シャルロッテ「恋とは何でありあますか?!」 (31)

グラブルSS

アンナ「お、お弁当を作るよカシマール……」
アンナ「お、お弁当を作るよカシマール……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425902982/)

の続きのようなもの。別に読んでなくても大丈夫。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425989621

―――騎空艇―――

団長「……また難しい質問してきやがったなぁ、オイ」

シャルロッテ「この前、ドロシー殿が言っていたのであります!」

団長「この前って、もしかしてアンナが俺に弁当作ってきた時か?」

シャルロッテ「自分は全く愉快だと思えないのに、ドロシー殿とマイシェラ殿は楽しそうにしていたのであります」

シャルロッテ「理由を尋ねてみれば、シャルが恋を知らないからだ、と言うのであります」

シャルロッテ「そこで団長殿に質問してみようかと思い……」

団長「……んー。恋っつーのはな?何というか……いつか勝手に知る物なんだよ」

シャルロッテ「いつか勝手に知る、でありますか」

団長「そうそう。だから焦んないでいーんだよ。お前はお前でさ」ワシャワシャ

シャルロッテ「わっ、わっ、や、止めて欲しいであります!」

団長「ん?嫌ならどけりゃいいだろ」

シャルロッテ「……もう、諦めたのであります。無理矢理どかそうとすれば、無理矢理防がれるし……どれだけ自分の頭を撫でたいのでありますか」

団長「シャルの髪は綺麗だし、触り心地がいいからなー」ナデナデ

シャルロッテ「……そう、でありますか?」

団長「おうともさ。ドロシーやマイシェラ、アンナやカタリナより綺麗なんじゃねぇか?何か特別な事でもしてんのか」

シャルロッテ「特には」

団長「それでこれとはなー。うちの女子連中に嫉妬されんぞ」モフモフ

シャルロッテ「……髪とは、戦いに必要なものでありますか?」

団長「あん?なんだよいきなり」

シャルロッテ「自分は、何度も何度も髪を切ろうとしたのであります。しかし、その度にみんなやリュミエールの聖騎士団員に止められ……」

シャルロッテ「いつの間にか、こんなにも長くなってしまったのであります」

団長「そりゃ止めるだろ。こんなに綺麗なんだから」サラサラ

シャルロッテ「く、くすぐったいでありますよ」

団長「とにかく俺としてはシャルに髪は切って欲しくないな」

シャルロッテ「……わかったのであります。団長殿の、命令ならば」

団長「命令じゃねぇよ。個人的な意見だから、切りたい時は切っていいんだぞ」

シャルロッテ「……」

団長「どうした」

シャルロッテ「命令、ではないのでありますね」

団長「おう」

シャルロッテ「では明日……髪を切るであります」

団長「急だな」

シャルロッテ「思い立ったが吉日、でありますから」

団長「お前がいいならそれでいいさ。ただ女子連中から何か言われるかもしれねぇが気にすんな?」

シャルロッテ「……」

団長「頑張れよ、シャル。それはきっと、お前にとっていい転機になるぜ」

シャルロッテ「そう、なるといいでありますね」

―――シャルの部屋―――

シャルロッテ「……っ」チョキン!

シャルロッテ「……ど、どうしてでありますか……また、髪から離れたところで……」

シャルロッテ「……ハサミに、異常はないのに……」

『シャルの髪は綺麗だし、触り心地がいいからなー』

シャルロッテ「……」

『とにかく俺としてはシャルに髪は切って欲しくないな』

シャルロッテ「……っ」

カシャン、と。

音を立ててハサミが床を転がる。

呪縛だ。

彼の話す全ての言葉は、自分への一種の呪縛。

今だってそう、

彼に髪を褒められてから、

まるで魔法で固められているかのように、手が動かない。

あの日から、ずっとそうだ。

彼から願われた事は、叶えずにはいられない。

―――過去―――

シャルロッテ「悪は許さないであります!」バッ

悪党A「な、なんだこのガキ!滅茶苦茶はええ上に強すぎだろ!!」

悪党B「早くこっち来い!もう少しで逃げ切れるぞ!!」

シャルロッテ「逃がさないのであります!」

団長「シャルロッテ!あまり深追いするな!」

シャルロッテ「わかっているであります!」ババッ

団長「わかってねーから言ってんだろうが!!」

ドロシー「ご、ご主人様!魔物に囲まれてます!」

団長「くそ、待ちやがれ、このっ!」ズバッ

マイシェラ「剣筋がブレておる!気持ちを真っ直ぐ持つのだ団長!」

団長「んな事言ったって!!」バシュッ

アンナ「だ、団長……大丈夫だよ……」

カシマール「シャルハ、ツエエカラナ!」

団長「そういう問題じゃねぇんだよ!嫌な予感が滅茶苦茶するんだ!これならルリアについてきてもらった方がよかったか!?」ズバッ

ドロシー「ご主人様の嫌な予感は、よく当たりますからねっ☆」

マイシェラ「……む?!」

団長「どうしたマイシェラ!?」

マイシェラ「これは……巨大な魔法の気配……?」

団長「ほれ見ろ言わんこっちゃねぇ!!」ダッ

アンナ「団長っ!?」

団長「ここは任せた!俺は先に行く!!」

ドロシー「ご主人様のご命令であれば!」


ドロシー「えへへ……ご主人様に命令されちゃった☆……だ・か・ら」デレデレ

ドロシー「クズ共が生きて帰れると思わないでくださいね★」ボッ

―――森―――

シャルロッテ「……行き止まり、でありますね」チャキ

悪党A「……へへへ」

シャルロッテ「何がおかしいのでありますか」

悪党B「お前、星晶獣って知ってっか」

シャルロッテ「……当たり前であります。それが何でありますか?」

悪党A「じゃあ……実際に相手した事はあるのかなぁ!!」

ゴゴゴゴゴ

シャルロッテ「っ!?」バッ

ゴーレム「オオオオオオオ!!」ゴシャア

シャルロッテ「そんな……何故こんな所に星晶獣がっ」

悪党A「俺達の仲間の魔力を全部つぎ込んだ人造星晶獣もどきだっ!」

悪党B「本物の星晶獣みてねぇな力はねぇが、お前みたいなガキ一人にはこれで十分なんだよ!」

シャルロッテ「……舐められたものでありますね」

シャルロッテ「自分はリュミエール聖騎士団団長、シャルロッテ・フェニヤであります!」

シャルロッテ「出来損ないの星晶獣如き、相手ではないのであります!!」シュバッ

ゴーレム「アァ……?」

シャルロッテ「はぁっ!!」ズバッ

ゴーレム「……ガァ」ボロボロ

シャルロッテ「なっ……体を自ら砂にして……!?」

ゴーレム「ア……」メギッゴギッ

シャルロッテ「やむをえないであります!ケーニシヒルト!!」

ゴーレム「アアアアアアアアア!!!」ガガガガガガ

シャルロッテ「っ!!」ガッゴッ

悪党A「出来損ないのゴーレムでも、やる時はやるじゃねぇか!!」

悪党B「おい、さっさと逃げるぞ」

悪党A「待てよ。もうちょっとあのガキがいたぶられてるのを見てからでもいいだろ……へへっ」

悪党B「……このロリコンが」

シャルロッテ「ぐっ、こっ、のっ!!」ズバッ

ゴーレム「ガァ?」ボロボロ

シャルロッテ「(キリがないであります……このままでは)」

ゴーレム「ガアアアアアア!!」ギュウッ

シャルロッテ「―――髪っ!?」

ゴーレム「ガ……」ギリギリ

シャルロッテ「ぐ……」

シャルロッテ「(髪が長いのは戦いでは不利だと分かっていたのに……!)」

ゴーレム「アッ!!」ブオン

シャルロッテ「(かくなる上は髪をっ……!)」チャキッ

団長「―――止めろ、シャル」ブオンッ

ゴーレム「ゴアッ」ボロボロ

シャルロッテ「わっ!?」ポイーッ

団長「よっ、と。大丈夫か、シャル」ダキッ

シャルロッテ「団長殿……」

団長「あんな下衆のために、お前の綺麗な髪を切る必要はねぇよ」

シャルロッテ「……」

団長「あと無茶しすぎなお前。流石に星晶獣見たら引けよ」

シャルロッテ「……騎士団長として、引けるはずがなかったのであります」

団長「そうかい」

ゴーレム「ゴオオオオ!!」メギッゴギッ

団長「関節がどこにあんのかわかんねぇくらい気持ち悪い動き方してんなお前」

ゴーレム「アアッ!!」ブオンッ

団長「ま、そんなお前にはとっておきを見せてやるよ」キィン

団長「来い、セイレーン!」

セイレーン「~♪……またお前か」

団長「いやいや。だって俺の手持ちの中で最強なのよ?お前」

セイレーン「そう言われると悪い気はしないが、こうも毎回毎回呼び出されてはな」

団長「いいじゃねぇか。それだけ気に入ってるって事だ」

セイレーン「ふむ、そうか。ならばよい」

団長「さてセイレーン。あの出来損ないに、本物の星晶獣の力ってやつを見せてやれよ」

セイレーン「仕方ないな……ではしっかりと、目と【耳】で味わうがいい」

そして彼女は歌う。

その歌声は、全てを魅了する聖歌であり、

そして同時に、全てを破壊する悪魔の詩。

千里に響く歌声は、聞く者の精神を破壊する。

吹きすさぶ風は、歌声を聞いた者を引き裂いてゆく。

そう、彼女が歌った後、その場所には

何も残らない。

シャルロッテ「……」

団長「これが星晶獣ってやつだよ。シャル」

シャルロッテ「……」

団長「すげぇだろ。それに、滅茶苦茶だ」

団長「いざ仲間になってくれると頼もしいが、敵として出てこられると、さすがの俺でも死が頭を掠めるな」

シャルロッテ「……団長殿は」

団長「ん?」

シャルロッテ「怖くなかったで、ありますか。あのゴーレムを相手にして」

団長「全然」

シャルロッテ「……そうでありますか。自分は、あの化け物に恐怖を覚えてしまったであります」

シャルロッテ「そんな弱い自分が恥ずかしい……」

団長「いや、俺も怖かったぜ?」

シャルロッテ「星晶獣は怖くなかった、と言っていたでありますが?」

団長「シャルが傷つけられてんじゃねぇかと思ったら、これ以上ないくらい怖かったな」

シャルロッテ「……」

団長「んだよその顔」

シャルロッテ「いえ……どうして自分の心配なんか」

団長「はぁ?当たり前だろうが」

団長「お前は俺の中で、大切な女性の中の一人だからな。そんな人が傷つけられるのは、怖いし、許せねぇ」

シャルロッテ「……」

団長「なぁ、シャル。今度から、無理に深追いをするのをやめてくれ」

団長「今日みたいな事は、もう経験したくない。……失いたくないんだ。仲間を」

シャルロッテ「……わかったで、あります」

―――バウタオーダの部屋―――

シャルロッテ「その日から……どうしても、彼のお願いは、叶えたくなってしまうのであります」

シャルロッテ「思えばあの日も、自分の髪を褒めていたでありますな。団長殿は」

バウタオーダ「……」

シャルロッテ「どうしたでありますか」

バウタオーダ「いえ……いきなり部屋に来て、そのような話をされるとは思っていませんでしたので……」

シャルロッテ「そこでバウタオーダ殿に質問なのであります」

バウタオーダ「質問、ですか。分かりました。騎士団長のご質問とあれば、私に答えられない事も、答えましょう」

シャルロッテ「いや、答えられないものは答えなくていいでありますが……ずばり、恋とは何でありますか?」

バウタオーダ「先ほどの話から何がどうしてその質問に繋がったのでしょう」

シャルロッテ「実は、マイシェラ殿から聞いたのであります」

シャルロッテ「恋をすると、女の子はか弱くなってしまう……と!」

シャルロッテ「そこで思ったのであります。もしかしたら、自分は恋をしてしまったのではないかと!」

シャルロッテ「そしてアンナ殿からも、とても大切な思い出があると、恋を知りやすいというので、先ほどの話をしたのであります」

バウタオーダ「……なる、ほど」

バウタオーダ「(皆さん、逃げましたね)」

シャルロッテ「自分の大切な思い出も団長の事、そして現に自分は団長のお願いを叶えてしまいたいと思うほど弱くなっている」

シャルロッテ「そこから思うに、自分は団長に恋をしているのだと思うのでありますが……まずそこは間違いないでありますか!?」

バウタオーダ「……ええ。騎士団長は、恋をしているのだと思いますよ」

シャルロッテ「そこで先ほどの質問が出てくるのであります。恋とは何でありますか、と!」

シャルロッテ「自分は恋というものを、自分がしているのによく知らないであります」

シャルロッテ「なので今度はみんなから、恋とは何かを聞いてみたいのであります!」

バウタオーダ「……そうですか。わかりました。お答えしましょう」

シャルロッテ「おお!流石バウタオーダ殿であります!さて、恋とは!?」

バウタオーダ「……その人と、ずっと一緒にいたいと思う事かと、私は思います」

シャルロッテ「……その人と、ずっと一緒にいたい、でありますか」

バウタオーダ「はい。私がわかるのは、そのぐらいです」

シャルロッテ「なるほど……ありがとうなのであります!バウタオーダ殿!」

バウタオーダ「いえ、お役に立てれば何よりです」

シャルロッテ「確かに団長殿とはずっと一緒にいたいでありますな!」

バウタオーダ「……そ、そう、ですか」

シャルロッテ「では自分はこれで!失礼したであります!……次はアンナでありますね!」ギィィ

バウタオーダ「……」

バウタオーダ「……これで、よかったんでしょうか」

―――翌日―――

シャルロッテ「団長殿!」

団長「おう、なんだ?」

シャルロッテ「自分は……」

シャルロッテ「団長殿と(仲間として)ずっとに一緒にいたいと思っていて!」

シャルロッテ「団長殿といると(戦いが耐えない意味で)ドキドキして!」

シャルロッテ「団長殿と(正規の騎士団員としての)契りを結びたいと思っており!」

シャルロッテ「そして……団長殿の事を(尊敬しているという意味で)好きであります!」

シャルロッテ「……つまり、自分、シャルロッテ・フェニヤは!」

シャルロッテ「団長殿に、恋をしているであります!」

団長「……」

シャルロッテ「ど、どうでありますか」

団長「あー!シャルは可愛いなぁ!もう!!」ギュウー

シャルロッテ「ど、どうして抱きつくでありますか!だ、団長殿ー!?」


おわり

ほんとにシャルは可愛いなぁ!

チケットから出てきたセイレーンさんとバウタオーダさんも新たに交えてのお話でした。

では、ありがとうございました。

今更ながらタイトルミスに気付くアホ。

もちろん

シャルロッテ「恋とは何でありますか?!」が正しいです

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom