ゆずこ「あいちゃんって唯ちゃんのこと好きなの?」 (81)

千穂「……え?ええっ!?」

ゆずこ「なんかいつも視線感じるなーって思ったらあいちゃんの視線で」

ゆずこ「もしかして私のこと好きなのかなーって思ったけど」

ゆずこ「よく見たら唯ちゃんの方向いてたから」

千穂「え、えっと……それは……///」

ゆずこ「へへへ〜、どうなのどうなの〜?」

千穂「あ、あの……私は……別に……///」

ゆずこ「ほらほら、今なら誰もいないからいいじゃんー」

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千穂「……ん……す、好きっていうか……もっと……仲良くなりたいって思うけど……///」

ゆずこ「好きなんだね」

千穂「の、野々原さん!」

ゆずこ「大丈夫だよ〜、唯ちゃんに言ったりしないから」

千穂「だ、だから〜」

ゆずこ「ねぇ、今度唯ちゃんの誕生日じゃん?」

千穂「う、うん」

ゆずこ「その時さ……告白してみれば?」

千穂「…………え?」

—教室—

唯「今日のテーマ何にする?」

縁「えっとー、昨日のテーマなんだっけー?」

唯「アレだろ、ほら、アレ…………」

縁「なにー?」

唯「……やばい……縁が感染した……」

縁「わぁい、唯ちゃんに感染〜」

唯「あ、いや、落ち込むところです縁さん」

ゆずこ「唯ちゃん、ゆかりちゃん!部活行くぜー!」

唯「おう、てかどこ行ってたんだよ」

ゆずこ「へへへ、ちょっと唯ちゃん羨ましいなーって」

唯「は?」

ゆずこ「ゆかりちゃん!今日のテーマ決まった?」

縁「んっとね、それ考えてたら昨日のテーマなんだっけって話になってー」

ゆずこ「え?昨日のテーマはアレでしょ?ほら……えっと………………」

唯「感染力やばいなー」

—部室—

ゆずこ「恋!!」

唯「んん!?」

縁「こい?」

ゆずこ「今日のテーマ恋にしようって言ってんですよ」

唯「うわ……なんかなー……」

縁「えへへ、来たよ〜ゆずちゃんっ」トトトッ

ゆずこ「おーよしよし」ナデナデ

唯「……なにしてんの?」

縁「え〜、だって今来いって」

唯「犬かなんかかっ」

ゆずこ「って違うよ縁ちゃん!恋だよ恋!」

縁「あ……あ、ああ〜」

唯「まだピンときてないのかよ」

ゆずこ「ね、いいよね!」

縁「も、もっちろ〜ん!」

唯「はぁ……なんかなぁ……?」

—————————————————————


唯「いやー、深かったなー」

ゆずこ「ホント、人間に生まれて良かったー!」

縁「私を生んでくれてありがとう、お母さんお父さん!」

ゆずこ「じゃ、まとめるぜー」

唯「うん、任せた」

ゆずこ「えっと……やっぱり……

———————————

恋・まとめ
『唯ちゃんは恋すべき』

———————————

唯「いつそんな話したっ」

ゆずこ「今思った」

唯「なんで思ったんだよっ」

ゆずこ「やっぱり女子高生のうちにそういう経験の一つや二つしといた方がいいって」

唯「女子高生が何言ってんだ」

ゆずこ「それに……恋する唯ちゃんって、絶対かわいいじゃん?」

縁「あ〜分かる〜」

唯「縁まで何言ってんだよ」

ゆずこ「さ!帰るよ縁ちゃんっ!」タタッ

縁「あ、うんっ!待って〜」タタッ

唯「あ!待て!……せめて消してからいけよ……」

唯「……ったく……」ケシケシ

唯「よし……代わりに何か書かないとな……」

唯「恋か……恋……恋……」

唯(……なんだろな、恋って……)

唯(今までずっとあいつらと一緒でそんなこと考える暇も無かった)

唯(男友達とかもずっといなかったし、ナンパされた時もうざいとしか思わなかった)

唯(さっき調べた情報によると、脳内でPEAっていうホルモンが分泌されて興奮状態になることを恋するって言うらしい)

唯(どうやって出すんだよ、PEA)

唯「うーん…………」

———————————

恋・まとめ
『恋はPEA』

———————————

唯「こんなところかな」

唯「さて……」


ガラッ


千穂「い、櫟井さんっ」

唯「え……相川さん?」

千穂「えっと……野々原さんに放課後部室来てって言われてて……」

唯「ああ、ゆずこに用事?それなら外にいなかった?」

千穂「それが……さっき階段降りていっちゃって……」

唯「えー……あいつ何やってんだよ……メールして呼び戻すからちょっと待ってて」

千穂「あ、いいの!」

唯「でも、ゆずこに用事あるんじゃないの?」

千穂「うんっ、ちょっと部活見に来ただけだから」

唯「そっか、ごめんね、今日はもう終わっちゃったんだ」

千穂「みたいだねー、テーマは何だったの?」

唯「はは……それがさ……」トントン

千穂「こ、恋!?」ドキッ

唯「ゆずこがいきなり提案してきてね」

千穂「へぇ…………これ……PEAって何?」

唯「んー、なんだろうな〜」

千穂「えっ?」

唯「……プリン・いいかげん・飽きた、とか?」

千穂「……た、食べすぎちゃったんだねっ、きっと」

唯「……そこはちゃんとツッコんで欲しかったんだけど……」

千穂「あ、ごめんなさいっ」

唯「さーて、あいつら先に帰っちゃったなら私達も帰ろっか」

千穂「う、うんっ!」

唯「電気消すよー」パチッ

千穂「……あ、あの、櫟井さん!」

唯「んー?」

千穂「……一緒に……帰っていいの?」

唯「あれ、一人で帰りたかった?」

千穂「ううんっ!二人で帰りたい!」

唯「あはは、良かった」

千穂「あっ!そ、その二人がいいってわけじゃなくて……今は二人しかいないからっ……///」

—帰り道—


唯「————って感じでいきなりテーマが決まって……」

千穂「あはは、野々原さんらしいね」

唯「らしすぎて困るっての」

千穂「それにしても恋かぁ…………恋…………///」

唯「あれ?顔赤いよ?」

千穂「な、なんでもないっ!」

唯「そう?」

千穂「……なんか意外だよね……櫟井さん達がそういうお話してるのって」

唯「あはは、そうなんだよ、誰も恋に興味ないくせに調べてたから全然実感わかなくてさ」

千穂「…………そう……なんだ……」

唯「相川さんは?誰か好きな人とかいるの?」

千穂「ふぇっ!?え、私!?」

唯「うん、相川さんって男子からすごいモテそうだから」

千穂「そ、そんなこと全然ないよっ!」

唯「じゃあ、好きな異性のタイプとかは?」

千穂「え……?えっと……異性だったら……んー……」

唯「…………だったら……?」

千穂「……あっ!や、優しい人がいいかな!やっぱり!」

唯「そっかぁ……でも、優しさに騙されちゃだめだよ」

千穂「……うん……気をつける……ね」

唯「相川さんってどっちかっていうと縁系だから……なんか……ちょっと不安」

千穂「……えへへ……大丈夫だよ」

唯「あ、相川さんこっちの道だよね」

千穂「……あ……うん……お別れだね」

唯「じゃあまた明日、学校で」

千穂「……うんっ、ばいばいっ」ニコッ

唯「あ…………」ドキッ

千穂「…………」タタタッ

唯(……やっぱ……可愛いなぁ……)

—ゆずこの家—

ゆずこ(お、そろそろあいちゃん達も家に着いたころかな〜?)

ゆずこ(電話しようっと!)


トゥルルルルル


ゆずこ「あーいちゃんっ!今日の帰り道、どうだった?」

千穂『野々原さん……あのね…………もう……告白はしないよ』

ゆずこ「え……?なんでなんで?」

千穂『…………今のままでいいから……たまに櫟井さんと話せるだけで楽しいから』

ゆずこ「唯ちゃんに何かひどいこと言われたの!?」

千穂『ううん、櫟井さんは普通だったよ』

ゆずこ「え……?じゃあ……」

千穂『……気持ち悪いって思われたくないから……』

ゆずこ「だ、大丈夫だよ、唯ちゃんがそんなこと思うわけ……」

千穂『……ありがとう、もう大丈夫だから……』


プツッ ツーツー


ゆずこ「ええええ……」

ゆずこ「唯ちゃん……!あんな可愛い子に想われといて何やっとんじゃー!」


トゥルルルルル


ゆずこ「唯ちゃんっ!おこだよ!」

唯『なんだよいきなり……』

ゆずこ「反省しなさい!」

唯『それはお前だろ、勝手に帰りやがって』

ゆずこ「んー?そのおかげで何かラッキーなことがあったんじゃないのかいー?」

唯『ラッキー?……いや、むしろアンラッキーだった』

ゆずこ「はぁ!?」

唯『あの後相川さんが来て一緒に帰ることになったんだけどさ、そのせいで帰り道に落ちてた500円玉拾えなかったんだよ』

ゆずこ「……はぁ?」

唯『一緒なのがお前らだったら遠慮なく拾うんだけどな』

ゆずこ「…………それ、どこ?」

唯『えっと……たしかコンビニちょっと過ぎたあたりのところ』

ゆずこ「ありがと!切るね!」

唯『あ、おい——』

プツッ

ゆずこ「待ってろよー!500円!」ダッ

翌日


千穂「……はぁ…………」

佳「相川ー?どうした?」

千穂「……え?な、なにが……?」

佳「さっきからため息ばっか」

千穂「べ、べつに、何でもないよっ」

ふみ「……あやしい」

千穂「怪しくないってばー」

佳「…………」

ふみ「……櫟井さん?」

千穂「えっ!?そんなに見てた?」

ふみ「ううん、いつも見てるのに今日は見てないから」

千穂「い、いつもも見てないよっ」

ゆずこ「唯ちゃんっ、今日のお昼はおごってあげよう!」

唯「おー、ずいぶん気前いいな」

ゆずこ「ふっふっふ、何せ500円の臨時収入が入ったからね」

唯「うわぁ、本当に取りに行ったのかよ……」

縁「えー、なになにー?ゆずちゃん秘密のアルバイトー?」

ゆずこ「もー、そんないかがわしいことしてないってー」

唯「すぐそういう方向に持っていくお前の方がいかがわしいわっ」

佳「櫟井、ちょっといい?」

唯「あ、岡野さん……?」

佳「ちょっと借りるな」

ゆずこ「おっけー、1時間3000円からね」

縁「わーお、秘密のアルバイトだー」

唯「だからそっち持ってくなって」

佳「んっ」ドンッ

唯「っと……相川さん……?」

千穂「櫟井さん!?」

佳「櫟井、うまくやれよ」

唯「……え?」

佳「長谷川、コンビニ行くぞ」

ふみ「いろ○す、みかん味ね」

佳「一緒に行くんだよ!」グイッ

ふみ「あう」

千穂「…………」

唯「お、岡野さんこれは一体……っていないしっ」

千穂「…………」

唯「……えっと……」

唯(うまくやれってなんだよ!なにすればいいんだよ!)

唯「き、昨日は変なこと聞いちゃってごめんね」

千穂「う、ううんっ、大丈夫だよ」ニコッ

唯「…………」

千穂「…………」

唯「こ、恋とかよくわらかないよね」

千穂「……そうだね」

唯「あははは……」

千穂「…………」

唯(あれ……なんか元気ない?)

唯(やっぱいきなり好きな人訊いたりしたから引かれたのかな……)

唯「う…………」モヤモヤ

唯(あー……なんだよこの感じ……)

ゆずこ「ゆーいちゃんっ!何話してんのっ」ダキッ

唯「うわあっ!」ビクッ

ガンッ

唯「痛ぁっ!」

千穂「だ、大丈夫!?」

唯「つくえっ……!手ぶつけたっ……!」プルプル

ゆずこ「あ、ごめん」

唯「ゆずこぉぉぉ……!」

ゆずこ「ひっ!?」

千穂「痛いの、ここ?」キュッ

唯「ぁ……」ドキッ

千穂「血は出てないみたいだけど……」ナデナデ

唯「う、うん……」ドキドキ

千穂「保健室行く?」サスサス

唯「だ、大丈夫だよ」

千穂「よかったぁ〜」ホッ

唯「……ぅっ…………」ドキッ

ゆずこ「おお〜、あいちゃんパワーすげー!」

唯・千穂「え?」

ゆずこ「私への怒りが見事に消えたー!」

唯「あっ!!」


ゴツン


ゆずこ「……言うんじゃなかった」

唯「とりあえず謝れ」

ゆずこ「ごめん」

唯「よろしい」

ゆずこ「許してください!何でもしますから!」

唯「やっぱよろしくない」

ゆずこ「ええ〜?」

千穂「……ふふっ……あははっ……あはははは!」

唯「…………」

ゆずこ「へへへ〜」

唯「…………」

唯(触られたの、気持ち良かったかも……)

書き溜め終わったので少し時間置きます

続きいきます

千穂「野々原さん、さっきはありがとう〜」

ゆずこ「え?なにが?」

千穂「さっき会話に困ってる時に助けてくれて」

ゆずこ「……?そんなことしたっけ?」

千穂「あ、あれ?」

ゆずこ「…………あ!したした!褒め称えて!」

千穂「う、うん!ありがとう!」

ゆずこ「で〜?唯ちゃんに告白する気になったー?」

千穂「えっと……それなんだけど……」

ゆずこ「うん?」

千穂「やっぱりしてみようかなって……きっとお付き合いするとかは無理だけど、櫟井さんにはちゃんと気持ちを分かって欲しいから……」

ゆずこ「おおー!頑張れ!私もサポートするから!」

千穂「うんっ、よろしくね」


唯(…………二人……何話してるんだ……?)

唯(告白とか……お付き合いとか……聞こえたけど……)

唯(あと…………『櫟井さん』って言ってた……?)

唯(もしかして相川さんが私のこと……?)ドキッ

唯(い、いやそんなまさか……っ!)

数日後

—唯の家—


唯「はい、紅茶」コトッ

縁「わぁ、ありがとう〜」

唯「ゆずこは何やってんだろうな、急に行くの遅れるなんて言ってきて」

縁「ん〜、明日唯ちゃんの誕生日だからサプライズでも用意してるんじゃないかな〜」

唯「あの、出来れば本人の前でそういうことはあんまり……」

縁「え〜?でも私も何も知らないよ〜?」

唯「いや、そういう問題じゃなくて……」

縁「あ〜、唯ちゃんの指、少し青くなってるよー?」キュッ

唯「ああ、これこの前ぶつけたやつだよ」

縁「痛くないの〜?」ナデナデ

唯「まぁ、少しな」

縁「ばんそーこーとかいらない?湿布とか」

唯「い、いいんだよ、これくらい」

縁「う〜、唯ちゃんのキレイな指が〜」サスサス

唯「あーもう、分かったから」

縁「そーだ、ケガしたら舐めると治るって聞くよ?」

唯「ああ、聞くよな」

縁「えへへ、じゃあ……」ペロッ

唯「じゃあ、じゃない!」バッ

縁「え〜!舐めたい〜!」

唯「本音の方出てきちゃってるぞ……」

縁「ね〜、舐めていいよね〜?」

唯「えええ……」

縁「ゆいちゃ〜ん……」ウルウル

唯「……うぅ…………ちょっとだけな」

縁「えへへ〜、わーい」カプッ

唯「ひゃぁ……っ!?く、咥えていいなんて言ってないだろっ!」バッ

縁「へへ、おいしかった〜」ニコニコ

唯「はぁ……もういいよ」

縁「ね、これからどうする?」

唯「ん〜、とりあえずお菓子でも買ってこようか」

縁「お〜、いいね〜、いこういこう!」

唯「じゃ準備して」

縁「うん…………」

唯「…………縁?」

縁「私の分も準備して?」

唯「できません」

ゆずこ(ふっふっふ、ついに明日は唯ちゃんの誕生日……)

ゆずこ(これからあいちゃんと作戦会議だぜー)

ゆずこ(あいちゃんが言ってたのってここの喫茶店だよね)

カランコロン

ゆずこ(えっとー)キョロキョロ

千穂「野々原さーん」

ゆずこ「お、いたいたー」タタッ

千穂「えへへ、ごめんねわざわざ」

ゆずこ「いいっていいってー」

千穂「あのね、野々原さん……色々協力してくれて本当にありがとう」

ゆずこ「えー、なんか照れちゃうなー」

千穂「野々原さんのおかげで櫟井さんと一緒にいる時間が増えて……やっぱり櫟井さんといるとPEAがいっぱい出てくるなぁって思ったよ」

ゆずこ「P……E……A……?」

千穂「あれ……?覚えてない……?」

ゆずこ「うむ、がよく分からんが頑張れっ!」

千穂「あはは、それとね、私が知らないようなこといっぱい教えてくれてすごい嬉しかった〜」

ゆずこ「まあそれくらいはね」

千穂「櫟井さんにマタタビあげると喜んで何でも言うこと聞くって話はちょっと驚いたけど……」

ゆずこ「あ、ごめんそれ嘘」

千穂「ええっ!?じゃあそれで実際に抱き着いてちゅーを迫って来たってお話は……?」

ゆずこ「それ妄想」

千穂「え、えっと!櫟井さんドMだから人前で恥ずかしいことされるの好きっていうのは……?」

ゆずこ「それ願望」

千穂「野々原さん!」

ゆずこ「あはは、大丈夫だよ〜、6割5分は本当だから!」

千穂「微妙に信用できない数字だよっ!」

ゆずこ「と、冗談はさておき……明日が唯ちゃんの誕生日だよ」

千穂「あ……うん……」

ゆずこ「出来れば一番に報告聞かせてね」

千穂「……うう……ちゃんと言えるかなぁ……」

ゆずこ「想いを伝えないなら、想ってないのと同じ」

千穂「…………」

ゆずこ「……ってCMで言ってた!」

千穂「……うん!がんばる!」

ゆずこ「えへへ、応援してる!」

千穂「最後まで話聞いてくれてありがとうね、野々原さん」

ゆずこ「報酬は3おっぱいで!」

千穂「ええっ!?」

ゆずこ「成功したらもらうよ〜」

千穂「う……うん……///」

ゆずこ「んじゃ、私は唯ちゃん達と合流しようかな」

千穂「え……」

ゆずこ「お〜?嫉妬したー?もう彼女気分か〜?」

千穂「ち、ちがっ!ちがうよ!」

ゆずこ「あはは、ジョークだよっ」

千穂「も、もぉ……」

ゆずこ「そうだ!ついでにお菓子でも買ってこうと思うんだけどさ、あいちゃんも来てくれない?」

縁「ねえ、お菓子何買う〜?」

唯「ん〜、カントリーマ○ムとか?」

縁「ハッピータ○ンとか!」

唯「あー……でもまた食べすぎるな……」

縁「えへへ、大丈夫だよ〜」

唯「何が?」

縁「唯ちゃんが太っても、そのお肉食べてあげるから〜」

唯「ゆ、ゆかりさん…………?」

縁「唯ちゃんのお肉ならきっとおいしいよっ」

唯「…………縁も相川さんくらいまともならなー」

縁「え〜なにそれ〜」

唯「そのまんまの意味です」

縁「む〜、そういえば最近あいちゃんと仲良いよね〜?」

唯「ああ、なんか偶然会うことが多くて」

縁「む〜…………」

唯「意外に向こうから色々話してくれるから楽しいんだよなぁ」

縁「…………唯ちゃんっ!」ギュッ

唯「わっ!」

縁「行こっ!唯ちゃん!」ギューッ

唯「ゆ、ゆかり!そんな抱きついたら歩きづらいって」

縁「離さないもーん」ギュー

唯「どうしたんだよ、急に…………」


千穂「あれ……?櫟井さん……?」

ゆずこ「おーっす、唯ちゃん、ゆかりちゃん!」

唯「あ……相川さん……!?ゆずこ……!?」

縁「ふぇ……?」

千穂「…………」

唯「…………」

千穂(…………櫟井さんと日向さん……腕組んでる…………)

唯(……なんで……ゆずこと一緒に…………?)

ゆずこ「二人は何買いに来たのー?」

縁「えへへ〜、お菓子だよ〜」

ゆずこ「おおっ!こっちもお菓子買いにきてたんだよ〜!」

縁「すごーい!奇跡だねー!」

ゆずこ「ねー、唯ちゃんがおっぱい触らせてくれるくらい奇跡だねー」

縁「うん〜」

ゆずこ「…………」

唯「…………」

ゆずこ(……あれ、殴られない……?)

唯「………………」

唯(……なんだよ……最近ゆずこと相川さんよく喋ってるし謎のアイコンタクトとかしてるし……そういうこと……?)

唯(もしかして私のこと好きなんじゃないかとか思ってたの馬鹿みたいじゃん……)

唯(相川さんに触られた時ドキッとして、恋するってこういうことなのかも……なんて考えたりしたけど……)

唯(こんなの違う……PEAが分泌されて、快感を得て興奮して……それが恋だって書いてあった)

唯(それなら……こんな嫌な気持ちになるなら……恋じゃない)

唯「……ゆずこ、邪魔して悪かったな」

ゆずこ「……え?じゃま?」

唯「行くぞゆかりー、お菓子買ってさっさと帰るぞー」

縁「……ゆいちゃん?」

ゆずこ「ちょっとちょっとー、私も一緒に行くよー」

唯「……っ!ゆずこは……!相川さんといればいいだろ!」スタスタ

ゆずこ「いや、こっちの用事はもう大丈夫だから……」

唯「ゆかりっ!早くこい!」

縁「う、うんっ……ゆずちゃん、またね〜」タタッ

ゆずこ「…………う……あ……?」

ゆずこ「どゆこと?」

千穂「………………」

ゆずこ「えっと……あいちゃん……?」

千穂「……あはは……やっぱり櫟井さんと日向さんって仲良いんだね……」

ゆずこ「え?まあ幼馴染だし」

千穂「……そっか……昔から一緒なんだ……」

ゆずこ「……あっ!ち、ちがうよ!別にそういう関係じゃないよ!腕組んでるのもいつものことだし!」

千穂「……へぇ……いつもあんなことしてるんだ……」

ゆずこ「あ……!じゃなくて……!」

千穂「…………私じゃ……勝てないよね……」ウルッ

ゆずこ「いやいやいや!全然勝ってるよ!ほら!おっぱいとか!」

千穂「…………ごめんね……今日はもう帰るね……」タタッ

ゆずこ「ああっ……」

ゆずこ「…………私の友達と友達が修羅場すぎる……」

—唯の家—

唯「………………」

縁「……ゆいちゃーん?どうかしたのー?」

唯「……別に、なんにも」

縁「さっきから絶対おかしいよー?」

唯「……おかしくない」

縁「空からつくしが降ってきたら怖くない?」

唯「………………」

縁「ほらぁ、突っ込んでくれないし〜」

唯「……今のは元気でも無理」

縁「なんで〜?お菓子買えなかったから〜?」

唯「………………あのさ、縁」

縁「ん?なにー?」

唯「……キスしてみない?」

縁「ふぇ……?きす……?キスぅ!?」

唯「いいよな、いつもそっちからしようって言ってきてんだから」グッ

縁「ええええええ!?で、でもぉ!」

唯「ゆかり……目閉じて……」

縁「…………う、うんっ……」スッ

唯「…………」ソーッ

唯(縁の匂いがする、睫毛の付け根が一本一本見える)

唯(あ、少し顔赤くなってるな。それにちょっと震えてる)

唯(縁かわいいな……このまま本当にキスしたらどうなるんだろう)

唯(もっと照れた顔するのかな)

唯(もしこれがゆずこならこんなにジッとしてらんないだろうな)

唯(向こうからしてきたりして)

唯(そうだ……)

唯(もしこれが相川さんだったら……)

唯(目の前にあるこの瞼も、唇も、肌も、全部が相川さんのものだったら……)

ドクン

唯「……ぁっ……」

ドクン

唯(なんだ……これ……熱い……!)

ドクン

縁「……ゆいちゃん……?まだぁ……?」

唯「あ、あああっ!?お、おわり!冗談だから!冗談おわり!」

唯(相川さんの髪、瞳、吐息……)

縁「えー!!冗談だったのー!?」

唯「あ、当たり前だろっ!」

唯(相川さんの声、手、胸……!)

唯「ああああああああ……///」

縁「唯ちゃんが壊れたー!」

唯「あああああああああ…………!」

縁「……勇者の名前何にするー?」

唯「ああああ!!」

縁「だよね〜」

数十分後


縁「落ち着いた?」

唯「ん……なんかごめん」

縁「ねぇ、唯ちゃん。何かヤなことがあるなら言ってよー」

唯「……それがさ……私もよく分かんないっていうか」

縁「全然分からないの?」

唯「全然じゃない……多分、ゆずこと……相川さんのこと」

縁「じゃあゆずちゃんと話してみれば〜?何か分かるかも」

唯「……うん、ありがと縁」

縁「えへへ〜、ゆずちゃんにメールしてみるね〜」

ガチャ

ゆずこ「唯ちゃん!おまたせ!」

唯「うん、待ってた」

ゆずこ「なになに?話って」

唯「ああ……その前に縁、悪いんだけど……」

縁「うんっ、今度こそお菓子買ってくるね〜」タタッ

唯「……ありがと」

ゆずこ「ねえゆいちゃん、さっき何で帰っちゃったの?」

唯「…………なんかムカついたから」

ゆずこ「えっ?私に?」

唯「……そうかも」

ゆずこ「……あ、あの、冗談でもキツいんですけど……」

唯「冗談じゃないよ。なんで相川さんがお前と一緒にいるんだって思ったらだんだんムカついてきて……」

ゆずこ「……ほう?」

唯「なぁ……これなんだと思う……?」

ゆずこ「それって……もしかして……」

唯「お前のこと本当に嫌いになったのかな」

ゆずこ「泣いていいっすか?」

唯「……ごめん」

ゆずこ「よーするに、唯ちゃんはあいちゃんを私に取られたと思ったわけだ」

唯「はぁっ!?別に相川さんは誰のものでもないだろっ」

ゆずこ「いやー、わかる、わかるよー、唯ちゃんの欲望がっ」

唯「欲望……?」

ゆずこ「あいちゃんの身体を思う存分触れたらなーって思わない?」

唯「ばっ……!お前と一緒にするなっ!///」

ゆずこ「あいちゃんのこと、自分の彼女ですって自慢したいよねー?」

唯「な、なに言ってんだよっ!///」

唯「そ、そんなの……相川さんが望んでないだろうし……ってか私もそんなこと……」

ゆずこ「もうさ、直接話しなよ。モヤモヤしたその感じを、言葉にならなくてもいいから」

唯「…………できるかな」

ゆずこ「うむっ、あいちゃんは自分ちにいると思うよ」

唯「わるい、ゆずこ……」

唯「ちょっと行ってくる……!」ダダッ


ガチャ
バタン


ゆずこ「ふぅー、手間かけさせやがるぜー」

ゆずこ(まさか唯ちゃんまで本気になってたなんて思わなかったけど)

ゆずこ(これでいいんだよね、私は間違ってないよね)

唯(相川さんの家……ここか……)

ピンポーン

千穂『はい、どちら様ですか?』

唯「あ、あの!いちいっ……櫟井唯ですっ」

千穂『櫟井さん……!?』

唯「相川さんと話がしたくて……!今大丈夫……?」

千穂『う、うんっ!今そと出るねっ』プツッ

唯「…………」

唯(あれ……さっきまでのヤな気持ちが消えてる……)

唯(それどころか……楽しみ……?早く相川さんに会いたい……?)

唯(あれ……?あれ……!?なんだこれ……!)

唯(心臓がっ……速く……!)

ガチャ

千穂「櫟井さんっ!」

唯「あ………………」ドキッ

唯(もう、止まらない)

翌日


唯「……というわけで、相川さんと付き合うことになりました」

千穂「えへへ、なりました〜」

縁「ほぇ〜」

ゆずこ「おめでと!」

佳「…………え?」

ふみ「良かったね、千穂」

翌日


唯「……というわけで、相川さんと付き合うことになりました」

千穂「えへへ、なりました〜」

縁「ほぇ〜」

ゆずこ「おめでと!」

佳「…………え?」

ふみ「良かったね、千穂」

唯「変に気使ったりしないでいいからさ、今まで通りで」

佳「そ、そうか!分かった、じゃあウチの相川をよろしく頼むわ、ウチのな」

唯「ん……うん……?」

千穂「お、岡ちー……///」

縁「あー!だから昨日の唯ちゃんおかしかったんだ〜」

唯「え?」

ゆずこ「へ〜、どんな風におかしかったの?」

縁「えっとね、いきなりキ——」

唯「わあああああああ!それナシ!!忘れろ!」

ゆずこ「……えへへ、しょうがないなぁ〜、二人だけの秘密にしとくね〜」

唯「そ、そうしてくれ……」

千穂「ひ、日向さんと何かあったの……?」

唯「い、いや!なんでもないよ!」

千穂「そう……?」

ゆずこ「そだ、今日唯ちゃんの誕生日だけどどうするのー?私達も祝いたいんだけど邪魔かなー?」

唯「あ、それなんだけど……学校終わったら相川さんち行って、その後お前らとパーティしようと思ってた」

縁「さすが唯ちゃんー!大好きー!」

ゆずこ「ねぇ、逆のほうがいいんじゃない?」

唯「え?」

ゆずこ「夜、二人の方がいいんじゃないかなって」

唯「……ば、ばかっ……////」

縁「……?」

千穂「……?」

ゆずこ「あー、なんか唯ちゃんいじるのも疲れたし、ちょっとトイレいってくるー」タタッ

唯「……ったく、ゆずこのやつ……」

千穂「さっきのどういう意味?」

唯「あー、知らなくていいです」

ゆずこ(唯ちゃん……いいなぁ……嬉しそうだったなぁ……)

ゆずこ(これから唯ちゃんと一緒にいる時間減っちゃうのかなぁ……)

ゆずこ(でも……これが一番だからしょうがないよね)

佳「野々原?何ボケっとしてんの?」

ゆずこ「おおう、これはこれは、あいちゃんを取られたショックで膝にキテる岡野さん」

佳「誰がだっ!というか野々原には言われたくない」

ゆずこ「え?どゆこと?」

佳「お前、櫟井のこと好きだったんじゃないの?」

ゆずこ「…………あははっ、まさか〜」

佳「いつも好きって言いまくってたし、抱きついたりキス迫ったり……あれで好きじゃない方がどうかしてると思うけど」

ゆずこ「…………あははははは……」

佳「図星だろ」

ゆずこ「…………でも、私は唯ちゃんと付き合えないじゃん」

佳「は?なんで?」

ゆずこ「万が一付き合えてもさ、縁ちゃんが可哀そうだよ」

佳「そういうもん?」

ゆずこ「逆に縁ちゃんが唯ちゃんと付き合いだしてたら、私死んでるね」

佳「そ、そうか」

ゆずこ「だから、唯ちゃんがあいちゃんと付き合ってくれれば皆幸せ!」

佳「…………」

ゆずこ「今まで通りセクハラはしていいよって唯ちゃんも言ってたし!」

佳「随分曲解しやがったな……」

ゆずこ「あとは唯ちゃんとあいちゃんがずっと仲良くやってくれれば文句ないね」

佳「…………野々原、意外に色々考えてたんだな」

ゆずこ「ん〜?そうでもないよ〜」

佳「いや、でも……」

ゆずこ「さっき唯ちゃんとあいちゃんが手つないでるの見ちゃってね」

佳「お、おう」

ゆずこ「これから……キスしたり、もっとすごいことしたりするのかなって思ったら…………」ズキッ

佳「……野々原……?」

ゆずこ「ホント……私馬鹿だなって……」

佳「…………馬鹿だろ、元々」

ゆずこ「えへへ、そうでした」

佳「あとは、なんつーか……二人が分かれろって呪うか、上手くいくようにって祈るしかないだろ」

ゆずこ「……うんっ」

佳「お前は?どっち?」

ゆずこ「…………祈る!」

佳「ん、ありがと」

数週間後


唯「千穂、髪にごみついてる」

千穂「えっ?とってとってー」

唯「ん……はい、とれたよ」

千穂「ありがと〜、唯ちゃん」

唯「千穂の髪っていつ触ってもサラサラで羨ましいな〜」

千穂「そ、そんなことないよっ///」

唯「そんなことあるよ……ほら」サラサラ

千穂「う〜///」

唯「あはは、赤くなった、可愛い」

千穂「それなら……唯ちゃんの髪はすごくいい匂いするよっ」

唯「え?そう?」

千穂「うん……ほら」ポフッ

唯「ち、千穂っ……///」

千穂「えへへ〜、唯ちゃんの匂い……」

唯「もー……しょうがないなぁ」ナデナデ

千穂「えへへへっ」


ゆず佳「やっぱ別れろ!!」








—おわり—

以上です
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