【艦これ】提督「完全体磯風」 (40)

・田舎鎮守府で磯風とほのぼのと生活するだけ

・完全体(欠点無し)のヒロイン力MAXな磯風

・戦闘なんてなかった

↑でもいいならどうぞよろしくお願いします

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提督「———地図によればここら辺なんだけどなぁ......」

提督「見渡す限りそれっぽい建物が一切見つからん。 この地図本当に合ってるよな?」ハァ

提督(士官学校を卒業して一ヶ月。 ついに俺も提督だと張り切って準備していたが......こんな田舎に飛ばされるとは思わなかった)

提督(見た感じ電車どころか車でさえ殆ど通っていない)

提督(......まあ、本土から離れた小さい島なんだから当然なんだが)

提督「にしても頑張って士官学校を主席で卒業したのにこの扱いって酷くねぇか。 次席のやつは佐世保だってのに......」

提督「俺、大本営に嫌われてた可能性大じゃなねぇかよーーー!!」ウガァ

提督「......行くか」トボトボ

【鎮守府? 前】

提督「......信じたくはないが地図によればこの建物が鎮守府らしい」

古民家<やあ

提督「———ただの民家じゃんッ!?」

提督「認めねぇ、認めねぇぞこんな建物が鎮守府だなんて! どう見てもただの民家じゃん! 田舎によくある民家じゃん!」

提督「そ、そうだ! 表札を見ればここが鎮守府ではなく民家という事が証明され———」

表札<始まりの鎮守府

提督「なん......だと......!?」

提督「此処を鎮守府と言い張るって大丈夫かよ日本海軍......」

提督(しかも始まりの鎮守府ってなんだ? 聞いた事もない名前だぞ)

提督「もしかして左遷専用の鎮守府だったりしてな!」

提督「あっはっはっは......ははっ、笑えねぇ」

提督「......とりあえず入ってみるか」

提督「ごめんくださーーーい!!」

シーン

提督「誰もいないのか......? お邪魔しまーすっと」

提督(外から見るとボロい民家だが、中はそうでもないな。 隅々まで掃除が行き渡ってるし、なんか落ち着きがあるというか歴史があるというか......)

ガララッ

提督「居間か。 畳張り、アナログテレビ、木製丸テーブル......うん、やっぱり田舎の一軒家だな」

提督「歩き疲れたしちょっくら一休みするか。 鎮守府ならいいだろ、鎮守府なら」ヨッコラショ

提督「......よく考えたら秘書艦がいねぇ」

提督「秘書艦は提督より先に鎮守府に着任してるって聞いたが、何処にも見当たらないな」キョロキョロ

提督「予め秘書艦の資料は貰ってるが......お、あったあった」ゴソゴゾ

提督「えーっと俺の秘書艦は......磯波って子か。 おうふ、何とも田舎が似合いそうな女の子だ。 セーラー服来てそこら辺歩いてそうだなおい」

提督「何処行ったんだ? 時間通りに到着したはずだぞ?」

提督「まさか秘書艦いないとか......流石にそれはないと思いたい」

ザザーン......

提督「はあ......太陽はこんなに暖かいのに、海はこんなに青いのに、俺ってばついてねぇな」

アッサリーシッジミーハーマグリサーン

提督「あさりの味噌汁とかいいな。 熱い米と一緒に食うと格別......あ?」

アッサリーシッジミーハーマグリサーン

提督「誰の声だ? ......浜辺に誰かいるのか?」

提督「行ってみるか」

「あっさりーしっじみーはーまぐりさーん。 あっさりーしっじみーはーまぐりさーん」

提督「ちょっと! そこの君!」

「あっさ———む?」

提督「この島の子? 少し聞きたい事が———」


磯風「この磯風に何か用か?」


提督「———」

磯風「......聞いているのか?」

提督「あ、ああっ、すまない。 意識が何処かに飛んで行ってた」

磯風「意識が飛ぶとは......大丈夫か? なんなら鎮守府で休むか?」

提督「お構いなく......って、やっぱりそこの建物は鎮守府なのね......」

磯風「ああ。 暫く機能を止めていたが、今日から新人提督が来るから鎮守府として復活だ。 まあ、私も艦娘の中では新人なのだがね」

提督「艦娘!? もしかして君が秘書艦?」

磯風「何故それを............まさか、今日着任する司令か?」

提督「あ、ああ。 そうだ」

磯風「......中に入ろう。 居間で待っていてくれ」ダッ

提督「え、ちょ、ちょっと待てよ!」ダッ

磯風「飲み物は何にする? お茶か? それともコーヒー?」

提督「お、お茶で頼む」

磯風「了解した」

提督(この子が秘書艦の磯波か。 何か写真で見るよりずっと可愛いというか、綺麗というか......お嬢様っぽい)

提督(写真映りで人はどれだけでも変わると言うが、これほどとは)

提督(......さっきのワンピース姿、綺麗だったなぁ)

磯風「はいどうぞ」コトッ

提督「っ、あ、ありがとう」

磯風「......随分と緊張しているな。 艦娘と話すのは初めてかな?」

提督「そ、そういうわけじゃない。 ただ、資料に載っている情報とあまりにもかけ離れていてビックリしただけだ」

磯風「ほう、それは気になるな。 どんな事が書かれているんだ?」

提督「えっと......性格は少々内気、黒い髪で三つ編み、主砲で弾幕を張りたがる、そんな特型駆逐艦9番艦、だそうだ」

磯風「......司令、それは磯波の事ではないか?」ムスッ

提督「? ああ、そうだが......」


磯風「私は磯風だぞ。 雪風に次ぐ武勲を持つ陽炎型駆逐艦12番艦のい・そ・か・ぜ」


提督「えっ、えぇぇぇぇぇぇっっ!?」

提督「だ、だが確かにここには磯波って書いてるぞ!」ピラッ

磯風「むむっ、字面が似てるからといって着任させる艦娘を間違えるとは......大本営はどうなっている」

提督「んー......どうしようか。 着任させる艦娘を間違えたって結構大事のような気がするぞ」

磯風「私は別に此処でいいぞ。 気候も穏やかで島民の方々も優しく艦娘に理解を持っているからな」

提督「......いつから此処に住んでるんだよ」

磯風「約一週間前からだ。 この民家......こほん、鎮守府を掃除するのには骨が折れたものだ」ウンウン

提督(やっぱり民家だったのかよ)

提督「でもなあ......一応、大本営に連絡しておくべきじゃ?」

磯風「この磯風、料理洗濯皿洗い掃除に裁縫まで何でもできるぞ。 運が良いな司令は。 生活に困らないぞ」ドヤァ

磯風「大本営に連絡すれば私は本土へ帰還するだろう」

磯風「この磯風を司令は手放すつもりか?」チラッ

提督(普通なら磯風の言う事を無視してでも大本営に連絡するんだろう。 後でバレたら色々と大変だろうしな)

提督(———が、どうせこんな田舎に飛ばされちゃ出世もクソもねぇんだ。 多少自分に正直なってもいいんだ。 うんそうだ、そうしよう)

提督「———この鎮守府にいるのは磯波。 愛称が磯風なだけで我が鎮守府には磯風は着任していない!」

磯風「ふふっ......そうだ。 私は磯波。 愛称は磯風、だ。 これからよろしくな、司令」

提督「よろしくな、磯風」ギュッ

初投下は短めでおしまい

最低週一投下したいなぁと考えてます

投下開始します

磯風「む、もうこんな時間か。 司令、昼食は取ってきたか? 必要なら作るぞ?」

提督「船で軽くおにぎりを食べて来た。 まだ大丈夫だ」

グウウウ......

磯風「......それは本当か?」

提督「......おにぎりは食べた」

磯風「おにぎりだけ、というオチではないよな?」

提督「あははー......まあ、そうなるかなぁ」

磯風「はあ......。 ちょっと待っててくれ。 軽く何か作ってくる」

提督「それは流石に悪い。 まだ色々と整理しないといけないのに俺の空腹だけで作業を遅らせるわけには......」

磯風「作業なら後ででもできる。 それに急いで準備を整えるほど周辺の海域は危険ではない。 寧ろ平和過ぎるくらいだぞ」

提督「だが......」

磯風「下調べした私が言うんだから間違いない。 さ、司令はそこに座ってテレビでも見ていてくれ」

提督「......ならせめて手伝わせてくれ」

磯風「だから座ってて———」

提督「提督命令だ」

磯風「......好きにしてくれ」ヤレヤレ

提督「そうさせて貰うよ」ニッ

磯風「司令は豆腐とカブを切ってくれ。 他は私がやる」

提督「......なんか役割が少ない」

磯風「軽いものを作ると言っただろう。 私一人で素早く作れる量なのだから仕方ないだろう」

提督「それもそうか。 あ、結局何を作るんだ?」

磯風「味噌汁だ。 素早くできて体が温まる」

提督「味噌汁を作るならさっきの貝を使えばもっと簡単だろ」

磯風「知ってるか司令、貝類は砂抜きという時間がかかる作業が存在するんだぞ?」

提督「??」

磯風「......明日にでも教えよう。 当分は二人で暮らすのだからそれくらい覚えて貰わないと困る」

提督「ふ、二人で?」

磯風「何を驚いている。 この鎮守府にいるのは私と司令の二人だけだ。 妖精さんを含めるなら話は別だがな」

提督「間宮とか大淀とか......」

磯風「私が着任した時から居ない。 居たのは妖精さんだけだ」

提督「......やっぱり大本営に文句つけてやろうかなぁ」

磯風「却下する。 もしバレたら本土へ帰されるではないか」

提督「言うねぇ。 よっぽど気に入ったんだな、この島」

磯風「......故郷でも何でもないのだがな。 不思議と此処は居て安心できるんだ」

提督「ふーん......俺は特に何も感じないけどねぇ。 妖精さんの数が本土に比べてやけに多いくらいしか違いが分からん。 ほら、此処にも」

野良妖精「やーん」

提督「勝手に豆腐をつまみ食いすんな」

妖精さん「おたすけを〜!」

磯風「......驚いたな。 野良妖精さんが人の前に現れるとは」コチョコチョ

野良妖精「ああ〜ん! おやめくだされおだいかんさま〜!」ジタバタ

提督「俺、昔から妖精さんに懐かれてさ。 しょっちゅう遊び相手とかしてやってたんだよ......ほい切り終わった」

磯風「む、いつの間に」

提督「妖精さんと喋りながら作業するクセがついてるから慣れっこだよ」

磯風「まあ私も終わっているがな! 司令より早く!」ドヤァ

提督「へいへいそうですか......お?」

野良妖精2「けいしょくです?」

野良妖精3「ごはんごはん〜」

野良妖精4「おめぐみをー」

提督「なんだ三人しか増えなかったのか。 珍しいないつもは十人近く来るのに」

磯風(......一人ならまだしも一気に四人に増えた? こんな事普通ではあり得ないぞ......)

磯風(人前には絶対に姿を現さない野良妖精さんと交流できる人間、か)

磯風「これは面白くなりそうだな」ニヤリ

提督「面白くなりそうって...何が?」

磯風「何でもないさ。 ほら、早く仕上げるぞ」

提督「———う、美味いっ!!」

野良妖精1「うまうまー」

野良妖精2「みつぼししぇふのあじー」

野良妖精3「おしあわせー」

野良妖精4「このおみそしるをつくったしぇふをよべー」

磯風「当然だ。 この磯風が作ったのだからな」ドヤァ

提督「ただの味噌汁を作っていたようにしか見えたかったのに何故こんなにも美味くなるんだ......」

磯風「ふふんっ、そうか美味いか。 そう言ってくれると浜風と浦風に教導してもらったかいがあったな」

提督(こんな料理が毎日食べれると考えると、やっぱ大本営に連絡しなくて正解だったな!)

磯風「んふふっ」ニコニコ

提督(おまけに可愛い。 超可愛い。 それに......)

磯風「〜♪」チラー

提督(何処とは言わないがチラチラ見えるのがまた......)

野良妖精1「よこしまなことかんがえてるです?」

提督「シャラップ」デコピン

野良妖精「のうてんをかちわられるぅ〜」

提督「ご馳走様でしたっ!」

野良妖精一同『ごちになりましたー』

磯風「はい、お粗末様」

提督「はふぅ......しーあーわーせー」ゴロン

磯風「むっ...司令、この後は荷物の整理に取りかかるのではなかったのか?」

提督「あぁ...そうだったねぇ。 でもお腹膨れたらになったら眠くなったー」グダァ

磯風「一見真面目そうな司令だと思ったが、そうでもないようだな」

提督「真面目だよー士官学校だって主席で卒業したしー」

磯風「士官学校を主席で卒業したのに此処へ飛ばされた...教官でも殴ったか?」

提督「そんな事をするわけねぇだろー。 まあでもこんな風にグダグダできて磯風もいるんなら此処でいいやー」

磯風「嬉しい事を言ってくれるな」フフフッ

提督「磯風もちょーっと休もうよ。 どうせやる事はないんだろー?」

磯風「書類の整理、洗濯物の取り込み、掃除、夕飯の買い物と支度。 秘書艦は忙しいのだよ。 長い船旅の疲れもあるだろうから司令は休むといい」

提督「俺だけ休むとか何か罪悪感が生まれるからヤダ。 だから磯風も休むべき。 提督命令です」ビシッ

磯風「......ワガママな司令だ。 まるで子供だぞ」

提督「子供心を忘れない大人は最強なんだよ。 だから休もう」フッ

磯風「まあ、そこまで言うなら少し休もうかな」テクテクゴロン

提督「え、何故に俺の隣で?」

磯風「人前には絶対に姿を現さない野良妖精さんと交流できる司令を近くで観察しようと思っただけだ。 あまり気にするな」

提督「......(すっげぇ気になるけど)まあいいか。 それじゃお休みー」

磯風「ああ、お休み司令」

【数時間後】

提督(んぁ......何かいい匂いがするな......この匂いは......)

提督「———カレーッ!!」ガバッ

磯風「っと、やっと起きたか。 おはよう司令」

提督「おはよう......って、何か太陽が沈みかけてるっ!?」

磯風「ヒトハチマルマルちょうどだ。 よほど疲れていたんだろうな、ぐっすり眠っていたぞ」クスッ

提督「す、すまない。 あ、何か手伝う事とかは......」

磯風「書類整理、洗濯物の取り込み、掃除、夕飯の買い物と支度、風呂沸かしまで終わった。 あと荷物の整理も少々というところだ」

提督(おうふっ)

提督「......着任初日から何やってんだかな、俺は」ズーン

磯風「そう気を落とすな。 今日失敗したからといって明日も失敗するわけではないだろう? その経験を踏まえて次に失敗しなければいいだけさ」ニッコリ

提督(て、天使だ、ここに天使がいる......!!)

磯風「この話はお終い。 さあ夕飯を食べよう。 今日は司令の着任祝いにカレーを作ったんだ。 たくさん食べてくれ」

提督「......ああ!」


提督(出世とか鎮守府とかには恵まれなかったが......俺、もしかしたら提督で一番秘書艦に恵まれたのかもしれねぇ)

今回の投下は終了

たぶん磯風はこうして提督をダメ(磯風依存)にしていくんだと思う。

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