P「よくわからない事になった」 (46)


~765プロ事務所~


P「………始ま~りは~どん~な~に~小さくったって~♪」カタカタッ

P「いつか~嵐に~変われるだろ~♪」カタカタッ



P「…………っと」タンッ



P「……さて」チラ

P「もう昼か」

P「昼飯でも買って来るかな」

P「音無さーん、何が食べたいですかー?」

P「……って、そうだ。音無さんは今日休みだっけか」

P「律子は竜宮小町を連れて出てるし、社長は出張中……」

P「一応真がいるんだけど、よっぽど疲れてるのか、グッスリ寝ちゃってるんだよなぁ」チラ

真「……zzz」

P「おーい、真~。昼飯買って来るけど何かいるかー?」

真「……zzz」

P「起きる気配はないな」

P「はぁ…………寂しい」

P「………ローソンでも行ってくるか」ガタッ



ガチャッ



「……おはようございま……」

「って、うわわわぁっ!」



ドンガラガッシャーン!






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P「だ、大丈夫か!?」



響「あ、あはは……また転んじゃいました……」



P「あ、あれ?響……?てっきり春香が来たんだと思ってたんだけど……」

響「へ?何言ってるんですか?私、春香ですけど?」

P「………」

P「……本当に大丈夫か?さっき転んだ時に頭でも打ったんじゃないか?」

響「ひ、ひどいですよぅ、プロデューサーさんっ!自分の担当アイドルの事、忘れちゃったんですか!?」

P「いや、どっからどう見ても響だろ。……なんだ、新しい遊びでも始めたのか?」

響「あ、そっか……」チラ

響「この姿じゃ、仕方ないよね」

響「あの、プロデューサーさん。驚かないで聞いて欲しいんですけど……」





P「……身体が入れ替わった!?」

響「はい。朝起きたら、響ちゃんの身体になってたんです」

P「んなバカな……。っていうか、ホントに春香なのか?」

響「まあ、信じられないですよねぇ、こんなの」

響「あ、そうだ」ゴソゴソ

響「はいっ。クッキー焼いて来ました!どうぞ!」スッ

P「おお、なんか春香っぽいな」

P「……いやでも、響も料理は上手だし、お菓子くらいは……」ブツブツ

響「も〜、食べないんですか?それなら他のみんなに……」

P「他のみんなはまだ来てないよ」

P「真は来てるけど、寝てるからそっとしておいてやれ」チラ

真「……zzz」

響「そうなんですか……」

P「あれ?そういえば、響の中身が春香って事は、春香の中身は誰なんだろう?」

響「あ〜、誰なんでしょうねぇ?ちょっと気になりますね」



ガチャッ





あずさ「おはようございます」

P「あ、あずささんおはようございます。今日は迷わずに事務所まで来れたんですね?」

あずさ「迷う……?プロデューサー、何を言っているんですか?私は事務所までの道で迷った事なんてないですけれど……?」

P「あれ……?」

響「プロデューサーさん、これはもしかして……」

P「また入れ替わり……か?」

あずさ「……あら、我那覇さんも来ていたのね。おはよう」

響「あ、えっと、私は響ちゃんじゃなくて……」

P「その呼び方……もしかして、千早か?」

あずさ「はい。私もよくわからないんですが、今朝起きたらあずささんの姿に………くっ」ドタプン

P「そうだったのか……」

P(胸が大きくなって良かったな……とは言わないでおくか)



あずさ「……じゃあ、あなたは我那覇さんではなく、春香なの?」

響「うん。千早ちゃんと同じで、今朝起きたら響ちゃんになってて……」

あずさ「一体、何が起こったのかしら……」



P「………あっ!」



響「どうしたんですか、プロデューサーさん?」

P「律子は今日、竜宮小町を連れてTV収録に行ってる。今ここにあずささんと入れ替わった千早がいるという事は……!」

あずさ「私の姿をしたあずささんが、律子と一緒にいる……?」

響「そ、それってマズくないですか!?」

P「あずささん……じゃなかった、千早、一緒に来てくれ!」

あずさ「はい、わかりました。律子のところへ行くんですね?」

P「ああ!」

P「事務所を空にする訳にはいかないから、ひび……春香は留守番を頼む!」

響「は、はいっ!」



ガチャッ…タタタタ…




千早「……おはよーございまーすっ!」

響「……あ、千早ちゃんおはよー」

響「って、あれ?千早ちゃんは律子さんのところに向かったはずじゃ……?」

響「ああ、違う。律子さんのところに行ったのは、あずささんの姿をした千早ちゃんで……ああ!頭がこんがらがってきちゃった」

千早「響さんおはようございます!」

響「あ、私は響ちゃんじゃなくて春香なんだよ」

千早「え?そーなんですか?」

響「……『響さん』って呼ぶって事は、ひょっとして、やよい?」

千早「はい!わたしもよくわからないんですけど千早さんになっちゃってて……うぅ」

響「そっか……」

響(……あれ?あずささんの中身が千早ちゃんだったから、千早ちゃんの中身はあずささんだと思ったんだけど……)

響(もしかして、みんなごちゃ混ぜになっちゃってるんじゃ……)




〜TV局〜


律子「……本当に、あなたは美希じゃなくて伊織なの?」

美希「さっきから言ってるでしょ!私だってワケがわからないのよ」

伊織「ま〜ま〜、ミキミキ……じゃなかった、いおりん。ちょっと落ち着きなよ〜」

亜美「そうよ〜。焦ってもいい事ないわ〜」

美希「これが落ち着いていられるワケないでしょ!」

律子「えーと、それで……伊織の中身が亜美で、亜美の中身があずささんなのね?」

亜美「は〜い。そうですよ〜」

伊織「んっふっふ〜!スーパーアイドル亜美だよ〜ん!」

美希「人の決め台詞を取らないでちょうだい!」

亜美「2人とも、ケンカしちゃダメよ〜?」

律子「困ったわ……竜宮小町のメンバーはいるはずなのに」

律子「それに、収録が始まるまで時間も無いわよね……」

律子「とりあえず、ディレクターさんに相談しないと……」



タタタタ…



P「律子ーーーっ!」



律子「プロデューサー殿!?」





P「はぁ、はぁ………あずささんを連れて来たんだ」

律子「本当ですか!?」

P「まあ、中身は千早なんだけどな……」

あずさ「律子、よろしくね」

律子「ありがとうございます!困ってたんですよ」

P「あとのメンバーは揃ってるのか?」

律子「はい。一応は……」

律子「亜美、センターお願い出来る?」

伊織「ヨユーっしょ!みんなでたくさん練習したから、いおりんのパートもおぼえちったもんね!」

律子「あずささんは?」

亜美「ええと、私は亜美ちゃんのパートですね?わかりました〜」

律子「お願いします。……千早?」クルッ

あずさ「竜宮小町の歌なら大丈夫。でも、ダンスは……正直、あまり自信が無いわ」

律子「あなたは今日は動かなくていいわ」

あずさ「え?でも……」

律子「大丈夫。ダンスは2人がフォローしてくれるから」

伊織「亜美達に任せてよ、千早お姉ちゃん!」

亜美「私も、千早ちゃんの分まで頑張るわ〜」

あずさ「よろしくお願いします」ペコリ

美希「………」



P(亜美とあずささんも、入れ替わってはいるが一応いるのか。これならなんとかなりそうだな)





律子「さあ……行って来なさい!」

伊織「らじゃっ!」

亜美「は〜い」

あずさ「ええ」




美希「………」

ポンッ

P「思うところはあるかもしれないけど、今日のところは帰ろう」ナデナデ

美希「っ……ちょ、ちょっと!気安く触らないでっ!」バッ

P「あ、ああ……すまん」

P(そうだ。見た目は美希だけど、中身は伊織なんだった)



美希「………あんた達、頑張りなさいよね」ボソッ

P「……ん?何か言ったか?」

美希「な、なんでもないわ!……ほら、帰るんでしょ?さっさと行くわよっ!」

スタスタ…

P「お、おい、ちょっと待ってくれよ伊織!」




〜車内〜


ブロロロ…


美希「………」

P「………」

美希「………」グッ

P「…………歯がゆいか?」

美希「………まあね。でも、今さら仕方ない事よね……」

P「なんだか妙な事になっちゃったな」

美希「そう、ね……」

P「大丈夫。きっと元に戻れるさ」

美希「また、根拠の無い事を……」

P「まあ、そうだけどさ。こういうのは気の持ちようでどうにかなるもんだって」

美希「はぁ……あんたは気楽でいいわねぇ……」

P「そ、そんな事ないぞ?これでもみんなの事心配して……」

美希「………じゃあ、撫でても、いいわよ?」

P「………へっ?」

美希「ほ、ほら!さっきはちょっとびっくりしちゃったから……」

P「ああ、そういう事か」ナデナデ

美希「っ………///」

P「……どうした?顔、赤くなってるぞ?」ナデナデ

美希「う、うっさいわね!ちゃんと前見て運転しなさいよ!」カァァ

P「へいへい」

P(美希の声でこういう事言われるの、なんか新鮮だなぁ)




〜765プロ事務所〜


ガチャッ



P「……ただいまー」



千早「このクッキー、とーってもおいしいですー!」モグモグ

春香「うんうん!さっすがはるるん、デキるオンナですな〜」モグモグ

響「えへへ……そんな事ないよぅ」テレテレ

貴音「春香は今は自分の身体だからな。自分と春香の料理スキルが合わさって、きっとプロのパティシエ並になったんだと思うぞ!」モグモグ

貴音「なんたって自分、完璧だからなっ!」ドヤァ

春香「ひびきん、お姫ちんはそんな事言わないよ〜?」

貴音「あ、そっか。じゃあ、えっと……」

貴音「自分、面妖だからなっ!」ドヤァ

やよい「……『面妖』の使い方を間違えていますよ、響」モグモグ

真美「みんな、お茶が入ったよぉ」

雪歩「あ、ごめんね、雪歩。そういう事は、ボクがやった方が良かったかな?」

真美「えへへ。大丈夫だよ、真ちゃん。私が好きでやってる事だし……」

春香「う〜ん、やっぱ真美はいい子ですな〜」

千早「え?でも、中身は雪歩さんだよね?」

春香「わ、わかってるよ、やよいっち〜」

真「んん〜……なんだかいい匂いがするの〜……」ムクッ

響「あ、起きた。ちゃんと美希の分もあるからおいで」

真「は〜いなの」





美希「なんか……混沌としてるわね」

P「ホントだな……。誰が誰か把握するのが大変そうだ」

P(っていうか、真の中身は美希だったのか。だからずっと寝てたんだな)




P「みんな、ただいま」

響「あ、お帰りなさい、プロデューサーさん!」

響「竜宮小町、どうでした?」

P「大丈夫。なんとかなりそうだ」

響「よかったぁ!」

響「プロデューサーさん達が出て行った後に、みんなが来たんですよ」

P「……みたいだな」

P「それにしても、やっぱりみんな中身が違うのか?」

響「はい。そうみたいです」

千早「プロデューサー、おはようございまーす!」

春香「兄ちゃん、おは〜!」

貴音「はいさーい!」

やよい「おはようございます。ぷろでゅうさぁ殿」

雪歩「おっはようございまーす!」

真美「プロデューサー、お茶どうぞ」スッ

真「ハニー!」ダキッ

ベキベキッ!

P「痛って!真、じゃなくて美希、ちょっと強いって……!」



美希「……なんか、自分もこの混沌の一員だと思うと、頭痛くなってきたわ……」

P「痛てて……あまり気にしない方がいいと思うぞ」




P「みんな。ちょっと聞いてくれ」

P「おかしな事になってしまったが、仕事はそのままやってもらいたいんだ」

P「ファンのみんなや業界の人達は、お前達の中身が入れ替わったなんて知らないし、予定を今からキャンセルなんてできないからな」

P「みんなには負担をかける事になってしまうが、よろしく頼む」



美希「ま、そうなるわよね。竜宮もそうだったわけだし」

響「えーと、それは……今の身体で仕事をするっていう事ですよね?」

P「そうだ。春香だったら、響の仕事をする事になるな」

響「私が、響ちゃんの……」

貴音「じゃあ、自分の場合は貴音の仕事をやる事になるのかー」

やよい「それに加え、各々今の身体のきゃらを演じねばならない、という事ですね?」

P「うん。出来る範囲でお願いしたい」

雪歩「そっかぁ。見てる人達にバレない様に、って事ですね?」

真「ふーん……なんかめんどくさそうなの」

真美「うぅ……私なんかに出来るかなぁ……?」

千早「なんだかむずかしそうですねー」

春香「そんなのラクショーっしょ!真美の場合は、とりあえずコケればいいんだよね?」

響「ちょ、ちょっと真美!私をなんだと思ってるのっ!?」プンスカ

春香「あはは、ジョーダンだってば〜!」




P「よーし、じゃあ今日の予定を発表するぞー」

P「やよいは『お料理さしすせそ』の収録な」

千早「はいっ!」

やよい「……やよい。今はあなたではなく、わたくしの事かと思いますよ」

千早「あ……そ、そうでしたー!」

千早「うー、思ったよりややこしいですー」

P「あー、今のは俺の言い方が悪かったかも」

P「えーと、その『やよい』は……今日はスタジオでレコーディングだ」

千早「あの、私の事ですよね?」

P「ああ。よろしくな」

千早「はい!がんばります!」

P「……で、真と雪歩が、ラジオの収録な」

雪歩「はーい!」

真「……あふぅ」

真美「あの、美希ちゃん?」

真「ん?なぁに?」

真美「ラジオの収録だって」

真「………………あ、そっか。ミキは今、真クンだったっけ」

P「真……美希がこんな調子だから、よろしく頼むな」

雪歩「まっかせてください!」



P「後は……伊織。グラビア撮影だ」

美希「にひひっ♪美希よりも完璧にこなしてやるわっ!」

真「あは☆デコちゃん、よろしくお願いしますなの!」

美希「デコちゃん言うな!」



響「そういえば、今はデコちゃんじゃないんだね」ヒソヒソ

貴音「あ……ホントだぞ」ヒソヒソ



春香「ねえねえ兄ちゃん。真美達は〜?」

P「残りの面子は………今日はダンスレッスンだ」

真美(良かったぁ……)

春香「む〜。真美達だけパッとしないカンジ〜」

響「仕方ないよ。レッスン頑張ろ?」

貴音「よーし、やるぞー!」



P「外出組は気をつけて行くんだぞー。後から見に行くからなー」

千早「はーい!」

美希「やよい。私と同じ局よね?一緒に行きましょ」

千早「うんっ!」ギュッ

雪歩「貴音はボク達と一緒の局だよね?」

やよい「ええ。共に参りましょう」




〜ダンススタジオ〜


先生「ワン、ツー、スリー、フォー……」



キュッキュッ…



P(なんでこんな事になったのかなぁ。常識的に考えてあり得ないよな)

P(身体が入れ替わるとか、小説や映画の世界じゃないかよ……)



先生「……我那覇さん。今日はどうしたの?なんだか調子が悪そうねぇ」

貴音「えっ?そんな事ないぞ!」

先生「四条さん。あなたじゃなくて、我那覇さんの事なんだけど」

貴音「あっ………」

響(あ、私が響ちゃんなんだった……!)

響「だ、大丈夫です!ちょっとだけ風邪気味なだけですから」

先生「そう?あまり無理はしないようにね?」

響「は、はい」

貴音(春香、ごめん……)

真美(響ちゃん。ヒヤヒヤしたよぉ……)

春香(こりゃ〜、明日タラバガニってヤツだね〜)

真美(真美ちゃん。それを言うなら『明日は我が身』じゃないかな……)




P(…………待てよ?)

P(『身体が入れ替わった』っていう物的証拠は何ひとつ無いよな……)

P(本当は入れ替わりなんか起きてなくて、あいつらが演技してるだけとか……?)



先生「………はい。ちょっと休憩にしましょう」

4人「ふぅ〜………」



P(……いやいや、そんな事するメリットが見つからない)



響「プロデューサーさんっ」



P(それに、俺があいつらを信じてやらなくてどうするんだ)



貴音「プロデューサー?」



P(俺はあいつらのプロデューサーじゃないか)



春香「兄ちゃんがシカトした〜!」

春香「こうなったら、くすぐりの刑だ〜」ワキワキ



P(なんでこうなったのかはわからないけど、とりあえず仕事の時だけでも各々のキャラに慣れてもらわひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」

P「ひひひ!く、くすぐったい!ちょ、だめ……!」ジタバタ

春香「兄ちゃんがシカトするのが悪いっしょ〜!」コショコショ

P「わ、悪かったからっ……や、やめっ……!」

真美「ま、真美ちゃん。そろそろやめてあげた方が……」



P「真美……もうちょい手加減してくれよ……」ゲッソリ

春香「てへっ、やりすぎちった☆」ペロ



響「プロデューサーさん、私達の事、ちゃんと見ててくれました?」

P「あ……ごめん。ちょっと考え事してて……」

春香「も〜!兄ちゃん、なんのタメに真美達と一緒に来たのさ〜!」

P「いや、すまん」

真美「あの、プロデューサー」

真美「さっき、ちょっと危なかったんです」

P「えっ?」

響「『我那覇さん』って先生が呼んだら、響ちゃんが反応しちゃって……」

春香「いや〜、ちょっとドキドキしたよね〜」

貴音「うぅ、面目ないぞ……」シュン

P「んー……仕方ないだろそれは。まだ慣れてないんだし。響、あんまり気にするな」

P「でも、次からは気をつけてくれよ?」

貴音「うん、わかった!」

P(……そうだ。自分の名前に反応しちゃいけないんだ……)

P(春香達は4人でフォローし合えるからいいけど、外出組が心配だ……)



P「……みんな、後はよろしく」

響「えっ?プロデューサーさん?」

P「俺は、他のメンバーの様子見てくる!」





〜レコーディングスタジオ〜



千早「……ずぅとねむぅてい〜られ〜たら♪このかなしみをわ〜すれ〜られりゅ♪」

千早「そうね〜がい♪ねむ〜りに〜ついた、よるもある♪」



スタッフ「………」



ガチャッ



P「……お疲れ様です!」



スタッフ「……ああ、765さん、お疲れ様」

P「やよ……千早はどうですか?」

スタッフ「うーん……」チラ



千早「……あ〜れは、はかないゆめ〜そう♪」



スタッフ「……千早ちゃん、何かあった?」

スタッフ「今日は、なんだかいつもと雰囲気が違う気がするんだよねぇ」

P「は、はは……」

P(やっぱわかるよなぁ……。なんとかフォローしないと……)




P「すみません。今日は千早の方がどうも体調が悪いみたいで……」

スタッフ「え?千早ちゃん、具合悪いの?今日はすごい元気みたいだけど?」

P「そ、そうですか……」

P(……そうだ。中身はやよいだった)

P「ええと、体調というか、精神面というか……」

P「とにかく、いつもと違うのは確かなんですが……」



P「もしかしたら、今日良い結果を出すのは難しいかもしれません」

P「こんな事を言うのもなんですが、もしそちらさえ良ければ、レコーディングの日程を少し調整し直す方向で……」




スタッフ「なーに言ってんの!むしろ、新しくていいよ!」

P「………え?」

スタッフ「今までの千早ちゃんの歌ってさ、儚さとか悲壮感とか、言い方は悪いけど、マイナス方向のシンパシーを呼ぶ事が多かった感じだったんだけどさ」

スタッフ「今日の千早ちゃんは、なんか前向きというか、初々しいというか……こんな魅せ方も出来るんだなー、って俺達も驚いているんだよ!」

P「は、はぁ……」

スタッフ「時間も勿体無いし、このまま行こう!」

P「あ、ありがとうございます」

P(いいのかなぁ。確かに、今までの千早のイメージを覆す新しい出来にはなりそうだけど)チラ



千早「……ね〜むり〜ひめ〜♪めざめる〜わ〜た〜しは〜いま〜♪」



P(すごく楽しそうに歌ってる。さすがやよいだ)

P(うーん……先方も喜んでくれてるみたいだし、とりあえずこちらからは口は出さない方向で行ってみるかな)



千早「……あ、プロデューサー!来てくれたんですかぁ?」

P「お疲れ、やよい。……はい、差し入れだ」スッ

千早「わあ、ありがとうございまーす!」



P「調子はどうだ?」

千早「はい……わたしなりにがんばってみたんですけど……」

千早「うぅ……やっぱり、千早さんみたいにはいかないかなーって」

P「まあ、いきなりだもんな。それは仕方ないよ」

P「でも、スタッフの人も褒めてたぞ?元気があっていいって」

P「俺も、やよいの歌を聞いてて新鮮だったよ」

千早「ホントですかー!?えへへ、うれしいかもです!」

P「この調子で頑張ってな!」ナデナデ

千早「はわわっ……ぷ、プロデューサー……///」



P「……じゃあ、そろそろ他の子達の様子を見に行かないといけないから……」

P「1人で大丈夫か?」

千早「はい!がんばりまーっす!」



〜撮影スタジオ〜


パシャッパシャッ…


カメラマン「……美希ちゃーん、今日はちょっと大人しめだね?」

美希「え?そ、そうですか?」

カメラマン「うん。いつもはもっと大胆な感じなのに。……もしかして、男でも出来た?」ニヤニヤ

美希「そ、そんなわけないじゃないですか〜!」

美希(もう!何よこの下品なカメラマンはっ!ウザいったらないわ!)

美希(それに、この水着……)チラ

美希(なんでこんなに生地が少ないのよ……!)

美希(こんなの、はしたな過ぎてポーズなんか取れるワケないじゃない!)



カメラマン「じゃあ、今度はもっと大胆なポーズいってみようか!」

美希「えっ!?」

カメラマン「ほら、もうちょい足開いて?」

美希「ばっ……!そ、そんなのっ……///」モジモジ

カメラマン「おおっ!恥らう感じもいいねえ!それいただき!」パシャパシャッ

美希「〜〜〜っ///」



美希「はぁぁぁ………やっと終わったわ……」グッタリ



P「お疲れ、伊織」

美希「あんた、何してたのよ!遅いじゃない!めちゃくちゃセクハラされたんだから!」

P「ええっ!?ま、まさか、身体を触られたりしたのかっ!?」

P「あの野郎、ウチの大切なアイドルに手ぇ出しやがって……!」

美希「ちょ、ちょっと待って!」グイッ

美希「べ、別に身体を触られたりしたんじゃないの!」

美希「ただ、言葉のセクハラがひどくて……」

P「えっ……?」

P「なんだ、そんな事かぁ。びっくりさせるなよ……」

美希「そんな事!?私がどれだけ恥ずかしかったか……!」

P「………ごめんな」ナデナデ

美希「あ………」

P「1人で心細かったよな」

美希「べ、別にそういうワケじゃ……!」プイッ



P「……でもな?こういうグラビア撮影ってさ、言葉のセクハラはある意味付きものみたいなものなんだよ」

美希「ホントに……?」

P「カメラマンは、被写体である女性の魅力を最大限に引き出し、それを写真に収めなければならない」

P「その手段のひとつとして、そういう言葉が使われる事があるんだ」

P「モデルの色気を比較的簡単に引き出せるのが、『そういう言葉』なんだってさ」

美希「………」

P「まあ、人によってはそれを不快に感じたりするかもしれないけどな」

P「でも、美希はいつもそういうの、上手い事受け流してるぞ?」

美希「そう、なんだ……」

P「でもまあ、伊織は伊織のやり方でやればいいんじゃないかな?別に美希に張り合う事はないんだから」

美希「………」



P「……ほら、ジュース」スッ

美希「………」ジー

美希「……オレンジ?」

P「ああ」

美希「果汁は?」

P「もちろん、100%だよ」

美希「うん……もらうわ」パシ



美希「………よしっ」

美希「ありがと、プロデューサー。ちょっとやる気出たわ」ニコッ

美希「ここからは、この伊織ちゃんの魅力で、あのカメラマンをメロメロにしてやるんだからっ!」

P「ああ!期待してるぞ!」



P「それにしても……」ジー

美希「?」

P「その水着、ちょっとエロいな……」

美希「っ………///」

美希「このっ!変態!ド変態!変態大人〜っ!!」ゲシッゲシッ

P「痛い痛い痛い痛い痛い!」



〜TV収録スタジオ〜



ディレクター「……さ、そろそろ時間だ。いつも通り元気に頼むよ、やよいちゃん!」

やよい「承知しました。素晴らしい番組となる様、尽力させていただきます」

ディレクター「あ、うん……」



ディレクター「………な〜んか今日のやよいちゃんは知的だねぇ、765さん?」

P「あ、あはは……そ、そうですね……」

やよい「ふふ。そんな事はありません。やよいは……いえ、わたくしは、いつでも知的で素敵な女性なのですよ?」

ディレクター「は、はぁ……」



P「おい、貴音。あんまり余計な事は言わない方がいいんじゃないか?」

やよい「すみません、あなた様。でぃれくたぁの方が、やよいを馬鹿にした様な言い方でしたので、つい、口が……」

やよい「しかし良く考えてみれば、自画自賛と取られてもおかしくないのですね。……やよいには悪い事をしてしまいました」

P「まあ、大丈夫だと思うけど。……それより、料理の方は大丈夫か?」

やよい「心配無用です。成せば成る、ですよ」

P「何かあったら、すぐに言うんだぞ?」

やよい「お気遣い、ありがとうございます」



P「あ、参考までに聞くが、料理の経験は?」

やよい「いえ、全く。わたくしは、食べる方が専門ですので」ニコッ

P「だよなぁ……」

P「いいか、食材を食べたりしちゃダメだからな?」

やよい「なんと!」ガーン

P「そんな悲しそうな顔されても……」

P(うーん、不安だ……)



P「と、とにかく、落ち着いてな!」

やよい「あなた様もどうか落ち着いてくださいませ」



AD「…………本番1分前でーす!」



やよい「それでは、行って参ります」

P「ああ、頑張れ!」



AD「……………5、4、3、2……」スッ



…チャラララ〜♪ チャンッ♪



やよい「しじょ……」

やよい「……コホン。高槻やよいの……」

やよい「う……うっうー?お料理さしすせそ!でございます」



P(お、貴音、一応やよいを意識してるんだな)




やよい「……お茶の間の皆様、こんばんは」

やよい「しじょ……高槻やよいのお料理さしすせその時間となりました」

やよい「さて、今日わたくしが作らせていただく料理は……」

やよい「麺類の王様……いえ、全ての料理の頂点に立つ、と言っても過言ではない料理……」



やよい「……そう、らぁめんです!」



やよい「すでにご存知の方も多いと思いますが、中国で『らぁめん』というと、料理の名前では無く、小麦粉を引き伸ばして面にする『技術』の事を指します」

やよい「それを日本流にあれんじして『らぁめん』という料理になったそうです」

やよい「熱々のすぅぷを麺に絡め、野菜やちゃあしゅうと共に口へ運ぶと、そこに広がるのはまさに夢のはぁもにぃ……!」



やよい「らぁめんは、文化……」

やよい「らぁめんは、進化……」

やよい「らぁめんは、可能性……」

やよい「今日は皆様を、めくるめくらぁめんの世界へと誘いたいと思います」

やよい「………ん?」チラ



カンペ『巻いて!』



やよい「…………はて?」キョトン



P(貴音……ドンマイ)





ーーーーーー

ーーー



やよい「……それでは皆様、また来週のこの時間にお会い致しましょう」ニコッ




ディレクター「…………はいオッケー!」



やよい「………ふぅ」



ディレクター「やよいちゃんお疲れ様!」

やよい「お疲れ様です、でぃれくたぁ殿」

ディレクター「前半はちょっと押しちゃったけど、やよいちゃんのお陰で無事に枠に収まったよ!」

ディレクター「ちょっと元気が無いから心配してたけど、なんか不思議な感じのやよいちゃんもいいねー!」

やよい「ありがとうございます」

やよい「これも、すたっふの皆様のお力あってこそです」




P「……ギリギリだったな、貴音」

やよい「申し訳ありません。らぁめんの事になると、つい熱が入ってしまいまして」

P「まあ、後半の料理の手際が良かったから、なんとかなったな」

P「貴音、料理はやった事ないって言ってたけど、本当はできるんじゃないのか?」

やよい「ふふ……。それは、とっぷしぃくれっとです」ニコッ

P「……言うと思ったよ」



P「……さて、俺は真と美希の様子を見に行くけど、貴音はどうする?」

やよい「そうですね……」

やよい「2人の様子も気になるところですが……わたくしは、今日はこのまま帰らせていただくとします」

P「そっか。気をつけてな」

やよい「はい。あなた様も」



〜ラジオ収録スタジオ〜


雪歩「……ラジオネーム『恋するウサギちゃん』さんからのお便り」

雪歩「『なぜ人を好きになると、こんなにも苦しいのですか?』だって」

雪歩「好き、かぁ……。ボ……私にはまだわかんないかなぁ……」

雪歩「み……真はどう?」

真「ん〜……ミキもあんまりよくわかんないの」


雪歩(美希、一人称!)

真(あ……ごめんなさいなの)


雪歩「難しいよね、恋って」

真「うん。でもね、胸がきゅーってするのは、ミ……ボク、嫌いじゃないよ?」

真「苦しければ苦しいほど、その人の事を大切に思ってる証だって思うから!」

雪歩「苦しいほど、大切に思ってる証、かぁ……」

雪歩「へへ、なんか歌の歌詞みたいだね!」

真「だから、『恋するウサギちゃん』さんも、その気持ちを大切にしてほしいって思うな!」

雪歩「そうだね。『恋するウサギちゃんさん』の恋が叶うといいね!」



雪歩「続いてのお便りは……」

雪歩「ラジオネーム『あずさ91号』さんからのお便りです」

雪歩「『こんばんは〜。突然ですが、お二人は運命の人って信じますか?私、待つのは苦手ではないんですが、あまりにも運命の人からアプローチが無いんです。こういう時は自分から動いた方がいいんでしょうか〜?』」

雪歩「また恋愛の話題かぁ。ボ……私、あんまり得意じゃないんだよなぁ……」

雪歩「でも、運命の人ってちょっと憧れるよね!」

真「運命の人は、絶対いるよ!だって、ミキにとっての運命の人は、ハ……」

雪歩「……ゴホンゴホン!」

真「っとと………」

雪歩「……で、でも、この『あずさ91号』さんは、特定の人がいるのかな?」

真「うん。そうみたいだね」

真「『あずさ91号』さん、待ってるだけじゃ絶対ダメなの!積極的に自分をアピールしていかなきゃ!」

真「毎日好きって言ってれば、きっと振り向いてくれるって思うな!」

雪歩「そ、それはやり過ぎじゃないかな?」

雪歩「でも、ボ……私も、自分からアクションを起こすのはいいんじゃないかなって思います!」

雪歩「できれば、その後の状況報告のお便りとかも送ってもらえると嬉しいかな?」



雪歩「……えーっと、次で最後のお便りです」

雪歩「ラジオネーム『ナイドルマスター』さんからのお便り」

雪歩「『私は、高2にもなって胸囲がなかなか成長しません。別に、それで特に何か不自由があった、という訳ではないのですが、男の人は大きい方が好きだと聞きました。だから、せめてあと5センチは大きくしたいです。どうしたら胸が大きくなりますか?』」

雪歩「あー、これはボ……私も思うなぁ。逆にこっちが聞きたいくらいだよ」

雪歩「ちなみに、この前読んだ雑誌に、『男の人に揉まれると大きくなる』って書いてあったっけ」

真「む〜、そういうヘンタイさんっぽいのは、ミ……ボク的には無しなの」

雪歩「……そういえば、美希は結構大きいよね?何か気をつけてる事とかある?」



真(真クンっ!)

雪歩(あっゴメン……)




真「え、えーと、これは『友達の美希ちゃん』から聞いた話なんだけどね?」

真「『特に気をつけてる事なんてないよ?強いて言えば、おにぎりとかよく食べてよく寝る事だって思うな!』って言ってたの」

真「あと、イケイケファンシーゼリーとか!」

雪歩「うーん、そんなので大きくなるなら、ナイドルマスターさんも苦労しないと思うけど……」

真「ホントなの。ぜひ一回試して欲しいの!」





雪歩「……というわけで、そろそろお別れの時間になっちゃいました」

真「あは☆来週も聞いてくれないと、いたずらしちゃうぞ☆」

雪歩「最後に、この曲を聞いてください」

雪歩「菊地真で、『自転車』」



テレーレー♪テーレー♪…



雪歩「お相手は、きく……萩原雪歩と」

真「ほし……菊地真でした!なの」



雪歩・真「ばいば〜い!!」





P「2人とも、お疲れ様!」



雪歩「プロデューサー!見ててくれたんですか?」

P「最後の方だけな」

真「ハニー!」ギュッ

P「み、美希!こら、現場じゃダメって言ったろ?」

真「む〜!だって、ミキ達すっごい頑張ったんだよ?ご褒美くらいあってもいいって思うな!」

雪歩「美希の言う通りですよ?ボクだってご褒美欲しいなぁ、なんて……えへへ」

P「いや、分かるけど……事務所まで我慢してくれよ」

P「やよいと伊織もそろそろ終わると思うから、2人を回収して帰ろう」



美希・真「はーい!!」




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