【ミリオンライブ】所恵美「3月9日」 (16)

 拝啓、プロデューサー様。
 あらためてこうやって手紙を書くのは恥ずかしいけれど、せっかくの節目ということなので今こうして筆をとっています。
 すべてが終わったあとに、読んでくれると嬉しいです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425865445

 プロデューサーと出会って、ずいぶん長い時間がたったように思います。
 3月にプロデューサーに知り合って、色んな夢を叶えて。今では、アタシを目標にしてくれるような子もできて。
 本当に、幸せだなって思います。

 この手紙が届く頃には、もう春になってるんでしょうね。
 プロデューサーは春が好きでしたね。この季節になると必ず出るあなたの大きなあくびを見ると、季節が変わったことを実感します。
 アタシに見られると少し恥ずかしそうに笑うプロデューサーを見るたびに、アイドルになった時のことを思い出します。
 今まで知らなかった新しい世界、アタシはそこで仲間って言葉の意味を知りました。

 仕事で辛い時、リラックスするために瞳を閉じて心を落ち着けています。
 その時に必ず浮かんでくるのが、プロデューサーや琴葉、エレナ、志保、千早、環、海美、美也、みんなの顔なんです。
 あなたと出会い、アイドルになって、アタシはたくさんの宝物をあなたからもらいました。
 アタシを信じてくれたあなたの期待に応えたい。そう思うことで、どんな仕事でも耐えることができました。
 あなたにとって、アタシもそんな……あなたが誇れるようなアイドルになっていれたら嬉しいです。

 プロデューサーの事務を手伝うようになって、事務所で寝泊りすることも増えましたね。
 事務所の洗濯機で洗った服を干してる時に、砂埃混じりの風に選択途中の服を汚されることにも慣れてきました。
 事務所裏の洗濯物干場、ビルとビルの隙間から空を見上げるとそんな些細なことどうでもよくなってしまいますね。
 こういう小さな幸せを、これからもプロデューサーと分かち合えるのなら、それ以上に幸せなことはありません。

 なんだか思いのほか長くなったのでこの辺で筆をおこうと思います。
 プロデューサー……これからアイドルをやめるアタシがあなたをこう呼ぶのはおかしいですが、これだけ言わせてください。
 これからも……あなたの奥さんとして、アタシの人生のプロデュースをよろしくお願いします。


 P.S この手紙は式の後に読んでくださいね?

終わり。3月9日といえばレミオロメンしか浮かばなかった

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