少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」 (1000)


【とある森の中】


サキュバス「クスクス。そうよ、これであなたもおしまいね♪」

勇者「どういうことなの…」

サキュバス「わからない? ならおしえてあげる♪」クスクス

サキュバスは勇者の未発達な胸の膨らみをいやらしい手つきでなでた。

勇者「ひっ。なにするんだよ!!」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。

勇者「…ッ!?」

サキュバス「こういうこと♪ それじゃあねまたね」 スゥ――

勇者「き、消えた! 待ってよ!! ボクに何をした!」



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勇者「うそだ…こんなの夢だよ。エッチなこと? 何いってるんだか…ふ、ふふ…」

ガサガサ

スライム「オ!ユウシャヤンケ!」

▼スライムがあらわれた。

勇者「野生のスライム…よし!」

勇者「こいつを倒せば2程度の経験値を得られるはず!」

勇者「やっ!」

スライムを倒した。

スライム「  」

▼勇者は0の経験値を手に入れた。


勇者「……!!?」

勇者「ぜ、ゼロ…? ゼロぉ!? 待ってよ!いま確かに手応えがあったのに」

スライム「 」

勇者「…たおしてるよね?」

▼勇者は錯乱している。

勇者「こうなったら!」

▼勇者は手当たり次第に近くの魔物を切り捨てた。


勇者「はぁ…ハァ…これでざっと経験値50は入るはず」チャキン

勇者「ふふふそろそろレベルアップかなー」

▼勇者は0の経験値を手に入れた。

勇者「うあ゛…」ガーン

勇者「ま、まって、そんな……本当にボク…おかしくなっちゃったの?」

勇者「……」

勇者「さっきは胸をさわられてたんだよね…」ゴクリ

ふにっ

勇者「…んっ」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。

勇者「うああああああああ!!!」

勇者「うそだうそだうそだああああ!!」ジタバタ

勇者「こんなのボクは認めないぞおおおおっ!」


傭兵「おう、何叫んでんだ。怪我でもしたか」

勇者「あっ! ねぇ聞いて聞いて聞いて!」

傭兵「?」

勇者「あのね、ボクさっきねエッチ――――ゴホン、なんでもないよっ」

傭兵「あ?」

傭兵「今日の修行終わったのか? 俺薪ひろいあつめたから先にキャンプ戻るぜ」

勇者「あっ、一緒に帰る!」

傭兵「で、何を言おうとしたんだ」

勇者「…内緒」


彼はパーティ仲間の傭兵。未熟なボクのガードとして、国から派遣されたようだ。
すごく旅慣れていて、生ま育った村からろくに出ることもなかった田舎娘であるボクの旅を支えてくれている。

傭兵「日が暮れてきた。帰ったら飯くって、ねんねの時間だな」ポンポン

勇者「……むぅ」

いつもボクのことを子供扱いする少し意地悪な奴だ。
だけど本当に戦闘の腕はピカイチなので、彼に教わることは多い。



・ ・ ・ 


勇者「はぁ…」

傭兵「なにため息ついてんだよ。疲れちゃったか?」

勇者(結局あれからどれだけ魔物を倒しても経験値は入らなかった)

勇者「ううん…そうじゃないんだけど」

傭兵「旅はこれから長いんだ。しっかり休まなきゃな」

傭兵「おーっすただいま。追加の薪とってきた」

僧侶「あら、おかえりなさい」

勇者「あ、うん…ただいまぁ」

僧侶「元気ないですねぇ。今日も特訓がんばったんですね」


この子は僧侶。名前はヒーラ。
ボクよりひとつふたつ年上の幼馴染で、良き理解者だ。
パーティの生活面を支えてくれている。いまもシチューを作りながらボクらの帰りを待っていてくれた。
旅立つ前は孤独でひもじい旅を想像していたので、彼女が付いて来てくれることになって本当に心強くて助かっている。


僧侶「あれ?経験値ふえてないですねー。たったの10だけ?」

勇者「う、うん…」

僧侶「もしかしてやられちゃったんですか!? 怪我はない!?」アワアワ

勇者「大丈夫だよ。平気」

傭兵「なぁシチュー食っていい?」

僧侶「どうぞ。本当ですか? 隠してないですか!?」


勇者「そういえばお腹の奥の方がジンジンというかムズムズというか…変な感じ」

これは本当だ。
あのサキュバスに呪いをかけられてから、お腹の奥の方が少し熱っぽいような、経験したことのない疼きがある。


僧侶「おなか痛ですか? 森で変なもの食べてないでしょうね」

勇者「食べてないよぉ…君のシチュー楽しみにしてたんだから」

僧侶「はいユッカ様、服まくって。ペロンって」

勇者「えぇ…大丈夫なのに」

僧侶「いーから」

彼女はかなり過保護でもある。一度こうなるともう納得するまでなかなか離してくれない。



勇者「わかったよ」

ボクはしぶしぶと服の前をめくる。


僧侶「まぁ可愛いお腹」

勇者「……あ」

傭兵「…あー気にせず。俺シチューにむちゅーだから」ズズッ

僧侶「ソル様、少しの間あちらを向いていてくれませんか?」

傭兵(俺がかよ…向こうでやってくれよ)


勇者「それで、いつまでめくってればいいのかな…」

僧侶「んー? 打ち身はしてないですよね?」

勇者「してないよ。なにもしてない」

僧侶「魔物に体当たりされちゃったり?」

勇者「無いよ。全戦全勝、ノーダメージ!」

僧侶「の割には経験値あんまりふえてないですけど」

勇者「うっ、そ、それは…」

傭兵「だよな! やっぱお前全然経験値ふえてねーよな!」

勇者「ぎゃっこっち見ないで!」



 ・ ・ ・ 


僧侶「荷馬車にもどっていただきました」

勇者(ごめんソル…)

僧侶「何かあったんですか? ねぇ私に話してくださいよ」

勇者「えっと…うーーん……」

僧侶「……。えいっ」プニッ

▼僧侶は勇者の白い柔腹をつついた。

勇者「あっ」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。

僧侶「?」

勇者「あっ、あの…これはね」アセアセ

僧侶「はて…?」

▼僧侶は勇者の腹をさらにつついた。

勇者「うあっ」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。

僧侶「ん~?」


僧侶「どういうことですか?」ニコ

勇者「こ、これはね…あの…」

僧侶「えいえい」ツンツン

勇者「あっ…」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。

僧侶「説明してくれますよね?」

勇者「う…///」

僧侶「幼なじみでしょ?私とユッカ様の仲でしょ?女同士隠し事は無しですよ?」

勇者「わ、わかったよぉ…言うからつっつくのやめて」



僧侶「ふーんへぇなるほど、つまりユッカ様はエッチな体にされちゃったんですね」

勇者「そんな身も蓋もない言い方やめてよ…」

僧侶「ソル様いなくてよかったですね」

勇者「うん…こんなの勇者として恥ずかしくて言えないよ」

僧侶「女の子として、でしょう」

僧侶「でも大丈夫です! 解呪ならこの私におまかせください!」

勇者「そっか!ヒーラならこの呪いを解くこともできるんだね!さっすが僧侶!」

僧侶「いま魔法陣を地面に書きますのでしばらく待っててくださいね」

勇者「うん!」


ヒーラは慣れた様子で聖杖の先を使いゴリゴリと地面に魔法陣を描いてゆく。

勇者(やったぁこれで元に戻れる…!)

???(それはどうかしら?)

勇者「だ、誰!?」

僧侶「ユッカ様…? どうしたんですかおっきい声だして。もうすぐですから待っててくださいね」ゴリゴリ

勇者「い、いま誰か」

僧侶「ソル様帰って来たんですか? いないじゃないですか」ゴリゴリ

勇者(ねぇ誰…)

???(クスクス、さっき会ったばっかりじゃない)

勇者(お、お前は!)

???(そう。呪いを通してあなたに語りかけてるの♪)


勇者(でてこい!とっ捕まえて懲らしめてやる)

???(あたしの本体は側にいるわけじゃないわ。でもあなたのココに宿ってるの♪)


ふいにボクのお腹の奥底が熱を帯びはじまる。

勇者「はっ、っく…なに」

???(ちゃーんとエッチな事しなきゃダメよ)

勇者(ふふ、もうすぐ解呪の魔法陣が完成するんだ。キミとはもうお別れだよ)

???(無理よ。私の呪いはあんな程度じゃ解けないわ。それどころか)

勇者「…え?」

???(無理やり解こうとすると…フフフ)

勇者「っ! あっ…」ゾクッ

勇者(あつい…お腹の奥が、きゅんって…なって……)

???(大変なことになっちゃうかもね♪ ちゃーんと考えなさいね。それじゃまた)


勇者「はぁ…ハァ…」

僧侶「かんせーい。あら、様子がおかしいですね」

僧侶「急ぎましょう! さぁ魔法陣の中央に立ってください! さっそく始めちゃいましょう」

勇者「…うん」

しかしボクのつま先が魔法陣に触れた瞬間――

勇者「あああっ、、あああっ!!!」


お腹の奥が先ほどの数倍、数十倍の熱をもってボクの体を戒めるように攻め立てる。
いや、これはお腹ではない。
おそらくそのさらに奥、女の子にとって大事な場所。
ボクの赤ちゃんを育てる部分が焼けるようにうずき、その感覚が全身へと広がってゆく。

勇者「た、たすけ…たすけ…あああっ」

ボクは無様にも地面に這いつくばりヒーラに助けを請う。
そんなボクの一部始終を見てなにか察したのか、彼女は申し訳無さそうに杖を握りしめていた。


そのまま時間を経ても激しい疼きが収まることはなかった。
ボクの我慢は限界に達し、誰に教わるわけでもなく自然と右手が股ぐらへと伸びる。

勇者(しちゃだめだ…こんなこと触っちゃいけないってわかってるのに…)

僧侶「…ゆ、ユッカ様」

僧侶の不安そうな顔を尻目に、ボクはすっかり濡れそぼった下着の上から大事な場所へ触れた。

ひたひたに濡れた生暖かい下着の感触が指先に伝わる。

勇者「んっ…あっ…」

勇者「うぅ…ここ…」

勇者(もっと気持ちよくなりたい…)

しかしこの先どうすれば良いかよくわからず、ただひたすら上下に擦り続けるしかボクにはできなかった。


傭兵「よぉ、寝転んでなにやってんだ」

突然体の上に影がかかった。
シチューを食べ終えた彼が訝しげにボクをのぞきこんでいる。

傭兵「あ、ヒーラちゃんこれおいしかった。またつくって」

僧侶「あ、ど、どうも…・」

勇者「はぁ…ハァ…ハァ」

傭兵「おーいどうした? 二人して神妙な顔して」

傭兵「……食あたり…か? 俺は平気だったけど」

僧侶「私はお腹に悪いものつくりません!」



僧侶「というかまだ食べてませんよ」 

傭兵「それともやっぱり特訓で怪我でもしていたのか?」

勇者「へ、平気…はぁ…ふぅ」

傭兵「んじゃ、俺食後の散歩でもしてくるわ。その辺ぶらっと」

僧侶「あのいまはそれどころじゃ…」

傭兵「? 腹痛の薬なら少しあるぞ」

僧侶(これ、ソル様に言ってしまって良いものか)チラッ

勇者(…だめ!)ブンブン

僧侶(ですよね…)

勇者(あぁっでも限界だ…こすりたい…もっとこすりたいよぉ…!)

勇者「あのっボク、あの、ちょ、ちょっと…用を足しに…っ!!」

傭兵「……。あー何かと思えば、小便がまんしてたのか。行って来い行って来い」

勇者「ぐっ…いってきます」ズリズリ

傭兵(なぜ這いながら行く……)


――



すこし森に入った所でボクは急いで下着をおろし、足をひらいて屈みこむ。

勇者(もう限界っ、もう無理ぃ!!)


勢い良く下着をずりおろし、右手を恥部へと伸ばした。
むずがゆく疼く縦筋に指を這わせ、本能の赴くままにこすりはじめる。

勇者「はぁっ…こんなのっ…だめっなのに…ひどいよ…っ」

勇者「いっ、いっ…い゛っ…あっ…きもちいなんてっ…」

勇者「ボクの体おかしくしたあいつっ…ゆるさないんだからっ…! ぜったいっ…あひっ、あっ…いっ」

その後も目一杯、憎い相手に毒づきながら指を動かしつづけ、やがて数分後――



勇者「あぐっ、あっ…いっ、変な感覚がっ…!」

勇者「くるっ、ボクっ、ああっ…!!」

勇者「あああっ~~~ッ!!? きゅうっ~~♥」

電撃魔法で撃たれたような感覚に陥り、味わったことのない快楽が身体をかけのぼり頭へと達する。
全身が硬直し、太ももをこすり合わせるようにしてボクはそれに耐えようとする。


勇者「はぁっ、はぁっ……あああっ、うううっ」

勇者「なんだよぉ…これ」

▼勇者は6の経験値を手に入れた。

勇者「おわったぁ……おわったよね…?」

焼けるようなあそこの疼きから開放されたボクは大木を背にぐったりと倒れこんだ。
指はべっとりとした粘液で覆われ、自分の濃い匂いが伝わってくる。


勇者「もうやだ…べちょべちょじゃん」クスン

勇者(でも…ちょっとだけ、ちょっとだけ気持ちよかったかな…♥)


勇者「経験値6って…あんな苦しい思いしてたったの6なの…?」

???(クスクス、本気でイケばもっと手に入ったのに。おバカさん)

勇者「なっ!? またキミ! また頭の中で!」

勇者「もしかして…み、見てたの…?」

???(見てたというよりぃ、”感じてた”かな)

???(やっぱり経験の無い子は最後怖気づいてダメね~。あぁもったいない)

勇者「な、なにがだよぉ…!」

???(ま、強くなりたきゃもーっとがんばりなさいね~)

勇者「くっ…ゆるさないからな。消えろ消えろ」


ボクは頭の中に響く声をかきけそうとぶんぶんと頭をふる。
そしてすこしして息を整え、キャンプに戻ることにした。



――



勇者「ただいま…」ドンヨリ

傭兵「よぉ、スッキリしてきたか?」

僧侶「いくらなんでもデリカシーなさすぎです!」バシッ

傭兵「イ゛っ!?」

僧侶「ユッカ様、具合は大丈夫ですか?」

勇者「まぁね…ハハ、ハ…」

僧侶「あっ、ちょっとだけ経験値増えてる」

勇者「うっ…あっ、やーだー見ちゃヤダだああああっもうっ!」

僧侶「ごめんなさいね。さ、一緒にシチュー食べましょう?」ナデナデ

勇者「うん…」

傭兵「小便のついでに魔物退治なんて勇者の鑑だな」

勇者「だからそんなんじゃないってばぁー!」

ボクの受難の旅は始まったばかりだ。


第1話<呪い>おわり

予定より立てる時期遅くなって申し訳ない
以前VIPで途中まで書いたものより設定変えてます
次回明日夜(未定


<その夜>


勇者(今日は魔物をやっつけて経験値100は稼ぎたかったのに)

勇者(これじゃ次のレベルアップすらままならないよ)

勇者(かといって…あんなこともうしたくないし)

勇者「どうしよう…」ボソッ


傭兵「よぉ。隣いいか」

勇者「!」

勇者「あっ、うん。いいよ」

傭兵「なにしてたんだ。こんなとこに一人座って」

勇者「星をみてただけ…」

傭兵「どこでも見られるだろ?」

勇者「ひとりで考えごとしてただけ!」

傭兵「なに怒ってんだよぉ」


傭兵「やっぱなんか隠してんだろー」

勇者「うっ」

勇者(妙に鋭いんだから)

傭兵「人生の先輩に話してみ? な?」

そういって彼は笑いながらボクの横顔を覗きこむ。


傭兵「お~い」

ツンと無遠慮に突きだした人差し指がボクの右頬に沈む。

勇者「う゛っ。なにするのさ」

傭兵「やわらかいなーやっぱお前は」

ボクの悩みなんてつゆ知らず、彼はあいかわらず楽しそうに笑っている。

勇者(大人って言ったくせに子供みたいに!)

そんな態度がボクには少し軽薄に思えるけど、このソルという人は昔からそういう性格なのかも…。
この先の旅が少し不安になってくる。
本当にうちあけても大丈夫かな…?


勇者(ボクは勇者だ。恐れることなんて…無いんだから)

勇者「…」ゴクリ

勇者「あ、あのね、笑わないで聞いてね…」

傭兵「あぁ。なんでも言ってみろ」

勇者「ボクのお腹! さわってみて!!!」

意を決して服を胸の下まで大きくまくりあげた。
森の夜のひんやりとした空気が肌を撫でる。


傭兵「は?」

勇者(やっぱりこんなのびっくりするよね…)

傭兵「急になにいってんだ~こいつは」ツンツン

勇者「むぐっ、ほっぺたじゃなくてっ! お・な・か!!」

傭兵「お腹? おい俺にセクハラしろっていうのか? はは…」

勇者「笑わないでっていったでしょ!!」

傭兵「だから何ぷりぷり怒ってんだよ……わけわからねぇよ」

勇者「いいからボクの言ったとおりにして! 命令!」

傭兵「…はぁ、なら失礼して」


勇者「あんまり見ないようにさわってね。できれば指先でツツーっておヘソの周りをなぞるようにさわってね」

傭兵「頼んでおいて注文つけるなよ…」

ツゥー…

勇者「あひっ……んっ!」

傭兵「あーまてまて。そんな声をだされると俺が悪いことしてるみたいで困っちゃう」

傭兵「だ、誰もまわりにいないよな!?」キョロキョロ

勇者「もうちょっとだけ…触って」

傭兵「お、おう」

ツツゥー…

勇者「ひっ。あう」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。

勇者「ね!?」

傭兵「はぁ?」

勇者「わかったでしょ!?」

傭兵「わかんねぇ」

勇者「バカ」


傭兵「こんな事してる所をヒーラちゃんにでも見られたら、俺あの杖で頭シコタマぶん殴られるぜ」

勇者「ボクがしろって言ったんだからいいのっ! ていうかヒーラはそんな暴力しないよ!」

傭兵「で、なんで腹を擦ったら経験値が増えるんだよ」

傭兵「腹に見えないサイズの魔物がいてそれを潰してるとか? いやそれだと経験値を得るのは俺か」

勇者「……」

勇者(キミなら言わなくても察してくれるとおもったのに!)

勇者「あ、あのね、いま一度ことわっておくけどこれからボクのいう事を聞いて絶対に笑わないように」

傭兵「おう」

勇者「笑ったら絶交だからね! 本気だからね! パーティ解散だから!」

傭兵「おー。ってことは笑えることなのか。我慢しなきゃな」

勇者「……っ! じゃあ耳かして」

傭兵「気にしなくても誰もまわりにいないぞ」

勇者「おっきい声で言いたくないの!」

傭兵「そう…」


勇者「……あのね――――」

ゴニョゴニョ。辺りが暗くて良かった。
ボクの顔はきっといま真っ赤になっているだろう。
ソルは目を閉じ、すこしめんどうくさそうにうんうんと相槌を打ちながらボクの話に耳を傾ける。


勇者「――――…ってわけなんだ」

傭兵「なるほどなぁ……」

勇者「…」モジモジ

傭兵「そりゃあ災難だったな」

勇者「き、キミって…。こんなの災難どころじゃないよ……」

勇者「レベルがあがらないんだよ? 強くなれないんだよ?」

傭兵「あがるだろ」

勇者「あがるけどあげられないの!!! バカ!!!」

傭兵「…おう」キーン

勇者「もうしらない! キミなんかに相談したボクが間違いだった」

傭兵「つまり、スケベなことしてほしいのか?」

勇者「してほしくないからっ!! もー!!」

傭兵「なんだよ…腹つついてるだけでレベルあげできるなら、まぁなんとかなるだろ」

勇者「そ、それじゃダメなの!」

傭兵「そうなの?」

勇者(だってそれだけだと、アソコがむずむずして…また耐えられなくなっちゃうよ…)


傭兵「ヒーラちゃんでだめならもっと高位の聖職者を探して呪いを解けばいい! な!」

勇者「なんでそんなあっけらかんと! ボクは大変な目に――」

傭兵「ユッカ」

言葉を遮るようにソルの手の平がボクの頭に触れた。
そのままくしゃくしゃと前髪を撫でる。

勇者「な、なに…?」

傭兵「大丈夫。俺がついてる」

傭兵「それと、悪かった。ごめんな。俺がついていながらこんな目に合わせてしまって」

ソルは今度はとても安堵できる表情をみせてくれた。
どうしてだろう。まだボクとキミは出会って一週間ほどしか経っていないのに。
たったそれだけの言葉で、この人は本気でボクのことを想ってくれているのだと感じ取ることができた。

勇者「ううん。ソルのせいじゃないよ」

勇者「あいつが悪いんだよあいつ!」

傭兵「まさか呪いをかけられるほど高位の悪魔がこの近辺に棲息しているなんてな」

傭兵「ちょっと辺りを探ってくるか」

勇者「あ、待って! もうそれはいいから! どうせ見つかりっこないし」

勇者「もうちょっとだけ話しようよ!」

傭兵「いいけどよ…」


勇者「ねぇ、ちょっと聞いてもいい?」

勇者「キミはどうしてボクについて来てくれるの?」

勇者「国の命令? それとも報酬とか?」

傭兵「……まぁ、なんというか。いろいろ思うところがあってな、世界に対して」

勇者(はぐらかした…)

傭兵「あとお前に対しても」

勇者「ボク…?」

勇者「…はっ、まさかボクの体が狙いだったりして」

傭兵「どこからきた発想だよ。心配しなくても10近く歳下のガキに興味は無いぞ」

勇者「なっ、ボクはこう見えても大人だよ! 村で成人の儀をキチンと終えたもん!」

傭兵「あーそう。そういう早い村もあるよな」

勇者「ばかにしてる」

傭兵「してない」ナデナデ

勇者「うわああーやっぱりばかにしてるーー!」

勇者「くすん。どうせ世間知らずの田舎の”ガキ”だよ…」

傭兵「いやっ、悪かった…! なぁこれから色々学んでいけばいいだろ」

傭兵「俺でよければなんでも知ってる範囲で教えてやるからさ」


勇者「じゃあ教えて。ボクについてきた理由」

傭兵「……う、うん、まぁ…はは」

勇者「笑ってごまかすな!」

勇者「ストーカーってやつだったりする? ボク知ってるよ、ストーカーでしょ!」

勇者「城下町で出会ったときもボクの顔あらかじめ知ってたみたいだし!」

傭兵「そりゃ知ってるだろ…任務なんだから」

勇者「本当に、勇者のボクと魔王復活を阻止する旅に来たんだよね…?」

傭兵「あぁ覚悟して来たぜ。魔王の復活はなんとしても阻止しなきゃな」

勇者「…ホントのこと言ってない気がする」

傭兵「ぎく」

勇者「ぎくって言った。ボクそういうの結構わかるんだ」

傭兵「……ゴホン。ユッカ、お前も覚悟して旅に出たんだろ?」

勇者「あたりまえでしょ。ボクはそういう使命をもってうまれてきたんだから」

傭兵「お前を死なせないために俺はここにいる。それだけはわかってくれるか?」

勇者「…」ジィ

勇者「……わかった。そういうことにしといてあげる」


勇者「もう旅立って一週間かぁ」

勇者「旅に出ちゃえば時間はあっという間だね」

傭兵「夜が更けるのも早い。子供は明日に備えて早く寝なさい」

勇者「…む」

勇者「デリカシーが無いよね! ひとが感傷に浸ってるのにさ」

傭兵「そう?」

勇者「じゃあボク寝るから。あ、そうだソル」

傭兵「なんだよ」

勇者「さっきはぐらかした所、ちゃんと今度おしえてね!」

傭兵「おう、話せる時が来たらな」

勇者「おやすみ!」

傭兵「おやすみ」



勇者「きっとなにか人に言えないワケがあるんだろうなぁ」

勇者「普通に考えて、こんな危険な旅についてくる人間なんてそういないもんね…」

勇者「でもボクにくらい教えてくれたっていいじゃん! まったく!」

勇者「うー冷えてきた、早く荷馬車戻ろっと」



ボクはもやもやしたまま荷馬車の前まで帰り着いた。

屋根つきのボクらの荷馬車はちょっとした小屋のようになっている。
入り口は分厚いカーテンで区切られているだけなので完全な密閉とは行かないものの、雨風をしのぐには十分な設計だ。

勇者「帰ったよ~」

ボクは荷馬車後部のカーテンをくぐり、おおよそダブルベッド一つ分程度の広さしかない中に入る。
旅の荷物をつんでいる上に、天井も低く、はっきり言ってかなり狭い。
中にはすでに僧侶の姿があった。ランプに火を灯し、隅っこで編み物に励んでいる。

僧侶「あらおかえりなさい。星みえました?」

勇者「綺麗だったよ。隣にデリカシーが無い奴がいたけど!」

僧侶「あはは。どんな楽しいお話をなさってたんですかね。さて、もう寝ますか?」

勇者「うん、そうする」

僧侶「いま片付けますね」


勇者「…はーー」

僧侶「浮かない顔ですね。あっもしかして」

勇者「そう、打ち明けたんだ。一応仲間だしさ」

僧侶「ど、どうなりました…」ソワソワ

勇者「うん。なんにもならなかった」

僧侶「わぁそうですか」ホッ


勇者「今日はつかれたよ。散々な一日だった」

僧侶「街についたらエクソシストの方もいらっしゃるかもしれませんし、どうか気落ちせずに」

勇者「そうだね。僧侶よりもっと上級の聖職者がいたらその人に頼んでみよう」

僧侶「ええ。神はきっとお力を貸してくださいます」
 
勇者「僧侶の顔をみたらちょっとだけ落ち着いた。ありがとう希望が出てきた」
 
僧侶「いえ…えへへ。 あの、それで…勇者様」

僧侶「さしあたって、お話があるんですけど」

勇者「?」


僧侶「えっと、街につくまであと4日ほどかかるってソル様が言ってましたよね」

勇者「うん。道なりにまっすぐだから大体それくらいって言ってた」

僧侶「それでかつ、ユッカ様の日課(ノルマ)の経験値稼ぎは一日60」

僧侶「合計240の経験値の埋め合わせはどうしますか?」

勇者「え゛…なにいってんの」

僧侶「え? だめですよ、修行さぼっちゃ」

勇者「非常時でしょ…?」

僧侶「あなたは人の世に安寧をもたらすため、神によって遣わされた勇者ですよ」ニコッ

勇者「…」

僧侶「レベル上げ、さぼっちゃダメですよ?」

僧侶「せめて一日60だけでも稼いでおかなきゃ」

僧侶「あとでつら~い思いをするのはユッカ様自身ですよ」

僧侶「仮にそのうち解呪に成功したとして、サボった分あとでたくさん魔物を倒さないといけなくなるんです」

僧侶「それどころかレベルをあげていないとこの先ますます強くなっていく魔物に勝てないかも!」


僧侶「そんなのダメですよね!? こまりますよね!?」 

勇者「う、うん……?」

僧侶「だからノルマだけでもしっかりこなしておきましょう」

勇者「…」ダッ

ガサガサ

勇者「あ゛ーー!なんでカーテンあかないのおかしいおかしいよ!!」

僧侶「荷馬車に結界張っていますので。いつも寝るとき張ってあげているでしょ?」

勇者「ひぃっ…まだ寝ない、からっ、外だして」

僧侶「寝るっていいましたよね?」


僧侶「ノルマの60まであとすこしでしょ?」

勇者「す、すこし…かな?」アセアセ

僧侶「あっと言う間ですよ」

勇者「ホントかな」

僧侶「私にまかせてください」

勇者「でも……えっ、えっちなことはしたくないんだ」

僧侶「んー、でもその呪いってユッカ様が気持ちよくならなきゃだめなんですよね?」

勇者「うん、たぶんそう」

僧侶「あっ、じゃあ良い物ありますよ。これでいくつ経験値になるかわからないですけど」

僧侶「試す価値アリアリです!」


するとヒーラはにこやかな笑みを浮かべカバンの中から細長い棒を取り出した。


勇者「なにその怪しい棒…」

僧侶「警戒しちゃってかわいい」

僧侶「これはですねぇ、ユッカ様がとーっても気持ちよくなってスッキリする魔法のアイテムですよ」

勇者「魔法かかってるの?」

僧侶「違います。言葉の綾です」

僧侶「街を出る前のお買い物でたまたま見つけたので買っちゃいました」

勇者「ええ…ただの木の棒にしかみえないよ。わざわざ買うようなものなの?」

勇者「あっ! よくみたら先っちょが小さく曲がってるね」

勇者「一体何につかうの?」

僧侶「ふふ、お楽しみ」

僧侶「さ、ここに」

そういってヒーラは正座した自身のひざをポンとたたいた。

勇者「…?」

僧侶「頭のせて横向きになってくださいね」

勇者「うん…?」

ボクは身体を横にし、恐る恐る目の前の温かそうなふとももに頭をのせてみる。


勇者(わっ。あったかいしやわらかい…)

僧侶「いい子ですね」

ヒーラはなんの遠慮もなしにボクの髪の毛を撫で小さく笑った。

勇者「うあっ…あの、なんだか恥ずかしいな」

僧侶「そうですねー。でははじめますので動いちゃだめですよ」

自然と身がこわばり、ぎゅっと目をつぶる。
すると――

コリッ

勇者「あっ…」

僧侶「動いちゃだめ」

勇者「うん…」

突然の異物感。
どうやらあの細長い棒の先っちょをボクの耳の中に入れているようだ。
もしかして、これが噂に聞く『耳かき』というやつなのかもしれない。
どこか遠い国では日常的に行われることらしいけど……。

勇者「くすぐったい」

僧侶「我慢。よく見えないのでちょっと灯り近づけますね」


ヒーラはボクの耳の浅い部分をあの棒で撫でるようになぞっていく。

勇者「ううっ…」

勇者「うーー」

僧侶「変な声ださないでください。いかがわしい事してる気分になっちゃうじゃないですか」

勇者「はい」

勇者「……」モゾモゾ

僧侶「動かない。危ないですよ」

勇者「はぁい…」

勇者(でもこんなのはじめてだし…なんだかヒーラ真剣な声で怖いよ)


カリッ、カリッ…

  カリッ   カリッ

僧侶「…」カリカリ

勇者「んっ」

勇者(あっ、そこっ…もっとかいてほしい…声我慢しなきゃ…)


僧侶「……むー、取れない」

カリッ カリッ

  カリッ

棒はゴソゴソと耳の中でおおきな音を立て、内側に刺激を与えていく。
それがなんともくすぐったいような気持ちいいような味わったことのない不思議な感触で、
半開きにゆるんだボクの口元からは自然と唾液がトロリとたれてしまった。

勇者「あう…ごめんヒーラ…垂れちゃった」

僧侶「ふふ、気持ちいいんですね。いいですよ、あとで拭けば良いので」カリカリ

勇者(あっ、なんでそんな奥ばっかり…ひっ、いひ、くすぐったいよ)

僧侶「あっ…もうちょっと…もうちょっと…動かないで、我慢」

カリッ

勇者「きゃんっ」

僧侶「はいっ取れました!」

僧侶「快感です!」

僧侶「って私が気分よくなってどうするんですか」

勇者「し、しらないよ。でもボクもきもちよかったよありがとう」

僧侶「まだ終わってませんよ。仕上げが残ってます」

勇者「仕上げ?」

僧侶「ふー」

勇者「うっ。ひっ。何!?」

僧侶「ふーー」

僧侶「ふっ、ふーー。ふーーー」クスクス

僧侶はしつこくボクの耳に吐息を吹きかけてくる。

勇者「からかってるでしょ…」

僧侶「はいおしまい。次反対♪」


勇者「ねぇ…経験値…来ない」

僧侶「そういえば、あれ?」

???(両方おわったらあげるわよ)

勇者「両方おわったらくれるって」

僧侶「そうですか。ん?」

勇者「ってキミはまた勝手にボクの頭の中でしゃべって!!」ガバッ

僧侶「え? どうしたんですか!?」

勇者「出てこい! いい加減ボクと正々堂々勝負しろ!」

僧侶「えっと…ユッカ様? まぁまぁ。結界の中には誰も入れませんよ」

僧侶「それより反対の耳しましょ? 膝の上どうぞ」ポンポン

勇者「むぐ…」

勇者(解呪したらいっちばん最初にぶっとばしてやるから待ってなよ!!)

???(楽しみにしてるわ♪ それよりあなたって、耳の奥にもすごーい性感帯あるのね)

勇者(うるさいうるさい! もうしゃべらないでぇ!)


  
  カリッ

カリッ  カリッ――


勇者「あっ♪ いっ…ソコ」

勇者「うん…もっとコリコリして」

勇者「ボクそこ好き…」

カリッ…

勇者「あっ♥」


僧侶「ふーー。ふーーー♪」

勇者「あんっ、ちょっとヤダよ」

勇者「くすぐったいからっ、あははやめてよヒーラぁ…」

僧侶「ふーー♪」クスクス

勇者「んっ…♥」


▼勇者は12の経験値を手に入れた。




 ・  ・  ・


勇者「すくないよ!」

僧侶「何がですか?」

勇者「け・い・け・ん・ち!」

僧侶「そうですねぇ」

勇者「いまわかった。これ絶対あいつのさじ加減だ」

僧侶「そうでしょうか」

勇者「そうに決まってる!」

僧侶「たしかに、私の耳かきに点数をつけられたような気がしてたまりません」

僧侶「12点…」

勇者「気持ちよかったから元気だして! ほんとに気持ちよかったよ! じゅるっ、えへへよだれ出ちゃうくらい」

僧侶「お粗末さまでした」クスクス

僧侶(次はもっと頑張ろう!)グッ

勇者「ノルマまであと36の経験値…」

僧侶「途中でレベルアップするんじゃないですか」

勇者「うん。だけど耳かきしてだいぶ夜も更けてきたからやっぱり今日は」

ガシッ

勇者「だめ?」

僧侶「…」コクッ

勇者(目が本気だ…)


勇者(でも、耳かきでたった12。木のそばで一人でアレをして6…お腹ツンツン1…)

勇者「なにをしたら経験値36も稼げるんだろう」

僧侶「んー…」

僧侶「ほかのとこ触ってみるとか?」

勇者「な、なにを!?」バッ

ヒーラの妖しいジメッとした視線でボクはおもわず身をかばうように手を交差させ股を閉じる。
も、もしかして…ボクのここをさわろうとしてるんじゃ…。


僧侶「…」ジリッ

耳かきを片付けたヒーラはそのまま四つん這いで目を細め嬉しそうにボクににじり寄ってくる。

勇者(ううう…キミの方が悪魔に憑かれてるんじゃないの…)

勇者「ねぇ、ボクたち幼なじみでしょ? だめだよこれ以上イケないこと」

勇者「それに女の子同士だし…」

僧侶「んー? それを聞いてむしろどこに問題があるのかなと思いますけど」

勇者「えっ…」


僧侶「幼なじみの同性がダメってことなら、ユッカ様は行きずりの異性ならエッチなお触りしてオッケーってことなんですか?」

勇者「ち、ちがうちがうっ! そんなのダメっ!」

僧侶「でしょう?」

勇者「でも、だけどやっぱりキミはボクにとって…」

僧侶「私はユッカ様のこと大好きですよ。いつも側で助けてあげたいなって思いますし、それが私に与えられた使命です」

僧侶「あなたのそんな悩める辛そうな顔みてたら…私、もうっ」

勇者「も、もう…?」

僧侶「キュンッってしちゃって! 飛びかからずにはいられませんよ」

勇者(おかしーよ!)

僧侶「さあユッカ様…! 怖くないですよ!!」

ついに壁際まで距離を詰められ、僧侶の顔が目の前まで迫ってくる。

勇者「なんだよその指~!」

僧侶「ふふふ。私にまかせてくださいね~」

勇者(耳かきしてくれた優しい聖母はどこいったの~!)


両肩に手を置かれる。
こんな狭い荷馬車だ、もうボクはどこにも逃げられない。
いや、それでもボクのほうがずっと腕力はあるので力任せに押し返すことはできるけど、
ヒーラに乱暴することなんていくらなんでもできやしない。

勇者(これはボクのためにしてくれてるだけ…ボクの呪いのために…呪いせい…)

勇者(経験値稼ぎ…なんだよね……?)

勇者「…」

僧侶(あぁそんな潤んだ瞳で見つめられちゃドキドキしちゃいます…)

僧侶(かっこよくてかわいい……私のユッカ様)


ヒーラの生暖かい吐息が顔にかかる。
幼なじみとはいえ、こんなに近い距離になるなんて滅多にない。
彼女はボクをどうしようというのか、首筋からは汗が流れボクの心臓は高なっていく。


勇者(まさか、ヒーラに呪いかけてないだろうな! 聞いてる!)

???(かけてないし、聖職者なんてあたしのほうからお断りなのよね)

勇者(じゃあどうしてこんなことになってるの!)

???(あなたって罪な子)


僧侶(私の初恋の子…)

僧侶(あれはまだ幼い頃、はじめて会ったときは男の子かと思っちゃった)

僧侶(くりくりした可愛らしい目も、小さい体も、元気な跳ねっけも、ときおり見せる精悍さも、昔からちっとも変わらないですね。全部大好き)

勇者(なにかんがえてるのかなー…いい加減目そらしたいんだけど)

僧侶(あぁユッカ様がこんなに私のことを見つめてる…あぁあ)

僧侶(いいですよね? いいってことですよね? いただいちゃいますよ!?)

勇者(うーん、ヒーラってこうやって近くでみるとすごくまつ毛長いなー。いいなー体つきも大人の女性っぽいし)
 
なんて半ば現実逃避していると、不意にボクの唇にやわらかいものが触れた。
その直後強く押し当てられボクの呼吸をふさぐ。

勇者「んっ…んぅ!?」

僧侶「んっ、ちゅ…♥」


勇者(なに!? いまなにしてるのボク!?)

勇者(近いっ、ちかいよ!?)

勇者(ちがうっこれチュー…、チューしてるんだ…!)

勇者「んんんっ?!?!」ジタバタ

僧侶「んっ…はむっ、ちゅ♥」

僧侶「いただいちゃいました」

勇者「ぷはっ、ちょっ…!」

あまりのことでボクは気が動転してしまった。

僧侶「…」ペロッ

勇者「ひゃうっ、なななっ、なっ」

きっとボクの顔はりんごみたいに真っ赤に染まっているだろう。
外ではごまかせるけど、灯りのあるここではそうはいかない。
ヒーラも顔を赤らめて、唇をおさえながら僕のことをじっと見つめている

勇者「ぼ、ボク…あうっ、キミと!?」

言いたいことは出てこないし、呂律もまわらない。

勇者「あっぁああっ、あのっヒーラっ! ボク今」


▼勇者は4の経験値を手に入れた。


僧侶「…テク不足? はじめてですし仕方ないですよね」

勇者「あのさあ…」


僧侶「もう1回♪」

ボクの気もしらないでか彼女は笑顔で人差し指をピンとたてる。

ねぇ、ほんとに良かったの?
ボクのために自分を犠牲にするなんてだめだよ。
無理してない…?
と言いかけたところで再三に渡ってまたキス――

結局それから数十分間、ボクはヒーラと唇を重ねつづけた。


勇者「キミの味がしみついちゃう」

僧侶「ユッカ様の味おぼえちゃった」

勇者「はぁ…ボクもうもどれないとこまで来てる気がするよ」

僧侶「私はもう戻る気ありませんよ」

勇者「うぅ…」

僧侶「だけどこれで結構経験値かせげましたし!」

僧侶「ね?」ニコッ

勇者(はぁ、昔っから勝てないなぁキミには…)

勇者「ヒーラって女の子が好きなの?」

僧侶「いいえ。ユッカ様が好きですよ?」

勇者「う゛…」

勇者(やっぱりソルもヒーラもボクのストーカーなんじゃ…)

 

 ・   ・   ・


僧侶「あとどれくらいでしょうか」

勇者「あれから結構チューしたからノルマまでは…えっと、あと11だよ」

僧侶「のこりチュチュっと済ましちゃいましょうか?」

勇者「う、うん…なにその言い方、なんだか下品だよ」

僧侶「そうですか? だけど当面の経験値稼ぎ方法がみつかってよかったですねぇ」

勇者「…かな?」

僧侶「えいっ。ちゅう……♪」

▼勇者は0の経験値を手に入れた。

僧侶「あら? チューしたのに」

ちゅっ

▼勇者は0の経験値を手に入れた。

勇者「な、なんで~!?」



勇者「あと1だよ!? あと1増えたら晴れてレベル10になるのに!」

僧侶「んー? どういうことでしょう」

勇者「おい! どこかにいるんだろ! どうなってるんだ!」

勇者「いっぱいキスしたのになんでレベルあがらないの!」

???(ふぁ~~。そうねぇ~ヒントほしい?)

勇者「うん」

???(なに即答してるのよ勇者のくせに恥ずかしくないの)

勇者「いいから教えて!」

???(ズバリ、あなたがお子様だからよ)

勇者「なっ! ボクは大人だ! 大人になったから旅に出たんだぞ!」グッ

???(ぷっ。やっぱり子供ね)

勇者「う~人の頭の中でなに笑ってるんだよぉ!」


僧侶「あ、あのーユッカ様、私には心の声とやらが聞こえないので…なにがなんだか」

勇者「ちょっとまって! いいからはやく呪いをとけ! もしくはレベル10になる方法!!!」

???(はぁ。じゃあたしからひとつ言わせてもらうとぉ)

???(♀同士でエロくもなんともないキスばっかりしてるガキンチョにレベル10は与えられないわ)

???(レベルアップのご褒美は、あなたが本当の意味で大人になってからね?)

???(ということかなーっ♪ グッナーイ♪)

勇者「はぁ!? ヒーラがなんのためにボクに一生懸命キスしてくれたとおもってるんだ!!!」

僧侶「まぁ…そんな。それならいつでもしてあげますよ」


勇者「…ねぇヒーラ」

僧侶「なんですか?」

勇者「大人になるってどういうことかな?」

僧侶「…え?」

勇者「大人にならなきゃ、ボクのレベルあがらないんだって」

僧侶「……あ」

勇者「どうしたら良いと思う?」

僧侶「…ッ! …ちゅっ」

勇者「んっ、んっく…んむぅ!? そう…んっちゅっ…あっ」

僧侶「ぷは」

▼勇者は0の経験値を手に入れた。

勇者「な、なに?」

僧侶「はむっ、ちゅっ」

勇者「んむぅ~!? んんんーー!!」

勇者「えほっ、なんなの!?」

▼勇者は0の経験値を手に入れた。

僧侶「……」

勇者「もう増えないよ! 話聞いてたでしょう?」

僧侶「…ですよね」

僧侶「女の私では、あなたを大人にしてあげられなくてごめんなさい…」

勇者「…」


勇者「ねぇ大人になるってどういうことなの?」

勇者「成人の儀を終えているのにまだ大人じゃないの?」

勇者「わからないよ…ボクはバカだからわからない」

勇者「キミは頭いいでしょ。街暮らしだし、ボクより一つ年上でしょ! なにか知ってたら教えてよ」

僧侶「ぁ…私は…」

勇者「ボク、強くなりたいんだ。ボク世界を守る勇者なんだ!」

僧侶「…」

勇者「レベル10になりたい…!」

勇者「ねぇ、大人になるって…どういうこと?」

僧侶「ぅ……んーっと…好きな人と愛しあう、ってことかなー」


ヒーラは窓の外を眺めすこし物悲しそうな目をしてそう答え、就寝の準備を始める。
そのあと狭い寝床で毛布を被り、彼女に抱きすくめられるようにして一緒に眠った。

だけどキスの余熱と体のうずきに苛まれ、ボクはなかなか眠りに着くことが出来なかった。


<深夜>


勇者「…ん」ムクリ

勇者「だめだ、お水飲もう」

いよいよ火照りにたえられなくなったボクは、毛布をめくり静かに起き上がった。

勇者「お水…どの樽だっけ」

脇にある樽の蓋を手探りで開け、汲んでおいた飲み水をコップで一杯すくい喉へ通す。
だけど身体から熱がとれることなかった。

勇者「ん…」

勇者(やっぱりアレしなきゃだめか)

勇者「ここじゃまずいよね」


ボクはヒーラの杖を手にとり、カーテンとトントンと叩く。
これで魔法の結界が解除されることはここ数日の生活で知っている。

勇者「ごめんねヒーラ」

すやすや眠る彼女をおこさないように音を殺してゆっくり外にでる。
ひんやりとした空気が身体にささり心地よい。


勇者「あ、まだ起きてたんだ」

傭兵「おう、お前寝たんじゃなかったのか」

勇者「うん…ちょっとね」

まさかソルが起きているとは思わなかったので、意表を突かれついどぎまぎしてしまう。

勇者「キミは寝ないの?」

傭兵「火消して寝ようと思ってたけど」

勇者「ごめんね…いつも荷馬車独占して」

傭兵「気にすんなよ。野営は慣れてる」

傭兵「それに俺には愛しの寝袋があるから」

勇者「そっかぁ」

傭兵「それでお前は、小便か? なら話してないでちゃっちゃと」

勇者「違う…」


傭兵「…? あ! あーー、まぁそういうこともあるわな。例の呪いか」

勇者「うう…聞いて。さっきまでねヒーラと経験値稼ぎしてたの」

傭兵「おう。どんな方法で?」

勇者「耳かきとか…。知ってる?」

傭兵「知ってる。聞き取れなかったけどなんか叫んでたな」

勇者「あのサキュバスがボクの頭の中で好き勝手しゃべったりするんだよ」

勇者「それで、大人にならなきゃもうこれ以上の経験値はうちとめだって」

傭兵「まじか…」

勇者「方法がわからなくてこのままじゃレベル10になれないし、寝ようと思っても身体はうずうずするし、ボクどうしたらいいの」

傭兵「……う、うーん」

勇者「教えてソル! 年上でしょ!」

傭兵「むしろ年上の男がこんなこと言うのはまずいんだよなあ…」


勇者「…まずいことなの?」

傭兵「…ふぅ。なぁ、ユッカは好きな人いるか?」

勇者「えっ、きゅ、急になに?」

傭兵「いいから答えてくれ」

勇者「えっと。おじいちゃんは好きだし、ヒーラも好き、あとキミのことも仲間だから大事に思ってるし、お世話になった村の人たちも」

傭兵「そうじゃなくて」

ソルはボクの唇に人差し指をそっとあて言葉をさえぎる。

勇者「?」

傭兵「ユッカには、好きになった男の人がいるか? 特別に思う人、いるか?」

勇者「…ううん、いない」

ボクは言葉の意味をようやく理解して、小さく頭をふった。


勇者「そういうこと経験がなくてよくわからない。ボクは勇者として、毎日修行して生きてきたから」

傭兵「あぁ、じゃあお前はまだ大人になるべきじゃない」

勇者「でも」

傭兵「10レベルになれなくてもいいじゃねーか」

傭兵「お前の分までしっかり俺が戦ってやる」

傭兵「だからユッカは生き急がなくていい」

そう言ってまた勝手に大きな手で頭をなでられた。
視線をチラと上に向けると、彼は相変わらず笑っている。

傭兵「な?」

勇者「う、うん…」

なんだかくすぐったい気分につつまれ、ボクはとっさに顔を背ける。
手を離した彼は大きく伸びをして寝袋に向かった。

傭兵「んじゃ俺は寝るわ。お前もいい加減寝ろよな」

勇者「わかった」

勇者(身体…さっきより熱くなっちゃってるや。ソルの馬鹿)


その後しばらく、彼の座っていた切り株に腰掛けボクは精神統一を行っていた。
もしかしたら直接なにかしなくても、心を清めれば身体の疼きは収まるかもしれない、そう思ったからだ。

勇者(で、でも)


勇者「う…」


いまいち成果は上がらなかった。
さきほどソルに触れられてじくじくと悪化するアソコの疼きにいよいよボクは耐えられなくなってくる。

組んでいた手は自然とほどかれ、股間へとはしたなく伸びる。

勇者(だめなのに…)

勇者(きもちよくなりたい)

勇者(ソル、さすがにもう寝付いてるよね…?)


寝袋のほうへ視線を送ると、ソルは恐ろしく静かに眠りについていた。

勇者「なんか…慣れてるなぁ」

勇者「ずっとこんな環境で生きてきたのかな」


勇者「キミのせいだからね…」

勇者「ボクにあんなこというから…勝手に頭にさわるからっ」

勇者「んくっ」

足を開き、下着の中に右手を潜り込ませアソコをさぐる。
ボクのアソコはすでにじんわりと湿気を帯び、ふれた瞬間に指に吸い付いた。


勇者「あっ…」


ボクはこれが自慰というイケナイ行為だということを知っている。
旅にでるずっと前、村の近くの森で修行をしていた時にたまたま樹の根元に誰が捨てたのか数冊の本が埋められているのに気づいた。

興味本位で掘り返してみると、それはもうそれまでボクのしらなかった大人の世界がつらつらと綴られてあるとてもいかがわしい本だった。
文字の横に簡単な図解がしてあり、思春期の女の子がみなこういうことをするものだと書かれていたのを思い出す。
…もちろん、本を持って帰る事はしなかった。
持ち帰ってもおじいちゃんに怒られて捨てられていただろう。


勇者「あ♥」

勇者「んっ…もうしないって決めてたのに」


しめった指先で女の子の大事な場所を擦る。
ピリピリとした感触に思わず声がでそうになるのを堪え、刺激を続けた。

徐々に下着が煩わしく感じ、下までずりさげて脱ぎ置く。

勇者(側でソルが寝てるのに…ボク、アソコだしていじっちゃってる…)

勇者(こんなの変態だよ。エッチな勇者なんてしられたら幻滅されちゃう)

勇者(ううん違う、ボクはエッチじゃない。呪いが悪いんだ)

勇者(呪いが…)

勇者「あんっ♥」

勇者「あ、やば…声おさえなきゃ」

 スリ…スリ…

スリ スリ…


勇者「う、うっ…あう」

勇者「はやく終わらせなきゃ」

勇者「このまま続けたらまたあんなふうにきもちよくなっちゃうのかな…」

勇者「どうしよ♥ はっ、はっ♥」

ひたすら刺激をもとめ動き出した指はもうとまらない。


こすればこするほど割れ目からはどんどんとエッチなお汁があふれてきて、やがて座っている切り株へと染みていく。

ちゅくちゅくとかすかに水音が聞こえる。
ボクはその音にすごくすごく興奮してしまって、さらに指を動かす速度をあげた。


 ちゅくちゅく ちゅくちゅく
 

勇者「あふっ、あう♥ いっ♥」

勇者「あ…だめっ、ボク、もう」


 ちゅくちゅくちゅくちゅく
 ちゅくちゅくちゅくちゅく


勇者「うあうっ♥」

勇者「あっだめっ…イ゛っ!?」

勇者「~~~っ♥ あぁっ♥」


 頭がまっしろになり腰がひくつき、全身に快楽が広がっていく。
 歯を食いしばりなんとか声をおさえることはできたけど、正直どこまで抑えられたか自信はなかった。


勇者「はー…はー♥」

勇者(きもちよかった…♥)


勇者「…も、もどろう。うん」

勇者「あーもうほんとボクって…自分に幻滅だよ」

???(今度は結構気持ちよくイケたみたいね)

勇者(無視無視無視)

???(なによー、ご褒美に経験値あげようとおもったのに)

勇者「え、ほんと!? くれるなら頂戴!」

▼勇者は0の経験値を手に入れた。


???(あ! まだガキンチョのままだったね! ざんね~ん)

勇者「…」イラッ

勇者「いいもん。ソルがボクのこと守ってくれるって。約束したもん」

???(ほーんとなんなのよあの男。精気吸っちゃおうかしら)

勇者「仲間に手を出したら許さないからな!」

???(はいはい怖い怖い。ま、追々楽しくやりましょ)

勇者「ふんだ」


勇者「ところで聞かれてなかったよね…? 起きてないよね?」

???(あたしにそれ聞くぅ? 知らないわよそんなとこまで)

???(言っとくけどこの呪いのせいでこの先あんたがどうなっても自己責任よ)

勇者「…」

???(がんばってね♪)

勇者「はぁ…前途多難だよ」

勇者「でも、ちょっとだけ気持ちは軽くなった」

勇者「ありがとう。ヒーラ、ソル」

???(あたしは? あたしサキュっていうんだけど)

勇者「うるさい黙れ。勝手にボクの中でしゃべったらぶった切る」

???(クスクス、どうやって)

勇者「…そ、それはっ。今度あったときに直接!!」


傭兵「ふわぁ…お前さっきから何ひとりごとぶつぶつ…うるさくて起きちまうだろ」

勇者「うわぁぁあ! ご、ごめんごめん! もう静かにするから!」

勇者「……ていうかどの辺から起きてた!?」

傭兵「…?」

傭兵「……あぁ、まぁそういう日もあるさ。勇者とはいえ一人の人間だからな」

勇者「うわあああん!!」



第2話<仲間>おわり

次回更新:明日また同じくらいの時間から
ちなみに注意書きを忘れました R-18作品ですので自己責任でお願いします


第3話<森の魔女>


村人「オラが案内できるのはここまでだぁ」

村人「正面の深い森を抜ければほどなく次の街が見えるべ」

傭兵「わかった。ここまで案内ありがとうな」

傭兵「少しだが報酬だ」

村人「へへ。だけんど気をつけておくんなせぇ。無事抜けられればですがね」

傭兵「どういうこった。封鎖でもされてんのか」

村人「この森の噂しってますか」

僧侶「なにかあるのですか?」

傭兵「……あー、そういえば聞いたことあるな。お化けがでるとかなんとか」

勇者「お化け!? や、やだよそんな森」

村人「オラが知り合いに聞いたのはお化けではなくて"魔女"ですわ」

村人「なんでも迷い込んだもののを命を吸うと噂されてまして」

勇者「…」ゾク

村人「数年ほど前から住み着いておりまして、この森を通る行商人や旅人もめっきり減ってしまったべ」


勇者「ボクらも迂回しよう!」

傭兵「迂回するにも、そうなれば山越えは必至だな」

僧侶「荷馬車で向こう側へ抜けるにはこの森を通るしかないようですね。お化けは…ヤですけど」

勇者「うええ…」

傭兵「魔女なぁ…案外お前にとりついた悪魔のことじゃねーの」

サキュバス(違うわよ)

勇者「違うってさ」

傭兵「…あ、そう」

傭兵「ココで怖がっててもしかたねぇ。魔女に会いたくなければ夜になる前にさっさと抜ければいいんだろ?」

村人「そう聞いています。ですが魔女にあったものは…魔力を吸い尽くされて土塊のようになってしまうとか」

傭兵「…んなわけないない。行こうぜ」

勇者「う、うん…」

傭兵「勇者だろ。勇気だせ」ポンッ

勇者「わかってるよぉ。行かないとは言ってないじゃん」


【荷馬車】


勇者「鬱蒼として嫌な森だなァ」

勇者「ボクの住んでいた村の近くの森はすっごい綺麗だったのに」

傭兵「で、何か感じるか?」

勇者「わからないけど、肌をさす空気がピリピリジメジメしてる」

勇者「魔力を持つなにかが住んでるのは確かだと思う…」

僧侶「ユッカ様はするどい※魔覚をおもちなのですね」 ※魔力を感じ取る力

傭兵「俺にはさっぱりわかんねぇ」

僧侶「まぁ、程度の差はありますから」

僧侶「生まれつき目の見えない方がいらっしゃるように、魔力を感じ取る力が極端に低い方もまれにいらっしゃいます」

勇者「それにしてもキミは鈍すぎ!」

傭兵「わるかったな。変にビビらなくていいっていうメリットもあるんだぜ」


――



傭兵「さて、ちょっと馬止めるぞ」

勇者「どしたの?」

傭兵「二人に良くない報告がある」

勇者「…?」

傭兵「方位磁石が壊れているかもしれない」

勇者「え~~~?」

僧侶「…ってことは、迷っちゃいました?」

傭兵「もらった地図だともうそろそろ出口についててもおかしくない時間なんだよな」

傭兵「おっかしいなぁ」

勇者「もっと早く気づいてよ!」

傭兵「んなこといわれてもよ、針が固まるとはおもわねぇだろ」

傭兵「闇雲に進んでももっと迷うだけだ。朝を待とうぜ」

勇者(やだなぁ…こんなとこで野営なんて)


傭兵「ほれ、パン」

勇者「う、うん…」

勇者「はむ…」ブルル

勇者「やっぱりボクここにいられないよ!」

傭兵「鋭敏すぎるのも困りもんだなぁ」

僧侶「結界貼りましょうか?」

勇者「でもそれだとボクらがここにいるって教えるようなもんだし…」

僧侶「そ、そうですね」

勇者「じっとしてるのが一番なんだろうけど……・ボク、さっきからずっとなにかに見られてるような感じがするんだ」

傭兵「野良の動物くらいは居るだろうよ」

勇者「そうじゃなくって!」

僧侶「私もすこし悪寒がします。こんな場所ですし、お化けいたらどうしましょう…」ブルルッ

傭兵「寒いなら抱っこしてやろうか」

僧侶「いいえ結構です!」



傭兵「あんまり気にしてもしかたねぇよ」

勇者「そうだけど。ソルにはわかんないよ。ねー?」

僧侶「ねー?」

傭兵「…ふぅ」

傭兵「でもよ、俺達に対しての敵意は向けられてないんだろ?」

傭兵「……たとえばいま二人の後ろにいる青い火の玉とか」

勇者「え?」クルッ

 ふわふわ

火の玉「…」

勇者「ギャーー!! うわぁああ!」

僧侶「お、お…おば、おばけ…いやあああああ」

傭兵「しー! 静かにしろって! 魔女にみつかっちまうぞ」


勇者「あわ、あわわおばけ…火の玉がぁっ」

 ふわふわ

勇者「あー無理無理無理! なんとかしてよぉヒーラ!!」

僧侶「え、えへ………こ、こひがぬけて…あ、あはは」

勇者「なにやってんだよぉ僧侶でしょ! 聖なる魔法でパパっとやっつけてよ!」

僧侶「…ぐすっ」

勇者「ねぇソル!」

傭兵「いやお前がなんとかしろよ」

勇者「だってぇ…あ゛ー近づいてこないでぇ! いやーお化け無理!! ボクレベル低いし!」

傭兵「お化けかこれ?」

勇者「だって火の玉が浮いてるんだよ!! ソルなんとかして!!」

傭兵「んじゃ俺の華麗な剣技で。おらよっと」

 スカッ

火の玉「……」

傭兵「ははは。パス! 俺魔力もってないからこういうのと戦えないんだよね」

勇者「うわああん!」


勇者「ど、どうしよう」

傭兵「襲ってこないんだから問題ないだろ」

傭兵「ほら、ちょうど灯りになってむしろイイカンジ」

 ゴツン!

傭兵「イってぇ…杖はやめて…」

僧侶「馬鹿いわないでください! 女の子が怖がってるんですよ!」

傭兵「なんだ立てるじゃん。んじゃパパっと魔法で頼むよ」

勇者「お願いヒーラ!」

僧侶「…うう、じ、実はですね」ゴニョゴニョ

勇者「?」

僧侶「回復と防御魔法くらいしかつかえません。えへ」

僧侶「あ、うわぁって顔した。ひどいです」

傭兵「…お、そうだ。ちょっと杖貸して」

僧侶「魔法つかえるんですか?」

傭兵「まぁ見てろって。この聖杖には魔力蓄えてるよな?」

僧侶「え、ええ…一応魔法具ですので」


傭兵「よっしゃあ!」


ソルは元気よく叫ぶと杖を両手で握りしめ、大きく後ろに振りかぶり…。
あろうことか杖を火の玉に叩きつけるように強く振りぬいた。

実態の無いはずの火の玉は見事聖杖と衝突し、ものすごい勢いで空へとふき飛んで行く。


傭兵「おー飛んだなぁ」

僧侶「ななっ…なにするんですか! 私の杖で!!」

傭兵「やっぱりアレは魔力を帯びてたんだな。炎だけなら当たらないしな」

僧侶「うう…私の杖」

勇者「でもやっつけたよ! すごい! びゅーんって! あはは!」

傭兵「実に振りやすい杖だ。グリップもよく馴染む」

僧侶「やめてください高価なんですから」


勇者「ん…待って…」

傭兵「どうした? さぁ飯の続きといこうぜ」

勇者「ぎゃ、ソル! 上上! あいつ戻ってきた!」

傭兵「はぁ…? うおっ」

叫んだのもつかの間、吹き飛ばした勢いより更に速く火の玉は木々の向こうから
ソルの身体めがけて飛来してくる。

ソルはとっさの反応でなんとかそれを打ち返す事に成功した。
杖で風を切る音と、魔法同士が衝突したときに鳴るキィンとした甲高い音が辺りに響く。


傭兵「はー、あっぶねぇ…危うくデッドボールだぞ」

勇者「なにそれ」

傭兵「そういう遊びがあんの」

僧侶「す、すごいです…でも私の杖」

傭兵「やべぇなまた来るかも…ちょっと貸しててくれ」

僧侶「はぁ…」

傭兵「久しぶりにワクワクするぜ。こいよ火の玉野郎! 何度でも打ち返してやる!」

僧侶「もう放っておきましょうか…」

勇者「うん。ご飯たべよ」

傭兵「うおおお!」ガキンッ



――




僧侶「ソル様~、ご飯たべないんですか」

傭兵「キリがねぇんだよ!」ガキンッ

勇者「ビュンビュンキンキンうるさいよ! 静かにしろっていったのキミなのに!」

傭兵「しゃあねぇだろ! 襲ってくるんだからよ」

勇者「キミが最初にぶん殴ったからきっと怒ってるんだよ」

傭兵「んなこといわれてもよ! 倒してくれっていったのお前だろ!」ガキンッ

勇者「消し去る方法ないのかなぁ」

僧侶「あれいつまで続くんですかね」






僧侶「そういえば、ソル様って魔力もってないわりには不思議と魔法具の扱いに長けてますよね」

勇者「本人聞こえてなさそうだからいうけどさ、そもそも魔力もってないっておかしいよねぇ」

僧侶「そうですね。魔力の量が人より少ない方ならいらっしゃるんですけど」

勇者「魔力ってボクらにとって生命エネルギーみたいなもんなんでしょ? なくても平気なの?」

僧侶「う、う~ん…どうなんでしょう」


傭兵「俺は元気だぞ!」ガキンッ


勇者「げっ、聞こえてたや」

僧侶「あはは…すいません、私ちょっとお花を摘みに。さっきから我慢してて」

勇者「?」

僧侶「おしっこです」ボソッ

勇者「あー。うん、ボクも行こっと!」



傭兵「そこらへんですりゃいいだろー。森だぜここ」ブンッ ブンッ

僧侶「…そんなわけにはいきません。私たち、花も恥じらう乙女なんです。ねー?」

勇者「…」コクッコクッ

傭兵「乙女なあ…俺その乙女のせいでたんこぶできてるんだけどなぁ」

傭兵「これあとで治してね。そっちの魔法は得意なんだろ?」

僧侶「…コホン、行きましょ。すぐ戻ります」

傭兵「おーう…」

傭兵「……。あれ火の玉こねぇな…逃げたか?」


――




勇者「ここらでいいかな」

僧侶「あの人、案外地獄耳ですからね。これくらい離れてないと聞かれちゃうかも…」

勇者「魔法が使えない分、ほかが発達したりするのかもね!」

僧侶「さて、ではユッカ様はこちらで。私はむこうのほうで――」


 『火の玉から離れちゃだめ……』


僧侶「え? いま何か言いました?」

勇者「い、言ってないよ。ヒーラの声じゃないの…?」

僧侶「えっと…」


 『離れないで…』
 

火の玉「…」ふわふわ

僧侶「!!? ひっ!」

勇者「で、で、アっ…!」チョロロ…

下半身を伝う温かいものを感じる。足がガクガクと震えて一歩も動けない。
どうやら、間に合わなかったみたい…。
いい年してこんなの、あとで絶対ソルに笑われる…。

ヒーラはというと、隣で腰を抜かしぺたんと可愛らしく座り込み、目をつぶり耳を塞いで何かを小さな声で唱えている。
お化けに対する同じ反応でもこっちは絵になるのにどうしてボクときたら…。




 『戻って…』


勇者「この声…火の玉から聞こえるような」

勇者「キミ、しゃべれるの?」

火の玉「…」
 
  『灯りのそばに居なきゃだめ。ここは危ない』

勇者「ねぇヒーラ…あ、絶対何も聞こえてないや」

僧侶「…」ブルブルブル

勇者「ねーヒーラってばぁ」ゆさゆさ

僧侶「はうっ!? ユ、ユッカさまぁ…私、私…いい年しておもらし…くすん」

勇者「ボクもだから大丈夫(?) それより火の玉がねっ! なにか伝えようとしてるんだ!」

火の玉「…」ふわふわ

僧侶「うわーまだいるじゃないですか! 見たくないですっ!」

勇者「…ねぇ。キミは、ほんとにボクたちの敵じゃないの?」

 
 『違う』

 『もどったほうがいい。あなたの仲間のところに』


勇者「ソル…?」




戻ってみると、ソルはすでにたくさんの黒い狼に囲まれていた。
周りには何頭かソルに斬られただろう狼が血を流し倒れている。
そしていまこの瞬間も一匹また一匹と牙をむき彼へと飛びかかる。

勇者「ソル!!」

傭兵「ユッカ! 来るな! 人喰いの獣だ!! 俺が全部相手する!」

勇者「あ…」

火の玉「…」ふわふわ

ボクらについてきた火の玉が辺りをぐるぐると飛び回る。
それをみた狼たちは小さく唸りながら蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
どうやら火を怖がっているようだ。

傭兵「……」

勇者「ソル!」

僧侶「ソル様! お怪我は!」

傭兵「大丈夫だ…それより…」

傭兵「なんで、お前下履いてないんだ」

勇者「……あんっ忘れてた」バッ

傭兵「いや暗くて見えてねぇけど」

僧侶(私スカートで良かった…)



傭兵「悪かったな何度も打ち返して」

火の玉「…」ふわふわ

傭兵「だけどいい勝負だったぜ」

勇者「あの、ソル。その火の玉、しゃべるんだよ」

傭兵「ほんとか? おーいしゃべってみろ」

ソルは拾い上げた聖杖の先で火の玉をツンツンとつっつく。
火の玉はすこし不機嫌そうにゆらゆらと揺れた。

 『……乾かしてあげる』

ふいにボクのほうへと近づいてきて、手に持つぐっしょり濡れた下着の近くに浮遊する。


勇者「うわっ、い、いいよぉ…そんな気つかわなくて」

傭兵「なんだぁお前それ…。ははーん、さては間に合わなかったのか?」

勇者「そ、それは…うう」

僧侶「ええ間に合いませんでしたとも! この火の玉のせいでね!!」

傭兵「ヒーラちゃん何キレてんの」



 ・  ・  ・

2枚の下着を近くの樹の枝にかける。
火の玉はそれを乾かそうと、ふわふわと周囲を旋回している。
ヒーラは恥ずかしさでずっと顔を手でおおったまま、ときおり指の隙間からソルの様子を伺っているようだ。

傭兵「つまり、俺達を守っていてくれたってことだな」

勇者「だね」

傭兵「んだよおどかしやがって」

勇者「ほんとだよ!!」

ボクは恐怖と恥ずかしさのダブルパンチで怒り心頭だった。
ちなみに下着は新しいものに履き替えて、気分は爽快。だけどこの後のことを考えると真っ暗。


火の玉「…」ふわふわ

傭兵「おいなんとかいえよ。しゃべれるんだろ」グリグリ


 『…あなたを守ったわけじゃない』

傭兵「うわっ…辛辣だな。なぁお前絶対例の魔女だろ!」

勇者(やっぱりそうだよねぇ…ボクもそう思うもん。やだなぁ)


傭兵「白状しろ! だいたいなぁ、陰気すぎるんだよその火の色がよぉ」

僧侶「あ、あ、あの…ソルさま」

傭兵「どしたの」

僧侶「下着に話しかけてるみたいで…はずかしいというか、その…できればやめて欲しいんですけど」

勇者「それにむやみに魔女のこと刺激しないでよね! まだ怖いんだから!」

傭兵「あーそうか。わかった」

傭兵「出てこいよ陰気魔女!!」

勇者「ばっ! 何いってるの!」ゲシッ

思わず高速でソルの足を何度も踏みつけた。

傭兵「痛くないぞ」

僧侶「刺激しないでくださいっていってるでしょ!!!」


火の玉「…」ふわふわ

勇者「ほら怒ってるよぉ」

傭兵「なんでわかるんだよ」

勇者「ボクには雰囲気でわかるの!!」


 『…なら、そっちに行く。待ってて』


勇者…あ」

僧侶「いやあああ!!ソル様のばかああ!!」

傭兵「本体で襲ってくるなら直接たたっ斬るチャンスじゃねぇか」



ボクたちは顔を見合わせたあと、背を預け合いしばらく辺りを警戒する。
ざわざわとした森の空気が静まりかえり、緊張感につつまれる。

傭兵「美人だったらいいなぁ」

勇者「ばかぁ」

僧侶「神よ…私達に加護をお与えください」

傭兵「ヒーラちゃんの結界って強度どんなもんなの?」

僧侶「…案外簡単にパリンと割れますよ。いまの私では防げるのは中級の魔物までです」

傭兵「じゃ、いざとなったらユッカをよろしく」

僧侶「ソル様…戦うんですかやっぱり」

傭兵「魔女が俺たちを狼から守ってた理由はわからねぇけど、いざとなったらな」

勇者「さっき敵じゃないって言ってたよね…もし襲ってきたら…」

勇者「ぼ、ボクたちを食べちゃう気で…獲物をよこどりされまいと守ってくれただけなのかも…」ブルブル


そう言った直後、大きな魔力の塊がボクの前方から近づいてくるのを察知する。
魔女だ。間違いなくそう直感した。


勇者「来た…ボクの前方、300メートルくらいかな、ううんもっと近いかも…」

勇者「魔力が大きくてよくわからない。でも近くにいる!」

傭兵「わかった。さがってな」

勇者「…うん」


おもわずソルの服の裾をきゅっとつかむ。
隣をみるとヒーラはすでにそうしていた。

僧侶「…」ゴクリ


勇者「近づいてくる…」

手に汗がじわりと広がる。
だけど近づいてくればくるほど、ボクは違和感を覚えた。
思った以上に、ボクらに対して害意がない。

勇者「剣をおさめてソル」

傭兵「…あん?」


これは魔覚の鋭い人にしかわからないのだけど、人にはそれぞれ魔力の波動に違いがある。
例えば、魔力の色や溶けかた、密度や温度。人の顔がみんな違っているのと同じで魔力も個性を持っている。
ボクは生まれながらにこれらをすべて感覚的に捉えているので、これ以上うまく言葉にはできないけど、
確かにそういった見分け方が存在する。

勇者「大丈夫。襲ってこないよ」


そう、ボクの違和感とは。
この魔女の放つ魔力の波動を、知っているような気がしたからだ。


目の前の茂みががそごとと音をたてる。

ボクが一歩前に歩み出ると側を漂っていた火の玉はくるくると主のもとへと戻っていった。

傭兵「きやがった…! 気をつけろユッカ」

僧侶「ひ、ひぅ…」


勇者「平気」

勇者「ふたりはそこにいて」

傭兵「お、おいっ。大丈夫なのか?」

僧侶「ユッカ様…」ゴクリ

勇者「うんっ」


  『あなたには会うのは久しぶり……』


勇者「…そうだね。マナ」

やがて茂みの中から、のそのそとローブを羽織った銀髪の少女が現れた。

それはボクが昔王宮で暮らしていたころに何度か遊んだことのある、マナという魔法使いだった。


魔女「ユッカ。またあえた……だから魔力…頂戴?」


第3話<森の魔女>つづく


傭兵「お、おい…魔力よこせとか言ってるぞ…やっぱり人喰い魔女なんじゃねぇか」

僧侶「ユッカ様本当に大丈夫なんですか」

勇者「うん。マナは僕の友だちだから」

傭兵「友達ねぇ…」

魔女「…」

傭兵(やっべぇ、何考えてるか読めねぇ…)

勇者「えへへ。マナ!」


数年後しの思わぬ再会に、つい嬉しくなってマナの手をとる。
すると、ぞわぞわとボクの魔力が勝手に溢れだし、マナの手を伝い彼女の小さな体へと吸収されてゆく。

勇者「う…」

魔力を吸われるのは決して心地の良いものじゃない。
例えるなら、血を吸われすぎた時のような貧血状態。この状態が続くと常人なら意識を失ってしまう。


僧侶「ユッカ様!」

傭兵「なんだ、どうした」

僧侶「ユッカ様の魔力が…! あの子に吸われてます!」

魔女「…」


僧侶「ちょっとあなた!! ユッカ様に何を」

勇者「い、いいんだ…。これがマナの能力だから」

僧侶「え…」

勇者「ね?マナ」

魔女「ユッカの魔力…あいかわらずおいしい…」

魔女「だけど、もういらない。また、あなたを傷つけてしまう…」

マナは差し出したボクの手を振り払い、頭を小さく横にふる。

勇者「いいんだよマナ! もっと吸っても」

魔女「だめ。あなたの魔力を吸うと、怒られる」

勇者「ここにはマナを怒る人なんていないよ! 大丈夫だから…」

再びマナの手を取る。
彼女の呪いにも似た抑えようもない体質は、耐えず周囲の魔力を求め、むさぼるように吸い尽くそうとする。

魔女「だめ…離して」

彼女は幼い頃からこの体質に苦しんでいた。周囲の大人の魔力を無意識に吸い、何人もを危篤状態へと追いやったらしい。
そして彼女は次第に忌み子と呼ばれ、ついに勇者であるボクの前から姿を消した。
ボクが王宮でマナと一緒に過ごせたのは、期間にしてたった数ヶ月のことだった。


勇者「…ぅ。平気」

勇者「ね? ボクはもう大人だから、たくさん魔力をもってる。ちょっとくらい吸われてもへっちゃらだよ」


勇者「ね? これだけ側にいても倒れてないでしょ?」

勇者「強くなったんだ」

魔女「……」

僧侶「あの、ユッカ様。その子は」

勇者「紹介するね。この子はマナ、ボクの大事な友達」

勇者「ヒーラと出会う少し前かな。王宮にいたマナとよく一緒に遊んだんだ」

魔女「…」

僧侶「…ほっ。よかったぁ…じゃあほんとのほんとに悪い魔女じゃないんですね」

勇者「そうだよ!」

勇者「マナ、紹介するね。ボクの旅の仲間の僧侶のヒーラと傭兵のソル」

魔女「…」

傭兵「無愛想なガキだな」

魔女「……っ」ササッ

勇者「…少し人見知りなんだ。だから火の玉つかってボク達のこと遠くから探ってたの?」

魔女「…」コクコク

傭兵「あのなぁ、もっと他になんかあるだろ。何度も何度も俺だけ襲いかかってきやがって」

魔女「…棒でたたかれたから」

傭兵「…う。いや、そりゃ魔物だと思うし?」


僧侶「ごめんなさい。私たちも動揺してまして。ひどいこと言っちゃったかも…」

魔女「平気。私が、悪い」

魔女「旅人がユッカかどうか、わからなかったから。でも、夜の森で火たいてなくて…」

魔女「あぶない…から。狼とかでて、たべられる、し」

傭兵「……。あんときはサンキューな。おかげで助かった」

勇者「ありがとうマナ。遠くからボク達のこと助けてくれて」

僧侶「ありがとうございます。おかげで誰も怪我もなく無事にすみました」

魔女「……」ササッ

勇者「どうしたの。恥ずかしいの? いいよ、ボクにくっついてて」

魔女「しらない人と、あんまり話さないから」

僧侶「うふふ。かわいい」

魔女「あと…ずっとここにいても、危ない」

魔女「火で逃げない獣もいる。うちにきて…おじいちゃんと、住んでるから」

勇者「わぁ。じゃあお邪魔しようかな! いいでしょふたりとも?」

傭兵「おう」



【森の小屋】


魔女「お茶…おいしくないかも、しれないけど、…の、飲んで」コト

傭兵「おー気にしなくていいのに。悪いな」

僧侶「ありがたくいただきます」

勇者「ね? いい子でしょ」

魔女「ユッカ…さっきは魔力を吸ってごめんなさい」

勇者「気にしなくていいよ! どうぞ、好きなんでしょ?」

魔女「私は吸いたくないけど、おいしそうなのを感じると勝手に吸いたくなる…の」

傭兵「えーっと。それってつまりよぉ」

僧侶「…マナちゃん意外といやしんぼ!?」

傭兵「いや違うでしょ」

傭兵「お前、呪われてんのか」

勇者(呪い…いまになって、マナの気持ちが痛いほどわかるよ)

勇者(ボクがあの時たおれなければ、ずっと一緒にいられたのかな…)

魔女「…正しくは違う。これは生まれつき。解く方法はない」

魔女「一生つきあっていくしかない。だから、人里には住めない…みんなを傷つけてしまう」


傭兵「そこまで悩むほどか?」

魔女「…あなたも、体験してみる?」

勇者「あ、でもソルは」

僧侶「はいはい! では私が先に!」

僧侶「ユッカ様ほどではありませんが、魔力の量にはちょっぴり自信がありますのでどうぞ!」

魔女「…もうすこし近づいたら、勝手にはじまる」

僧侶「えっと、これくらいですかね」

僧侶「…ぅ」グラッ

僧侶「こ、これは…ほんとに吸われてますね。ああー抜けていってます!」

勇者「慣れないうちは、結構クラっとくるかもね」

魔女「はふ…おいしい…良い」

魔女「すごくおいしい…上品で、まろやかな味わい…」

傭兵「魔力に味があるのか…」

魔女「ユッカは甘くて優しくて温かい」

勇者「えへへ。褒められちゃった」


魔女「長々とごめんなさい。つかれたでしょ…お茶、のんで、ちょっと回復する」

僧侶「ありがとうございます。はふぅ、すごい能力ですね」

魔女「あんまり、好きじゃない」

傭兵「じゃあ次は俺かー。つっても」

魔女「……? あなたから、魔力を感じない、微塵も」

魔女「どうして、こんなひとはじめて……」

傭兵「ハハ…! だろ?」

勇者「なに勝ち誇った顔してるの! ボクだって最初会った時キミから魔力を感じなくてほんとびっくりしたよ」

魔女「…不思議。もしかしてあなた、死体?」

傭兵「失礼なガキだな。こんな血色の良い死体がどこにいるってんだ」

魔女「…やっぱりユッカがおいしい」

勇者「いいよーマナー、いっぱい吸っていいよー」ギュー

魔女「…」コク


傭兵「ま、これで噂の真相がはっきりしてホッとしたぜ」

僧侶「実はビビってました?」

傭兵「んなわけねーから…ビビらねぇよ大人だし」

僧侶「うふふ。ソル様、ひょうひょうとしてるフリして内心びびってたんですね」

傭兵「…漏らした本人がいうかよ」

僧侶「なっ!? や、やめてくださいよそれ掘り返すの!! わすれてください!!」ボカッ

傭兵「いっでぇ!」

魔女「私の火の玉もあれでなんどもたたかれた」

傭兵「あれはお前が挑んでくるからだな」

魔女「引き分けだね」

傭兵「あ、あぁ…? それよりヒーラちゃん、タンコブ治して。二個目だぜこれ」

僧侶「知りません。乙女を辱めた天罰ですよ」


 コツ…コツ…

 『んぬ…何の騒ぎじゃ。おお…!』

 二階からゆっくりと階段の手すりを伝い、白髪白髭の老人が降りてくる。
 マナはあいかわらずの無表情でその老人におじいちゃんと小さく呼びかける。
 ボクとヒーラはマナの友達ですとにこやかに挨拶し、愛嬌をふりまく。
 しかしあろうことか、ソルの表情が固まっていた。





魔女「おじいちゃんは、私の魔法の先生…で、魔導師、偉い…魔導師」

魔導師「ようきたな」

傭兵「あ、あんた…」

勇者「どうしたのソル」

魔導師「小僧もようきた。なんじゃその幽霊でも見たかのような顔は」

傭兵「いや…でもよ。あんた」

僧侶「もしかして魔導師様…? 私ヒーラです! お覚えですか!?」

魔導師「うむ。大神官の息女じゃな」

僧侶「はい! 父がお世話になりました」

勇者「ヒーラのパパの先生なの?」

魔導師「いかにも。奴はワシを慕っておってな。大人になってからはよう酒を酌み交わした。」

勇者「あれ? じゃあみんな知り合いなの? ずるいボクだけ仲間はずれ」

魔導師「ほほ、おぬしは名は確かユッカと言ったか。まだ小さいころだったからの。会ってはおるが覚えとらんかもしれんな」

魔導師「以前ワシは王宮付きの魔導師をしておったのじゃよ」

勇者「そうなんですか」

傭兵「いやそれはいいんだけどよ! あんた急にいなくなったから俺はてっきり死んだかと」

傭兵「ちょっとこっち来てくれ!」


勇者「あーソルどこ連れていくのさ」

傭兵「このじいさんにサシの話があるんだよ! お前はそこにいろ」

魔導師「では外へゆこうか。二階にまたあがるのはしんどくてな」

傭兵「ああ」

勇者「えー…」

僧侶「なんでしょうかねぇ」

魔女「…」

魔導師「勇者殿。よければわしらが話してるその間、マナに旅の話でもきかせてやってくれんかのう」

勇者「え……はい。そうします」

魔女「ユッカのこと、聞きたい。あんまりひとのお話をきくことはないから」

傭兵「じゃあ、お茶でも飲んでゆっくり話しとけな!」

そう言うとソルは魔導師様をひきつれて慌ただしく小屋を出ていった。
窓越しにソルの様子をチラとうかがう。
普段ボクには見せないような真剣な表情をし、聞き取れないものの何か話をしているようだ。

勇者(ソル…キミは一体)

勇者(ボクに何かを隠してるの…?)


【小屋のテラス】


魔導師「なんじゃ。子どもたちに不安を与えるような真似をするでない」

魔導師「少しは大人になったと思ったのだがな」

傭兵「…悪かった」

傭兵「あんたが急に現れて、俺ほんとびっくりしてさ」

傭兵「魔導師のじいさん、あんた生きてやがったのか」

魔導師「おぬしとはおよそ8年ぶりか」

傭兵「そうだ。その間いろんなことがあった。どうして俺に何も言わずに消えた」

魔導師「うむ、わけあって王宮付きの魔導師を辞め。城を離れ幾年」

魔導師「来たるべく日に備え、あの子と此の森で静かな余生を送っていた」

傭兵「マナか…あいつはなんなんだ? あんたの娘? 孫?」

魔導師「養子じゃよ。おぬしは知らんのだな」

傭兵「あぁ。俺が王宮に出入りできるようになったのはここ数年の話だからな」


傭兵「マナとユッカが顔見知りだってのもしらなかったし、あんたが消えた理由もわからなかった」

傭兵「俺が王宮入りしたときいろいろ探ってみたが、上にはとうの昔に死んだと聞かされたんだがな」

魔導師「…やむを得ぬ事情があったのじゃ」

魔導師「おぬしも見ただろう。マナは抑えられぬ不思議な力をもっていてな」

傭兵「あーそれだけどよ」

魔導師「ふむ、そうじゃったな。おぬしはもう魔法が使えんのじゃった」

傭兵「っせぇな。笑ってんじゃねーよ」

魔導師「あの子の力は使いようによっては人に害をもたらす。ゆえに忌み子とよばれ、迫害されておった」

傭兵「まあ、勇者であるユッカに近づけさせないのは当たり前だよな」

傭兵「俺がもしユッカの教育役なら、マナを引き離していたと思うぜ」

魔導師「……わしはあの子を連れ、この深い森へと逃げた」


傭兵「引き取ったってわけか」

傭兵「それで国はそれを許しちゃいねぇと」

魔導師「あぁ。長年仕えたわしをお尋ね者にするわけにはゆかんかったのじゃろう」

魔導師「死んだことになっとるならそれが良い」

傭兵「と、とにかく。再会を祝おうぜ」

魔導師「…くく、おぬしはあまり変わっとらんようだな」

魔導師「相変わらず年配者に対して偉そうな口を聞く」

傭兵「んだよ。俺達の志は同じだろ。仲間みたいなもんじゃねぇか」

魔導師「こころざしか」

傭兵「あの日のこと、覚えてるだろ。なにがあってもユッカを守ろうって…」

魔導師「あの子のこと、おぬしに全て委ねてしまう形になってしまったな」

魔導師「わしには覚悟がたりんかったようじゃ」

魔導師「わしはみてのとおり、マナに入れ込み、使命を忘れ国から逃げ出した愚かな老人じゃ」

魔導師「おぬしに合わせる顔はないと思っていたのじゃがな」

魔導師「そして会えるとも思わなかった」

傭兵「生きてるだけで儲けもんだぜ」


魔導師「わしをゆるしてくれ」

傭兵「恨んじゃいねぇさ」

傭兵「あんたがいなけりゃいまのユッカがあったかどうかわからない」

傭兵「まっすぐ成長したよ」

魔導師「そうか。わしがあの少女に施した封印術はどうじゃ」

傭兵「なーんも思い出してねぇよ。あの日以前の記憶は封印されたままだ」

傭兵「思い出したら、どうなることやら」

魔導師「だが、おぬしがあの子の側にいることをわしは禁じたはずじゃがな」

魔導師「ふとしたきっかけで、魔法の枷は外れ記憶はよみがえる。当時あの子と深い関わりのあったおぬしはその因子となりうる」

魔導師「なにゆえおぬしはいまこうして、あの子の側にいる」

魔導師「あの子が独り立ちするその日まで、陰で見守ろうという話ではなかったのか」


傭兵「旅にでるのが早過ぎる」

傭兵「いくら勇者の血を継いでいるとはいえ、15やそこらの子供をひとりで旅に放りだすなんて大人の、ましてや国のやることじゃない」

傭兵「だから俺はガードになった」

傭兵「それに約束通り陰で見守るのはおわり。これからは堂々とピッタリと側で守るさ」

魔導師「じゃがもし記憶の封印がとけたら…」

傭兵「じいさん。大切なことは、いつまでも忘れてていいもんじゃない」

魔導師「…」

傭兵「あんたのおかげでたしかにユッカは哀しいことを全て忘れて、健全に育ったよ」

傭兵「だがそれは俺達大人の都合で、あいつに無理やり押し付けた勇者の姿でもある」

魔導師「…あぁ」

魔導師「運命とは過酷なものだ。あのような無垢な少女に、わしらは行く末を頼らねばならぬ」

傭兵「ユッカは守る。魔王も復活させない」

傭兵「いまはそれが、俺の使命だ」



魔導師「…いずれ、時が来れば嫌でも思い出す」

魔導師「わしの封印術もそう長くつづくものではない」

魔導師「その時、哀しみに少女の心が耐え切れることをわしは祈っておるよ」

傭兵「だな」

傭兵「でもあいつほんと精神的にガキンチョだからな。いや見た目もか。ガキのお守りするのは思ったより疲れるぜ」

魔導師「おぬしもな。あまり中身はかわっとらんようだ」

傭兵「あん? 老いぼれからすりゃ10代も20代もそうかわんねぇってか」

傭兵「ひでぇよなぁ俺これでもあの日あんたと別れてからいろいろ修羅場をくぐって来たんだぜ」

魔導師「風のうわさで聞き及んでおる」

魔導師「王国守備隊の剣兵に鬼神有り。多くの戦果をあげ、騎士の称号を手にしたそうじゃな」

傭兵「そんなもの、返してやったけどな」

傭兵「いまはただの傭兵。またユッカのガードさ」


魔導師「しかし、ガードとしては三流じゃな」

傭兵「あん」

魔導師「勇者になにか邪な者が入り混じっておる、さっきすれ違うた時にそう感じたのじゃ」

傭兵「邪…まぁ、俺のミスでもあるか。すまない」

傭兵「ユッカはちょっとやっかいな呪いにかかっちまってな」

魔導師「あの感覚、淫魔じゃな」

傭兵「知ってんだな」

魔導師「淫魔の国の研究をしたこともある」

傭兵「お堅い顔して案外エロジジイなのか?」

魔導師「若いころの話じゃ」

魔導師「その頃はまだ淫魔の国がこの世に存在しておってな」

傭兵「じゃあユッカに取り付いたのは淫魔の生き残りってか」

傭兵「はぁ…めんどくせぇのにひっかかちまったよ」

傭兵「なぁじいさんあの呪い解いてやれねぇか」

魔導師「残念ながら解呪は専門外じゃ」


魔導師「大神官の息女はなにをしておる。解呪の魔法は使えんのか」

傭兵「だめだったみたいだ。案外強力でな」

魔導師「そうか。ならばひきかえし大神官本人に会うことじゃな」

傭兵「そうもいかねぇだろぉ…」

傭兵「いまさら引き返してられねぇよ」

魔導師「うむ、ではこの先に住むわしの旧い友人を紹介しよう」

傭兵「お、サンキュー」

魔導師「きっと役にたってくれようぞ」

魔導師「名前と住所をしたためておく。くわしいとこまでは知らんがな。自分の足でさがしてくれ」

傭兵「……どれどれ」

傭兵「こりゃ結構遠い町だな…」

傭兵「はぁ-しばらくは呪いと付き合っていくしか無いのか」

魔導師「淫魔の呪い……。小僧!なにがあっても手は出しちゃならんぞ!」

傭兵「は? どうした急に」

魔導師「一介の傭兵ごときが、世を救う"勇者"に…あんなことやこんなことはしてはならんぞ!」

傭兵「わぁーってるよ! ガキにはなにもしねぇっての!」


魔導師「心配じゃな。あぁ心配じゃ。あの子もワシにとっては娘も同然」

傭兵「俺って信用ない?」

魔導師「若い男女が共に旅路につくなど、わしの世代には考えられぬ!」

傭兵「大丈夫俺はどっちかっていうとヒーラちゃん派だから」

魔導師「…ぬ、それはそれでやめておけ!」

魔導師「大神官は親ばかでな。娘になにかあったら平気で人をメイスで殴り倒すぞ」

傭兵「あぁどうりで…よく似てるや…」

魔導師「おぬしの旅が少々気がかりになってきた…どれわしも」

傭兵「おいおい冗談やめてくれよ。俺はじいさんの介護しながら一緒になんて嫌だぜ」

魔導師「マナをおぬしらに同行させようと思う」

傭兵「は?」

魔導師「よいな」

傭兵「いや何を勝手にっ」


魔導師「頼む。あの子には行き場がない」

魔導師「そして外の世界をしらん」

魔導師「わしのような老いぼれと共にこの森で寂しく朽ちてゆくことは、あまりに哀しいことじゃ」

傭兵「…じいさん」

魔導師「マナは少々人見知りじゃが、わしの仕込んだ魔法の腕は確か」

魔導師「きっと、旅の役に立つ」

魔導師「おぬしらのパーティーの足りない穴を埋めてくれるじゃろう」

傭兵「そりゃ、魔法使いがいてくれたら魔法を使えない俺としては助かるが」

魔導師「後生じゃ。こんなことを頼めるのはおぬししかおらん」

魔導師「マナに、文献だけじゃない世界を見せてやってくれないか」

傭兵「……」




魔導師「優しい子なんじゃよ」

魔導師「森に迷い込み獣に襲われた旅人を幾度も救おうとした」

魔導師「じゃが傷の手当をしようにもあの体質のせいでな」

魔導師「魔力を吸ってしまいみな驚いて逃げ出してもうた。やがて噂となり話に尾ひれがつき命を吸う魔女とまで言われる始末」

魔導師「あの子には酷なことをした」

傭兵「じいさんはいいんだな?」

傭兵「きっと、寂しくなるぜ」

魔導師「わしひとりなら、森をでて町に暮らすこともできる。さすがに王宮には戻れんがな」

傭兵「……わかってんのか?これは危険な旅だ。娘同然に愛してる子を危険に晒すなんて」

魔導師「おぬしが…守ってくれるじゃろ?」

傭兵「……はははは! 買いかぶりすぎだぜ!」

傭兵「わかった。マナのこと、俺が預かる」

傭兵「全部終わったらまたあんたに会いに来る。勝手に干からびて死ぬんじゃねーぞ」


魔導師「すまんな。ありがとうソルよ」

傭兵「まかしとけ」

魔導師「それと最後にもう一つ大切な話がある。なぁにすぐ終わる」

傭兵「なんだよもったいぶって」

魔導師「マナにはわしの全てをたくしてある。まだ完璧とはいかぬ魔法もあるが、おおかた会得している」

魔導師「マナは天才じゃ」

傭兵「自慢かよ!」

魔導師「いいや、全てということはわかるな。あの禁術、勇者に施した記憶の封印術もじゃ」

傭兵「……使えるのか」

魔導師「必要となったら、マナの力で記憶を開くことも閉じることもできよう」

魔導師「決して、時を間違えんようにな」

魔導師「勇者は我々にとっての希望なのだから」

傭兵「わかった。そっちもまかせとけ」


魔導師「さて、お嬢さんたちはなにを話しておるかの」

傭兵「そうやって窓から覗く姿、ただのエロジジイにしかみえねーぞ」

傭兵「あ、なんかユッカのやつ笑ってら」

魔導師「女の子は仲良くなるのが早い。マナにもまた新しい友達ができた」

魔導師「あの時あの子を引き取ってよかったと、わしはいま心の底から思っておるよ…」

魔導師「見てみよあのマナの笑顔を」

傭兵「いやいや、なんもかわってねーよただのむっつり顔にしか見えねーぞ」

魔導師「長年一緒におるとだんだんわかってくるものもある」

魔導師「まぁ、おぬしなんぞを相手にマナが笑うことなどありゃせんとおもうがの!ふぉふぉ!」

傭兵「あ、そう…」

傭兵「よっし。じゃあこれで話もまとまったし、もどろうぜ」

魔導師「もうちょっとここでそっと覗き見ていたいんじゃ…あんなマナはじめてでわしドキドキしちゃう」

傭兵(あんたも相当親ばかだろ…)



第3話<森の魔女>おわり

今日の更新もおわり
また明日

本日の更新はありません
次回明日21:00~(予定)


第4話<旅立ちの時>


傭兵「じゃあ、お茶でも飲んでゆっくり話しとけな!」


魔導師のおじいさんと大事な話があると言いソルは戸外へと足早に出て行ってしまった。
居間にはボクとヒーラとマナの女三人が残される。


勇者(……なんなの。内緒話なんて)

僧侶「ユッカさま。マナちゃんが呼んでますよ」

勇者「はっ! ご、ごめんなんだっけ」

勇者「ボクの旅の話をすればいいんだっけ?」

魔女「なんでもいい」

勇者「話すっていってもまだ旅に出てちょっとしか経って無いし…」

勇者「そうだ。じゃあヒーラたちと出会った旅立ちの日の話をしようかな!」

魔女「…」コク

勇者「…えっとね――――」


【丘の上の小さな家】<3週間前>


勇者(ママ…ボク、今日旅立ちます)

勇者(ついにこの日が来たんだ!)

勇者(いってくるね。ボクのこと、育ててくれてありがとう)

コツコツ…

勇者「…! あ、おじいちゃ…司祭様」

司祭「ユッカ。ここにおったのか。旅の準備はできとるか?」

勇者「うん。最後にママに手合わせてたの」

司祭「お前の母親は遠くからいつでもお前のことを見守っておるよ」

勇者「うん!」

司祭「よし剣は持ったな? 食料は? 地図はどこにしまっておる? そうじゃ鍋をもっとらんようだが」

勇者「…おじいちゃん。大丈夫だよ、まずは王都にいって王様に挨拶するだけなんだから」

勇者「もし忘れ物があっても向こうで買えるよ」

勇者「お鍋もいらないってば! もうっ、持って帰ってよこれ」

司祭「す、すまん…」


勇者「心配しないで。ボクは大丈夫」

勇者「今日までずっと稽古してきたんだから」

司祭「無理せず仲間に頼るのじゃぞ。国から派遣されたエリート揃いらしいぞ」

司祭「誰にきまったと通達はなかったがの」

勇者「う、うん…」

勇者(しらない人と急に仲良くなれるかな)

勇者「じゃあそろそろ。時間だから」

司祭「あぁ」

勇者「おじいちゃん。さよならじゃないよ、またね!」

司祭「無事もどってきて私に元気で可愛い顔をみせておくれ」

勇者「いってきます!」




【近くの森】


勇者「この森ともお別れだなぁ」

勇者「よっし。道すがらレベル上げだ!」

勇者「……と言いたいところなんだけど」

勇者「うう…この剣をほんとに敵をやっつけることなんてできるのかな」

勇者「いや、毎日特訓したんだ。自分を信じろ」


大猪「……」

勇者「ひっ! ぁ…こ、こんにちは。ああびっくりした」

大猪「……」ジッ

勇者(どうしよこんなに近づいたのはじめて。怖いなぁ…よくみたら。牙もするどそうだし)

勇者(や、やっつけるんだ! 倒して経験値を…!)

大猪「ブゥル…ブルルル」

勇者「ひゃあごめんなさいっ」


▼勇者は逃げ出した。


勇者「はーダメだったなぁ」

勇者「もうちょっとだった」

勇者「よし、次出会ったのを倒す!」

勇者「勇気でろっ!」パンパン

勇者「…なにかいないかな。ボクの最初の敵! やい出てこい」


大蛙「…ゲコ」

勇者「…」ゴクリ

大蛙「…ゲコ、ゲコ、ゲコ」

勇者「…か、かえるは無理ーーっ!! きもちわるいっ!」


▼勇者は逃げ出した。


大蛙「ゲコ?」


▼大烏が現れた。

勇者「うわーんばかー! つっつかないでぇ!!」

勇者「いやぁあごめんねごめんねっゆるしてください!!」

▼勇者は逃げ出した。



▼大熊が現れた。

勇者「……」ソローリ

▼勇者は逃げ出した。



▼化けうさぎが現れた。

勇者「よぉしこいつなら!」ジャキンッ

勇者「ぎゃっ!! いたい痛いいたいっ! ごめんねボク怖い人じゃないからぁ!! 蹴らないでぇ」

▼勇者は逃げ出した。


▼勇者は逃げ出した。
▼勇者は逃げ出した。
▼勇者は逃げ出した……。



勇者「逃げてるうちに王都についちゃいそうだよ…」

勇者「あーあ。結局なにもやっつけられなかったなぁ」

勇者「…いいや、うんボクは森のカンキョー保護しただけだから」

勇者「食べるわけでもない動物をむやみに傷つけるのはよくない!」

勇者(そういうことにしておこう…)ハァ



【王都・広場】


勇者「何度きても城下町は賑やかで広いところだなぁ」

勇者「ええと、王宮へはどの道を通ればいいんだっけなぁ」

青年「おーいそこのお嬢さん」

勇者「…」

青年「おーい、君だよ」

勇者「え? あ、ボク!?」

勇者(なんで女だってわかったんだろう…こんな格好なのに)


青年「道に迷ってるのか?」

勇者「あ、えっと。王宮に行きたいんだけど」

青年「なるほど、なら向かって右手の道を行くといいよ」

勇者「ご親切にどうも」

青年「いやいや」

勇者「お兄さんはここに腰掛けてなにしてるの? 道案内の人?」

青年「俺? あぁ、まぁそんなところ。じゃあ気をつけて」

勇者「はぁい。ありがとう」トコトコ


勇者「…この道だよね…」

勇者「あれぇ、なんだか細くなってきたし、ちょっと薄暗いような」


勇者「うーん前に王宮きたとき、こんな道通ったかなぁ」

勇者「城下町住みの人しかしらない近道なのかな?」


< 『こ、困りますっ…わたしいそいでるので』

勇者「!」


路地の角を曲がると、屈強な大男が壁に手をつき女の人に詰め寄っていた。
男は声をあらげ女の人を脅しているように見える。


勇者(どうみても…知り合いじゃないよね…)

大男「おうおうねえちゃん。ちょっとだけだって。おれとあそんでくれよ」

女性「こまります…だ、だれか」


女の人の助けを求める声が聞こえる。
ボクの角度からではフードで表情が隠れているものの、声はか細く震えていて、きっと泣いているのだろう。


勇者(助けなきゃ! いま助けなきゃボクは…!)

大男「おれとお茶するだけじゃねぇかよぉ。表通りのおしゃれなおみせしってるぜえ」


声がつまって出てこない。足もとをみると膝が震えている。
ボクはこんなに情けない奴だったのか?
なんのために、これじゃ一体いままでなんのために勇者として育てられてきたのか。
目の前で困っている人ひとり救えないで何が勇者だ。

勇者(おじいちゃん、ママ…)

勇者「勇気でろっ。ボクは勇者なんだっ」

頬をバチンと両手で打つ。足の震えは止まった。
よし。

勇者「まて!」

大男「ああん?」

大男「なんだ小僧」

勇者「い、いやがってるだろ」

大男「…なんかもんくあんのか」

勇者(こ、怖い…でもっ、逃げちゃだめだ!)

勇者(勇者として、これは絶対に逃げちゃだめだ!)

勇者「あっちへいけ!」

大男「小僧だれにめいれいしてやがる」


大男「おたのしみちゅうだぜ。じゃますんじゃねぇ」

女性「…」

大男「どうしてもケチつけてぇようだな。だったら!」

大男「てめぇをぶっとばしてから再開させてもらうぜ!」

勇者「いまのうちに逃げて!」

女性「あっ、はい」

大男「小僧!!」

大男は大きく振りかぶり、ボクめがけてその巨大な拳を振り下ろす。
ボクはすんでのところで後ろに飛んでそれを避け、戦う体勢を整える。

大男「おまえ武芸者か。ん、よくみりゃメスガキか」

勇者「…」

大男「生意気なつらしてやがる。まだちと幼いが、ひーひーいわせたくなったぜ」

大男「さっきの女には逃げられたが、てめぇと楽しいお茶してやるよ!」


勇者(振りが大きい! 当たるわけがない!)

再びくりだされた拳をひらりとかわし、お返しに小さく蹴りを一発いれる。

大男「ガキの蹴りなんて効くかよ!」

勇者(効かないか…)

勇者「だったら!」

精神を統一し息を小さく吐き、脚全体に魔力を纏う。
魔法を使った肉体の強化術さえあれば女のボクでも男以上の攻撃力を得ることができる。


勇者「これで!」

さきより数倍鋭い蹴りを懐へと叩きこんだ。

大男「ぐあっ…ガキぃ」

勇者(効いてる…!)

勇者(次は腕にまとって防御!)

大男のくりだす拳をあえて正面から受ける!
インパクトのビリビリとした衝撃が伝わってくるが、ダメージはない。


大男「なにっ! ガキのくせに」


勇者「これでわかったでしょ」

勇者「もう降参して! キミじゃボクには勝てない!」

大男「ああん? なにいってやがる」

大男「魔法がつかえるとは予想外だったが。致命打にはほど遠い」

勇者「キミの攻撃だってボクには通じないんだ。ボクの有利はゆるがないよっ」


大男「そうかな?」

大男はもっていた袋から小型のナイフを取り出した。

大男「これでもいまみたいにガードできるか?」

勇者「……っ」

大男「大人げねぇって笑ってもいいぜ。だが可愛い顔に傷つけたくなきゃさっさと降参して俺のいいなりになるこったな!」


勇者「……」

大男「どうした。腰の剣は飾りか? 抜いてもいいぜ」

勇者「抜かないよ」

大男「なに?」

勇者「勇者の剣は、人を守るためにある。誰かを切るためじゃない」

勇者「だからボクは素手で戦う」

大男「ん…ふふふ、ふはははっ」

大男「いいぜそのつら! 今日一日おれのおもちゃ決定!!」


勇者(感じる。魔力の流れを)

勇者(この人の次の攻撃が手に取るようにわかる…)

勇者(まずは振り下ろし。避けて、横払い。突いてきたって無駄だ)

勇者「遅い!」

繰り出される全ての攻撃を避け、払い、いなす。
男は姿勢をくずし、驚嘆の声をあげながら地面につっぷした」

大男「な、なんだ! 全然あたらねぇ!」

勇者「人は、誰でも魔力をもっている。そしてそれを隠すことは難しい」

勇者「キミの力任せの攻撃は、ボクには一生当たらない」


大男「が、ガキ…」

勇者「まだやるの?」

勇者「本気のボクの蹴りは痛いよ」

トンと弾みをつけボクは跳躍し身体を捻り、男が身を守る盾のように構えたナイフの歯を思い切り横から蹴りつけ叩き折ってやった。

大男「うおっ」

パラパラと砕けた歯が地面に降り注ぐ。

勇者「…」

大男「おいおいまじですか聞いてませんぜ。これ守備隊で使う一等級のナイフだってのに。げぇー」

勇者「…?」

突然態度のかわった男にボクは少し困惑してしまう。
男は関心したような困ったような顔で折れたナイフの断面を覗きこんでいた。

勇者「…あ、あの」


パチパチパチ

背後から拍手の音が聞こえた。振り返ると、先ほど広場で道をおしえてくれた青年が、壁に背を預けこちらを見て笑っていた。
その隣には先ほど逃したはずの女性の姿もあった。相変わらずフードをかぶっていて顔までははっきりと見えない。

青年「やるじゃねぇか。さすがは勇者だ」

女性「うふふ。かっこいいですよね。さすが私の勇者様」


勇者「え?? あ、あの???」

勇者「逃げてっていったのに!」

女性「うふふ。ありがとうございます、たすけてくれて」

女性「かっこよかったですよユッカ様」

勇者「え…その声」

女性はフードをとって目線をこちらにむける。
なんとその人は

勇者「ヒーラ!?」

ボクが昔から王宮へと稽古をつけてもらいに来るときいつも一緒に行動していた僧侶のヒーラだった。

勇者「わからなかった…どうして」

僧侶「これ、魔隠しのローブといいまして。ユッカ様の魔覚をだますために着てたんです」

勇者「そっかぁ…良かったぁ~ヒーラに怪我がなくて」

僧侶「はい、そりゃもう」


勇者「でもヒーラなら絡まれても自分でボコボコにやっちゃえそうなのになぁ」

勇者「あ、そうだ。はやく王都守備隊呼んでこなくっちゃね」

勇者「さぁ御用だよ、ついてきて」グイグイ

大男「…え? 俺っすか?」


僧侶「あれ? ねぇ、なんだか反応鈍くないですか」ヒソヒソ

青年「やべぇな…全然はめられたことに気づいてねぇ」ヒソヒソ

青年「お、おいっ! ちょっと待て!」

勇者「…んぅ?」ズルズル

大男「ひぃ~兄貴~」


 ・ ・ ・


勇者「え~~いままでの全部演技だったの!?」

大男「ほんとすいやせん。どうしても兄貴にやれっていわれて。ほんとすいやせん」ペコリ

勇者「兄貴って…この人?」

僧侶「紹介しますね。この方は」

勇者「しってるよぉ。街の案内さんでしょ…さっき会ったもん」

僧侶「…」ガクッ

勇者「どうしてこんなことしたの」

僧侶「…コホン聞いてください。こちらの方は現在傭兵をやっておられるソル様です」

勇者「傭兵?」

傭兵「悪かったな。騙しちゃってさ」


勇者「え~っとつまり。みんなしてボクのことを試してた?」

僧侶「ごめんなさい。事情を話すことができなかったので」

傭兵「お前が勇者足りえるか試させてもらった。これがお前にとってはじめての試練となったはずだ」

勇者「試練!」

傭兵「結果次第で、お前の勇者としての旅を取り消す手はずになっててな」

勇者「うそ! そ、それで…ボクは、どうなるの!?」

僧侶「発表します」

勇者「…」

傭兵「いい勇者になった」ポンッ

勇者「ふあ…な、なにするんだよぉ」

勇者「勝手に頭さわんないでボク勇者だよ」

傭兵「お、悪いな。とにかく、合格だ」

勇者「合格!? やったぁ!」


傭兵「これからよろしくな」

勇者「よろしく? ってことは…王都にいるボクの旅の仲間って」

僧侶「はい! 私です!」

勇者「うそぉ! ヒーラが一緒に来てくれるの!?」

傭兵「それと俺がガードとしてついていく」

勇者「わぁいヒーラと一緒だぁ!!」

僧侶「うふふふ、えへへへ。ユッカさまぁ~」


傭兵「……あーいいか。おーい、聞け。おいイチャついてんじゃねぇよ!!」

勇者「ごめん。でも勘違いしないでね、ボク女の子だから」

傭兵「…知ってる」


僧侶「お話遮ってしまってすいませんソル様。どうぞ」

傭兵「これから3人で無事試練が終わったことを王宮へ報告しにいく。いいな」

勇者「うん! 行こう」

勇者「あ、その前に!」

勇者「この人の紹介は?」

大男「…え、俺すか」

傭兵「あぁそいつは俺の後輩でこれから守備隊の夕勤だ」

勇者「やっぱり悪い人じゃなかったんだね! 変だと思ったぁ」

勇者「ごめんなさいナイフ折っちゃって。こ、これボクのお小遣いだけど少しだけ」ゴソゴソ

傭兵「いやいいからいいから。お前いい子だなあ」

大男「では自分はこれで。お二人には本当に失礼しやした」

大男「兄貴、がんばってくださいね旅の無事祈ってます」

傭兵「おう、国の守りはまかせたぜ」

大男「はい!」


勇者「ボクね。魔力を感じとって、その人が善い人か悪い人かわかる時があるんだ」

勇者「あの人は、本気でボクのことをいためつける気で攻撃はしてこなかった」

勇者「攻撃に迷いがあった気がしたのはそういうことだったんだね」

僧侶「でもちょっとハラハラしちゃいました!」

僧侶「ユッカ様にナイフがあたったらどうしようかと」

傭兵「もっと演技しこんでおけばよかったな。下手くそすぎだろ」

勇者「あと、キミも良い人だね?」

傭兵「そう?」

勇者「なぜか魔力はなんにも感じ取れないけど! こっちは直感!」

勇者「いま魔封じの服来てる?」サワサワ

傭兵「やめい」

勇者「おっかしいなあ。あーちょっとぉ歩くのはやいよ!」



僧侶(ユッカ様がこんなにすぐ懐くなんて…やっぱりソル様ってすごいな)

勇者「ヒーラいくよー? おいてくよー?」

僧侶「はーい」

勇者「また路地で迷子になっちゃうよ!」

僧侶「だからあれは迷子になってたわけじゃなくてですね…ていうか私地元の住民ですし…」

傭兵「むしろ、お前がこっち来て即迷ってたのが俺はびっくりだよ」

勇者「えへへ…いつも来る時はおじいちゃんについてきてたから道おぼえてなくて」

傭兵「あ? じゃあお前が前歩け。俺に付いて歩くな、今後のために」

勇者「え゛っ」

傭兵「さぁ王宮の道はどっちでしょう」

勇者「う、うーんと…えっとこっちが西だから…えっと…こっち!」

僧侶「ぶっぶー」

傭兵「そっち南な」

勇者「えーんいじわるしないで最初は連れてってよぉ」

傭兵「先が思いやられる…」

僧侶「楽しい旅になりそうですね!」



【森の小屋】


僧侶「という再会でした」

魔女「…」パチパチ パチ

勇者「ボクはびっくりしたんだから」

僧侶「うふふ。あの時のユッカ様本当にかっこよかったです」

魔女「かっこいい」

勇者「えー照れちゃうなぁ」

僧侶「それに意外とお強いんですよね」

魔女「つよい」

勇者「レベルはまだまだ低いけどね。魔物相手にどこまで通じるか…」

勇者「はぁ…レベルといえば、マナにも話さなきゃいけないことがあるね」

僧侶「そ、そうですね…」

魔女「…知ってる」

勇者「えー?」

魔女「魔力を吸った時に感じた、ユッカの中にある微かな不純物。きっと、ユッカの中に何かがいる」

勇者「わかるんだ!?」

魔女「だしてあげようか?」

勇者「! 出せるの!?」

魔女「刺激すれば、出てくるかもしれない」

勇者「刺激…やな予感が」

魔女「いくよ」


僧侶「…ちょ、待ってください」

ヒーラの制止も間に合わず、マナはなにかブツブツと呪文を唱え、手に持つ杖先をボクの方へと向けた。

その直後、ボクの中で何かが暴れるようにもぞもぞとした悪寒に襲われる。

あぁやってしまった…。

勇者「ひぅぐっ! あっ、だ、だめっ…」 

僧侶「あぁーー…」

魔女「?」

魔女「でてこいでてこい」

勇者「ああああっ、やめてマナっ! だ、だめだったらぁ!」

マナは無表情なまま杖をくるくると回し、さらに追加で何かの魔法をふりかけてくる。

悪寒はやがて溶けるような疼きにかわり、ボクのアソコを責め立てるように激しさを増した。


勇者「あうっ…ああああっん」

魔女「やっぱりなにかいる。抵抗は無駄。出てきて」

サキュバス(だってさー。どうする?)

勇者(で、でてけぇ!)

サキュバス(む・り♪)


勇者「マナ! もういいっやめてっ!」

勇者「ヒーラもとめてよぉ」

僧侶「あ、すいません…ユッカ様のお顔に見とれてました」

勇者「ばかぁ…」

魔女「? どうして出てこないの」

魔女「理解した…すごく強固に、複雑にからみついてる」

魔女「無理やりはがすと危険かもしれない」

勇者「で、でしょ…? はぁ…ハァ…だから」

魔女「でも大丈夫。私のいま考えた魔法なら」

勇者「いま!? それ絶対実験でしょ!!」

魔女「実験に失敗はつきもの、身体に害はないから平気。多分」

勇者「いやあああだめだよおおお!」


ガチャッ

傭兵「はいストーップ! 話があるからまずその杖は置こうな」

勇者「あんっ、びっくりしたぁ」

魔女「いくよユッカ。気を落ち着かせて」

傭兵「…」ピッ

魔女「……? 杖がなくなった」

傭兵「没収だ」

魔女「かえして」

傭兵「話きけ」


勇者「そ、そのまえに…はぁ、はぁー…おトイレかしてくれないかな」

傭兵「…かしてやってくれる?」

魔女「そっちの扉」

勇者「あ、ありが…ひんっ、もう限界いい!!」

バタンッ

魔女「……尿意を刺激してしまったかもしれない」

僧侶「……ユッカ様がいないうちに説明しときましょうか」

傭兵「ああ、例の? だな。そのほうが本人も気が楽…だよな? こういう場合」

僧侶「私に聞かないでください。えっち」

傭兵「なんでだよぉ」

魔導師「淫魔のう…わしも会ってみたかった」

魔女「?」



――




チュクチュクチュク

勇者「あうっあうっあうううっ」

勇者(もうやだぁこんなのやだぁ!!!)

サキュバス(といいつつ指は止まらないわねぇ)

勇者(でてけぇええ!)

勇者「あんっ!!!」



勇者「…ただいま」

傭兵「長かったな」

ゴツンッ

傭兵「イでっ」

僧侶「だめですよ。そういうこと言っちゃ」

傭兵「悪い」

勇者「うう…」

傭兵「さて、揃ったしようやく話ができるな」

魔導師「うむ」

勇者「ソル、魔導師様とのお話は済んだの?」

傭兵「あぁ。まとまった」

僧侶「一体なんのお話をしていたのですか? 差し支えなければ私達にも」

魔導師「マナよ! 勇者と共に行くのじゃ」ガタッ

魔女「!」


勇者「そ、それって! マナも一緒に!? やったあ!」

僧侶「よかったですねマナちゃん!ユッカ様!」

魔導師「旅立ちの時は来た! 勇者たちと運命をともにし、己が使命を果たすのじゃ!」

魔導師「さすればおぬしの運命も開けてこようぞ!」

魔女「…」

魔女「…?」

傭兵「どうするじーさん。反応薄いぞ」

魔導師「うむ。普通に話すことにするか」

魔導師「マナ。森を出て勇者と一緒に旅にお行きなさい」

魔女「だめ」

魔導師「わしのことを心配しておるのじゃろう? 大丈夫じゃわしも森をでて街で暮らそうと思う」

魔導師「だから心配御無用じゃ」

魔女「わたしは…だめなの」

魔女「一緒にいてはいけない…迷惑かけちゃうから」

勇者「迷惑じゃないよ! 一緒に行こうよ!」


僧侶「いきましょう、一緒に!」

勇者「マナの魔法はとってもすごいんだから! ボクたちのことを助けてくれたら嬉しいな」

魔女「…」

魔女「魔力、吸っちゃうから。また…嫌われる。私は普通の子じゃないから…」

魔導師「マナ…」

勇者(ずっと、気にしていたんだね。どうしよう…マナがこうなってしまったのはボクのせいだ)

勇者(ボクが勇者じゃなければ、あの日ボクが倒れなければ、マナがこんな誰もいない森の奥に住むことなんてなかったのに)

傭兵「なにを吸うって?」

傭兵「吸えるもんなら吸ってみろ」

勇者「ソル…?」


ソルはボクらの目の前でマナの肩に腕をまわし、胸元へと抱き込んだ。
突然のことにマナは驚いた顔をしている。

勇者「な、なにやってるのさ!」

魔導師「小僧…!」

傭兵「なにも吸えないだろ」

魔女「魔力…ない」

傭兵「あぁ。ないぜ」


傭兵「だから、俺にとってはお前はユッカやヒーラちゃんとかわらない」

傭兵「ひとりの普通の女の子なんだよ」

魔女「!」

傭兵「それにユッカもヒーラちゃんもタフだから大丈夫。ちょっと吸ったくらいじゃどうにもならねぇ」

僧侶「そうですよ!」

傭兵「マナ。お前はなんの心配もせず俺たちについてこい」

傭兵「お前の力がいるんだ」

魔女「……」

僧侶「共に行きましょう」

勇者「マナ。行こう。ボクたち、一緒にいて良いんだよ」

勇者「今度はもう誰もボクたちの邪魔をしないから。ずっと側にいてよ」

魔女「……」

傭兵「って友達が言ってるけどどうする?」

魔女「…うん」

魔女「行く」

勇者「!」


魔女「おじいちゃん。私、行く」

魔導師「ありがとうマナ。広い世界を見ておいで」

魔女「私、がんばる。役に立つ」

魔女「ユッカを守る」

勇者「やったぁぁマナー」ギュー

魔女「ユッカ」

傭兵「おおい! 抱きついてくるなら言えって! このー」グリグリ

僧侶「ちょっとーいつまでマナちゃん抱っこしてるんですか」

傭兵「あ、ヤキモチ?」

僧侶「違いますっ! 両手に花なんて不埒ですよ」

傭兵「花じゃなくて蕾だなこりゃ。はは!」

僧侶「あーなんかヘンタイっぽい」ムスー

魔導師「わしも抱きついちゃおうかな」

傭兵「それだけはやめてくれ。一緒に枯れちまいそうだ」


<翌朝>


魔導師「この道をひたすらまっすぐ行けば次の街につく」

勇者「ふぁー森をぬけたらなーんにもないや」

魔女「…っ」

勇者「どうしたのマナ? 顔しかめて」

魔女「まぶしい」

傭兵「陰気な森に長年住んでりゃそうもなるか」

魔女「おじいちゃん。いってきます」

魔導師「あぁ。わしは引っ越しの準備をして後から街へ向かう」

魔導師「そのころにはマナたちはもっと遠くへ行っとるかもしれんな」

傭兵「じいさん大丈夫か。荷物とかよ。手伝ったのに」

魔導師「わしは魔法使いじゃ。おぬしが一日かけてすることを魔法をつかって半刻でやってしまうぞ」

傭兵「…はは。じゃあ心配ねぇな」


魔導師「道中気をつけて」

勇者「うん!」

魔導師「ソル。マナを頼んだぞ」

傭兵「約束だ」

僧侶「魔導師様。どうかお元気で」

魔導師「うむ」

魔女「またね。おじいちゃん」

魔導師「またね、か。そうじゃな…また会おう」

魔導師「そして強くあるんじゃぞ。勇者よ」

魔導師「どんな困難に相まみえても、おぬしには頼れる仲間がおる」

魔導師「強い心を持って立ち向かうのじゃ。さすれば道は開けよう」

勇者「はい! いってきます!」


こうして、いよいよボクたち4人の旅が始まった。



第4話<旅立ちの時>おわり

更新おわり
次回からエロパートが増えると思います

第5話<バザー>


森をでたボクらはかれこれ2日間馬車に揺られていた。
街までずっとなにもない平坦な道が続く。
ここはまだ魔物も弱く、うろつく数もすくないため、初心者冒険者の間では本来絶好のレベル上げスポットだった。
なのに――


勇者「体がうずうずする!!」

ボクは荷台の屋根の上で大きく伸びをする。
荷馬車の中は荷物を積み込むと寝るときよりさらに狭いので、ボクは普段はこうして青空の下にいた。

僧侶「暴れちゃだめですよ~、天井あんまり丈夫じゃないからぬけちゃいますよ~」

下からヒーラに注意される。

勇者「体がうずうずするんだよ!」

僧侶「まぁ。なんてはしたない。アレしたいならお好きなときにどうぞ。キスとか…」

勇者「違うよ! 魔物をやっつけないと体を持て余すってこと!」

 
馬車旅とは言え、目の前に魔物があらわれることはある。
だけど今のボクは倒しても倒しても経験値が増えないので、
時間と体力と物資の無駄だと盗賊に言われてしまった。

勇者「ねぇソル。ボク暇だよ」

御者台で馬を駆っているソルに声を投げかける。

傭兵「そうだなー」

めんどくさそうな声が帰ってきた。

勇者「こんなに天気が良いのにやることがないなんて…ふぁーあ、お昼寝も飽きちゃったよ」

傭兵「敵と遭遇せずに馬車を飛ばせばその分早く街につくだろ」

傭兵「街についたらたくさん娯楽も美味い食いもんも、ちゃんとした寝床もあるから我慢な」

勇者「…はーい」

旅の熟練者の彼にそういわれると初心者のボクはもう何も言い返せない。

勇者(さっさと街につくならなんでもいっか)

脚をぶらぶらさせながらふとソルのほうを見る。

勇者「あっ!」

魔女「…」

マナがソルの隣に腰掛けピッタリと寄り添うように頭を預けていた。



勇者「あー! ソル!」

傭兵「俺に文句言うのかよ」

勇者「なにやってるのさ」

勇者「ボクもそっち行っていい? いくね」

傭兵「おい来んな。狭いぞ」



勇者「…で、なにやってるの」

傭兵「馬」

勇者「ソルには聞いてない! ねぇマナ聞いてる!」

魔女「…」

マナは基本的に何を考えているかわからない。
相変わらずソルにもたれながら瞬きもせずぼーっとした目つきで遠くの景色を眺めていた。

傭兵「こいつも暇なんだろ」

勇者「それはいいんだけど、なんでくっついてるの」

傭兵「さぁ~…」

勇者「マナ!」

魔女「……おちつく」

勇者「うっ…あ、そう」


勇者「むー…ずるい。じゃなくてっ、だめだよそんな風に男の人にくっついちゃ」

傭兵「なんだ、お前もこんなことしたいのか」

勇者「しないよ!」

傭兵「まぁ…荷馬車が狭いのが悪い」

勇者「せいぜいふたり旅用だもんね。こんなのに4人はキツイよね」

傭兵「しかも女3人…俺の気苦労わかるかお前」

勇者「?」

傭兵「まぁチビっ子相手に気なんて使わないけどな!」

勇者「あー、また子供扱いして」

魔女「ユッカもこうすれば」

勇者「…しないってばぁ。なんでこんなに懐いてるの、マナって人見知りなのに」

傭兵「お前もだろ」

勇者「ぼ、ボクはそんなことないよ」

魔女「何も吸わなくていいから…隣にいても平気な人、みつけた」

勇者「……はぁー、じゃあしばらくそうしてなよ。日焼けしないようにね」


【荷台】


僧侶「あら、しばらくソル様とお話してるのかと」

僧侶「なにむくれてるんですか」

勇者「…なんでもないよぉ」


ヒーラは荷台の中にいるときはいつもなにかと家事をしている。
衣食住すべてパーティの生活面はすべてまかせっきりだ。
いまもなにやら編み物に勤しんでいる。

勇者(ママがいたらこんな感じなのかな…)

勇者(ボクも家庭的だったらいろいろやれることあるはずなのに!)

勇者「ヒーラってなんでも出来るよね」

勇者「ソルは旅の知識があって馬車の手綱を握れるし、マナは火を起こして色々できるし…」

勇者「なのにボクってなにもできないんだから」

僧侶「それは聞き飽きましたから世界を救ってください」

勇者「レベル10にもなれないしポンコツだよ」

僧侶「…ええと、大人になればレベル10になれるんですよね?」

勇者「うん…そのはずだけど」

  
僧侶「大人になる方法はわかりましたか?」

勇者「ううん。さっぱり」

勇者「ソルに聞いてもあんまり教えてくれないしさ。ほーんとかふーんとか…そのうちなーとか」

勇者「前にねレベル10にならなくても良いって言ってくれたんだけど…俺が守ってやるって言ってくれたんだけど」

勇者「ボクはそれじゃこの先自分の身を守れるか不安だよ」

僧侶「ソル様の立場ですと複雑でしょうね…」

勇者「そうなの?」

僧侶「…そうなの、ですよ」

勇者「でもさあボクがしらなくてヒーラがしってるっておかしいよね。歳の差なんて1つしかないのに」

勇者「キミってもしかしてボクよりずっと大人なの…?」

僧侶「え゛? あ、いえ…変な声でちゃった。ふふ」

勇者「異性しか大人にできないって言ってたよね? 愛しあうってなにするの?」

勇者「ねぇキミは男の人に大人にしてもらったの!? それってどういうこと!」

僧侶(質問攻め…)

勇者「ずるい!」

僧侶「別にずるっこしたわけじゃありませんよ…」


勇者「わかりましたか!って聞いておいてどうして教えてくれないの?」

僧侶「…聞かなきゃ良かった」

勇者「おしえておしえて」

ボクはこれでもかと彼女に食い下がる。
こうしていればヒーラは必ず折れて、打ち明けてくれることをボクは昔からよく知っている。

勇者「ね? いいでしょー?」

僧侶「愛は自分自身で探すものです。愛する人に出会って清く正しいお付き合いを経て、3年、いえ5年くらい経ったらようやく大人にしてもらいましょう」

勇者「えーなにそれそんなの手遅れじゃん! どれだけ旅長引くんだよぉ」

勇者「ボクはいますぐレベル10になりたいのになぁ」

勇者「それに約束してた経験値のノルマだって果たせそうにないし…」

僧侶「ふー、今回の件については私にもちょっと考える時間がほしいです」

僧侶(お子様なユッカ様の初体験…全く考えられない…)

僧侶(だってこーんなにあどけないお顔で、発育途中なちいさなお体で…やっぱりだめ!)

勇者「ヒーラ、手とまってるよ」

僧侶「…ユッカ様。くれぐれも生き急がないでください! まずは解呪の方法をさがしましょう!」ガシッ

勇者「う、うん…? それがあればいいんだけどね」


僧侶「それと、ついでにチュー…」

勇者「しないってばぁ!」グニッ

僧侶「うぎっ…以前はあんなに私を求めてきたのに」

勇者「ないないない! あの時はキミがボクに無理やりだったでしょ!」

勇者「い、いまはエッチなことして経験値稼ぐ必要ないの! どうせ0しかもらえないから!」

僧侶「わかりませんよ?」

勇者「…え」

僧侶「ほら、案外経験値もらえちゃったり」

勇者「…してみる…? ってその手には乗らないから!」

僧侶「ちっ」

勇者「ヒーラってさ、ボクの好きなの?」

僧侶「ええ。ユッカ様大好きですよ」

勇者「ソルより?」

僧侶「…え?」




勇者「ヒーラってソルのこと好きでしょ? 仲良くない?」

僧侶「ソル様は…うーん、なんていうか。うーん」

僧侶「言葉にしづらいです。あえていうなら、憧れでしょうか」

勇者「憧れてるの」

僧侶「昔の、私のよく知るソル様はかっこよかったんです」

僧侶「私、父に連れられて王宮によく出入りしてたころがありました」

勇者「うん、ボクと遊んでたよね」

僧侶「いいえ、その頃よりもう少し後で、ユッカ様が村暮らしに移られた後ですね」

僧侶「だからー、いまから3~4年前くらいですね」

勇者「ソルが王宮にいたんだ? えーっと、確か騎士?だったんだよね」

僧侶「はいそれはもうご立派な御役目に就いておられました」

勇者「えへへ、あんなちゃらんぽらん人でも騎士になれるんだね」


傭兵「おい聞こえてるぞー」

ふいに御者台のほうからソルの間延びした声が聞こえてきた。


勇者「うわっ地獄耳!」

僧侶「きゃっ! 聞こえてました? ごめんなさいそういうつもりでは」

僧侶「もうやめやめ! この話は終わりにしましょう」



勇者「で、好きなの?」

だけどボクはどうしても知りたくなって、ソルに声を拾われないように耳打ちする。

僧侶「あくまで、憧れ、です」

はにかんだ笑顔がまぶしかった。

勇者(そっかぁ…)

僧侶「あっ、でも一番はもちろんユッカ様ですよ」ギュー

勇者「それはいいから」



 ・  ・  ・ 


【御者台】


勇者「ただいま」

傭兵「おう。さっきは悪口どうも」

勇者「ごめんってぇ。というより女の子の内緒話に聞き耳たてるのやめてよー」

傭兵「あのなぁ。後ろの壁があってもほとんど距離はないんだぞ。嫌でも聞こえるっての」

勇者「うー…。マナどうしてる?」

傭兵「いまは寝てる。多分」

勇者「一日中べったりだね。きっと魔導師様と離れてさみしいんだ」

傭兵「かもなぁ。旅慣れるまでフォローしてやってくれな」

勇者「うん」



勇者「あれ? 前みて、誰か手ふってるよ」

傭兵「荷馬車がえらく傾いてるな」

勇者「きっと脱輪したんだ」

傭兵「よし素通りするか。めんどくさいことになりそうだ」

勇者「だめ!」

傭兵「冗談だって」


馬車をとめ、地面に降りる。
脱輪したと思われる荷馬車の持ち主の少女が笑顔で走り寄ってきた。
がなにやら風貌がおかしい…。

傭兵「大丈夫か」

獣の商人「いやーたすかったぁ。このまま誰も来んくて干からびるかと」

獣の商人「お腹ぺっこぺこなんで先に何かいただけたら嬉しいんですけど!」

傭兵「まぁ、それはいいんだけど。あんたはなにもんだ」

勇者「み、耳! ど、どうなってるのそれ」

獣の商人「あんたらしらんの? ウチ獣人やで。ほれしっぽ」

僧侶「わぁ、初めて見ました」



 ・  ・  ・


獣の商人「はぐはぐはぐ」

獣の商人「あーほんまおいしい! あんためっちゃ飯つくるのうまいなぁ」

僧侶「どうも…」

傭兵「悪いなマナ。起こしちまって」

魔女「いい。ちょうどお腹すいてたから」

勇者「いただきまーす」

僧侶「森でとれたフルーツを煮込んだシチューです。思いつきですのでお口にあうと言いですけど」

獣の商人「だからめっちゃおいしいって! あんたウチの店で料理人やらん?」

勇者「料理屋さんなの?」

獣の商人「ウチはこの先の街でちまちまと薬の商売やっとるもんです」

獣の商人「森に素材とりに行ってきたんやけど、帰りに魔物に襲われてしまってこのザマ…」

獣の商人「あんたらが通りかからんかったら、猫の干物一丁あがりや」

傭兵「この道そんなにひと通らねぇんだな」

獣の商人「あんたらも森のほうから来たから知ってる思うけど、あの森、そらもう恐ろしい魔女が出んねん…」

獣の商人「せやからここ数年はなかなか人が近づけへん」

傭兵「…しってる」

魔女「…」


獣の商人「あの森で取れる素材で薬をつくって売るのがウチの仕事やねん」

獣の商人「あかん。はよ戻らなバザーに間に合わへん!」

勇者「バザー?」

獣の商人「知らんの? バザの街では大きいバザーフェスティバルが年に2回催されるんや」

獣の商人「街の名前もそれにちなんどるんやで」

獣の商人「あと3日ではじまってまう。またとない儲けのチャンスを棒にふるわけには行かへん!」

獣の商人「なんのために薬の材料あつめたんやー! ずずずっ…あーうまい!おかわりもらえる!?」

僧侶「なんだか騒々しい人ですね…」


勇者「ねぇバザーフェスティバルってなにするの? お祭り?」

獣の商人「街の住民やあちこちから訪れる商人らがこぞって店だして物のやりとりするんや」

獣の商人「まぁお祭りみたいなもんやね。おいしい店もいっぱい出るで! あんたもこのシチューだしたらええ!」

僧侶「…はは、どうなんでしょう」

魔女「…おいしい」

獣の商人「あんたらも商売か観光目当てで来たんやろ?」

勇者「ううん。全然しらなかった」

傭兵「そうか、もうそんな時期なんだなぁ」

獣の商人「なんや田舎もんかいな」

獣の商人「…ってことは宿の予約もしてへんやろ!! あかんあかん!」

獣の商人「あらへんで、こんなフェスティバル直前に空き宿なんてあらへん!」

勇者「え~~、こまるなぁ…街で野宿なんてしたくない」


獣の商人「ほんならウチの店に泊まり! 空き宿もあるし、フェスの間ゆっくりしてええよ!」

勇者「ほんと!?」

獣の商人「ってことでウチと荷物を街まで送り届けてくれん? できれば荷馬車も牽引してーや」

傭兵「…まぁしかたないか。見捨てるわけにもいかねぇし」

勇者「そうだね! まかせて!」

獣の商人「これでお互いウィンウィンやな! 商談成立! しばらくの間よろしゅうな! ウチの名前はマオや」

勇者「うん。ボクはユッカ。魔王の復か――むぐっ?」

傭兵「俺たちはただの武芸者の一行だ」

傭兵「雇われ先を探して各地を転々としている」

勇者「…」コクコク

獣の商人「んー街は平和そのものやから傭兵の仕事はないと思うよ」

獣の商人「まぁでも滞在する間は楽しんでってな!」



<夜>



獣の商人「ほえー、マナはんは魔法で火おこせるんですか」

魔女「…難しいことじゃない」

勇者「マナのお陰でキャンプの焚き火も湯沸かしも楽になったよねぇ」

獣の商人「そりゃえらい便利やなぁ」

獣の商人「ウチら獣人は魔力はもっててもあんまり起用に使いこなすことはできへんから羨ましいわ」

獣の商人「ヒーラはんは料理できてべっぴんさんやし」

僧侶「まぁ、そんな…」

獣の商人「ユッカはんは……あー、うーん、元気があって愛くるしいし」

勇者「無理やり褒めなくていいから」

獣の商人「お兄さんあんたえらいええ思いしとるな!」ポンッ

傭兵「は?」

獣の商人「それとも娘さんか何かやったかな…」

傭兵「ちげーけど」

獣の商人「ひとりくらいもろってっていい?」

傭兵「やらねーよ」



獣の商人「ウチも何か役立ちたくなってきた!」

獣の商人「なんか悩みがあったら気軽に言うてください!」

獣の商人「物の入手からお薬の調合まで! ウチがなんでも手配するで!」

勇者「…えっと」

僧侶「…あるにはあるんですけどねぇ」

出会って間もない彼女に言うべきか言わざるべきか、ボクらはぐるりと顔を見合わせる。
ソルは好きにしろと言いたげに頭を掻いて席を立った。

勇者(相談してみようかな…情報が手に入るかもしれないし)

魔女「ユッカが呪いを受けている」

勇者「あっ、マナが言っちゃうんだ」

獣の商人「呪いですかぁー」

魔女「淫魔の呪い。私たちでは解けない」

獣の商人「いんま…? なんですそれは」




獣の商人「その呪いはどういう悪いことがおきますの」

勇者「うーんとね、まずレベルがあがらなくなるんだよ」

獣の商人「はぁ、武芸者なら難儀やな」

勇者「あと…ソルいないよね?」キョロキョロ

獣の商人「なんですの。聞かれたらあかん話?」

勇者「…あ、あそこがむずむずするんだ」ボソボソ

獣の商人「…ははぁ」

獣の商人「もうちょっと詳しく教えてくれます? ええ薬だせるかも」

勇者「ほんと! じゃあ話しちゃおうかな」

勇者「あのね――」



獣の商人「つまり要約すると、たまにエロエロな気分になって辛抱たまらんってことやね」

勇者「…む」

獣の商人「あーえらいすんません。気悪くせんとって」

獣の商人「ほんならアレがええかもな…ちょっと待っててな! 調合してみるから!」

勇者「効く薬があるの!?」



 ・  ・  ・


獣の商人「じゃ~ん。できましたよユッカはん!」

勇者「わくわく。この瓶の薬?」

獣の商人「これでおまたのうずうずも取れると思います!」

勇者「わぁいじゃあ食後だし早速」

獣の商人「これを塗布したら感度が下がって、気持ちも落ち着くはずですわ」

勇者「とふ…?」

僧侶「患部にぬるってことです…」

勇者「ぬ、ぬる…の?」

獣の商人「飲み薬はちょっとややこしゅうて、すぐにピシャリと効くのは作れませんわ」

獣の商人「とりあえずこれが呪いにどこまで効くか様子みましょ」

獣の商人「家にもどったらもっとええの調合できますから!」

獣の商人「なんせユッカはんたちはウチの命の恩人! いくらでもつくりまっせ」

勇者「あ、ありがとう…」

勇者(塗る? 塗るってあそこに!?)

魔女「ユッカ。できないなら手伝ってあげようか」

勇者「大丈夫…やってみる」ガクッ


獣の商人「…塗りません?」

勇者「えっ…今から?」

勇者「だって別に今はウズウズしてないし。塗る必要ないよ」

獣の商人「なんやー常にエロエロな呪いに取り憑かれて涼しい顔の下ではヒーヒー言ってるのかと思ったのに」

勇者「なんかねー、無理やり呪いを剥がそうとしたら、ぞぞぞって来るよ」

僧侶「私とマナちゃんがそれで解呪に失敗してますもんね」

勇者「はあ…ほんと困ったやつだよ」

サキュバス(塗ってみたら? せっかくもらったんだし)

勇者(あっまた勝手に!)

サキュバス(塗ってみましょ? 楽しそうじゃない?)

勇者(ふん。お前のくだらない呪いなんて…)

サキュバス(そう。これでもくだらないんだ?)

チュクッ…

勇者「!」


ふいに訪れるもう何度目かの味わいたくないあの感覚。
間もなくお腹の奥底が熱くなってきて、やがて激しい疼きにかわる。

勇者「はっ…はうっ…んもう」

勇者「くそぅ…あいつめっ」

僧侶「どうしました? ユッカ様!」

勇者「ぐすん…来ちゃったみたい」

勇者「ボク、ちょっと…塗ってくる。荷馬車使うね、みんなはここにいて」

獣の商人「さすがに目の前では塗ってくれませんよね」

勇者「あ、当たり前でしょ!」

勇者「うえええん」


魔女「ユッカの魔力に不純物が混じってる…変な味」

僧侶「お薬で呪いが鎮まればいいんですけど」

獣の商人「ウチの薬は抜群に効くって評判やで!」



――



内股のままなんとか荷台まで辿り着いたボクは、急いで乗り込みカーテンを閉める。
勢いのまま下着をずりおろし、アソコを晒けだした。
下着はすでにじんわりと染みている。

勇者「うう…ボクのせいじゃないのに」

サキュバス(何いってるの? あなたのエッチな気持ちを刺激してあげたのよ)

サキュバス(キュンキュン来てるでしょ? それがあなたの本能)

サキュバス(さぁ、塗ってみなさい)

勇者「これを塗って…お前をやっつけるんだからなぁ…」

勇者「ばーかばーか! 後悔してもしらないぞ!」

サキュバス(フフ…)

勇者「えっと、指先にすこしとって、患部に…」

塗り薬のひんやりとした感覚がアソコに伝わる。
そのままぐにぐにとスジの表面に塗りこんだ。
すこし刺激のあるツンとした匂いがあたりに立ち込める。

勇者「こ、これでいいのかな…うーん」

勇者「あんまり、変わってないような。効いてないのかな」


サキュバス(クスクス。あなたがうずうずしてるのが、そこだけじゃないでしょ?)

サキュバス(もっと中のほう。深い所まで塗らないとだめなんじゃない?)

勇者「え…そ、そんなぁ」

勇者「いつもここを、くにくにしたら楽になるもん」


でもやっぱり効果は薄いようだ。
相変わらず熱を持った疼きはボクの身体を攻め立て、アソコの入り口からはトロリとエッチなお汁が垂れてくる。


勇者「かきまわしたい…ここ、触って…んっ」

ボクはたくさんの薬を手に取り、さらに塗りこむように表面をこすりはじめた。

 ちゅくちゅくちゅく…。

こんなに股をひらいて恥ずかしい格好をしているところをもしソルにでも見られちゃったら…。
事情を知ってるとはいえ、きっと幻滅されちゃうだろう。嫌われちゃうかも。

勇者「あぁ…ソルっ、ごめんね。ボク呪いに勝てないよぉ」

ソルのことを考えるとますます疼きは強くなる。
ボクはもうまったく抗うことができなくなって、やみくもに手を動かし続けた。



勇者「あぁっ…あん♥」

勇者「あっそろそろ…んっ…きそう♥」

 ちゅくちゅくちゅく。 

勇者「きちゃうっ♥」

勇者「ソルっ、ああんソルぅ!」

薬がきいているかどうかなんてもはやちっともわからない。
ただひたすらに快感を求めてボクの2本の指は上下に動いた。
もう達する。気持ちいいのが来る。

勇者「あっ、あっ♥ あぁ♥ ソルっ、ああんっ♥」


そう思った時、目の前のカーテンがいきなりシャッと開かれた。


傭兵「おーいなんか用か…」

傭兵「あ…」

勇者「…!!」


ばっちり目が合う。その後ソルの視線は一度ボクのむき出しの下半身に移った後、また戻ってくる。
ボクはいま一体どんな顔をしているのだろう…。
アソコの奥深くがじわりとうずき、また一段と熱くなった。


第5話<バザー>つづく

更新おわり
次回土曜日夜

読みにくいかな?書き方は変えません
メイン4人+ゲストキャラくらいしか名前は無いので覚えてくれるとありがたい
更新にかなり日が空くようなら、前回のあらすじとキャラ紹介入れようかと思う


第5話<バザー>つづき



馬車のカーテンをくぐった俺の視線の先には、薄明かりの中で熱心に自慰に耽るユッカの姿があった。
側には乱雑に脱ぎ捨てられた下着と、粘度の高そうな液だまりとその入れ物だろう小さな丸い瓶が転がっている。

ユッカの顔は真っ赤に染まっていて、俺の名前を呼ぶか細い声は、
普段のあどけない少女の姿からは想像もできないほど淫靡なものだった。


傭兵「……取り込み中だったか」

勇者「そ、ソル…?」

傭兵(まずいタイミングだな)

勇者「あっ、いや、これは…」

勇者「やだっ! ぼ、ボク…っ」

勇者「見ないで!」


少女は甲高い声で叫び、顔を背け2本の腕でその身を覆い隠す。
せまい荷馬車の中には少女の臭いが広がっていた。


傭兵「名前を呼ばれた気がしたから」

勇者「なっ、なんのこと! ボクしらないよ!」

傭兵「ユッカお前…」

勇者「うわっ、なんで入ってくるの! あっちいってよ!」

後ろ手でカーテンを閉じる。

傭兵「辛いか。淫魔の呪い…」

勇者「ちっ、ちがうってばぁ…エッチなことしてたわけじゃないもん」

傭兵「ちがうのか?」

ユッカは高速で頷く。
しかし辺りに立ち込めた臭いと、べしゃべしゃになった彼女の手先から今ここで何を行っていたかは明白だ。

傭兵「別に呪いの効果じゃなかったとしても、お前くらいの年頃ならあたりまえのことなんだから隠さなくてもいいぞ」

勇者「バカ!」

勇者「薬を塗ってたの!」

勇者「見て! これ!」

転がっている瓶を拾い上げ俺につきつける。
たしかに何かの薬のようだ。

傭兵「潤滑油じゃなかったのか」


勇者「呪いに効く薬ぬってただけだもん…」

勇者「信じてよ。ボク悪いことしてないもん」

勇者「さっきあの人が調合してくれたの。これ塗ったら楽になるかもって」

傭兵「薬か。あぁそういえば俺が席をたつ前にそんな話をしてたな」

傭兵「それを塗ってたのか?」

勇者「う、うん…ソーダヨ」

傭兵「……そうか。悪かったな」

傭兵「いま見たことは忘れる…ように努める」

勇者「うわああん。ばかぁ! ばかばか! しっかり見ちゃったんだ!」

傭兵「ばかばかうるせぇな…だいたいお前、あれで薬がほんとに塗れてるのかよ」

傭兵「こんなにびしょ濡れにして塗る意味あんのか。流れおちてるんじゃねぇのか」

勇者「忘れるって言ったのに!! ていうか見ないでよえっち!スケベ!」

傭兵(バカの次はエッチスケベ呼ばわり…)

傭兵(子供だとおもってたけど、そういうことはちゃんとわかるんだな)


まだ興奮冷めやまぬユッカは肩で息をして俺を睨みつける。
ぺたんと床についた足が付け根からもぞもぞと絶え間なく動いている。

傭兵(必死に我慢しているんだな)

どうやら俺が思っていた以上に呪いの効力は強いようだ。

傭兵「ユッカ」

おもわず小さな頭に手が伸びる。
ユッカは一瞬ぴくりと身を縮こませたあと、やや警戒した顔で俺を見上げた。

勇者「なに…?」

傭兵「お前には悪いことをした。俺がお前を守ってやるつもりだったのに」

傭兵「呪いをかけられて、こんな事態になってしまって申し訳なく思う」

勇者「う、ううん…ソルは悪くないよ。のぞいたのは悪いけど…」モニョモニョ

勇者「ボクがもっと強ければ、サキュバスに取り憑かれることなんてなかったんだ」


勇者「ソルに迷惑かけちゃったね」

勇者「きっと王様に怒られちゃうよね。ごめんね…ボクのせいで」

勇者「うう…」

ユッカは股をもじもじさせ、だんだんと息が荒くなってくる。
両手でぎゅっと握りしめた瓶が割れてしまいそうだったので取り上げた。

傭兵「薬。ちゃんと塗らなきゃな」

勇者「ちゃんと…うん。塗りたいんだけど」

勇者「あっ…!」

勇者「あああっ、だめっ! もうっ、ボク!」

疼きが限界近くまで来たのか、ユッカは倒れこむように俺にもたれかかってくる。

傭兵「お、おい大丈夫か」

勇者「もう無理っ、お腹の奥が…あつくて、あつくてっ、かゆくって」

勇者「なんとかしてぇ…もうやだよぉ…」


ユッカは普段気丈にふるまっては居るものの、心に秘めた不安は大きかったようだ。
目元にはじんわりと涙がにじんでいた。
俺はそれを指でぬぐいとり、また何度か頭をなでてやるもののそれ以上をどうしたら良いかわからない。

たかがガードの俺が勇者であるユッカに触れること事態がはばかられる。
ましてや相手はまだ年端もいかぬ少女だ。


勇者「ソル…」

勇者「キミが近くにいると、いつもより疼いちゃって…あっ、あっ」

傭兵「わかった。薬を塗れ。俺は出て行くから」

勇者「あぁ待って!」

立ち上がろうとしたところを首に手を回され抱きとめられる。
熱くなった小さなが胸元にすっぽりおさまる。

傭兵「…っ。ユッカ、落ち着け」

傭兵「冷静に……。ダメか」

明らかに様子が尋常じゃない。
ユッカは顔をお越し俺をまっすぐに見据えた。
その目つきは妖しく、湿っぽい吐息が何度も顔に触れる。

勇者「つらいよぉ…たすけて」

これが呪いというのなら、いますぐになんとかしてやりたい。
こんな風に淫れたユッカを見るのは心苦しかった。

しかしながら男の本能としては良い匂いのする少女に抱きつかれて嫌な気分はしない。
俺は情けなくも理性と本能の狭間で揺れていた。


傭兵「わかった。一旦離れろ」

勇者「やだっ、ボクのこと放って行くでしょ」

傭兵「ユッカ…」

勇者「ソルのせいだもんソルのせいだもん!だからなんとかして!」

傭兵「おいさっきと言ってることが違うぞ」

ユッカの顔がさらに近づいてくる。
そのまま唇を奪われるかと思ったが、思い過ごしだったようで、
ユッカは一瞬ためらったそぶりを見せた後俺の鼻先に食いつくようなキスをした。

勇者「はむっ…ん」

傭兵「!」

俺はすぐさまユッカの肩をつかんで押し返した。
危なかった。ユッカのかすかに残った理性に感謝しなくてはいけない。
いくらなんでもこの子とキスしてしまうわけにはいかない。

だがこのままでは拉致が明かないと思い、俺はユッカに一つ問いかける。

傭兵「薬を塗る。後悔しないか?」

勇者「うん…お願い…」

勇者「ボク、うまくひとりじゃできなくて…」



傭兵「わかった」

樽の水をすこし掬い手を洗い、さきほどユッカから取り上げた薬を少量手のひらに乗せる。

勇者「それを…ボクのここに」

勇者「また…みられちゃう。みられちゃうんだ」

勇者「でも、ソルだからゆるしてあげる」

ユッカはいじらしくも乾いた布を手に顔を覆い隠し、足をもぞもぞ動かしながらその時を待っている。

傭兵「俺だって恥ずかしい。一緒だ。だけどこれで呪いが収まるなら…」

勇者「うん…」

手の甲をユッカの膝に当てそっと足を開かせる。
さきほどの行為でテラテラと湿っぽくなった未だ幼い秘裂に思わず目を奪われた。


勇者「あついよ…はやくして」

勇者「ソルに見られてるだけで、アソコじんじんしちゃうんだ。ボクこのままじゃおかしくなっちゃいそうだよ」

傭兵「わかってるけど、傷をつけたら大変だからな」

勇者「平気だよぉ、ボク自分でさわってもなんともないし…」

勇者「あ…う…そんなにまじまじと見ないで」

ユッカの秘裂へと手を伸ばす。
指先がふれるとくちゅりと湿った感触がした。
ユッカは体全体でぴくりと反応し、短く悲鳴のような声をあげたがその次はなんとか噛み殺したようだ。

傭兵「塗るだけなんだよな」

傭兵「こんな感じかな」

割れ目を少しだけ開き、小さくて綺麗な色をした陰唇とその周りに指を這わして薬を塗っていく。
俺がユッカ相手にこんなことをしているのはおかしいのだが、
医療行為だと言い聞かせれば、罪悪感と背徳感は少しだけ薄れていった。


勇者「あ…」

傭兵「あ、悪い痛かったか?」

勇者「違う…、なんでもないよ」

見据える先にはひくひく呼吸するように鼓動する小さな穴があった。
あって当然なのだが、突然目の前の少女に女性を意識してしまい俺は狼狽した。
女の子の穴からはトロリトロリとまた一滴ずつ愛液が流れ出てくる。

傭兵(そうだよな…当たり前だけどユッカも年頃の女の子なんだよな)

傭兵(死ぬほど恥ずかしいだろうな)

傭兵(俺がユッカの立場なら目の前の男を蹴り殺してるかもな)

勇者「ソルぅ…どうしたの? おしまい?」

ユッカが不安そうな声をなげかける。
視線をおくると、布で口元を隠したまま潤んだ瞳でこちらの様子を伺っていた。

勇者「ボク…ぐす、全然おさまらないよ」

やっぱりかと勝手に一人で得心する。

傭兵(ここにも塗らなきゃだめなんだよな…)


傭兵「ユッカ。ち、膣の中にも塗っていいか」

勇者「ちつ…?」

傭兵「穴があるだろ」

勇者「おしっこの穴…? やだよ汚いもん」

傭兵「じゃなくて。知らないか?」

勇者「……もしかして…おまんこ?」

傭兵「おまっ…」

ふいに出た言葉に心臓が飛び出しそうになった。

傭兵「ゴホン…そう。ユッカの大切な所だ。俺がこのまましていいものなのか迷う」

傭兵「いやいまでも十分まずいことだとはわかってるんだけど」

勇者「いいよ…もう見られちゃってるし」

勇者「塗って」

勇者「ボクおまんこ触ったことないから、自分でするの怖い…」

傭兵「こらそれ言うのやめろ!」

勇者「…? う、うん」


なりゆきに近いが触れる許可は得た。
だが大人としてこれはどうなんだ。
よりによって守るべき対象のユッカの恥部に触れているなんて。
あろうことか膣に指をいれようなんて。

傭兵(ヒーラちゃんに殺されるかもな)

殺される決心を固め、薬を自分の中指に丁寧に塗りこんでいく。
そしてあることに気づいた。
指をまじまじと見つめたあとユッカのひくつく恥穴に視線を移し見比べる。

傭兵(俺の指太いか…?)

これでもし指をいれただけで破瓜でもしてしまったら俺はもう死んでも償うことができない。
あたりをうかがい細い棒をさがすものの、丁度いい清潔そうなものはなく、諦めた俺は念のため小指にも薬を塗っておくことにした。
ユッカの息遣いがどんどん荒くなる。

傭兵(急がなきゃな)

穴の入り口にそっと指を置く。
チュッと触れただけでユッカは過敏な反応を見せ小さく鳴いた。



傭兵「塗るからな」

ユッカは何も発せずに首を縦にふる。
えも言えぬ不安そうな目をしていた。

俺はまず中指の先をくるくるとまわすように膣口の周りを這わせ、外側から緊張を解いていこうと試みた。

勇者「あっ…ん」

傭兵「くすぐったくても我慢しろよ? 絶対痛くしないから」

自信があるわけではなかった。
俺は決して女性の扱いに長けてないし、ましてや少女相手なら尚の事、こんな経験あるわけがない。


傭兵「声は我慢しなくていいぞ。出したきゃ出せ」

傭兵「お前が緊張してたら、うまく出来ないかもしれない」

勇者「…うん」

指先をすこしずつゆっくりと中に入れていく。
ひちゅりと湿った音がする。

勇者「んっ…く。ふあ…」


勇者「うあ…あっ!」

ユッカは与えられた未知の刺激と、行き場のない羞恥心をなんとか押さえつけているのだろう、ギューッとひざを閉じようとする。

傭兵「大丈夫」

ひざを閉じられると膣が狭まり医療行為が続けられない。
俺は肘でぐいっと押し返し、ユッカの足を完全に開かせる。

勇者「うあああっ…!」

勇者「ひどいよソル…っ」

傭兵「あぶねーから動くなって! それにこっちのほうがよく見える」

勇者「見ないで欲しいのに…ボク恥ずかしくてしにそーだよ」

傭兵「あとで謝るから。んで、薬はどうだ? 効いてるか?」

勇者「わかんないよぉ…お腹の奥の熱いのはとれないし、あそこもむずむずするし顔も熱いしソルのバカ」

本当に悪いことをした。
辱めるつもりはなかったのだが。

ユッカの顔色をうかがいながら指を沈めていく。
膣の中はすでにとろとろに熱くなっていて、俺の指に食いつくように迎え入れてきた。


ほんのすこし指先を入れるとぷにぷにとした感触のある場所に突き当たった。
もしやと思い一度指を抜き、膣口をぐいっと大きく指で開き見る。

勇者「いやぁぁあ! あうっだめぇえ!!」

傭兵「確認だって。どうなってるかわかんねーまま入れたらあぶねーだろ」

傭兵「暗くてよくわかんねーな」

使っていない手でランプを手繰り寄せ、陰部を照らす。
膣口の入り口付近にユッカの処女膜と思える粘膜をみつけた。
これは何があっても傷つけるわけにはいかない。

傭兵「これに指入んのか…?」

勇者「やぁーだぁーひどいよぉジロジロみないでっ! 恥ずかしいってばぁ!」


傭兵「ユッカ。ちょっと聞きたいんだけどな」

勇者「…?」

涙目になるユッカに断ってから膜付近を指先で撫でる。


勇者「ひゃうっ何!?」

そして空いた小さな穴にたっぷり薬をぬった小指の先を入れる。
これで痛みがあるようなら俺にこれ以上できることはない。

勇者「うう…」

傭兵「痛くないか?」

勇者「痛くない…けど、うずうずする」

傭兵「うずうずするのはわかってるけど。ほんとに痛くないか?」

勇者「平気…どうかしたの?」

傭兵「い、いや…」

すこし安堵した。
俺が思ってる以上にここは伸縮性があるようで、小指くらいの太さならなんとか傷つけずに奥まで進めることが出来そうだ。


傭兵「じゃあ、奥まで入れてみるからな」

傭兵「すこしでも痛かったら、ピリッとしたら言えよ」

傭兵「絶対言えよ! あと暴れるなよ。このまま微動だにするな」

勇者「…! う、うん…」

傭兵「頼んだぞ」

勇者「はい…」

俺の必死さに困惑した顔でユッカはことの成り行きを見守ってくれるようだ。
狭い膣内全体に薬さえ塗ったら終わる。
俺ははやく行為をおわらせてこの極度の緊張感から逃れたかった。自然と首筋から汗が伝う。

正直、いまこの瞬間男としての性欲は消え去っている。


勇者「なんか、怖いよ…ソル」

傭兵「うるさい。しゃべるな呼吸すんな」

勇者「えー、ひどい…っ。んっ、く…はぁー…ソルの指が…」

勇者「あっ…♥」

勇者「入って…♥」


慎重に指を奥に押し進めた。


勇者「やんっ…♥ そ、そこ…」

傭兵「どうしたユッカ」

勇者「はぁ…そこなの」

不安がよぎる。

傭兵(頼むから動かないでくれよ…)

勇者「ずっと、お腹の奥がむずむずしてたの」

勇者「いまソルが触ってるそこ…そこがイイ♥」

勇者「きゃううんっ」

小指の先をわずかに曲げ、膣壁に擦り付けるように薬を塗る。
すでに膣の入り口あたりでだいぶ削げ落ちてしまっている上に、膣内は愛液であふれているのでいま指に薬がどれほど残っているかは定かではない。
それでも俺は入れてしまった以上そうしてやるしかなかった。


勇者「そこっ♥ そこだよソルっ」

勇者「ああ…あああっ♥」

ユッカはようやく疼きの根源に触れてもらったことで喜びの声をあげた。
呼応するように膣内がきゅうきゅうと指をしめつける。

勇者「そこ…そこかいて。こりこりしてっ♥」

傭兵(まずい…ちょっと可愛い)

ユッカの素直な可愛い反応をみて思わずドキリとしてしまう。
だがそれ以上に事態は深刻だ。

傭兵「暴れるなよ?」

いま暴れられたら間違いなく破瓜する。
それくらいユッカの中はきつく指を締めあげている。

勇者「わかってるから…して、してっ。こりこりって。ボクの中、こすって♥」

傭兵「こするんじゃなくて、薬を塗ってるんだ」

傭兵「一度抜くぞ。足すから」

勇者「あ…」

ゆっくりと膣内から指を引き抜く。
ねっとりとした淫らな汁が糸を引いて垂れ下がり、ぷつりと途切れた。

勇者「お薬…頂戴♥」



傭兵「あとこれくらい十分か」

指先にまた薬を乗せ、ユッカに向き直る。
さきほどまでの不安な顔色はどこへやら、いまは期待にあふれた目で俺のことをジーっと見つめている。

傭兵(そんな顔するなよ…お前は勇者だろ)

ぐっと言葉を飲み込みまた膣に向かう。

これ以上こいつとおしゃべりしていても事が終わりそうにない。
ユッカはユッカでそろそろ限界だろう。
塗って終わりにしよう。

傭兵(しかしほんとに効いているのか…?)

傭兵(今日出会ったばかりのうさんくさい獣人商人のつくった薬なんて…俺はあまり使う気にならないんだが)

勇者「はぁー♥ はぁー♥ はやく」

表情を見る限り興奮が増しているように感じた。



再度指を中へと挿れる。
さきよりスムーズに挿入することができた。
先ほど塗っていない側の膣壁に小指の先を小さく小さく曲げ塗布してゆく。

勇者「あああっ♥ あんっ」

ユッカの蕩けた声が耳に入る度に俺の中での理性が揺らぐ。
指を引き抜くとユッカはすこし名残惜しそうに目を細めた。

傭兵「これでぐるりと一周塗り終わったはずだ。どうだ」

勇者「うん…♥ そうだね」

傭兵「そうだねじゃなくて、呪いは収まったのか?」

勇者「…えへへ…わかんない」

傭兵「…っ! この…」

勇者「だってほんとにわかんないんだもん。いまおまんこがうずうずしてるのは、呪いのせい…?」

勇者「それともソルに触られたせい…?」

傭兵「…ほぉー、人がこんな苦労して塗ってやったのに」

傭兵「まだそんなに疼いてんのかこのエロガキ」

勇者「え…」

大役を務め終え、緊張の糸と共に俺の理性ははじけ飛んだ。


傭兵「だったらその疼きを取ってやる」

ユッカに詰めより、頭をわしづかみにする。
自分なりに脅したつもりだったのだが、ユッカは期待に満ちた目で俺を見上げて笑った。

勇者「…えへへ」

傭兵「後悔してもしらねーからな」

勇者「うん」


薬と愛液ででろでろになった指を再び膣口へと向ける。
今度は小指ではなく中指だ。
遠慮なくさしこむと膣壁はまるで生き物のようにパクパクと指に食い付きあっというまに奥まで飲み込んだ。

勇者「あああっ♥」

勇者「さっきよりおっきい…♥」


指を小刻みに震わせ、刺激を伝える。
どんどんとあふれだす分泌液が空気と混じり、ぴちゃぴちゃと激しく音をたてた。


傭兵「ユッカ。お前はほんとにエロい子に育ったな」

傭兵「こんなにエロい汁だらだら垂れ流して、勇者なのにはずかしくないのか」

勇者「だってこれは呪いでぇ♥」

傭兵「言い訳すんな!」

 ちゅくちゅくちゅく。

水音とユッカの甲高い声が響く。
俺はユッカを逃げられないようにおさえつけ、指先をせわしなく動かし続けた。
処女膜なんてしったことか、大きく破れでもしない限り多少傷ついても放っておけばまた元に戻る…だろう。

傭兵「ここだったよな。お前ここが好きなんだろ」

さんざん薬をぬってやった場所を責め立てる。
絶え間なくあふれる愛液がユッカの尻をつたい荷馬車の床に敷いたカーペットを汚していく。



勇者「あうっ、あうっ」

勇者「あっ♥ きもちいいっ♥ ソル、ソルぅ…」

傭兵「そうやってさっきお前シてただろ」

傭兵「俺にこういうことされる妄想でもしてたか」

勇者「ちがっ♥ ちがうよぉ」

勇者「ああんっ!♥」

傭兵「ユッカ。我慢するなよ、イッていいんだぞ」

 ちゅくちゅくちゅく。

ユッカの敏感な場所を何度も何度も執拗にこすり、絶頂を促す。
ユッカは垂れそうになった涎をじゅるりと飲み込み、快楽に耐えながら俺の肩に手をかけた。

傭兵「お、どうした」

勇者「優しく…やさしくしてぇ。ボクにも…」

傭兵「ボクにも?」

勇者「だって…マナにだけ優しくしてるから。ヒーラとも仲良さそうにして」

傭兵「はぁ? 何いってんだ」

勇者「マナのことはギューってしてたのに…ボクにはあっちいけって」

傭兵「お、お前…」



傭兵「妬いていたんだな」

勇者「……う」


知らなかった。
というよりも気づこうとしなかった。
俺はユッカのガードとしての使命を持ってこの旅に同伴している。

友好な関係を結べたらとは思っていたが、それ以上の、よもや一線を越えようなどと微塵も思っていなかった。

だけどユッカは少なからず俺に好意を持っていたようだ。

一体どこで? なぜ? 疑問は尽きないがとりあえず今は目の前にいる潤んだ瞳の少女に返す言葉を探る。

傭兵「ユッカ。悪かった」

傭兵「邪険にするつもりは無かったんだ」

傭兵「ただ、お前と距離が近いとなんていうか、こっ恥ずかしくて」

勇者「どうして…? マナがくっついてもへっちゃらな顔してるのに」

傭兵「それは…」



言葉に詰まる。

俺はユッカのことを昔からよく知っている。
しかしユッカは俺のことを知らない。覚えていない。
旅の始まりの日に出会ったあの日が初対面、そう思っている。

それは昔まだユッカが幼かったころ、ユッカにはある記憶の封印が禁術によって施された。
しかたのないことだった。
共謀者である魔導師のじいさんの言葉を思い出す。

魔導師『ふとしたきっかけで、魔法の枷は外れ記憶はよみがえる。当時あの子と深い関わりのあったおぬしはその因子となりうる』

重々わかってはいる。

それでも俺は必ず守ると決めた以上、ユッカの側にいたい。

そんな俺だから、ユッカのことを思うがあまり、すこし態度が空回りしていたようだ。

近くにいたいと思いながら、ユッカを遠ざけてしまった。

ユッカはそれを敏感に感じ取り、心さびしく思ったのだろう。


傭兵「悪かった」

傭兵「…いまは、謝るしかできない」

傭兵「でも俺はユッカのことが嫌いなわけじゃないんだ。それは信じて欲しい」

勇者「じゃあどうして…ボク、ソルともっと仲良くなりたいのに」

傭兵「…」

勇者「ボクね…そんな顔する優しいソルが好き」

勇者「ソルの魔力はちっとも感じ取れないけど、ソルが良い人なのはわかるんだ」

勇者「だからほんとのキミを見せて」

傭兵「ユッカ…」

勇者「だめ…?」


傭兵「お前はやっぱり母親に似ているな」

勇者「ママ…? ソルはボクのママのこと知ってるの?」

勇者「ねぇボクのママってどんな――――」

疑問を遮りユッカを強く抱きしめた。
いまはとても淫らで、いい匂いがした。

勇者「ちょ…ソル」

傭兵「薬、効いてきたか?」

勇者「……うん、ちょっと治まってきた…かも」

勇者「でもソルがしてくれたおかげなのかな」

傭兵「うさんくせー獣人のわりには良いもん作ってくれたな」

勇者「これあったら、しばらく大丈夫かな?」

傭兵「また呪いが強くなってきたらその時は俺が塗るのか?」

勇者「…う。ダメ。やっぱり恥ずかしいよ。他人に触られるなんて」

傭兵「恥ずかしがってるユッカは可愛かった」

勇者「ううう! エッチ。思い出しちゃだめだよ?」

傭兵「ああ。毎晩思い出す」

勇者「やっぱりキミは意地悪だ!」



第5話<バザー>つづく

次回日曜日20時頃予定


第5話<バザー>つづき


獣の商人「やー間に合った間に合った」

獣の商人「みんな入って入って。ここがウチの店。2階が自宅や」

獣の商人「明日からのフェスティバルの間ゆっくりしてってな」

勇者「ありがとう」

獣の商人「こちらこそほんまおおきに。ユッカはん達が拾ってくれんかったら道の真ん中で干物になってたで」

僧侶「バザの街っていうのはとても広くて賑やかなんですね」

勇者「ここにつくまでに王都より人がたくさんいる気がしたよ」

獣の商人「そりゃいまはあちこちから人が来とるから」

獣の商人「明日になったらもうごった返しで、馬車なんて道通られへんで」

傭兵「ギリギリだったな」

獣の商人「ほんならうちは今日一日かけて開店準備しますんで」

獣の商人「みなさんどうします?」

獣の商人「まぁとりあえず二階に手荷物おきにいきましょか」


【獣の商店・2階】


獣の商人「余ってる部屋2つあるんでほんなら、男のソルはんはこっちに」

傭兵「おう。サンキュー」

獣の商人「女の子は隣の部屋でええかな」

僧侶「はい。ありがとうございます」

獣の商人「そんじゃ我が家やと思ってごゆっくり」

勇者「ほんとにありがとう! 宿泊代も浮くし助かるなぁ」

獣の商人「え?」

傭兵「……とるのか?」

獣の商人「え!? あ、アハハ、嫌やなぁ何言うてますの」

獣の商人「命の恩人からとるわけないやん! アハハ、ほんなら!」ササッ


傭兵「…まぁ相応の額は工面しておくか」

僧侶「そうですね」



勇者「わーいベッドー」ぼふっ

傭兵「お前いまの話きいてたか? ここ俺の使う部屋だぞ」

勇者「マナもおいでーふかふかだよ」

魔女「…」コク

ぼふっ

勇者「きゃんマナ重いよぉ」

傭兵「…ったく。ガキどもは」

僧侶「えへへ…」ゴロゴロ

傭兵「おい」

僧侶「ご、ごめんなさい。ふかふかのベッドひさしぶりで」

傭兵「馬車旅はやっぱり疲れるか」

傭兵「3人とも今日は一日寝ててもいいぞ」

僧侶「ソル様はどうなさいますか?」

傭兵「金稼ぎ。滞在する数日間働ける臨時の仕事でも探そうかと思ってる」

勇者「どうしてー?」

傭兵「…」ぽふ

勇者「う?」

傭兵「お前らを食わせる金は要るからな」わさわさ


僧侶「そんな。ソル様にそこまでさせるわけには」

傭兵「というのは建前で、何日もボーっとしてると体がなまっちまうからな」

僧侶「私もお仕事します!」

勇者「ぼ、ボクも!」

魔女「私もする」

獣の商人「ほんなら女性陣に手伝ってもらいたい事あるんやけど!」ヒョコッ

傭兵「おわっ、下降りたんじゃなかったのかよ」

獣の商人「普通の人間より耳ええねん」

獣の商人「ソルはん、あの日のことも荷馬車の外からわずかに聞こえてたで」ボソボソ

傭兵「…っ」

勇者「ねーなに手伝えばいいの?」

獣の商人「ウチの店先で売り子やってもらいたいんやけどええかな?」

獣の商人「毎年頼んどる子がおるんやけど、今年は戻ってくるのがギリギリで、連絡とるの無理になったんや」

勇者「わかった!」

獣の商人「ちゅーことで、ここの宿代はそれでギブアンドテイクってことでどうや?」

勇者「うんいいよ!」

僧侶「おまかせください」

傭兵(ちゃっかりしてんな)


傭兵「それじゃたっぷり時間が余りそうなのは今日だけだな」

勇者「ボク、故郷のおじいちゃんに手紙かこうかな」

勇者「きっと心配してるだろうし。この街でお手紙だしたら届くとおもうから」

傭兵「そうか。偉いな」

傭兵「マナはどうする」

魔女「……」ピッ

獣の商人「うちがどうしたん?」

魔女「薬、見たい」

獣の商人「薬の調合みたいん?」

魔女「…」コク

魔女「薬、私がつくれるようになればユッカの助けになる」

勇者「マナ…」

魔女「邪魔しないから…見ていたい」

獣の商人「ええよー。ほんならマナはんには助手になってもらおか」

魔女「うん」

傭兵「がんばれよ」

僧侶「あれ? じゃあ暇なの私だけ?」

傭兵「…じゃあ俺の仕事さがしのついでに街をぶらぶらしようか」 

僧侶「え? あ、はい…。ソル様とふたりでお出かけ…」

勇者「いってらっしゃい。晩御飯かってきてー」

傭兵「おう」


【街中】


傭兵「あちこち飾り付けしてあるな」

僧侶「そうですねぇ。露店もたくさんあって明日が楽しみです」

傭兵「こりゃ確かに荷馬車は通れねーわ」

僧侶「どこの宿も満室って立て札出てますね」

傭兵「ラッキーだったな」

僧侶「マオさんに出会わずに街にきていたら危うく公園あたりで野営でしたね…」

傭兵「お、公衆浴場。泊まってる間ここ使うか」

僧侶「やったぁお風呂。晩御飯たべたらみんなで行きましょう」

傭兵「おう。道沿いにレストランもたくさんあるし、どうみても俺たちの城下町より発展しているよな」

僧侶「はい! 私わくわくしてきちゃった」

僧侶「わぁーこのアクセサリーのお店いいなぁ…明日オープンですって!」

僧侶「ほかにはなにかないですかね!」キョロキョロ

傭兵(ヒーラちゃんやっぱり歳相応なところもあるんだな)


僧侶「わあー…このケーキおいしそう」

店員「いらっしゃいませ。中でお食事できますよ。この時間ですと紅茶とのセットがおすすめです」

僧侶「あ、い、いえ…見てただけなので」

僧侶「いきましょソル様のお仕事さがさなくっちゃ」

傭兵「…ん、でもその前にちょっと小腹すいたな」

傭兵「入ろうぜ」

僧侶「いいんですか?」

傭兵「手持ちは多少あるし。これくらいなら」

傭兵「ヒーラちゃんもちょっとは休憩しなくちゃな」

店員「いらっしゃいませ~お二人様ご案内です」



――



【喫茶店・店内】


僧侶「はむ…甘。おいしいですね」

傭兵「あぁ。これでこの値段はお得だな」

僧侶「なんだかユッカ様とマナちゃんに悪いような」

僧侶「私だけこんないい思いして。あむ」

傭兵「気にすんなって。あーうまい、俺結構甘い物好きでさ」

傭兵「俺が食べたくなったついでだと思っといていいよ」

僧侶「そうですか…?」

僧侶(ソル様に気つかわせちゃったかな…)

僧侶「なんだか二人でこうしてるとデートみたいですね」

傭兵「ん?」

僧侶「い、いえ…なんでもないです…はむ」


傭兵「ヒーラちゃん旅そろそろ慣れた」

僧侶「うーん…どうでしょう」

傭兵(いいとこの子だもんなぁ。やっぱ馬車旅なんて辛いか)

僧侶「最初にくらべて疲れは感じにくくなってるんですけど、まだ少し」

僧侶「すいません。ユッカ様を支える立場の私がこれじゃダメですよね」

傭兵「いまでも十分助かってるよ」

傭兵「俺ひとりだと洗濯すら適当になっちまうからな」

傭兵「それに、育ち盛りの子供たちには良い物たべさしたいし」

僧侶「うふふ、なんだかソル様お父さん」

傭兵「保護者みたいなもんだろ?」

僧侶「そうでしたね。いえ、でもうふふ。ソル様まだお若いのに」

傭兵「だ、だよな! 俺若いよな?」

僧侶「私が知ってる頃からあんまりお変わりありませんね」


傭兵「まさかヒーラちゃんが旅のメンバーに立候補するとは思わなかった」

傭兵「いまさらだけど家にずいぶん反対されたんじゃないか?」

僧侶「されました」

僧侶「でも私のユッカ様を思う気持ちは本物ですので」

僧侶「それと私のほうこそありがとうございました。ソル様が来てくださるなんて夢にも思いませんでした」

僧侶「心強いです。とっても」

傭兵「もうちょっとかっこいいとこ見せれたらいいんだけどなぁ」

僧侶「ユッカ様をまもってあげてくださいね」

傭兵「あぁ」

僧侶「ユッカ様もレベルがあがればじきに自分で身をまもれるようになるんでしょうけど…」

僧侶「はっ! そういえば、まだユッカ様10レベル解禁されてませんよね!?」ガタッ

僧侶「ソル様!」

傭兵「うお、なんだ! びっくりした」

僧侶「これから私の質問に正直にお答えくださいね!」

傭兵「ヒーラちゃん、近くでみるとおっぱい大きい。その体勢グッドだな」

僧侶「もうっ! なんでそんなこと言うんですか!」

僧侶「男の人ってやっぱりエッチなんですね…っ」


僧侶「あの晩…。私みちゃったんですソル様が荷馬車のカーテンをくぐるところを」

傭兵「!」

僧侶「…中にはユッカ様がいましたよね」

僧侶「きっとあの…ユッカ様はアレを、シてたとおもうので」

傭兵「…」

僧侶「もしかしてユッカ様に…エッチな事しましたか?」

傭兵「してないぞ」

僧侶「即答するのが怪しいです」

傭兵「してないって!」

僧侶「じゃあユッカ様とくっついて寝てただけなんですか! 朝まで!」

傭兵「おう」

僧侶「…」ジィ

傭兵(あー全く信じてない…いやほんとなにもしてないのにな)

傭兵(薬をアソコに塗らされただけなのに)

傭兵(この目をみてると口が裂けてもいえねー)


僧侶「ユッカ様はじゃあ"まだ"なんですね?」

傭兵「あたりまえでしょ」

僧侶「ほっ…ですよね。さすがにね」

僧侶「ソル様を疑ってしまうなんて申し訳ありませんでした」

僧侶「いい大人のソル様がお子様のユッカ様に手出しするなんてありえませんよね」

傭兵「あぁ…」

僧侶「よかったぁ。これでぐっすり眠れます」

傭兵(ユッカ…頼むから口は滑らさないでくれよ…俺達だけの秘密だぞ)


僧侶「でも私ね、ソル様になら…」

傭兵「?」

傭兵「え、ヒーラちゃん俺と寝たいの?」

僧侶「違います! そうじゃなくって」

僧侶「ソル様にならユッカ様を安心してお預けできるかなとおもってるんですよ…勝手な言い分ですけど」

傭兵「そりゃまたどうして?」

僧侶「だってソル様は…」モニョモニョ

僧侶(私が唯一憧れた方ですから)

傭兵「…? あーヒーラちゃんと寝たらふかふか柔らかくて気持ちよく眠れそうだなぁ」

僧侶「…え゛」

傭兵「なぁ俺一人部屋寂しいから今夜どう?」

僧侶「やっぱり撤回します!!」


第5話<バザー>つづく

更新おわり
次回明日か明後日



 ・  ・  ・


僧侶「ケーキおいしかったですね」

傭兵「ああ。満足した。ヒーラちゃんその手に持ってるのは?」

僧侶「宿で待ってるお二人におみやげです。クッキーの持ち帰りがあったので」

傭兵(いい子だ)

僧侶「この後はソル様のお仕事さがさないとですね」

傭兵「すでに目星は付いてるんだ」

僧侶「そうなんですか? さすがですね」

傭兵「じゃあヒーラちゃん先に帰ってていいぜ」

僧侶「……あ」

傭兵「どうした」

僧侶「い、いえ…もうすこしだけ。私もついて行こうかな」

傭兵「いいけどさ、待たせちゃうかも」

僧侶「かまいませんよ。時間が余りそうでしたらすこしお買い物してますので」

傭兵「わかった。じゃあ一緒に行くか」

僧侶「はい!」



【冒険者ギルドの酒場】


傭兵「この席で待ってて。俺受付いってくる」

傭兵「ジュースでもたのんでおくか」

僧侶「私のことはお気遣いなく」

僧侶「いってらっしゃい」


受付「クエストを探してんのかい」

傭兵「いや、バザー期間中の警備の仕事でもあれば」

受付「…はぁこんな時期にくるやつがあるかい。もう一般公募と説明会は終わっちまったよ」

傭兵「そこをなんとか。今日街についたばかりなんだが仕事がない」

受付「…んじゃウチの会員証か、もしくは個人の戦歴手帳はあるかい」

傭兵「あぁ。これでいいかな」

受付「きったない手帳だねぇ。見させてもらうよ」

受付「……お? おお!?」

受付「あんたこれ偽造じゃないだろうね!?」

傭兵「俺のだけど」

受付「…!」パラパラ

受付「あんたほどの手練ならぜひ受けてもらいたいクエストがあるんだ」


受付「バザ北の街道に野盗の集団が現れてね。おそらくバザーフェスティバルに訪れるキャラバンを襲撃してんだと思うけど」

受付「そいつらがまた強くって。ウチから何度か部隊を結成して派遣したんだけど返り討ちでね、困ってんだ」

傭兵「俺できれば街の警備がいいんだけど」

受付「なにいってんだい! こんな歴戦の勇士を街でぶらぶらチンピラ狩りにあてたらウチの名前に傷がついちまうよ!」

傭兵「じゃあ名前のせなくていいから」

受付「それだとウチの評価にならないじゃないか!」

傭兵(まっとうな機関を通そうと思うとどこも大変だな…)

傭兵「わかった白紙だ」パッ

受付「あっ、ちょい! もうちょっとみせてよあんた何歳の頃から戦ってんだい」

傭兵「希望の仕事がないなら用はねぇ。どっかの店で皿洗いでもすっか」

受付「…ぐぅ、わ、わかった」

受付「じゃあ警備の中でも一番ランクの高いものを」

傭兵「街中で頼む。外には出たくない」


受付「ほれ契約書だ。読んでサインして」

傭兵「えーっと。あー、まぁこれならいいか。警備部隊の統括か」

受付「これもって明朝街の東の詰め所に行きな。細かいことは担当から聞きな」

傭兵「おう」

受付「んで、これが前金」ガシャン

傭兵「こんなにか?」

受付「いいから! 黙って受けとりな」

受付「あんたをもてなしとけばウチみたいな顔の狭い弱小にも多少の箔が付くんだから」

受付「その代わり名前は使わせてもらうよ」

傭兵「俺そこまでじゃないけどな」

受付「冗談。一兵卒から数年で騎士になれるのなんてこの世に何人いるってのさ」

傭兵「もう騎士じゃねぇよ昔の話だ」

受付「ま、何があったかは聞かないけど頑張りな」

傭兵「サンキューな」

傭兵「さぁてヒーラちゃん待たせちゃったな」



――



僧侶「こ、困ります。人を待ってるので」

荒くれA「そんなこと言わねぇでよお」

荒くれB「俺たちのパーティに入んねぇか? あんた魔法つかえんだろぉ?」

僧侶「もうパーティには入っていますので」

荒くれA「んじゃちょっと飲もうぜ」

荒くれB「にしても肌白くてべっぴんさんだなぁ、何歳だ?」

荒くれA「どこからきた? この辺じゃねぇよなぁ。この辺の女は芋っぽくてかなわんぜ」

僧侶「…う」

荒くれA「ほれ、オレンジなんて飲んでねぇで友好の証に一献ぐぐっと行こうぜ」

荒くれB「うへ~お持ち帰りしてぇ」

僧侶「お、お酒は…結構です。飲めませんので」

荒くれB「おい兄弟どうする。俺達の酒のめねぇってよ」

荒くれA「なにぃ!」


僧侶「それは職業柄ですので」

荒くれA「なぁ~頼むよ。俺たちのパーティえらくバランス悪くってよぉ」

荒くれB「だよなぁ」

荒くれA「俺が剣士で」

荒くれB「俺が武闘家。あとはかんわいい魔法つかえる女の子がいてくれたらなぁ~」

僧侶「私ではなく他の方を誘ったらどうでしょうか…」

荒くれA「連れねぇなぁ。ぷはぁ…毎日こうやって目ぼしい子をスカウトしてるってのに誰もうなづきゃしねぇ」

僧侶「そ、それは…」

僧侶(う…お酒の臭いやっぱり苦手)

僧侶「…」

荒くれB「兄弟おりゃもう限界だ。こうなったら」ニヤリ

荒くれA「そうだな。それもしかたのないことよ。ちと手荒いが無理やり」ニヤリ

傭兵「手洗いなら向こうにあるぜ」

僧侶「ソル様…!」

荒くれB「ああんなんだおめぇわ」


傭兵「だから手洗いなら向こうに。空いてるぜ」

荒くれA「それじゃねぇよ!」

傭兵「またせてごめんな。無事仕事もらえたからもう行こうか」

僧侶「は、はい」

荒くれB「おいおいその子と俺達はいま商談中なんだ。あんまりじゃねぇか?」

荒くれA「てめぇか? 仲間ってのは!」

傭兵「あぁ。お前ら昼間っから酒のむのは勝手だが、俺の連れに絡むんじゃねぇよ」

荒くれB「兄弟、こいつぁなまいきな野郎だ。スカしてやがる」

荒くれA「どうも俺たちのことをしらねぇヨソ者だとみえる」


青年「やべぇな…あの二人また暴れる気かよ」
老人「勘弁してほしいもんじゃの…あの二人を挑発するなどバカなことを…」

傭兵「……」

傭兵「有名人か?」

荒くれA「へへへ…あんた最高にバカにしてくれるぜ」

荒くれB「俺たちがこの街一の荒くれ戦士だってこと知らねぇのかよ本気かよ」


荒くれA「しかもこのニーチャン、魔法がからっきしと見た」

荒くれB「ぶわっはは、いまどきは剣士でも魔法の少しは使えるもんだぜ」

荒くれA「火の魔力がつかえりゃこんな風に刀身を熱することだってできるからなぁ!」ブォン

受付「ちょっと! またあんたらかい! 喧嘩は外でやんな!」

受付「店の物壊したらギルド追放じゃすまさないよ!」

荒くれA「へいへーい。怖い怖い…」

僧侶「ソル様…だめですよ、帰りましょう」

傭兵「ああ」

荒くれA「女は置いてけ」

荒くれB「そいつは俺たちのパーティに加わるんだ」

ジャキン

傭兵「剣士が剣士相手に刃むけるってのは、どういうことかわかってんのか」

荒くれA「いいぜぇニーチャン。女の前でいいカッコはさせねぇ」

荒くれA「表に出な。俺の戦歴にてめぇのくだらねぇ名前を刻んでやるよ」


僧侶「あうう…ダメですっていったのにどうしてこう男の人は」

受付「お嬢ちゃんは危ないから中にいな」

僧侶「はぁ…私のせいで」

受付「もしかしてあんたの連れが巻き込まれたのかい? 災難だったね」

老人「バカ兄弟がこの子をナンパしとるときに仲間の男がもどってきてのぅ…」

受付「ったくどこの誰だかしらないが、質の悪い酔っぱらい共を挑発なんてするもんじゃないよ」

老人「あの男はもうダメじゃあ…イカれた兄弟に遊ばれ切り刻まれるぅ」

僧侶「ソル様…大丈夫でしょうか」

受付「…ソル!? あんのバカども、よりによってなんてことしでかすんだい」ダッ

老人「どこ行くんじゃ。受付さんあんたも巻き込まれるぞ」

受付「わかってるけど…! ちょっと表いってくる!」



ガチャッ

受付「!」


荒くれA「…が、がは」ガクリ

荒くれB「うげぇ…な、なにが…おぇえ」

荒くれA「なにもみえねぇ…なにがあった…。ひ、ひい俺の剣が! 一発で」

荒くれB「ちくしょう…俺の神速の拳が…全くあたんねぇ。なんて野郎だ」


傭兵「これで街一の実力者…。この街の防衛が思いやられる…」

受付「あんた…無事かい」

傭兵「あぁ。悪かった揉め事起こして」

受付「いやそれはいつものことだからいいんだけどさ、あんたになにかあったらウチのメンツが…って」

受付「このざまを見る限り何の心配もいらなかったようだね」

傭兵「ヒーラちゃんは?」


僧侶「動かないでくださいね。いま治癒魔法を施しますので」

荒くれA「ううう…いてぇよぉ」

僧侶「泣き言いわないで、ただの打ち身ですよ」

僧侶「手加減してくださったソル様に感謝してください」

荒くれB「あんた…やっぱり俺達のパーティに」

傭兵「…」

荒くれB「す、すんません…」ビク

僧侶「はいおしまい。おわりましたよ。一応帰ったら患部を冷やしておいてくださいね」

荒くれA「…すまねぇ、な」

僧侶「ソル様!」

傭兵「あ、うん…俺は怪我ないから」

僧侶「そうじゃなくって! 少し大人になってください!」

傭兵「…」

僧侶「ソル様の剣は…なんのためにあるんですか」

僧侶「人を斬るため…? 違いますよね?」

荒くれB「それがよぉ…その男、素手で…」

荒くれA「冗談じゃねぇ…刀身を素手で受け流してへし折りやがった」


僧侶「……えぇー」

傭兵「あの日ユッカも言ってたからな。ボクの剣は誰かを切るためじゃないって」

僧侶「ですよね!? ですよね!?」

傭兵「でも俺は…ヒーラちゃん達を守るためなら、どんな相手でも」

僧侶「え…」

傭兵「なんちゃってな。心配させてごめん!」

荒くれB「それはともかくだ、ニーチャンさっきのは一体どんなからくりだ。魔法もつかえねーのに」

傭兵「鍛えたらまぁできるだろ」

荒くれA「むちゃくちゃだぜあんた…」

受付「喧嘩を売る相手が悪かったね!」

荒くれA「なんで受付のおばちゃんが誇らしげなんだ…」

受付「そりゃあこの人にはウチの顔になってもらわなきゃならないから」

傭兵「ここで仕事うけるのは数日街にいる間だけだぞ」

受付「え!! 聞いてないよ!」

傭兵「バザー期間中って言ったろ…」


荒くれA「あんた…いえ、大兄貴!と呼ばせてください」

傭兵「どうしたいまさら改まって」

荒くれA「これほどの武芸家にお会いしたのははじめてでして。ぜひ俺たちを手下に!」

荒くれB「どうか!」

傭兵「いやいいわ…邪魔だし。酒くせぇし」

荒くれA「そんなぁ。でしたら、滞在中なにかお困りのことがありましたら俺達に!」

傭兵「あぁ…あればな…。無いと思うけど」

僧侶「ソル様…そろそろ行きましょ」クイクイ

傭兵「あぁ」

荒くれB「お嬢もたいへん失礼いたしました! お気をつけて!」

僧侶「やめてくださいよ」





僧侶「もーいざこざで変な人に目つけられちゃったじゃないですか」

僧侶「まわりの人たちには冷やかされるし…」

傭兵「ごめんなー」ナデナデ

僧侶「う…」

僧侶「ふーんだ」

傭兵「あー怒っちゃった。ごめんなー」ナデナデ

僧侶「ユッカ様じゃないんですから。そんなことでは機嫌なおりませんよ」

傭兵「じゃあどうすればいい」

僧侶「……そうですねぇ」

僧侶「えいっ」ピコッ

傭兵「あいてっ」

僧侶「これでゆるしてあげます。」

傭兵「ははは。やっぱりヒーラちゃんの方がつええな」


僧侶「そ、それと…お礼がまだでしたね」

傭兵「いやいいよ。つき合わせたのも結果的に巻き込んだのも俺だし」

僧侶「あの…いまデコピンしたとこ見せてください」

傭兵「これ?」

僧侶「チュッ」

傭兵「…っ?」

僧侶「特別な治癒魔法。ソル様にだけの…」

傭兵「…あ、ああ。ありがと?」

僧侶「うう…わ、私先に帰ります! その辺ぶらぶらしてていいですよ!」タッタ


傭兵「特別な治癒魔法か……確かにふつうのより効きそうだ」

傭兵「さてと、旅の記念に豪勢な晩飯でも買って帰るか。思ったより金入ったしな~♪」



第5話<バザー>つづく

更新おわり
5話ながくなってるけどあと1回くらいでおわります

明日いつもと同じくらいの時間に更新(予定)

第5話<バザー>つづき


【大衆浴場・出入口】


勇者「あーさっぱりしたぁ」

魔女「きもちよかった」

勇者「いたいた! ソルー!」

傭兵「おー……よぉ。やっぱり時間かかるんだな」

僧侶「待っててくださったんですか。ごめんなさいお風呂長くって」

僧侶「はしゃいだユッカ様があちこち行くもので」

勇者「え~ボクのせい? ヒーラだってずーっと体洗ってたでしょ」

僧侶「そ、そんなことありませんよ」

傭兵「俺はゆっくりできたからいいけど」

魔女「なに飲んでるの…それ」

傭兵「これ? 冷やしたミルクだ。売店で売ってた」

傭兵「買ってやろうか?」

魔女「…飲んでみたい」コク



勇者「えー牛乳…ボクは牛乳はちょっとな…。生臭いし」

傭兵「飲まないと大きくなれないぞ」

傭兵「ヒーラちゃんも要るよな?」

僧侶「いいんですか? ではごちそうになります」

店員「あいよ。飲み終わったらガラス瓶は返しておくれよ」

傭兵「えっとな、この蓋をピックでこうやって」

キュポン

傭兵「ほら」

魔女「……もう飲める?」

傭兵「おう、ぐいっといけ。子供なら風呂あがりにはこれが一番」

魔女「こどもじゃないけど…」ペロリ

魔女「冷たい」

魔女「おいしい」

傭兵「冷たいとうまいよなぁ。氷の魔法で冷やした部屋に保存してあるみたいだ」




僧侶「んくんく」

傭兵「ヒーラちゃん飲みっぷりいいね」

勇者「む…」

傭兵「お前ほんとにいらないのか。ヒーラちゃんみたいに大きくなれないぞ」

僧侶「?」ゴクゴク

勇者「うぐ…」

勇者「たしかにヒーラおっきかった…う゛うう」

勇者「の、飲む。飲みたい買って」

傭兵「よし。じゃあユッカはこのフルーツの味がついてる牛乳にしておくか」

傭兵「すんません。これ一本。何度も悪いな」

店員「あいよ。うちのは毎日採れたてでうまいから何度でも買ってくれよな」


傭兵「ほれ」ピト

勇者「ひあっ!? つめたい」


傭兵「蓋とれるか?」

勇者「できるよそれくらい! ありがと」

勇者「んしょ…取れた。くんくん」

勇者「甘くていい匂いする」

傭兵「それ飲んだら帰るぞ」

僧侶「明日は朝早いですからね。帰って寝ましょうね」

勇者「はぁい。これならボクでも飲めそー」

勇者「♪」ゴクゴク

勇者「ぷはぁ」

僧侶「くす、ユッカ様、ミルクがおひげみたいになっちゃって可愛い」

傭兵「ヒーラちゃんもかわいいよ」

僧侶「えっ」

傭兵「あ、いや…ひげみたいに」

僧侶「あっ、ええっ?! ウソ」ゴシゴシ

魔女「…」ジィ

傭兵「マナはなってないよ。上手に飲んだな」

魔女「じゃあかわいくない?」

傭兵「……。かわいい、です」

魔女「そう」



【獣人マオの商店】


獣の商人「おっかえりー」

獣の商人「広くてええ風呂やったでしょ?」

傭兵「あぁ。結構賑わってたな」

獣の商人「いまは観光シーズンやから」

獣の商人「もう寝はります? まだ出入りするなら入り口開けとくけど」

傭兵「みんな寝るよ」

獣の商人「ソルはんは明日朝早いんやっけ」

傭兵「あぁ。詰め所とやらに行かなくちゃならない。どこにあるかもよくわからないし一応早めに出ようと思う」

獣の商人「ほんならおやすみなさい。女の子たちは朝起こしたるからゆっくり寝ててええでー」

勇者「ふぁ~」

獣の商人「おつかれやね。久々にベッドで眠るときっときもちいいで」

僧侶「それではおやすみなさい」

魔女「おやすみなさい」


獣の商人「みんなええ子や…こりゃ明日が楽しみやで」

獣の商人「あれ…ベッドの数たりたっけ? ええと、あの部屋には確か…まぁええか」

獣の商人「足りんかったら言うて来るやろ」

獣の商人「うちも早よ寝な」



【2階・女子部屋】


勇者「狭い…狭いよね」

僧侶「ダブルベッド一つですからね…荷馬車の広さはかわりません」

勇者「どうしよう。これに3人は無理だよ」

魔女「…私、床でいい」

勇者「ダメだよマナ」

魔女「側にいると、魔力吸っちゃうから…寝ても覚めても」

勇者「いいよ吸ってよ。ボクたちはへっちゃらだよ」

僧侶「そうですよマナちゃん。私達に気遣いは無用です」

魔女「…。でもどっちみち狭い…」

勇者「そうだね…」

僧侶「ええっと…ソ、ソル様のお部屋のベッドも同じサイズでしたよね?」

勇者「そうだっけ? そうかも…じゃあ」


僧侶「じゃんけんで勝った人がソル様のお部屋にお邪魔するということで」

勇者「なんで勝った人?」

僧侶「う……ですね、負けた人にしましょうか」

勇者「ボク負けないよ~」

魔女「パーをだす」

勇者「!」

魔女「わたしパーをだすから…」

僧侶「え、ええっと…マナちゃん本気ですか?」

魔女「…」コク

魔女「眠たいから早くして…」パー

僧侶「…どうしよう」

勇者「グーを出したらソルと一緒の部屋ってこと?」

僧侶「そうです…一人負けでしたら」


勇者(うーん…ソルと一緒だとまたうずうず来ちゃうかもしれないしなぁ)

勇者(明日からお仕事なのに迷惑かけられないないよね)

勇者(でもソルと寝るのは結構きもいいいし…もしヒーラと二人になっちゃうと何されるかわかんないし)


僧侶(グーがかぶらなければソル様と…。ユッカ様と寝ようと思ったら相思相愛でチョキ…)

僧侶(だけどそれじゃマナちゃんをソル様におまかせすることになってしまうし…う~ん)


僧侶「長考していいですか」

魔女「早くして」パー



僧侶「わかりましたいきますよ…っ! じゃん、けん」

僧侶「ぽい」グー

勇者「…」グー

魔女「ぱー」パー

勇者「あー…やりなおしだ」

僧侶「…」

勇者「なんでグーだしたの?」

僧侶「えっ、だって…」

勇者「ソルと寝たかったの?」

僧侶「違いますっ、幼気な乙女のユッカ様もしくはマナちゃんを殿方の部屋に送りこむことなんてできませんので」

僧侶「私はお二人に安眠をと」モニョモニョ


勇者「でもやり直しだよ。負けが二人いちゃ意味ないよ」

僧侶「ユッカ様こそ! どうしてグーなんですか!」

勇者「え~、だって……いいじゃん別にぃ…ヒーラがまさかグーだすなんて思わなかったもん」

勇者「マナが眠たそうにしてるから、ボクがグーさえだせばすぐ決まるかなって」

魔女「……じゃあ私が行ってくる。それでいいでしょ」

僧侶「わー待ってください。どうしてそうなるんですか」ギュ

魔女「…。じゃんけんぽん」

僧侶「わわっ!」グー

勇者「いきなりっ!」グー

魔女「…」チョキ

魔女「決まったから。いってきます。おやすみなさい」

勇者「……うーーん」

僧侶「一本とられましたね」

勇者「マナもしかしてこうなるのわかってたんじゃない?」

僧侶「はぁ……うふふふ」

勇者「なに、怖いよ」

僧侶「これはこれで。さぁ寝ましょうかユッカ様!」

勇者「あーーもーーっ、だからグーだしたのにぃ」


【男部屋】

ガチャ

傭兵「! なんだ…マナか」

魔女「眠たいからきた」

傭兵「意味わかんねぇな。なんだそのピース」

魔女「これは…チョキ」

傭兵「ますます意味わかんねぇ」

魔女「ふわぁ…」

傭兵「おい、なに勝手にベッドに…まぁ空いてるからいいけどよ」

魔女「あなたはベッドで寝ないの?」

傭兵「あぁ。俺は座って寝るから大丈夫だ」

魔女「どうして」

傭兵「ベッドだと深く寝入ってしまうからな」

魔女「良いこと。疲れが取れる」

傭兵「それはそうだけど」


ガチャッ

勇者「うわーんソルー」

傭兵「うわっ、なんなんだよ揃いも揃って夜分に。寝ろよ」

僧侶「ちょっと逃げないでくださいよぉ!」


傭兵「どうした」

僧侶「ユッカ様ったら、私と寝るの嫌がるんですよ」

傭兵「無理に一緒に寝なければいいんじゃないのか…?」

勇者「だってベッド足りないもん! こっちの部屋もあっちの部屋も一個ずつしかない!」

傭兵「ベッド足りねーのか…それでマナはこっち来たんだな」

魔女「…」コク

傭兵「そうか。じゃあここの一つ使え。空いてるぞ」

傭兵「こうなったら俺は廊下ででも」

勇者「だめ!」
魔女「ダメ」
僧侶「だめですよ!」

傭兵「しー…でかい声だすな。マオに怒られる」

勇者「…っ! ごめん」





僧侶「ソル様、いけませんよベッドで寝ないなんて」

魔女「そこの壁にもたれかかって寝ようとしてた。不思議」

傭兵「いや…これはな」

勇者「そ、それに、なんで剣抱いてるのさ」

傭兵「……」

傭兵「つい」

傭兵「べ、別にいいだろうが俺はこの方が落ち着いて眠れるんだよ」

傭兵「こういう生活してきたんだ。とやかく言うな」

僧侶「ごめんなさい…私達のせいですか?」

傭兵「違う」

勇者「この街は平和だよ! 悪い奴も魔物もいないよ」

魔女「獣も襲ってこない」

傭兵「…そう、だけど」

僧侶「ありがとうございます」

僧侶「しりませんでした。私達が荷馬車で眠っている間、ずっとそうやって守っててくれたんですね」

傭兵「そういうつもりじゃない。ただこうしてないと…少し、不安なんだ」

傭兵「これでも意外と休眠は取れる。眠りながら意識を張っておく術をつかんでるからな」

勇者「……むぅー」


勇者「そんなの今はしなくっていいの!」

傭兵「だ、だけどよユッカ…俺は」

勇者「おひとりさまベッドにごあんなーい」

僧侶「はーい、ソル様立って」

魔女「…」グイ

傭兵「お、おい…何を」

勇者「このまま仰向けに寝て」

傭兵「うおあっ」ボスン

傭兵「俺がベッドで寝たらお前ら寝る場所ないんだろうが」

勇者「あるよ。ね?」

僧侶「はい。お邪魔します」モゾモゾ

勇者「ボクもー」ズシ

傭兵「いだ、乗るな」

魔女「ここで寝る…おやすみなさい」

傭兵「おいマナ…あー…寝ちまったよ」

僧侶「くす、とっても狭いですね」

傭兵「ヒーラちゃん…楽しんでるだろ」

僧侶「いいえ! おやすみなさ~い」ギュ

勇者「おやすみソル! ボクがお布団がわりになってあげるから安心して眠ってね!」

傭兵「寝れるか!!」


 ・  ・  ・


傭兵「…あぁ、マジで寝やがった…俺にどうしろっていうんだよ」

傭兵「動けねぇし…逆に眠れねぇよ…」

傭兵「困ったやつらだな」

傭兵「ヒーラちゃん、起きてる?」ナデナデ

僧侶「…すぅすぅ」

傭兵「マナ? 寒くないか?」ナデナデ

魔女「…zzz」

傭兵「ユッカ。涎たらさないでくれよな」ナデナデ

勇者「…すぴー」

傭兵「おやすみ。俺のほうこそ、いつもありがとう」



第5話<バザー>おわり

更新おわり
次回明日


第6話<デート?>


【男部屋】<深夜>


傭兵「う…く」

あまりの寝苦しさに俺は目を覚ました。
すでに背汗をかいているかもしれない。
昨晩ユッカたちのくれた暖かさと優しさによって、俺は今かつてないほどに追い詰められていた。

勇者「…zzz」
魔女「…zzz」
僧侶「…zzz」

傭兵(やっぱり寝づらいだろ! 暑いし!)

三人はピッタリと微動だにせず俺に寄り添い、安らかな寝息を立てている。
普段寝相の悪いユッカですら、依然俺の上に覆いかぶさったままムニャムニャをなにか寝言をつぶやく。

傭兵(寝返りうったらヒーラちゃんベッドから落っこちそうだな)

傭兵(この乗っかってるユッカをなんとかできれば)

勇者「ん…むにゅ…」

勇者「すぅ…すぅー」

傭兵(クッ…とてもじゃないが起こせねぇ)

傭兵(なんかみんな石鹸のいい匂いするし。俺とこいつらで一体何が違うんだ)スンスン


僧侶「…ん」ギュ

傭兵「ひっ」

右腕にあたるヒーラちゃんのふわふわとしたおおきな胸の感触にうろたえてしまう。
寝るときは薄着なのかはっきりと腕にやわらかさが伝わってくる。

傭兵(ヒーラちゃんお願いだこれ以上くっつかないでくれ)

僧侶「…zzz」ギュー

傭兵(じ、地獄だ!)

傭兵(このままじゃ一睡もできないかもしれない…!)

傭兵(まずいぜ。なんとかしなくちゃな)

傭兵(心を無に…そう、こいつらはただのやわらかくていい匂いのするクッション…俺は決して女の子に囲まれているわけじゃ)

僧侶「んぅ…zzz」ギュム

魔女「…zzz」キュ

傭兵(うおあああ!! やばいってやめてくれえ)


これがヒーラちゃんと二人きりで寝ているなら、可愛い寝顔を眺めつついたずらの一つでもしてやろうかという気にもなるが、
なにぶん反対側の真横にくっつくようにマナがいて、真上にのしかかるのはユッカ。
こんな状況で己のオス心を解き放つわけにはいかない。
自身を屹立させることも許されない


傭兵(お前たちの厚意には感謝してるが、やっぱり限界だ)

傭兵(どかせよう)



俺は動きづらい体勢のまま絡みつくヒーラちゃんとマナの腕をそっとはがし、ユッカを抱えて半身を起こした。
ユッカの首ががくんと肩の上に着地し、垂らした唾液が伝ってくる。

傭兵(これが勇者なんて情けない…)

傭兵(よし、行くか)

ユッカを抱きかかえたまま俺は立ち上がり部屋を後にした。


【女子部屋】


傭兵「空いてるもんはつかわねーとな」

傭兵「よっと」

抱えた少女をゆっくりとベッドに横たわらせる。

傭兵「起こしてねーよな」

傭兵「これでいいか。やっと寝れる…」

傭兵「ふぁぁ。明日はえーんだったな…」

勇者「ん…ん…はぁ…あ…zzz」

椅子に腰掛けようとするとふいに苦しそうな息遣いが聞こえてきた。

傭兵「ユッカ?」


顔をうかがっても薄暗がりではよくわからない。
そっと頬に触れてみると仄かに熱くなっているように感じた。

傭兵「うーん。あんな寝方で風邪でも引いたか…?」

傭兵「ちょっと暑いけど毛布かけとくか?」

毛布を上からかけようと全身を一望すると、どうも様子がおかしい。
足の付根をもじもじとすりあわせ、吐息はますます荒くなり、顔をしかめたままユッカは眠っている。
まるでなにかに苦しんでいるように。


傭兵「これは…もしかして」

傭兵「お前…変な夢でもみてんのか…」

勇者「はぁ…はぁ…うぅ…zzz」

傭兵「……エロい声でてるぞ」

勇者「あ…ん…zzz」

傭兵「まじかよ」


傭兵「寝てる時にもなったりするのか…例の呪い」

傭兵「あーもーめんどくさいやつ!」

灯りを手にユッカの手荷物を漁り、先日世話になった塗り薬の入った小瓶を見つける。


傭兵「えっと、これ塗ったら…いいんだよな? 前そうだったしな」

傭兵「いや、でもいいのか? 寝てるユッカにこんなこと…」

勇者「はぁー…う~~…zzz」

ますます苦しそうに唸るユッカを見ているとなんとかしてやりたい気持ちが強くなってくる。

傭兵「起きないよな…?」


傭兵「頼むから起きるなよ…」

ユッカの下着とパジャマのゴムに指をかけ、ゆっくりとずり下げていく。
罪悪感はあったものの、すでに一度経験したことだ。
さらにその時は二人で顔を合わせてやったことだ。いまさらなにも恥ずかしがることはない…はず。

傭兵「ユッカのためだ」

使命感に駆られた俺は後ろめたい気持ちを振り切り、幼い少女の恥部を露出させた。

下着はすでに寝汗と汁でねっとりと湿っている。

傭兵「うわ…」

傭兵「こうみると、やっぱお前子供だな」

傭兵「薬…塗るからな」


先に恥部をべったりと濡らす愛液を布で拭う。
そのあと中指に少量の薬をとり、よくなじませてから幼い割れ目にそっと触れた。
温かくてぷにぷにとしている感触を俺は少しだけ楽しんだ。

傭兵「大丈夫だ。エロイことをしているわけじゃない…」

傭兵「寝ているユッカの膣を指でまさぐって謎のベタベタした白い液体を塗りたくっているだけだ…!」


手探りで陰唇へ薬を塗り終わると、次は膣内へと移行する。
ユッカは相変わらず身体をもぞりもぞりと動かせ、はぁはぁと苦しそうな吐息を漏らしている。

傭兵「また注意しなきゃな」

傭兵「寝てるまま指で喪失なんて洒落にならねぇ」

傭兵「殺されちゃうぜ」


仰向けにひっくりかえったユッカの腰を少しもちあげ、見えやすいように開脚させる。
割れ目を2本の指で左右にしっかりと開くと、中央にある小さな膣穴が呼吸するように動く様がはっきりと見て取れた。

傭兵「ここのかわいさは100点満点だな」

傭兵「……いや、何を言っているんだ俺は…ただの変態だぞ」

傭兵「ちがうんだユッカゆるしてくれ。俺だって健全な男だ、魔が差す時もある」

傭兵「さっさと切り上げよう。このままじゃ子供相手に我慢できなくなっちまう」

薬を塗布した指を中央の穴にくにゅりと入れた。
ユッカの穴は俺の指を歓迎するようにチュウっと吸い付く。

いたずらごころが湧いてくるが俺はそれを必死に諌めてなんとか任務を無事完遂した。


 ・  ・  ・


傭兵「はぁ…今日も理性が勝った」

傭兵「さすが俺だ…ふふふ、はは…」

傭兵「はぁ~……」

傭兵「いまはまたアホ面して寝てるが、もしかして毎晩うなされてんのかこいつ」


傭兵「ユッカ」

安らかな表情に戻ったユッカをみて安堵した。
天真爛漫な少女に苦しそうな顔は似合わない。

傭兵「さっさと解呪の方法を探さないとな」

傭兵「じいさんにもらった手紙の住所が手がかりになるといいな…」

傭兵「呪いをかけた張本人をたたっ斬るのが一番早そうだが…どこにいるのやら」

傭兵「この先何回俺はこれをするはめになるんだろうか…」

俺は空いたユッカの隣にゴロンと寝そべる。
寝顔をもう一度うかがったあと俺は瞼を閉じ、やがて思案することをやめ眠りに落ちた。



<翌朝>

僧侶「ユッカ様なんでこっちで寝てるんですか」

勇者「さー…?」

魔女「夢遊病、かもしれない」

勇者「え~ボクそんな病気してないよ」

勇者「ねぇソルは?」

僧侶「ソル様なら今朝早く私達が起きる前にお仕事へ行かれましたよ」

勇者「そっかぁ…。あれ、ボクこの薬しまってたのになんで机の上に…」

勇者「まいっか!」



【兵士詰め所】


傭兵「えー、本日9時より開催されるバザーフェスティバルの警備にあたって班分けを行う」

傭兵「1班は街の外の警備。これは賊や魔物の侵入を阻止する最重要任務であるため戦歴手帳を元に実力者を配置する」

傭兵「2班は街の中の巡回警備。喧嘩の仲裁から違法物品を売買する商人の摘発など、例年の実績と土地勘のある者を配置する」

傭兵「3班は詰め所で待機。緊急事態に備える」

傭兵「…で、いいんだよな?」ボソリ

隊長「はい。実際の配置分けはこちらにまかせてあなたは3班としてデスクへ」

傭兵「…デスクワークは苦手なんだがな」

隊長「あなたほどの方に1、2班で下っ端働きしてもらうわけには行きません」



兵士A「おい、あいつなんなんだ。急に出てきたと思ったら、隊長を差し置いて仕切りやがって」ボソボソ

兵士B「ギルドから派遣された特級の兵士様だとよ。逆らったら首が飛ぶぜ」ボソボソ


傭兵「…」

傭兵(こりゃ居心地の悪い職場になりそうだ)



傭兵「んで、状況を教えてくれよ」

隊長「状況とは」

傭兵「来たばっかりの俺が事情を知らないままトップに就くのはよくないだろ」

傭兵「なにか起きてるのか?」

隊長「ええ。これほど大きなバザーですので、よからぬことを考える輩もたくさん紛れ込んでいます」

隊長「違法取引摘発のほとんどは我々が行いますが、不測の事態に備えて実力者を配備したかったという所存です」

傭兵「それだけか? ここの兵士達がたかが商人相手に手こずるとは思えないが」

隊長「それと、北の街道に出る盗賊団の噂はお聞きでしょうか」

傭兵「…ん。ギルドのねーちゃんが何か言ってたな」

隊長「かなりの手練だと報告があります。この機に街内へと潜り混んできたら厄介な相手でしょう」

傭兵「うーん…」

隊長「一応、訪れる商人達の検閲は行っていますが。なにぶん身分不詳でも観光客としての入場は可能ですので」

傭兵「まー緩いよなぁ」

傭兵「ガチガチに門を固めてたらせっかくのお祭り気分も台無しだぜ」


傭兵「んじゃ俺2班に回るわ」

隊長「しかし」

傭兵「報告うけるだけのデスクワークは性に合わねぇ。身体も鈍っちまう」

傭兵「長年あんたが務めてるんだろ? だったら任せる」

傭兵「適材適所と行こうぜ。街の地形も覚えたいしな」

隊長「そうですね」

隊長「バザーの期間中はずっと滞在されますか?」

傭兵「あぁ。旅の情報収集も兼ねて一週間は居るつもりだ」

傭兵「あちこちから商人が来るならいろんな話が聞けそうだしな」

隊長「わかりました」

隊長「ではあなたはあなたの権限をもってご自由に活動ください」

傭兵「給料泥棒になったら悪いな!」

隊長「我々が暇を持て余す事が平和であるなによりの証明ですから」

隊長「それに歴戦の勇士に来ていただき部隊の士気もあがります」

傭兵(なんだかなー…そうは感じなかったんだけど)



【街中】<フェスティバル開始時刻>



傭兵「さーてと。やっと陰気くせー詰め所から逃げられたぜ」

傭兵「巡回任務っつっても、こう人が多くちゃな」

傭兵「誰が違法な商品扱ってるとかわっかんねぇし」キョロキョロ

傭兵「過去の例ではやばい薬や魔物の卵や幼体が主体って言ってたな」

傭兵「こんな平和ボケした街でそんなの売ってる奴いんのか?」

傭兵「……とりあえずユッカたちの様子でも見に行くか」




勇者「おじさんおじさん! 元気になるお薬売ってますよ!」

男性「え、え?」

勇者「男性の元気に効くお薬だよ~、バザー期間特別価格で販売中!」

勇者「奥さんとの夜のいとなみ(?)にお役立ち!」

勇者「さぁさぁ買っていってよ!」

男性「いや…おじさんは独身だから…」

勇者「……うーんまた逃げられた」

傭兵「おい、なにやってんだ。その格好」

勇者「あ、ソル! どしたの仕事は?」


傭兵「任務中だ」

勇者「わーその服かっこいいね。兵隊さんみたい」

傭兵「いまは兵士なんだよ。こりゃ支給された服だ」

勇者「ボクのも!」クルリ

勇者「どう? チャイナドレスって言うんだって」

勇者「切れ目があってちょっと足がスースーするけど…かわいいよね!」

傭兵「お、お前…何を手伝わされてるんだ」

勇者「マオにゃんがこれ着て売り子してって!」

傭兵「マオにゃん…。あぁ、あいつめ」

勇者「中にはヒーラとマナもいるよ! ヒーラすっごいよ、胸がどーんって」

傭兵「よし」

ガラガラ

勇者「あっ、ちょ…お仕事中なんでしょ!」



獣の商人「いらっしゃ~い…ってなんやソルはんか」

傭兵「おいこれはどういうこった」

獣の商人「ん?」

獣の商人「約束通り手伝ってもらってるんやけど」

傭兵「…ぐ、なんかすげー卑猥な事おしえただろ」

獣の商人「なに言うてはんの。ウチの薬の効能をアピールしてもらってるだけやで」

傭兵「薬って…」

僧侶「こちらです」

傭兵「うおっ、ヒーラちゃん…セクシー」

僧侶「うう…あんまり見ないでください。ソル様のエッチ」

魔女「私は?」クイクイ

傭兵「ええと…ユッカとどっこいどっこいだな」

魔女「かわいい?」

傭兵「あ、ああ…客商売ならもうちょっと笑顔のほうがいいと思うけど」

獣の商人「ええねんええねん。その子は助手みたいなもんやから。チャイナ着せてるのはついでや」

傭兵「んでこの薬はなんなんだよ!」


獣の商人「そんなん決まってますやん」

獣の商人「スッポンやマムシのエキスをたっぷり配合した」

傭兵「あぁもう言わなくていい…」

獣の商人「ソルはんもどうです?」

勇者「夜はギンギン!朝まで持続で元気はつらつ!」

傭兵「…」スコン

勇者「あいたっ」

傭兵「意味わかって言ってんのかお前は」

勇者「えー…体力回復ってことでしょ?」

僧侶「そ、その…お一ついかがですか」

傭兵「客じゃねぇって。」

僧侶「でも売上ノルマが…」

傭兵「…」ギロリ

獣の商人「!!」ビクッ

獣の商人「ソ、ソルはんにはお世話になったし無料でお一つ差し上げますわ!」

獣の商人「使ってみて気に入ったらいっぱい買うてってな!」

傭兵「いらねぇって…俺にどうしろと」


傭兵「マオ、ちょっと裏にこい」

獣の商人「いややなぁ…絶対説教するやん」

傭兵「こい」

獣の商人「はい。ほんならみんなちょっと待っててなー」


 
傭兵「あの格好と売り文句はやめさせてくれ」

獣の商人「言うてもあんな可愛い子らに売りつけられたら、買っちゃうやろ?」

傭兵「かわねーーよ! いやヒーラちゃんのなら買うかもしれないけど…」

傭兵「いたいけな少女の無知さにつけこんであこぎな商売はやめろって」

獣の商人「でも露骨に売上あがるんやもん…」

獣の商人「去年よりすでに売上20%増しやで!」

獣の商人「売り子に惹かれてとりあえず店に入ってもらうだけでこちとら万々歳や」

傭兵「…だめだ。普通の格好にさせろ」

獣の商人「それやとお給料減らさなあかん」

傭兵「あぁ。それでもいいから」

獣の商人「過保護やなぁ…女は何事も経験やっちゅうのに」




獣の商人「そんなんやからあかんねん!」

傭兵「な、なにが…」

獣の商人「ソルはんったら2回もチャンスを棒に振って」

傭兵「はぁ!?」

獣の商人「ウチ、鼻も耳もめっちゃええから。ごまかしてもあかんで」

傭兵「ぐ…こんの猫耳」

獣の商人「いたいけな少女の無知さにつけこんでるのはどっちやねん?」

獣の商人「しかも眠ってるときって…あかんでそれは」

傭兵「…」

傭兵「なにも言えねぇ。昨晩のことは黙っててください」

獣の商人「ええで! ウチも鬼やないからそこまでせーへん」

獣の商人「しばらく宿泊するみなさんがギスギスしても気悪いしな」

獣の商人「なんか困ったことがあったら気軽に言うてや!」

傭兵「あ、ああ…悪いな」

獣の商人「…例えば若くしてアレが不能やったりするなら、まさにこの薬がピッタリ!」

獣の商人「なぁソルはん不能なんか? したくても出来へんかったんやろ?」

傭兵「いやちがうから」



  ・  ・  ・



傭兵「話はついたぞ」

勇者「何話してたの?」

傭兵「もうすこしだけ服の露出を減らしてもらうことになった…」

僧侶「…ホッ」

獣の商人「つまらんわーあーつまらん人!」

獣の商人「ほんまに一度薬ためしたほうがいいで! 効果は保証するから!」

傭兵「うるせー誰が使うか」

魔女「……」ゴリゴリ

傭兵「で、マナはなにしてるんだ?」

魔女「…薬、作ってる」ゴリゴリ

獣の商人「えっと、これは女の子に飲ませると一晩理性を失って淫れに淫れて気づいたら朝になってる薬や!」

傭兵「んなもんガキに作らせるな!」

傭兵「この店を摘発する!!」

獣の商人「堪忍してや~」

勇者「なんでソル怒ってるの?」

僧侶「ふふ、どうしてでしょうね」ナデナデ

勇者「???」



第6話<デート?>つづく

帰宅が遅れた…
ので明日昼と夜に2回更新(予定)

第6話<デート?>つづき


<夜>


僧侶「おかえりなさいませ」

傭兵「おーただいま。ご飯つくってまっててくれたんだ」

勇者「せっかくだからソルと一緒にたべようとおもって」

傭兵「悪いな。明日からはもう少し早くあがれるとおもう」

僧侶「お仕事大変でした?」

傭兵「いいや。一日街の中ぶらぶらしてるだけだな」

勇者「えーなにそれ。仕事じゃないじゃん」

傭兵「お前らも今日一日がんばったな。仕事には慣れたか?」

勇者「うん! 楽しかったよ!」

僧侶「はじめは少し恥ずかしかったんですけどね」

魔女「たくさんお客さんきた。たくさんお薬作った」

傭兵「そうか偉いな。マオは?」

勇者「奥で今日の売上の勘定してる…」


獣の商人「えらいこっちゃ! 初日でこんだけ売り上げるなんてユッカはん達さまさまやで! ニャハハ」


獣の商人「こうなったら明日はもっと過激な衣装にして…」

傭兵「おい」ガシッ

獣の商人「そ、ソルはん…帰ってたんですか」

傭兵「過激ななんだって?」

獣の商人「な、なんでもありまへん…冗談ですやん!」

傭兵「この箱に入ってる衣装は…? 今日ユッカたちが来てたチャイナドレスとは違うようだが」

獣の商人「これは…特注の」モゴモゴ

傭兵「…」ヒラリ

傭兵「うわ。なんだこの切り込み」

獣の商人「胸元をだいたんに…セクシー路線で…と」

傭兵「…で、これを誰に着せるって?」

獣の商人「…え! そ、そそ、そんなんウチが着るに決まってますやん!? いややわーソルはん疑り深うて」

傭兵「あっそう」



獣の商人「うう~~あんたノリ良さそうに見えて案外いけずや」

獣の商人「男としてヒーラはんのセクシーコスチューム見たないの!?」

傭兵「俺仕事中で見られねーし」

傭兵「だいたいヒーラちゃんがこんなの着るわけないだろ」

傭兵「………うん、着るわけないな。ヒーラちゃんには清楚な服装が似合う」

獣の商人「いまちょっと想像してはったやろ」

傭兵「してねーって!」

獣の商人「あんまり我慢せんほうがええで?」

獣の商人「女に囲まれた長旅で発散することもままならず、溜まっていくばっかりやとキツいやろ?」

傭兵「…そういうわけじゃない。お前とこれ以上下世話な話は」

獣の商人「ええ薬あるで?」

傭兵「どんな」

獣の商人「男の人に飲ませると一晩中理性を失って淫れに淫れて朝になったら身も心もスッキリしてる薬や」

傭兵「またそれか!」


傭兵「お前の店はそういう薬しかねーのか」

獣の商人「ないです」

傭兵「泊めてもらう家を間違えた…」

獣の商人「ええやんこんな可愛い獣娘のなにが不満やの」

傭兵「お前と話してると仕事以上に疲れる…」

傭兵「そろそろ飯食おうぜ。呼びにきたんだ」

獣の商人「いこか」

 
  ・  ・  ・
 

獣の商人「でな、みんなには一日交代で休みとってもらおうとおもってんねん」

勇者「いいの?」

獣の商人「せっかくのお祭りなんやからウチの街の賑わいを見てきてや」

勇者「やった」

僧侶「ありがとうございます」




獣の商人「ほんなら明日はユッカはんが休みや。今日は表に立ってくれて大変やったろ」

勇者「楽しかったよー服もかわいかったし」

獣の商人「気に入ってくれて嬉しいわー。どこぞの誰様は気に入らんみたいやけど」

傭兵「…」モグモグ

勇者「ボク女の子の服を着ることなんてめったにないから嬉しい」

魔女「ユッカ、似合ってた」

僧侶「チャイナドレスを着て笑顔で接客するユッカ様…私がお客さんならいくらでも買っちゃいます!」

傭兵「……」モグモグ

獣の商人「ほんならソルはん」

傭兵「ん?」モグモグ

獣の商人「明日はちゃんとエスコートしたりや。今日で街のこと色々覚えたやろ?」

勇者「!」

傭兵「はぁ。俺が?」


獣の商人「どうせぶらぶらするだけなんやろ? 連れてったりーや」

傭兵「……さすがに公私混同は」

獣の商人「ユッカはんも武芸者なんやからこうみえて腕利きなんやろ? 部下でもなんでも理由つけたらええやん」

勇者「こうみえて…? むぅ、ボクそんなに弱っちそう?」

獣の商人「あぁすんませんそういうつもりやなくて。あんまりにも可愛らしいから」

勇者「子供じゃないのに…」

傭兵「…まぁ。一人で街を彷徨わせても迷子になりそうだしな」

勇者「子供じゃないのに!」

傭兵「連れてってやるか」

僧侶「良かったですねユッカ様」

勇者「ほんとにいいの? 邪魔じゃない?」

傭兵「別に。一人で出歩かせて迷子になられるほうが面倒だ」

勇者「えーなにそれ」

勇者(やった!ソルとお出かけだ!)


勇者「じゃあ明日はよろしくね」

勇者「マナとヒーラはお店のほうをよろしく!」

魔女「…」コク

僧侶「はい!」

獣の商人「ほんなら明日ユッカはんお休みで、その次またみんなで仕事して」

獣の商人「3日後と5日後のお休みはどないします?」

僧侶「マナちゃんが先でいいと思いますよ」

魔女「だめ…まだ作りたいお薬できてない。やること山積みだからヒーラが先」

僧侶「そうですか? マナちゃんがそれでいいなら…」

獣の商人「ヒーラはん3日後にしますか?」

魔女「それでいい」モグモグ

僧侶「ありがとうございます」

獣の商人「わかりましたーじゃあソルはん」

傭兵「あ、やっぱりそうなるのか!?」

獣の商人「こんな可愛い子ら贔屓したらあかんで」

僧侶「当日は案内よろしくお願いしますね♪」


【2階・男部屋】


傭兵「あぁ…こんな平和そうな街をぶらつくだけであの給金…なんて待遇だ」

傭兵「金払いがいいのはありがたいが罪悪感がな…戦歴手帳破棄しようかな」

僧侶「ソル様がそれだけいままでがんばってこられたんですから、当然の対価ですよ」ヒョコ

傭兵「う、うぉ! ヒーラちゃん」

僧侶「うふふ、肩凝ってませんか~」モミモミ

傭兵「な、なんなんだ!?」

傭兵「というかどうして俺の部屋に。なんなんだその枕は…!」

傭兵「まさか」

僧侶「今夜は私がこの部屋にお世話になります」

傭兵「…そう。ベッドは自由につかっていいから」

僧侶「あーどこ行くんですか」

傭兵「椅子でいい」

僧侶「ダメって昨日言ったじゃないですか」

傭兵「さすがに、さすがにヒーラちゃんと二人でベッドに入るのはまずい」

僧侶「……そうですか」


僧侶「昨晩、ユッカ様をあちらの部屋に移したのはソル様ですか?」

傭兵「…あぁ」

僧侶「ごめんなさい。やっぱり、あんなの寝づらかったですよね」

僧侶「私達のわがままで結果的にソル様にご迷惑を」

傭兵「いやそういうつもりじゃないんだけど…」

傭兵「ヒーラちゃん、ユッカの症状知ってるよな?」

僧侶「? 例の呪いですか?」

傭兵「いつもユッカと一緒に寝てるだろ、いつもあんな感じなのか?」

僧侶「あんな感じとは…? いつもすやすや眠ってますけど…」

傭兵「…え」

僧侶「ソル様?」

傭兵「…う、な、なんでもないんだ! 何もなかった」

僧侶「ちゃんと正直に話してください」

僧侶「…大人として正直に」ジィ

傭兵「…わかった」



 ・  ・  ・


傭兵「…てわけで」

僧侶「そ、そんなことを…っ」

傭兵「ごめん。ユッカが苦しそうだったから」

僧侶「いえ…ソル様がユッカ様を想う気持ちを疑ったりはしません」

僧侶「で、でも寝てる女の子の下着を脱がせて…するなんて」

傭兵「するって…いやほんとにまずいことはしてないから! ちゃちゃっと薬ぬっただけ!」

傭兵「あと暗かったからほとんど見えてないし」

僧侶「…信用します」

傭兵「怒らない…のか? 杖でぶん殴ったりしない…?」

僧侶「別に怒りません」

僧侶「れっきとした"イリョーコウイ"なんですよね!」

傭兵「なんか刺があるな」

僧侶「…むぅ。それよりも私、ソル様が心配です」

傭兵「何が」

僧侶「マオさんが言ってました。男性として不能の疑いがあるって」

傭兵「はぁ!? あんのアホ猫。ヒーラちゃんになんて話を」


僧侶「なんとなくしかわからないんですけど、不能っていうのはその」

僧侶「…あの、医学本の知識ですけど」モジモジ

僧侶「男性器がうまく勃――」

傭兵「あ゛ーいわなくていいから! ヒーラちゃんの口からそんな言葉ききたくねー!」

僧侶「そういう意味なんですよね?」

傭兵「……そういう意味だけど。俺は該当しない」

僧侶「ほんとですか?」

僧侶「私、治せるかもしれませんよ」

傭兵(いやそりゃ世の男のほとんどが治るよ。こんなこと言われたら)

傭兵「患ってないから心配しなくていい」

僧侶「そうですか」

傭兵「ヒーラちゃん、もう寝よう。君は疲れてるんだ…」

僧侶「そうします」もぞもぞ

僧侶「…ベッド、来ないんですか?」

傭兵「ぐっ…この子は」


その晩俺はヒーラちゃんと背中合わせに眠った。
背中越しに体温を感じる。

僧侶「…すぅ、すぅ…zzz」

長い髪から石鹸の清涼な良い匂いが伝わってくる。
気づいた頃には彼女は寝返りをうち、またもや俺に胸を押し付けるような形で抱きついていた。
眠られない夜となった(2日連続)


<翌朝>


勇者「いってきまーす」

獣の商人「たのしんできてなー」

勇者「うん!」

傭兵「んじゃがんばってな」

魔女「…」クイクイ

傭兵「どうした。マナも休みがよかったか?」

僧侶「マナちゃんがソル様に渡したいものがあるそうです」

傭兵「なんだ?」

魔女「護符」

傭兵「護符? くれるのか?」

魔女「ユッカの側にいるなら、あなたも魔法に対する耐性があったほうがいい」

傭兵「ありがとな」ナデナデ

魔女「……」コク



【繁華街】



勇者「こっち! こっち!」

傭兵「あーもう、あちこちぴょんぴょんしやがって。はしゃぐなって」

勇者「だって色々あって楽しいもん!」

傭兵「祭りはこんなもんだろ。確かに規模は大きいが…」

勇者「ねぇソルー見てみて、この木の像へんなの」

傭兵「店の前でへんなのとか言うな」

勇者「見て回って何か気に入ったのがあれば買っちゃおうかなー」

傭兵「金あんのか?」

勇者「昨日働いた分のお小遣いを先にもらっちゃったんだぁ」

傭兵「お、買うなら武器にしようぜ」

勇者「えー…なんでー」

傭兵「おいユッカ! こっちに武器屋あるぞ! こいよ見繕ってやる!」

勇者「キミもはしゃいでるじゃん…」



武器屋「お、兵隊さん。うちには違法の武器はありやせんぜ」

傭兵「いや調査にきたわけじゃねぇ。勤務の暇に客として」

武器屋「そうかい。なにをお探しだい」

傭兵「すこし自由に見させてくれ」

武器屋「あいよ。この時期は舶来品もあって品揃え抜群だよ」

武器屋「お買い得だからぜひ買っていってくれ」


勇者「ふーんいろいろあるね」

傭兵「お前が今つかってる剣は確か王宮の支給品だったな」

勇者「うん。守備隊の剣だよ」

傭兵「俺もそれの下位モデルを昔つかってたことがある」

傭兵「切れ味も耐久性も悪くないが…ちょっと無骨すぎるな。柄も太くてお前の手に馴染みづらいかもしれない」

勇者「う、うん…?」

勇者(ボクべつになんでもいいんだけど…)


傭兵「例えばこの剣。北の剣国で産まれたスタンダードな長剣だ」

勇者「あ、軽い」

傭兵「あの国は剣国を名乗るだけあって、製鉄や冶金の技術が高いからな」

傭兵「これは40年前にクリフォードという刀匠が生み出したタイプなんだが、叩き潰すことよりも刺したり切断することに長けていて白兵戦における継戦能力を――」

勇者「…」

傭兵「見ろ、刀身に沿って血抜きが施されているだろ?」

傭兵「この細かい溝があるおかげで突き刺した時の圧力を下げてだな――――」

勇者「…」

傭兵「でな、この加工を施した剣を量産できるってことはだ、彼の国の戦時下における冶金技術の発達と―――」

勇者「…ふぁ」

傭兵「おっさんこれをこの値段でいいのか?」

武器屋「あぁ…いいぜ」


勇者「いらない」ぷいっ

傭兵「あ、おい!」

勇者「ボクこっちの剣のほうがキラキラしてて好き」

傭兵「それは装飾されただけのデザイン剣だからやめとけ」

勇者「むー…こっちの方がかっこいいじゃん」

傭兵「わかってねぇなぁ。このクリフォードレイピアの機能美を見てみろ」

傭兵「刺突するのに最高の形状だとおもわないか。そこから放たれる血を求める禍々しさと職人魂が手につたわってくるだろ」

勇者「細くてつまんないよ」

勇者「ポキって折れそうじゃん」

傭兵「なめるな、硬度も最高レベルだぞ。その辺のナマクラと一緒にすんなよ。それでいて軽くて女のお前にも扱いやすい」

勇者「…いらない。今の剣よりもっとかわいくないもん」

傭兵「このやろう…」


勇者「だいたいボクレベルあがんないからそんなに良い剣もってても無駄だし」

傭兵「…」

勇者「欲しければソルが買えばいいじゃん」

傭兵「いや俺は…自分の剣あるから」

傭兵「な、なんだよぉその目は! おいどこ行くんだもうちょっと見させてくれよ!!」

勇者「ばいばーい。ボク外でまってるねー」

武器屋「まいどありー」

武器屋「で、あんたは買うのか? ずいぶんな腕利きと見た、安くしとくぜ」

傭兵「いや…今日はやめとく」

武器屋「…なぁ、デートで武器屋はまずかったんじゃねぇのか」

傭兵「そういうんじゃねぇから!」

武器屋「ならいいんだが…」

傭兵「また出直してくるわ」

武器屋「あいよ!」




【繁華街】


傭兵「おい悪かったって。機嫌直してくれよ」

勇者「…ううん。別に怒ってないヨー」

傭兵「なぁユッカー」わしゃわしゃ

勇者「剣を触った汚い手でさわらないで」

傭兵「!」グサ

勇者「はぁ。ソルって子供だね」

傭兵「お、俺はそんなにまずいことをしたか?」

勇者「まぁいいけどね。ソルにもあんな一面あるんだってしれて良かった」

傭兵「…そう?」

勇者(でも剣なんかよりボクを見てほしいよ…せっかくヒーラに頼んで髪の毛もちょっとお洒落にしたのに)

勇者(あれ、ボクは何を考えているんだろう)

勇者(これって…デート?)

傭兵「気を取り直して飯でも食うか」

勇者「う、うん」



荒くれA「おお! そのお姿は大兄貴!」

荒くれB「こっちです!」

傭兵「おー。お前ら、なにやってんだ」

勇者「くんくん。いいにおい」

荒くれA「なにってそりゃ。ソース味の焼きパスタ屋台ですぜ」

荒くれB「うまいですぜ」

傭兵「お前ら兵士じゃねーのかよ…」

荒くれA「へへ、バザー期間中はこっちのほうが儲かるんで」

荒くれB「それより大兄貴」

勇者「おおあにき?」

傭兵「その呼び方やめろ」

荒くれA「今日は別の女の子連れですか! さっすが大兄貴」

傭兵「バカにしてんのか」

荒くれA「それとも娘さんですか?」

傭兵「俺がそんな年に見えるかよ!」

荒くれA「す、すいません」





勇者「ねぇ、この人たち誰?」

傭兵「なんて言うかな」

荒くれB「大兄貴の舎弟ですぜ。小さい姉貴」

勇者「ふーん…おいしそー」

荒くれA「あ、よければどうぞ! いいえお代はいただきやせん」

傭兵「いいのか?」

荒くれA「もちろんです! 兄貴の温情がなければいまごろこうして元気に屋台なんてやってられませんから」

傭兵「…うーん。まぁ済んだことだし、水に流しておくか」


勇者「いただきまーす」ちゅるるっ

勇者「おいしー。ヒーラに今度つくってもらおー」

荒くれA「へへへ。それはお祭りでしか味わえない特別な味ですぜ姉貴」

勇者「そうなの? ソルも食べてみなよ」

傭兵「んじゃ俺にももらえるか?」

荒くれA「へい。ちょっと待ってくれませんかね、他の客の分も焼きますんで」

勇者「ほらソル。あ~ん」

傭兵「やめろ」

勇者「あ~ん」

傭兵「……はぁ」ハム

勇者「おいしいでしょ?」

荒くれA「口に合いましたか?」

傭兵「あ、あぁ…」

勇者「じゃあ残りはあっちのベンチに座って食べようよ!」

荒くれB「お邪魔じゃなければ大兄貴の分あとでもっていきます!」

傭兵「もう好きにして」



  ・  ・  ・


勇者「おいしかったね。ジュースまでもらっちゃった」

傭兵「はじめて食う味だったなー。あいつらこっちを本業にしたらいいのに」

勇者「えへへ」

傭兵「歯に海苔ついてるぞ。あと口の周りにも」

勇者「ほんと? 恥ずかしい」ゴシゴシ

傭兵「この後どうすっかな」

傭兵「俺もこの格好であんまりぶらぶらしてるとな、後ろめたいんだが」

勇者「平和だからいいんじゃないの?」

傭兵「その平和を脅かすやつらはどこにでも潜んでいるんだよ」

傭兵「ちょっと本格的に人気の少ない場所を見て回るか」

勇者「例えば?」

傭兵「裏路地とかな。怪しい取引するなら目立つ場所は避ける」

傭兵「けど裏を突いて表で堂々する奴らもいる。まぁそんな奴らは他の誰かが摘発してくれるさ」


傭兵「なぁユッカ」

勇者「なに?」

傭兵「お前の※魔覚で怪しい気配を感じ取ったりできないか?」 ※魔力を感じ取る力

勇者「うーん…ここじゃ周りの人が多すぎてなんとも」

傭兵「怪しいやつはいなかったか?」

勇者「背筋がぞわぞわするような怖い感覚は無かったよ」

傭兵「そうか。悪いな、アテにするわけじゃないんだ」

勇者「いいよいいよー使ってよ」

勇者「ボクだってたまにはソルの役に立ちたいよ」

勇者「レベルだってあがらないからこのままじゃ役立たずになっちゃう」

傭兵「…それなぁ」

傭兵「まぁ、しばらく辛抱だ。いずれ解呪の方法はみつかるさ」

傭兵「そろそろ行こうか」

勇者「うん」



その後ふたりで人気の無い路地や橋の下を見て回ったが、成果は無かった。

傭兵(何事も無いに越したことはないか…)

勇者「……」

傭兵「どうした? 疲れちゃったか?」

勇者「う、ううん」


ユッカは先ほどから時々後ろを振り返るような、なにかを気にした仕草をちらほらとみせる。
念のため辺りを覗ってみるが、俺は何も気配を察知することは出来なかった。


傭兵「どうしたんだ」

勇者「背中がもぞもぞする。見られている感じというか…誰かに探られてる気配」

傭兵「俺にはわからないが、お前がそういうなら誰かがそうしているんだろうな」

傭兵「だけど、お前だけをそうする理由がわからないな」

傭兵「俺には魔覚は無いが、敵意を感じ取ることは人一倍長けている自信があるんだが」

勇者「敵意というか…なんだろう」

勇者「うーんもぞもぞする」

傭兵「敵じゃないのか? 方向わかるか?」

勇者「まって、集中してみる」


勇者「……こっち、たぶん」

ユッカは俺の手を引き駆け出す。
たどり着いた先はまだ調査していない路地だった。
路地前には『秘密の道具屋』と書かれた汚い看板が置かれている。

傭兵「なんだこりゃ」

勇者「道具屋…?」

傭兵「この先に店があるのか?」

勇者「怪しいね」

傭兵「そりゃあ怪しいな」

傭兵(だがこういう所で売る道具っていったら…そりゃ大人の男のための)

傭兵「ユッカ、お前はここで待ってろ」

勇者「調査だ!」


ユッカは制止を聞かずかけだした。


傭兵「お、おい! お子様立ち入り厳禁だったら俺責任とれねぇって」

ユッカにあらぬ物を見せたくない焦りで慌てて背中を追いかけようとすると、
ふいに目の前の空間がグニャリと歪みユッカは忽然と姿を消してしまった。

傭兵「は…?」

同じ場所を通りすぎてもなにも起こらない。
路地を突き当たりまですすんでも、店どころか猫一匹見当たらなかった。

傭兵「ユッカ…?」

傭兵「…一体なにが」

傭兵「お前、どこに行った…?」



<謎の店>


勇者「街の警備隊だ! 摘発にきたよ! さぁ怪しい物をだして」

???「クスクス…いらっしゃい」

勇者「ん…? キミは」

???「おバカさん。ひとりで来るなんて」

???「なぁんにも成長してないのね」

勇者「うあ…お、お前は…!」

勇者「ソルこいつだよ! ボクに呪いをかけたやつ!!」

勇者「あれ…ソル?」キョロキョロ

勇者「いない…どうして」

サキュバス「あの男はここには入ってこられないわ」

サキュバス「いらっしゃい。あたしの期間限定秘密の淫具屋へ」

サキュバス「可愛いお客さんにはたっぷりサービスしてあげる…くすくす」




第6話<デート?>つづく

昼の更新おわり
夜にまた 22時~23時くらいになります

第6話<デート?>つづき


勇者「お前! よくものうのうとボクの目の前に姿を!」

サキュバス「だってぇ。あたしは今は店員でぇ、あなたはお客さん。でしょ?」

勇者「違う!」

勇者「だけどチャンスだ。ここでやっつけられれば! 覚悟しろ!」

サキュバス「あははは、なにをいっちょまえに勇んでるのよ」

サキュバス「足震えてるわよ?」

勇者「…ぅ」

サキュバス「1対1であたしと会うのが怖いんでしょ?」

サキュバス「残念ね。仲間は来ないわ」

サキュバス「あたしの気配に誘われてのこのこやってきたあなたがおバカさんだったってこと」

勇者「ボクのことをハメたのか…」

サキュバス「そうね。本当の意味でハメるのはこれからだけどねぇ」

サキュバス「うふふふ」

勇者「…? な、なにをする気だ。動くんじゃないぞ、おとなしくしろ」

サキュバス「怖ぁい」クスクス




勇者(こいつをここでボクが倒せば、呪いは消えるはず)

勇者「うかつに姿をさらしたのが命取りだ!」

勇者「くらえー!」


腰の剣を抜刀し斬りかかろうとした途端、目の前のサキュバスはぱちんと指を鳴らした。
すると、ドクンとお腹の奥深くが脈打つ。いつものアレだ。
それもいままで以上に強い。


勇者「はぁう…くぅ」

振りかぶった剣は握力を失った手からするりとこぼれ床に転がり落ちる。

勇者「な、なにを…」

サキュバス「バカねぇ。遠くにいてもあなたに呪いの効果を出すことなんて自由自在なのに」

サキュバス「目の前のあたしが殺されそうになって何も抵抗しないはずないじゃない」

勇者「く…ひきょうだ」

サキュバス「どーお? おまんこの奥深くがずきずきじゅくじゅく疼くでしょ?」

勇者「ううう…ぐぐ、ああ♥」


ボクは奥歯をつよく噛み締め必死に身体の疼きに耐える。
そんな様子をみてサキュバスはニヤリと薄い笑いを浮かべた。

サキュバス「反抗的な目ね。指パッチンもう一回サービスしてあげようか?」

勇者「や、やめ…」


パチン!

勇者「ふぁぁああ!!!♥」

ボクは股間をおさえながら膝をついた。
だけど敵のいるの目の前で弄くるわけにはいかない。
よりにもよってボクにこんな呪いを与えた張本人の目の前で。
それだけはボクの勇者としてのプライドが許せない。

勇者「ふぁう…ひっ、う」

サキュバス「ふふ。辛いわよねぇ。いいのよ気持ちよくなっても」

勇者「だ、だれが…するもんか! ふぁ…うう」

サキュバス「小娘にしては扇情的な姿ね」

サキュバス「うふふ。ますますいじめたくなっちゃう」


サキュバス「奥の部屋に来なさい」

勇者「さ、触るな」バシッ

サキュバス「…じゃあ無理やりつれていっちゃお」


細身の身体から考えられないような力でボクを軽くかつぎあげ、カーテンのかかった奥の部屋へと入っていく。
窓一つない部屋はランプの灯りでやや明るく、ピンク色の怪しいベッドがボクを出迎えた。


サキュバス「さぁはじめましょう」

サキュバス「あなたのレベルアップを」

勇者「…!」

サキュバス「それと、あたしの淫具の性能確認も」

勇者「やめろ…やだっ、やだ!」

パチン!

勇者「ああああいやああああ♥ おまんこが…おまんこが溶けちゃうよぉ!!」

サキュバス「うふふ。いっぱい気持ちよくなりましょ」


サキュバス「暴れられたら厄介ね」

サキュバス「よいしょっと」

カチャリカチャリと金属の音がする。
どうやらベッドの隅にとりつけてある手枷にボクの手首をはめ込んでいるようだ。

勇者「やめろ…ボクになにをするんだ! ゆるさないからな」

サキュバス「そんな涙目で言われたらぞくぞくしちゃう」

サキュバス「まずは邪魔な服をぬぎぬぎしましょ?」

勇者「うあぁう」


サキュバス「はぁい出た」

サキュバス「小ぶりで可愛いおっぱい」

サキュバス「さきっぽも薄くて綺麗な色ね。ちぎって食べたくなっちゃうわ」

勇者「やめて…う、う」

耐え難い身体の疼きと目の前にある恐怖でボクの目からはついに涙がこぼれはじめた。
勇者としてあまり情けない。だけどボクの心はもうとっくに折れてしまっていた。

勇者(たすけてソル…)


サキュバス「さてお楽しみのココ♪」

サキュバス「まずはパンツを見てみましょう?」スルスル

サキュバス「あーあ、べったべた。これじゃもう使い物にならないわね」

サキュバス「ってことでポイしちゃいましょ」

サキュバス「さてさてこの下は~?」

そしてついに下着にサキュバスの白くて長い指がかかる。
そのまま音もなく引き下ろされると、アソコが外気に触れボクはぴくりと跳ねた。

勇者「あ…う…うう」

サキュバス「へぇ。いつもどおりぐっちゃぐちゃね」

サキュバス「未熟な割れ目からとろとろお汁が溢れてるわよ」

サキュバス「毛の一本も生えてないなんてすごぉい。あなた何歳?」

勇者「見るな見るな! お前のせいだ!」

サキュバス「指パッチンしていい?」

勇者「…っ」フルフル

サキュバス「いい子にしてなさい」


勇者「どうして…こんな、ことを」

サキュバス「え~? そんなに決まってるじゃない」

サキュバス「あなたが、全然レベルアップしようとしないからよ」

サキュバス「性格にはあの男ね」

サキュバス「堅物ぶっちゃって。ヤりたくてたまらないくせに」

勇者「ソルはボクにひどいことはしない!」

サキュバス「そうかしら? 若い男なんてみんなヤることしか考えてないわよ」

サキュバス「あ、ヤるっていうのは…」

サキュバス「セックス。子作りのことよ?」ボソッ

勇者「ひんっ…」

勇者「こ、子作り…?」

サキュバス「知らないわけないでしょ? あなたも拾ったエッチな本で読んだはず」

勇者「ど、どうしてそのことを。誰にも言ってないのに」


サキュバス「私とあなたは呪いを通して精神がつながっているわ」

サキュバス「鮮明な記憶の一部も…。思い出に強く残ってるってことはよっぽど刺激的だったのね」

サキュバス「でも不思議だわ。もやがかかっててどうしても読み取れない記憶があるの」

サキュバス「くすくす。これなにかしら」

勇者「しらないよ…なんのことなの! いいからコレを外して!」ガチャガチャ

サキュバス「だめ」

サキュバス「あなたは今ここでレベルアップするのよ」

サキュバス「レベルアップするということは、大人になるということ」

サキュバス「そう、セックスをするの」

勇者「やだっ…いやだああ!」

勇者「わかんない、ボクわかんないもんっ」

勇者「うえええソルぅ…うああああ」

サキュバス「あーあ。そんなに泣かれると興ざめ…なんて言うと思った?」

パチン!

勇者「ひゃぁああううあああ♥  あああっ助け♥ しんじゃう♥」ガチャガチャ

サキュバス「どう? アソコがうずうずしてたまらないのになぁんにも出来ない苦痛は」


勇者「さわりたいっ、さわらせてぇ! おねがいっ!!」

勇者「ボク、あああああ」

サキュバス「じゃああたしが一度すっきりさせてあげる」


そういうとサキュバスはボクの熱くなったお腹の上に指を這わせ、つぅっと上へとなぞっていく。
指はやがて胸元へと到達した。

勇者「あっ、あっ」

サキュバス「どうしてほしい?」

サキュバス「ここかな?」

指先で乳首のまわりを大きくくるくると円を描くようになぞられる。

勇者「うう…ううっ」

サキュバス「ちっちゃい乳首がぴくぴくってして可愛いわ」

サキュバス「さわってほしい?」

勇者「…くっ……や、だ…」

サキュバス「乳首さわったらぶっとんじゃうかしら? うふふ」

サキュバス「あーでもあなたまだお子様だからそこまでの性感帯じゃないかもね」


サキュバス「つまんで、いじって、ひっぱって、色々してあげたいわ」

勇者「はぁ…ハァ…ひんっ、そんなことしたら…ゆるさないから」

サキュバス「そっか。じゃあおっぱい遊びはやーめた!」

勇者「!」

サキュバス「あたしに屈しない生意気な子はお仕置きしなきゃ」

サキュバス「気持ちよくなりたくてもなれないもどかしさで苦しみなさい。自業自得なんだから」

サキュバス「次は…こっち」

悪魔の視線はボクの下半身へと向く。
足首をつかまれ無理やり開脚されボクの大事な所は丸見えになってしまった。

勇者「いやぁあ! いやああだぁ!」

サキュバス「うふふお汁でテラテラ光っててエッチよ」

サキュバス「この奥は想像もできないほどグッチョグチョなのよね」


サキュバス「ちょっとだけ開いてみよっか?」

勇者「やぁ…」

2本の指がアソコを包むお肉に触れる。
ひんやりとした感触に身がすくんだ。
そして――

サキュバス「えい…」

ちゅく…っと小さな水音がしてボクのおまんこは左右にしっかりと開かれてしまった。
恥ずかしくてたまらないのに手枷で顔を隠すことはできないし、掴まれた足を閉じることもかなわない。
ボクは唇をきゅっと噛み締め恥ずかしさに耐える。

勇者「…っ」

サキュバス「かわいいー。未通のお子様おまんこ」

サキュバス「ここにおちんちんが入って射精してもらうのよ?」

勇者「…」キッ

サキュバス「まだ抵抗する元気があるの? ああ、もうほんと大好きよ」

サキュバス「ここもいじめちゃわなきゃね。今度は指パッチンよりもっとえっぐーい技で」

勇者「!」




サキュバス「あたしの息にはね、催淫作用があるの」

サキュバス「催淫ってわかる? 浴びるとエッチな気分になるってことよ」

サキュバス「これをあなたのこのひくひくうごめく大事なところに直接ふきかけるとどうなると思う?」

勇者「…や…め…!」

サキュバス「ふ~~~♪」

勇者「ふぁあああああ!!♥♥」

勇者「あぁああ! ああっ! おまんこがっ、おまんこかゆいっ♥」

勇者「おまんこかかせてくださいっ、おまんこ触りたいっ!!」ガチャガチャ

勇者「おまんこさわらせて!!」ガチャガチャ

サキュバス「あーあ、一発で飛んじゃったわね。効き目つよすぎたかな」

サキュバス「もう、静かにしなさい。そんなにガチャガチャしても鉄製だから外れないわよ」

サキュバス「ちなみに鍵はあたしのしっぽの先♪」

サキュバス「見て、ハート型で可愛いでしょ?」

サキュバス「あなたのおまんこも、これでこじ開けちゃおっか?」

勇者「きもちよくなりたいっ! おまんこ壊れてもいいからさわってええええ!!」

サキュバス「…ぷ」


勇者「きもちよくなりたい…ぐすっ」

サキュバス「かわいそう。きもちよくなりたいわよねぇ?」

勇者「なりたいっ、もういいからボクの負けでいいから!」

サキュバス「んふふ。認めたわね」

サキュバス「じゃあする前にお勉強ね」

サキュバス「あたしがいまから尻尾の先で触る場所を全部答えられたら…」

サキュバス「と~~ってもきもちよくしてあげる」

勇者「はやくっはやくっ!! ああああおまんこかゆすぎて死んじゃうよぉ」

サキュバス「いくわよ」

ちょんっ

勇者「ふぁぁあ!」

サキュバス「ここは?」

勇者「ぉ、おまんこでしょ! 正解したからもういいでしょっ!」

サキュバス「ぶっぶー。おまんこなんて曖昧な答えはダメよ」

サキュバス「ここは、クリトリス」

サキュバス「いってごらんなさい」

勇者「クリ…?」

サキュバス「クリトリス。あなたがオナニーするときいつも下着の上からスリスリしてる大好きな場所よ」


勇者「クリ…トリス。クリトリスすき! だからもっと触って!」

サキュバス「だぁめ。次はこの穴」

ちょんっ

勇者「あんっ、く…ああああ♥」

勇者「おしっこ! おしっこのでるとこ」

サキュバス「せいか~い」

サキュバス「じゃあその下のここは?」

ちょんっ

勇者「ふぁあああっ!! おまんこでしょ! おまんこの穴だよ!♥」

サキュバス「ここは膣口、そしてこの奥が膣」

サキュバス「なにするところ?」

勇者「おちんちん…いれるとこ」



サキュバス「半分正解ね。おちんちんを入れてもらって、赤ちゃんの元を注ぎ込んでもらって」

サキュバス「赤ちゃんがでてくるとこ」

勇者「…っ! 赤ちゃん…」

サキュバス「あたしといまからセックスするってことはぁ」

勇者「やだああっ赤ちゃん!? 赤ちゃんうみたくないっ!」

サキュバス「くすくす」

サキュバス「いま熱くウズウズしてるところは赤ちゃん育てる場所なんだから、若い間に使わないともったいないわよ?」

勇者「それでもやだぁあ! ボクは勇者なんだ…ボクは赤ちゃんなんて」

サキュバス「またゾクゾクなっちゃったわね?」

サキュバス「あなたのここは赤ちゃんの素がほしくてほしくてたまらないから疼いているのよ」

勇者「そ、そんな…」

サキュバス「だから赤ちゃんの素を注いでもらうと一時的に収まるの」

勇者「うう…やだ…いじいじしてるだけで収まるもんっ」


サキュバス「赤ちゃんの素はなにか知ってる」

勇者「…」

サキュバス「男のおちんちんから出る…精液。真っ白で濃厚でくさくておいしいお汁よ」

サキュバス「あぁおもいだすだけで涎が出ちゃう」

勇者「でも、お前はどうみても女…」

サキュバス「安心して。ちゃんと注いであげられるから」

サキュバス「あたしのこの尻尾はねこんな機能があってね――――」

悪魔がそう言うと
ボクの目の前でゆらゆら揺れていたハートの形をした尾先がボコボコと変形し姿を変えてゆく。


勇者「こ…れ…」

サキュバス「おちんちんになるの」

サキュバス「すごいたくましくてかっこいいでしょ?」

勇者「怖い…なにこれ…怖いっ」

サキュバス「これがあなたのアソコに突き刺さってぇ、奥にぃ、真っ白な精液をたっっっぷり出すのよ?」

勇者「……は」



おしりが生暖かい感触につつまれる。
目の前の恐ろしいモノを見て、ボクは知らぬ内におしっこを漏らしていた。

サキュバス「あははは!」

サキュバス「あなたがうすのろだから悪いのよ」

サキュバス「さっさとそこらの男とヤっちゃってレベルアップしておけば」

サキュバス「あたしがこうしてわざわざ丁寧に手取り足取り教えてあげる必要なんてなかったのにね」

サキュバス「それだけべっしゃべしゃならもう前戯は無しよ」

サキュバス「ぶちこんで、きもちよくしてあげる」


サキュバスは瞳を妖しく光らせて、舌なめずりをした後ボクに向き合い、覆いかぶさるようにボクの頭の左右に手をついた。
目の前で大きな胸がたゆんと揺れる。
尻尾はついにアソコに狙いを定めたのか、うねうねと蛇のように動きながらボクの身体を這いまわり向かっていく。



勇者「…ボク」

勇者「ほんとに…?」

勇者「た、たすけ――」

その時、ボクの目の前にきらりと光る何かが現れた。

刃先だ。
胸の間を通すように、鋼鉄の刃がサキュバスの身体を貫いている。

やがて剣はすうっと後退して行く。

サキュバス「…グ、うふふ」

サキュバスは身を起こし、くるりと反転しボクに背を向けた。

サキュバス「どうやって…」

傭兵「マナにもらった護符が役に立った。結界をやぶるのに手間取っちまった」

サキュバス「それは残念…お楽しみだったのに♥」

勇者「ソル…? ソルなの?」

傭兵「あぁ。手応えがない。ユッカ気をつけろ」


勇者「いまので…死んでないの?」

サキュバス「実剣なんて効かないわよ」

傭兵「…」

サキュバス「そっかぁ護符を貼ってあるのね? だけどあたしを倒すほどの効果は残ってなかったようね」

サキュバス「惜しい!」

傭兵「まだあると言ったら」

サキュバス「…ふん。はったりでしょ」

サキュバス「でもいいわ。見逃してあげる」

傭兵「逃すか!」


再びソルが斬りかかりサキュバスの首を水平に切り落とした。
かに見えたけど、刀身は体をすり抜け空振りしてしまう。

傭兵「くっ」

サキュバス「ばいば~い。また会いましょ」

サキュバス「でもムカつくあなたには置き土産」

サキュバス「ふ~~っ」

傭兵「ぐあっ」

サキュバスはソルの顔面に桃色の息をふきかけて、くすくす笑いながらすぅっと消えてしまった。


あたりを見渡す。もう気配は欠片も残っていない。

勇者「あぁ…」

傭兵「ユッカ…!」

ソルが剣を放り出し、ボクの身体をだきしめた。

傭兵「ユッカ…ごめん」

傭兵「遅くなって悪かった! な、なにもされてないか…? そんなわけないよな…」

勇者「大丈夫。ひどいことされる前に…助けてくれた」

勇者「ありがと…ソル…」

ボクは精一杯の笑みをつくりソルに感謝を伝える。

傭兵「とにかくまずはここを出るぞ。罠が残っているかもしれない」

勇者「でも手枷の鍵がないの! あいつの尻尾だから!」ガチャガチャ

傭兵「これは魔法具でもなんでもねぇ。どこにでもあるただの鍵穴だ」

傭兵「きっと奴の尻尾が自由な形に変形できるんだろ」

傭兵「まかせとけ。これくらいならすぐ開く」


ソルはポーチから取り出した針金であっという間に鍵をはずしてくれた。
その後ボクは服を拾いあげ身につけ、急いで店を後にした。


【大通り】


勇者「はぁ…ハァ、待って」

傭兵「どうした」

勇者「身体が…うまくうごかない」

まだ身体の疼きは取れていない。
そんな状態で身体を無理に動かすとますます疼きは強さを増していく。

傭兵「…く」

珍しいことにソルが片膝をつき苦しそうな声をあげた。

勇者「ソル…? もしかして、さっきの!」

傭兵「なにか食らったみたいだ。俺も身体がうまく動かねぇ」

傭兵「麻痺かとおもって解毒できる薬を急いで飲んだんだけどな、ハズレだ」

傭兵「悪いユッカ…情けねぇ」

勇者「ううん。ボクが悪いんだ…ソルに止まれって言われたのに勝手に入っていって」



傭兵「俺は、ガード失格だ。お前を怖い目に…」

傭兵「くそっ」

勇者「ソル…」

悔しそうに唇を噛むそんな彼の姿を見ていると、身体の奥深くから何か熱い衝動が押し寄せてくる。
おまんこはもうはじけてしまいそうなほど燃え上がり、ボクの心はめちゃくちゃに乱される。
ソル、きっとボクはキミのことが…。

勇者「そうだね」

勇者「キミが、そばにいると…いつもこうだ」

傭兵「…! あぁ…また危険な目にあわせてしまった。俺はお前を守る資格なんて」

勇者「ちがうの」

人通りを気にせずソルの背中に抱きついた。

勇者「キミと一緒にいると。ボクおかしくなっちゃうんだ」

勇者「ソルのことが、欲しくなっちゃう」

傭兵「ユッカ…?」


勇者「ソル。ボクほんとに怖かったよ。あのまま死ぬのかと思った」

勇者「でもキミが来てくれて…ほんとに嬉しかったんだ」

傭兵「間に合わなかった」

勇者「ううん。本当になにもされてないよ」

彼を安心させるために、大きな背中をさらに強く抱きしめた。


勇者「本当だよ……」

勇者「ねぇ…確認してみる?」

傭兵「ユッカお前…やっぱり疲れていると思う。あんなことがあったもんな」

傭兵「どこかで休もう…俺も、少し調子が悪い」

勇者「うん…」


ソルはボクの手を引き歩き始めた。
やがて近くに小さい宿屋を見つけ、迷わず中に入る。


傭兵「休憩で1部屋借りられないか」

傭兵「こんな時期なのはわかってる。金は倍だす」

宿屋「……3階の奥を使いな」

傭兵「ありがとう」

傭兵「いくぞユッカ」

勇者「…うん」


ボクは小さな期待を胸にソルの後ろについていった。
アソコの疼きは限界に達しそうだ。
振り返ると、ぽとりぽとりと雫が階段に垂れているのに気がついた。


勇者(キミが欲しい…)

勇者(ボクのこと…もらってくれるかな)

勇者(ソル…君のことが、好きだよ)



第6話<デート?>おわり

更新おわり
次回7話
明日昼と夜に1回ずつ



第7話<初めて>


ユッカの小さな手を引いたまま、古い立て付けの扉を開き、小じんまりとした部屋の中へと入った。
汗ばんだ手の平からユッカの身体の火照りが感じ取れる。

俺達は兵装を外して床に置き、もう一度手を取り合いベッドへと腰掛ける。

傭兵「…」

勇者「…ぅ」

去り際のサキュバスに浴びせられた淫気の効き目は強く、俺は自信を律することができずにいた。
股間はすでに張り詰めている。
ユッカも同様だろう。
熱っぽい視線で俺を見上げ、時々何か言いたそうに口をモゴモゴさせている。

傭兵「辛いか…? 疲れているなら寝てもいいんだぞ」

勇者「ううん、平気」

勇者「でもね…いつものむずむずが、収まらなくって…」

傭兵「塗り薬もってないか?」

勇者「うん…持ってない」


傭兵「そうか…」

傭兵「なら、ひとりでできるか?」

傭兵「まだ明るいから、俺がするのは…ちょっと、な?」


ユッカは無言で首を振る。
まずいと思った。
俺の性欲も限界が近い。よりによってユッカ相手に秘めた劣情が抑えきれなくなっている。

傭兵「すこし、トイレに行ってるから」

傭兵「その間にお前は」

勇者「…やだ」

ユッカは俺のシャツの胸元を掴み、顔を寄せる。

勇者「行っちゃやだ」

傭兵「だめだユッカ。そんなことをされたら、我慢できなくなる」

勇者「…いいよ」



傭兵「お前を汚したくないし、そんなこと許されるはずもない」

傭兵「俺はお前のガードで…お前は勇者で」

勇者「ちがうよ。そんなの関係ない」

勇者「ボクは…キミが好き」


ユッカは熱に浮かされたようなぼうっとした目で俺を見つめる。
だいぶ余裕がなくなっているようだ。
しきりにふとももをすり合わせせわしなく下半身を揺らしている。

そんな姿をみて俺の中の男はさらに興奮を覚え、血の滾りはますます激しいものとなっていく。


傭兵「俺もだ。ユッカのことを大切におもっている」

傭兵「だからこそこんな状況で、お前を抱くわけにはいかない…」

傭兵「あの淫魔に一杯食わされたんだ。思う壺だぞ」

傭兵「悔しく…ないのか」

勇者「…悔しいよ」

勇者「あいつにこんな目に合わされたのは屈辱だよ。散々な目にあった」

勇者「でも、そのおかげで、ソルのことが好きなんだってことに気づけたんだ」

勇者「ボクの身体は、ソルの近くにいるとドキドキうずうずしちゃうんだ」

傭兵「だからそれは呪いのせいで」

勇者「身体はそうかもしれない。でも心は違うよ!」

勇者「ボクがキミのことを好きな気持ちは、呪いでもなんでもない」

勇者「ソルにはなにされてもいいって思えるし、全部うけとめる覚悟があるよ」

勇者「だからボクのことを…」

傭兵「…」

勇者「好きだよソル。好き…」


ユッカは俺の首の腕をまわし、言葉を遮るように口付けてきた。
重なった唇からユッカの覚悟とぬくもりがつたわってくる。

傭兵(お前…そんなに俺のことを)


俺はユッカを預かり守る身だ。
決してこの子とこういう関係になることを望んでいたわけではない。

何にかえてもユッカを護る。
あの日からその誓いを胸に幾年もの過酷な日々を生き抜いてきた。


傭兵(俺は、必要以上にお前を愛してはいけないのに)

だけどユッカのくれた長くて熱いキスに、俺の心は揺れ動いた。

ユッカがたまらなく欲しくなった。
俺だけのものにしたくなった。俺の手で汚したくなった。
ずっとユッカのことだけを考えて生きてきた日々で溜まりに溜まった想い達が一気に溶け出し、
俺は気づけばユッカに腰に手を回し、そっと仰向けに小さな身体を寝かせていた。

勇者「ありがとうソル」

勇者「大好き。えへへ」

傭兵「あぁ。俺もだよ」

勇者「ちゃんと言って」

傭兵「…。愛してるよユッカ」


今度はこちらからユッカの唇を奪う。

勇者「ん…」

舌で唇をこじあけて、綺麗に並んだ歯を舌先でなぞる。
ユッカは恥ずかしそうに小さくうなりながら、俺の後頭部をぎゅっとだきしめる。
不思議なもので、昼には二人とも同じものを食べたはずなのに、ユッカからはとても甘い香りがした。


傭兵「なぁ、脱がせていいか?」

勇者「…うん」

傭兵「念のため聞いとくけど、この先何をするかわかってるんだよな…?」

勇者「わかるよ…裸になって、ソルのおちんちんを…」

勇者「ボクの熱くなったおまんこにいれるんでしょ…?」

傭兵「あ、あぁ…」

勇者「そ、それで赤ちゃんの素を」

傭兵「ははは。そこまで言わなくていいのに」

頭を軽く撫で付けてもう一度キスを落とす。
しばらくして唇を離そうとするとユッカは名残惜しそうにペロリと舌先を出した。



いよいよ衣服に手をかける。
さきほど囚われのユッカの裸を見てしまったのだが、明るい部屋でまじまじと観察したことはない。
いままで行ってきた医療行為もすべて薄暗がりの中だった。

俺はついに一線を越えてしまうという緊張感で、生唾を飲み込む。
自分がいままで緊張することなどあったのかと過去を振り返ってみるが決して多くはない。

勇者「ソル…どうしたの」

固まる俺にユッカが不安気な声をなげかける。
ふと上のボタンを掛け違えていることに気づいた。

傭兵「お前…このボタン」

勇者「え? あーほんとだ…だって時間なくて急いで飛び出したし」

傭兵「そうだな」

どんな状況でも変わらないユッカについおかしくなって緊張が緩んだ。
手つきは少しぎこちないが、ひとつひとつボタンを外していく。

勇者「…ソル真剣な顔してる」

傭兵「お前のことを考えてるときはいつも真剣だぞ」

勇者「うそばっかり。普段はへらへらしてるじゃん」

勇者「…でもどっちのキミも好きだよ」



上をめくると、中には汗ばんだ肌着。
うっすらとした膨らみのてっぺんにツンとした突起をみつける。


傭兵「ブラジャーつけてないんだな」

勇者「う、うん…締め付ける感じがあんまりすきじゃなくて」

肌着の上からその飛び出た突起を弾いてみる。

勇者「ふぁ…」

勇者「う…なにするの」

傭兵「触っちゃだめだったか? 痛い?」

勇者「ううん…びっくりしただけ」

勇者「ソルなら…特別に何してもいいよ」

また可愛いことを言う。
俺は乳首を触るのを止めて肌着を一気にめくりあげ、幼い胸を露出させた。

仰向けという体勢も手伝ってほとんど膨らんでいないように見える。
いましがた指先で弄んでいた小さな乳首はまだ色の淡い桜色でありながらも、
ピンと立ち上がってしっかりと存在を主張していた。


傭兵「かわいいな。ユッカらしいと思う」

勇者「うう…あんまり見ないで」

勇者「おっぱい小さくて、恥ずかしいから…。いつかヒーラみたいになりたいんだけど」

傭兵「俺は好きだよ。ユッカはこれがいい」

俺は眼前の小さな胸の膨らみを手で覆い、やさしく力を込めた。
手に合わせてくにゅりと胸は形を変える。
思春期特有のわずかな固さが残るものの、やはり胸は胸だった。

傭兵「やわらかい…」

勇者「やだよぉ…ふにふにしないで」

傭兵「ユッカにおっぱい…。うーん成長するもんだなぁ」

勇者「むぅ…当たり前でしょ何歳だと思ってるの」

傭兵「さきっぽ触っていい?」

勇者「いいよ。優しくね」


乳首の先をそっと指で挟む。
それだけでユッカは背をぴくりと震わせ小さな声を出した。
呪いの効果も相まって、胸だけでイッてしまうのではないのかと思えるくらい過敏になっていた。

さらにくりくりと指先で転がしてみる。

勇者「あっ! ああ…っ、ひっ」

勇者「ま、まってくすぐったくて」

勇者「へ、へんらかんじが」

傭兵「わかったやめとこうか」

勇者「やめちゃうの…?」

傭兵「じゃあもっとするか?」

許可が出たので遠慮なしに擦る。
思いもよらぬユッカの反応に俺は嬉しくなった。
正直胸で感じるにはまだまだ早いと思っていた。



 すりすりすり

勇者「あぁう…あっああっ」

勇者「ちくびが…とれちゃうよぉ」

傭兵「取れない取れない」

 すりすりすりすり
  すりすりすり

だんだんと乳首の赤みと固さが増してくる。
ピンピンに立ったそれはもう立派な性感帯として機能しているようだ。

勇者「はぁぁ…きもちよくなっちゃう」

勇者「ちくびで…ボク、えっちだ…ああぁ♥」

傭兵「エッチだな。こんなにかわいい乳首で感じるなんてお前はエッチだよ」

勇者「くぅぅん…♥ うんっ、ごめんねボクえっちだよ…っ♥」

勇者「あぁあ! ふっ、くぅ…!」


ひと通り弄り倒すとユッカは少し達したのか、肩で息をしている。
だけどまだこれからだ。
俺は視線を胸からユッカが一番してほしい場所へと移す。 


傭兵「こっちは?」

勇者「…うん」

傭兵「こっちをしてほしいだろ?」

勇者「して…早く」

勇者「乳首で気持よくなっちゃって…もう我慢できないっ、ぐす」


かわいい。俺だって全ての理性を捨て去っていますぐめちゃくちゃにしたい。
下着をさわってみるともうまるで意味を成さないほどにべたべたに濡れていた。

手早く足をくぐらせて脱がせる。
ついでに他も全て脱がせて、ユッカを一糸まとわぬ姿にした。

勇者「はぁぁ…うう」

過去数回みたユッカの恥部。
それもいまはハッキリと見える。

傭兵「均整の取れた綺麗な身体だ。大きな怪我もなく、よく無事に育った」

勇者「えーそんな感想…?」

勇者「もっと他にいうことないの」

傭兵「ん……。エロくて可愛いよ」

勇者「そっかぁ、えへへ」



傭兵「薬がないからな、けどいらないか?」

傭兵「どうしようか」

勇者「大丈夫だとおもうよ…だってこんなに濡れてるし」

傭兵「こんなにってどれくらいだ? たしかに下着はべとべとだけど」

勇者「あーそれ見ちゃだめ!」

傭兵「本当に大丈夫なのか?」

傭兵「これからすることは、準備が足りないと痛いかもしれない…」

勇者「…たしかめてみて」

勇者「ボクのアソコ、おまんここんなに濡れてるんだよ」

なんとユッカは自ら縦筋を大きく開き、その奥を俺にみせつける。
鮮やかなピンク色の陰唇と恥穴がユッカの呼吸にあわせて、
まるで俺をさそっているかのように脈打っていた。

勇者「…ね? こんなにぐじゅぐじゅ」

穴の入り口から、とろりとろりとまた一滴愛液が垂れ、ユッカのお尻を伝いベッドシーツに染みを作っていく。

そんなユッカの恥態を前に俺は驚き興奮を隠せなくなった。


傭兵「ユ、ユッカ」


以前この膣内に指を入れたときの、あの食いつくようなきつさと熱さは記憶に焼きついている。
ここにペニスを入れると、どれほどきもちがいいのだろう。

どうしてこいつはこんなにいやらしく俺を誘うのだろう。
呪いの効果とはえげつないものだ、それともユッカの持ち合わせた天然のエロさがそうさせているのだろうか。

勇者「おまんこの穴だよ…ここにね、ソルの、おちんちんを挿れるの」

勇者「そ、それで…」

ユッカは恥ずかしそうに説明をはじめる。
俺が知らないとでも思っているのだろうか。
少しイタズラ心が沸いてきて、黙って聞くことにした。

勇者「かたくなったおちんちんを…ココでゴシゴシしてきもちよくして」

勇者「ビューってそのまま中で精液をだして…」

勇者「ボクの赤ちゃんつくるお部屋に…いっぱいかけて、えっとそれで…」

勇者「そのあといっぱいチューしていっぱい抱っこして…セックスするんだよ」

勇者「うう…おぼえた…?」

あぁ全部知っている。
全部してやる。
俺はベルトを外して、ズボンを脱ぎ捨て下着一枚になった。


勇者「ソルも…エッチな気分になってるんだよね」

傭兵「お前を救い出したときからずっとそうだった」

傭兵「ユッカ、さわってみるか?」

勇者「おちんちん…? パンツ、おろしていい?」

傭兵「あぁ。驚いちゃだめだぞ」

傭兵「うん…」


ユッカは少し緊張を漂わせながら俺の下着のゴムに手をかけた。
ゆっくりさげるはじめるが、怒張したペニスがひっかかりなかなかおろし切ることができない。

傭兵「勢い良く」

勇者「…!」

眼前につきつけられたペニスを前にユッカは目を丸くする。
赤黒く膨れ大きく反り返ったそれは少女の目にはグロテスクに映ったかもしれない。

しかしユッカはなぜかホーッと一息ついたあと、やや目を細め嬉しそうにペニスの根本を握り、さきっぽにキスをした。


傭兵「うお、ユッカ!」

勇者「よかった…怖いおちんちんじゃなくて…」

傭兵「何いってるんだ」

勇者「ちゅ」

傭兵「何を…」

勇者「ソルのおちんちん、かっこいい。素敵だよ」

傭兵「くんくん…ソルの匂いがするね」

勇者「これがいまからボクのアソコに入るんだね…よろしくね。ちゅ」

傭兵「お前…」

思わずユッカの細い肩をつかみ、再び仰向けに押し倒す。
もう理性が途切れてしまいそうだった。

大きく足をもちあげ開いて、恥部を丸出しにしてやった。
ユッカは期待に満ちた視線で俺を見つけている。


先ほど見せてもらったとおり、もうアソコは十分すぎるほど濡れている。
指でほぐすマネはしない。
ユッカに挿れる。
ユッカが欲しい。

俺は開かれた膣口にそっとペニスの先をあてがった。

傭兵「痛いけど、我慢しろよ」

傭兵「すぐ終わるから」

勇者「うん…ちょーだい」

勇者「ソルのおちんちんで、きっと気持ちよくなれるから…」

傭兵「あぁ、いくぞ」

少しずつ腰を前に突き出す。
ユッカの大切な処女膜に亀頭の先が触れて、みちみちを裂くようにヒダをこじ開けていく。
想像を絶する膣のあたたかさと、ユッカを犯す背徳感に興奮し、
すでにここで射精してしまいそうなほどの快感を得た。



勇者「う…いっ、痛…」

傭兵(やっぱりきつかったか)

傭兵(痛いなら、ちんたらするより一瞬のほうがいいか?)


逡巡した後俺は腰を深く押し込み、ユッカを一気に貫いた。


勇者「ふぁ…っ! うあああっ!!」

勇者「いだ…あっ、ああっ! 痛い!」

結合部からは純潔であった証である真っ赤な鮮血が愛液と混じってあふれだす。
ユッカの苦しむ顔は心苦しかったが、俺はユッカを手に入れた満足感にひたっていた。


傭兵「痛いよな。ごめんな」

痛みに耐えるユッカの頭を撫でる。

傭兵「泣かなくて偉いな」

勇者「だって…ボク強いもん、痛くないんだからこれくらい」

傭兵「わかってる。お前は強い子だ」

勇者「やっと…大人になっちゃったんだね」

勇者「痛……えへへ、ソルのおちんちん入ってるのわかるよ」

勇者「指よりずっと硬くておっきい…」

傭兵「しばらくこうしてようか。いま動くと痛いよな?」

勇者「う、うん…じゃあ、チューして」


かわいらしくキスをせがまれ繋がったままくちづける。
またユッカの甘ったるい匂いがして、興奮した俺のペニスはさらに硬度を増した。

勇者「う゛…、ん…なんか、また硬くなったような」

傭兵「ユッカが好きであればあるほど硬くなるんだ」

勇者「そっかぁ…えへへボクのこと大好き?」

傭兵「大好きじゃなきゃセックスしないって」



お互いの緊張もだんだんと溶け、じゃれ合いをする余裕もでてきた。
俺はもういますぐにでも動かしたい。
ユッカのこのあたたかい膣内でペニスの快感を得て、射精に至りたかった。

傭兵「動いていいか?」

勇者「……きて♥」

小さく頷く。
お互い手を握り指を絡ませて、目をまっすぐに見つめ合うと、ユッカは照れくさそうにはにかんだ。

そして俺は腰を少し引き抜き、再び浅い奥まで突き挿れ、ピストンをはじめた。

勇者「ふぁ…あっ♥」

勇者「うぁぁあ♥ ひゃうっ…!」

ユッカの甲高い嬌声があがる。


勇者「これ…だよ♥」

勇者「あああっ、奥で、ソルのおちんちん感じるっ」

勇者「これがしてほしかったの!」

勇者「ボクの体、ずっとこれを求めてたっ♥」

勇者「ボクおちんちんほしかったんだ!」

勇者「あっ、あっ! ああぁ♥」

勇者「うれし…ひんっ♥」

突き上げるたびにユッカの膣はきゅんきゅんと締り、奥にある子宮口の入り口は
まるで生き物のように俺のカリに食いついた。

まだヒダが未発達の幼い膣内はすこしつるつるしていて、俺のペニスを丁寧になで上げることはできなかったが、
それでも絶対に離すまいと一生懸命にきつく挟み込んでくる。


様子を伺いながら徐々に抽送を早めると、ユッカの声はあからさまに色を帯びてきて、
頬は真っ赤に上気し、吐息は荒く激しくなっていった。

勇者「はぁっ、はぁっ♥ ああっ…んっああっ♥」

勇者「ソルのおちんちんっ、すごっ、っひい♥」

勇者「おまんこのいちばんじゅくじゅくするとこ、ちゃんとごりごりしてくれてっ」

勇者「いっ、いっあっ♥」

勇者「きもちよすぎて…あたま、が、へんになっちゃうよぉ…っ」

勇者「あっ、あっ♥」

勇者「ソル…っ! あああっん♥」


結合部からはお互いの交じり合った体液があふれだし、ピストンのたびにぐちゅぐちゅといやらしい水音をたてる。

そんな音と、たちこめるユッカの匂いにさらに俺は興奮をかきたてられ、夢中になって腰をふっていた。


 ぐちゅぐちゅ ぐちゅぐちゅ
  ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ

勇者「ふぁぁぁあ♥ そこっ、そこだよぉ♥」

傭兵「エロい声ばっかりだしやがって!」

傭兵「どうなってもしらねーからな」

勇者「うんっ、うんっ♥」

勇者「いいのっ! ソルの好きなようにして! ボクうけとめるから」

 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ
 ぐちゅぐちゅ

まだ射精はしたくない。
ユッカの可愛い声と淫れる様をずっと見ながら、この快感をいつまでも味わっていたかった。
小さな膣は俺のペニスの形にあわせて何度も何度も伸縮を繰り返し、
どんどん溢れてくるねばっこい愛液も手伝って、いまは苦しさを感じることなくスムーズに出し入れができるようになっていた。



傭兵「ユッカ…ユッカ!」

 ぐちゅぐちゅ ぐちゅぐちゅ ぐちゅぐちゅ

  ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ

ユッカは声が枯れてしまうんじゃないかと思うくらいに声を上げて鳴いた。
はじめててこんなによがってくれるなんて男冥利に尽きる。
おそらくは呪いの効力がユッカの膣に至上の悦楽を与えているのだろう。

勇者「うあうっ! あうっ、あ゛っ♥」

勇者「ボク…っ♥ いひっ♥ ああっ」

勇者「せっくしゅ…すきぃ♥」

勇者「ソルのおちんちんすきぃ♥」

勇者「もっとして、もっとずんずんして!」

リクエストに答えてすこしだけ角度をつけ、ユッカの膣壁の一部を重点的に擦るようにペニスを打ち付ける。


勇者「ああああっひぃい!! あああっ♥」


ユッカの中でなにかはじけたのか、
ぷしゅぷしゅと汁をとびちらせがら淫れまくる。

傭兵「エロいんだなお前は」

 ずちゅずちゅずちゅ
 ずぷずぷ ずぷずぷ ずぷずぷ

勇者「ひぅ…あぁう…あ♥」

傭兵「…もしかしてイッてるのか?」

勇者「いっ…れ?」

傭兵「気持よくなったか?」

勇者「う…なっちゃった♥ きもちいいのとまんにゃくて」

勇者「ボク…えっちな声でちゃってぇ…♥ はぁ、ハァー♥」

傭兵「でもまだ収まってなさそうだな」

勇者「うんソルが終わらせなきゃダメなの、ソルがびゅーって」

勇者「はやく…ぅ」

傭兵「そうか。わかった」

どうやら俺に中出しさせたいらしい。
俺だってもう限界だ。この中ではやく射精したい。
へとへとになってきたユッカの腰をしっかりとつかみ、ラストスパートをかけ一気につきまくる。


勇者「ふぁぁああああっう!!♥」

勇者「はげし…ああああっ♥」

勇者「いま、いった、ばかりなのにっ」

傭兵「お前がしろっていったんだろ!」


 ずちゅずちゅずちゅずちゅずちゅずちゅ
 ずちゅずちゅずちゅずちゅずちゅず


勇者「いくっ、イくっ♥ またイっちゃう♥!!」

勇者「ふあああああっ♥」

ユッカが二度目の絶頂を迎えたと同時に俺も弾けた。
鋭く強い快感が走り、ペニスがおおきく脈打ち、少女の膣内にどろりとした精液を大量に注ぎ込んでいく。

勇者「あああんっ、あついのがっ、ああ♥」

勇者「ソルのおちんちんあついっ…くぁ♥!」





勇者「はぁ…あ…でた…?」

傭兵「気持ちよかった。ありがとうユッカ」

勇者「ぼ…クも…♥」

勇者「大人に…なれて、よかった…」

▼勇者は360の経験値を手に入れた。

▼勇者はレベル11にあがった。

勇者「!」

勇者「えへへ…」

傭兵「ほんとによかった」

勇者「やった♥ ありがとうソルー」


傭兵「痛くなかったか?」

勇者「最初ちょっと痛かったけど…はぁ、ハァ…えへへ。あとはずっと死んじゃうくらい気持ちよかった」

勇者「射精してもらって…おまんこうずうずしてたのが全部すっきりした!」

傭兵「よかった。もう抜いていいか?」

勇者「だめぇ。もうちょっとくっついてたい」

ユッカは俺の首をだきよせて顔を押し付ける。

傭兵「ユッカがエロくてまたしたくなっちゃうかもしれない。呪いはひとまずはおさまったんだろ?」

勇者「そんなの関係なしにしていいよ…それに、う」

びくんとユッカの膣内が再び脈動したような気がした。
それは気のせいではない。きゅうきゅうっと俺の射精後のペニスを締め付けて刺激し、続きをおねだりされる。

傭兵「それに…?」

勇者「経験値はいくらあっても困らないから…♥」

傭兵「このやろー」


それから日が沈むまで俺とユッカはベッドを揺らしまぐわいつづけた。

昼の更新おわり
つづき夜22時くらいから予定

キャラ名誤字指摘ありがとう
気をつけます



 ・  ・  ・



勇者「ん…う…外真っ暗」

勇者「ソルー、起きて」ペシペシ

傭兵「んあ…やべ、半分寝てた」

勇者「おもいっきり寝てたよ。そろそろ戻らないと」

傭兵「そうだな…」

勇者「服着ないとね」

傭兵「そうだな」

勇者「…エッチな事しちゃったね♥」

傭兵「そ、そうだな…っ」

勇者「…ボクの初めてあげちゃったね♥」

傭兵「うおおおああぁぁあぁぁあ」

傭兵(やってしまったんだ…もう取り返しがつかない!)

傭兵(どうか愛欲に負けた俺をゆるしてください!)

勇者「ソル♥」ギュ

傭兵「ゆ、ユッカもう帰るんだろ。そうされるときりがない」

勇者「うん!」


勇者「…」

傭兵「どうしたユッカ服着ないのか」

勇者「下着履きたくない」

傭兵「いや履けよ」

勇者「だってあんなに汚しちゃったし。まだ乾いてないよ」

傭兵「放ったらかしにしてたんだから多少乾いてるだろ…? あ、まだ冷たいな」

勇者「でしょ」

傭兵「我慢して履きなさい」

勇者「やだ」

傭兵「じゃあ俺のパンツ履くか?」

勇者「やーだー」

傭兵「じゃあどうするんだよノーパンで帰るとか言うなよ」

勇者「やっぱり乾くまでここにいよ…?」ギュウ

傭兵「……」ピコッ

勇者「あいたっ」

傭兵「これ以上は宿泊だろうが。こうなったら」


俺はじたばた抵抗するユッカを押さえつけて無理やり生乾きの下着を履かせた。


傭兵「これでよし」

勇者「うあーん…冷たいよぉ」

傭兵「帰ったらすぐ風呂いくだろ。荷物持ったか」


 

傭兵「チェックアウトだ」

勇者「お世話になりましたー」

宿屋「んーゴホンゴホン。ちょいこっち」

傭兵「…あーわかってる約束通り2倍払うって」

宿屋「あんまりいいたくねぇんだけどよ…あんたさぁ」

傭兵「…」

宿屋「よりにもよって街の警備隊が勤務中にサボって年端もいかない子と夜まで淫行…犯罪だろ」

傭兵「は、犯罪!?」チラ

勇者「?」

勇者「ねーインコーって何?」

傭兵(やっぱり犯罪なのか!? いやユッカは村でちゃんと成人しているはず!)

傭兵「そういってたよな!?」

勇者「? な、なに…?」

傭兵(あぁだめだな俺は…自分の都合でこいつを大人だ子供だと使い分けて)


宿屋「まぁタレコミなんて野暮なことはしねぇが…相応のアレがあれば」

傭兵「いくらだ…言い値を払う」ガク

宿屋「んじゃ340Goldの3倍…と言いたい所を負けに負けてぴったり1000Gでいいぜ」

傭兵「……はぁ。受け取ってくれ」

宿屋「まいど! またいつでも利用してくれよな!」



【帰り道】


傭兵「商売の街なんだな…どいつもこいつもちゃっかりしてやがる」

勇者「インコーってなに?」

傭兵「知らんでいい」

勇者「ボク…ソルとしないほうがよかった?」

傭兵「お前は何も悪くない。気にすんな」ポンポン

勇者「レベルもあがったし! なんだか胸のつかえが取れたというか、すっきりしたよ!」

勇者「ソルもいっぱい貯まってたのを出せてすっきりしたよね!」

傭兵「ユッカ、往来でその話はやめよう」



【獣人マオの商店】


勇者「ただいまー」

僧侶「おかえりなさいませユッカ様ソル様」

傭兵「うわヒーラちゃん何その格好」

僧侶「見てわかりませんか?」

勇者「メイドさん?」

僧侶「ですね」

獣の商人「うひひひ今日の売上もたいしたもんやったでぇ」

獣の商人「日替わりでコスチュームを変更することで、毎日リピーターにも来てもらう作戦や!」

傭兵「節操がねぇな」

獣の商人「賢い戦略いうてくれんかなぁ」


僧侶「どうですか?」クルリ フワッ

勇者「かわいー。ヒーラ似合ってるよー」

傭兵「昨日のチャイナドレス以上に目の保養になるな。見てて罪悪感がない」

僧侶「マナちゃんなんてすっごい可愛いですよ」

魔女「…」

傭兵「不機嫌そうに見えるけど」

僧侶「あんまり新薬の研究がうまくいかないそうで」

傭兵「根を詰めるなよ身体壊すぞ。何を作ってるんだ?」

魔女「…ユッカの呪いを解くための薬」

魔女「魔法でひきずりだそうとしてもダメだった。魔法には自信があったから私はあの時すごく敗北感をおぼえた」

傭兵「…そうか。頼りにしてるよ」

勇者「ありがとうマナ」

魔女「ちなみにこの衣装は何点」

勇者「100点! マナかわいいよ」ギュ

魔女「…ユッカ。何だか変」

獣の商人「ほんまやなぁ。テンション妙に高いっていうか。くんくん」



僧侶「おふたりとも外回りのお仕事でお疲れでしょ? ご飯の準備しましょうか?」

傭兵「先に風呂に行こうかと」

僧侶「そうしますか? お腹空いてないのでしたらかまいませんけど」

勇者「もうべたべただからさー――むぐ」

傭兵「走り回ってな! 汗だくになったから」

勇者(えーどうせバレるよぉ。レベル上がってるんだから)

傭兵(ヒーラちゃんを前に心の準備が必要なの!!! わかって!!!)

獣の商人「くんくん。ソルはんだけちょっと奥に」クイクイ

獣の商人「みんなお風呂いく準備しときや~」

勇者「はぁい!」

傭兵「…」



獣の商人「くんくん。やっぱりユッカはんの濃い~匂いするわ」

獣の商人「そりゃあえらいお楽しみでしたなぁ」ニヤニヤ

傭兵「…」

獣の商人「いや~ソルはんも男やってんな。ちんぽついてへんいかつい女やったらどうしようかと」

傭兵「…てめぇ」


獣の商人「でもこれで一件落着やな」

傭兵「どの辺がだよ。呪い解けてねーぞ」

獣の商人「言うてもユッカはんのレベルあげやっけ? が出来るようになったやん」

傭兵「なったやんって…そりゃなったけどよ。レベル制限が開放されたみたいだからな」

獣の商人「ほんならがんばったりや」

傭兵「は?」

獣の商人「あんたがしたらな誰がほかにすんの」

傭兵「…」

獣の商人「応援してるで! でも夜はちゃんと寝かせなあかん。育ち盛りやからな」

獣の商人「それに上の階で朝までキーキーやられるとうちもかなわんからな」

傭兵「す、すまんマオ。俺がなにをするって」

獣の商人「せやから、これから毎晩ユッカはんとセックスするんやろ?」

獣の商人「ユッカ~レベルあげの時間やで~~ニャヘヘとか言って迫れるやん」

傭兵「お前…歯に衣着せない言い方ばっかりしやがって」

獣の商人「そういう事やん。いい歳した男ならしてもうた責任とらな」

獣の商人「…」グッ

傭兵(頭が痛い…)



【大衆浴場・女湯】



勇者「…」さすさす

勇者(ちょっと腫れてる)

僧侶「ユッカ様! お背中お流ししますよ」

勇者「う、うん」

魔女「私もしたい」

勇者「わかった…」

僧侶「どうしました? お股抑えて」

僧侶「もしかして…ここで来ちゃいました?」

勇者「ち、ちがうよ!」

僧侶「遠慮しなくたっていいんですよ。私達が人よけになりますから」

勇者「ほんとに違うよ!」


僧侶「なんだそうですか。だけどほんとに大変で厄介な呪いですよね」

僧侶「せめて経験値の足しにでもなればユッカ様も報われるというのに。はぁ」

僧侶「もうこんなことしても」ツツー

勇者「ひゃうっ…!」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。

僧侶「こんなことをしても経験値は入らないんですよね…」カプ

勇者「んっ…ぁ」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。

僧侶「あ、あれ?」

魔女「…入ってる。さわさわ」

勇者「ふぁぁあんやめてよヒーラもマナも!」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。

僧侶「は…?」


僧侶「ゆ、ユッカ様…! ちょっと私の方を向いてください!」

勇者「う、うう…怒らないでね怒らないでね」

僧侶「じぃ~~~」

 ユッカ:Lv13

僧侶「  じゅう  さ ん…?」

魔女「ユッカ大人になったの?」

勇者「…はい。えへへへ…」テレテレ

僧侶「相手は!! ソル様ですか!?」

勇者「…」コクン

僧侶「は………はぁ~~。はぁー…良かったぁ」

僧侶「もうっ。言ってくださいよ」

僧侶「ソル様ったらぁ。なにも言わないで平然と帰って来ちゃって」

勇者「ソルを怒らないでね。帰りの道でびくびくしてたから」

僧侶「大丈夫ですよ。改めて直接本人にお聞きしますので」

僧侶「それよりおめでとうございますユッカ様」

僧侶「ユッカ様のほうが年下なのに、お先越されちゃいましたね」

魔女「おめでと」

勇者「ありがとう2人とも…えへへ」


魔女「これでユッカも戦力になる」

勇者「そだね」

僧侶「レベル上げがんばりましょうね」

勇者「う、うん……うーもうやだなぁ~裸でこんな話したくないよぉ」

僧侶「なにいってるんですか! お風呂で裸の付き合いだからこそ、本音で話せるんですよ」

僧侶「ささ、お背中お背中♪」

勇者(怒ってないのかな…ヒーラはソルのこと好きだと思ってたんだけど)

勇者(ごめんねヒーラ)

魔女「背中とられた…じゃあ前を」

勇者「ちがうよ! そこはヒーラの背中を流すの!」

魔女「そう…?」

僧侶「流し終わったらくるりんして交代するんですよ」

魔女「わかった」ゴシゴシ


僧侶(そっかぁユッカ様が…)ゴシゴシ

僧侶(ユッカ様が…ソル様と…ベッドで)ゴシゴシ

僧侶(ソル様と…ユッカ様が…ふたりで、ベッドで…お、大人に…)ゴシゴシゴシゴシ

勇者「ひ、ヒーラ…? ちょっと激しくない」

僧侶(お、おお、大人に!?!?)ゴシゴシゴシゴシゴ

勇者「うあああ痛い痛い! なにするのさ」

僧侶(大人になるってことはアレしちゃうんですよね!!?!?)ゴシゴシゴシゴシ

勇者「んもう! ヒーラったら! ストップストップ!」

僧侶「…」プシュー

勇者「え゛……鼻血出てるよ。大丈夫?のぼせちゃった?」

僧侶「大丈夫じゃありませんかもしれませんです」

勇者「おいで。いったん泡流して脱衣所でちょっと涼もう」

僧侶(なんだか大人の余裕…に感じてしまいます)グデン

魔女「あっ…」



 ・  ・  ・


【大衆浴場・脱衣所】


魔女「…」パタパタ

魔女「…」パタパタ

僧侶「ん…あれ、私」

魔女「…」パタパタ

僧侶「マナちゃん…」

魔女「冷ましてた」

僧侶「ありがとうございます」

魔女「いいよ」

僧侶「ユッカ様は?」

魔女「いまおしっこ行ってる」

僧侶「はぁ…私…」

魔女「ショックだったの?」

僧侶「私、ユッカ様が薄々そういう経験をすることはわかっていたはずなのに覚悟が足りてませんでした」

魔女「仕方ないと思う。ユッカはどうみても子供だから」

僧侶(あなたもですよ…というのは無粋でしょうか)


魔女「あなたはユッカが好きなの? ソルが好きなの?」

僧侶「…う」

僧侶「強いて言えばどっちもです」

魔女「それは大変だね」

僧侶「そりゃ大変ですよ…」

僧侶「ユッカ様のことは愛してますし、一方で憧れであるソル様にはもっと興味をもってもらいたいし…」

僧侶「私ってだめですよね…はあ」

僧侶「こんなんだからふたりとも、いっぺんに私の元から離れていくんですね」

魔女「まだそうなったわけじゃない」

魔女「ふたりはこれからも側にいる。一緒に旅を続ける」

僧侶「でも…こう、気をつかっちゃいませんか? おふたりでいるときにお邪魔しちゃわるいかなとか…」

魔女「みんなもっともっと仲良しになればいい」パタパタ


魔女「私はまだ日が浅いから。うまく馴染めていない気がするけど」

魔女「みんなのことが好き」

魔女「みんな優しくしてくれる」

魔女「あなたのことも好き」ジー

僧侶「え…っ。そ、それは」

魔女「…まだ顔が赤い」パタパタ

僧侶「きっとマナちゃんの言う好きとは少し違うんです!」

魔女「ならもっと好きになりたい。もっと3人のいろんなことを知りたい」

魔女「私はいままで通り、一緒にいるから」

魔女「ヒーラにもそうして欲しい」

魔女「このパーティは、私にとってはじめての仲間だから」

魔女「ずっと仲良しがいい」

僧侶「……意外と、しゃべるんですね」

魔女「うん」

僧侶「ありがとうございます。そうですよね。せっかくの旅なんですから前向きにならなくっちゃね」

僧侶「私、ユッカ様とソル様のことを応援します!」

魔女「うん」

僧侶「それで…も、もし、もしですよ? お2人が…変わらず私のことを見てくれるならその時は…」モニョモニョ

僧侶「はっ、や、やっぱりイケないことですよね!」ブンブン

魔女「大丈夫。私はあなたのことも応援してるから」


勇者「おまたせー」

勇者「よかったぁヒーラ起きあがってる」

勇者「びっくりしたよ。急に鼻血がさー」

僧侶「ごめんなさい心配おかけしました」

勇者「もう一回お風呂入ろ!」

僧侶「あの、ソル様を表で待たせちゃってるんじゃ…男の方ですしきっととっくにお風呂上がってますよ」

勇者「あーそっかぁ。でもなぁ…ボクたちまだちゃんと洗えてないし」

僧侶「わ、私今日はもう念のためやめときます…ユッカ様マナちゃんはどうぞごゆっくり」

勇者「わかった! じゃあ後でね」

魔女「ばいばい」

僧侶「はい」

僧侶「…さて」



【大衆浴場・出入口】


僧侶「ソル様!」

傭兵「よぉ。あれユッカとマナは」

僧侶「まだ入ってます」

傭兵「そっか。飲む、コレ」

僧侶「あぁいえ毎日買ってもらうのは悪いです」

傭兵「いやだからコレ。飲みさしで悪いけど」

僧侶「……」

傭兵「あっ。あー嫌だよなそりゃそうか。悪いついユッカにするみたいに」

僧侶(この人は…)

僧侶「こほん。ソル様」

傭兵「?」

僧侶「隣いいですか」

傭兵「もちろんいいけど…」


僧侶「ユッカ様に聞きました」

傭兵「…あ、あぁー…あー。んー…そっか」

僧侶「なんのことかわかってるみたいですね。では正直にお答えください」

傭兵「…はい」

僧侶「…その前にミルク一口だけいいですか」

傭兵「どうぞ」

僧侶「…ん」コクコク

僧侶「ふぅー…。ひとまずは、おめでとうございます」

傭兵「めでたい…のかなぁ。明日からどうなるのか」

僧侶「励んでください。ユッカ様の…レベルアップに」

傭兵「ヒーラちゃん。それはさつまり俺がユッカと今後もするってことなんだけど…。君にとってそれはどうなんだ?」


僧侶「してあげてください」

僧侶「私のかわりにユッカ様に色々してあげてください」

傭兵「…もちろん、責任は果たすつもりだ」

傭兵「でも、君を傷つけてしまって正直会わせる顔がないと思っていた」

傭兵「こんなことになってしまって申し訳なく思う」

僧侶「謝る必要はありませんよ。ソル様には、そうある資格があると思います」

傭兵「資格…?」

僧侶「ずっとずっと、ず~っと前から。それこそ私たちがこーんなだった頃から!」

僧侶「ユッカ様のことを愛していたんですよね?」

傭兵「…!」

傭兵(そうだ…俺は)

傭兵「愛してるよ。いまもかわらずずっと」

傭兵「誰にも渡さない。俺の手で一生護ります…そうあの人に誓ったんだ」

僧侶「うふふ…それを聞けて安心しました」

僧侶「ソル様にならユッカ様をお預けできます。大切に…してあげてくださいね」

傭兵「ありがとうヒーラちゃん」

僧侶「…っ、それとですね」


傭兵「?」

僧侶「あ、あんまり目の前でユッカ様とイチャイチャーとかされちゃうと」

傭兵「されちゃうと?」

僧侶「妬いちゃうかもしれないです」

傭兵「どうなるんだ? 泥棒の俺を聖杖でぶんなぐるとか?」

傭兵「甘んじて受ける覚悟はあるけど、さすがに崖から突き落とすとかはやめてくれよな」

僧侶「いいえ。しませんったらそんなこと!」

僧侶「逆ですよ。ユッカ様に妬いちゃうかもです…」

傭兵「え…それは…何だ」

僧侶「ソル様。贔屓が過ぎるとだめですよ? 私達、お年ごろなんですから」ピト

傭兵「…うお!? そ、それはどういう」

僧侶「やっぱり私、気持ちを捨てきることはできません」

僧侶「だってあなたはいつまでも、私の憧れでいてくれますから!」

僧侶「隙あらば、お気をつけを。ソル様♥」ニコ

傭兵「……」

傭兵(ヒーラちゃん君は聖職者じゃないのか!?)



第7話<初めて>おわり

更新おわり次回8話明日夜~



第7話<私の憧れの…>



それは私がまだアカデミーを卒業したての頃。
大神官であるお父様に連れられて、私は見習い神官として王宮を出入りしていました。

しかし12歳の子供にできることは少なく、謁見広間で王様や大臣と話をするお父様の後ろ姿を離れた場所から見つめているだけの日々でした。


僧侶(……退屈)

僧侶(いつもお父様は何を話しているんでしょう。もう少し近くでちゃんと聞きたいな)


王様に側に近づくことのできる身分は決まっています。
見習いの私はただそこに立っているだけで、いつも蚊帳の外でした。

僧侶(せめてユッカ様がいたらなぁ…一緒に遊べたのに)

僧侶(ユッカ様に会いたいな)

僧侶(王宮を離れていまごろはどんな生活をしていらっしゃるんでしょう)


そんなある日。



伝令「殿下! 騎士隊が遠征より帰還いたしました」

王「む…ようやくか。報告させろ」

伝令「はっ」

大神官「彼はまた成果をあげたようですね」

王「五体満足で戻ってきているといいが」

僧侶(騎士隊…)


しばらくの後、一人の若い騎士様が謁見広間に入ってきました。
真っ白な鎧からのぞく日に焼けた肌。
大きな剣を腰に携えて、悠然とした立ち振舞。王国の紋章を誂えたたなびくマント。

騎士といえば年季の入ったおじ様という印象しかなかったので、
私はそんな彼に思わず目をうばわれてしまいました。

しかし私はその直後彼の発した第一声に耳を疑いました。



騎士「よぉ! グレイス! 帰ったぜ」

騎士「いやー、お前の辛気くせー顔がまた見られるとは思わなかった」

王「……ふ」

こともあろうに彼は我らが王であるグレイス様を呼び捨てにし、さらにお前よばわりしたのです。

僧侶(……え、この人、何)


王「ソル。その様子だとどうやら無事だったようだな」

騎士「あぁ。でもよー、ずっと風呂に入ってなくてくせーのなんのって。俺臭わない?」

王「ならそれ以上近づかないでくれるか?」

騎士「ははは。あとで部隊全員で大浴場つかわせてもらうぜ」

王「あぁ手配しておこう。食事もだ」

王「御苦労だったな。報告を聞こう」

騎士「あぁ」

大神官「君はあいかわらずですね」

騎士「あんたもいたのか。あっちに突っ立ってるちっこいのは」

大神官「私の娘です」


騎士様が私に向かって小さく手を振りました。
その後なにか話すということはなく、それが私とソル様との出会いとなりました。



そこから私の退屈だった日常が少しずつ変わっていきました。



僧侶(騎士様また王様に友達口調でお話してる…)

僧侶(お親しいのでしょうか)

僧侶(あまりに無礼な気がしますが…)

僧侶(私のお父様にもあんな風だし…)


一目見た時の印象とは裏腹に、騎士様は気易そうな方でした。
彼が戻ってきてからというもの王宮の張り詰めた雰囲気はとても和やかになっていました。

数日して受勲式が執り行われ、騎士様は今回の遠征での武勲を讃えられました。


僧侶(あんなだけど、やっぱりすごい人なんでしょうか)

じっと見つめていると、それに気づいた彼はまた小さく私に向かって手を振ります。



【王宮・中庭】


大神官「ヒーラ。式典はもう少し続くが、お前はここで休んでいるといい」

大神官「私はこの後もまだまだやることがあってね」

僧侶「はい。ごめんなさいたくさん人が来ててつかれちゃいました…ここに座って待ってます」

大神官「いつも放ったからしにしてすまないな」

僧侶「いえ、お仕事ですから」

大神官「それじゃ行ってくる」


僧侶「……」

僧侶(本でも持ってきたら良かったなぁ)

僧侶「退屈」

僧侶「ん…あれは」


中庭の芝の上に、よく見た人が寝転がっているのを見つけて思わず駆け寄りました。

僧侶「あ、あの…」

僧侶「あの!」

僧侶「……。あーのー!」ツンツン

騎士「ん…お? 寝過ごしたか?」

僧侶「なにしてらっしゃるんですか?」

騎士「何って昼寝だよ」



騎士「君はええと、確か」

僧侶「ヒーラと言います。大神官の娘で」

騎士「あー知ってる知ってる。いつもちょこんと立ってるよね」

僧侶「はい」

騎士「いくつ?」

僧侶「12です…。それより良いのですか? 式典…」

騎士「んーやっぱ午後の部はパス。君のお父様のありがたい話ながそうだし」

僧侶「う……ちょ、ちょっと寝ちゃだめですよ」ユサユサ

僧侶「騎士様は今日の主賓じゃないんですか!?」

騎士「もうこれは受け取ったしなぁ」

彼は自らの胸元に飾られた栄誉ある金の勲章をとりはずし、私の手のひらの上に置きます。

騎士「綺麗だろ。あげるよ」

僧侶「い、いりません受け取れません! せっかく王様より賜った物をそんな扱いしてはなりませんよ!」

騎士「……」

僧侶「あ、ご、ごめんなさい生意気な事いって」

騎士「いいや。そうだな君が正しい。やっぱしばらくつけとくよ」

僧侶「ほっ…」


僧侶「それと、式典にもちゃんと出ないと…」おずおず

騎士「でもなぁー」

僧侶「?」

騎士「ただじーっとしてるの苦手なんだよなぁ。作戦中なら何時間でもできるんだけど…」

僧侶「すぐおわりますよ」

僧侶「王様に叱られちゃいませんか? お側にお控えしていなくても大丈夫なんですか?」

騎士「王宮内は安全だしな」

騎士「ま、みつかっちゃったし俺の負けってことで行ってくるわ」

騎士「またなヒーラちゃん」

僧侶「はい」

騎士「あぁそうだ自己紹介がまだだったな。俺はソル。よろしくね」

僧侶(知ってるに決まってるじゃないですか…)

僧侶「よろしくお願いします」


そして以降私達は中庭で度々出会うようになりました。
といってもソル様がサボりでぶらぶらしているのを見つけた私が咎めるといった関係でしかないのですが…。



  ・  ・  ・


騎士「なにやってるんだ」

僧侶「お花で飾りをつくっているんです」

騎士「へー花好き?」

僧侶「はい? 好きですけど」

騎士「ははは! やっぱ女の子はそうじゃないとなぁ」

僧侶「? ど、どうしたんですか」

騎士「いやー俺の知ってる女ときたら、花とは縁もゆかりもないようなやつで」

騎士「すこしはしおらしくなってるといいが」

僧侶「そうなんですか」

騎士「ヒーラちゃんはかわいいな」

僧侶「えっ」ドキ

騎士「年相応な女の子って感じがしてさ。のびのびとまっすぐ育ったんだな」

騎士「発育もいいしさ」

僧侶「そ、ソル様…?」

騎士「あーこっちの話だ! さぁ昼飯食おう飯! 厨房からくすねてきた」

僧侶「……あなたってお方は」ガク


僧侶「ソル様。前からお尋ねしたかったんですが」

騎士「なんだい」モグモグ

僧侶「グレイス様にお友達口調でお話するのはなぜですか。あまりに失礼かと」

僧侶「王にお仕えする騎士なんですよね…?」

騎士「あぁ。だってあいつに敬語つかうのムカつくだろ」

騎士「あの高い鼻っ柱を叩き折ってやりたいぜ」

僧侶「うぐ…どうしてそんな風に言うんですか」


王「ソル。こんな所にいたのか。探したぞ」

騎士「おーグレイス」

王「やぁヒーラ。君もいたのか」

僧侶(お、王様…!)

僧侶「こ、こんにちはっ」ペコ


騎士「ヒーラちゃんがさ、お前に敬語つかえって言うの。どうよ」

僧侶「そ、ソル様っその話しはっ」あわあわ

王「そうか。それは私も賛成だな。ソルが私に媚びへつらい屈服するところを見てみたい」

王「さぁまずはグレイス様と呼んでみろ」

騎士「ほら、ヤなやつだろ」

僧侶(どうしてそれで許されているのかわかりません!)


王「2人で話をしていたのか? それでいつも昼時はいなかったんだな」

騎士「ヒーラちゃん退屈してるみたいだから」

僧侶(え…)

僧侶(私のために毎日のように来てくださってたんですか…?)

騎士「今日はうるせーのが来たからお開きだな。また今度」

王「いくぞ。お前がすぽかしたせいでこのままではお前の部下にまで仕事のしわ寄せが行きそうだ」

騎士「行くからひっぱんじゃねぇ。ばいばいヒーラちゃん!」

僧侶「……さようなら」

僧侶(王様を前に何もしゃべれませんでした…)



  ・  ・  ・


それから何ヶ月か流れました。
ソル様はときどき出陣されて王宮をあけましたが、それ以外は度々私と時間をつくってくれました。
二人の間になにかあったというわけではありません。
ですが私にとっては王宮に通う日々の中で唯一楽しい時間でした。


騎士「もうすぐ冬かぁ」

騎士「この中庭もいよいよ寒くて居られなくなっちまうな」

僧侶「そうですね」

僧侶「談話室なんてどうでしょう。ときどき読書に使わせて頂いているのですが」

騎士「あそこ人いるしなぁ」

僧侶「そうですけど」

騎士「それに、しばらく会えなくなりそうだ」

僧侶「え…」

騎士「またちょっと大きな戦いがある。暖かくなる頃に戻ってこられればいいが…」

僧侶「…う。そうですか」

僧侶「春には私のお父様も王宮のお勤めを終えていると思います」

僧侶「だから私もここへはあまりこなくなるかもしれません」

騎士「ほんとかよ。寂しくなるな」

僧侶「寂しい…ソル様でもそんな風におもうことがあるんですね」



騎士「よし、会えなくなるならこの際遠慮することはないな!」

僧侶「はい?」

騎士「ヒーラちゃん俺のお願いをきいてほしい」

僧侶「なんでしょうか、私がお役に立てることなら!」

騎士「そう…ずっと前から考えていたんだ。君の」

僧侶「私の…?」

騎士「ひざまくらで昼寝したらどれだけ気持ちいいだろうかって」

騎士「たのむ一回だけ! 30分だけ!」

僧侶「え…? えええっ!?」

騎士「お願いお願い! ヒーラちゃんと子供だけどふとももすっごい柔らかそうでさ」

僧侶「えっ、だ、だめですよ」

僧侶「そういうのは…こまりますっ」

騎士「このとーり! 代わりになんでも言うこと聞くから」

僧侶「なんでもですか…」

僧侶「じゃ、じゃあ…」

騎士「いいのか?」

僧侶「う…いいですよ。ちょっとだけですからね」



私は芝の上に正座し、ソル様を待ちました。
胸が高鳴り、外は肌寒いのに身体が芯からあつくなっていくのがわかります。

僧侶(こ、こんなこと男性にしたことなんて一回もないのに!)

ソル様は私に向かって一礼をしたのち足を崩し、頭を膝の上にのせました。


僧侶「どうでしょう…硬くないですか」

騎士「おお…すげぇ」

騎士「ヒーラちゃんほんとに12歳なのか。あーもうすぐ13だっけ」

僧侶「はい…」

騎士「こりゃいいや。戦争を前に英気が養われるぜ」

騎士「隊のみんなに自慢しなくっちゃな。みんなして欲しがるんじゃないか」

僧侶「だ、だめですよぉ言いふらしちゃ…特別なんですからね」

騎士「それで、かわりにヒーラちゃんが聞いて欲しい頼みは何だ」

騎士「あ、エロいことはだめだぜ俺には大人としての良識があるからな」

僧侶「んもぅ…! ソル様!」


騎士「冗談。で、何をすればいい?」

僧侶「……。あの」

僧侶「絶対に、無事にかえってきてくださいね…怪我しちゃだめですよ…?」

騎士「…そっか。了解」


ソル様は短くそう返して眠りにつきました。
寝顔が少しかわいくって、私はこっそり頭をなでたり耳をさわったりして楽しみました。

僧侶(ソル様って人懐っこくて犬みたい)


大神官「ヒーラ。ここにいたのかい。今日はそろそろ帰るよ」

大神官「うん?」

僧侶「あ……」

大神官「ヒーラ何をしているんだ…その男は」

僧侶「お、お父様…これは」


僧侶「ソル様おきてください」ぺしぺし

騎士「お? もう30分?」

大神官「ソル。君だったのか。うちのヒーラと何をしている」

騎士「げっ。あんた今日は仕事おわんのはやくねーか」

大神官「まさかいつも私の目を盗んで娘といかがわしい事をしていたのではあるまいな」

騎士「いまのがいかがわしく見えんのかよ! ただの膝枕だろ!」

大神官「けしからんぞ! 父である私もしてもらったことないのに!」

騎士「なっ」

大神官「離れなさいヒーラ。いまその男に天罰を下します」

大神官「粉々に砕け散るがよい。神よ私に力を」

騎士「やっべぇ。んじゃ俺いくわ」

僧侶「ソル様!」

騎士「ありがとう。続きはまた今度! また会えた時に」フリフリ

僧侶「は、はい! ご武運を」

騎士「ってこれじゃ戦争行く前に死んじまうぜ」

大神官「待ちなさい!」


それが私が王宮でソル様をみた最後でした。



【獣人マオの商店・女子部屋】


僧侶「…と、まぁ他にもいろいろありましたけどかいつまんで話すとこんな感じです」

勇者「へー! ヒーラはソルとそんなに前から仲良しだったんだ」

僧侶「仲良しというか…うーん」

僧侶「今思うとすこし奇妙な交流ですよね。神官見習いの私と、一国の王に使える騎士様…」

魔女「好きだったの?」

僧侶「え゛っ」

魔女「その反応で十分…」

僧侶「いやですねぇ私が大好きなのはユッカ様ですよ? ねー」ギュー

勇者「うにゅ…」

僧侶「ほら犬みたいでかわいいかわいい」なでなで

勇者「ソルのことも犬みたいで可愛いっていま嬉しそうに言ったばかりじゃん」

僧侶「うぐ…私そんな嬉しそうに語ってました?」

魔女「ずっと口元歪んでた」

僧侶「はぁ…不覚でした」


勇者「なんだか妬けちゃうなぁ。ボクはソルと出会ってまだちょっとだもん」

魔女「私はもっと短い」

僧侶「それを言うなら私のほうが妬けちゃいます」ぷくー

勇者「あ…。ご、ごめんね…自分勝手なこと言って」

勇者「そうだよね…ヒーラはソルが好きだったのにボクが」

僧侶「冗談ですよ」ギュー

勇者「それくるしいよぉ」

僧侶「こんなに健気でかわいいユッカ様を放っておくソル様なら、私はきっと失望していました」

僧侶「だけどソル様がお変りなくソル様のままで居てくれたから、思い出は色褪せずに綺麗なままなんでしょうね」

魔女「そういえば。続きは」

僧侶「続き? あらかたしゃべり終えましたけど」

魔女「約束の続き」

勇者「ひ ざ ま く ら! したの?」

僧侶「……あ。まだです…ケド」

勇者「しなくていいの?」

僧侶「し、しませんよぉ…あの時は子供だったから…それでも恥ずかしかったのに」


勇者「きっとソルはおぼえてるよ」

僧侶「そうでしょうか…」

勇者「うん!」

勇者「よーしじゃあ今夜のベッドをかけたじゃんけんしよっか!」

勇者「負けたふたりがここで、勝った人があっちの部屋ね!」

僧侶「わかりました」

勇者「あーそうそう。ボクはパーだすから」ニヤ

魔女「私もパー」

僧侶「……うう。意地悪です」

勇者「いくよー! じゃんけんぽん♪」




  ・  ・  ・


コンコン

傭兵「おーどうぞー」

僧侶「おじゃまします…」

傭兵「ヒーラちゃん。どうしたの…その抱えた枕はもしかして」

僧侶「は、はい…」

傭兵「…よし。今日は椅子だな」

僧侶「…」フルフル

傭兵「どうしろと。一緒の布団はまずいって」

僧侶「準備しますからちょっとまってくださいね」

僧侶「よいしょ」のそ

傭兵「正座?」

僧侶「ソル様がお先に眠ってしまわれたら、きっと恥ずかしくないですよ」

傭兵「ヒーラちゃん…それはもしかして」

僧侶「…」ポンポン

傭兵「…あんときはずいぶんな邪魔が入ったからな。今日は堪能させてもらうぜ」

僧侶「…! はい!」

傭兵「うお、肉付きよくなってる? ふかふかだな」

僧侶「もう! ソル様のエッチ!」

傭兵「ぐっすり眠れそうだ。ありがとヒーラちゃん」

僧侶「おやすみなさいソル様」

僧侶(良かった…。ソル様、あなたはやっぱり)


第7話<私の憧れの…>おわり

更新おわり
次回8話本日夜

今気づいた 前回8話で今回9話でしたスマソ


第9話<予兆>


<バザー3日目>


【兵士詰め所】



隊長「今日は連れのお方はいらっしゃらないのですね」

傭兵「あぁ」

傭兵(今日はみんな仕事だからな。そんで明日がヒーラちゃんが休みで…明々後日がマナか)

傭兵(マナのやつ働き詰めで大丈夫かな。まだ子供なのに)

傭兵(っていうとあいつら怒るけど…)

隊長「…? 昨日はあの後どちらへ」

隊長「捜査に出たきり結局一度も詰め所に戻られませんでしたね」

傭兵「悪い。報告書はいまから書く」

隊長「トラブルでも?」

傭兵「まぁ…な」

傭兵(部屋借りてユッカと延々とシてましたなんていくらなんでも言えねーわ)

傭兵(俺ってもしかして給料泥棒どころじゃないんじゃ…)


隊長「特権はあっても、あまり部隊の指揮にかかわる勝手な行動は取らぬようお願い致します」

隊長「ただでさえ昨日の少女連れの件で隊のものから不審な声があがっていまして」

傭兵「あーもうわかったわかった!」

傭兵「そんなに言うならお前が一緒に来い!」

隊長「わかりました。午前中は同行させていただきます」

傭兵(あーやだなぁこういうの。守備隊時代を思い出しちまう)

隊長「それと、ご報告が」

傭兵「なんだよ俺を問い詰める前にそれを先に言えよ」

隊長「まだ噂程度ですので。耳に留めておく程度で結構なのですが」

隊長「例の指名手配中の盗賊団の一人に似た男が街中で発見されたそうです」

傭兵「捉えなかったのか」

隊長「いえ隊士ではなく、バザー参加商人からの通報ですので。真偽は現在確認中です」


隊長「当局の見立ての通り、奴らが街に入り込んでいる可能性は高くなりました」

傭兵「街の入り口には門番も数人立ててたんだろ? やっぱり弾けなかったか」

隊長「これだけ来客が多いと難しいでしょう」

隊長「顔が割れているといっても、目撃情報を元とした似顔絵しかありませんし」

傭兵「そりゃそうか…」

隊長「本日から捜索にあたります」

傭兵「おう」

隊長「では報告書を片付けてから街へ繰り出しましょう」


  ・  ・  ・


【バザの街・北の門】


傭兵「近くで見るとでっけぇな」

隊長「物見やぐらも兼ねていますので。中から階段で展望台へあがれます」



傭兵「うおーいい見晴らしだ」

傭兵(ユッカたちを連れてきたら喜んだだろうなぁ…)

隊長「南を向けばバザを一望でき、反対側は平原と広陵とした山々が連なっています」

傭兵「盗賊団ってのはどこをねぐらにしてるんだ?」

隊長「おそらくはあの山のどこかにアジトがあるものかと」

傭兵「ふぅん……ん?」


隊長「なにか見つけましたか?」

傭兵「いや、何も…けどいま何かチクリとした感触が」

隊長「虫でもいましたか?」

傭兵「…静かに」


魔覚を備えていなくても、精神を研ぎ澄ませば感じ取ることの出来るものはある。
たとえば自分に対しての敵意、殺気。視線。
長年のあいだ死地に身を置いた俺はそういったものを直感的に察する能力をいつの間にか身につけていた。


傭兵「遠いな」

まだゾワゾワともいかないチクリとした感覚。
何かはわからないほどの小さな違和感。

隊長「ええと…」

傭兵「少し街中を歩いてくる」

隊長「はい」



【繁華街】


傭兵「なぁなにか感じないか」

隊長「なんでしょうか」

傭兵「見られているような、首元をチクチクと刺すみてーな嫌な感じだ」

隊長「嫌な感じですか? わかりませんねこうも人が多くては…・」

隊長「あちこちいろんな視線も飛び交っていますし、なにせ我々はこの格好です」

傭兵「そういうのじゃなくってなぁ」

傭兵「こうあからさまなんだよ。害意を飛ばしていることに気づいていながら相手はそれを隠そうとしていない」

傭兵(そう、まるで誘ってるみたいな)

隊長「…私はあなたほどの手練ではありませんのでなんとも」

傭兵「魔翌力も感じないか? 俺はそっちがさっぱりでな」

隊長「いいえ、至って普通です」

傭兵(もしかしたらユッカの魔覚ならすでに何か感じ取ってるかもしれないな)

傭兵(帰ったら聞いてみるか…)


結局その後なにかこれと言って起きるということはなく、俺は頭を悩ませながら帰路についた。



【獣人マオの商店・男部屋】


傭兵「魔翌力だよ! この街全体になんか感じるだろ!?」

勇者「ううんなんにも!」

傭兵「…」

勇者「どうして?」

ユッカはきょとんした顔で俺を見上げる。


傭兵(は、まさか…!)

傭兵(ユッカと交わったことで俺にも魔翌力が!?)

傭兵(こいつ以上の魔覚を手に入れているんじゃないのか!?)

傭兵(よぉし!)

傭兵(火炎だ、手始めに火炎魔法を出すぞ!)

魔翌力→魔力


傭兵「でろ…ファイア…ファイア」ググ

勇者「……ソル? なにしてるの」

傭兵「ってでるわけねーか! ははは。魔力なんてこれっぽっちも感じねぇわ!」

勇者「? なにか悩みごと?」

傭兵「いいや心配ない」

勇者「ほんとに?」ジー

傭兵「それよりユッカ! 飯までの空いた時間にレベル上げでもすっかー」ギュ

勇者「うあ!? な、なにソル変なの」

傭兵「いままでレベル上げられなかった分、どっかで経験値を埋め合わせとかなきゃな」

勇者「し・な・い!」ポカッ

傭兵「いて。つれねぇなぁ…。はぁ悪かった」

勇者「どうせならご飯食べて、お風呂行って。それで…寝る前に…しよ?」

勇者「ボク…ゆっくりしたいな」

傭兵「…」

勇者「…だめ?」

傭兵「何だそれはかわいーぞユッカ!」ギュー

勇者「あーー♥」



<真夜中>


勇者「ソル…。来たよ」

傭兵「おー。ちょっと待ってな。もうすぐこれ書き終わるから」

勇者「えへへ…ボク今日パジャマじゃないんだ」

傭兵「ん?」


目の前の書類から声のほうへ視線を移すと、ネグリジェのような薄い服をきたユッカがはにかみながら立っていた。
なぜか頭の上に枕をのせてぎゅっと押し付けている。

傭兵「それどうした」

勇者「マオが貸してくれたー。えへへ」

傭兵(ちょっとめくったら見えそうだ)

勇者「どう?」

傭兵「んー…いつものパジャマのほうがユッカっぽいけど」

傭兵「それはそれでそそられる」

勇者「ほんと? ぴらっ♪」

傭兵「来いよ。おいで」

勇者「わーい」

ユッカが素直に甘えてくれるのが嬉しい。
今日一日不穏な感触に気が休まることがなかったが、ユッカのおかげでいまだけは全て忘れることができそうだ。

1つ質問

勇者以外のパーティーメンバーのレベルはどのくらい?



抱きついてくるユッカをそっと横たわらせて自分は下着を脱ぎ捨てる。
すでに硬直したペニスをユッカに握らせてから二度三度とくちづけを交わした。

勇者「ん…」

勇者「んぅ…ソルおっきくなってる」

勇者「かちかちだね」

傭兵「上ずらしていいか?」

勇者「いいよー」

肩紐をそっとつかみネグリジェをずりさげて、ユッカの緩やかに膨らむ小さな胸を露出させる。

勇者「ちょっと恥ずかしいな」

傭兵「ああ」

小さいながらもしっかりと女の子のやわらかさを持つ胸の感触を俺はひとしきり楽しんだ後、
先端のぷっくりとした淡い色の乳首に軽く吸い付いた。

勇者「やっ…ん、なんでチューするの」

勇者「おっぱいでないよ…?」

傭兵「ユッカの乳首はほんとに小さいな」

勇者「…くすぐったいよ」


その小さなつぼみを舌先で転がすと、だんだんと硬くなりぷっくりと膨れてくる。
さらに行為を続けるといつの間にかユッカは甘ったるい声をだすようになった。
こんな子供乳首でもしっかりと性感帯として機能していることに俺は素直に感心した。


勇者「んっ、うっ…あふ」

勇者「ちくびぃ…じんじんするよぉ」

勇者「いじわるぅ。ぺろぺろされるだけじゃ…ひゃんっ」

傭兵「もう下の方をしてほしいか?」

勇者「…うー」

傭兵「濡れてるだろ? お前のここ」

ユッカのお腹のちょうど子宮と膣道のあるあたりを指でグリグリと押すようになぞり刺激する。
すでに身体はとてもあつくなっていて、いつ呪いの効果で発情状態になってもおかしくないくらいだ。

勇者「そこ…外からじゃなくて」

傭兵「中から気持よくして欲しいんだろ?」

勇者「うん…♥ おちんちんがいいな」

傭兵「わかってる。俺もユッカの中に挿れてきもちよくなりたい」


初日のぶっ続けを数に数えなければユッカと交わるのはまだこれで二度目だ。
出来る限り優しくユッカをリードしてやりたい。
俺は精一杯優しい声をだすよう心がけてユッカを不安にさせないように努めた。

ユッカを一糸纏わぬ姿にし、細い足をなでる。


傭兵「すべすべだな」

勇者「ねぇねぇ…ボクだけ全部脱ぐの? ずるい」

傭兵「え」

勇者「ソルはおちんちんだすだけ? 全部脱ごうよ」

傭兵「うーん」

とは言われても、俺は正直上を脱ぐことに抵抗があった。
十分に鍛えてある。肉付きがわるいわけではない。
しかし肌には過去の武勲がたくさん刻まれている。

傷跡だらけのこの肉体は、少女が見るにはすこしショッキングかもしれない。

勇者「ソルの裸がみたい…」

傭兵「エロガキ」

勇者「ちがうよ。はだかんぼのソルとお肌くっつけて抱き合いたいの」



傭兵「わかった」

傭兵「でも、多少傷あとがあるから。怖いとか言うなよな」

勇者「うんうん!」コクコク

傭兵「…じゃあちょっとむこう向いてろ」

勇者「女の子みたい」

勇者「ボクが脱がしてあげるー」グイッ

傭兵「おいっ、こら」

勇者「両手をたかーくあげてー」

傭兵「…わかったわかったから! 服がのびるだろ」

勇者「えいっ」

勇者「……ほあ」

傭兵「気持ち悪い…か?」

勇者「…」

傭兵「…」

こういう反応を見るのが怖かった。
血塗られた自分の人生を咎められているような気持ちになった。
ユッカは何も言わずじっと傷あとを見つめている。


傭兵「悪い。やっぱり着たほうがいいな」

勇者「…ねぇ」

勇者「…痛くない?」

傭兵「古い傷だから大丈夫。開いたことはない」

勇者「そっかぁ」

そうつぶやいた後、ユッカは思いがけない行動にでた。
傷跡を怖がるどころか、指先で一度なぞったあと小さく口付け舌を這わせた。

勇者「ちゅーーー…」

傭兵「お、おい」

勇者「ちゅーー…」

傭兵「気持ち悪くないのか」

勇者「ソルが一生懸命生きてきた証だから…大好きだよ」

勇者「かっこいいね。もっと自慢したらいいと思うのに」

傭兵「…っ」

勇者「ソル…? きゃっ」

返す言葉も忘れて衝動的にユッカの肩を掴んでそのまま枕へと押し倒し、強引に唇を奪った。

勇者「んんん~~っ!?♥」

勇者「ぷはっ、ちょっとどうしたのソルっ」

勇者「えへへ今日は変だね。エッチなソルだ」


傭兵「ユッカ、したい」

勇者「うん…ボクも早くしたいな」

勇者「ソルのかっこいい体で、ボクのこと抱いてね」

勇者「おちんちんで、いっぱいおまんこ突いて気持ちよくして…?」

ユッカはそういってほほえんで俺の背中に腕を回した。
背中を何度かさすられる。

勇者「あー背中にも傷あとあるんだ。えへへこっちもあとでチューしなきゃね」

傭兵「あぁこの傷か…」

勇者「…」

傭兵(昨日今日でまぁエロくなったもんだな)

傭兵(ありがとうユッカ。俺のこと心配してくれたんだな)

頭を撫で返そうとユッカの顔を見る。
ふと背を撫でていたユッカの手がピタリと止まった。

傭兵「ユッカ…?」

ユッカは目を見開いて固まっている。



傭兵「どうした」

勇者「う、ううん…あれ」

勇者(なんだろう…いまの一瞬の既視感)

勇者(ボクは…なにかを忘れているような)

傭兵「大丈夫か? 気分が優れないなら今日はやめとくか?」

勇者「な、なんでもないよ!」

勇者「つづきしよっ! えいっチュ~~」

傭兵「こら不意打ちすんな!」


その後俺は今日一日の不安を拭い去るように、ユッカを相手に腰を振った。
ユッカは快感に声を上げてしまうのを堪えるために、脱いだパンツを口にくわえて涙目で小さく唸っていた。


▼勇者は292の経験値を手に入れた。



<翌朝>


僧侶「というわけで行ってきます!」

魔女「テンション高い」

僧侶「そうですか? お店はお任せしますね」

勇者「はーい!」

獣の商人「休みにしっかりリフレッシュして来てなー」

僧侶「はい! 行きましょソル様」

傭兵「あぁ。といっても俺はあくまで仕事だけどね仕事」

僧侶「わかってますよぉ!」



僧侶「今日は私楽しみにしてたんです」

傭兵「へぇ。嬉しいこと言ってくれるな」

僧侶「あ、お買い物のことですよ?」

傭兵「…。この前一緒に出かけたときはまだバザーはじまってなかったからな」

僧侶「いっぱいお買い物しなくっちゃ! ソル様がいてよかった」

傭兵「あれ、もしかして俺荷物持ち?」

僧侶「もってくれないんですか?」

傭兵「いや仕事中だし…俺にも部隊の中での微妙な立場があってさ」モニョモニョ

僧侶「そうですか…仕方ないですね」

傭兵「ま、ちょっとくらいなら良いよ」

僧侶「やった♪」

傭兵「よぉし! んじゃまずは武器屋に行くか! 俺がヒーラちゃんに似合うとびっきりの装備を選んでやるから!!」

僧侶「それは結構です。ユッカ様に愚痴をいただきましたよ!」

傭兵「あいつめ」

僧侶「でも装飾品なら興味ありますね」

傭兵「うーん俺はそっちは門外漢だけど。じゃあそれにしとくか。こっちに店が連なってるから来て」クイ

僧侶「あっ…」

傭兵「あ、悪い。手」

僧侶「いえ。行きましょ♪」ギュ

僧侶(今日はせっかくのデートなんですから!)



第9話<予兆>つづく

次回本日夜22:00くらい予定

>>606 そのうち出ますお待ちを。。

マオの「マ」は、
商人→Merchant(マーチャント)
じゃないかな

第9話<予兆>つづき


【装飾品屋】


僧侶「これどうですか?」チャリ

僧侶「似合いますか? 守護のネックレスって書いてますね」

傭兵「あー…うん」

僧侶「こっちはどうですか? 魔防のイヤリングですって。小さいルビーがあしらわれていておしゃれだと思いませんか?」

傭兵「あー…いいんじゃないか」

僧侶「ソル様? やっぱり迷惑だったでしょうか…。私、お仕事の邪魔ですか?」

傭兵「そうじゃないんだけど」

傭兵(またあの感じだ)

傭兵(誰かが俺を強く意識しているような)

傭兵「ヒーラちゃんはいまこうして買い物をしてて何も感じないか?」

僧侶「え? えっと、昨晩おっしゃっていた気配というものでしょうか」

傭兵「ああ。街中で誰かに見られてるようなそんな感じはしないか?」

僧侶「わかりません」

傭兵「そうか…」

傭兵(やっぱり俺の気のせいか? しばらく戦場から離れて勘が鈍ったとか)


店員「ご夫婦様ですか?」

僧侶「え!? 違いますっ」

店員「あらごめんなさい。恋人同士でしたのね」

僧侶(まだ恋人ですらないんですけど…)

僧侶(まだ…? うう、私ったら)フルフル

店員「バザー期間限定のペアリングはいかがですか?」

店員「カップルのお客様方には2割引きで販売させていただきますよ」

僧侶「わぁ綺麗…」

僧侶(これじゃないとしても、ひとつくらい何か可愛いのほしいな…)

僧侶「あのぅソル様」チラ

傭兵「どうせ買うなら、なにか旅の役に立ちそうなものがいいな。見た目重視よりもちゃんと効果のあるやつにしようぜ」

僧侶「え? そうですね…」

傭兵「この体力上昇って書いてるブレスレットはどう?」

傭兵「使えそうだ。頑丈だからちょっとした篭手代わりにもなるぞ!」

傭兵「俺にははまらないけど誰かしら装備できるんじゃないか」

僧侶「…」

僧侶(むー)

傭兵「なに」

僧侶「いいえ! ではそれにしましょう」



【繁華街】


傭兵「なんか怒ってる?」

僧侶「怒ってません」

傭兵「怒ってるだろ歩くの速いって」

僧侶「……。さっきのブレスレット出してください」

傭兵「お、おう」ガサガサ

僧侶「…」スチャッ

僧侶「似合いますか?」

傭兵「…うん、まぁ」

僧侶「本当にそう思いますか? そうですか! じゃあつけときますね」

傭兵「ごめん…俺が悪かった」

傭兵「それは返品してくる」

僧侶「いいえ結構です役に立つかもしれませんし!」

傭兵(あぁ完全に怒らせてしまった…こういうとき俺はどうしたらいいんだ)

傭兵(でもご機嫌取りなんてしたらもっと怒られそうだし…)

僧侶「次のお店にいきましょ」


傭兵「次はどこに行くんだ?」

僧侶「生活必需品を買います。それをもって私は商店に戻りますので」

僧侶「ソル様は引き続きお仕事がんばってください」

傭兵「……」

傭兵「ヒーラちゃん…」

僧侶「だってソル様、あんまり楽しそうに見せませんし…どこか意識が遠くというか…」

僧侶「この街についた日に2人で少しだけお散歩したじゃないですか。あの時と雰囲気が違いすぎて…」

僧侶「私ソル様の邪魔しちゃってるのかなと」

傭兵「せっかくの休みなのにごめんな…」

傭兵「…そうだ」

傭兵「気に入るかわからないけど、連れて行きたい場所がひとつあった」

僧侶「?」

傭兵「ついてきてくれるか」

僧侶「かまいませんけど」



【北門・見張り塔】


僧侶「わぁ…すごい」

傭兵「いい景色だろ。反対側の山も綺麗だよ」

僧侶「私ここにのぼってもよかったんですか? 兵隊さんじゃないのに」

傭兵「うん。大丈夫、なんとでも言っておくから」

僧侶「ありがとうございます」

僧侶「こんな高いとこ、来たことありません。わぁー」

傭兵「あんまり覗き込むと落っこちるぞー」

僧侶「えへへ…人が蟻さんみたいですね。マオさんの家はどのあたりでしょうか!?」キョロキョロ

傭兵(なんだかんだでこういうところはまだ10代の子供だな)

傭兵「ちょっとは機嫌なおしてくれたかな」

僧侶「はい。ごめんなさい困らせてしまって」

傭兵「いいよ。俺に原因があったんだから」

僧侶「いえソル様はお仕事に一生懸命ですので! 私がわがまま言ってました!」


傭兵「今日を楽しみにしてくれてたんだろ?」

僧侶「は、はい…」

傭兵「ごめんな。いまからでよければもう一度買い物付き合うよ」なでなで

僧侶「あふ…だめですよこんなこと」

傭兵「ヒーラちゃんの髪さらさらだな」

僧侶「もうっ、こんなところユッカ様に見せられませんよ」

傭兵「そんなニマニマした嬉しそうな顔で言われてもな」

僧侶「えっそんな顔してます!?」

傭兵「ははは。ウソ」

僧侶「ソル様!」

傭兵「昼ご飯食べに行こうか」

僧侶「はい行きます! でももう少しだけ…」

傭兵「ここにいたい?」

僧侶「はい…だってここはソル様とふたりきりですし」


兵士「ゴホンゴホン」

僧侶「あ……」


兵士「ソル殿、もうよろしいでしょうか」

傭兵「あ、あぁ…降りる。悪かったな急に訪ねて」

兵士「では我々は監視任務に戻ります」



僧侶「私全然気づきませんでした…」

僧侶「てっきり二人きりなのかなと」

傭兵「…」

僧侶「人前なのを知ってて頭なでなでなんてしたんですか!」

傭兵「…ん、んー…」

僧侶「…」ジトー

僧侶「はぁ。結局ソル様にとって私はユッカ様やマナちゃんと同じような子供扱いなんですね」

僧侶「ちょっとガッカリ」

傭兵(見た目はともかく歳は1つ2つしかかわらないだろ…)

傭兵(どうしても昔のイメージのままだからなぁ)



僧侶(私って子供っぽいのかなぁ)

僧侶(ユッカ様のお側にいると大人としての自覚が湧いてくるのに)

僧侶(ソル様になんだか甘えちゃう…だめだなぁ)

傭兵「気を取り直して、飯だ飯! 次は失敗しないぞ!」

僧侶「はい」


喫茶店「もうしわけありません現在満席で」

傭兵「…はぁ」

僧侶「…」ショボン


洋食店「もうしわけ御座いません。バザー期間中は予約席のみとなっておりまして」

傭兵「…まじか」

僧侶「…」ショボン


大衆食堂「いやぁすんませんねぇ。えらい混んでるんですわ!1時間待ちくらいやなぁ!」

傭兵「…くそっ」

僧侶「どのみちここは嫌です」

傭兵「ハッキリ言うね。好きだぜそういうの」


僧侶「お昼時はどこも混んでますねぇ」

僧侶「ただでさえ人でごった返す時期なのでこればっかりは仕方ないですね…」

傭兵「見張り塔に行かずに先に飯をすませとけばピークにぶつからなかったのに俺のせいだ俺のせいだ」ブツブツ

傭兵「あぁまたヒーラちゃんに失望されてしまうぅぅう!! 今日で何点減点なんだよぉお!」

僧侶「お腹すきました…」

傭兵「この際何か買って食うか…それしかないな」

僧侶「ですね。あちらのパン屋さんなんてどうですか? いい匂いがここまで♪」



【パン屋】

僧侶「どれにしようかなー」カチカチ

僧侶「どれも焼きたてでおいしそうですねー♪」カチカチ

僧侶「甘いの一つと…あとお惣菜のを…うーんサンドイッチでもいいかも」カチカチ

傭兵「なぁトングカチカチするのやめようぜ」

僧侶「え!? あ…ごめんなさい無意識に…。恥ずかしいです」

傭兵「まるでパンを威嚇してるみたいだ」

僧侶「たべちゃうぞ~って? えへへたべちゃいますよ~」カチカチ

店員「…」

僧侶「ごめんなさいすぐ選びます」ペコ



  ・  ・  ・


【広場】


傭兵「ここらのベンチでいいか」

僧侶「あ、待ってくださいお座りになる前に」

僧侶「ハンカチ。敷いてくださいね」

傭兵「ありがとう。っていっても俺はこの服どうせ汚れるからヒーラちゃんが使いなよ」

僧侶「そうですか? ありがとうございます」


傭兵「ふーやっと落ち着けるな」

僧侶「お腹ペコペコだったんです」

傭兵「それだけで足りる?」

僧侶「はい。これだけで平気ですよ。あんまり食べると太っちゃうので…」

傭兵(昔から細身だけど出るとこは出てていい体してるもんなぁ)

傭兵(ってそんな下衆な目で見ちゃだめだ。なにやってんだ俺は)

僧侶「いただきます! はむっ♪」

傭兵(こういう姿をみてると、変わんねぇなほんと)



僧侶「はむ? ソル様? 召し上がらないのですか?」

傭兵「あぁ食べる」

僧侶「こうしてると…なんだか懐かしい気分になりますね」

傭兵「そうだな。ちょうど王宮の中庭みたいな…綺麗な芝生と青空で」

僧侶「あそこは私達だけでとっても静かでしたけどね。ここは人がたくさんいて賑やかで楽しい雰囲気ですね」

傭兵「もう4年たったんだな」

僧侶「ですね」

傭兵「そういや一昨日は膝枕してくれてありがとな」

僧侶「い、いえ! そんなお礼を言われるほどのことではないですよ」

傭兵「にしてもよく覚えてたなぁあんな前の口約束」

僧侶「そりゃ覚えてますよ! だって」

傭兵「だって?」

僧侶「だってソ…。なんでもありませんけど…」はむ


傭兵「またしてほしいって言ったらどう」

僧侶「…人前ははずかしいので」

傭兵「人前じゃなかったらいいんだ?」

僧侶「…気分と状況によります」

傭兵「そっか残念」

僧侶「ぁ……きょ、今日は一応ふたりきりのお出かけですので」

僧侶「この後、少しだけならいいですよ…?」

僧侶「食べ終わったらですけどね!」

傭兵「サービスいいなぁ」

僧侶「日頃おつかれのソル様を癒してさしあげようかという、ちょっとした慈善活動です」

傭兵「じゃ遠慮なく!」



<膝枕中>


傭兵「……」

僧侶(うう~通りすぎる人たちにジロジロみられてやっぱり恥ずかしいっ!)

僧侶(ソル様はやくおきてください~!!)

傭兵(あぁ…下からの眺めがすばらしい!)



第9話<予兆>つづく

次回本日予定してますが帰り遅ければ金曜日で
名付けは適当です

帰宅 更新ありません
明日予定

第9話<予兆>つづき


僧侶(ソル様もう寝たでしょうか…?)

僧侶「ふふふ」

僧侶(こうしてると命をかけた旅をしているのがウソみたい)

僧侶(ずっとなにごともなく、平和に旅ができたらいいのに…)なでなで

傭兵「……ん」

僧侶「!」

僧侶(私ったら…勝手に失礼なことを)

僧侶(年上の男性の頭を撫でるなんてだめですよね!?)

僧侶(ああでもせっかくのふたりきりのデートだし…)

僧侶(デート…)ゴクリ

僧侶(デートですよね? こんなことまでしちゃって)

僧侶(マナちゃん…私ちゃんとデートできました!)



【女子部屋】<昨晩>


僧侶「眠れません…」ズーン

魔女「どうして。私いないほうがいい?」

僧侶「そうじゃありません。だ、だって…」


< んっ…んっ、あっ…♥ ソル…あっ♥

 ギシッ…ギシッ…ギシ


僧侶(お隣でいままさにユッカ様とソル様が~!!?)グルグル

魔女「…ヒーラ、おもしろい」


魔女「ユッカの声がする」

僧侶「…しますね」

魔女「苦しそう…きっと呪いにくるしんでる」

僧侶「…そうですね」

魔女「薬を届けにいく!」のそ

僧侶「わーー! だめですよ! ソル様がいらっしゃるから平気です」ギュ

魔女「…そう」

< ギシ ギシ・・ ギシギシ

僧侶「ううう…いつまで続くんでしょう」

魔女「このきしむような音はなに?」

僧侶「えっとそれは…」


<あぅ…あぅ…♥ あんっ

<くっ、う…


僧侶(あ…ソル様の声)

僧侶(どうしようお二人のこと考えたらまた鼻血でちゃうかも…)ズズッ

魔女「ヒーラ顔が赤い」

僧侶「わかりますか…暗いのに」

魔女「わかる。体温もあがってる。溢れる魔力も濃厚で…おいしい」



<…ぁ…ぁっ

<ぁ…ゃんっ♥


僧侶(ユッカ様…気持ちいいのかな)

僧侶(そりゃそうですよね。大好きなソル様と…エッチなことしてるんだから)

僧侶(エッチなこと…エッチなこと)グルグル

魔女「ヒーラ明日はお休みだね」

僧侶「…? え、ええそうですけど」

魔女「ソルと2人きりで、デートというやつ…がんばって」

僧侶「何を急にいいだすんですか! もぉ」

魔女「みんな仲良し計画。推進してる」

僧侶「それはどうも…。ですがこんなのでソル様の顔をまともに見られるかどうか」

魔女「恥ずかしいの?」

僧侶「恥ずかしくないといえばうそになります」

魔女「…ふーん。ねぇ、やっぱりソルとユッカは」

魔女「セックスしているの?」

僧侶「ぶっ…」

魔女「つばが額にとんだ」

僧侶「ごめんなさい」


魔女「セックスしているの? これはセックスの音?」

魔女「セックスをしているからこんな音がするの」

僧侶「……はい」モニョモニョ

魔女「セックスは苦しい?」

僧侶「し、しりません…したことないので。でも苦しくはないと思います」

魔女「ヒーラでもないの?」

僧侶「あたりまえです。神に仕える者として操を守らなければなりませんので」

魔女「みさお…」

魔女「それはヒーラがヴァージンということ?」

僧侶「しー! しー! もうさっきからそんな単語ばっかり口にださないでください」

魔女「だって…」

僧侶「どこで覚えてきたんですか!?」

魔女「住んでいた家にあった医学書」

僧侶「マナちゃんはまだしらなくていいんです…」

魔女「ヒーラはオナニーしないの」

僧侶(助けてください!!)


魔女「オナニーは性的快感を得るもの」

魔女「そう書いてあった。しってる?」

僧侶「……しってます」

魔女「自身の性器を指を道具を使って刺激して」

僧侶「えいっ」ぐに

魔女「むぐ……せいて…き、快感を」

僧侶「寝ましょうね」

魔女「……ヒーラはきっとオナニーが足りていない」

魔女「だからもやもやする」

僧侶「そうなこといわれましてもぉ」

僧侶「じゃあマナちゃんはするんですか」

魔女「しない。やり方を本で学んでいるだけ」

魔女「…うそ。本当はしたことが一度ある」

僧侶「えっ」

魔女「机の角っこにあてたら気持ちよかった。きっとあれは性的快感。自慰行為の一種」

僧侶「あ、あーあれですね…」

魔女「…」ジー

僧侶「しまった…ううう」


魔女「だから実演してみてほしい」

僧侶「!」

僧侶「するわけないじゃないですか」

魔女「オナニーは思春期における自我の形成に重要とされている。なにもおかしいことはない」

魔女「ヒーラはオナニーすべき。オナニーをしたらきっと気持ちも晴れる」わくわく

僧侶「…おかしいですよおかしいですって」

僧侶「そんな目で見ないでください!」

魔女「明日はソルとデート」

僧侶「!」ドキッ

魔女「明日失敗しないために、今日すべきこともある」

僧侶「そ、そんな…そうですか?」

魔女「ある」わくわく

僧侶「…」

僧侶(確かに、ちょっと発散したいなとは思うけど)

僧侶(マナちゃんの前でなんていくらなんでもダメ!)

魔女「しないの…?」

僧侶「そんなエッチなこと考えてるマナちゃんがしたらいいじゃないですか」

魔女「わかった…」もぞもぞ

僧侶「えっ」


魔女「でも正しいやりかたがわからない」

魔女「指で…こするだけ?」

僧侶「冗談ですのでっ、だめですよそんな不道徳なことをしては」

魔女「オナニーは生まれながらに人間に備わった性質」

魔女「私はオナニーをすることで自らが正しく人間であると自覚できる…気がする」

僧侶(そうでした。マナちゃんはこの能力のせいでずっと…)

魔女「それに壁越しのユッカの声をきいてるとなんだか体があつくなってくる」

魔女「きっとオナニーがしたいっていうサイン」

魔女「ヒーラもでしょ?」

僧侶「……はぁ」

僧侶「わかりました」

僧侶「わかりましたからもオナニーっていうのやめましょうよ」

魔女「一緒にしてくれるの?」

僧侶(一緒にすることになってますし……)

僧侶「じゃあこのままお布団に入ったままで…ね?」

魔女「…」コク


魔女「どうすればいい?」

僧侶「ええと…私のやりかたは。下着のうえから2本の指で」

魔女「…」わくわく

僧侶「…ふぇぇん。なんで私こんなことしてるんでしょう」

魔女「オナニーのときに思い浮かべるものはなに」

僧侶「えーっと…。も、妄想の話ですか?」

魔女「そう。オナニーをするときはなにか考えながらするのが効率的らしい」

魔女「ただやみくも刺激を与えるだけでは正しいオナニーとはいえない」

僧侶(またオナニーばっかり言ってる…)

魔女「ヒーラはどんなことを考えながらするの」

僧侶「それ言わなきゃだめなんですかね…」

魔女「だめ」

魔女「参考にしてやってみるから」

僧侶「あぅぅ…じゃあ、ユッカ様をぎゅーってしてる妄想で…」

魔女「嘘はよくない。いまあなたが考えているのはユッカじゃない」

僧侶「なんでわかるんですか!?」


魔女「私もユッカほどではないけど魔覚が人より優れている。それに加えてこの能力もある」

魔女「あなたの魔力の波を直接感じることで、ウソをついているかどうかくらいはわかる」

僧侶「私もそれほしいです…」ムスッ

魔女「考えているのはソル?」

僧侶「…はい」

僧侶「ソル様に抱っこされているところを考えながら…し、します」

魔女「わかった。私もそれにする」

僧侶「マナちゃんはソル様のこと好きなんですか?」

魔女「誰かを好きになるということがよくわからない…。おじいちゃんは好き、でも何か違う気がする」

魔女「おじいちゃんを思い浮かべてオナニーはできない」

僧侶「ははは…」

魔女「ソルに抱っこされていると落ち着く」

僧侶「…じゃあそれを思い浮かべながらで。いいじゃないですか」

魔女「わかった。してみるね」


僧侶「すっきり終わったらもう寝る事!」

僧侶「これ以上エッチな話はなしですよ!」

魔女「わかった。ちゃんと寝るから」

僧侶「……しましょうか。恥ずかしいですけどもう我慢の限界です」


  ・  ・  ・


すり すり…

  すり?  すり…?


僧侶「ん…ふぁ…」

魔女「……?」


  ・  ・  ・


 すりすり すりすり すりすりすりすり

すり…? すり…? すり…?


僧侶「んっ…んんっ、ん…ぁ♥」

魔女「??? あれ…」

魔女(やりかたがまちがっているかもしれない……)



  ・  ・  ・

 
 すりゅすりゅすりゅ…ちゅく ちゅく ちゅく♥

すり…すり…すり…??

僧侶「んくっ…んっ、あ…あんソル…様♥」ピク

魔女(…ヒーラみたいになれない)

魔女(おかしい。こんなはずではなかったのに)

魔女(やっぱりあの机の角がないとだめ)

僧侶「あっ、ぁぁ…んっ♥」

魔女(ヒーラの声が淫らになっていく)

魔女(私もこんな声がだせるようになりたい…きっとソルも激しい性的興奮を得ることができる)


魔女(それより私はどうしたらいいんだろう…)

魔女(…もう終わったことにして寝よう。別にそんなに興奮してなかったし仕方ない)もぞりもぞり

魔女(ヒーラから得るものはあった)

魔女(明日はがんばってねヒーラ)

僧侶「ぁぁあう!♥」ピクッ ピク…



【広場】<膝枕中>


僧侶(昨晩のこと思い出したら暑くなってきちゃった)パタパタ

僧侶(あぁ私ったら乗せられるがままになんて淫らなことを)

僧侶(でもマナちゃんに真剣に頼まれたら断れないし…)

僧侶(すっきりしたおかげで今日は舞い上がりすぎることもなくうまくいったのかもしれないし)

傭兵「……zz」

僧侶「えへへ…」

僧侶(ちょっとは感謝かな)


荒くれA「はいいらっしゃい。こちらソース味の焼きパスタ屋台。移動屋台で出張販売中ですぜ!」

荒くれB「はい並んでねー」

荒くれA「へへへ。やっぱ広場は良いさばき場になるぜ」

荒くれB「販売禁止区域だからバレちまったら売上からとりあげられっけどよぉ…ふひひ」


僧侶(あ! あの人たちは…。先日ギルドの酒場で会った…)

僧侶(見ないでおきましょう…こんなとこ見られたら)ぷいっ

荒くれA「あれー! そちらに腰掛ける美人さんはもしや!」

僧侶(う…)



荒くれA「アネさん! アネさんじゃないですか!」

僧侶「…は?」

僧侶「ひ、ひとちがいでは」

荒くれB「おやそちらは大兄貴! なにしてんですかこんなとこで」

僧侶「あっ、ちょっと! しー! 大声は!」

傭兵「んあ…おーお前ら。また会ったな」

僧侶(うう…)

傭兵「ありがとヒーラちゃん。気持ちよかった」

僧侶「いいえ…」

荒くれA「羨ましいですぜ大兄貴。アネさんの膝枕なんて」

荒くれB「ちっこい姉貴はどうしたんですか!」

傭兵「ああ今日はこの子とまた出かけてて」

荒くれA「そいつぁ結構なことで! んじゃサービスしときますか!? 焼きたてありますぜ!」

傭兵「いや…いましがた昼はすませたんだ」

僧侶「あの…あなたたちは商売してるんですか」

荒くれA「へい。バザーは俺たちにとっても稼ぎ時なもんで」


荒くれB「それよりアネさ~ん俺にも膝枕してくれよなぁ」

荒くれA「馬鹿野郎! 大兄貴すんません。アネさんとの大事なお休み中を邪魔しちゃいました」

傭兵「いいよ。ほらさっさといけ…ってお前らここ販売禁止区域だろ!」

傭兵「俺の服装わかって声かけてんのか!!」

荒くれA「ひぇ! まだ客はとってませんので勘弁してくだせぇ!」

傭兵「いけっ」

荒くれA「へい! 失礼します!」


僧侶「大兄貴」

傭兵「…勝手に言ってるだけ」

僧侶「はぁ…結局邪魔が入るんですよねぇ」

傭兵「ははは。でもどの道起きなきゃだめだったしな。いつまでも借りてたら足しびれちゃうだろ」

僧侶「…」

隊長「ソル殿ー! こんなところに」

傭兵「来客が多いな」


傭兵「どうした持ち場を離れて」

隊長「あなたを探している最中に不法な屋台があるとそこで通報をうけてきました」

傭兵「あぁそれならもう撤去させたよ」

隊長「さすがです。おやこのご婦人は」

僧侶「…」ペコ

傭兵「まぁいいだろ。他に用件があるんじゃないのか」

隊長「え、ええ…ですが無関係な方の前ではちょっと」

傭兵「…?」

隊長「実は…」ヒソヒソ

傭兵「なに?見つかったのか」

隊長「メンバーのひとりを現在拘束中です。急いで兵舎へ」

傭兵「わかった」

傭兵「ごめん仕事だ。またあとで」

隊長「失礼いたします」ピッ

僧侶「は、はい! いってらっしゃい」



隊長「奥さんですか?」

傭兵「いや。可愛い妹みたいなもんだ」


<兵舎・留置場>


隊長「こいつが例の盗賊団の一人です」

盗賊「ふんっ…あたしはなにをされても仲間のことは吐かないよ」

盗賊「ま、この街の腑抜けた兵士どもにそんなことできるとは思わないけどね」

傭兵「女か」

盗賊「だったらどうしたんだい。ちんぽおったてて犯すかい? フフ…」

傭兵「なにが目的で街へ入った。盗みか」

盗賊「クク…あんたたちの無能っぷりには笑いがとまらないよ」

盗賊「あたしらは、盗んだものを売りさばきに来たにきまってんだろ」

傭兵「それは不正なドラッグの類か」

盗賊「……いわないよ。あんたがここの指揮官かい?」

隊長「あぁ。臨時だがな」

盗賊「遅かったね。もうブツは相手に渡ったさ」

隊長「だからそれは何だと言っている!!いい加減にしないか!」

盗賊「……」

傭兵「だんまりか。しかたねぇ、女の泣き声はベッドでしか聞きたくねぇが」

隊長「ソル殿…」

傭兵「お前らは部屋をでろ。あまり見せられた物じゃない」

隊長「い、いえ…」

盗賊「ま、まて…あんた何をする気だ」


隊長「ソル殿」
 
傭兵「戦場では過去に何度かあったことだ。こういう事態を想定して俺に声がかかったのかもしれないな」

隊長「お待ちください。もう一度問い詰めれば情報を」

傭兵「それならばありがたいんだがな」

盗賊「……」キッ

傭兵「仲間は売りたくねぇみたいだな。俺もその気持ちはわかる」

傭兵「だからどんな手を使ってもその精神をへし折らなきゃならねぇ」

隊長「たかが盗品を売りさばいただけでそこまで必要でしょうか」

傭兵「いいや。違うな」

傭兵(あの奇妙な視線のような感覚…こいつではない。もっとおぞましい…何かがいる)

傭兵(おそらくこいつはそれにつながっている。あくまで直感だが)

盗賊「…」

隊長「それは例の勘というやつですか…?」

傭兵「お前らのバックにいる奴、もしくは取引相手を吐いてもらう」

盗賊「だから吐くわけねぇって言ってんだろ」

傭兵「…そうか残念だ。俺はヒーローじゃないからな。敵には容赦しない」

盗賊「…殺せ」

傭兵「隊長。今から言うものを持ってきてくれ」

隊長「は、はい…」



<15分後>


盗賊「あひゃひゃっ、あはっ、ああはははは」

盗賊「やめれっ、やめへっあはははひゃひゃ」

傭兵「……」コチョコチョ

盗賊「あひひひっ、ひひゃははははは」

傭兵「お前は足の指の間がずいぶんな敏感だな」コチョコチョ

傭兵「脇の下もだ」コチョコチョ

隊長「うっ…なんて酷い」

盗賊「たすけ…たすけひゃはははははっ」

盗賊「しぬっ、ひひひっははは、しんひゃうっ!!」

傭兵「質問に答える気になったか」

傭兵「まともに呼吸ができないというのはどんな責め苦にも勝る拷問だ…」

傭兵「できればこんなことしたくなかったが…」

盗賊「こひゃえるっ! こたえるからぁああ!!あひゃはははは」

傭兵(折れたか…すまないユッカ。また俺はお前を抱くこの手を汚してしまった)



  ・  ・  ・


盗賊「はぁ…はぁ…」

隊長「まぁ水でものめ。声が枯れただろう」

盗賊「…悪いね」

隊長「盗品とはなんだ」

盗賊「…く」

傭兵「まだあんなの序の口だぜ。俺が本気を出せばお前を精神崩壊するほど」

盗賊「わかったわかった! 卵だよ!!」

隊長「卵…魔物のか」

盗賊「ふんっ。そうだよ」

隊長「いくつだ」

盗賊「1つ」

隊長「大きさは」

盗賊「これっくらい」バッ

隊長「……ずいぶんと大きくないですか。ソル殿なにか心当たりは」

傭兵「何の卵だ」

盗賊「しらないよ。あたしらだって偶然手に入れたんだ。そしたらアジトに妙な手紙が入っててね。街まで持ってきて取引しろだとよ」

盗賊「しなきゃあたしらのアジトを潰す…とまで脅迫してきやがった」


傭兵「そいつが取引相手か」

盗賊「たぶんね。実際に会ってみたのはあたしらのボスと幹部だけさ」

盗賊「台車に卵をつんでいった」

盗賊「あたしは遠目から見てただけだけど、ローブを羽織っていてどんなやつかまではわかんなかったよ」

傭兵「ローブ…」

傭兵「できれば卵を絵にかいてくれないか。模様とか、覚えている範囲で」

盗賊「あん? いいけど…」カキカキ

盗賊「あっ! あたしってうめーじゃん! ほらこれだよ。卵のてっぺんに星みたいな模様があってさ」

傭兵「…!」

傭兵(まさか…いやそんなはずは)

傭兵(あいつはあのとき俺たちが…)

傭兵(まだ卵を残していたのか!)


隊長「どうなさいました」

傭兵「総員をつかって星の卵の行方を探してくれ。急げ!」

隊長「わかりました。伝令を」

兵士「はっ」

隊長「危険な魔物ですか」

傭兵「……昔戦ったことがある」

傭兵「その時はじめてマントルドラゴンと名付けられた珍しい飛竜種だ。獰猛で、幼生期からなんでも喰らう」

傭兵「星の色は覚えてるか」

盗賊「うーんと、以前は色の薄い黄色だったんだけど…最近真っ赤になってきてさ」

盗賊「ボスもなんだかおっかねぇ気配がするから手放そうって決まったのさ。それに高額買い取りだったしね」

盗賊「まさかそんなに危険なやつだなんてな。へへ」

隊長「…」

傭兵「こんな場所でもし卵が孵ると…街が危険だ」



第9話<予兆>おわり

次回10話本日昼と夜2回更新予定



第10話<運命>



【広場】


僧侶「ふぁぁ…退屈になっちゃった」

僧侶「このあと私どうしましょう」

僧侶「夕飯のお買い物だけして帰ろうかな…」

僧侶「それともバザー少しだけみていこうかな」

荒くれA「アネさんアネさん!」

僧侶「あっ、あなたたちまだいたんですか」

荒くれA「実は耳寄りな情報がございまして。一昨日くらいにオープンしたすっげぇあたる占い屋があるんですよ!」

荒くれB「なんでもズバズバあてちまう天才占い師らしいです。その正体は不明なんですがね」

荒くれA「お時間あまってるなら行ってみたらどうですかい。まぁちと並びますが」

僧侶「占いですか?」

荒くれA「へい。大兄貴との仲もきっと占えますぜ」

僧侶「ソル様との……う」

僧侶「余計なお世話です。あなたたちには関係ありません」

僧侶「ゴホン……気が向いたら行ってみます。それでは」


僧侶(占いかぁ…うーん、まぁ気晴らしにはなるでしょうか)

僧侶(気にならないわけでもないし…)



荒くれA「地図のこの場所に」

荒くれB「薄暗い路地ですが、表の道には人通りも多いのでアネさんひとりでも大丈夫ですよ」

荒くれA「おいおい侮るなよ大兄貴のお仲間だぞ」

荒くれB「へへそうでしたね」

僧侶「…ありがとうございます」



【路地裏の占い屋】


僧侶「こんなところに…」

僧侶「並んでないじゃないですか」

僧侶「…どうしようかな」キョロキョロ

僧侶「占いなんてはじめて。自分の運命を知る未来視って少しこわいような」

僧侶「で、でも別に恋占いじゃなくても! 旅のこととか!」

僧侶「そうしましょう…」

コンコン

僧侶「こんにちは…」

占い師「あらどうぞ…クスクス」


僧侶(わぁいいお香の匂い)

占い師「いらっしゃい。あたしが巷で噂の凄腕占い師よ」

僧侶(自分で言っちゃうんですね)

占い師「んー…あなた。クスクス、恋患いかしら」

僧侶「えっ! もうわかるんですか!」

占い師「わかるわよ」

僧侶「あの…そのローブは、脱がないんですか。暑そうですけど」

占い師「これはあたしの衣装みたいなもんだから気にしないで」

僧侶「はい…」


目の前の女性は分厚い真っ黒なローブを纏い、いかにもな風貌で私を出迎えてくれました。
フードは目元を大きく隠し、お顔の下半分も伺うことができません。
私はすこし訝しげに感じながらも置かれたチェアに腰掛け、占ってもらうことにしました。


僧侶「あの…恋ではなくて、旅の未来を見通してほしいんですけど」

占い師「そう?」

僧侶(だけど私が勇者の仲間だなんてさすがにそこまではわからないですよね…)

占い師「…じゃあちょっと手をみせてね」

僧侶「はい」



占い師「…へぇ」

占い師「ふぅん…クスクス」

僧侶「おかしいですか?」

占い師「いいえ。でも、大変な運命を背負った子ね…って思って」

僧侶「!」

僧侶「もしかしてわかるんですか!?」

占い師「わかるわ」

占い師「この先あなたに訪れるある出来事で、あなたの運命は大きく流転するわ」

僧侶「それは一体なんですか!?」

占い師「そこまでは言えない」

占い師「与えられた選択肢は2つ。受け入れるか受け入れないか」

占い師「あなたがどう答えるかはその時にならないとわからない」

僧侶「どちらを選ぶと良いのでしょうか」

占い師「そうねぇ…あたしから唯一言えることは」

占い師「覚悟があるなら受け入れなさい。だけどきっと困難な道になるわね」

僧侶「私はどんな困難な道でも受け入れます。大切な人達を守るためですから」

占い師「そう。期待してるわ」

僧侶「ありがとうございます」

占い師「まだ行っちゃダメよ。渡すものがあるから奥に来て」

僧侶「は、はい…?」


占い師「これをあげるわ」

僧侶「これは?」

占い師「あなたを守るブレスレットよ」

僧侶「ブレスレット…」

占い師「つけてみなさい」

僧侶「…い、いえ今は。もうつけてるので」

占い師「あら、なにそのダッサイのは。いいからこれをはめなさい」

僧侶「これは大切な方に今日買っていただいたものなので…すぐに外すことはできません」

占い師「そんなのいいじゃない」

占い師「さぁつけなさい。私のブレスレットはすごく効力が高いの」

僧侶「ではお代を払いますので帰ってから…」

占い師「…つけなさい!!」


突如態度を豹変させた占い師さんは私の手首をつかみブレスレットを外そうとしてきます。

僧侶「きゃっ」



驚いた私は反射的に魔力を込めて彼女の身体を突き返し、身を守ってしまいました。
占い師さんは後ろの棚へと背中から激突し、そのはずみでフードがめくれあがり隠されていた顔を露わにします。

僧侶「…角?」

頭部には金色に輝いたやぎのような大きな巻角。
口元からは先ほどは見受けられなかった鋭利な牙がのぞいています。


サキュバス「いったーーい! もーだからこの子嫌なのよ」

サキュバス「それに聖魔法ってだいっっきらい! バチバチしちゃって」

僧侶「……え」

サキュバス「虫も殺さないようなおとなしい顔してずいぶん乱暴なんだから」

僧侶「あなたは…? 人間じゃない!?」

サキュバス「あら、あなたとはそういえば一方的な面識しかなかったわね」

僧侶「悪魔…! 魔隠しのローブをつかっていたんですね」

サキュバス「そうよ。それと正確には淫魔」

サキュバス「あたしは淫魔のサキュバス。サキュって呼んでね」

僧侶「淫魔! あなたがもしかしてユッカ様に呪いをかけた悪魔ですか!」

サキュバス「ちぇっ。もうちょっとだったのに」



僧侶「私に何をしようとしたんですか」

サキュバス「何をって。その厄介な聖魔力を封じようと思っただけよ?」

サキュバス「あなたに潜り込むとあたしもただじゃすまないから」

サキュバス「外からキュキュッと呪いの枷で締めあげて、ただの生意気な乳デカ娘にしてしてあげようとしたのに」

僧侶「…く」

僧侶「あなたが元凶…ユッカ様の呪いをときなさい!」

サキュバス「だめよ。あの子はあたしの計画に必要だもの」

サキュバス「たーっぷりかわいがってエッチな子に育てるの」

僧侶「許せません!」

僧侶「ユッカ様が毎日どれだけ苦しんでいると思っているんですか」

サキュバス「そう? 昨夜も嬉しそうにきゃんきゃん鳴いてたわよ。あの子の身体で感じとったことならなんでも知ってるの」

僧侶「う…」

僧侶「それはあなたのせいです! ユッカ様はとっても清純なお方なのに!」

サキュバス「そんなことないわよ。人間なんてみんな欲求にしたがって生きているんだから。ましてや思春期の女の子」

サキュバス「あなただって…クスクス」

僧侶「!」



サキュバス「聖職者だなんて笑わせるわ?」

サキュバス「無垢で純真そうな仮面をかぶって、頭の中はイラヤラシ事でい~っぱい♥」

僧侶「…」

サキュバス「でしょ? クスクス。呪いをかけてあげたわけでもないのに」

僧侶「…そんな、ことは」

サキュバス「さぁて、バレちゃった以上はもう店じまいよ」

サキュバス「せっかく素敵なプレゼントあげようとおもったのに」

僧侶「そんな呪いのブレスレットなんていりません!!」

サキュバス「ま、しかたないわね。つけられたらラッキー程度だったし…またそのうちチャンスは来るわ」

僧侶「私をここへいざなったのもあなたですか」

サキュバス「色々やりかたはあるの。ただの人間を操るくらい造作もないもの」

僧侶「なんてことを」

サキュバス「そこに置いてあるお香…ずっと吸ってるとどうなっちゃうかしらね」

僧侶「!」

サキュバス「あははは! 冗談よ。それはただイヤラシイ気分になっちゃうだけのお香だから」



僧侶「待ちなさい! あなたを今日ここで成敗します!」

サキュバス「無理よ」

サキュバス「さっきは魔封じのローブのせいで杖もないあなたにやられちゃったけど」

サキュバス「こうして本気を出せばあなたくらいひとひねりなんだから」

僧侶「く…」

サキュバス「わかるでしょ? 私の魔力の量。見逃してあげるのはあたしの方」

サキュバス「じゃあね♪」

僧侶「うう…ミスミス逃す手は。杖をもってたら良かったのに」


サキュバスは窓から身を乗り出し、大きな翼を羽ばたかせて薄暗い裏路地に消えて行きました。
残された私は目の前でユッカ様を苦しめる元凶を逃してしまった悔しさでギュッと唇をかみしめます。

僧侶「次あったときは…かならず」

僧侶「ううう…」


緊張から解き放たれた私は棚に手をかけその場にへたへたと座り込みます。
自力で立ち上がることができないくらい全身の力が抜けきっています。

僧侶「あれ…どうして」

僧侶「しまった…お香の煙が…身体に」


ようやく気づいた私は、その時すでに身体が熱に侵されているのを感じていました。

昼の更新おわり
開始遅れた上に少量で申し訳ない
夜の更新は21時から予定です



【路地裏】


僧侶「あぁ…っ、あ…体が」

僧侶(なんとか逃げ出せたけど…)

僧侶「ハァ…はぁ…」

僧侶(オナニーしたい。もう限界!)

僧侶「はぁ…んっ」

僧侶(オナニーしたいオナニーしたい…オナニーしたい!)

僧侶「誰もいないから…大丈夫ですよね…?」

僧侶「ハァ…はぁっ!」

僧侶(しちゃおう、もうむりっ! このままいてもエッチな気分がおさまらない!)


傭兵「ヒーラちゃん…?」

僧侶「!」

傭兵「よかった…ここにいたのか」

僧侶「ソル…様」

傭兵「広場にまだいるかなとおもって探してたら、この通りにある占い屋に行ったってあいつらから聞いてな」

僧侶「ソル…様ぁ」ぐすっ

傭兵「ど、どうした!」

僧侶「私…わたしっ、もうっ」ぎゅ


傭兵「おい大丈夫か。体が熱いな…風邪でも」

僧侶「はぁ…はぁ」

傭兵「まさかこの症状」

僧侶「…」コク

僧侶「占い屋は偽物でした。中にはユッカ様を貶めたサキュバスという淫魔がいて…私は戦ったのですが」

傭兵「やられたのか!? そいつは今もいるのか?」

僧侶「いいえ申し訳ありません倒す術がなく逃してしまいました…」

僧侶「はあ…くぅ…んっ、はぁっ…♥」

傭兵「ヒーラちゃん…? なにかされたのか」

僧侶「まんまと吸い込んでしまった変なお香の効果で…体があつくて、あつくて…」

傭兵(俺が以前浴びせられた淫気のようなものか)

傭兵「まずいな…」

僧侶「どうしたらいいですか…私もうオナニーしたいんです! あそこうずうずします…」

傭兵「……ほんとにまずいな」

傭兵「ユッカも一昨日あいつにしてやられた。それ以来もしものために薬を少しだけ携帯しているんだけど」

僧侶「効きますか…? それ、くださいっ、おねがい!」ぎゅうう

傭兵「なんにせよ場所を移そう。ここだとヘタをしたら人目につくかもしれない」


  
 ・  ・  ・



俺は動けなくなったヒーラちゃんをおぶさって、再びあの小さな宿屋の戸を叩いた。
耳元にかかる彼女の吐息は甘く熱く、密着した体から伝わる熱で背中は汗ばむようだった。


宿屋「あんた…また仕事サボってとっかえひっかえ」

宿屋「今度はおチビさんじゃなくてずいぶんとまぁ色っぽい子じゃないか」

傭兵「緊急事態だ! 3倍、いや4倍でもいい」

宿屋「…しかたねぇな。ほれ、あんま汚さないでくれよ」

傭兵「すまない」

俺は宿屋のマスターから3階奥の部屋の鍵を受け取った。

駆け足気味に階段をのぼり部屋まで辿り着き、ベッドにヒーラちゃんを横たわらせる。


僧侶「ここ…」

傭兵「薬置いておくな。これを指にとって痒い場所に塗ればいい。全部使いきっていい」

傭兵「お、俺は部屋の外で待ってるから。ゆっくりでいいからヒーラちゃんのペースで…」

僧侶「まってください」


ヒーラちゃんにシャツの胸元をつかまれ呼び止められる。
今朝買ってあげた金属製のブレスレットが手首で鈍く光っているのが目に入った。

傭兵(まだつけていたのか…)

僧侶「ソル様…側にいてください」



とてもまずいことだ。
ユッカでさえ俺は決心を固めるのに時間を要した。
まさかヒーラちゃんに同じことをしてあげるわけにはいかない。

しかし眼前で荒い吐息を漏らす彼女は潤んだ瞳で俺を見上げる。
赤くなった鼻がひくひくと動き、いまにも泣き出しそうだった。

傭兵「ヒーラちゃん」

僧侶「こわいんです。こわかった…」

傭兵「ごめん。俺が仕事に戻っている間にそんなことになっているなんて」

僧侶「ソル様がわるいわけじゃありません…軽率な行動をした私が悪いんです」

僧侶「おかげでこのような醜態を」

傭兵「大丈夫だよ。もうあいつはどこかへ行ったんだろ?」

傭兵「君のそれは一時的なものだろうから、薬をぬったらよくなる」なでなで

ついいつもの癖でユッカと同じように頭をなでてしまう。
ヒーラちゃんはそれだけでびくりと背筋をふるわせ、さらに症状が悪化してしまった。


傭兵(男の俺がいたほうが問題があるんじゃないか…?)

そう思ったのもつかの間、ヒーラちゃんは目の前で服を脱ぎ始めた。



傭兵「うわっ、ちょっと待て」

僧侶「うう…ソル様の意地悪。ユッカ様にはお薬ぬったんでしょ」

僧侶「どうして私にはだめなんですか」

僧侶「私のことは好きじゃないからですか…」

傭兵「なんでそうなるんだ。くそっ、淫気にあてられて思考がごちゃごちゃになってるな」

傭兵「じゃあこうしよう。俺は後ろを向いておく。ここに居るから」

傭兵「だからヒーラちゃんは早く薬を塗るんだ。塗ってくれ」

僧侶「……はい」

僧侶「わかりました…」


背を向けると、しばらくして衣擦れの音が聞こえ始めた。
あのヒーラちゃんが、いま俺の真後ろで下着を脱いでいる。
下着を脱いで、幼いかどうかはわからないけど自身の恥部に薬を塗ろうとしている。

傭兵「……」

俺は精一杯自制心を保とうと努めた。
雑念をかき消すように今日起きた騒動のことを思い出す。
マントルドラゴン…例の卵をはやくみつけなければ。本当の話ならタイムリミットは刻々とせまっているはずだ。



衣擦れの音が止み、キュッと薬瓶の蓋を開ける音がした。
はぁはぁと熱い息の混じった淫靡な声がいやでも耳に入ってくる。
どうやら薬を塗り始めたようだ。


傭兵「…」

傭兵(そうだ…そのまま塗るだけでいい。さっさと塗って宿を出て帰ろう)


ややあって次は下着を履く音だろうか。パチンと小気味のよいゴムの音がした。
そして。

僧侶「もうおわりましたよ…はぁ…ハア、えへへ」

ヒーラちゃんからの合図を受け取り、彼女のほうへ振り返る。

僧侶「……ソル様♥」

傭兵「!」

するとそこには一糸まとわぬ姿をしたヒーラちゃんが、まるで誘うようにいやらしく足を開き、ベッドに寝転がっていた。

傭兵「なっ!!!」

傭兵「なにしてるんだ!」

傭兵「ふ、服を!」

予想もしていなかったことに俺は狼狽してしまい、視線のやり場を探す。



ふっくらとした大きな乳房。ほそくてくびれた腰、輝くような真っ白な肌。すらりとのびた脚。

恥部には色素の薄い金色の毛がふんわりと生えていて、その下には陰唇がかいまみえる。


僧侶「あ…見られちゃいましたね」

傭兵「ばかっ…」

僧侶「私の裸…ダメですか」

傭兵「ヒーラちゃん。服を着るんだ。君はそんな子じゃないはずだろ」

傭兵「強い心をもて。淫気に負けるんじゃない」

僧侶「…なにもしらないくせに」

傭兵「!」

僧侶「私は…こうなんです。エッチなんです」

傭兵「ヒーラちゃん」

僧侶「清純なんかじゃありません…毎日エッチなことばっかり考えてる普通の女の子なんです」

傭兵(これは普通なのか!?)

僧侶「ソル様…」


ヒーラちゃんはたちあがり裸のまま身を寄せてくる。


肩をつかみ制止する。
下着から開放されてむき出しとなっている大きな胸がたぷんと目の前ではずんだ。
さきっちょは綺麗に色づいていて、ぷっくりと主張している。
同じような歳のユッカと比べてかなりの発達の違いが見て取れる。

傭兵「…ぅ」

僧侶「私、魅力ないですか」

僧侶「ソル様は小さい子のほうが好きですか…?」

目を覗きこむ。
ユッカの時ほど妖しくぼんやりとした感じはない。
わずかに理性は保っているように見えた。それなのにどうして。

傭兵(君は…)

返す言葉がわからない。
こんな風に女の子にせまられたことなんていままでほとんど経験がなかった。
気まずさからつい視線を逸らしてしまう。

僧侶「それとも…やっぱり不能ですか?」

僧侶「そんなわけないですよね…昨夜もユッカ様と…してましたもんね」

傭兵「…」


僧侶「私ね…昨日お二人の行為を壁越しに聞きながら」

僧侶「オナニー」

僧侶「してたんです…」

衝撃の告白に耳を疑う。
まさか…ヒーラちゃんがそんなこと。
信じたくなかった。しかしウソをついているようにもみえないし、冗談で俺をからかっているわけでもなさそうだった。

僧侶「それだけじゃないですよ」

僧侶「ずっとずっと…エッチな私は、ひとりで慰めてました」

傭兵「もういいやめるんだ。薬を塗ったら気分が楽になるはずだから」

僧侶「あの日、中庭でソル様と知り合ってから…ずっとソル様のことを考えて♥」

傭兵「ああああ」

僧侶「会えない日の夜はさびしくって、いつもベッドの中で下着を濡らしていました」

僧侶「あなたのせいなんですよ…?」

傭兵「あ゛ああー!」

思わず頭を抱える。
もはや思考がぐちゃぐちゃにかきまわされているのは俺の方だ。
俺の中で勝手に作り上げた清純なヒーラちゃんのイメージがガラガラと崩れていく。
どうしてこうなってしまったんだ…俺のせいなのか?
だとしたら俺に何が出来る。



僧侶「お薬…塗ってくださいませんか」

僧侶「私のここ、もう熱くてたまらないんです」

僧侶「ソル様にさわってほしくて。きゅんきゅん…んっ、しちゃ…うっ♥」

僧侶「おねがいします」

僧侶「ユッカ様みたいに…私に優しくしてください」


よく見知った美少女から裸でこんなお願いをされてきっぱり断れるほど俺の心は強くなかったようだ。

観念した俺はヒーラちゃんをベッドに腰掛けるよううながし、自分は片膝を突いて床に座り込む。


傭兵「広げてみせてくれるか」

僧侶「…はい♥」


ヒーラちゃんは恥部へと細い指を伸ばし、可憐な陰唇に指をあて左右にくいっと開いた。
ひちゅりとした陰液の音。と女の子の甘いにおい。
それとどこかで用をたしたのだろうか、わずかにまじったおしっこのにおい。

目の前でひくひくと呼吸をするようにうごめく膣に俺の視線は釘付けとなった。

傭兵「綺麗だ」

僧侶「えへへ…死んじゃうくらい恥ずかしいです」

僧侶「でも…やっと見てもらえました。私のこと」



もう通算三度目になる。
手の平に薬をとり人差し指全体によくなじませる。
トロリとした薬には十分な粘度があり、これだけで挿入を楽にしてくれる。

傭兵(塗るぞ…)

傭兵(ヒーラちゃんのアソコに…く、いいのか?いいのか?)

傭兵(俺はこれじゃまるで見境のない獣じゃないか)

傭兵(頼まれれば、いや誘われれば誰彼なくこんなことをして。最低だ)

膣口はからはまた一滴また一滴と愛液がこぼれ落ち、ベッドシーツを汚していく。
頭の上ではやや苦しそうなそれでいて悩ましげな吐息が続く。

傭兵(限界なんだな)

俺は膣口のまわりをそっと指先でなで薬を塗布したあと、探るように穴の中で指をつき入れていった。

僧侶「んっ…あぁ、あっ♥」



ぐちょぐちょに濡れた膣壁は俺の指にしっかりと食いて離さない。
指の腹にふれた膜の感触に細心の注意をはらいながら、さらに指を奥深くへと進める。

 じゅぷ…ちゅぷ

僧侶「んんんっ♥ ソル様の指が…っ」

僧侶「はいってきてるのわかります…はぁ、ハァー♥」

僧侶「奥がうずうずしますので…たくさんごしごしして、塗ってくださいっ」

頼まれるがままに膣内を指で擦り、刺激を与えながら薬を塗っていく。
ユッカとちがいざらざらとした発達した膣ヒダの感触が気持ちいい。
指がこのまま飲み込まれて溶かされてしまいそうだ。


僧侶「だれにも…さわられたことないんですよ。みられたことも♥」

傭兵「わかってる」

僧侶「最初はソル様がよくて、ソル様しか考えられなくって。とってるんですよ♥」

傭兵「…わかった。もうすぐ終わるからね」

僧侶「…むー」



ヒーラちゃんはふてくされた声を出し、ふいに足を閉じて俺の手首をふとももで挟み込んだ。

傭兵「あ、こらっ」

僧侶「うふふ…お薬ぬったからおしまいなんていわないでくださいね」

僧侶「このまま…もうすこし」

手首が固定されて動かせない。
いや力を出せば抜け出すことなど用意なのだが、下手に動くと膣を傷つけてしまうおそれがある。
諦めていわれたままに指の付け根から先だけを動かし、膣内に快楽をあたえていくことにした。

ちゅくりちゅくりと膣液のかきまわされる音が漏れる。


僧侶「ん……はぁ♥」

僧侶「そこ…ですっ」

僧侶「あっ、やっ…ん。ソル様の指が…小気味良くうごいてて…こりこり、ごしごし♥ されちゃってます」

僧侶「中をさわってもらうのってこんなに気持ちいいんですね…♥」

僧侶「あんっ、その辺…っ♥ すきっ」

僧侶「癖になっちゃうかも…♥ いつもは下着越しにアソコをすりすりするだけだったので」



傭兵「ヒーラちゃんエッチすぎる…」

僧侶「はい…えっちな子なんです」

僧侶「幻滅しましたか」

傭兵「…いいや。ちょっとイメージはかわったけど」


見上げるとヒーラちゃんは潤んだきらきらした目で見つめ返してきた。
口元を抑えなにか堪えるような表情をしている。
もう限界は近いようだ。
指を動かすスピードをあげ、激しく膣壁を擦り上げ愛撫し、そのときをまった。

 ちゅくちゅくちゅくちゅく
   ちゅくちゅくちゅくちゅくちゅく

僧侶「んっ、んっ♥ んっ!」

僧侶「あぁっ…ソル…さまっ♥」

  ちゅくちゅくちゅく
  ちゅくちゅくちゅくちゅく

僧侶「そこがいいのっ…すきですっソル様すきっ」

僧侶「あっ、あっ! あああっ…んっ…んんんっ♥」

僧侶「いく…イクっ、イチャ…う」

僧侶「あぁぁ~~っ♥!! イック…ううぅっ♥」


ぴくりと脚がもちあがり膣内がぎゅうぎゅうと脈動する。
指をひきぬくと多量の愛液が溢れだした。
どうやら無事達することができたようだ。血もでていない。
俺はほっと胸を撫で下ろした。


僧侶「はぁ…ハァ…♥」



傭兵「終わったよ」

僧侶「…はい♥ ありがとうございました」

僧侶「こんな破廉恥なことに付きあわせてしまって申し訳ないです」

すこしは思考が正常になったのか、ヒーラちゃんは下着で顔を半分隠しながら恥ずかしそうに小さな声で謝罪した。
俺は付着した汁を片付けて帰り支度をはじめる。

傭兵「まぁ…大胆だったな」

僧侶「うぅう…」

傭兵「いや、ヒーラちゃんの素直な一面がみられて嬉しかったよ」

自分にここまで心をひらいてくれていたことが純粋に嬉しかった。
オナニーのおかずにされていたという事実はさすがにびっくりしたが、相手がヒーラちゃんならそこまで嫌な気はしない。

傭兵「さて帰ろうか」

僧侶「…」

傭兵「まだ帰りたくないの?」

僧侶「だ、だって…」

僧侶「私だけ、こんな…」チラ



傭兵「参ったな…」

ヒーラちゃんが裸体をさらしたときからすでに俺の股間は大きく膨らんでいた。
そこへと集まる視線を感じる。
無理もない。
あまつさえ陰部を間近に見て触ってあんな声をきかされて、これで何事もなく萎んでいたらまさに不能というものだ。


僧侶「へいきですか…?」

僧侶「男の人はアソコが張ると痛いとききますが」

傭兵「痛くはないけど…」

僧侶「このままで任務に支障でませんか?」

傭兵「いやいや…」

わかっている。
この子は見たいのだ。
単純に俺のペニスを見たがっている。
私も見せたのだからさぁあなたもといった期待にみちた視線が突き刺さる。

傭兵「ヒーラちゃんにこんなことさせるわけにはいかないなぁという気持ちがあってさ」

僧侶「平気です。私のせいですから…ふふ」



傭兵「もうすきにしてくれ」

押しに負けた俺は、するりとズボンを脱ぎ捨てて下半身を放り出す。

僧侶「わっ…」

僧侶「こ、これがソル様の…。おっきい」

傭兵「…」

僧侶「これ…ユッカ様に入るんですか?」

傭兵「…その話はちょっと」

僧侶「はぁすごい…」

ヒーラちゃんはうっとりした目で俺のペニスを見つめ、そっとしなやかな指先で包み込むように触れてきた。

傭兵「うおっ」

僧侶「あつくて、びくびくってしてて…かたいですね」

僧侶「これが夢にまでみたソル様の…えへへ」

傭兵「お、おい」

僧侶「素敵…」

ヒーラちゃんはそっとカリに頬ずりしたあと遠慮もなく裏筋に舌を這わせる。
ねろりとしたあたたかい感触に俺の身体はついピクリと跳ね上がった。

傭兵(一体どこでそんなの覚えてきたんだ)



それからしばらく彼女は俺の陰茎を小さく舐め続けた。
その稚拙ながらも献身的な舌使いにより一層の興奮を覚える。

僧侶「またぴくってしましたよ。ここが弱いんですか?」

僧侶「きもちいいですか?」

僧侶「…」チロチロ

僧侶「ユッカ様に入ったおちんちん…あむ…ちゅ♥」

僧侶「いまは私のものです…ちゅ、ちゅぅ」

傭兵(いまおもえば、今朝からのあのおかしな態度はあれは嫉妬だったんだろうか)

傭兵(悪いことをした。まさかヒーラちゃんがそこまで俺のことを想っているとは思わなかったんだ)

傭兵(こんな可愛い子に慕われて、俺は幸せもんだな)

僧侶「このままつづけたら射精できますか?」

傭兵「あ、あぁ…できれば竿のほうをこすってほしいんだけど」

僧侶「わかりましたそうします」


  しゅ…しゅ…

僧侶「こうですか…? えへへ…あむ、ちゅ」

傭兵(ヒーラちゃん…こんなのバレたら君の父親に俺消し炭にされてしまいそうだ)



僧侶「大好きです…すんすんいい匂い」

 しゅ しゅ しゅ
  しゅっしゅっしゅっ

ヒーラちゃんは指で輪っかを作りリズムよく陰茎を擦る。
ときどき溢れる我慢汁を舌で舐めとってから、また何度も何度も擦り続ける。

僧侶「射精してくださいね」

傭兵「う…」

そんな甘い声で促されると我慢が効かない。
だんだんと熱いものが登ってくる感じがした。

 しゅっしゅっしゅっ
  しゅしゅしゅしゅ

僧侶「出してください。ソル様が射精するところ見たいです」

僧侶「しゅっしゅっ♪」

傭兵「う…くぅ、あ」

僧侶「うふふ。ソル様のお声が可愛い」

傭兵「で、でるっ、でそうだ。離れて」

僧侶「ちゃんと手でキャッチしますから」

傭兵「いや無理だ…俺は多いからったぶん君の予想よりっ! あっ、イ」



僧侶「いっちゃってください♪」

 しゅっ――――


傭兵「くっ…うっあ、ああっ!」


ヒーラちゃんの手の中でペニスが大きく跳ねる。
俺は快楽に飲み込まれ、ヒーラちゃんの細い指を汚すようにどくどくと濃厚な精液をぶちまけてしまった。
案の定収まりきらずこぼれた精液が足元へたれ床にしみを作る。


僧侶「つらいのやっとでましたね…」

僧侶「よかった…ソル様がきもちよくなれて」

僧侶「こ、これでおあいこですよね。えへへ」

満面の笑みを浮かべるヒーラちゃん。その手は俺の出した白い液でべったりと汚されている。
すぐに布で拭わずにそのまま手をあちこち動かしたせいで、精液は胸へふとももへとさらに垂れ落ちていく。
そんな姿はもはや聖職者とは程遠い淫靡で美しいものだった。


傭兵「あぁ…そうだな。あおいこだ」

傭兵「ヒーラちゃんがすっきりできたなら良かった」

僧侶「うふふ。恥ずかしかったけど、楽しかったです」

傭兵「そういってもらえてないよりだ」

傭兵「さぁ片付けようか」

傭兵「俺は任務がある」

僧侶「あっ、そ、そうですね! ほんとにごめんなさい私なんかに構ってもらって」

傭兵「いいんだよ。ヒーラちゃんはなによりも大切な仲間…いや、大切な女の子だから」

僧侶「…えへへ。嬉しいです…」

傭兵「でもこれからは気をつけるように」

僧侶「…はい」

傭兵「うかつに路地裏に入ったりしない。自分の力を過信しない。念のため聖杖を持ち歩くこと」

僧侶「お父様みたい」

傭兵「…」

傭兵「そりゃ君がまだこんなだったころから知ってるんだから心配にもなるよ」

僧侶「そんな小さくありませんでした!」

傭兵「あぁ、たしかに胸は立派だったな!」

僧侶「もうっ!!」

僧侶「…はっ!きゃっ?! 見ちゃヤです」

いまさら自分が素っ裸でいることを思い出しヒーラちゃんは羞恥に顔を染めおおきな胸を隠す。
しかし腕のあいだからこぼれ、乳首の先端が見えてしまい余計にいやらしく感じた。

傭兵「残念。とっくに網膜に焼き付いてるよ。ぷにぷにしてやわらかそうなおっぱいだ」

傭兵「今度さわらせてね」

僧侶「むー…・…うふふ。そうやって軽口きくソル様が大好きです」

傭兵「俺もヒーラちゃんの事好きだよ。護りたいって思ってる。この身に変えても」


俺たちは見つめ合った後、どちらからともなく唇を重ねた。


第10話<運命>つづく

今日の更新おわり
次回あす朝10:00~+夜21:00~(予定は未定)

第10話<運命>つづき



【獣人マオの商店】<晩>


僧侶「~♪ ~♪♪」トントントン


勇者「ねぇなんだかヒーラご機嫌じゃない?」

魔女「包丁さばきがいつにもまして良い」

勇者「なにかあったのかな?」

魔女「きいてくる」


魔女「ねぇ」クイクイ

僧侶「~♪ あれマナちゃんお腹すいちゃいました? いまから焼くのでもうちょっと待ってくださいね~♪」

魔女「デートできた?」

僧侶「え? うふふ…さぁどうでしょうね」

僧侶(キス…キスしちゃった♪)

僧侶(あれってもう恋人同士ってことですよね…? えへへ)

魔女「そう…」


勇者「どうだった」

魔女「今晩は豚肉の野菜炒め。にんじん多め」

勇者「え~~。なにを探りに行ったのさ」



傭兵「よぉ戻ったぞ」

勇者「お帰り!」

傭兵「腹減ったなぁ。飯なに?」

僧侶「おかえりなさ~い♪ もうすぐできますからね~」

傭兵「おーヒーラちゃん。いつみてもエプロン姿かわいいな」

僧侶「うふふお上手なんですから。いっぱい作ったのでお腹いっぱいたべてくださいね」

勇者「む…むむむ」

魔女(うまくいったのかもしれない)



<食事中>


勇者「…はむ、はむ」チラ

勇者「…」ヒョイ

傭兵「おいこら。にんじん移すな食べろ」

勇者「いらない」ヒョイ

傭兵「こら! おま…押し付けんな」

僧侶「好き嫌いせず食べなきゃだめですよ~。おおきくなれませんよ」

獣の商人「せやでユッカはん。ソルはんを見習わな」

傭兵「俺?」

獣の商人「目の前に出されたもんはなんでも食べるのが性分やろ?」ジトー

傭兵「…あ?」

勇者「…」ヒョイ


傭兵「ったく。ほれ、返すぞ。あーん」

勇者「うあーん…んむ…」

僧侶「食べられるじゃないですか。はい、あーん」

勇者「うううう…」

魔女「私のもあげる。口開けて」スッ

勇者「はむ……ってそれはどさくさ紛れでしょ! マナも食べなきゃだめだよ!」

傭兵「ユッカとマナどっちが大きくなるか勝負だな」

勇者「やっぱりソルは色々おっきい子のほうがいいの?」

傭兵「え?」

僧侶「ほんとはちっちゃい子のほうが好きなんですよね?」

傭兵「うーん。見た目よりはまず人間性によるというか…」

獣の商人「なんやあんた、何でもござれやな」

傭兵「だからお前は無し」


獣の商人「ひどい! よううら若き乙女にそんなこと言えるわ!」

傭兵「うら若きって…お前は何歳なんだ」

獣の商人「うぐ…」

僧侶「ソル様! だめですよ」

魔女「女性にむやみに年齢を聞くのはノーグッド…らしい」

勇者「そうだよそうだよ! デリカシーがないよ!」

獣の商人「あんたらにフォローされるとよっぽどまいるわ…」

傭兵「で、何歳なんだ? 獣人族は見た目じゃいまいちわからないんだよな」

傭兵「これだけ薬の知識を蓄えてるってことは見た目通りの年齢とは思えないんだよな」

獣の商人「尻尾の先が3つに割れてるとこで察してや…」

勇者「かわいいよね! ボクも尻尾ほしかったな」さわさわ

獣の商人「おおきに…」

獣の商人「明日は猫耳としっぽ付きの衣装用意してるから着たってや」

勇者「ほんと? やったぁ。毎日違う服をきるのが楽しみなんだ」

傭兵「なんでそんな服があるんだ」

獣の商人「目の保養になるやろ? ソルはんも毎朝楽しみやろ? なんなら夜にも貸出したろか!?」

傭兵「お前のそういうとこがなぁ…」

獣の商人「なんなんその顔」



【男部屋】


傭兵「さて、寝るか…」

傭兵「今日はだれもこねぇな」

傭兵「ま、先にベッド潜って待っとくか…」

傭兵(って何を楽しみにしてるんだ俺は)

傭兵「すっかりベッドで寝るのが普通になっちまったなぁ」

傭兵「こりゃ馬車旅に戻るのがキツそうだ」



  ・  ・  ・


カチャ…

傭兵(きたか)

トコトコ

傭兵(きたきた。さて今日はだれかな)


もぞりもぞり…ギュー…

傭兵(お、この大胆な抱きつきっぷり!)

傭兵(この小さな胸!)ふにふに

傭兵(そしてこの匂い…ん? まぁいい)

傭兵「さてはユッカだな~このやろー」コチョコチョさすりさすり

魔女「残念私です」

傭兵「うおあ! マナかよ…わ、悪い遠慮もなくさわっちまった」

魔女「いい。さわりたければどうぞ。胸でも脚でも私は気にしない」



傭兵「ほんとすまん」

魔女「気にしないで」

傭兵(まさか抱きついてくるとは思わなかった…)

魔女「…」ギュ

傭兵「寝るか?」

魔女「すこしだけ話がしたい」

傭兵「いいけど…」

魔女「今日ヒーラとセックスしたの?」

傭兵「ごほっ、ごほっ…」

魔女「つばが」

傭兵「悪い…。してません」

魔女「セックスしてないの? どんなことをした?」

傭兵「セックスとかいうなこのー」グニグニ

魔女「いひゃい…はなひてほひい」

傭兵「どこでそんな言葉覚えたんだ…ったく。ヒーラちゃんといい、最近の若い子は」

魔女「おじいちゃんと暮らしていた家にはたくさんの文献や医学書があった」

傭兵「あぁそう。勉強熱心だったんだな」

魔女「それしかやることがなかったから」


魔女「他にもおじいちゃんの部屋には決して読んではいけないと言われる禁断の書もたくさんあった」

傭兵(禁術か…)

魔女「私がこっそり手に取ろうとするとすごく怒る」

魔女「私と森へ移るときに王宮からたくさん持ちだしたらしい」

傭兵「何かやばい魔法でも書いてあるのか…?」

魔女「わからない。私が手にとった本の表紙には『堕ちた若妻~昼下がりの情事~旦那様ごめんなさい』と書いてあった…」

魔女「きっと女性を堕落させる危険な魔法…恐ろしい」

傭兵「ただのエロ本だろ!!」

魔女「エロ…本……」

傭兵「あんのじいさん…」

魔女「エロ本とはつまり」

傭兵「…やべ。おやすみマナ」

魔女「寝ちゃダメ」ゆさゆさ

傭兵「…」


魔女「おしえて。私は知りたいことがたくさんある」

魔女「セックスとは本当はどんなことをするの。男性器を女性器に挿入し射精すると書かれただけはわからない」

傭兵(無視無視無視…)

魔女「わからないことだらけでもやもやする…」

傭兵(しとけ)

魔女「できれば今度みせてほしい」

傭兵「みせるか!!」グリグリグリ



魔女「いたい」

傭兵「お前が悪い」

魔女「でも昨晩ユッカとセックスしたでしょ?」

傭兵「…し、したけどなんだよ見せねーぞ」

魔女「ユッカはセックスのことを知っている。私はしらない…教えてもらえない」

傭兵「お前みたいな歳の子においそれと教えてたら捕まるぜ…」

魔女「狭量な人。器の小さい人」

傭兵「なんで言い直したんだよ!」


魔女「私は知的欲求からセックスという行為をしりたいだけなのに」

傭兵「そんな欲求すててしまえ。お前にはまだ早い」

魔女「早くない。いまごろヒーラとユッカも隣でセックスしてる」

傭兵「…え?」


< うあーん…あーん

< や め てよぉ~


傭兵「…あれはセックスと言うより一方的にヒーラちゃんがユッカを愛でてるだけのような」

魔女「確かにどちらにも男性器がない。あれはセックスじゃない気がする」

魔女「だから唯一の男性であるあなたからしか教えてもらうことはできない」ずいっ

傭兵「…」

魔女「…」ずいっ

傭兵(近い…)

傭兵「……あーもう。わかったお前ちょっと溜まってるんだろ。だからムラムラしてんだ」

魔女「溜まっている…? おしっこは寝る前にすました」

傭兵「ちゃ、ちゃんと自慰してるか? お前くらいの歳の子なら…したほうがいいぞ」モニョモニョ

魔女「…自慰。オナニー?」

傭兵「お、おう…」

傭兵(今日はよくオナニーという言葉を耳にするなぁ。おかしな日もあったもんだ…)


魔女「昨日しようとした」

傭兵「もしかして…ヒーラちゃんと? そんなこと言ってたような…」

魔女「…」コク

魔女「でも私は失敗した」

魔女「ジャストフィットする机の角がないとうまくできない…」

傭兵「う…知らん」

魔女「オナニーがうまくできない。やり方がわからない」

魔女「陰部を指で刺激する…だけのはずなのに」

傭兵「うーん。それはお前にまだ性的興奮がきてないからじゃないか?」

傭兵「気分が盛り上がらないとできないんだよ」

傭兵「例えば何かおかずがあったりとか」

魔女「おかず?」

傭兵「オナニーの気分をもりあげる妄想な。お前はエッチな妄想したりすんのか。ないだろうけど…」

魔女「エッチな妄想……ある。けどいまは妄想じゃない」

傭兵「え」

魔女「今ここにある現実。私はあなたの腕の中にいる」ギュ

魔女「それはすごくエッチなこと。おそらくそうだと…私の身体が告げている」

魔女「こんなに脈が速くなることはない。これがエッチな気分」ジー

傭兵「…ぉ、男慣れしてないからだな! ははは…」


魔女「だからここでオナニーしたらきっとうまくいく」

傭兵「やめてくれ」

魔女「いや…?」

傭兵「いやというか。道徳的にまずい。俺もイイ大人なんでね」

魔女「ならそのイイ大人にお願いがある」

傭兵(ほんとあー言えばこう言う…こんなやつだったのか)

魔女「私に正しいオナニーを教えて?」

傭兵「……」

傭兵(こんな顔で言われちゃあな…)

  『目の前に出されたもんはなんでも食べるのが性分やろ?』

傭兵「…」イラッ

傭兵(食べるわけじゃないんだからな!)

傭兵(マナの今後のために教えてやるだけだ…そうこれはただの性教育)

傭兵(こいつは小さい頃から周りの大人に恵まれなかったから。誰かに教えを乞う機会がなかったんだ)

傭兵(せめて旅の間に…俺なんかに頼ってくれるなら!)

魔女「?」

傭兵(うおおマナ! 俺が教えてやる!!) 

魔女「はやくオナニーしたい」

傭兵(なんか気が失せてきたな……)



傭兵「じゃあまず…アソコ…女性器のことから知っていこうか」

魔女「知ってる。予習済み」

傭兵「ほんとか?」

魔女「うん」

傭兵「…」

傭兵「自分で触ってみろ」

魔女「だめ。昨日はそれで失敗した」

魔女「まずどこを触るかおしえてほしい」

魔女「手を貸して」グイ

傭兵「うわっ」


布団の中で突然マナに手を握られ、無理やり股間へとあてがわれる。
パジャマ越しにマナの熱くなった体温が伝わってくる。

傭兵「な、なにして…」

魔女「あなたが触ってまずは手本をみせてほしい」

魔女「正しく触るときもちいいんでしょ?」

傭兵「それはまずいです」

制止を聞かずそのままマナは俺の手を下着の中に招き入れ、自らの恥部をさわらせる。
指で感じる何も生えていないつるつるとした恥丘と、さらにその下のはっきりとした割れ目。
マナはほぅっと小さく熱い吐息を漏らし、再び俺の方を見つめてこの先を待っていた。

傭兵「ぎゃーお前なにしてんだ」

魔女「おしえてほしい…」



傭兵「…こういう手はずじゃなかったのに」

魔女「気にしないで」

傭兵「他人にさわられて嫌じゃないのか?」

魔女「あなただから嫌じゃない」

傭兵(そんな可愛いこといわないでくれぇええ!)

魔女「さわって」

傭兵(しかたない。もうしなきゃこいつのコレは収まらないだろうな)

傭兵「わかった。性教育の時間だ」

傭兵「本当に予習が十分なら、してやる」

魔女「…」コクコク

傭兵「俺がいまから触るとこの名称を言ってみろ。わからないならお前にはまだ早い」

魔女「…」

傭兵「まずはここを」

俺は少しだけ指で割れ目をなぞった後、探るようにそれをこじ開け、中にある未発達の肉ヒダに触れた。

魔女「!」

マナは驚いて身体をぴくりと跳ねさせる。
一瞬目を大きく見開いたが、すぐ何事もなかったようにいつもの無表情に戻ってしまった。

傭兵「これは?」

魔女「わ、わからない…」

ちろちろと小刻みに指先を動かし左右の肉ヒダをくすぐる。

魔女「んっ…なに、この感覚は」


傭兵「さぁ何だと思う? あてられたら次だ」

魔女「……たぶん、小陰唇」

傭兵「しってるんだな」

魔女「うん…医学書で…んぅっ」

傭兵「ちょっと刺激が強いかな」

傭兵「でもマナ、すこしだけしっとりしてきたな」

魔女「…? おもらし?」

傭兵「ちがう。刺激に対して保護液のようなものが中から出るんだ」

傭兵「だから濡れてるのは、いいことなんだぞ」

魔女「そ、そう…なの?」

傭兵「これがたくさん出てないとスムーズな挿入ができない」

魔女「…もっと出したい」

傭兵「じゃあ気持よくなろうな。次はここ」

陰唇を少しのぼったところにある小さな豆に触れる。
刺激が強すぎたせいかマナは顔をしかめて、また小さく息を漏らした。


魔女「これは…い、陰核」

傭兵「マナのクリトリス。ほんとはしっかり剥いて中をもっと触ったほうがいいんだけど」

傭兵「未発達なマナには痛いかもしれないからやめておくな」

魔女「…」コクッ コクッ

傭兵「次はもっと奥を触るぞ」


陰唇を開き、さらに奥にあるすぼんだ穴の入り口に指の腹を当てる。
ちゅくりとした湿った感触。
目視したわけではないが、穴は嬉しそうにヒクヒク動いているように感じた。

傭兵「ここは?」

魔女「…おしっこの穴」

傭兵「違う。それはこっち」

魔女「う…んひゅ」

傭兵「おしっこは今触った時の少し上のここ。ここからマナのおしっこが出てくる」

魔女「わかった…ソルはよく見ないでわかるね」

傭兵「……」

傭兵(ここ数日で触り慣れたとはいえねーわな…)

傭兵「この穴はなんでしょうか?」

再び膣穴に触れ、ぷにぷにとした感触を楽しみながらマナの反応をうかがう。
眠気も来ているのかすでに目はトロンとしていて、熱っぽい視線を俺に向けながら息を荒くしている。



魔女「ち、膣…の穴」

傭兵「そうだな。何するところだ」

魔女「…赤ちゃんがでてくる」

傭兵「それと?」

魔女「ペニスを挿れて…射精をしてもう…とこ?」

傭兵「正解。いつかマナもここにペニスを入れてもらって赤ちゃんをつくるんだぞ」

魔女「…そ、そう」

魔女「ここにあなたのペニスが」

傭兵「えっ」

魔女「違うの?」

傭兵「そ、それはどうかな…。どうなるかはお前の人生次第だ」

傭兵「とりあえず女の子のアソコはこんな感じで、触るときもちがいいんだ」

傭兵「マナは机でオナニーするって言ってたな。だからまだちゃんと直に触ったことがないだろ?」

傭兵「次は自分で触ってみろ」

魔女「…わかった」


下着から手を引き抜く。
さきほどまで触っていた指先にはねろりとした粘っこい愛液がまとわりついていた。

マナは不安げに俺をみつめたあと、もぞもぞと手を動かし自分の下着に指を潜り込ませている。

魔女「ん……ここ、湿ってる」



傭兵「…ど、どうだ?」

魔女「わからないけど。このまましてたら気持ちよくなれそう」

傭兵「…そうか。じゃあ続けろ。俺は…寝るから…」

魔女「見ててくれないの?」

傭兵「ぐ…見ててほしいのか? こんなことしちまって恥ずかしくないか?」

魔女「平気。あなただから」

傭兵「だからそれやめてくれよぉ…俺が恥ずかしくなる…」

魔女「どうして? 大切な人に見られながらオナニーするのはきもちいい」

魔女「んっ…ん…これっ、んっ」

魔女「すごく…刺激がある…んぅ! あっ…」

傭兵(マナもこんなエロい声でるんだな)

魔女「抱っこして…んっ、うっ、んっ」

傭兵「わかった」

たどたどしく自慰にふけるマナをそっと抱き寄せて頭を撫でる。

魔女「あっ…♥ んっ、きもち…いい」



その後しばらくして、マナの背がぶるりと震えた。
はぁはぁと荒い息遣いが聞こえる。
どうやら無事絶頂に達したようだ。

マナは俺の胸にしがみついて息を整え寝りにつく体勢に入った。


傭兵「このまま寝るのか?」

魔女「私はあなたの腕の中が一番幸せ」

傭兵「だからそれ恥ずかしいって…」

魔女「あなたは私の力で傷つかない…私が唯一安堵できる存在」

魔女「あなたと出会ったのはきっと運命」

魔女「もう私は誰も傷つけなくていい。そうおもえるから…」

魔女「だからこのまま抱いていて欲しい…」

傭兵「…おやすみマナ」

魔女「おやすみなさい」

この子は産まれた時から呪われた運命を背負って生きてきた。
いままで一体どんな苦しい目にあってきたのだろう。俺には想像もつかないほどの苦悩があったはずだ。

眠りについた少女の寝顔を覗きこむ。
その寝顔はいつものむっつりとした表情からは想像もできないくらいとても安らかなものだった。
俺は少しだけマナを愛しく感じ、強く抱きしめてまぶたを閉じた。



<その頃>

【バザの街・古びた倉庫】


ローブの男「運命の時は近い」

ローブの男「お前も早く外に出たいだろう」

星の模様の卵「…」コト コト

ローブの男「復讐を果たせ。あの剣士はお前の同胞の命をうばったのだ」

ローブの男「そして我々の目標である少女もここにいる。なんという巡りあわせか」

ローブの男「ふふ人間どもよ。せいぜい残りわずかな祭りを楽しむといい」



第10話<運命>おわり

昼の更新おわり。つづきは夜に


第11話<目醒めを待つ者>


<バザー5日目>


勇者「いってらっしゃーい」

僧侶「いってらっしゃいませ」

魔女「…いってらっしゃい」フリフリ

僧侶「珍しいですね。マナちゃんがお見送りにくるなんて。いつもは起きてすぐお薬の研究に没頭しちゃうのに」

傭兵「いってくるわ」

獣の商人「よっしゃみんな今日も1日がんばるで! 残るも今日あすあさってでバザーも終了や!」

獣の商人「残された時間、稼ぎに稼ぎまくるで!」

勇者「おー!」

魔女「…おー」

獣の商人「なんやえらいやる気やな!!」

獣の商人「せや! カレンダーでは明日がマナはんがデートの日やな。そんでうきうきなんやな?」

魔女「ちがうけど」

獣の商人「そんなこというて口元笑とるで~」ツンツン

魔女「…そんなはずは」

勇者「ボクももう一回デートした~い!」

獣の商人「今日明日の売上次第で最終日休みにしてもええで~」

勇者「ほんと? わーいがんばっちゃお!」


獣の商人「そんで本日のサプライズ! じゃじゃ~ん、見てみて! なんと今日はこのきわどい水着で接客を」

勇者「やだ」
僧侶「お断りします」
魔女「勝手に着れば」
傭兵「摘発する」

獣の商人「ひどい…。ていうかあんたはよ行きーや」シッシ

傭兵「目光らせとくからな」

獣の商人「…はい」



【兵士詰め所】


盗賊「毎日ご苦労なこったね」

傭兵「…」

盗賊「なにさ。あたしなんかにかまってるよりさっさと卵探しにいけば?」

盗賊「はんっ、所詮下っ端使いしかできない無能なお役人様ってとこかい」

傭兵「お前そんなツンケンしなくても。なんもしねーからおとなしくしてりゃいいんだって」

傭兵「卵はまぁ全力で探すさ」

傭兵「その前にまだ聞きたいことがあってな」

盗賊「答えるとでも?」

傭兵「答えないとでも?」サワサワ

盗賊「ひゃうっ…あ、ダメダメ、やめろって! ぐ…ふふ、わかったからぁ…」



傭兵「取引したという場所には行ってみたが何も痕跡は無かった」

傭兵「他に行きそうな心当たりは?」

盗賊「無いね。別にあたしたち街の人間じゃないし」


傭兵「孵化寸前の竜の卵となれば相当な大きさのはずだ」

傭兵「卵は荷馬車で持ち込んだんだよな?」

盗賊「そうだよ。おもったくってさぁ。殻もあっついしほんと大変だったんだから」

傭兵「街中の大きな荷台の検閲は行っているがそれらしいものは報告になかった」

傭兵「どこかにすでに運び込まれたか…」

隊長「空き屋や空き倉庫等の捜索はすでに開始しています」

隊長「ですが数が膨大で、そこまでとなると我々だけでは手も足りず、また土地勘ある人間もこの臨時部隊には少ないので難航しています」

傭兵「そうだな…」

傭兵「そうだ。あいつらを使ってみるか」

  



  ・  ・  ・


荒くれA「俺たちが助っ人に?」

荒くれB「知らぬ間にそんなやべーことになってるなんて…竜なんて震えるぜ…」

傭兵「お前たち仲間はいるか?」

荒くれA「へいそりゃアゴで使える荒くれどもなら山といますけどね」

荒くれB「俺たちは一応この街のナンバー1,2ですから。あ、大兄貴が来たからいまは2,3ですけどねぇ」

傭兵「ギルドを通して報酬を出す。なるべく人数を動員してくれ」

荒くれA「わかりました! 卵の捜索は俺たちにまかせてください!」

荒くれB「必ず見つけ出して叩き割ってやります!」

傭兵「頼んだ。が、無茶はするな」

傭兵「必ず卵を守っている奴らがいるはずだ。無駄な交戦はさけ報告を優先しろ」

荒くれA「はい。大兄貴の言うとおりに」


隊長「…街の荒くれどもといつの間に。彼らは我々正規隊のいうことすら聞かない無法者でしたが…たいしたものです」

傭兵「まぁ…ちょっとな…」

傭兵「よし、お前は兵舎にて報告を待て。俺は今日も自分の足で回る」

隊長「わかりました。ご武運を」

傭兵(仮に卵が見つかっても、そう簡単に破壊できるとは思えねぇ)

傭兵(マントルドラゴンの危険性を知っていて、あえてこんな街中で取引する人間なんてこの世にどれだけいるってんだ)

傭兵(相当な手練か…もしくは)



<夕刻>


【バザの街北・古びた倉庫】


盗賊の頭「おお…また動いてやがる」

盗賊の幹部「こりゃいよいよって感じですかね」

ローブの男「…」

ローブの男(さぁ。まもなく始まる。私の悲願)

ローブの男(必ず彼の方をこの世に蘇らせ…我らが世界の覇権を)

ローブの男(そして人間どもに悪夢の鎌を突きつけよう)

盗賊の頭「これ、本当ににうまれたら例の追加報酬とやらをだすんだろうな?」

ローブの男「あぁ提示通りに支払う」

盗賊の幹部「へへ。嫌とはいわせねぇぜ」チャキ

盗賊の頭「このバカデケェ卵から何が生まれるか知らねぇが、裏切ったら生まれたてのベイビーもろともあの世行きだ」

盗賊の幹部「俺たちのアジトにあんな脅迫めいた怪文を送りつけておいて。こっちはただでさえてめぇにイライラしてんだ」ニヤニヤ

ローブの男「取引には応じる」

ローブの男「む…」

盗賊の頭「うお、なんだ! 星の模様がひかってやがる」

盗賊の幹部「あちぃ! 頭、ここにはいられませんぜ」

ローブの男「確認するのではないのか」



盗賊の幹部「か、頭! 殻にヒビが!」

盗賊の頭「きたーきたきた! よぉし沸かしたお湯とタオルをもってこぉい!」

盗賊の幹部「へい!」

ローブの男「不要だ。ヒナとはいえすぐに自立できるくらいに発達した種だ」

 ピシ…ピシ…


盗賊の頭「あちぃ! まるで炎が吹き出てるみてぇだ!」

盗賊の頭「あんたは熱くねーのか」

ローブの男(ろくな魔力も持たぬもろい人間どもよ)

ローブの男(貴様たちには礎となってもらおう)

ローブの男「さぁ生まれてこいマントルドラゴン。この世の憎しみを背負いお前は生まれ堕ちた」

ローブの男「餌はすぐここにある。喰らえ」

盗賊の頭「何だ…このバケモンは…鳥? いやちげぇ…ドラゴンって言いやがったか!?」

盗賊の幹部「か、頭…こいつぁ…やば――――」

盗賊の頭「ひっ、ひぃーー――」



  ・  ・  ・


幼竜「がじゅっ、がじゅっ」グチュ グチュ

盗賊の頭「…にげ…ろ…」

幼竜「きゅー」

幼竜「がじゅっ、がじゅっ!」グチュ パクパク

ローブの男「うまいか? しっかり血肉の味をおぼえるといい。それがお前の今後の餌だ」

ローブの男「すぐに飛べるな。これだけ大きな翼だ」ナデナデ

幼竜「きゅー」

ローブの男「そして素晴らしい鱗の鋼殻だ。育てばさらに堅牢になる」

ローブの男「お前は我らが王を守る盾となるのだ」

幼竜「きゅー」

ローブの男「その程度ではまだ食い足りないだろう」

ローブの男「だが街にはいくらでもお前の餌がいる」

ローブの男「そしてお前の母竜を殺め、私の計画に水を差したあの男もな」

ローブの男「さぁ行こう。魔王様の復活へと…我々の野望が再び始まる時が来た!」

幼竜「ぎゅうう」バサッ バサッ



【獣人マオの商店】


勇者「!」ビリッ

勇者(なんだろう…この感じ)

客「おーいユッカちゃぁん。薬湯まだかよぉ」

勇者「…」

僧侶「ユッカ様? はぁーいいまお持ちしますね」

客「おおヒーラちゃんがきてくれるなんて嬉しいなぁ。こりゃ毎日通っちゃうよグフフ」

僧侶「はいはい。ちゃんとお体お大事に!」


魔女「…ユッカあなたも感じたの」

勇者「うん…ソルの言ってたとおりだ。なにか大きなモノがいる」

魔女「私にも伝わってきた。これはきっと…よくないモノ」

勇者「魔物…?」

獣の商人「どうしたんユッカはんもマナはんも。手とまってんで」

勇者「ごめん。ちょっとだけ出てくる!」

獣の商人「えー。稼ぎ時や言うてるのに…」



【バザの街・中央広場】



広場は騒然としていた。
突然あらわれた全長6メートルほどのドラゴン種が夕暮れに染まった空を力一杯旋回している。
ただ見つめ続けるもの、逃げ惑うもの、恐れて泣き喚くもの、さまざまな人達で街中はごった返し避難は困難を極めた。

無論、守備達を使って事前に危険を周知をしたがココ数日のお祭り気分に浮かれた人々が真摯に耳を傾けることはなかった。


隊長「ソル殿…あれが!」

傭兵「避難を急がせろ」

隊長「まだ小さいながらもなんて恐ろしい姿だ」

隊長「本当にアレが生まれたてなのですか!?」

傭兵「あぁ。成体になれば全長はゆうに30メートルは越える」

傭兵「被害も100人や200人じゃすまねぇ」

傭兵「村ひとつ、町一つ簡単に消えてしまう…!」



荒くれA「大兄貴! 大変ですぜ!」

荒くれA「伝令です! 卵の殻とおもわれるものが北の倉庫に。その側には…野盗のものと思われる服と道具が」

荒くれB「ってなんですかいアレ!」

傭兵「手遅れだった。卵の破壊は失敗。捜索は終了する。お前たちは町の人の避難誘導を頼む」

荒くれA「避難っつっても、どこへ行きゃあ…相手は空飛んでんですぜ」

傭兵「とにかくここから離れさせろ」

荒くれB「あいつずっとぐるぐる回ってますね」

隊長「襲ってこないのでしょうか…」

傭兵「…いや。腹は空かせているはず」

傭兵(待っているのか…。俺たちのことを)

荒くれA「とにかく逃げましょう!」

傭兵「あぁお前たちは行け。俺はまだ広場に残った人間を逃がす」

隊長「わかりました」



勇者「ソル!!」

傭兵「なっ、なんで来た」

勇者「ソルが言ってた気配って」

魔女「あれは翼竜…文献で見た。とても凶暴な生き物」

傭兵「逃げろ。巻き込まれる」

勇者「何いってるの! ボクは勇者で」

僧侶「私たちはその仲間です」

勇者「ヒーラちゃんまで」

勇者「戦おう。町の人たちを守らなくっちゃ!」

傭兵「…危険すぎる。うまれたての幼竜とは言え、仮にギルドクエストのランクにするとAは固い」

傭兵「それほどに強いドラゴンなんだ…わかってくれユッカ」

僧侶「戦ったことがあるんですか?」

傭兵「あれの成体とな。ちょうど4年ほど前の大遠征だ」

傭兵「国境にあらわれて町一つが消えた。俺たちはそれの討伐に駆り立てられ、およそ三ヶ月に渡る戦いを繰り広げた」

僧侶(4年前…じゃああの時のソル様はもしかして)

傭兵「騎士級の人間6人を含む2小隊……だが国に戻れたのはわずかだった」


傭兵「お前たちには早い! 下がれ!」

勇者「やだ!」

勇者「ボクの剣は…みんなを守るためにあるんだ。命に代えても戦うよ!」

傭兵「…く」

魔女「私も戦う。ここで逃げたらユッカの旅についてきた意味が無い」

僧侶「私もです」

傭兵「お前ら…」

傭兵「…わかった。だが無茶はするな、すこしでも恐怖を感じたら逃げろ」

傭兵「戦場で足手まといになるな」

勇者「うん」

傭兵「広場の中央にでるぞ。やつに補足されるが、俺達を囮にする」

傭兵「ヒーラちゃんは結界を張って避難を手伝ってあげてくれ。けが人がいたら救護も」

僧侶「は、はい!」

傭兵「ユッカは俺の後ろに。マナは後衛だ。魔法でサポートを」

魔女「…」コク

勇者「わかった」

傭兵(こいつらはいままでまともな戦闘経験を積んでいない。徐々にと先送りにしたツケがきたか…)

傭兵(頼む…俺に力を)



ローブの男「ふ…ようやく姿を現したか」

幼竜「ぎゅうう…」

ローブの男「少し下降しろ。私も奴に用があってな」

幼竜「ぎゅい!」


勇者「だんだん降りてくる…」

傭兵「すくむな。抜剣して脇を固めろ」

勇者「う、うん…」

魔女「硬化魔法をかけておいた。きっとやられても即死はしない」

勇者「どうかなぁ…あの鋭い牙と翼爪…あんなのに串刺しにされたら」

傭兵「来るぞ」

勇者「……あれ? 待って! 誰か背中に乗ってる!」

傭兵「あぁ」

傭兵「あのローブの男…あいつが首謀者か…」

ローブの男「クク」

傭兵「!」ゾク

傭兵(この気配。ここ数日感じていたものと同じ…やっぱりそうか)

傭兵「聞こえているか! 顔を見せろ!」

ローブの男「すぐに脱ぐさ。風に煽られて邪魔だったのでな」



幼竜を駆る男はローブを脱ぎ捨て、俺達に姿を晒した。
仮面には十字に刻まれた大きな傷跡。
たなびく長く美しい銀髪、頭部には禍々しい色の捻れた角。
その男は真紅に輝く装甲を纏い、分厚い剣を携えて俺たちのほうへ向き直る。


傭兵「闇の魔剣士…! 生きていたのか」

闇剣士「久々の再開だな」

傭兵「なぜだ。お前は俺たちが葬ったはず」

闇剣士「つくづく詰めの甘い男だ」

勇者「し、知り合い…? って雰囲気じゃなさそうだね…」

魔女「誰」

闇剣士「お初にお目にかかります」

闇剣士「私は闇の魔剣士。先祖代々魔王様に仕える剣」

闇剣士「以後お見しおきを」

勇者「魔王…!?」

闇剣士「勇者よ…貴様とは遠からぬ因縁が続いている」

傭兵「ユッカマナ!やっぱりお前達は下がれ」

魔女「ダメ」

勇者「やだよ! ソルとボクたちの敵なんでしょ!? やっつけなきゃ!」

闇剣士(む…この娘、混ざりものか。嫌な気配を持つ)



勇者「ソルは一度たおしてるんでしょ! だったら今度だってきっと」

傭兵「あの時とは戦力が違いすぎる」

闇剣士「…かつて王国守備隊の剣兵に鬼神有り。あの時の貴様は手ごわかったぞ」

闇剣士「だが今は、女子供に囲まれずいぶんと腑抜けた面をしているな」

傭兵「この顔はもとからだっての」

傭兵「てめぇこそ。悪趣味じゃねぇか意趣返しに町でこんなことをするなんて」

闇剣士「貴様ごとき人間のものさしで測らないでもらおう」

闇剣士「こいつには大量の血肉が必要なのだ。そして祭りで人の集まるこのバザは格好の餌場」

傭兵「そんなことさせねぇ…」

闇剣士「また貴様と殺しあう日が来るとは…フフフ」

幼竜「ぎゅう」

勇者「なんだか…すこし大きくなってるような」

闇剣士「こいつは大気中の魔力を吸収し、刻一刻とその姿を変え成長する」

闇剣士「さぁ食い殺せ! 目の前の男はお前の同胞を屠った仇である」

幼竜「グルルル…」


マントルドラゴンと目が合った。
奴は即座に急降下して、まだ幼いながらも巨大な口を開き鋭利な牙を向ける。



ユッカを腕で押しのけ下がらせる。

剣を構えるとまっすぐに幼竜は突進してきた。
牙を刃先でいなし、半身をねじって横へとなんとか逃れる。

着地も束の間、次は反転してきた幼竜の翼爪を刀身で受け止め、弾かれるように後ろへ避ける。


闇剣士「…ふはは。キレの無い動きだな」

闇剣士「かつての貴様ならいまのタイミングで同時に牙をへし折り翼膜を切り裂いていた」

傭兵「うるせぇ…高いとこから偉そうに」

闇剣士「ならば私が相手をしよう」


闇の魔剣士が大きな分厚い剣を腰から抜く。
対巨竜用の大剣だ。
俺の持っている長剣とは重量から違い、つばぜり合いなど出来たものではない。

闇剣士「真っ二つにしてやろう」

闇剣士「貴様の血肉を貪りドラゴンはさらに強くなる!」


1対2…あまりに分が悪い。
ユッカやマナはほとんど戦力にならないだろう。
後ろに控えるユッカを一瞥すると、剣をぎゅっと握りしめたまま怯えるような目で戦いを見つめていた。



重撃。巨大な剣が鈍い金属音を上げ俺の構える剣を打った。
腕に強いしびれが来る。
足のふんばりはきかず自然に跳ね飛ばされた俺は壁に強く身体を打ち付ける。

傭兵「…ってぇ」


すぐさま立ち上がり空を見上げる。
奴らは再びぐるぐると旋回し、攻撃の機会を伺っているようだ。


傭兵「連続で来ねぇ」

傭兵「あのドラゴン。まだそこまで自由自在に飛び回れるわけじゃないのか」

闇剣士「くく…いまのお前ではそれでも歯がたたないだろう」

闇剣士「だが相変わらずその剣は一級品だ」

闇剣士「私の斬撃とドラゴンの速度を上乗せして、へし折れることもなく主人を守ったのだからな」

傭兵「褒めたってなにもでねぇぜ」

闇剣士「行くぞ」

幼竜は再び俺に照準をあわせて高速で下降してきた。

傭兵(牙でくるか…翼爪か…それともヤツの剣か)

傭兵(カウンターを決められれば…だがあいつが背にいてはその隙がない)

空への攻撃手段のない俺の戦いは防戦一方となった。



  ・  ・  ・


老人「うう…足をくじいてもうたわい」

僧侶「大丈夫ですか。さぁつかまって。避難所まで行きましょう」

荒くれA「アネさん! じじいは俺達にまかせてください!」

僧侶「あなたたち。お願いします」

荒くれB「にしても大兄貴…あんなバケモンとよくやりあえるぜ」

荒くれA「身がすくんじまう。あれを前に剣をかまえる勇気は俺にはねぇよ…情けねぇ俺達の街なのに」

僧侶(ソル様…どうかご無事で)



  ・  ・  ・


勇者「…ソル。あぁまた! もう見てられないよ」


傭兵「ぐあっ…」

闇剣士「どうした? さきから致命打を回避するだけで、何も反撃できていないではないか」

闇剣士「私の知っているお前はこのような男ではなかったのだがな」

傭兵「うるせぇな…てめぇの仮面叩き割って次は直接顔にバッテン傷入れてやるぜ」

闇剣士「…くく。哀れなものだ」

闇剣士「やはり貴様をただの男に堕落させた…その小娘を先に狩るしか無いか」

幼竜「ぎゅる…」キッ

勇者「!」

傭兵「く、やめろっ」


魔女「逃げて」

勇者「に、逃げるもんか…受け流して、一発たたきこめば」

傭兵「無理だ…離れろ!」

勇者「ボクは足手まといじゃない!」

闇剣士「およそ尽きることのない潤沢な魔力を秘めている…さすがは勇者といったところか」

闇剣士「マントルドラゴンよ。我慢させて悪かったな、さぁ喰らうといい」

闇剣士「最高のメインディッシュだ」

幼竜「ギュルルウ」

勇者「こ、こい…ボクは逃げないぞ」

勇者「ソルを守るんだ!」ガタガタ


上空の幼竜がユッカに向かって牙を向き恐ろしいスピードで突進する。
ユッカは大きく目を見開いて固まったまま動かない。いや自分が標的にされた恐怖で動けないのだろう。

勇者「う、うあ…ヤダ」

間に合わない…このままではユッカが…。

傭兵「やめろ…! ユッカだけは」

そう叫んだ瞬間、ユッカは背中からふわりと宙へとうきあがり、ドラゴンの突進は虚空を切った。

勇者「あ、あれ…?」

闇剣士「なに?」



幼竜「ぎゅるる?」


ユッカの服の背をつかみ持ち上げていた何かがすぅっと姿を現す。
紫色の大きな羽と、先がハート型になった長い尻尾。金色の巻き角。
それは俺が先日仕留め損ねた憎き淫魔だった。


サキュバス「もうっ、危ない!」

サキュバス「あなたが食べられちゃったらあたしの計画に支障がでるのよ」

勇者「え…」

サキュバス「はい着地~」ボサッ

勇者「いたっ」

サキュバス「あなたねぇ! なんのつもりよ」キッ

闇剣士「…小娘に混じった不愉快な気配はやはり貴様だったのか」

サキュバス「あなた。ええっと…うーんと…。ごめんヤッた相手しか思い出せないわ」

闇剣士「魔王の剣として長年仕える闇の魔剣士と言う」

サキュバス「あぁ! そうそうあのデカチン魔王の側近!」

闇剣士「かく言う貴様はかつて魔王様をたぶらかした淫魔か…」

サキュバス「たぶらかしたなんてひどいわね」

サキュバス「それより! あたしの新しい器を傷つけないでよね!」

勇者「う、器…?」

サキュバス「そうよ。あんたの身体は私のものでもあるんだから大事にしなきゃ♪」

闇剣士「邪魔立てを…」



傭兵「ユッカ無事か!」

きょとんとして立ち尽くすユッカに駆け寄り手をとる。

傭兵「怪我はないか」

勇者「う、うん…」

魔女「危なかった」

サキュバス「ちょっとお兄さん! あんたのガード甘すぎ!」

傭兵「てめぇ…性懲りもなく出てきやがって」

サキュバス「不甲斐ないあんたにかわって助けてあげたのにお礼もなし? やんなっちゃう」

サキュバス「それよりさぁ。ちょっとまずいんじゃない?」


幼竜「ぎゅるるる…」

闇剣士「斬る相手が増えたな。だがあの女は喰らうなよ。ただの毒だ」

幼竜「ぎゅる」


サキュバス「あの腹ペコ赤ちゃんドラゴン倒せるの?」

傭兵「いま戦ってるところだ…それと、ユッカを助けてくれてありがとう…」

サキュバス「なによ素直なとこあるじゃない」

サキュバス「じゃああたしが少し手をかしてあげよっか? これでも結構強いんだから」

勇者「あ、悪魔が勇者の手伝いをするって!? なにいってるんだお前はー!」

サキュバス「んもういっつもぷりぷりしちゃって可愛いなぁ」



サキュバス「んーとあなたの今のレベルはっと…。ふぅーんまだこれっぽっちかぁ」

サキュバス「ま、おチビにしてはがんばってレベル上げしたほうよね?」

サキュバス「あっ、主にがんばったのはお兄さんのほうよね!あははは」

傭兵「殺す」

サキュバス「こわーい。ただのサキュバスジョークよ」

サキュバス「じゃあ頑張ったご褒美にあなた達にこの力を授けてあげる」パチン


勇者「!!」キュンッ

勇者「ひあ…な、にゃにを…ううう」

サキュバスが指を鳴らすと突然ユッカは下腹部を抑えてその場にかがみこんだ。

傭兵「お前…こんな時に」

勇者「身体が…熱いっ、熱いよぉ」

サキュバス「うふふ。あなたのウズウズをもっと引き出してあげる」パチン、パチンッ

勇者「ひゃうううっ、イっ!? イ゛ッ!?♥」

傭兵「やめろ!」

サキュバス「まだまだ」パチンッ♪

勇者「ふぁぁぁあもう無理っ、もう無理だからぁあ♥」

サキュバス「ちょっとでも刺激をあたえたらもうぶっ飛んじゃうわねぇ」パチン パチン

勇者「きゅぅぅぅ~~!?♥」

サキュバス「欲しいでしょ? ほしいのよねぇ?」

勇者「ほひ、ほしい…♥」



サキュバス「あげたら?」

傭兵「こんな状況で何言ってやがる」


幼竜「ぎゅるるる」

闇剣士「クク。何かは知らんが強くなるなら拝見させてもらおう!」

闇剣士「歯ごたえのない相手を切ってもつまらんのでな」


サキュバス「ほら待ってくれてるじゃない。騎士道精神ってやつ? くすくす」

傭兵「ふざけんなよ」

サキュバス「えいっ」パチン♪

勇者「あぁうううう!!♥ ソルっ、そるぅ頂戴っちょーだい!♥」

傭兵「…う」

魔女「ユッカエッチな声だしてる」

魔女「オナニーしたら気持ちよくなるよ」

サキュバス「だめなの♪ これはオナニーじゃだぁめ♪」

魔女「じゃあどうするの?」

サキュバス「そうねぇ…もう全身性感帯みたいなもんだから。あとはあなたのお好きなところに♪」


傭兵「…ユッカ」


俺は押し寄せる快感でびくびくと震えるユッカの肩を掴み、まっすぐに立たせる。

勇者「ほしいよぉ…♥」

傭兵(こんな時にエロい顔しやがって…ったくお前は)

そのまま少し抱き寄せて、顔を近づけ半開きになった唇を奪った。

勇者「んむっ!? んんんぅ~~!?♥♥」

勇者「んんぅ、んんん!!♥」

張り裂けそうになっていたユッカはたったそれだけで絶頂してしまい、全身が歓喜に震えあふれた涙の雫が頬を伝う。


▼勇者は440の経験値を手に入れた。

▼勇者はレベル15にあがった。
 
▼勇者は<魔力貸与>を覚えた。


ユッカの唇を通して俺の身体に力が流れこんでくる。
ゾワゾワとしたそれは胃を抜け拡散し、血や筋肉と混じり合い強固な力となって全身にみなぎる。



傭兵「これは」

勇者「はぷ…ソルに貸してあげるボクの魔力。えへへ」

勇者「ボクの力が…キミを守るよ」

傭兵「あたたかい…」

サキュバス「与えられる量はいまは少しだけよ」

サキュバス「使い切る前にやっつけなさい!」

傭兵「魔力…俺の」

サキュバス「どう? ちゃんと使いこなせる?」

傭兵「あぁ。信じられないくらい身体によく馴染む」

勇者「……」くてん

傭兵「ユッカ?」

サキュバス「わかるでしょうけど、魔力の付与っていうのはとっても力を使うのよ」

傭兵「……」

魔女「ユッカは私が見てるから。あなたはドラゴンを」

傭兵「分かった」


闇剣士「ほぅ。勇者は新たな力を得たか」

闇剣士「クク…そうでなくてはな。我が宿敵よ」

闇剣士「私は運命に従い強くなった貴様を斬る!」



心臓が激しく高鳴る。
その一つひとつがいままで感じたことのない力強い鼓動。
行ける。これならどんな動きでも再現できる。

傭兵「ユッカのくれた力だ」

傭兵「ユッカに代わってお前を倒す」


闇剣士「嬉しいよ。貴様のその目、私も心臓の高鳴りを抑えられん!」

幼竜「ぎゅるる」

闇剣士「舞え! 奴に接近し一撃を叩き込む!」



翼が風を切りさき、闇の魔剣士は翼竜とともに俺めがけて疾風のごとく斬りかかる。

傭兵(さきまでは受け流すことで精一杯だったが)

傭兵(これだけのパワーがあれば!)


俺は真正面から構えた剣を振りぬき奴の大剣を受け止める。
もう足元を持っていかれることはない。
俺を弾き飛ばすことができず体勢を崩した翼竜は翼を地面にぶつけバランスを失い、そのまま広場へと失墜した。

翼竜「ぎゅる…!」

闇剣士「受け止めたか。はじめて魔力を使う者にしては大したものだな」



闇剣士「お前はここにいろ。なんなら人間の1人や2人を喰らって体力を養っておけ」

幼竜「ぎゅる!」


闇剣士が大剣を構えて駆け出す。

傭兵「別れたか…クソ、お前を早々に始末する」

闇剣士「懐かしいな。貴様と剣を交えるのはやはり楽しいぞ!」

瓦礫の散らばった広場に重たい金属のぶつかり合う音が幾度と無く鳴り響いた。



 ・  ・  ・


幼竜「ぎゅる…ぎゅるる」

魔女「…」

幼竜「ぎゅ?」

魔女「どこにも行かせない。飛んだらだめよこの距離なら打ち落とせる」

幼竜「…」ジー

魔女「私を食べるの?」

幼竜「ギュルルル…」

魔女「させない。私もまだ死にたくないから。ユッカも食べさせない」

幼竜「ギュルルル! ギュルルル!」

魔女「何?」

サキュバス「何か伝えようとしているわね」




魔女「術式…アイスビュレット」

▼魔女は無数の氷の弾丸を放った。


幼竜「キュピうっ! ぎゅるる」

サキュバス「かわいそうよ痛がってるわ」

魔女「かわいそうじゃない。人喰いドラゴンは始末する」

魔女「…アイスビュレット」

▼魔女は無数の氷の弾丸を放った。

幼竜「きゅうう…ぎゅるるる」

サキュバス「あんまり効いてないわねぇ。怒らせちゃうかも」

魔女「お腹ペコペコなのね。動きが鈍い。もう空も飛べないの?」

幼竜「ぎゅる…」バサッバサッ

魔女「いま。術式…アイスキャノン」

▼魔女は巨大の氷の弾丸を放った。

幼竜「ぎゃううう…」ドサッ

魔女「この距離ならはずさないって言ったでしょ」

サキュバス「なんかかわいそ~」

魔女「……」

サキュバス「ねぇねぇ。他に何ができるの?」

魔女「この子を凍らせて動けないようにする。でもチャージが必要」

魔女「あなたが時間を稼いで」

サキュバス「嫌よ。あたしドラゴンちゃんには興味ないもの」

魔女「……」



幼竜「ぎゅるるるる…」

魔女「あなたは私と一緒ね」

魔女「うまれてきたことが間違い」

魔女「でも同情はしない。人を襲う魔物は私たちの敵」

魔女「死んで」

勇者「ま、まって…マナ」

魔女「起きたの」

勇者「だめだよ…」

魔女「どうして」

勇者「はっきりとはわからないけど、この子はいまボクたちに敵意を持っていない」

勇者「きっとお腹がすいてるだけなんだよね…? 悪い子じゃないよ」

幼竜「ぎゅるるるる」

魔女「甘い考え。魔物は倒す。術式…アイスキャノン」

▼魔女は巨大の氷の弾丸を放った。

幼竜「ぎゃあう!!」

勇者「マナ…」


魔女「…」

サキュバス「あーあー痛いっていってるよー」

魔女「私に指図しないで」

サキュバス「こわ~い」

勇者「マナ…どうしちゃったの」

魔女「忌み嫌れて生きていくなら。今ここで死んだほうが幸せ」

魔女「そうしないとこの子はずっと人を食べ続けて、いつか討伐される」

魔女「そうでしょ?」

勇者「そうかもしれないけど」

魔女「あなたは優しすぎる。勇者に向いてない」

魔女「見たくないならあっちへ行ってて。汚れ仕事なら私がやるから」

勇者「だめっ!」ぎゅっ

魔女「離して」

勇者「…マナにそんなことさせられない。だったらボクがやるよ」

魔女「そう。でも危ないから十分に気をつけて」

幼竜「ぎゅるるるる…」

勇者「…」

サキュバス「え~ちょっと不用心じゃない! 近づいたら危ないわよ」

サキュバス「どうせボッコボコにするならやっぱり遠くから魔法で」

勇者「うるさい」



勇者「怖くないよ」

幼竜「ぎゅるるるる!!!」

勇者「産まれたばっかりで怖かったんだよね? なにもわからないままに戦わされて」

勇者「ソルに剣を向けられて…」

勇者「ごめんね…キミは悪くないのに」

幼竜「ぎゅるるるる」

サキュバス「ちょっとぉ~もう危ないからそれ以上近づいちゃだめだってば! ぱっくんいかれちゃうわよ」

勇者「キミは人を食べなくても生きていけるよ」

勇者「ほら、ボクの魔力を食べていいよ」


▼勇者は魔力貸与を使った。

幼竜「ぎゅるる! ぎゅるる!」

勇者「おいしい? いっぱいあるからねまだまだどうぞ」

▼勇者は魔力貸与を使った。

勇者「…う」クラッ

勇者「えへへ。いい子だね。おとなしくなった」

幼竜「ぎゅるる…」



魔女「ユッカ…」

サキュバス「…」ハラハラ

サキュバス「はわわ。牙撫でてるわよあの子」

魔女(あなたはやっぱり勇者なんだね)

魔女(それに比べて私は…)

魔女「魔物を狩るだけが勇者じゃない…そういうことなの?」


勇者「おいしいね…う」

勇者「おいしいでしょ…ボクの…ま…りょく」

幼竜「ぎゅるる! ぎゅる!」パクパク

勇者「まだま…だ…あるか…ら」


闇剣士「そこまでにしてもらおう」

闇剣士「勝手に餌付けとは感心しないな」

闇剣士「だがそいつはもう人の血肉の味を覚えている。無駄なことだ」

闇剣士「さぁ目の前の勇者を食い殺せ!」

幼竜「!! ぎゅるる…」

傭兵「ゆ…ユッカ!」



闇剣士「…なぜ言うことを聞かん。食え!」

幼竜「…ぎゅるぅ!」

勇者「いい子だね…いい…子」

勇者「…」とさっ

魔女「!」

傭兵「ユッカ!」

闇剣士「……ふ」

闇剣士「ふふ…貴様の従う主はずいぶんな度胸をもっているようだな」

闇剣士「ここはおとなしく身を引こう。私も貴様と刃を交え残された力は少ない」

傭兵「逃げるのか」

闇剣士「勇者に食わされた魔力を吐き出させねばならんのでな。こんな味をおぼられては困る」

幼竜「ぎゅるるるぅ」

闇剣士「勝負は預けた。行くぞ」

幼竜「ぎゅるっ! ぎゅるっ!」 バサッバサッ

魔女「…術式、アイス」

傭兵「もういい」

魔女「…逃すの?」

傭兵「ユッカの介抱が先だ」

勇者「…すぅ、すぅ」


そして俺たちはなんとか翼竜とそれを駆る闇の魔剣士の撃退に成功した。
幸いなことに戦闘後街の住人に被害は出なかった。



【獣人マオの商店】


獣の商人「起きへんなぁ」

僧侶「ユッカ様…心配です」

魔女「体力が回復したら起きる。サキュバスがそう言ってた」

傭兵「あいつはどこ行った」

魔女「わからない。また消えた」

僧侶「まさか広場でそんなことがあったなんて」

獣の商人「でもよかったやん。尻尾巻いて逃げてったんやろ?」

傭兵「あぁそうなんだが」

獣の商人「ユッカはんならウチがみとくから、ソルはんはもう寝な?」

獣の商人「怪我大丈夫なん」

傭兵「お前にもらった薬が効いてる…数日で治ると思う」

獣の商人「ほんま心配やったんやから!」

僧侶「そうですよ…ボロボロのソル様がユッカ様を抱きかかえてもどってきたときは私…私っ。ぐす」

僧侶「ユッカ様死んじゃったのかと…うえええん」

僧侶「それと、またソル様が私の前からいなくなってしまうかと…思ってしまって」

傭兵「大丈夫。生きてかえってこられた」


魔女「あの竜と剣士はどうするの」

傭兵「あの調子じゃ俺たちを付け狙ってくるかもな。その時はいずれ決着をつける…」

魔女「…」なでなで

傭兵「な、なんだよ」

魔女「あなたは強い人」

傭兵「だろ? みたか俺の華麗な剣さばき。あの野郎の大剣を物ともせず」

魔女「そうじゃない」

魔女「あなたは強い人よ…」なでなで

傭兵「恥ずかしいだろ」



ガラガラ

獣の商人「いらっしゃーい! って今日は閉店やでー」

隊長「ソル殿ー! こちらにいらしたんですか!」

荒くれA「大兄貴ぃ!」

傭兵「おう、お前ら」

隊長「翼竜は北へと飛び去りました。戻ってくる様子はありません」

荒くれA「街の怪我人も無しだ! ま、まぁ盗賊の一味はやられちまったけどよ…」

傭兵「報告ありがとう。明日また兵舎に顔を出すからそのときにまとめて」

傭兵「そうだ。街の警戒を解いておいてくれ」

隊長「は! 了解しました。では!みなさま失礼します!」



こうしてバザで起こった一夜の騒動は幕を閉じた。
あとは人々がまた明日から安心して商いに精を出せるように守備隊に事情説明等を含めて奔走してもらうこととする。


【男部屋】


勇者「…すぅ、すぅ」

傭兵「あぁさすがに今回は大変だった」

傭兵「ふっとばされてあっちこっちいてーし。ケツ擦りむくのなんていつ以来だ」

勇者「すぅ…すぅ」

傭兵「ユッカ。お前にもらった魔力、もうすぐ切れちまうよ」

傭兵「ありがとうな。よくがんばった」

傭兵「お前は正真正銘の勇者だよ」なでなで

勇者「…すぅ…すぅ…えへへ」

傭兵「なに夢みてんのかな。嬉しそうにしちゃって」

身体から力が抜けていく。
視界が明滅し、疲労感がどっと押し寄せ身体を押しつぶす。
もう小指の先を動かすことすらできない。

傭兵「この感じ…また魔力がなくなるのか」

傭兵「…おやすみ」


そして俺はあっという間に意識を失った。



【街の北・とある山の中】


幼竜「ぎゅるる。ぎゅふっ、げほっ」

闇剣士「吐きだせ! すべて吐き出せ。吸わされた毒全てだ!」

幼竜「ぎゅふっ、ぎゅるるぅ…」

闇剣士「あの淫魔付きの小娘くだらんことを…」

闇剣士「だが今回は収穫はあった…」

闇剣士「少女のあの時のあの目…。素晴らしい、子供でありながらあそこまで冷徹な目ができるとは」

闇剣士「あの様子では目醒めの時は近いな」

闇剣士「ではいずれお迎えにあがります」

闇剣士「あなた様を、私の望む新しい世界の王の器として…」




第11話<目醒めを待つ者>おわり

更新おわり
次回12話 本日夜予定

すいません遅れたのでまた明日。。



第12話<ダンスカーニバル>



ゆさゆさ…ゆさゆさ…


傭兵「ん………誰だ」

魔女「…おきて」ゆさゆさ

傭兵「おー…マナか。おはよう」

傭兵(どうもかなり深く寝入っちまったようだな)

僧侶「おはようございます。早速ですがお怪我の様子見させてもらいますね」

僧侶「……うん! 効き目ばっちりですね」

傭兵「たいした怪我じゃなかったからな。マオの薬もヒーラちゃんの魔法もよく効いた」

魔女「ユッカは。起きないの」

勇者「……zzz」

傭兵「まだ当分起きそうにないな。あれほどの魔力を一日で使ったことがないだろうから、回復に時間がかかりそうだ」

僧侶「大丈夫でしょうか」

傭兵「……それは」

勇者「……っん…ハンバーグ…うぇへ。えへへ…zzz」

僧侶「大丈夫そうですね!」

傭兵「だな」



傭兵「いい天気だ。昨日あんなことがあったとはおもえなくらい爽やかな朝だぜ」

魔女「…」そわそわ

傭兵「そういえばお前もう着替えてるのか」

魔女「…」コク

僧侶「今日はマナちゃんお休みの日ですもの。とっても早起きしてたんですよ」

傭兵「そうか。よっし、俺も準備すっか」

僧侶「朝ごはんすぐに用意しますからね。召し上がっていってくださいね」

傭兵「おう」




【1階・ダイニング】



獣の商人「わかった。じゃあユッカはんは今日はおやすみ言うことで」

僧侶「はい。ごめんなさい残りあと2日というとこで一人お手伝いできなくて」

獣の商人「そんなんええって!! あんたらは街を守ってくれた英雄やんか!」

僧侶「え、英雄…」

獣の商人「見えるで…あんたらを一目見ようとぞろぞろやってくるお客はんの姿が…!」

獣の商人「今日は商売繁盛間違いなしや! というわけでヒーラはんだけでもお店おってな!」


僧侶「ときどきユッカ様の様子を見に行かせていただきますね」

傭兵「ヒーラちゃん悪いななんか色々おしつける形になってしまって」ムシャムシャ

魔女「…はむ」

魔女「ねぇ。私やっぱり残る」

傭兵「何言ってんだよ」

僧侶「だめですよ。ちゃんとお休みはとらなきゃ! マナちゃんだって昨日は大変だったでしょう?」

僧侶「お店のことは私とマオさんに任せて、ソル様と楽しんできてくださいね」

獣の商人「せやせや! マナはんは今日まで毎日がんばってくれてんから!」

獣の商人「ウチの店は休み与えへんほど真っ黒ちゃうで!」

魔女「…わかった」

獣の商人「ソルはんこの子しっかり楽しませたりや」

傭兵「…」

傭兵(俺一応任務残ってるんだが…)ムシャムシャ

獣の商人「返事が聞こえへんなぁ」

傭兵「食ってんだろ!」

魔女「はやくたべて」ぐいぐい

傭兵「そう急かすなって…」



僧侶「いってらっしゃいませ~」フリフリ

僧侶「うふふ。マナちゃんにとって素敵な一日になりますように」

獣の商人「……さ、ヒーラはん。この服きよか」

僧侶「え゛っなんですかこの胸元に切れ込み入った服!」

獣の商人「いま流行りの服やで。セクシーアピールで客入り更に倍増や!」

僧侶「…」

僧侶(私にとっては大変な一日になりそうです…)




傭兵「さて。悪いが先に詰め所に顔をだすからな」

魔女「うん」

傭兵「時間がかかるかも」

魔女「いいよ」

傭兵「待ってる間退屈じゃないか?」

魔女「へいき」

傭兵「……そ、そうか」

傭兵(まぁ仕方ないよなこちとら仕事だしな)



【兵士詰め所】


隊長「おはようございます! お待ちしておりましたソル殿」

傭兵「よぉおはよう」

兵士達「おはようございます」ピッ

傭兵「な、なんだよ…いつになく改まって」

隊長「お怪我のほどは大丈夫ですか」

傭兵「へっちゃらだ。優秀な仲間がいるからな」

隊長「ではさっそく昨夜の件の報告書を作成しましょう」

傭兵「やっぱそうなる?」

隊長「何か不都合でも」

傭兵「…」チラ

魔女「…」

隊長「お連れの方ですか。あぁあなたはもしや魔法で竜を足止めしていた魔法使い殿では!?」

 ざわざわ…

兵士A「すげぇこんな小さい子が!」

兵士B「俺すこしだけ見たぜ。ドラゴン相手に怯むこと無く果敢に立ち向かっていたな」

兵士C「まじかよ…俺なんて遠くから姿を見ただけで逃げ出しちまったのに」

魔女「…うるさい場所」

傭兵「子供が一緒でもかまわないか?」

隊長「えぇ是非とも」



兵士A「どれ、おじさんが飴ちゃんをあげよう。何味がいい」

魔女「いらない」

兵士B「俺にサインをください! 家宝にします!」

魔女「もってない」

兵士C「竜と敵対して怖くなかったのですか? どんな思いで相手に立ち向かいましたか!?」

魔女「べつに」

傭兵「おいおい人気者だな。マナ、しばらくそこら辺にいろよな」

魔女「うん。待ってる」

隊長「ではソル殿はこちらへ」



【留置所】


盗賊「聞いたよ。退けたんだってね」

傭兵「あぁ。なんとかな。それに俺の力じゃねぇ」

盗賊「でもあんたとその仲間なんだろ」

盗賊「カシラたちは…バカなことになっちまったね。まんまと魔物にハメられてさ」

盗賊「ほんとにバカだったよ。自分達がやばいことやってるなんてわかってたのに」


隊長「ソル殿。この者の処分ですが」

盗賊「いますぐ仲間と一緒の所に送ってくれよ。魔物を街の中に引き込んだ罪は償う」

傭兵「ダメだ。それは償いじゃない」

盗賊「じゃああたしにどうしろって。こんなことしでかして、ただの懲役で済ますなんてヌルいこと言うのかよ」

隊長「処分は我々2人で決めるものではない。あとはこの街の司法に委ねる」

隊長「だが、多少の減刑はされよう」

隊長「ソル殿に感謝するのだな」

盗賊「何を」

隊長「事情聴取であのままお前がかたくなに口を開かなければ、敵の行方はつかめず街の被害は更に増え…極刑は免れなかっただろう」

盗賊「…あーあ。そんなことならしゃべらなければよかった」

傭兵「出たらちゃんと仲間の墓たててやれよ」

盗賊「……っ!」

盗賊「…そうさね。あんたにもらった命だとおもって、真面目に生きるよ」



隊長「では。行きましょうか」

隊長「次はギルドへ提出する報告書の作成です」

傭兵「それさ、午前中でおわる?」

隊長「あなたの頑張り次第ですね」

傭兵「参ったなぁ。俺明後日にはこの街を発つからよぉ…何やるにも時間が足りなくって」

隊長「仕事ですよ?」

傭兵「…」

隊長「あーそうそう、ここ数日サボりにサボっていた埋め合わせもしてもらわないといけませんね」

傭兵「はぁなんだって」

隊長「部下からいくつか報告が来ています。展望台を私物化して女性と逢引していただとか、広場でイチャつきながら昼寝していただとか」

傭兵「…」

傭兵「いやっ、それは…」

隊長「もしかして今日はあの魔法使い殿と予定でもあったのですか?」ジロリ

傭兵「う、うーん…いろいろほんとやることがあるんだって!」



隊長「やることとは」

傭兵「街を北へ抜けようとおもうんだけど。なんせ次の街まで山が2つもある」

傭兵「それであの辺りの地理に詳しい人間を探しているんだがなかなかみつからなくて」

隊長「盗賊たちの縄張りになっていますからね。近づく人は少ないですよ。行商人は西門から迂回します」

傭兵「だよなぁ。聞いて回ってもみんなそう言うんだよ」

盗賊「な、なぁ!」

傭兵「どうした」

盗賊「あ、あたし…地図書こうか」

盗賊「山は庭みたいなもんだし…全部頭に入ってるから」

隊長「…必要でしたらかかせましょうか」

傭兵「おー、思わぬところで情報が手に入った」

傭兵「サンキューな!」

盗賊「べ、べつにいいよ減るもんじゃないし…ほれ地図貸しな」

傭兵「おう」ゴソゴソ



  ・  ・  ・


盗賊「行くならこのルートがいいよ。途中に天然の温泉がある」

傭兵「わかった」

隊長「ちなみにお前たちのアジトはどの辺りにある」

盗賊「……ここ。滝があってその裏に入り口がある」クルッ

隊長「おお、こんな場所に…後日捜索隊を派遣していままで盗まれた金品を接収いたします」

傭兵「素直に教えてよかったのか」

盗賊「…いいよ。もうどうせ戻れないし」

盗賊「空き家同然だからあんた一泊二泊くらい好きに使いな」

傭兵「寄れたらな」



  ・  ・  ・


傭兵「あ~~つっかれたなぁ」

隊長「お疲れ様でした。報告書たしかに受け取りました」

傭兵「もう机仕事はこりごりだ」

隊長「この後ギルドへとご足労頂きますがよろしいですか?」

傭兵「まじかよ…俺が行くのか」



傭兵「その前に飯だ飯」

傭兵「おーいマナ。待たせて悪かったな…」

傭兵「あれ…あいついねぇな」

隊長「いませんね」

兵士A「魔法使い殿ならどこかへ行かれました」

兵士A「我々が暇つぶしの相手になっていたのですが…」

傭兵(さては逃げたな…あの人見知り)

傭兵「わかった。昼飯がてら探してくる」

隊長「はい。午後からまたこちらへ顔を出していただけると幸いです」

傭兵「おう」

傭兵(あーあ待たせすぎたか。こりゃむくれてるぞぉ…どこいったんだろうなぁ)



【怪しい裏通り】


魔女「表通りは明るすぎる」

魔女「…こっちが落ち着く」

魔女「…」キョロキョロ

魔女「…へんなお店がいっぱい」

魔女「きっと私の探しているものも売っているはず」



占い師「はぁーいいらっしゃい! いらっしゃいませー。占いはどうかしらー。ねぇそこのお兄さーん」

占い師「あなたのエッチな運勢を占いますよー」

占い師「エッチな占い屋でーす」

占い師(お祭りはいよいよあと2日! 人間どもから精気をあつめにあつめるわよ!!)

占い師(ったくあのバカ剣士と僧侶のせいで店舗の移動するはめになって、ぜんっぜん固定客つかないじゃない!)

魔女「…ねぇ」

占い師「!」

占い師(ゲッ! むっつり魔女っ子! なんでこんなところにいるのよ!)


占い師「い、いらっしゃ~い…」

魔女「…」ジー

占い師(ば、バレた!? もー、こいつには会いたくないのに!)

魔女「占いしたい」

占い師「セーーーフ!」

魔女「?」

占い師「ううんなんでもないわ!」

占い師(ぷぷぷ。さすがに魔封じのローブがあればあたしだと気づかないみたいね)

占い師「なにかな~? お嬢ちゃんにはこのお店はまだ早いわよ~」

魔女「占い…したい」

占い師「そ、そう…」

占い師(しなくていいから帰ってお昼寝でもしてなさい!!)

魔女「私のエッチの運勢を占って」

占い師「はぁ!?」

占い師(こいつあたし苦手なのよねぇ…)

魔女「お金ははらいます」チャリ

占い師「ぐ…」

占い師(しかたない。適当にぱぱっと占って帰らせるか…)



魔女「…」

占い師「じゃあ手相みるわね」

ペタ

占い師(あぁ~~吸われてる~~せっかく集めた魔力がぁ)シクシク

魔女「あまり長い時間さわらない方がいい」

占い師「わかってるわよ! もう見えたから!」

魔女「どうだった?」

魔女「私セックスできる?」

占い師(こいつ頭どうなってるの。むっつりしてるのは表情だけじゃなかったの!?)

占い師「え、ええっとねぇ…」

占い師「うわぁ…苦労しそうね」

魔女「何が」

占い師「せめてあと3…いや5年後くらいじゃなきゃね」

魔女「何が」

占い師「ずばり言うわね。あんたのそのちっこい身体でセックスするの無理」

魔女「…」

魔女「…」ガーン

占い師「自分でわからないわけ? どう考えても入らないでしょ。チンコ」


魔女「…そ、そう」

占い師「残念ね。はいお金置いてさっさとお帰り」

魔女「…」

占い師「なによ。しゃべらないとわからないから」

魔女「ユッカはしたのに私は無理なの? 歳はかわらない」

占い師「そうねぇ~あんたのほうが発育わるいからねぇ…ってユッカで誰かなぁ。しらないわねぇそんな子…」

魔女「顔みせて」ズリュ

占い師「きゃーこら勝手にめくらないで」

サキュバス「あっ…」

魔女「やっぱり…。変な味の魔力だと思った」

魔女「…まるで腐った林檎みたいな」

サキュバス「バカにしてんの!」

魔女「ユッカからもときどきそういう味がするから、あなただとわかった」

サキュバス(こいつほんと嫌い!)メソメソ

魔女「ところでどうして私はセックスできないの」

サキュバス「あんたさぁ…あたし達が敵対してるってわかってる」

魔女「昨日助けてくれた」

サキュバス「そ、それは宿主であるあの子がピンチだったからよ!」



魔女「ありがとう」

サキュバス「いいから別に。うるさいわねぇ」

サキュバス「これ以上は営業妨害よ。しっしっ」

魔女「でも納得がいかない。私とユッカの何がちがうの」

サキュバス「そりゃあ器っていうか…そもそもの生まれ? あたしあんたの事情はよく知んないけどー」

サキュバス「仮にあんたに取り付いたっておもしろくもなんともないわね。チビっ子勇者でよかった」

魔女「?」

魔女「何を言ってるのかわからない」

魔女「セックスできるかできないかを聞いてるんだけど」

サキュバス「まだそれ続いてたの!? あんたしつこい!」

魔女「…」シュン

サキュバス「なぁに? いっちょまえに発情期?」

魔女「そうかもしれない…」

サキュバス「セックスしてみたいの?」

魔女「…わからない。けどたぶんそう」

サキュバス「ならその辺歩いてるおじさんにしてもらえば? 無理やりならたぶんできるわよ。めちゃくちゃ痛いけどね」

魔女「知らない人は嫌。痛いのは嫌」

サキュバス「わがままな…うーんとじゃあ…どうしようかな」

サキュバス(はぁ…あたしなにやってるんだろう…)


サキュバス「そうだ…」

サキュバス「これあたしが淫具屋やってたころの在庫なんだけど」ゴソゴソ

サキュバス「じゃじゃーん。拡張開発セット~」

魔女「…?」

サキュバス「うっとうしいからあんたに半額で売ってあげる」

サキュバス「だからこれもってさっさとお帰り」

魔女「どうやってつかうの」

サキュバス「えっとね。箱のなかにチンコみたいなのが5つ並んでるでしょ」

魔女「うん」

サキュバス「まず一番右の小さいのをアソコに入れます」

魔女「それで」

サキュバス「毎日入れたままにします」

魔女「汚い。それは嫌…なにか別の方法を」

サキュバス「聞けっ!」ゴツ

魔女「うう…」

サキュバス「数日使っているとだんだんアソコが広くなってくるから、そしたら次は二番目に小さいやつを入れます」

サキュバス「そしてまた数日…という具合に段階を踏んで徐々におまんこを広くしていくのよ」

魔女「なるほど…そしたらセックスできる?」

サキュバス「できるできる。3つ目がギリギリ入ったらあとは大丈夫だと思うわ」

魔女「買います」

サキュバス「毎度あり!」



サキュバス「ついでにこれおまけのローション三種類」

サキュバス「もってけ泥棒! 店じまいセールよ!」

魔女「…ありがとう」

サキュバス「ふー…じゃあもういいでしょ。帰った帰った」

魔女「うん。いまは杖をもってないから殺害するのは今度にしてあげる」

魔女「今日はデート日和。血なまぐさいのは無し。ばいばい」

サキュバス「ばいばーい」ヒラヒラ

サキュバス(あれ、今恐ろしい言葉が聞こえたような)


魔女(これがあればいつかソルとセックスできる…)

魔女「…」ギュ

魔女「そろそろ帰らなきゃ。きっとお仕事終わってる」


サキュバス「はぁーあ。いろんな意味でお兄さんも大変よねぇ」

サキュバス「ま、あたしには関係ないけど」



【繁華街】


傭兵「おーいたいた」

魔女「ソル」

傭兵「なんだ買い物してたのか」

魔女「そう。いいものが手に入った」

傭兵「何を買ったんだ」

魔女「セッ……内緒」

傭兵「セ? まぁいいけどよ。ほら飯行こうぜ腹減ったろ」

魔女「行く」

傭兵「荷物もってやる。ほれ」

魔女「…い、いい。持てるから」

傭兵「飯の後もう一回仕事もどるけど勘弁な」

魔女「大丈夫。何時まででも待つ」

傭兵「そっか。さー昼飯どうすっかなぁ。どこも混んでるんだよなぁ」


荒くれA「へい飯にお困りなら俺たちの屋台で!」

傭兵「またお前らか…」

荒くれA「大兄貴の腹を満たすためにやってきました!」

荒くれB「魔女のアネさんも食べていってください!」

傭兵「じゃーそうさせてもらうか…店並ぶ時間もねぇし」



荒くれA「いやー昨晩のご活躍、ぶったまげましたぜ」

荒くれB「さすが俺たちの兄貴だ」

傭兵「そう?」

荒くれA「魔女のアネさんもすごかったなぁ」

荒くれB「そうそう。あんな魔法はじめてみたぜ。ありゃドラゴンもたじたじだ」

魔女「…これ変な味。舌がぴりぴりする」

荒くれA「ショウガやめといたほうがよかったですかねぇ」

傭兵「うまくねぇか?」

魔女「食べたこと無いだけ。でも嫌いじゃない」はむ

魔女「おかわりある?」

荒くれA「へいお待ちを!」

傭兵「よく食べるな…」

魔女「身体を大きくしたい…どうしても」

傭兵「そ、そうか。よし俺も負けてらんねぇな。おかわりくれ!」

魔女「だめ。あなたまで大きくなったら意味が無い。セッ……い、いろいろできなくなって不都合」

魔女「おかわり禁止です」

傭兵「え~…なんでだよ」



  ・  ・  ・


傭兵「ごちそうさん」

荒くれA「どうも!」

傭兵「お前らの飯食うのも今日で最後かもなぁ」

荒くれA「もうそろそろ発たれるんで?」

傭兵「明後日にはな。だから今日はこいつをいろいろ連れ回したいんだ」

荒くれB「そうですかい。なら服屋の並んでる通りなんてデートにはもってこいですよ」

傭兵「デートじゃないけどな…」

魔女「デートだよ」

傭兵「そうか…しらなかった…」

傭兵「まぁ…なら服見に行ってみるか。教えてくれてサンキューな」

荒くれA「へい! まいどあり」



傭兵「そうだよなぁ服いるよなぁこれから」

魔女「…別に無理に買わなくてもいいけど」

傭兵「そうはいかねぇだろ。どんだけ旅するとおもってんだ」

傭兵「街にいる間みたいに毎日洗濯できるわけじゃないんだぞ」

傭兵「つーわけで行くぞ」グイッ

魔女「……うん」



【服屋通り】


傭兵「はーいろいろあんだな」

傭兵「適当に店先の見ていくか」

魔女「仕事は?」

傭兵「長い昼休みってことで」

傭兵「さて、まずはお前のこの帽子からだな」ヒョイッ

魔女「あっ…返して」

傭兵「こんないかにもな魔女っ子帽やめて。せめてもうちょっと可愛らしいのにしようぜ」

魔女「…」ギ

傭兵「な、なんだよ睨むなよ」

魔女「違う…眩しいだけ」

傭兵「あぁーずっと薄暗い森に住んでたから陽が苦手なのか」

傭兵「ならこれと同じようにツバのしっかりした帽子がいいか?」

魔女「聞かれてもよくわからない」

傭兵「うーん…」キョロキョロ

傭兵「お、良いもん見つけた。これかぶってみろ!」ズボッ

魔女「う゛…あなたは自分勝手…コレは何」

傭兵「似合う似合う。やっぱ色白さんには麦わら帽子だろ! これにしよう!」



傭兵「服はそうだなぁ」

店員「こちらの白いワンピースはどうでしょう? 小さな女の子のイメージにピッタリですよ」

傭兵「…おお。試着できる?」

店員「どうぞ。ブースがありますのでそちらの中で」

傭兵「これ着て来て」

魔女「こんな白い服似合わない」

傭兵「似合うって」

魔女「似合わない自信がある。私のイメージカラーは漆黒、暗闇、邪悪」

傭兵「そんなこと言ってないで着て来い」むにむに

魔女「ふにゅ…い、わかっひゃから…やめへ」

魔女「こんな服を選んだことを後悔させてあげる」

傭兵「はよいけ。それとも俺が手伝うおうか?」

魔女「エッチは来なくていい」スタスタ



  ・  ・  ・


店員「あら~お似合いですよ~。白いイメージがぴったりですねぇ」

魔女「……っ、うぅ」

魔女「なぜか屈辱的な気分になる…」

傭兵「おお…マナ! お前ってまごうこと無い美少女だったんだな!」

魔女「バカにされている気がする」

傭兵「冗談だ。似合ってるぞ」

魔女(冗談なの?)

傭兵「サイズもぴったりだし、よしこの一式買おう! 買います!」

店員「ありがとうございます~」

魔女「すーすーする。肩とか脇が出てて…違和感。この服は変よ」

傭兵「それがいいんだろ! こんなにかわいいのに何が不満なんだ!」

魔女「かわいい…」

傭兵「鏡で自分の姿を見てみろ!」

魔女「…」ジー

魔女「…わからない。私のような気がしない。これがかわいいの?」

傭兵「かわいい」

魔女「…そう」


傭兵「嫌ならやめるが…」

魔女「あなたがこれを着ろというのなら、着てもいい」

傭兵「ほらあとはそのむっつりした顔なんとかしろって。にっこりー」

魔女「…」

店員「こんな感じですよ~」ニコニコ

魔女「…う」

魔女「……」ニ、ニコ

傭兵「…! マ、マナ…俺はいま少し感動した!」

魔女「何が」

傭兵(魔導師のじいさん…やっとマナが笑ったよ。あんたにも見せたかったぜ)

魔女「変な人」

傭兵「おい戻るな。もうちょっと笑え」

魔女「疲れるから無理。嫌。めんどくさい」

傭兵「このやろう…こう、もっとほっぺたの辺りの表情筋を鍛えてだな」ぐにぐにぐにぐに

魔女「ひゃう…い、いひゃい…やめへってふぁあ」

魔女(ほんとに変な人。でも一緒にいて楽しい)

魔女「…こんな感じでいいの? ふふ」ニコ



第12話<ダンスカーニバル>つづく

更新おわり次回本日夜
もうすぐバザ編はおわりで次へ進みます

第12話<ダンスカーニバル>つづき



【冒険者ギルドの酒場】


受付「いやぁよくやってくれたよ! あんたは英雄だ!」

受付「あたしが見込んだだけある」

傭兵「…」ゴクゴク

傭兵「俺一人の力じゃないけどな。むしろこいつのほうが頑張った」

受付「噂ではドラゴンをも恐れず滅多打ちにする凶悪な魔女って聞いてたんだけど、ずいぶんとまぁかわいらしい」

魔女「…」ささ

傭兵「おーいくっつくな飲みづらい」

魔女「この格好はやっぱり似合ってない…みんなの視線を感じる、きっと変」

傭兵「かわいーって言ってんだろぉ」

魔女「…ぅ」

受付「んじゃ報告は受け取ったよ。これあんたの戦歴手帳更新しといたから」

受付「バザを救ってくれてありがとうね」

傭兵「いいさ。そのために旅してんだ」

傭兵(とはいえ、あの野郎をを呼び込んでしまったのは俺達の存在にも原因がある)

傭兵(ゆく先々でこんなことに巻きまれちゃまた誰かに迷惑かけちまうな)


傭兵「んっく」グイッ

傭兵「ふー。これで俺の任務もおわりか。この街には世話になった」

受付「明日はまだいるんだろ?」

傭兵「あぁ。旅の支度しなきゃいけねぇからな」

受付「明日バザーの最終日の夜は、中央広場でキャンプファイヤーを囲んでダンスカーニバルがあるんだ」

受付「あんたも参加してくれよ。きっと例年以上に盛り上がるよ」

傭兵「…広場ねぇ。俺たちがあばれたせいでぐちゃぐちゃなんじゃ…」

受付「あはは。片付けくらいすぐ終わるさ」

傭兵「わかった。明日時間があまってたら行ってみる」

受付「あ、酒代はいらないよ。あんたからお金なんてとれないよ」

受付「そっちの子のジュース代もね」

傭兵「悪いな。ごちそうさま」

魔女「ありがとう」ペコ

受付「ばいばい」


隊長「お疲れ様でした」

傭兵「急にやってきてずいぶん世話になったな」

傭兵「特にお前には苦労かけた」

隊長「い、いえ。上官の補佐は当たり前のことですので」

傭兵「この堅苦しい兵装もいざ脱ぐとなると寂しいもんだ」

隊長「…あの。ここでずっと…働いてもらうわけにはいかないでしょうか」

隊長「私どもとしてもあなたがいれてくれたら、とても心強い助けとなります」

隊長「なにぶん兵たちは心技共に未熟で…剣の指導をたまわりたいのですが」

傭兵「悪いな。なによりも大切な使命があるんだ」

傭兵「俺達は明後日発つ」

隊長「…申し訳ありません。出すぎたことを言って」

隊長「ソル殿達の旅のご無事を祈っております」

 
   ・  ・  ・


 


魔女「お仕事楽しかった?」

傭兵「んー? あぁ。楽しかったよ」

傭兵「やっぱ俺は動きまわってるのが性に合ってる」

魔女「そう」

傭兵「金も結構入ったしな。これで旅の準備を整えられるぜ」

魔女「私服なんて買ってる場合だったの?」

傭兵「それはまぁ…がんばったマナへのプレゼント」

魔女「…そ、そう。わかった。大事にするね」

傭兵「すっかり夕方だなぁ。帰って風呂入ってヒーラちゃんの飯とするか」

傭兵「ユッカのやつ起きてるかな」



【獣人マオの商店】


勇者「……zzz ずぴー」

傭兵「まだ寝てんのか…」

僧侶「さっきおしっこつれていきました…」

傭兵「……。風呂どうするよ」

僧侶「お体は一応お昼に拭いたんですけど。髪の毛はやっぱりちょっと…くんくん。ユッカ様の臭いがします」

魔女「くさい」

傭兵「率直な意見は言わんでいい」


傭兵「いい加減起こすか。さすがにもう回復してるだろ」

僧侶「あっ、やめたほうが」

傭兵「おーいユッカ! ユッカ~」ゆさゆさ

勇者「う゛~~…zzz う゛うっ!」げしっ

傭兵「いてっ」

傭兵「な、なんつー寝相だ…そんなうまいこと人の顔面蹴るかふつー」

僧侶「…そういうわけで起こせませんので」

傭兵「とりあえずヒーラちゃん達先に風呂行ってきな」

僧侶「はい」

傭兵「マオは?」

僧侶「奥で数えてます」



獣の商人「ひーふーみー…うぇへへ、夢のようや…ほんまヒーラはんたちさまさまやで!」

獣の商人「あんだけ抱えてた在庫がすっからかんや! アレ全部が銭にかわるなんて!!」

傭兵「よぉ。景気良さそうだな」

獣の商人「あーソルはんおかえりぃ。お風呂いってきー」

傭兵「それなんだけどよ。ユッカが起きないから俺だけ起きるまで待ってようかと思うんだ」

獣の商人「そうなん? まぁ放っとかれへんしなぁ。ほんなら留守番たのんでええ?」

獣の商人「その間にヒーラはんとマナはんと一緒に風呂いってくるわ」

傭兵「おう」




【大衆浴場・女湯】


魔女「ふさふさ」

僧侶「マオさんの尻尾かわいいですね」

獣の商人「やーんあんまさわらんといたってー。そこ性感帯やねん」ふりふり

僧侶「ご、ごめんなさいっ! 私そんなつもりじゃ」

獣の商人「ってウソにきまってるやーん! ヒーラはん赤なってうぶこいなぁ」

獣の商人「もっとエロいことにはグイグイいかんとあのトーヘンボクは落とせんで」

僧侶「エロ!? トーヘンボクって…」

獣の商人「ウチがソルはんならこんな状況とっくに食い散らかしてるわー」

僧侶「もうっ、何言ってるんですか」

魔女「なにを食べ散らかすの?」

獣の商人「そらもうあんたらの」

僧侶「きー」ゴシゴシゴシ

獣の商人「にゃはははっ、そんなんやめてっ。冗談やん冗談!」

獣の商人「はいお返しー」わしゃわしゃ

僧侶「きゃっ、そ、そこはっ…!」


獣の商人「今日はヒーラはんめっちゃがんばってくれたからその御礼~」

僧侶「やっ、やだ…どこ触ってるんですか」

獣の商人「あーすべすべでふかふかや…ソルはんうらやましいわ」

僧侶「エッチ! ソル様は関係ないです」

獣の商人「なんなんまだアプローチしてへんの」

僧侶「い、いえ…そういうわけじゃ」

僧侶「マナちゃん! そうだマナちゃん今日デートしてきたんですよね!?」

獣の商人「あっ、めっちゃ逸らした」

魔女「デートしてきた。なにもなかった。デートと呼べるのかわからない」

獣の商人「めっちゃかわいい服買うてもらったやん!」

僧侶「そうですね! すっごい真っ白でかわいいです! ぎゅーってしたくなります」

獣の商人「あんなマナはんずっとみてたら抑えきれへんわ」

魔女「…ほめても何も出ない」

獣の商人「ソルはんあんなんやけど、みんなのこと大事にしてるのよう伝わってくるわ」

僧侶「はい。とっても優しい方です」

魔女「そう。いい人。寝る前に私に正しいオナニーを教えてくれた…感謝」

僧侶「は…」

獣の商人「あかん…それはあかんでソルはん…犯罪や」

獣の商人「薄々、少女性愛の気があるんちゃうかと思ってたけど…まさかほんまに…!」

獣の商人「もしやユッカはんにいまごろ…」



【獣人マオの商店】


勇者「へくちっ…! むにゃむにゃ…zzz」

傭兵「おいおい大丈夫か」

勇者「ん…」コロン

傭兵「おきねーやつだな」

傭兵「こんなに寝相わるかったっけな」

勇者「うにゅ…」コロン

傭兵「腹出てるぞ」

勇者「zzz」

傭兵「めくれてるぞー…おーい恥ずかしくないのか」

勇者「ん…」コロン

傭兵(胸の先まで見えそうだな…あともうちょい…)

傭兵「…」

傭兵「って俺はなにをしてるんだ。べ、べつにユッカの乳なんて有って無いような大きさだし」

傭兵「気にするもんじゃない…」チラ

勇者「…ソル…zzz」

傭兵(あああ…)


勇者「えへへ…ソルぅ…zzz」

傭兵「ユ、ユッカ…」

傭兵「ほんとに寝てる…よな…?」つんつん

勇者「ほふぅ…zzz んー…zzz」

傭兵(かわいい)

傭兵「ま、まずい…ユッカがかわいいだと。今日の俺はどうかしてるな」

傭兵「少し酒を飲み過ぎたようだ。落ち着こう」

傭兵「いや……ちょ、ちょっとだけ…なでるくらいなら」

傭兵「念のため…誰もいないよな…」キョロキョロ

傭兵「いやこんなことするよりも精神集中…周囲の気配を察知――」

傭兵「――――」

傭兵「――よし! 周囲に気配無し!」カッ

傭兵「…」ゴクリ

 さすさす さわさわ

傭兵「すべすべだ…」

傭兵「あああああああユッカ~~!」

傭兵「ユッカ~~~っ」なでなでなで

勇者「うぐ……うー…zzz」

傭兵「ユッカぁ~~~っ」すりすりすり



傭兵「ユッカ~~~お前いつの間にかこんなに成長して!!」なでなでなでなで

傭兵「背も伸びたし体重も増えたし…胸も…少し」

傭兵「あああユッカ、ユッカ…凛々しくなったな」なでなでなでなで

傭兵「あぁぁでも寝顔だけは全然かわらないんだなぁ…」なでなでなでなで

勇者「ん…んっ」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。

傭兵「ユッカ~~!!!」さすさすさすさす


 

勇者「んっ…あ…zzz」

▼勇者は1の経験値を手に入れた。



勇者「んっ…ちゅ…ちゅむ…zzz」

▼勇者は5の経験値を手に入れた。



勇者「んんぅ…あんっ…あっ…zzz」

▼勇者は32の経験値を手に入れた。



勇者「うぅ♥ ああぅっ、あんっ♥ ああぁあ…♥」

勇者「あっ…んんぅ…zzz」

▼勇者は254の経験値を手に入れた。



  ・  ・  ・


勇者「あぁあうっ♥ いっ、あっ…♥」

勇者「うぅぅっく…♥ あああっ♥♥♥」ビクッ


▼勇者はレベル16にあがった。



 ・  ・  ・
 

勇者「ん…ふぁ~」パチ

勇者「あれ…夜…? ボクどれくらい眠っていたんだろう」キョロキョロ

勇者「あ、ソルいた。おはよう!」

傭兵「お、おお…おはよう。良かった目が覚めて」

勇者「…? どうしたの頭抱えて」

勇者「あれ? ボク16レベルになってる。みてみてー」

傭兵「…」

勇者「…ソル?」

勇者「あれ……なんでレベルあがったんだろう…? …はっ、もしかして!」

傭兵「…ぐ」

勇者「ソル…。え、えっちぃ…もうっ」モジモジ

傭兵「うわあああそんな反応をするなもっと俺を咎めて罵ってくれぇええ!」

勇者「えぇっ!? ど、どうしちゃったの!」



勇者「ふーん…じゃあ寝てるボクにエッチな事したくなっちゃったんだ」

傭兵「あ、ああ…うん」

勇者「ぎゅっ♥」

傭兵「ユッカ。怒ってないのか。寝てる間に変なことされて俺がお前なら相手をタコ殴りにして吊るし上げるぞ」

勇者「うん。ソルならいいよ。楽してレベルあがったし!」

勇者「で、でもちょっと恥ずかしいかな…えへへ。自分がどんな顔してたかわかんないしさ、変な顔だったかも」

傭兵「ほんとにごめん」

傭兵(俺は情けないやつだな)

傭兵(ここ最近のストレスと、積年の思いが爆発したといったら…ウソじゃないんだが)

傭兵(周りに誰もいなくてユッカがぐっすり眠っているという状況だけで…こんなにも簡単に理性を失うなんて)

傭兵(俺は動物か!)

勇者「?」

傭兵(あぁぁあユッカのくせにかわいい! でもちょっと汗臭い!!)

傭兵「よしユッカ、風呂行こう! な!」

勇者「うん。行くよ? ヒーラ達は?」

傭兵「先に行ってるんだ。俺たちが風呂入ってる間にご飯つくってまっててもらおう」

勇者「わぁいそういえばお腹ぺこぺこ」

傭兵「ハンバーグつくってもらうからな」

勇者「なんで今ボクが食べたいものしってるの!? すごい!」



僧侶「もどりましたー」

獣の商人「はー楽しかったわぁ」

僧侶「もう…」

魔女「ふかふか…良い」

僧侶「ちょっと!」


勇者「おはよー! いまさっき起きたよ~」

僧侶「わっユッカ様! お目覚めになられたんですね!」

獣の商人「良かったなぁ」

勇者「ということでソルとお風呂いってきまーす。ご飯つくっててねー」

僧侶「はぁい♪ ごゆっくり」

傭兵「…」ソロー

魔女「どうしたの」ジー

傭兵「い、いや…」

獣の商人「なんでそんな怯えた顔してんの」

僧侶「どうしました? もしかしてまた何か敵の気配が!?」

勇者「なにもしないよ?」

魔女「……ねぇユッカ」クイクイ


勇者「ん? 何」

魔女「いつの間にレベル16になったの」

勇者「あ、うんそれはねボクが寝」

傭兵「行くぞユッカ!!」ガシッ ダダッ

勇者「ぎゃっ! じ、自分で走れるよぉ~~」


僧侶「…」

魔女「どうしてレベルが。これはおかしい」

獣の商人「ほら。ウチの予想どおりや…もうちょっとはよ帰ってきたら現行犯やったかもしれんなぁ…」

僧侶「ですね…はぁ」

獣の商人(ソルはん…屈折した性癖は後からでも矯正できるで。ご相談は当薬店にお早めに…)



第12話<ダンスカーニバル>つづく

更新おわり次回本日夜
前作幼馴染SS番外話は土曜日か日曜日に書き溜め分を投下なので時間あればぜひ
時間帯のバッティングはしないのでこっちが更新滞る事はないです

第12話<ダンスカーニバル>つづき



【大衆浴場・男湯】


傭兵「ふ~。あっぶねぇあっぶねぇ」

傭兵「…ってこの後俺はどんな顔で戻ればいいんだ」

傭兵「絶対ヒーラちゃんに杖で殴られる…」ブルッ

荒くれA「あれ、大兄貴じゃないですか」

荒くれB「大兄貴も来てたんですかい」

傭兵「よぉ。よく会うな…」

荒くれA「肩でも揉みましょうかい」

傭兵「いやいいって」

荒くれB「戦闘でのお怪我のほどは大丈夫ですか」

傭兵「あぁ、いい腕の薬師がいるからな」

荒くれA「そういや大兄貴、俺たち街の守備隊に入ることにしやした」

傭兵「どういう風の吹き回しだ」

荒くれA「へへ。大兄貴たちが守ってくれた街を今度は俺たちで守ろうとおもいましてね」


荒くれA「街で魔物に食い殺される人間がでるなんてもう嫌なんスよ」

荒くれA「なので俺たちが剣となってこの街を守ります。もうただの荒くれじゃねぇ…。だから兄貴は安心して旅立ってください」

傭兵「…そうか。任せたぜ」

荒くれ「「はい」」


< ね~。ソルー! せっけんわすれちゃった~~。

傭兵「…あいつ。恥ずかしげもなく」

荒くれA「もしかして小さい姉貴ですかい?」

傭兵「……はぁ」

< ね~とりにいっていい~?

傭兵「あほーー。いいわけないだろ」

< 身体洗えないよぉ。

傭兵「誰かに借りろって」

< 誰もいないもん。じゃあソルがこっち持ってきてよ~!

傭兵「行けるか…。投げるからキャッチしろよ」

< えーどこどこ。

傭兵「仕切り壁の真ん中らへんな。ほれっ」ポイッ

< はーい……キャッチ! ありがとー!


傭兵「困ったやつだな…」

荒くれA「小さい姉貴とはどういうご関係なんで?」

傭兵「どういうって…。旅の仲間だ」



荒くれB「大兄貴のお連れの方はみんなかわいいよなぁ」

傭兵「あー…うん、そうね」

荒くれA「みんな兄貴のコレですかい?」ピッ

傭兵「ちげぇよ」

荒くれA「じゃあアネさん方の中で誰が一番のオキニなんですかい」

荒くれB「兄貴の本命聞きたいっす」

傭兵「…」ジロ

荒くれA「ひっ、すんませんでしゃばった事を!」

荒くれB「すんませんでした!」

傭兵「だいたい俺があんな子どもたち相手に本気になると思うか? 思うのか!?」バシャッ

荒くれB「ひぇっ」

荒くれA「そ、それもそうですね。金髪のアネさんはあれでも子供なんですか?」

傭兵「全員2~3も変わんねぇはずだ…ヒーラちゃんだってよく見たら顔つきはまだ幼さが残ってるぞ」

荒くれB「なるほど。つまり兄貴は熟すのを待って―――」

ゴツッ

荒くれB「  」ぶくぶく

荒くれA「すんませんでした! すんませんでした!!」

傭兵「…」

傭兵(俺ってやっぱりそういう風にみえるのか? まさか俺が少女相手に淫行なんて…)

傭兵(したけど……合意の上だし…)



勇者「ソルー」

傭兵「ぐわっ、バカお前なによじ登ってんだ。」

勇者「あはは」

傭兵「み、みえるからっ! 肩見えてるぞ。降りろって! 勝手に男湯をのぞくな!!」

勇者「へっちゃらへっちゃら」

傭兵(何がへっちゃらなんだ! 俺は気が気でないんだよ!)

傭兵(それ以上のぼったら見える…見えるからやめろってぇ!!!やめろー!)

勇者「石鹸返すね」シュッ!

傭兵「な゛…速――――」

スコンッ

傭兵「あいだっ」

傭兵「お前…なんでそんな速度で投げるんだよ…っ」

勇者「あははは。なんでキャッチしないのへたっぴー。ばいばーいあがったら外で待ち合わせだよー」


荒くれA「小さい姉貴に翻弄されてますね。いつもあんな感じで?」

傭兵「…年頃の娘たちと旅をする俺の気苦労がわかったか」

荒くれA「へ、へい…心中お察しいたします」

傭兵「鼻いてぇよ…直撃した」ヒリヒリ

荒くれA「なんでキャッチしなかったんですかい…兄貴なら簡単に」

傭兵「……。あぁもうちくしょう!! あがる!」



【大衆浴場・出入口】


勇者「あっがりー」

傭兵「…よぉ。お前すぐあがるんじゃなかったのか」

勇者「マナがいないからさー頭ふくの自分でやってたら遅くなっちゃって」

勇者「マナの魔法でぶぉぉーんって乾かすと速いんだよ!」

傭兵「うーんその説明じゃわからん」

勇者「熱と風の魔法の複合でね、温かい風をだして髪を乾かすんだぁ」

傭兵「そういやそんなことやってるのを見たことあるな」

勇者「今日のフルーツ牛乳は?」

傭兵「無し。ヒーラちゃんのご飯が待ってるから」

勇者「そっか。ハンバーグ♪」

傭兵「帰るぞ」

勇者「うん」

勇者「ねぇ、手つないでいい?」

傭兵「…いいよ」

勇者「やった。さっきは石鹸ぶつけちゃってごめんねー」

傭兵「それはいいんだけど、危ういことはするなよ。お前は年頃の女の子なんだからもっと謹みを持ってだな…」

勇者「わ、わかってるよぉ…手痛いってばぁ。強く握りすぎ」




<就寝前>



勇者「じゃんけんぽん!」グー

僧侶「…」グー

魔女「…勝った」パー

勇者「うう…ギリギリまで手元を見てたのにな」

魔女「勝ってしまったのでしかたなく今夜は隣で過ごすことにする」

勇者「しかたなく? ほんとにほんとに?」

魔女「…」コク

僧侶「ですって」

勇者「ふぅーん…」

魔女「私のことは気にしないで。2人はレベル上げでもしているといい」

僧侶「まぁ!」

勇者「え~~~…ヒーラと…」

僧侶「うふふ何かご不満でも。今夜もユッカ様のことたっぷりかわいがってあげますね」

僧侶「ソル様に負けないくらいに!」

勇者「…それはどうも…お手柔らかに」



【男部屋】


傭兵(ここで眠るのもあと今日明日でおわりか)ボフッ

傭兵「ふぁぁ…やっぱり人間は横になったほうが眠れるんだな」


ガチャ

魔女「じゃんけんで決まったことだから」

傭兵「おおマナか。寝よ寝よ」

魔女「それはエッチなお誘い?」

傭兵「ちがいます。それよりその手の箱はなんだ」

魔女「今日とある店で買ったの」

傭兵「あぁー結局なんだったんだ見せてくれよ」

魔女「私とあなたに必要な物」

傭兵「俺達に…?」

魔女「開けてみて。その前にベッドに入らさせて」もぞり

傭兵「お、おう…」



傭兵「あけるぞ」


マナが自信満々にもってきた木箱の蓋をそっと開けてみる。
中には5色の色鮮やかな…サイズ違いの張り型。

明らかに男性器を模したであろう卑猥な形をしている。


傭兵「ってなんだこれ!?」

魔女「あなたと行為に及ぶために事前準備が必要」

魔女「だからこれで毎日少しずつ、拡張していく」

傭兵「なにをいっているのかわからない…お前たちはいつも説明不足すぎる…」

魔女「私の膣…アソコにっ! ペニス…コレを挿れて」

傭兵「ぼかし方が逆逆!」

魔女「まずこの1番小さいのをアソコに挿れたままで生活する」

魔女「するとすこし広がる。でしょ? そしたら次は2番目に小さいのを挿れて生活する」

魔女「3つめが入るようになる頃には…きっとあなたのモノを受け入れることができる…と言われた」

魔女「きっとうまくいく。よかった」

傭兵(何か変なものでも食べたのかなぁ)ゆさゆさゆさ

魔女「あうあうあう…やめて。バカにしちゃだめ」

魔女「私は本気だから」


魔女「あなたは私が誰とセックスするかは私の人生次第といった」

魔女「だから私は自分で手に入れる」

傭兵「お、俺を…?」

魔女「…」コク

魔女「あなたがほしい。あなたに抱いてもらうのは…きっとなにもかも満たされると思うから」


マナはぎゅっと張り型を握りしめ、いつになく真剣な目でまっすぐ俺を見つめてくる。

傭兵「マナ…お前そんなに俺のことが」

魔女「好きよ。ユッカに負けないくらいあなたと一緒にいたい」

傭兵「…」

困った。
俺はマナのことは可愛いと思っているが、恋愛感情は持っていないし、肉体的つながりがほしいとも思っていない。
あくまで、友人に預かった身として大切にしたいだけだ。

おそらくマナはいま思春期の性衝動に翻弄されているだけ。
誰にだってそんな時期はある。
だからむやみにここで受け入れて、のちに大人になった時のマナを傷つけてしまうことは避けたかった。


魔女「だめ…?」

傭兵「一緒にいるのはいい。けどセックスまでするは…違うんじゃないか」

魔女「ちがわない。一緒にいる男女は交尾をするもの」

傭兵「動物はそうだけど。俺たちは人間だろ。簡単にセックスするものじゃない」

魔女「ユッカとはしてたのに」

傭兵「うぐ…それは、呪いで」

魔女「しかたなくなの?」

傭兵「そういうわけでもないけど…それ以上言うのはちょっと恥ずかしい」

魔女「…やっぱりそうなのね。でも私もユッカみたいにしてほしい」

魔女「あなたのことを求めている。今日のデートではっきりわかった」

魔女「でもあなたはユッカが好き…その次にヒーラが好きで…私のことは…」


傭兵(そうか。マナは妬いているんだな)

傭兵(こいつはずっと自分がないがしろにされているんじゃないかと思っていたんだ)

傭兵(だからこんなに無理して俺の気を引こうとして…)

傭兵(ぶっきらぼうで何考えるかわからない奴だと思ってたけど、ちゃんと感情はあるんだな)


傭兵「マナ、おいで」

魔女「!」

傭兵「俺の膝の上にのっていいぞ」

魔女「…ぅ、うん」のそり

俺は恐る恐る近づいてくるマナをぎゅっと抱きしめて頭をなでた。

こいつは産まれと育った環境のせいでスキンシップをとるのが下手だ。
他人との適正な距離間がわからない。
だからつい突拍子もないことをしてしまう。

傭兵「あのなマナ。俺はお前たちに順番なんてつけないよ」

傭兵「みんな大事な仲間だ。お前のことも大切に思ってるよ」

魔女「…ぅ、そう」


マナは胸の中で小さく頷いた。
俺はこの無垢な少女にもっとたくさんのことを教えてあげたいと思った。
これからの旅で、楽しいことも嬉しい事も、時には哀しいこともたくさん共有したい。
そしてマナの人生の糧となってやりたいと思った。


傭兵「あのな。好きな人同士のセックスはな、しっかりと順序を踏んでからやる