男「何でも叶う能力?」天使「はい!」(25)

天使「はい! 本日はその件についてお伝えするため、天の使いが自ら参上いたしました!」

男「………」

天使「………」

男「………」スッ

天使「あぁ、無言で携帯を構えないでください! 怪しいものじゃないですから!」

男「怪しい奴は総じてそう言うだろうが…」

天使「む、否定はできませんね」

男「で?」

天使「『で?』とは、どういう意味で?」

男「結局お前は何者なんだ、ってことだ」

天使「最初に言ったじゃないですか、天の使いですよ」

男「天の使い、つまり天使か……いまいち抽象的すぎるかな」

天使「はぁ、そういうモノですか」

男「第一、天使って言ったって沢山いるだろうに」

天使「はい、いますね」

天使「あの子とかその子とか……あ、あんな子もいたなぁ」

男「思い出に浸っているところ悪いんだが、また『あの子』とか『その子』とか。天使って名前無いのか?」

天使「あぁ、そんなものは存在しませんよ、人間だって容姿から名前を連想しますでしょ?」

男「そうかもしれないけど……お前が地上にいる以上は必要になるだろ」

天使「屁理屈な生き物ですねぇ、人間ってのは」

男「うるせ」

男「じゃあ、お前はなんなんだ……天使ってのは分かったけどさ、具体的にお前って言う天使はどんな奴なんだ?」

天使「ハッ!もしやそれはアレですか『君の事が深く知りたいんだ』って言う口説き文句ですか!」

男「何故に見知らぬ奴にアプローチせにゃならんのだ!」

天使「ナンパですよ、ナ・ン・パ! キャー!」

男「はぁ……お前との話は中々進まないな……おい」

天使「そんなに無意味な話が多いですかね、私」

男「あぁ、毒にも薬にもならない事ばかりだ」

天使「そんな……ってあ、それ私のアレです、特徴――と言うか二つ名です」

男「?」

天使「毒にも薬にもならない…即ち『無価値なもの』ですかね」

男「ん? どっかで聞いたことあるな」

男(そうだ、ちょうどpcを開いてることだし―――)

男「―――ふむふむ」ググリ

天使「ん、何してるんです?」

男「google先生に話を伺っているんだ」

天使「先生? パソコンには先生が住んでるんですか?」

男「んなこたggrks……お、wiki発見」

男「えーっと、何々?」

男「『ベリアルとは、堕天使の一人。名は「無価値なもの」を意味するとされる』か」

天使「へー」

男「へー」

男「………」

男「……って堕天使じゃねえか!」

天使「遅っ」

男「堕ちてんじゃねえか!誰だ天使って言った奴!」

天使「それは………お前だぁ!!」グァッ

男「うお! 何の怪談話だよ!」ビクッ

天使「でも実際、天使なんて呼んだの貴方ですよ」

男「そうだけどさ……」

天使「ま、堕天使なんて呼ばれてますけど、私は使いとして地上に堕とされただけですから」

男「……成程、じゃあ何かして堕ちたんじゃなく、役目を以て自ら落とされた堕天使だ、と」

天使「はい、でも堕天使よりは天使の方が聞こえがいいので、天使って呼んでください」

男「はぁ……で、その天使様(仮)が何のご用でしょうか」

天使「言い方が気になりますが、まぁ良いでしょう」

天使「てか最初に言ったじゃないですか、貴方に何でも叶う能力が付いてしまったので、お知らせに馳せ参じた訳です」

男「待て、色々と待て」

天使「はい」

男「えっと…まずはその能力についてだ」

男「何でも叶う、とか言ったな」

天使「はい、正式には何でも叶う訳ではないのですが」

男「と言うと?」

天使「神の造ったこの世界には何たら法則がありますから」

男「ふーん……ってことはモノを消したりは出来ないのか?」

天使「いいえ、できますよ、土や灰に変換すればいいだけですから」

男「そこから新たに生み出すのは?」

天使「可能な範囲はありますが、死人を生き返らせたり人を新たに生み出したり等の禁忌は犯せません」

男「そうか……じゃあ、お前を消すのは?」

天使「消せますよ」

男「なるほど」

男「天使、お前は消え――」

天使「願いは叶わなくなりますがね」ニコッ

男「――無くていい」

天使「フッフッフ」

男「……何で消せないんだよ」

天使「貴方の願いは私を媒体として叶えられるからです」

天使「あなたの願いを私が聞き、それを天界に伝えることにより願いが叶う仕組みです」

男「じゃあお前に伝えてもらえなかった場合は?」

天使「今回は縁がなかった、という事で」

男「お前はどこの面接官だ」

天使「間違ってはいないですけどね、まぁ毎年毎月毎日毎時間毎分毎秒付きまとう事になりますが」

男「はぁ!?なんだそれ、最悪じゃねえか!」

天使「もう内縁の妻って感じですね」

天使「誰が妻だ! 恥ずかしい!」///

男「セリフを奪うな、恥ずかしくないし!」

天使「え、それは私が妻と受け入れると?」

男「どうしてそうなる」

天使「だって恥ずかしくないんでしょ?」

男「女としてみてない、って意味でな」

天使「え」

男「なんだその反応は」

天使「いや、こうやって実際言われてみると悔しいものがありまして」

男「まぁ、あまりタイプじゃないし」

天使「む……何かムカついてきました」

男「俺のせいじゃない」

天使「では時に、貴方の好みの女性は?」

男「何故聞く」

天使「このままでは腹の虫が治まりません」

男「答える必要はないよな」

天使「いいえ、また言いますが、毎年毎月毎日毎時間毎分毎秒付きまとう事になるので」

天使「貴方がどんな勘違いを受けてもいいのなら……まぁいいんですけど」

男「ひでぇ! こいつやっぱり堕天使だ!」

と、毎日 書き溜め→投下 としますのでテンポ悪いのはご了承ください。

アドバイス、ダメだし等あればその都度お願いしたいです!

エロは無いです、ごめんなさい…


男「で、お前の容姿については一旦置いとくとして」

天使「はい、一旦置かれるのは納得いきませんが、はい」

男「その能力については『一部制限はあるが九分九厘の願いは叶う』ってことでいいのか」

天使「ええ、一部制限は『命に関すること』、アナタは見たところ残りの一厘を願いをすることは無さそうですけど」

男「んー、否定はしないな」

男「じゃあ次、お前についてだ」

天使「はいはい」

男「はいは一回……まぁ良いや」

男「お前が天の使いの堕天使で、俺に四六時中付きまとう事は分かった」

天使「人をストーカーみたいに言わないでくれますかね」

男「でだ、それについてはもう理解……って言うか諦めたから良いとして」

男「さっき話題に出た容姿についてだ」

天使「いよっ! 待ってました!」

男「………」

天使「すいません、謝りますから無言は止めてください」

男「はぁ……」

男「で、お前あんまり『天使』って言う風貌してないよな」

天使「え? そうですかね」

男「天使って言うと頭に輪っかと背中に羽だったり、ローブのような布一枚の服だったり、あと半透明で実体が無かったり―――まぁ俺のイメージだが」

天使「あぁ、そういうことですか」

天使「基本的に貴方の言ったような天使はいませんね、全部人間の勝手な妄想でしょう」

天使「で、実体についてですが―――」

男「地上にいる時は実体があり様々な容姿になれる、かな」

天使「―――ほう、よく分かりましたね」

男「あぁ、だから引き合いに出したんだろ」

天使「なるほど、でも何で分かったんです?」

男「実体については見ればわかるだろうに」

天使「ハッ!盲点でした!  見る、だけに」ドヤァァアア

男「で、容姿の変更だが」

天使「……見る、だけに!」ドヤァァアア!

男「お前、『好みの女性は?』って聞いただろ」

天使「…………見 る 、 だ け に !」ドヤァァァァァアアアアア!!

男「さらに『このままでは腹の虫が治まらない』って言ったから、これは容姿を変えられるんじゃないかな、と」

天使「見  る  、  だ――」

男「うるせぇ!」

天使「ひっ」ビクッ

男「で、どうなんだ」

天使「はい……変えられます…一度見た人の要素を取り込んで変身します………」

男「そうか」

男「……」

天使「……」

天使「……ック」グスン

男「泣くなよ……」

天使「だっ……だっでぇ……おど…おどご…ざん……がぁ」グジュグジュ

男「弱っ! メンタル弱っ!」

天使「いぎなり………どなるもの……だから」グスグス

男「…………?」

天使「すぅ……驚いて泣いちゃったじゃないですか!」カッ!

男「速っ! 立ち直るの速っ!」

20ものレスを経て、ようやく家を出る主人公
陰で暗躍し、男を見守るストーカー(天使)
男と天使が一緒に歩く姿を偶然目撃し、傷心する謎の影×2
次回予告をしようとしたら、改行が多すぎてエラーを喰らってしまった筆者

            男「俺の願いは―――」

――――――  そして 男の願いとは いったい  ――――――

      次回『 男「俺たちの戦いは、これからだ!」 』

天使「科学と魔術が交差する時、物語が」
男「やめろ」

天使「さて次回も、サービ」
男「だからやめろ」

天使「来週もまた見てくださいね! じゃーん、けー」
男「アウト!」

天使「んがぐっく」
男「若い世代には伝わらない!」

――――――続く

次回予告で若干語弊がありそうだったので訂正を

願いは幾つでも叶うとします、すいません

アドバイス、ダメだし等 あればお願いいたします

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