少女「私は君の所有物」補完(16)

スレタイ 少女「私は君の所有物」
>>150 の続き

三年越しの完結です

少女「……私の方が」

少女「もっと好きだから……?」ドキドキ

小鬼「あっ……」

小鬼(……掌に、鼓動が……)

小鬼(伝わって、きて……?)

少女「……分かる?」ズイ

小鬼「!!」

小鬼「……わ」

少女「わ?」

小鬼「分かり……ますよ……?」

少女「!」ドキッ

少女「……」

小鬼「……」

小鬼「ん……」ギュッ

少女「ん……っ」ギュゥ

小鬼「……」

少女「……、小鬼、くん」

小鬼「……?」

少女「……あった、かいね」

小鬼「……ええ、……とても」

小鬼「あったかい、ですね……」

少女「……うん」ギューッ

少女(やっと……見つけた……)

少女(……わたしの、いばしょ……)ブワッ

少女ルート   END

~エピローグ

あれから何年経っただろうか。

小鬼は鬼と成り、少女は鬼の妻と成った。

薬を作っては、時々やってくる商人に薬を渡す。

商人さんは老けても、まだまだ元気にやってくる。

山奥でのひっそりとして。

細々とした生活はいつまでも続いている。続いていく。

自分は今、墓の前に居る。

去年の冬、私の母の代わりとも言える妖狐は逝った。

身体を蝕む呪いはついぞ、命をも蝕んだのだ。

涙は枯れ果てるまで泣いた、そして力の限りに啼いた。

鬼「……妖狐さん」

妻「……ずっと、呪い、と戦ってきて、むしろ長生きした方です」

鬼「そうだね、…………最期まで綺麗なのが凄いくらいで」

妻「はい……。あんなに美しく、生きれるっていう……証拠かもしれませんね……?」

鬼「……」

妻「……」

妻「……今日は冬風がきついですし、そろそろ」

鬼「……そうだね、ごめんね妻。身重の君をこんなところまで……?」

妻「いえ、……謝ることは……」

妻「……私にとっても、妖狐さんは一人の母のような存在でしたから……」

妻「墓参りには来たかったのですよ」

鬼「!」

鬼「……ありがとう。きっと、妖狐さんも妻が顔出してくれて喜んでるよ」

鬼「さっ……帰ろうか……?」

小屋

妻「……あっ」

鬼「妻……どうしたんだい?」

妻「今、……お腹の中で元気に動いて……」

鬼「それは、本当かい……?」

妻「あっ……今も……」

鬼「どれどれ……」ズィ

鬼「ああ……本当だ、……元気に動いてるね……」

妻「ふふふっ……」

妻「早く生まれてきて、元気な姿を見せてほしいですね……」

鬼「……本当に、早く見たいね」

鬼「僕たちの子供の顔を」

妻「あらあら……」クスクス

鬼「……そうだ……」

妻「?」

鬼「もう、子供の名前は決めてあるんだ」

妻「どんな名前かしら?」

鬼「うん、名前はね――」





                          少女「私は君の所用物」fin.

これにて補完完了です。

久しぶりに自分の作品を思い出して、未完だったことを思い出しての補完です。
未完で失踪し、すっかりお待たせし、もう覚えていない人もいると思います。
申し訳ありませんでした。

これにて少女ルートは完結です。

それでは

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