海未「にこと」 にこ「海未」 (100)

穂乃果「おまんじゅうの試食、持ってきたよー」

絵里「どうしたの、急に?」

穂乃果「お父さんが新作できたから、みんなに食べてもらいたいんだって」

希「そうなん? あとでお礼言いにいかんとね」

花陽「わたしももらっていい? お腹すいちゃって……」

穂乃果「うん、もちろんっ。みんなの分もあるからね!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426269850

ことり「それじゃあ、ことりもひとつもらおうかな」

凛「凛ももらうにゃ!」

真姫「私もいただくわ」

にこ「ん……」

海未「……」スッ

にこ「ありがとう穂乃果、いただくわ」

海未「では、私も。穂むらのおまんじゅうをいただくは久しぶりです」

ことり「……?」

穂乃果「あれ、にこちゃん。いつの間におまんじゅう取ったの?」

真姫「パソコンの前から全然動いてないじゃない」

にこ「……海未に取ってもらったのよ」

絵里「全然気付かなかったわ」

海未「そうですか?」

にこ「まぁ、まだまだ修行が足りないってことね」

真姫「意味わかんない……」

凛「そんなことより、早く食べるにゃっ」

穂乃果「そうだよー」

花陽「いただきます!」

ことり「……」

――

海未「では、今日の練習は終了です」

絵里「寒くなってきたから、風邪ひかないようにね」

真姫「ねぇ、にこちゃん。これからなんだけど……」

にこ「あー……ごめん、真姫ちゃん。これからちょっと用事があって」

花陽「にこちゃん、珍しいね。真姫ちゃんの誘いを断るなんて」

にこ「どうしても、外せない用事があって……」

真姫「そう……なら仕方ないわね」

にこ「ごめんね。また、今度」

真姫「ええ。それじゃあ、私は先に帰るわ」

凛「海未ちゃーん、今から時間ある?」

海未「凛……すみません、今日は……」

凛「おうちの用事かにゃ?」

海未「え? ……ええ。早めに帰らなくてはならないので」

凛「そっかぁ」

花陽「え、海未ちゃんも?」

海未「私も、とは?」

凛「かよちん?」

花陽「あ、えとね。にこちゃんも真姫ちゃんの誘い断ってたから」

凛「へぇー、あのにこちゃんが?」

海未「……たまたま、予定があっただけではないでしょうか」

花陽「……そうだよね」

凛「じゃあ、今日は真姫ちゃんと帰ろうかなぁ」

にこ「真姫ちゃんなら、もう行ったわよ」

凛「にゃっ! それを早く言うにゃっ。かよちんはどうする?」

花陽「わたしはことりちゃんと帰るから、また明日だね」

凛「うんっ。海未ちゃんもまた明日ねっ」

海未「ええ……さようなら」

ことり「花陽ちゃーん、帰ろーっ」

花陽「あ、うん! 今行くねっ。じゃあね、海未ちゃん」

海未「はい、さようなら」

にこ「ちょっと、にこも忘れないでよね」

花陽「わ、忘れてたわけじゃないよっ。にこちゃんもまたね」

にこ「ええ、またね」

にこ「……あれ、希たちは?」

海未「そういえば、いつの間に」

にこ「また生徒会室かしら」

海未「まったく……公共の場をなんだと思っているのでしょう」

にこ「ほんとよね……」

海未「……では、私も帰りますね」

にこ「そうね……にこも帰るわ」

――

海未「……」テクテク

穂乃果「あ、ねぇ。あれ、海未ちゃんじゃない?」

希「お、ほんとやね」

絵里「今日は凛と一緒じゃないのね」

穂乃果「そうだね。最近はいつも一緒だったのに」

希「そんな日もあるんやない? ほら、海未ちゃんも忙しいだろうし」

穂乃果「うーん……そうかも」

希「海未ちゃんだけじゃなく、みんな大変なんかもね」

穂乃果「二人も?」

絵里「まぁ、それなりに、かしらね」

穂乃果「じゃあ、穂乃果が癒してあげるね!」

希「穂乃果ちゃん……ほんとええ子やね」

絵里「その気持ちだけでも嬉しいわ……さぁ、身体が冷えないうちに帰りましょう?」

穂乃果「うんっ」

――

ことり「ふんふーんっ」トタトタ

ことり(花陽ちゃんのほっぺた、ぷにぷにで柔らかかったなぁ)

ことり(もっと触っていたかったけど、衣装も作りたいし、しかたないよね)

にこ「……」トコトコ

ことり(あ、にこちゃんだ)

にこ「……」キョロキョロ

ことり(にこちゃんのおうちって、こっちの方だったかな?)

にこ「……」

ことり(……この近くって、海未ちゃんのおうちだよね)

にこ「あ、あんた」

ことり「!」

海未「……にこ、奇遇ですね。こんなところで」

にこ「ちょっと、こっちの方に用事があってね」

海未「そうでしたか」

ことり(ちょっと、二人の距離、近いんじゃないかな)

海未「いよいよ寒さも厳しくなってきましたね」

にこ「そうね……さすがにスカートじゃ厳しいわ」

ことり(……考えすぎ、かな)

海未「せめてもう少し長くしてみてはどうですか?」

にこ「それもそうだけど……アイドルとしては、ちょっとね」

ことり(ことりも寒くなってきたし、帰ろうかな)トタトタ

海未「……」

にこ「……ことり、帰ったわね」

海未「そのようです」

にこ「……」

海未「……」

にこ「……うっ、やっぱりさむっ」

海未「……うちにあがってください。温かいもの、用意します」

――

凛「真姫ちゃんと帰るの、久しぶりにゃーっ」

真姫「そうね。たまには悪くないかも」

凛「おぉ、真姫ちゃん素直ー」

真姫「な、なによ」

凛「えへへー」

真姫「むっ……」

凛「あ、怒っちゃだめだよ。今日はいっぱい遊ぶんだから!」

真姫「遊ぶのはいいけど……もうすぐテストよ? 大丈夫なの?」

凛「……テストなんて気のせいにゃ」

真姫「凛、あなた……」

凛「あーっ!」

真姫「」ビクッ

凛「真姫ちゃん、あのラーメン屋、すんごくおいしいんだよっ」

真姫「もう……またなの?」

凛「真姫ちゃんはラーメン嫌い?」

真姫「そんなことないけど」

凛「よし、じゃあさっそくいくにゃーっ」

真姫「ちょっと、凛! 引っ張らないでっ」

――

にこ「……」ピトッ

海未「んっ」

にこ「ねぇ……こっち、向いてよ」

海未「ですが……」

にこ「……悪いのは、にこ」

海未「……」

にこ「あんたは何も悪くない」

海未「……」

にこ「ねぇ」スーッ

海未「っ」ピクン

にこ「もう、いいよね」

海未「に……きゃっ」ドサッ

にこ「……」チュッ

海未「そ、それ以上やったら」

にこ「怒る?」

海未「……ええ」

にこ「でも、そう言って」カプッ

海未「っ!」ピクンッ

にこ「いつも、受け入れてくれるよね」

海未「それは、にこが……」

にこ「にこが?」

海未(そんな潤んだ目で)

にこ「……なにも言わないなら」

海未(見つめてくるから)

にこ「こっちからいくわ」チュッ

海未(私は、どうすれば……)

思い付きで書き始めましたが、また明日以降書き溜めをしてから書き込みたいと思います。

以下以前に書いたものの宣伝。

『凛「微熱から」 海未「Mystery」』関連など。

読んでくれる方々、ありがとうございます。おやすみなさい。

こんばんは。少しですが、続けたいと思います。

――翌朝

真姫「にこちゃん、なんだか調子悪そうね」

にこ「ん、そう?」

真姫「ちょっとくまが……」

にこ「あー……昨日、あんまり眠れなかったのよ」

真姫「なにかあったの?」

にこ「ん、ちょっとね」

真姫「そう……」

凛「海未ちゃん海未ちゃんっ」

海未「ふぁ……おや、凛。どうしました?」

凛「? なんだか眠そうだね」

海未「そう、ですね。疲れが抜けきっていないのかもしれません」

凛「あんまり無理しちゃだめだよ?」

海未「……ええ」

凛「今日はおうち帰ったら、早くに休んでね」

海未「はい、ありがとうございます」

凛「……凛との、約束だよ」

にこ(真姫ちゃんはやさしい)

海未(凛はやさしいですね)

にこ(言葉には出さなくても、その気持ちはわかる)

海未(そして、その気持ちを素直に表現してくれる)

にこ(でも、それだけじゃ物足りない)

海未(でも、私はそうはできない)

にこ(……このままで)

海未(いいのでしょうか……)

――お昼休み

ことり「ねぇ、海未ちゃん」

海未「はい、なんでしょう」

ことり「昨日、にこちゃんといっしょにいた?」

海未「にこ? ……ああ、それなら、家の近くでたまたま会っただけですよ」

ことり「ほんと?」

海未「……ええ。なんでも、あの近くに用事があったとか」

ことり「ふーん……そっかぁ」

海未「それを知っているということは、ことりもそばにいたのですか?」

ことり「うん。花陽ちゃんと遊んだ帰りにね」

海未「声をかけてくれればよかったのに」

ことり「ちょっと迷ったんだけどね。ほら、昨日寒かったし」

海未「そうですね。もう、冬も近いですから……」

ことり「そう、だね」

ことり「……海未ちゃんって」

海未「はい」

ことり「寒くなると、近くなるよね」

海未「? どういうことですか?」

ことり(気付いてなかったんだ)

ことり「ううん、なんでもない。ほら、お昼休み、終わっちゃうよ」

海未「……ことり?」

――

にこ「……」

希「にこっち」

にこ「……ん」

希「どうしたん、ぼーっとして」

にこ「ちょっと、疲れてるのかも」

希「憑かれてる?」

にこ(……なにか違う気がする)

希「ははーん……さては、恋の悩みやね?」

にこ「なにばかなこと言ってるのよ」

希「……おや」

にこ「なによ」

希「……今度は真面目に聞くよ。なにかあったん?」

にこ「なにもないって、言ってるじゃない」スタスタ

希「にこっち……」

絵里「あら、希。そこ、にこの席よ?」

希「そんなん知ってるよ」

絵里「にこに用事?」

希「いや、特にはなかったんやけどね」

絵里「そう?」

希「そうや」

絵里「それならいいけど……」

――放課後

花陽「雨、降ってきたね」

穂乃果「そうだねぇ……練習どうしよっか?」

海未「……」

穂乃果「……海未ちゃん?」

海未「あ、はい。なんでしょう」

真姫「海未……あなた、顔色悪いわよ?」

海未「そうでしょうか」

凛「海未ちゃん、あんまり休めてないって言ってたし……大丈夫?」

海未「ええ……さぁ、練習に……」フラッ

絵里「そういうわけにも、いかないんじゃない?」ガシッ

海未「絵里……」

絵里「あなたが倒れたら、皆の練習が大幅に遅れることになるわ」

海未「それは……」

希「そうやね。それに、今日はあいにくのどしゃ降りや」

ことり「みっちり練習、ってわけにはいかないから」

凛「今日はおやすみかにゃ?」

真姫「しっかり休養をとるのも、大事なんじゃない?」

絵里「ええ、その方が今後の練習のためになると思うわ」

海未「皆さん……」

絵里「それじゃあ、今日は各自解散、でいいわね」

海未「はい……すみません、ありがとうございます」

絵里「気にしないで」

凛「じゃあ、凛が海未ちゃんを送っていくにゃ」

海未「ふふ、凛も、ありがとうございます」

にこ「まったく、気を付けなさいよね」

海未「すみません……」

にこ「……」スタスタ

海未「?」

にこ「昨日、ごめんね」ボソッ

海未「!」

にこ「にこは先に帰るけど、真姫ちゃんも行く?」

真姫「うーん……そうするわ。じゃあね、みんな」

絵里「ええ、またね」

海未「……」

凛「忘れ物はないかなぁ……よし、おっけー。さ、海未ちゃん、帰るにゃっ」

海未「……え、ええ」

凛「じゃあ、また明日ね!」

海未「お先に失礼します」

ことり「……なんか」

希「おかしい」

花陽「どうしたの?」

穂乃果「なにかあった?」

絵里「海未の調子のこと?」

ことり「ううん……あ、それも気になるけど」

希「にこっちも、元気がなかった」

絵里「テストが近いから、遅くまで勉強しているとかじゃないかしら」

希「それやったらええんやけど、ね」

ことり「考えすぎかなぁ……」

花陽「ダイエット、してるとか?」

希「ううん……そうじゃないと思うんよね」

穂乃果「……まさか、昨日のおまんじゅうのせいじゃ」

希「もしそうやったら、うちらも体調崩してるんと違う?」

絵里「穂乃果の家のおまんじゅうでそんなことあるわけないじゃない」

花陽「そうですっ。とってもおいしかったし」

穂乃果「そう言ってくれると、嬉しいな。えへへ」

ことり「……」

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「ねぇ、穂乃果ちゃん。やっぱり、海未ちゃん、なんか変だよね?」

穂乃果「うーん……でも、どうしたの、って聞いても、素直に答えてくれないだろうし……」

希「それはにこっちも同じやね」

絵里「二人がいないところで話しても、しょうがないんじゃない?」

ことり「そう、かもね」

花陽「しばらくは様子を見てみようよ」

穂乃果「わかった。穂乃果も注意してみるよ」

希「せやね。うちもにこっちの様子気にしとく」

今日はここまでです。

遅くなりましたが、海未ちゃん誕生日おめでとう!

また明日に更新できたらなと思います。おやすみなさい。

こんばんは。早速ですが続けていきます。

――

凛「海未ちゃん、大丈夫?」

海未「ええ、心配かけてすみません」

凛「気にしないで!」

海未「……はい」ギュッ

凛「! 海未ちゃん?」

海未「っ! す、すみません、急に!」

凛「あ、ううん。ちょっとびっくりしただけ」

海未「……このままで、いいでしょうか?」

凛「うん、手繋いで帰るって久しぶりだね」

海未「凛は、あたたかいですね」

凛「海未ちゃんも、あったかいよ」

海未「ふふっ……」

凛「へへっ」

海未(やはり私は、凛のことが……)

凛「……ねぇ、海未ちゃん」

海未「はい、何でしょう」

凛「凛ね、海未ちゃんのこと、大好きだよ」

海未「ええ……しっかりと伝わっていますよ」

凛「だから、海未ちゃんの力になりないなぁ……って」

海未「凛……」

凛「もしなにかあったら、なんでも言ってね! 凛がお手伝いするから!」

海未「……ありがとうございます、凛」

凛「……えへへ」

――

にこ(あ……傘、持ってない)

真姫「にこちゃん、傘は?」

にこ「ん、忘れちゃったみたい」

真姫「もう、ちゃんと天気予報見てないからよ」

にこ「そうね」

真姫「にこちゃん?」

にこ「……真姫ちゃん。傘、入れて?」

真姫「ええ、もちろんよ」

にこ「ありがと。真姫ちゃんはやさしいね」

真姫「なっ、なによ急に!」

にこ「そう思っただけよ」

真姫「もう……ほら、濡れる前に帰りましょ」

にこ「そうね」

にこ「……」

真姫「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「ん?」

真姫「最近、元気ないわね」

にこ「そうかしら」

真姫「笑顔が減ったわ」

にこ「!」

真姫「初めは、私がなにかしたのかと思ってたけど」

にこ「……」

真姫「皆の前でも笑顔を見せないなんて、にこちゃんらしくない」

にこ「そんなこと……」

真姫「ねぇにこちゃん……なにかあったの?」

にこ「なにも……」

真姫「……」

にこ「ないわ」

真姫「……そう」

にこ「……」

真姫「信じるわ」

にこ「ありがと」

真姫「当然よ。私は、その、にこちゃんの……なんだから」

にこ「ん」

真姫「なにかあったら、相談してね」

真姫「……」

にこ(それから、真姫ちゃんは何も言わなくなった)

真姫「……水溜まり、気をつけて」

にこ(これくらいのことしか)

真姫「……」

にこ(にこが頑固なのを知ってるから、なんだよね)

真姫「……」

にこ(……お互いを知りすぎる、っていうのも、つらいわ)

真姫「……今日は、すぐに帰るんでしょ?」

にこ「え? ……ええ、ママが遅いから」

真姫「わかったわ」

にこ「近くの交差点までで大丈夫よ」

真姫「じゃあ、そうするわ」

にこ「お願い」

――

にこ「ここでいいわ」

真姫「少し、濡れるわよ?」

にこ「大丈夫よ」

真姫「それじゃあ、ここで」

にこ「……ねぇ」

真姫「なに?」

にこ「キス、して」

真姫「こ、ここで?」

にこ「……」

真姫「でも……」

にこ「お願い」

真姫「う……」

にこ「……」

にこ(やめなさいよ、にこ)

にこ「傘で隠せば、だれにも見つからないわ」

真姫「そうかも、しれないけど……」

にこ(真姫ちゃん、困ってるじゃない)

にこ「嫌なら、別にいいけど」

真姫「そんなこと!」

にこ「じゃあ、早く」

真姫「わ、わかったわよ!」スッ

にこ(あぁ……)

真姫「……」チュ

にこ「ん……」

にこ(にこは……)

真姫「……ん、これでいい?」

にこ「うん。ありがと」

真姫「まったく、道の真ん中でなんて」

にこ「そう、だよね……うっ……」

真姫「え……にこちゃん? なんで泣いて……」

にこ「なんでも……なんでもないの」

真姫「なんでもないことないじゃない!」

にこ「ほんとに……ぐすっ……なんでもない」

真姫「にこちゃん……」

にこ「っ……またね!」ダッ

真姫「ま、待って!」

にこ「……」クルッ

にこ「大好きだよ、真姫ちゃん!」

にこ(にこは、最低だ)

――

海未「家の前まで、ありがとうございます」

凛「ううん、気にしないで」

海未「ふふっ。では、また明日、ですね」

凛「うん! あったかくして休んでね!」

海未「はい。凛も気を付けて帰ってくださいね」

凛「うん、じゃあね!」

海未(……今日は、早く休みますかね)

「……」バシャバシャ

海未(? 何でしょう?)

「はぁ……はぁ……」ガシッ

海未「!」クルッ

にこ「はぁ……っ……」

海未「にこ!?」

海未「どうしたのですか! そんなに濡れて……」

にこ「来て」

海未「え……?」

にこ「いいから!」グイッ

海未「あっ……」トサッ

海未(傘が……)

にこ「……」タタタ

海未「ちょっ……にこ!」

にこ「……」グイッ

海未「きゃっ!」

にこ「黙って」

海未「こんな路地裏に……どういうつもりですか」

にこ「うるさい!」ダンッ

海未「!」

海未「にこ……?」

にこ「にこは……最低よ」

海未「何か、あっtにこ「……」チュッ

海未「んっ!」

にこ「黙って、って言ったよね」

海未「……はい」

にこ「にこはね、真姫ちゃんが好きなの」

海未「……」

にこ「それなのに、あんたとこうして……」

海未「……」

にこ「なんで……」

海未「にこ……」

にこ「なんで、あんたが……」

海未「……」

にこ「あんたとのキスが、忘れられないのよ!」

海未「にこ、あなたは」

にこ「真姫ちゃんを困らせて!」

海未「……」スッ

にこ「あんたにもむりやり!」

海未「落ち着いてください」ギュッ

にこ「! やめて!」

海未「やめません」

にこ「なんでよ!」

海未「泣いているあなたを、放っておくわけにはいきません」

にこ「やめなさいよ……」

海未「……」ギュ

にこ「やめ……やさしく、しないで……」

海未「……もう、冷たくなっているではありませんか。さぁ、うちに行きましょう」ニコッ

にこ「う、うぁ……うわああぁぁぁぁああああぁぁああ!」

――

凛「……?」

凛「いま、何か聞こえたような……」

凛「聞いたことある声」

真姫「凛!」

凛「ま、真姫ちゃん! こんなところでどうしたにゃ?」

真姫「に、にこ……はぁ、にこちゃん、見なかった?」

凛「にこちゃん? 見てないけど……何かあったの?」

真姫「あのね、家にも帰ってないみたいで――」

今日はこれでおしまいです。

こんな展開になる予定じゃなかったのに……。

読んでくれる方々、ありがとうございます。おやすみなさい。

こんばんは。

雨が強く降ってきましたが、今日も続けていきたいと思います。

――翌朝

海未「にこは風邪でお休みです」

凛「……」

真姫「……そんな連絡、私にはきてないんだけど」

海未「つい先ほど、連絡がありました」

真姫「メールで?」

海未「ええ」

真姫「そう」

ことり「……ねぇ、海未ちゃん」

海未「なんですか、ことり」

ことり「昨日、ゆっくり休めた?」

海未「……ええ、もちろん」

希「その割には」

海未「希……」

希「やけに疲れた顔やね」

海未「……」

凛「海未ちゃん?」

海未「……すみません。少し、嘘を吐きました」

凛「うそ?」

海未「ええ。昨日は両親ともに不在で」

希「じゃあ、家事とか、自分で?」

海未「はい。頼まれていたこともあったので」

ことり「ふーん……」

絵里「おはよう、みんな」

海未「絵里、おはようございます」

ことり「……」

絵里「あら、ことり? 元気がないようだけど、どうかした?」

ことり「あ、ううん。なんでもないよ。ちょっと考え事」

絵里「そう? なにかあったら相談するのよ?」

ことり「うん、ありがとうっ」

絵里「海未も、ね?」

海未「っ! ……はい、ありがとうございます」

凛「……」

花陽「お、遅くなりました!」バタバタ

穂乃果「う、海未ちゃん! 置いていくなんてひどいよ!」

海未「待ち合わせに遅れる穂乃果がいけないのですよ」

穂乃果「ちょっとくらい待ってくれてもいいじゃん!」

凛「かよちんも遅いにゃー!」

花陽「ご、ごめん。寝坊しちゃった……」

海未「まったく……二人とも、寝坊するなんてたるんでいる証拠です!」

穂乃果「ご、ごめんなさーい!」

海未「二人は特別メニューで練習を行います!」

花陽「ええーっ! そんなぁ……」

穂乃果「海未ちゃんの鬼!」

真姫「……」

凛「ねぇ、真姫ちゃん」

真姫「……ん?」

凛「……やっぱり、なんでもない」

真姫「……そう? 私、にこちゃんに連絡してみるわ」

凛「うん」

――

海未(『頼まれていたことがあって』ですか)

海未(それこそ、嘘)

海未(自然と流れ出た、嘘)

海未(いけないこととわかっていながら、それを隠そうとして出た、嘘)

海未(……最低なのは、私です)

海未(凛、私は……)

――

にこ(にこは、最低だ)

にこ(真姫ちゃんを裏切った)

にこ(真姫ちゃん……)

にこ(ちゃんと話さなきゃ)

にこ(いつまでも、黙ってるわけにはいかないもの)

にこ(……仮病で休むなんて、かわいいものよ)

――お昼休み

凛「真姫ちゃん、返事、きた?」

真姫「……いえ、きてないみたい」

凛「にこちゃん、寝てるのかな」

真姫「そうだといいんだけど」

ことり「失礼しまーす……あ、いた!」

真姫「ことり? どうしたのよ」

希「海未ちゃんとにこっちのことで、ちょっとね」

凛「希ちゃんまで……」

ことり「ここじゃ話しにくいし、部室にでもいかない?」

希「そうやね。ええかな、ふたりとも」

真姫「わかったわ」

凛「すぐ行くよ」

――

ことり「あまり時間もないから、単刀直入に言うね」

希「あの二人、何か隠し事でもあるんやないかな、って思ってるんよ」

凛「隠し事……」

真姫「なによ、それ」

ことり「二人の距離が近い気がして……」

真姫「だから……どういうことよ!」バンッ

ことり「っ……」ビクッ

希「真姫ちゃん、落ち着いて」

凛「……」

希「凛ちゃん?」

凛「……もしかして、なんだけど」

ことり「!」

凛「海未ちゃんと、にこちゃんが」

真姫「! 凛、やめて!」

凛「二人が、凛たちに内緒で」

真姫「お願い、それ以上は……」

希「そ、そうや! まだ結論付けるには……」

ことり「うん、凛ちゃんの勘違いかもよ?」

凛「そうだといいけど」

真姫「……」

希「なにか、あったん?」

凛「昨日のことなんだけど」

ことり「昨日って、にこちゃんと真姫ちゃんで帰ったんじゃなかった?」

真姫「……ええ、そうよ。でも、急に走ってどこかに行っちゃったの」

希「そうやったん?」

凛「……そのことで、言わなかったことがあって」

真姫「……」

凛「真姫ちゃんに会うちょっと前に、海未ちゃんの家の近くでにこちゃんの声が聞こえた気がするの」

ことり「まさか……」

凛「雨の音でよくわからなかったけど、たぶん……」

希「じゃあ、にこっちは海未ちゃんに会いに……?」

凛「……ぅ」グスッ

真姫「……凛、本当なの?」

凛「うん……」

ことり「……」

希「な、なにか理由があるんやない?」

凛「そう……なのかな」

ことり「海未ちゃんに、聞いてみないと」

希「にこっちにも」

真姫「いえ、二人は何もしないで」

希「……ええの?」

真姫「これは、私たちの問題よ」

凛「そう、だよ。凛たちで、なんとかしなきゃ」

ことり「大丈夫?」

凛「うん。だから、見守っててほしいかな」

真姫「どうにもならなそうだったら、その時は相談するわ」

希「……わかった」

ことり「じゃあ、そうするね」

凛「ありがと」

真姫「早いうちに、なんとかするわ」

凛(海未ちゃん……)

真姫(……にこちゃん)

――校舎裏

海未「……いい加減、やめませんか」

にこ『……』

海未「にこ!」

にこ『わかってるわよ』

海未「それなら……」

にこ『そう思うんなら、電話なんてかけてこないでよ!』

海未「っ!」

にこ『いい? 何度も言うけど、にこが好きなのはあんたじゃない』

海未「……」

にこ『でも、あんたの声を聞くと……わからなくなるのよ』

海未「にこ……」

にこ『……真姫ちゃんには、にこがしたこと、ちゃんと話すわ』

海未「そう、ですか」

にこ『ええ。悪いのは、全部にこだもの』

海未「そんなことは!」

にこ『安心して。あんたが困るようにはしないから』

海未「いえ、私も一緒に話します」

にこ『……』

海未「抵抗する余地があったにもかかわらず……あなたを受け入れたのは、私の意思です」

にこ『……』

海未「にこ一人が罪をかぶるような真似は、許しません」

にこ『……勝手にしなさいよ』ブツッ

海未「にこ……」

海未(私も、きちんと凛に話さなければ)

海未(私の過ちを)

海未「……」

「今の」ザッ

海未「!」

穂乃果「今話してたの、どういうこと?」

海未「穂乃……果」

1スレを長くしたくないので、今日はこれでおしまいにするとともに、このスレでの更新も終わりたいと思います。

次回は『凛「海未ちゃんと」 真姫「にこちゃん」』のタイトルで今月中に立てる予定です。

宣伝→『海未「もうすっかり秋ですね」』

読んでくれる方々、ありがとうございました。次回も見かけた際にはよろしくお願いします。おやすみなさい。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月19日 (木) 03:49:20   ID: q-33gkb-

後悔すんなら最初からやるなよ。まじで意味不明杉
まあたかがssだけど

2 :  SS好きの774さん   2015年03月19日 (木) 11:57:25   ID: 6gAGKzFv

前作はずっと前に見ましたよ!
まさかあれを書いた人だったとは、期待です。

3 :  SS好きの774さん   2015年03月24日 (火) 13:01:55   ID: NXFwPESC

読み手の勝手な意思なんですけど、せっかくなんですから完成まで頑張ってほしかったですね。
ここまでとてもよかったです。

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