モバP「猫の恩返し」 (10)

みくにゃんの扱いが酷いです

事務所

みく「うにゃ~、暇だにゃ~」ゴロゴロ

モバP(以下P)「事務所でくつろいでんじゃねえ駄猫」カタカタカタ、ターン

みく「お昼からあーにゃんとのあにゃんと猫カフェ行こうって約束したんだけど、二人とも午前中はレッスンなんだにゃあ」

P「だったらお前も自主トレ行って来たらどうなんだ」

みく「やーなこったにゃあ。みくは誰かさんに騙されて変な電車に乗せられるロケから昨日の深夜に帰ってきたところなんだもーん」

P「鮮魚列車を馬鹿にすんじゃねえ。地域活性に一役買ってる伝統ある電車なんだぞ。そんな疲れてんなら昼まで寮で寝てたらどうなんだ」

みく「んー、事務所ならお茶とお茶菓子があるからどうせ猫ちゃんの雑誌読むならこっちで読もうかなって」

P「とっとと帰れ」

(ガチャ)

留美「おはよう……ございます……」グシュグシュ

P「おはようございます……って留美さんどうしたんですかその顔!?目が真っ赤じゃないですか」

留美「ええ……ちょっとね……」クシュン

みく「留美サン、ひょっとしてここに来る途中で猫チャンと遊んで来たのかにゃあ?」

留美「……ええ……そんな感じね……」ズーン

P「……ちょっと、顔が青いですよ。無理しないで少し休んでてください。今お茶を淹れますから。みくが」

みく「えっ?なんでみくが?」

P(俺、仕事。お前、ゴロゴロ。あと、お前が何か言ってから様子がおかしくなっただろ)ヒソヒソ

みく「しょうがないにゃあ」

留美「少し……顔を洗ってくるわね……」

みく「みくはお茶を淹れてくるにゃ」

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P「それで、何があったんですか?」

留美「今日、事務所に行こうとして……公園の横を通ったのよ……」

みく「よく猫チャンが居る公園だにゃあ。留美サン、落ち込んでるみたいだけど猫チャンに逃げられでもしたのかにゃ?」

留美「いえ……その公園の横の道路で……猫ちゃんが、――――死んでたの」

P・みく「ええっ!?」

留美「車に撥ねられたんでしょうね。道の真ん中に横たわってたの……でも、誰も見向きもしなかった。車も結構通る道の真ん中だったから、放っておいたらまた違う車に轢かれてしまうかも……って思って、抱えて公園の桜の木の下まで連れて行ったんだけど……」

P「それで、アレルギーが出ちゃったわけですか。良いことしたじゃないですか。なかなかできることじゃあないですよ」

留美「でもね……私に出来たのはそれだけなの……埋めたりも出来なかったし、動物霊園の手配なんかもしない……結局、ただ自己満足のために移動させただけ……」グシュン

P「…………和久井さん」

留美「それにね……抱えて歩きながらも、埋めるのは道具がないからとか、急がないとレッスンに遅れるとか、そんな言い訳をして早く終わらせようと考えている自分がいて……自分勝手よね、私って……」グス

みく「それは違うにゃ」キッパリ

留美「えっ?」

みく「確かに留美サンがしたことは少しだけだったかも知れないにゃ。でも、放っておいたらもっと可哀想なことになっちゃうのは間違いないでしょ?留美サンは留美サンの出来る精一杯をやったんだから、きっと猫チャンも喜んでくれてるはずにゃ」

留美「そう……かしら……」グジュ

みく「そうだよ。だから、留美サンは元気出すにゃ!そうじゃないと猫チャンだって心配しちゃうって!」ポンポン

留美「そうね……私……ううっ……ぐすっ……ひっく……」

P「(内線)あー、俺ですけど。留美さん、アレルギーが出ちゃってコンディションが良くないみたいなんでレッスン昼からに回してもらっても……?あ、はい。じゃあお願いします(ガチャ)ほら、和久井さん。レッスンは良いですからゆっくりしてて下さい」

留美「でも……私……」グスッ

P「良いんですよ、アレルギーの症状なんだから、思いっきり涙を流したっておかしくありません」

留美「ひっく……うわあああああああああああん!!」

みく「よしよし。優しい留美サンにはきっと良いことがあるにゃ」ナデナデ

(ガチャ)

小梅「おはよう……ございます」

P「お、小梅か。おはよう」

小梅「あ。留美さんだ……え?やっぱり留美さんで間違いない……?」

みく「小梅チャン、一体誰と喋ってるのかにゃあ……」

小梅「あの子……だよ?」フフ

みく「」

留美「おはよう、小梅ちゃん。私がどうかしたのかしら?」

小梅「うん……留美さん、公園で轢かれた猫に親切にしてあげた……って」

留美「えっ、見てたの?」

小梅「ううん……あの子が拾った子が……」フフ

みく「」

小梅「え?……『オイラの身体を態々運んでくれた優しいお姉さんに恩返しがしたいニャン』って……?」

P「お、おう。さっきみくの言った通りだったな。さすがみくだ」

みく「いやいやいやいや、みくは生の猫チャン専門にゃあ!」

留美「恩返しって言っても……私はあれだけしかやってないけど……」

小梅「えーと……『それで充分だニャン。恩返ししないと猫が恩知らずみたいに思われてしまうニャン』だって……」

留美「小梅ちゃん……貴方、猫の幽霊ともお話できるの?」

小梅「ううん……私はできないけど……あの子ができるから……通訳してもらって……」

P「みくはできないのか?」

みく「こっちに振らないでほしいにゃ!みくは何にも聞こえないにゃあ!」ガタガタ

留美「恩返し……と言われても……困ったわね……撫でたりしようにも……幽霊相手じゃ……」

小梅「え……?いい方法があるって……?」

みく「みくは何も見てない、聞いてないにゃ……ふにゃ?」コテン

留美「みくちゃん?」

みく「なーお、うなー」スリスリ

小梅「えっと、『この猫耳の娘は波長が近いからちょっと身体を借りるニャン』って……」

P「えーと……そうだ、和久井さん。この際みくと遊んだらどうです?」

留美「どういうこと?」

P「ほら、猫アレルギーって猫の毛とかが原因じゃないですか。みくならアレルゲンも持ってないでしょうしあいつは猫並みに身体も柔らかいし、何より今は中身まで猫になってるし」

留美「そんな……みくちゃんに悪いわ」

P(和久井さん、猫の恩返しを受けてみくを元に戻してやってくれませんか。和久井さんにしか出来ないんです)ヒソ

留美「うーん、私でいいなら……」

P「決まりですね。レッスンは気にせず休憩室辺りで遊んできてください」

留美「わかったわ。ありがとうね、プロデューサー君」

小梅「私も……ついていくね……」バタン

P「さーて、静かになったところで仕事仕事っと」



休憩室

留美「えーと、それじゃあ、この猫じゃらしなんかを……」フリフリ

みく「にゃ、にゃにゃにゃ!」ペシペシ

留美「ほーら、ボールよー」

みく「うにゃにゃー!」トテトテ

留美「またたびクッションなんてのもあるのよ……」

みく「ふみゃ、みゃあ~!」ケリケリ

小梅「留美さん……楽しそう……」

留美「うふふふふ~……」

小梅「留美さん……飲むもの、何か持って来よう……かな?」

留美「あら、いいの?じゃあ牛乳をお願い。みくちゃんは……」

みく「うにゃ?」

留美「……えーと、ちょっと深めのお皿が要るかしら」

小梅「うん……わかった」トテトテトテ、バタン

留美「耳の後ろとかくすぐってみたりして……」

みく「にゃんにゃん♪」

留美「気持ちいい?じゃあ、首元も……こちょこちょこちょ」

みく「うな~お♪」

留美「ああ……スリスリしても大丈夫だし……」

みく「みゃあ~」

留美「……みくちゃん、本当に身体柔らかいのねえ。若さかしら……」

小梅「お待たせ……はい、留美さんの分……」スッ

留美「ありがと。お皿、あった?」

小梅「うん……ちょっと、待ってね……今、入れるから……」

みく「にゃにゃ!」ガタン

留美「きゃっ!?」バシャー

小梅「あ……大丈夫……?」

留美「あらら……私もみくちゃんも牛乳塗れね……」ベター

みく「うみぃ~……」ベター

小梅「……ごめん、なさい……」

留美「小梅ちゃんは悪くないわ。私はジャージに着替えてみくちゃんも着替えさせてくるから、申し訳ないけど片付け、お願いできるかしら?」

小梅「うん……任せて……」

留美「さ、行くわよみくちゃん」

みく「うにゃ?」

更衣室

留美「やれやれ……髪にも下着にもかからなかったのが幸いね。なるべく早く洗濯しなきゃ。ジャージ、どこにしまったかしら」ゴソゴソ

みく「な~お……」

留美「あ、ごめんなさい。みくちゃんも気持ち悪いわよね。とりあえず脱ぎましょう」ゴソゴソ

みく「うにゃ~」

留美「……みくちゃん、スタイル良いわね……。お互い下着一枚ってなんだかいけないことしているような……」

みく「にゃあ?」

留美「……なんでもないわ。さ、ジャージ探さなきゃ」ゴソゴソ

みく「にゃにゃにゃ……」


「きゃあああああああああああああっ!」



P「何だ!留美さんの悲鳴が!?」ドタドタ

小梅「あの……えっと……」オロオロ

P「どうした、小梅!」

小梅「その……」モジモジ

留美「駄目、駄目よみくちゃん!そんなこと……」ジタバタ

みく「にゃあ!にゃあ!にゃあ!」カクカク

P「おい!なんでみくが和久井さんにのしかかって腰をカクカクしてるんだ!!」

小梅「えっと……『思い出したニャン。オイラ、生前は発情期だったニャン。あの公園で向こうにとっても好みのメスがいたから交尾しようと追いかけたらトラックに撥ねられて……とっても格好悪いニャン』……だって……」

P「オスだったのかよあいつ!」

留美「ん、うぅ……駄目ぇ、見ないで、プロデューサー君……」

小梅「『これで、恩返しも出来たし最期の未練もなくなったし思い残すことなく成仏できるニャン。ありがとニャン』……だって……」

P「仇で返してるじゃねえか!」

小梅「あ……逝っちゃった……」

みく「うにゃ?みく、なんだか眠くなって……ってなんやのこれ!?」カクカク

留美「みくちゃん……やめて……激し、すぎっ!」

みく「にゃ、にゃんでみくが留美サンに乗っかって腰振ってるにゃあ!?」

ワイワイガヤガヤ

のあ「みく……貴女……」

アーニャ「удивленный……驚き、です。みく、が、そんな」

由里子「猫キャラなのにタチだっただなんて失望しました。みくにゃんのファンやめます」パシャパシャ

P「見世物じゃねーぞ散れお前ら!大西ィ!その携帯は没収だァ!」

早苗「で、P君は更衣室を開け放ってナニをしているのかしら?」ポキポキ

P「」



三日後

P「あー、ちくしょ。腕いてえ。早苗さんアームロックは事情聞いてからにして欲しかったぜ」

アーニャ「доброе утро。おはよう、ございます。プロデューサー、みくはいますか?この間のこと、謝罪、したい、です」

P「みくなら信貴山に護摩行に行くから一週間ほどお休みだ」

アーニャ「そう、ですか。寂しいです……」

P「小梅と歌鈴だけじゃどうしようもないし、幽霊なんとかできる娘でもスカウトして来ようかね……信貴山に可愛い尼さんいないかみくにメールしてみるか」


おしまい。HTML依頼してきます

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