※フルメタルパニックとSAOのクロスです。
※設定に無理がある可能性があります。
※前作 宗介「ウルズ7はこれよりGGOにダイブする」もよろしくお願いします
※二つとも西暦が違いすぎる?知ったことか!
※SAOを主軸としますが、フルメタキャラもしくはオリジナルキャラが登場する可能性があります。
※以上が耐えられない方はブラウザーバックを推奨
※なるべく更新は頑張りたいと思います。でも遅くなるかも
※安価を取ることがあります。
前作とはなんら関係ありませんのでここから読んでいただいても大丈夫です。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426683757
―メリダ島・ミスリル トゥアハーデダナン戦隊基地―
基地の中にあるその部屋はこの基地では上等の部類に入る。雨漏りなどは無く、床はコンクリートやタイルなどではないフローリングだ。更に、壁紙なども貼ってある。
その部屋の中央。ソファーに座らせられていた宗介は少し窮屈な思いをしていた。
なぜなら、彼の目の前にはこの戦隊の最高責任者であるテスタロッサ大佐が座っていたからだ。更にその脇にはカリーニン少佐が直立不動の体勢で立っていた。
テッサ「相良軍曹。あなたに任務があります」
宗介「任務でありますか?」
テッサ「そうです。まずはこれを」
テスタロッサ大佐は相良軍曹に一枚の紙を渡した。そこにはカラーで刷られたどこかの風景が印刷されている。驚くほど緻密に描かれているその風景はまるで現実にあるのではないだろうかと思える程だ。
なぜ、それが現実に無いと言えるかというとその光景はあり得ないからだ。
木々の覆い茂る森の上に浮かんでいるのだ城が。その城が、どれほどの大きさがあるのか分からない。
城の下には『SWORD ART Online』とかかれている。
テッサ「それはVRMMOと呼ばれるゲームです。世界初となる仮想現実にダイブできる大規模RPGゲームです」
宗介「そのゲームが何か問題でもあるのですか」
テッサ「ええ、方法は不明ですが情報部からこのゲームで何らかの形でテロに近しい行為が発生するそうです」
宗介「テロですか?」
テッサ「ええ。詳しい事は分からないの。それに、今までとは勝手が違うわ。行くのは架空世界。現実の体はここに置いていくの。相良軍曹、それでも行ってくれます?」
宗介「ご命令ならば!」
テッサ「ありがとう。じゃあ、カリーニンさんよろしくお願いします」
カリーニン「そういうことだ、軍曹。私もネットゲームというものはよく分からない。しかし、テロの情報がある以上行かなければならない。軍曹、これはゲームだが遊びではない。今までの戦場とは違うぞ」
宗介「承知しました」
カリーニン「うむ。それから、今回は支援AIを入れることにした」
宗介「支援AIですか」
カリーニン「そうだ。コールサインはアルだ」
宗介「ですが、支援AIを入れることが出来るのならば直接ハッキングしてしまえば……」
カリーニン「それはならん。ネットで繋がっているのは人の脳だ。ハッキングをして脳に影響が出てしまうと不味いのだ。それにシステムの根幹はセキュリティーが固くダーナでさえも破れない。だが、アルは人に近いAIだ。プレーヤーとして参戦するならば偽装できる」
宗介「そうですか」
カリーニン「アルには君の支援をして貰う。プレイヤーとして参加するが、戦いには参戦できない。彼は水晶の姿に擬態する。質問はあるかね」
宗介「いいえ」
カリーニン「では、早速これをかぶってくれ」
宗介「ナーヴギア」
宗介はそれをかぶると指示通りに初期設定の手順を済ませていく。
宗介「少佐。全て完了しました」
カリーニン「分かった」
テッサ「必ず帰ってきてください」
宗介「無論です、大佐」
テッサ「では相良さん、ソードアートオンラインに潜入してください」
宗介「了解しました。これよりウルズ7はソードアート・オンラインにリンクスタートします」
宗介が出たのは広場の中央だった。地面は石で舗装され辺りには石造りの建物がひしめき合っている。そして、広場の正面には黒い金属で出来たかのようなドームが建っていた。
広場を挟んで対面には大通りも整備されている。
宗介「まずは武器の調達だな」
宗介は人の流れに乗るようにして市場まできた。そこには色とりどりの商品が陳列されている。食料品に薬剤、装飾品、衣服に各種武器。
宗介はそれらの中から武器屋を選び店主に話しかけた。転倒には剣類が幾つか並べられている
宗介「すまんが武器をくれ」
武器屋「はい、何にしましょう」
宗介「M4A1はあるか」
武器屋「は?」
宗介「だからM4A1だ。コルト社製のカービン銃だ。ないならM16でもいい。モデルはなんでもいい」
武器屋「いや、ですから」
宗介「無いのか? なら、AKは無いか。銃弾と一緒に売ってくれ。それもないなら小銃でも拳銃でもなんでも構わん」
武器屋「そういうものは……」
宗介「お前は武器商人だろ」
武器屋「そうですけど」
宗介「なら、何故売らないのだ。安心しろ。俺は客だ。調査員ではない。金も弾もう」
武器屋「本当に無いんですよ!」
宗介「なんだ、ナイフ専門か?」
武器屋「そうです」
宗介は数瞬悩む。
宗介「ならばククリを貰おう」
武器屋「……」
宗介「無いのか? お前は本当に武器屋なのか!」
武器屋「だから、無いものは無いんだって」
こうしてしばらくの間、宗介と武器屋は口論となるのである
ゲームに接続したキリトは一目散に武器屋を目指していた。その途中でクラインというプレイヤーに呼び止められ手解きをして欲しいと頼まれたので、キリトはそれを承諾して裏路地にあるお得な武器屋を目指していたのだが……。
「だから、無いんだってば!」
「何故だ! この際トカレフでも構わん売ってくれ!」
通りに面した武器屋でなにやら口論をしている。クラインはその光景を見かねた。
クライン「なあ、キリト。あいつも誘っていいか?みちゃいられねえんだ」
キリト「これ以上増えるとキリがないぞ」
クライン「あの一人だけ」
キリトは渋々それを承諾した。
???「おめぇ、このゲーム初めてか?」
宗介はいきなり話しかけてきた男に警戒しつつも返事をした。
宗介「肯定だ」
クライン「お前も武器で悩んでいるのか」
宗介「肯定だ」
クライン「なら、俺らと一緒に他の武器屋に行かないか?」
宗介「この辺りをよく知ってるのか?」
クライン「いやあ。俺は初めてなんだけどよ。このゲームをβテスト時代からやってるやつに案内して貰おうと思ってるんだ」
宗介はしばらく考えた。道先案内人は確かに必要だろう。
宗介「では、頼もう」
そうして三人はそれぞれ自己紹介をした後に武器屋へと向かった。
宗介「これが武器なのか」
宗介は手に入れた短剣をみる。
キリト「まあ、最初はこんなのだけど後々増えてくる」
クライン「装備も揃ったし、早速狩りを始めるか」
宗介(俺はこのゲームでの狩りの方法を知らない。だが、テロの情報も集めなければならない。一体どうすれば……)
本日は以上です。
初めましての皆さん、前回のスレから見ていてくださる皆さんこれからもよろしくお願いします。
それではテレサ・テスタロッサ大佐からの訓示だ。
テッサ「相良さんの任務は情報部から入った情報に基づいての調査です。慣れない剣のみの世界ですが私は彼の事を信じています。それでは次回をお楽しみに」
以上
乙
良ければ前スレのリンクくれ
っ宗介「ウルズ7はこれよりGGOにダイブする」
宗介「ウルズ7はこれよりGGOにダイブする」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419762244/)
キリト「ここでやるんだったら少しぐらい戦い方を学んでおいた方がいいぞ」
宗介「そうだな、戦い方を学んでおこう」
三人は近くのフィールドへと狩りへと出かけたのだ。
キリト「クラインが上手くなったのはいいんだけど」
クライン「ソースケがなあ」
宗介「うむ、これで十分だ」
宗介はソードスキルを理解出来たものの勝手に体が動くと言うことが気に入らずに自身の戦闘能力だけで倒してしまうのである。
クライン「だから、ソードスキル使った方が楽だって」
宗介「いや、体が勝手に動くのはどうも苦手だ」
キリト「戦い方は人それぞれでいいんじゃないか?」
宗介「そういうことだ」
クライン「はあ、それにしても疲れたなあ」
キリト「どうする?このままもう少し狩りを続けるか?」
クライン「あったりめえよ……って言いたいけど俺は腹が減ってよ。一度落ちるわ」
宗介「俺も少し調べなければならない事がある」
クライン「そうだ、俺の友人とこの後落ち合うことにしてんだ。なあ、そいつらと落ち合うことにしねえか」
キリト「え」
宗介(俺はテロの情報を探りに来ているのだ。最低限の接触のみにした方がいいだろ)
宗介「すまないが」
クライン「いやいや、無理にとはいわねえよ」
宗介「すまない」
キリト「俺もだ」
クライン「じゃあ、また今度……あれ、おかしいな」
宗介「どうかしたのか?」
クライン「いや、ログアウトできねえんだよ」
キリト「そんなことあるわけ……本当に無いな」
宗介「ログアウトできないのか?」
クライン「ま、サービス初日だからな。こういうバグもあるだろ」
キリト「マスターコールしたのか?」
クライン「さっきからやってるんだけどよお、つながんねんだよ」
宗介「では、ログアウトする手立てはないのか」
キリト「…ああ。ない」
宗介は二人から少し離れてアイテムボックスから水晶を一つ取り出す
宗介「アル」
アル「はい、軍曹」
宗介「お前はログアウト出来るのか」
アル「いいえ、軍曹」
宗介「他にログアウト出来る手立ては」
アル「ありません」
宗介「わかった」
キリト「なぜ、運営はサーバーを停止して全員ログアウトさせないんだ」
三人がそれぞれ意見を述べているとどこからか鐘の音が辺りに響く。
宗介「なんだ、敵襲か!」
キリト「いや」
次の瞬間、三人は一瞬で最初に現れた広場へと転送された。
クライン「おいおい、一体なにがどうなってるんだ」
宗介「わからんが、巻き込まれたのは俺たちだけではないようだ」
クライン「なあ、うえ」
キリト「あれは」
宗介「なんだ」
見上げた先には赤い液体から生成されたマントを羽織った人が現れた。
「私は茅場 晶彦。この世界を唯一コントロールできる人間だ。プレイヤー諸君はすでにメニューからログアウトボタンが消えているのが分かるだろう。これは不具合ではなく、ソードアート・オンライン、本来の仕様である」
そこから茅場と名乗るマントは説明を続けていた。
宗介「これが情報部から入ってきたテロか」
すでに何百人と被害者が出ているらしい。
「……諸君らの脳はナーヴギアによって破壊される」
宗介(つまりはサバイバルと言うことか)
「……第一〇〇層にいる最終ボスを倒せばクリアだ」
クライン「出来るわけねえだろ」
「では最後に、諸君らのアイテムストレージにプレゼントを入れてある」
それぞれはアイテムボックスから手鏡を取り出した。
それと同時に周囲の人間はアバターが変わっていく。
クライン「おい、キリト、ソースケ。大丈夫か」
宗介「ああ、っておい、お前は」
クライン「お前こそ」
宗介は自分の顔を手鏡で確かめた。
宗介(間違えない。これは俺の顔だ。そうなるとクラインやキリトの顔も本来の顔だろう)
「……プレイヤー諸君検討を祈る」
宗介(なんと言うことだ。テロを防げなかった。すでに人は巻き込まれてしまった)
キリト「クライン、宗介。ちょっと来い」
二人は引っ張られるようにしてキリトに路地裏へと連れて行かれた。
キリトはこれからの方針を話した。要するに生き延びて強くなるには今すぐ次の街を根城にしなければならないらしい
キリト「……クライン、ソースケ。俺と一緒に来い」
宗介「どういうことだ?」
キリト「VRMMOから供給されるリソース。つまり、経験値や金は限られている」
宗介「そういうことか」
クライン「どういうことだ?」
宗介「生き残るためには金も戦闘力も必要だ。そのためには次の街を根城とし、効率よく稼ぐと言うことだ」
キリト「そういうことだ」
クライン「だけどよお、前のゲームでだちだった奴らと一緒にこのゲームを買ったんだ。見捨てていけねえ。わりい、お前にこれ以上世話
かけるわけにはいかないな」
宗介「俺もやらなければいけない事がある」
キリト「なら、ここで分かれよう。何かあったらメッセージを飛ばしてくれ」
宗介「了解した」
キリト「じゃあな」
宗介「ああ」
クライン「キリト、ソースケ……死ぬなよ」
宗介「肯定だ」
キリト「当たり前だろ」
そうして三人はそれぞれ動き出した。
宗介(なんてことだ。テロを防げなかった上に今では人質にされている)
宗介「アル!」
アル「何でしょう、軍曹?」
宗介「アル、ハッキングできるか?」
アル「ネガティブ」
宗介「可能な脱出手段は」
アル「該当一件」
宗介「なんだ」
アル「このゲームのクリアです。軍曹」
宗介「ゲームのクリア? ふざけているのか!」
アル「いいえ。現在ダーナでハッキングを試みていますが、未だに侵入できていません」
宗介「やはり、ゲームをクリアさせるしかないのか」
アル「その通りです、軍曹」
こうして宗介はソードアート・オンラインのクリアを目指すことになった。
本日は以上です。
誤字が幾つかありますね。ごめんなさい。
唐突ですが、次回辺りから試しに安価を取ってみようと思います。
>>9 気が利かなくて申し訳ない。
>>10 >>1にかわってURLの貼り付けありがとうございます。
次回の更新は明日の夜になると思います。それでは次回予告を大佐に!
テッサ「初めてのボス。果敢に挑む相良さんって、一体その協力者は誰なんですか!まさか、女性ですか!? 次回をお楽しみに」
乙
安価ずれてるよ
宗介がソードアート・オンラインをプレイしてから一ヶ月後。宗介はあれから情報を集めた。可能な限りだ。
結論としては、やはりこのゲームからの脱出方法はただ一つ。ゲームのクリアのみということが分かった。
宗介はそれ以来自身のレベル上げと資金集めをメインにしていた。軍やギルドなどに属するという手も合ったが、任務もありなによりミスリルに属する前はほとんど一人だったためにソロプレイヤーとして活動することにしていた。
βテスト上がりには達しないが宗介は自信の戦闘テクニックを使い込みそれなりのレベルになって居た。
そうして第一層最後の街とされている街で宗介は集会に参加していた。野外講演場の様な場所に腰を下ろす。目に見えるだけでその場には数十名が居た。
しばらくすると、蒼い髪をした男が登壇する。どうやらこいつが集合をかけたらしい。
一悶着もあったが会議は終盤へとさしかかった。
「……っということで、一時的にパティーを組みたいと思う。近くの奴とチームを組んでくれ」
宗介はパーティーをすぐさま即席の分隊を作れと言うことだと理解した。だが、元々ソロで攻略してきた宗介だ。人付き合いも情報屋との最低限なやりとりしかしていない。
そんな宗介を誘う人はおらず、もたもたしているうちにソロのプレイヤーも他のチームに取られてしまった。
宗介「うむ、どうするべきか……」
???「お前もソロか」
そうやって声をかけてきたのは見覚えのある顔だった。
宗介「キリトか」
キリト「ソースケか!久しぶりだな」
宗介「ああ。キリトもボス討伐に参加か」
キリト「ああ。……なあ、もしよかったらパーティー組まないか。俺と後一人いるんだけど」
キリトは隣を指さす。そこには深くマントをかぶった人間が座っていた。
宗介「構わん」
キリト「それでいいか」
もう一人も頷いた。そうして初めてのボスを倒すこととなる。
会議が終わって明日の買い物もし終えた頃だ。宗介は夕食を取ろうとしている。
宗介(さて、どこに行こうか)
1.キリトの所に行き明日の作戦を確認しつつ夕食を食べる。
2.一人で夕食を取る
安価下2
宗介「そうだな、明日のことも考えねばならない。キリトの所へ行ってみよう」
―広場―
キリト「ああ、パンにこれを塗ってやると」
asuna「」
キリト「美味しいだろ」
asuna「」コクリ
宗介「キリト」
キリト「宗介か」
宗介「ああ。夕食を取ろうと思って居た」
キリト「なら、これ使えよ」
宗介「なんだこれは」
キリト「いいからパンに塗ってみろよ。コッペパンそのままじゃ味気ないだろ」
宗介「……うまい」
キリト「だろ?」
宗介「ああ」
キリト「後でクエスト教えようか」
宗介「頼む」
キリト「そういえば、なんで前線にきたんだ? ソードアートオンラインはおろかオンラインゲームも初めてなんだろ」
宗介「俺は戦うこと以外出来ない。ただ、それだけだ」
キリト「だけど、命がかかってるんだぞ」
宗介「それは分かってる。だが、命がけの戦場なぞ慣れている」
キリト「慣れてる?」
宗介「ああ。ミャンマーでは本当に死ぬかと思った。だが、ここではルールに従った戦場だ。注意さえ怠らなければ死ぬことはない」
キリト「まあ、確かにそうだけど。でも、不足の事態って事も十分考えられるんだぞ。誰かと組んでギルドとかに入らないのか?」
宗介「俺は元々一人だ。それにこっちの方がやりやすい」
asuna「不安にならないの」
宗介「俺がか?」
asuna「そう」
宗介「ならんな。 いや、確かに不安な場合もある。だが、きちんと対策をすれば恐れることはない君こそどうなんだ」
asuna「私は始まりの街で待つことが不安だったの。このまま惰性で生きていくのが」
宗介「それで戦場にきたのか」
asuna「私がここで戦えば少しは攻略が進んで一〇〇層まで行くのに一秒でも早くなるから」
宗介「そうか。だが、一人でやるのは危険だ。後々、どこかのグループに所属するのがいい」
キリト「まあ、それは置いておいて、明日の確認だけど……」
こうして三人はそれぞれ確認をし終えると、明日に備えて宿で休んだ。
― 第一層 ボス討伐当日 ―
宗介「キリト、早いな」
キリト「ソースケこそ」
asuna「みんな早いのね」
キリト「ああ」
宗介「朝は重要だ」
挨拶は終わり他の攻略メンバーも集まり集団は第一層ボスを倒すために進軍を開始した。
そうしてたどり着いたのは迷宮の最深部。分厚く巨大な門が壁に埋め込まれている。
キリト「ここがボス部屋」
宗介が扉に近寄り入念に調べる。
asuna「何をしているの?」
宗介「扉にトラップが仕掛けられているかもしれない。そういうトラップでアフガン時代に仲間が三人引っかかった。だが、ここにはないようだ」
asuna「……」
キリト「ま、まあ。どんなトラップがあるかわからないからな」
宗介「そうだ。油断してはいけない」
そんなソースケの様子を見て一安心したのか、リーダーの男が発言する。
「俺から言うことはただ一つだ。勝とうぜ」
周辺がそれに同意し、無言で賛成する。それを見たリーダーは頷き扉を開けた。
宗介「注意しろ。どこかにトラップがあるかもしれない。足下に注意しろ。赤外線センサが設置されているかもしれない」
初めてのボス戦ため全員が宗介の言葉に耳を貸した。ファンタジーなこの作品に赤外線などあるかは不明だが。
だが、幸いにしてトラップの類は設置されていなかった。
全員が部屋の中に入ったところで門が閉じる。それに連動するようにして壁や天井、更に床までが幻想的な色になり光り始めた。
宗介「戦闘のようだ」
キリト「そうだな」
asuna「ええ」
それぞれが武器を取り出す。キリトは長くほどよい重さのあるロングソード、宗介は短剣を携え、asunaは細い剣だった。
他のものも多彩な武器で武装している。
宗介「行くぞ!」
宗介とキリトは盾がない分素早く攻撃が出来た。取り巻き達を攻撃しては、相手の武器が届く前に後ろへと飛び退き避ける。
こうした散発的な攻撃によって敵の取り巻きは減っていく。
「A隊、B隊、それぞれ取り巻きを。E隊スイッチだ」
リーダーの指示に従い、それぞれのタイガ動く。
そして、ボスの体力があとわずかになった途端、リーダーが動いた。
宗介「一人は危険だ! 下がれ」
宗介はそう叫んだがリーダーは笑みのみを返して進んだ。
キリト(タノワールじゃなくてワダチ、βテストと違う!)
キリト「ダメだ! 全力で後ろに飛べ!」
瞬間、ボスはその丸々と太った体からは想像できない勢いで斜めに飛び柱に飛びつくと更に跳躍した。
宗介(ここで止まっていては死んでしまう!)
宗介は短剣を構えるとボスへと突き進む。リーダーの男はボスを見上げてそのばで立ち止まる。
それがいけなかった。
ボスのイルファング・ザ・コボルド・ロードはリーダーの男、ディアベルの直上から彼に襲いかかる。そして第一撃が彼の体を切り裂いた。次いでソードスキルの発動したボスのワダチが彼を襲おうとする。
だが、彼を襲う前に刃先は微かにそれた。
ソースケ「キリト!アスナ!俺がしばらく食い止める、その間にディアベルを治療しろ!」
キリト「あ、ああ!」
キリトとアスナは宗介の声に従いディアベルを運び出した。
「加勢するぜ!」
「突っ込むぞ!」
他のものも宗介に続けとばかりにボスへの攻撃を繰り返した。
キリトもディアベルに回復の処置を施すと戦線に復帰した。
アスナ「私も」
キリト「ああ、頼む」
二人の戦闘は他を圧倒していた。一人が攻撃を防ぐと後ろに待機していたもう一人がソードスキルを使い強力な一撃を加える。スイッチという戦闘方法だ。
だが、アスナがスイッチを行おうとしたところでボスがソードスキルを使用した。
キリト「アスナ!」
アスナはその攻撃を避けるため空中で体をひねる。だが、全てをかわすことが出来ず、身につけていたローブが切り裂かれる。
ローブは耐久値を失い、彼女の姿がさらされる。
ロングの髪を腰の辺りまで垂らした少女が現れた。その顔立ちや体型から見て誰もが美人だと思うだろう。だが、ただの美人ではない。敵を見据える目は鋭く、手にする剣はしっかりとした戦士だ。
アスナ「やぁぁあ!」
雄叫びと共に彼女の細い剣が目に見えぬほどのスピードで何度も敵の腹部を突き刺した。
キリト「最後の攻撃一緒にやってくれるか」
アスナ「ええ」
二人は絶妙なタイミングで交互に盾と剣の役目を果たして敵に接近し、キリトのソードスキルによってボスの最後の目盛りを削った。
途端、ボスはガラス片が砕け散るようなエフェクトによって消え去り『congratulations』の文字が中空に現れる。
それに皆が喚起した。だが、その空気を壊すものが一人声をあげる。
「なんでや! なんで、武器を知っていたのに教えんかったんや!」
宗介は振り返る。声を上げていたのはキバオウとかいったおとこだ。
「最後の武器を知っていたんなら、あんなディアベルはんが瀕死を負うような事は無かったんや!」
ディアベル「いや、俺は助けてもらって助かったし……」
キバオウ「ディアベルはんは黙っておき。それに、ソースケがおらんかったらディアベルはんは死んではったんやで!」
キバオウ「それにディアベルはんもや、たった一人で突っ込んでいきなはって!」
それに反応するように辺りが騒がしくなる。
「ラストアタックって言うのがあったよな」
「ああ、ボスを最後に倒した奴が貰える……」
「って事は、ディアベルはβテストあがりか……」
「あいつもか? もしかしてお前も!」
「いやいや、違うって」
宗介(不味いな。内部で不審を抱くものが出ている。これでは組織的に行動が)
キリト「そうだ!俺はβテストあがりのプロだ!」
キリトが唐突に叫んだ。
キリト「他のβテスター共はそこのディアベルも含めて雑魚だよ。ろくに経験もない、レベルのあげ方さえ分かってるか怪しい奴らばっかりだったよ。ただ、幸運でβテストに参加できた奴らだ。だが、俺は違う」
キリトはそのまま、間違えなく嫌われるであろう事をべらべらと話している。
宗介(確かに、内部に不審がある場合は外部に的を作れば良い。これはどんな戦場でも適用する。だが、それではキリトが!)
キリト「ビーターか。良い名前だ。ベータテスターとチーターを合わせたんだろ」
宗介「おい、キリト!」
キリト「なんだ?」
宗介「全て背負い込む気か」
キリト「……」
宗介「キリト、落ち着くんだ!」
キリト「ソースケ!もういい。俺は先に行く」
キリトはこうしてただ一人黒いマントで身を包み次の街へと進んだ。数日もしないうちにキリトの噂は皆へと広がった。
その際にアスナと幾つか言葉を交わしたようだが、その言葉を宗介が聞くことはなかった。
本日は以上です。
まあ、ここまではテンプレートっぽくなってしまいましたね。やっぱりキリトはソロの方がいいかなと思いまして。
次回からはまあ、色々とオリジナルでやっていきます。
アスナが『asuna』と『アスナ』の二つがありましたが、同一人物です。自分から名乗ってないときに括弧の前に『アスナ』を入れるのはどうかなと思ったため『asuna』にしてみました。
ちなみに二人はパーティーを組んだ際にキャラネームが『asuna』となって居ることを確認しています。
では、次回をお楽しみに。
アル「そういえば、私はあまり出番がありませんね」
>>1「まあ、しばらく待っていれば……」
アル「そうですか。てっきり私は思いつきで出しただけかと」
>>1「……」
アル「どうかされましたか」
>>1「いや、問題ない」
以上
宗介は第二層の街、転移門があるその街の外れにある宿に泊まっていた。
起き上がると安物のベッドが軋み音を立てる。
アル「おはようございます」
宗介「アルか」
宗介はアル(外見はクリスタル)を前日の夜中に机の上に出していた。
宗介「アル、何か進展はあったか」
アル「いいえ、軍曹。ダーナによるハッキングを試みていますが、以前進展はありません」
やはり、ハッキングは難しいらしい。
宗介「分かった」
アル「軍曹」
宗介「なんだ、アル」
アル「市場に出られてみてはいかがですか?」
宗介「なぜだ?」
アル「私に買っていただきたいものがあるからです」
宗介「お前にか?」
アル「肯定です」
宗介はしばらく考える。だが、一体AIであるアルに何が必要なのだ。それは不明だ。まあ、それは現物を見てから考えることにしよう。この世界の通過である『コル』は多少の余裕はある。それに、ポーションも心許なくなってきた。
宗介「ならば行くか」
宗介は剣の整備を終えると、部屋を出た。
そうして歩くこと五分。転移門近くにある広場には鮮やかな色の布が日よけのために張られ、その下にはNPCに混じってプレイヤーも商売している。
野菜類やパン、剣や防具。ポーションに結晶も売られている。
宗介はそのうちの一つに入る。
宗介「ポーション、それにコッペパンを一つ貰おう」
NPC「あいよ」
宗介はNPCからコルと引き替えに商品を受け取った。
アル「軍曹」
宗介「なんだ」
アル「そこの装飾品店に立ち寄っていただけますか」
宗介「いいが、何のようだ?」
そこの店は木箱の上に布を敷いただけの簡素な商品棚に幾つもの装飾品が並べられていた。
アル「軍曹、右から二番目のものを」
アルが示した場所には結晶を入れるためのケースが置いてあった。ケースは二種類有り、金属製のフレームで中をうかがえることの出来るものと布製のマガジンポーチに似たものの二つがあった。
アル「私には金属製のものを」
宗介「そうだな、金属フレームのものを一つと、布製のもの二つ頼む」
宗介は商品を受け取ると、アルがしゃべり出した。
アル「私をその入れ物の中に入れておいてください」
宗介「何故だ?」
アル「私を外に出していれば常にあなたをサポートすることが出来ます」
宗介「サポート?」
アル「そうです、軍曹。私はプレイヤーです。私のスキルを使ってあなたをサポートします」
宗介「そんな事が出来るのか? お前はAIじゃないのか」
アル「私はAIです。しかし、既存のAIなどではありません。単独で戦闘も可能ですし、チェスなどで遊ぶことも出来ます」
宗介「遊び?お前に遊びが分かるのか?」
アル「肯定です。遊びは人間にとって良い影響を与えます。このゲームも本来はそうしたものでした」
宗介「そうだったな」
市場から出た宗介はレベルをあげるために森の奥へと入っていった。
本日は以上です。
短くてすみません。次は少し長めになる予定です。
楽しみにしていただいている皆様、鈍足で申し訳ないです。次回はなるべく早く更新します。
では、次回をお楽しみに。
追いついた!
待ってる
それから更に数週間が経つ。
宗介は第十層での作戦会議に出ていた。未だにソロで自由にやっていたが、作戦会議などには必ず出ていた。
第十層攻略会議は滞りなく終わり宗介は辺りを見渡す。
宗介は初めてこの街へやってきたのだ。この辺りのモンスターはソロでは危険が伴うと言われていたため、全くこの辺りには近寄らなかった。
なので、宗介は街に何を売られているかは分からない。
辺りを見回すと作戦について色々と言葉を交わしている。しゃべり出せるような状態ではなかった。
だが、その中に見知った顔が一人いた。
宗介「アスナか」
だが、彼女も作戦についてあれこれと議論している。
アスナの居る場所から少し離れた場所には髪を腰の辺りまで垂らした少女がいた。幸いにも彼女は一人で手持ちぶさたにしている。
宗介(どちらに話しかけたものか……)
1.アスナに話しかける
2.髪を腰の辺りまで垂らした少女
安価下3
下3はss速報ではちと遠いから下にしてくれよな?
宗介は髪の長い女性に声をかけた。
宗介「すまない、この辺りの事を聞きたいんだが」
???「あら、このまちはじめて?」
そう言った彼女は爽やかな笑顔を向けた。
宗介「ああ、肯定だ」
???「そうなの。私、千鳥 かn……じゃなかった。ワイズ」
宗介「ワイズか。俺はソースケだ」
千鳥(ワイズ)「へえ、ソースケって言うんだ」
宗介「ああ。所で君はこの街に詳しいか?」
千鳥「まあまあ」
宗介「ならば武器商はどこにいるか知ってるか」
千鳥「武器商?ああ、武器屋ね。まあ、武器屋さんなら」
宗介「そうか、ではそこに案内してくれないだろうか」
千鳥端数瞬考える。
千鳥「まあ、いいわよ」
宗介「礼を言う。では案内してくれ」
五分ほど歩いたところに小さな店があった。煉瓦造りの店だ。
宗介は戸を開けて店内へと入る。店内には五〇代から六十代と思われる店の男が出てきた。様子を見るからにNPCらしい。
宗介は店内を見渡した後、店員に話しかける。
宗介「これくらいの剣が欲しいんだが」
宗介は店員と短いやりとりを終えて、落胆した表情で千鳥の元へと戻った。
千鳥「そんな落ち込んで。何かあったの?」
宗介「いや、欲しい商品がなかっただけだ」
千鳥「欲しい商品?」
宗介「そうだ。もしかしたらこの世界には無いのかもしれない」
千鳥「まあ、ないならないでしょうがないじゃない」
宗介「ああ。君にココまで案内してもらったのにすまない」
千鳥「なら、少し付き合いなさいよ」
宗介「つきあう?」
千鳥「そう、この先に行くと森があるんだけど、そこでの狩りを手伝って欲しいの」
宗介「狩りの手伝いか。いいだろう」
千鳥「じゃあ、ガンガン行くわよ!ついてきなさい」
二人は街から少し離れた森の中へと進む。そこにはオークを小さくしたようなモンスターがいた。
千鳥「ソースケ、そっち!」
宗介「了解した!」
千鳥のロングソードは的の腹部を切り裂き、宗介の短剣は肉薄するオークの急所を確実に切りつける。
宗介「大分倒したな」
千鳥「ええ、この調子だと相当コルが貯まってるわね」
宗介「ああ、今晩の寝床には不自由することはない」
千鳥「ここまでありがとうね。アイテムも手に入れられたし」
宗介「帰還するか」
千鳥「そうね。じゃあ、帰りましょ」
うっそうとした森の中を街の方へと進み、二十分ぐらい経った頃だった。
千鳥「へー、海外に居たんだ」
宗介「肯定だ。アフガン、レバノン、カンボジア、イラン、コロンビアなどいった事のある地域は様々だ」
千鳥「……」
宗介「どうした?」
千鳥「いや、何も……。ん?」
宗介「なんだ? 敵か!」
アル「それはありません軍曹。敵は半径五〇メートル以内には居ません」
アルが唐突に話し出す。
宗介「貴様、また勝手に話し出して」
千鳥「?一体何それ?」
宗介「サポート用のAIだ」
千鳥「モンスターみたいなのを使い間にするのは知ってるけど、結晶がそうなるなんて」
宗介「こいつは例外だ。それより何があった?」
千鳥「ほらあそこ!」
千鳥が指さす先には崖に面した所にぽっかりと洞穴が開いていた。
宗介「罠か」
千鳥「意外と宝箱が眠ってるかもしれないわよ」
宗介「だが、危ない。慎重に行くべきだ」
千鳥「大丈夫よ」
千鳥はそう言ってズカズカと歩いて行く。それを追うように宗介も中に入っていく。
洞穴の奥には宝箱が鎮座していた。
千鳥「ほら、あったじゃない」
宗介「いや、待て!中にトラップがあるかもしれない。まずはファイバースコープで中を確かめてから……」
千鳥「そんなもんあるわけないでしょ」
千鳥は宗介の警告を聞かずに宝箱を開ける。
千鳥「ラッキー。なんかよくわかんないけど、鉱石があったわよ」
そう言って、千鳥が笑顔でこちらを向いた瞬間、宗介の後ろで何か閉じる音がした。
宗介「いかん! 出口が閉まるぞ! 走れ!」
千鳥「あ、待って!」
千鳥と宗介は急ぎ、出口へと向かったが、無情にも出口は塞がれた。
それと同時に洞穴の中には無数のモンスターがわき始める。
アル「警告! 敵勢ユニット多数。即時退却を」
宗介「千鳥! 転移結晶は持っているか」
千鳥「ええ」
千鳥は急いで転移結晶を取り出す。だが
千鳥「キャアー」
モンスターの攻撃をかわそうとしたところで敵が持っていた剣が千鳥の転移結晶を真っ二つにした。
宗介「他に転移結晶は!」
千鳥「ないわ、あれだけだったのよ」
宗介「グッ。俺も手持ちは一つしかない。ギリギリまで戦おう」
千鳥「私のミスなのに、悪いわね」
宗介「気にするな。俺の本来の目的だ」
千鳥「本来の目的?」
宗介「ああ……来るぞ!」
宗介は短剣で波の様に襲い来るモンスター達を倒していった。だが、予想以上に敵数は多い。
アル「軍曹。ポーションの残りが一つになりました。」
宗介「……千鳥、これを使え!」
そう言って宗介が放り投げたのは転移結晶だった。
千鳥「えっ!?でもこれあなたのじゃ」
宗介「俺の事は気にするな!君は生き残れ」
千鳥「でも……」
宗介「でもじゃない! 行くんだ。ここで二人して死ぬよりも、一人でも生き残った方が得策だ」
宗介の言葉が厳しくなる。
千鳥「……嫌よ」
宗介「何だと?」
千鳥「嫌って言ったの。あんたはそれで英雄になったつもりで生きていけるでしょうけど、私はそんなので生き残るなってまっぴら御免よ!」
宗介「だが、このままでは!」
千鳥「このままでも無理なのに一人で戦えるの? 私も一緒に戦うわ。これであなたが死んだら私はそれを一生背中に背負って生きて行かなきゃいけないのよ」
宗介「……」
千鳥「だがら、一緒に生きて帰ろ? 街に帰ったらどこかで少し豪華な夕食でも一緒に取りましょ」
宗介はそれを少し想像してみた。目の前にいるこの少女と共に夕食を取る。それもいつも食べているような質素な夕食ではなく、いささか豪華な夕食だ。
宗介「……楽しそうだ」
千鳥「でしょ?だから、一緒に帰りましょ」
宗介「ああ、帰るぞ」
宗介はそう決意すると、多少体が軽くなったような気がした。それに先ほどの敵がのろく見えた。
宗介「行くぞ、アル!」
アル「ラージャ」
敵のど真ん中に突っ込む宗介。
アル「十二時の報告に敵」
宗介「分かっている!」
宗介は短剣を使い、敵を倒す。
アル「六時に奇襲」
宗介「了解だ!」
アル「撃破を確認。四時の方向に注意を」
宗介「分かっている!」
アル「ワイズさん、目の前の敵を倒した後に右の敵をお願いします」
千鳥「分かったわ」
こうしてアルと宗介、千鳥は奇妙な連帯を取りながら敵を屠っていった。
そしてその日の夜。石造りの建物がひしめき合うその街の中でも一際大きい建物の一階。レストランに二人はいた。間接照明で照らされた店内はオレンジがかった暖かな光になってり心地よい。
千鳥「でも、本当に倒せちゃったわね」
宗介「ああ、だからこうして夕食を食べることが出来ている」
千鳥「ええ、本当にあなたには感謝してるわ、ねえ、フレンド登録しない?」
宗介「いいだろう」
二人はフレンド登録をし、そのまま世間話をしながら食事を勧めた。
千鳥「そういえば私の知り合いが鍛冶屋をやってるんだけど、あなたの武器類そこで頼んでみたら?」
宗介「俺の武器をか?」
千鳥「そう」
宗介「そうだな。では頼もう」
千鳥「そう。でも今日は遅いから明日ね」
宗介「それではまた明日だな」
それから二人はそれぞれ宿へと戻っていった。
一旦以上です。
時間があれば今日中にもう一回あげるかもしれません。
ちなみに千鳥のワイズというキャラクターネームですが、短編のオンラインゲームの話から取らせていただきました。
まあ、そこの話しでは『ワイズ』と言う名前ではないのですが……気になる方は『悩んでられない八方塞がり』をご一読ください。
>>37 更新が遅くて申し訳ないです。
>>39 分かりました。次に安価の場合は安価下にしようと思います(まあ、次があるかどうか分かりませんが)
さて、今回は千鳥が登場です。果たして二人はどうなるのか!
次回をお楽しみに。
以上
明けて翌日。宗介は事前にワイズと決めておいたランデブーポイントへと向かった。
宗介「ワイズ!」
千鳥「あら、早かったじゃない」
宗介「時間厳守は基本だ」
千鳥「まあ、約束を守るって言うのは重要よね。じゃあ、私も約束を守らなきゃねえ。ほら、行くわよ」
ワイズはそう言って宗介の手を掴むと走り出した。
宗介「おい、そんなに急いでは、トラップが」
千鳥「大丈夫よ。ココの道はいつも通ってるんだから」
ワイズは強引なほどの勢いで宗介を連れて道を歩んでいった。
街から少し離れた場所に小さな工房があった。
宗介「ココが君の言っていた鍛冶屋か」
千鳥「ええ、そうよ。今は数人で切り盛りしているみたいだけど、後々は一人で店を出したいって行ってたわ」
二人が店に入るとドアの上部に備えつけられていたベルが小さく音を奏でて来客がきたことを知らせる。
店内には幾つもの剣が売られていた。壁に掛けられている剣もあれば、棚に横たわっている槍もある。奥に目をやると斧の様なものやハンマーなども見受けることが出来る。
店員「いらっしゃい。って、ワイズじゃないか」
千鳥「どうも、こんにちは。すいません、リズベットいますか?」
店員「ああ、リズね。ちょっと待ってて」
そう言って店員は奥の扉を開けてリズベットを呼んだ。
リズベット「なに、ワイズ」
千鳥「ねえ、武器作って欲しいんだけど?」
リズベット「武器? こないだ作ったじゃない。もう壊したの?」
千鳥「いや、そうじゃなくてね。作って欲しいのはこいつの武器」
リズベット「何? ギルドにでも入ったの? あ、それとも彼氏?」
千鳥「ち、違うわよ! とにかくこいつの武器を作って欲しいの」
宗介は一歩前に出る。
リズベット「ふうん。まあ、いいわ。で、どんな武器を作って欲しいの?」
宗介「サバイバルナイフだ」
リズベット「サバイバルナイフ?」
宗介「ああ、こういうものだ」
そう言って宗介は幾つかの絵を書き表した。
リズベット「……なんか、かわいくないわね」
宗介「かわいさなどいらん」
リズベット「でも、出来るかわからないわよ」
宗介「やはり無理か……」
リズベット「まあ、私もまだレベルが低いから……レベルが高くなれば出来るかもしれないわよ」
宗介「そうか……じゃあ、しばらくしてからまた頼むとしよう」
宗介はいずれ出来るようになったら連絡するとリズから言われたので連絡先を交換した。
宗介とワイズは店を出るとこの先の事について話し出した。
千鳥「攻略は明日だっけ」
宗介「ああ、そうだ」
千鳥「ねえ、少し話をしない?」
宗介「明日の攻略のはなしか?」
千鳥「そうね。まあ、色々と」
宗介「なら、街へと戻るか」
千鳥「ええ」
二人は街へと戻り、明日の攻略についてあれこれと議論を交わした。
本日は以上です。
今回も短いですね。と、言うより保守が目的ですね。
鈍足ですが楽しみにしていただけると幸いです。
面白いと言っていただいた方々、ありがとうございます。励みにします。
次回はボス戦となります。(まあ、フロアボスだが)
次回をお楽しみに
以上
翌日。
宗介は一〇層のボス攻略のために朝早くから武器の手入れ、装備品の確認をしていた。
宗介「うむ。やはりこの世界での武器手入れは慣れないな……」
宗介はそう不平を言いつつ、いそいそと出発準備を進めていた。
千鳥「あら、ソースケじゃない」
宗介「ワイズか」
第一〇層攻略のための集合地点。そこはダンジョン前の小さな村の外れだった。
千鳥「そういえば、ソースケはどこの担当なの?」
ソースケ「遊撃隊だ」
千鳥「ゆ、遊撃隊って。二人だけじゃなかった」
ソースケ「ああ、俺は他の奴と組ませるよりも一人で攪乱させた方がいいらしい。それと同じ理由でキリト……いや、もう一人も遊撃隊だ」
千鳥「まあ、あんたらしいって言えばそうだけど」
そんな話をしているうちに攻略組の人員が揃ったらしく攻略組一行は全身を開始した。
午前十時。ボスの部屋の前に集まった攻略組は今回のボス攻略リーダーのかけ声と共にボス部屋へと雪崩れ込んでいった。
宗介達、攻略組が全員雪崩れ込むと同時に門は閉まった。
閉じ込められると時を同じくして、ステージは明るくなっていく。
ゆっくりと照らし出されるそのステージは一層と余り変わらない作りになって居た。
だが、中央に鎮座しているそれは明らかに違っていた。
うずくまるそれは、全身を黒の毛で覆っており、それの四肢はまるで大木のように太かった。
宗介「一体これは……」
千鳥「犬…よね」
宗介「ああ、犬だ。だが」
バカみたいに大きいのだ。汎用ヘリであるブラックホークほどもある犬が目を大きく開けて、大きな瞳に攻略組を捕らえている。
千鳥「ねえ、これ、大丈夫なの?」
宗介「分からんが……戦うまでだ!」
そう言って宗介は剣を鞘から引き抜くと、それを構えてボスへと突撃した。それに続くようにして何人かの剣士達が続く。
本日は以上です。
……すいません遅れてしまって。
最近時間がとれなかったもので。半分生存報告のようなものです
ですけど、こんなに待ちわびている人が居るのは驚きでした。感謝です!
もう少しすればまとめて書けると思うのでそれまでお待ちください。
それと、ミスリルがどうしているのか気になっている方がおられたようなので、それも次回辺り描写していきます
では、次回をお楽しみに(きっと一ヶ月以内には……)
犬型のモンスターも黙っていない。巨体を大きな四肢で持ちあげると、大きな口を開き吠え叫ぶ。
モンスターの名前が表示された。
『バウ・ドッグ』
宗介は自慢の素早さで一気に肉薄すると剣を抜き、首筋めがけて腕を振るった。
宗介の剣は確かに首へとダメージを与えたが、さすがはモンスターと言ったところか。宗介の削ったダメージはごくわずかなものだった。
宗介「……固いな」
幾度も切りつけようとも入るダメージはわずか。
他のメンバーも同じような状況であった。
アル「軍曹。通常の攻撃では倒せそうもありません」
宗介「そんな事は分かっている。さっさと解決法を出せ!」
アル「軍曹。ですが、データが少なすぎます。いくら高度なAIといえどもデータが無ければどうしようもありません」
宗介「なら、自分で稼ぎに行け」
アル「軍曹。そのジョークは余り面白くないかと」
宗介「いいから、解決方法を見いだせ」
アル「ラージャ」
宗介は幾度もの攻撃を足に仕掛けた。それが効いたのか、バウ・ドッグは移動を止めた。そこに間髪入れずに黒いマントを羽織ったプライヤーがもの凄い勢いでバウ・ドッグの膝裏にロング・ソードを突き立てた。
激痛だったらしく、バウ・ドッグはその名に刻まれている咆吼をあげた。
宗介と一撃を加えたばかりのキリトは四肢に踏みつけられないようにとバウ・ドッグの正面へと逃れる。
バウ・ドッグはこちらを睨みつけると大きな口を開く。歯という歯は全て尖っており、石柱でも食い破ってしまいそうなほどの大きさだ。
そして、次の瞬間に腹の底まで震える鳴き声を出した。
攻撃が来る。
ここに居る誰もがそう思い、跳躍しようとする。
だが!
宗介「なんだこれは! 体が動かんぞ」
キリト「きっとあの鳴き声だ」
アル「軍曹!これは一種の麻痺です」
宗介「麻痺だと!」
宗介は改めて辺りを見渡す。すると、バウ・ドッグの正面にいたプレイヤー全員が動けなくなっていた。
バウ・ドッグは勝ったとばかりにこちらを見つめた後、走る前準備とばかりに幾度も前足をその場で前後させた。
次の瞬間、バウ・ドッグは麻痺したプライヤーへと襲いかかった。
その方向は幸いにして宗介の方ではなかった。
が、それは宗介にとって最悪の方向だった。
叫び声が聞こえる。
その方向へと宗介が首を振ると、そこには良く見知ったプレイヤー。黒髪を腰まで垂らした活発そうな女性。
ワイズがいた。
麻痺を逃れたプレイヤーが救援へと駆けつけるが、とても間に合わない。
彼女との距離が詰まる。
その大きな犬歯で彼女の真っ白な肌が鮮血に染まろうとした瞬間。
聞こえたのは金属同士が高速でぶつかり合うような音だった。
ワイズは死ぬと覚悟した瞬間に閉じたまぶたを開いた。
彼女の前にいたのは適当に切りそろえたらしき髪に、無駄のないしなやかな四肢。だが、しっかりと筋肉はついている。
そして、この世界に似つかわしくない妙に現実的な迷彩柄の戦闘服。その彼はおま、彼女を守ろうと一人でモンスターと対峙していた。
そんな彼を彼女は知っていた。
ワイズ「ソースケ!」
宗介「ああ、肯定だ」
アル「ワイズ、これを」
そう言ってどこからともなく麻痺回復用のポーションが使用される。
宗介が時間を稼いでいる間に他のメンバーも麻痺のかかっていなかったプレイヤーから回復を受けていた。
アスナ「加勢するわ!」
宗介「助かる」
キリト「遅れたな」
そう言って次々と加勢に加わった。
そうして二重三重の攻撃のうちにバウ・ドッグはほんの一瞬口を閉じて頭を地面にこすりつけるようにした。
その好機を見過ごさず、宗介は頭部からバウ・ドッグの体へと上っていく。
すると、首の付け根辺りに大きな傷があった。そこの場所のみ毛も生えていない。
だが、バウ・ドッグもいつまで大人しくしているのわけもなく体を揺すぶると宗介は落っことされてしまった。
宗介「弱点らしきものを見つけた。手伝ってくれ」
キリト「分かった」
ワイズ「私も手伝うわよ」
アスナ「私も!」
宗介「一瞬でいい。奴の頭を地面へとたたきつけてくれ」
『了解』
皆が同時に返答をした。
まずはアスナとワイズが共に風のごとく疾走してバウ・ドッグへと攻撃を仕掛けて身動きを止めた。
そこへ、後方から助走を付けた後に跳躍し、バウドックの頭部へと重い一撃をキリトが加えて文字通り頭部を地面へとたたきつけた。
宗介「行くぞ、アル!」
アル「私も手伝いましょう。軍曹、剣を一本貸していただきます」
宗介「ああ、好きにしろ」
宗介はバウ・ドッグの頭部を伝い跳躍すると、剣を構えて必殺の一撃を加えた。その攻撃に加わるようにして、どこからともなくもう一本の剣が現れる。
二本の剣はまっすぐにバウ・ドッグの傷へと突き刺さった。
バウ・ドッグの動きが止まったかと思うと、それはガラス片のように消えて行った。直後、中空にはCongratulationsという文字が現れ、ボス部屋の後ろにあった門が開いた。
―ミスリル・作戦部西太平洋戦隊―
テッサ「カリーニンさん、例の件はどうなりましたか?」
カリーニン「現在技術部がナーヴギアを分解、解析していますが複雑な上に回路が密集しているため運用している最中の解除は困難だと思われます」
テッサ「ハッキングはどうですか」
カリーニン「現在勧めておりますが、これも構造が複雑な上に脳全てがリンクされているためうかつに手が出せない状況です」
テッサ「私もお手伝いできたらいいのですけど、私にはこのSAOを構成しているプログラムの知識がありませんから。それに、トラップを踏んでしまったらどんな事になるか分かりません」
カリーニン「やはり、ここは相良軍曹に希望を託すしかありませんな……」
そう言ってカリーニンは宙を見つめた
本日は以上です。
一体、一ヶ月とは何だったのか……。
とりあえず、ボス戦と言うことですがボスの名前にセンスが無いのは分かってます(だれか、かっこいいボスの名前を私に……)
そんな事で次回は少し日常の緩い感じを書こうと思っています。誰か出して欲しいキャラがいたらコメントお願いします(SAOシリーズかフルメタルパニックのキャラでお願いします)
まあ、出すかどうかは分かりませんが……
次回をお楽しみに。
追伸:フルメタSS増えないかな~
すいません作者です。
今回は保守のために書き込みました。
お待ちの皆様(←いたら嬉しいな)には申し訳ないです。
明日の夜くらいには少ないながらも投降したいと思っております
宗介は現在第25層にいる。本来ならば、最前線である第34層でレベルを上げているべきなのだが訳あってここへ来たのだ。
25層にある街。ココは最初の街から、二番目に広い。なので、ここは貿易の要所となって居るのだ。
アル「軍曹、買い物は以上です」
宗介「そのようだな」
アル「軍曹、所でこの世界には釣りが出来るスポットの様な場所がありますがやってみてはどうですか」
宗介「必要ない。今の俺には任務がある」
アル「軍曹。軍曹の趣味は釣りでは」
宗介「肯定だ」
アル「軍曹。ここ最近はレベル上げに従事して休暇を取っていません。なので、取るべきではないでしょうか」
宗介「何度言わせる気だ。必要ない」
アル「軍曹。もしや、自信がないのでは」
宗介「なんだ?」
アル「恥ずかしがらなくても結構です」
宗介「貴様は言わせておけば」
アル「では、証拠のご提示をお願いします」
宗介「いいだろう」
そう言って、宗介はアルの策略にまんまとはまるのであった。
近くの店で適当な道具を揃えると、25層の端にある池に向かった。
池は知名度のある釣りスポットなのか、十数人がほとりで糸を垂らしていた。その大半は三〇代から四〇代の男性が多い。
アル「では、軍曹の釣りの腕前を見せていただきます」
宗介「アル、貴様は黙ってろ!」
そうして、宗介は四時間ほど最前線から上がってきた情報をまとめつつ釣りに格闘した。
四時間後。
アル「流石です。軍曹。四時間で一匹釣れるなんて」
宗介の横に設けられたバケツの中には水と鮎の成魚ほどの胃大きさの魚が動いていた。
宗介「アル、それは皮肉か」
アル「ご想像にお任せいたします」
宗介「まあ、これで今夜の夕食代が浮いた」
宗介は魚をアイテムストレージにしまうと、帰路につく。
その帰路の途中。
???「えいぃ。やあぁ」
どこからか、覇気の欠片すら感じられない声が聞こえる。まるで、億かなびっくり戦っているような。そんな具合だ。それが十数人。
宗介は音を立てないように注意しつつ、声の主に近づく。
そこでは体格の良さそうな男達が、その容姿とは見合わないような方法で戦っていたのだ
???「ああ、どうしよう。でも、あんまり痛めつけちゃうと可愛そうだし……」
???「でも、このこ逃げてくれそうにないよ」
???「あ! こっちに走ってきた」
一体どのくらいこの状況が続いていたのか分からない。だが、このまま行くと彼らは間違い無く全滅する。
そして、一人がモンスターの餌食となる。HPバーが緑色からグイグイと減っていき、黄色。そして危険値域である赤色に変わった。
???「い、嫌だ!死にたくないぃ!」
???「い、いま助けに行く」
総和言っても皆おっかなびっくりと言った具合で誰も助けにはいけない。
このままでは確実に死ぬ。
宗介は素早く飛び出すと、短剣を引き抜き獣の横腹に一撃を入れる。続いて足を攻撃。最後はソードスキルで胴に一撃を加える。
宗介「大丈夫か」
???「え、ええ。助けてくれてありがとうございます」
宗介「そうか。なら、これを受け取れ」
宗介は先ほど倒したモンスターから受け取ったドロップ品といくらか増したお金をその集団のリーダーらしき男に授けた。
???「え!? こんなの受け取れませんて」
宗介「俺は最後の一撃を加えただけだ」
???「でも、随分強いんですね」
宗介「貴様らが弱いだけだ」
???「そ、そうですよね……」
宗介「強くならんと生きていけないぞ。精進しろ」
そう言って立ち去ろうとした宗介を止める。
???「ま、待ってください!」
宗介「なんだ」
???「あの、ぼくゴーダっていいます」
宗介「何のようだ」
ゴーダ「単刀直入に言うと、僕たちを鍛えてくれませんか。みんな良いよね」
それに賛成する声が上がる。
宗介「いや、だが……」
果たして俺にそんな事が出来るのだろうか。いや、戦闘術を教えれば良いのか。
ゴーダ「それに僕たちが強くなれば攻略の進行具合も早くなると思うんです」
ゴーダ「僕はさっき仲間が死にそうなのに助けにいけませんでした……。でも、僕はもう二度とあんな事はしたくありません。仲間を殺したくは無いんです」
最後の方はもはや男泣きといった具合でワンワンと泣いていた。
ゴーダ「ぼ、僕たちは絶対に生きて帰るんです。一人も欠けずに」
その一言が宗介の心を決めた。
宗介「よし、良いだろう。だが、俺の訓練は厳しいぞ」
ゴーダ「はい」
こうして、宗介の地獄の訓練は始まったのである。
本日は以上です。
また、大分遅れてしまいましたね。
申し訳ない。次こそはどうにか早めになるように頑張りたいと思います。出来れば三日後くらいには(←守れるかな?)
では、続きをお楽しみに
だが、一体どうしたものか。
教官役は俺で良い。それよりも重要なのは場所だ。何処か、山奥で人気の無い場所。
宗介は一晩悩んだあげく、キリトに連絡を取った。
翌日
宗介「そういう訳で練習拠点を探している」
キリト「いきなりそう言われてもなあ」
宗介「それは分かっている。だが、拠点が必要なのだ」
キリト「なら、アスナにも聞いてみるか」
宗介「ああ、よろしく頼む」
エギル「……なあ、所でなんで俺の店なんだ」
宗介「俺は拠点なんぞ持っていない。それにこれは秘密性の高い話だ」
キリト「まあ、丁度良かったし。タダだし」
エギル「なんだよ、俺の店は集会所か」
宗介「いや、会議所だ」
エギル「どっちも同じじゃないか」
宗介「安心しろ。訓練に必要なものはお前の店で揃えることにしている」
エギル「ま、大口のお客様の接待と見れば安いか」
宗介「そういうことだ」
エギル「所で、こんなもん何に使うんだ」
宗介「訓練だ」
宗介はそれだけ言った。
キリト「そういえば、宗介はどうやって育てるつもりなんだ?」
宗介「新兵か? まずは精神を鍛え直す。甘い精神ではやっていけない。そのために延々と走らせる。その後は実戦訓練だ。訓練キャンプに海兵隊並の訓練施設を作る。そこで、体の動かしかた、相手の動きを見た後の回避方法などを実践的に学ばせるつもりだが」
キリト(嫌な予感がする……)
キリトのその予感は的中することとなる。
本日は以上です。
短すぎるので上げようかどうしようか悩んだのですが、キリが良かったので上げました。
次回も早めに上げる予定です。今回よりは長めになります。
以上。
そうして、エギル、キリト、アスナの協力を得て宗介は第30層に訓練キャンプを設けることとなった。
訓練キャンプ開設の日。そこにはオリーブ色の野戦服で身を固めた宗介が仁王立ちでいる。
キャンプは第30層の端にある。小高い山に囲まれ、キャンプの周辺だけ平地になっていた。
キャンプの中央には元々あった山小屋が一軒あるのみである。宗介はそれを本部として活用している。それを囲むようにして簡易テントが並べられていた。
そして、それらから少しはなれたところには木で組まれた一見アスレチックのような構造物がある。ロープやパイプ、木材で組まれたそれは宗介の作ったものだ。
横に目を移すと、長方形状に泥が満たされた池があり、その30センチほど上には有刺鉄線が張り巡らされている。
さらに、何に使うのか分からない道具をしまうための倉庫。3階建てほどのやぐら。
コの字型に土を盛られた土地。近くの森には申し訳程度の未知も整備されていた。
宗介は本部の前に立っていた。その脇にはポールが立てられており、そこに旗が掲げられる。
宗介の前にはこれから何が始まるのかそわそわとしたゴーダ達一行がいた。それぞれがだらしなく立っており、話しもしている。
時間となった。宗介は一歩前に出て、大きく息を吸い込む。
宗介「貴様ら!俺が今日から貴様らの教官となるソースケ・セガールだ! 貴様らには人権など無い。貴様らは両生類の糞をかき集めた程の価値しかないのだ」
それを聞いて反論したのはゴーダ達では無かった。
キリト「ソースケ。それは言い過ぎじゃないのか」
アスナ「そ、そうだよ。なにも、ク、く……」
アスナはそれ以降の言葉を躊躇ったのか、顔を赤らめてうつむいた。
ワイズ「そ、そうよ」
協力者として招いたキリト、アスナ、それにワイズはそれぞれ批判を口にする。宗介の一方後ろの辺りにいるのだが、今にも宗介に変わり前に出そうである。
宗介「いや、貴様らは糞だ。それ以上でもそれ以下でもない」
宗介は改めてそう言い切る。
宗介「いいか、貴様ら!貴様らは話しかけられたとき以外口を開くな。口で汚物を垂れ流す前にサー。またはマムと言え。分かったな!」
ゴーダ達「は、はい……」
宗介「違う!貴様は今教えたことも出来ないのか、まだ、ダッチワ○フの方が使えるぞ!サー、イエッサーだ!」
ゴーダ達「さ、さーいえっさー」
宗介「覇気が足りん!」
ゴーダ達「サーイエッサー」
宗介「くそ、全く使えん連中だ。いいか、まずは基礎体力作りだ。今すぐこの服に着替えろ。三分以内にココに戻って来れなかった場合全員に罰が与えられる。以上」
宗介は自分と同じような野戦服をぞんざいに投げ渡した。
ワイズ「ちょっと、ソースケ。なによ、もうちょっと違った言い方出来なかったわけ」
宗介「ウム、これが一番効果的だと聞いたのでな」
ワイズ「誰によ」
宗介「それはいえん」
実のところ、アルを通じてマオに連絡を取っていたのだ。アルから伝わってきた情報が本当ならばこれで短期間のうちにこいつらをアメリカ海兵隊並の戦士にすることが出来る。
これだけの数がいるのだ。攻略もとりスムーズに進むだろう。
宗介はそう思っていたのだ。
キリト「だけど、一体どうするつもりなんだ? 確かにこれで体の動かし方と精神力はつくだろうけど、レベルはどうするんだ」
宗介「そのための30層だ」
キリト「えっと……」
宗介「あいつらのレベルだと精々25層辺りのモンスターが適当だろう」
キリト「つまり」
宗介「強い相手と戦えばそれだけ強くなる」
キリト「おい、だけどこれは遊びじゃないんだぞ。死ねばそのまま死に向かうことになるんだ」
宗介「だからこそだ!だからこそ、一度本当に怖い思いをさせるんだ」
キリト「ソースケ……」
宗介「だが、一度仲間の死を見た方がより強くなることもあるか」
キリト「おい」
宗介「そういう考え方もあると言うことだ」
キリト「いいよ、おれもモンスターと戦うときは一緒にいる。危なくなったら助ければいいんだろ」
宗介「肯定だ」
その時、ゴーダが声を掛けた。
ゴーダ「そ、ソースケさん……着替えが終わりました」
宗介「軍曹殿だ!」
そう言って、宗介は懐中時計を引っ張り出す。
宗介「うん、三分十秒か。遅刻だな」
ゴーダ「そ、そんな。これでも僕たちは精一杯頑張ったんですよ」
宗介「結果を出さねば貴様らに生きている資格はない!総員グランドを丸太を担いで20週だ。休んだものがいれば一人につき5週追加だ!」
ゴーダ「ほ、本当ですか」
宗介「返事はサー!イエス、サーだ!分かったな!」
ゴーダ「いえす、さー」
宗介「分かったらさっさと行け!」
ゴーダ「さーいえっさ」
ゴーダ達は宗介が用意した丸太を担ぎグランドへと歩いて行った。
>>1です
なんか、トリップ違いましたね。(忘れてる……)
これでどうだ
てす
>>1です。
前回は待たせたなとか、いいながらながらくおまたせして申し訳ない。
とにかく今度は大丈夫です。
では、どうぞ
丸太を担ぎ終終わり五分間だけの休息時間を設けた。
体の芯まで疲労しきった彼らはグダグダと休憩をとっている。そのほとんどは覚束ない足取りで給水へと向かっていった。
だが、そんな彼らにも平等に時間は流れるのだ。
一人が時間を確認すると、あとわずかとなっていた。
ゴーダたちは急ぎ足で戻ってきた。それもギリギリの時間でだ。
ただ一人、あと少しというところで転んでしまう。
その彼はそれでもすぐさま立ち上がり、宗助の元へと駆けていったのであるが。
宗助は最後の一人が列に加わると同時に時計をちらりと見る。
宗助「十秒の遅刻だ!貴様らには連帯責任として丸太をもって森の中を四時間走り続けろ!」
ゴーダ「そ、そんな」
ワイズ「そうよ、ただの十秒じゃない」
宗助「それが甘いのだ。この時間がただの集合時間ではなく、爆撃開始時間だったらどうするんだ。貴様は死んでいたぞ」
そういって、宗助は転んだものの近くに歩み寄るとダガ―を取り出し投げつけた。ダガ―は一直線にとび、彼のわずか数ミリほど横をすり抜けて地面に深々と刺さる。
ワイズ「それなら、彼だけ何かしらのペナルティーを……」
宗助「だめだ!貴様ら何をぐずぐずしている。とっとと走れ!」
宗助が激を飛ばすと同時にゴーダたちはのろのろと準備を始めた。
それ以降も宗介の過激な訓練は続いた。時には少数のグループを作り、最低限の装備でダンジョンに放り込み、時にはキリト相手に対人戦闘の訓練を。
そして、仕上げの段階に入ると宗介一人で面倒を見るようになった。
その間もゴーダ達は米海軍特殊部隊並みの訓練を受けさせられていた。
過酷な宗介の訓練成果は着実にでており、精神面、レベルは皆上がり。兵站の面でも各自分担ができるようになっていったのだ。
そうして、三週間ほどたった日のこと。
その日は第四十層攻略の会議だった。当然のごとく宗助やワイズ、クライン、キリト、アスナ率いるギルドなどの面々が一堂に会していた。
だが、問題はそこで起こった。
「うちの偵察隊がボス部屋に入った時に起こったんだが、どうもボスは二体で一体らしい」
だれかがいう
「二体で一体?それはどういうことだ」
「言ったとおりだ。ボス部屋が二つあったらしい。そこに外見も同じ二匹のモンスターがいるんだ。それも、どちらのモンスターも今までのボス並みに……いや、それ以上に強い」
クラインが発言をする。
クライン「だけどよお、それだけでボスが二体ってのは早急すぎるんじゃねえか。まだ、倒してすらねえんだろ。どちらか一方たおしちまえばいいんじゃねえか」
宗介「だが、念には念を入れるべきだ」
また、誰かが声を上げた。
「だけど、そうなると人数がギリギリになりそうだな」
キリト「ああ、安全に攻略するにはここにいる連中で攻略するほかない。それも、全員を使って一体のボスを倒すほか……」
ここにいるのは攻略組のほぼ全員。そして、今まではその全員を使って攻略していたのだ。
クライン「じゃあ、攻略組じゃない連中にこえかけてよお」
キリト「それじゃあ、戦いなれてない奴らがしぬだけだろ」
他にもいくつか案が出ていくが、どれも万全なものとは言えなかった。
そんな中、宗助が声を上げた。
宗介「……いや、まて。それならうちの部隊を使おう」
アスナ「あれ、まだ続いてたの!?」
ワイズ「そう言えば私あれからあんまり言ってなかったけどどうなったの?」
キリト「大丈夫なのか?」
他の者たちも口々に不安を口にする中、宗助は自信をもってこういった。
宗介「大丈夫だ。問題ない」
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