塩見周子のPodcast その4 (38)

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塩見周子のPodcast その3 - SSまとめ速報
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続き物ですが、前回は読まなくても大丈夫です。よろしくお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426256980

~♪ ~♪

 SYUKO's Podcast!



周子「…えー、今日は、オチ担のみくちゃんがいません」

幸子「あ、やっぱりみくさんはそういう扱いだったんですね…」

周子「そうそ。なので、今日は普通の挨拶をしていきましょう」

幸子「普通?普通ですか?」

周子「うん。じゃあね、今日は好きな色を言ってこうか?」

幸子「好きな色、ですか…」

周子「好きな色。いい?ボケなしだよ?ボケなしだからね?」

幸子「は、はい。いや、そう念を押されると嫌な予感がすると言いますか…」

周子「えー…どうもー!好きな色は…ショーシャンクの空に!塩見周子でーす!」

周子「さあさあ!自己紹介、自己紹介!」

幸子「あっ、ええっ、す、好きな色は、千と千尋の神隠し……輿水幸子、です…」

周子「…ねーーー!」

幸子「いやいや、周子さん」

周子「…っは!あたしそういえば…!」

周子「ショーシャンクの空に……全く見たことがない!」

幸子「ないんですか!」

周子「いやー…今の無理難題にもついてくるとは…幸子ちゃん、さすがだねっ」

幸子「はい…いや、もうずっとそばで浴び続けていますから、いい加減慣れますよ」

周子「うんうん、実に頼もしい。で、今日はみくちゃんがいないんだけど…」

幸子「はい」

周子「今日ね、いつもの時間になっても事務所に姿が見えないから、あっ、みくちゃんついにサボるつもりだ、って思って」

周子「メールしたらね、『今日は外ロケだからって、事務所にも書いてあるでしょっ!』だって」

幸子「ふふっ…はい」

周子「話を聞くとなんでも、ねこカフェに潜入取材してくる、みたいなね。まあ、もっともらしいウソを」

幸子「嘘じゃないと思いますが…」

周子「うん…まあ、ちゃんと確認してからメールを出したあたしも悪いんだけど…」

幸子「んふっ……確認はしたんですか?」

周子「したした。事務所のスケジュール表見て、『はーん…外ロケなんだなー…』って思って」

幸子「…それでメールを?」

周子「した」

幸子「ふっ…迷惑だから、やめましょう」

周子「はい、ゴメンなさい」

周子「でもアレだよー。幸子ちゃんも勝手にココを休んじゃうと、今みたいに言われもない非難を浴びることになるからね」

幸子「いや、それは勘弁してください。何もなかったら、絶対来ますから」

周子「うん、まあそう言ってくれるのはありがたいんだけどねー」

周子「と言うか、勝手に、とか言っちゃってるけど、そもそもこの番組に強制力とかないからね」

幸子「そうですよね、そんな気がします」

周子「うん。あたしが勝手に暇そうな人を連れて来てるだけだし、何よりあたしに他の仕事が入ったら、そっちのが優先されるし」

幸子「はい…まあ…本当にただ、ここにおしゃべりに来てるっていう感じですもんね」

周子「そうそう」

周子「じゃあ今日はねぇ…のんびりいこーか。何から話す?」

幸子「そうですねぇ…」

周子「…あっそういえば」

幸子「なんですか?」

周子「この前、久々にナナさんに会った」

幸子「事務所でですか?」

周子「うん、事務所で」

幸子「…前回あんなことがあったばかりなのに…」

周子「うん。あたしもね、『あ、ナナさちゃん久しぶり』って声かけて」

幸子「ごまかしきれてませんよ、それ」

周子「ふふ…うん、まあ、向こうも『今、さんって言おうとしましたよね!?』みたいなね」

周子「そんないつものやり取りをしつつ、あたしが心の中でずっと思ってたことは」

周子「『…んー、ナナさん、この番組のこと、知ってるのカナー…?』っていう」

幸子「あぁ…はいはい」

周子「そんなことをしばらく考えながら喋ってたら、ナナさんが」

周子「『いつもポッドキャスト聴いてます…』って…」

幸子「おぉ…」

周子「……」

幸子「……」

周子「……あはははは!」

幸子「!あ、あはははは…」

周子「『いやー、あたしたち、いっつもああいう場所だとテンションが上がっちゃって!』」

周子「『その時の勢いに任せてあることないことベラベラ喋っちゃうんですよねー!』」

周子「『だから番組内で言ってたことは全部くだらないギャグだと思っていただいて!』」

周子「『また何か番組内で言ってたとしても、サラッと流してくださいねー!』」

周子「『じゃ、これからもよろしくお願いしまーす!』って…」

幸子「それで納得していただけますかねぇ…」

周子「いや、でもホントにね、ナナさんスゴイいい人でねー…」

周子「『ナナも昔から深夜ラジオとか聴くの好きだったんですよー』ってね、割と自分たちに理解を示してくれて」

幸子「ナナさんももうツッコんでもらうのを待ってますよね?」

周子「ホントにあの人は人間ができてるというかなんというか…安心できる存在だよねー…」

幸子「そうですね…ナナさんが怒ってる姿とか、全く想像できませんもんね…」

周子「うん…本人の前じゃとても言えないけど、今までにいろんな苦労をしてきてそうだし…」

周子「なんというか…全部を包み込んでくれそうな包容力を持ってる感じがするよねー…」

幸子「そうですねー…」

周子「……はっ、このままじゃ今回の放送がナナさんを崇めまつる、まつっちゃうやつになってしまう!何か他の話題にしないと!」

幸子「ふふ…いつの間にかそうなってましたね。どうしましょうか?」

周子「それじゃーねー…たまにはちょっと趣向を変えて、ファン目線でどんなことが知りたいかとかを考えてみよっか」

幸子「ファン目線で…ボクたちのことをですか?」

周子「そうそう。多分、ほとんどの人はメディアを通してのあたしたちしか知らないと思うんだけど」

周子「そういう人たちの中にも例えば、普段はどんな感じなのかなぁって思う人もいると思うんだよね」

幸子「ああ…そういった気持ちも、わかると言えばわかります」

周子「でしょ?ほんじゃま、ちょっと言っていってみようか」

幸子「はい…と言っても、何から話せばいいのか……皆さんは何を知りたいんですかね…?」

周子「普段って言ってもいろいろあるからね……家にいる時よりも事務所にいることの方が多い気がするし」

幸子「そうですね……事務所なら、普段はノートの清書をしたり、台本を読んだりですけど…」

周子「誰かと話すとかはしないの?」

幸子「お話しは…自分から話しかける、というよりは、周りから来てくれることの方が多いですね」

幸子「ただ、なんと言いますか……お話ししてても、最終的にはボクがイジられてることの方が多いような気がしますね…」

周子「それはとてもよくわかる」

幸子「あぁ…わかっちゃうんですか」

周子「わかるわかる。幸子ちゃん、イジられたときの反応がものすごくイイからね」

周子「なんというか……癒される。さっきのナナさんとはまた別の意味で、安心する」

幸子「それは喜んでいいものなんでしょうか、どうなんでしょう…」

周子「でもそういう会話とかも聞いてみたいねー。ファンの方も、そういうのを知りたいって思ってるのかも」

幸子「今の話だと、ボクがほっぺをツンツンされたり、『フギャー!』って言ったりで、終わりですけど」

周子「愛されてるねー幸子ちゃん。あーあ、あたしもみんなから愛されたいなー…」

幸子「えっ周子さんそんな人でしたっけ?」

周子「愛されたい…愛されたいよ、幸子ちゃん。あたしもみんなから、欲されたい!」

幸子「欲されたいって…」

周子「欲されたい、欲されたい!……ほっさまぐな?ホッサマグナ…?フォッサマグナ、フォッサマグナ!」

幸子「え、え、なんですか?フォッサ?」

周子「さてっ、話を進めましょうー」

幸子「え、なんだったんですか…聞き覚えのある単語だったような気もしますが…」

周子「思い付きで何か言うもんじゃないね、こーゆーのは」

周子「さっきの話に戻ると、やっぱりリアルな会話って後々そう簡単には思い出せないからさ」

周子「人とかボイスレコーダーとかを使って、あとから字で起こせばいいんだよ」

周子「そしたら雑誌とかにも載せられるし…お金も手に入る!」

幸子「周子さん話をお金に結び付けるの好きですね…」

周子「へへっ…オゼゼが好きなもんで…」

幸子「もうっ……信じちゃう人もいるんですよ?」

周子「お、心配してくれてるのかなー?ありがとね」

幸子「それだけ捨て身の発言をしてたら心配もしますよ」

周子「幸子ちゃんは優しいねー…。その優しさが、五臓六腑にしみわたるよ、ホント」

幸子「はいはい」

周子「それで、実際に会話を文字に起こしたとしたらだけど…」

幸子「どうなるんですかね…インタビュー記事みたいになるんですかね?」

周子「例えばいつもあたしたちがしてるような、普段の会話だとしたら…」

周子「周子『あたしたち……今は何とか仕事があるからやっていけてるけど…』」

周子「『やっぱり…この先のことを考えたら…決して安泰だとは言えないよね…』」

周子「幸子『そうですね…この業界も、入れ替わりが激しい世界ですし…』』

周子「『…何年も芸能界に残ってる人って、結局は一握りですもんね…』」

周子「周子『そうだよねー…』」

周子「幸子『…………』」

周子「周子『…………』」

周子「幸子『…………』」

周子「周子『…………』」

周子「雑誌の後半は、こんな風にずっと『…』が続くよ」

幸子「うわぁ…行間を読ませますねぇ…」

周子「知らない人が見たら、『あれ、点字かな?』って思うくらい、ビッシリ書いてあるんだよ」

幸子「今までにそんな雑誌見たことがありませんけどね…」

周子「うん。というか、してないからね?こんな会話」

幸子「してないですよ。これが事実だとしたら、あまりにも夢が無さすぎますし」

周子「あっ、あーーー!あーーーー!幸子ちゃん、時間だよ」

幸子「また…周子さん、いっつも終わり方が雑ですね」

周子「仕方ないよ。チラッと時計を見たら、もうヤバめだったからさ」

幸子「こういうのって、普通はもっときちんと挨拶して終わるものなんじゃないんですか…?」

周子「しょうがないよ!次!次はそうしよう!」

幸子「はい。次はそうしましょうね?」

周子「しましょう!」


1日目分は以上になります
続いて2日目分いきます

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 SYUKO's Podcast!



周子「今週はねー…みくちゃんがいないんだよねー…」

幸子「はい…昨日の分でも言ってましたね」

周子「うん…みくちゃんもね、本当はこれたのに、悪知恵を働かせてあえてこなかったのに決まってるよ」

幸子「また本人のいないところで勝手に悪評が…」

周子「『思えば最近はみくも、あの番組に出突っ張りだったことだし…』」

周子「『ここは間を空けることで、みくの希少価値を高めるとするかにゃ。にゃっひっひっ…』」

周子「…って思ってるに違いないんだよ」

幸子「『にゃっひっひ』なんて笑い声、漫画でもまず見ないと思いますけどね…」

周子「だからさ、いつものあのオチのある自己紹介ができないからさ、ここは普通の自己紹介をしよ?」

幸子「……普通」

周子「うん、普通。普通の自己紹介。それじゃーね……お題は、好きな色で」

幸子「…ん?…さっきも聞いたような…?」

周子「…ふっ……幸子ちゃん、いい?好きな色だよ?」

幸子「あ、はい。好きな色ですよね。大丈夫です」

周子「いい?ボケなし!ボケなしだよ!?ボケなしだからね!?」

幸子「ふふっ…えっと、はい」

周子「えー…どーもー!好きな色はー…紺色!塩見周子でーす!」

周子「さっ、続いて続いて!」

幸子「あ、はい!好きな色は、薄紫!輿水幸子です!」

周子「はいっ……」

幸子「……」

周子「……」

幸子「……」

周子「……いや、ちゃんとね、2人ともちゃんと正しい答えは言ったけどね…」

周子「…聴いている皆さんが、これに納得しているのかと言うとね…」

幸子「はい……いや、ボクたち、曲がりなりにもアイドルのはずなんですけどね…」

周子「なに…普通のこと言って普通に返すって…しかも紺と薄紫って…ヘタしたらこれ、同系色じゃん…」

幸子「なんですか、そのこじつけみたいのは…」

周子「…はぁ……話を始めましょう」

幸子「今から始まるんですから、もう少し頑張りましょうよ」

周子「ふふ…はい、頑張ります。頑張りまーーーっす!」

周子「どう、コレ?卯月ちゃんのモノマネ」

幸子「怒られますよ」

周子「卯月ちゃん、ゴメン」

周子「昨日とはまた別の話題にしよっか…何がいいかなー…?」

幸子「前回、みくさんがいるときに料理の話をしてたじゃないですか?周子さんは料理しないんですか?」

周子「お、いいお題をいただいたね。料理。う~ん……ま、するっちゃするけど…」

周子「言ったら、一人暮らししてたら誰でも身に付くようなもんが多い気はするねー…」

幸子「あ、だったら、簡単な料理なんかはパパッと作れたりしちゃうんですか?」

周子「そうだねー……そーゆーので定番の料理と言えば、チャーハンとかスパゲッティとかだよね」

周子「あ、あたしはちゃんとこーゆーとき、スパゲッティって言うからね。パスタとは言わないよ」

幸子「なんですかその謎のこだわりは」

周子「パスタって言ったら全部含んじゃうじゃん。スパゲッティはその中の1つなんだから」

周子「まあ、あたしも意識してなかったら、普通にパスタって言っちゃうんだけどね」

幸子「ふっ…なら今のくだりは要りませんでしたよね?」

周子「…はっ、カットされるトコロって、こーゆートコロか!」

幸子「それ言ったら多分オンエアーされますよ」

周子「とりあえずそのパスタ論争は置いといて、スパゲッティ。これはとりあえずかけるものがあれば食べられるからね」

幸子「レトルトですか?」

周子「レトルトの場合もあるけど…でもやっぱココは、ちゃんと手作りの方の話をした方がいいよね」

周子「手作りでもカンタンにオイシく食べられるものと言えば、やっぱナポリタンかなぁ」

幸子「ナポリタン…あの、ケチャップの?」

周子「そうそう。卵かけご飯の要領で作れるカルボナーラもあるけど、あんまり話が膨らみそうにないからね…」

幸子「ナポリタンもただ具材を入れて、ケチャップを入れるだけじゃないんですか?」

周子「いやいや、ナポリタンも奥が深いよー?まあ、そんなこと言ったらカルボナーラもそうなんだけどね」

周子「ただ、あたしはナポリタンに関しては独自の研究成果もあるから、コッチを話すね?」

幸子「え、そんなのがあるんですか?」

周子「うん。あ、じゃあね、今日は特別に幸子ちゃんにだけ秘密のレシピを教えてあげるよ」

幸子「あ、お願いします」

周子「まずね、あったらいいのが深めのフライパン。これはね、どんな料理にでも役に立つから。2つあっても損はしないよ」

周子「これにね、水を張って、塩を入れて火にかけます。分量は適当でいいけど、水は大体1リットル、塩は小さじ1杯くらいで」

周子「そんで沸騰したらスパゲッティを入れて、茹でてる間に隣でソース作りをするんだけど…ここで1つ目のポイントがタマネギなの」

幸子「タマネギですか?」

周子「タマネギはね、やっぱり薄切りが一番。いろんな切り方があるけど、ナポリタンに一番合う切り方は薄切りだね」

周子「厚さはお好みだけど、ここではとりあえず2ミリ間隔くらいで。向きに気を付けてね」

周子「あと炒めるときは、しっかり炒めた方がいいよ。よく言う飴色になるまでくらいには。じゃないと、食べたときに口に残る硬さがあるからね」

幸子「なるほど…」

周子「あ、あと外せないのはウインナー。これは好きに切ってくれていいけど…」

周子「ただ半分に切っただけとかじゃ、麺と一緒に口に入れるのが難しくなるから」

周子「一緒に食べたいって人には薄切りがいいかもね。斜めに切るのがいいよ」

周子「他にもピーマンとかも入れることがあるけど…とりあえず、ここではシンプルに、タマネギとウインナーだけを具材とするよ」

周子「で、いよいよ炒める作業に入るんだけど…まずはタマネギを炒めます。油をひいてね。なんだったらマヨネーズでもいいけど」

幸子「マヨネーズ…?マヨネーズをひくんですか?」

周子「油の代わりにね。でも、正直食べるときには全然わかんないから普通に油でいいよ。炒めてるときはいい匂いがするんだけどね」

幸子「へぇ…」

周子「で、しばらく炒めたらウインナーを入れて、タマネギがさっき言った飴色になるくらいまで炒めます」

周子「ここでケチャップを入れて、軽くかきまぜたら茹で上がったスパゲッティを投入…でもいいんだけど」

周子「ここで2つ目のポイント、コンソメを入れます」

幸子「コンソメ…」

周子「コンソメを入れるとね、味がグッと引き立つの。ケチャップだけじゃ一味足りないと思って入れてみたけど、なかなかイケるよ?」

周子「最近は粒子のやつもあるけど、固形のやつも包丁で簡単に切れるからね。一人分で少ししか使わない場合もそれで大丈夫だよ」

幸子「…なんだか、周子さんが料理できる人みたいです…」

周子「ふふ…まあ実際にやってみると、ホントにカンタンなんだけどね」

周子「で、コンソメを入れたらいよいよ麺を投入します。あとは適当にソースと絡めてお皿に盛るだけ…」

周子「…でもいいんだけど、ここで3つ目のポイント。実は最後にちょっとやってみるといいことがあるんだよ」

幸子「?なんですか?」

周子「さて、お皿に盛りつけるかって段階になったら、最後そのままかきまぜないで、少しの間火にかけるの」

周子「イメージとしては、お好み焼きみたいな感じかな…?」

周子「そうすると、底の方がいい感じに焼けて、ちょっと麺の硬さに強弱が付くの」

周子「ケチャップも少し焦がされて、これもまたいい感じになんの」

幸子「あぅ…ちょっと、お腹が空いてきましたね…」

周子「でしょ?で、最後にコレをお皿の上に盛って、窓の外にセイッ!って放り投げて」

周子「ピザを頼めばいい」

幸子「ナポリタンは!?」

幸子「相当引っ張ったのに、最後はピザを食べるんですか!?」

周子「ふふふ……いや、マジメに料理について語ってたら、ギャグが一切ないまま進んで行っちゃったからね…」

周子「届いたピザを食べてる時に、何かがアタマをよぎるの。『ん…?何か忘れてるような…』って」

幸子「それはナポリタンですよっ」

周子「ふふっ…幸子ちゃんも、こころなしか『待ってました!』って感じに見えたのは、あたしの気のせい?」

幸子「それは……多分気のせいです」

周子「あらそう?あ、さっき言い忘れてたけどニンニクとかも入れてもよかったかも」

幸子「あ、合いそうですね」

周子「入れるとしたら、最初の油をひいた段階かな。弱火で、じっくり炒めてね」

周子「あとの工程はさっき言ったのと一緒だよ。最後に火を入れて、お皿に盛って」

幸子「…はい」

周子「盛るときにフライパンに具が結構残っちゃうからね、ちゃんと最後までキレイにお箸とかで取って」

周子「パセリなんかふってもオシャレかもね。で、できたら窓の外にポーイ!」

幸子「あぁ…!」

周子「『そういえば、今日の朝刊に、何枚か宅配の折込チラシが入ってたなー』」

周子「『あ、コレにしよっと』って、手に取ったのがピザ屋さんのやつで」

幸子「…ふふっ」

周子「『すいませーん、この、Sサイズのピザが食べたいんですけどー』って言って」

周子「ロッテリアに行く」

幸子「ナポ…!ピザ、ピザも食べないんですか!?」

周子「今待ちかまえてたでしょ」

周子「幸子ちゃん、もう肩に力入りすぎててバレバレだったよ?」

幸子「いやっ…ロッテリアって……宅配の人も困るじゃないですか!」

周子「ピンポーンピンポーンて何回呼び鈴を鳴らしても出てこないもんね。庭の外にはなんか変なスパゲッティが転がってるし」

幸子「それはナポリタンですよっ」

周子「『それはナポリタンですよっ!』イイね。幸子ちゃん、今度からそれで売っていきなよ」

幸子「いや、ボクは芸人さんじゃありませんので…しかもそれ、間違いなく売れませんよ」

周子「んふふ…そうかな?でもやっぱ、幸子ちゃんイイ顔してるね」

幸子「ふっ…そうですかね…」

周子「何かやり遂げた顔してるもんね。じゃ、そんな感じで一息ついたから、今日はここまでね」

幸子「ふふっ…結局今日も、ちゃんと終わりの挨拶できなかったじゃないですか…」


2日目分は以上になります
続いて3日目分いきます

~♪ ~♪

 SYUKO's Podcast!



周子「…あのねー…幸子ちゃん……今日ねー…みくちゃんがいないんだよねー…」

幸子「……そうですね」

周子「だからさー…いつもの珍奇な自己紹介ができないワケ。わかるでしょ…?」

幸子「はい…まあ…そうですね…」

周子「だからー…今日は…普通の自己紹介…」

幸子「んふっ」

周子「…自己紹介を…しようと思うんだけど…どうかな?」

幸子「はい…いや、いいと思いますよ?」

周子「うん…じゃあさー…今日はさー………ふっ…好きな色…」

幸子「…あれ、やっぱり前に聞いたことがあるような…?」

周子「ふふっ…好きな色を…好きな色を、言っていこうじゃないの!」

幸子「あ、はい。お願いします」

周子「ズルなし!ズルなしだよ幸子ちゃん!」

幸子「は、はい!大丈夫です!」

周子「えー…どーもー!好きな色は……教えません!塩見周子でーす!」

周子「はい!幸子ちゃん!」

幸子「はい、えー…好きな色は、しr…教えませーん!輿水幸子でーす!」

周子「やーい!ひっかっかったー!」

幸子「や、やーいやーい!」

周子「ワンポイントで黄色。教えませーん!」

幸子「ふっ…白とか赤とか、そんなの絶対言えませんよ!」

周子「んふふふふ………はぁ………」

周子「……いや…もうこれが最後だから……こんな感じには、なっちゃうよね…」

幸子「テンションの乱高下が激しいですね…」

周子「これも全部、みくちゃんがいないのが悪いんだよ……皆さん、悪いのはみくちゃんです。あたしは悪くありません」

幸子「いや、全部周子さんが悪いでしょ」

周子「味方はいないのね」

周子「さっ、3日目。なんとか3日目まで来ました。なんについて話そうか?」

幸子「そうですね…」

周子「あ、一個イイのがあるよ?」

幸子「なんですか?」

周子「おいしいチャーハンの作り方なんだけど…」

幸子「ふっ…それはもう、オチが見えてるので結構です」

周子「えっ、そう?おいしいんだけどなー」

幸子「最終的に窓から放り出さなければいいんですけどね…」

周子「ねー。そうなれば、いいのにねー」

幸子「何を他人事みたいに…」

周子「じゃあアレ…小さいとき何してたか。…コレじゃ曖昧すぎるね。えと、小さい頃習ってた習い事とかある?」

幸子「ボクにそれを聞きますか!あります、たくさんありますよ!」

周子「あ、じゃあいいや。別の話題にするね」

幸子「ふあぁっ!?ちょ、ちょっと待ってください!言わせてくださいよ!」

周子「ふふ…もう、仕方ないなぁー。じゃあ、言ってもいいよ」

幸子「ありがとうございます…えーと、まず、習字ですよね。他にはピアノ。あとは…」

周子「ちょっと待ってちょっと待って。それって、小さい頃だけにやってたやつ?」

幸子「あ、いや、これは今も続けてる習い事です」

周子「あ~…じゃあ、それはダメだねー…。アレだよ?小さい頃だけのやつだよ?」

幸子「えぇー…そうなると、ほとんどありませんが…」

周子「これの主旨は、『昔こんなんやってたなー』っていうやつだから、それだと主旨からハズれちゃう」

幸子「う~ん……そうなると………水泳…?」

周子「えっ、幸子ちゃん水泳習ってたの!?去年のアレとか、まだ記憶に新しいけど…」

幸子「わー!わーっ!……いいじゃないですかっ、人には得手不得手があるんですから!」

周子「あ、うん」

周子「でも、そう考えるとよくあの仕事を受けたねー。結構深さあったでしょ、アレ。怖くなかった?」

幸子「いえっ…ボクも、全く泳げないというわけでもありませんし…ただちょっと、あれですよね」

幸子「水が…水が唯一、ボクとの相性が悪かっただけなんですよね、はい」

周子「ふふ…何言ってるの、キミは」

幸子「ふっ…でも実際、せっかく取ってきてもらったお仕事ですし、やらないわけにはいきませんよね!」

周子「おぉ~…プロアイドルらしい発言だねー。でもま、結局最後までなんにも起こらなかったし、よかったよね」

幸子「なんにも…いや…はい、そうです…ん?…そういえば、途中でものすごい圧の水がきたような…」

周子「ヤベッ、バレチャウ」

幸子「い、今!ボソッと何か言いましたよね!聞こえてますよ!やっぱりあれ、周子さんの仕業だったんですか!?」

周子「いや~なんのことかな~…?アレは確か、茜ちゃんの仕業じゃなかったかな~…?」

幸子「突然強くなったんですよ!確かあのとき、茜さんが『あ、周子さん、何を!』みたいなこと言ってたのも覚えてるんですよ!」

周子「あー…もしかしたら幸子ちゃん、勘違いしちゃってるのかもねー…」

周子「あたしはあのとき、茜ちゃんが場を盛り上げてたから、ちょっとヒマだなーって思って、ステージ上を練り歩いてたんだけど」

周子「そのとき偶然!偶然、目の前に興味をそそられるホースがあってね」

周子「『なんだろな~コレ。コワイなコワイな~』って…ふふっ」

幸子「ぶふっ……急に似てないモノマネをするのはやめてください!」

周子「ふっ……自分でも、あまりの似てなさに思わず笑っちゃったよ」

周子「まあそうやってね、ちょっと歌いながらね」

周子「『梅~は~~咲い~た~か~、サク~ラ~は~~ま~だか…オヤ?』って感じでホースを見つけて」

幸子「さっきと言ってること変わってるじゃないですか…」

周子「んふ…今のはね、日本古来から伝わる小唄だから、ここで歌っても別に問題ないんだよ?わかってるんだよ、あたしも」

幸子「ふっ、いえ、もうそういうのはわかりましたから。話の根幹はそこじゃないですよね?」

周子「そうだったそうだった。あのとき、それでちょっと…ちょっとね?」

周子「『このホースを握ったら、いったいどうなるんだろう…どーなるんだろー?』って思ってね」

周子「ま、純粋なギモンだよね。こーゆーギモンを持つことで、人間的にも成長していくって、あのヒトも言ってたもんね?」

幸子「どのヒトですか…」

周子「そしたらねー…まさかあんなことにねー……」

周子「その余波で確か、みくちゃんも吹っ飛んでいったもんねー…」

幸子「吹っ飛んでいったって…まあみくさんも、茜さんとの対決でプールには落ちてましたけど」

周子「そうそう、それそれ。アレ余波。余波のせいだから」

幸子「にしては、だいぶ時間差がありましたけどねぇ…」

周子「気付いたら話が大きく脱線してたような気がする。習い事の話だよー、もう。幸子ちゃん、ちゃんとしてよねー」

幸子「ボクじゃありません!」

周子「お、今のなんか、映画のフレーズとかに使えそうじゃない?『それでもボクは…』みたいな」

幸子「ふっ…周子さん…もうそうやって、細かいところもいちいち拾わなくていいですから…ふふっ…」

周子「あっ!ゴメン幸子ちゃん!喋りたいトコロ悪いけど、もう時間だ」

幸子「んふふ…またですか…突然…」

周子「いやっ、今回は前回の反省を生かして、ちゃんと終わりの挨拶をするよ!」

周子「はいっ!お相手は、塩見周子とー!」

幸子「ふふふ……輿水、幸子でした…」

周子「いつまで笑ってるの、幸子ちゃん。じゃあみんな、またねー!」

幸子「またです…」



以上になります

今回もネタ元であるラジオやポッドキャストの小ネタをいくつか拝借しましたが、中でも料理のやつは大好きです
ネタ元の方でも料理のレシピを事細かに話し出したときは、非常にワクワクします
で、案の定、出来上がった料理を窓からブン投げたり、違う料理を食べに行ったりします
わかっていても、あのワクワクは止められません

見てくださった方、ありがとうございました

突然のステマ


去る3月11日、ラジオ『深夜の馬鹿力』の録り下ろしPodcastが約1年ぶりに配信されました(毎週やっていた時からは約3年ぶり)
突発的に決まったものなので本編を聴いていてビックリしましたが、1回分しか録っていないのでボリュームもそこそこです
聴いたことのない人も、これを聴けばなんとなく自分の書いた『塩見周子の~』の雰囲気がわかると思います
気になる方は、ぜひ聴いてみてください。もちろん無料です
以上、ステマでした


追記
今回の話をあとがき含め書き終えたのが8日の日曜だった自分にとっては、この録り下ろしPodcastの内容はいろいろとタイムリーでした
よかったです

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