【ダンガンロンパIF】ギャンブル少女と絶望の感染装置 (128)

購買部~

セレス「これは確か、モノモノマシーン…」

セレス「ちょうどメダルもありますし、やってみましょうか」
ガチャガチャ

セレス(さて…このスロットを回せば…)







セレス(手が震えてますわ…)ドキドキ

セレス(ええい!何を怖がっているのですか!。そう。私は超高校級のギャンブラー。運の

良さで私にかなうものはいません。きっといいモノがでてくるはずです!)

セレス(では回しましょう!)

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モノクマ「いやっほーーう」

セレス「きゃっ!」

モノクマ「こんにちはセレスさん」

セレス「い、いきなりなんですかあなたは!」

モノクマ「いやー、セレスさんマシーンの前で突っ立てるからさ使い方わかんないかと思って」

セレス「いえ‥それにはいろんな事情が…使い方は知っています」

モノクマ「あ、そう」

セレス「早く消えなさい。目障りです」

モノクマ「ショボーン」トボトボ

セレス(まったく…とんだ邪魔が入りましたわ)

セレス(では気を取り直して…)

ャガチャ
カチッ
セレス(さて…何が出るやら)





ガチャン
セレス(でました!ん? 薬が3錠…これは一体…)


セレス「モノクマ、お出でなさい!」

モノクマ「はいはい」ヒョコ

セレス「これは一体どのような効果があるのですか」

モノクマ「残念だけど教えられないよー ま、死に至るわけじゃないってことは本当だよ」

セレス「そうですか」

モノクマ「使うか使わないかは君次第。そうそう。使い方を守らないと効果はないからね。バイバーイ」スッ







セレス(使うべきか使わないべきか)

セレス(ギャンブラーの性なのでしょうか。こういった選択を迫られるとゾクゾクしますわ)

セレス(さてこういった場合、リスクとリターンを天秤にかけて決めるわけですが…)

セレス(使わない場合、リスクはなし。リターンは未知。)

セレス「…っ!」

セレス(金銭の損得を賭けるギャンブルの方がまだ分かりやすいですわ…)

セレス(…使わない場合、どうなるか考えてみましょう)

セレス(使いましょう。そうすれば、もしかしたらみんな…)

スタスタ ガチャン

モノクマ「うぷぷぷぷ。面白くなってきたよ」

セレス(この薬、用法には一人一錠とあります…)

セレス(つまり三人飲まないと効果を発揮しない…一人はやはりあの方に飲ませましょう)

江ノ島「よーっすセレスじゃん!」

セレス「江ノ島さん」

セレス(もう一人はこの方にしましょうか。言ってしまえば誰でもいいのですが)

江ノ島「なにしてんの?」

セレス「適当に散策していただけですわ。あなたは」

江ノ島「あたしもそんな感じかなー。チョー暇だよねー」

セレス(フフフ…いいことを思いつきました…自然に錠剤を飲ませる方法を…)ニヤリ

セレス「でしたら食堂に行きませんか。 話し相手がいれば退屈しませんし」

江ノ島「いいよー。まだお互いのこと知らねーし。いい機会かもねー」

食堂~
江ノ島「お、結構いんじゃん!」

セレス(苗木くん、舞園さん、十神くん以外は揃っています)

セレス(困りましたわ…苗木くんがいないと作戦が進みません…)

セレス(この穏やかな状態も長くは続かないでしょう)

セレス(モノクマとかいう輩は何か手を打ってくるはずです。誰かがコロシに踏み切るような手を)

セレス(一刻も早く作戦を進めねばなりません)

石丸「やあ! セレスくん。江ノ島くん」

セレス(むさ苦しい男ですわ)

江ノ島「こんちはー! みんな何してんの?」

石丸「まあ、テキトーに暇を潰しているところだ。時間を無駄にするのは本意ではないのだがほかにやることがないのだ」

江ノ島「セレス、あたしたちも座ろっか」

セレス「ええ」

セレス(さて…)

セレス「まず江ノ島さん、あなたのこと、聞かせてくださいな」

江ノ島「へ? あたしから?」

セレス「超高校級のギャルなのでしょう? 撮影現場の様子とか、ライバルの存在、そういった内幕をぜひ」

江ノ島「え、ええっと…その…」

セレス「整理している間に、わたくし、飲み物をいれてきますわ」

セレス(フフフ…まずは一人目)ニヤリ

江ノ島「でさー、野宿することになって」ペラペラ

セレス「なるほど」

セレス(江ノ島は話長いですわね・・・・)

苗木「あれ? セレスさんに江ノ島さん!」

江ノ島「よーっす苗木じゃん。舞園も!」

セレス(やった!)

舞園「こんにちは」

セレス(ようやく、飲ませることに決めていた苗木くんもやってきました)

セレス(彼は一応超高校級の幸運ですし、万が一があっても大丈夫でしょう。だからこそ選んだのですが)





セレス「苗木くん、いま飲み物を入れてきますね」

苗木「あ、ありがとうセレスさん」

セレス(フフフ…砕いて飲み物に混ぜてと…)

セレス(オッケーです。あとは私が飲んでと)ゴクッ





セレス「はい。苗木くん。舞園さんの分も入れておきましたわ」

舞園「あら、ありがとうございます。セレスさん」






セレス(一体何が起きるやら‥楽しみですわ)

タダイマヨリヨルジカントナリマス

セレス(結局なにも起きませんでしたが…)

セレス(朝を待ちましょう)


朝:食堂~

石丸「どうしたのだ‥朝はここに集まろうと約束したはずだが」

江ノ島「ただ寝坊してるだけじゃねー? ほっとけ」

苗木「いや、舞園さんが寝坊するなんておかしいよ。僕みてくる」タタッ

セレス「たしかにいくらなんでもこんなに寝坊するなんて…」

セレス(ここにいる者の共通点といえば、わたくしが薬を飲ませた方々。あれは眠りを促進
する薬だったのでしょうか…?)

セレス(いえ…違いますね。石丸くんがいます)

セレス(ということは薬は関係がないのでしょうか。寝坊しているのは別の原因が…?)

江ノ島「もー食べない? おなかすいたんだけどー」

石丸「待て。もうすこし…ウッ…」

セレス「石丸くん? どうかしましたか?」

石丸「いや、なんでもない。少し…痛みが…」

石丸「くそ…それにしても…みんな‥ハァハァ…たるんで…るぞ…」

江ノ島「ちょ! 石丸!?」

石丸「なんだね…えのしま、くん…ハァ…」

江ノ島「なんでって…あんた顔真っ青だよ!」

石丸「そんなこと…あるわけないだろう…ぼく、は」

江ノ島「さっきまで元気だったのに…急にどうしたってんだよ…」

セレス(まさか…)

苗木「みんな!聞いてくれ!」

江ノ島「苗木? どした? やっぱ寝坊?」

石丸「とりあえず…ハァハァ…食事にしよう…」ヨロヨロン

苗木「い、いしまるくん…? 石丸くんっ! くそっ!石丸くんまでっ」

セレス「苗木くん? 何か知っているような口ぶりですわね」

苗木「セレスさん、江ノ島さん、石丸くんを部屋に運ぶんだ。そのあとはこの食堂から一
歩もでないほうがいい」







セレス「インフルエンザ、ですか?」

苗木「おそらくそれだよ。吐き気もあるみたいだし、だるそうにしてた。食欲もないみた
い」

江ノ島「マジ!? あたしたち以外全員かかったってこと? 大神とか大和田も?」

苗木「うん。その二人もみたけどまるで別人だよ」

江ノ島「でもなんでうちらだけ平気なんだろ? 単なる偶然?」

セレス(…あながち間違いでもありませんわね)

モノクマ「アッハッハッハッハッ!」

苗木「モノクマ…」

江ノ島「もしかして…お前が何かやった? 」

モノクマ「違うよ。僕はなにもしてませーん」

苗木「本当のことを言ってくれ! どうしてこんなことになってるんだ?」

モノクマ「まあ理由は知っているんだけどちょっと長くなるからメンドーなんだよね」

モノクマ「お!なんという偶然!理由を知っている人がここにいるではないかー!ドドー
ン!」

セレス「…」

苗木「セレスさん…?」

モノクマ「いやー!運のよいことに感染しなかったんだねー じゃあ僕は忙しいからこれで」スッ

セレス(やれましたわ…モノクマのせいで…知らばっくれる手がつかえなくなりました…)

苗木「セレスさん、どういうことなの。何か知ってるの?」

セレス「ええ。 まあ」

江ノ島「セレス、おまえまさか」

江ノ島「裏切り者とかじゃねえだろうな…」

セレス「フッ…」

セレス「…なるほど。そういう考えもありますか…」

江ノ島「もったいつけんなよ」

セレス「フッフッフッフッフッ」

苗木「セレス…さん?」

セレス「まさかこんなに早く見破られるとは」

セレス「そのとおりです。わたくしセレスティア・ルーデンベルクは本当の生徒ではあり
ません。内通者としてこの学園に潜りこんだのです」





苗木「ほんとに…セレスさんが…」

苗木「何かの間違いじゃ」

江ノ島「こうなることも知ってたってことか…このっ」

苗木「江ノ島さんっ!ダメ」

江ノ島「うっせー!」ビュオン!

セレス「」ブォン

江ノ島「あ、あれ? このっ」

セレス「」スイーッ スイーッ

江ノ島「なんだ…つーんだよ…」ハァハァ

セレス「まだやりますか?」

江ノ島「」ハァハァ

セレス「まったく…」

セレス「がっかりですわ」

江ノ島「…あ?」

セレス「江ノ島さん、あなたは冗談にも寛容な方だと思っていたのですが、思い違いだっ
たようですね」

江ノ島「はぁ…? なに…チョー意味わかんない」

セレス「ですから、冗談ですわ。わたくしは裏切り者ではありません」

江ノ島「紛らわしいことすんじゃねーよ」

苗木「セレスさん、どっちなんだい? 本当のこと教えてよ

セレス「私は裏切り者ではありません。みなさんと同じようにスカウトされこの学園に入
学してきました。このコロシアイのことも何も知りませんわ」

苗木「本当かい? 信じていいんだね?」

セレス「そうしてくれると嬉しいですわ」

苗木「聞いていい? どうして嘘ついたの?」

セレス「…ただ単純に」

セレス「場を和ませようとしただけですわ。いわばサプライズです。でもやりすぎました。
二人とも、申し訳ございませんでした」ペコリッ





苗木「セレスさん、顔あげて。こっち見て」

セレス「」サッ

苗木「」ツカツカツカ

苗木「」ガシッ

セレス(引っぱたくおつもりですか…まあ、仕方ないですわね。この行動本当の意図は読み

取れません。読み取られてはいけないのです)

苗木「一つ約束してほしい」

セレス「はい」

苗木「こういう冗談はこれっきりにしてくれ。すごく心臓に悪くて」

苗木「もうホントに…」

苗木「びっくりして…死ぬかと思ったじゃないか…」ヘナヘナ

セレス「わかりました…もう言いませんわ」



苗木「本題に入ろうか。セレスさん、説明してもらえる?」

セレス「今回のことはモノモノマシーンから始まったのです」











苗木「じゃあ皆がこんな風になってるワケって…」

セレス「これは推測ですが、おそらく、わたくし達がその薬を飲んだせいかと」

江ノ島「なんつーか、あたし運がよかった感じ?」

苗木「かもね。セレスさん、どうなの? 僕らに飲ませたのは何か理由が?」

セレス「苗木くんは幸運の持ち主ですから。江ノ島さんは特にありませんわ。誰でもよか
ったのです」

モノクマ「イヤッホーウ!」

セレス「今度はなんですの?」

モノクマ「さすがセレスさん! だいせいかーい!」

モノクマ「補足すると、他のみんなはインフルエンザなんかじゃない。もっと恐ろしいウ
イルスに感染しちゃてるのだー およよ…」

苗木「インフルエンザより恐ろしい…」

モノクマ「そう。名付けてモノクマウイルス! それが発生するにはある条件が必要だよ」

セレス「三人が、あの妙な薬を飲むこと、ですか?」

モノクマ「そうそう。 あれはモノクマワクチンといって、モノクマウイルスから守って
くれる頼もしい薬なんだよ」

苗木「ま、待ってくれ。インフルエンザじゃないってことは…ふつうに看病しても治らな
いってこと?」

モノクマ「あ、気付いちゃった?」

セレス(なんとか治す方法を聞き出さないと…)

セレス(悔しいですが…ここは下手に出るしか)

セレス「ではどうすれば治るのですか? 言ってくれますよね?」

モノクマ「え? なんだって?」

セレス「」イラッ

モノクマ「あ、ちょっと用事思い出しちゃった」

苗木「おい、待て!まだ話は…」

モノクマ「バイバーイ」ヒュッ

セレス「肝心なところになるとこれですわ」

苗木「まずいよ…それにインフルエンザより恐ろしいウイルスって一体…」

江ノ島「普通に考えればさー やっぱ死んじまうってことっしょ? インフルではしなね
ーしさ」

セレス「その線が一番有力ですね」

セレス「その前に治療方法を考えましょう」

苗木「一番考えられるのはやっぱり」

セレス「薬、ですわね」

江ノ島「ちょ! じゃあそれモノモノマシーンで引かなきゃなんないってこと?」

セレス「そうとは限りないでしょう…アホですかあなたは」

江ノ島「アホってあんたね…」

苗木「と、とりあえず話を進めよう。とりあえず学園内を回ってみよう。なにか手がかり
が見つかるかもしれない」

江ノ島「そーだね。ワクチンのおかげでウイルスうつらねーことわかったし」

苗木「うん!よしじゃあさっそく」

セレス「お待ちください」

江ノ島「あ? どした?」

セレス「もう少し、様子をみませんか?」

苗木「な、何言ってるんだよセレスさん。早く助けないとみんな」

セレス「だからこそです」

苗木「意味が分からないよ…ちゃんと説明してくれるかな」

セレス「いいですか。私たちが初めに言われたことを思い出してください」

江ノ島「コロシアイをしてなんとかってやつ?」

セレス「そうです。もし私たちを除いた13人がいなくなれば一気に人数が減ります。そ
うすれば残りは三人です」

セレス「人数が減ればその分、コロシには慎重になるはずですから、適応するにはうってつけといえます」

セレス「残ったこの三人だけで穏やかな暮らしを送るのです!」

苗木「待って。適応って、セレスさん、脱出したくないの?」

セレス「初めはそう思っていましたが気付いたのです

セレス「出たい出たいと思えばモノクマの思うつぼだと」

セレス「全員が脱出を諦め、この生活に適応すれば穏やかな日々が送れる…」

ノ島「だからって…ミゴロシにするってのは」

セレス「コロシていませんわ。そう。彼らはただ」

セレス「運が悪かっただけですわ」







苗木「言いたいことはわかったよ」

苗木「けどねセレスs」

モノクマ「モノクマ、またまた登場―!」

モノクマ「おやおや、そんな言葉づかいしていいのかなー?」 

モノクマ「大事こと教えようと思ったんだけど、やっぱしやめようかなあ?」

江ノ島「…」チッ

セレス「早く言いなさい」

モノクマ「まず治療法についてはだいせいかーい!そう。薬を飲ませれば治りまーす」

セレス(それくらい小学生でもわかりますわ)

ノクマ「で、セレスさん、このまま放っておこうって言ったけど」

モノクマ「放っておいたらエライことになっちゃうよ? いいのかなー?」

セレス「死ぬ、のでは?」

モノクマ「もう、勝手に決めないでよー。確かにインフルエンザより恐ろしいって言った
けどそんな単純じゃないんだよねー」

江ノ島「死ぬよりも恐ろしいことっつたら…なんだよ」

モノクマ「シンキングタイムは10分です!チクタクチクタク」

セレス「いいから早く言えってんだよ!ちょん切るぞクソガキィ!」

苗木「へ? せ、セレスさん?」

モノクマ「こわ! し、しかたないなーガクガクブルブル」

モノクマ「オッホン! 端的に言うと」

モノクマ「発狂しちゃいます!」

苗木「気が狂うってこと?」

セレス「具体的にはどうなるのですか?」

モノクマ「もう大暴れしちゃいます。並みの人間では止められないくらい暴れます。ひょ
っとしたら死人がでるかもねー」

モノクマ「というわけでセレスさんの策略は無理なんだ。残念だったねー」

セレス「…フッ…治療するしか…道はないのですね」

モノクマ「そういうこと」

モノクマ「ねえセレスさん、このゲームの本質は変わっちゃってるんだよ」

セレス「どういう意味ですか?」

モノクマ「最初は生徒同士のコロシアイ、という構造だったでしょ?」

モノクマ「でも君たちがワクチンを飲んだ瞬間にその構造は変わった」

モノクマ「生徒全滅か。全員生きるかの二択」

モノクマ「うーん。わかりやすいね。ぼく好みだね」

セレス「奇遇ですわね。わたくしも同じことを感じました」

苗木「待って!モノクマ!今なんて言った?」

ノクマ「へ? 生徒全滅かだっしゅ」

苗木「それはおかしいよ。僕らはワクチンを飲んだはずだろ? なんで全滅になるんだよ」

モノクマ「苗木くん、君はボンヤリしているようで案外鋭いね」

モノクマ「実はモノクマワクチンにも持続時間があります」

モノクマ「。一定時間たつと効果がなくなり…」

江ノ島「うつっちゃう…」

モノクマ「そう。 全員死ぬか、全員助かるか。 その中間はあり得ません」

セレス(そんな大事なことを今頃…)

モノクマ「じゃ、ご武運を!」ヒュ

セレス「」ガタッ

スタスタスタ

苗木「? セレスさん?」

江ノ島「セ、セレス…あのさ…」

セレス「何をしているのですか? 早くついてきなさい!」

苗木「セレスさん…」パァァァァ!

苗木「うん! 行こう!」

セレス「といったものの…」

セレス「はて、どこをどう探せばよいのでしょうか」

セレス「苗木くん、電子生徒手帳を出してください」

苗木「え? どうして?」

セレス「まず学園内を俯瞰して、だれがどこを探すか決めましょう」

セレス「ワンフロアだけですから、くまなく探せばすぐに見つかるはずです」

苗木「ああ、なるほど。 わかった」ゴソゴソ ポチポチ

江ノ島「セ、セレス、あのさ…」モジモジ

セレス「なんでしょう江ノ島さん」

江ノ島「あ、あのさっきはごめんね。早とちりして…殴りかかってさ」

セレス「ああ、そんなこと」

江ノ島「そんなことって」

セレス「別にかまいませんわ。慣れてますから」

江ノ島「何か格闘技やってたの?」

セレス「ギャンブルをしていますと、自然と身につくものです」

セレス「負けた腹いせに殴りかかってくる者」  

セレス「イカサマを指摘すると逆切れしてくる者」

セレス「そんな野蛮な者たちが多くいる世界ですから」

江ノ島「な、なんかすごいね。 大和田や大神が霞んじゃうって感じ?」

セレス「あの方々はまだかわいいものです。 かわすだけでいいならわたくしだって勝てますわ」

江ノ島「ほえー」

セレス「江ノ島さんこそ、かなり拳でしたわよ。蹴りのスピードも女性のそれとは思えませんでした」

江ノ島「あ、ああああ…ギャルは喧嘩なれしてっから! キャハハハ!」

苗木「江ノ島さん!セレスさん!」

江ノ島「な、何?…チョービビるんだけど」

苗木「これ!みてよ!」

セレス「…これは…」

セレス「通れるエリアが増えていますわ」

苗木「どうしてこんな時に限って…モノクマの奴…」

江ノ島「な、なに? 意味わかんない」

セレス「アホですかあなたは。いいですか、閉鎖されたエリアがすべて解放されたわけです」

セレス「ワクチンを見つけなければならないわたくし達からすればどうなります?」

江ノ島「探す範囲が増える!」

セレス「そうです。まったく…こうしている間にも病状は進行しているというのに…」

苗木「皆急ごう! えっとまず」

ガシィ!

江ノ島「ひゃああああ!」

苗木「!?」

セレス「あら、あなたは」

江ノ島「き、霧切…あせった…」ドキドキドキ

苗木「霧切さん! 大丈夫なの?」

霧切「大丈夫よ。少し体も軽くなったから」

苗木「そんなはずないよ。この病気はただの風邪じゃないんだ」

霧切「やっぱりそうだったのね。うすうす感じていたけれど」

苗木「だったらどうして」

霧切「さっきの話聞いたわよ。人数が必要なんでしょう?」

霧切「私は万全とは言わないけど、動けるから。 それに…」

霧切「自分のために誰かが苦労するなんて…耐えられない」

苗木「霧切さん…」

セレス ツカツカツカ

セレス ズイッ

霧切「な、何よ…」

セレス ビュォ!

江ノ島(ちょ! なんで殴るの?)

バシィィィィ!







セレス「フッ……本当に、大丈夫のようですね」

霧切「あら、一発だけなの? 次は目をつぶっていてもいいけれど」

セレス「またの機会に」

モノクマ「モノクマ登場―!」

霧切「どういうつもりなの…」

モノクマ「文句ならこの三人に言ってよねー。 そもそもの発端なんだからー」

霧切「…ま、いいわ。なんか用かしら」

モノクマ「やっとやる気になったようだし詳しい説明を!」

モノクマ「えー学園園内のどこかに、モノクマウイルスを除去する、ハイパーモノクマワクチンが隠されています」

苗木「ハイパー?」

モノクマ「そう。君たち三人が飲んだのは持続時間3時間ちょっとのワクチン」

モノクマ「ハイパーモノクマワクチンは一年間なのです!はい拍手―!」

江ノ島 ペチペチペチ

セレス「ここまで来るとトンデモ科学ですわ…胡散臭い」

モノクマ「探さないならそれでいいよ。僕はどっちでも構わないしー」

苗木「皆! とりあえず探しに行こう」

セレス「では苗木くんは5階と四階。江ノ島さんは三階、わたくしが二階。霧切さんが一階」

苗木「よし!」タッタッタッ

江ノ島「オッケー! じゃあーねー」タッタッタッ

霧切「じゃあ私も探そうかしらね」

モノクマ「うぷぷぷぷ…言い忘れてた…」

霧切「何かしら?」

モノクマ「モノクマウイルスってさー安静にしてないと進行が早まるんだよね」

霧切「…かまわない。私は探し出す」

モノクマ「ならいいけど。バイバーイ!」ヒュッ




霧切「セレスさん、何しているの?」

セレス「部屋に…」

セレス「部屋にお戻りなさい!霧切さん」

霧切「大丈夫と言っているでしょう。動くことはできるし」

セレス「いいから戻りなさい!」

セレス「霧切さん!」ガシッ

セレス「あなたのために言っているわけじゃありません。」

セレス「考えてみてください。探している最中にウイルスが回ったらどうなりますか?」

霧切「……」

セレス「あなたが動くということは、探している苗木くん、江ノ島さんを危険にさらすということなのですよ?」

霧切「そうね。私少し無神経だったかもしれない」

セレス(本音を言えば霧切さんにも探してほしいのです。人数がいれば、一人あたりの負担も減りますから)

セレス(しかし…やむをえないでしょう。一人でも発狂すれば全滅も当然ですから)

霧切 ツカツカ

セレス「へ?」

霧切「部屋には戻らないわ。ここで待ってる」

セレス「どういうことですか?」

霧切「この階には必ずある。 あなたならわかるはず。見つけたらすぐに持ってきてほしいわ」

セレス「…」

セレス「っ…」タッタッタッ






セレス(早くやっておきたいことがありましたが…)

セレス(後回しです。いまは霧切さんを回復させないと)

セレス(それにしてもなんでしょうこの違和感)

セレス(どうしてわたくしは…)

セレス(誰かのために走り回っているのでしょう…)



ガラッ

ガチャンガチャン

ガチャン

セレス(!)

セレス(ハイパーモノクマワクチンのラベル…!これは飲み薬のようですね)





霧切「早かったじゃない」

セレス「こう見えてもすばしっこさには自信があるのです」

霧切「やっぱりあそこにあったのね」

セレス「ええ」

セレス「木を隠すには森。 保健室の棚に隠されていました」

セレス「さあ、早くお飲みになって、残り14本を探しましょう」

霧切 ゴキュッ

二階~

コツコツコツ

ガチャ バタン

セレス(この部屋にもありませんでした…)

セレス(どこかに隠し扉でも…)

セレス(もしそうならお手あげですわ…)

セレス(この階はひとまずあきらめて、三階に行ってみましょう)

三階~

コツコツコツ

江ノ島「うわあああ!」

江ノ島「セ、セレス?」

セレス「そこまで驚くことですか? まったく失礼ですわ」

江ノ島「あ、あんたが黒っぽい服着てるから悪いんだろ! マジ不気味だってそれ!」

セレス「あなたが臆病なだけでしょう。それはそうと、ワクチン
ありましたか」

江ノ島 フリフリ

セレス「そうですか。やはり隠し扉の可能性が」

モノクマ「あーはっはっはっ!」

江ノ島 ビクッ!

モノクマ「隠し扉ぁ? あんたバカぁ? そんなのあるわけないじゃん!」

セレス「嘘じゃありませんね?」

モノクマ「本当だよ。ぼくはクマ一倍正直者なんだから」

モノクマ「そこの江ノ島さんが間抜けなだけなんじゃないの?」

モノクマ「じゃあこれでー!」ヒュッ

セレス「フッ…」

セレス「もう一度探してみましょうか」

江ノ島「あ、あたしはちゃんと探したっつーの!」

コツコツコツ

コツコツコツ

セレス「美術準備室…入ってみましょう」

江ノ島「だからさあ、ないんだって.」

セレス ガラッ

江ノ島「セーレースー」

セレス「…」ピタッ

セレス クルッ ツカツカツカ

江ノ島「? な、なんだよ…」

セレス「ようやく…二人きりになれましたね。江ノ島さん」

江ノ島「は?」

セレス「初めて会ったときからあなたにときめいておりました」

江ノ島「セ、セレス?」

セレス「ねえ江ノ島さん。 ワクチンなんか放っておきませんか」ガシッ

ドタンッ

江ノ島「いっ…」

ギュッ

セレス「フフフ…かわいい…」

江ノ島 「~!」ゾクゾクゾクゾク

セレス「わたくしあなたのような顔立ちが好みなんです。 すこし派手めな方が」

セレス「江ノ島さん…目を閉じて…」

江ノ島「あっ…ちょ!やめ…」

セレス ズズズズズ

江ノ島「ひゃあああ!」ドンッ

セレス「フフフフフ」

江ノ島(足、絡められてる!?)

江ノ島「…っ…」

バサッ……




江ノ島「わ、わたし。ほんとはこんな顔なの!そばかすだっていっぱいある。胸だってちっさい。盾子ちゃんみたいにかわいくないの!」

セレス「…」

江ノ島「あ…」

セレス「フフフフフ…そういうことでしたか…」


セレス「江ノ島さん、この私を騙し通そうなんて身の程知らずもいいところですわ」

江ノ島「な、何言ってるワケ?」

セレス「ではあの常人離れした格闘術は?」

江ノ島「だから言ってるじゃん!ギャルは喧嘩慣れしてっからさ」

セレス「私が相手をしてきた者たちは、暴力団員もおりましたわ。あなたの拳はその者を凌駕しておりました」

江ノ島「そ、そいつが弱いだけでしょ」

セレス「そうですか。ではさっき言った、じゅんこちゃん、とは?」

江ノ島「それは…それは・・・」

セレス「ハァ…」

セレス「あきらめの悪いかたですね」

セレス「大体の事情はもう分かっています」

セレス「あなたはモノクマと通じている。こういうことなのでしょう?」

江ノ島「フッ…」

江ノ島「警戒すべきは、霧切じゃなくてあなただったのねセレスさん」

戦刃「そう、私は江ノ島盾子じゃない」

戦刃「私は戦刃むくろ。超高校級の軍人」

戦刃「まさか、セレスさんに見破られるなんてね」

セレス「わざわざ下品な芝居をした甲斐がありました」

戦刃「し、芝居…」

セレス「あなたに自白させるために、わざと接吻を迫ったのです」

セレス「ああ、もう汚らしい。戦刃さん、あなたはちゃんと歯を磨きなさい」

セレス「あなたの口臭、ひどかったですわ」

戦刃「え? そうなの?」

セレス「それはそうと教えて下さる?」

セレス「ワクチンのありかを」

戦刃「…」

戦刃「今はもう」

戦刃「知らない」

セレス「今はもう?」

戦刃「説明してもいいかな? できるだけ手短になるようにするから」

セレス「どうぞ」

~~~~~~
戦刃(とりあえず三階来たけど…)

戦刃(ワクチン、私が持ってるんだよね…)

モノクマ「おねえちゃん」

戦刃「あ、盾子ちゃん」

モノクマ「ちゃんと持ってるよね? ワクチン」

戦刃「うん! ウィッグの中に隠してあるよ」

戦刃「探しても永遠に見つかることはないね!」

モノクマ「ちょっとそれ、私が預かるから。貸して」

戦刃「え?」

モノクマ「セレスさんがさ、意外と鋭くて。だから隠し場所変えちゃおうよ」

戦刃 サッ

モノクマ「うん。ありがと。じゃあまた」

戦刃「待って!」

モノクマ「何?」

戦刃「一本だけ頂戴。 わたし、ワクチン飲んでおきたいし」

モノクマ「は? 何言ってんの?」

戦刃「だから」

モノクマ「敵にそうそう飲ませるわけねえだろバーーカーーー!」

戦刃「へ? 盾子…ちゃん…?」

戦刃「敵って…あたし…」

モノクマ「おねえちゃんさあ…人の話聞きなよ」

モノクマ「生徒全滅か、全員助かるか。っていったでしょ」

戦刃「それが?」

モノクマ「うぷぷぷ…一応君も生徒なんだ。君も彼らと同じ立場ってわけ」

戦刃「そんな…」

戦刃「じゃあわたしにセレスさんのところに行くように指示したのは?」

戦刃「優先的にワクチンを飲ませるためじゃないの?」

モノクマ「おねえちゃんがたまたま近くにいただけだよん」









モノクマ「うぷぷぷ…いいよいいよ」

モノクマ「ひどい現実を知って絶望に落ちたその表情…そそるねえ~」

モノクマ「じゃあ、頑張ってねー」ヒュッ
~~~~~~~~~

セレス「それで、どうしてあなたはここをうろついていたんですか」

戦刃「盾子ちゃん、ここにいろって言うし」

セレス「それをバカ正直に守るんじゃねえよ! モノクマが何かするにきまってんじゃねえか!」

戦刃「ひっ!」

セレス「まあいいでしょう。つまりワクチンのありかはモノクマしか知らない、と?」

戦刃 コクリ

セレス(まずいですわ…このままでは…全員)

戦刃「でもねセレスさん」

セレス「何か?」

戦刃「隠すとき、全部ウィッグに入りきらなくて」ゴソゴソ

セレス「なんと」

戦刃「一本だけ、ブーツの中に」

戦刃「セレスさん、使っていいよ。もうワクチンの効果は切れてる頃だし」

セレス「……」

セレス「いえ…感染している人から優先しましょう」

コツコツコツ
タッタッタッタッ

苗木「セレスさーーん、江ノ島さーーん」

戦刃「!?」

苗木「セレスさん、えの…」

苗木「きみ…だれ?」

セレス「ああ、この方は」

戦刃「待って」

戦刃「自分で話す」







苗木「じゃあモノクマを見つけて、教えてもらわないと」

セレス「教えるはずがないでしょう。でもまあ手がかりは用意してくるはずです」

セレス「なんだかんだ言ってフェアですから」

セレス「とりあえず、一階に降りましょう。霧切さんが何か分かったかもしれません」

モノクマ ヒョコ

セレス「あら、噂をすれば」

モノクマ「噂してたの? ハクション! どおりでクシャミが」

セレス「くだらないジョークはおやめなさい。何のようですか」

モノクマ「うぷぷぷぷ…」

モノクマ「うぷぷ…」

モノクマ「アーーッハッハッハッハッ!」

苗木「お、おい」

モノクマ「おねえちゃんからワクチンを奪ったあとね、ひらめいちゃったんだ」

モノクマ「最高にたぎるショーをさ」

モノクマ「うぷぷぷ…一階に下りればすべてがわかるよ…」

一階~~食堂前

コツコツコツ

コツコツ

苗木「えっ!」

戦刃「ええっ!」

セレス「あら」

霧切「皆、事情は分かる? 分かるなら説明してほしいわ」

苗木「僕らは、一階にこいと言われただけで何も」

舞園「苗木くん! 無事だったんですね」

桑田「おい、おれら一体どうしちまってたんだ?」

石丸「くそ、うかつだった。こんな時に発熱を…」

霧切「だから熱じゃないと言っているでしょう」

大和田「つーかよ。誰なんだよこいつ」

ジロッ

戦刃「…わたしは…戦刃むくろ」

戦刃「モノクマ…いえ、江ノ島盾子の、元内通者」

霧切「…内通者…じゃあ今回のこと、すべて知っていたの?」

戦刃「説明する。この学園にくる前のことも。今回のウイルス騒動のことも」

大和田「ふざけんな。こんな話どう信じろってんだ」

霧切「戦刃さん、残念だけど。証拠も何もない限りは…」

戦刃「……」

戦刃「うん…まあうすうすこうなると思ってた…」

うぷぷぷぷ…

うぷぷぷぷ…

セレス「あら、おいでなさいました」

モノクマ「いやーもうかわいそうになってくるね。おねえちゃんの人望のなさには」

戦刃「…」

モノクマ「みんな、信じてあげなよ。 その子の言っていることウソじゃないよ。僕が保証する」

桑田「おめえが保証すればますます怪しいんだよ」

モノクマ「しっつれいな! ぼくはクマ一倍正直なんだよ」

モノクマ「じゃあ教えてあげよっか。まず大和田くん」

大和田「あぁ?」

モノクマ「君はお兄さんが~~」

~~~

~~~
~~~

モノクマ「霧切さん、その手袋のしたは、やけどの跡だよね?」

モノクマ「山田くん~」

モノクマ「桑田くん~」

霧切「ほんとうかもしれないわ。戦刃さんのいうこと」

桑田「けどよぉ」

舞園「あの、一応信じてみませんか。ここで議論しても結論はでませんし」

セレス「舞園さんの言うとおりですわ。モノクマ、ほかに話があるのでしょう?」

モノクマ「そうそう。皆をここに集めたのは最高のショーをするためさー」

モノクマ「ルールは簡単。 君たちが勝てばここから脱出。負ければ残る」

セレス「勝ち負けはどのようにして…?」

モノクマ「すぐにわかる」

モノクマ「ああ、おねえちゃん!これ持っておくといいよ」ポイッ

戦刃「これ…ハサミ…?」

ガシャアアアアアアアアン!

セレス「!」

ズンズンズンズン

ドスドスドスドス

霧切「…」

葉隠「ええええええ! やべええええ!」

朝日奈「あ…あ…」

大神「ガルルルル…ウウウウ…」

モノクマ「名付けて、大神さくら、モノクマウイルスバージョン!」

セレス「ウイルスが発症したのですか」

苗木「よりによって大神さんが!?」

大神「ウガアアアアア!」

ドガアアアアアアアンン!

苗木「うわっ…」

桑田「壁がえぐれやがった…」

モノクマ「うぷぷぷ…まあなんとかして」ヒュッ


朝日奈「さくらちゃん!」タタタタタタッ

大和田「お、おい」

朝日奈「あたしだよ!わかる? お願いやめて」

大神「ウウウウウ…」ピタッ

朝日奈「さくらちゃん。分かってくれたの?」

ブォッ

朝日奈「え」

戦刃「っ・・・」タタタッ

バチーン



苗木「戦刃さんっ!」

朝日奈「うそ…」

戦刃「朝日奈さん…けが…ない…?」

桑田「葉隠ェ! 貸せ!」

葉隠「おいっ!」

桑田「食らいやがれ化物ォ!」ビュォォォォ

パシッ

桑田「あ、あれ…?」

大神 ビシュッ!ゴオオオオオオオ

舞園「ひっ!」サッ パリーン

大神「オオオオオオオオ……」

葉隠「あがががが…お、おれの…水晶玉がががが…」

セレス「みなさん、玄関ホールへ行ってください。ここは危険です」

大和田「はぁ? 逃げろってのか?」

セレス「わたくしと戦刃さんが残ります。みなさんは玄関ホールで出る準備を」

苗木「セレスさん、何言ってるんだよ。ここはみんなで」

セレス「雑魚はスッコンでろってんだよ!ビチクソォ!」

苗木「なっ…」

霧切「仕方ないわね…セレスさん、本当に、お願いね」

セレス「お任せください」




セレス「さて…」コツコツコツ

戦刃「セレスさん、どうするの?」

セレス「一本だけワクチンが残っていたはずですね」

戦刃「あ、」

セレス「それを飲ませればまだ助かるはずですわ」

大神「ウガアアアアア!」バゴオオン!

セレス「っ…」

戦刃「あれにどうやって…」

セレス「……」

セレス「戦刃さん、わたくしが」

セレス「囮になりますから。あなたは後ろからワクチンを飲ませてください」

戦刃「…」

セレス「何をまわよっているのですか。方法はそれしかありません」

戦刃「了解」



セレス ツカツカツカ

セレス「さあ、おいでなさい!」ピタッ

大神「ウアアアアアアア!」ビュォオオオン!

セレス サッ

セレス(早いっ…さすが地上最強の生物…)

ビュッ ビュッ ビュッ

セレス サッ サッ

セレス(ダメです。かわしきれません)

ザシュッ

セレス「うっ…」

戦刃「セレスさんっ!」

大神「ウウウウウウウ…」

セレス「」スクッ

セレス(フフフフフフ…)

セレス(どうしてなんでしょう)

セレス(怖いはずなのに…)

セレス(逃げたいとはおもいません…)

戦刃「セレスさんっ!あぶなーーーい!」

大神「ウガアアアアアアア!」

大神 ガシッ

セレス「うっ…」

大神 ヒョイ

セレス(首を掴んで…)

セレス(息が…くるし…)

大神「ウウウウ…う…」

セレス(?)

戦刃「ああああああっ!」ギリギリギリ

セレス(戦刃さん…ネクタイで…後ろから…)

セレス(大神さんの首を…)

セレス ドサッ

戦刃「セレスさん…飲ませて…早く」

セレス「!」

セレス「えいっ!」ビシュ

大神「むぐっ…む?」

大神 ヘナヘナヘナヘナ

ドシャアアアアン

戦刃「!」

セレス「やりまし…たか…」

戦刃「」ハァハァハァ

セレス「大神さん…息は…ありますね…」

戦刃「セレスさん…ありがとう…」

セレス「あなたこそ、いい機転でしたわ」

セレス「まさかネクタイを使うなんて」




大神「」ムクッ

大神「ここは…」

セレス「大神さん…おはようございます」

大神「セレス、む? だれだ貴様は」

戦刃「説明は後…」

セレス「さあ大神さん、玄関ホールへ行きましょう」

セレス「みんな待ってますわ」

大神「なんだと? 脱出できるのか?」

セレス「まあ…そういうことですわね。さあ!」

戦刃「結局このハサミ、なんだったんだろ…」

ピッピッピッピッピッ…

セレス「?」

ピッピッピッピッピッ

戦刃「なに? なんなの?」

大神「どうやら…我の服の下から…」ゴソッ







セレス「…っ!」

戦刃「ば、爆弾?」

ピッピッピッピッ

セレス「時限式…あと30秒ちょっとです」

戦刃「まさかこのハサミって・・・」

セレス「この二本のコード、どちらを切断するのですね」

ピッピッピッ

大神「おのれ…モノクマ…」

セレス「苗木くんがいれば…彼なら…」

戦刃「セレスさん!」ガシッ

戦刃「セレスさんはギャンブラーでしょ? 運なら苗木よりセレスさんのほうが上だよ」

戦刃「セレスさん! 切って。 セレスさんが失敗したならわたし…悔いはない」

ピッピッピッ

大神「あと十秒だ。セレス…頼む」

ピッピッピッ

戦刃「セレスさんっ! 早く!」

ピッピッピッピッ

ピッピッピッピッ

パチンッ

セレス「っ……」

ピピピピピピピ

ドカアアアアアンン

戦刃「ひゃあああああ!」







戦刃「あれ?」

セレス「このスピーカーからの音です。悪趣味な演出ですわ」コツコツ

戦刃「」ドキドキドキ

セレス「どうやら成功したようです。さあ今度こそ行きましょう」スクッ

大神「セレス、その頬の傷はどうした?」

セレス「ああこれですか…」

セレス「少し」

セレス「転んだだけですわ」

苗木「皆!無事だったんだね」

朝日奈「さくらちゃあああああああん!」ワーワー

大神「朝日奈よ…すまなかったな…」

戦刃「……」フゥ

霧切「セレスさん、やってくれたのね。ありがとう」

セレス「いえ。わたくしは何も

セレス「みなさん、お礼なら…」

セレス「そちらの…戦刃さんに」ニコッ

大和田「まあその…ありがとうよ…」

霧切「ありがとう」

桑田「サンキューな」

舞園「ありがとう」

十神「ふん。貸しは作らん主義だからな。すぐに返すぞ」

苗木「戦刃さん、ありがとう」

戦刃「あ…あ…」

セレス「何を泣いているのですか。まったく」




苗木「ねえセレスさん…ここでたらその…」

セレス「なんですか?」

苗木「きみについて行っていいかな? セレスさんといればきっと…その…」

戦刃「できるなら、わたしも一緒にいいかな、セレスさん」

セレス「何をモジモジしているのですか。気色悪い」

セレス「二人とも…お好きになさい」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

お わ り

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