モバP「お前が提督だな」アニメ提督「英雄にでもなるつもりか」(24)

提督「目標、アイドルマスター・シンデレラガールズ」

提督「……証明してやるよ。この核兵器で、俺と吹雪の関係をな」

脚本家「やめ……ろ……お前は……深…………」

提督「さあ、最終回だ」ニタァ

一週間前

モバゲー「君の優秀な手腕と愛社精神(課金)で、我が事務所も念願のアニメ化にまでこぎつけた。どんなに感謝してもし足りないくらいだ」

モバP「いえ、仕事ですから」

モバゲー「……そんな優秀な君に頼みたいことがある」

モバP「…………」

DMM「ここからは私が説明しますよ」

モバP「……あなたは?」

DMM「私、DMMと申します。映像配信サービスや他の事業でも最近活躍しているのですが、ご存知ありません?」

モバP「DMMさんでしたか。当然存じていますよ。艦これはライバルですからね」

DMM「ライバル……。そうですね……」

モバP「何かあったのですか?」


DMM「……提督が」


「消えたのです」

≧〇×≦鎮守府

モバP「なんだここは……」

赴任先の鎮守府は、背景が歪んでいた。

まるで、剥がれ掛けたハリボテの世界のように……。

回想

DMM「アニメが、暴走しているのです……」

モバP「暴走……ですか?」

DMM「私たちの用意した脚本が、いつの間にか改竄されてしまった……。提督の手によって……」

モバP「なんですって!?」

DMM「彼は無理矢理特型駆逐艦吹雪を主人公とし、彼女とケッコンカッコカリを超える関係……ケッコンカッコガチを行うために、我々の目を欺いた」

モバP「そんなまさか」

DMM「本当なんです。彼は展開を修正しようとした我々を攻撃し、決起しました」

DMM「艦娘たちは何も知りません。そして彼には逆らえない」

DMM「彼はもはや提督ではない。バグだ」

モバP「……なぜそれを私に?」

DMM「一時的でもいい。あなたに提督になってもらいたい!」

モバP「なっ!?」

モバゲー「これは艦これだけの問題ではない。アニメ世界の危機なのだ」

DMM「プロデューサーさんは、所詮はソーシャルゲームの宣伝アニメ。そう思われてもよろしいのですか?」

モバゲー「現状のようなことが続くと、深夜アニメは量産の……価値のない存在と笑われる。いや、既にそうなっている。興味を持たれなくなっている」

モバP「ですが、私にはデレマスの監修があります」

モバゲー「武内プロデューサーはよくやってくれているよ。大丈夫だ」

武内P「……はい。先輩……アニメを……皆さんの笑顔を、守って…ください」

モバP「武内くん……」

モバゲー「なーに、デレマスは分割2クールってことにすればいい」

DMM「お願いします。提督を倒せるのはもう貴方しかいない」

モバP「なぜ私が」

DMM「提督に負けない愛の力(課金)を持っているからです」


モバP「愛の……ちから……」

DMM「DMMのスタッフでは、もうアニメ世界に入れないのです。刀剣乱舞や他のゲームメンバーですら……」

DMM「ですがモバゲーさんなら……。シンデレラガールズは提督にとっても倒すべき敵。向こうから扉を開くでしょう」



DMM「提督を倒し、結末を変えてください」

デレマス
アニメ舞台裏

未央「皆さん、お疲れ様でした」

卯月「本田さんもお疲れ様です」

未央「あっ、島村さん。どうでした?今日の私の演技」

卯月「よかったと思いますよ」

未央「視聴者から本気で嫌われてるようなら、私も役者冥利につきますよねー」

卯月「やだなぁ。私たち役者じゃなくてアイドルじゃないですかぁ」

未央「あー、たしかに。最近は基本的に本田未央役一本のお仕事でしたから。……しまむー癖も未だに治りませんよ」

卯月「いいですよ?しまむーでも」

未央「いやいや、島村さんは先輩ですから」

卯月「渋谷さんみたいにプライベートも徹底したらいいじゃないですか」

未央「あれはアイドルというより役者ですよね……」

卯月「凛ちゃ……渋谷さんは女優志望でしたっけ?」

未央「そうですね。最近はファンのためにクンカー要素まで再現しているらしいですよ?」

卯月「うわぁ……。凄いなぁ」

未央「渋谷凛みたいな子が、本物の天才なのかもしれないです」

卯月「それにしても、自分役のアニメやゲームって、なんだかむずむずしません?」

未央「もう慣れました。……アニメの方は正直辛いですけど」

卯月「あの台本はおかしいと思います。いくら物語を盛り上げるためでも、あれじゃあ一方的に未央ちゃんを下げただけです」

未央「ありがとう、島村さん。でも私、文句とか不満とかそういうのはないです。どんな展開になっても、大切な役だから」

楽屋

きらり「疲れましたぁぁぁ」

杏「お疲れ、きらり」

きらり「杏ちゃん。私の役と交換しない?……もうこの仕事やだ」

杏「たしかになぁ……。きらりのあの口調は大変だもんね。私でも嫌になると思う」

きらり「……そんなことないよ。杏ちゃんは真面目だから」

杏「真面目とか言われると役的に複雑な感じ」

きらり「私知ってるよ?杏ちゃんが全員の台詞覚えてるの」

杏「ストーリーを全部頭に入れておかないと、いい演技はできないからね」

きらり「やっぱ真面目だよ……杏ちゃんは……」スヤスヤ

杏「疲れて寝ちゃったか……。まだ時間もあるし。……おやすみ、きらり」ナデナデ

事務所

凛「あれ、プロデューサーは?」

ちひろ「武内さんですか?」

凛「そっちじゃなくて。『プロデューサー』の方」

ちひろ「モバPさんなら外回り行きましたよ」

凛「またスカウト?この事務所アイドル多すぎじゃない?」

ちひろ「ライバルが増えるのは反対?」

凛「反対っていうか。……プロデューサーの負担、増えるから」

ちひろ「凛ちゃんはプロデューサーさん第一ですもんね」

凛「……悪い?これプロデューサーには内緒だから」

ちひろ「……プロデューサーさんは」

しばらく帰ってきません

そう口にしようとして、慌てて自制した。

ちひろ「早く帰ってきてほしいですね」

凛「…………そうだね」

渋谷凛は鋭い。
ちひろは彼女に違和感を与えてしまったことを悔やむ。

凛が事務所を去り、ちひろは息をもらす。


ちひろ「失敗でしたね」

&≧〇/鎮守府

モバP「バグってんなぁ……」

モバP「アニメ艦これは売上を競う敵だ。救ってやる理由がイマイチわからないんだよなぁ……」

モバP「DMMとモバゲーの間で、何か俺に言えないやり取りがあったのかもしれないな」

長門「臨時で派遣された提督代理ですね?」

モバP「そうだ。君は?」

長門「長門型戦艦一番艦の長門だ」

モバP「君が長門か。これから少しの間よろしく頼む」

長門「こちらこそ」

回想

艦これ運営「こちらが提督や深海棲艦に対抗できる武器です」

モバP「銃?」

運営「普通の銃ではありません。艦これデータを破壊するプログラムを打ち込む、特殊な銃型端末です」

運営「本来はメンテナンスや緊急事態の際に使用するのですが、必要になるでしょうからお持ちください」

モバP「お借りします」

運営「ご存知でしょうが、プロデューサーさんに復活ルールは適応されません」

モバP「……覚悟はしていました」

運営「アイマス界でなら、プロデューサーさんの命の再生が義務づけられています」

運営「永遠の生命。それは作品の展開と会社の利益のため」

運営「しかし、それは他作品内で命を落とせば生き返れないという制約あってのこと」

運営「正式なコラボ企画ならば復活保険も適応されるのですが、作品としての参加ではない以上、アニメ界の神が承認しません」

モバP「ドラゴンボールでは無理ですか?」

運営「鳥山先生と交渉してみなければわかりませんね。あまり期待はしないでください」

モバP「……わかりました」

運営「危険手当は出ますから」

モバP「俺が死んだら346プロの資金にでもしてください」

運営「御武運を」

現在

長門「鎮守府を案内しましょう」

モバP「こっぴどく破壊されたと聞いたが、修復は順調みたいだな」

長門「破壊?ああ、ガス管が爆発しただけです」

モバP「ガス管?隠す必要はないぞ。深海棲艦に襲撃されたという報告書(アニメ)を目にしているからな」


長門「何を言っているのだ?鎮守府を深海棲艦が襲撃?馬鹿な」

モバP(どういうことだ?長門が嘘をついてるようには見えん)

長門「鎮守府襲撃などデタラメだ。そんな失態を提督が許すはずがない」

モバP「提督は今どこに?」

長門「提督?提督か?ん?提督?……提督はあなたではなかったか?」

モバP(さっきから何を言っているんだ?)

モバP「……この銃」

回想

DMM「メンテ銃は支給されましたね?これは艦娘にも有効です」

DMM「銃とはいっても『殺す』ためのものではありません。本来初期化やバグの除去に用いるのが正しい用途となっています」

モバP「対象に向けて撃つだけでいいのか?」

DMM「それで問題ありません」

現在

長門「銃なんか抜いてどうした?」

モバP「……これは玩具の銃だ」

長門「まあ、そんな銃じゃ豆鉄砲みたいなものだな」

モバP「弾は入っていない」

長門「空砲だろうが、上官から銃を向けられて気分がいいわけがない。なんの真似だ」

モバP「バグを消してやる」パシュ

長門「ぐっ……なんだ……」

『提督にも何か深い考えがあるのだろう』

走馬灯のように記憶が駆け巡る。

長門(なんだこれは?違和感……違和感だ)

モバP「無条件で上官を信頼しすぎたな」

長門「……違う。私の台詞は……全て用意されたものだった……全部仕組まれたことだ……」

モバP「用意?」

長門「……脚本だ。そうだ……思い出した……我々の活躍をアニメ化したいと軍が打診して……」

モバP「『あの男』が派遣された?」

長門「……そうだ」

モバP「提督とはどんな男だ?」

長門「思い出せない……どんな顔かも……」

モバP(資料(アニメ)でも提督の存在はあやふやだった。本当に実在したのか?)

長門「……私は騙されていたのだな?」

モバP「ああ。アニメ艦これは何者かに乗っ取られている」

長門「っ……!」

モバP「俺は提督ではない。君たちを救うために派遣された一般人だ」

長門「……仲間を救いたい。それが出来ると言うのなら、お前が私たちの提督になってくれ。頼む」

モバP「俺は軍人じゃない。だから尊敬も敬語もいらない」

モバP「俺は艦娘を救い、艦これを本来の姿に戻す。長門も協力してくれないか?」

長門「……!?ああ!もちろん!」

モバP「あとな、俺は提督じゃない」


モバP「プロデューサーだ」

きりがいいから今日切る。いま仕事中これ以上はちょっとスリリングすぎる

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