていった。

とある山中の洞窟

はぐれ妻「ふぅ、おかげさまですっかりよくなりました。」

はぐれ娘「わぁ、ママ元気になった!」

はぐれ「よかったな。流石世界樹の雫だ。」

はぐれ妻「しかし、メタルスライムさん・・・・」

はぐれ「・・・・・馬鹿な奴だよ。上手く利用された後は、モンスター爺さんに
     記憶を消され、野に捨てられるのさ・・・・」

はぐれ妻「そう・・・・でもスライムさんが帰ってきて良かったですね。」

はぐれ「ああ、あいつはやっとわかったみたいだな。」

はぐれ妻「しかしあなたが人間と旅をしていたなんてびっくりですわ。」

はぐれ「昔のことさ・・・・人間だったが、実によくできた人だったよ。
     あれ以上の人間は、もう会えないだろうね。」

はぐれ妻「そう・・・・でも貴方が無事帰ってきてなによりです。」

はぐれ「はは、しばらくはここでゆっくりするよ。」

どこかのお城

サンチョ「おひょ!! おひょ! この感触はたまりませんなぁ!!」

ホイミン「シコシコ、シコシコ」

サンチョ「まるで・・ミミズ千匹みたいだ!!!  おひょ! おひょ!」

ホイミン「ヌプッ ヌプッ」

サンチョ「あぁぁぁ、もうだめでちゃう~!」

王子「も~サンチョ! 早くホイミン貸してよ~」

ホイミン「帰りたい・・・・」

支援

>>58
ごめん、もう終わりなんだ・・・・

お城の一室

メタリン「大丈夫か?」

ホイミン「駄目だ・・・・何回風呂に入っても匂いが取れない・・・・
     あの豚野郎!!」

メタリン「ピエールの旦那は?」

ホイミン「たぶんビアンカの相手だろう。」

メタリン「・・・・・・そうか・・・・・・」

王妃の部屋

ビアンカ「ハァ・・・ハァ・・・・ピエール上手よ・・・」

ピエール「だ、旦那に見つかったらやばいですぜ!」

ビアンカ「いいのよあんな早漏・・・・あぁ、そこいい!!」

ピエール「奥さん締め付けすげぇや!!」パンパンッ!!

ビアンカ「あぁ、もっと激しく突いて!! めちゃめちゃにして!!」

トンヌラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

翌日、ピエールはモンスター爺さんに預けられ、
記憶を消されて野に返された・・・・・

メタリン「ピエールの旦那、クビってことか・・・」

ホイミン「馬鹿野郎! モンスター爺さん通すと、
      記憶を消されて野に放たれるんだ!」

メタリン「なんてこったい・・・・」

ホイミン「怒らせると怖いんだあいつら・・・・
      かといって夜の相手を断ると、今度はそいつらが・・・・・」

メタリン「どっちみち、地獄じゃね?」

ホイミン「ああ、最初は優しくて待遇もいいから
      夢のような生活に思えるんだ。しかしな、やつらの戦略、
      相手にするボスとかが強くなると、使えない奴はお払い箱さ。」

メタリン「あの強かったスライムですらお払い箱だったな。」

ホイミン「逆にあいつは強くなりすぎた。反逆を恐れたんだろう。」

メタリン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ホイミン「お前、家族は居るのか?」

メタリン「婚約者が・・・・もうすぐ子供も・・・・」

ホイミン「そうか。俺はバツイチだからもう失うものもない。
     しかしお前はまだ未来がある・・・」

メタリン「しかし、給料は一応貰えるし、もうすぐ休暇も」

ホイミン「だがな・・・・・いつお払い箱になるか・・・・」

メタリン「それに・・・・俺はもう裏切り者だ・・・・・」

ホイミン「そうだな・・・・戻りにくいな・・・・」

メタリン「先輩・・・・あなたの言っていたこと・・・・
     今なら分かるかもしれない・・・・・・」

数日後

はぐれ妻「あなた・・・・お客さんよ・・・」

はぐれ「めずらしいな」

メタル妻「はじめまして。メタルスライムの妻です。」

はぐれ「おう、お前さんが・・・・まぁ中に入ってくれ。」

メタル妻「すみません。おじゃまします。」

はぐれ「そうか・・・・帰ってこないのか」

メタル妻「この前手紙は来てたんですが、約束の日が来ても
      全然帰ってこなくて・・・・もうすぐ子供も生まれるし・・・・」

はぐれ「「そうか。しかしこればっかりはなぁ・・・・」

はぐれ妻「なんとかならないの?」

はぐれ「基本的に、人間に仲間になったモンスターは
    強くなって逃げださない限りは、人間の側に居なければならない。」

はぐれ「人間が一度に面倒見れるモンスターも限られている。
    手一杯になったモンスターは、モンスター爺さんという恐ろしい爺さんに
    預けられるんだが・・・・・・」

はぐれ「人間がもう必要ないと言ったモンスターはモンスター爺さんに依頼し、
    野に放たれる・・・・・」

はぐれ妻「じゃぁ、いずれは帰ってくるってこと?」

はぐれ「いや・・・・野に帰るときに・・・・記憶を消される・・・」

メタル妻「そ、そんな・・・・」

はぐれ妻「じゃぁあなたはどうやって?」

はぐれ「俺がついてた人間は、そんなことはなかったからな。
    いつでも帰っていいって言われたし、その人の旅が終わったら
    そのまま別れたからな。」

メタル妻「・・・・うぅ・・・」

はぐれ妻「体大丈夫? つらいなら当分家にいてもいいのよ。
      使ってない部屋はいくつかあるから。」

メタル妻「すみません・・・・」

はぐれ「ちょっとスライムのとこ行ってくるよ・・・・」

スラリン「そうか・・・しかし、俺たちにはどうすることもできないぜ。」

はぐれ「ああ、あいつが自分から反逆して逃げない限りは・・・」

スラリン「たぶんトンヌラご一行は今はずっとグラバニアに居ると
      思うが・・・・」

はぐれ「そうか・・・・」

スラリン「お前・・・・・まさか?」

はぐれ「・・・・・・・・」

グランバニア

トンヌラ「よし、みんな集まってくれ! 新しい仲間を紹介する!」

バトラー「ヘルバトラーのバトラーと申します。宜しくお願いします。」

ビアンカ(ああ、あのタイプはパスね。)

ギーガ「ギガンデスのギーガです。力には自信があります。」

ビアンカ(あの大きさは・・・捨てがたいわね・・・・種で賢さを上げれば・・・)

トンヌラ「というわけで、早速二人には戦力として頑張ってもらうから。
      メタリンとホイミンは、お城で待機な!」

メタリン「待機か・・・・・・」

ホイミン「お前多分・・・・モンスター爺さん行きだぜ?」

メタリン「な・・・・本当か?」

ホイミン「ああ、お前この前王女に逆らっただろ?」

メタリン「ああ、ままごとに付き合わされたんだけど・・・・
     途中から俺の突起に股間を押しつけてきやがったからな…
     ついカッとなってやっちまったよ・・・」

ホイミン「バトラーは呪文も炎も使える。
      そして耐性も抜群で、ステータスも一流だ。」

ホイミン「ギーガはあまり特技は覚えないが、成長すると
      恐ろしくステータスが上がるし、あのパワーだ。
      破壊の鉄球を装備できるから、攻撃力は半端ない。」

メタリン「そうか・・・・・・仕方ないな」

ホイミン「いいのかお前? 記憶を消されてしまうんだぞ?」

メタリン「仕方ないよ。今の俺では逃げることもできないし、逆らうこともできない。
     一時の火炎耐性要員で雇われたのを見抜けなかった俺が悪い。」

ホイミン「しかしなお前・・・・・俺の力ではどうすることもできんしな・・・・」

メタリン「仕方ない。どうせモンスターやってても逃げるだけの人生だったんだ。」

チベット付近

はぐれ「ようし、ここを抜ければもうすぐ城が見える」

スラリン「しかし、お城はどう攻略するんだ?
      あそこは鉄壁だぞ?」

はぐれ「まあ俺に考えがある。さぁもうひと頑張りだ」

こうしてはぐれメタルとスライムはお城に向かった

お城

はぐれ「ふ、ここも相変わらず変わってないな。」

スラリン「お前、ここに来たことあるのか?」

はぐれ「ずいぶんと昔だけどな」

はぐれ「さてと・・・・このあたりに・・・・・よいしょっと!」

スラリン「これは・・・・隠し通路!! こんなものがあったのか!」

はぐれ「さて、気づかれないように忍び足で行こう。」

はぐれ「モンスターの待機所は?」

スラリン「確か2階の南東の部屋だ!」

はぐれ「よし、一気に助けよう!」

スラリン「ちょっと待て、以前に比べて警備が少ない気がする・・・」

はぐれ「あれは・・・・・!!」

スラリン「ギガンデスに・・・・ヘルバトラー!!」

はぐれ「眠っているようだな。 しかし厄介な奴らが向こうに回ったな。」

スラリン「確か・・・・・あの奥の部屋だ!!」

はぐれ「くれぐれも慎重に・・・慎重に・・・」

コンッ コンッ

ホイミン「やれやれ、また王妃が来たのかな」ガチャ

はぐれ「おお、お前ら元気か?」

メタリン「先輩! どうしてここに?」

はぐれ「・・・・・・帰るぞ!!」

メタリン「しかし・・・・・」

はぐれ「馬鹿野郎! お前がここに居たって先は読めてる。
     奥さん待ってんだぞ!!」

ホイミン「お前は、一緒に逃げろ!」

メタリン「しかし・・・・」

スラリン「時間がない! 早くしろ!」

メタリン「わ、分かった」

ギーガ「ウガアァァァァァ!!!」

はぐれ「しまった! 気づかれたぞ!!」

トンヌラ「モンスターの分際で逃げるとはいい度胸だ!」

トンヌラ「ちょうどいい。はぐれメタルを倒せば、
     ギーガとバトラーもすぐに強くなるな!!」

バトラー「ゴオォォォォォ」

はぐれ「やむを得ん! スラリン! 戦うぞ!」

スラリン「ゴオォォォォォ!!!!!!」

はぐれ「よし、そいつらは頼んだ!!」

トンヌラ「隙あり!!」

はぐれ「当たらぇよ!!」

王女「うらぁぁぁぁぁ!!!」

はぐれ「ぐわぁ!!!!」

メタリン「先輩!!   メラミ!!」

王女「ぎゃぁぁ!!」

スラリン「へ、まだまだ俺の足元には及ばんようだな!!」バコッ

バトラー「駄目だ!! 今の俺では・・・・・・」

ギーガ「グオォォォォォ」

トンヌラ「貴様らぁ!! この役立たずめ!!」

はぐれ「お前には、モンスターと旅する資格はないみたいだな!」

トンヌラ「なにを偉そうに!!」

はぐれ「とっておきを見せてやる・・・・うりゃぁぁぁ!!」

トンヌラ「ぐわぁぁぁ!!  それは・・・オリハルコンの牙!!」

はぐれ「どうやら勝負あったようだな。
     お前は親父さんの足元にもおよばんな!!」

トンヌラ「な・・・・・・・・」

はぐれ「パパス殿は非常に良くできた方だった。
     モンスターを大事にし、わが子のように面倒見てくれた。
     使い捨て感覚のお前にはモンスターとは分かりあえんのだよ!」

スラリン「よし、今だ! みんな逃げるぞ!」

こうしてはぐれメタルは、メタルスライムを助けるのに成功した。

とある山中の洞窟

メタル妻「あなた・・・・」

メタル「すまないな・・・・もう少しで、記憶を消されるところだった」

はぐれ「まぁ、住みにくい世の中だけど、頑張っていくんだな。」

メタル「先輩・・・・本当にすみません」

はぐれ「いいってことよ。」

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