提督「鎮守府一般公開?」(249)

アニメから入った新米提督ですがご容赦を

榛名「はい。これが大本営海軍部からの指示命令書です」スッ

提督「なになに…この時局に軍民双方の交流を計ることにより、ひとときの娯楽の提供と
   相互理解の促進を達成すること、か」

榛名「榛名はとてもいい考えだと思います。みんなが元気になりますから!」

提督「それは俺もそう思うよ」

提督「深海棲艦の恐怖だけならまだしも、最近は色々とあったらな…。ここは何かひとつ明るい話題に
   なるようなことをしようというのは分かるよ」

提督「我が鎮守府があるとはいえ、ここは小さな港町だからな。過疎化は進んでるし
   復興もまだまだだし…」

榛名「この鎮守府も地元の町にはお世話になってますけど、交流自体はあまりなかったですからね」

提督「だから大本営の考えも分かるんだけど…分かるんだけど…」

榛名「?」

提督「自分で言うのも何だがこの鎮守府は発足から間がないし…
   資源や資金も他ほど余裕があるわけじゃないからな…」

榛名「それは榛名たち艦娘の力不足でもあります。申し訳ありません」

提督「いやいやそういう意味で言ったわけじゃないから」


提督「お前らは本当によくやってくれてる」

提督「最高司令官たる俺がむしろ申し訳ないくらいだよ」

提督「指揮運営が拙いばかりに、艦娘を増やすことも規模を拡充することもままならない」

提督「時々自分が嫌になるよ」

榛名「提督、そんなにご自分を責めないでください。私達の中でこの鎮守府に来て
   幸せだと思っていない艦娘は一人もいませんから!」

提督「うう…」

コンコンコン

提督「どうぞ」

金剛「金剛、入りマス!」ガチャ

金剛「ティータイムの時間になったデスからお茶とスコーンをお持ちしましたヨー」

金剛「三人で少し休憩デス!」

榛名「金剛お姉さま、ありがとうございます」

金剛「あれ?テートク元気ないですねー?」

提督「金剛にも済まないな…。予算のせいで本場の茶葉を買ってやることもできない」
…」


提督「大英帝国帰りの帰国子女の金剛にいつもリ●トンのティーバックで茶を入れさせてる
   俺は本当に甲斐性がないよ…」

金剛「んん?榛名、なにかあったデスか?」

榛名「提督のいつもの自己嫌悪が始まっただけです」

榛名「提督は仮にも軍人で大佐でもあるんですから、もっと自信を持って下さい!」

提督「俺なんかさぁ…どうせ海大出じゃねぇし…一般大卒のB幹だし…転向組だし…」ブツブツ

榛名「ぁあもぅ!!」

金剛「まぁまぁ榛名、テートクは謙虚な方なのデスからそこは認めてあげなきゃだめデスよ」

金剛「それよりも今回はいったいどうしてこうなったデスか?」

榛名「実は先刻、大本営から命令を受領しました」

金剛「ふむふむ、鎮守府一般公開…」

金剛「いいじゃないデスか!これは要するにfestivalデスね!」

榛名「金剛お姉さまも乗り気ですね!」


金剛「祭りとあっちゃ堪えられないデス!みんなで楽しく騒ぎまショー!」

榛名「ええと、日時は他の鎮守府とすこしずつずらして、ほぼ同時期に一斉に行われるみたいですね」

金剛「あ、ウチだけじゃなく他も開催なんデスね」

榛名「そうみたいです。実際に何をやるかは詳細はこちらで決めていいそうですね」

提督「じゃあもうほどほどに無理せずやろう?屋台出したり施設見学開いたりして済まそ?」

榛名「でも私達艦娘による海上での総合火力演習は必須みたいですよ」

金剛「オォウ!腕が鳴るネー!」

提督「OH…資源が…資金が…」

金剛「テートク!これは大本営公認のお祭りなんデスよ!ここは楽しまなきゃ損デス!」

榛名「お祭りと言えば、金剛お姉さまは昭和3年の12月4日を覚えていますか?」

金剛「!!」

金剛「御大禮特別観艦式があった時デスね!忘れるはずがありまセン!」

提督「俺はおろか親父やお袋も、影も形もない頃だな」


榛名「あの時、私は御召艦として陛下にお乗り頂き…」

金剛「私が先導艦として道案内を務めさせて頂いたんデス」

榛名「…」ウットリ

金剛「…」ウットリ

提督「へぇ…」

榛名「…!」ハッ

榛名「お姉さま、ここ読んでください!!」

金剛「え、どうしたノ?」

榛名「地域毎人口比の動員数が最も多かった鎮守府は、来年度から物資の特配のほかに
陛下の行幸があるそうですよ!」

提督「え?物資の特配?」

金剛「陛下の行幸…」

金剛・榛名「~~~!」キャー!!

提督「うちの二人しかいない戦艦に火が付いちまった…」


金剛「それと…ああ、会場警備に必ず30名以上の人員が必要だそうですネ」

提督「海上警備?」

榛名「会場です」

提督「…」

提督「30人?」

棒名「30人です」

提督「無理だろ」

提督「うちにそんな数の艦娘はいない」

提督「火力演習まで実演するとなればなおさらだろ」


榛名「しかし大本営直々の命令ですから、無視するわけにも…」

提督「でも大掛かりな警備が必要な事態になるとは思えないけどな…。大体この過疎の港町じゃ
   そんなに人も押しかけないだろうし」

金剛「形式上必要なんでしょうネ。仮にもここは軍事施設デスから」

提督「うぅ…」

棒名「…」

棒名「もう提督!しっかりしてください!」

金剛「ここはひとつ無理をしてでも他に負けないブラボーなフェスを成功させてみるデス!!」

提督「むー…そうだな。出来る限りのことはして、この鎮守府の存在感を高めてやりたいよな」

榛名「その意気ですよ。みんなで町を盛り上げましょう」

提督「よし、俺も腹をくくろう。しかし、まず警備をどうするか…」

金剛「町内会の若い人たちに頼んだらどうデスか?」

提督「この小さな港町じゃ半分も集まらないぞ」

提督「あ!軍令部に頼んで陸戦隊を出してもらえないのか?」


榛名「全ての鎮守府がそれやったら大変な事になるから駄目だって書いてあります」

提督「なんだよ…他に頼れるところないじゃん…どうしよう…」

棒名「ありますよ」

提督「え、マジ?」

榛名「町内に憲兵隊支部があるじゃないですか」

提督「…ごめん。間違いなく断られる」

榛名「え、どうしてですか?確かに陸海軍は犬猿の仲ではありますけど…」

金剛「Ah…。なるほどネ。確かに、断られる可能性は高いのデース」

榛名「?」

提督「そうか…榛名はあの事件のことを知らなかったな…」

榛名「事件?」

金剛「この鎮守府が出来てすぐの頃のお話デース」


ホワンホワンホワン

島風「いっけなーい!公園で駆けっこしてたら遅くなっちゃった!早く鎮守府に帰らないと~」ダダダ

ピピーッ!!

憲兵A「こら!そこ!」

島風「え?わたし?」キョトン

憲兵B「待ちなさい!」

憲兵A「信号は赤だぞ!赤で道路を渡ってはいかん!」

島風「うぁ、憲兵さんだ…」

憲兵A「信号無視はいけないことだぞ。分からないのか?」

島風「だって~…」

憲兵B「だっても正宗もないだろ」

島風「…急いでたんだし車もいなかったし…」

憲兵A「だからと言って道路に飛び出しちゃいかんだろ!はぁ…君、名前は?」


憲兵B「どこの学校の生徒だ?まったく、ふざけた制服だな…」

島風「え…名前…?学校…?」

憲兵B「そうだよ。君の名前を言いなさい」

島風(うぅ…このままだと、てーとくやみんなに迷惑がかかっちゃう…)

島風「ご、ごめんなさい!」ペコ

島風「もういいでしょ??わたし急いでるんだから!」ダッ

憲兵A「あ!待てこら!」グッ

島風「はーなーしーてー!」

憲兵B「そうはいくか!どうして逃げる!」

島風「だれかー!たすけてー!」ジタバタ

??「おい」

憲兵B「何ですかあなた」


特高「特高警察の者だ」スッ

憲兵AB「うげっ…」

特高「説諭で済ませればいいものを、いい大人が恥ずかしいとは思わないのか」

特高「そもそもこれは我々警察の管轄の話だろう?貴官らの行動は貴官らの職域を逸脱しているぞ」

憲兵A「し、しかし道交法の現行犯を見過ごすわけには…」

特高「だからと言って通常説諭で済む話を大事にしていいわけがないだろう」

特高「軍警察の分際で正義のお巡りさんを演じるのは止めてくれ。それは我々の役だ」

憲兵B「何だと貴様…」

特高「お嬢さん、もう行っていいぞ。帰り道、くれぐれも怪しいおじさんのいう事なんて聞くんじゃないぞ」

島風「え、いいの?やった~!」ピョン

憲兵A「くそ…内務省の小役人め…」

島風「おじさんありがとー!」タッタッタ

特高「HAHAHA、転ぶんじゃないぞー」

特高「ふん」


憲兵AB「ぐ…くそっ…」


島風「~♪」タッタッタ

憲兵A「…」

憲兵A(あの方向は鎮守府か…)


翌日 鎮守府・司令官室

憲兵AB「…」

島風「…」

提督「…」オロオロ

金剛「…どーゾ。お茶デス」コト

憲兵A「やはりこちらの所属の艦娘でしたか」ズズズ

提督「どうも、本当に申し訳ありませんでした…」

提督「ほら、島風も!」

島風「昨日ちゃんと謝ったもーん!」プイ

提督「こら!」

島風「だいたい一度は一件落着したのに、おじさん達しつこすぎ!」イーダ

提督「やめないか!す、すみません、部下が失礼を…」

憲兵A「…まったく、部下の教育もまともに出来ないのですか」

提督「は、はぁ…お恥ずかしい…」


憲兵A「まったく、部下が部下なら上官も上官だ」

憲兵B「第一、年頃の女の子にそのような格好を許すとは…」

提督「こ、これは一応艤装の一部でして…」

憲兵B「艤装?うまい言い逃れですね。これは提督ご自身の趣味ではないのですか?」

提督「そ、そのようなことは…」

憲兵A「違う?まあどちらでもいいでしょう。提督のご趣味が逸脱しているのか、
    もしくはその艦娘に問題があるのか」

憲兵B「はたまた、この鎮守府全体の艦娘らの風紀が紊乱なのか…」

憲兵A「提督の中には、鎮守府を私城化して艦娘達とふしだらな関係を結んでいる輩もいると
    聞きますしな」

金剛「!」ギリッ

提督「…」

島風「うぅ…」ジワッ

憲兵B「だいたい、軍人が法規を守らないとはどういうことですか。一体海軍ではどのような
    教育をしてるんですか。深海棲艦と戦っているのだから陸では何をしてもいいとでも?」

提督「…」


憲兵A「国民が一つの絆で連帯しなければならないこの非常時に、ふざけているとしか思えませんな。
   いっそ不謹慎とすら言える」

憲兵B「いま我が国が相対せねばならないのは深海棲艦だけではないというのに、艦娘とかいう
   連中にはしたない恰好をさせるとは」

提督「…撤回してください」

憲兵A「…は?」

提督「説諭は甘んじてお受けします。しかし、自分がお預かりした艦娘を侮辱することは許せません。
   先ほどからの、我が鎮守府の艦娘たちへの暴言を撤回してください」

金剛「!」

憲兵B「暴言ですって?」

憲兵A「暴言のつもりはないが…構わんよ。その艦娘が二度と交通法規を犯さないとここで誓約すれば」

提督「でなければ?」

憲兵A「たとい兵器であろうと補導s」

提督「ふざけるなっ!」バン

憲兵B「…え?」


提督「もう一度言う。暴言を撤回しろ。そして島風に謝罪しろ。早く!」

島風「て、ていとく?もとはと言えば私が悪いんだから、私があやまれば…」オロオロ

提督「それはそれだ。お前らへの侮辱は断じて許さない」

島風「ていとく、私なら平気だから…」

憲兵A「…もういいですよ。話はここまでだ。これ以上お邪魔しても話にならん」

憲兵B「おいとましますよ」

提督「待て!貴官らが謝罪するまでここからは一歩も出さないぞ!」ダッ

憲兵A「な、何を…!?」

提督「彼女達を愚弄するな!取り消せ!」

憲兵A「い、いいかげんにしろ!法を愚弄する連中がよく言う!」

憲兵B「そうだそうだ!このロリコンめ!」

提督「」プチッ

提督「だ、黙れ!」チャキ

憲兵AB「!!」


憲兵A「け、拳銃を抜いたな!?」チャキ

憲兵B「こ、公務執行妨害だぞ!」チャキ

提督「やかましいわこの人でなし共がああああ!島風に、いやうちの艦娘たち全員に土下座しやがれえええええ!」

島風「てててていとく!!!」アタフタ

金剛「さすがにそれは洒落にならんデスよテートク!やめて!!」

憲兵A「お、畏れ多くも陛下の憲兵さんに銃を向けるとは何事かあ!!」

提督「こっちだって陛下の艦隊じゃボケええええええ!!」パスパスパス

憲兵A「いてててててておいころやめろ!!」ビシビシビシ

憲兵B「ガスガンかよ!っていたたたたた!」ビシビシビシ



ギャーギャー ガシャーン パリーン

ダレカキテー!
テイトク!オチツクノデス!ヤ、ヤメナサイッテバ!モウ!ヘヤガグチャグチャデース!


榛名「…そんなことがあったんですか」

提督「…はい」

金剛「今も司令官室を掃除してたらたまにBB弾が出てきマスよ」

棒名「提督が昔から私たち艦娘のことを本当に慮ってくれていたのはよく分かりました」

金剛「私もあの時は嬉しかったデース」

提督「そ、そうか」テレテレ

棒名「ですが、相手も悪いとはいえ、提督も提督ですよ?」

提督「そ、それはその通り…面目ない」

棒名「こういうことは後を引いてしまうんですからね」

金剛「ま、その後特に何事もなく今に至っているのデース」

榛名「…しかし、海軍省と陸軍省の衝突にならなくて良かったですね」

提督「まあ海軍将校と憲兵将校が口論の末にBB弾で撃ち合ったなどと公になれば陸海軍の恥だからな」

榛名「その恥の一端を担ったのはどこの誰ですか」

金剛「憲兵さんのピストルも玩具だったデスからそりゃ公にもできないデース」


榛名「御召艦だった榛名としては、陛下の心痛は察して余りあります」

提督「…実際、大本営の陸海軍部は一触即発だったらしいけど、陛下が憂慮して止めてくれたらしいんだ」

提督「その代わり軍令部からこってり絞られたけど…」

棒名「当たり前です。今度陛下にお会いしたら謝って下さいね」

提督「そんな機会があればの話だな」

金剛「そもそも何の話だったデス?」

榛名「とにかく、問題は会場の警備の人員を集めることですよ」

提督「憲兵隊もやはりあの時のことを根に持ってるだろうし…素直に協力してくれるとは…」


榛名「もう何年も経つんですからほとぼりも冷めたんじゃないでしょうか?」

提督「いやぁ…それはないだろ…」

榛名「とにかく頼んでみないことには分かりませんよ。提督、憲兵隊本部に電話してみてください」

提督「気が進まんなぁ…」

金剛「はいタウンページデス」

提督「…」ジーコジーコ

提督「ももももしもし、お、お忙しいところ申し訳ありません。私は鎮守府のて、提督をしております
   海軍大佐の…」


憲兵隊本部

憲兵A「はい、こちら港町憲兵隊本部・本部長です」

憲兵A「…は?鎮守府?」

憲兵A「…」チン

憲兵B「今のは鎮守府からですか?」

憲兵A「提督おん自らだ。あまりにも畏れ多くて切っちまった」

憲兵B「あの提督が?まったく、どの面を下げて…」

???「失礼します!」

憲兵B「はいはい…ん?君は?」

???「あ、あの、すみません道に迷っちゃって…」

憲兵A「ん?その恰好は海水浴かな?ごめんねお嬢ちゃん、この辺りの海岸は、まだ
    立ち入り規制が解けてないんだよ…」

???「むっ、失礼な!私は子供じゃなくて、陸軍の軍属です!」

憲兵A「え…?軍属?」

???「実は、お願いが…」

きょうはここまで
続きは明日あたり
おやすみなさい

支援thx
天気がいいので少しだけ投下


鎮守府

提督「って切りやがった!!まだ何も言ってないのに切りやがったぞこの野郎!!」ガチャーン

榛名「ダメでしたか…」

提督「棒名か金剛が掛けてくれたら良かったのに!」プンスカ

金剛「甘えんなデース」

棒名「だとしても、結果はいずれ同じでしょう」

提督「困ったなあ、どうしよう…」


その頃

まるゆ「本当に助かりました!ありがとうございます!」テクテク

憲兵A「いやいや礼には及ばないよ。鎮守府への道案内くらい訳はないさ」

まるゆ「工廠を出るとき、隊長殿が『困ったことがあれば各地の憲兵隊を頼れ』って
    言ってくれたんです。その通りにしてよかったです!」

憲兵B「お役にたてて何よりだよ」

憲兵A「それにしても我が陸軍もひそかに艦娘を建造していたとはな…」ヒソヒソ

憲兵B「一見しただけじゃ分からないですよ。本当に普通の女の子ですね」ヒソヒソ

憲兵A「しかも可愛いしな…」

憲兵B「ははは」

憲兵A「…」

憲兵B「どうされました?」

憲兵A「いや、なんでもない。ただ、あの時の島風とかいう艦娘も、色眼鏡なしで見れば
    普通の可愛らしい少女だったなと思ってしまってな…」

憲兵B「…」


憲兵B「実は自分も、今おなじ事を考えていました」

憲兵A「…」

憲兵B「…」

まるゆ「それにしても、海も空もきれいな町ですね!」


ザパーン チャプ ザバーン ミャアミャア

木曾「暇だな…」

木曾「姉貴達は姉貴達でそれぞれ騒いでるけど…」

木曾「俺は特にやることなし、か」

木曾「奇数の姉妹の末っ子の運命みたいなもんだろうな」

木曾「…」ポイ

チャポン

憲兵B「あれ?あそこの波止場に座ってるの、もしかして鎮守府の艦娘じゃないですか?」

憲兵A「本当だ、服装からして間違いないな(眼帯に黒マントって…)」

まるゆ「えっ?鎮守府の艦娘さんですか!?」

木曾「…」

木曾「…?」

木曾「…お前、何者だ?」


まるゆ「!」

まるゆ「はい、まるゆは陸軍の潜水艦です!」

木曾「…え?陸軍?」

まるゆ「はい!」

木曾「??!??」ウーン

木曾(艦娘だろうとは思ったが…陸軍?陸軍の潜水艦だと?冗談だろ?そんな話、聞いたことないぞ)

木曾(…だから憲兵が一緒なのか?)

木曾「…えっと」

木曾「お前…潜れるのか?」

まるゆ「…!」ムッ

憲兵AB「…」ムッ

まるゆ「…そんなこと、答えるまでもありません!」フンス

木曾「…そっか」


木曾「…」チラ

憲兵A「…」

憲兵B「…」

木曾「こっちはまだ名乗ってなかったな、まるゆ。俺は重雷装巡洋艦の木曾だ」

まるゆ「木曾さんっていうんですね!まるゆは本日付で鎮守府に配属されました!
    よろしくお願いするであります!」ビシッ

木曾「お、おう」ビシッ

憲兵A「…」

憲兵B「ど、ども…」

木曾「そっちのおっさんたちは?」

まるゆ「道案内をしてくれた憲兵さん達です!」

木曾「そっか」

木曾「なら、あとは俺が連れてってやるよ」

憲兵A「ま、待ちなさい」

木曾「?」


憲兵A「自分らも、最後まで同道する」

木曾「いや、俺が一緒だから大丈夫ですよ?」

憲兵B「え、遠足は家に帰るまでって言うだろ?」

木曾「は?」

木曾「…まぁ、別にいいっすけど。じゃあ行くか」テクテク

まるゆ「わあ、あれが鎮守府ですね!赤煉瓦に洋光がゆらめいて綺麗です!」ワクテカ

木曾「おう、あれだ」

木曾「うちは臨時の集積所が、数年前に再編されてできた鎮守府だ」

木曾「だから規模もそんなに大きくない。いやはっきり言っちまえば小せえな。本来なら
   せいぜい基地レベルなんだよ」

木曾「うちの提督もまだ佐官だ。俺たち艦娘もまだ保有数は少ない」

木曾「要するにうちはまだまだ未熟ってことだな」

木曾「そんな鎮守府に、ようこそって訳だ」ギュッ

憲兵AB「!」

まるゆ「は、はい!」ギュッ

今回はここまで
続きは今夜あたりに


鎮守府・司令官室

ジリリリリリ

提督「はい、司令官」ガチャ

『大淀です。提督、新任の艦娘が到着しました。木曾の案内で、今そちらに向かっています』

提督「あっ!そうだった、今日一人来てくれる予定だったんだ!」

『…保護者らしい人が二人、付き添いに来られてるんですが、お通ししてよろしいでしょうか?』

提督「は?保護者?」

『…お会いすれば分かります。では、失礼いたします』


コンコンコン

木曾「失礼するぜ、提督」

提督「おお木曾、お疲れ様」

木曾「重巡木曾、新任の艦娘一杯…と同行二名をお連れしました、って訳だ」

まるゆ「失礼いたします!」

憲兵A「…」

憲兵B「…」

提督「あ…」

金剛(あチャー…あの時の憲兵さんデスね…)

榛名(あの小さい子が新しい艦娘?潜水艦でしょうか?)

提督「お久しぶり、ですね…」

憲兵A「…ぁぁ」

憲兵B「どうも…」


提督「その節は、どうも…」

憲兵A「…ぁぁ」

憲兵B「どうも…」

まるゆ「は、初めまして、司令官殿!自分は陸軍の潜水艦・まるゆであります!」ビシッ

提督「お、おお。ようこそ、我が鎮守府へ!」ビシッ

金剛・榛名「ようこそ!」ビシッ

提督「自分が当鎮守府の提督だ、よろしく!」

まるゆ「こちらこそ、よろしくお願いいたします!」

提督「いやぁ、潜水艦が着任してくれるとはな!」

提督「ところで木曾、そちらは…」

木曾「あ、ああ提督」

木曾「つまりアレだ、こちらの憲兵さん達はまるゆが心配でここまで付き添ってきたらしい」

憲兵A「…まるゆちゃんは我が陸軍の宝だ。決して軽んじて欲しくはない」

憲兵B「海軍ばかりの鎮守府でまるゆちゃんが村八分になったりしては困ると思って
   ついてきたんです」


提督「そうですか…」

まるゆ「憲兵さん…」

提督「確かに、お気持ちは分かります。資料によれば、陸軍が初めて世に出した艦娘ですからね」

提督「ですが…うちの艦娘たちがそんなことをするように見えますか?」

木曾「…」

金剛「…」

榛名「…」

憲兵A「…」

憲兵B「…」

憲兵A「…以前のように、偏見で言っている訳じゃない」

憲兵A「若い貴官には分からんだろうが、まるゆちゃんは自分の娘くらいの歳だ。
    だから正直なところ、彼女がここで受け入れられるものか心配で心配でしょうがない」

憲兵A「潜水艦であろうと、彼女が陸軍出身者なのは変えられない事実だからな…」

提督「…そうですか。分かりました」


カチッ



提督『全艦娘に達する。1300、野外体操場に集合整列せよ。携行品は特になし。時間厳守。以上』



提督「昼過ぎ、私の部下達にまるゆを紹介します。それまで食事でもどうですか?」

憲兵A「…」

憲兵B「…なら、お言葉に甘えましょう。本部長?」

憲兵A「…ああ」

提督「では、俺は憲兵さん達と食堂に行ってくる。皆、あとは頼んだぞ」

木曾「おう」ビシッ

金剛・榛名「はいっ!」ビシッ


木曾「俺たちも昼飯にしようぜ。おいまるゆ、途中で食ってきたか?」

まるゆ「いいえ!おなかペコペコです!」

木曾「そっか。そりゃよかった。なら海軍名物のカレーをお前に食わせてやろう」

金剛「わ、私達も一緒に来ていいデスか?」

木曾「ああ、もちろんですよ。まるゆ、この金剛さんと榛名さんは姉妹戦艦だぞ」

まるゆ「わぁ、戦艦さんなんですね!すごいです!」

金剛「英国帰りの帰国子女・金剛デース。よろしく!」

榛名「妹の榛名です。金剛お姉さまと交代で秘書艦を務めてます。これから一緒に頑張りましょうね!」

木曾「まるゆは午後に提督から紹介されるから、ごった返してる食堂じゃなくて間宮に行きません?」

榛名「そうですね。そこならカレーの他にも甘味もありますからね!」

金剛「楽しみデス!」

まるゆ「よ、よろしくおねがいします!」


その後 1300 野外体操場

ザワザワザワ

夕立「提督と久しぶりに遊びたいなー」ジャンケンポン

島風「そーだねー」アッチムイテホイ

暁「提督、さっき食堂で憲兵さん二人と食事してたよ」

川内「微妙な雰囲気だったなー。声も掛けれなかったし」

大井「だいたい、憲兵がここに何をしに来たわけ?ここには憲兵の世話になるような艦娘なんか
   いるわけないじゃない」

島風「」ギクッ

北上「提督さんにも付き合いがあるってことだよー」

瑞鶴「その後にこの集合命令っていうのは、絶対何かあるわね」

加賀「そうね」

電「でも全艦娘が集合というのは珍しいのです」

吹雪「何か一大事でも起きたのかな?」


響「それはないと思う。急なことなら館内放送で通達があるだろうし」

睦月「…もしかして、新しい艦娘が来るのかな?」

夕立「えっ!?新しいお友達が来るっぽい?」

球磨「木曾は何か知ってるクマ?」

木曾「ん?まぁ黙って見てりゃ分かるさ」

多摩「あ!木曾が何か隠してるにゃー!」

大井「まったく…私と北上さんの昼下がりの貴重な時間を…」ブツブツ

北上「まぁ、一応司令官の命令だからねー。ちゃんと聞かなきゃだよ」


雷「あ!提督と榛名秘書艦たちが来られたのです!」

金剛「みんな、整列デスよー」

榛名「注目!」

一同「!」ザッ!

榛名「司令官に対し、敬礼!」

バッ!!

提督「…」スッ

榛名「直れ!」

バッ!!


瑞鶴「…水着姿の子供がいるんだけど?」

神通「まさか、あれが新しい艦娘さんでしょうか?」

北上「へぇ、可愛い子だね」

那珂「でもあれ見て!横にいるのって…」

加賀「…憲兵ね」

雷「食堂にいた憲兵だわ」

大井「何でわざわざ鎮守府にまで乗り込んでくるのよ…これだから憲兵って嫌いなのよね」

電「でもどうして新しい艦娘さんに憲兵さんがついてきてるのです?」

木曾「…」

金剛「…」

榛名「…」


提督「あー…」

提督「今日はみんなに重要な通達事項が二点ある。それで集まってもらった!」

提督「まず一つ!」

提督「もうだいたい察してるとは思うが、今日は新しい艦娘が軍令部下命のもと我が鎮守府に
   配属されてきたので紹介する!」

まるゆ「はじめまして!陸軍の潜水艦、まるゆです!よろしくおねがいします!」

ドヨッ ザワザワ

瑞鶴「え?今陸軍って言った?」

電「聞き間違いじゃないのです」

那珂「うっそー!ホントの話なの?」

神通「なんで陸軍が艦娘を?それも高度な技術力のいる潜水艦を…?」

木曾(ついさっきの自分を見てる気分だな)

金剛(ま、みんなビックリしマスよね)

榛名(仕方ありませんよ。榛名だって陸軍のその思考は今もって分かりませんし)


提督「こちらの憲兵さんたちは、新任艦娘の身辺警護のためにここまでついてこられた」

大井「道理で…」

北上「ふ~ん」

電「でもでも、陸軍の艦娘さんにしては可愛らしいのです!」

球磨「まぁそう言われてみれば確かにそうだクマ」

響「陸軍の艦娘か…イメージ全然違うねぇ」

暁「どんなイメージをしてたの?」

響「なんかこう、草やら木やらを被せた戦車みたいにゴツいけど、武装は小銃だけっていうイメージっていうか」

瑞鶴「竹槍持っててもおかしくないかも」

川内「あ、私もそんな感じのがしっくり来るかなって思った!」

まるゆ「そ、それはひどすぎです!」

ドッ アハハハハハハ

提督「まぁいずれにしろ、我が鎮守府初の潜水艦の就役だ!皆、仲良くしてやってあげてくれ!」


多摩「まあ艦隊の仲間が増えるのはいいことにゃ」

加賀「艦種が増えるのはより助かります」

吹雪「なんか燃費がすごく良さそうですしね!」

島風「あんまり早くはなさそうだけどね~」

夕立「よかったよかったぽい!」

木曾「そういうことだな!」

球磨「木曾はまるゆの事を知ってたクマ?」

木曾「ああ、俺とあいつと金剛さん榛名さんで間宮で飯食ったし」

北上「え~いいな~」

多摩「お姉ちゃん達にも声をかけて欲しかったにゃ」

木曾「いきなり知らない大人数に囲まれたらまるゆも疲れるだろ」

金剛「さすがは気配りのできる末っ子のキソーデスね!」


大井「…いずれにしても、お手並みは見せてもらわなきゃね」

木曾「え、いきなりかよ姉貴」

大井「そうよ。新しい娘の能力を知っておかないと、一緒の任務には就けないわ」

大井「皆が集まってる今こそ、どんなものか見せてもらわないとね」

提督「…」

憲兵AB「…」

提督「大井はああ言ってるが、まるゆ、一度航行して見せてくれないか?」

まるゆ「望むところです!」フンス


波止場

ゾロゾロ ザワザワ

まるゆ「じゃあ行きますよ!」

バッ

ドブン

提督「何なんだろう…まるで」

木曾「水面で腹を打つコーギーみたいな飛び込みだな」

加賀「…」

瑞鶴「どうしたのよ一航戦。呆れてるの?」

加賀「可愛い…」ボソッ

瑞鶴「ぇ」

まるゆ「…」バシャバシャ

金剛「う、う~ン…」

提督「す、水上航行が…」

島風「おっそ~い」


大井「あれじゃ、水雷隊の随伴なんか到底できないじゃない…」

木曾「むむ…」

憲兵AB「…」ハラハラ

提督「お、お~いまるゆ!水上航行はいいから今度はそこからこっちに潜航してみてくれ!」

まるゆ「は、はいっ!」

まるゆ「まるゆ、潜航します!」

まるゆ「…」ブクブクブク

鎮守府一同「!?!?」


提督「な、何だあの潜航は!?」

榛名「文字通り、浮かんでた位置からそのまま沈んでいってますね…」

木曾「嘘だろ…潜航って言えば伊号潜みたいに前進しながら潜ってくもんじゃないのか?」

大井「」

北上「大井っちが白目になってる…」

ワーワー

提督「?」

憲兵B「やった!潜航したぞ!」バンザーイ

憲兵A「ふはははははは!どうだ陸軍の力を見たか!」バンザーイ

大井「いきなりハイテンションになっちゃって…うっざ…」

提督「…」

川内「ちょ、ちょっと!あれ本当に潜航なの?沈んだんじゃないの!?」

憲兵A「はははは提督殿!これで我が陸軍の船舶技術力がお分かりになったかな?」


提督「…これ、やっぱり本当に沈んだんじゃないのか?」

提督「いくら低速だと言っても、さすがにもう足元まで来て浮上していい頃じゃ…」

榛名「ですよね…」

憲兵A「えっ…」

憲兵B「えっ…」


一同「…」


提督「…あんなにちっこいのに、酸素は大丈夫なのか?」

雷「た、助けなきゃ!!!」アワワ

木曾「くっ…」バサッ

ザボン

提督「あ、木曾っ!」


球磨「木曾が飛び込んだクマ!」

大井「早く、舫い綱持ってきて!」

北上「うん!」

雷「第六駆逐隊はカッターを下ろすわよ!来て!」ダッ

島風「連装砲ちゃん、浮き輪貸してあげて!」

連装砲ちゃん「キュイ!」

瑞鶴「毛布どこだっけ!?」

加賀「一番近いのはあそこの倉庫。行きましょう!」

川内「す、水偵を出したがいいかな!?」アタフタ

神通「ととにかく落ち着いて…」

木曾「…ぷはぁっ!!」ザバァ

提督「木曾!まるゆはどこだ!?」

木曾「分かんねえ!潜れるところまで潜ってみたけど見つからなくて…」ハァハァ


提督「海底には刺さってなかったか!?」

木曾「水上艦の俺がそこまで分かるわけねーじゃん!」

睦月「まさか…圧潰して四散しちゃったとか…」オロオロ

吹雪「そ、そんなまさか…だって水深5メートルもないのに…」オロオロ

大井「でも 陸 軍 の 潜 水 艦 でしょう!?何があっても不思議じゃないわ!」オロオロ

吹雪「…」

憲兵A「…」オロオロ

憲兵B「ナンモイエネエ…」オロオロ


イチニ イチニ バシャバシャ

提督「あっ、第六の短艇が来たぞ!」

電「まるゆちゃーん!どこなのですー!?」

雷「93式水中聴音機を下ろすわよ!木曾さん、カッターに上がって下さい!」

木曾「すまねえ、頼む!」バシャ

雷「探針音、発信!」

ピ・コーン!!!

雷「え?真下に大きな反応あr」

ゴン!!!

暁「きゃあっ!!」グラッ

木曾「うおっ!?」グラッ

電「何なのです!?ら、雷撃!?」グラッ


響「お、落ちる…」グラッ

雷「つかまって!」ガシッ

提督「だ、大丈夫か!?」


ブクブク

プカー

まるゆ「」プカプカ

提督「ああっ!まるゆっ!!」

木曾「おい、しっかりしろ!!」ザバァ

まるゆ「…げほげほっ!!」

まるゆ「ぅぅ…みなさんごめんなさい…」

まるゆ「注排水に失敗してしまいました…」


提督「…」ヘタッ

憲兵AB「…」ヘタッ

榛名「とにかく無事でよかったです…」

金剛「どうなったかと思いましたヨー…」

大井「…」ホッ

大井「まるで人間魚雷じゃない…」ボソ

北上「大井っち」

大井「はい?」

北上「私の前でその単語は使わないで」

大井「あ…ごめんなさい、北上さん…」

北上「プンスカ」

きょうはここまで
おやすみなさい

投下します


まるゆ「ご迷惑をおかけしました…」ショボン

木曾「おいまるゆ、お前顔真っ黒だぞ!」ハハハ

北上「やっぱり海底に突っ込んだんだね」

電「でもでも、いきなりの潜航で10分も沈底していられるなんてすごいのです!」

金剛「大した根性デース!さすが陸軍だけはありマス!」

提督「まあ注排水の問題はこれからの訓練でみっちり克服していくぞ。
   心配するな、どんな艦娘でも最初から立派に動けるわけじゃないんだから」

まるゆ「…はい!まるゆ、がんばります!」

提督「ああ、その意気だ!」

憲兵A「…」


木曾「ぃっくしゅ!」ポタポタ

球磨「木曾、大丈夫クマ?」フキフキ

多摩「風邪を引いてしまうニャ。潜水巡洋艦なんかになっちゃうからだニャ」フキフキ

木曾「心配ねーよ…」ブルッ

憲兵B(透けてる…)

憲兵B「ほら…マント…」スッ

木曾「あ、ども…よかったら肩にかけてくんない?」

憲兵B「ああ…」ファサ

木曾「あ、憲兵さんのマントも落ちてるじゃん」ヒョイ

憲兵B「え、あ、どうも…」


木曾「ほら、掛けてやるよ」スッ

憲兵B「…」

木曾「…」ポンポン ダキッ

憲兵B「!?」

木曾「ありがとな」

憲兵B「あ、ああ…」

憲兵B(暖かい…)ポンポン

木曾「はは、そうこなくっちゃな!スキンシップは大事だもんな!」フリフリ

提督「…」

提督「貴官は後で工廠裏な」ボソッ

憲兵B「!?」


大井「でも、あれじゃあとても遠征なんかには出られないわよ…」

まるゆ「ぅぅ…」

提督「…ほぅ」

提督「しかしだな、大井」

大井「はい?」

提督「確かに、まるゆは長距離の艦隊作戦行動には不向きかもしれない」

提督「だけども、だ」

提督「何も水平線の向こうだけが戦場になるとは限らないぞ?深海棲艦がこの近海まで
   侵攻してきた場合、あの小島の向こうが、すぐそこの岬の先が、そしてこの湾が戦場に
   なる可能性だって大いにあるんだ。島嶼や沿岸における海戦の例は過去にも多いしな」

大井「…」

北上「そうだよね…」


提督「まるゆの長所は、愚直かつ比較的安全に一定量の物資を補給輸送できる点にある」

提督「砲火に晒されることのない喫水線下で燃料弾薬を動かすことができるということは
   近海戦闘においてはかなりの強みになる」

提督「その強みは、まさに鎮守府近海における戦闘時に十分発揮されるだろう」

提督「つまり、まるゆはこの鎮守府の守りの要となりえるというわけだ」

まるゆ「…!!!」

提督「考えたくはないんだが」

提督「案外、この湾が戦場になる時が来るかもしれないしな」

瑞鶴「そんな事にはさせません!そのために五航戦の私がいるんですから!」

加賀「…一航戦も負けてません」

金剛「私だって負けないネー!!」

ワーワー


提督「…だがいつも言ってるだろう?一旦海に出れば、何事も一人だけでできるわけじゃない。
   常に規律ある行動を共にして、何かが分かったらすぐに僚艦に情報を回し、みんなで
   戦闘に対処すること」

提督「どんな状況でも、全体のために自分がどのように行動すればいいかを考えながら行動し、
   最良の結果を導くことこそ…自分だけでなく艦隊全体を意識し、その一部のために何が
   できるのかを考えて行動することこそ、我が鎮守府の艦隊の持つべき行動思想だ」

提督「そして、艦隊は少しも欠けることなく戦闘目的を遂行する。それが本来の意味での滅私奉公だ」

提督「もちろん、俺も艦隊の構成員の一部として、その命題を片時も忘れずに皆を指揮命令する」

提督「皆、艦種は違うが、同じ艦隊の一員だ。艦種が違うということは、みなそれぞれ出来ること
   得意なことが違うということだ。皆が自分の出来ることをしっかり認識し、自分の役割と
   今すべきことを実行してこそ、艦隊の強さは発揮されるんだ。自分に与えられた責任の重さを
   今こそ実感してほしい」

提督「…そして、自分に与えられた生命と魂の重さも、だ」

艦娘一同「…!」

憲兵A「…なるほど」


提督「…話は大きく変わるが、ここでもう一つの伝達事項を発表しよう」

金剛・榛名「!」

提督「来たるX月X日に、当鎮守府は施設を一般公開し、広く地域の民間人を招待して、
   大々的なフェスティバルを行うことにした!」

憲兵AB「!?」

ドヨッ

那珂「え?フェスティバル?」

榛名「鎮守府を一般に開放してお祭りをします!」

雷「うっそー!何それ、すごく面白そう!」

那珂「ええええええっ!?ちょっとちょっとー、那珂ちゃん盛り上がってきちゃったよー!」

響「初めての試みだね。楽しみだ」ハラショ

木曾「マジか。そりゃすげえな」

球磨「え、具体的にはどんなことするクマ!?」


榛名「私達艦娘が主体となって外部からのお客様をおもてなししますよ!」

金剛「大まかには屋台を開いたり出し物をしたり、あとは海上火力演習を公開もしますヨー」

提督「まあ俺は皆も一緒になって楽しめればいいと思ってるよ」

吹雪「ほ、本当ですか!?」

提督(鋼鉄だった頃の皆には楽しめなかった祭り、か…)

暁「わーい!」

夕立「楽しみっぽい~!」

まるゆ「ええええええ、海軍ってすごいですね!」

多摩「楽しみだにゃー!」

加賀「胸が高鳴ります」

北上「こういうの、いいと思うな~」

大井「そうですね…北上さんとのお祭り…いい思い出になりそう…」ウフフ

電「楽しみなのです!町の皆さんと楽しくお祭りするのです!」

榛名(みんな喜んでるみたいで良かったです!)

金剛(デスね!)


提督「いいか!この鎮守府一般公開の開催は、大本営のみならず、畏れ多くも…」

戦艦・空母・重軽巡洋・まるゆ・憲兵AB「!」ザッ!

駆逐「?」

提督「陛下のご希望でもある。だから手抜きはなしだ。言っとくが各地の鎮守府でもフェスは
   開催される!負けちゃいられないぞ、存分に準備をして成功させよう!」

金剛(さっきまで肚のすわらない事を言ってたくせに、いい意味でソーウツな方デスね)

榛名(ここぞとなったらやるのが私たちの提督ですよね)

提督「陸に上がってもみんなはこの鎮守府の艦隊だ!海の上だけじゃなく、陸上でも、
   さっき言ったように全体のために自分のできる事を考え、実行してほしい!」

提督「…俺が言わんとすることは分かるな?」ニヤッ

提督「命令っ!」

艦娘一同「!」ザッ!

提督「各艦娘は来たる一般公開において、自分又は自分の所属する隊が何をすべきか、何ができるかを
   各自考えて、3日後の1400までに司令官室に申告しに来ること!!以上!!」

ドッ アハハハハ


那珂「はーい!もちろん艦隊のアイドル・那珂ちゃんはリサイタルを開きまーす!!!」

金剛「それ、私も参加したいデース!」

那珂「むむっ!!それは宣戦布告ってことだよね!?」

響「なら、艦種対抗のど自慢をしたらどうかな?」

電「それはいい考えなのです!」

加賀「私はいい。…恥ずかしい」

加賀「空母からは瑞鶴が出るので、よろしく」

瑞鶴「んなっ!?私歌なんて歌えないわよ!」

加賀「嘘はやめて。貴女、よくお風呂でプリ○ュア歌ってるくせに」

瑞鶴「ななな…!!!」カァ

瑞鶴「…そ、そう。つまりアンタは戦いもせずに逃げるのね?」オホン

加賀「逃げる…?」

瑞鶴「提督から与えられた舞台に立つことを恐れて逃げるんでしょう?」

瑞鶴「それで一航戦の誇りがどうとか何とか言える立場?恥ずかしくはないの?」

加賀「…」ムム


加賀「…分かった。貴女がそこまで言うのなら受けて立とう」

加賀「…演歌くらいなら、私も歌えるかもしれない」

加賀「…」カァ

オオオオオオ…!!アノカガサンガエンカヲ…ドヨッ

ワイワイ ガヤガヤ

棒名「うまくまとめましたね」

提督「みんな一般公開もやる気になってくれたようでよかったな」

金剛(司令官室に座ってる提督よりも、こうして皆の前に立つ提督の方が頼りになって格好いいのデース)

金剛「まるユー、どうデスか?うまくやっていけそうな気がしまセンか?」

まるゆ「…ずいぶん和気あいあいとしすぎてる気もしますけど」

まるゆ「でも、まるゆもここなら頑張っていけそうな気がするのです!」

榛名「それは良かったです!」

金剛「ところで潜水艦はまるユーだけだからのど自慢出場決定デスね」

まるゆ「ヒェ~!?」


提督「…いかがです?我々はまるゆを預かるに値しますか?」

憲兵A「…ああ」

憲兵B「不安は消えました。大丈夫です」

提督「それは良かった」

憲兵A「…まるゆちゃんを、よろしく頼む…頼みます」

憲兵B「お願いいたします」

提督「はっ!」

提督「…それで、折り入って憲兵隊にお願いがあります」

提督「先ほど自分が話した鎮守府一般公開ですが、実は大本営から命ぜられた会場警備の
   人員がまったく足りない状況にあります」

提督「このままでは、当鎮守府でのフェス開催は不可能になってしまう恐れがあるんです」

提督「…ですので、よろしければ当日、憲兵隊の皆さんに会場警備の協力をお願いしたいのです」

木曾「…憲兵さん。大変だろうけどさ、1日だけ俺たちのこと助けてくれない?」

木曾「この通りだから、おねがいします」ペコ


まるゆ「ま、まるゆからもお願いします!」ペコ

憲兵A「…」

憲兵A「分かった。人員を要請して警備に協力しよう」

憲兵B「本部長、よろしいのですか?」

憲兵A「自分の管轄の町が少しでも元気になるんならそれでいいさ」

憲兵B「…わかりました。では、師団のほうに問い合わせてみます」

憲兵A「そうだな。頼む」

提督「あ、ありがとうございます!!」

憲兵A「…礼を言われるほどのことじゃない」

憲兵B「こ、こちらこそよろしく」

まるゆ「やったー!」ピョンピョン

木曾「憲兵さん、ありがとな!!」キラキラ

木曾「恩に着るぜ!」ダキッ

憲兵AB「!」ムギュ

提督「」


数日後 深海

「報告シマス」

「ドウシタ」

「敵○○鎮守府発ノ暗号電文ノ解読オワリマシタ」

「…」


『発 ○○鎮守府提督    宛 海相及ビ大本営海軍部部長

件:○○鎮守府ニ於ル一般公開フェス作戦要綱内容具申
 
 一、日時ニ異論ナシ

 一、メインイベントハ以下三点ヲ策定ス
  
   イ、艦娘ニヨル屋台出店
   ロ、艦娘ニヨル野外コンサート等
   ハ、施設見学会(但シ高度ナル軍機ニ属ス箇所ハ除ク)
   ニ、海上火力演習

 一、海上火力演習ノ詳細ハ以下ノ如ク策定ス

   (略)

 
 付記

 本職ノ決意トシテハ、軍事面ノミナラズ地域社会ニ於ル鎮守府ノ
 新シキ有リ方ヲ模索シ、其ノ存在意義ヲ高ラカニセシメ、国民ヲ
 物心両面ヨリ鼓舞セントス

 誓ッテ今次一般公開ヲ成功セシメント欲ス


            以上、御査収・御高覧サレタシ』


「…一般公開フェス…ダト…???」ギリッ

「…ハイ」ギリッ

「…」

「非常呼集。直チニ総員集メ」

「ハ!」タッ

「…」

「…ッ!」バン!

今回はここまで

だらだら投下していきます


そして 鎮守府一般公開当日

大淀『0900時まで、5、4、3、2、1、射えっ!!!』

金剛「イッツァショーーーーータイム!!!」

ドドドン ドンドンドン


オオオオオオオ パチパチパチ

那珂「さて、金剛型戦艦一番艦の礼砲で始まりました第一回鎮守府フェスティバル!」

那珂「こんにちはーっ!川内型軽巡洋艦三番艦の、那っ珂ちゃんでーす!!!!」

那珂「今日は私たちの鎮守府に来てくれて、どうもありがとー!」

那珂「この鎮守府一般公開はほんとに何もかも初めてのことだから、私達も頑張るので、
   みなさん応援よろしくー!」

那珂「そして、楽しんでいってねー!!!」

オオオオオオ パチパチパチ イイゾー


大淀「報告します。現時点で用意していた駐車場がすべて埋まりました。報道プレスも
   いくつか来ているみたいです。…盛況です」

提督「そうか、良かったな」

大淀「初日効果ということもあるでしょうけれど」

提督「まさか我が鎮守府が他に先駆けての開催となるとはね」

大淀「これで何かヘマをやらかしたら一大事ですね」

提督「…縁起でもないこと言うなよ」ブルブル

大淀「ふふふ、ごめんなさい。提督、私も屋台回りしてきてもよろしいでしょうか?」

提督「遠慮せず行ってこい。今日は無線担当はローテにしてるから問題ない」

大淀「お心遣い、ありがとうございます」

提督「ああそうそう、定時哨戒は近隣の鎮守府が替わってくれてるんだろ?」

大淀「はい、確認済みです」

提督「なら安心だな。今日は楽しもう」

大淀「はい!」


提督「ん?あの長蛇の列はなんだ?」

『間宮寿司』

間宮「すごい数のお客さんね…指紋がなくなりそう」セッセ セッセ

川内「ブリ、追加で捌きまーす!」スッスッス

吹雪「夕立ちゃーん、カウンターにお茶4つお願い!」

夕立「ぽーい!」

響「軍艦巻きセット、テイクアウトで5つね」

睦月「は、はい!」

雷「らっしゃいらっしゃーい!」

暁「暁たちが爆雷攻撃で獲ってきた新鮮なお魚よー!」

ザワザワ ホントニウマイゾコレ キャクヒキノカンムスサンカワイイネ


電「はわわ、そんなにカメラを向けられると恥ずかしいのですー!」

島風「ちょ、ちょっと!あんまり撮らないでよー!」

特高「HAHAHA、恥ずかしがってる表情もいいなぁ!その露出度MAXな衣装も素敵だよ!」パシャパシャ

憲兵A「おい」

特高「何だ誰だうるさいな後にしろ」パシャパシャ

憲兵A「…つまみ出せ。カメラは没収だ」

憲兵隊「はっ」ガシッ

特高「な、何をする私は何も違法なことはしていないぞこの軍警察め!内務省にいいつけてやる!」ズルズル

憲兵A「やはりロリコンだったか…自分の思想から先に省みて来い…」


電「はぁ、ちょっと嫌だったのです…」フゥ

島風「あ」

憲兵A「あ」

島風「…おじさん、ありがとね」

連装砲ちゃん「キュイ!」

憲兵A「あ、ああ…」

提督「すみません、憲兵本部長。ありがとうございました」

憲兵A「あんな輩は祭りには不要だ」

憲兵A「それよりも、無事に開催出来て良かったですな」

提督「はい。皆さんのおかげです。警備や駐車場の誘導など本当に助かってます」

提督「しかも憲兵隊を私服で動員してくれてるので、ありがたいです」

憲兵A「…制服で歩き回っても不必要に周囲を威圧するだけだからな。腕章以外は外してる」

提督「ご配慮に感謝します」


提督「予想はしてましたけど、高齢者の来場者がそこそこ多いですね」

憲兵B「まあ人口過疎地域ですからね」

憲兵A「若い来場者は明らかに他から来てるな」

金剛「おじーサン。ショーユは普通のと薩摩ショーユとどっちがベターですか?」

電「はい、お茶なのです!おかわりもあるのです!」

大井「見学の方はこっちですよー」

北上「足元に気を付けてくださいねー。段差がありますからねー」

ゾロゾロ

婆ちゃん「あ、あの…」

提督「ん?どうされました~?」

婆ちゃん「あの…御不浄はどこでしょう…」

金剛「ゴフジョー?」

提督「ああお手洗いですね、あちらですよ!おい神通!」

神通「ご案内しますね!」タッ

婆ちゃん「ありがとう、ありがとう」


憲兵B「…意外ですね。皆、高齢者の世話をかいがいしくやってくれてる」

提督「艦娘たちが鋼鉄だった頃に同じく青春時代を生き残った人たちですからね。
   やはり親しみのこもった敬意があるのでしょう」

憲兵A「彼女たちだけではない。貴官もだ」

提督「…自分は、そもそも学生ボランティアでこの町に来たクチですから」

憲兵B「あ、ああ…」

憲兵A「なるほど…」


木曾「婆ちゃん、大丈夫か?椅子ならあっちにあるぞ」

婆ちゃん「はいよ、ありがとうね。顔の綺麗なお兄ちゃん」

木曾「…」

婆ちゃん「あんた、失礼かもしれんけどその右眼はどうしたの?」

木曾「これは、昔ちょっとね」

婆ちゃん「そうねそうね。でもまだ若いんだからこれからこれから」

木曾「これから…か」

木曾「ありがとな、婆ちゃん」


木曾「!」

憲兵B「あ」

木曾「き、来てくれたんだな」

憲兵B「ま、まあ仕事だからね」ポリポリ

木曾「少しは息抜きして楽しんでってくれよな!」ダキッ

木曾「それじゃ!」ダッ

憲兵B「…」ポケー

提督「…おのれ」ゴゴゴゴゴ

憲兵B「!!?」ゾクッ


コイノ トゥーフォーイレ-ブ-ン♪ ワーワー

榛名「お疲れ様です!」タッ

金剛「榛名、お疲れサマ。近海クルージングは終わったデスか?」

榛名「はい!子供たちがとっても喜んでくれました!」キラキラ

金剛「それは何よりデース。午後の部は私が担当だから楽しみデス!」

爺ちゃん「ちょっとすまんが」

金剛「?」

榛名「は、はい!どうされましたか?」

爺ちゃん「嬢ちゃん、鎮守府司令部の建物はあっちで良かったかね?」

榛名「見学ですね…ええ、大丈夫ですよ!」


爺ちゃん「そうかそうか、ありがとう。…それにしても、日本海軍も昔とは変わったのう」

榛名「おじいさんは帝國海軍にいらっしゃったんですか?」    

爺ちゃん「わしは前の大戦では戦艦榛名に水兵として乗っとったんじゃ」

榛名「えええっ!?」

爺ちゃん「懐かしいのう」

爺ちゃん「初めて乗り組んだときはまだ子供も同然の頃でな」

爺ちゃん「漁船しか乗ったことのないわしにとって戦艦榛名は憧れで、それに乗り組めたのはとても
     嬉しかった…じゃが、艦内では上官から厳しくしごかれて…最初は夜中によくハンモックを
     脱け出して隠れて泣いておった」シミジミ

榛名「…」

榛名「…!!!!」ハッ

榛名「…烹炊所の釜の陰で、ですか?」

爺ちゃん「そ、そうじゃった…確かにそうじゃった。嬢ちゃん、勘がいいのぉ」

榛名「…」


爺ちゃん「それでも榛名はわしの青春じゃった…すばらしい戦友達と巡り合えたことも、殴られ蹴られして
     一人前の男になれたのも、東亜の透き通るような海を見ることが出来たのも…みんな
     栄光ある御召艦の榛名に乗艦できたからじゃ…」

爺ちゃん「帝國海軍広しといえども、あれほど誉れ高い戦艦は他にはなかったじゃろう…」

榛名「…」ウルッ

爺ちゃん「それが…あんな結末を迎えてしまうことになるとは…」

榛名「…榛名が沈んだときは、どうされてました?」

爺ちゃん「忘れもせん。昭和20年、7月28日の呉大空襲じゃ」

爺ちゃん「辛かった…浮き砲台にされて武装も減らされ、もはや身動きも叶わん榛名に、米軍の
     艦載機が雲霞みたいに殺到しての…助けに来てくれた陸軍の鍾馗もすべて堕とされ、
     機銃弾も爆弾もロケット弾も、雨あられのように艦に降り注いで…戦友も次々倒れ、
     持ち場の機銃も吹き飛ばされて、分隊で残ったのはわし一人で…」

榛名「…」グスッ

爺ちゃん「ついに総員退艦命令が出た。傾斜しはじめた上甲板で、わしは榛名と朽ちたいと思った。
     だが艦長命令は絶対じゃ…わしは…あの美しい榛名が戦友たちと共に崩れ落ちていくのが、
     耐えられんで…海に飛び込む前に…」

棒名「…」ダキッ

爺ちゃん「…?」


爺ちゃん「嬢ちゃん?」

榛名「…最後に榛名の甲板を、そっと撫でてくれたんですよね?」

爺ちゃん「!!!!」

爺ちゃん「なぜ…なぜそれを…」

棒名「やっぱり、貴方だったんですね…!」

榛名「…」ギュッ

榛名「源三さん…!」ブワッ

爺ちゃん「…え?」

榛名「左舷二番三連装機銃付、山田源三上等水兵…さん!」

源三さん「!!!!!」

源三さん「ど、どうしてわしの名を…」

棒名「ああ…やっと見つけた…やっと言える…!」

棒名「前世ではありがとうございました…!」ボロボロ


棒名「消えていく刹那に、兵器でしかなかった私が、こんなにも愛されていたことを教えてくれて…!」

棒名「棒名、生まれ変わることが出来て、本当に良かったです…!」

源三さん「!!!」

源三さん「おぉぉ…」ボロボロ


ザワザワ

提督「どうした?」

金剛「榛名が、過去に自分の乗組員だった人と再会を果たしたんデス…」ウルウル

提督「そうか…」

木曾「…ああ、うらやましい限りだよ。あの大戦のとき、自分を本当に愛して
   くれた人と、艦娘として再び出会えるなんて…」

まるゆ「…」エグエグ

金剛「…一般公開してよかったデスね、提督?」

提督「ああ!」

提督「…あの戦争を生き延びた人たちには、安らかな余生を送ってほしいな。
   深海棲艦の脅威なんかに怯えることなく…」

大淀「提督~!!!!」

提督「なんだ大淀、どうした?」


大淀「直近の鎮守府より通報あり!」ハァハァ

大淀「『南方島嶼の電探群が30分前に全て沈黙!南方150キロ海域に敵機動部隊の進撃を確認!』」

大淀「『当方偵察機の報告によれば、敵部隊は極めて大なるも詳細不明、進路を見るに貴府へ襲来の可能性大!』」

提督「!!!」

提督「こ、ここに、深海棲艦が来る…?」ハッ…ハッ…

憲兵A「だ、大丈夫か?」

提督「金剛…コーヒーをくれっ…」

金剛「は、ハイ」

提督「すまん…」グビッ

提督「…」フゥ

提督「…そういうこと、なのか?」

大淀「て、提督?」

提督「大淀、警戒警報を出せ!」


ゥゥゥゥウウウウウウウウウウ------------------

エ、ナニ?モシカシテシンカイセイカン?ザワザワ

提督「那珂、マイクを!」

那珂「はーい提督!」ヒュルヒュルヒュル

提督「すまん」パシッ

提督「ご来場の皆さま、大変申し訳ありませんがフェスティバルを中止させていただきます!
   一旦マイクをお貸しください!!」

提督「先ほど、深海棲艦が行動を開始したとの報せがありました!念のため、皆さまは
   速やかに当鎮守府及び海岸線から離れ、避難してください!」

エエエ!?ホントニクルノ!?マジカヨ カメラニオサメナキャナ ソンナバアイジャナイダロ


木曾「…」

まるゆ「木曾、さん…?」

木曾「…二度と本土は爆撃させねぇからな…」ギリッ


提督「艦娘を全員集めろ!」

大淀「すでに揃ってます!」

一同「はい!」ズラッ

提督「さすがだ!えらいぞ!」

提督「全艦娘に達する!今しがた入った通報電文によれば、南方150㌔の敵機動部隊がここへ来寇する
   公算が高い!直ちに出撃準備!」

提督「編成を発表する!」

提督「まずは機動部隊!第五遊撃部隊を主幹とし、戦艦・球磨型巡洋艦・島風型及び旧第三水雷の
   駆逐艦!旗艦は吹雪!」

吹雪「は、はい!」

提督「続いて湾外警戒部隊!これは川内型巡洋艦が担当!旗艦は神通!」

神通「はっ!」

提督「そして湾内警戒部隊は第六駆逐隊!旗艦は暁!揮下にまるゆを付ける!」

暁「はいっ!」


まるゆ「は、はいっ!」

提督「機動部隊は一路南方へ最大戦速にて進撃!敵主力と交戦、これを漸減せよ!」

金剛「ぜ、漸減…?」

吹雪「…」

提督「湾外・湾内警戒部隊は、突破してきた敵との戦闘を主眼とする!」

提督「第六駆逐隊は最後の砦だ!弾が切れたらまるゆが持ってきてくれる!撃って撃って撃ちまくれ!」

提督「以上、三つの防衛線で敵を撃退する!」

提督「楽しいフェスティバルが台無しだが悔やんでも仕方ない!」

提督「皆、自分の能力を最大限に発揮して敵部隊を撃退し鎮守府へ帰ってこい!いいな!」

一同「はっ!」

榛名「提督にっ!」

一同「勝利をっ!」

オオッーーーー!!

ダッ


榛名「源三さん、深海棲艦が来ます!慌てずに避難してくださいね!」ダッ

源三さん「お、おう…」

木曾「憲兵さん、お客さんの避難を頼んだぜ!」

憲兵B「あ、ああ!」

憲兵B「その…頑張れよ!」

木曾「おう!」ダッ

提督「ふ、吹雪!」

吹雪「はい!?」

提督「…確信があるわけじゃないが、我が暗号に不備がある可能性がある。よってこちらからの
   指揮電文は…受け取れないと思ってくれ…」

吹雪「暗号が…!?」


提督「すまん…だが吹雪なら臨機応変に機動部隊を指揮してくれると信じてる。頼むぞ!行け!」

吹雪「は、はいっ!」ダッ
  
提督「…」

提督「大淀、工廠に連絡とれ!残存する資材で高角砲弾及び酸素魚雷を可能な限り急いで増産!」

大淀「はっ!」


出撃施設

榛名「出撃序列は無視!出れる娘から次々出撃して、洋上で陣形を組んで!」

吹雪「機動部隊の皆さんは湾外の岬の先で合流しましょう!」

加賀「分かったわ」

金剛「了解デース!」


神通「姉さん、那珂ちゃん、行きましょう!」

川内「りょーかいっ!」

那珂「那珂ちゃん、行っきまーす!」

暁「第六駆逐隊、いくよ!」

雷電響「おー!」


木曾「ここから出撃するんだ。なに、落ち着いてやればいいさ」

まるゆ「は、はい!」

木曾「旗艦の動きと敵の動きをしっかり見ておけよ。気づいたことがあればすぐに周りに伝えろ」

まるゆ「はい!」

木曾「後は…そうだな、これが終わっt」

大井「ちょっと、まるゆっ!!」

まるゆ「は、はいっ!?」

大井「あんたねぇ、あんまり戦場でちょこまかしすぎるんじゃないわよ!?」

まるゆ「え…」


木曾「おい姉貴…何をいきなりそんな…」

大井「いい?別に過大な期待はしちゃいないんだから。せいぜい一発も被弾しないように帰ってきなさい」

大井「じゃあね!」ダッ

木曾「姉貴ってば…もう」

木曾「気にすんなよ。ああ見えて姉御は…」

まるゆ「…」

まるゆ「大井さん、『帰ってきなさい』って…」

まるゆ「ありがとうございます…」ペコ

木曾「…」

木曾「よし!俺たちも行くぞ!」

まるゆ「はいっ!」


ウウウウウウウウウウウウウウ…

憲兵A「非常にまずいことになったな…よりによってこんな日に…」

提督「嘆いても仕方ありません。それより、直ちに来場者の避難誘導を開始してください!
   当鎮守府のシェルターは小規模ですから、ぜひ町外へ避難を!!」

憲兵A「ああ、やってるがなにぶん高齢者ばっかりでなかなか進まなくて…」

提督「それならこの町の各介護事業所に連絡して、国民保護法に基づいて通所系サービスの
   送迎車を徴発してください!町内には確か18台のリフト付きハイエースと8台の
   車椅子対応のタントがあるはずですから、ドライバー付きで全部出させてください!」

憲兵B「は、はい!」

提督「あとこの画面に町内の事業所の番号一覧を出してるので使って!」ポイ

憲兵A「ん!スマホか、分かった!」パシ

憲兵B「しかし供出を渋られたらどうします!?」

提督「その時は意趣返しとして行政の抜き打ち監査をかましてやるとか、同族会社の癒着を
   追及してやるとか何とか言って、」

憲兵A「強権的にやっていいわけだな!?分かった!自分らの責任において実行する!」


提督「非常時ですから!それと、リフト付きのハイエースを一台だけこちらによこして下さい!」

憲兵A「10分以内に回してやる!約束する!」

提督「あ、あともう一つ!工事用のコールタールが徴発できれば、ドラム缶に小分けして海岸線沿いに
   配置してください!」

憲兵B「?」


ザアアアアアアアアア


木曾「じゃあなまるゆ!しっかりやれよ!」

まるゆ「は、はいっ!木曾さんも武運長久を!」

木曾「ははは!それじゃあな!」

暁「第六はこっちに布陣だよ!」

吹雪「みなさん、よろしくお願いします!」

金剛「ブッキーが旗艦なら安心ネ!図上演習の成果、見せてもらいますヨ!」

榛名「頑張りましょう!」

加賀「胸が高鳴ります…」

瑞鶴「アウトレンジでやってやるわ…!」

球磨「久しぶりの海戦だクマー!」

多摩「腕が鳴るにゃ」

木曾「そうこなくっちゃなぁ!」


大井「北上さんとのお祭りをぶっ壊された恨み、晴らす…!」ゴゴゴ

北上「思い知らせてやろうねー」

睦月「か、必ずおうちに帰ろうね!」

夕立「ぽい!」


湾外警戒部隊

川内「あーあ、私も機動部隊に加わりたかったなー」

神通「まあまあ…」

川内「私達川内型をここに残すなんてさー…一体提督は何を…」

神通「…ん?」

川内「神通?どうした!?」

神通「鎮守府より弱電受信!川内型は全艦、曳光弾装填の水偵を射出せよって!」

那珂「えー?どうして?敵はまだかなり向こうなのに…」

神通「提督にはなにかお考えがあるんでしょう!」

神通「二人とも、零式水偵を!」


オオオオオオオオオオオン…

提督「…」チカチカチカッ

水偵「…」チカチカッ

ォオオオオオオオン…

ドドドドドドドッ!

憲兵B「あれ?海岸線から黒煙が上がりました!」

憲兵A「ま、まさかもう深海棲艦が!?」

提督「いや、あれは煙幕です!心配いりません!」

憲兵B「…そっか、だからコールタールを集めたんですね!」

提督「小細工かもしれませんが、無いよりましです!」

憲兵A「…さすがだな」


その頃 鎮守府機動部隊

榛名「さしあたっての問題は、私たちはどこまで進出すべきかってことですね」

瑞鶴「命令は、あくまで敵部隊との交戦だけだものね」

金剛「それはモチロン、敵とかち合うまで全速で行けるところまで行ってからでショー」

加賀「…」

榛名「私達も高速戦艦ですから足手まといにはなりませんよ!」

瑞鶴「ならこのまま艦隊速度最大で突っ込んじゃうわよ!!」

木曾「ああ、敵が少しでも本土に近づく前にこっちから…」

球磨「殴り込むクマ!」

大井「…」

多摩「闘争本能を解放するにゃ!」

夕立「素敵なパーティーが始まるっぽいー!!」

北上「おー」

睦月「お、おー…」

吹雪「待ってください!」


吹雪「みなさん、ちょっと落ち着いてください!少し冷静になって、何が最善の方法かを
   考えてみましょう!」

島風「え~?このまま突っ込まないの~?」

瑞鶴「べ、別に私は焦ってなんか…」

大井「…」

加賀「…そうね。続けて」

吹雪「まず私たちが留意すべきなのは、私たちの暗号が敵に解読されている恐れがある
   ということです!」

榛名「暗号が…破られた?」

吹雪「はい。司令官はその点を気にかけておられました」

吹雪「司令官は恐らく、敵が今日の日を選んで襲来してきたのは、とりもなおさず
   敵が今日私たちの鎮守府で何が行われているかを正確に把握したからではないか…
   そう疑問を持たれたんだと思います」

北上「あ…そういえば…ただの偶然かと思ってたけど…」

瑞鶴「か、考えてみれば不思議よね…でも暗号が解読されてたってなれば…」

加賀「敵のこの図ったような動きにも説明がつく、ということね」

吹雪「ええ」


吹雪「司令官は出撃に際して、暗号の変更や符牒の取り決めなどはしませんでした…というか
   時間的にできませんでした…つまり、今後は鎮守府からの指示は期待できません」

榛名「!!!」

木曾「そ、そうなのか…」

夕立「心細いっぽい…」

多摩「にゃ~…」

金剛「でも、どうして敵はまっすぐ我が鎮守府に来るデスか?大部隊でかかってくるのなら、
   別にフェスがあろうがなかろうが、うちの規模の鎮守府くらいは…」

吹雪「そうですね。私達艦娘という戦力を攻撃目標とするなら、何もこんな日を選ばなくても、
   いくらでも私達を叩く方法はあったでしょう。私達の全戦力は、お世辞にも他には及びませんし」

吹雪「ではなぜ、近隣にはるかに有力な鎮守府が存在しているにもかかわらず、敵は今日
   過疎地にある我が鎮守府に向けて侵攻を開始したのか…ということなんです」

榛名「敵の真の狙いは、陸上にある我が鎮守府機能の破壊…?」

吹雪「機会に乗じて手っとり早く叩けるのが我が鎮守府だったという話かもしれません。
   つまり敵にとって本土攻撃の切っ掛けにし易いからということかもしれません。けど…」


加賀「…少し分かりにくいけど、要するに今回の敵は私達とは正面からぶつかる意思は必ずしもないということ?」

吹雪「私はそうじゃないかと思います。もしかしたら司令官もそうお考えかもしれません」

吹雪「ですから司令官は、戦力を分散させる危険を冒しても、複数のラインを引いて防衛に当たり、
   各隊全力で迎撃に当たれるようにしたんじゃないかと思います。絶対に敵に鎮守府や町を
   攻撃させないために」

金剛「!!」

木曾「そうなのか…」

榛名「な、なるほど…」

吹雪「あくまで仮定です。私の中の仮定の話ですが…」

金剛「ブッキーの考えなら間違いはないと信じてマスね!」

加賀「私も貴女の考えを信頼します」

瑞鶴「私も納得したわ…」

北上「そうだね…」

球磨「異議なしクマ」

木曾「俺としたことが、落ち着きを欠いてたぜ」


睦月「吹雪ちゃん、すごい…」

島風「ふんふん」

大井「それで、貴女は具体的にどう戦えばいいと考えてるの?」

吹雪「セオリー通り、まずは戦艦の火力と空母の打撃力で遠距離から敵を撃破していきます」

吹雪「ですが敵は大部隊とのこと、それだけで撃滅できるとは考えない方がいいでしょう」

吹雪「撃破できなかった敵が我が鎮守府への進路を変えず突っ込んでくるなら、いずれ
   近距離戦闘になることは避けられません。敵の目的が仮定どおりなら間違いなく…」

吹雪「そこで今度は巡洋艦・駆逐艦主体での戦闘になります。肝心なのは、敵を撃滅すること
   はもちろんですが、同時に戦艦・空母の皆さんを守り切ることです」

吹雪「混戦が予想されるので、味方撃ちには気を付けましょう」

吹雪「もしここで敵が死にもの狂いで総力を挙げて私達を沈めにかかれば勝算は薄くなりますが…」

大井「敵の目的が鎮守府への到達にあるのなら、さっき加賀さんが言ったように、私達にはそれほど
   かまわず強行突破してくる公算のほうが高いというわけね?」

吹雪「その通りです!」



吹雪「ですから、最初の問題である布陣海域についてですが…」

吹雪「私達機動部隊は、敵の一部を取り逃がすことを想定して、布陣すべきだと思います!」

金剛(だから提督は、(第二線以降を信じて)“撃滅せよ”ではなく、“漸減せよ”と言ったんデスね…)

吹雪「第一線の私達があまりにも遠くに出てしまったら、二線以降の隊とまったく
   協働することができません。だから…」

吹雪「敵が侵攻する直線上で、私たちの射程が出来る限り広汎に及ぶ位置に布陣すべきです!」

吹雪「そして取り逃がした敵があれば、すぐさま追撃に転じ、軽巡隊や第六駆逐隊と挟撃できる位置で…!」

加賀「異論はないわ。従います。ただちに偵察機を出すわ」

瑞鶴「そうね。反論の余地なしよ。私も偵察機を出すわね」

吹雪「はい!みなさん、お願いします!」

加賀・瑞鶴「発艦!」バヒュッ!

シュバ!  ブオオオオオオオオン…


ブオオオオ…

憲兵A「車両が到着したぞ!」

提督「よ、よかった…とりあえず避難の目途が立ちそうだ」ホッ

提督「…」

提督「…では憲兵殿、あとは頼みます」

憲兵A「は?あとって…」

提督「自分も、出撃しようと思います」

憲兵B「え!?提督自らですか!?」

提督「ええ」

憲兵A「…では」

憲兵A「武運長久を!」バッ!

憲兵B「!」バッ!

提督「はい!」バッ!


ザザザ

吹雪「よし、この海域に布陣しましょう!」

吹雪「空母のお二人は、攻撃隊の発艦準備を!」

加賀「すでに完了です」

瑞鶴「大丈夫よ…あ!」

瑞鶴「偵察3番機より入電!敵部隊を発見!距離およそ100㌔!編成は空母6、戦艦5、巡洋12、駆逐29!」

瑞鶴「その上空に、艦載機の大編隊!数は138機!」

加賀「…?中途半端な数字ね」

瑞鶴「なお、航空戦力が徐々に先行しつつあり、だって!」

吹雪「加賀さん、瑞鶴さんお願いします!」

加賀「一航戦攻撃隊、出撃します」バヒュッ!

瑞鶴「いっけえええええ!!」バヒュッ!


遡ること少し前 お隣の鎮守府

近所提督「なに、○○鎮が狙われてる!?」

赤城『はい。私の偵察機の報告です。敵の上空援護が厳しく、敵部隊の詳細は測れませんでしたが…』

近所提督「そうか…うちに襲来しないだけマシだと言いたいが…」

近所提督「あいつの鎮守府は今日、たしか一般公開の日だったな」

赤城『ええ…ですから、このままでは甚大な被害が…』

近所提督「すぐ通報させる。それと赤城!」

赤城『はい』

近所提督「翔鶴と共に、そこから攻撃隊を出して敵を少しでも減らしてやれ。水上艦は間に合わないが
     出来る限りの援護はしてやろう」

赤城『了解です。加賀さん達を少しでも楽にしてあげます』

近所提督「頼むぞ。あいつにもくたばってもらうわけにはいかんしな」

赤城『あいつ…とは、加賀さん達の提督さんですか?』

近所提督「ああ。俺が立て替えてやった司令官室の内装代、まだ返してもらってないからな!」

赤城『』

加賀・瑞鶴攻撃隊


戦闘機妖精「!」クイクイ

艦爆妖精「!」b

艦爆妖精「…」p

雷撃機妖精「!」クイクイ


バルルルルル…ゥォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

ダダダダダッ ヒルルルルルル… ドゴォオオオオオン! バシュッ! ズガァアアアン!


加賀「攻撃隊より入電。『我戦闘中。敵護衛機果敢ナルモ敵艦艇ヲ徐々ニ漸減中ナリ』」

金剛「ついに接敵しましたネ…!」

吹雪「しかしこうしている間にも、敵は着実に北上しているのでは…」

榛名「対空電探に感あり!距離およそ50㌔!」

金剛「こっちも確認したネ!」

瑞鶴「先行しつつある敵航空隊ね!」

吹雪「金剛さん!榛名さん!すぐに対空戦闘をお願いします!」

金剛「オフコーーーース!」

榛名「任せてください!」

金剛「主砲、三式弾装填!」ジャキン!

榛名「装填よし!主砲最大仰角!」ゴゴゴゴ

金剛「もうすぐ射程に入るネ!」

吹雪「加賀さん、瑞鶴さん!」

加賀「友軍全機へ。これより戦艦からの対空砲撃を開始する」

瑞鶴「ただちに高高度へ退避!」


榛名「…入った!敵編隊、射程内!撃ち方、開始します!」

金剛「ファイアーっ!!!」

榛名「射ぇーーーーーーっ!!!」

ドドドドドドドドドン!!!!



ヒルルルルルルルル… ズババババババババババァアアアアアアアアアアン

ゥォォォォォォン… ザバァ… バシャァン…




戦闘機妖精「…」

艦爆妖精「…」

雷撃機妖精「…」

戦闘機妖精「凄まじいね」


榛名「今度は敵水上部隊、射程内に入ります!」

瑞鶴「友軍全機へ!戦艦からの対空射撃は現時刻を以て中止!直ちに航空攻撃を再開せよ!」

金剛「巡洋艦・駆逐艦の皆が頼りデース、私たちを敵航空機から守って下さいネ!」

吹雪「は、はいっ!それでは対艦砲撃を開始してください!空母、戦艦以下の順に撃破願います!」

榛名「了解!」

加賀「敵航空機部隊、接近!!…まずは先鋒が迫ってきましたね」

瑞鶴「直掩機、発艦!」シュバッ

吹雪「対空戦闘用ーーーーーー意っ!」ジャキ!

北上「敵攻撃機第一波急降下して来る!左舷より3、右舷より3!」

木曾「ふふふ、いよいよ俺らの出番か…」

球磨「グルルルルルル…」

多摩「フーッ、フーッ」


大井「球磨型の対空戦闘を見せてやりましょう!」

北上「そーだねー」

島風「連装砲ちゃん、準備はいい?」

連装砲ちゃん「キュイ!」ジャキン!

睦月「き、来た!」

夕立「ぽい!」

吹雪「撃ち方始めっ!!!」

ドドドドドドン!!


北上「大井っち!背後から低空で一機!」

大井「くっ!!間に合わないっ」

ダカカカカカカカカッ

ゴオオオオ・・・ザバァン

大井「…あれ?」

瑞鶴「ふふん、私の艦載機に感謝しなさいよ!」

大井「って瑞鶴さん!直上に爆装機2機がっ!!!」

瑞鶴「え…うそ…」

ドドドドドドドドッ ズバァアアン ドゴォン

加賀「…五航戦、油断は禁物よ」

大井「よ、よかった…」

瑞鶴「う、ぅぅ~…」グニニーー


睦月「えいっ!このっ!」ドン!

夕立「ふふふふふ…」ドン!

球磨「クマァアアアア!」ドドン!

多摩「フニャァアアアアア!」ドドン!

木曾「き、きs…喰らぇえええええ!!!」ドドン!

吹雪「みなさん、その調子で敵攻撃機を減らしていきましょう!」ドドッ

…シャッシャッシャッシャ

木曾「…ぁ?魚雷だーっ!!一直線に多数来るぞ、回避っー!!」

吹雪「目視が間に合わない!全艦、艦首を南へ廻してっ!!!!」

瑞鶴「ぅわあっ!」

加賀「…っ!!」

金剛「ヒェ~!」

榛名「ああああっ!」

シャアアアアアアア…

金剛「な、何とかみんな回避できたみたいデス…」


島風「ああっ!!水平線上に敵水上艦がいっぱい!」

睦月「完全に対空戦闘に気を取ちゃってたね…」

榛名「もう目視圏内に入ってたなんて…私たちのミスです、ごめんなさい…」

吹雪「こうなったら巡洋艦の皆さんも対艦戦闘に加わって下さい!攻撃機は駆逐艦が
   なんとかします!」

大井「いよいよ重雷装巡洋艦の真価を発揮する時が来たわね!」

北上「神仏照覧…フフフ…」

木曾「フフフ…」

球磨「グルル…」

多摩「フーッ…」

吹雪「睦月ちゃん夕立ちゃん島風ちゃん、頑張ろうね!」

睦月「うん!」

島風「いっくよ~!」

夕立「フフフ…」


ゴオオオオオオオオオ…

金剛「…」

金剛「榛名!少しの間だけ水上艦の相手を頼みマス!」

榛名「は、はい!」

金剛「さぁて、黙って私たちの頭上をスルーしていくのは…」グォォォォォン ジャキ!

金剛「許さんですヨ!」

ドドドドドドドン!!

ズバァッ!!!!


球磨「魚雷斉射クマー!射えええええっ!!」

ズババババババババババババッ!!!!バシューーーッ!!!

木曾「見えるか?見えねえよなぁ?んなわけねえよなぁ!?酸素魚雷だもんなぁ!!!」

大井「いっけえええええええ!!!」

バッ… ドゴオオオオオン!!!

吹雪「も、目標多数に命中…」

睦月「す…凄いね…」


ザアアアアアアアアア

榛名「敵水上部隊、二隊に分かれました!距離をとりつつそれぞれ単縦陣で並走して接近してきます!」

吹雪「このままじゃ挟撃されます!私達も二隊に分かれましょう!」

北上「…敵の攻撃機を殲滅は出来なかったねー…」

睦月「すみません、何十機かは突破されました…」

多摩「あとは第二線以降に任せるにゃ!今は敵水上艦を叩くことに集中するにゃ!」

大井「球磨、次も雷撃号令お願い!」

球磨「了解クマー!また華麗な魚雷カーペットをお見舞いしてやるクマ!」

吹雪「砲撃開始!」

ドドドドドドン!

睦月「ち、近づいてくる…!!」

木曾「吹雪の言ったとおりだ…奴らまっすぐ突っ込んでくるぞ!」

球磨「魚雷発射時機近づく…射ぇっ!!!!」

ズババババババババババババババババン! バシュウウウウウウウウウウウ
ドゴオオオオオオオオン!!!



北上「目標多数に命中!だけど…」

夕立「密集してたからまだ無事な艦が多いっぽい~!!」

ドドドドン!

バシャァアアアーン!

木曾「応射が来るぞ!耐えろ!」

榛名「ああっ!!!」

榛名「敵水上部隊、再び合流っ!!!」

吹雪「!!??!!」

榛名「複縦陣で突っ込んできます!」

睦月「魚雷再装填、間に合いません!」

金剛「…任せて下サイ、この距離なら外しません…!」

榛名「砲撃なら任せて…!」

大井「あああ…敵が通過する!魚雷が間に合わないなら砲撃でっ!」

吹雪「っ!!しまった!!!」


吹雪「撃ち方やめっーーー!!!!」

木曾「な、何だと!?」

吹雪「このままだと同士討ちしてしまいます!撃ち方やめ!!!!!」

金剛「へ?」ドン!

榛名「はい?」ドン!

ブオン!

ビュオッ!

金剛「」

榛名「」

金剛「…榛名の…主砲弾が…」ガタガタ

榛名「お姉さまの愛で…燃え尽きるところでした…」ガクガク


ザアアアアアアアア…

大井「くっ…雷巡数杯と駆逐多数に突破されたわね…」

加賀「…しかし空母・戦艦をほぼ撃破、巡洋艦・駆逐艦は半数近く、航空戦力も半数以上を撃破」

瑞鶴「この艦数でこの戦果は良い結果だと思うわ!」

金剛「そうデスね。しかも、敵はブッキーの言ったとおり、私達に正面対決は挑みませんデシタ」

木曾「死にもの狂いで向かってきたやつはほんの数杯だけだったもんな。さすがは吹雪だ!」

榛名「そうですね!まだ終わったわけじゃありません!これから追撃して味方と挟撃をすれば
   いいんですから!」

球磨「まだこれからクマ…」

多摩「ニャ…」

夕立「フフフ…」

睦月「…フフフ」


吹雪「航行に異常がある方はいませんか!?」

大井「みんなせいぜい小破してるかしてないかよ、問題ないわ!」

北上「b」グッ

吹雪「…さあ、追撃戦を始めましょう!」

島風「追いかけっこなら、負けないよー!」


大淀「吹雪より入電!
  『我敵機動部隊ト交戦 我申シ訳ナキハ相当数ヲ撃墜セルモ残敵20数機ノ北上阻止シ得ザル事』」

大淀「続いて入電!『雷巡チ級3、駆逐ロ級約20、高速ニテ北上セリ。我追撃ス』」

提督「予想は当たったな。やはり敵は我が機動部隊に対し正面切っての戦いは挑まなかった」

提督「とにかく、吹雪たちが一人も欠けなくて良かった…」ホッ

大淀「ええ!」

提督「瑞鶴の偵察機の報告と戦果を鑑みると、敵残存兵力はまだまだ残ってる…」

提督「…だが、太刀打ちできない数じゃなくなった」ニヤリ

大淀「提督、敵の目的は結局…?」

提督「ここを吹っ飛ばすことだろうな。それと俺を殺害するか」


大淀「…つまり、私達艦娘の帰る場所を壊してしまうつもりなんですね」ギリッ

提督「させないさ。俺も死なない」

大淀「しかし提督、わざわざ自ら出撃されるなんて…」

提督「やれることはすべてやる。お前らを預かる軍人としてもな」

大淀「…」

提督「心配するな!それより、大淀は大淀の仕事を頼む!」ダッ

大淀「…どうか、ご無事で!」バッ

投下します
しかし完結には至りません


湾外警戒部隊

神通「吹雪ちゃんからの入電によれば、もうすぐ敵航空部隊が来ますね…」

川内「まぁ元々あれだけの敵をかなり減らしてくれたんだから、ありがたいってもんだよ!」

那珂「ちょっと見せ場を持ってかれちゃったかもだけどねー!」

ォォォオオオオオオオン…

神通「…目視圏内に敵攻撃機多数っ!」

川内「ついに来たね!対空戦闘、用意!」

那珂「さあ、那珂ちゃんリサイタル第二幕の始まりだよー!」


その頃 鎮守府防波堤

まるゆ「はぁ…鎮守府に来て少しも経たないうちに実戦だよぉ…」ドキドキ

まるゆ「まるゆ、うまくやれるかなぁ」カシャ ジャキン

まるゆ「木曾さん、今頃どうしてるかなぁ…無事だといいな…」

ブロロロロ…ガクンガクン キキーーッ!!

ガチャ

大淀「お待たせ、まるゆ!」スタッ

まるゆ「わ、大淀さん!その車は!?」

大淀「提督が用意してくださったの!それにしてもハイエースってほんっとにデカいわね!」

まるゆ「ってこれサイド掛かってないじゃないですか!危ない!」ジャキッ

大淀「あ、その引っ張るやつがサイドなのね。レバーないからついてないと思ったわ」

まるゆ「免許もってるんですか!??」

大淀「これでも海軍の艦娘よ!持ってるわけないじゃない!」

まるゆ「ぁあ!?」


大淀「それより工廠から弾薬を運んできたから、この辺に擬装して置いとくわね!」ウィーーーーーン

大淀「いい?もうすぐ敵が来襲してくるわ!そうなったら弾薬をありったけ運んで第六駆逐隊に
   補給してあげるのよ!」

まるゆ「敵!?木曾さんは…機動部隊はどうなったんですか!?」

大淀「みんな無事よ!今まさに敵を追撃してきてくれてるわ!」

まるゆ「よ、よかったぁ…!!!」

大淀「安心するのは敵を殲滅してからよ!初めての実戦で緊張してるとは思うけど、落ち着いて
   行動するのよ!」

まるゆ「は、はいっ!」

ォォォオオオオオオオオン…

大淀「…来た!」

まるゆ「!!!」

大淀「あなたが運ぶ一発の砲弾や魚雷が鎮守府と町を守るのよ!お願いね!」

まるゆ「了解ですっ!!」


湾外警戒部隊

オオオオオオオオオオオオオオン!

神通「撃ち方はじめっ!!」

ドンドンドン!

那珂「20機以上いるよー!ちょっと対応しきれない!」ドォン!

川内「絶対一機も湾の中に入れるな!対空練度に劣る第六駆逐隊には荷が重すぎるっ!!」ドン!

那珂「ああっ!!小編隊がひとつ、湾内にっ!!」


第六駆逐隊

暁「ついに…来たわね!」

暁「いい?いくら墜としても、一発でも鎮守府や町に被弾させたら敗けなんだからね!」

暁「暁たち第六駆逐隊が、ほんとのほんとに最終防衛線なんだから!」

雷「わ、分かったわよ!!!」

電「はいなのです!」

暁「ゆ、油断しないようにふんどしを締めてかかるわよ!」

響「フンドシ?」

暁「対空戦闘、用意!」

暁「砲が溶けるまで撃ちまくるわよーっ!!!」

暁「射ぇーーーっ!!!」

ドドドドドドン!!ヒュンヒュン

電「ああああっ、敵爆装機一機が鎮守府に急降下していくのです!」

ゴオオオオオオオオッ

爆装機「…」


モクモクモクモクモクモク

爆装機「…?」

爆装機「?????」

ギュオオオオオオ

響「煙幕にさえぎられて投弾をやりなおした!今だっ!!」ドン!

雷「このっ!このっ!!」ドン!ドン!

ドバァッ ザバァアアン

暁「こっちも負けないんだから!」ドンドン!

電「わわわ、こっち来るななのです!」ドンドン!

グワッ ドゴッ

暁「さ、三機撃墜!」

雷「やった!」


響「でも、中々当たらないもんだね…」ハァハァ

電「遠征ばっかりだと腕が鈍っちゃうのです…」

オオオオオオオン!!

暁「ほら、次来たわよっ!撃てっ!!!」


川内「那珂っ!左舷に敵っ!!」

那珂「はーい!」ドン!  ズバアッ

神通「す、少しづつでも敵を減らさないと…!!」

那珂「あーーーーーーーーーーっ!!!」

那珂「水平線上に、敵水上部隊!!!」

川内「なにっ!!もう来たんだ…」グッ

神通「すごい数のロ級…これは苦しいですね…!」

川内「ん…?でも見て、敵水上部隊の周囲に水柱が立ってる…」

神通「!!」

神通「分かりました!敵の背後から吹雪ちゃん達の機動部隊が追撃してきてるんですよ!」

川内「よぉし…それなら挟撃戦だねっ!」

那珂「その前にブンブンうるさい敵機をやっつけちゃおうね!」

神通「これで本格的に挟撃できますね!二人とも、今後は敵味方入り乱れますから、
   味方撃ちに注意しながら敵を撃滅しますよ!」

那珂「任せて!那珂ちゃんの活躍、みんなに見せちゃうよー!」


工廠

提督「おーい!!」

提督「俺も出撃する!!なんか作ってくれ!10分以内で!!」

工作妖精「ぇえ!?どうして提督が!?」

提督「総力戦だ!艦娘だけ前線に出して戦わせるわけにはいかないからな!」

工作妖精「で、でも資材があとほんのスズメの涙ほどしかないよ!」

提督「何でもいい!何ならその辺にあるベニヤとかも使っていいから!」ベリッ

提督「早くしないと敵が来ちまう!」アタフタ

工作妖精「材料が揃わないよ…もぅ…ロクなものが出来ない気がするなぁ」

トンテンカントンテンカン

工作妖精「…一応できたよ!」

提督「おお、こいつはいい!もらうぞ!」

工作妖精「動かせるの?」

提督「なせばなる!これなら同じト○タでもハイエース転がすより確実に楽だ!!」

工作妖精「そうかなぁ?ごめんね、こんな不吉なものしかできなくて…」


提督「なにが不吉だよ、大助かりだ!ご苦労さん!」

工作妖精「…どうあっても、出撃するの?」

提督「ああ。どうあっても、だ」

工作妖精「…」

工作妖精「ほら提督、これはオマケだよ」ホイ

提督「20mm機銃か…いや、百人力だ!ありがとう!」ジャキ

工作妖精「うまく使ってね!」

工作妖精「…そして、ちゃんと無事で帰ってきてよ!」バッ

提督「ありがとう!」バッ

提督「あとは早く退避するんだぞ!わくわくさん!」ダッ

工作妖精「わくわくさん言うな!」


睦月「あ、前方目視圏内に神通さん達軽巡部隊です!」

球磨「私達が撃ち洩らした敵攻撃機・水上部隊と交戦中みたいクマ!」

金剛「急行して加勢するデス!」

吹雪「やっと第二線と合流できますね!これでこの作戦の真価を発揮できます!!」

神通「吹雪ちゃーーーーん!!」ブンブン

吹雪「神通さーーーーーん!!」ブンブン

神通「機動部隊お疲れ様でーす!」

吹雪「一緒に押し返しましょう!!」

神通「ええっ!!!」

木曾「おらぁ!さっさと沈めぇ!!!」ドドドン

多摩「しぶといにゃん!」バシュッ!

球磨「攻撃機がハエみたいに五月蠅いクマー!」ドン!

睦月「絶対に鎮守府に帰るんだから!」

吹雪「はい!」


夕立「あっははははははは素敵なフェスティバルっぽいー!!!!!」ドンバシュ

島風「おっそ~い!」ドドドッ

グオオオオオン  ヒューーーーー

北上「金剛さん、危ないっ!!敵が投弾コースに!!」

金剛「くっ!!回避!!」

ヒルルルルルル ドン!

金剛「ぁあっ!!」ゴゴ・・・

睦月「このっこのっ!!」ドン

ズガァーン!

榛名「金剛お姉さまっ!!」

金剛「だ、大丈夫…4番砲塔をやられまシタが大丈夫!戦闘続行は可能デス!」


夕立「睦月ちゃん吹雪ちゃんっ!!ロ級2杯をそっちに追い立てたから魚雷っ!!!」ドドドドッ!

吹雪「はいっ!」バシュッ!

睦月「えいっ!」バシュッ!

ド・ドン!!

夕立「あっははははははははは!!!ありがとぽいー!!!!」ドドン!

吹雪「私達の再装填完了まで、夕立ちゃん水雷戦闘お願いします!」

夕立「ぽいー!!」


榛名「榛名、主砲弾が尽きました…!」

金剛「主砲上の三連装機銃で対抗するデス!頑張って!」

榛名「はいっ!!!!」

球磨「榛名さん、後ろにロ級が出たクマ!」

榛名「えっ?」

ロ級「…」ジャキン!

金剛「は、榛名ぁッ!!!!!!」






第三榛名丸「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」





ドガッ!





ロ級「!?」グラッ

木曾「漁船が…ロ級に体当たり!?」


榛名「…源三さん!!!」

大井「このロ級めっ!!」ドン

ドガッ!!!!!

榛名「源三さん!何てことを!」

源三さん「…はるなちゃんか、無事でよかったよかった」

榛名「源三さんっ…どうしてこんな危ないマネをしたんですか!!」ウルッ

源三さん「ははは…なぜって三番機銃は榛名と運命を共にしたからの…
     まさかこの歳になって挺身攻撃をすることになるとはな…」

源三さん「わしは、今度こそは榛名を…守れたんじゃな?」

榛名「…はい、はいっ…!!榛名は無事ですっ…!!!!」ボロボロ

源三さん「わしの…自分の艦は、泣き虫だったんじゃな…」ハハハ

榛名「そうですっ…!」グシッ


金剛「榛名、ゲンゾーさんを連れてここを離脱するデス!」

榛名「で、でも!」

金剛「主砲弾が尽きた以上、戦艦の戦線離脱は軍法会議には問われまセン!ましてや民間人を
   保護しているんデスから、急いで離脱して!!」

吹雪「湾内は危険ですから、このまま海路で隣町の病院まで行ってください!」

榛名「ごめんなさい・・・皆さん、あとはお願いします!」ザザザ


川内「敵雷巡全艦、魚雷を撃ったっ!!!…うわぁっ、時間差を設けてきてるっ!!」

木曾「しかもご丁寧に微妙なカーブをつけて航走してきやがる!危ねえ!!」

島風「うわ、雷速がはやぁい!!!!」

吹雪「加賀さんっ!!すぐそこに魚雷が!」

加賀「っ!!」

多摩「ダメにゃ!直撃s…」

ドドドドドドドドドッ!!

ズバァアアアアン!!!

加賀「…!」

吹雪「零戦が、機銃で魚雷を…」

瑞鶴「ふんっ!さっきのお返しよ一航戦!これでおあいこなんだからねっ!!」プイ

加賀「…アリガトウ」


那珂「ああもう!チ級のバカ!」

大井「腹立たしい魚雷攻撃のせいで陣形がめちゃくちゃじゃない!!」

木曾「ちきしょ、ロ級多数に突破されたぞ!湾内に向かっていきやがる!」

北上「チ級と残存攻撃機、こっちに向かってくるよ!」

球磨「悪足掻きにしては上等クマ!」

瑞鶴「…ごめん!私の艦載機だけど、もう燃料切れよ!」

加賀「私も…!急いで着艦させるから、少しの間私達を後方に退がらせて!」

吹雪「了解です!睦月ちゃん夕立ちゃん、お二人の護衛お願い!」

夕立「ぽいっ!」

睦月「任せて!」


湾内

電「敵ロ級およそ20杯、湾内に侵入してくるのですー!!」

響「あ、あわてないで。皆、装填はOK?」

暁「だ、大丈夫よ!」

雷「ま、任せて!」

響「敵先頭艦、標的ブイを通過!」

暁「砲撃開始!主砲撃てっ!!!」

ドドドドドドドドン!!

暁「応射が来るわよ!みんな、散開して雷撃位置へ!」

ヒルルルル… バシャァーンン

電「ひぃい~!」

響「みんな配置についた!?」

暁「大丈夫よ!!」

響「魚雷、斉射用意!!」


暁「射ぇーーーーーーーーーーーっ!!!!」

バシュッ!!シャアアアアア・・・・ドドドドドドドッ!!!

電「目標多数に命中なのです!」

雷「で、でも敵12杯は依然健在!散開して突っ込んでくるわ!」

響「一人三杯…!苦しいけど、みんな行くよ!!!」

提督「いや、俺もだ!」

ブオオオオオオオオオオ…

響「ん?この音は何だろう…」

電「あ、あれは!提督が小型船に乗ってこちらに来るのです!」

雷「何なのあのモーターボートは…機銃一丁しかないじゃない!」

響(あの小型艇は…まさか…)


暁「くっ…レディに対して四杯がかりなんて卑怯よーっ!!!」ザザザ

ロ級×4「…」ジャキン

電「あ、暁ちゃん!」

ドドドドドドドッ!

ロ級「」中破

ロ級×3「!!」クルッ

提督「うおおおおおお!!」

響「て、提督!!」

提督「暁、大丈夫か!?」

暁「こ、この状況で大丈夫なわけないじゃない!」

暁「…あれ?」

ロ級達「…」ザザザザザザ

雷「ロ級たちが合流して提督を追いはじめた!!」

提督「……そうかそうか!やっぱり優先目標は艦娘よりも俺か!」


ドン!ドン!

ザバーン!バシャーン!

提督「ははははは!そうだそうだ追ってこい!貴様らの相手は俺だ!」

響「小型ボートに追いすがるロ級の群れ…壮絶な光景だね」

雷「って感心してる場合じゃないわっ!」

暁「何やってんのよ提督!追いつかれちゃうじゃない!」

電「あわわ、25ノットくらいじゃロ級から逃げ切れないのです!」

ブオオオオオンン

響「提督のボート、回頭!」

提督「今だーっ!第六駆逐隊っ!敵駆逐隊に一斉に魚雷を撃て!」

響「…今、提督なんて言った?」

暁「魚雷を斉射しろって…」

雷「た、確かに今が絶好の射撃時機だけど!」

電「もし魚雷が逸れたら提督に当たっちゃうのです!」

提督「早く撃てーっ!命令を無視するなぁあああ!」


ロ級達「…」ゴゴゴゴゴ

提督「追いつかれるうううううう!!!」

提督「うおおおおおおお!!!早くぅうううう」

電「こ、こうなったら撃つのです!提督自らの射撃命令なのです!!」

雷「そそそそうね!!は、早くしないと!」

暁「もう!どうなっても知らないからーっ!!」

暁「射ぇーーーーっ!」

バシューッ!ザバババババン

雷「魚雷航走ーっ!」

シャアアアアアアアアア

電「あ!」

響「し、しまった!一本が提督の進路上に逸れた!」

暁「提督よけてー!!!」

雷「魚雷群、敵駆逐群に到達っ!!」

ドゴオオオオオオオオオン!!!!


響「目標多数に命中!って提督はどうなった!?」

電「酸素魚雷十数本分の水中爆発は壮絶なのです…」

シャッシャッシャ…シャ…

ブオオオオオオオン

暁「あ!水柱の向こうからボートのエンジン音だわ!」

響「あ…提督無事だ!!魚雷は外れてた?」

電「いえ、直撃コースだったはずなのです…」

提督「ははははは!!こいつの喫水なら魚雷も当たらないのだ!!!ふはははは!!」ブオオオオオンン

雷「あ…ああなるほど、ボートの喫水が浅すぎて魚雷が船底をくぐったのね」

電「冷静に考えればそうなのです」

響「提督、冷静だねぇ」

暁「てか楽しんでない?」

提督「皆、落ち着いて次いくぞ!この調子で敵の数を減らしてけ!!」

提督「ふええええっくしょい!!」ビショビショ


その頃 外洋沿岸

ドォン…ドドドドドド…

ズズゥゥゥゥゥン…

パパパン… タタタタタタ…  

ザアアアアアアアア

榛名「源三さん、しっかりしてください!今、陸の病院に運びますから!」

源三さん「ははは、なんのこれしき…あたたたた」

榛名「む、無理してしゃべらないで!」

榛名(源三さん…)


榛名(榛名は、新しい身体を与えられて生まれ変われたことに、今日ほど感謝した日はありません…)

榛名(あの時、鋼鉄の身体は沈んでいきながら、榛名の魂は幸福なまま眠りにつくことができました)

榛名(山田源三上等水兵、貴方が榛名を魂の煉獄という仄昏い闇から救い出してくれたのです)

榛名(今日、榛名は貴方を抱きしめ、半世紀以上言えなかったお礼を言えました)

榛名(どうか、榛名にこれからももっとお礼をさせてください…!)

ザアアアアアアアアア……  …

戦姫「…」

ザ……ザザザザザザザザザザ!!!!


雷「ああっ!魚雷が切れちゃった!」

暁「私もっ!」

響「魚雷がない駆逐隊なんて…戦力が半減してしまうじゃないか…!」

提督「お前らあきらめるなーっ!おーい、まるゆー!!!」

まるゆ「お待たせしました!」ザバー

暁「わ、ま、まるゆ!」

まるゆ「酸素魚雷をお届けしに来ました!」

響「あ、ありがとう!」

電「本当に助かったのです!!」

提督「おい暁、響!4時の方向、ロ級がまるゆを狙ってるぞ!」

暁「は、はいっ!主砲発射!」ドン!

響「しっ!!」ドン!

ボゴォォォオオン!


電「補給終わったのです!」

雷「は、はやく潜航して!!」

まるゆ「また来ます!」ブクブク

提督「補給時は特に気をつけろよ!よし、戦闘続行だ!焦らず皆で殲滅しろ!」

第六「はいっ!!!」


金剛「バァアアアニング!!!」ドドドドドン!

金剛「はぁ…はぁ…これで敵攻撃機と雷巡は殲滅したのデス…!」

吹雪「駆逐艦と巡洋艦は、今すぐ湾内に突入しましょう!第六駆逐隊が待ってます!」

大井「そうね!あのチビたちを助けないと!」

北上「最終防衛線を補強するよー!」

木曾「まるゆの奴、大丈夫かな!?」ハラハラ

多摩「急ぐにゃー!」

睦月「すみません、行きます!」

金剛「…」

加賀「…」

瑞鶴「…」


金剛「はぁ…体中痛いデス…。もう動けまセン」

加賀「本当にお疲れ様。よく撃ち続けてくれたわね」

瑞鶴「あとは皆で入渠しましょう。あの娘たちが湾内を制圧した後に…」

加賀「そうね。今はあの娘たちに任せましょう」

金剛「あー、もうダメ。もう5ノットも出まセン…」

加賀「しばらく休みましょう。すべて終われば、私と瑞鶴が曳航して鎮守府に帰ります」

瑞鶴「ええ手伝うわ。私達も回避運動ぶっつづけでそんなに速力出ないけどね」

瑞鶴「そして帰ったら…一航戦!」

加賀「な、いきなり何?」

瑞鶴「夜はのど自慢大会の仕切り直しだからね!覚悟しときなさいよ!」

瑞鶴「出撃前にせっかく着てた、あ、あんたの浴衣…可愛かったし…」カァ

加賀「…」

加賀「…ありがとう」カァ

金剛「生きて帰れるって、嬉しいデスね…」


金剛「ん?」

金剛「あ、ああああれは!!!」

加賀「え・・・」

瑞鶴「う、嘘っ」

金剛「せ、戦姫…!!!!」

戦姫「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

加賀「一体どこから!?私たちが接敵した敵集団の中には確かにいなかったのに!」

瑞鶴「まさか、別ルートでここまで!?」

金剛「ま、待つデス…」

金剛「わ、私の主砲徹甲弾はあと18発…」

金剛「喰らえっ!!」

戦姫「…」クルッ

ドドドドドドン!

グワッ!!


金剛「やった!命中確実ネ!」

加賀「硝煙が…晴れる…」

戦姫「…」

瑞鶴「う、嘘!装甲に傷一つついてない…」

金剛「そんな!も、もう一斉射っ!」

ドドドドドドン!

戦姫「…」ゴゴゴゴゴ

金剛「あ…ああ…」ヘタリ

加賀「ば、馬鹿な…これだけの近距離で…」

戦姫「…」ニヤリ

金剛「!!」ゾッ

加賀「!!」ゾッ

瑞鶴「!!」ゾゾッ


提督「まるゆーっ!!弾丸をくれ!」

まるゆ「はい!」プカー

提督「あらよっ!」カチッ ジャキン!

まるゆ「完了!」ブクブク

まるゆ「まるゆ、潜ります!」ブクブクブク

ロ級「…」マエヲネラッテ…

ロ級「…」ドン!!

まるゆ「急速潜航!(伊号潜のように前進しながら潜航するとは言っていない)」ブクブクブク

ヒュルルルル…ザボン

ロ級「…!?!?!????????」

提督「よそ見してんじゃねえぞおおおお!!」カチッ

ドドドドドドドドッ  バシャアアアン!


ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

島風「お待たせーっ!」

吹雪「湾内突入ーっ!!!!」

暁「あ、島風!!吹雪ちゃん!!」

提督「おおお前ら!待ってたぞおおおおおお!!!」

大井「おーい!!!」

木曾「待たせたなぁ!!!最高の勝利を与えてやるぜ!!!」

球磨「クマたちが来たからにはもう大丈夫クマ!」

多摩「助太刀いたすにゃー!」

睦月「わぁ、鎮守府も町も無事だよ!」

夕立「このまま殲滅してやるっぽい!」

提督「とっくに彼我の優劣は逆転したぞ!残敵は掃討だーっ!!!」ブオオオオオン

吹雪(なんで提督までもちっちゃなボートで戦闘を…???)



北上(嘘…なんで提督ったら震洋なんかに乗ってるのよっ…!!!!)


金剛「…」ハァハァ

瑞鶴「い、行っちゃった…湾内に向かって…」ハァハァ ヘタッ

加賀「…急いで司令部の大淀に打電を!」

瑞鶴「私たちはどうする!?給油が完了し次第、全機再出撃させる!?」

加賀「…いいえ。それじゃ間に合わないわ」

加賀「私は、単艦ででも湾口に立ちふさがる」

加賀「あんな危険な戦姫をこの海に帰すわけにはいかないわ…!」

瑞鶴「待って!私も行くわ!あそこには皆が…みんなが…!」

金剛「私も連れて行って・・・!鎮守府が…私たちの帰る場所が…!!!」


司令部

大淀「…ええ!ええ!ですから無線でなく電話でご報告しているんです!」

大淀「提督!?自ら出撃されました!…は??いえ本当です!はい!!」

大淀「はい!まだ陸上への攻撃は阻止しています!文字通り総力戦です!」

大淀「は?はい、完了はしてませんが、司令部施設近辺の避難はほぼ済んで…」


ツツーツツツー

大淀「加賀さんから…?何ですって!?すぐそこに戦姫が!?」

大淀「急いで提督に知らせないと!」

大淀「て、手旗…あった!!」ダッ


ズズーン…

暁「やったよ提督!敵ロ級、みんな沈黙したよ!」

電「わーいなのですー!!!」

雷「褒めてほめてー!!!」

響「ハラッショオッガリアッツボオァチエイ!!!」

吹雪「ふぅ…」

木曾「やったな…」

提督「お、お前ら…」


カンカンカン

ガチャッ

大淀「提督…」


ヒルルルルルルーーーーーーーーーー


ドゴォオオオオオオン!!!

大淀「きゃああああああっ!!」ドサッ

大淀「な、なに…?」クルッ

大淀「ぁ…あ…」

電「ああっ!!!司令部の赤煉瓦館が!!!」

提督「お、落ち着け!今のは砲撃か?湾外からか?撃ち洩らしたやつか!?新手なのか!?」

戦姫「…」ゴゴゴゴゴゴゴ

暁「せ、戦姫だわ!!」

提督「何だと!?」

提督「い、一体いつのまにここに!?どこから湧き出てきやがった!?」

吹雪「まさか…今までの敵は壮大な囮だったの…?」

提督「あいつか…あいつが俺達の鎮守府をぶっ壊したのか…」

提督「全艦、砲雷撃用意!奴はただの一杯だ!ここにいる皆で撃沈しろ!」

提督「射ぇっ!!!撃ち尽くせええええ!!」

戦姫「…」クルン


ドドドドドン!!タタタタタッ!バシュゥゥゥゥゥッ!

ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

戦姫「…」ユラァ…

提督「う…嘘だろ…」

木曾「あれだけ喰らって…立ってやがる…」

夕立「ぽぃ…」

大井「何なのこれ…今まで遭遇した戦姫とは比べ物にならないほどの底深い怨念を感じる…!!」

暁「す、すごいオーラ…」

電「こ、怖いのです…」

戦姫「…」ゴゴゴ

吹雪「せ、戦姫が前進を開始っ!!」

暁「提督に…近づいてくわ!」

提督「くそ、機銃は弾切れか!」カチッカチッ


戦姫「…」

提督「…」

提督「お前が、ここへの侵攻を企てたのか?」

戦姫「…」

戦姫「…、…」

提督(な、何だよこいつ…人の形をしてるのに、ぞっとする冷気しか伝わってこねえ!)

提督(しかも、…嗤ってるのか怒ってるのか哀しんでるのか分かんねえ表情しやがって…!)

戦姫「…」ニヤリ スッ

木曾「くっ!提督には触れさせねぇっ!!」ダッ ガシッ

提督「あ、止めろ、木曾!」

戦姫「…」グッ

木曾「…あ?ちくしょう、離せよっ」

戦姫「…」グググ


木曾「痛ぇ…くそ…痛ぇ、苦し…」

戦姫「…」

提督「お、おい木曾っ!!」

木曾「…ぐ、が…???」

木曾「…頭に、何かが流れ込んでくる…???」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『すごい艦だな!』『国の誉れだ!』



木曾「これは…?過去の艦達の記憶か…?」


『お父さん、あれ格好いいね!』『海軍のお船だぞ、強いぞぉ』


木曾「…」


『軍縮の時代にこんなものが必要なのか?』『俺たちの生活は苦しいのに、あんなものに金かけるなんて』


木曾「!」



『こいつも古くなってきたな』『ずいぶんガタが出てきやがった』


木曾「…」



『もうこんなロートル艦いやだよ』『俺もだ。早く新鋭艦に移りたいな。こんな艦で死にたくねえよ』


木曾「…ぅ」


『こいつも時代遅れになってきたな』『燃費も最悪ですし、艦隊の足手まといですね』



木曾「ぅぁ…」



『もう役に立たなくなってきてるぜ』『まだ浮かんでるだけ使いようはあるさ』


木曾「…ゃだ…」


『あれでも陛下からお預かりした艦ですが…』『御紋がない艦に構うことはない、囮にはなるさ』


木曾「ゃめろ…」



『入れる重油ももうありません』『機銃はそっくり取り払え』『それか浮き砲台にしろ!』



木曾「…ぁぁぁ」



『ああなるともう鉄屑だな』『使えるモンだけ持っていこう。あとは野となれ山となれだ!』


『あんなもの、軍国主義の残骸だよ』『所詮は人殺しの道具さ』『さっさと朽ち果てればいいのに!』


『もう要らないな』『要らない』

要らない要らない要らない要らない要らない要らない要らない要らない要らない要らない
要らない要らない要らない要らない要らない要らない要らない要らない要らないイラナイ
要らない要らない要らない要らない要らない要らない要らない要らないイラナイイラナイ
要らない要らない要らない要らない要らない要らない要らないイラナイイラナイイラナイ
要らない要らない要らない要らない要らない要らないイラナイイラナイイラナイイラナイ
要らない要らない要らない要らない要らないイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
要らない要らない要らない要らない要らないイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
要らない要らない要らない要らないイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
要らない要らない要らないイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
要らない要らないイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
要らないイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ
イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ


木曾「ぅあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」



木曾「ぐぁぁぁっ…ぅぅぅぅ…」ボロボロッ


木曾「ゃめろ…ゃめて…」


木曾「ぃゃだ…冷たぃ…」バシャッ


木曾「ぅぅぅぅぅぅ…!!!」

木曾「た…s……」

木曾「ぁぁ…」

戦姫「…」グググ

雷「木曾さんの身体が…鉛色になってく…!」

提督「何なんだこれは…!あいつは木曾の精神に攻撃してきてるのか!?」


提督「皆、近寄るな!奴に触れるんじゃない!!」

大井「やだ!木曾っ!!!何してるのよ早く逃げなさいっ!!!」

北上「大井っち!近づいちゃ危ないっ!!」ガシッ

球磨「放してクマ!妹を見捨てられる姉がどこにいるクマ!?」グググ

多摩「にゃー!!!!」ジタバタ

神通「ダメですっ!お二人まで巻き添えにっ!」グググ

暁「き、木曾さんっ!!!」

憲兵B「離してくださいっ!あいつが、木曾が!!」ジタバタ

憲兵A「堪えろ!堪えろ…!」

提督「止めろぉぉぉぉおっ!!!!」

提督「畜生っ!!どうすればいいんだっ!」ガンッガンッ


ザバァー!


まるゆ「…」

戦姫「!?」

提督「ま、まるゆ!?だめだ、浮上するな!」

憲兵B「まるゆ…ちゃん…?」

まるゆ「木曾さんを、離せ!」ガッ

戦姫「…」グッ

まるゆ「!」

提督「ああ!まるゆまで捕まっちまった!」

戦姫「…」ニヤリ

まるゆ「あ…ああああああああああああああああああああああ!!!!」

まるゆ「…」









まるゆ「…」ニヤリ





戦姫「…!?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『落ちた?馬鹿言え、ちゃんと潜航してるぞ!バンザーイ!』


『海軍の輸送船が体当たりしてきました!』『こらぁ!!陸軍の大事な艦になんばしよっとかぁ!!』


『敵機です!このままでは見つかります!』『大丈夫だ!樹木で偽装したから見つかりっこない!』


『 Do it? 』『 Maybe trap.Let her go … 』


『味方の潜水艦だああああ!!!米を持ってきてくれたぞおおおおお!!!!』


『戦艦大和以下の水上特攻隊に対し、敬礼!』












『味方艦艇より入電…「汝ハ何者ナリヤ…?」』


まるゆ「…私は、陸軍の潜水艦、」ジャキン!

まるゆ「まるゆでぇえええええす!!!」チャ!

ズダァーン!!!!

戦姫「…」

ブシュッ

戦姫「」


バシャン…

ユラユラ ブクブク


提督「あ…あぁぁぁぁ…」ヘタッ

まるゆ「…木曾さんっ!木曾さん!!!」ユサユサ

木曾「っ…」

木曾「ん…俺は…どうしてたんだ…」

木曾「あれ…どうして俺…泣いてるんだ…」

木曾「おお…まるゆ、お前無事だったか…」

木曾「あれ…俺、変な夢を見てたみたいだ…」

木曾「怖かった…怖かったよ…」ヒグッ

木曾「帰り道が分からなくなっちまったみたいにさ…」ポロッ

木曾「もう、ずっと一人ぼっちで暗いところから出られないんじゃないかって…」

まるゆ「まるゆは、木曾さんと手をつないでます」ギュッ

まるゆ「木曾さんが、私を海に連れ出してくれたんですから」

まるゆ「帰りは、私が木曾さんの手を引いていきます」


まるゆ「…今度は、もう二度と離しませんから!」ダキッ

木曾「~!」ダキッ

木曾「ありがとな、まるゆ…」ポロポロ

木曾「一緒に、帰ろうぜ…」

まるゆ「はい!」



大井「また、妹を失わなくてよかった…!」ボロボロ

北上「うん、うん」ジワッ

球磨「ヒッ、ヒッ」ボロボロ

多摩「ゥゥゥゥ」ボロボロ

憲兵B「」ボロボロ


吹雪「…終わったんですよね、これで」ホッ

加賀「…そのようですね」

瑞鶴「ほっとしたわ…」

金剛「みんな無事デスね!」

提督「ああ。一艦たりとも欠けることなくな!」


ワーワー

憲兵A「やったぞ!我らがまるゆちゃんが敵将を討ち取った!」

ワーワー チンジュフバンザーイ

ヤッパリカンムスハスゴイナー 


提督「…なんだよ。まだ避難してない連中がいたのか」

電「野次馬なんてものはどこにでもいるのです」

提督「ま、ともあれ湾内の敵も全滅…と、一隻は浅瀬で大破…」

キャー!ウ、ウゴイター!!!

提督「たい、は…」


ロ級「…」ググググ

提督「し、しまった!奴の砲塔はまだ生きてる!」

提督「陸上を狙ってるぞ!!」

提督「だ誰でもいい!あのロ級を破壊しろ!」

電「ほ、砲雷ともに残弾ゼロなのです!」

響「ぎょ、魚雷なら残ってるけど…」

吹雪「浅震度すぎて撃てません!」

提督「まるゆ、」

まるゆ「も、もう砲弾はもう残っていません!」

提督「!!」

提督「く、くそ!」





提督「…いや、武装はまだある」

提督「本艇の後部には爆雷が二つ」

提督「…最後の仕事だ、な」クイッ


ブオオオオオオオオン

多摩「そ、そんな!提督が震洋でロ級に突っ込んでいくにゃ!」

加賀「何ですって!?」

金剛「ま、まさか!!!」

加賀「金剛っ、早く!あの敵を艦砲で破壊して!!」

金剛「岸壁に近すぎマス、私が撃ったら陸上の人達まで吹き飛んでしまいマス!」

加賀「なら信管を外して撃てないの!?」

金剛「出撃状態では不可能デスよ!!!!!」

瑞鶴「んもう、何してるのよ!このままじゃ提督が!」

金剛「艦載機は出せないんデスか!?」

瑞鶴「全機撃ち尽くしてて給油すら終わってないのよ!」



提督「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」


憲兵A「おい…何をする気だまさか、おい!止めろ!!」

憲兵B「特攻っ…!?おい止まれ!止まってくれーっ!!!!」


吹雪「司令官、止めてください!!」

島風「やだよ、やだよっ!!」

加賀「提督っ!どうして!??どうしてこんな!!!!」

瑞鶴「ねぇ止まってよ!!行かないで!!」

夕立「やめてーーーーっ!!!」

睦月「死んじゃったらもう二度と会えないんですよ!!!?行かないでください!!」

大井「馬鹿なことは止めてよーっ!!!!」

球磨「こんなのあんまりじゃないっ!!!」

多摩「そんな哀しいことしないでよーっ!!!!!」

神通「私たちは何の為に戦ったんですか!!嫌です!!」

川内「提督、あたし達を置いていかないで!!」

那珂「司令官ーっ!!戻って!!やだーーーーーーーー!!!!!」


暁「やだよー、やめてよおおおお!!!」

雷「なんでよー!!!」

電「どうしてなんです!?行かないでー!!」

響「司令官…許して…許して下さい…!!!」

大淀「死なないって約束したじゃないですか!!どうして、どうしてっ!!!!」

木曾「そんなの、勝利って言えるかよ!!…お願い、戻って!!!!」

北上「嫌ぁあああああああああああああああああああああ!!!!」


提督「鎮守府万歳ーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」


ズン…

ドゴオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!


吹雪「司令官…司令官!!!!」

ロ級「」

提督「」プカプカ

提督「」シーン


金剛「…」

加賀「…」

瑞鶴「…」

北上「…」

大井「…」

球磨「…」

多摩「…」

木曾「…」

川内「…」


神通「…」

那珂「…」

吹雪「…」

島風「…」

睦月「…」

夕立「…」

暁「…」

雷「…」

電「…」

響「…」


まるゆ「????」


まるゆ「はっ」

まるゆ「い、急がないと!」スイーッ

まるゆ「提督、提督」バシャバシャ

まるゆ「ほら、立ってください。溺れちゃいますよ!」グッ

ザバァ

提督「」

提督「グ」

提督「…!」ゴボッ!ゲホゲホ

提督「…ぐふっ」

提督「お、俺は生きてるぞぉ…」ビショビショ


金剛「」

加賀「」

瑞鶴「」

北上「」

大井「」

球磨「」

多摩「」

木曾「」

川内「」

神通「」

那珂「」

吹雪「」


島風「」

睦月「」

夕立「」

暁「」

雷「」

電「」

響「」


吹雪「司令官が…生きてる!?」

金剛「ど、どういうことデス?震洋と一緒に四散したんじゃなかったノ???」

まるゆ「震洋じゃありません。あれは私と同じ陸軍のまるれです」

まるゆ「…まるれは、任意に爆雷を切り離すことができるんですよ」

金剛「マルレェ…!」

第六駆逐隊「キャー!!!!!」

睦月「よ、良かったよおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

夕立「も、もう…びっくりさせるにもほどがあるっぽい…」

島風「」ピクピク

瑞鶴「気絶してるんじゃないわよ…もう…!良かった…!」ユサユサ

加賀「」ガックンガックン


川内「寿命が縮んだよ…」

神通「私もです…」

那珂「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

球磨「クマー…」エグエグ

多摩「ニャー…」エグエグ

木曾「ったく…柄にもなく叫んじまったじゃねえか…」シクシク

大井「北上さん!北上さん!!」ボロボロ

北上「…特攻艇なんかじゃ、なかったんだね」フゥ…

おわり
もうそろそろ完結します
おやすみなさい

投下します。今夜で終わりです


その夜 鎮守府・祝勝会 艦娘寄宿寮



榛名「それでは、今次海戦の勝利を祝って!!カンパーイ!」

一同「カンパーイ!」

間宮「みなさん、どんどん召し上がってくださいね!」

提督「いやぁ、みんなよくやった!お疲れ様!ありがとう!!」

吹雪「提督の指揮命令のおかげです!」

加賀「それどころかまさか最終防衛線に提督がお加わりになっていたとは思いも
   よりませんでした」

瑞鶴「まったく、提督が最後にロ級に挺身したときは驚愕したわよ!!もう!!」

提督「い、いやぁ…」

源三さん「美味いのう、美味いのう」モシャモシャ

榛名「源三さん、そんなに急いで食べると体に障りますよ?」ハラハラ

提督「さすが大正生まれ…伊達じゃないですね…」


夕立「夕立より年上さんっぽい~」

睦月「睦月よりもだよ!」

島風「私よりも生まれがはや~い!」

吹雪「病院に連れて行ったはずじゃなかったんですか?」

榛名「打撲くらいしかないから帰っていいって言われたんです」

源三さん「ははは、榛名に乗って戦っとった頃のことを考えれば今日のあれ位
     なんでもないわ!」カッカッカッ

榛名「源三さん…///」

提督「恐れ入りました」

源三さん「でもアンタの挺身攻撃もすごかったのう。ニュース映像で見たが、
     実に必死の気迫じゃったのう。そして決死でないのがまた良かったのう」

源三さん「あれこそ本来あるべき大和魂じゃ」

提督「それを言うなら源三さんのは榛名魂じゃないですか?」

榛名「まあ///」


源三さん「うまいこと言うのう!提督さんがこれならはるなちゃんを安心して
     任せられるわ!」

源三さん「可愛い娘さんのお友達も多いしのう!はるなちゃんもそうじゃが、
     提督さんも果報者じゃ!!」

球磨「お爺さん、いいこと言うクマ!!」

多摩「その通りにゃ源三さん!ほらもう一杯!!」ヒック

源三さん「ほれ!」トクトク

提督「ちょ、ちょっとお前ら飲みすぎるなよ!」

源三さん「まぁ堅いことは抜きじゃよ!!!」ラッパノミ

榛名「源三さんってば…いい飲みっぷりです///」

提督「ああもぉ~!あんまりやりすぎないで下さいよ~!!!」

ハハハハハハ!


川内「それにしても、陸上の民間地域に被害がなくてよかったよ!」

神通「でも、司令部が破壊されてしまいました…」

那珂「本当ならこの祝勝会も司令官室にいろいろ持ち込んで騒ぎたかったのにねー!」

暁「ご、ごめんなさい…本当なら暁たちが阻止しなきゃいけなかったのに…」

電「暁ちゃん…」

川内「そんなことないって!責任は各防衛線の隊に同じだけあるんだから!」

神通「暁ちゃんは旗艦としてよく頑張りましたよ」ナデナデ

暁「そ、そうかしら?」エヘヘ

響「今後の課題は対空戦闘だね」

雷「中々当たらなかったわよね」

那珂「ん?那珂ちゃんのこと呼んだ~?」

電「聞き違いにも程があるのです」ペシ


響「暁、本当にお疲れ様」

暁「ひ、響…」

電「これからもお姉ちゃんとして私達をまとめて下さいなのです」

雷「ま、大変なら私に頼ってくれてもいいのよ?」

暁「な、何よ!暁が頼りにならないって言うの!?」プンスカ!

雷「たまにはそんなこともあるじゃない!」

暁「もっとお姉ちゃんを立てなさいよ!」

ギャーギャー

電「…」

神通「あらあら~」

響「電、今回は止めないんだね?いつもなら『はわわ、喧嘩はダメなのです~』って
  止めに入ってるのに」

川内「あ、微妙に似てる」

電「毎度毎度はさすがに疲れるのです」


響「お、おう…」

電「それに、こうして皆で騒げるのをまた見られるのはとても幸せなのですよ」

那珂「うん、そうだよね!」

神通「無事で帰れて良かったですね」

響「同意だね。ハラショ!」


憲兵A「俺らだってなあ…!これでも頑張ってるんだぞ!!」ヒック

提督「…」ウンウン

源三さん「ぐごぉぉぉぉおおおおお」zzz

榛名「源三さん、風邪ひきますよ?」ファサ

憲兵「それでも国民からは怖がられ、特高や果ては身内(兵科)からは疎まれてなぁ…!」ウダウダ

金剛「この憲兵さん酒癖悪すぎデース」

提督「気持ちは俺も良く分かりますよ」

提督「俺も海大出の連中からB助B助ってからかわれてましたし…」

大淀「お疲れ様です提督。大本営海軍部から感状が届きました!」スッ

提督「え、部長から!?」

榛名「え、本当ですか!?」

金剛「すごいデス!」

加賀「胸が高鳴ります」


大淀「味方の損害が過小だったのはもちろん、民間人にも一人として死者はおろか
   負傷者すら出さなかった提督の指揮ぶり、また提督自らの生還を期した挺身
   攻撃は非常に見事であるとのことでした。この件は陛下にも達せられ、大層
   お慶びで、今後も国民の盾となり一層努力奮励するようにとのことです」

榛名「光栄なことじゃないですか!」

加賀「実に名誉です」

提督「金剛、これコピーして鎮守府中に貼って」

金剛「自分でいうとは恥ずかしいデース」

大淀「あ、あと大本営陸軍部からも感状が来てます」

提督「え、陸軍部からも!?」

大淀「『今次戦闘ニテ“まるゆ”ノ敵旗艦撃破ノ功ハ、陸軍工廠ノ技術ノ優秀ナルモ
    サルコトナガラ、“まるゆ”ヲ指揮下トセル貴官ノ戦闘指導モマタ之ニ資ス
    モノデアル事ハ疑ヒナシ。良ク優レタル指揮ニヨリ“まるゆ”本来ノ技術力
    ヒイテハ陸軍ノ技術ノ精華ヲ証明サレタリ。感謝限リナシ』」

提督「お、おおお。今回は陸軍もやけに素直だな」

大淀「まだ続きがあります」


大淀「『コノ上ハ、貴官隷下ノ艦娘達ニモ拳銃実包ヲ配備サレル事ヲ切ニ
    願フモノナリ。要望アラバ装備ノ援助ヲ…』」

提督「…」アキレ

大淀「まったく、陸軍らしいですね…」

ハハハハハハ!

大淀「あ、あと破壊された司令部の再建は海軍省が面倒見てくれるそうですよ!」

提督「そうか!それはよかった!」ホッ

瑞鶴「何言ってるのよ提督、当然じゃない!私達はあれだけの敵から本土を守ったんだから!」

瑞鶴「さ、それよりも加賀さん!約束忘れてないわよね!」

加賀「」ギクッ


瑞鶴「今から演歌を披露してもらうんだからね!さあ浴衣に着替えて!」

加賀「あ、貴女もプリ○ュア歌うんでしょうね!?」

瑞鶴「か、覚悟はしてるわよ…貴女の浴衣見れるなら…」カァ

加賀「…」カァ

瑞鶴「さ、さあ準備に行くわよ!」

加賀「…ええ!」

金剛「おー!楽しみに待ってるデスよー!!」フリフリ

榛名「…」

提督「榛名?どうした?」

榛名「榛名、ひとつだけ分からないことがあります」

金剛「何がデス?」

榛名「どうして敵は鎮守府の戦力たる私達艦娘ではなく、ただ愚直に鎮守府を狙ったんでしょうか…」


提督「…」

提督「…妬ましかったんじゃないか?」

提督「俺は、そう感じたよ」

榛名「妬ましかった?何がです?」

提督「…束の間のひと時でも、みんなで楽しく騒ぎ合える我々の鎮守府が、だ」

榛名「…」

金剛「…」

キャーキャーー オオオオオ ユカタスガタノカガサンダー ズイカクサンモプリキュアコスデデテキタノデス! カワイイネー ヒック!

榛名「…なるほど。そうかも、知れませんね」

大井「何をしみったれた話してんのよ~?今夜は飲みなさいよ~」ヒック 

島風「大井さん、ペース早すぎ~!!」ヨイショ ドサッ

北上「大井っちは弱いなぁ~」

金剛「わ、ずいぶん飲んでマスね!」

北上「提督、冗談じゃなくてもうモーターボートには乗らないで。戦場にも出ないで」


北上「今日、危険な戦場をアレに乗って縦横に走り回る提督を見てて、私がどれだけ心を痛めた
   と思ってるの?」

提督「だってあれ特攻艇じゃないし、陸軍のマルレはちゃんと爆雷外せるしおすし…」

北上「そんなの私達が一見して分かるわけがないじゃない!もう、提督のバカ!」

大井「北上さんが言ってるのはそういう事じゃないって分からないの!?」ヒック

電「で、でもでも!提督が出撃してくれたおかげで、湾内の敵を掃討できたのです!」


暁「まったく、一人で指揮を執りながらあれほど戦いまわれるなんて…」

島風「呆れるほどに勇ましくて強いね~」

憲兵A「武人の鏡だ」ウンウン

金剛「もういっそ提督も艦娘になっちゃえばいいのデース!!!」

大淀「ぶふぉw」

吹雪「ちょ、ちょっと…ごめんなさい司令かんっはっはっは!!!!」ゴロゴロ

睦月「俺提督、出撃します!…みたいな?」キリッ

夕立「やwwめwwてww」ヒーヒー

提督「は…はは…」

ハハハハハハ!!!


波止場

ザパァアアアアン チャプ ザパーン

木曾「ふぅ…」

木曾「今日一日だけで、色んなことがあったぜ…」

まるゆ「木曾さん、本当にお疲れ様でした!」

木曾「お前もな!」

憲兵B「あ、二人ともここにいたのか」

まるゆ「憲兵さん!」

木曾「…おう。上官の人はどうしたんだ?」

憲兵B「本部長は酔うと面倒くさくなるから、中に置いてきた」テヘッ

木曾「憲兵さんも大変だな…」

憲兵B「いや、君らの苦労に比べれば、陸の上なんて…」

憲兵B「今日は君らが必死に戦ってるのを見て、胸は苦しくなるし歯がゆくなるしで
    どうにもたまらなかったよ」


憲兵B「僕らの町を守ってくれて、本当にありがとね」

木曾「…」ドキッ

木曾「…礼を言われるようなことじゃないぜ。あれが俺ら艦娘の仕事だもん」

木曾「司令部はやられちまったけど、今度は敵の本土空襲を防げて本っ当に良かったよ」

まるゆ「憲兵さんも、お疲れ様でした!」

木曾「ああ、避難誘導を頑張ってくれたしな」

憲兵B「いやそれでもほんと感謝しか出ないよ」

木曾「感謝と言えば、まるゆ、繰り返しにはなるがお前は感謝してもし切れないな」

木曾「あの時、俺を戦姫から助けてくれてありがとな」

まるゆ「そ、そんなに褒められることじゃないですよ」テレテレ

まるゆ「でも、本当に良かったです。木曾さんが帰ってきてくれて」

憲兵B「…」

まるゆ「あの時、いったい木曾さんになにがあったんですか?」

木曾「…」


木曾「お前が助けてくれなかったら…俺は俺じゃなくなってたかも」

木曾「…多分、もうみんなのところには戻ってこれなかったと思う」

木曾「ただ、さ…」

木曾「深海棲艦ってさ、ひょっとしたら俺たちとそんなに…」

まるゆ「?」

木曾「…いや、何でもない」

憲兵B「?」

木曾「ただ、俺らのことを愛してくれる人がいるからこそ、俺らの魂も救われてるんだよな…」

憲兵B「…」

まるゆ「…でも嬉しいです。またこうして木曾さんと一緒にいられるのと、
    巡洋艦の木曾さんをまるゆなんかが助けてあげられたのが」

木曾「お前じゃなきゃダメだったさ」


憲兵B「本当にありがとうな、まるゆちゃん」

まるゆ「いやぁそんな」テレテレ

木曾「ん?なんで憲兵さんがまるゆに礼を?」

憲兵B「そりゃ木曾を助けてくれたからさ」

憲兵B「…あ」

まるゆ「ぶふぉw」

木曾「…」

木曾「へっ、満更じゃねぇな!そんな冗談も嫌いじゃないぜ!」ヘン

まるゆ「…木曾さん」ジッ

木曾「…」

木曾「…俺は艦娘だぞ」

憲兵B「そりゃ知ってるさ。今日はその強さと美しさも十分に知った」

木曾「なら尚更だ。俺は提督の艦娘だ」

木曾「あの提督を越えられねぇ奴は相手にできねぇよ」

憲兵B「…そりゃ難題だなぁ」


まるゆ「でも憲兵さん、木曾さんが捕まった時に海に飛び込んで助けようとしてましたよ」

憲兵B「ちょっ…」

木曾「!…」

木曾「だいたい、俺のこと何歳だと思ってんだよ」

憲兵B「何歳って…せいぜい僕の妹くらいだろ?」

木曾「うわぁロリコンはっけーん!憲兵さんこいつでーす!!」キャハハ

憲兵B「ぁぁん!?どこだどこだ!?木曾とまるゆちゃんに手ぇ出す奴は逆さ吊りにしてやるぞ!」ハハハ

まるゆ「何なんですかこのノリは」

木曾「…俺なんか、鋼鉄の頃から数えりゃ94だぞ?熟女好きにも程があるぜ」

憲兵B「ロリコンだの熟女マニアだの言われて僕ぁ一体どうすればいいんだ」

木曾「…ま、いいんじゃね?」ヨリカカリ

ポス

憲兵B「!!」


まるゆ(良かったですね、憲兵さん!)

憲兵B(まるゆ、直接脳内に…!)

木曾「どうだよ、94歳の婆ちゃんとスキンシップすんのは」

憲兵B「…ああ、最高だよ」

憲兵B「でも少し汗っぽい香りがするな」

木曾「…ぁあ!?じゃあいいよ、あっち行くから」フイ

憲兵B「あ、いやむしろ好きだから!ごめん!」ガシ

木曾「ったく…一日中戦闘してたんだから当たり前だろーが。だいたい女子にそんなこと言うかよ」ポス

憲兵B「やっぱり女子なんじゃないか。何が94歳だよ。仕事帰りにグラマンに機銃掃射受けた
   ことのある僕の爺ちゃんと同い年じゃん」

木曾「え、お爺さん無事だったのか?」

憲兵B「無事じゃなかったら僕生まれてきてないし」

木曾「…」

憲兵B「…」


憲兵「月が、綺麗だね」

木曾「!」

まるゆ「え?でもちょっと雨雲がかかってきて…」

木曾「本当だな。ほんと、綺麗だよ」

憲兵B「ね」

まるゆ「…」

まるゆ「まるゆ、お腹いっぱいです!」フゥ


オボレソウナ カモメミツメ ナイテイマシタ~♪ キャー!カガサンサイコー!

金剛「あれ?提督は?」

榛名「そういえばさっき、花束を持って外に出て行かれてたような…」

金剛「??」


波止場

提督「…」

提督「やっぱりあの憲兵さん、工廠裏に呼び出さなきゃだな」ハハハ…

提督「さて」クル スタスタ

ザパァーン バシャ チャプ

提督「今回、司令部はぶっ壊されたが、町は無事で良かったな…」

提督「月が出てる…」

提督「でも小雨も降ってきたな」パラパラ

提督「月の雫か、それとも涙か…」


ザパーン…バシャ…ザパァアアアアン…

提督「…敵とはいえ」

提督「やはりこの海で誰かが消えていくのは本当に悲しいことだな」

提督「過去を背負い、生き続けなければならない…そう願っているあの艦娘達を、赦してくれ…」

提督「…そして安らかに眠ってくれよ」ブンッ

パシャッ




プカプカ キラッ

提督「…敬礼!」ザッ!






おわり


アニメから入って提督になったばかりなので知ってる艦娘が少なく、必然少ない艦娘しか
出せませんでしたごめんなさい

あと自分の爺さんは実際に先の大戦末期にP-51に機銃掃射を受けた94歳です

支援してくれた皆さんありがとうおやすみなさい

このSSまとめへのコメント

1 :  信府参議   2015年03月22日 (日) 00:39:45   ID: p6OTAJ0U

一応、一言。
「特高」の主な任務は、思想犯などの査察・内偵・取締りです。

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