昴「志保って美人さんだよな」 百合子「……」 (54)

昴「志保って美人さんだよな」

志保「……急に、なんですか?」

昴「いや……ただなんとなく、思ってたことを口に出してみただけと言うか」

志保「……」

昴「なんていうか、こう……女性らしいよな。俺の一個下とは思えないぐらいしっかりしてて、雰囲気も何処か大人っぽくて」

志保「……」

昴「しかも美人だなんてズルいよなぁ。俺とは持って生まれた素質が違う……」

志保「」スタスタ

昴「あ、志保……」

志保「」バタン

昴「……うーん……」

百合子「……」



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志保「……」

星梨花「あのー……志保さん」

志保「……何?」

星梨花「さっきからお顔が真っ赤ですけど……ひょっとして体調がすぐれないんじゃ」

志保「……」ツネー

星梨花「い、いはい!? いはいれす志保しゃぁぁぁんっ!」バタバタ

昴「恵美ってカッコいいよな」

恵美「え?」

昴「ちゃんと自分の意見持ってるし、責任感も強いし。女の憧れ!って感じするし」

恵美「何々? 急にどうしちゃったわけー?」

昴「気配りも出来るし、仲間からの信頼も厚いし」

恵美「もー、そんなに煽てたって何も出ないって」アハハ

昴「外見はチャラそうに見えるけど、中身はすっごい女の子だし」

恵美「……ちょ、ちょっと。いい加減止めてよ昴」

昴「スタイルも良いし、顔も可愛いし」

恵美「す、昴……?」

昴「俺がもし、男だったらさ」

恵美「……?」

昴「恵美みたいな良い女……」スッ

恵美「……ちょっ!?」

昴「……絶対、ほっとかないって思うよ」リョウテニギッ

恵美「……ちょおぉ……っ!?」

恵美「」ゴクゴク

琴葉「……」

恵美「」ゴクゴク

琴葉「あ、あのー……恵美?」

恵美「何っ!?」

琴葉「そろそろ、お店出た方が……」

恵美「やだ!」

琴葉「やだって……」

恵美「琴葉は、今の私を独りきりにさせてもいいのっ!?」

琴葉「い、良いとは思わないけど、時間が時間だし……」

恵美「……」

琴葉「……恵美?」

恵美「……ちょっと、だから」ボソッ

琴葉「?」

恵美「……ちょ、ちょっとキュンってきちゃっただけなんだからーっ!」タタタッ

琴葉「へ!? め、恵美、お会計はー!?」

エレナ(今日のメグミはクレイジーだったネ)

昴「桃子ってとにかく凄いよな」

桃子「でしょ? 昴さんも、ようやく桃子の凄さが分かった?」

昴「小さいのにしっかりしてるし、プロ意識も高いし」

桃子「小さいは余計だけど……プロ意識の高さだったら桃子、同年代の子に負ける気しないから!」

昴「台本を一発で暗記出来るとこも凄いよな。あと、モノの覚えも早いしさ」

桃子「まあ、桃子昔から子役でドラマ出てたぐらいだし……」フフン

昴「いいなあ……その飲み込みの良さを、俺にも少し分けて欲しいよ」ナデナデ

桃子「もう……他人を敬ってるうちは一流にはなれないよ? こんなとこで油売ってないで、昴さんもレッスンレッスン!」

昴「はいはい」ナデナデ

桃子「……ていう事があって」

育「……」

桃子「昴さんも仕方のない人だよねー。この桃子を褒めて誑かそうとして」

育「……」

桃子「まあ……桃子ぐらいしっかりした業界人になれば、あれぐらい平常心でいて当然……」

育「……口元」

桃子「?」

育「さっきから、緩みっぱなしだよ?」

桃子「っ! ……こ、これはちがっ!」

環(素直に嬉しいって言えばいいと思うぞ……)

昴「翼って可愛いよな」

翼「へっ!?」

昴「甘えたがりな性格とか凄く良いし、ビジュアルは言わずもがなだし」

翼「も、もー……どうしたの昴くん! 急にそんな事言われたら流石に恥ずかしいよー……」エヘヘ

昴「本当、気を抜いたら思いっきり抱きしめちまいそう……」

翼「えへへ……別に、昴くん相手だったら本当に抱きしめられても……」

昴「……」ギュッ

翼「!?」

昴「あ……ご、ゴメン!」バッ

翼「え? え?」

昴「い、今のはちょっと、見なかったことにしてくれよ……それじゃっ!」クル

翼「へ!? ちょ、ちょっと、昴くん……!」

昴「」タタタ

翼「……」

翼「い……今の見た、未来!?」

未来「う、うん! 私、びっくりして腰が抜けちゃったよー……!」

翼「ほ、本当いきなりどうしちゃったんだろ……昴くんがまさかあんな」

未来「……」ギュ

翼「!?」

未来「あ……ご、ゴメン!」アタフタ

翼「み、未来……!」

未来「い、今のは見なかったことにしてくれよ……じゃっ!」テレガオ

翼「……」

未来「……」















翼・未来「きゃーっ!」バンバン

小鳥(楽しんでるわねえ……)フフフ

昴「莉緒って綺麗だよな」

莉緒「あら。急にどうしたの?」

昴「ちょっと残念なとこあるけど、中身もすっげー優しい人だし……」

莉緒「ふふっ。それ、褒められてるんだか貶されてるんだかわからないわね」

昴「貶してなんかないって。その外見とのギャップ、凄く魅力的だと思うぜ?」

莉緒「もう……本当に魅力的な女なら、合コンの後一人寂しく帰ったりしないわよ」クルッ

昴「……」

莉緒「……? どうかした?」

昴「あ、いや……思わず莉緒の後姿に見とれちゃってさ」

莉緒「昴は口が上手くなったわね」フフッ

昴「いやいや……やっぱり、莉緒は凄く綺麗な大人の女だよ。俺が保証する」

莉緒「……」

このみ「」ポリポリ

莉緒「……」

このみ「なんだか今日は静かね、莉緒ちゃん」ポリポリ

莉緒「……このみ姉さん……」

このみ「んー?」ポリポリ

莉緒「……私、もう女の人相手でもいいかも……」

このみ「何言ってんの?」

昴「千鶴ってお金持ちだよな」

千鶴「おーほっほっほ! 何当たり前のことをおっしゃってるんですの!?」

昴「毎日ようにセレブアピールしてるし。きっとすっげー豪邸に住んでるんだろうなあ」

千鶴「昴には理解出来ない世界ですわね!」ウフフ

昴「羨ましいなあ。俺も一度ぐらい、噂のリッチな車に乗って事務所に来てみたいぜ」

千鶴「そうでしょうそうでしょう!」

昴「俺達みたいに、夕食にコロッケ出されて喜ぶような庶民的な家庭じゃないんだろうなあ」

千鶴「全く、昴は冗談がお上手ですね!」

昴「俺もなりたいなあ……千鶴みたいな立派なセレブに」

千鶴「そう簡単になれたら苦労はしませんことよーっ!」オッホッホ

千鶴「……」

ひなた「千鶴お嬢さん、いつまで落ち込んでるだ」ユサユサ

のり子(辛いなら、もうセレブのフリやめればいいのに……)

昴「杏奈ってめんこいよな」

杏奈「……杏奈、めんこい……?」

昴「おう。なんていうか、こう……庇護欲をくすぐられるというかさ」

杏奈「……うん……」

昴「思わず俺も、不意に抱き締めたくなっちゃうぐらいの可愛さなワケだよ」

杏奈「……うん……」

昴「それでいて、ステージに立った時のスイッチの切り替えも凄いよな!」

杏奈「……うん……」

昴「……」

杏奈「……」

昴「……ふ、普段おとなしい杏奈が、あんなにアグレッシブにファンの姿を煽っていく姿も中々……!」

杏奈「……うん……」

昴「……」

杏奈「……」

昴「……」

杏奈「……?」

昴「……」

可憐「お、落ち込まないで昴ちゃん……」ユサユサ

可奈(杏奈ちゃん、そういうのとことん鈍そうだからなあ……)

ロコ「ヘイ、スバルっ!」

昴「なんだよロコ……俺、忙しいんだけど」

ロコ「聞きましたよ! 今スバルは、色んなアイドルをコメンドして回ってるそうですね!」

昴「コメント?」

ロコ「こ、め、ん、どっ! ふふ……それでは! そんな褒めたがりのスバルの為に、ロコがとっておきのアートを持参してきましたっ!」ドスンッ

昴「うおっ、なんだこの銅像!?」

ロコ「1/1スケールで作りました、ロコの銅像です! パーフェクトなクオリティだと思いませんかっ!?」

昴「というか、よくこんなもの事務所まで持ってこれたな……」

ロコ「さあスバル! このロコ史上最高のアートを存分に褒め……」

昴「可愛い」

ロコ「……へっ?」

昴「いつも自信満々な態度のクセして、その構われたがりな性格……愛くるしく感じる奴も多いだろうな」

ロコ「あ、あの、スバル……?」

昴「オマケに、本人のビジュアルもかなり良いし……」ズイッ

ロコ「ろ、ロコじゃなくて、アートを褒めて……」

昴「アート……?」ズズイッ

ロコ「だ、だからその銅像……!」

昴「馬鹿野郎……!」ドンッ

ロコ「!」

昴「伴田路子より優れたアートが、この世に存在するわけないだろうが……!」

ロコ「〜〜っ!!」

ロコ「くーるだうんっ! くーるだうんっ!!」ジタバタ

麗花「ロコちゃん落ち着いて! ほらほら、私と一緒にぷっぷかぷー!」

ロコ「レイカは私を落ち着かせる気があるんですかっ!」

エミリー(あれがジャパニーズ、壁ドン……!)

奈緒(前の杏奈でストレス溜まってたんやろなあ……)


昴「茜ってさ」

茜「何々っ!? この茜ちゃんにどんな御用!?」

昴「普段はウザキャラだけど、喋ってみると意外と」

茜「あー、わかった! この今をときめく茜ちゃんを、巧みな話術で誉め殺す気でしょ!」

昴「気が回って……」

茜「しょうがないなー! ホントーは今すっごくすっごく忙しいんだけど、他でもないイケメンアイドルちゃんの頼みだもんなー」

昴「良い奴で……」

茜「さあっ、遠慮なんてしなくていいよー! このプリティーキュートでチャーミングな茜ちゃんを、満足の行くまで褒め称えちゃってー!」

昴「……」

茜「ほらほら、何ボケっとしてるの! 茜ちゃんの良いところなんて、すばるんの足りないおつむでもひっきりなしに出てくるでしょーー!?」ウリウリ

茜「……」ヒリヒリ

瑞樹「野々原さん、どうかしましたか?」

茜「ほっへたつねられひゃ……」ヒリヒリ

瑞樹「痛そうですね」

茜「もっと本気で心配してよおっ!」ブワッ

歩(茜も黙ってたら普通に美少女なのになあ……)

昴「風花っておっぱい大きいよな」

風花「……へっ!?」

昴「形も綺麗だし」

風花「すす、昴ちゃん、いきなり何を……!?」

昴「柔らかそうだし」

風花「ちょ、ちょっと……!」

昴「揉みごたえありそうだし」

風花「な、何が目的……!」

ムニュ

風花「……ひゃんっ!?」

昴「世の男は、この魅惑的なカラダをほっとかないだろうなあ」ムニムニ

風花「あ……っ! やんっ! やや、やめてえっ!!」ジタバタッ

風花「……っ! ……っ!」ポカポカ

P「ちょ、俺は関係ないですっていだだっ!?」

紗代子(一体何が昴をあそこまでさせてるんだろう……)

昴「海美って健康的なカラダしてるよな」

海美「えっへっへー! 年下の子達にはまだまだ負けないよーっ!」

昴「脚とかすっげー綺麗だし……」

海美「ふふん。私、脚線美だけは自信あるからね!」

昴「さっすが、昔バレエやってただけのことはあるなあ」

海美「でしょでしょ! そのお陰で、アイドルのダンスも上手く……」

昴「……」ズイッ

海美「いってると……?」

昴「……」ズイズイッ

海美「す、すばるん……? ちょ、ちょっと顔が近過ぎるんじゃないかなーって……」

昴「……脚」

海美「わ、私の脚が何……」

昴「触ってみてもいいか?」

海美「……へっ!?」

昴「そんな乱暴に扱ったりしないからさ……」スッ

海美「え、えと! その、理由は……!」

昴「……知りたいのか?」サワッ

海美「……ふぇっ!? あ、あ、あの……っ!」カァァッ

海美「……」ポー

美奈子「た、大変だよ亜利沙ちゃん!」

亜利沙「ど、どうかしましたか美奈子ちゃんっ!?」

美奈子「海美ちゃんがオヤツに出した北京ダック、一回もおかわりしてくれなくて……!」

亜利沙「普通です」

美也(海美ちゃん、完全に女の子の顔になってますねー……)

ジュリア(メスでオスの味を知ったか……)

昴「まつりってさ……」

まつり「……」

昴「……」

まつり「ほ……? 突然どうしたのです?」

昴「いや……なんでだろうな」

まつり「?」

昴「なんとなく今、『まつりって努力家だよな』って言おうとしたんだけど……」

まつり「……」

昴「よくよく考えたら、まつりってそういうイメージの人じゃないし。一体何口走ろうとしてたんだろうな、俺」ハハハ

まつり「……昴はきっとお疲れなのですよ」

昴「かもなあ……あ、そうだ!」

まつり「今度は何なのです?」

昴「一つ渡したい物があってさ。ほら!」ヒョイ

まつり「……練習シューズ?」

昴「一足駄目にしちゃったんだろ? 会社からの経費ってことで、小鳥さんから貰ってきたんだ」

まつり「いえ……そもそも駄目にした靴は姫の私物なので、流石に受け取れな……」

昴「もー、そんな遠慮すんなって!」ニギッ

まつり「!」

昴「今度のライブ、俺も出るからさ!」

昴「さいっこうのパフォーマンスが見せられるよう、お互いに頑張ろうぜっ!」ニコ

まつり「……」

まつり「……」

朋花「あらあら、こんな所にいらしたんですか」

まつり「……こんな所にいちゃ、ダメなのです?」

朋花「いえいえ、そんなことはありませんよー」

まつり「……」

朋花「……姫様は、意外とストレートな笑顔に弱かったんですねー」フフッ

まつり「……うるさい」ポスッ

小鳥「いやー、素晴らしい演技だったわよ昴ちゃん!」

昴「そうかなあ……」

小鳥「そうよー! まさかあのまつり姫まで陥落させるとは……流石の私も目を疑ったわ!」

昴「あれ、殆ど素の自分だったんだけどなあ……」

小鳥「これで昴ちゃんも、今度のドラマの役にかなり近づけたんじゃない?」

昴「……『口説き上手なイケメン中学生アイドル』、だっけ? 少なくとも、女にやらせるような役柄じゃなかっただろ……」

小鳥「まあまあ! 結果的に昴ちゃんの演技の幅も広がったことだし、そう悪い話でもなかったでしょ?」

昴「……俺、そもそもこの仕事始めたの、女っぽくなりたいって理由だったんだけど」

小鳥「気にしない気にしない! さてと、私は事務所に仕掛けてたカメラの回収を……」スッ

昴「……なあ」

小鳥「ん?」

昴「今日のレッスン、やっぱり皆に内緒でやる必要なかったんじゃ……?」

小鳥「そそ、そんなことないわよ!?」

昴「その心は?」

小鳥「ええと……それはその、所謂実戦感覚を養ってもらう為の私の親心で……!」オロオロ

昴「……もういいよ」ハア

小鳥(……それにしても……)

小鳥(今日……昴ちゃんが真っ先にちょっかい出しに行くと思ってた、例の『あの子』……)

小鳥(声を掛けに行かなかったのは、只の気まぐれだったのかしら……?)カチャカチャ




















百合子「……」

昴「いやー、今日は色々と疲れたなー」テクテク

昴「皆には秘密で、ってのが結局よく分かんなかったけど……」

昴「小鳥さんの言う通り……1日事務所の皆相手に練習したお蔭で、ドラマもなんとかなるレベルまで来たんじゃないか?」ウンウン

百合子「……」

昴「さてと。台本の読み合わせもあるし、そろそろ自宅に帰……」

百合子「……昴、さんは」

昴「っ!?」ビクッ

百合子「……」

昴「……び、びっくりした……ゆ、百合子か。急に驚かせるなよな」

百合子「……」

昴「どうした? そんなに真面目な顔して」

百合子「……」

昴「今朝からちょっと様子変だったし……ひょっとして百合子、風邪かなんか引いて」




















百合子「……カッコいい、んですよ」

昴「……へ?」

百合子「スポーツも出来るし」

百合子「結構頼りになるし」

百合子「ちょっと意地悪だけど、なんだかんだすっごく優しいし」

昴「ゆ、百合子……?」

百合子「スカート履くのが苦手なのも!」

百合子「実は女の子相手の耐性がそこまでないのも!」

百合子「そもそも女の子なのに女ゴコロが殆ど分かってない事も、全部全部知ってるんです……!」

昴「お、お前、何言って……」

百合子「私が……私が一番、昴さんのことを知ってるのにっ!」

百合子「どうしてですか……!」グスッ

百合子「どうして他の友達に、私の知らない昴さんをいっぱい見せちゃうんですかぁ……っ!」ポロポロ

昴「ちょ……ちょっと一回落ち着けって」

百合子「私だけ……」

昴「?」

百合子「私の事だけ、口説いてくれればよかったのにっ!」

昴「……!」

百合子「私、暇だったのに……」

百合子「今日1日ずっとずっと、ドラマの練習に付き合ってあげられたのに……」

百合子「……いつ口説いてくれるか、ずっと待ってたのに……」グスッ

昴「……」



















百合子「……だから」

昴「……?」

百合子「……今、口説いて下さい……」

昴「……っ!?」

百合子「早く、早く私も口説いて……」

昴「く、口説くって……」

百合子「さっき皆相手にやってたじゃないですかぁ……」

昴「きゅ、急に言われると心の準備がさぁ……」

百合子「……」グスッ

昴「……わ、わかった! わかったって! 」

百合子「はや、くぅ……」ポロポロ

昴「え、えーと、えーと……! ゆ……」アセアセ

百合子「……」

昴「……ゆ、百合子……」

百合子「……」

昴「お、お前は……お前が思ってるなんかより、ずっとずっと可愛い女の子で……」

百合子「……」

昴「本が好きで、おはぎが好きで……出会った時はなんていうか、俺とはソリの合わない奴だろうなって勝手に思ってた……」

百合子「……」

昴「け、けど……本とか、好きなモノを半ば強制的に勧めてるお前も、好きなモノに夢中になって打ち込んでるお前も……」

百合子「……」

昴「全部全部堪らなく可愛くて……いつの間にか俺、百合子に構いたいが為に余計なちょっかいまでかけるようになってて……」

百合子「……」

昴「聞き上手だし、意外と語彙力も豊富で話してると楽しいし……た、たまに何言ってるか分からない時もあるけど……」

百合子「……」

昴「……そんな素直で、純粋で。俺なんかのイタズラに毎回本気で引っかかってくれる、アホな七尾百合子の事が……」

百合子「……」

昴「……す……」

百合子「……」

昴「……好き……」

百合子「……」

昴「……好き、だ……」

百合子「……」

昴「……好き、なんだ……」

百合子「……」

昴「……だい、好き……なんだよ……ゆ、百合子……」

百合子「……っ」

昴「そ、それでさ……」

百合子「……」

昴「その……」

百合子「……」

昴「永吉昴は……」

百合子「……」

昴「……っ」

百合子「……」

昴「……あーっ! こんな感じでいいだろ、もうっ!」カァァッ

百合子「……」

昴「ゆ、百合子も黙ってないで何か言えよ! 俺が一方的にすべってるみたいじゃんか!」

百合子「……」

昴「おい! そこの本大好き女!」

百合子「……」

昴「使えない風の戦士っ! 壊れた暴走特急!!」

百合子「……」

昴「こ、このやろ……!」

百合子「……リテイク」

昴「……?」




















百合子「……最初からリテイク、お願いします……っ」ギュゥゥゥ


おしまい


おまけ




未来「いやあ、ドラマ面白かったねー!」

翼「うんうん! 昴くんも相変わらずカッコよかったし!」

静香「……」

未来「昴が女の子を口説いてる時の表情……なんていうかもう、完成されてたよね!」

翼「私、あのシーンは思わず本気で身震いしちゃったよー!」

未来「それにしても……この間のあれ、ドラマの役作りなら最初から言ってくれればよかったのに」

翼「ねー! そしたらいくらでも練習付き合ってあげたのにさー!」

未来「翼はまたキュンキュンしたいだけでしょー?」

翼「えへへ、ばれた?」

キャッキャ

静香「……」

未来「……? どうかしたの、静香ちゃん?」

翼「そういえば……さっきから妙に大人しいね?」

静香「……この間……」

未来「?」

翼「?」

静香「当日、基本的には暇してた子が昴に口説かれてたのよね?」

未来「多分……」

翼「それがどうかしたの?」

静香「私、あの日朝からずっと事務所に居たんだけど……」

翼「うん」

静香「気付いてもらえなかったというか……」

未来「……?」

静香「その……」

















静香「……声すら、掛けてもらってない……」

未来「……」

翼「……」

未来「……」ポンポン

翼「……」ポンポン

静香「何か言いなさいよ!」ブワッ


本当におしまい

最後まで見てくれた人、ありがとうございました!

乙 すばゆりごちそうさまです
だが瑞樹じゃなくて瑞希なんだ…

>>45
>>1だけどゴメン、気付かなかった…

それとコメントくれた人、画像貼ってくれた人もありがとう!
いつも感謝してます

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