モバP「藍子を抱き枕にする」 (34)


P「ちひろさん、そろそろ休憩しませんか?」

ちひろ「そうですね。お昼からけっこう経ちますし、そうしますか」

P「よし。おーい、藍子ー」

藍子「はい。どうかしましたか?」

P「休憩したいからお茶を淹れてくれ」

藍子「わかりました。ちょっと待っててくださいね」

P「おう、よろしく」


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ちひろ「って藍子ちゃんに何をさせてるんですか!」

P「お茶をお願いしただけですよ?」

ちひろ「それがどうかと思うんですけど。だいたい、今までこんなことなかったじゃないですか」

P「ちょっと前に藍子と賭けをして勝ったので、その報酬ですよ」

ちひろ「はぁ……何を賭けたんですか?」

P「神経衰弱で、負けた方が相手の言うことを何でも聞くってやつですね」

ちひろ「なんて物を賭けてるんですか! 馬鹿ですか!? 馬鹿ですよね!? 生かしておいたら金銭的に駄目なレベルで馬鹿ですよね!?」

P「コストに殺されたくないですって!」

P「いや、藍子から言い出したので、ただのゲームだしまあいいかと」

ちひろ「まったく……絶対に、絶対に変なことはしないでくださいよ?」

P「大丈夫ですって。適当にこういう用事を聞いてもらえば満足するでしょうし」


藍子「お待たせしましたっ。何をお話してたんですか?」コトッ

ちひろ「Pさんがどうしようもないって話です」

藍子「お仕事し過ぎってことには同意です。ちょっとは休みましょうよ」

P「無茶はしないようにしてるぞ。今だって休憩にお茶を淹れてもらったんだから」

藍子「それならいいんですけど……私に出来ることがあったら、遠慮しないで何でも言ってくださいね?」

P「わかったわかった。また何かあったらお願いするよ」

藍子「それじゃあ、私はレッスンがあるのでこれで……」パタッ

ちひろ「く れ ぐ れ も! 変なことをしないでくださいよ!?」

P「だから大丈夫ですってば!」


ちひろ「おはようございまーす……って、藍子ちゃんに何させてるんですか?」

P「あ、おはようございます。ちょっと書類の整理とか手伝ってもらってるんですよ」

ちひろ「はぁ、それはアイドルにさせる仕事じゃないでしょう」

藍子「私が好きでやってることですから、気にしないでください」

ちひろ「そうは言っても……ちょっとこっち来てください」

P「え、はい。藍子、すまないがそのまま続けててくれ」

藍子「はい。こっちは大丈夫ですよ」


ちひろ「で、なんでアイドルに事務を手伝わせてんですか?」

P「えーと、その、オセロをしたときにまた例の賭けで……」

ちひろ「なるほど。生きてるだけCO2排出枠の無駄ですね」

P「一人減っても条約には関係ないですから!」

P「その、藍子がもう少し役に立ちたいって言ってたので手伝えるのはこれくらいかなと」

P「今は改変で仕事の量が多いので正直助かってます」

ちひろ「まったく……これっきりにしてくださいよ?」

P「わかってますって」


藍子「お帰りなさい。さっきの分は終わりましたよ」

P「ああ、ありがとう。次はこっちのを頼む」

藍子「任せてくださいっ」

藍子「あ、ちひろさんの方もやることあったら言ってくださいね?」

ちひろ「さすがに悪いし、私の方はそこそこ片付いてるから大丈夫ですよ。ありがとうございます」

ちひろ「こんないい子に……はぁ……」ボソッ

P「追加で印刷するからそっちも頼む」

藍子「はい。今終わったところまでここに置いておきますね」

ちひろ「本当に助かってはいるんだよなぁ……」


ちひろ「お疲れ様です……外のトラブルは粗方片付けてきました……って今度はなんですか?」

P「お疲れ様です。ちひろさんは外で動いてたので少し休んでてください」

ちひろ「ありがとうございます……じゃなくて、なんで藍子ちゃんと手をつないで仕事してるんですか?」

P「普通に手伝ってもらってたんですが、いろいろありまして」

藍子「Pさんもちひろさんも、徹夜なんてするからですよ」

ちひろ「今回は局や出版のごたごたが重なって巻き込まれたからしょうがないんです……」

ちひろ「じゃなくて、もういいからこっち来てください」

P「え、あ、藍子はまたそのまま頼む」

藍子「はい。両手使えるからたぶん終わると思います」


ちひろ「で、また、ですか?」

P「息抜きに双六をしたら、その……」

ちひろ「ふふふ、私が外を駆け回ってる間にお楽しみでしたね……マリアナ送りにしましょうか?」

P「まだシベリアの方がマシですよ!」

P「というか、ちひろさん今日は殺気が……」

ちひろ「ただでさえ眠いんですよ? それから誰のせいだと思います?」

P「誠に申し訳ございません」

ちひろ「よろしくはないです。なんで手まで繋いでんですか?」

P「それはなんというか、成り行きで……?」

ちひろ「……もういいです。私は多少反映させるだけなので早く終わらせましょう」


藍子「さっきの分は終わりましたよ」

P「ありがとう。それじゃあ次は」スガガガガガ

藍子「こっちのですね」

P「お、よくわかったな」ズガガガガガガガガ

藍子「なんだか、慣れてきました」

ちひろ「片手使えなくても速度落ちないって……右手の動きが気持ち悪い……」

藍子「でも、ちょっと左手だけだとうまく出来ないです……」

P「俺は右手だけで大丈夫だけどな」

藍子「Pさんは別ですよ。あ、腕組んだら右手もちょっと使えるかも」フニッ

ちひろ「まさか藍子ちゃんまで徹夜させてないでしょうね……」

ちひろ「あ、もういいや。これだけ終わったら寝よう」


P「ライブが重なると地獄ですね」

ちひろ「三日目ですか……そろそろ終わりは見えてきましたけど」

P「こっちはもう終わりますよ」

ちひろ「すみません、私ばっかり仮眠を取らせてもらって」

P「いいんですよ。俺も休憩はしてますし、こういうときは野郎に働かせれば……よし、終わった」

ちひろ「お疲れ様です。それじゃあ、ゆっくり休んでください」

P「少し失礼します。おーい、藍子ー」

藍子「はい。あ、終わりましたか?」

P「おう、終わったぞ」

藍子「それじゃあ、どうぞ」ポンポン

P「ああ、ありがとう」

ちひろ「ストップ」

P「あれ? どうかしましたか?」

ちひろ「何自然に膝枕されようとしてるんですか。ちょっと来てください」


ちひろ「人間に臓器がふたつある理由を教えて差し上げましょうか?」

P「いきなりすぎますよ!」

P「まあ、例のごとく囲碁をしたら……」

ちひろ「いいかげんにしてくださいよ……」

P「気をつけてはいるんですが」

ちひろ「ああ、もういいです。Pさんもふらふらじゃないですか。何でもいいのでさっさと休んでください」

ちひろ「私もあとだいぶ少しで終わりますから」


藍子「大丈夫ですか? 早く来てください」

P「ああ、それじゃあ……」

藍子「どう、ですか?」

P「……やわらかくて気持ちいい…………」

藍子「も、もう……恥ずかしいですよ」

P「藍子、ごめん……も、限界……」

藍子「おやすみなさい。ゆっくり休んでくださいね」

藍子「眩しいからタオルをかけて……」

藍子「……起きないよね? そーっと……」ナデナデ

藍子「ふふっ、気持ちよさそう」

ちひろ「ベーリング……蟹……」


ちひろ「4日ぶりの我が事務所……」

ちひろ「お疲れ様です……」

P「あ…、お疲れ様です……」

ちひろ「……私の方は全部終わらせました。あと、ちょっとツラ貸しやがってください」


ちひろ「藍子ちゃんを膝の上に乗せて仕事をしていた件について賠償と賠償を求めます」

P「例のごとくチェスですごめんなさい」

ちひろ「なるほど。北極で木を数えて来ましょう」

P「大陸すらないですよ」

ちひろ「あ……そうでしたね……むしろいいんじゃないでしょうか」

P「そうとうキてませんか?」

ちひろ「わかります? カップルを横目にあちこちの抗争とかスキャンダルを潰していく苦しみ」

P「ご愁傷様です」

ちひろ「事務所も安息の地じゃ……あ、仮眠室に行けばいいんですね。さようなら」


藍子「あ、お帰りなさいっ」

藍子「続き、やりますか?」

P「そうだな、それじゃあまた……」

藍子「はいっ。わわ、髪が……」

P「藍子の頭にあごを乗せるとちょうどいいんだ……」

藍子「別にいいですけど……あの、左手で私を支えてたら大変じゃないですか?」

P「ん……? 別に大丈夫だけど……?」

藍子「私もバランス取れなくて何もできませんし……」

P「気にしなくていいんだが……」

藍子「……そうだ、こうすれば……」モゾモゾ

P「あのな、さすがに正面は……」

藍子「だめ、ですか…・・・?」

P「……好きにしてくれ」

藍子「はいっ。これならPさんにしがみつけるから両手使えますし、少しは早くなるかなって」

藍子「……無茶はしないでくださいね?」

P「大丈夫。たまにこのまま5分くらい意識を飛ばしたらけっこう回復してるんだ……」

藍子「うーん、でもさすがに……」

ちひろ「……ジュビリー……カリナン……パラブル……」ムニャムニャ


ちひろ「5日目、ですか」

P「5日目、ですね」

ちひろ「今日は土曜日、ですか」

P「今日は土曜日、ですね」

ちひろ「日曜日ってお休みですよね」

P「日曜日ってお休みですね」

ちひろ「今日が終わったらゆっくり寝るんです……」

P「それフラグですよ」

ちひろ「そんな時期に倒産してくれたあの会社達どうしてくれよう……あ、もういないんでした。ふふっ」

P「おかげで儲かりましたけど、デスマになりましたね」

ちひろ「私の方が少ないので、ちょっと回してもいいですよ」

P「本当ですか? 助かります」


P「ふう、終わりましたね」

ちひろ「長かったです……」

P「それじゃあ、お疲れ様でした。藍子ー」

藍子「はい。お呼びですか?」

P「終わったから、寝る」

藍子「準備は出来てますよ」

P「おう、それじゃ」

ちひろ「……」グイッ

P「あ"、ち"ひ"ろ"さ"ん"、く"び"か"」


ちひろ「藍子ちゃんを仮眠室に連れ込もうとした件についてスタドリ一年分どうぞ」

P「あっ、はい。後で振り込んでおきます」

ちひろ「で?」

P「仕事の合間に将棋をしたら?」

ちひろ「そんな頭脳戦できる余力あったんですかちょっと国防総省から機密パクッて売り飛ばして来てください」

P「確実に死にますよ!」

ちひろ「私はおうちに帰ります。何かあったら『教育』します」

P「大丈夫ですって。お疲れ様でした」


P「お待たせ」

藍子「それじゃあ……」

P「今日もけっこう限界だな……」

藍子「やっぱり……ん、ちょっと苦しいです」

藍子「あ、それくらいなら……」

藍子「あれ? もう寝ちゃったんですか?」

藍子「……ひゃ、耳元で話さないでください」

藍子「もう、もしかして寝言なんです――ふぁ、また」

藍子「ふう、やっと離れた……」

藍子「あっ、首も駄目ですってばっ」

藍子「ふ、ぐりぐりしないでくだ、ちょ、つよ――」


ちひろ「いや、普通に出勤して普通に帰れる日常って尊いものですね!」

ちひろ「おはようございます!」

P「おはようございます」

藍子「おはようございますっ」

ちひろ「あの、何してるんですか?」

P「また藍子に仕事を手伝ってもらってるんですよ」

ちひろ「膝の上で?」

P「膝の上で」

ちひろ「……藍子ちゃんも、よく両手使った上にあちこち動けるね」

藍子「もう慣れちゃいました」

ちひろ「あっ、はい」

P「マウス」

藍子「はいっ」

P「資料は?」

藍子「こっちですか?」

ちひろ「Pさんがキーボードから手を離さないでいられて効率は上がってるんだろうけど……」

ちひろ「もっとこう、根本的にですね……あれ……?」


P「どうかしましたか?」

ちひろ「いえ、なんでもありません。そういえば最近こんな感じでしたね。あはは」

藍子「無理はしないでくださいね?」

ちひろ「大丈夫です。よく考えたら私が早く帰る方が重要ですし」

ちひろ「とりあえずPさん、今日分のスタドリどうぞ」

P「いつもありがとうございます」

藍子「あ、蓋開けておきますね」

ちひろ「それじゃ、今日も定時目指して頑張るぞーあはは」


以上です。お付き合いいただきありがとうございました。

自分でも何がしたかったのかよくわかりませんが、とりあえず藍子法被が届いたことで振り切れたテンションが落ち着きました。

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