魔王「妻がかわいすぎて勇者なんかどうでもいい」(97)

勇者「ここか…ついに来たぞ」

勇者「(魔王を倒すことを考え続けて18年、ついに宿敵の魔王にたどり着いた!)」

勇者「(俺がどれだけこの時を待ちわびたか…)」

勇者「(毎日が修行の日々、娯楽はなんかは切り捨てひたすら己を磨いてきた)」

勇者「(友人が恋人を連れていたときは少しは羨ましいとは思ったが、宿敵を討つため…その思いは捨て去った!)」

勇者「(魔王、俺はお前のために生きてきたんだ…俺の全てを懸けて、貴様を討つ!)」

勇者「…いくぞ!」

ガチャン!

勇者「魔王!お前を…っ」

勇者「…ぎゃあああああああ!!」

魔王「おお、これはこれは勇者くんではないか」

勇者「な、ななななな…」

勇者「何をしてるんだ貴様ああああ!」

魔王「何って…見て分からんか?」











魔王「受胎の儀式だ…っ」パンパン

妻「あんっ!…そ、そこ…いいのおおっ!」

勇者「目がああああ!目が腐るううううう!!」

魔王「ここか?ここがいいのか…っ」ズチュズチュ

妻「あああん!…っ…いいっ、気持ちいいっ!!」ビクンビクン

勇者「俺にそんなの見せるなあああああ!」

勇者「ああああああああああああ!!!」

妻「…」

魔王「…はぁ」

勇者「おっひょひるわのいかなああああああああ!!」

魔王「…すまん、一旦中止で」

妻「そうね…」

勇者「はぁ…はぁ…や、やっと終わったか」

魔王「しばらくこれを着ていてくれ」スッ

妻「あっ、ありがとう…」

魔王「…勇者よ、儀式の邪魔をするでない」

勇者「じゃ、邪魔だとぉ…」

勇者「俺が来たのに、お前らこそ何をしているんだ!」

魔王「来るならあらかじめ言って欲しかったな」

魔王「急に来て怒鳴り散らして何を言うか」

勇者「い、いや違うじゃん!普通俺がくるの待ってるだろ!」

魔王「何故?」

勇者「お、俺はお前の宿敵だぞ!待ってなきゃおかしいだろ!」

勇者「来てみたら子作り真っ最中って…それっておかしいだろおおおお!!」

妻「勇者さんごめんなさい、今日は私から誘ったの」

勇者「あ、い、いえ…こちらこそ」

勇者「…って、お前が誘ったのかよおおおおおおおお!!」

魔王「妻が謝ることではない、こやつが無礼なだけだ」

妻「そうかしら…」

魔王「ああ」

妻「でも勇者さん、私…どうしても男の子が欲しいんです」

勇者「あっ、そ、そうなんですか…」

魔王「我には子どもが4人いるんだがな…みな女の子なのだ」

魔王「我はそれでもいいのだが…」

妻「でも、あなたと私の息子よ?きっとあなた似のかっこいい子だわ♪」

魔王「いや、妻似の美男子かもしれんぞ」

妻「あなた…」

魔王「妻…」

勇者「…おええええええ!!!!」

妻「きゃっ」

魔王「これ、汚いではないか…」

魔王「…使いの者たちよ、勇者に水を与えよ!」

「はっ!」サッ

勇者「はぁ…はぁ…こ、これはいかん」

「どうぞ、水分補給を」スッ

勇者「あっ、ありがとうございます…」

「私は吐瀉物を片付けます」フキフキ

勇者「何から何まですいません…」

「いえいえ」

魔王「まったく…醜い顔が更に醜くなるぞ」

勇者「ぶ、ブサイクで悪かったな!」

魔王「そこまでは言ってなかろう」

勇者「く、くそぉ…自分の顔が整ってるからと見下しおって…」

魔王「…妻よ、我は人間から見てもカッコいいのか?」

妻「さぁ…?」

妻「でも…私たちも人間も見た目が違うのは角と尻尾があるかないかというだけで、そんなに差はないんじゃないかしら?」

魔王「ふむ…そうか」

妻「ふふっ、人間からみてもやっぱりカッコいいのね」

魔王「やっぱり…?」

妻「そうよ、あなた昔から私たち魔族の間でもカッコいいって有名だったじゃない」

妻「私にはもったいくらいに…」

魔王「…そんなことはない」

妻「えっ…?」

魔王「おい勇者よ!貴様に頼みがある」

勇者「ま、魔王の頼みなんざ聞くわけねえだろ!」

魔王「まあそう言うな」

魔王「妻よ、服を脱いで立つのだ」

勇者「はっ?」

妻「え、ええ…」スッ

ハラリ

勇者「っ!?」

魔王「どうだ勇者よ、我が妻は」

勇者「ど、どうって…」

妻「ち、ちょっと恥ずかしいわ…」カァァ

勇者「(…綺麗な顔立ち、艶のあるきれいな黒髪、信じられないくらいのスタイルのよさ)」

勇者「(に、人間にもこんなやついねえぞ…)」ゴクリ

妻「ゆ、勇者さん…どうかしら?」

勇者「…はっ!」

勇者「ま、まあそこそこじゃねのか?」

魔王「…ふん、性器をいきり勃たせておいてそこそこか」

勇者「うぐっ…」ビンビン

魔王「…人間からも魅力的に見えるのだ、もっと自信を持て」

魔王「我の女は、お前以外に絶対にありえんのだからな」

妻「あなた…」

勇者「あばばばばばばば」

魔王「さっきから騒がしいな…」

勇者「…おい待てよ」

魔王「なんだ」

勇者「こんなの卑怯だぞ!」

魔王「なんのことだ」

勇者「魔王だからって魔族の女選びたい放題なんだろ!?」

勇者「どうせその人も世界中のどっかから誘拐してきて嫁にしたんだろ!」

魔王「誘拐などしていないのだが」

勇者「じゃあどこから連れてきたんだよ!」

魔王「妻は生まれたときからずっと近くにいたな」

勇者「はっ?」

妻「私たち、実は幼馴染なんです」

勇者「…お、幼馴染属性ああああああああああああ!!」

勇者「羨ましいいいいいいいい!!!」

魔王「なんだこいつは…」

勇者「俺の村なんて男だらけだったのに…」

勇者「チクショオオオオオ!!!」

妻「懐かしいわねぇ…」

勇者「なんだよ、無理やり嫁にしたんじゃないのかよ…」

勇者「幼馴染とかふざけんなよ…」

妻「無理やりなんて…私から告白したんですよ?」

妻「私、昔から魔王くんにゾッコンでしたから…」ポッ

勇者「」ガンガンガンガン

魔王「お、おい!いきなり床に頭を打ちつけてどうしたのだ!」

魔王「使いの者よ、勇者を止めろ!」

「自傷行為はお止めください!」ガシッ

勇者「放せ、放せよおおおお!!うわあああああああああ!!」ジタバタ

魔王「ふぅ…いきなり叫んだり一体なんなのだ…」

勇者「俺、何のために生きてきたんだろ…」

魔王「我を倒すためだろ?」

勇者「そうだけど…そうだけどよぉ」

「パパー!」

勇者「えっ!?」

魔王「げっ…」

妻「あら、出てきちゃったの?」

勇者「だ、誰だ…?」

妻「あ、うちの三女です…」

勇者「ほあっ!?」

三女「おじさんこんにちは!」ニコッ

勇者「お、おじさん…まだ18だよ…」

勇者「(…い、いや、それにしてもなんてかわいらしいんだ)」

勇者「(親がどっちも美形だと、こんなかわいい子が生まれてくるのかよ…)」

勇者「(ふひひ…魔王倒したらこの子はお持ち帰りだなグフフ)」ハァハァ

三女「ねえねえ、なんで二人とも裸なの?」

魔王「ぱ、パパたち儀式の途中だったから…」

魔王「出てきちゃダメだろ、三女ちゃん」ナデナデ

三女「儀式ってなあに?」

妻「そ、それは三女が大きくなったら教えてあげるからね?」

三女「うん、わかった!」

妻「ふふっ、いい子ね」

勇者「(かわいい…嫁にしてえ)」

「こらー!勝手に行っちゃダメだろ!」

三女「あっ、お姉ちゃん!」

勇者「お姉ちゃん!?」

妻「この子は次女です」

勇者「あっ、そうですか…」

勇者「(うわあ、お姉ちゃんもかわええ)」

次女「…何この人間」

魔王「一応勇者だ」

勇者「一応じゃねえよ!」

次女「へえ、こんな冴えないやつが勇者なんだ」

勇者「っ…」

勇者「(な、なんだ…お姉ちゃんはキツい性格なのか?)」

次女「…」ゴオオオオ

勇者「(…ん、この魔力!)」

次女「くらえ、炎魔法!!!」

勇者「なにっ!…くっ」

ザッ! バアン!

次女「…へえ、今のかわすんだ」

勇者「はぁ…はぁ…」

勇者「(マジかよ、子どもがこんな威力の魔法を…)」

勇者「(間違いない、こいつは魔王の娘だ…)」

魔王「…こら」ポカ

次女「いてっ」

魔王「不意討ちなどダメではないか」

次女「だってぇ…」

魔王「だってぇ、ではない」

魔王「魔法はなるべく使うなと言っただろう」

次女「…はーい」

妻「まあまあ、次女も反省してるみたいだしいいじゃない」

魔王「…そうだな」

妻「次女、三女連れて部屋に戻ってて」

次女「おっけー」

魔王「…さて、勇者よ」

勇者「…」

魔王「どうしたのだ?」

勇者「なんかもうどうでも良くなってきたわ」

勇者「俺、帰ります…」

魔王「そうか、気をつけて帰るのだぞ」

勇者「か、勘違いすんじゃねえ!今日は帰るだけだ!」

勇者「また近いうちに貴様を倒すために戻ってくるからな!」

魔王「ほう、楽しみに待っているぞ」

勇者「首を洗って待っていろよ魔王!」

勇者「さらばだ!」ガチャ

バタン

魔王「…行ったな」

妻「そうね…」

魔王「…妻ぁ」ダキッ

妻「あら、うふふ」ギュッ

魔王「妻はかわいいなぁ…」

妻「そう言ってくれると嬉しいわ」

魔王「そういえば勇者のやつまた来ると言っていたな」

魔王「そのときは菓子でももてなしてやるか」

妻「ふふっ、そうね」

魔王「本来ならやつとは戦うべきなのだがな…」チラッ

妻「ん?」





魔王「妻がかわいすぎて勇者なんかどうでもいい」

妻「ありがとう、あなた」

妻「…」










【一方その頃の勇者】

勇者「ったく…なんだよあいつ、あんなもん見せつけやがって」

勇者「なーにが美人な妻とかわいい娘たちだよ…」

勇者「…はぁ」

ビリ…

勇者「おっ、もうすぐ出口だな」

ビリビリ…バチッ

勇者「…んっ、気のせいか」








バチバチバチバチバチィ!

勇者「っ…ぐわああああああ!!!」

勇者「あがっ…っ…」バタン

勇者「(こ、これは、雷魔法…)」

勇者「(くそっ、完全に油断、した…)」

コツコツ

勇者「(…誰か、くる!)」

コツコツ

勇者「(誰だ…っ)」












妻「また会ったわね、勇者さん」

勇者「お、おま…え…は」

妻「うふふ、私の魔法をまともに受けてまだ生きてるなんて」

妻「流石は勇者ね」

勇者「(くそっ…体が痺れて、動けねえ…)」

妻「私の夫を殺しにきて、ただで返すと思ってるのかしらぁ?」

勇者「ぐっ…」

妻「…許さないわよ」

勇者「えっ…」

妻「私が命より大切な、私が世界で一番愛してる魔王くんを殺す…ですって?」

妻「うふ…うふひひっ…あはははははははは!!!」

勇者「(な、なんだこの女…)」

妻「あはは…はぁ…」







妻「…殺す」

妻「絶対に殺す、殺してやる!!!」ガッ

勇者「あがっ…!」

勇者「(く、首がっ…)」

妻「死ね!死ねえええええ!!!」ギチギチィ

勇者「かっ…あがっ…!」

妻「私がどれだけ彼を愛しているか、お前なんかに分かるものかあああ!!!」グググッ

勇者「っ…」

妻「ずっと、ずっと好きだったのよ!!!やっと夢が叶ったのよおおおおおおおお!!」

妻「それをお前みたいな人間にいいいいい!!!!」

妻「早く死ね!!死ねええええええ!!!」

勇者「…」

妻「はぁ…はぁ…や、やった…」

妻「あはっ、あはは…殺したわ、殺してやったわ!!」

勇者「」

妻「うふふっ…」ガシッ

妻「このゴミ、魔物の餌にでもしようかしら」

妻「…あっ、魔王くん待たせてるんだったわ」

妻「早く処理しないとね…」

妻「…」

妻「あっ…いひひ」ブン

バァン!

妻「顔面、ぐちゃぐちゃにしてやるわ」ガンガンガン

妻「さっき、あなた自分でしてたものね」ガンガンガンガン

勇者「」ドロドロ

妻「…あら、すんなりぐちゃぐちゃになっちゃったわ」

妻「醜い顔が分からなくなったわよ、良かったわね♪」ブン

ズザザ

妻「…もう、血だらけになっちゃったわ」

妻「シャワー浴びてから、また魔王くんに愛してもらおうかしら」

妻「…」








妻「さようなら、愚かな勇者さん」

終わり

これにて完結です
見てくれた方ありがとうございました

長女みたい?

魔王「お腹の子もだいぶ大きくなってきたな」ナデナデ

妻「ええ、そうね」

魔王「早く産まれないかなぁ…」

妻「きっとあなたに似ていい子に育つわよ」

魔王「ははっ、だといいな」

バタン!

魔王「む、誰だ!」










勇者「俺だよ、勇者だよ!」

魔王「おお、久しぶりではないか」

勇者「ふっ、また会ったな魔王」

妻「な、なぜあなたが生きているの!」

妻「あのとき確かに殺したはずよ…」

勇者「ああ、そうだな…」

勇者「けど、首を絞められたくらいじゃ俺は死なないんだよ」

勇者「だって勇者だから!」

魔王「…仮死状態だ」

妻「え…?」

魔王「自分の魔力を限界まで凝縮し、一時的に死んだように見せかけたのだろう」

魔王「妻から顔面を破壊されたと聞いたが、回復魔法を使ったようだな」

勇者「あいにく俺は魔法が苦手だ、だから傷の修復に半年もかけちまった…」

勇者「あと、修復するときに鼻を少し高くしたぜ」

勇者「これでもうブサイクじゃないだろ」

魔王「ほう…どおりで」

魔王「…だが、我に比べればまだ醜いぞ勇者よ」

勇者「お前と比べんなよおおおおおおおお!!」

妻「…殺す」

勇者「えっ」

妻「ふふっ、次はバラバラにして殺すわ」ゴオオオオ

魔王「妻よ、止めておけ」

魔王「お腹の子に影響が出るであろう」

妻「…そうね」シュウウ

勇者「ほっ…」

妻「子どもを産んだらあなたを殺すわ、覚えておきなさい」

勇者「怖すぎるわ」

妻「…絶対に殺す、切り刻んで殺す」

勇者「ふっ、そんな綺麗な顔してやることはえげつないな」

勇者「雷魔法使って動けなくしたところで首を締めて殺し、怪力で地面に何度も叩きつけて顔面を破壊…とな」

魔王「まあ、勇者を殺してくると言ってきたときの目が本気だったからな」

魔王「てっきり死んだと思っていたぞ」

勇者「はい、僕もこれは死んだなと思ってました」

魔王「はっはっはっ、そうかそうか」

魔王「…使いの者よ、菓子をもって参れ!」

「どうぞ、勇者様」スッ

勇者「えっ、もらっていいのか?」

魔王「ああ、受け取るがいい」

勇者「わざわざすまねえな」

妻「…それ、毒入りよ」

勇者「えっ」

妻「さあ、早くお食べなさい」

魔王「妻よ、嘘はよくないぞ」

勇者「…何だ嘘かよ」

妻「…ふんっ」

勇者「…むっ」

「くらえ、氷魔法!!」

ガギガギガギガギィ

勇者「うおわあああっ!」サッ

次女「ちぇ、外しちゃった」

魔王「…次女」

次女「あっ」

魔王「あれだけ魔法を使うなと言ったではないか」

次女「だって、この人間見たら攻撃したくなっちゃうもん…」

勇者「…うん、立派に魔王の血を引き継いでるな」

次女「黙れ人間!ブサイクのくせに私に話しかけるな!」

勇者「えっ、ヒドくない?」

「お姉ちゃーん!」

勇者「こ、この声は!」

三女「あっ、おじさんこんにちは!」

勇者「でへええ、三女ちゃんこんにちはぁぁ」

次女「うわ、きもちわる」

妻「三女、魔法は使えるようになったの?」

三女「うん、一つだけつかえるようになったよ!」

妻「そう、えらいわね」ナデナデ

三女「えへへ」ニコニコ

勇者「天使や…」

三女「ねえねえ、つかってみてもいい?」

妻「…あなた」

魔王「んん…今日だけだぞ」

三女「わーい、やったー!」

勇者「(…俺の奥さんにしなきゃ)」

三女「おじさん、あいてしてくれる?」

勇者「お、いいぞ!」

勇者「(ふへへ、魔法覚えたてかぁ…)」

勇者「(三女ちゃんの初めての相手が俺…ぐふふ)」

三女「いっくよー!」

勇者「(わざと大げさに食らってあげるか…)」









三女「…超怪力魔法X!」バリバリバリバリ

勇者「えっ」

ドゴオォオォオオオ!!!!

勇者「」メキメキメキィ!

ドガガガガガガガガ バァァァァン!

魔王「…死んだな」

次女「壁突き抜けていったじゃん、これ死んだでしょ」

妻「もう三女ったら…魔王一族しか使えないX魔法に最上位の怪力魔法を掛け合わせてそれを全て自分の力に変換して心臓ぶち抜いたらダメじゃない」

三女「っ…」バタン

三女「すぅ…すぅ…」

魔王「ふふっ、寝てしまったか」

妻「初めてでこれだけ出来れば上出来よ、三女」

次女「流石私の妹だな!」





勇者「コヒュー…コヒュー…」

勇者「(これ、骨何十本持っていかれたんだ…)」

勇者「(臓器もほとんど機能してない、ぐちゃぐちゃだ…)」

勇者「(とっさに防御魔法使ってこれか…化け物かよ、三女ちゃん)」

勇者「(こんなの、回復が追い付くわけがない…)」

勇者「(これは、マジで死んだな…)」

勇者「ごはっ…!」

勇者「…」

「…きて」

勇者「…えっ?」

「起きて、起きて」

勇者「…うわああああ!!!」

「あ、起きた」

勇者「あれ、あれっ…」

勇者「(傷口が…完璧に塞がってる)」

「あなた、大ケガしたから治しといてあげたよ」

勇者「あ、ありがとう…」

勇者「…ん?」

勇者「君の顔、どこかで見たことが…」

魔王「このような顔か?」

勇者「そうそうこんな…って」

勇者「ま、魔王!?」

魔王「目覚めたか勇者よ」

勇者「えっ…えっ?」

魔王「貴様は地獄から戻ってこられたのだ、感謝したまえ」

勇者「なんで俺が地獄行きなんだよ…」

勇者「いや、それよりこの女の子は…」

魔王「ああ、うちの長女だ」

長女「はじめまして、勇者さん」

勇者「や、やっぱり…」

今日はここまで
長女出すまでに結構書いてしまった…

勇者「(…おいおい、長女ちゃんが群を抜いて美少女じゃねえか)」

勇者「(いや、他の姉妹もある程度成長すればこうなるのか…)」

妻「…そのまま地獄に落ちれば良かったのに」

勇者「すまんな、お前の娘さんに命を救われたよ…」

勇者「ふっ、どっかの極悪女とは大違いだぜ」

妻「…早く殺したいわ、この死に損ない」

長女「ごめん、お母さん…」

妻「あっ、ち、違うの!長女は悪くないのよ!」

妻「勇者さん、命を救ってもらった長女に感謝しなさい!」

勇者「ありがとう…本当にありがとう…」

長女「はい、どういたしまして」ニコッ

勇者「しかし、あの絶望的状態からの完治…」

勇者「一体、どれだけ高度な回復魔法を…」

魔王「うむ、うちの長女は魔法が得意なのだ」

魔王「勇者よ、ここに来るまでに数々の魔物を倒したであろう?」

勇者「あ、ああ…」

魔王「あれ、長女が遠隔回復魔法で全部治したから今も平和に生きてるぞ」

勇者「え、遠隔…だと」

魔王「うむ」

勇者「ど、どれだけここから離れてたと思うんだよ…」

長女「私の魔法範囲は地球全体だよ」

勇者「」

妻「凄いでしょ?うちの娘」

妻「その気になればあなたの村なんて一瞬で粉々よ」

魔王「流石は妻の娘だな」

妻「ううん、あなたの娘だからよ」

魔王「妻…」

妻「あなた…」

魔王「…んっ」

妻「あっ…そんな短いキスじゃいやだわ…」

勇者「目がああああああああ!!!目が痛いいいいいい!!!」

長女「勇者さんの前でいきなりなにしてるの…」

勇者「視界に入るなあああああああああ!!!」

次女「そんなに見たくないのか?」

勇者「ああああああああ…えっ?」

次女「じゃあ…見えなきゃいいだろ!」ブン

ゴリゴリ グジャア

ブシャアアアアア!

勇者「」バタン

次女「…あっ、目玉取ろうとしたら脳みそまで突き破っちまった」

魔王「…死んだな」

妻「次女、今度好きなもの買ってあげるわ」

次女「本当に!?ママ大好きー!」

長女「な、なにやってるの次女!」

次女「えっ…」

長女「っ…」パシンッ

次女「っ…!い、痛い…お姉ちゃんなんで…」

長女「なんで、じゃないでしょ!」

長女「命を粗末にしないで!この人だって生きてるんだよ!」

魔王「いや、今死んだぞ」

次女「ご、ごめ…お姉ちゃんごめんなさい…」ウルウル

妻「ど、どうしたの二人とも…お願いだから喧嘩しないで…」オロオロ

長女「…私の方こそ叩いてごめん」

次女「ふぇ…グスッ…ふぇぇ」ポロポロ

妻「ああっ…な、泣かないで!あ、あなた一体どうしたら…」

魔王「…とりあえず蘇生しとくか」ブォオオオ

長女「私の回復魔法はギリギリの命を繋ぎ止める魔法なの…即死したらもうダメなんだよ?」

次女「ごめんなさい…ごめんなさい!」ポロポロ

魔王「あれ、蘇生魔法なんて初めて使ったな…死んだやつ蘇らせていいのか?」

魔王「…ま、いいか」

長女「だから命は粗末にしたらいけないの、いいね?」

次女「うん…グスッ…分かった」

長女「うん、いい子ね」ナデナデ

妻「よ、良かったわ…やっぱり家族は仲良くしなきゃね」ホッ

勇者「ん…うんん」

長女「…えっ」

勇者「俺は一体どうなって…」

長女「な、なんで生きてるの!?」

魔王「我が魔法を使ったのだ」

長女「お、お父さん!?」

魔王「そうだ」

長女「死んだ人が蘇る魔法なんて…私知らない」

魔法「うむ、今作ったからな」

長女「すごい…すごいよお父さん!」

魔王「お、おう…そうであるか」テレッ

妻「…」ムッ

長女「今度の魔法議会で発表しようよ!」

魔王「い、いや…蘇生なんて禁忌を犯していいものなのか…」

長女「あっ、そうだよね…」

長女「ごめん、私舞い上がっちゃって…」

勇者「…」

勇者「(ヤバい、ヤバすぎる…なんだこの一家は…)」

勇者「(幼きながら最高位の超魔法を使える三女、桁外れの力を持つ次女、50m使えれば上出来とされる魔法範囲が地球全体の長女)」

勇者「(そして、魔族を超えた力を持ち、超魔法を使う妻に…蘇生魔法をその場で作り出す魔王…)」

勇者「(俺なんて、全く足元にも及ばない…実力が違いすぎる)」

勇者「(…ダメだ、こいつらを相手にすれば間違いなく人間は絶滅する)」

魔王「何を拗ねているのだ?」

妻「な、なんでもないわよ」プイッ

次女「お姉ちゃん、今日も魔法教えてよ!」

長女「ダメ、今日は私なりに蘇生魔法の研究するんだから」

次女「え~、お姉ちゃんのケチ」

魔王「何を拗ねているのだ~?」モミモミ

妻「やっ、おっぱい揉んじゃダメよぉ…♪」

三女「スピー…スピー…」

勇者「…ふっ」

勇者「(このままが…一番、平和なのかもな)」

勇者「(…妻に殺されないように帰るか)」

次女「…あれ、お前」

勇者「ん?」

次女「結構、顔かっこよくね?」

勇者「えっ」

長女「うん、目がぱっちり二重になってるね」

勇者「う、嘘だろ!?」

魔王「ふっふっ、蘇生させたときに我がイケメンにしといてやったぞ」

勇者「か、鏡をくれ!」

長女「ん~…はい」スッ

勇者「おう、ありがとう!」

勇者「…おおっ、おおおっ!」

勇者「俺、カッコいい…」キラッ

次女「うわ…」

長女「ナルシストきもちわるい…」

勇者「ねえ、ひどくない?」

妻「魔王くんにはまだまだ及ばないわね」

魔王「妻…」

妻「あなた…好きよ」

魔王「我も愛しているぞ…」

勇者「うわああああああああ!!!いやあああああああああ!!」

妻「あっ、そうだわ!…四女にミルクあげなくちゃ」

勇者「えっ、四女?」

魔王「我の一番下の子だ」

勇者「へえ、見てみたいな」

魔王「おお、見てみるか?」

勇者「見たい見たい!」

魔王「良かろう、こちらだ」





魔王「すまぬ、今妻がミルクをあげているのだ」

魔王「少しばかり待っていてくれ」

勇者「お、おう…」

妻「いっぱい飲んで、大きくなるのよ…」

勇者「(いいなぁ、俺もあの巨乳にしゃぶりつきたいぜ…)」ゴクリ

妻「見るな、殺すぞ」

勇者「は、はぃぃ!」

次女「お前本当にキモいな」

勇者「うぅ…巨乳は見ちゃうよ次女ちゃん」

次女「次女ちゃんって言うな人間!」

次女「さっきはお姉ちゃんのもジロジロ見てたし…パパ以外の男ってキモっ」

勇者「ねえ、泣いていい?」

魔王「はっはっはっ、我はキモくないのか」

次女「ぱ、パパはカッコいいから好き…」カァァ

勇者「(あらかわいい)」

長女「…あっ、ミルクあげ終わったみたい」

勇者「おっ、どれどれ」ズイッ

四女「にぃ…」

勇者「おほっ、かわええ」

長女「あっ、だ、ダメ!四女に近づいちゃ…!」

勇者「えっ」

四女「…ガアアアッ!!!」

ズオオオオオ ドガアアアン!

勇者「」バタン

魔王「…死んだな」

長女「だ、だから言ったのに…四女は口から消滅魔法を吐き出すときがあるから…」

次女「うははははっ!頭ぶっ飛んだぞ!人間デュラハンだあはははは!!」

長女「…次女」

次女「あっ、ごめんなさい…」

長女「…お父さん、お願い」

魔王「うむ、任せろ」ブォオオオ

勇者「…ふぅ、死ぬかと思ったぜ」

魔王「普通に死んだぞ」

勇者「それにしても伝説の魔法と言われる消滅魔法を使うなんて、末恐ろしいな」

妻「死ねばよかったのに…」

勇者「ねえもう本当に恐いから」

【数ヶ月後】

勇者「…ふっ、ここに来るのも久しぶりだな」

バタン!

勇者「おい、魔王!」









魔王「出る、出るぞ妻…っ!」パンパンパン

妻「うんっ…うん!いっぱい出して!」

妻「あなたの子ども孕ませてぇぇ!」

魔王「愛しているぞ!…うっ…!」ビュルビュルル

妻「っ…ああああああああん!!!」ビクビクッ

魔王「うくっ…はぁ…はぁ…」

妻「はぁ…はぁ…大好き、よ」

妻「生まれたときから、大好きぃ」ギュッ

魔王「ああ…我もだ」






勇者「また子作りしてんのか…」

魔王「これはこれは勇者くんではないか!」

勇者「お前、どんだけ子ども作るの…」

魔王「無論、男の子ができるまでだ」

魔王「魔王一族は男の子が出来にくくてな、これが唯一の欠点なのだ」

勇者「ふーん、こないだ生まれたのは女の子だったのか」

妻「…ふふっ、よく来たわね勇者さん」

妻「子ども産んだ私の元に来るなんて、わざわざ死ににきたのかしら?」

勇者「げっ、忘れてた…」

勇者「って、違う違う!今日はある人を紹介したくて来たんだ」

魔王「ん?」

勇者「…おい、入ってきていいぞ!」

「ど、どうも…」

妻「あら、そちらの方は?」

勇者「へへっ、俺の奥さんだ!」

魔王「ほう、そうであったか」

女「勇者くんの嫁の女です、よろしくお願いいたします」ペコッ

魔王「あっ、これはどうもご丁寧に」ペコッ

妻「あらあらうふふっ、こんな格好ですみませんね」

女「い、いえこちらこそお邪魔したみたいで…」

妻「お邪魔なんてそんな…」

妻「使いの者よ、もてなしてあげなさい!」

「どうぞ、粗茶ですが」

女「あ、ありがとうございます」

魔王「…良かったな、勇者よ」モミモミ

勇者「乳を揉みながら何言ってんだ」

妻「あんっ…あなた、みんなが見てるのに…♪」

勇者「…ふっ、俺は魔王を倒すのはやめた」

勇者「これからは、女とともに平和に暮らしていくさ」

魔王「だが、感じているのであろう?」モミモミ

妻「やぁぁ…」

勇者「いや聞けよ!」

勇者「なにイチャついてんださっきからよおおおおお!!」

妻「…だって、あなた?」

魔王「ふむ…」










魔王「妻がかわいすぎて勇者なんかどうでもいい」

妻「…ふふっ、そうね」

勇者「うぜええええええ!!」

本当に終わり

一回めんどくさくなって途中で投げてすみませんでした
これにて本当に完結です、見てくれた方ありがとうございました

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