モバP「飛鳥と光・発動編」 (15)


『雨♪』

飛鳥「セカイには『雨の似合うヒト』と、『雨が似合わないヒト』がいる。……キミは、どっちだい?」

光「そのどちらでもないかなぁ。アタシは、雨を吹き飛ばすヒーローなんだ!」

飛鳥「ヒトの心の太陽か。フフッ、キミらしいね……ならボクは、闇の下踊るピノッキオかな」

モバP「お前たちは『雨で風邪引く人』だな。傘ささずに外出るな!」

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『二人の目線』

光「なー、飛鳥って何食べてるんだ?」

飛鳥「取り立てて変なモノは食べていないよ。せいぜいスナック少々か、Pの指示に合わせて低カロリー高タンパクを心がけてる程度かな。……身長、また伸びなかったのかい?」

光「うん……。『セノビッグ・O』は試してみたけど、全然効果なくって」

飛鳥「ふむ。スポーツは試してるかい? バスケとか、足の骨にストレスをかける運動は、効果があると聞くよ」

光「ダンスやってるし……」

飛鳥「言えた」クスッ

光「笑うなぁっ。……ジャンプすると違うのかな?」

飛鳥「思い立ったら即断実行、なんだろう?」

光「やってみる価値はあるな!とうっ、とうっ!」ピョンピョン

飛鳥「ほぉら、取ってごらん」エクステプラプラ

光「わ、右へ左へ動かすなぁ!?」ピョンピョンピョンピョン

飛鳥(まだ伸びなくていいよ、光。ふふ……)

モバP(猫じゃらし……)


『将棋』

光「うわ、囲まれてる!?」

飛鳥「ボクの戦い方を教えてあげるよ。……消耗戦。痛みに耐えて戦う戦法さ」

光「駒を贅沢にするんだなぁ。でも、囲まれてるなら一点を突いてやるっ!」

飛鳥「犠牲を恐れず突き進むのか。光は真っ直ぐだね」

美由紀「二人ともなにしてるの?……わーっ、かわいいライオンさん!」

モバP「どうぶつしょうぎなんて置いてあったか、ここ?」


『海と夏と』

光「海だ、海だよみんな!青くて生臭くて、魚のいる海だよっ!」ピョンピョン

飛鳥「ン……少なくとも山ではないね」ファサァ

愛海「山なら選り取りみどりだよ?」モミモミ

七海「お魚は海だけじゃないれすよ〜」ブンブン

鈴帆「ウンニャ、海は魚だけじゃないんよぉ!」キグルミ

美由紀「わぁ、鈴帆ちゃんがイルカさんだー♪」キャッキャ

モバP(『子守は任せます。かしこ』……ちひろさん逃げたな!?)ポチポチ

乃々(ちひろさんに続きますけど……)ソロソロ

蘭子「森の支配者よ、己が運命はいずこへ繋がっている?(あれっ、乃々ちゃんどこか行っちゃうの?)」ヒョコッ

飛鳥「人は皆旅人さ。悲しみを繰り返し、ボクらは何処へ行くんだろう……」ファサファサ

光「なー、あそこの島まで泳いでみようよ! 秒読みは始まったぁ!」ダッダッ

乃々「え、えっと、準備運動しないで海に入るのはやめた方がいいって、思います……」モジモジ

愛海「そうだよ!柔軟しっかりしないと、身体つっちゃうよ?」モミモミ

七海「七海はお魚を釣りたいれすね〜♪」ブンブン

蘭子「璧を持ってこれを奉ずる!(ビーチバレーやりたい!)」クルクル

美由紀「鈴帆ちゃんのキグルミ、ボートにもなるんだー♪」プカプカ

鈴帆「ふふふ、晶葉しゃんとの合作なんよ。しかも脳波でコントロール出来るけんね!」フハハ

幸子「なんでボクがずっと揉まれてるのを誰も止めてくれないんですか!?」カワイイ


『食』

スタジオ

飛鳥「ボクは飛鳥、今日はグルメレポーターの二宮飛鳥だ。白米の食べ比べなんて、珍しい企画だね」

光「グルメレポーターヒーローの南条光だ! 『こしひかり』『ゆめぴりか』『まあずれい』……色々あるけど、お腹に入ったら全部同じじゃないか?」

飛鳥「戦中派かい? 色、ツヤ、香りに味と、比較する部分は多いよ。……へぇ、香り米入りも食べられるのか。興味深いね」

光「飛鳥ってそういうの、詳しいんだな!」

飛鳥「ふふ、昔取った杵柄という奴さ」




舞台裏

スタッフ「あ、いたいた。Pさーん、ちょっといーッスか?」

モバP「どうかなさいました?」

スタッフ「二宮さんからッス。これ、Pさんに預かって欲しいらしくて」スッ

モバP(美味しんぼ? 飛鳥の私物か)「それはそれは、御足労を」

スタッフ「いえいえ。にしたって二宮さんは、勉強家ッスねー。これ、直前まで読んでましたし」

モバP「資料に使ってたんです?」

スタッフ「ウィッス。そうそう、これ読んでたの、南条さんには秘密にして欲しいって」

モバP「見栄、張りたかったんでしょう。単行本に付箋とマーカー引く奴なんて、初めて見ました」パラパラ


『感染拡大』


光「飛鳥! 自由って切なくないか!?」

飛鳥「大人になったんだね。自由とは束縛とトレードオフの関係であり、正義と同じく行使者に全ての責任が帰結するドライな代物だからね」

光「かもしれない……でも、自由で苦しむ人がいるなら、アタシはその人を笑顔にしたい!」

飛鳥「それがキミの正義か。……ひたすら真っ直ぐな真白の意思は、いつか己すらも傷付けるよ」

光「例えそうでも、アタシが何になっても!アタシは正義を貫きたい!」


美玲「感染拡大は抑えられないのか!?」

蘭子「幼き小公女、果敢なる挑戦者、太陽の子……全て我が片翼に塗り替えられた!(美由紀ちゃんも、美羽ちゃんも、光ちゃんも、みんな飛鳥ちゃんみたいになっちゃったーー!)」

晶葉「そうか、そういうことだったのか……中二とは……進化とは……!」カタカタドワォ


『桜花嵐』

光「あったかくなって来たなぁ……あ、あそこの樹!」

飛鳥「ちょうど芽吹いて来てるね。三分咲きと言ったところかな」

光「そういうのって、何か基準あるのか?」

飛鳥「私感のみ、だよ。満開と比べ三割くらいの咲き方なら、なんだって三分咲きさ」

光「ふーん……。それにしても、立派な樹だね」

飛鳥「幹も太いし、この事務所の主なのかもね。……綺麗だ。叶うなら写真でも撮りたいな」

光「飛鳥、ちょっとこっち向いてくれ!」パシャッ

飛鳥「んうっ。撮るなら撮ると言って欲しいよ」シバシバ

光「ごめん……。でもほら、良い画になっただろ?」スッ

飛鳥「瞬間を永遠として切り取る……なるほど、確かに趣き深いね。データ、貰えるかな」

光「ああ! 後で送っとく!」

モバP「集合写真撮るから、みんな木に寄ってくれっ!さーん、にー、いち!」

チーズ!パシャパシャパシャパシャパシャッ


『三年後』

飛鳥「光はアニメのテーマソングのタイアップだけじゃなく、役も貰ったんだね」

光「一話限りのゲストキャラだけどな! ただ……」

飛鳥「役に不満でも?」

光「うん。悪役なんて初めてやるから」

飛鳥「南条光の新境地を開くと思って、やってみるといいさ」

光「変な感じになったりしないか?」

飛鳥「ボクは見てみたいな。キミがどう悪を演じるか……」

光「う……そ、そう言うなら、やってみる! 辞める選択も無いし!」

飛鳥「選んだ道を信じたら突き進めばいい。楽しみにしてるよ」

光「よーっし!ならば、取って置きの特訓だーーっ!」


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後日

飛鳥「おはよう、光。調子はどうだい?」

光「『私は平生のままだ、飛鳥。お互い目的を果たそう』」

飛鳥「……私? 私ってなんだい」

モバP「ああっと、失礼。光は今、生活の中でもキャラクターを演じてるんだ」

飛鳥「生活の中でも?」

モバP「真女形みたく、生活の全てを特訓に当ててるんだ……光、頑張ってくれ」

光「『私は全てを背負うと決めた! Pの望み、確かに聞き受けた……!』」

飛鳥「やり過ぎじゃないかい?」

光「『こうでもしなければ、私はキャラクターを理解を出来ないのだ……!』」

飛鳥「大変そうだね……」


<=//[:


収録当日:スタジオ


光「……『私は、前に進むしか無いんだぁぁぁ!』」

スタッフ「……っし。オッケーでぇす! 南条さんお疲れ様でしたー!」

光「『うん、スタッフも大義であった』」

スタッフ「もう収録終わってるっスよ?」

光「……え、ああ、ごめんなさい! ありがとうございます、お疲れ様でした!」

スタッフ「お疲れ様でしたー!」

モバP「光の芝居はどうでした?」

スタッフ「バッチリっス、これなら!」

モバP「同感です。飛鳥はこのままスタジオで待機な?」

飛鳥(……光。役に足を引っ張られてい るのかい……?)

モバP「……おーい、飛鳥ー?」ブンブン


飛鳥「あ、ああ、うん。回収は六時で合ってるね?」

モバP「ン。そうそう、次のグルメレポート、クジでイチゴババロアおにぎりになっちゃったんだが……」

飛鳥「イチゴ大福みたいなものだと思えば、大丈夫さ。企画者を市中引き回しにし、お百姓さんの前に犬神家するべきだとは思うけどね」

モバP「言えた。じゃ、そっちも頑張ってな」スタスタ

飛鳥「お互いの健闘を祈ろう、フフ……」

飛鳥(……ボクの収録まであと二十分。光の楽屋に行くべきだろう、今はね)


楽屋

コンコン

ガチャ

飛鳥「失礼。光、お疲れ様」

光「あ、飛鳥! 見ててくれたのか?」

飛鳥「うん。迫力ある名演だったよ」

光「へへ、サンキュッ! ……なら、良かった……」

飛鳥「……光。もしかして、不満なのかい?」

光「どうしてそう思うんだ?」

飛鳥「目が腫れてる。それくらいしか、推測の根拠は無いかな」

光「…………」

飛鳥「……言えないなら、それでいいさ」

光「……役にのめり込む為にさ、沢山の人に、凄く迷惑をかけたと思うんだ。その都度Pに助けて貰って、でも、迷惑かけたってことは変わらないから……」

飛鳥「確かにやり過ぎではあったね」

光「うう……」


飛鳥「……けど、ボクはキミの姿勢を気に入ってるんだ。結果が過程を肯定する、とまでは言わないけれどね」

光「そうなんだ?」

飛鳥「そうさ。だから、キミを祝いたいって思っているんだ……カラオケ、行かないかい?」

光「なんでカラオケなんだ?」

飛鳥「芝居に労力を振ってて、最近歌ってないだろう?」

光「……あー、うん。じゃあさ、美由紀ちゃんたちも呼んでいいか?」

飛鳥「都合、つくといいね。手分けしようか」ピポパポ

光「ありがと。えっと、予定は今日にしなくてもいいから……」ピポパポ

飛鳥(……全てを投げ捨て前に進む。その熱情は好きさ。だから、今日を祝うんだ。捨てたものを拾いなおし、進んだ足跡を見つめるために)


おわり


前作
モバP「飛鳥と光!」

美由紀ちゃん誕生日おめでとうございます!

まだ主題歌には早いと思いました。
飛鳥は箸使い上手いイメージあります。
福岡なまり難しいです。
依頼出してきます。

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