ユダ「俺はこのよで最も強く………そして醜い………」 (139)

~世界が核の炎に包まれる前のとある一幕~








ユダ「………」


レイ「ユダ?どうしたのだ鏡なんか見て」

ユダ「レイ……俺は美しいか?」

レイ「はあ?……まあ出来は悪い方ではないと思うが」




ユダ「変な気を使わないでくれ…レイ」

レイ「おい…どういう意味だ、俺は思ったこと」

ユダ「分かっているんだ……俺は醜い…はっきり言えばブサイクだ…俺は拳の道に生きる男、外見など気にすることではないのだが、いざふと己の姿を見ると………な」


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レイ「いやだから、お前は別に

ユダ「それより……レイ」ツーッ

レイ「ゆ……ユダ!?……何故涙を?!」

ユダ「……お前は俺よりさらに醜い容姿だが…何故それを気にも留めぬ様子でいられるのだ…?」ツーッ(哀しい眼)
















レイ(ユダ…お前の美的感覚は一体どうなっているのだ……?)






第0話 プロローグ






ユダ(俺は醜い。朝起きて顔を洗う際毎回不快な気分になるほど醜い)

ユダ(南斗最速の拳という拳才、民衆を操り、戦いにおいても策を弄する知略。南斗六聖拳として上に立つための要素は揃っていると自分でも思う。

……この外見を除いては)

ユダ(第一印象…ルックスは重要だ。己の上に立つ男が俺のような醜い男では嫌だろうに………)

ユダ(だが……醜いのは俺だけではない。正直南斗六聖拳の全員が人前に立てる顔ではない)

ユダ(一番まともなのはシュウだろう。だが奴は両目を引き裂くという荒技で整形したに過ぎず、元の顔はやはり醜い。息子のシバを見ればよく分かる)

ユダ(サウザーはまだ醜いとは言われないレベルかもしれない。だが決して良くはない。間違いなく悪い方だ)

ユダ(そして……レイとシンはもう言葉のかけようがない。奴らの人生を想像するといたたまれない)

ユダ(特にレイ……やつの南斗水鳥拳の醜さときたら…水鳥拳は南斗全体で見たら強力な拳だが六聖拳としてはレイには悪いが正直下位だ。強さではなく美しい舞に特化した“はず”の拳だからだ。なのにその拳があの汚さ………同情せざるを得ない)

ユダ(あまりにレイが凄惨過ぎてそれに比べれば俺など遥かにましなものだが、だからといって俺が醜いという事実が覆る訳では……)





アイリ「……あれ?ユダ様?ユダ様じゃないですか!!」



ユダ「げっ………アイリ?!!」ビクッ


ユダ(アイリ…“あの”レイの妹だ。それだけで想像がつくかと思うが……彼女もまた醜い。レイに匹敵する逸材だ)

ユダ(いや……決して彼女を悪く言いたいわけではない。アイリは“内面”は美しい女性だし、俺が人を醜いなどと言う資格はない………だが…)


アイリ「今日も修練に励んでいられたんですね、お疲れ様です!」

アイリ「こんなところでお会いできるなんて…私今日の運使い切っちゃったのかしら……」ポッ





ユダ(なぜ……よりによって俺に想いを寄せているのだろうか…………)

アイリ「あっ……そうだ、今お昼時でお腹空いてませんか?もし良ければ私とどこかにお食事で…も……」

ユダ「え…えっと……その…」

ユダ(ああもう!中身は申し分ないのに、何故こうも容姿が…天は人に二物を与えずとはよく言ったものだ全く!)


アイリ「………」じーっ

ユダ「………アイリ?」







アイリ「…ユダ様、何故またそのようなおかしな化粧をされているのですか!?」

ユダ「おかしな化粧とはなんだ!こうでもしないと俺の醜い顔がマシにならないだろう!?」

アイリ「醜い……何を言っているんですか!?そのような美しいお顔のどこか醜いのですか!?」

ユダ「正気か!?お前の美的感覚はどうなっているのだ!!?」

アイリ「それはこっちの台詞ですっ!………はぁ…分かりました、今日こそはそのおかしな美的感覚というユダ様の唯一の欠点を叩きなおします!先ずは私の家で化粧直しです!」ガシッ

ユダ「ひっ?!」ゾクッ



ユダ(やばい…アイリに掴まれた。“あの”アイリに……鳥肌がっ………)ブルブル

アイリ「行きますよ?ユダ様」ズルズル

ユダ「あ……ぅあ…」ズルズル




ユダ(やばい…おぞまし過ぎて声が出ない……体に力が入らない………)ズルズル…







〜レイの家〜

レイ「ただいま…むっ、アイリが帰ってきている?………あれ?この靴…ユダ?何故……?」




キャッキャウフフ


レイ(……?アイリの部屋から不穏な雰囲気が……)

レイ「アイリ?上がるぞ?」コンコン



ガチャッ







アイリ「お綺麗ですよユダ様」ニコニコ


ユダ「」キラーン☆


レイ「っ……!」ドキューン


レイ「……はっ?!!」

ユダ「何故こんなことを…惨い…惨すぎる……」キラーン

アイリ「あっ、兄さんおかえりなさい」

レイ「……アイリ…ユダに一体何をしたのだ?」

アイリ「何って…あのおかしなメイク取っ払ってユダ様の美しい顔を損ねないようにナチュラルメイクし直しただけよ?」



レイ「なっ!?それだけで……!!?」

レイ(馬鹿な……ユダは男だぞ!?確かに奴の美的感覚は常人の真逆とは知っていたが、化粧をまともに整えるとこれほど美しいとは………」ゴクリ

アイリ「兄さん、聞こえてるわ……気持ちはわかるけど」




ユダ「……もうお婿に行けない………もとから行ける顔ではないが…」ぐすっ

アイリ「ふふっ…そんな心配はする必要はないですよユダ様?」

レイ「アイリもこう言っている、どうだユダ、アイリの婚約者にならないか?今からでも“お義兄さん”と呼んでもいいのだぞ?」キリッ



ユダ(やだこの兄妹気持ち悪い。お願いですから勝手に盛り上がらないでください吐き気がしますあとなんで2人そろって俺の顔を妖艶な目で見ながら近寄ってくるんですかやめてください恐怖で体が硬直して動けません誰か助け)


アイリ・レイ「「ふふふふふふ…」」じりじり

ユダ「」











〜続く〜

今日はここまで

今更ですが
・キャラ崩壊(別人レベル)注意
・基本的に中身のないギャグ北斗SS
・ゆっくり進行
です。ご了承ください



タイトル少ししくじったけどどーでもいいや






第一話 美的感覚の狂った男(の娘)!妖星のユダ!!




199X年、世界は核の炎に包まれた!

海は枯れ、地は裂け、あらゆる生命体が絶滅したかに見えた!


だが、人類は死滅していなかった!!









ブロロロ
ドドドドド!!


モヒカン「ヒャッハー!」
モヒカン「ヒャッハッハ!水だーーーっ!!」





ユダ「フフッ…美しい男たちだ。今の世はあのような男前がそろっていて見ていて気分がいい)







アイリ「ユダ様?またそのような連中に釘付けになって……!」グイッ


ユダ「……はっ!?}ビクッ

レイ「ほらユダ、ぼうっとするな、朝の挨拶の時間だ。お前がいなくては何も始まらないだろう?」グイグイッ




大勢の美男美女たち「「「おはようございます、ユダ様」」」


ユダ(フッ……わかっていたさ、現実は先ほどの光景のように美しくないことくらいな……見ていて気分が悪い)うっぷ









世界が核の炎に包まれるや否や、ユダは六聖拳を裏切り拳王との結託を試みた!これにより覇権派と平和派のバランスが崩れ、南斗108派がバラバラになるはずであった!!


しかし!!



アイリ「ユダ様、今日は西の村へ行かれるのですよね?私もついていっていいですか?」

レイ「アイリ、そういう事はユダの副官であり同じ南斗六聖拳である俺に任せればいいのだ」


ユダ「いや、二人とも呼んでいない、とっとと自分の家に帰ってくれ。頼む」

アイリ「何を言っているのっですかユダ様、ここが私たちの家ではありませんか」

レイ「長として働きすぎて疲れているのか?今日はゆっくり休むか?」

ユダ「こいつらには話が通じんのかっ……!」




あろうことかレイはあっさりとユダの配下につき、レイの親友である仁星のシュウも『敵の敵は味方』、あっさりとサウザーと対立するラオウと同盟を組んだユダの配下についた!


このためか、当初南斗23派を引き連れていく予定がその倍以上である62派が追随する結果となった!!




美女「ああ……今日もユダ様はお美しい……」

美女「今日は最前列でユダ様に挨拶できたわ…なんて幸運なのかしら!」

美男「ユダ様はもちろんだが、レイ様やアイリ様もまたお美しい」

美男「やはりユダ様を補佐されるほどの方はそれ相応の美しさが必要なのだろう…!」



ユダ(おかしい…俺やレイにアイリが美しいなどという気の狂った発言が聞こえる……度重なる精神的苦痛で俺の耳が腐ったのだろうか)

レイ「ユダ?何をしている?早く行くぞ?」

アイリ「ユダ様の荷物はすでに用意しましたのでご心配は要りませんよ?」

ユダ「心配だらけだわ!というかお前ら二人が一番の荷物だ!!」




美男「くっ…!ユダ様の憤られるお顔も美しい…!」

美男「思わず性別を忘れてしまいそうだ…」

美女「絶対的な美しさを持つユダ様に、それをささえるこれまた美しいレイ様にアイリ様…」

美女「本当に素敵な方…いえ、素敵な方々だわ!」



ユダ「さあ出発しよう!時はわれわれを待ってはくれぬのだ!」ダダッ!

レイ・アイリ「「ユダ(様)!?」」




ユダ(なぜだ…なぜ俺の居城なのに生きた心地がしないのだ……!?)








???「っふふ…チャンスだ、軍勢の本体とはなれユダたちの守りが薄くなる、そこに寝込みを襲えば楽にアイリを強奪できる…これで奴の地獄旅行への旅にまた近づくのだ…ひゃあはははは!!!」

ねむいから今日はここまで

〜移動中〜


レイ「ところでユダ、今回の目的は一体なんなのだ?」

ユダ「フッ…西には盗賊集団“牙一族”がはびこっているという…まさにそれが目的だ!」

アイリ「!!…なるほど!牙一族(を壊滅させるの)が目的なのですね!」

ユダ「そうだ!牙一族(を懐柔し我が軍に引き込むのが目的)だ!」

レイ「しかし奴らは活動拠点をよく移す。1日2日で見つかるものとは思えんがなそれになぜ目的地が村なのだ?」

ユダ「牙一族がその村を襲おうとしているという情報が入ったのだ。張り込みをしておけばいずれかかるであろう?」

レイ「!……成る程…!!」

ユダ「待っていろ…牙一族!!」


レイ(悪党に対してここまで憤るとは…裏切りの星とはとても思えぬ清さだ!)
アイリ(悪を許せぬ心…やっぱりユダ様は容姿だけでなく御心も美しい方だわ!)




ユダ(?………なんか悪寒が…)ぶるっ

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〜ユダの胸中〜


ユダ(何がどうなってこうなったかは知らぬが、今や俺は軍力だけで言えば拳王軍に匹敵するほどとなった)

ユダ(だが拳王軍と我々では致命的な違いがある…それは美しさだ。拳王軍はリュウガという汚物のような副官を除けば皆美しい者たちばかりだ。美しい老婆、気高き男狗法眼のガルフ、漢の中の漢獄長ウイグル……挙げたらきりがないほどだ)

ユダ(だがこちらはどうだ、レイやアイリを筆頭にことごとくこの世の終わりのように醜い者たちばかりだ。これでは精神衛生的にどう考えても良くない)

ユダ(そこで俺のこの観察力に長けた眼が美しいと認めた、“美しき盗賊集団”牙一族を迎え入れるのだ!ここで牙一族たちを懐柔し我が軍の配下におけばこの掃き溜めのような組織にも華ができよう!)




ユダ(これは一刻を争う…この地獄絵図のような状況を打破しなくては!!)

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ユダ「…うーむ、もう夜か」

レイ「案外村そのものも遠いみたいだな…」

ユダ「何故だ…俺の計算ではもう村についていてもいい頃だったのだが…思っていたより時間がかかったな……かといって野宿する用意など持ってきては



アイリ「ご心配なく!大きめのテントに折りたたみのベットは持ってきています!」

ユダ「…………え?」

レイ「フッ…心配か?警備のことならこの俺がいるのだ、お前は安心して床に就くがいい」

アイリ「ユダ様と同じテントで一夜を過ごせるなんて……ふふふふふ」



ユダ「……おい貴様ら、まさか全てここまで企んであえてトロトロ進んでいたんではなかろうな??」


レイ「?何のことか分からんな…?」

アイリ「ユダ様、今日はお疲れのように見えます…とりあえず休みましょう?」

ユダ「こいつらっ……!」

〜テント内〜




レイ「……すー…すー」

アイリ「…すー………」


ユダ(…よし……レイとアイリの夕食にこっそり忍ばせた睡眠薬が効いているようだ。やっとこれで俺も安心して床に就ける…全く俺にとってはお前たち2人が恐怖だ!)

ユダ(さて寝よう…心なしかいつもより眠いな……達成感と安心感からか?一体いつもの俺はどれだけストレスを溜め込んでい…る……)




ユダ「……すー……すー…」


















アイリ(計画通り)

アイリ(こっそり私の夕食とユダ様の夕食を入れ替えておいて正解だったみたいね…策士策に溺れるって所かしら?)スタッ……


スッ……スッ……

アイリ(ユダ様…夜はこれからですよ?)ニコッ

モゾモゾ








ゾクッ!!!!


ユダ(!!!!)ビクッ

ユダ(なんだ!?このおぞましい感触は……)




アイリ「………」モゾモゾ


アイリ!!??バカな…寝ていたはず……むっ!?体が動かん!?金縛りかっ!!?まさか……この俺がはめられたというのか!!??)

アイリ「ふふふっ…ユダ様……」さわさわ

ユダ(……不思議だ…テントの中なのに夜空が見える…北斗七星とその横に赤く輝く星がはっきり見える……紅い…まるで妖星のように……)










???「………」

ジー……(テントのチャックが開く音)




バサッ!


アイリ「!?」ギュッ




ユダ「何奴っ!(誰だか知らんがでかした!アイリが驚いて思い切り体を握ってきたことで目が完全に醒めた!!)」シュバッ!!

ビシュッ!!




???「!!!!」ザシュッ!!

ユダ(はっ!しまった!!反射で命の恩人に伝衝烈波を飛ばしてしまった!俺はなんということを!!)




バカッ


ユダ(?……これはヘルメットか?……奴の素顔は……)

ユダ「!!!???」ドクンッ




ジャギ「……おのれ………見たなぁ…この俺のか……お……」

ジャギ「!!!???」ドクンッ











ユダ・ジャギ(う……美しい……!?)











レイ「!!…………誰だ!?」

ジャギ「!!ちっ…レイまで起きやがったか!くそっ!!」ダッ!

レイ「待て!……くっ、逃げ足の速い奴め…!」

レイ「すまないユダ…警備は任せとけと言っておいて眠り込んでしまって………ユダ?」







ユダ(はじめてだ……あれほど美しい男を見たのは…生まれて初めてだ……拳王軍の者たちが霞む圧倒的美しさ…奴は一体…)

アイリ「ユダ様!お守りいただきありがとうございます!!」ダキッ

ユダ「」バターン

レイ「ユダ!?」

アイリ「怖かった…でもユダ様に守っていただいた…私はもう幸せで胸がいっぱいです!」ギュウウウウ

ユダ(先ほどよりあの紅い星がくっきり見える気がする……これは一体…)クラクラ

















ジャギ(妖星のユダ……男…なのか?美という感情から著しく離れた俺が美しいだなどという感情を持ってしまうとは……くそっ!奴の顔を見ただけで胸がっ!なんなのだ?!)ドキドキ

今日はここまで

なんかスマホの方がPCより速く書けるみたいですね






第2話! 乱れる世紀末!時代は“力”より“美”を求む!!







ユダ「………」ぼーっ


アイリ「ユダ様…どうしたのかしら」

レイ「昨日の晩からずっとあの調子だな……」




ユダ(俺としたことが…男に心を奪われるとは……下手すれば今回の目的である牙一族がどうでもよくなるほどの存在感だ)

ユダ(何が凄いってあれほどの容姿でありながら素顔を隠しているところだ。きっと俺たちのような醜い者たちに嫌味を与えぬよう気を遣っているのだろう……やはり見た目と心の美しさは比例するものだな、アイリから俺を助けてくれたしな)




レイ「やはりあの襲撃で心を痛めているのだろうか…」

アイリ「私のユダ様をここまで落ち込ませるなんて……許せない!」ギリッ

レイ「今度出てきたらタダでは置かん!」

ユダ「見当違いもいいところだ貴様ら?!」

レイ「フッ…大丈夫だ、俺はお前の本心くらいわかっているさ」

アイリ「私たちはいつでもユダ様お側にいますからね!」

ユダ「………はぁー…」ガックリ






美男「まもなく村に到着します!」

アイリ「長い道のりだったわね兄さん」

レイ「全くだ………ん?」






ユダ「……」ガサゴソ


レイ「ユダ?何をしているのだ?」

アイリ「ユダ様!?またその品位を下げるメイクを!?それにその訳のわからない服装は一体何なのですか!!?」

ユダ「ここに初めてくるお前達には分かるまい……この村にはお前達に勝るとも劣らなぬ恐ろしく醜い女がいるのだ!奴との再会は避けねばならん!」







レイ「ユダが醜いという事は……つまりよほど美しい女なのだろう……なあアイ」



アイリ「………」ゴゴゴゴゴ


レイ「………アイリ?」ビクッ





アイリ(ユダ様の口調から推測すると…これはユダ様の魅力に取り付かれた卑しい雌犬という事だわ!私のユダ様に媚を売ろうだなんて…なんておごがましい!!)ゴゴゴゴゴ

〜村〜



レイ「ここか…」

アイリ「見た感じは普通の村ね……」

ユダ「気を抜くな、いつあの化け物が姿を現わすか分かったものではない」ふっふっふ




レイ「しかしユダのメイクは凄いな…原型を全く止めておらん」

アイリ「ああ…あの美しいユダ様のお顔がまるで小汚い中年男のように……」ズーン

ユダ「小汚い…やはり俺の化粧技術を持ってしても素の醜さは隠しきれぬか…だがこれでも奴が俺だと判別することはできぬだ!合わぬのが一番だがな!」



レイ・アイリ(色々と違う…)

ユダ「先ずはこの村の長老へと出向く。そこで泊まりながら牙一族の襲来を待つのだ」

レイ「成る程、この村には用心棒として泊めてもらう訳だな?」






???「用心棒……?」



レイ・アイリ「……?」くるっ

ユダ(…嫌な予感がする……聞き覚えのある、今ここで一番会いたくなかった奴の声のような…)くるっ


マミヤ「…どれ程の腕前か見せてもらいます」スッ


ユダ「」


レイ・アイリ(あっ、絶対この女だ)

ユダ(落ち着け、まだ奴が俺に気づいているわけではない、ここは平静を装い堂々と他人のフリを)



マミヤ「…あら?そこの赤髪のあなた、どこかでお会いしたような…」

ユダ「げっ!?……げひゃひゃひゃ!じょうちゃん、それはきのせいだぜえ??」(裏声)

ユダ「おれはただのちんぴらだ、ようじんぼうをまかせるならそこのあおいふくをきたみにくいおとこにたのんだほうがいいぜえ?」(裏声)

マミヤ「……“醜い”?」ボソッ



ユダ(はわわわわわわわわ)ドクンドクン




アイリ「兄さん…まずくないかしら?」

レイ「ユ…あいつ、自分で正体バラしかけてるの気づいているんだろうか…」

マミヤ(怪しいわ……あの美形の男の人を“醜い”って表現するようなセンスを持った人は私の知ってる限りではあの人だけ……でもあの人とはあまりにも容姿が違いすぎる………けどあの人は別人レベルでの変装ができる。もしかして)



ドヒュッ!






ユダ(げっ!?こいつ、俺に向かって攻撃してきやがった!?まずい、奴は南斗聖拳を知っている。俺が捌いてしまったら奴が俺だと気づく材料を与えてしまう!どうすれば……!)




レイ「フッ」パシッ!

マミヤ「……チッ…ヒュウ、お見事」

ユダ(でかしたレイ!)パアァ

アイリ「ちょっとあなた、いきなりユダ様に攻撃するなんてどういうつもりですか!?」

レイ「おい、アイリ」

アイリ「………はっ?!」スッ





マミヤ「…“ユダ”様?……やっぱりね」フッ

ユダ「」


マミヤ「そう…やっぱりそうだったのね。もう、そんな恥ずかしがって正体を隠さなくたっていいのに」

ユダ「」






マミヤ「お久しぶり、ユダ」ニコッ

今日はここまで
ストーリー進行遅くてすいません
ジャギ様の本格的な活躍はしばらくお待ちください

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長老「よくぞ来てくださった!」

アイリ「失礼します」

レイ「失礼する」

ユダ「」チーン





長老「こ……この方は…?」

レイ「気にしないでくれ、大したことではない」

ユダ「」★

長老「う…うむ……」







レイ「しかしユダとマミヤの過去に何があったか気になるな……確かにユダは美しいものに(本当の意味で)弱いがここまでなるとはただ事ではあるまい」

アイリ「そうですよ、“私の”ユダ様がこんな事になるなんて、いったいあなたユダ様に何をしたんですか?」ギロッ


マミヤ「……へぇ、やっぱりあなた、そうなのね」




ゴゴゴゴゴ


レイ(うわぁ………居心地悪い…)




マミヤ「…まあいいわ、話しましょう…私とユダの過去を」


マミヤ「まだ世界が核の炎に包まれる前、ユダが世界中の美しい女をさらっていくという悪評があったわよね?それはユダに近いあなた達2人はよく知っていると思うけど」

レイ「ああ…だが実際はユダの美的感覚は狂っている…ユダが集めようとしていたのは一般的には目に入れたくないような連中だ」

アイリ「それとは逆にユダ様の美しさから美男美女が自らユダ様の元に募った…それが噂の本当の事実です」

マミヤ「ええ…それは今ではよく分かっているわ。でもあの頃はまだ噂を鵜呑みにしていたのよ」


マミヤ「私がユダと会ったのは、私が20歳の誕生日を迎えたときだった…」

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ーーーーー

村人「マミヤさん、誕生日おめでとう!」

マミヤ「ふふっ…ありがとうございます」



ザッ ザッ…


マミヤ「……?」


部下「ユダ様、こちらになります」

マミヤ(ユダ…!?あの美女を日々さらっているっていう悪党…!)ギリッ




ユダ「ほう…このおん………な……」

ユダ「………」

ユダ「」サラーン




マミヤ「??」




ユダ「………またか…」

配下「ユダ様…?」

ユダ「何故だ!?何故貴様らはいつもいつも美しさと全く縁のない醜い女ばかり挙げるのだ!?貴様らの目は節穴か!??」






マミヤ「」


配下「ユダ様!?いつも言っておりますが一般的にはこういう女性の方が美しいのだと」

ユダ「こんなのが美しいかったら俺もお前も美しいわ!……くそっ…やっと俺の配下の見栄えが良くなると思ったのに……」ズーン



ユダ「…おい、女」

マミヤ「は…はい?」



ユダ「つい醜いと罵って悪かった。俺は本音は隠せず漏らしてしまうタチでな…だが俺もまた醜い男、気持ちは分かる。これから辛く苦しい理不尽な人生だと思うがめげずに頑張ってくれ」

マミヤ「」ポカーン

ユダ「行くぞ!」ダッ

配下「あっちょ……ユダ様ー!!??」ダダダダッ





マミヤ「」





マミヤ「…………は?」



ーーーーーーーーーーーー

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ーーーーー

レイ「まあその……うん…」

アイリ「ユダ様らしいですね……」

マミヤ「私も別に自分の容姿に自惚れがあるわけではないけど、醜いなんて言われたのは生まれてはじめてだったわ……けどそれ以上に納得いかない点があったのよ」

レイ「ユダの美的感覚より納得いかない事だと…?」

マミヤ「あの時のユダ、化粧してたのよ。原型を留めないレベルの奇怪なオカマメイク」




レイ・アイリ(ああ………)


マミヤ「だから分からなかったのよ、ユダの素顔があんなに美しいなんて。ユダの配下の方も結構美形だったし、もしユダの美的感覚がおかしいにしてもユダ自身は一般的感性でも美しくなかった……色々と納得いかなかったわ」


レイ(まあそれはそうだろうな…)

アイリ(あの化粧をしてるユダ様は確かにお世辞にも美しいとは言えないものね)










マミヤ「それで私はその日から村を飛ぶ出してユダの軍勢を尾行しはじめたのよ」

レイ・アイリ「「」」

今日はここまで。2話は完結できないしストーリーは中途半端だし何かとお許しくだざい!

この章か終わったら、奴らが動き出します

マミヤ「来る日も来る日もユダの軍勢を追ったわ…その頃の私は戦士ではなかったから追ってこられても害はなかったみたいで野放しにされてたわ」

マミヤ「そして私もある日ついにユダの素顔を見たわ………衝撃的だった。今まで生きてきた中であんなに美しい人を見たことがなかった…私の彼への猜疑心は、一夜で憧れに変わったのよ」

マミヤ「そして私は、ついに彼の軍勢に入れてもらうよう申し入れたわ」



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ーーーーー


配下「ユダ様!あの村の女がユダ様に会いたいと言っておりますが」

ユダ「やめてくれ……もう奴の顔は見たくない……昨日も夢に出たのだ……」ガタガタ

配下「ですが…こちらの制止もまったく効かず……!かといって危害を加えるのは…」

ユダ「ええい分かったわ!行けばいいのだろう!?」







マミヤ「………」

ユダ「」ズーン






マミヤ「……私を、あなた達の配下にいれてほしい」




ユダ「…いや、結構です。勘弁してください」







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ーーーーー

マミヤ「その日から私は女を捨てたわ…私は容姿のせいで軍勢に入れない。けれどユダは南斗聖拳の使い手。私も戦士となれば戦力として入れるのではないか…そう思って必死に鍛え続けて今に至るわ」


アイリ「………」







レイ「ふむ…女を捨てた…か」ザッザッ

マミヤ「……?」



ピュイッ


バシィイイン!!!


マミヤ「!!!っ」サッ

レイ「女でなければ胸を隠す必要はない…お前は女だ!」

レイ「女は自分の幸せだけ考えていればいいのだ」ニコッ


マミヤ「………」



アイリ「………兄さん」

レイ「?どうしたアイリ」

アイリ「……流石にそれは擁護できないわ」




バチイィイイイイイン!!!!


レイ「あべしっ!?」ドゴーン!!

レイ「」チーン




マミヤ「…さて、本題に入るわ」

マミヤ「今日ここにあなた達が来た理由は…ずばり牙一族ね?」

アイリ「!?…何故それを!?」

マミヤ「こんな田舎に村にユダの性格を考えたら要件はそれしかないでしょう?けどあなた達とユダでは目的が違うはずよ。多分ユダは牙一族の懐柔が目的よ!」

アイリ「ええっ!?牙一族の殲滅じゃ……なんで…」



マミヤ「牙一族は半狼の奇怪な男達の組織…ユダ的にはそれこそ百花繚乱に見えるんじゃないかしら」

アイリ「………はっ!!」

マミヤ「…ところで、私はユダにささやかな復讐をしようと思うのよ」

アイリ「復…讐……ですって?」ギリッ

マミヤ「そう睨まないで、私もおそらくあなたと同じ感情を抱いてるの。ユダに手をあげようなんて全く考えてないわ」

アイリ「!そう…ですか」

マミヤ「だって悔しくないかしら、ユダは私やあなたは目もくれず、寧ろ醜いと罵る日々…逆に人類の汚点のような連中に釘付けになってるのよ?どう?!」

アイリ「………」

マミヤ「ユダにあんな連中より醜いだなんて思われたくないし、あんな連中をみて欲しくない…あなただってそう思うでしょう!?」




アイリ「……マミヤ“さん”」

マミヤ「!……何かしら?」

アイリ「負けませんよ?」

マミヤ「……ふふっ、望むところよ」

マミヤ「レイ」

レイ「…なんだ」

マミヤ「協力しなさい。あなたに拒否権はないわ」

レイ「いや…しかし」





マミヤ「 返 事 」ギロッ

レイ「はい」キュン


マミヤ「アイリ“ちゃん”、ユダの軍勢はどれくらい率いてきたの?」

アイリ「最低限ですけど…しがない盗賊組織を潰すくらいならお釣りが来ますね」



マミヤ「了解…何もかも思い通りだわ。ユダが起きる前に全て終わらせましょう!」

ジリジリ…

やめろ…こっちに来るな……


ジリジリ…ジリジリ……




ぐうっ!?足がっ……!!



ザッザッザッザッ……

化け物が……化け物達が………!!


◯イリ『ユダ様……』
レ◯『ユダ』
マ◯ヤ『…ユダ』



ユダ「うわあぁああああ!!??」ガバッ!!

ユダ「……はぁ…また悪夢……睡眠にすら俺に安らぎを与えないというのか……!」


長老「お目覚めになられたか、ユダ殿」

ユダ「……?」

長老「昨晩はよくあの盗賊一味を退治してくださった!ありがとうございます」ペコッ


ユダ「……え”」



アイリ「用事は私達で終わらせましたよ、ユダ様!」

レイ「将を容易く働かせるわけにはいかんからな」

マミヤ「礼はいらないわ、その代わり、これからもあなたの力にならせてね?」


ユダ「」





ユダ「」

バターン!!


力なく倒れるユダ!ちゃっかり軍勢に入るマミヤ!だがこれも、これからユダ達を待ち受ける壮絶な戦いの序章に過ぎない!!世界は今、核の炎に包まれた当初と比べ凄まじい勢いで変貌を遂げているのだった!!

果たして彼らに一体、どんな運命が待ち受けているのか!!??


〜続く〜

今日はここまで
明日は痔の切除手術……鬱だ






第3話 崩壊する拳王軍と聖帝軍!“美”なき力の価値は!?




ユダ「」







美男美女達 ズラーーーーーーーーーッ



「「「おはようございます、ユダ様」」」





ユダ「……なんか増えてないか?」

レイ「今お前の配下の南斗の派閥は78派にも及ぶそうだ」

ユダ「78!?4分の3ほどではないか?!おかしい…サウザーはどうしているのだ!!?」

レイ「……聞きたいか?」

ユダ「……どういうことだ?」ゾクッ

レイ「……今の乱世において間違いなく一番大きな勢力はうちの軍勢だ。それに対して拳王軍と聖帝軍は日に日に衰退している…」

ユダ「な…何故!?」

レイ「ユダよ…今や力でなく“美”を求める時代となったのだ。お前がこの世を掌握したその日から」

ユダ「いや意味がわからんぞ。これではまるで醜いものが美しいものに対する革命を起こしたようにしか見えん」

レイ「拳王軍はああ見えてまだ力をギリギリ保っている…拳王ことラオウではなく、側近のリュウガの美しさによってだが…」

ユダ「リュウガが美しいとか正気か?あんな汚物のどこが綺麗なのだ……」

アイリ「ユダ様はいい加減おかしいのは世間ではなく自身の目であることをお気づきになられてください…」

レイ「それでだ…聖帝軍に至ってはもはや影も形もない…完全に崩壊した」

ユダ「」

レイ「ある者は我が軍勢へと下り、ある者は醜いと迫害され、もはやサウザーには誰一人配下がいないのだ」


ユダ(時代は力ではなく美を求む…?だがこれではまるで基準が正反対ではないか……どういうことだ…?)







ユダ(……もしかしてこれは…俺が悪いのか…?)


ユダ(俺が己の醜さに嫌悪を抱き…払拭しようと動いたために俺と同じく醜い者たちが集まり……結果世の中の美的感覚を捻じ曲げてしまったというのか!!??)

ユダ(俺は……何てことをしてしまったのだ……)ポロポロ



アイリ「ユダ様!?」

マミヤ「何故涙を!?」

ユダ「……レイ、今俺の下には78派がいると言っていたな。我が紅鶴拳を含めれば79派…孤立した鳳凰拳を除き、28派はどうしている?」

レイ「……残りの派閥はほぼ組織KINGについたようだ。大幅に縮小した拳王軍や完全崩壊した聖帝軍に対し、維持どころか増進しているのだから驚きだ」

ユダ「シンか…奴はレイに匹敵する醜さを持つ男…やはりこの美しさの迫害と醜さの暴走はここまで深刻になっていたか……」

レイ「そして南斗の派閥こそ配下にないが、組織KINGもしのぎ、我が妖星軍に迫る勢いで拡大する軍勢がるのだ…それが南斗六星拳最後の将と呼ばれる者が率いる謎の軍だ!」

ユダ「シンにも勝る醜さだと……考えるだけでおぞましい………」ガタガタ

レイ「いずれこの二人とも戦う時がくるかもしれん。心しておいたほうがいいだろう…」



アイリ「さっきからユダ様の妄言が思いっきりスルーされているような…」

マミヤ「呆れを通り越して悟りを開いてるわね…というかアイリちゃん、あなたも結構ひどいわよ?」

ユダ「……はっ!そういえば奴は今どこで何をしているだろうか…あの仮面を被った美しい男は…」

マミヤ「仮面を被った美しい男?ユダが言う程ということはよっぽど醜い男なのね」

アイリ「ええ…チラッとしか見えなかったけど、この世のものとは思えないおぞましさでした」

レイ「ユダ……まさかとは思うが…」

ユダ「うむ!あの美しい男を必ずや我が軍勢に迎い入れる!!」



3人「「「ええええーー!!??」」」

アイリ「正気ですかユダ様!!??」

レイ「ユダ!いい加減に目を覚ますのだ!!!」

マミヤ「私は見てないから何とも言えないけど2人がここまでいうってよっぽどよ!?」

ユダ「お前達には血も涙もないのか!?かつては醜いと罵られ迫害されて来たのにいざ立場が逆転したら手の平を返すのか!?どうかしているわ!」



レイ・アイリ・マミヤ(いや…迫害された事なんてないし立場も一切逆転してないんだけど…)


ユダ「あるべき姿に…美しいものは美しく、醜いものは醜く……そう、あの男には世の美を正す崇高な宿命が与えられたのだ!奴こそ妖星の輝きに魅入られた世紀末救世主なのだ!!!」



レイ・アイリ・マミヤ「「「」」」

ユダ「ふふふ…必ずや見つけ出し、妖星の名の下に“正しく”世を治めてくれるわ!」


レイ「しかし…どうやって見つけ出すのだ…奴が何者かもわからないのだろう?」

アイリ「仮面を被った男……を探せばいいのかしら」

ユダ「案ずることはない。俺はあの一瞬で、奴の決定的特徴も抑えてあるのだ!!」

マミヤ「特徴…?」

ユダ「ズバリ……奴は胸に七つの傷がある!ちょうど北斗七星をかたどるように堂々とな!」

ユダ「仮面など被るものは多数いるが、あそこまで深く刻まれた傷は一生消えることはない!そうと決まれば実行あるのみだ!!」






胸に七つの傷を持つものに告ぐ!

世界は予想だにしなかった混沌に遭遇している。
それを正すことができるのはこの世紀末に舞い降りた救世主たる貴殿に他ならない!
我らと共に乱世を戦い美しい世の創世のために力を貸して欲しい!
我ら妖星軍は貴殿の来訪を待つ!

妖星のユダ




ユダ「……これでよし、後はこれを至る所にばらまくのだ!」


アイリ「どうしよう兄さん…今までで一番気が進まないわ…」

レイ「ああ…俺もだ」

マミヤ「はぁ…この先一体どうなっていくのかしら…」

いったんここまで
調子出たら夜も書きます

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー
ーーーーー

サウザー「……」ボロ…

サウザー(何もかも…失ってしまった……)


サウザー(俺の部隊は壊滅、あるものはユダの派閥に屠られ、あるものはユダの配下に下った…)

サウザー(この聖帝、盗賊と化して生き延びることはできる。だがそれは帝王としてのプライドが許さぬ。そんな下郎のような生き様など恥だ)

サウザー(それならいっそ……誰にも媚びず…帝王として最後まで誇りを持って散ろう)

サウザー(孤高に……孤独に……)フラッ




ドシャアッ!


サウザー(……フハハ、とうとう足が言うことを聞かなくなったわ)

サウザー(北斗七星の横に紅い星が見える……俺もここまでか……)



サウザー(…………お師さん…)

拳王軍(実質リュウガ軍)


ラオウ「……ぬう…我が軍勢もうぬ頼りとは……面目無い」

リュウガ「拳王様!?そのようなことを言ってはなりません!」

ラオウ「フッ…力ではなく“美”の時代か……確かに俺は美しいとは言い難い容姿だ……」

リュウガ「しかし拳王様、我が軍の妨げになっていた聖帝軍は完全に壊滅!いくら美の時代になろうとも我々に残った軍勢と拳王様のお力で十分力の時代にひっくり返せるはずです!!」

ラオウ「リュウガよ…俺が例えユダ達を倒そうと…もはや俺には人はついてこんのだ。これでは以前のように巨大な軍勢を率いることはできん。支配もできん。俺はただ力を振りかざすだけの野蛮な時代の癌にしかならんのだ。それでは天を握ったことにはならん……」

ラオウ「フッ……神め…俺と戦う前からこの俺に敗北を叩きつけようというのか…」

リュウガ「拳王様……」




配下「リュウガ様、大変です!」

リュウガ「どうした?」

ラオウ(もはや俺ではなくリュウガが頭か…)


配下「KINGの軍勢がこちらまで迫っています!」



ラオウ・リュウガ「「!!!!」」


リュウガ「KINGは厄介ですよ拳王様…!」

ラオウ「うむ…この美を重視する時代にも関わらず衰退するどころか勢力を増している連中だ…得体が知れぬ」

リュウガ「軍勢の差と拳王様とシンの力量の差を全て考慮すると…いいところ五分って所でしょうか」

ラオウ「ぬうう!シンめ…!そっちがその気ならば拳王の誇りにかけて叩き潰してくれるわ!」


〜続く〜






第4話 “反妖部隊”の逆襲!真の美しさを持つものは……!!

KING軍 ゾロゾロ

ラオウ「ぬう…この軍勢の量……全盛期の拳王軍に匹敵するやもしれぬ」

リュウガ「軍勢の戦いでどこまで削れるか…」



配下「…リュウガ様……」

リュウガ「今度は何だ?」

配下「シンが単身でこちらにやってきます。戦う気もなく話がしたいそうです」




ラオウ・リュウガ「「……?」」

リュウガ「ますます奴の目的が分からなくなってきましたね」

ラオウ「……良かろう、ここまで通せ」

ラオウ「……」
リュウガ「……」




シン「久しぶりだな、ラオウ……それにユリアの兄リュウガ」


ラオウ「してシンよ、うぬがここへ来た目的はなんだ?」

シン「…美しさこそ正義、とんでもない時代になったものだ……お前達もそう思うだろう?」

ラオウ「うむ…全くだ」

シン「つまるところ美しさがこそが力となっているのだ。俺も自分でそこまで考えていなかったが美しい部類の人間だったらしい……ここからが重要だ。俺やリュウガ、そしていま権力の頂点に立っているユダよりも美しい者がこの世に1人存在するのだ!」

ラオウ・リュウガ「「!!??」」


シン「そして…その人物とは、俺もラオウもリュウガもよく知っている人物だ!!」

リュウガ「………まさか」

ラオウ「…ユリア……か?」

シン「ご名答。その通りだ」

ラオウ「だがユリアはうぬが殺したと…」

シン「五車星という南斗最後の将を守護する男たちに救助され、今は奴らのもとにいる」

ラオウ「ということは、あのユダに迫る勢いで勢力が拡大しているという南斗六聖拳最後の将というのは…」

シン「無論、ユリアだ」

ラオウ・リュウガ「「………」」

シン「俺がなにを言いたいが大体分かっただろう?」

ラオウ「…俺たちにユリアの下に付けということだろう?」

リュウガ「拳王様!?シン!どういうことだ!?」

シン「どうもこうもこれしかあるまい。今のままでは天もくそもないのは分かっているだろう?それに俺につけと言っているんではない、ユリアにだ」

リュウガ「………」

ラオウ「……ユリアの居場所は分かるか?」

シン「勿論だ……あと一つ、お前達が投獄しているというトキを解放しろ」

ラオウ「…カザンドラは既に堕ちている……トキなら奇跡の村に戻り医療活動をしている」

シン「ならばまず奇跡の村に向かうぞ。奴は北斗四兄弟で一番の美形だ。必ず力になる!」

奇跡の村


老人「トキ様…もうこんなに足が動くようになりました!本当にありがとうございます」



男「まるでイエスキリストのような佇まい…ユダや最後の将ではなく真に美しいのはトキ様だ!」

女「あの儚げな雰囲気…思わず守りたくなってしまうわ!」



\トキ様ー トキ様ー/

トキ「ははは…」



シン「凄いなこれは…まるで宗教だ」

ラオウ「軍勢とは呼べぬが、民の忠誠…もとい信仰の深さなら群を抜いてるやもしれぬ」

リュウガ「トキを説得するよりここの住民の説得の方が骨が折れそうだな…」

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー
ーーーーーー

トキ「……なるほど、それで私についてきてほしいと……しかし私はそれほど美しいとは思わないのだが…」

ラオウ「うぬが美しくないなら俺はどうなるのだ!?同じ血を引いているはずなのにこの差はなんだ!?」

リュウガ「落ち着いてください拳王様!?」

シン「ラオウ、お前は正直醜くないと思うぞ?その兜をはじめとした威圧的な要素を排除すればいけると思うが……」

トキ「それはどうあれ私も行こう。ユリアは私がただ一人愛した女性だ。命をかけて守ろう」

シン「よし…ではユリアの居城へ向かおう」

リュウガ「しかし、トキがこの地を離れて大丈夫なのか?」

シン「新たな恵まれぬ地を求めて旅立つ…とでも言っておけばいいだろう」



トキ様ーありがとうございましたー!

トキ様ーまたいつか奇跡と美しさをー!

トキ様ー必ず帰ってきてくださいー!


\トキ様ー トキ様ー/



トキ「ははは…」

シン「壮大な見送りだな…」

ラオウ「ぬう…俺も服装に気をつければあるいは…?」

リュウガ「拳王様はそんなことお気になさらないでください!」

シン「さて…行くか!」

今日はここまで
次回シン一行ユリアと邂逅、そして“あの”2人も?

拳王と聖帝は決してブサイクじゃ無いし男前だと僕も思います、ただこの世界だとよっぽど顔の作りが良くないと評価されません。そういう事にしといて下さい

ーユリアの居城ー

配下「ユリア様!広場にKING軍と拳王軍が!!」

ユリア「…何ですって?」


ヒューイ「おのれラオウにシン!美しさこそ正義のこの時代にユリア様に歯向かうというのか!」

シュレン「何故奴らは組んだか知らぬが、我ら慈母星を堕とそうというなら容赦はせぬ!」


ジュウザ「落ち着け、美の時代とはいえラオウとシンとなればお前らなど足元にも及ばん」

ヒューイ・シュレン「「ぐっ…」」

ジュウザ「それにそれほど大事にはならないようだしな…なあリハク?」

リハク「うむ。あの軍勢の中にトキが混ざっているという情報を得た。トキと共に彼奴らが我らを敵にするとは考えにくい」

ユリア「トキが!?」

配下「ラオウにシン様、そしてトキがユリア様に折り入って話があると言っています」


一同「「「………」」」

リハク「やはりな…」




ユリア「分かりました、応じましょう。力でしか物を言わなかった彼らが言葉と心を通わせようと言うのです。拒む理由はありません。それにトキをおろそかにはできないでしょう」







ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー
ーーーーー


シン・ラオウ・トキ「「「……」」」




ユリア「ようこそお越しくださいました…では、あなた方の真意をお話いただけますか?」

シン「…単刀直入に言えば、俺たちをお前の配下に入れてほしい」




五車星「「「!!??」」」



ジュウザ「正気かシン!?六聖拳であるお前が五車星と同列になろうというのか!?しかもラオウにトキまで!!?」

リハク「しかし、これは願ってもない申し出ですユリア様、断る理由は見当たら



ユリア「いや、嫌です。ラオウとトキはともかくあなたは嫌です。死にたくなります」


シン「」






一同「「「えー……」」」


ユリア「……というのは半分冗談ですが、ケンはどうするつもりですか?あなたが胸に7つの傷をあけて置き去りにしたケンはどうするのですか?」ネチネチ

シン「」


ラオウ(…いくらなんでも嫌われすぎではないか…?)

トキ(うむ……)





ガチャッ



リュウガ「…俺からも頼む、ユリア」

ユリア「に…兄さん!?」

五車星「「「!!??」」」


リュウガ「天は大木を欲している。それはお前とユダだ。だが木というものは幹だけでは倒れてしまう、その巨大な幹支える根や、そびえ立つ活力を得るための葉が必要だ。今のお前に必要なものは、そんなお前を支えてくれる存在なのだ」

ユリア「…………」



ユリア「…分かりました、いいでしょう。ただしシン…あなたにはケンを探してもらいます」

シン「ああ、それは既に手を打ってある…この紙を世界中にばら撒いたからな」


胸に七つの傷を持つ男に告ぐ!

今や、偽りの救世主に世界が脅かされているのはお前もよく知っていることだろう。
奴のような男が崇められているような世では必ず破滅を辿ることになる!
お前の力が必要だ!!
俺に力を貸して欲しい、過去に色々あったがどうか水に流して共に戦おう

KING シン


トキ「……なるほど」

ラオウ「どこか図々しさだらけな気もするがな」

シン「どうだっていいだろう?!今そんなことを言っている場合か!!」

ユリア「あっ…トキ、あなたにも一つお願いがあります」

トキ「?…なんだ?」

ユリア「髭をそってください」


トキ「」


ジュウザ「面白い!トキ、俺が剃ろうではないか!ついでに化粧もしてやろう!どこまで化けるか楽しみだ!」ワキワキ

トキ「ジュウザ!?何をっ……!!?」





\ワーーーー/





シン「あとはケンシロウが来るのみ…か」

ーユダの探し人ー


ジャギ「くそぉ…くそおぉおおお!!!」

ジャギ「何故だ…なんなのだこの世は!!?力がすべての世界じゃなかったのかよ!!!美しさがすべてだとぉ!??」

ジャギ「どうすればいいんだ…配下は私刑で皆殺しにされてもういない…今まで思い通りにしてきた連中が今になってはユダかユリアの配下、さびれた街にいるのは俺のようなゴミのようなモヒカンども……」

ジャギ「もう…ダメなのか……







ーーーーーん?なんだこれは?」


胸に七つの傷を持つ男に告ぐ! ーーー

ーシンの探し人ー

バット「なんかケンと旅をはじめた頃に比べて随分変わったよな」

リン「今まで悪いことしてた人たちがひもじい生活をして、それにやられてた人たちが幸せに暮らしているわ」

バット「すげえよな!力も使わずに世界をひっくり返すなんてな!美しさが全て、かあ〜」

ケンシロウ「……バットにリン、この世界、正しいと思うか?」

バット「はあ?前に比べたらずっといいに決まってるだろお!?」



リン「……あれ?何かしらこの紙…」








胸に七つの傷を持つものに告ぐ! ーーー


ケンシロウ「………」

美男「ユダ様!胸に七つの傷を持つものを連れてきました!」


レイ・アイリ・マミヤ「「「!!!!」」」




ユダ「よし!連れてこい!!」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

五車星部隊「ユリア様、胸に七つの傷を持つ男を連れてきました!」



ラオウ・トキ・リュウガ・五車星「「「!!!!」」」

ユリア「ケン……!!」

シン「フフッ…ケンシロウ、久しぶり

ケンシロウ「お前が妖星のユダ、か…」









ジャギ「ひゃはは!ケンシロウではなくこの俺を頼るとは分かってるじゃねえかシン!」













ユダ・シン「「帰れ!!!!!!」」

今日はここまで
続くって書き忘れたけどこれで4話完結
そろそろラストスパートです

長らくお待たせしました

大変短いですが生存報告がてらいきます

ケンシロウ「!?……どういうことなのだ」ポカーン

バット「おい!勝手に呼んでおいて帰れだなんて図々しすぎるだろ!?」

リン「確かにそうだけど勝手に付いてきている私たちには何も言う権利はないわ」

バット「けどよぉ…」

ユダ「なぜ別人が来るのだ……なぜ胸に七つの傷を持つ男が二人もいるのだ…貴様は一体何者だ!?」

レイ「いやどう考えてもこいつはかの有名な北斗神拳伝承者ケンシロウだろう」

ユダ「ケ…ケンシロウだと…!?」

ケンシロウ「うむ……」

ユダ「………」



ユダ(…レイたちに比べればまだマシ、だがわかりやすい醜さはないものの、顔の作りそのものはかなり醜い部類…しかしケンシロウか……)






第5話 決戦!妖星vs慈母星!!美の極みを握者は…!!?




ユダ(ケンシロウ、北斗神拳伝承者。だが醜さが全てとなった世において分かりやすい醜さのないこいつは中途半端な存在だ。たった一つの強烈な存在意義を除けば)


ユダ(南斗最後の将…その正体はユリアらしい。奴はユリアの婚約者、こちら側にいれば奴らに対する強力な牽制になるはずだ……ならば!)


ユダ「そうか…お前がケンシロウか…済まなかった、俺の知っている七つの傷の男とはまるで違ったのでな…」

ユダ「…ケンシロウよ、今の世は一見痛快な世界かもしれぬ、弱き(醜い)ものと強き(美しい)ものの立場が入れ替わり、俺は権力の頂点に立った…だがこの事態は下手すれば以前より劣悪な世界だ…違うか?」

バット・リン「「!!??」」

ケンシロウ「……!!」


ユダ「俺はこの世界を変える。だがそれには最大の敵がいる!奴ら南斗慈母軍だ!!奴らはこの腐った世界を良しとし、俺たちを淘汰したのちこの世を握ろうとしている!!俺は奴らを止めねばならん!!」

ユダ「……協力してくれるか?」

ケンシロウ「…ああ、分かった」

バット「ケン!?こんな奴の言うこと聞く必要はないぜ!今の世界の方が平和だし、なんかユダの敵対勢力の方がマシに聞こえたぜ!!」

ケンシロウ「…確かにそうかもしれない。悪党共に今日を生きる資格は無いだろう…だからと言って他の者たちが立場が変わった途端同じことをしていい理由はない」

ケンシロウ「このままでは…本当の意味でこの世界は悪党だらけになってしまう」

バット「!!!!」

リン「ケン……」





ユダ(フハハハ!これで慈母星軍の最大の弱点は握った!!奴らを潰せばようやく俺の望んだ美しい世界が……!!)




スッ


ユダ(……ん?)

ケンシロウ「ユダ、これからよろしく頼むぞ」


ユダ「…………え、ああ」





ガシッ!!


ユダ(あっ、鳥肌が)



アイリ(やはりユダ様は凄いわ…口車だけでこうも容易く籠絡するなんて…)ボソボソ

レイ(しかも嘘は一言もいってないのがまた恐ろしいな…)ボソボソ

マミヤ(この知略と美しさをもっと本当の意味で平和のために使ってくれたらどれだけいいことか……)ボソボソ



ケンシロウ(しかし…胸に七つの傷の男が二人……となると俺の名を騙る男がいるということだ………)





ケンシロウ(………まさか)

今日はここまで

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