花陽「憧れるのはもう…やめる」 (82)

花陽「…」フゥ…

凛「かよちーん」

花陽「あ、凛ちゃん」

凛「部活決まった? ?今日までに決めるって言ってたよね」

花陽「あ、えっと、その…」

花陽「まだ……なの」

凛「えぇ?!? ?もういい加減決めないと、仮入部期間も終わっちゃうよ!?」

花陽「う、うん。分かってはいるんだけど…」

凛「……かよちん、もしかして」




凛「バスケ部に入りたい、とか?」

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花陽「!? そ、そんなこと…!」

凛「かよちんってば、本当に分かりやすいにゃー。嘘つく時いっつも指合わせるんだもん」

花陽「う、うぅ…」

凛「かよちん、昔からバスケ好きだったもんね。やっとバスケ部に入ってみる気になったなんて、凛は何だか嬉しいにゃ!…よーし」

がしっ

花陽「わっ、り、凛ちゃん!?」

凛「凛もついて行ってあげるから、さっそく入部させて下さいって言いに行こう!」

花陽「ちょ、ちょっと待って! 凛ちゃん!」

凛「もー、かよちんは往生際は悪いにゃー!」

花陽「そ、そうじゃなくて、あのね……」



花陽「バスケ部……廃部になっちゃったんだって」



凛「……えぇー」

黒バス?

>>3
のセリフを拝借しましたが多分あんまり関係ないです

花陽「部員数が部として必要な人数に足りてなかったんだって」

凛「バスケって五人でやるんだよね? じゃあ五人以下になったってことなの?」

花陽「そうみたい…」

凛「にゃー…」


凛「と、とにかくかよちん! バスケ部が無くなったのは残念かもだけど、部活は早く決めなきゃダメだよ!」

花陽「うん…分かってる」

花陽「…ちなみに凛ちゃんはどこに入るの?」

凛「凛? 凛は陸上部かなー」

花陽「陸上…」

凛「あ、よかったらかよちんも一緒に入らない?」

花陽「わ、私には陸上なんて無理だよ…」

凛「えー? でも、かよちん部活は…」

花陽「…もう少しだけ考えてみる。ごめんね」

凛「かよちん…」



ーー


花陽「……」とぼとぼ…

花陽「バスケ部、か…」

花陽(正直、入りたくないって言ったら嘘になる、くらいの気持ちだった。でも……)

花陽「廃部になっちゃったんだもん、仕方ないよね」

花陽「……仕方、ないんだよね」

花陽(はぁ…部活、どうすればいいんだろ…)




花陽「……ん?」


「や、やめなさいよ!」 「いいからさっさと出すもん出すにこ!」


花陽「あ、あれは……!」

真姫「お、お金なんて持ってないわよ!」

にこ「嘘ね。あんたからは金持ちの匂いがぷんぷんするにこ」くんくん

真姫「か、嗅がないでよ!///」

にこ「ほら、ちょっと飛んでみなさいよ。ぴょんぴょこぴょんぴょんって。さぁ、ほら、ほらぁ!」ピョンピョン

真姫「嫌ぁあぁ! 気持ち悪いー! こっち来ないでよぉ!」

にこ「にこっ、にこおおおおおお!」

真姫「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」




花陽(た、確か同じクラスの…西木野、さん? あのリボンの色……三年生の先輩に絡まれてる!)

花陽(ど、どうしよう…! 誰も周りにいないみたいだし…)

花陽(……うぅ、怖いけど…!)



ザッ……!



花陽「や、やめてあげて下さい!」

にこ「んん?」

真姫「あ、あなた……同じクラスの」

花陽「に、西木野さんが嫌がってます! や、やめてあげて…下さい…」

にこ「何よあんた。にこの邪魔するつもり?」

花陽「え、えっと…その…」

にこ「もしそのつもりなら…つねるわよ?」ギロッ

花陽「ひ、ひぃぃっ!」

真姫「や、やめなさいよ! その子は関係ないわ!」

にこ「だったらほら、さっさと出しなさい。そうすれば見逃してやるにこ」

真姫「くっ…」


「待ちなさい、にこ」


にこ「…ちっ、めんどくさいのが来たわね」

絵里「まったく、あなたは…」ハァ…

花陽「あ、せ、生徒会長…?」

絵里「あなた達、大丈夫?」

花陽「は、はい」

真姫「べ、別に怖くなんかなかったわよ!」グスン

絵里「…この場は私が収めておくから、今日はもう帰りなさい」



絵里「さてと…にこ?」

にこ「ふん。またしゃしゃり出て来たのね」

絵里「生徒会長としてあなたの素行を見逃す訳にはいかないからね」

にこ「はいはい。ご立派にこね」

絵里「…いい加減現実を見なさい。やさぐれていたって何も変わらないわよ」

にこ「にこが何しようがにこの勝手でしょ」スタスタ



絵里「……」フゥ…

希「にこっち、まだ踏ん切りがつかないみたいやね」

絵里「希」

希「ま、ウチらがちゃんと見守っておこうやん?」

絵里「…そうね」

真姫「……」テクテク

花陽「あ、あの…」

真姫「…なによ」

花陽「西木野さん、大丈夫?」

真姫「何がよ! 別に怖くなんかなかったって言ったでしょ!?」

花陽「わっ! ご、ごめん…」

真姫「……あ、ありがとう」

花陽「え?」

真姫「さ、さっき私を助けてくれようとしたじゃない。だから…ありがと」

花陽「!」


花陽「えへへ…どういたしまして」



――翌日


キーンコーンカーンコーン…



凛「授業全部終わったにゃぁぁぁぁぁああああ!」ガバッ

花陽「もう、授業はちゃんと聞かなきゃダメだよ凛ちゃん」

凛「えへへ、睡眠学習ってやつだよかよちん」

凛「…ところでかよちん! 部活のこと、もう少し考えてみるって言ってたけど、考えまとまった?」

花陽「う゛。…うん、もちろんだよ」イジイジ

凛(かよちん、また指合わせてるにゃ…)



凛「……う~ん。かよちん、バスケ以外で何か興味あるものないの?」

花陽「バスケ以外……」



花陽「…え~っと、バッシュとかかなぁ。あ、あとNBAの選手とか!」カヨーン

凛「……」




真姫(……バスケ?)

花陽「結局今日も部活決められなかった…」ズーン…

花陽「うぅ、このままじゃ帰宅部コースまっしぐらだよ」

花陽「かと言ってバスケ部以外で興味のある部活なんてないし…どうしよう…」

コロン…

花陽「!? あ、あわわわ…っとと!」

花陽「あ、危なかったぁ…何かにつまずいちゃっ…」チラッ

花陽「…これ、バスケットボール?」

花陽「なんでこんなところにボールが…」ヒョイ

花陽(うわ、すごく使い込まれてる。細かい傷がいっぱいだ…)

花陽「! あ……」



 人気のない校舎裏、今は使われていない古い倉庫の壁に、花陽が拾ったボールと遜色ないくらいに使い込まれた、それがあった。



花陽「バスケット、リング……」

花陽「リングとボール…それによくみたらこの辺の地面、全然草が生えてないや」

花陽「バスケ部の人が使ってたってことかなぁ」

花陽「……」ウズ…

花陽「ちょ、ちょっとだけ使うくらいならいいよね」ダム、ダム

花陽「えいっ!」シュッ


パスッ


花陽「くぅぅぅぅ~! ボールがリングに触れずにネットを通った時の音……やっぱりサイコー!」

花陽「も、もうちょっとだけならいいよね!」ダムダム

真姫「へぇ、結構キレイなフォームじゃない」

花陽「え? そ、そんなことないですよぉ」テレッ

花陽「…って、西木野さん!?」

真姫「意外だわ。こう言ったらなんだけど、あなたあんまり運動得意そうには見えないから」

花陽「よ、よく言われます。…西木野さんはどうしてここに?」

真姫「別に。退屈だったからここに寄っただけ」

真姫「昨日もここ使ってたらあの変な先輩に絡まれたのよね」

花陽「そうだったんだ…」

真姫「…ボール、ちょっと貸して」

花陽「え? う、うん」

真姫「……」ダムッ!

花陽「!!」

真姫「……!」ダダダッ

花陽(こ、これは……!)


 花陽が驚いたのも無理はなかった。
 西木野真姫の真剣な目つきと力強いドリブル。まっすぐにゴールへ向かうその姿はさながら獲物を狙う黒豹。
 様々なドライブを見てきた花陽の目を見張らせるに値するレベルのものだった。
 そして――


ボール「……」コロッ…


 真姫の手を離れ足元を転がるボールこそ、最も花陽を驚かせた。


真姫「しゅう!……あら? ボールが…」

花陽「……」

真姫「……」

花陽「……」プルプル

真姫「…笑いなさいよ」

花陽「…う、うぷぷ…」

真姫「笑うんじゃないわよー!!」

花陽「そ、そんな…ぷぷ…あははははは!」

真姫「もー!!」

花陽「あはは、笑いすぎてお腹が痛いや」

真姫「まったく、失礼ね」

花陽「でも西木野さんもバスケ好きだったんだね」

真姫「まあね。今は暇つぶしにやるくらいだけど」

花陽「バスケ部には入ろうと思わなかったの?」

真姫「家庭の事情ってやつよ。部活をやってる時間は私にはないの。…ていうかバスケ部は廃部になったって聞いたけど」

花陽「あ、あはは…そうなんだよね…」

真姫「……入りたかったのね、あなた」

花陽「え!? そ、そんなこと…」

真姫「さっきのシュート見ればあなたがどれくらいバスケ好きか、すぐに分かるわよ」

花陽「…私ね、子供の頃からずっとバスケが大好きだったんだ」

花陽「でもバスケ部に入る勇気が出なくて…いつも凛ちゃんに付き合ってもらって練習してたの。あ、凛ちゃんていうのは同じクラスの…」

真姫「ああ、あの子ね」

真姫「で、高校に入ってようやくバスケ部に入ろうと決心したわけね。……でもバスケ部はなくなってたと」

花陽「え、えっと…まだ入ろうって決めてた訳じゃ…」

真姫「入りたかったんでしょ?」ズィッ

花陽「に、西木野さん…ち、近いです…」

真姫「…」ジーッ

花陽「あぅぅ……」



花陽「は、入りたかった……です」

真姫「まったく。それなら最初から素直にそう言いなさいよね」

花陽「ご、ごめんなさい」

真姫「いいけど。…それで、どうするつもりなの?」

花陽「え、どうするって…?」

真姫「バスケ部は諦めて他の部に入るつもりなの?」

花陽「それは……その…」

真姫「私個人としてはやってみたい気持ちがあるならやってみた方がいいと思うわよ?」

花陽「でも…バスケ部はもう……」

真姫「……そうね。確かに廃部になってしまったけど」

真姫「それなら、バスケ部をもう一度作ってしまえばいいんじゃない?」



ーー


花陽「……」

凛「それでね、凛は言ってやったんだにゃ。『このラーメンは出来損ないにゃ。食べられないにゃ』ってね!」

花陽「……」ボーッ

凛「……もー、かよちん!!」ぷにっ

花陽「ひゃ!? り、凛ちゃん!?」

凛「さっきからずーっと上の空で、凛の話聞いてなかったでしょ!」

花陽「えっ!…そ、そんなことないよ」

凛「じゃあ凛がラーメン屋の店主に言ってやったセリフ言えるよね?」

花陽「う……」

凛「やっぱり…」

花陽「ご、ごめんね。ちょっと考え事してて」

凛「もう、凛といる時くらいはちゃんとお話聞いて欲しいにゃー」

花陽「うん、気をつけるよ」

凛「じゃあ話の続きにゃ。そのまま凛はーー」

花陽『ば、バスケ部をもう一度作る?』

真姫『そうよ。入りたくてもバスケ部が無いのなら、手段はそれしかないでしょ』

花陽『そう…だけど、私がバスケ部を作るなんて…』

真姫『生徒手帳にも部の新設は人数さえ揃えば可能って旨が書いてあるし、何とかなるわよ』

花陽『でも……』

真姫『…ま、そういう道もあるってことよ。私、そろそろ行くわね』

花陽『あ…う、うん』

真姫『一つだけ言っておくけど』



真姫『……後悔だけはしないようにね』






凛「ーーで、凛のアームロックが炸裂したってわけにゃ。ふふ、どう? かよちん。面白いでしょ?」

花陽「……」

凛「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ぷにぷにぷにぷにぷにっ!

花陽「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

花陽「ぷ、ぷにぷにしないでぇ~!」

凛「むー」ジトッ

花陽「うぅ…」

凛「…かよちん、悩み事があるなら凛に相談してほしいにゃ」

凛「ずーっと一緒にいるんだもん。かよちんが頼ってくれないのは何だか寂しいにゃ…」シュン…

花陽「凛ちゃん…」

花陽「その…実はね――」



凛「バスケ部を、作る?」

花陽「うん。西木野さんが手段はそれしかないって」

凛「あの西木野さんがバスケ好きだったなんて、意外だにゃ」

凛(あんまり運動得意そうに見えないし)

凛「それでかよちんは何を悩んでるの?」

花陽「うん…私一人でそんなこと出来るのかなって」

凛「かよちん……」

花陽「だから、その、無理なお願いだって分かってるんだけど…」


花陽「凛ちゃん、私と一緒に――」


凛「……ごめん、かよちん。かよちんのこと手伝ってあげたいけど…凛にはバスケは無理だよ」

花陽「……そうだよね。ごめんね、無理言っちゃって」

凛「ううん。凛も力になれなくて情けないにゃ」

花陽(……どうしよう)ハァ

凛「……」ムムム

凛「…かよちん、何かに悩んでる時は体を動かすのが一番にゃ」

花陽「え?」

凛「というわけで、いっくにゃー!」ダッ

花陽「り、凛ちゃん!? ちょっと待って―!」



――アキバ


花陽「はぁ…はぁ…あ…アキバ…?」

凛「そう! そしてここは――」

ダムッ!

凛「ストリートバスケ用のコートにゃ!」ビシッ

花陽「い、いつの間にボールまで…」

凛「さ、かよちん。丁度誰も使ってないみたいだし、一緒にバスケするにゃー」

花陽「体を動かすってこういうことだったんだね」

凛「うん! 久しぶりに1on1で勝負するにゃー」


凛「思いっきり体を動かせば、悩みなんて吹っ飛んじゃうにゃ!」ニコッ


花陽「凛ちゃん…」

花陽「……よーし、負けないよ!」

凛「凛だって!…あ、負けた方はラーメン奢りね。スタート!」ダムッ

花陽「ちょ、えぇっ!?」

凛「ほっ!」ダムッ

花陽「し、しまっ…」

凛「しゅー!」


パスッ


凛「いえい! まずは一本にゃー」

花陽「うぅ、ゆ、油断した」

凛「ふふーん、めんかたやさいましましにんにくあぶらからめ~♪」

花陽「な、何の歌なのそれ…」

花陽(それにしても凛ちゃん、やっぱり上手いなぁ。ドライブのキレもスピードもまさに一級品って感じ)

花陽(でも……)

花陽「よーし、次は私の番だよ」

凛「へへー、かもーんにゃ!」

花陽「…」キュッ

凛(右…止めるにゃ!)

キュッ!


凛「! 左!?」

花陽「それっ」シュッ


パスッ


花陽「えへへ、やったぁ。これで同点だね」

凛「かよちんずるいにゃー!」

花陽「ほええぇぇ!?」

凛「凛がフェイントにひっかかりやすいのを知っててそこを狙ってくるなんて…ずるいにゃー!」

花陽「ええ…でも、相手の弱点を突くのは勝負の鉄則というか…」

凛「むむむ…分かったにゃ。この勝負は長年の友情も関係なしのデスマッチってわけだね…」

花陽「そ、そんなこと言ってないよ!」

凛「問答無用にゃ! 凛の全力、見せてやるにゃぁぁああああ!」

花陽「何なのそのテンションー!?」


ワーワーギャーギャー!


「……」ジーッ

凛「はぁ…はぁ…さすがはかよちん。凛の癖を知りつくしてるにゃ…」

花陽「り、凛ちゃんもやっぱり上手いね……あっ」ポロッ


ボンッ、コロコロコロコロ…


花陽「ぼ…ボール取りこぼしちゃった」

凛「もう、気をつけなきゃダメだよかよちん」

花陽「ごめん、取ってくるね」タタッ


ひょい


花陽「あ…」

穂乃果「はい、どうぞ」

花陽「あ、ありがとうございます」

穂乃果「バスケ、好きなの?」

花陽「え? は、はい。好きです」

穂乃果「そっか」ニコッ

花陽「……?」

凛「かよちーん」タタッ

凛「…あれ、そっちの人は?」

花陽「えっと、ボール拾ってくれて…」

穂乃果「ただの通りすがりだよ。ね、それよりさ」

穂乃果「私も混ざっていいかな、バスケ」

――


穂乃果「じゃ、いっくよー」

花陽「は、はい」

凛「かよちん、頑張るにゃー。その人に負けたら凛にラーメン奢るにゃー」

花陽「やだよ!?」

穂乃果「ふふっ…」

花陽「!」


ダムッ…!


 花陽が見たものはドリブル一つ、ただそれだけである。
 しかし――


穂乃果「……」ゴォッ!

花陽「……!」ゾクッ…


 ただのそれだけで、花陽は相手の力量を痛感する。


花陽(この人……! つ…)


「穂乃果ぁぁぁぁぁぁああああ!」


花陽「ぴゃぁ!?」

凛「な、何!?」

穂乃果「…」アチャー…

海未「…」ニッコリ

海未「急にいなくなったと思ったら、こんなところでサボっていたんですねぇ」

穂乃果「あ、あははー。気分転換だって大事でしょ海未ちゃ…」

海未「…」ギロリ

穂乃果「大変申し訳ありませんでした」

海未「まったく。ほら、行きますよ。…うちの阿呆がご迷惑をおかけしました」ペコリ

穂乃果「あ、アホ!? 今アホって言った!? あだだだ、耳引っ張らないで~!……あ。またどこかで会おうね、バイバイ!」



シーン……


凛「……なんだったのかにゃ?」

花陽「さ、さぁ?」

穂乃果「う、海未ちゃん! そんなに引っ張らなくてももう逃げないって!」

海未「……ふぅ」パッ

海未「穂乃果、これで何度目かわかってます?」

穂乃果「さ、さぁ~?」

海未「ええ。私ももう数えるのをあきらめましたよ」

穂乃果「えぇ~…海未ちゃんが聞いてきたのに」

穂乃果「…それにしても」

海未「? なんですか?」


穂乃果「あの子達、楽しそうだったなぁ」


海未「……そうですね」

海未「さ、戻りましょう」

穂乃果「……うん」


――


バタッ


花陽「あぅぅ……もう足が動かないよぉ…」

凛「かよちん情けないにゃー。今日も凛の勝ちだね!」

花陽「凛ちゃんはなんでそんなに元気なの…」

凛「スポーツといったら凛! 凛といったらスポーツだにゃ! 約束通りラーメンおごってもらうからね!」

花陽「うぅ…今月ピンチなのに…」

凛「……ところでかよちん」

花陽「なに?」

凛「体動かしたら、どう? バスケ部どうするか、答え出た?」

花陽「……」

花陽「凛ちゃん。ラーメン屋さんに行く前に、ちょっと付き合って欲しい所があるんだけど、いいかな?」

凛「? うん、分かったにゃ」



――UTX高校

凛「んん? この学校に用事があるの?」

花陽「うん。この学校はね――」


キャーーーーーーーーーー!!!!


凛「うわわわっ!? な、なに!?」

花陽「! 凛ちゃん、こっちこっち!」

凛「ここ、体育館? でっかい体育館だねー……うわ、入口にすごい人だかりができてるにゃ」

凛「さっきの歓声はあそこからだったんだね。…あれ? かよちん?」



花陽「きゃぁぁぁぁああああああ!! ツバサさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

凛「うわぁぁぁあ!? いつの間にかあの中に混ざってるにゃ!」



グイグイグイグイ…
凛「うぐぐぐ…ちょっと通してください…。ぷはっ! もう、かよちん! 凛を置いてかないでほしいにゃ!」プンスカ

花陽「はっ! ご、ごめん凛ちゃん」

凛「それで、一体何を見て――」


ダムッ!


凛「! これは…」

ダムッ、ダムッ

部員A(……っ! ただドリブルしてるだけなのに、なんなのこのプレッシャーは…!)

ツバサ「…」ニコッ


ツバサ「行くわよ。今からドライブで右に突っ込んで、あなたを抜き去るわ」


部員A「なっ……」

ギュアッ!

部員A(!?)

部員A(早すぎる……! 宣言通りのコースなのに、反応すらできなかった…!)

ツバサ「…」ニッ


ツバサ「あんじゅ!」ピッ

あんじゅ「はいはい」パシッ

部員B(姫…なんて麗しい……でも、今日こそ止める!)キュッ

あんじゅ「張り切ってるわねぇ、あなたみたいな元気な子は好きだけど」

あんじゅ「――私、もうボール持ってないわよ♪」

部員B「い、いつの間に!?」

部員B(ああ、姫……やっぱり素敵!///)

あんじゅ「じゃ、あとはよろしくね~英玲奈」

英玲奈(黙ってプレーできないのかお前らは……)キュッ

部員C「とめたらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! らっしゃあああああああああああああああああ!!」

英玲奈「…」キーン…

部員C「今度こそ勝たせてもらいますよぉぉぉぉぉぉぉぉ!! エレナせんぱあああああああああああああい!!」

英玲奈「…」シュッ

パスッ

部員C「ぬあああああああああああああああああああああああ!?」

キャァァァァァァァァァ! エレナサマー! ヒメーー! ツバササーン!

凛「この高校のバスケ部か…すごい人気だね」

花陽「うん。UTX高校のバスケ部は部員数三ケタを超える超名門校で…今年優勝すれば全国大会三連覇達成なの」

凛「うへー…三連覇かぁ。よく分からないけどすごいのは伝わってくるにゃ」

花陽「中でもあの三人、綺羅ツバサさん、統堂英玲奈さん、優木あんじゅさんは飛びぬけてて…層の厚いUTX高校バスケ部で唯一二年生の時点でレギュラーになったの」

凛「ほえ~、じゃあこの人だかりは?」

花陽「うん、ファンクラブが出来るくらいの人気なんだ。ほら、ルックスもいいし」

凛「ふ~ん」

凛「……ん?」

花陽「? どうしたの凛ちゃん?」

凛「あれ……」スッ

ダムダム……



海未「ふーーーー……」

部員D(来なさい…二年のアバズレビッチにレギュラーを渡すもんですか…!)

海未「ラブアロー…」スッ

部員D(!? スリー!? ここ(ハーフライン)から!?)

海未「シュート!」ビッ



ゥゥゥゥゥゥ…バシュッ!




部員D(ありえない……そして何その寒気のする掛け声…!?)ゾッ…

海未「ふーーーーー…」

穂乃果「…」ポケー…

部員E(ワシだって…レギュラーになりたいでヤンス! こんなぼーっとした馬の骨に負けるわけにはいかないんじゃけん!)

穂乃果「んー…」ダムッ

部員E「もらったべ!」ビシッ

穂乃果「あ……」

部員E「と、とった! とったずらあああああああ! 見とるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! おっかぁぁぁぁぁ! おっとぉぉぉぉぉぉぉ!」

花陽「あ…! あれ、さっきの……!」

凛「やっぱりそうだよね。ここの高校のバスケ部だったんだ」

花陽(あれ、でも……あのサイドテールの人、私とやった時はもっと――)



「こらぁぁぁぁぁあぁ!」



凛・花陽「!?」

監督「貴様ら、ピーピーやかましいぞ! 練習の邪魔だ!」


キャーーーー! ナニヨコノオンナ! ジャマナノハソッチデショー!


監督「黙れぇぇぇい! 散れ、この小物どもが!」

凛「な、なんか怖そうな人がこっち来たよかよちん!」

花陽「鬼コーチで有名なUTXの監督さん……! に、逃げよう凛ちゃん!」



ダダダダダダダダダダ……!

ツバサ「今日もすごい数だったわね」

あんじゅ「ふふ。いやー、人気者って大変ね」

英玲奈「やれやれだ……」

監督「ようやく静かになったか……さて、穂乃果ちゃんよ」

穂乃果「はーい」

監督「やっとこさ練習に戻ってきたと思ったら、ずいぶんやる気がないようだな? 外周でも走るかね?」

ツバサ「あはは、監督。穂乃果に外周行かせたら百パーセントそのままどっかいっちゃいますよ」

あんじゅ「練習の時はともかく、試合で結果だしてることだし、いいんじゃないですかぁ?」

監督「ぐぬ…」

英玲奈「確かに、まだ海未の目の届くところに置いておく方が安心だ」

海未「すいません。よく言って聞かせますので……ちょっと、穂乃果?」ボソボソ

穂乃果「だってー…」

監督「まったく、君はUTXバスケ部の一員なのだ! 気合を入れて練習に臨め!」

穂乃果「……」ブスッ…

凛「ふーっ、焦ったにゃ」

花陽「あ、足がつっちゃうぅぅぅぅ…」ガクガク

凛「かよちん、あのバスケ部の練習が見たかったんだね」

花陽「…うん。憧れてたんだ。あんな風にプレーしてみたいなって」

凛「でも分かんないなぁ。それとバスケ部を作るかって話と、何の関係があるの?」

花陽「自分が憧れてる目標を、もう一度確認したくなったの」

凛「目標?」

花陽「私――バスケ部に入って、ああいうカッコいいプレーヤーになってみたいってずっと思ってて」

凛「うんうん」

花陽「同時に、自分には無理なんじゃないかって諦めてるところもあって、踏み出せなかった」

花陽「でも今日西木野さんに言われたんだ、後悔だけはしないようにねって……」

凛「……」

花陽「それから凛ちゃんと一緒にバスケして、改めて思ったの」




花陽「私、やっぱりバスケが好きなんだって」

花陽「凛ちゃん。私、もう見てるだけはやめる」



花陽「――作るよ、バスケ部」




凛「――そっか」ニコッ

今回はここまで。

ようやくスタートライン……

また書き溜めてきます。

結構重大な書き間違いしてたので訂正します

>>47
花陽「中でもあの三人、綺羅ツバサさん、統堂英玲奈さん、優木あんじゅさんは飛びぬけてて…層の厚いUTX高校バスケ部で唯一二年生の時点でレギュラーになったの」

花陽「中でもあの三人、綺羅ツバサさん、統堂英玲奈さん、優木あんじゅさんは飛びぬけてて…層の厚いUTX高校バスケ部で唯一一年生の時点でレギュラーになったの」



――翌週、生徒会室




絵里「ふぅ、こんなところかしら」

希「お疲れさん、えりち。お茶でも淹れようか?」

絵里「ありがと、頂くわ」


コポコポコポ…


絵里「…」ズズッ

絵里「うん、やっぱり日本茶ってハラショーね」

希「ロシアンティーもあるけど?」

絵里「むしろなんであるの…私は日本茶でいいわ」

希「じゃあウチが飲もうかな~」カチャカチャ

絵里「…ね、希」

希「んー?」

絵里「にこのことなんだけど」

希「……ん」

絵里「私達で何とかしてあげられないかしら。あのままでいいわけがないわ」

希「…ウチもそう思ってるけど」


希「ウチらがにこっちのためにしてあげられることなんて……もう…」


絵里「そう、よね」

絵里「……なんで、あんなことに」

希「……」



コンコン……



絵里「! はい、どうぞ」

花陽「し、失礼します」オズオズ…

絵里「一年生の子ね。生徒会室に何か用?」

絵里「…あら、あなた確かにこに絡まれてた子じゃない?」

希「お、本当やね」

花陽「あ……! その節はありがっ」

花陽「…あ、ありがとうございました///」

絵里「ふふ、どういたしまして」

希(つっかえて赤くなってる…可愛い子やなぁ)

絵里「それで、用事は何かしら?」

花陽「は、はい。えっと、その……」

希「うん」

花陽「…う、うぅ……」

絵里・希「?」



花陽「……やっぱりまた今度にします!!」ダッ



絵里・希「えっ!?」

ガチャ、パタン。ダダダダダダダダダダ!


絵里「な、なんだったのかしら?」

希「う~ん?」


ガシッ! ダレカタスケテー…ダダダダダダダダダダ…バーン!



凛・真姫「失礼します!」

花陽「あぅぅ…」プラーン

絵里「戻ってきた!?」

希「捕獲された宇宙人みたいになってるやん」

凛「もー、かよちん! バスケ部作るって決めたんでしょ!? 凛の前でカッコよく啖呵を切ったかよちんはどこに行ったにゃー!」

花陽「うぅ…」

真姫「やるって決めたんでしょ? それなら――」

凛「なんで西木野さんが凛とかよちんの話に入ってくるの!?」

真姫「わ、私だってこの子にアドバイスを送ったの! 様子が気になるのは当然でしょ!?」

凛「そんなの知ったこっちゃないにゃ!」シッシッ

真姫「…!」ムッカァァ

花陽「け、ケンカはやめてよ二人とも~!」




絵里「な、なんなのこれは…どういう状況なの?」オロオロ

希「お茶が美味しいわ~」ズズッ

絵里「呑気ね希…」



――


絵里「えー、要するに新しく部活を作りたいけど人数が足りないから…」

希「部員募集のポスターを作った。それを掲示板に貼る許可を貰いたいってわけやね」

真姫「まったくー、なんで逃げてきたのよ」

花陽「なんだか緊張しちゃって…」

凛「もー……かよちん、ポスター出して!」

花陽「う、うん」

花陽「これなんですけど…」

絵里「あら、可愛いイラストじゃない」

絵里(よ、余白が気になる…何故こんなにスペースが空いてるのかしら)ジッ

希「いいんやない?」

希(お米…? バスケ部員募集のポスターやんな?)ジッ

凛(かよちんはホントしょうがないにゃ~)ジーッ

真姫(文字の小ささにこの子の性格が表れてるわね)ジーッ


花陽「??」キョトン

絵里「…それにしても、なんでまたバスケ部なの?」

花陽「え?」

真姫「何か問題があるんですか?」

希「ううん。そういうわけやないんよ」

絵里「バスケ部が今年で廃部になったってことは知ってるでしょ?」

絵里「現二、三年生で新しく部活を始めようって人は少ないだろうし、あなた達も知っての通りうちの学校は一年生の数も少ないわ」

凛「たしかに…」

真姫「…部員を五人集めれば部の新設は可能なんですよね?」

希「本来はね。でも、去年廃部になった以上は、すぐに部として認めてもらうのは難しいんよ」

花陽「そう…なんですか」

絵里「部活の予算だって、無限にあるわけじゃないからね。最初は、同好会という形になるでしょうね」

絵里「そこから部員の生活態度や成績、部の実績などを見て、活動に問題がないようなら部活としての予算も降りると思うわ」

凛「なるほどー…」

真姫「結構めんどくさいのね」

絵里「なんにせよポスターを貼るのは大丈夫、認めるわ。ただ…」

絵里「私個人としては、あまりオススメはしない。…それでもやる?」


花陽「……」


花陽(私は――)



花陽『――作るよ、バスケ部』




凛・真姫「……」コクッ


花陽(……うん!)



花陽「はい、やります!」

まきりんぱな「失礼しました」ペコッ

希「はーい、頑張ってな~」



ガチャ…パタン



希「何だか面白い三人組やったね」

絵里「ええ」

希「ふふ、つい昔のこと思い出しちゃったなぁ」

絵里「あの子、本気だと思う?」

希「さぁ。少なくともウチには冗談言ってるようには見えなかったかな」

絵里(小泉花陽さん、ね……)

花陽「よいしょ、よいしょ…と」ペタペタ

花陽「ふぅ~、良かった。これで全部貼れた」

凛「これだけ沢山貼ればきっと皆興味持ってくれるにゃ!」

真姫「そうね」

花陽「二人共手伝ってくれてありがとう」ペコッ

凛「お安い御用にゃー」

真姫「わ、私は別にたまたま時間が余ってたから……」

花陽「えへへ、それでもだよ。本当にありがとう」ニコッ

真姫「ふ、ふん……///」

凛「…」ムッ

ツンツン

真姫「?」クルッ

プニッ

真姫「…」

凛「ぷぷぷ、引っかかったにゃ」ニヤリ


ダッ!


マチナサイヨ! ヤナコッタニャー!

花陽「うーん…仲良い、のかな?」

花陽「…とにかく。部員が沢山集まりますように…」ナムナム

花陽「さて、私も帰ろうかな」





――




ザッ……



にこ「……」



キュキュキュキュキュ~…



――次の日



花陽「……」ガッチガチ

真姫「ちょっと、なんでそんなにガチガチなのよ」

花陽「に、入部希望の人が来るかもしれないと思うと…うぅ、心臓が……」

真姫「あのね…昨日の今日なのよ? そんなにすぐ来るわけないでしょ」

花陽「そ、そうだよね…」

花陽「…」ショボン

真姫「ちょ…落ち込まないでよ!」アタフタ

真姫「だ、大丈夫よ! きっと今すぐ教室の扉が開いて――」


バーーーン!


凛「かよちん!」

花陽「ひゃぅ!? び、びっくりした…どうしたの凛ちゃん?」

凛「た、大変だにゃ!」

花陽「?」

凛「…って、なんで西木野さんがかよちんと一緒にいるの!?」

真姫「同じクラスだからに決まってるでしょうが!!」

ザワザワザワザワ…


花陽「これは……」


『バスケがしたいです……』

『天才ですから』

『湘北は負けんぞ――』

『ドリブルこそチビの生きる道なんだよ……!』

『何人たりとも俺の眠りを妨げる奴は許さん』




真姫「な、何よこれ! 余白の部分に某バスケ漫画の名言が延々と書き連ねてあるじゃない!」

凛「貼ったポスター全部こうなってたにゃ…いったい誰がこんなことしたにゃー!」ウニャー!

真姫「これじゃあ何のポスターかまるで分からないわ!」

花陽「…」スッ

ペリペリペリ…

花陽「きっと、バスケ好きな人が目立たせようとして書いてくれたんだよ」

凛「かよちん……」

花陽「今度はこれに負けないくらいおっきく書かなくちゃ!…二人共、また手伝ってもらってもいいかな?」

真姫「…ま、暇な時があったらね」クルクル

凛「……」

花陽「? あの、凛ちゃん?」

凛「…あ……うん! 凛ももちろん手伝うにゃー!」







にこ「……ふん」


――放課後


ダムッ


花陽「ほっ」シュッ



バスッ


花陽「よし…いい感じ」


花陽(ポスターのことは残念だったけど…いつまでも引きずってちゃダメだよね)

花陽(部員を集めるのはもちろん、バスケの練習もしっかりやっておかないと!)フンスッ

花陽(勝手に使うのは気が引けるけど…練習場所がない以上仕方ないよね)

花陽「よーし、やるぞー!」



ダムッダムッダムッ…!



にこ「…」ジーッ

にこ(ふぅん…ドリブルもシュートも平凡だけど、センスは感じるわね…)

にこ(……ま、にこには関係ないけど)



にこ「そこのあんた」




花陽「!? は、はいぃ!」

花陽(あっ……!? 前の恐そうな先輩…)

にこ「ここのゴールはね、元々にこ…この私が使ってたの」

花陽「えっ、そ、そうなんですか?」

にこ「そうよ。ったく、それをあんたもあの赤毛も好き勝手に……」

花陽「す…すいません」

花陽「!…あ、あの、先輩がここのゴールを使ってたってことは先輩もバスケが好きなんですか?」

にこ「あん??」ギロッ

花陽「は、はわぁっ!?」

にこ「何勘違いしてんのよ。バスケなんてもう大ッ嫌いよ」

花陽(……もう?)

にこ「それよりあんた」

花陽「は、はい!」

にこ「飛びなさい」

花陽「…はい?」

にこ「ここのゴール使いたきゃ使ってもいいわ。ただし……」


にこ「出すもん出せって話にこ」ニコッ


花陽(ええええええええええ!?)

にこ「ほらぁ! 飛ぶにこ! ぴょんぴょこぴょんって!」ニコォォォォ!

花陽「ひぃぃぃぃ! わ、私お金なんて持ってないですぅ!」

にこ「黙ってさっさと飛ぶにこ! 飛ぶにこぉぉおおおおお!!」

花陽「う、うぅぅぅ……」



ピョン…ピョン…

ポヨヨン…ポヨヨン…




にこ「…何飛んでんだこのやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

花陽「えぇえぇぇぇぇぇぇぇえぇええ!?」

にこ「……ちっ、もういいわ」

花陽(た、たすかった…)ホッ

にこ「その代わり――」



ダムッ…



にこ「1on1、付き合いなさいよ」



花陽「…えっ?」




にこ「にこに勝てたなら…ゴールの使用許可、与えてあげてもいいわよ」

続く!

ダムッ、ダムッ…



にこ「さーて。準備はいいわね?」

花陽「あ、あのぅ…」

にこ「なによ?」

花陽「いえ、相手がいなかったので1on1が出来るのはすごくありがたいんですけど…私が負けた場合は…?」

にこ「ふむ、そうね」

にこ「バスケ部を諦めなさい」

花陽「……え?」

にこ「じゃ、始めるわよ!!」ダンッ!

花陽「ええぇぇぇぇぇ!?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月11日 (水) 00:09:00   ID: 79O_bmn9

面白い

2 :  SS好きの774さん   2015年04月03日 (金) 01:51:17   ID: wBZ-rB-2

いいね

3 :  SS好きの774さん   2015年04月12日 (日) 23:12:47   ID: T8LAiGxu

続きまってます

4 :  SS好きの774さん   2015年06月03日 (水) 14:53:01   ID: wGF1uyfW

はよぅ

5 :  SS好きの774さん   2015年07月05日 (日) 14:04:00   ID: hizdBQhi

出すもん(続き)出せって話にこ ニコッ

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